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技術 修飾重鎖定常領域を含む抗体

出願人 ブリストル-マイヤーズスクイブカンパニー
発明者 アーロン・ピー・ヤムニウクアラン・ジェイ・コーマンマーク・ジェイ・セルビーブライアン・シー・バーンハートニルス・ロンバーグモハン・スリニバサンカーラ・エイ・ヘニングミシェル・ミンホア・ハンミン・レイリアン・シュヴァイツァーサンドラ・ブイ・ハッチャーアルビンド・ラジパル
出願日 2018年5月24日 (2年9ヶ月経過) 出願番号 2019-565005
公開日 2020年7月27日 (7ヶ月経過) 公開番号 2020-521751
状態 未査定
技術分野 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 化合物または医薬の治療活性 ペプチド又は蛋白質 微生物による化合物の製造 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 突然変異または遺伝子工学
主要キーワード 電荷プロファイル 二重バリア RP領域 強剛性 空白セル 電荷バリア LSデータ プレート被覆
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年7月27日)のものです。
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図面 (20)

課題・解決手段

ここに提供されるのは、非修飾形態の同じ抗体に比して抗体の生物的性質を増強させる重鎖定常領域(「修飾重鎖定常領域」と称する)またはその機能的に等価なフラグメントである。修飾重鎖定常領域の例は、IgGヒンジおよび3つの定常ドメイン(すなわち、CH1、CH2およびCH3ドメイン)を含み、ここで、定常領域ドメインの1以上が非IgG2アイソタイプ(例えば、IgG1、IgG3またはIgG4)のものである。重鎖定常領域は、野生型ヒトIgGドメイン配列または同配列のバリアントを含み得る。またここに提供されるのは、非IgG2ヒンジを含む抗体の、内在化アゴニズムおよびアンタゴニズムなどの、ある生物学的性質を増強する方法であって、抗体の非IgG2ヒンジをIgG2ヒンジで置き換えることを含む、方法である。

概要

背景

背景
抗体治療剤は、癌および免疫障害などの疾患の処置において、最速成長している領域の一つである。それにも関わらず、治療抗体による抗原の効率的ターゲティングは、医療において主要な課題のままである。それ故に、抗体工学は、医薬業界で主要な関心事となってきている。この状況から、抗体フラグメント抗体薬物コンジュゲート(ADC)、修飾エフェクター領域を有する抗体および二重特異性抗体などの多くの新規改変抗体出現している。

抗体は、多岐にわたる機構を介してその治療性能を展開している。抗体は、標的抗原を直接阻害または活性化し、そうして細胞シグナル伝達を制御する。抗体は、リガンド受容体への結合を阻害し得る。抗体はまた、例えば、感染または癌と戦うために対象の免疫系を活性化することにより、免疫応答を誘発または阻害し得る(例えば、T細胞活性化の共刺激因子として)。

さらに、細胞表面受容体/抗原の抗体介在内在化は、治療抗体の主要作用機序として認識されている。この場合、抗体は標的を細胞表面から除き、その細胞内在化誘発によりその機能発揮を排除する。実際、抗体治療剤の先駆例の一つは、乳癌処置用トラスツズマブである。トラスツズマブはErbB2受容体を標的とし、受容体/抗体内在化を誘発し、そうしてEGFRシグナル伝達を阻止する。しかしながら、抗体は、常に効率的内在化能を発揮するとは限らず、それゆえに改善された内在化機能有する抗体に対する継続するニーズがある。従って、既存の治療抗体の内在化を改善する方法が、高度に望まれている。

概要

ここに提供されるのは、非修飾形態の同じ抗体に比して抗体の生物的性質を増強させる重鎖定常領域(「修飾重鎖定常領域」と称する)またはその機能的に等価なフラグメントである。修飾重鎖定常領域の例は、IgGヒンジおよび3つの定常ドメイン(すなわち、CH1、CH2およびCH3ドメイン)を含み、ここで、定常領域ドメインの1以上が非IgG2アイソタイプ(例えば、IgG1、IgG3またはIgG4)のものである。重鎖定常領域は、野生型ヒトIgGドメイン配列または同配列のバリアントを含み得る。またここに提供されるのは、非IgG2ヒンジを含む抗体の、内在化、アゴニズムおよびアンタゴニズムなどの、ある生物学的性質を増強する方法であって、抗体の非IgG2ヒンジをIgG2ヒンジで置き換えることを含む、方法である。

目的

本発明は、非修飾形態の同じ抗体に比して抗体の生物学的性質を増強または修飾する、重鎖定常領域(「修飾重鎖定常領域」と称する)またはその機能的に等価なフラグメントを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

修飾重鎖定常領域を含む抗体であって、ここで、修飾重鎖定常領域はN末端からC末端順番でCH1ドメインヒンジ、CH2ドメインおよびCH3ドメインを含み、ここで、ヒンジはIgGアイソタイプのものであり、CH1、CH2またはCH3ドメインの少なくとも一つはIgG2アイソタイプのものではない、抗体。

請求項2

ヒンジが野生型ヒトIgG2ヒンジであるかまたは野生型ヒトIgG2ヒンジのアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の抗体。

請求項3

ヒンジがジスルフィド結合形成を減らす1以上の修飾を含む、請求項1または2に記載の抗体。

請求項4

ヒンジがアミノ酸置換C219Sを含む、請求項1〜3の何れかに記載の抗体。

請求項5

ヒンジが配列番号8、21〜23、126〜132または134〜147の何れかのアミノ酸配列またはCVEとCPPの間に挿入された1〜3アミノ酸を含む配列を含む、請求項1〜4の何れかに記載の抗体。

請求項6

CH1ドメインがIgG2CH1ドメインである、請求項1〜5の何れかに記載の抗体。

請求項7

CH1ドメインが野生型ヒトIgG2CH1ドメインであるかまたは野生型ヒトIgG2CH1ドメインのアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1〜6の何れかに記載の抗体。

請求項8

IgG2CH1ドメインがアミノ酸配列ASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTV(配列番号7)を含む、請求項1〜7の何れかに記載の抗体。

請求項9

CH2ドメインがIgG1CH2ドメインである、請求項1〜8の何れかに記載の抗体。

請求項10

CH2ドメインが野生型ヒトIgG1CH2ドメインであるかまたは野生型ヒトIgG1CH2ドメインのアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1〜9の何れかに記載の抗体。

請求項11

CH2ドメインがエフェクター機能を低減するかまたは排除する1以上の修飾を含む、請求項1〜10の何れかに記載の抗体。

請求項12

CH2ドメインがアミノ酸置換A330SおよびP331Sを含む、請求項1〜11の何れかに記載の抗体。

請求項13

CH2ドメインがアミノ酸配列PSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAK(配列番号4)を含む、請求項1〜12の何れかに記載の抗体。

請求項14

CH3ドメインがIgG1CH3ドメインである、請求項1〜13の何れかに記載の抗体。

請求項15

CH3ドメインが野生型ヒトIgG1CH3ドメインであるかまたは野生型ヒトIgG1CH3ドメインのアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1〜14の何れかに記載の抗体。

請求項16

CH3ドメインがアミノ酸配列GQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号5)を含む、請求項1〜15の何れかに記載の抗体。

請求項17

CH3ドメインがアミノ酸置換E356DおよびM358Lを含む、請求項1〜16の何れかに記載の抗体。

請求項18

IgG1ヒンジおよびCH1ドメインを含む同じ抗体に比して少なくとも一つの増強された性質または新規に導入された性質を有する、請求項1〜17の何れかに記載の抗体。

請求項19

抗体がアゴニスト活性、抗体介在受容体内在化、ADCC受容体介在シグナル伝達アンタゴニスト活性免疫調節活性および抗腫瘍活性から選択される少なくとも一つの増強された性質またはアゴニスト活性である新たに導入された性質を有する、請求項18に記載の抗体。

請求項20

N末端からC末端の順番でCH1ドメイン、ヒンジ、CH2ドメインおよびCH3ドメインを含む修飾重鎖定常領域を含む抗体であって、ここで、(a)CH1ドメインは配列番号7のアミノ酸配列または配列番号7と最大で5アミノ酸異なるかもしくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含み、ここで、C131、R133、E137、S138またはR217の少なくとも一つは置換または欠失されていない;(b)ヒンジは配列番号8、21〜23、126〜132または134〜147の何れかまたはCVEとCPPの間に挿入された1〜3アミノ酸を含むもしくは最大で5アミノ酸異なる配列を含み、ここで、ヒンジはC219およびC220両者に置換または欠失を含まない;(c)抗体はIgG1ヒンジおよびCH1ドメインを含む同じ抗体に比して少なくとも一つの増強された性質または新規導入された性質を有する;および(d)修飾重鎖定常領域は野生型IgG2定常領域またはC219Sおよび/またはC220Sを含むIgG2定常領域ではない、抗体。

請求項21

ヒンジがアミノ酸配列ERKXCVECPPCPAP(配列番号129)またはERKCXVECPPCPAP(配列番号130)を含み、ここで、Xはシステイン以外の任意のアミノ酸である、請求項20に記載の抗体。

請求項22

ヒンジがアミノ酸配列ERKSCVECPPCPAP(配列番号131)またはERKCSVECPPCPAP(配列番号132)を含む、請求項21に記載の抗体。

請求項23

P233、V234、A235またはG237の少なくとも一つが欠失しているかまたは他のアミノ酸残基で置換されている、請求項20〜22の何れかに記載の抗体。

請求項24

P233、V234、A235およびG237が欠失されるかまたは他のアミノ酸残基で置換されている、請求項23に記載の抗体。

請求項25

アミノ酸残基R133、E137、S138およびR217の何れも置換または欠失されていない、請求項20〜24の何れかに記載の抗体。

請求項26

アミノ酸残基C131、R133、E137、S138およびR217の何れも置換または欠失されていない、請求項24に記載の抗体。

請求項27

N192が他のアミノ酸で置換されている、請求項20〜26の何れかに記載の抗体。

請求項28

F193が他のアミノ酸で置換されている、請求項20〜27の何れかに記載の抗体。

請求項29

抗体が野生型IgG1のものと少なくとも95%同一であるCH2ドメインを含む、請求項20〜28の何れかに記載の抗体。

請求項30

抗体が野生型IgG1のものと少なくとも95%同一であるCH3ドメインを含む、請求項20〜29の何れかに記載の抗体。

請求項31

CH2および/またはCH3ドメインが野生型IgG1CH2および/またはCH3ドメインではなく、抗体が野生型IgG1のものより強力であるエフェクター機能を有する、請求項28〜30の何れかに記載の抗体。

請求項32

CH2および/またはCH3ドメインが野生型IgG1CH2および/またはCH3ドメインではなく、抗体が野生型IgG1のものより強力ではないエフェクター機能を有する、請求項28〜30の何れかに記載の抗体。

請求項33

抗体が野生型IgG4のものと少なくとも95%同一であるCH2ドメインを含む、請求項20〜32の何れかに記載の抗体。

請求項34

抗体が野生型IgG4のものと少なくとも95%同一であるCH3ドメインを含む、請求項20〜33の何れかに記載の抗体。

請求項35

抗体がアゴニスト活性、抗体介在受容体内在化、ADCC、受容体介在シグナル伝達、アンタゴニスト活性、免疫調節活性または抗腫瘍活性から選択される少なくとも一つの増強された性質またはアゴニスト活性である新たに導入された性質を有する、請求項20〜34の何れかに記載の抗体。

請求項36

(a)CH1ドメインが野生型ヒトIgG2CH1ドメインである;(b)ヒンジは配列番号8、21〜23、126〜132または134〜147の何れかの配列番号またはCVEとCPPの間に挿入された1〜3アミノ酸を含む配列を含む;(c)CH2ドメインは野生型ヒトIgG1CH2ドメインまたは抗体に増強されたかまたは低減されたエフェクター機能を付与する修飾CH2ドメインである;および(d)CH3ドメインは野生型ヒトIgG1CH3ドメインまたは抗体に増強されたかまたは低減されたエフェクター機能を付与する修飾CH3ドメインである、請求項35に記載の抗体。

請求項37

配列番号26〜37、54〜56、78〜125、152〜232、234〜245および247〜262の何れかに示すアミノ酸配列または配列番号26〜37、54〜56、78〜125、152〜232、234〜245および247〜262と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1〜36の何れかに記載の抗体。

請求項38

修飾重鎖定常領域を含む抗体であって、ここで、重鎖定常領域は配列または配列番号133と最大で10アミノ酸異なるかもしくは配列番号133と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むCH1ドメインおよびヒンジを含み、ここで、C131、R133、E137、S138およびR217の少なくとも一つは他のアミノ酸で置換されていないかまたは欠失されていない;C219およびC220は他の1個のアミノ酸で置換されても欠失されてもよいが、C219およびC220は両者とも置換または欠失されていない;1〜3アミノ酸がヒンジのCVEとCPPの間に挿入され得る;ヒンジは、所望によりC末端に付加的アミノ酸、例えば、Gを含む;アミノ酸P233、V234、A235およびG237の1以上は他のアミノ酸(例えば、IgG1からの対応するアミノ酸)で置換されていても、欠失されていてもよい;CH2およびCH3ドメインは野生型または修飾IgG1、IgG2、IgG3もしくはIgG4のCH2およびCH3ドメインであってもよい;修飾重鎖定常領域は野生型IgG2重鎖定常領域またはC219SまたはC220Sを有する野生型IgG2重定常ドメインではない;そしてIgG1ヒンジおよびCH1ドメインを含む同じ抗体に比して少なくとも一つの増強された性質または新規に導入された性質を有する、抗体。

請求項39

抗体がアゴニスト活性、抗体介在受容体内在化、ADCC、受容体介在シグナル伝達、アンタゴニスト活性、免疫調節活性または抗腫瘍活性から選択される少なくとも一つの増強された性質またはアゴニスト活性である新たに導入された性質を有する、請求項38に記載の抗体。

請求項40

アミノ酸C131;R133;E137;S138;R217の何れも他のアミノ酸で置換または欠失されていない、請求項38または39に記載の抗体。

請求項41

N192および/またはF193が置換されないか、またはそれぞれN192Sおよび/またはF193Fである、請求項38〜40の何れかに記載の抗体。

請求項42

C219がC219Sである、請求項38〜41の何れかに記載の抗体。

請求項43

C220がC220Sである、請求項38〜41の何れかに記載の抗体。

請求項44

P233〜G237が置換または欠失されている、請求項38〜43の何れかに記載の抗体。

請求項45

V234〜G237が置換または欠失されている、請求項38〜43の何れかに記載の抗体。

請求項46

A235〜G237が置換または欠失されている、請求項38〜43の何れかに記載の抗体。

請求項47

G237が置換または欠失されている、請求項38〜43の何れかに記載の抗体。

請求項48

P233が置換または欠失されている、請求項38〜43の何れかに記載の抗体。

請求項49

P233〜V234が置換または欠失されている、請求項38〜43の何れかに記載の抗体。

請求項50

P233〜A235が置換または欠失されている、請求項38〜43の何れかに記載の抗体。

請求項51

抗体がエフェクター機能を有する、請求項38〜50の何れかに記載の抗体。

請求項52

抗体がエフェクター機能を有しない、請求項38〜50の何れかに記載の抗体。

請求項53

抗体が野生型または修飾IgG1CH2ドメインを含む、請求項38〜52の何れかに記載の抗体。

請求項54

抗体が野生型または修飾IgG1CH3ドメインを含む、請求項38〜52の何れかに記載の抗体。

請求項55

修飾重鎖定常領域を含む抗体であって、ここで、重鎖定常領域は配列または配列番号7と最大で10アミノ酸異なるもしくは配列番号7と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むCH1ドメインを含み、ここで、C131、R133、E137、S138およびR217の少なくとも一つは置換または欠失されていない;修飾重鎖定常領域は野生型IgG2重鎖定常領域またはC219SまたはC220Sを有する野生型IgG2重定常ドメインではない;そしてIgG1ヒンジおよびCH1ドメインを含む同じ抗体に比して少なくとも一つの増強された性質または新規に導入された性質を有するものである、抗体。

請求項56

抗体がアゴニスト活性、抗体介在受容体内在化、ADCC、受容体介在シグナル伝達、アンタゴニスト活性、免疫調節活性または抗腫瘍活性から選択される少なくとも一つの増強された性質またはアゴニスト活性である新たに導入された性質を有する、請求項55に記載の抗体。

請求項57

アミノ酸C131;R133;E137およびS138の何れも他のアミノ酸で置換されるかまたは欠失されていない、請求項55または56に記載の抗体。

請求項58

N192および/またはF193は置換されないか、またはそれぞれN192および/またはF193である、請求項55〜57の何れかに記載の抗体。

請求項59

抗体がエフェクター機能を有する、請求項55〜58の何れかに記載の抗体。

請求項60

抗体がエフェクター機能を有しない、請求項55〜58の何れかに記載の抗体。

請求項61

抗体が野生型または修飾IgG1CH2ドメインを含む、請求項55〜60の何れかに記載の抗体。

請求項62

抗体が野生型または修飾IgG1CH3ドメインを含む、請求項55〜61の何れかに記載の抗体。

請求項63

修飾重鎖定常領域を含む抗体であって、ここで、重鎖定常領域が配列または配列番号8と最大で5アミノ酸異なるアミノ酸配列を含むヒンジを含み、ここで、C219およびC220は他の1個のアミノ酸で置換されていても欠失されていてもよいが、C219およびC220は両者とも置換または欠失されていない;アミノ酸P233、V234、A235およびG237の1以上は置換または欠失されていてよい;1〜3アミノ酸がヒンジのCVEとCPPの間に挿入されていてよい;ヒンジは、所望によりC末端に付加的アミノ酸、例えば、Gを含む;CH2およびCH3ドメインは野生型または修飾IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4CH2およびCH3ドメインであってよい;修飾重鎖定常領域は野生型IgG2重鎖定常領域またはC219SまたはC220Sを有する野生型IgG2重定常ドメインではない;そしてIgG1ヒンジおよびCH1ドメインを含む同じ抗体に比して少なくとも一つの増強された性質または新規に導入された性質を有するものである、抗体。

請求項64

抗体がアゴニスト活性、抗体介在受容体内在化、ADCC、受容体介在シグナル伝達、アンタゴニスト活性、免疫調節活性または抗腫瘍活性から選択される少なくとも一つの増強された性質またはアゴニスト活性である新たに導入された性質を有する、請求項63に記載の抗体。

請求項65

C219がC219Sである、請求項63〜64の何れかに記載の抗体。

請求項66

C220がC220Sである、請求項63〜64の何れかに記載の抗体。

請求項67

P233〜G237が変異または欠失されている、請求項63〜66の何れかに記載の抗体。

請求項68

V234−G237が変異または欠失されている、請求項63〜66の何れかに記載の抗体。

請求項69

A235〜G237が変異または欠失されている、請求項63〜66の何れかに記載の抗体。

請求項70

G237が変異または欠失されている、請求項63〜66の何れかに記載の抗体。

請求項71

P233が変異または欠失されている、請求項63〜66の何れかに記載の抗体。

請求項72

P233〜V234が変異または欠失されている、請求項63〜66の何れかに記載の抗体。

請求項73

P233〜A235が変異または欠失されている、請求項63〜66の何れかに記載の抗体。

請求項74

抗体がエフェクター機能を有する、請求項63〜73の何れかに記載の抗体。

請求項75

抗体がエフェクター機能を有しない、請求項63〜73の何れかに記載の抗体。

請求項76

抗体が野生型または修飾IgG1CH2ドメインを含む、請求項63〜75の何れかに記載の抗体。

請求項77

抗体が野生型または修飾IgG1CH3ドメインを含む、請求項63〜76の何れかに記載の抗体。

請求項78

修飾重鎖定常領域を含む抗体であって、ここで、重鎖定常領域はIgG1またはIgG2ヒンジを含み、かつヒンジは1〜7アミノ酸を欠き、抗体はIgG1ヒンジおよびCH1ドメインを含む同じ抗体に比して少なくとも一つの増強された性質または新規導入された性質を有する、抗体。

請求項79

抗体がアゴニスト活性、抗体介在受容体内在化、ADCC、受容体介在シグナル伝達、アンタゴニスト活性、免疫調節活性または抗腫瘍活性から選択される少なくとも一つの増強された性質またはアゴニスト活性である新たに導入された性質を有する、請求項78に記載の抗体。

請求項80

ヒンジが1〜4アミノ酸欠くIgG2ヒンジである、請求項78または79に記載の抗体。

請求項81

IgG2ヒンジがアミノ酸C219、C220、V222およびE224を欠く、請求項80に記載の抗体。

請求項82

ヒンジがアミノ酸219、C220、D221、K222、T223、H224およびT225を欠くIgG1ヒンジである、請求項78または79に記載の抗体。

請求項83

抗体が野生型または修飾されたIgG2CH1ドメインを含む、請求項78〜82の何れかに記載の抗体。

請求項84

抗体が野生型または修飾されたIgG1CH1ドメインを含む、請求項78〜82の何れかに記載の抗体。

請求項85

抗体がIgG2CH2ドメインを含む、請求項78〜84の何れかに記載の抗体。

請求項86

抗体がIgG1CH2ドメインを含む、請求項78〜84の何れかに記載の抗体。

請求項87

抗体がIgG2CH3ドメインを含む、請求項78〜86の何れかに記載の抗体。

請求項88

抗体がIgG1CH3ドメインを含む、請求項78〜86の何れかに記載の抗体。

請求項89

ヒトまたはヒト化抗体またはその抗原結合部分である、請求項1〜88の何れかに記載の抗体。

請求項90

抗体が免疫制御関与する抗原と特異的に結合する、請求項1〜89の何れかに記載の抗体。

請求項91

抗体が共刺激受容体のアゴニストまたは阻害受容体のアンタゴニストである、請求項90に記載の抗体。

請求項92

共刺激受容体がB7−1、B7−2、CD28、4−1BB、GITR、OX40、ICOS、CD70、CD27、CD40、DR3またはCD28Hからなる群から選択される、請求項91に記載の抗体。

請求項93

阻害受容体がCTLA−4、PD−1、PD−L1、PD−L2、LAG−3、TIM−3、ガレクチン9、CEACAM−1、BTLA、CD69、ガレクチン−1、TIGIT、CD113、GPR56、VISTA、2B4、CD48、GARP、PD1H、LAIR1、TIM−1およびTIM−4からなる群から選択される、請求項91に記載の抗体。

請求項94

抗原がCD73またはCD39である、請求項90に記載の抗体。

請求項95

共刺激受容体に特異的に結合し、配列番号26〜37、54〜56、78〜125、152〜232、234〜245および247〜262からなる群から選択される修飾重鎖定常領域を含む、抗体。

請求項96

共刺激受容体がGITR、OX40、4−1BB、CD28、ICOS、CD40L、CD27または任意の他のTNFRスーパーファミリーメンバーである、請求項95に記載の抗体。

請求項97

同じ可変領域および軽鎖を有し、IgG1重鎖定常領域を含む抗体に比して、増強または改変されたアゴニスト活性を示す抗体である、請求項95または96に記載の抗体。

請求項98

細胞表面分子に特異的に結合し、細胞表面分子の抗体介在内在化を誘発し、配列番号26〜37、54〜56、78〜125、152〜232、234〜245および247〜262からなる群から選択される修飾重鎖定常領域を含む、抗体。

請求項99

細胞表面分子がCD73である、請求項98に記載の抗体。

請求項100

同じ可変領域および軽鎖を有し、IgG1重鎖定常領域を含む抗体に比して、増強または改変された内在化性質を有する抗体である、請求項98または99に記載の抗体。

請求項101

阻害受容体に特異的に結合し、配列番号26〜37、54〜56、78〜125、152〜232、234〜245および247〜262からなる群から選択される修飾重鎖定常領域を含む、抗体。

請求項102

阻害受容体がCTLA−4、PD−1、LAG−3、TIM−3、ガレクチン9、CEACAM−1、BTLA、CD69、ガレクチン−1、TIGIT、CD113、GPR56、VISTA、2B4、CD48、GARP、PD1H、LAIR1、TIM−1およびTIM−4である、請求項101に記載の抗体。

請求項103

IgG1重鎖定常領域を有する同じ抗体に比して、より強力なまたは改変されたアンタゴニスト活性を示すか、または新規活性が導入されている抗体である、請求項101または102に記載の抗体。

請求項104

細胞表面分子に特異的に結合し、細胞内シグナル伝達を誘発する抗体であって、配列番号26〜37、54〜56、78〜125、152〜232、234〜245および247〜262からなる群から選択される修飾重鎖定常領域を含む、抗体。

請求項105

細胞内シグナル伝達がアゴニスト活性、アンタゴニスト活性、細胞表面分子の内在化またはADCCに介在する、請求項104に記載の抗体。

請求項106

同じ可変領域および軽鎖を有し、IgG1重鎖定常領域を含む抗体に比して、より強力な細胞内シグナル伝達を誘発する抗体である、請求項104または105に記載の抗体。

請求項107

細胞表面分子に特異的に結合し、高分子量体細胞表面分子複合体の形成を誘発する抗体であって、配列番号26〜37、54〜56、78〜125、152〜232、234〜245および247〜262からなる群から選択される修飾重鎖定常領域を含む、抗体。

請求項108

同じ可変領域および軽鎖を有し、IgG1重鎖定常領域を含む抗体に比し、より高分子量の複合体の形成を誘発する抗体である、請求項107に記載の抗体。

請求項109

細胞表面分子に特異的に結合し、細胞表面分子のクラスター形成またはオリゴマー化を誘発する抗体であって、配列番号26〜37、54〜56、78〜125、152〜232、234〜245および247〜262からなる群から選択される修飾重鎖定常領域を含む、抗体。

請求項110

同じ可変領域および軽鎖を有し、IgG1重鎖定常領域を含む抗体に比して、より多くの細胞表面分子のクラスター形成またはオリゴマー化を誘発する抗体である、請求項109に記載の抗体。

請求項111

第二結合特異性を有する分子と結合した請求項1〜110の何れかの何れかに記載の抗体を含む、抗体。

請求項112

第二剤に結合した請求項1〜111の何れかの何れかに記載の抗体を含む、免疫複合体

請求項113

請求項1〜112の何れかに記載の抗体、二重特異性または免疫複合体および担体を含む、組成物

請求項114

1以上の付加的治療剤をさらに含む、請求項44に記載の組成物。

請求項115

付加的治療剤が免疫系を刺激する、請求項45に記載の組成物。

請求項116

治療剤がチェックポイント阻害因子のアンタゴニストまたは共刺激受容体である、請求項46に記載の組成物。

請求項117

N末端からC末端の順番でCH1ドメイン、ヒンジ、CH2ドメインおよびCH3ドメインを含む、修飾重鎖定常領域を含む抗体を製造する方法であって、(a)ヒンジおよび/またはIgG2ヒンジではないCH1ドメインおよび/またはIgG2CH1ドメインを含む抗体を準備し;(b)該ヒンジおよび/または該CH1ドメインをIgG2ヒンジおよび/またはIgG2CH1ドメインでそれぞれ置き換える工程を含む、方法。

請求項118

細胞による抗体の内在化を増加する方法であって、(a)ヒンジおよび/またはIgG2ヒンジではないCH1ドメインおよび/またはIgG2CH1ドメインを含む抗体を準備し;(b)該ヒンジおよび/または該CH1ドメインをIgG2ヒンジおよび/またはIgG2CH1ドメインでそれぞれ置き換えることを含む、方法。

請求項119

抗体の内在化が、非IgG2アイソタイプのヒンジを含む同じ抗体、例えば、IgG1定常領域を含む抗体の内在化と比較して増加している、請求項118に記載の方法。

請求項120

抗体のアゴニスト活性を増加する方法であって、(a)ヒンジおよび/またはIgG2ヒンジではないCH1ドメインおよび/またはIgG2CH1ドメインを含む抗体を準備し;(b)該ヒンジおよび/または該CH1ドメインをIgG2ヒンジおよび/またはIgG2CH1ドメインでそれぞれ置き換えることを含む、方法。

請求項121

アゴニスト活性が非IgG2アイソタイプのヒンジを含む同じ抗体、例えば、IgG1定常領域を含む抗体のアゴニスト活性と比較して増加している、請求項120に記載の方法。

請求項122

IgG2ヒンジが野生型ヒトIgG2ヒンジであるかまたは野生型ヒトIgG2ヒンジのアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項117〜121の何れかに記載の方法。

請求項123

CH1、CH2またはCH3ドメインの少なくとも一つを、それぞれ異なるアイソタイプのCH1、CH2またはCH3ドメインと置き換える工程を含む、請求項117〜122の何れかに記載の方法。

請求項124

(a)CH1ドメインをIgG2CH1ドメインで置き換える;(b)CH2ドメインをIgG1CH2ドメインで置き換える;および/または(c)CH3ドメインをIgG1CH3ドメインで置き換える工程を含む、請求項117〜123の何れかに記載の方法。

請求項125

(a)CH1ドメインを野生型ヒトIgG2CH1ドメインまたはそれと少なくとも95%同一のドメインで置き換える;(b)CH2ドメインを野生型ヒトIgG1CH2ドメインまたはそれと少なくとも95%同一のドメインで置き換える;および/または(c)CH3ドメインを野生型ヒトIgG1CH3ドメインまたはそれと少なくとも95%同一のドメインで置き換える工程を含む、請求項117〜124の何れかに記載の方法。

請求項126

重鎖定常領域を配列番号26〜37、54〜56、78〜125、152〜232、234〜245および247〜262の何れかまたは配列番号26〜37、54〜56、78〜125、152〜232、234〜245および247〜262と少なくとも95%同一の領域を含む重鎖定常領域で置き換える工程を含む、請求項117〜125の何れかに記載の方法。

請求項127

ヒンジがジスルフィド結合形成低減のために修飾される、請求項117〜126の何れかに記載の方法。

請求項128

ヒンジがアミノ酸置換C219Sを含む、請求項117〜127の何れかに記載の方法。

請求項129

ヒンジが配列番号8、21〜23、126〜132または134〜147の何れかに示すアミノ酸配列またはCVEとCPPの間に挿入された1〜3アミノ酸を含む配列を含む、請求項請求項117〜128の何れかに記載の方法。

請求項130

CH1ドメインがアミノ酸配列ASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTV(配列番号7)を含む、請求項117〜129の何れかに記載の方法。

請求項131

CH2ドメインがエフェクター機能を低減または排除するために修飾される、請求項117〜130の何れかに記載の方法。

請求項132

CH2ドメインがアミノ酸置換A330SおよびP331Sを含む、請求項117〜131の何れかに記載の方法。

請求項133

CH2ドメインがアミノ酸配列PSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAK(配列番号4)を含む、請求項117〜132の何れかに記載の方法。

請求項134

CH2ドメインがアミノ酸置換A330SおよびP331Sを含む、請求項117〜133の何れかに記載の方法。

請求項135

CH3ドメインがアミノ酸配列GQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号5)を含む、請求項117〜134の何れかに記載の方法。

請求項136

請求項117〜135の何れかに記載の方法により製造された、抗体またはその抗原結合部分。

請求項137

ヒトまたはヒト化抗体である、請求項136に記載の抗体またはその抗原結合部分。

請求項138

請求項1〜137の何れかに記載の抗体またはその抗原結合部分を投与することを含む、対象を処置する方法。

請求項139

1以上の付加的治療剤を投与する過程をさらに含む、請求項138に記載の方法。

請求項140

治療剤が免疫系を刺激する、請求項139に記載の方法。

請求項141

治療剤がチェックポイント阻害因子または共刺激分子である、請求項140に記載の方法。

請求項142

請求項1〜141の何れかに記載の組成物、二重特異性分子または免疫複合体を投与することを含む、対象を処置する方法。

請求項143

ヒトIgG重鎖定常ドメインを含む修飾重鎖定常ドメインを含む抗体(またはその抗原結合フラグメント)であって、ここで、238位のアミノ酸はPではなく、修飾重鎖定常ドメインは、238位のアミノ酸がプロリンである同じIgG重鎖定常ドメインに比して低減されたエフェクター機能を有する、抗体。

請求項144

IgG重鎖定常ドメインがヒトIgG1重鎖定常ドメインである、請求項143に記載の抗体。

請求項145

238位のアミノ酸がKである、請求項143または144に記載の抗体。

請求項146

P238がPではなく(またはPでもSでもなく)、例えば、P238Kであり、ここで、修飾重鎖定常領域が配列番号198と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項143〜145の何れかに記載の抗体。

請求項147

P238がPではなく(またはPでもSでもなく)、例えば、P238Kであり、ここで、修飾重鎖定常領域が配列番号198と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項146に記載の抗体。

請求項148

P238がPではなく(またはPでもSでもなく)、例えば、P238Kであり、ここで、修飾重鎖定常領域が配列番号198と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項147に記載の抗体。

請求項149

修飾重鎖定常領域が米国特許5,637,481(その内容を引用により明示的に本明細書に包含させる)に開示の非P238アミノ酸修飾の1以上、例えば、C220S、C226SおよびC229Sを含まない、請求項143〜148の何れかに記載の抗体。

請求項150

修飾重鎖定常領域が配列番号198からなるアミノ酸配列を含む、請求項143〜149の何れかに記載の抗体。

請求項151

抗体が修飾重鎖定常領域に結合した抗体の抗原結合フラグメント(例えば、DabまたはscFv)である、請求項143〜150の何れかに記載の抗体。

請求項152

抗体が修飾重鎖定常ドメインに結合した重鎖可変ドメインおよび軽鎖定常ドメインに結合した軽鎖可変ドメインを含む、請求項143〜150の何れかに記載の抗体。

請求項153

抗体が完全長抗体である(重鎖および軽鎖がそれぞれ完全長重鎖および軽鎖である)、請求項143〜152の何れかに記載の抗体。

請求項154

修飾重鎖定常ドメインがエフェクター機能を低減する1以上の他の変異を含まない、請求項143〜153の何れかに記載の抗体。

請求項155

修飾重鎖定常ドメインがエフェクター機能を低減するここに開示する1以上の他の変異を含まない、請求項154に記載の抗体。

請求項156

修飾重鎖定常ドメインがエフェクター機能を低減する1〜3の他の変異を含む、請求項143〜153の何れかに記載の抗体。

請求項157

修飾重鎖定常ドメインがエフェクター機能を低減するここに開示する1〜3の他の変異を含む、請求項156に記載の抗体。

請求項158

抗体のエフェクター機能がIgG2抗体のものとほぼ同じである、請求項143〜157の何れかに記載の抗体。

請求項159

抗体が野生型IgG1を有する抗体に比して低親和性FcγRに低い結合親和性を有する、請求項143〜158の何れかに記載の抗体。

請求項160

抗体が低親和性FcγRに検出可能な結合を有しない、請求項159に記載の抗体。

請求項161

低親和性FcγRがhCD32a−H131、hCD32a−R131、hCD32b、hCD16a−V158およびhCD16b−NA2である、請求項159または160に記載の抗体。

請求項162

抗体が低親和性FcγRhCD32a−H131、hCD32a−R131、hCD32b、hCD16a−V158またはhCD16b−NA2に対して検出可能な結合を有しない(例えば、10μM抗体濃度で)、請求項161に記載の抗体。

請求項163

抗体が高親和性FcgRCD64(hFcgRI)に野生型IgG1定常領域を有する抗体に比して速い切断速度(解離速度)で結合する、請求項143〜162の何れかに記載の抗体。

請求項164

抗体が低親和性FcγRhCD32a−H131、hCD32a−R131、hCD32b、hCD16a−V158またはhCD16b−NA2に対して検出可能な結合を有さず(例えば、10μM抗体濃度で)、野生型定常領域を有する抗体に比して速い切断速度(解離速度)で結合する、請求項143〜163の何れかに記載の抗体。

請求項165

FcγRへの結合親和性および切断速度がBiacoreにより決定される、請求項159〜164の何れかに記載の抗体。

請求項166

抗体が野生型IgG1定常領域を有する抗体に比して優れた熱安定性を有する、請求項143〜165の何れかに記載の抗体。

請求項167

抗体が野生型IgG1定常領域を有する抗体に比して低減された不均質性を有する、請求項143〜166の何れかに記載の抗体。

請求項168

変異L234A、L235EおよびG337Aを含むが、エフェクター機能を低減させるA330および/またはP331での変異を含まない(例えば、A330Sおよび/またはP331Sを含まない)重鎖定常領域を含む抗体であって、これらの変異がない同じ抗体に比して低減されたエフェクター機能(低減されたADCCおよび所望により低減されたCDC)を有する、抗体。

請求項169

免疫細胞、例えば、T細胞の阻害受容体に結合する、請求項168に記載の抗体。

請求項170

これらの変異がない同じ抗体に比して低減された親和性でFcγRhCD32a−H131、hCD32a−R131、hCD32b、hCD16a−V158、hCD16b−NA2およびhCD64に結合する、請求項168または169に記載の抗体。

請求項171

重鎖定常領域が配列番号234または248と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項168〜170の何れかに記載の抗体。

請求項172

重鎖定常領域が1〜5、1〜4、1〜3、1〜2または1アミノ酸置換(例えば、保存的アミノ酸置換)を含む配列番号234または248のアミノ酸配列を含み、ここで、アミノ酸置換が1以上のFcγRへの結合を顕著に増加させない、請求項168〜171の何れかに記載の抗体。

請求項173

重鎖定常領域が、C末端リシンを含むかまたは除く配列番号234または248のアミノ酸配列を含む、請求項168〜172の何れかに記載の抗体。

請求項174

重鎖定常領域が、C末端リシンを含むかまたは除く配列番号236、249、252、253、259または260のアミノ酸配列を含む、請求項168〜172の何れかに記載の抗体。

請求項175

抗体がC末端リシンを伴うかまたは伴わない完全長抗体である(または完全長重鎖および完全長軽鎖を含む)、請求項168〜174の何れかに記載の抗体。

請求項176

抗体がチェックポイント阻害因子のアンタゴニストまたはチェックポイント刺激因子のアゴニストである、請求項168〜175の何れかに記載の抗体。

請求項177

抗体がWO2018/013818に開示される抗体ではない、請求項168〜176の何れかに記載の抗体。

請求項178

抗体がヒトTIM3に結合しない、請求項168〜177の何れかに記載の抗体。

請求項179

変異L234A、L235EおよびG337Aを含むが、エフェクター機能を低減させるA330および/またはP331での変異(例えば、A330Sおよび/またはP331S)を含まない重鎖定常領域を含む融合タンパク質であって、これらの変異がない同じ抗体に比して低減されたエフェクター機能(低減されたADCCおよび所望により低減されたCDC)を有する、融合タンパク質。

請求項180

これらの変異がない同じ抗体に比して低減された親和性でFcγRhCD32a−H131、hCD32a−R131、hCD32b、hCD16a−V158、hCD16b−NA2およびhCD64に結合する、請求項179に記載の融合タンパク質。

請求項181

重鎖定常領域が配列番号234または248と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項179または180に記載の融合タンパク質。

請求項182

重鎖定常領域が1〜5、1〜4、1〜3、1〜2または1アミノ酸置換(例えば、保存的アミノ酸置換)を含む配列番号234または248のアミノ酸配列を含み、ここで、アミノ酸置換が1以上のFcγRへの結合を顕著に増加させない、請求項179〜181の何れかに記載の融合タンパク質。

請求項183

重鎖定常領域が、C末端リシンを含むかまたは除く配列番号234または248のアミノ酸配列を含む、請求項179〜182の何れかに記載の融合タンパク質。

請求項184

重鎖定常領域が、C末端リシンを含むかまたは除く配列番号236、249、252、253、259または260のアミノ酸配列を含む、請求項179〜183の何れかに記載の抗体。

請求項185

配列表に示すアミノ酸配列またはそれと少なくとも95%同一である配列を含む重鎖定常領域を含む、抗体。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、米国仮出願番号62/511,178(2017年5月25日出願)および62/599,221(2017年12月15日出願)に基づく優先権を主張する。ここに引用するあらゆる特許、特許出願および引用文献の内容を、全体として引用により本明細書に包含させる。

背景技術

0002

背景
抗体治療剤は、癌および免疫障害などの疾患の処置において、最速成長している領域の一つである。それにも関わらず、治療抗体による抗原の効率的ターゲティングは、医療において主要な課題のままである。それ故に、抗体工学は、医薬業界で主要な関心事となってきている。この状況から、抗体フラグメント抗体薬物コンジュゲート(ADC)、修飾エフェクター領域を有する抗体および二重特異性抗体などの多くの新規改変抗体出現している。

0003

抗体は、多岐にわたる機構を介してその治療性能を展開している。抗体は、標的抗原を直接阻害または活性化し、そうして細胞シグナル伝達を制御する。抗体は、リガンド受容体への結合を阻害し得る。抗体はまた、例えば、感染または癌と戦うために対象の免疫系を活性化することにより、免疫応答を誘発または阻害し得る(例えば、T細胞活性化の共刺激因子として)。

0004

さらに、細胞表面受容体/抗原の抗体介在内在化は、治療抗体の主要作用機序として認識されている。この場合、抗体は標的を細胞表面から除き、その細胞内在化誘発によりその機能発揮を排除する。実際、抗体治療剤の先駆例の一つは、乳癌処置用トラスツズマブである。トラスツズマブはErbB2受容体を標的とし、受容体/抗体内在化を誘発し、そうしてEGFRシグナル伝達を阻止する。しかしながら、抗体は、常に効率的内在化能を発揮するとは限らず、それゆえに改善された内在化機能有する抗体に対する継続するニーズがある。従って、既存の治療抗体の内在化を改善する方法が、高度に望まれている。

0005

要約
本発明は、非修飾形態の同じ抗体に比して抗体の生物的性質を増強または修飾する、重鎖定常領域(「修飾重鎖定常領域」と称する)またはその機能的に等価なフラグメントを提供する。例えば、修飾定常領域を含む抗体は、増加した内在化および/またはアゴニストもしくはアンタゴニスト活性を示す。従って、本発明の抗体は、元の非修飾抗体至適化バージョンである。ある実施態様において、重鎖は、野生型重鎖定常領域に比して1以上の変異または修飾を含む修飾定常領域を含む。ある実施態様において、修飾重鎖定常領域は1つのIgGヒンジおよび3つの定常ドメイン(すなわち、CH1、CH2およびCH3ドメイン)を含み、ここで、定常領域ドメインの1以上は非IgG2ヒトアイソタイプ(例えば、IgG1、IgG3またはIgG4)またはその機能的に等価なフラグメントである。修飾定常領域は、対応する野生型アミノ酸配列またはそのバリアント、例えば、野生型アミノ酸配列に比して、ヒンジまたはCH1、CH2、CH3ドメイン内に1以上の(例えば、1〜10またはそれ以上の)アミノ酸置換または欠失を含み得る。従って、ヒンジおよび/または各定常ドメインのアミノ酸配列は、対応する野生型アミノ酸配列と少なくとも約80%、85%、90%、95%またはそれ以上(すなわち、96%、97%、98%、99%または100%)同一である。

0006

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域は、野生型ヒトIgG2ヒンジまたは野生型ヒトIgG2ヒンジのアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。ヒンジは、例えば、ジスルフィド結合形成を減らすための、付加的修飾をさらに含み得る。ある実施態様において、ヒンジは、野生型ヒトIgG2ヒンジに比して、アミノ酸置換C219Sを含む。ある実施態様において、ヒンジは、配列番号8、21〜23、126〜132および134〜147の何れかに示すアミノ酸配列またはCVEとCPPの間に挿入された1〜3アミノ酸を含むこれらの配列の一つを含む。

0007

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域は、IgG2 CH1ドメイン、例えば、野生型ヒトIgG2 CH1ドメインまたは野生型ヒトIgG2 CH1ドメインのアミノ酸配列(配列番号7)と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。

0008

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域は、IgG1 CH2ドメイン、例えば、野生型ヒトIgG1 CH2ドメインまたは野生型ヒトIgG1 CH2ドメインのアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。CH2ドメインは付加的修飾をさらに含み得る(例えば、エフェクター機能を低減または排除するため)。ある実施態様において、CH2ドメインは、野生型完全長ヒトIgG1 CH2に比して、アミノ酸置換A330SおよびP331Sを含む。ある実施態様において、CH2ドメインは、配列番号24を含む。

0009

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域は、IgG1 CH3ドメイン、例えば、野生型ヒトIgG1 CH3ドメインまたは野生型ヒトIgG1 CH3ドメインのアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。CH3ドメインは、特定のアロタイプを付与するために、付加的修飾をさらに含み得る。ある実施態様において、CH3ドメインは、別のアロタイプの野生型完全長ヒトIgG1(例えば、356位および358位にそれぞれDおよびLを有する「fa」アロタイプ)に比して、356位にアミノ酸残基Eおよび358位にアミノ酸M(「f」アロタイプ)を含む。ある実施態様において、CH3ドメインは、配列番号5を含む。

0010

特定の実施態様において、抗体は修飾重鎖定常領域を含み、ここで、(a)CH1ドメインは、付加的修飾があるまたはない野生型ヒトIgG2 CH1ドメインまたは野生型IgG1 CH1ドメインであり、(b)ヒンジはC219S置換があるまたはない野生型IgG2ヒンジであり、(c)CH2ドメインは付加的修飾があるまたはない野生型ヒトIgG1 CH2ドメインまたは野生型IgG2 CH2ドメインであり、そして(d)CH3ドメインは、356位にアミノ酸Eおよび358位にアミノ酸Mがあるまたはない(例えば、アロタイプfまたはfaの)野生型ヒトIgG1 CH3ドメインまたは野生型ヒトIgG2 CH3ドメインである。特定の実施態様において、修飾重鎖定常領域は、ここに記載する、例えば、配列番号26〜37および78〜93の何れかに示す、アミノ酸配列を含む。

0011

本発明の抗体(すなわち、修飾定常領域を有する抗体)は、完全ヒト抗体またはヒト化抗体であってよく、修飾重鎖定常領域がない同じ抗体と比較して、さらに1以上の増強または改変された特徴を示してよい。これらの特徴は、増加または改変した細胞による内在化、アゴニスト活性、大架橋複合体の形成、ADCC、受容体介在シグナル伝達、アンタゴニスト活性、免疫調節活性および抗腫瘍活性;または新規性質、例えば、アゴニスト活性の導入を含み得る。

0012

本発明の修飾定常領域を含む二重特異性分子および免疫複合体ならびに抗体、二重特異性体または免疫複合体および許容される医薬担体を含む組成物も提供される。このような組成物はまた1以上の付加的治療剤、例えば、チェックポイント阻害因子共刺激分子、抗CD39抗体または抗A2AR抗体などの免疫系を刺激する薬剤も含み得る。

0013

修飾重鎖定常領域を含む抗体を製造する方法も提供される。ここに提供されるある方法は、非IgG2アイソタイプのヒンジを含む同じ抗体と比較して、細胞による抗体の内在化を増加させる方法および抗体のアゴニスト活性を増加させる方法を含む。このような方法は、IgG2ヒンジではないヒンジを有する抗体を準備し、該ヒンジをIgG2ヒンジ(例えば野生型ヒトIgG2ヒンジであるヒンジ、野生型ヒトIgG2ヒンジのアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有するヒンジまたはジスルフィド結合形成を低減するために修飾されているヒンジ、例えば、アミノ酸置換C219Sを含むヒンジ)と置き換える工程を含む。ある実施態様において、抗体の内在化は、少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上増強または増加され、少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上のT1/2減少に至る。ある実施態様において、アゴニスト活性は、サイトカイン放出増加またはエフェクターT細胞の増殖増加;Tregへの結合がTreg機能を減少させるならば、T制御細胞活性減少;またはTreg枯渇増加により定義して、少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上増加または増強される。

0014

ある実施態様において、方法は、CH1、CH2またはCH3ドメインの少なくとも一つを、異なるアイソタイプのCH1、CH2またはCH3ドメインと置き換える工程をさらに含む。このような置き換えは、例えば、(a)CH1ドメインをIgG1 CH1ドメインまたはIgG2 CH1ドメインで置き換える;(b)CH2ドメインをIgG1 CH2ドメインまたはIgG2 CH2ドメインで置き換える;そして/または(b)CH3ドメインをIgG1 CH3ドメインまたはIgG2 CH3ドメインで置き換えることを含み、ここで、該置き換えドメインは、野生型配列または野生型配列と少なくとも95%同一性を有する。ある実施態様において、CH1ドメインは、配列番号7に示すアミノ酸配列を含む。ある実施態様において、CH2ドメインはエフェクター機能を低減または排除するために修飾され、例えば、CH2ドメインはアミノ酸置換A330SおよびP331S(配列番号24)を含む。ある実施態様において、CH3ドメインは356位にアミノ酸残基Eおよび358位にアミノ酸M(配列番号5、アロタイプ「f」)を含み、ある実施態様において、CH3ドメインはアロタイプ「fa」を含む。

0015

ここに提供される方法は、修飾重鎖定常領域を含む抗体、二重特異性分子または免疫複合体の投与により対象を処置する方法を含む。1以上の付加的治療剤、例えば、チェックポイント阻害因子、共刺激分子などの免疫系を刺激する治療剤も共投与され得る。

0016

ここに提供されるのは、N末端からC末端順番でCH1ドメイン、ヒンジ、CH2ドメインおよびCH3ドメインを含む修飾重鎖定常領域を含む抗体であって、ここで、(a)CH1ドメインは配列番号7のアミノ酸配列または配列番号7と最大で5アミノ酸異なるもしくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含み、ここで、C131、R133、E137、S138またはR217の少なくとも一つは置換または欠失されていない;(b)ヒンジは配列番号8、21〜23、126〜132または134〜147の何れかまたはCVEとCPPの間に挿入された1〜3アミノ酸を含むもしくは最大で5アミノ酸異なる配列を含み、ここで、ヒンジはC219およびC220両者が同時に置換または欠失を含まない;(c)抗体はIgG1ヒンジおよびCH1ドメインを含む同じ抗体に比して少なくとも一つの増強された性質または新規導入された性質を有する;そして(d)修飾重鎖定常領域は野生型IgG2定常領域またはC219Sおよび/またはC220Sを含むIgG2定常領域ではない。ヒンジは、アミノ酸配列ERKXCVECPPCPAP(配列番号129)またはERKCXVECPPCPAP(配列番号130)を含んでよく、ここで、Xはシステイン以外の任意のアミノ酸である。例えば、ヒンジはアミノ酸配列ERKSCVECPPCPAP(配列番号131)またはERKCSVECPPCPAP(配列番号132)を含み得る。ある実施態様において、アミノ酸残基P233、V234、A235およびG237の少なくとも一つまたは全ては欠失されるかまたは他のアミノ酸残基、例えば、IgG1ヒンジにおける対応するアミノ酸で置換される。ある実施態様において、アミノ酸残基R133、E137、S138およびR217の何れもまたはC131、R133、E137、S138およびR217の何れも置換または欠失されない。ある実施態様において、N192および/またはF193は他のアミノ酸で置換される。抗体は、野生型IgG1のものと少なくとも95%同一であるCH2ドメインを含み得る。抗体は、野生型IgG1のものと少なくとも95%同一であるCH3ドメインを含み得る。ある実施態様において、CH2および/またはCH3ドメインは野生型IgG1 CH2および/またはCH3ドメインではなく、抗体は、野生型IgG1のものより強力であるエフェクター機能を有する。ある実施態様において、CH2および/またはCH3ドメインは野生型IgG1 CH2および/またはCH3ドメインではなく、抗体は、野生型IgG1のものより強力ではないエフェクター機能を有する。ある実施態様において、抗体は、野生型IgG1またはIgG4のものと少なくとも95%同一であるCH2ドメインおよび/またはCH1ドメインを含む。ある実施態様において、抗体は、アゴニスト活性、抗体介在受容体内在化、ADCC、受容体介在シグナル伝達、アンタゴニスト活性、免疫調節活性または抗腫瘍活性から選択される少なくとも一つの増強された性質またはアゴニスト活性である新たに導入された性質を有する。

0017

ある実施態様において、抗体は修飾重鎖定常領域を含み、ここで、(a)CH1ドメインは野生型ヒトIgG2 CH1ドメインである;(b)ヒンジは配列番号8、21〜23、126〜132または134〜147の何れかの配列またはCVEとCPPの間に挿入された1〜3アミノ酸を含む配列を含む;(c)CH2ドメインは野生型ヒトIgG1 CH2ドメインまたは抗体に増強されたまたは低減されたエフェクター機能を付与する修飾CH2ドメインである;そして(d)CH3ドメインは野生型ヒトIgG1 CH3ドメインまたは抗体に増強されたまたは低減されたエフェクター機能を付与する修飾CH3ドメインである。修飾重鎖定常ドメインは、配列番号26〜37、54〜56、78〜125、152〜232、234〜245および247〜262の何れかに示すアミノ酸配列または配列番号26〜37、54〜56、78〜125、152〜232、234〜245および247〜262の1以上と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含み得る。これらの配列の何れかと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有するFcを含む重鎖に関して、これらの配列において生物学的活性を調節するために成した特定のアミノ酸変異は変わらないのが好ましい。

0018

ある実施態様において、抗体は修飾重鎖定常領域を含み、ここで、重鎖定常領域は配列



または配列番号133と最大で10アミノ酸異なるもしくは配列番号133と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むCH1ドメインおよびヒンジを含み、ここで、(i)C131、R133、E137、S138およびR217の少なくとも一つは他のアミノ酸で置換されておらずまたは欠失されていない;(ii)C219およびC220は他のアミノ酸で置換されても欠失されてもよいが、C219およびC220は両者が同時に置換または欠失されない;(iii)1〜3アミノ酸がヒンジのCVEとCPPの間に挿入され得る;(iv)ヒンジは、所望によりC末端に付加的アミノ酸、例えば、Gを含む;(v)アミノ酸P233、V234、A235およびG237の1以上は他のアミノ酸(例えば、IgG1からの対応するアミノ酸)で置換されても、欠失されてもよい;(vi)CH2およびCH3ドメインは野生型または修飾IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4 CH2およびCH3ドメインであり得る;(vii)修飾重鎖定常領域は野生型IgG2重鎖定常領域またはC219SもしくはC220Sを有する野生型IgG2重定常ドメインではない;そして(viii)抗体はIgG1ヒンジおよびCH1ドメインを含む同じ抗体に比して少なくとも一つの増強された性質または新規導入された性質を有する。ある実施態様において、抗体は、アゴニスト活性、抗体介在受容体内在化、ADCC、受容体介在シグナル伝達、アンタゴニスト活性、免疫調節活性または抗腫瘍活性から選択される少なくとも一つの増強された性質またはアゴニスト活性である新たに導入された性質を有する。ある実施態様において、アミノ酸C131;R133;E137;S138;R217の何れも他のアミノ酸で置換または欠失されない。ある実施態様において、N192および/またはF193は置換されないか、またはそれぞれN192および/またはF193である。ある実施態様において、C219はC219Sであり、C220はC220Sであり、P233〜G237は置換または欠失され;V234〜G237は置換または欠失され;A235〜G237は置換または欠失され;G237は置換または欠失され;P233は置換または欠失され;P233〜V234は置換または欠失され;またはP233〜A235は置換または欠失される。抗体はエフェクター機能を有しても、エフェクター機能が取り除かれてもよい。抗体は野生型または修飾IgG1 CH2ドメインおよびまたは野生型または修飾IgG1 CH3ドメインを含み得る。

0019

ある実施態様において、抗体は修飾重鎖定常領域を含み、ここで、重鎖定常領域は、配列



または配列番号7と最大で10アミノ酸異なるもしくは配列番号7と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含み、ここで、(i)C131、R133、E137、S138およびR217の少なくとも一つは置換または欠失されない;(ii)修飾重鎖定常領域は野生型IgG2重鎖定常領域またはC219SもしくはC220Sを有する野生型IgG2重定常ドメインではない;そして(iii)抗体はIgG1ヒンジおよびCH1ドメインを含む同じ抗体に比して少なくとも一つの増強された性質または新規導入された性質を有する。抗体は、アゴニスト活性、抗体介在受容体内在化、ADCC、受容体介在シグナル伝達、アンタゴニスト活性、免疫調節活性または抗腫瘍活性から選択される少なくとも一つの増強された性質またはアゴニスト活性である新たに導入された性質を有し得る。ある実施態様において、アミノ酸C131;R133;E137およびS138の何れも他のアミノ酸で置換されるかまたは欠失されない。ある実施態様において、N192および/またはF193は置換されないか、またはそれぞれN192および/またはF193である。抗体はエフェクター機能を有しても、エフェクター機能が取り除かれてもよい。抗体は野生型または修飾IgG1 CH2ドメインおよびまたは野生型または修飾IgG1 CH3ドメインを含み得る。

0020

抗体は修飾重鎖定常領域を含んでよく、ここで、重鎖定常領域は配列



または配列番号8と最大で5アミノ酸異なるアミノ酸配列を含み、ここで、(i)C219およびC220は他のアミノ酸で置換されても欠失されてもよいが、C219およびC220は両者とも置換または欠失されない;(ii)アミノ酸P233、V234、A235およびG237の1以上は置換または欠失され得る;(iii)1〜3アミノ酸がヒンジのCVEとCPPの間に挿入され得る;(iv)ヒンジは、所望によりC末端に付加的アミノ酸、例えば、Gを含む;(v)CH2およびCH3ドメインは野生型または修飾IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4 CH2およびCH3ドメインであり得る;(vi)修飾重鎖定常領域は野生型IgG2重鎖定常領域またはC219SもしくはC220Sを有する野生型IgG2重定常ドメインではない;そして(vii)抗体はIgG1ヒンジおよびCH1ドメインを含む同じ抗体に比して少なくとも一つの増強された性質または新規導入された性質を有する。抗体は、アゴニスト活性、抗体介在受容体内在化、ADCC、受容体介在シグナル伝達、アンタゴニスト活性、免疫調節活性または抗腫瘍活性から選択される少なくとも一つの増強された性質またはアゴニスト活性である新たに導入された性質を有し得る。ある実施態様において、C219はC219Sであり、C220はC220Sであり、P233〜G237は置換または欠失され;V234〜G237は置換または欠失され;A235〜G237は置換または欠失され;G237は置換または欠失され;P233は置換または欠失され;P233〜V234は置換または欠失され;またはP233〜A235は置換または欠失される。抗体はエフェクター機能を有しても、エフェクター機能が取り除かれてもよい。抗体は野生型または修飾IgG1 CH2ドメインおよびまたは野生型または修飾IgG1 CH3ドメインを含み得る。

0021

また提供されるのは、修飾重鎖定常領域を含む抗体であり、ここで、重鎖定常領域はIgG1またはIgG2ヒンジを含み、かつヒンジは1〜7アミノ酸を欠き、抗体はIgG1ヒンジおよびCH1ドメインを含む同じ抗体に比して少なくとも一つの増強された性質または新規導入された性質を有する。抗体は、アゴニスト活性、抗体介在受容体内在化、ADCC、受容体介在シグナル伝達、アンタゴニスト活性、免疫調節活性または抗腫瘍活性から選択される少なくとも一つの増強された性質またはアゴニスト活性である新たに導入された性質を有し得る。ヒンジは1〜4アミノ酸、例えば、アミノ酸C219、C220、V222およびE224を欠くIgG2ヒンジであり得る。ヒンジはアミノ酸219、C220、D221、K222、T223、H224およびT225を欠くIgG1ヒンジである。抗体は、野生型または修飾されたIgG2 CH1ドメイン;野生型または修飾されたIgG1 CH1ドメインおよびIgG1、IgG2またはIgG4 CH2ドメインおよびIgG1、IgG2またはIgG4 CH3ドメインを含み得る。

0022

修飾重鎖定常領域を有する抗体は、ヒトまたはヒト化抗体またはその抗原結合部分であり得る。ある実施態様において、抗体は、免疫制御関与する抗原と特異的に結合する。抗体は、共刺激受容体のアゴニストまたは阻害受容体のアンタゴニストであり得る。例えば、抗体は、例えば、B7−1、B7−2、CD28、4−1BB、GITR、OX40、ICOS、CD70、CD27、CD40、DR3またはCD28Hからなる群から選択される共刺激受容体に結合でき、または抗体は、例えば、CTLA−4、PD−1、PD−L1、PD−L2、LAG−3、TIM−3、ガレクチン9、CEACAM−1、BTLA、CD69、ガレクチン−1、TIGIT、CD113、GPR56、VISTA、2B4、CD48、GARP、PD1H、LAIR1、TIM−1およびTIM−4からなる群から選択される阻害受容体に結合できる。抗原は、内在化されることが必要である抗原、例えば、CD73であり得る。抗原は、CD39であり得る。

0023

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域を含む抗体は、共刺激受容体、例えば、GITR、OX40、4−1BB、CD28、ICOS、CD40、CD27または任意の他のTNFRスーパーファミリーメンバーと特異的に結合し、配列番号26〜37、54〜56、78〜125、152〜232、234〜245および247〜262からなる群から選択される修飾重鎖定常領域を含む。ある実施態様において、抗体は、同じ可変領域および軽鎖を有するが、IgG1重鎖定常領域を含む抗体に比して、増強または改変されたアゴニスト活性を示す。

0024

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域を含む抗体は細胞表面分子、例えば、CD73と特異的に結合し、細胞表面分子の抗体介在内在化を誘発し、配列番号26〜37、54〜56、78〜125および152〜232からなる群から選択される修飾重鎖定常領域を含む。ある実施態様において、抗体は、同じ可変領域および軽鎖を有するが、IgG1重鎖定常領域を含む抗体に比して、増強または改変された内在化性質を有する。抗CD73抗体は、配列番号234〜245および247〜262からなる群から選択される任意のアミノ酸配列を有するFcにも結合し得る。

0025

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域を含む抗体は、阻害受容体、例えば、CTLA−4、PD−1、LAG−3、TIM−3、ガレクチン9、CEACAM−1、BTLA、CD69、ガレクチン−1、TIGIT、CD113、GPR56、VISTA、2B4、CD48、GARP、PD1H、LAIR1、TIM−1およびTIM−4と特異的に結合し、配列番号26〜37、54〜56、78〜125、152〜232、234〜245および247〜262からなる群から選択される修飾重鎖定常領域を含む。ある実施態様において、抗体は、IgG1重鎖定常領域を有する同じ抗体に比して、より強力なまたは改変されたアンタゴニスト活性を示すか、または新規活性が導入される。ある実施態様において、Fcは、エフェクター機能を調節、例えば、低減するための1以上の変異を含む。

0026

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域を含む抗体は、細胞表面分子に特異的に結合し、細胞内シグナル伝達を誘発し、ここで、抗体は配列番号26〜37、54〜56、78〜125、152〜232、234〜245および247〜262からなる群から選択される修飾重鎖定常領域を含む。ある実施態様において、細胞内シグナル伝達は、アゴニスト活性、アンタゴニスト活性、細胞表面分子の内在化またはADCCに介在する。ある実施態様において、抗体は、同じ可変領域および軽鎖を有するが、IgG1重鎖定常領域を含む抗体に比して、より強力な細胞内シグナル伝達を誘発する。

0027

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域を含む抗体は、細胞表面分子に特異的に結合し、高分子量体細胞表面分子複合体の形成を誘発し、ここで、抗体は配列番号26〜37、54〜56、78〜125、152〜232、234〜245および247〜262からなる群から選択される修飾重鎖定常領域を含む。ある実施態様において、抗体は、同じ可変領域および軽鎖を有するが、IgG1重鎖定常領域を含む抗体に比し、より高分子量の複合体の形成を誘発する。

0028

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域を含む抗体は、細胞表面分子に特異的に結合し、細胞表面分子のクラスター形成またはオリゴマー化を誘発し、ここで、抗体は配列番号26〜37、54〜56、78〜125、152〜232、234〜245および247〜262からなる群から選択される修飾重鎖定常領域を含む。ある実施態様において、抗体は、同じ可変領域および軽鎖を有するが、IgG1重鎖定常領域を含む抗体に比して、より多くの細胞表面分子のクラスター形成またはオリゴマー化を誘発する。

0029

またここに提供されるのは、第二結合特異性を有する分子に結合した修飾重鎖定常領域を含む抗体を含む、二重特異性分子である。またここに提供されるのは、第二剤に結合した修飾重鎖定常領域を含む抗体を含む、免疫複合体である。ここに記載する抗体、二重特異性または免疫複合体および担体を含む組成物も提供される。組成物は、1以上の付加的治療剤、例えば、免疫系を刺激し、例えば、チェックポイント阻害因子のアンタゴニストまたは共刺激受容体である治療剤を含み得る。

0030

またここに提供されるのは、N末端からC末端の順番でCH1ドメイン、ヒンジ、CH2ドメインおよびCH3ドメインを含む、修飾重鎖定常領域を含む抗体を製造する方法であって、(a)IgG2ヒンジおよび/またはIgG2 CH1ドメインではないヒンジおよび/またはCH1ドメインを含む抗体を準備し;そして(b)ヒンジおよび/またはCH1ドメインをそれぞれIgG2ヒンジおよび/またはIgG2 CH1ドメインで置き換える工程を含む、方法である。さらにここに提供されるのは、(a)IgG2ヒンジおよび/またはIgG2 CH1ドメインではないヒンジおよび/またはCH1ドメインを含む抗体を準備し;そして(b)ヒンジおよび/またはCH1ドメインをそれぞれIgG2ヒンジおよび/またはIgG2 CH1ドメインで置き換えることを含む、細胞による抗体の内在化を増加させる方法である。抗体の内在化は、非IgG2アイソタイプのヒンジを含む同じ抗体、例えば、IgG1定常領域を含む抗体の内在化と比較して増加し得る。また提供されるのは、(a)IgG2ヒンジおよび/またはIgG2 CH1ドメインではないヒンジおよび/またはCH1ドメインを含む抗体を準備し;そして(b)ヒンジおよび/またはCH1ドメインをそれぞれIgG2ヒンジおよび/またはIgG2 CH1ドメインで置き換えることを含む、抗体のアゴニスト活性を増加する方法である。アゴニスト活性は、非IgG2アイソタイプのヒンジを含む同じ抗体、例えば、IgG1定常領域を含む抗体のアゴニスト活性と比較して増加し得る。IgG2ヒンジは野生型ヒトIgG2ヒンジであってよくまたは野生型ヒトIgG2ヒンジのアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含み、例えば、表4に示す配列を含み得る。方法は、CH1、CH2またはCH3ドメインの少なくとも一つを、それぞれ異なるアイソタイプのCH1、CH2またはCH3ドメインと置き換える工程を含み得る。方法は、(a)CH1ドメインをIgG2 CH1ドメインで置き換える;(b)CH2ドメインをIgG1 CH2ドメインで置き換える;および/または(b)CH3ドメインをIgG1 CH3ドメインで置き換える工程を含み得る。方法は、(a)CH1ドメインを野生型ヒトIgG2 CH1ドメインまたはそれと少なくとも95%同一のドメインで置き換える;(b)CH2ドメインを野生型ヒトIgG1 CH2ドメインまたはそれと少なくとも95%同一のドメインで置き換える;および/または(b)CH3ドメインを野生型ヒトIgG1 CH3ドメインまたはそれと少なくとも95%同一のドメインで置き換える工程を含み得る。方法は、重鎖定常領域を配列番号26〜37、54〜56、78〜125、152〜232、234〜245および247〜262の何れかを含む修飾重鎖定常領域または配列番号26〜37、54〜56、78〜125、152〜232、234〜245および247〜262と少なくとも95%同一の領域で置き換える(またはFcにこれらの配列のアミノ酸変異を導入する)工程を含み得る。ヒンジは、ジスルフィド結合形成が低減または改変されるように修飾され得る。ヒンジはアミノ酸置換C219Sを含み得る。ヒンジは、配列番号8、21〜23、126〜132または134〜147の何れかに示すアミノ酸配列またはCVEとCPPの間に挿入された1〜3アミノ酸を含む配列を含み得る。CH1ドメインは、アミノ酸配列ASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTV(配列番号7)を含み得る。CH2ドメインは、エフェクター機能を低減または排除するために修飾され得る。CH2ドメインは、アミノ酸置換A330SおよびP331Sを含み得る。CH2ドメインは、アミノ酸配列PSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAK(配列番号4)を含み得る。CH2ドメインは、アミノ酸置換A330SおよびP331Sを含み得る。CH3ドメインは、アミノ酸配列
GQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号5)
を含み得る。

0031

またここに提供されるのは、1以上のFcγR(例えば、CD16、CD32、CD64)への結合が減少したまたは検出不可能である修飾重鎖定常領域である。このような修飾重鎖定常領域は、野生型重鎖定常領域に比して、1〜5、1〜3、1〜2または単一変異(例えば、置換)を有し得る。

0032

また提供されるのは、ここに記載する、例えば、上記方法により産生した、抗体またはその抗原結合部分、例えば、ヒトまたはヒト化抗体である。対象、例えば、癌を有する対象を、ここに記載する抗体の何れかで処置する方法もここに包含される。方法は、1以上の付加的治療剤、例えば、免疫系を刺激する治療剤を投与することを含み得る。例えば、治療剤は、チェックポイント阻害因子または共刺激分子を標的とし得る。方法は、ここに記載する組成物、二重特異性分子または免疫複合体の投与を含み得る。

図面の簡単な説明

0033

図1Aは、次の抗体によるH2228細胞(非小細胞肺癌細胞株)におけるCD73の抗体介在内在化の動態(kinetics)を示す:H2228細胞における11F11、4C3、6D11、4C3Vk1軽鎖を有するCD73.3−IgG1.1f(「3−Vh−hHC−IgG1.1f/4C3Vk1」)、11F11 Vk2軽鎖を有するCD73.4−IgG2CS(「4−Vh−hHC−IgG2−C219S/11F11−Vk2」)、CD73.10−IgG2CS(「CD73.10−Vh−hHC−IgG2−C219S」)、CD73.10−IgG2CS−IgG1.1f(「CD73.10−Vh−hHC−IgG2−C219S−IgG1.1f」)およびCD73.10−IgG1.1f(「CD73.10−Vh−hHC−IgG1.1f」)抗体。11F11(これはIgG2アイソタイプのものである)、CD73.4−IgG2CS、CD73.10−IgG2CSおよびCD73.10−IgG2CS−IgG1.1f抗体は、IgG1アイソタイプである他の試験抗体より速くかつ高い程度で内在化する。

0034

図1Bは、HCC15細胞(非小細胞肺癌細胞株)における図1Aに示すのと同じ抗体の抗体介在CD73内在化の動態を示し、H2228細胞で得られたのに類似する結果を示す。

0035

図1Cは、Calu6細胞における図1Aおよび1Bに示すのと同じ抗体ならびにCD73.11−IgG2CS(「11−Vh−hVC−IgG2−C219S」)の抗体介在CD73内在化の動態を示し、H2228およびHCC15細胞で得られたのに類似する結果を示す。

0036

図1Dは、NCI−2030細胞(非小細胞肺癌細胞株)における図1Cに示すのと同じ抗体の抗体介在CD73内在化の動態を示し、H2228、HCC15およびCalu6細胞で得られたのに類似する結果を示す。

0037

図1Eは、フローサイトメトリーにより測定したCalu6細胞における示される抗体の抗体介在CD73内在化の動態を示す。

0038

図1Fは、フローサイトメトリーで測定したNCI−H292細胞(粘膜表皮性肺癌細胞株)における示される抗体の抗体介在CD73内在化の動態を示すが、該抗体は、該細胞と抗体の最初のインキュベーション後、洗い落とさなかった。

0039

図1Gは、示される抗体で処理したCalu6細胞で内在化したCD73のパーセンテージを示し、Calu6細胞における示される抗体の経時的抗体介在CD73内在化を示す。

0040

図1Hは、示される抗体で経時的に処理したNCI−H292細胞で内在化したCD73のパーセンテージを示し、NCI−H292細胞における示される抗体の経時的抗体介在CD73内在化を示す。

0041

図1Iは、示される抗体で経時的に処理したSNU−C1細胞(結腸癌細胞株)で内在化したCD73のパーセンテージを示し、SNU−C1細胞における示される抗体の経時的抗体介在CD73内在化を示す。

0042

図1Jは、示される抗体で経時的に処理したNCI−H1437細胞(非小細胞肺癌細胞株)で内在化したCD73のパーセンテージを示し、NCI−H1437細胞における示される抗体の経時的抗体介在CD73内在化を示す。

0043

図2は、示される抗ヒトGITR抗体の抗CD3(プレート被覆)およびCD28活性化ヒトCD4 T細胞への結合動態およびグラフから導いたその対応するEC50値を示す。

0044

図3A、3Bおよび3Cは、種々の重鎖定常領域を有する可溶性抗ヒトGITR抗体で刺激したドナーCD4 T細胞からのIFN−γおよびIL−2の分泌を示す。図3Aは、OKT3発現CHO細胞および種々の濃度のIgG2−IgG1定常領域を有する抗ヒトGITR抗体で刺激したドナーCD4 T細胞からのIFN−γ分泌を示す。図3Bは、OKT3発現CHO細胞および種々の濃度のIgG1重鎖定常ドメインまたはIgG2−IgG1ハイブリッド重鎖定常ドメインで刺激したドナーCD4 T細胞からのIL−2分泌を示す。図3Cは、OKT3発現CHO細胞ならびに図3AおよびBの抗体の種々の濃度のエフェクターレスバージョン(IgG1.1)で刺激したドナーCD4 T細胞からのIL−2分泌を示す。

0045

図4は、増加する量の示される抗ヒトGITR抗体:ハイブリドーマ抗GITR(IgG2)およびIgG1f、IgG1.1(エフェクターレス)またはIgG2ヒンジとのキメラとしての組み換え誘導体の存在下で、抗CD3モノクローナル抗体被覆プレートで培養した3A9−hGITR細胞からのIL−2分泌を示す。

0046

図5A、5B、5Cおよび5Dは、IgG2ヒンジの抗体/抗原複合体サイズに対する影響を示す。図5A、5Bおよび5Cは、hCD73−hisと種々の定常領域を含む抗体CD73.4の複合体についてのSECクロマトグラムデータ、DLSデータおよびMALSデータを示す。図5Dは、図5CのMALS決定質量から導いたhCD73−his/mAb複合体の図式モデルを示す。

0047

図6は、CD73/mAb複合体のSEC−MALSデータを示す。

0048

図7は、CD73/mAb複合体のDLSデータを示す。

0049

図8Aは、示される抗体で経時的に処理したCalu6細胞で内在化したCD73のパーセンテージを示し、Calu6細胞における示される抗体の経時的抗体介在CD73内在化を示す。

0050

図8Bは、示される抗体で経時的に処理したNCI−H292細胞で内在化したCD73のパーセンテージを示し、NCI−H292細胞における示される抗体の経時的抗体介在CD73内在化を示す。

0051

図8Cは、5μg/mlの示される抗体で0分間、5分間、15分間または30分間処理したCalu6細胞の表面のCD73のレベルを示す。

0052

図9は、示される定常領域を有する抗GITR抗体の存在下、CHO−OKT3細胞と共培養したCD4+ T細胞により分泌されるIL−2のレベルを示す。

0053

図10は、示す抗体の各々の添加後1時間、4時間または21時間での抗体介在CD73内在化のパーセンテージを示す。各抗体についてのバーを、21時間(左)、4時間(中)および1時間(右)に示す。

0054

図11Aは、hCD73−hisと種々の定常領域配列を含む16の異なるCD73.4抗体の1:1モル濃度複合体についてのSECクロマトグラムデータの重層を示す。

0055

図11Bは、図10Aのクロマトグラムの11〜19.5分のクロマトグラムデータの拡大であり、4つの別個溶出種が示される。

0056

図11Cは、16の異なる抗体/CD73−his複合体についてプロットした、図11Bのピーク2についてのUVシグナルシグナル面積のパーセンテージを示す。データを、ピーク面積が増加する順に左から右に並び替える。

0057

図12は、抗hisFab捕獲FcγR−hisタンパク質への抗体結合を示す。結合応答は、1:1 mAb:FcγR結合化学量論仮定した理論的Rmaxのパーセンテージとしてプロットする。各抗体についてのバーを、スライドの下の説明文に提供する順番で示す。

0058

図13は、抗hisFab捕獲FcgR−hisタンパク質への抗体結合を示す。結合応答は、1:1 mAb:FcγR結合化学量論を仮定した理論的Rmaxのパーセンテージとしてプロットする。各抗体についてのバーを、スライドの下の説明文に提供する順番で示す。

0059

図14Aは、抗hisFab捕獲FcγR−hisタンパク質への抗体結合を示す。結合応答は、1:1 mAb:FcγR結合化学量論を仮定した理論的Rmaxのパーセンテージとしてプロットする。各抗体についてのバーを、スライドの下の説明文に提供する順番で示す。

0060

図14Bは、抗hisFab捕獲FcγR−hisタンパク質への抗体結合を示す。結合応答は、1:1 mAb:FcγR結合化学量論を仮定した理論的Rmaxのパーセンテージとしてプロットする。各抗体についてのバーを、スライドの下の説明文に提供する順番で示す。

0061

図15は、抗GITR抗体の内在化経時的解析を示す。

0062

図16Aは、0時のGITRおよび初期エンドソームマーカーEEA2共局在化解析を示す。

0063

図16Bは、30分および120分時点のGITRおよび初期エンドソームマーカーEEA2共局在化解析を示す。

0064

図16Cは、総染色に対する共局在化ピクセル強度の比としてプロットした、図16Aおよび16Bに示すエンドソーム共局在化の定量化の結果を示す。

0065

図17Aは、示される抗GITR抗体で処理したCD8+ T細胞におけるNFkBシグナル伝達活性化を示す。

0066

図17Bは、示される抗GITR抗体で処理したCD4+ T細胞におけるNFkBシグナル伝達活性化を示す。

0067

図18は、示される抗GITR抗体で処理したCD4+ T細胞におけるP38活性化を示す。

0068

図19は、立体構造A、BまたはA/Bを有するIgG2抗体におけるジスルフィド結合の配置を示す。

0069

図20Aは、種々の濃度の示される定常領域を有する抗GITR抗体の存在下、CHO−OKT3細胞と共培養したCD4+ T細胞により分泌されるIL−2のレベルを示す。

0070

図20Bは、5μg/mlの示される定常領域を有する抗GITR抗体の存在下、CHO−OKT3細胞と共培養したCD4+ T細胞により分泌されるIL−2のレベルを示す(図20Aのものと同じ実験)。

0071

図20Cは、1.25μg/mlの示される定常領域を有する抗GITR抗体の存在下、CHO−OKT3細胞と共培養したCD4+ T細胞により分泌されるIL−2のレベルを示す(図20Aのものと同じ実験)。

0072

図20Dは、0.313μg/mlの示される定常領域を有する抗GITR抗体の存在下、CHO−OKT3細胞と共培養したCD4+ T細胞により分泌されたIL−2のレベルを示す(図20Aのものと同じ実験)。

0073

図21は、hIgG1fの一部のアミノ酸配列を示し、ここで、下線を引いた配列は下に再現され、野生型IgG1に対するhIgG1、hIgG1.1f、hIgG1.3fおよびhIgG1−P238Kアミノ酸配列における変異の位置を示す。

0074

図22A、22B、22C、22D、22E、22F、22G、22H、22I、22J、22Kおよび22Lは、センサーグラムデータに基づく、示されるFc受容体からの種々のFc領域の状況における抗体Y1238の解離速度の比較を示す。

0075

図23A、23B、23C、23D、23Eおよび23Fは、icIEFにより特徴づけられるdAb−Fc分子の電荷プロファイルを示す。

0076

詳細な記載
ある実施態様において、本発明は、少なくとも一部、抗体の次に示す性質が、抗体がIgG2ヒンジを含むとき、非IgG2ヒンジを含む同じ抗体に比して、(または同じIgG1定常領域を含む抗体に比して)増強または改変されるとの発見に基づく:(i)内在化;(ii)アゴニスト機能;(iii)受容体介在細胞内シグナル伝達;(iv)ADCC;および(v)抗体/抗原複合体重量。さらに、抗体のこれらの増強または改変された特徴は、抗体が、IgG2ヒンジに加えて、IgG2 CH1ドメインを含むとき、さらに増強または改変される。IgG2 CH1ドメインを有するが、IgG2ヒンジを有しない抗体が、IgG1 CH1ドメインを有する同じ抗体と比較して、増強または改変された活性を有することも観察された。特定の作用機序に限定されることを意図しないが、IgG2ヒンジの増強効果は、抗体/抗原複合体のサイズの増加と相関することが判明した。抗体がIgG2ヒンジを有するとき、増強された抗体/抗原複合体のサイズは、他のアイソタイプと比較して、IgG2ヒンジの高い強剛性由来し得る。さらに、増強または改変された活性を保持するために、IgG2ヒンジおよびCH1ドメインの特定の領域またはアミノ酸残基を修飾してよく、一方他は好ましくは修飾しないことが示された。

0077

ここにさらに記載するとおり、抗体(またはその抗原結合領域)に増強または修飾活性を付与するこれらの修飾重鎖定常領域は、エフェクター機能を有し得る。それ故に、IgG2ヒンジおよび/またはCH1ドメインにより付与される有利な性質を有し、またエフェクター機能を有する抗体を作製し得ることが示された。

0078

本発明はまた、少なくとも一部、IgG1またはIgG2抗体のヒンジのある部分の欠失が、IgG1定常領域を有する抗体に比して、増強または改変された性質を有する抗体をもたらすとの発見に基づく。

0079

またここに記載されるのは、ADCCおよび/またはCDCエフェクター機能を低減する変異、例えば、P238変異、例えば、P238Kを有する修飾重鎖領域であり、ある実施態様において、このような1以上の変異は、(i)内在化;(ii)アゴニスト機能;(iii)受容体介在細胞内シグナル伝達;(iv)ADCC;および/または(v)抗体/抗原複合体重量を増強する変異と組み合わされる。

0080

従って、ここに提供されるのは、(i)抗体の抗原結合領域に増強または改変された性質を付与する修飾重鎖定常領域を有する抗体およびその使用方法および(ii)非IgG2ヒンジおよび/またはCH1ドメインを含む抗体の内在化、アゴニズムおよびアンタゴニズムなどのある生物学的性質を増強または改変する方法であって、ここで、方法は、抗体の非IgG2ヒンジおよび/またはCH1ドメインを、IgG2ヒンジおよび/またはIgG2 CH1ドメインまたはその一部と置き換えることを含む。

0081

ここに提供されるのは、抗体、例えば、非IgG2ヒンジおよび/または非IgG2 CH1ドメインを有する抗体のある生物学的性質を、異なる定常領域を有する同じ抗体に比して増強する「修飾重鎖定常領域」である。修飾重鎖定常領域の例は、IgG2ヒンジ、CH1ドメイン、CH2ドメインおよびCH3ドメインを含み、ここで、これらの定常ドメインの少なくとも一つはIgG2アイソタイプのものではなく、例えば、IgG1、IgG3またはIgG4のものであり得る。ある実施態様において、修飾重鎖定常領域は、IgG2ヒンジおよびIgG1 CH2およびCH3ドメインを含む。ある実施態様において、修飾重鎖定常領域は、IgG2 CH1ドメインおよびIgG2ヒンジを含む。ある実施態様において、修飾重鎖定常領域は、IgG2 CH1ドメイン、IgG2ヒンジ、IgG1 CH2ドメインおよびIgG1 CH3ドメインを含む。修飾重鎖定常領域は、野生型IgG1に類するエフェクター機能を有してよくまたは野生型IgGに比してエフェクター機能が低減または増強するように改変され得る。修飾重鎖定常領域は、野生型CH1、ヒンジ、CH2および/またはCH3ドメインまたはそのバリアント、例えば、対応する野生型ドメインに比して1以上のアミノ酸置換、欠失または付加を有するおよび/または対応する野生型配列と少なくとも90%またはそれ以上同一であるアミノ酸配列を有するCH1、ヒンジ、CH2および/またはCH3ドメインを含み得る。

0082

また提供されるのは、IgG1.3重鎖定常領域を含む抗体および融合タンパク質である。IgG1.3重鎖定常領域を含む抗体は、チェックポイント阻害因子に対するアンタゴニスト抗体またはチェックポイント刺激因子に対するアゴニスト抗体などのアンタゴニストまたはアゴニスト抗体であり得る。

0083

定義
本明細書の記載がより容易に理解され得るように、いくつかの用語をまず定義する。さらなる定義は、詳細な記載をとおして示される。

0084

ここで使用する用語「抗体」は、抗体全体およびそのあらゆる抗原結合フラグメント(例えば、ヒンジを含む抗原結合フラグメント、ヒンジおよびCH1ドメインを含む抗原結合フラグメント、ヒンジおよびCH2ドメインを含む抗原結合フラグメントまたはヒンジ、CH2ドメインおよびCH3ドメインの一部を含む抗原結合フラグメント)または一本鎖を含み得る。ある実施態様において、「抗体」は、ジスルフィド結合により相互接続された少なくとも2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖を含むタンパク質、例えば、糖タンパク質またはその抗原結合部分を含む。各重鎖は、重鎖可変領域(ここではVHと略す)および重鎖定常領域を含む。ある天然に存在するIgG、IgDおよびIgA抗体において、重鎖定常領域はヒンジ、CH1ドメイン、CH2ドメインおよびCH3ドメインからなる。ある天然に存在する抗体において、各軽鎖は、軽鎖可変領域(ここではVLと略す)および軽鎖定常領域からなる。軽鎖定常領域は、1ドメイン、CLからなる。VHおよびVL領域は、フレームワーク領域(FR)と称されるより保存された領域が散在する、相補性決定領域(CDR)と称される超可変性の領域にさらに細分され得る。各VHおよびVLは、3つのCDRおよび4つのFRからなり、アミノ末端からカルボキシ末端方向で、次の順番に配置される:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗体の定常領域は、免疫グロブリンの、免疫系の種々の細胞(例えば、エフェクター細胞)および古典的補体系の第一成分(Clq)を含む宿主組織または因子への結合に介在し得る。

0085

免疫グロブリンは、IgA分泌型IgA、IgGおよびIgMを含むが、これらに限定されない一般に知られるアイソタイプの何れからでもよい。IgGアイソタイプは、ある種ではサブクラスに分割される:ヒトではIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4に、そしてマウスではIgG1、IgG2a、IgG2bおよびIgG3に。ある実施態様において、ここに記載する抗体は、ヒトIgG1またはIgG2サブタイプのものである。免疫グロブリン、例えば、ヒトIgG1は、数アロタイプが存在し、これは、互いに多くても数アミノ酸が異なる。「抗体」は、例として、天然に存在するおよび天然に存在しない両者の抗体;モノクローナルおよびポリクローナル抗体;キメラおよびヒト化抗体;ヒトおよび非ヒト抗体;完全合成抗体;および一本鎖抗体を含み得る。

0086

ある実施態様において、抗体の重鎖は、C末端リシン;C末端グリシン(C末端リシンが欠失している)を含むかまたはGKを欠くかまたはKを欠く。修飾重鎖定常領域を含むここに記載する抗体をいうとき、抗体は、C末端GKまたはKを有するあるいはGKまたはKを欠く、提供される配列を含み得る。

0087

アミノ酸のナンバリングは、Kabat(Kabat et al. (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, National Institutes of Health, Bethesda, MD)におけるEU指標に従うおよび米国特許出願公開2008/0248028の図3c〜3fに従う。

0088

ここで使用する抗体の「抗原結合部分」なる用語は、抗原と特異的に結合する能力を保持する抗体の1以上のフラグメントをいう。抗体の抗原結合部分は、「ヒンジ含有抗原結合部分」であり得る。抗体の抗原結合機能は、完全長抗体のフラグメントにより実現されることが示されている。ここに記載する抗体の「抗原結合部分」なる用語に包含される結合フラグメントの例は、(i)VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる単価フラグメントであるFabフラグメント;(ii)ヒンジ領域のジスルフィド架橋により結合された2つのFabフラグメントを含む二価フラグメントであるF(ab’)2フラグメント;(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFdフラグメント;(iv)抗体の単一アームのVLおよびVHドメインからなるFvフラグメント、(v)VHドメインからなるdAbフラグメント(Ward et al., (1989) Nature 341:544-546);および(vi)単離相補性決定領域(CDR)または(vii)所望により合成リンカーにより連結され得る、2以上の単離CDRの組み合わせを含む。さらに、Fvフラグメントの2つのドメイン、VLおよびVHは別の遺伝子によりコードされるが、VLおよびVH領域が一本鎖Fv(scFv)として知られる単価分子を形成するように対結合する、単一タンパク質鎖として製造されることを可能とする、合成リンカーにより、組み換え法を使用して連結させ得る(例えば、Bird et al. (1988) Science 242:423-426;およびHuston et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883参照)。このような一本鎖抗体も、抗体の「抗原結合部分」なる用語に包含されることが意図される。これらおよび他の潜在的構築物は、Chan & Carter (2010) Nat. Rev. Immunol. 10:301に記載される。これらの抗体フラグメントを、当業者に知られる慣用技法を使用して得て、フラグメントを、インタクト抗体と同じ方式で有用性についてスクリーニングする。抗原結合部分は、組み換えDNA技法またはインタクト免疫グロブリンの酵素的もしくは化学的切断により製造できる。

0089

可変ドメインの「CDR」は、Kabat、Chothia、KabatとChothia両者の組み合わせ、AbM、接触および/または立体構造的定義または当分野で周知のCDR決定の方法の定義に従い同定される、超可変領域内のアミノ酸残基である。抗体CDRは、Kabatらにより最初に定義された超可変領域として同定され得る。例えば、Kabat et al., 1992, Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th ed., Public Health Service, NIH, Washington D.C.参照。CDRの位置は、Chothiaらにより最初に記載された構造的ループ構造としても同定され得る。例えば、Chothia et al., 1989, Nature 342:877-883参照。CDR同定のための他のアプローチは、KabatとChothiaの妥協点であり、Oxford Molecular's AbM antibody modeling software(現在Accelrys(登録商標))を使用して導かれる「AbM定義」またはMacCallum et al., 1996, J. Mol. Biol., 262:732-745に示される観察抗原接触に基づくCDRの「接触定義」を含む。ここでCDRの「立体構造的定義」と称する他のアプローチにおいて、CDRの位置を、抗原結合にエンタルピー寄与をする残基として定義し得る。例えば、Makabe et al., 2008, Journal of Biological Chemistry, 283:1156-1166参照。さらに他のCDR境界定義は、上記アプローチの一つに厳密に従わないかもしれないが、それにも関わらず、Kabat CDRの少なくとも一部と重複するが、特定の残基または残基群または全CDRが抗原結合に顕著に影響しないとの予測または実験的知見に従って、短縮または延長され得る。ここで使用するCDRは、複数アプローチの組み合わせを含む当分野で既知の任意のアプローチにより定義されるCDRである。ここで使用する方法は、これらのアプローチの何れかにより定義されたCDRを使用し得る。1を超えるCDRを含む任意のある実施態様に関して、CDRは、Kabat、Chothia、拡張、AbM、接触および/または立体構造的定義の何れかにより定義され得る。

0090

ここで使用する「アイソタイプ」は、重鎖定常ドメイン遺伝子によりコードされる抗体クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgDおよびIgE抗体)をいう。各野生型ヒトIgG定常領域の完全長アミノ酸配列(全ドメイン、すなわち、CH1ドメイン、ヒンジ、CH2ドメインおよびCH3ドメインを含む)は、オンライン利用可能なUniProtデータベースに、例えば、P01857(IgG1)、P01859(IgG2)、P01860(IgG3)およびP01861(IgG4)として集積されているかまたはその異なるアロタイプである(それぞれ配列番号1、6、11および16)。ここで使用する重鎖定常領域のドメイン、例えば、ヒンジは、ドメインが、各アイソタイプまたはそのバリアントの対応する(各アイソタイプの対応するドメインに、他のアイソタイプに対するより高い相同性を有する)ドメインのアミノ酸配列を含むならば、「IgG1アイソタイプ」、「IgG2アイソタイプ」、「IgG3アイソタイプ」または「IgG4アイソタイプ」のものである。

0091

「アロタイプ」は、特定のアイソタイプ群内の天然に存在するバリアントをいい、これらバリアントは数アミノ酸異なる(例えば、Jefferies et al. (2009) mAbs 1:1参照)。ここに記載する抗体は如何なるアロタイプであってもよい。

0092

「野生型」タンパク質またはその一部は、天然に存在するままのタンパク質のバージョンである。野生型タンパク質のアミノ酸配列、例えば、重鎖定常領域は、天然に存在するままのタンパク質のアミノ酸配列である。アロタイプの差により、野生型タンパク質について1を超えるアミノ酸配列が存在し得る。例えば、天然に存在するヒトIGg1重鎖定常領域には数アロタイプがある(例えば、Jeffries et al. (2009) mAbs 1:1参照)。

0093

「Fc領域」(結晶化可能フラグメント領域)または「Fcドメイン」または「Fc」は、免疫グロブリンの、免疫系の種々の細胞(例えば、エフェクター細胞)に位置するFc受容体または古典的補体系の第一成分(C1q)への結合を含む、宿主組織または因子への結合に介在する抗体の重鎖のC末端領域をいう。それ故に、アイソタイプIgGの抗体のFc領域は、第一定常領域免疫グロブリンドメイン(CH1)以外の、抗体の重鎖定常領域を含む。IgG、IgAおよびIgD抗体アイソタイプにおいて、Fc領域は、抗体の2つの重鎖各々におけるCH2およびCH3定常ドメインを含む;IgMおよびIgEFc領域は、各ポリペプチド鎖に3つの重鎖定常ドメイン(CHドメイン2〜4)を含む。IgGについて、Fc領域は、ヒンジ、CH2およびCH3からなる免疫グロブリンドメインを含む。本発明の目的のために、Fc領域は、アミノ酸216で始まり、アミノ酸447で終わるとして定義され、ここで、該ナンバリングは、KabatにおけるEU指標(Kabat et al. (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, National Institutes of Health, Bethesda, MD)および米国特許出願公開2008/0248028の図3c〜3fに従う。Fcは、例えば、1、2、3、4、5、1〜5、1〜10または5〜10またはそれ以上のアミノ酸変異、例えば、置換、付加または欠失を含む、あらゆるアロタイプバリアントまたはバリアントFc(例えば、天然に存在しないFc)を含む、天然(または天然に存在するまたは野生型)Fcであり得る。例えば、バリアントFcは、野生型Fcと少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるアミノ酸配列を含む。修飾または変異Fcは、増強または低減されたエフェクター機能および/または半減期を有し得る。CH2およびCH3領域は、エフェクター機能およびFcRn結合の一次部位である。Fcは、単離されたまたは「Fc融合タンパク質」(例えば、抗体またはイムノアドヘシン)とも称される「Fc領域を含む結合タンパク質」などのFc含有タンパク質ポリペプチドの状況でのこの領域を指し得る。

0094

「エフェクター機能」は、抗体Fc領域とFc受容体もしくはリガンドの相互作用またはそれに由来する生化学的事象をいう。「エフェクター機能」の例は、Clq結合、補体依存性細胞傷害(CDC)、Fc受容体結合、ADCCおよび抗体依存性細胞貪食(ADCP)などのFcγR介在エフェクター機能ならびに細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体;BCR)の下方制御を含む。このようなエフェクター機能は、一般にFc領域が結合ドメイン(例えば、抗体可変ドメイン)と合わさることを必要とする。

0095

「Fc受容体」または「FcR」は、免疫グロブリンのFc領域に結合する受容体である。IgG抗体に結合するFcRは、FcγRファミリーの受容体を含み、これらの受容体のアレルバリアントおよび選択的スプライシングされた形態を含む。FcγRファミリーは3つの活性化(マウスでFcγRI、FcγRIIIおよびFcγRIV;ヒトでFcγRIA、FcγRIIAおよびFcγRIIIA)および一つの阻害(FcγRIIB)受容体からなる。ヒトFcγRの種々の性質を表1に要約する。自然エフェクター細胞型の大部分は、マウスおよびヒトで1以上の活性化FcγRおよび阻害FcγRIIBを共発現し、一方ナチュラルキラー(NK)細胞は一つの活性化Fc受容体(マウスでFcγRIIIおよびヒトでFcγRIIIA)を選択的に発現するが、阻害FcγRIIBを発現しない。ヒトIgG1は大部分のヒトFc受容体に結合し、結合する活性化Fc受容体に関してマウスIgG2aと等価であると考えられる。

0096

0097

「ヒンジ」、「ヒンジドメイン」または「ヒンジ領域」または「抗体ヒンジ領域」は、CH1ドメインをCH2ドメインに連結する重鎖定常領域のドメインをいい、ヒンジの上部、中部および下部部分を含む(Roux et al. J. Immunol. 1998 161:4083)。ヒンジは、抗体の結合領域とエフェクター領域間に種々のレベルの可動性を提供し、また2つの重鎖定常領域間の分子間ジスルフィド結合の部位も提供する。ここで使用するヒンジは、全IgGアイソタイプについてGlu216で始まり、Gly237で終わる(Roux et al., 1998 J Immunol 161:4083)。野生型IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4ヒンジの配列を表2に示す。

0098

*CH1ドメインのC末端アミノ酸配列。

0099

用語「ヒンジ」は、野生型ヒンジ(例えば表3に示すもの)およびそのバリアント(例えば、天然に存在しないヒンジまたは修飾ヒンジ)を含む。例えば、用語「IgG2ヒンジ」は、表3に示す野生型IgG2ヒンジおよび1、2、3、4、5、1〜3、1〜5、3〜5および/または最大で5、4、3、2または1変異、例えば、置換、欠失または付加を有するバリアントを含む。IgG2ヒンジバリアントの例は、1、2、3または全4システイン(C219、C220、C226およびC229)が他のアミノ酸に変えられている、IgG2ヒンジである。特定の実施態様において、IgG2ヒンジはC219XまたはC220X置換を含み、ここで、Xはシステイン以外の任意のアミノ酸である。IgG2ヒンジは置換を含んでよく、これは、単独でまたは重鎖もしくは軽鎖の他の領域の1以上の置換と一体となって、AまたはB形態をとるヒンジを含む抗体をもたらす(例えば、Allen et al. (2009) Biochemistry 48:3755参照)。ある実施態様において、ヒンジは、少なくとも2つのアイソタイプからの配列を含むハイブリッドヒンジである。例えば、ヒンジは、あるアイソタイプからの上部、中部または下部ヒンジを含み、ヒンジの残りは1以上の他のアイソタイプからであり得る。例えば、ヒンジはIgG2/IgG1ヒンジであってよく、例えば、IgG2の上部および中部ヒンジおよびIgG1の下部ヒンジを含み得る。ヒンジはエフェクター機能を有しても、エフェクター機能が取り除かれてもよい。例えば、野生型IgG1の下部ヒンジはエフェクター機能を提供する。

0100

「非IgG2」ヒンジは、IgG2アイソタイプのものではないヒンジをいう。

0101

用語「CH1ドメイン」は、重鎖定常ドメインで可変ドメインをヒンジに結合させる重鎖定常領域をいう。ここで使用するCH1ドメインはA118で始まり、V215で終わる。用語「CH1ドメイン」は野生型CH1ドメイン(例えばIgG1について配列番号2およびIgG2について配列番号7を有する;表3)およびそのバリアント(例えば、天然に存在しないCH1ドメインまたは修飾CH1ドメイン)を含む。例えば、用語「CH1ドメイン」は、野生型CH1ドメインならびに1、2、3、4、5、1〜3、1〜5、3〜5および/または最大で5、4、3、2または1変異、例えば、置換、欠失または付加を有するそのバリアントを含む。CH1ドメインの例は、ADCC、CDCまたは半減期などの抗体の生物学的活性を修飾する変異を有するCH1ドメインを含む。抗体の生物学的活性に影響するCH1ドメインの修飾は、ここに提供される。

0102

用語「CH2ドメイン」は、重鎖定常ドメインでヒンジをCH3ドメインに結合させる、重鎖定常領域をいう。ここで使用するCH2ドメインはP238で始まり、K340で終わる。用語「CH2ドメイン」は野生型CH2ドメイン(例えばIgG1について配列番号4を有する;表3)およびそのバリアント(例えば、天然に存在しないCH2ドメインまたは修飾CH2ドメイン)を含む。例えば、用語「CH2ドメイン」は、野生型CH2ドメインならびに1、2、3、4、5、1〜3、1〜5、3〜5および/または最大で5、4、3、2または1変異、例えば、置換、欠失または付加を有するそのバリアントを含む。CH2ドメインの例は、ADCC、CDCまたは半減期などの抗体の生物学的活性を修飾する変異を有するCH2ドメインを含む。ある実施態様において、CH2ドメインは、エフェクター機能を低減させる置換A330S/P331Sを含む。他の抗体の生物学的活性に影響するCH2ドメインの修飾は、ここに提供される。

0103

用語「CH3ドメイン」は、重鎖定常ドメインでCH2ドメインのC末端側である重鎖定常領域をいう。ここで使用するCH3ドメインはG341で始まり、K447で終わる。用語「CH3ドメイン」は野生型CH3ドメイン(例えばIgG1について配列番号5を有する;表3)およびそのバリアント(例えば、天然に存在しないCH3ドメインまたは修飾CH3ドメイン)を含む。例えば、用語「CH3ドメイン」は、野生型CH3ドメインならびに1、2、3、4、5、1〜3、1〜5、3〜5および/または最大で5、4、3、2または1変異、例えば、置換、欠失または付加を有するそのバリアントを含む。CH3ドメインの例は、ADCC、CDCまたは半減期などの抗体の生物学的活性を修飾する変異を有するCH3ドメインを含む。抗体の生物学的活性に影響するCH3ドメインの修飾は、ここに提供される。

0104

0105

ここで使用する用語「モノクローナル抗体」は、特定のエピトープ対して単一の結合特異性および親和性を示す抗体または全抗体が特定のエピトープに対して単一の結合特異性および親和性を示す抗体の組成物をいう。一般に、このようなモノクローナル抗体は、単一の細胞または抗体をコードする核酸に由来し、何らかの配列変更を意図的に導入せずに、増殖される。従って、用語「ヒトモノクローナル抗体」は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列由来の可変領域および任意の定常領域を有する、モノクローナル抗体をいう。ある実施態様において、ヒトモノクローナル抗体は、例えば、トランスジェニックまたはトランスクロモソーマル非ヒト動物(例えば、ヒト重鎖導入遺伝子および軽鎖導入遺伝子を含むゲノムを有するトランスジェニックマウス)から得たB細胞を、不死化細胞に融合することにより得たハイブリドーマにより産生される。

0106

ここで使用する用語「組み換えヒト抗体」は、組み換え手段により調製、発現、創作または単離した全ヒト抗体、例えば、(a)ヒト免疫グロブリン遺伝子またはそれから調製したハイブリドーマについてトランスジェニックまたはトランスクロモソーマルである動物(例えば、マウス)から単離した抗体、(b)抗体を発現するよう形質転換した宿主細胞、例えば、トランスフェクトーマから単離した抗体、(c)組み換え、コンビナトリアルヒト抗体ライブラリーから単離された抗体および(d)ヒト免疫グロブリン遺伝子配列の他のDNA配列への置換を含む任意の他の手段により調製、発現、創作または単離された抗体を含む。このような組み換えヒト抗体は、生殖系列遺伝子によりコードされる特定のヒト生殖系列免疫グロブリン配列を利用するが、例えば、抗体成熟中に生じるその後の再配列および変異を含む、可変および定常領域を含む。当分野で知られるとおり(例えば、Lonberg (2005) Nature Biotech. 23(9):1117-1125参照)、可変領域は外来抗原に特異的な抗体を形成するよう再配列される種々の遺伝子によりコートされる、抗原結合ドメインを含む。再配列に加えて、可変領域は、該外来抗原に対する抗体の親和性を高めるために、複数の単一アミノ酸変化(体細胞変異または超変異と称する)によりさらに修飾され得る。定常領域は、抗原へのさらなる応答で変化する(すなわち、アイソタイプスイッチ)。それ故に、抗原に応答して軽鎖および重鎖免疫グロブリンポリペプチドをコードする再配列され、体細胞変異された核酸配列は、元の生殖系列配列と同一ではないかもしれないが、その代わり、実質的に同一であるかまたは類似する(すなわち、少なくとも80%同一性を有する)。

0107

「ヒト」抗体(HuMAb)は、フレームワークおよびCDR領域両者がヒト生殖系列免疫グロブリン配列由来である可変領域を有する抗体をいう。さらに、抗体が定常領域を含むならば、定常領域もヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する。ここに記載する抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によりコードされないアミノ酸残基(例えば、インビトロ無作為もしくは部位特異的変異誘発またはインビボで体細胞変異により導入した変異)を含み得る。しかしながら、ここで使用する用語「ヒト抗体」は、マウスなどの他の哺乳動物種の生殖系列由来のCDR配列がヒトフレームワーク配列移植されている抗体を含むことを意図しない。用語「ヒト」抗体および「完全ヒト」抗体は、同義的に使用される。

0108

ヒト化」抗体は、非ヒト抗体のCDRドメイン外のアミノ酸の一部、大部分または全てがヒト免疫グロブリン由来の対応するアミノ酸で置き換えられた抗体をいう。ヒト化形態の抗体のある実施態様において、CDRドメイン外のアミノ酸の一部、大部分または全てはヒト免疫グロブリンからのアミノ酸で置換され、一方、1以上のCDR領域内のアミノ酸の一部、大部分または全ては変更がない。アミノ酸の小さな付加、欠失、挿入、置換または修飾は、特定の抗原に結合する抗体の能力を消失させない限り、許容される。「ヒト化」抗体は、元の抗体に類似する抗原特異性を保持する。

0109

キメラ抗体」は、可変領域がマウス抗体由来であり、定常領域がヒト抗体由来である抗体のような、可変領域がある種由来であり、定常領域が他の種由来である抗体をいう。

0110

「二特異的」または「二機能性抗体」は、異なる抗原への特異性を有する2つの抗原結合部位を生じさせる、2つの異なる重/軽鎖対を有する人工ハイブリッド抗体をいう。二重特異性抗体は、ハイブリドーマ融合またはFab’フラグメントを含む、多様な方法により製造され得る。例えば、Songsivilai & Lachmann, Clin. Exp. Immunol. 79:315-321 (1990); Kostelny et al., J. Immunol. 148, 1547-1553 (1992)参照。

0111

用語「抗原を認識する抗体」および「抗原に特異的な抗体」は、ここでは用語「抗原に特異的に結合する抗体」と相互交換可能に使用する。

0112

ここで使用する「単離抗体」は、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体をいう(例えば、抗原「x」に特異的に結合する単離抗体は、抗原「x」以外に特異的に結合する抗体を実質的に含まない)。しかしながら、抗原「x」のエピトープに特異的に結合する単離抗体は、異なる種からの他の抗原「x」タンパク質と交差反応性を有し得る。

0113

ここで使用する「アゴニスト抗体」は、B7−1、B7−2、CD28、4−1BB(CD137)、4−1BBL、GITR、ICOS、ICOS−L、OX40、OX40L、CD70またはCD27、DR3またはCD28Hタンパク質などの、共刺激受容体のアゴニストである抗体、例えば、タンパク質の活性刺激と、続く免疫細胞、例えば、T細胞の刺激により、対象の免疫系(または免疫応答)をブーストできる、抗体をいう。ある実施態様において、アゴニスト抗体は、阻害受容体、例えば、CTLA−4、PD−1、PD−L1、PD−L2またはLAG−3、TIM−3、ガレクチン9、CEACAM−1、BTLA、CD69、ガレクチン−1、TIGIT、CD113、GPR56、VISTA、2B4、CD48、GARP、CD73、PD1H、LAIR1、TIM−1またはTIM−4の活性を増強し、それにより免疫応答を阻止する抗体である。

0114

ここで使用する「アンタゴニスト抗体」は、免疫細胞、例えば、T細胞の阻害シグナルのアンタゴニストである抗体、例えば、CTLA−4、PD−1、PD−L1、PD−L2またはLAG−3、TIM−3、ガレクチン9、CEACAM−1、BTLA、CD69、ガレクチン−1、TIGIT、CD113、GPR56、VISTA、2B4、CD48、GARP、CD73、PD1H、LAIR1、TIM−1またはTIM−4などのT細胞活性化を阻害するタンパク質(例えば、免疫チェックポイント阻害因子)を阻止または遮断し、それにより、免疫応答を刺激できる、抗体をいう。ある実施態様において、アンタゴニスト抗体は、刺激受容体、例えば、B7−1、B7−2、CD28、4−1BB(CD137)、4−1BBL、GITR、ICOS、ICOS−L、OX40、OX40L、CD70またはCD27、DR3またはCD28Hの活性を阻止し、それにより免疫応答を阻害する抗体をいう。

0115

アゴニストおよびアンタゴニスト抗体両者は、抗原特異的T細胞応答増幅または抗原特異的T細胞応答(免疫チェックポイント制御因子)阻害をもたらす。

0116

用語「エピトープ」または「抗原決定基」は、抗原(例えば、GITR)上の免疫グロブリンまたは抗体が特異的に結合する部位をいう。タンパク質抗原内のエピトープは、隣接アミノ酸(通常直線状エピトープ)またはタンパク質の三次元折り畳みにより並置される非隣接アミノ酸(通常配座エピトープ)両者により形成される。隣接アミノ酸から形成されるエピトープは、一般に、しかし常にではなく、変性溶媒への暴露により保持され、一方、三次元折り畳みにより形成されるエピトープは、変性溶媒での処理により一般に喪失する。エピトープは、一般に特有空間的構造で、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15アミノ酸を含む。どのエピトープが、ある抗体(すなわち、エピトープマッピング)により結合されるかを決定する方法は当分野で周知であり、例えば、重複または隣接ペプチドがある抗体との反応性試験される、免疫ブロットおよび免疫沈降アッセイを含む。エピトープの空間的構造を決定する方法は、文献およびここに記載する技法、例えば、x線結晶学2次元核磁気共鳴およびHDX−MSを含む(例えば、Epitope MappingProtocols in Methodsin Molecular Biology, Vol. 66, G. E. Morris, Ed. (1996))。

0117

ここで使用する、ある対象物についての「天然に存在する」なる用語は、該対象物が天然に存在しているとの事実をいう。例えば、天然源から単離でき、実験室で意図的に修飾されていない生物(ウイルスを含む)に存在するポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列は、天然に存在する。

0118

「ポリペプチド」は、少なくとも2つの連続的に連結したアミノ酸残基を含む鎖をいい、鎖長の上限はない。タンパク質における1以上のアミノ酸残基は、グリコシル化リン酸化またはジスルフィド結合などの、しかし、これに限定されない修飾を含み得る。「タンパク質」は1以上のポリペプチドを含み得る。

0119

ここで使用する用語「核酸分子」は、DNA分子およびRNA分子を含むことを意図する。核酸分子は一本鎖でも二本鎖でもよく、cDNAであり得る。

0120

また提供されるのは、ここに示す配列の「保存的配列修飾」であり、例えば、保存的ヌクレオチドおよびアミノ酸置換、ならびに、ヌクレオチドおよびアミノ酸付加および欠失を含む。例えば、修飾は、部位特異的変異誘発およびPCR介在変異誘発などの、当分野で知られる標準技法により配列番号1〜74に導入され得る。保存的配列修飾は、アミノ酸残基が類似側鎖を有するアミノ酸残基で置換された、保存的アミノ酸置換を含む。類似側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当分野で定義されている。これらのファミリーは、塩基性側鎖(例えば、リシン、アルギニンヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸グルタミン酸)、無電荷極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギングルタミンセリンスレオニンチロシン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖(例えば、アラニンバリンロイシンイソロイシンプロリンフェニルアラニンメチオニン)、ベータ分岐側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸を含む。

0121

ある実施態様において、重鎖定常領域またはそのドメインへのアミノ酸配列修飾は、重鎖定常領域のある性質を修飾または消失させない。これらの性質は、例えば、ヒンジの強剛性または剛性および抗体のアゴニストまたはアンタゴニスト活性を含む。ある実施態様において、重鎖定常領域またはそのドメインへのアミノ酸配列修飾は、重鎖定常領域のある性質を修飾または消失させる。

0122

抗体および/または定常領域性質を消失させるおよびさせないアミノ酸保存的置換を同定する方法は、例えば、ここで実施例部分において記載するとおり、当分野で周知である。

0123

核酸について、用語「相同性」は、2つの核酸またはその指定配列が、最適にアラインされ、比較したとき、適切なヌクレオチド挿入または欠失を伴い、ヌクレオチドの少なくとも約80%、通常少なくとも約90%〜95%およびそれ以上、好ましくはヌクレオチドの少なくとも約98%〜99.5%が同一であることを示す。あるいは、セグメントが、選択的ハイブリダイゼーション条件下、相補的鎖とハイブリダイズするとき、実質的相同性が存在する。

0124

ポリペプチドについて、用語「実質的相同性」は、2つのポリペプチドまたはその指定配列が、最適にアラインされ、比較したとき、適切なアミノ酸挿入または欠失を伴い、アミノ酸の少なくとも約80%、通常少なくとも約90%〜95%およびそれ以上、好ましくはアミノ酸の少なくとも約98%〜99.5%が同一であることを示す。

0125

2配列間のパーセント同一性は、配列が最適にアラインされたとき、これら配列により共有される同一位置の数の関数であり(すなわち、%相同性=同一位置の数/位置の総数×100)、最適アラインメントは、2配列の最適アラインメントために導入することが必要であったギャップ数および各ギャップ長を考慮して決定する。配列比較および2配列間のパーセント同一性決定は、下に非限定的例を述べる、数学アルゴリズムを使用して達成され得る。

0126

ヌクレオチド配列間のパーセント同一性は、GCソフトウェアパッケージのGAPプログラム(http://www. gcg. comで利用可能)を使用して、NWSgapdna. CMPマトリクスおよびギャップ荷重40、50、60、70または80および長さ荷重1、2、3、4、5または6を使用して、決定できる。2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列間のパーセント同一性は、ALIGNプログラム(version 2.0)に組み込まれているE. Meyers and W. Miller(CABIOS, 4:11-17 (1989))のアルゴリズムを使用して、PAM120荷重残基表、ギャップ長ペナルティ12およびギャップペナルティ4を使用して、決定される。さらに、2アミノ酸配列間のパーセント同一性は、GCGソフトウェアパッケージのGAPプログラム(http://www.gcg.comで利用可能)に組み込まれているNeedleman and Wunsch(J. Mol. Biol. (48):444-453 (1970))アルゴリズム、Blossum 62マトリクスまたはPAM250マトリクスおよびギャップ荷重16、14、12、10、8、6または4および長さ荷重1、2、3、4、5または6を使用して決定される。

0127

ここに記載する核酸およびタンパク質配列は、例えば、関連配列を同定するための、公的データベースに対するサーチを実施するための「クエリ配列」としてさらに使用され得る。このようなサーチは、Altschul, et al. (1990) J. Mol. Biol. 215:403-10のNBLASTおよびXBLASTプログラム(version 2.0)を使用して、実施され得る。BLASTヌクレオチドサーチは、NBLASTプログラムで、ここに記載する核酸分子に相同なヌクレオチド配列を得るために、スコア=100、単語長=12で実施され得る。BLASTタンパク質サーチは、XBLASTプログラムで、ここに記載するタンパク質分子に相同なアミノ酸配列を得るために、スコア=50、単語長=3で実施され得る。比較目的のギャップ付アラインメントを得るために、Gapped BLASTを、Altschul et al., (1997) Nucleic AcidsRes. 25(17):3389-3402に記載のとおり利用し得る。BLASTおよびGapped BLASTプログラムを使用するとき、各プログラム(例えば、XBLASTおよびNBLAST)のデフォルトパラーメータが使用され得る。www.ncbi.nlm.nih. gov参照。

0128

ここで使用する用語「抗原」は、タンパク質、ペプチドまたはハプテンなどのあらゆる天然または合成免疫原性物質をいう。抗原は完全長もしくは成熟タンパク質またはそのフラグメントであり得る。

0129

「免疫応答」は、外来因子に対する脊椎動物内の生物学的応答であり、この応答は、これらの因子およびそれらが原因の疾患から生物を保護する。免疫応答は、脊椎動物体内の侵入病原体、病原体に感染された細胞または組織、癌または他の異常細胞、または、自己免疫または病的炎症の場合、正常ヒト細胞または組織の選択的ターゲティング、結合、損傷、破壊および/または排除をもたらす、免疫系の細胞(例えば、Tリンパ球Bリンパ球、ナチュラルキラー(NK)細胞、マクロファージ好酸球肥満細胞樹状細胞または好中球)およびこれらの細胞の何れかまたは肝臓により産生される可溶性巨大分子(抗体、サイトカインおよび補体)の作用が介在する。免疫反応は、例えば、T細胞、例えば、エフェクターT細胞またはTh細胞、例えばCD4+またはCD8+ T細胞の活性化または阻害またはTreg細胞の阻害を含む。

0130

免疫調節因子」または「免疫制御因子」は、免疫応答の調節、制御または修飾に関与し得る因子、例えば、シグナル伝達経路の成分をいう。免疫応答の「調節」、「制御」または「修飾」は、免疫系の細胞またはこのような細胞(例えば、エフェクターT細胞)の活性の何らかの改変をいう。このような調節は、種々の細胞型の数の増加または減少、これらの細胞の活性の増加または減少または免疫系内で生じ得る何らかの他の変化により顕在化し得る、免疫系の刺激または抑制を含む。阻害性および刺激性両者の免疫調節因子が同定されており、そのいくつかは、腫瘍微小環境で機能が増強し得る。好ましい実施態様において、免疫調節因子はT細胞表面に位置する。「免疫調節標的」または「免疫制御標的」は、物質、因子、部分、化合物または分子の結合の標的であり、その活性が該結合により改変される、免疫調節因子である。免疫調節標的は、例えば、細胞表面の受容体(「免疫調節受容体」)および受容体リガンド(「免疫調節リガンド」)を含む。

0131

免疫療法」は、免疫応答を誘発、増強、抑制または他に修飾することを含む方法により、疾患を有するまたは再発リスクにあるまたは再発している対象の処置をいう。

0132

免疫刺激療法」または「免疫刺激性療法」は、例えば、癌を処置するための、対象における免疫応答の増加(誘発または増強)をいう。

0133

内因性免疫応答増強」は、対象に存在する免疫応答の有効性または効力の増加を意味する。有効性および効力のこの増加は、例えば、内因性宿主免疫応答を抑制する機構の克服または内因性宿主免疫応答を増強する機構の刺激により達成され得る。

0134

「Tエフェクター」(「Teff」)細胞は、細胞溶解性活性を有するT細胞(例えば、CD4+およびCD8+ T細胞)ならびにサイトカインを分泌し、他の免疫細胞を活性化および指示するTヘルパー(Th)細胞をいうが、制御T細胞(Treg細胞)は含まない。

0135

ここで使用する用語「結合」は、2以上の分子の会合をいう。結合は共有結合でも非共有結合でもよい。結合はまた遺伝的(すなわち、組み換えによる融合)でもよい。このような結合は、化学コンジュゲーションおよび組み換えタンパク質産生などの多様な当分野で認識される技法を使用して、達成され得る。

0136

ここで使用する「投与する」は、当業者に知られる種々の方法および送達系の何れかを使用する、対象への治療剤を含む組成物の物理投入をいう。ここに記載する抗体の好ましい投与経路は、例えば注射または点滴による、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、脊髄または他の非経腸投与経路を含む。ここで使用する用語「非経腸投与」は、通常注射による、経腸および局所投与以外の投与方式をいい、静脈内、腹腔内、筋肉内、動脈内、髄腔内、リンパ内、病巣内嚢内眼窩内心臓内、皮内、経気管、皮下、表皮下、関節内、下、クモ膜下、脊髄内硬膜外および胸骨内注射および点滴ならびにインビボエレクトロポレーションを含む。あるいは、ここに記載する抗体を、局所上皮または粘膜投与経路、例えば、鼻腔内、経口、直腸下または局所的などの非々経腸経路で投与できる。投与はまた、例えば、1回、複数回および/または1以上の長期間にわたり実施し得る。

0137

ここで使用する用語「T細胞介在応答」は、エフェクターT細胞(例えば、CD8+細胞)およびヘルパーT細胞(例えば、CD4+細胞)を含む、T細胞が介在する応答をいう。T細胞介在応答は、例えば、T細胞の細胞毒性および増殖を含む。

0138

ここで使用する用語「細胞毒性Tリンパ球(CTL)応答」は、細胞毒性T細胞により誘発される免疫応答をいう。CTL応答は、主にCD8+ T細胞により介在される。

0139

ここで使用する用語「阻害」または「遮断」(例えば、リガンドのその受容体またはその後の細胞内応答の阻害/遮断をいう)は、相互交換可能に使用され、部分的および完全阻害/遮断を包含する。ある実施態様において、抗体は、例えば、ここにさらに記載するとおり決定して、少なくとも約50%、例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、99%または100%結合を阻害する。

0140

ここで使用する「癌」は、体内の異常細胞の制御されない増殖により特徴づけられる疾患の広範な群をいう。制御されない細胞分裂は、近隣組織に侵入し、リンパ系または血流を介して体の遠位部位に転移し得る、悪性腫瘍または細胞の形成をもたらし得る。

0141

ここで使用する用語「処置する」および「処置」は、疾患に付随する症状、合併症、状態または生化学的兆候の進行、発生、重症度または再発の回復、軽減、改善、阻止または遅延もしくは予防を目的とした、対象へのあらゆるタイプの介入もしくは手順または活性剤の投与をいう。予防は、疾患が生じることを予防するか、生じたとしてもその影響を最小化するための、疾患を有しない対象への介入をいう。

0142

造血器腫瘍」は、リンパ腫白血病骨髄腫またはリンパ系悪性腫瘍ならびに脾臓およびリンパ節の癌をいう。リンパ腫の例は、B細胞リンパ腫およびT細胞リンパ腫両者を含む。B細胞リンパ腫は、ホジキンリンパ腫および大部分の非ホジキンリンパ腫の両者を含む。B細胞リンパ腫の非限定的例は、汎発性大B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫粘膜関連リンパ組織リンパ腫、小細胞リンパ球性リンパ腫(慢性リンパ球性白血病と重複)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、バーキットリンパ腫縦隔大B細胞リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、血管内大B細胞リンパ腫、原発性体液性リンパ腫、リンパ腫様肉芽腫症を含む。T細胞リンパ腫の非限定的例は、節外性T細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫未分化大細胞リンパ腫および血管免疫芽細胞性T細胞リンパ腫を含む。血液系腫瘍はまた、二次性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病慢性骨髄性白血病および急性リンパ芽球性白血病を含むが、これらに限定されない白血病も含む。血液系腫瘍は、さらに、多発性骨髄腫およびくすぶり型多発性骨髄腫などの、しかし、これらに限定されない骨髄腫を含む。他の血液学的および/またはB細胞もしくはT細胞関連癌は、用語造血器腫瘍に包含される。

0143

用語「有効用量」または「有効投与量」は、所望の効果の達成または少なくとも部分的達成に十分な量として定義される。薬物または治療剤の「治療有効量」または「治療的有効投与量」は、単独でまたは他の治療剤と組み合わせて使用したとき、疾患症状重症度低減、無疾患症状期間の頻度および期間増大または疾患罹患による機能障害もしくは身体障害の予防により証明される、疾患退縮を促進する薬物の何らかの量である。薬物の「予防有効量」または「予防有効投与量」は、疾患を発症または疾患を再発するリスクにある対象に単独でまたは他の治療剤と組み合わせて投与したとき、疾患の発症または再発を阻止する量である。治療または予防剤が疾患退縮を促進するまたは疾患の発症もしくは再発を阻止する能力は、臨床治験中のヒト対象、ヒトにおける有効性の予測的動物モデル系またはインビトロアッセイでの薬剤の活性のアッセイなどの、熟練実施者に知られる多様な方法を使用して評価できる。

0144

例として、抗癌剤は、対象における癌進行を遅延するまたは癌退縮を促進する薬物である。好ましい実施態様において、治療有効量の薬物は、癌を排除する点まで癌退縮を促進させる。「癌退縮促進」は、有効量の薬物単独または抗新生物剤との組み合わせ投与が、患者における腫瘍増殖またはサイズの低減、腫瘍壊死、疾患症状の少なくとも一つの重症度低減、無疾患症状期間の頻度および期間の増大、疾患罹患による機能障害もしくは身体障害の予防または疾患症状の他の改善をもたらすことを意味する。薬理学的有効性は、患者における癌退縮を促進する薬物の能力をいう。生理学的安全性は、薬物投与に起因する、許容可能な低レベルの毒性または細胞、臓器および/または生物レベルでの他の有害生理学的作用(有害作用)をいう。

0145

腫瘍処置に関する例として、治療有効量または投与量の薬物は、好ましくは細胞増殖または腫瘍増殖を未処置対象に比して少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約40%、さらにより好ましくは少なくとも約60%、なおさらに好ましくは少なくとも約80%阻害する。最も好ましい実施態様において、治療有効量または投与量の薬物は、細胞増殖または腫瘍増殖を完全に阻害する、すなわち、好ましくは細胞増殖または腫瘍増殖を100%阻害する。化合物が腫瘍増殖を阻害する能力は、下記アッセイを使用して評価され得る。あるいは、組成物のこの性質は、化合物が細胞増殖を阻害する能力の試験により評価でき、このような阻害は、インビトロで熟練した当業者に知られるアッセイにより測定され得る。ここに記載する他の好ましい実施態様において、腫瘍退縮が観察でき、少なくとも約20日、より好ましくは少なくとも約40日またはさらにより好ましくは少なくとも約60日の期間継続し得る。

0146

用語「患者」および「対象」は、予防または治療処置を受けるあらゆるヒトまたは非ヒト動物をいう。例えば、ここに記載する方法および組成物を、癌を有する対象の処置に使用できる。用語「非ヒト動物」は、全脊椎動物、例えば、哺乳動物および非哺乳動物、例えば、非ヒト霊長類ヒツジイヌウシニワトリ両生類爬虫類などを含む。

0147

ここに記載する種々の態様を、次のサブセクションでさらに詳述する。

0148

I. 修飾重鎖定常領域
ここに記載されるのは、抗体に存在するとき、非IgG2ヒンジを含む抗体、例えば、IgG1抗体などの修飾重鎖定常領域を有しない同じ抗体に比して、抗体のある生物学的性質または特徴を増強または改変する、「修飾重鎖定常領域」である。抗体の増強または改変される生物学的性質は:
(a)増加または改変した細胞による内在化;
(b)増加または改変したアゴニスト活性;
(c)増加または改変したアンタゴニストまたは遮断活性
(d)増強したADCC;
(d)新規性質の発現;
(e)増加または改変したシグナル伝達;
(f)大型抗体/抗原架橋複合体の形成;
(g)標的細胞表面分子の増加したクラスター形成またはオリゴマー化;
(h)免疫応答の増加した刺激または増強;および/または
(i)免疫応答の増加した阻害
を含む。

0149

またここに提供されるのは、エフェクター機能を修飾する、例えば、エフェクター機能を低減する1以上のアミノ酸変異を含む重鎖を含む抗体である。

0150

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域を含む抗体は、修飾重鎖定常領域を含まず、例えば、IgG1重鎖を含む同じ抗体に比して、抗体が細胞膜上のその標的に結合した後、抗体依存的受容体(またはリガンドもしくは表面分子)内在化により効率的に介在し、例えば、抗体は、細胞への内在化が高速でおよび/または高い程度で、標的または表面分子(例えば、受容体またはリガンド)を内在化しおよび/またはそれ自体内在化する。抗体の内在化の速度および程度は、例えば、実施例に示すとおり決定できる。内在化速度は、例えば、実施例に示すとおり、例えば、内在化のT1/2で測定して、少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上増強または増加され得て、T1/2の少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上の減少にいたる。例えば、10分のT1/2を有する代わりに、修飾重鎖定常領域は内在化速度が増加され、それによりT1/2が5分に低減される(すなわち、内在化速度の2倍増加またはT1/2の2倍減少)。「T1/2」は、抗体が細胞に加えられた時間から測定して、最大内在化の半分が達成される時間として定義される。ある実施態様において、T1/2は、少なくとも10分、30分または1時間低減される。内在化の最大レベルは、抗体濃度または時間に対してプロットした内在化を表すぐらいのプラトーでの内在化のレベルであり得る。修飾重鎖定常領域は、抗体の内在化の最大レベルを少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上増加させ得る。修飾重鎖定常領域を有する抗体と有しない同じ抗体などの種々の抗体の内在化有効性を比較する他の方法は、ある抗体濃度(例えば、100nM)および/またはある時間(例えば、2分、5分、10分または30分)での内在化レベルの比較である。内在化レベルの比較はまた内在化のEC50レベルの比較によっても実施され得る。一つの抗体の内在化レベルを、ある(対照)抗体、例えば、ここに記載する抗体、例えば、11F11またはCD73.4−IgG2CS−IgG1と比較し、ある(対照)抗体により得られた値のパーセンテージとして示し得る。内在化の程度は、これらの方法の何れかにより比較して、少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上増強され得る。

0151

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域を含む抗体は、修飾重鎖定常領域を含まず、例えば、IgG1重鎖を含む同じ抗体に比して、より強力なアゴニスト活性を有する。ある実施態様において、増強されたアゴニスト活性は、標的分子、例えば、GITRまたは免疫応答を刺激もしくは共刺激する他の分子の刺激活性、例えば、T細胞活性を増強する。ある実施態様において、増強されたアゴニスト活性は、免疫応答、例えば、T細胞活性を阻害する標的分子(例えば、チェックポイント阻害因子)の阻害活性を増強する。抗体のT細胞活性を調節する増強されたアゴニスト活性は、例えば、実施例に示すとおり、例えば、抗体と接触させたT細胞からのIFN−γまたはIL−2分泌レベルの測定により決定され得る。刺激性標的に結合する抗体のアゴニスト活性は、サイトカイン放出増加またはエフェクターT細胞増殖増加;Tregへの結合がTreg機能を減少させるならば、T制御細胞活性減少;またはTreg枯渇増加により定義して、少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上増強され得る。例えば、修飾重鎖定常領域を含む刺激性標的に結合する抗体で刺激されたT細胞から分泌されるIFN−γまたはIL−2の量は、修飾重鎖定常領域を含まない同じ抗体で刺激されたT細胞より少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上高い。阻害性標的に結合する抗体のアゴニスト活性は、サイトカイン放出減少またはエフェクターT細胞増殖低減;T制御細胞活性増加;またはTreg枯渇減少により定義して、少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上増強される。例えば、修飾重鎖定常領域を含む阻害性標的に結合する抗体で刺激されたT細胞から分泌されるIFN−γまたはIL−2の量は、修飾重鎖定常領域を含まない同じ抗体で刺激されたT細胞より少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上低い可能性がある。

0152

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域を含む抗体は、修飾重鎖定常領域を含まず、例えば、IgG1重鎖を含む同じ抗体に比して、より強力なアンタゴニストまたは遮断活性を有する。抗体の増強されたアンタゴニスト活性は、例えば、T細胞活性化の条件を含む状況下でのサイトカイン放出および/または増殖の測定により決定できる。アンタゴニスト活性は、少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上増強され得る。

0153

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域を含む抗体は、修飾重鎖定常領域を含まず、例えば、IgG1重鎖を含む同じ抗体に比して、増強したADCC活性を有する。増強したADCCは、当分野で知られる方法により決定され得る。ADCCは、少なくとも10%、30%、50%、2倍、5倍またはそれ以上増強され得る。

0154

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域を含む抗体は、修飾重鎖定常領域を含まず、例えば、IgG1重鎖を含む同じ抗体に比して、大型の抗体/抗原架橋複合体を形成する能力を有する。複合体を形成する能力は、例えば、実施例に記載するとおり決定され得る。修飾重鎖定常領域を含む抗体で形成される抗体/抗原複合体は、修飾重鎖定常領域を含まない同じ抗体で形成される複合体より、少なくとも50%、2倍、3倍、5倍または10倍大型であり得る。ある実施態様において、少なくとも2,000kDa、3,000kDa、5000kDa、10,000kDa、50,000kDaまたは100,000kDaの複合体が、修飾重鎖定常領域を有する抗体で形成される。

0155

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域を含む抗体は、修飾重鎖定常領域を含まず、例えば、IgG1重鎖を含む同じ抗体に比して、細胞表面の標的分子のより多くのクラスター形成またはオリゴマー化を誘発する。クラスター形成およびオリゴマー化の程度は、例えば、抗体/抗原複合体サイズの測定により決定され得る。

0156

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域を含む抗体は、修飾重鎖定常領域を含まず、例えば、IgG1重鎖を含む同じ抗体に比して、高レベルのまたは異なるタイプのシグナリングまたはシグナル伝達を伝達する。シグナル伝達を、シグナル伝達経路における1以上のタンパク質の活性化レベルの決定によりモニターし得る。ある実施態様において、シグナル伝達は、例えば、実施例に記載のとおり、シグナル伝達タンパク質、例えば、NFkBまたはp38の活性(またはリン酸化)の測定により決定する。修飾重鎖定常領域を含む抗体により誘発されるシグナル伝達は、修飾重鎖定常領域を含まない同じ抗体でのシグナル伝達より少なくとも10%、20%、50%、2倍、5倍またはそれ以上高いかまたは低いものであり得る。例えば、刺激分子(例えば、GITR)に結合し、修飾重鎖定常領域を含む抗体により誘発されるシグナル伝達は、IgG1重鎖を有する同じ抗体で得られるものより少なくとも10%増強され得る。例えば、NFkBまたはp38活性(例えば、リン酸化)のEC50は、少なくとも50%、2倍、5倍またはそれ以上低減され得る。

0157

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域を含む抗体は、修飾重鎖定常領域を含まず、例えば、IgG1重鎖を含む同じ抗体に比して、免疫応答または免疫系を刺激または増強する能力が増加している。免疫応答または免疫系を刺激する能力の増加は、T細胞共刺激受容体の増強されたアゴニスト活性および/または阻害受容体の増強されたアンタゴニスト活性に起因し得る。免疫応答または免疫系を刺激する能力の増加は、免疫応答を測定するアッセイ、例えば、サイトカインまたはケモカイン放出、細胞溶解性活性(標的細胞で直接的にまたはCD107aもしくはグランザイムの検出により間接的に決定)および増殖の変化を測定するアッセイにおけるEC50または活性の最大レベルの増加倍率に反映され得る。免疫応答または免疫系活性を刺激する能力は、少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上増強され得る。

0158

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域を含む抗体は、修飾重鎖定常領域を含まず、例えば、IgG1重鎖を含む同じ抗体に比して、増加した抗増殖性または抗腫瘍活性を有する。抗体の増強された抗腫瘍活性は、例えば、抗体で処置している動物における腫瘍の増殖により決定され得る。抗腫瘍活性は、少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上増強され得る。抗腫瘍活性は、例えば、腫瘍増殖動態減少および完全腫瘍退縮により顕在化する、例えば、腫瘍負荷減少として測定され得る。

0159

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域を含む抗体は、修飾重鎖定常領域を含まず、例えば、IgG1重鎖を含む同じ抗体に比して、増加した免疫応答または免疫系を阻害または抑制する能力を有する。増加した免疫応答または免疫系を阻害または抑制する能力は、T細胞共刺激受容体の増強されたアンタゴニスト活性および/または阻害受容体の増強されたアゴニスト活性に起因し得る。免疫応答または免疫系を刺激する能力の増加は、免疫応答を測定するアッセイ、例えば、サイトカインまたはケモカイン放出、細胞溶解性活性(標的細胞で直接的にまたはCD107aもしくはグランザイムの検出により間接的に決定)および増殖の変化を測定するアッセイにおけるEC50または活性の最大レベルの増加倍率に反映され得る。免疫応答または免疫系を阻害または抑制する能力活性は、少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上増強され得る。

0160

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域またはその一部、例えば、ヒンジは、他の重鎖定常領域、例えば、IgG1、IgG2、IgG3および/またはIgG4重鎖定常領域に比して硬い。例えば、修飾重鎖定常領域は、天然に存在する重鎖定常領域またはそのヒンジより硬いか、硬い部分、例えば、ヒンジを有する天然に存在しない重鎖定常領域である。重鎖定常領域またはヒンジなどのその一部の強剛性は、ヒンジを含む抗体の回転運動半径を測定または比較するための、例えば、コンピューターモデリング電子顕微鏡法核磁気共鳴(NMR)などのスペクトロスコピーX線結晶学(B因子)または超遠心沈降速度法(AUC)により決定され得る。あるいは、重鎖定常領域またはその一部の強剛性は、例えば、ここにさらに記載するとおり、抗体/抗原複合体のサイズの測定により決定され得る。

0161

修飾重鎖定常領域を含み、当分野で知られ、かつここに記載する方法により決定して増強された機能的性質を有する抗体は、異なる重鎖定常領域を有する以外同じ抗体で見られるものに比して、特定の活性の統計的に有意な差異に関連することは理解される。

0162

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域は、IgG2アイソタイプのヒンジ(「IgG2ヒンジ」)およびCH1、CH2およびCH3ドメインを含む。ある実施態様において、修飾重鎖定常領域はIgG2ヒンジおよびCH1、CH2およびCH3ドメインを含み、ここで、CH1、CH2およびCH3ドメインの少なくとも一つはIgG2アイソタイプのものではない。ある実施態様において、修飾重鎖定常領域はIgG2ヒンジおよびCH1、CH2およびCH3ドメインを含み、ここで、重鎖定常ドメインは野生型IgG2定常領域ではないかまたはアミノ酸219もしくは220に変異を有するIgG2定常領域ではない。IgG2ヒンジは、野生型IgG2ヒンジ、例えば、野生型ヒトIgG2ヒンジ(例えば、配列番号8を有する)またはそのバリアントであり得るが、ただし、IgG2ヒンジは、非IgG2ヒンジを含むまたはIgG1重鎖を含む同じ抗体に比して、抗体が増強された活性を有する能力を付与する。ある実施態様において、IgG2ヒンジバリアントは、野生型IgG2ヒンジのものに類似する強剛性または剛性を保持する。ヒンジの強剛性は、例えば、ヒンジを含む抗体の回転運動半径を測定または比較するためのコンピューターモデリング、電子顕微鏡法、核磁気共鳴(NMR)などのスペクトロスコピー、X線結晶学(B因子)または超遠心沈降速度法(AUC)により決定され得る。ヒンジは、ヒンジを含む抗体が、上記の試験の一つにより得られた値が、異なるヒンジ、例えば、IgG1ヒンジを有する同じ抗体の値に比して5%、10%、25%、50%、75%または100%未満で異なるならば、他方のヒンジのものに比して類似するまたは高い強剛性を有する。当業者は、試験から、試験結果の解釈により、あるヒンジが他のヒンジのものに少なくとも類似する強剛性を有するか否かを決定できる。

0163

ヒトIgG2ヒンジバリアントの例は、4つのシステイン残基(すなわち、C219、C220、C226およびC229)の1以上の他のアミノ酸での置換を含むIgG2ヒンジである。システインはセリンに置き換えられ得る。IgG2ヒンジの例は、C219X変異またはC220X変異を含むヒトIgG2ヒンジであり、ここで、Xはシステイン以外の任意のアミノ酸である。ある実施態様において、IgG2ヒンジはC219X置換およびC220X置換両者を含まない。ある実施態様において、IgG2ヒンジはC219SまたはC220Sを含むが、C219SおよびC22S両者は含まない。使用し得る他のIgG2ヒンジバリアントは、C220、C226および/またはC229置換、例えば、C220S、C226SまたはC229S変異(これはC219S変異と組み合わせ得る)を含むヒトIgG2ヒンジである。IgG2ヒンジはまた、ヒンジの一部が他のアイソタイプのものである(すなわち、キメラまたはハイブリッドヒンジである)が、ただし、キメラヒンジの強剛性は、野生型IgG2ヒンジのものに少なくとも類似する、IgG2ヒンジでものあり得る。例えば、IgG2ヒンジは、下部ヒンジ(表2に定義)がIgG1アイソタイプのものであり、例えば、野生型IgG1下部ヒンジであるIgG2ヒンジであり得る。

0164

「ハイブリッド」または「キメラ」ヒンジは、ヒンジの半分を超える連続的アミノ酸が特定のアイソタイプ由来であるならば、そのアイソタイプであると称する。例えば、IgG2の上部および中部ヒンジおよびIgG1の下部ヒンジを有するヒンジは、IgG2ハイブリッドヒンジと見なされる。

0165

ある実施態様において、抗体は、表4に示す配列、例えば、次の8、21、22、23、126〜129および134〜147のアミノ酸配列の一つを含むIgG2ヒンジを含む、修飾重鎖定常領域を含む。ある実施態様において、ヒンジは配列番号8、21、126、134または135を含み、ここで、P233、V234、A235およびG23の1、2、3または全4アミノ酸(C末端4アミノ酸「PVAG」(配列番号148)に対応する)は欠失されるかまたは他のアミノ酸、例えば、IgG1ヒンジ(ELLG(配列番号149)またはELLGG(配列番号150)のC末端アミノ酸で置換される。ある実施態様において、ヒンジは配列番号8、21、126、134または135を含み、ここで、V234、A235およびG237は欠失されるかまたは他のアミノ酸で置換される。ある実施態様において、ヒンジは配列番号8、21、126、134または135を含み、ここで、A235およびG237は欠失されるかまたは他のアミノ酸で置換される。ある実施態様において、ヒンジは配列番号8、21、126、134または135を含み、ここで、G237は欠失されるかまたは他のアミノ酸で置換される。ある実施態様において、ヒンジは配列番号8、21、126、134または135を含み、ここで、V234およびA235は欠失されるかまたは他のアミノ酸で置換される。配列番号22もしくは138を有するハイブリッドヒンジまたはそのバリアント(例えば、表4参照)を得るための、IgG2のPVAG(配列番号143)のIgG1ヒンジの対応するアミノ酸、すなわち、(ELLG(配列番号144)またはELLGG(配列番号145))での置換は、IgG2ヒンジの利点とIgG1ヒンジのエフェクター機能を有するヒンジを提供する。

0166

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域は、表4における配列の一つ、例えば、配列番号8、21、22、23、127〜132および134〜141からなるかまたは本質的にこれからなるヒンジを含み、ある実施態様において、付加的ヒンジアミノ酸残基を含まない。

0167

Xはシステイン以外の任意のアミノ酸である。

0168

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域は、1〜5、1〜3、1〜2または1アミノ酸がアミノ酸残基CVEとCPPの間に挿入されている、表4に示すIgG2ヒンジを含む。ある実施態様において、THTまたはGGGが挿入される。ある実施態様において、1、1〜2または1〜3アミノ酸はヒンジとCH2ドメインの間に挿入され得る。例えば、付加的グリシンはヒンジとCH2ドメインの間に挿入され得る。

0169

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域はIgG1またはIgG2定常領域であり、ここで、ヒンジは1〜10アミノ酸の欠失を含む。実施例に示すとおり、アミノ酸残基SCDKTHT(S219、C220、D221、K222、T223、H224およびT225;配列番号151)を欠くIgG1抗体は、野生型IgG1定常領域を有する同じ抗体より効率的に、抗体介在CD73内在化に寄与した。同様に、IgG2抗体の場合、アミノ酸残基CCVE(C219、C220、V222およびE224;配列番号152)を欠くIgG2抗体は、野生型IgG1定常領域を有する同じ抗体より効率的に抗体介在CD73内在化に寄与した。従って、ここに提供されるのは、ヒンジが、IgG1抗体について残基219、C220、D221、K222、T223、H224およびT225およびIgG2抗体について残基C219、C220、V222およびE224から選択される、1、2、3、4、5、6または7アミノ酸残基の欠失を含む、修飾重鎖定常領域である。

0170

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域は、IgG1またはIgG2アイソタイプの野生型CH1ドメイン(それぞれ「IgG1 CH1ドメイン」または「IgG2 CH1ドメイン」)である、CH1ドメインを含む。アイソタイプIgG3およびIgG4のCH1ドメイン(それぞれ「IgG3 CH1ドメインおよび「IgG2 CH1ドメイン」)も使用され得る。CH1ドメインはまた野生型CH1ドメインのバリアント、例えば、野生型IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4 CH1ドメインのバリアントであり得る。CH1ドメインのバリアントの例は、A114C、C131Sおよび/またはT173Cを含む。CH1ドメイン、例えば、IgG2 CH1ドメインは置換C131Sを含んでよく、この置換は、IgG2抗体またはIgG2 CH1およびヒンジを有する抗体に、B形態(またはコンフォメーション)を与える。

0171

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域は、IgG2アイソタイプのものであるCH1ドメインを含む。ある実施態様において、CH1ドメインは、例えば、アミノ酸配列



を有する、野生型IgG2 CH1ドメインである。ある実施態様において、CH1ドメインは、配列番号7のバリアントであり、配列番号7に比して1〜10、1〜5、1〜2または1アミノ酸置換または欠失を含む。実施例にさらに記載するとおり、IgG2 CH1ドメインまたはそのバリアントが、IgG1抗体に比して増強された性質を抗体に付し、抗体がまたIgG2ヒンジを含むとき、さらに増強された性質を抗体に付与することがここで示された。ある実施態様において、IgG2 CH1バリアントは、次のアミノ酸残基C131、R133、E137およびS138の1以上にアミノ酸置換または欠失を含まず、このアミノ酸残基は、上記配列番号7で太字かつ下線で示される。例えば、修飾重鎖定常領域は、R133、E137およびS138の何れも他のアミノ酸で置換されるか欠失されず、C131、R133、E137およびS138の何れも他のアミノ酸で置換されるか欠失されない、IgG2 CH1ドメインを含み得る。ある実施態様において、C131は他のアミノ酸、例えば、C131Sで置換され、この置換は、抗体が立体構造Bを取ることを誘発する。修飾重鎖定常領域を有する立体構造Aおよび立体構造B抗体両者とも、IgG1定常領域を有する同じ抗体に比して増強された活性を有することが、ここで示されている。

0172

ある実施態様において、N192および/またはF193(上記配列番号7で、斜体かつ下線として示した残基)は、他のアミノ酸、例えば、IgG1の対応するアミノ酸で置換され、すなわち、N192Sおよび/またはF193Lである。

0173

ある実施態様において、IgG2 CH1ドメインの1以上のアミノ酸残基は、IgG4における対応するアミノ酸残基で置換される。例えば、N192はN192Sであってよい;F193はF193Lであってよい;C131はC131K;および/またはT214はT214Rであってよい。

0174

抗体は、IgG2 CH1ドメインまたはそのバリアントおよびIgG2ヒンジまたはそのバリアントを含む修飾重鎖定常領域を含み得る。ヒンジおよびCH1ドメインは、ここに記載する何れかのIgG2ヒンジおよびIgG2 CH1ドメインとの組み合わせであり得る。ある実施態様において、IgG2 CH1およびヒンジは、次のアミノ酸配列



またはそれと最大で1〜10アミノ酸異なるアミノ酸配列を含む。アミノ酸バリアントは、上のヒンジおよびCH1ドメインについて記載のとおりである。

0175

ある実施態様において、抗体は、少なくともIgG2ヒンジおよび所望によりまたIgG2 CH1ドメインもしくはフラグメントまたは該ヒンジおよび/またはCH1ドメインの誘導体を含み、抗体は、(立体構造の)形態Aをとる(例えば、Allen et al. (2009) Biochemistry 48:3755参照)。ある実施態様において、抗体は、少なくともIgG2ヒンジおよび所望によりまたIgG2 CH1ドメインもしくはフラグメントまたは該ヒンジおよび/またはCH1ドメインの誘導体を含み、抗体は形態Bをとる(例えば、Allen et al. (2009) Biochemistry 48:3755参照)。

0176

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4アイソタイプの野生型CH2ドメイン(それぞれ「IgG1 CH2ドメイン」、「IgG2 CH2ドメイン」、「IgG3 CH2ドメイン」または「IgG4 CH2ドメイン」)であるCH2ドメインを含む。CH2ドメインはまた野生型CH2ドメインのバリアント、例えば、野生型IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4 CH2ドメインのバリアントであり得る。CH2ドメインのバリアントの例は、ADCCまたはCDCなどの抗体のFc領域の生物学的活性を調節するまたは抗体の半減期またはその安定性を調節する、バリアントを含む。ある実施態様において、CH2ドメインは、A330Sおよび/またはP331S変異を有するヒトIgG1 CH2ドメインであり、ここで、CH2ドメインは変異がない同じCH2変異に比して低減したエフェクター機能を有する。CH2ドメインは増強されたエフェクター機能を有し得る。CH2ドメインは、次の変異SE(S267E)、SELF(S267E/L328F)、SDIE(S239D/I332E)、SEFF、GASDALIE(G236A/S239D/A330L/I332E)の1以上および/または次のアミノ酸E233、L235、G237、P238、H268、P271、L328、A330およびK322での1以上の変異を含み得る。これらの変異のいくつかは、実際、ここに定義するCH2ドメインではなく、ヒンジの一部であることは注意すべきである。他の変異を、本明細書の他の箇所にさらに示す。

0177

ある実施態様において、修飾重鎖定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4アイソタイプの野生型CH3ドメイン(それぞれ「IgG1 CH3ドメイン」、「IgG2 CH3ドメイン」、「IgG3 CH3ドメイン」または「IgG4 CH3ドメイン」)である、CH3ドメインを含む。CH3ドメインはまた野生型CH3ドメインのバリアント、例えば、野生型IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4 CH3ドメインのバリアントであり得る。CH3ドメインのバリアントの例は、ADCCまたはCDCなどの抗体のFc領域の生物学的活性を調節するまたは抗体の半減期またはその安定性を調節するバリアントを含む。

0178

一般に、CH1、ヒンジ、CH2またはCH3ドメインのバリアントは、対応する野生型ドメイン(それぞれCH1、ヒンジ、CH2またはCH3ドメイン)に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の変異および/または最大で10、9、8、7、6、5、4、3、2または1変異または1〜10または1〜5変異を含むかまたは少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるアミノ酸配列を含んでよいが、特定のバリアントを含む重鎖定常領域は必要な生物学的活性を保持する。

0179

表5は、ヒトCH1、ヒンジ、CH2および/またはCH3ドメインを含むヒト重鎖定常領域の例を示し、ここで、各ドメインは、重鎖定常領域に所望の生物学的活性を提供する野生型ドメインまたはそのバリアントである。表5の空白セルは、ドメインが存在するかまたは存在せず、存在するならば、任意のアイソタイプ、例えば、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4であってよいことを示す。例えば、表5の重鎖定常領域1を含む抗体は、少なくともIgG2ヒンジを含み、またCH1、CH2および/またはCH3ドメインも含んでよく、存在するならば、そのCH1、CH2および/またはCH3ドメインはIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4アイソタイプのものである重鎖定常領域を含む、抗体である。表5の理解のための他の例として、重鎖定常領域8を含む抗体は、IgG1 CH1ドメインおよびIgG2ヒンジ、IgG1 CH2ドメインを含み、CH3ドメインも含んでも含まなくてもよく、存在するとき、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4アイソタイプのものであり得る、重鎖定常領域を含む抗体である。

0180

*修飾重鎖定常領域

0181

ある実施態様において、表5に示す重鎖定常領域を含む抗体は、特定の重鎖定常領域を含まない重鎖定常領域を含む同じ抗体またはIgG1定常領域を含む同じ抗体に比して、増強された生物学的活性を示す。

0182

ある実施態様において、非IgG2ヒンジおよび/または非IgG2 CH1ドメインを含む抗体の生物学的活性を改善する方法は、非IgG2ヒンジおよび/または非IgG2 CH1ドメインを含む抗体を準備し、そして非IgG2ヒンジおよび非IgG2 CH1ドメインをそれぞれIgG2ヒンジおよびIgG2 CH1ドメインで置き換えることを含む。修飾重鎖定常領域を含まない抗体の生物学的活性を改善する方法は、修飾重鎖定常領域を含まない抗体を準備し、そしてその重鎖定常領域を修飾重鎖定常領域で置き換えることを含み得る。

0183

修飾重鎖定常領域の例を表6に提供し、ドメインの各々の帰属性を示す。

0184

0185

ある実施態様において、抗体は、配列番号8、21、22、23、126〜132、134〜136および137の何れかを含むIgG2ヒンジまたはそのバリアント、例えば、(i)配列番号8、21、22、23、126〜132、134〜136および137の何れかと1、2、3、4または5アミノ酸置換、付加または欠失により異なる;(ii)配列番号8、21、22、23、126〜132、134〜136および137の何れかと最大で5、4、3、2または1アミノ酸置換、付加または欠失により異なる;(iii)配列番号8、21、22、23、126〜132、134〜136および137の何れかと1〜5、1〜3、1〜2、2〜5または3〜5アミノ酸置換、付加または欠失により異なるアミノ酸配列および/または(iv)配列番号8、21、22、23、126〜132、134〜136または137の何れかと少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるアミノ酸配列を含むIgG2ヒンジを含む修飾重鎖定常領域を含むものであり、ここで、(i)〜(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は保存的アミノ酸置換でも非保存的アミノ酸置換でもよく;そしてここで修飾重鎖定常領域は、他の重鎖定常領域、例えば、非IgG2ヒンジを含む重鎖定常領域または非IgG2ヒンジを含む同じ修飾重鎖定常領域に比して、増強された生物学的活性を有する。

0186

ある実施態様において、ヒンジは、配列番号8、21、22、23、126〜132、134〜136および137の何れかのバリアントである配列を含み、ここで、R217(野生型IgG2ヒンジ(配列番号8)における第二アミノ酸)は欠失されていないかまたは他のアミノ酸で置換されていない。ヒンジが配列番号8、21、22、23、126〜132、134〜136および137の何れかのバリアントであるある実施態様において、ヒンジは、野生型IgG2のものに類似する剛性を有する。

0187

ある実施態様において、抗体は、配列番号2を含むIgG1 CH1ドメインまたは配列番号7を含むIgG2 CH1ドメインまたは配列番号2もしくは7のバリアントを含む修飾重鎖定常領域を含み、このバリアントは、(i)配列番号2または7と1、2、3、4または5アミノ酸置換、付加または欠失により異なる;(ii)配列番号2または7と最大で5、4、3、2または1アミノ酸置換、付加または欠失により異なる;(iii)配列番号2または7と1〜5、1〜3、1〜2、2〜5または3〜5アミノ酸置換、付加または欠失により異なるおよび/または(iv)配列番号2または7と少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるアミノ酸配列を含むものであり、ここで、(i)〜(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は保存的アミノ酸置換でも非保存的アミノ酸置換でもよく;そしてここで修飾重鎖定常領域は、他の重鎖定常領域、例えば、非IgG2ヒンジを含む重鎖定常領域または非IgG2ヒンジを含む同じ修飾重鎖定常領域に比して、増強された生物学的活性を有する。

0188

ある実施態様において、抗体は、配列番号4もしくは24または配列番号4もしくは24のバリアントを含むIgG1 CH2ドメインを含む修飾重鎖定常領域を含み、このバリアントは、(i)配列番号4または24と1、2、3、4または5アミノ酸置換、付加または欠失により異なる;(ii)配列番号4または24と最大で5、4、3、2または1アミノ酸置換、付加または欠失により異なる;(iii)配列番号4または24と1〜5、1〜3、1〜2、2〜5または3〜5アミノ酸置換、付加または欠失により異なるおよび/または(iv)配列番号4または24と少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるアミノ酸配列を含むものであり、ここで、(i)〜(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は保存的アミノ酸置換でも非保存的アミノ酸置換でもよく;そしてここで修飾重鎖定常領域は、他の重鎖定常領域、例えば、非IgG2ヒンジを含む重鎖定常領域または非IgG2ヒンジを含む同じ修飾重鎖定常領域に比して、増強された生物学的活性を有する。

0189

ある実施態様において、抗体は、配列番号5または配列番号5のバリアントを含むIgG1 CH3ドメインを含む修飾重鎖定常領域を含み、このバリアントは、(i)配列番号5と1、2、3、4または5アミノ酸置換、付加または欠失により異なる;(ii)配列番号5と最大で5、4、3、2または1アミノ酸置換、付加または欠失により異なる;(iii)配列番号5と1〜5、1〜3、1〜2、2〜5または3〜5アミノ酸置換、付加または欠失により異なるおよび/または(iv)配列番号5と少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるアミノ酸配列を含むものであり、ここで、(i)〜(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は保存的アミノ酸置換でも非保存的アミノ酸置換でもよく;そしてここで修飾重鎖定常領域は、他の重鎖定常領域、例えば、非IgG2ヒンジを含む重鎖定常領域または非IgG2ヒンジを含む同じ修飾重鎖定常領域に比して、増強された生物学的活性を有する。

0190

修飾重鎖定常領域は、上記CH1、ヒンジ、CH2およびCH3ドメインの組み合わせも含み得る。

0191

ある実施態様において、抗体は、ここに記載する修飾重鎖定常領域またはここに記載する修飾重鎖定常領域のバリアントを含み、このバリアントは、(i)ここに記載する修飾重鎖定常領域と1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上のアミノ酸置換、付加または欠失により異なる;(ii)ここに記載する修飾重鎖定常領域と最大で10、9、8、7、6、5、4、3、2または1アミノ酸置換、付加または欠失により異なる;(iii)ここに記載する修飾重鎖定常領域と1〜5、1〜3、1〜2、2〜5、3〜5、1〜10または5〜10アミノ酸置換、付加または欠失により異なるおよび/または(iv)ここに記載する修飾重鎖定常領域と少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるアミノ酸配列を含むものであり、ここで、(i)〜(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は保存的アミノ酸置換でも非保存的アミノ酸置換でもよく;そしてここで修飾重鎖定常領域は、他の重鎖定常領域、例えば、非IgG2ヒンジを含む重鎖定常領域または非IgG2ヒンジを含む同じ修飾重鎖定常領域に比して、増強された生物学的活性を有する。

0192

ある実施態様において、抗体は、配列番号26〜37、54〜56、78〜125、152〜232、234〜245および247〜262の何れかを含む修飾重鎖定常領域または配列番号26〜37、54〜56、78〜125、152〜232、234〜245および247〜262の何れかのバリアントを含み、このバリアントは、(i)配列番号26〜37、54〜56、78〜125、152〜232、234〜245および247〜262の何れかと1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上のアミノ酸置換、付加または欠失により異なる;(ii)配列番号26〜37、54〜56、78〜125、152〜232、234〜245および247〜262の何れかと最大で10、9、8、7、6、5、4、3、2または1アミノ酸置換、付加または欠失により異なる;(iii)配列番号26〜37、54〜56、78〜125、152〜232、234〜245および247〜262の何れかと1〜5、1〜3、1〜2、2〜5、3〜5、1〜10または5〜10アミノ酸置換、付加または欠失により異なるおよび/または(iv)配列番号26〜37、54〜56、78〜125、152〜232、234〜245および247〜262の何れかと少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるアミノ酸配列を含むものであり、ここで、(i)〜(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は保存的アミノ酸置換でも非保存的アミノ酸置換でもよく;そしてここで修飾重鎖定常領域は、他の重鎖定常領域、例えば、非IgG2ヒンジを含む重鎖定常領域または非IgG2ヒンジを含む同じ修飾重鎖定常領域に比して、増強された生物学的活性(および/または低減されたエフェクター機能)を有する。

0193

修飾重鎖定常領域は、(i)野生型重鎖定常領域に比して、類似する、低減したまたは増加したエフェクター機能(例えば、FcγRへの結合)およびまたは(ii)野生型重鎖定常領域に比して、類似する、低減したまたは増加した半減期(またはFcRn受容体への結合)を有し得る。

0194

ある実施態様において、抗体(またはその抗原結合フラグメント)は、配列番号198またはP238Kを含むその一部または配列番号198の何れかのバリアントまたはその一部を含む修飾重鎖定常領域を含み、このバリアントは、(i)配列番号198またはP238Kを含むその一部と1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上のアミノ酸置換、付加または欠失により異なる;(ii)配列番号198またはP238Kを含むその一部と最大で10、9、8、7、6、5、4、3、2または1アミノ酸置換、付加または欠失により異なる;(iii)配列番号198またはP238Kを含むその一部と1〜5、1〜3、1〜2、2〜5、3〜5、1〜10または5〜10アミノ酸置換、付加または欠失により異なるおよび/または(iv)配列番号198またはP238Kを含むその一部と少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるアミノ酸配列を含むものであり、ここで、アミノ酸置換は保存的アミノ酸置換でも非保存的アミノ酸置換でもよく;そしてここで修飾重鎖定常領域は、ここに記載するアッセイで決定するなどで、低減されたエフェクター機能を有し、例えば、低親和性FcγRs(例えば、CD32a、CD32bおよびCD16a)への結合が検出不可能であり、所望により高親和性FcγR(CD64)への結合が検出不可能である。

0195

ある実施態様において、P238K変異を含む(例えば、配列番号198またはその一部を含む)IgG1 Fcは、野生型IgG1 Fc、例えば、ここに記載するものに比して、他の変異を含まない。ある実施態様において、P238K変異を含む(例えば、配列番号198またはその一部を含む)IgG1 Fcは、野生型ヒトIgG1 Fcに比して、P238Kに加えて1〜5アミノ酸変化を含み、例えば、配列番号198またはその一部に比して、配列番号198またはその一部および1〜5アミノ酸変化を含むが、ただし、IgG1 Fcは低減されたエフェクター機能を有する。

0196

ある実施態様において、P238K変異を含むIgG1 Fcは、エフェクター機能を低減させる他の変異を何ら含まない。ある実施態様において、P238K変異を含むIgG1 Fcは、エフェクター機能を低減させる1〜5変異を含む。

0197

ある実施態様において、P238K変異を含むIgGFcはまたL235E変異および/またはK322A変異を含み、ある実施態様において、Fcエフェクター機能を調節する付加的Fc変異を含まなくてよく、例えば、P330、P331の変異または下部ヒンジ、例えば、アミノ酸234および236〜237の変異を含まない。IgGはIgG1でもIgG2でもよい。

0198

ある実施態様において、抗体は、IgG2定常ドメインまたは少なくともそのヒンジを含む重鎖定常領域を含み、ここで、IgG2定常ドメインまたはそのヒンジは、P238A、P238K、L235A、K322Aおよび所望によりC219および/またはC220の変異、例えば、C219Sおよび/またはC220Sからなる群から選択される変異を含む。

0199

ある実施態様において、抗体は、L234A、L235EおよびG237Aの1以上を含むIgG1定常ドメインを含む、重鎖定常領域を含む。ここで使用する「IgG1.3」は、L234A、L235EおよびG237Aを含むIgG1重鎖をいう(例えば、配列番号248参照)。これら3変異を含むIgG1定常領域はまたここに記載するものなどの付加的変異も含み得る。L234A、L235EおよびG237A変異および付加的変異を含む配列の例は、配列表においてここに提供される。IgG1.3 Fcは、ADCCおよびCDCなどのエフェクター機能が顕著に低減した抗体を提供する。ある実施態様において、Fcは、IgG1.3の変異および付加的変異、例えば、P238Kを含む。

0200

ある実施態様において、抗体はIgG1.3重鎖定常領域を含み、この定常領域は、L234A、L235EおよびG237Aに加えて、エフェクター機能を調節する他の変異を何ら含まない。ある実施態様において、抗体はIgG1.3重鎖定常領域を含み、この定常領域は、L234A、L235EおよびG237Aに加えて、他の変異を含まない。

0201

重鎖定常領域は、配列表に提供される。ある実施態様において、抗体は、表に示す重鎖定常領域の一つを含み、ここで、定常領域は、表に示す配列に加えて、何ら変異を含まない。ある実施態様において、抗体は、表に示す重鎖定常領域の一つを含み、ここで、定常領域(i)配列表における配列と1、2、3、4または5アミノ酸置換、付加または欠失により異なる;(ii)配列表における配列と最大で5、4、3、2または1アミノ酸置換、付加または欠失により異なる;(iii)配列表における配列と1〜5、1〜3、1〜2、2〜5または3〜5アミノ酸置換、付加または欠失により異なるおよび/または(iv)配列表における配列と少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるアミノ酸配列を含むものであり、ここで、(i)〜(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は保存的アミノ酸置換でも非保存的アミノ酸置換でもよく;そしてここで定常領域の生物学的活性は、これらの変異により顕著に変わらない。

0202

重鎖定常領域は、重鎖領域を含む抗体に各個々の変異により付与される生物学的活性を付与する、変異の組み合わせを含み得る。例えば、アゴニスト活性、大きな細胞表面複合体形成を増強するまたは抗体の内在化を増強する1以上の変異を、エフェクター機能を調節する1以上の変異と組み合わせ得る。種々の生物学的機能を付与する変異の組み合わせを含む定常鎖配列の例を、配列表に示す。

0203

II. 修飾重鎖定常領域を有する抗体およびその標的抗原
修飾重鎖定常領域は、広範な抗体、例えば、内在化(例えば、抗体薬物コンジュゲート(ADC)および抗CD73抗体)、アゴニスト活性(例えば、免疫応答調節、例えば、T細胞活性化刺激に有効な抗体、例えばアゴニスト抗GITR抗体)、アンタゴニスト活性(例えば、免疫応答、例えば、T細胞活性化を阻害するタンパク質を阻害または遮断する抗体、例えばアンタゴニストPD−1抗体)、エフェクター機能、例えば、ADCCおよびCDCまたは低減されたエフェクター機能、シグナル伝達または抗腫瘍活性を必要とする抗体に使用され得る。例えば、細胞表面阻害受容体の内在化は、その受容体と相互作用する能力を制限し、細胞機能を減少させ得る。

0204

ある実施態様において、修飾重鎖定常ドメインを含む抗体は、細胞表面と結合したとき、例えば、受容体介在エンドサイトーシスを誘発することによる、活性のために内在化を必要とする抗体(例えば、細胞表面受容体に特異的である抗体)である。このような抗体は、治療適用のための薬物、毒素酵素またはDNAの標的化送達媒体として使用でき、それ故に、これらの抗体の内在化性質の増加が望ましい。有効な内在化により利益が得られ得る抗体の例は、抗体薬物コンジュゲートである。抗体の内在化性質を測定する種々のアッセイが当分野で知られ、ここに記載される。これらのアッセイは、例えば、抗体標識のために広範な色素を利用し、これは、内在化モニターのための洗浄または消光ベースのアッセイで使用され得る。抗体内在化は、蛍光標識に依存する無洗浄アッセイでもモニターされ得る。

0205

ある実施態様において、修飾重鎖定常ドメインを含む抗体は、活性のために、それらが結合する抗原、例えば、受容体またはリガンドなどの細胞表面分子の内在化を必要とする抗体である。それ故に、生物学的(例えば、治療的)活性のために下方制御が必要である細胞表面タンパク質に対する抗体は、ここに記載する修飾重鎖定常領域を使用できる。

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