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課題・解決手段

本発明は、1又は2以上の老化細胞を選択的に死滅させることに使用するための薬剤であって、以下:強心配糖体又は非糖部接着斑キナーゼFAK)阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、JFD00244、シクロスポリンチルホスチンAG879、カンタリジン塩化ジフェニレンヨードニウムロットレリン、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、LY−367,265、ロテノンイダルビシン塩化デカリニウムビンクリスチンニタゾキサニドニトフラゾン、テムシロリムスエルトロンボパグアダパレンアザシクロノール、エノキサシン、及びラルテグラビル、並びに薬学的に許容されるその塩から選択される、前記薬剤に関する。別の態様は老化関連の疾患又は障害治療又は防止において使用するための化合物、及びそれに関連する方法に関する。

概要

背景

老化とは、損傷した又は古い細胞に、その複製を回避するために安定した抑止を強いる細胞プログラムである。増殖抑止に加えて、老化細胞は、老化関連分泌表現型SASP)と総称される、クロマチン再構成β−ガラクトシダーゼ活性(老化関連β−ガラクトシダーゼ又はSA−β−Galと呼ばれる)の増加、及び複数の因子、主に炎症誘発性のものの分泌を含む根底からの表現型の変化を受ける。

複製老化は、細胞培養物の連続継代の際に(又は細胞が生物内で古くなるにつれて)活性化される。また、老化は、がん遺伝子活性化、放射線照射、及び化学療法薬への曝露を含む一連の様々な侵襲によっても誘導することができる。さらに、老化を誘導するいくつかの薬物が存在し、その原型例はパルボシクリブなどのCDK4/CDK6阻害剤である。

老化の機構
老化の安定した増殖抑止特徴はp16/Rb及びp53/p21経路の活性化によって実行される。サイクリン依存性キナーゼ阻害剤p16INK4a及びp21Cip1はCDK活性を阻害し、その結果、Rb低リン酸化及びG1増殖抑止をもたらす(Kuilman, T., Michaloglou, C., Mooi, W.J., and Peeper, D.S. (2010). The essence of senescence. Genes Dev 24, 2463-2479)。さらに、p16INK4aは老化中に特異的に誘導され、単独で、又はSA−β−Gal活性、老化関連ヘテロクロマチン病巣(SAHF)の形成などの他のマーカーと組み合わせて、老化細胞の同定に使用される。

老化及び疾患
老化細胞は加齢中に蓄積され、がん線維症、及び多くの加齢関連病理を含む多くの疾患に関連している。最近の証拠により、老化細胞が複数の病理において有害であり、その排除が多くの利点を与え、複数の病理を寛解させ、健康寿命及び生命寿命を増加させることが示唆されている。

老化細胞は、多くの新生物発生前病変線維性組織(例えば、肝臓腎臓心臓膵臓)、及び古い組織中に存在する。また、老化細胞は、神経学的なもの(例えば、脳動脈瘤アルツハイマー、及びパーキンソン)、肺性のもの(例えば、特発性肺線維症慢性閉塞性肺疾患、及び嚢胞性線維症)、眼科的なもの(例えば、白内障緑内障黄斑変性症)、筋骨格的なもの(例えば、筋肉減少症椎間板変性骨関節炎)、心血管性のもの(例えば、アテローム性動脈硬化症心線維症、大動脈動脈瘤)、腎臓性のもの(例えば、腎臓病移植合併症)、並びに糖尿病粘膜炎高血圧、及び骨骨髄線維症(OMF)などの他のものを含む、長いリストの他の病理にも関連している(Munoz-Espin, D., and Serrano, M. (2014). Cellular senescence: from physiology to pathology. Nat Rev Mol Cell Biol 15, 482-496)。

老化細胞はがんに対する保護的な役割を有しており、ほとんどの種類の線維症を制限する一方で、老化及び多くの他の疾患中の老化細胞の蓄積は有害であると考えられている。現在までに、老化細胞がなぜ有害なのかの明解な説明は存在してない。

老化細胞排除の利点
老化細胞の多くの有害効果(及びそれらの選択的排除によって引き起こされる利点)の証拠は、van Deursen研究室の一連の研究によって提供されている(Baker, D.J., Childs, B.G., Durik, M., Wijers, M.E., Sieben, C.J., Zhong, J., Saltness, R.A., Jeganathan, K.B., Verzosa, G.C., Pezeshki, A., et al. (2016). Naturally occurring p16(Ink4a)-positive cells shorten healthy lifespan. Nature 530, 184-189、Baker, D.J., Wijshake, T., Tchkonia, T., LeBrasseur, N.K., Childs, B.G., van de Sluis, B., Kirkland, J.L., and van Deursen, J.M. (2011). Clearance of p16Ink4a-positive senescent cells delays ageing-associated disorders. Nature 479, 232-236、Childs, B.G., Baker, D.J., Wijshake, T., Conover, C.A., Campisi, J., and van Deursen, J.M. (2016). Senescent intimal foam cells are deleterious at all stages of atherosclerosis. Science 354, 472-477)。これらの研究では、老化細胞上で特異的に誘導融合タンパク質発現するトランスジェニックマウス(INK4−ATTACマウス)を使用した(p16Ink4aのプロモーターを利用)。その二量体化始動させる薬物の添加によるこの融合タンパク質の活性化は、老化細胞の選択的死滅をもたらす。

このマウスモデルを使用することにより、老化細胞のクリアランスが、複数の加齢関連病理を減弱させることによって生命寿命及び健康寿命を増加させることが示された(Baker, D.J., Childs, B.G., Durik, M., Wijers, M.E., Sieben, C.J., Zhong, J., Saltness, R.A., Jeganathan, K.B., Verzosa, G.C., Pezeshki, A., et al. (2016). Naturally occurring p16(Ink4a)-positive cells shorten healthy lifespan. Nature 530, 184-189、Baker, D.J., Wijshake, T., Tchkonia, T., LeBrasseur, N.K., Childs, B.G., van de Sluis, B., Kirkland, J.L., and van Deursen, J.M. (2011). Clearance of p16Ink4a-positive senescent cells delays ageing-associated disorders. Nature 479, 232-236、Childs, B.G., Baker, D.J., Wijshake, T., Conover, C.A., Campisi, J., and van Deursen, J.M. (2016). Senescent intimal foam cells are deleterious at all stages of atherosclerosis. Science 354, 472-477)。老化細胞のクリアランスは、腫瘍化遅延させ、白内障形成、アテローム性動脈硬化症、並びに他の臓器の中でとりわけ腎臓、脂肪、及び心臓の加齢関連劣化を減弱させた。

INK4−ATTACマウスで得られた結果は、老化細胞中でtk導入遺伝子を発現させて、ガンシクロビル治療の際にその選択的排除を可能にする、異なるマウスモデル(3MRマウス)において、部分的に再現されている(Demaria, M., Ohtani, N., Youssef, S.A., Rodier, F., Toussaint, W., Mitchell, J.R., Laberge, R.M., Vijg, J., Van Steeg, H., Dolle, M.E., et al. (2014). An essential role for senescent cells in optimal wound healing through secretion of PDGF-AA. Dev Cell 31, 722-733)。さらに、化学療法における老化細胞の排除は、がん再発及び化学療法に関連する副作用を低減した(Demaria, M., O'Leary, M.N., Chang, J., Shao, L., Liu, S., Alimirah, F., Koenig, K., Le, C., Mitin, N., Deal, A.M., et al. (2016). Cellular Senescence Promotes Adverse Effects of Chemotherapy and Cancer Relapse. Cancer Discov.)。重要なことに、老化細胞の排除は、老化細胞が治癒プロセスの間に排除された場合に創傷治癒を遅延させること以外の副作用がない(Baker, D.J., Childs, B.G., Durik, M., Wijers, M.E., Sieben, C.J., Zhong, J., Saltness, R.A., Jeganathan, K.B., Verzosa, G.C., Pezeshki, A., et al. (2016). Naturally occurring p16(Ink4a)-positive cells shorten healthy lifespan. Nature 530, 184-189、Demaria, M., Ohtani, N., Youssef, S.A., Rodier, F., Toussaint, W., Mitchell, J.R., Laberge, R.M., Vijg, J., Van Steeg, H., Dolle, M.E., et al. (2014). An essential role for senescent cells in optimal wound healing through secretion of PDGF-AA. Dev Cell 31, 722-733)。しかし、統一的な一般仮説は、老化細胞によって分泌された(炎症誘発性)因子が組織の恒常性を妨害するということである。このことは、老化細胞によって媒介される共通の機構が、多くの加齢関連病理の効果の原因となっている可能性があることを示唆している。

老化細胞除去薬(senolytic drugs)
概念証明研究により、老化細胞を選択的に排除することができる化合物(いわゆる「老化細胞除去剤」)の同定がもたらされている。ダサチニブ及びケルセチン(Zhu, Y., Tchkonia, T., Pirtskhalava, T., Gower, A.C., Ding, H., Giorgadze, N., Palmer, A.K., Ikeno, Y., Hubbard, G.B., Lenburg, M., et al. (2015). The Achilles' heel of senescent cells: from transcriptome to senolytic drugs. Aging Cell 14, 644-658)、ピペルロングミン(Wang, Y., Chang, J., Liu, X., Zhang, X., Zhang, S., Zhang, X., Zhou, D., and Zheng, G. (2016). Discovery of piperlongumine as a potential novel lead for the development of senolytic agents. Aging (Albany NY) 8, 2915-2926)、並びにABT263及びABT737などのBcl2ファミリー阻害剤(Chang, J., Wang, Y., Shao, L., Laberge, R.M., Demaria, M., Campisi, J., Janakiraman, K., Sharpless, N.E., Ding, S., Feng, W., et al. (2016). Clearance of senescent cells by ABT263 rejuvenates aged hematopoietic stem cells in mice. Nat Med 22, 78-83、Yosef, R., Pilpel, N., Tokarsky-Amiel, R., Biran, A., Ovadya, Y., Cohen, S., Vadai, E., Dassa, L., Shahar, E., Condiotti, R., et al. (2016). Directed elimination of senescent cells by inhibition of BCL-W and BCL-XL. Nat Commun 7, 11190、Zhu, Y., Tchkonia, T., Fuhrmann-Stroissnigg, H., Dai, H.M., Ling, Y.Y., Stout, M.B., Pirtskhalava, T., Giorgadze, N., Johnson, K.O., Giles, C.B., et al. (2016). Identification of a novel senolytic agent, navitoclax, targeting the Bcl-2 family of anti-apoptotic factors. Aging Cell 15, 428-435)を含む、いくつかの老化細胞除去化合物が現在までに同定されている。現在では、BCl2ファミリー阻害剤が、様々な老化細胞をインビボで死滅させることが示されており、トランスジェニックマウスモデルにおいて再現性のある効果があるため、最も有望な老化細胞除去剤である(Chang, J., Wang, Y., Shao, L., Laberge, R.M., Demaria, M., Campisi, J., Janakiraman, K., Sharpless, N.E., Ding, S., Feng, W., et al. (2016). Clearance of senescent cells by ABT263 rejuvenates aged hematopoietic stem cells in mice. Nat Med 22, 78-83、Childs, B.G., Baker, D.J., Wijshake, T., Conover, C.A., Campisi, J., and van Deursen, J.M. (2016). Senescent intimal foam cells are deleterious at all stages of atherosclerosis. Science 354, 472-477、Yosef, R., Pilpel, N., Tokarsky-Amiel, R., Biran, A., Ovadya, Y., Cohen, S., Vadai, E., Dassa, L., Shahar, E., Condiotti, R., et al. (2016). Directed elimination of senescent cells by inhibition of BCL-W and BCL-XL. Nat Commun 7, 11190、Zhu, Y., Tchkonia, T., Fuhrmann-Stroissnigg, H., Dai, H.M., Ling, Y.Y., Stout, M.B., Pirtskhalava, T., Giorgadze, N., Johnson, K.O., Giles, C.B., et al. (2016). Identification of a novel senolytic agent, navitoclax, targeting the Bcl-2 family of anti-apoptotic factors. Aging Cell 15, 428-435)。Bcl2阻害剤は、当初はリンパ腫治療剤として開発された。ABT−737は、BCL−2、BCL−XL、及びBCL−wの低分子阻害剤であるが、低い溶解度及び経口生体利用度を有する。ABT−263は同じ分子を阻害し、インビボでの使用により適しているが、副作用として顕著な血小板減少症を引き起こす。現在までに同定されている老化細胞除去化合物によって示される顕著な副作用が原因で(重度好中球減少症を含む)、老化細胞除去特性を有するさらなる化合物及び化合物クラスを同定する必要性が存在する。

概要

本発明は、1又は2以上の老化細胞を選択的に死滅させることに使用するための薬剤であって、以下:強心配糖体又は非糖部接着斑キナーゼFAK)阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、JFD00244、シクロスポリンチルホスチンAG879、カンタリジン塩化ジフェニレンヨードニウムロットレリン、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、LY−367,265、ロテノンイダルビシン塩化デカリニウムビンクリスチンニタゾキサニドニトフラゾン、テムシロリムスエルトロンボパグアダパレンアザシクロノール、エノキサシン、及びラルテグラビル、並びに薬学的に許容されるその塩から選択される、前記薬剤に関する。別の態様は老化関連の疾患又は障害の治療又は防止において使用するための化合物、及びそれに関連する方法に関する。

目的

本発明は、老化関連の疾患又は障害の治療において使用するための化合物、及びそれに関連する方法も提供する

効果

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請求項1

1又は2以上の老化細胞を選択的に死滅させることに使用するための薬剤であって、以下:強心配糖体又は非糖部接着斑キナーゼFAK)阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、JFD00244、シクロスポリンチルホスチンAG879、カンタリジン塩化ジフェニレンヨードニウムロットレリン、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、LY−367,265、ロテノンイダルビシン塩化デカリニウムビンクリスチンニタゾキサニドニトフラゾン、テムシロリムスエルトロンボパグアダパレンアザシクロノール、エノキサシン、及びラルテグラビル、並びに薬学的に許容されるそれらの塩から選択される、前記薬剤。

請求項2

強心配糖体又は非糖部である、請求項1に記載の使用のための薬剤。

請求項3

ウアバインジゴキシン、及びK−ストロファンチンから選択される強心配糖体である、請求項2に記載の使用のための薬剤。

請求項4

ストロファンジン及びブファリンから選択される非糖部である、請求項2に記載の使用のための薬剤。

請求項5

HMG−CoAレダクターゼ阻害剤である、請求項1に記載の使用のための薬剤。

請求項6

HMG−CoAレダクターゼ阻害剤がスタチンである、請求項5に記載の使用のための薬剤。

請求項7

スタチンが、アトルバスタチンカルシウムフルバスタチンナトリウムロバスタチンピタバスタチンカルシウム、及びシンバスタチンから選択される、請求項6に記載の使用のための薬剤。

請求項8

接着斑キナーゼ(FAK)阻害剤である、請求項1に記載の使用のための薬剤。

請求項9

接着斑キナーゼ(FAK)阻害剤が、PF−573228、NSC677249、及びデファクチニブから選択される、請求項8に記載の使用のための薬剤。

請求項10

対象において1又は2以上の老化細胞を選択的に死滅させる方法であって、以下:強心配糖体又は非糖部、接着斑キナーゼ(FAK)阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、JFD00244、シクロスポリン、チルホスチンAG879、カンタリジン、塩化ジフェニレンヨードニウム、ロットレリン、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、LY−367,265、ロテノン、イダルビシン、塩化デカリニウム、ビンクリスチン、ニタゾキサニド、ニトロフラゾン、テムシロリムス、エルトロンボパグ、アダパレン、アザシクロノール、エノキサシン、及びラルテグラビル、並びに薬学的に許容されるそれらの塩から選択される薬剤を治療有効量で前記対象に投与するステップを含む、前記方法。

請求項11

老化関連の疾患又は障害の治療又は予防において使用するための化合物であって、前記化合物がHMG−CoAレダクターゼ阻害剤であり、前記老化関連の疾患又は障害が心血管障害以外である、前記化合物。

請求項12

HMG−CoAレダクターゼ阻害剤がスタチンである、請求項11に記載の使用のための化合物。

請求項13

スタチンが、アトルバスタチンカルシウム、フルバスタチンナトリウム、ロバスタチン、ピタバスタチンカルシウム、及びシンバスタチンから選択される、請求項12に記載の使用のための化合物。

請求項14

老化関連の疾患又は障害が、代謝性疾患炎症性疾患若しくは障害、肺疾患若しくは障害、神経系疾患若しくは障害、増殖性障害腎臓障害若しくは疾患、眼の疾患若しくは障害、又は皮膚障害若しくは疾患である、請求項11〜13のいずれかに記載の使用のための化合物。

請求項15

老化関連の疾患又は障害が、以下:(i)骨関節炎骨粗鬆症口腔粘膜炎炎症性腸疾患脊柱後弯、及び椎間板ヘルニアから選択される炎症性又は自己免疫性疾患又は障害、(ii)アルツハイマー病パーキンソン病ハンチントン病認知症軽度認知機能障害黄斑変性症、及び運動ニューロン機能不全から選択される神経系疾患又は障害、(iii)糖尿病糖尿病性潰瘍代謝症候群、及び肥満症から選択される代謝性疾患、(iv)肺線維症慢性閉塞性肺疾患喘息嚢胞性線維症気腫気管支拡張症、及び肺機能加齢関連損失から選択される肺疾患、(v)黄斑変性症、緑内障白内障老眼、及び失明から選択される眼の疾患又は障害、(vi)腎臓病腎不全虚弱聴覚損失筋肉疲労皮膚疾患皮膚創傷治癒肝線維症膵線維症口腔粘膜下線維症、及び筋肉減少症から選択される加齢関連の障害、並びに(vii)湿疹乾癬色素沈着過剰母斑発疹アトピー性皮膚炎蕁麻疹感光性又は光老化に関連する疾患及び障害、皺、そう痒症知覚異常、湿疹性発疹、好酸球性皮膚症、反応性好中球性皮膚症、天疱瘡類天疱瘡、免疫水疱性皮膚症、皮膚の線維組織球増殖、皮膚リンパ腫、並びに皮膚ループスから選択される皮膚疾患又は障害、から選択される、請求項11〜14のいずれかに記載の使用のための化合物。

請求項16

接着斑キナーゼ(FAK)阻害剤である、老化関連の疾患又は障害の治療又は予防において使用するための化合物。

請求項17

接着斑キナーゼ(FAK)阻害剤が、PF−573228、NSC677249、及びデファクチニブから選択される、請求項16に記載の使用のための化合物。

請求項18

老化関連の疾患又は障害が、心血管疾患若しくは障害、代謝性疾患、炎症性疾患若しくは障害、肺疾患若しくは障害、神経系疾患若しくは障害、腎臓障害若しくは疾患、又は皮膚障害若しくは疾患である、請求項16又は17に記載の使用のための化合物。

請求項19

老化関連の疾患又は障害が、以下:(i)骨関節炎、骨粗鬆症、口腔粘膜炎、炎症性腸疾患、脊柱後弯、及び椎間板ヘルニアから選択される炎症性又は自己免疫性疾患又は障害、(ii)アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、認知症、軽度認知機能障害、黄斑変性症、及び運動ニューロン機能不全から選択される神経系疾患又は障害、(iii)糖尿病、糖尿病性潰瘍、代謝症候群、及び肥満症から選択される代謝性疾患、(iv)肺線維症、慢性閉塞性肺疾患、喘息、嚢胞性線維症、気腫、気管支拡張症、及び肺機能の加齢関連の損失から選択される肺疾患、(v)黄斑変性症、緑内障、白内障、老眼、及び失明から選択される眼の疾患又は障害、(vi)腎臓疾患、腎不全、虚弱、聴覚損失、筋肉疲労、皮膚疾患、皮膚創傷治癒、肝線維症、膵線維症、口腔粘膜下線維症、及び筋肉減少症から選択される加齢関連の障害、(vii)湿疹、乾癬、色素沈着過剰、母斑、発疹、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、感光性又は光老化に関連する疾患及び障害、皺、そう痒症、知覚異常、湿疹性発疹、好酸球性皮膚症、反応性好中球性皮膚症、天疱瘡、類天疱瘡、免疫水疱性皮膚症、皮膚の線維組織球増殖、皮膚リンパ腫、並びに皮膚ループスから選択される皮膚疾患又は障害、並びに(viii)アテローム性動脈硬化症狭心症不整脈心筋症鬱血性心不全冠動脈疾患頸動脈疾患、心内膜炎冠動脈血栓心筋梗塞高血圧大動脈瘤心拡張機能障害高コレステロール血症高脂血症、増弁逸脱、末梢血管疾患、心ストレス耐性心線維症、脳動脈瘤、及び脳卒中から選択される心血管疾患、から選択される、請求項16〜18のいずれかに記載の使用のための化合物。

請求項20

老化関連の疾患又は障害の治療又は予防において使用するための、以下:JFD00244、シクロスポリン、チルホスチンAG879、カンタリジン、塩化ジフェニレンヨードニウム、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、LY−367,265、ロテノン、イダルビシン、塩化デカリニウム、ビンクリスチン、アトルバスタチンカルシウム、ニタゾキサニド、ニトロフラゾン、テムシロリムス、エルトロンボパグ、アダパレン、アザシクロノール、エノキサシン、及びラルテグラビル、並びに化合物がまだ塩形態でない場合は薬学的に許容されるそれらの塩から選択される、化合物。

請求項21

老化関連の疾患又は障害が、心血管疾患若しくは障害、代謝性疾患、炎症性疾患若しくは障害、肺疾患若しくは障害、神経系疾患若しくは障害、腎臓障害若しくは疾患、又は皮膚障害若しくは疾患である、請求項20に記載の使用のための化合物。

請求項22

老化関連の疾患又は障害が、以下:(i)骨関節炎、骨粗鬆症、口腔粘膜炎、炎症性腸疾患、脊柱後弯、及び椎間板ヘルニアから選択される炎症性又は自己免疫性疾患又は障害、(ii)アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、認知症、軽度認知機能障害、黄斑変性症、及び運動ニューロン機能不全から選択される神経系疾患又は障害、(iii)糖尿病、糖尿病性潰瘍、代謝症候群、及び肥満症から選択される代謝性疾患、(iv)肺線維症、慢性閉塞性肺疾患、喘息、嚢胞性線維症、気腫、気管支拡張症、及び肺機能の加齢関連の損失から選択される肺疾患、(v)黄斑変性症、緑内障、白内障、老眼、及び失明から選択される眼の疾患又は障害、(vi)腎臓疾患、腎不全、虚弱、聴覚損失、筋肉疲労、皮膚疾患、皮膚創傷治癒、肝線維症、膵線維症、口腔粘膜下線維症、及び筋肉減少症から選択される加齢関連の障害、(vii)湿疹、乾癬、色素沈着過剰、母斑、発疹、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、感光性又は光老化に関連する疾患及び障害、皺、そう痒症、知覚異常、湿疹性発疹、好酸球性皮膚症、反応性好中球性皮膚症、天疱瘡、類天疱瘡、免疫水疱性皮膚症、皮膚の線維組織球増殖、皮膚リンパ腫、並びに皮膚ループスから選択される皮膚疾患又は障害、並びに(viii)アテローム性動脈硬化症、狭心症、不整脈、心筋症、鬱血性心不全、冠動脈疾患、頸動脈疾患、心内膜炎、冠動脈血栓、心筋梗塞、高血圧、大動脈瘤、心拡張機能障害、高コレステロール血症、高脂血症、増帽弁逸脱、末梢血管疾患、心ストレス耐性、心線維症、脳動脈瘤、及び脳卒中から選択される心血管疾患、から選択される、請求項20又は21に記載の使用のための化合物。

請求項23

老化関連の疾患又は障害の治療又は予防において使用するための化合物であって、前記老化関連の疾患又は障害が心血管障害以外であり、前記化合物が、以下:PF−573228、JFD00244、ウアバイン、ブファリン、ジゴキシン、K−ストロファンチン、ストロファンチジン、シクロスポリン、チルホスチンAG879、カンタリジン、塩化ジフェニレンヨードニウム、ロットレリン、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、LY−367,265、ロテノン、イダルビシン、塩化デカリニウム、ビンクリスチン、アトルバスタチンカルシウム、フルバスタチンナトリウム、ロバスタチン、ピタバスタチンカルシウム、シンバスタチン、ニタゾキサニド、ニトロフラゾン、テムシロリムス、エルトロンボパグ、アダパレン、アザシクロノール、エノキサシン、及びラルテグラビル、並びに化合物がまだ塩形態でない場合は薬学的に許容されるそれらの塩から選択される、前記化合物。

請求項24

老化関連の疾患又は障害が、代謝性疾患、炎症性疾患若しくは障害、肺疾患若しくは障害、神経系疾患若しくは障害、腎臓障害若しくは疾患、又は皮膚障害若しくは疾患である、請求項23に記載の使用のための化合物。

請求項25

老化関連の疾患又は障害が、以下:(i)骨関節炎、骨粗鬆症、口腔粘膜炎、炎症性腸疾患、脊柱後弯、及び椎間板ヘルニアから選択される炎症性又は自己免疫性疾患又は障害、(ii)アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、認知症、軽度認知機能障害、黄斑変性症、及び運動ニューロン機能不全から選択される神経系疾患又は障害、(iii)糖尿病、糖尿病性潰瘍、代謝症候群、及び肥満症から選択される代謝性疾患、(iv)肺線維症、慢性閉塞性肺疾患、喘息、嚢胞性線維症、気腫、気管支拡張症、及び肺機能の加齢関連の損失から選択される肺疾患、(v)黄斑変性症、緑内障、白内障、老眼、及び失明から選択される眼の疾患又は障害、(vi)腎臓疾患、腎不全、虚弱、聴覚損失、筋肉疲労、皮膚疾患、皮膚創傷治癒、肝線維症、膵線維症、口腔粘膜下線維症、及び筋肉減少症から選択される加齢関連の障害、並びに(vii)湿疹、乾癬、色素沈着過剰、母斑、発疹、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、感光性又は光老化に関連する疾患及び障害、皺、そう痒症、知覚異常、湿疹性発疹、好酸球性皮膚症、反応性好中球性皮膚症、天疱瘡、類天疱瘡、免疫水疱性皮膚症、皮膚の線維組織球増殖、皮膚リンパ腫、並びに皮膚ループスから選択される皮膚疾患又は障害から選択される、請求項23又は24に記載の使用のための化合物。

請求項26

対象に治療有効量のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を投与するステップを含む、心血管障害以外の老化関連の疾患又は障害を治療又は予防する方法。

請求項27

対象に治療有効量の接着斑キナーゼ(FAK)阻害剤を投与するステップを含む、老化関連の疾患又は障害を治療又は予防する方法。

請求項28

老化細胞を選択的に死滅させることによって老化関連の疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、以下:PF−573228、JFD00244、ウアバイン、ブファリン、ジゴキシン、K−ストロファンチン、ストロファンチジン、シクロスポリン、チルホスチンAG879、カンタリジン、塩化ジフェニレンヨードニウム、ロットレリン、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、LY−367,265、ロテノン、イダルビシン、塩化デカリニウム、ビンクリスチン、アトルバスタチンカルシウム、フルバスタチンナトリウム、ロバスタチン、ピタバスタチンカルシウム、シンバスタチン、ニタゾキサニド、ニトロフラゾン、テムシロリムス、エルトロンボパグ、アダパレン、アザシクロノール、エノキサシン、ラルテグラビル、NSC677249、及びデファクチニブ、並びに化合物がまだ塩形態でない場合は薬学的に許容されるそれらの塩から選択される化合物を治療有効量で対象に投与するステップを含む、前記方法。

請求項29

老化関連の疾患又は障害を治療又は予防するための医薬品の調製における、以下:PF−573228、JFD00244、ウアバイン、ブファリン、ジゴキシン、K−ストロファンチン、ストロファンチジン、シクロスポリン、チルホスチンAG879、カンタリジン、塩化ジフェニレンヨードニウム、ロットレリン、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、LY−367,265、ロテノン、イダルビシン、塩化デカリニウム、ビンクリスチン、アトルバスタチンカルシウム、フルバスタチンナトリウム、ロバスタチン、ピタバスタチンカルシウム、シンバスタチン、ニタゾキサニド、ニトロフラゾン、テムシロリムス、エルトロンボパグ、アダパレン、アザシクロノール、エノキサシン、ラルテグラビル、NSC677249、及びデファクチニブ、並びに化合物がまだ塩形態でない場合は薬学的に許容されるそれらの塩から選択される化合物の使用であって、前記化合物が、1又は2以上の老化細胞を選択的に死滅させる、前記使用。

請求項30

老化関連の疾患又は障害を治療又は予防するための医薬品の調製における、接着斑キナーゼ(FAK)阻害剤の使用。

請求項31

心血管障害以外の老化関連の疾患又は障害を治療又は予防するための医薬品の調製における、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤の使用。

請求項32

PF−573228、JFD00244、ウアバイン、ブファリン、ジゴキシン、K−ストロファンチン、ストロファンチジン、シクロスポリン、チルホスチンAG879、カンタリジン、塩化ジフェニレンヨードニウム、ロットレリン、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、LY−367,265、ロテノン、イダルビシン、塩化デカリニウム、ビンクリスチン、アトルバスタチンカルシウム、フルバスタチンナトリウム、ロバスタチン、ピタバスタチンカルシウム、シンバスタチン、ニタゾキサニド、ニトロフラゾン、テムシロリムス、エルトロンボパグ、アダパレン、アザシクロノール、エノキサシン、ラルテグラビル、NSC677249、及びデファクチニブ、並びに化合物がまだ塩形態でない場合は薬学的に許容されるそれらの塩から選択される、老化細胞除去剤

請求項33

好ましくは加齢関連の疾患又は状態の発症又は進行を遅延させることによって、対象の生命寿命延長に使用するための、以下:PF−573228、JFD00244、ウアバイン、ブファリン、ジゴキシン、K−ストロファンチン、ストロファンチジン、シクロスポリン、チルホスチンAG879、カンタリジン、塩化ジフェニレンヨードニウム、ロットレリン、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、LY−367,265、ロテノン、イダルビシン、塩化デカリニウム、ビンクリスチン、アトルバスタチンカルシウム、フルバスタチンナトリウム、ロバスタチン、ピタバスタチンカルシウム、シンバスタチン、ニタゾキサニド、ニトロフラゾン、テムシロリムス、エルトロンボパグ、アダパレン、アザシクロノール、エノキサシン、ラルテグラビル、NSC677249、及びデファクチニブ、並びに化合物がまだ塩形態でない場合は薬学的に許容されるそれらの塩から選択される、化合物。

請求項34

がんの治療に使用するための、PF−573228、JFD00244、ウアバイン、ブファリン、ジゴキシン、K−ストロファンチン、ストロファンチジン、シクロスポリン、チルホスチンAG879、カンタリジン、塩化ジフェニレンヨードニウム、ロットレリン、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、LY−367,265、ロテノン、イダルビシン、塩化デカリニウム、ビンクリスチン、アトルバスタチンカルシウム、フルバスタチンナトリウム、ロバスタチン、ピタバスタチンカルシウム、シンバスタチン、ニタゾキサニド、ニトロフラゾン、テムシロリムス、エルトロンボパグ、アダパレン、アザシクロノール、エノキサシン、及びラルテグラビル、並びに化合物がまだ塩形態でない場合は薬学的に許容されるそれらの塩から選択される化合物であって、−老化へと押し進められたがん細胞を低減する若しくは排除する、又は−老化細胞によって生じた、炎症、がんの増殖の促進、及び転移の促進を含む1又は2以上の副作用を低減する若しくは排除する、又は−化学療法の1又は2以上の副作用を低減する若しくは排除する、又は−放射線療法の1又は2以上の副作用を低減する若しくは排除する、又は−前がん性病変を低減する若しくは排除する、又は−CDK4又はCDK6阻害剤を用いた治療によって老化を受ける細胞を低減する若しくは排除する、前記化合物。

技術分野

0001

本発明は、老化細胞を非老化細胞に優先して選択的に死滅させることができる化合物、すなわち老化細胞除去(senolytic)化合物に関する。また、本発明は、老化関連の疾患又は障害治療において使用するための化合物、及びそれに関連する方法も提供する。

背景技術

0002

老化とは、損傷した又は古い細胞に、その複製を回避するために安定した抑止を強いる細胞プログラムである。増殖抑止に加えて、老化細胞は、老化関連分泌表現型SASP)と総称される、クロマチン再構成β−ガラクトシダーゼ活性(老化関連β−ガラクトシダーゼ又はSA−β−Galと呼ばれる)の増加、及び複数の因子、主に炎症誘発性のものの分泌を含む根底からの表現型の変化を受ける。

0003

複製老化は、細胞培養物の連続継代の際に(又は細胞が生物内で古くなるにつれて)活性化される。また、老化は、がん遺伝子活性化、放射線照射、及び化学療法薬への曝露を含む一連の様々な侵襲によっても誘導することができる。さらに、老化を誘導するいくつかの薬物が存在し、その原型例はパルボシクリブなどのCDK4/CDK6阻害剤である。

0004

老化の機構
老化の安定した増殖抑止特徴はp16/Rb及びp53/p21経路の活性化によって実行される。サイクリン依存性キナーゼ阻害剤p16INK4a及びp21Cip1はCDK活性を阻害し、その結果、Rb低リン酸化及びG1増殖抑止をもたらす(Kuilman, T., Michaloglou, C., Mooi, W.J., and Peeper, D.S. (2010). The essence of senescence. Genes Dev 24, 2463-2479)。さらに、p16INK4aは老化中に特異的に誘導され、単独で、又はSA−β−Gal活性、老化関連ヘテロクロマチン病巣(SAHF)の形成などの他のマーカーと組み合わせて、老化細胞の同定に使用される。

0005

老化及び疾患
老化細胞は加齢中に蓄積され、がん線維症、及び多くの加齢関連病理を含む多くの疾患に関連している。最近の証拠により、老化細胞が複数の病理において有害であり、その排除が多くの利点を与え、複数の病理を寛解させ、健康寿命及び生命寿命を増加させることが示唆されている。

0006

老化細胞は、多くの新生物発生前病変線維性組織(例えば、肝臓腎臓心臓膵臓)、及び古い組織中に存在する。また、老化細胞は、神経学的なもの(例えば、脳動脈瘤アルツハイマー、及びパーキンソン)、肺性のもの(例えば、特発性肺線維症慢性閉塞性肺疾患、及び嚢胞性線維症)、眼科的なもの(例えば、白内障緑内障黄斑変性症)、筋骨格的なもの(例えば、筋肉減少症椎間板変性骨関節炎)、心血管性のもの(例えば、アテローム性動脈硬化症心線維症、大動脈動脈瘤)、腎臓性のもの(例えば、腎臓病移植合併症)、並びに糖尿病粘膜炎高血圧、及び骨骨髄線維症(OMF)などの他のものを含む、長いリストの他の病理にも関連している(Munoz-Espin, D., and Serrano, M. (2014). Cellular senescence: from physiology to pathology. Nat Rev Mol Cell Biol 15, 482-496)。

0007

老化細胞はがんに対する保護的な役割を有しており、ほとんどの種類の線維症を制限する一方で、老化及び多くの他の疾患中の老化細胞の蓄積は有害であると考えられている。現在までに、老化細胞がなぜ有害なのかの明解な説明は存在してない。

0008

老化細胞排除の利点
老化細胞の多くの有害効果(及びそれらの選択的排除によって引き起こされる利点)の証拠は、van Deursen研究室の一連の研究によって提供されている(Baker, D.J., Childs, B.G., Durik, M., Wijers, M.E., Sieben, C.J., Zhong, J., Saltness, R.A., Jeganathan, K.B., Verzosa, G.C., Pezeshki, A., et al. (2016). Naturally occurring p16(Ink4a)-positive cells shorten healthy lifespan. Nature 530, 184-189、Baker, D.J., Wijshake, T., Tchkonia, T., LeBrasseur, N.K., Childs, B.G., van de Sluis, B., Kirkland, J.L., and van Deursen, J.M. (2011). Clearance of p16Ink4a-positive senescent cells delays ageing-associated disorders. Nature 479, 232-236、Childs, B.G., Baker, D.J., Wijshake, T., Conover, C.A., Campisi, J., and van Deursen, J.M. (2016). Senescent intimal foam cells are deleterious at all stages of atherosclerosis. Science 354, 472-477)。これらの研究では、老化細胞上で特異的に誘導融合タンパク質発現するトランスジェニックマウス(INK4−ATTACマウス)を使用した(p16Ink4aのプロモーターを利用)。その二量体化始動させる薬物の添加によるこの融合タンパク質の活性化は、老化細胞の選択的死滅をもたらす。

0009

このマウスモデルを使用することにより、老化細胞のクリアランスが、複数の加齢関連病理を減弱させることによって生命寿命及び健康寿命を増加させることが示された(Baker, D.J., Childs, B.G., Durik, M., Wijers, M.E., Sieben, C.J., Zhong, J., Saltness, R.A., Jeganathan, K.B., Verzosa, G.C., Pezeshki, A., et al. (2016). Naturally occurring p16(Ink4a)-positive cells shorten healthy lifespan. Nature 530, 184-189、Baker, D.J., Wijshake, T., Tchkonia, T., LeBrasseur, N.K., Childs, B.G., van de Sluis, B., Kirkland, J.L., and van Deursen, J.M. (2011). Clearance of p16Ink4a-positive senescent cells delays ageing-associated disorders. Nature 479, 232-236、Childs, B.G., Baker, D.J., Wijshake, T., Conover, C.A., Campisi, J., and van Deursen, J.M. (2016). Senescent intimal foam cells are deleterious at all stages of atherosclerosis. Science 354, 472-477)。老化細胞のクリアランスは、腫瘍化遅延させ、白内障形成、アテローム性動脈硬化症、並びに他の臓器の中でとりわけ腎臓、脂肪、及び心臓の加齢関連劣化を減弱させた。

0010

INK4−ATTACマウスで得られた結果は、老化細胞中でtk導入遺伝子を発現させて、ガンシクロビル治療の際にその選択的排除を可能にする、異なるマウスモデル(3MRマウス)において、部分的に再現されている(Demaria, M., Ohtani, N., Youssef, S.A., Rodier, F., Toussaint, W., Mitchell, J.R., Laberge, R.M., Vijg, J., Van Steeg, H., Dolle, M.E., et al. (2014). An essential role for senescent cells in optimal wound healing through secretion of PDGF-AA. Dev Cell 31, 722-733)。さらに、化学療法における老化細胞の排除は、がん再発及び化学療法に関連する副作用を低減した(Demaria, M., O'Leary, M.N., Chang, J., Shao, L., Liu, S., Alimirah, F., Koenig, K., Le, C., Mitin, N., Deal, A.M., et al. (2016). Cellular Senescence Promotes Adverse Effects of Chemotherapy and Cancer Relapse. Cancer Discov.)。重要なことに、老化細胞の排除は、老化細胞が治癒プロセスの間に排除された場合に創傷治癒を遅延させること以外の副作用がない(Baker, D.J., Childs, B.G., Durik, M., Wijers, M.E., Sieben, C.J., Zhong, J., Saltness, R.A., Jeganathan, K.B., Verzosa, G.C., Pezeshki, A., et al. (2016). Naturally occurring p16(Ink4a)-positive cells shorten healthy lifespan. Nature 530, 184-189、Demaria, M., Ohtani, N., Youssef, S.A., Rodier, F., Toussaint, W., Mitchell, J.R., Laberge, R.M., Vijg, J., Van Steeg, H., Dolle, M.E., et al. (2014). An essential role for senescent cells in optimal wound healing through secretion of PDGF-AA. Dev Cell 31, 722-733)。しかし、統一的な一般仮説は、老化細胞によって分泌された(炎症誘発性)因子が組織の恒常性を妨害するということである。このことは、老化細胞によって媒介される共通の機構が、多くの加齢関連病理の効果の原因となっている可能性があることを示唆している。

0011

老化細胞除去薬(senolytic drugs)
概念証明研究により、老化細胞を選択的に排除することができる化合物(いわゆる「老化細胞除去剤」)の同定がもたらされている。ダサチニブ及びケルセチン(Zhu, Y., Tchkonia, T., Pirtskhalava, T., Gower, A.C., Ding, H., Giorgadze, N., Palmer, A.K., Ikeno, Y., Hubbard, G.B., Lenburg, M., et al. (2015). The Achilles' heel of senescent cells: from transcriptome to senolytic drugs. Aging Cell 14, 644-658)、ピペルロングミン(Wang, Y., Chang, J., Liu, X., Zhang, X., Zhang, S., Zhang, X., Zhou, D., and Zheng, G. (2016). Discovery of piperlongumine as a potential novel lead for the development of senolytic agents. Aging (Albany NY) 8, 2915-2926)、並びにABT263及びABT737などのBcl2ファミリー阻害剤(Chang, J., Wang, Y., Shao, L., Laberge, R.M., Demaria, M., Campisi, J., Janakiraman, K., Sharpless, N.E., Ding, S., Feng, W., et al. (2016). Clearance of senescent cells by ABT263 rejuvenates aged hematopoietic stem cells in mice. Nat Med 22, 78-83、Yosef, R., Pilpel, N., Tokarsky-Amiel, R., Biran, A., Ovadya, Y., Cohen, S., Vadai, E., Dassa, L., Shahar, E., Condiotti, R., et al. (2016). Directed elimination of senescent cells by inhibition of BCL-W and BCL-XL. Nat Commun 7, 11190、Zhu, Y., Tchkonia, T., Fuhrmann-Stroissnigg, H., Dai, H.M., Ling, Y.Y., Stout, M.B., Pirtskhalava, T., Giorgadze, N., Johnson, K.O., Giles, C.B., et al. (2016). Identification of a novel senolytic agent, navitoclax, targeting the Bcl-2 family of anti-apoptotic factors. Aging Cell 15, 428-435)を含む、いくつかの老化細胞除去化合物が現在までに同定されている。現在では、BCl2ファミリー阻害剤が、様々な老化細胞をインビボで死滅させることが示されており、トランスジェニックマウスモデルにおいて再現性のある効果があるため、最も有望な老化細胞除去剤である(Chang, J., Wang, Y., Shao, L., Laberge, R.M., Demaria, M., Campisi, J., Janakiraman, K., Sharpless, N.E., Ding, S., Feng, W., et al. (2016). Clearance of senescent cells by ABT263 rejuvenates aged hematopoietic stem cells in mice. Nat Med 22, 78-83、Childs, B.G., Baker, D.J., Wijshake, T., Conover, C.A., Campisi, J., and van Deursen, J.M. (2016). Senescent intimal foam cells are deleterious at all stages of atherosclerosis. Science 354, 472-477、Yosef, R., Pilpel, N., Tokarsky-Amiel, R., Biran, A., Ovadya, Y., Cohen, S., Vadai, E., Dassa, L., Shahar, E., Condiotti, R., et al. (2016). Directed elimination of senescent cells by inhibition of BCL-W and BCL-XL. Nat Commun 7, 11190、Zhu, Y., Tchkonia, T., Fuhrmann-Stroissnigg, H., Dai, H.M., Ling, Y.Y., Stout, M.B., Pirtskhalava, T., Giorgadze, N., Johnson, K.O., Giles, C.B., et al. (2016). Identification of a novel senolytic agent, navitoclax, targeting the Bcl-2 family of anti-apoptotic factors. Aging Cell 15, 428-435)。Bcl2阻害剤は、当初はリンパ腫治療剤として開発された。ABT−737は、BCL−2、BCL−XL、及びBCL−wの低分子阻害剤であるが、低い溶解度及び経口生体利用度を有する。ABT−263は同じ分子を阻害し、インビボでの使用により適しているが、副作用として顕著な血小板減少症を引き起こす。現在までに同定されている老化細胞除去化合物によって示される顕著な副作用が原因で(重度好中球減少症を含む)、老化細胞除去特性を有するさらなる化合物及び化合物クラスを同定する必要性が存在する。

先行技術

0012

Kuilman, T., Michaloglou, C., Mooi, W.J., and Peeper, D.S. (2010). The essence of senescence. Genes Dev 24, 2463-2479
Munoz-Espin, D., and Serrano, M. (2014). Cellular senescence: from physiology to pathology. Nat Rev Mol Cell Biol 15, 482-496
Baker, D.J., Childs, B.G., Durik, M., Wijers, M.E., Sieben, C.J., Zhong, J., Saltness, R.A., Jeganathan, K.B., Verzosa, G.C., Pezeshki, A., et al. (2016). Naturally occurring p16(Ink4a)-positive cells shorten healthy lifespan. Nature 530, 184-189
Baker, D.J., Wijshake, T., Tchkonia, T., LeBrasseur, N.K., Childs, B.G., van de Sluis, B., Kirkland, J.L., and van Deursen, J.M. (2011). Clearance of p16Ink4a-positive senescent cells delays ageing-associated disorders. Nature 479, 232-236
Childs, B.G., Baker, D.J., Wijshake, T., Conover, C.A., Campisi, J., and van Deursen, J.M. (2016). Senescent intimal foam cells are deleterious at all stages of atherosclerosis. Science 354, 472-477
Demaria, M., Ohtani, N., Youssef, S.A., Rodier, F., Toussaint, W., Mitchell, J.R., Laberge, R.M., Vijg, J., Van Steeg, H., Dolle, M.E., et al. (2014). An essential role for senescent cells in optimal wound healing through secretion of PDGF-AA. Dev Cell 31, 722-733
Demaria, M., O'Leary, M.N., Chang, J., Shao, L., Liu, S., Alimirah, F., Koenig, K., Le, C., Mitin, N., Deal, A.M., et al. (2016). Cellular Senescence Promotes Adverse Effects of Chemotherapy and Cancer Relapse. Cancer Discov.
Zhu, Y., Tchkonia, T., Pirtskhalava, T., Gower, A.C., Ding, H., Giorgadze, N., Palmer, A.K., Ikeno, Y., Hubbard, G.B., Lenburg, M., et al. (2015). The Achilles' heel of senescent cells: from transcriptome to senolytic drugs. Aging Cell 14, 644-658
Wang, Y., Chang, J., Liu, X., Zhang, X., Zhang, S., Zhang, X., Zhou, D., and Zheng, G. (2016). Discovery of piperlongumine as a potential novel lead for the development of senolytic agents. Aging (Albany NY) 8, 2915-2926
Chang, J., Wang, Y., Shao, L., Laberge, R.M., Demaria, M., Campisi, J., Janakiraman, K., Sharpless, N.E., Ding, S., Feng, W., et al. (2016). Clearance of senescent cells by ABT263 rejuvenates aged hematopoietic stem cells in mice. Nat Med 22, 78-83
Yosef, R., Pilpel, N., Tokarsky-Amiel, R., Biran, A., Ovadya, Y., Cohen, S., Vadai, E., Dassa, L., Shahar, E., Condiotti, R., et al. (2016). Directed elimination of senescent cells by inhibition of BCL-W and BCL-XL. Nat Commun 7, 11190
Zhu, Y., Tchkonia, T., Fuhrmann-Stroissnigg, H., Dai, H.M., Ling, Y.Y., Stout, M.B., Pirtskhalava, T., Giorgadze, N., Johnson, K.O., Giles, C.B., et al. (2016). Identification of a novel senolytic agent, navitoclax, targeting the Bcl-2 family of anti-apoptotic factors. Aging Cell 15, 428-435

課題を解決するための手段

0013

本発明の第1の態様は、1又は2以上の老化細胞を選択的に死滅させることに使用するための薬剤であって、以下:強心配糖体又は非糖部接着斑キナーゼFAK)阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、JFD00244、シクロスポリンチルホスチンAG879、カンタリジン塩化ジフェニレンヨードニウムロットレリン、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、LY−367,265、ロテノンイダルビシン塩化デカリニウムビンクリスチンニタゾキサニドニトフラゾン、テムシロリムスエルトロンボパグアダパレンアザシクロノール、エノキサシン、及びラルテグラビル、並びに薬学的に許容されるその塩から選択される、薬剤に関する。

0014

本発明の第2の態様は、対象において1又は2以上の老化細胞を選択的に死滅させる方法であって、以下:強心配糖体又は非糖部、接着斑キナーゼ(FAK)阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、JFD00244、シクロスポリン、チルホスチンAG879、カンタリジン、塩化ジフェニレンヨードニウム、ロットレリン、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、LY−367,265、ロテノン、イダルビシン、塩化デカリニウム、ビンクリスチン、ニタゾキサニド、ニトロフラゾン、テムシロリムス、エルトロンボパグ、アダパレン、アザシクロノール、エノキサシン、及びラルテグラビル、並びに薬学的に許容されるその塩から選択される薬剤を治療有効量で対象に投与するステップを含む、方法に関する。

0015

本発明の第3の態様は、老化関連の疾患又は障害の治療又は予防において使用するための化合物であって、前記化合物がHMG−CoAレダクターゼ阻害剤であり、前記老化関連の疾患又は障害が心血管障害以外である、化合物に関する。

0016

本発明の第4の態様は、接着斑キナーゼ(FAK)阻害剤である、老化関連の疾患又は障害の治療又は予防において使用するための化合物に関する。

0017

本発明の第5の態様は、老化関連の疾患又は障害の治療又は予防において使用するための、以下:JFD00244、シクロスポリン、チルホスチンAG879、カンタリジン、塩化ジフェニレンヨードニウム、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、LY−367,265、ロテノン、イダルビシン、塩化デカリニウム、ビンクリスチン、アトルバスタチンカルシウム、ニタゾキサニド、ニトロフラゾン、テムシロリムス、エルトロンボパグ、アダパレン、アザシクロノール、エノキサシン、及びラルテグラビル、並びに化合物がまだ塩形態でない場合は薬学的に許容されるその塩から選択される、化合物に関する。

0018

本発明の第6の態様は、老化関連の疾患又は障害の治療又は予防において使用するための化合物であって、前記老化関連の疾患又は障害が心血管障害以外であり、前記化合物が、PF−573228、JFD00244、ウアバインブファリンジゴキシン、K−ストロファンチンストロファンジン、シクロスポリン、チルホスチンAG879、カンタリジン、塩化ジフェニレンヨードニウム、ロットレリン、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、LY−367,265、ロテノン、イダルビシン、塩化デカリニウム、ビンクリスチン、アトルバスタチンカルシウム、フルバスタチンナトリウムロバスタチンピタバスタチンカルシウムシンバスタチン、ニタゾキサニド、ニトロフラゾン、テムシロリムス、エルトロンボパグ、アダパレン、アザシクロノール、エノキサシン、及びラルテグラビル、並びに化合物がまだ塩形態でない場合は薬学的に許容されるその塩から選択される、化合物に関する。

0019

本発明の第7の態様は、対象に治療有効量のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を投与するステップを含む、心血管障害以外の老化関連の疾患又は障害を治療又は予防する方法に関する。

0020

本発明の第8の態様は、対象に治療有効量の接着斑キナーゼ(FAK)阻害剤を投与するステップを含む、老化関連の疾患又は障害を治療又は予防する方法に関する。

0021

本発明の第9の態様は、老化細胞を選択的に死滅させることによって老化関連の疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、以下:PF−573228、JFD00244、ウアバイン、ブファリン、ジゴキシン、K−ストロファンチン、ストロファンチジン、シクロスポリン、チルホスチンAG879、カンタリジン、塩化ジフェニレンヨードニウム、ロットレリン、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、LY−367,265、ロテノン、イダルビシン、塩化デカリニウム、ビンクリスチン、アトルバスタチンカルシウム、フルバスタチンナトリウム、ロバスタチン、ピタバスタチンカルシウム、シンバスタチン、ニタゾキサニド、ニトロフラゾン、テムシロリムス、エルトロンボパグ、アダパレン、アザシクロノール、エノキサシン、ラルテグラビル、NSC677249、及びデファクチニブ、並びに化合物がまだ塩形態でない場合は薬学的に許容されるその塩から選択される化合物を治療有効量で対象に投与するステップを含む、方法に関する。

0022

本発明の第10の態様は、老化関連の疾患又は障害を治療又は予防するための医薬品の調製における、以下:PF−573228、JFD00244、ウアバイン、ブファリン、ジゴキシン、K−ストロファンチン、ストロファンチジン、シクロスポリン、チルホスチンAG879、カンタリジン、塩化ジフェニレンヨードニウム、ロットレリン、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、LY−367,265、ロテノン、イダルビシン、塩化デカリニウム、ビンクリスチン、アトルバスタチンカルシウム、フルバスタチンナトリウム、ロバスタチン、ピタバスタチンカルシウム、シンバスタチン、ニタゾキサニド、ニトロフラゾン、テムシロリムス、エルトロンボパグ、アダパレン、アザシクロノール、エノキサシン、ラルテグラビル、NSC677249、及びデファクチニブ、並びに化合物がまだ塩形態でない場合は薬学的に許容されるその塩から選択される化合物の使用であって、前記化合物は、1又は2以上の老化細胞を選択的に死滅させる、使用に関する。

0023

本発明の第11の態様は、老化関連の疾患又は障害を治療又は予防するための医薬品の調製における、接着斑キナーゼ(FAK)阻害剤の使用に関する。

0024

本発明の第12の態様は、心血管障害以外である、老化関連の疾患又は障害を治療又は予防するための医薬品の調製における、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤の使用に関する。

0025

本発明の第13の態様は、PF−573228、JFD00244、ウアバイン、ブファリン、ジゴキシン、K−ストロファンチン、ストロファンチジン、シクロスポリン、チルホスチンAG879、カンタリジン、塩化ジフェニレンヨードニウム、ロットレリン、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、LY−367,265、ロテノン、イダルビシン、塩化デカリニウム、ビンクリスチン、アトルバスタチンカルシウム、フルバスタチンナトリウム、ロバスタチン、ピタバスタチンカルシウム、シンバスタチン、ニタゾキサニド、ニトロフラゾン、テムシロリムス、エルトロンボパグ、アダパレン、アザシクロノール、エノキサシン、ラルテグラビル、NSC677249、及びデファクチニブ、並びに化合物がまだ塩形態でない場合は薬学的に許容されるその塩から選択される、老化細胞除去剤に関する。

0026

本発明の第14の態様は、好ましくは加齢関連の疾患又は状態の発症又は進行を遅延させることによって、対象の生命寿命の延長に使用するための、以下:PF−573228、JFD00244、ウアバイン、ブファリン、ジゴキシン、K−ストロファンチン、ストロファンチジン、シクロスポリン、チルホスチンAG879、カンタリジン、塩化ジフェニレンヨードニウム、ロットレリン、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、LY−367,265、ロテノン、イダルビシン、塩化デカリニウム、ビンクリスチン、アトルバスタチンカルシウム、フルバスタチンナトリウム、ロバスタチン、ピタバスタチンカルシウム、シンバスタチン、ニタゾキサニド、ニトロフラゾン、テムシロリムス、エルトロンボパグ、アダパレン、アザシクロノール、エノキサシン、ラルテグラビル、NSC677249、及びデファクチニブ、並びに化合物がまだ塩形態でない場合は薬学的に許容されるその塩から選択される、化合物に関する。

0027

本発明の第15の態様は、がんの治療に使用するための、以下:PF−573228、JFD00244、ウアバイン、ブファリン、ジゴキシン、K−ストロファンチン、ストロファンチジン、シクロスポリン、チルホスチンAG879、カンタリジン、塩化ジフェニレンヨードニウム、ロットレリン、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、LY−367,265、ロテノン、イダルビシン、塩化デカリニウム、ビンクリスチン、アトルバスタチンカルシウム、フルバスタチンナトリウム、ロバスタチン、ピタバスタチンカルシウム、シンバスタチン、ニタゾキサニド、ニトロフラゾン、テムシロリムス、エルトロンボパグ、アダパレン、アザシクロノール、エノキサシン、及びラルテグラビル、並びに化合物がまだ塩形態でない場合は薬学的に許容されるその塩から選択される化合物であって、
−老化へと押し進められたがん細胞を低減する若しくは排除する、又は
−老化細胞によって生じた、炎症、がんの増殖の促進、及び転移の促進を含む1又は2以上の副作用を低減する若しくは排除する、又は
−化学療法の1又は2以上の副作用をtension若しくは排除する、又は
放射線療法の1若しくは2以上の副作用を低減する若しくは排除する、又は
− 前がん性病変を低減する若しくは排除する、又は
− CDK4阻害剤又はCDK6阻害剤を用いた治療によって老化を受ける細胞を低減する若しくは排除する、
化合物に関する。

図面の簡単な説明

0028

以下の図を参照にして本発明をさらに説明する。
(A)IMR90ERRAS細胞を100nMの4OHTで6日間治療することによって、老化を受けるように誘導したことを示す図である。その時点で、10μMの示した薬物を加えた。平行して、同じ治療をDMSO(−4OHT)で治療したIMR90 ER:RAS細胞において実施した。これらの細胞は老化を受けない。細胞を4OHT誘導後の6、8、及び10日目に固定し、クリスタルバイオレットで染色して細胞生存度を評価した。T、Tyr−AG879、P、PF−573228、C、シクロスポリン。(B)(A)と同様の実験を実施し、誘導後10日目の細胞を固定し、DAPIで染色して細胞数を評価した。
細胞培養物中の老化細胞除去化合物を試験するために使用した様々な老化モデルの要約である。
候補老化細胞除去剤の、がん遺伝子誘導性老化を受けているIMR90細胞を死滅させるその能力を試験した図である。DMSO(左側のバー)及び4OHT(右側のバー)治療における、1、5、及び10μMでの%細胞生存
候補老化細胞除去剤の、がん遺伝子誘導性老化を受けているHMEC細胞を死滅させるその能力を試験した図である。DMSO(左側のバー)及び4OHT(右側のバー)治療における、1、5、及び10μMでの%細胞生存。
候補老化細胞除去剤の、IMR90 ER:RAS E6/E7細胞を死滅させるその能力を試験した図である。DMSO(左側のバー)及び4OHT治療(右側のバー)における、1、5、及び10μMでの%細胞生存。
候補老化細胞除去剤の、古いIMR90細胞を死滅させるその能力を試験した図である。若齢(左側のバー)対老齢(右側のバー)における、1、5、及び10μMでの%細胞生存。
候補老化細胞除去剤の、エトポシド治療による老化を受けているIMR90細胞を死滅させるその能力を試験した図である。DMSO(左側のバー)対エトポシド(右側のバー)治療における、1、5、及び10μMでの%細胞生存。
候補老化細胞除去剤の、ドキソルビシン治療による老化を受けているIMR90細胞を死滅させるその能力を試験した図である。DMSO(左側のバー)対(右側のバー)ドキソルビシン治療における、1、5、及び10μMでの%細胞生存。
候補老化細胞除去剤を試験した結果の要約である。
候補老化細胞除去剤の、がん遺伝子誘導性老化を受けている細胞を死滅させるその能力を試験した図である。DMSO(右側のバー)及び4OHT(左側のバー)治療における細胞数。
スタチンが老化細胞除去剤として振る舞い、がん遺伝子誘導性老化を受けるIMR90 ER:RAS細胞を優先的に死滅させることを示す図である。(A)同定したスタチンの試験。(B)アトルバスタチンは濃度依存的な様式で老化細胞除去として振る舞う。(C)シンバスタチンは濃度依存的な様式で老化細胞除去として振る舞う。それぞれの化合物について、左側のバー=DMSO、右側のバー=4OHT。
様々な接着斑キナーゼ(FAK)阻害剤が老化細胞除去剤として振る舞うことを示す図である。3つの異なるFAK阻害剤(PF−573228、NSC677249としても知られる化合物14、及びデファクチニブ)をIMR90 ER:RAS細胞において試験して、老化細胞(4OHT誘導、右側のバー)対非老化細胞(DMSOで治療、左側のバー)を示差的に死滅させるそれらの能力を分析した。
老化細胞除去剤のうちのいくつかが、アポトーシスを誘導することによって老化細胞を死滅させることを示す図である。IMR90 ER:RAS細胞を、DMSO(対照として)又は4OHT(老化を誘導するため)で治療した。したがって、細胞を、DMSO、ABT−263、又は示した老化細胞除去剤で2日間(A)又は3日間(B)、パンカスパーゼ阻害剤QVDの存在下(右側のバー)又は非存在下(左側のバー)で治療した。老化細胞除去剤を用いた老化細胞の治療はそれらを死滅させるが、PF−573228、ロットレリン、及びロテノンの事例では、パンカスパーゼ阻害剤QVDを用いた前治療によって妨げられた。ABT、ABT−263;PF、PF−573228;JFD、JFD00244;DPI、ジフェニレンヨードニウム。
老化細胞除去剤JFD00244及びロットレリンが、正常細胞及び老化細胞を含有する混合培養物中で老化細胞を特異的に排除することを示す図である。(A)正常細胞(IMR90 Cherry)をIMR90 ER:RASGFP細胞(4OHTの存在下で老化となる)と混合する、実験のセットアップである。(B)示した薬物で処置した混合培養物を示す代表的な写真である。下の段で、4OHTの際にIMR90 ER:RAS GFP細胞が老化となる。(C)混合培養物中のIMR90 Cherry(左側のバー)及びIMR90 ER:RAS GFP(右側のバー)の定量化である。
ウアバインが、マウスにおいてドキソルビシン治療によって誘導された老化細胞を排除することを示す図である。(A)実験セットアップ、マウス(n=5匹/群)に単一用量の10mg/kgのドキソルビシンを投与した。2カ月後、マウスを媒体、ウアバイン、又はABT−263(老化細胞除去対照として)で連続した4日間治療したあと、分析のために選別した。(B)対照及びドキソルビシンで治療したマウスから得た凍結切片を、ヘマトキシリン及びエオシン組織構造を現すため)並びにSA−β−Gal(老化細胞を現すため)で染色した。老化細胞は、ドキソルビシンで治療したマウスの細気管支に蓄積される。(C)SA−β−Gal染色に陽性である肺面積の定量化。ドキソルビシンを用いた治療は老化細胞の蓄積を誘導し、これはABT−263又はウアバインを用いた治療の際に部分的に排除することができる。(D)肺凍結切片の代表的な写真である。
DPI又はウアバインを用いた治療が、マウスにおいて全身放射線照射によって誘導された老化細胞を排除する排除ことを示す図である。(A)実験セットアップ、老化を誘導するためにマウス(n=5匹/群)に6グレイ照射した。2カ月後、マウスを媒体、DPI、ウアバイン、又はABT−263(老化細胞除去対照として)で連続した4日間治療したあと、分析のために選別した。(B)対照及び照射したマウスから得た肺の凍結切片を、ヘマトキシリン及びエオシン(組織構造を現すため)並びにSA−β−Gal(老化細胞を現すため)で染色した。老化細胞は、照射したマウスの細気管支に蓄積される。(C)SA−β−Gal染色に陽性である肺面積の定量化。全身放射線照射は老化細胞の蓄積を誘導し、これはABT−263、ウアバイン、又はDPIを用いた治療の際に部分的に排除することができる。(D)肺凍結切片の代表的な写真である。
ウアバイン又はジゴキシンを用いた治療が老化細胞においてアポトーシスを誘導することを示す図である。強心配糖体を用いたOISを受けているIMR90細胞の治療の際の、切断されたカスパーゼ3を示すウエスタンブロット
強心配糖体が、がん遺伝子誘導性老化を受けている細胞の用量依存的な死滅を誘導することを示す図である。100nMの4OHTを用いた治療によって、IMR90 ER:RAS細胞を、老化を受けるように誘導した。誘導の6日後、細胞を示した濃度の(A)ウアバイン、(B)ブファリン、又は(C)ジゴキシンで治療した。
グリコシド基が強心配糖体誘導性の老化細胞除去(senolysis)に必要ないことを示す図である。強心配糖体(A)が、がん遺伝子誘導性老化のIMR90 ER:RAS系を使用して老化細胞を選択的に死滅させる能力を、その対応する強心ステロイド(B、グリコシド基を欠く)と比較した。左側のバー=DMSO、右側のバー=4OHT。
ウアバインの老化細胞除去活性が細胞内K+濃度及びp38に依存性であることを示す図である。(A)ウアバインが、がん遺伝子誘導性老化を受けているIMR90 ER:RAS細胞を選択的に死滅させる能力は、KClを加えることで細胞内K+濃度を増加させることによって妨げられ、これは、これがK+/Na++ポンプを阻害することによって標的に作用することを示唆している。(B)p38の阻害はウアバインの老化細胞除去特性を部分的に妨げる。左側のバー=DMSO、右側のバー=4OHT。
ウアバインを用いた断続的な治療が、高齢マウスの身体フィットネスを改善させることを示す図である。(A)24カ月齢メスマウスを、本パネル中に要約したスケジュールに供した。治療週間にはウアバイン治療(1mg/kg ip)を連続した3日間与えた。対照群n=7匹、ウアバイン群n=9匹。(B)マウスの身体フィットネス及び協調を評価するロータロッド試験の結果である。左側のバー=生理食塩水、右側のバー=ウアバイン。
ウアバイン治療が血中代謝物の老化関連変化を戻すことを示す図である。血漿中のアルブミン(A)、アミラーゼ(B)、及びPHOS(C)の濃度を、図21Aに記載の加齢実験からのマウスにおいて測定した。90日齢のメスマウスが比較(若齢)として含まれる。
ウアバインで治療した高齢マウスが様々な臓器において老化の低減を示すことを示す図である。Cdkn2amRNA(老化マーカー及びエフェクターp16Ink4aをコードしている)の発現は加齢中に増加し、ウアバイン治療後に低減している場合がある。mRNAレベルを、図21Aに記載の実験からのメスマウス及び対応する若齢(90日齢のメス)対照の肝臓(A)、腎臓(B)、及び筋肉(C)からの抽出物において、qRTPCRによって測定した。
高齢マウスのウアバイン治療が、肝臓において老化関連β−ガラクトシダーゼ陽性細胞の減少をもたらすことを示す図である。ウアバインで治療した高齢マウスの肝臓におけるSA−β−Gal活性(老化のマーカー)の低減を示す(A)定量化及び(B)代表的な写真である。
ウアバインを用いた治療が、肝臓がん発生モデルにおいて前悪性NrasG12V陽性の老化肝細胞を排除することを示す図である。Kang et al (Nature 2011,PMID: 22080947)に記載のように、(A)CB17 SCID/beigeマウス免疫抑制マウスを水力学的尾静脈注射に供して、肝臓でNrasG12Vを発現させ、肝細胞でがん遺伝子誘導性老化を誘導した。5日後、マウスを1mg/kgのウアバインipでさらに3日間治療し、翌日(9日目)に肝臓を分析用採取した。ウアバインを用いた治療は、SA−b−Gal活性(B)、p21陽性細胞(C、老化のマーカー)、及びNras陽性の新生物発生前の肝細胞(D)を低減させた。

実施例

0029

本発明は、老化細胞を選択的に死滅させることができる薬剤に関する。

0030

明細書中で使用する用語「老化細胞除去」とは、老化細胞を選択的に(優先的に又はより高い度合で)破壊する、死滅させる、除去する、又はその選択的破壊を促進する化合物をいう、すなわち、化合物は、非老化細胞を破壊する又は死滅させるその能力と比較して、老化細胞を、生物学的に、臨床的に、及び/又は統計的に有意な様式で破壊する又は死滅させる。老化細胞除去化合物は、確立された老化細胞を選択的に死滅させるために十分であるが、非老化細胞を臨床的に有意又は生物学的に有意な様式で死滅させるには不十分な量及び期間で使用する。

0031

特定の実施形態では、本明細書中に記載の老化細胞除去化合物は、老化細胞を誘導(開始、刺激、始動、活性化、促進)して死滅をもたらす様式で、少なくとも1つのシグナル伝達経路を変化させる。老化細胞除去化合物は、1又は2以上の標的タンパク質相互作用することによって老化細胞中の1又は2以上のシグナル伝達経路を変化させてもよく、これは、アポトーシス経路などの細胞死経路の抑制の除去又は低減をもたらす。例えば、老化細胞を老化細胞除去化合物に接触又は曝露させることで、アポトーシスを開始するための細胞の機構及び経路が修復され得る。好ましい一実施形態では、薬剤はアポトーシスを誘導する。

0032

本発明の一態様は、1又は2以上の老化細胞を選択的に死滅させることに使用するための薬剤であって、以下:強心配糖体又は非糖部、接着斑キナーゼ(FAK)阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、JFD00244、シクロスポリン、チルホスチンAG879、カンタリジン、塩化ジフェニレンヨードニウム、ロットレリン、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、LY−367,265、ロテノン、イダルビシン、塩化デカリニウム、ビンクリスチン、ニタゾキサニド、ニトロフラゾン、テムシロリムス、エルトロンボパグ、アダパレン、アザシクロノール、エノキサシン、及びラルテグラビル、並びに薬学的に許容されるその塩から選択される、薬剤に関する。

0033

本発明の別の態様は、対象において1又は2以上の老化細胞を選択的に死滅させる方法であって、以下:強心配糖体又は非糖部、接着斑キナーゼ(FAK)阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、JFD00244、シクロスポリン、チルホスチンAG879、カンタリジン、塩化ジフェニレンヨードニウム、ロットレリン、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、LY−367,265、ロテノン、イダルビシン、塩化デカリニウム、ビンクリスチン、ニタゾキサニド、ニトロフラゾン、テムシロリムス、エルトロンボパグ、アダパレン、アザシクロノール、エノキサシン、及びラルテグラビル、並びに薬学的に許容されるその塩から選択される薬剤を治療有効量で対象に投与するステップを含む、方法に関する。

0034

好ましい態様では、薬剤は、老化細胞を非老化細胞に優先して選択的に死滅させる。好ましくは、薬剤は、老化細胞を非老化細胞に優先して、少なくとも1.5倍、より好ましくは、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、又は少なくとも100倍で死滅させる選択性を示す。

0035

好ましい一実施形態では、1又は2以上の老化細胞を選択的に死滅させることができる薬剤は強心配糖体又は非糖部である。

0036

強心配糖体とは、心不全を治療するために使用されるステロイド医薬品のクラスである。強心配糖体を含有する医薬品は心臓組織に直接働きかける。強心配糖体は、1又は2以上の糖分子と連結した非糖部(ステロイドホルモン構造的に関連している)からなる。強心配糖体の非糖部は2つの化学群、カルデノライド及びブファジエノライドに分けることができ、前者の群が心臓活性に最も関係づけられている。カルデノライドは不飽和ブチロラクトン環を有する一方で、ブファジエノライドはα−ピロン環を有する。非糖部とは、グリコシド上のグリコシル基水素原子によって置き換えられた後に残る化合物である。適切な強心配糖体及び非糖部は当分野の当業者精通しているであろう。

0037

好ましい一実施形態では、老化細胞を選択的に死滅させることができる化合物は、ウアバイン、ジゴキシン、及びK−ストロファンチンから選択される強心配糖体である。

0038

別の好ましい実施形態では、老化細胞を選択的に死滅させることができる化合物は、ストロファンチジン及びブファリンから選択される非糖部である。

0039

非常に好ましい一実施形態では、老化細胞を選択的に死滅させることができる薬剤はウアバインである。g−ストロファンチンとしても知られるウアバインは強心配糖体であり、低用量では、低血圧及び一部の不整脈を治療するために医学的に使用されている。これは、ナトリウムカリウムイオンポンプとしても知られるNa/K−ATPaseを阻害することによって作用する。本出願人らによる研究により、ウアバインが血中代謝物の老化関連の変化を戻すことができることが示されている。さらなる研究により、ウアバインを用いた断続的な治療が、高齢マウスの身体フィットネスを改善させ(図21)、肝臓における老化関連β−ガラクトシダーゼ活性の低減(図24)を含めて、様々な臓器において老化の低減をもたらす(図22)ことが実証されている。また、研究により、ウアバイン治療が、肝臓がん発生モデルにおいて前悪性NrasG12V陽性の老化肝細胞を排除することも示されており、それによる、肝臓(及び他の)がんの治療における治療的応用も示されている。

0040

好ましい一実施形態では、1又は2以上の老化細胞を選択的に死滅させることができる薬剤はHMG−CoAレダクターゼ阻害剤である。

0041

HMG−CoAレダクターゼは、コレステロール及び他のイソプレノイドを産生する代謝経路であるメバロン酸経路律速酵素である。哺乳動物細胞では通常、この酵素LDL受容体を介した低密度リポタンパク質内部移行及び分解に由来するコレステロール並びにコレステロールの酸化種によって抑制されている。このレダクターゼ競合的阻害剤は肝臓におけるLDL受容体の発現を誘導し、立ち代ってこれは、血漿LDLの異化を増加させ、アテローム性動脈硬化症の重要な決定要因であるコレステロールの血漿濃度下げる。したがって、この酵素は、集合的にスタチンとして知られる広く利用可能なコレステロール低下薬の標的である。

0042

HMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、公知の研究室アッセイ(Gerber, R., Ryan, J.D., and Clark, D.S. (2004). Cell-based screen of HMG-CoAreductase inhibitors and expression regulators using LC-MS. Anal Biochem 329, 28-34)によって、又は市販のアッセイキット(例えばSigmaAldrich社)を使用して同定することができる。好ましくは、本発明の目的のために、上記アッセイにおいて約100μM未満、より好ましくは約50μM未満、さらにより好ましくは約25μM未満、約10μM未満、約5μM未満、約1μM未満、約0.1μM未満、若しくは約0.01μM未満、又は1nMのIC50値す場合に、化合物はHMG−CoAレダクターゼの阻害剤であるとみなされる。

0043

好ましい一実施形態では、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤はスタチンである。スタチンの例には、ロスバスタチン(CRESTOR)、ロバスタチン(Mevacor)、アトルバスタチン(Lipitor)、プラバスタチン(Pravachol)、フルバスタチン(Lescol)、ピタバスタチン(Livalo)、及びシンバスタチン(Zocor)が含まれる。スタチンが発見された真菌源の1つである紅色酵母米抽出物は、モナコリンとして知られるいくつかの天然に存在するコレステロール低下分子を含有する。これらのうち、最も活性の高いものはモナコリンK、すなわちロバスタチンである(以前は商品名Mevacorで販売されており、現在はジェネリック薬品ロバスタチンとして入手可能)。HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(例えばスタチン)は、心血管疾患の危険性を低減させる手段として血清コレステロールを下げるために使用する。

0044

より好ましい実施形態では、スタチンは、アトルバスタチンカルシウム、フルバスタチンナトリウム、ロバスタチン、ピタバスタチンカルシウム、及びシンバスタチンから選択される。

0045

シンバスタチンなどのスタチンや、老化増殖抑止に影響を与えずに、又はアポトーシスを介して線維芽細胞を排除せずに、タンパク質プレニル化を阻害することによって、老化ヒト線維芽細胞の老化関連分泌表現型(SASP)を減少させることが報告されている(Lui et al, Sci Rep. 2015 Dec 14;5:17895. doi: 10.1038/srep17895)。さらなる研究により、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤が、リンパ腫細胞などの分裂細胞において、ROSの発生を促進し、メバロン酸経路の抑制によってAkt、Erk、及びp38シグナルを調節することによって、アポトーシスを誘導することが報告されている(Qi et al, Cell Death and Disease (2013) 4, e518; doi:10.1038/cddis.2013.44)。驚くべきことに、本出願人らによる研究は今回、スタチンが老化細胞を死滅させる能力を有することを示した。

0046

本発明の別の実施形態では、1又は2以上の老化細胞を選択的に死滅させることができる薬剤は接着斑キナーゼ(FAK)阻害剤である。

0047

タンパク質チロシンキナーゼ2(PTK2)としても公知の接着斑キナーゼ(FAK)は、ヒトではPTK2遺伝子によってコードされているタンパク質である。PTK2は、細胞接着及び拡大の方法に関与している接着斑関連プロテインキナーゼである。

0048

FAKは、細胞間の接着斑の動力学の参加物として動員される125kDのタンパク質であり、運動性及び細胞生存において役割を有する。FAKは、がん遺伝子タンパク質チロシンキナーゼv−srcの基質として最初に同定された、高度に保存された非受容体チロシンキナーゼである。このサイトゾルキナーゼは、細胞運動マイトジェン応答、及び細胞生存を含む多様な細胞内の役割に関連づけられている。FAKは、典型的には、細胞外マトリックス(ECM)を細胞質細胞骨格と連結させる多タンパク質構造である、接着斑として知られる構造に位置する。接着斑のさらなる構成要素には、アクチンフィラミンビンキュリンタリンパキシリンテンシン、及びRSU−1が含まれる。

0049

FAK阻害剤は、公知の研究室アッセイによって、市販のキット、例えば、ADP−Glo(商標)キナーゼアッセイ(Promega社)又はFAK(ホスホ)[pT937]]ヒトELISAキット(Thermo Fisher Scientific社)を使用して同定することができる。好ましくは、本発明の目的のために、上記アッセイにおいて約100μM未満、より好ましくは約50μM未満、さらにより好ましくは約25μM未満、約10μM未満、約5μM未満、約1μM未満、約0.1μM未満、若しくは約0.01μM未満、又は約1nM未満のIC50値を示す場合に、化合物はFAK阻害剤であるとみなされる。

0050

好ましい実施形態では、接着斑キナーゼ(FAK)阻害剤は、PF−573228、NSC677249、及びデファクチニブから選択される。

0051

別の実施形態では、1又は2以上の老化細胞を選択的に死滅させることができる薬剤は以下から選択される。

0052

0053

本発明の別の態様は、上記表に定義した老化細胞除去剤に関する。

0054

本発明の別の態様は、老化細胞除去剤として使用するための、本明細書中に定義した薬剤に関する。好ましくは、薬剤は上記表に定義されている通りである。

0055

本発明による化合物の老化細胞除去活性は、添付の実施例を参照して実証されており、以下にさらに詳述されている。

0056

IMR90ER:RAS細胞における本出願人らによる研究により、本明細書中に記載の化合物が老化細胞を排除することができることが実証されている。特に、化合物は、老化細胞数の選択的低減をもたらし(正常細胞の低下はない)、したがって候補老化細胞除去剤である。

0057

使用したセットアップでは、IMR90ER:RAS細胞を100nMの4OHTで処置して、OIS(がん遺伝子誘導性老化)を誘導し、ER:RAS融合タンパク質を活性化させた。4OHT誘導(+4OHT)の6日後、細胞が完全に老化したあと、試験する薬剤を10μMの濃度で加え、4日後、自動顕微鏡観察と組み合わせたDAPI染色によって細胞数を評価した。或いは、細胞を固定し、クリスタルバイオレットで染色した。平行して、同じ処置をDMSO(−4OHT)で処置したIMR90 ER:RAS細胞において実施した。これらの細胞は老化を受けない。(−4OHT)対(+4OHT)の細胞数のプロットにより、老化細胞を選択的に排除することができる薬剤が同定された。試験した候補のうち、tyr−AG879、PF−573228、及びシクロスポリンが最も有望な老化細胞除去特性を示した(図1)。本発明によるさらなる化合物による、IMR90 ER:RASにおける老化細胞の選択的死滅は、図10において確認されている。

0058

老化細胞除去剤としてのその役割を検証するために、化合物を、3つの異なる濃度(1、5、及び10μM)で使用した場合に、様々な種類の老化細胞を選択的に排除するその能力について試験した。これらの化合物を試験するために使用した様々な老化の細胞培養モデルの要約を図2提示する。これらの実験では、化合物を対照ABT−263(事実上の至適基準の老化細胞除去化合物)と隣り合わせで試験した(Chang, J., Wang, Y., Shao, L., Laberge, R.M., Demaria, M., Campisi, J., Janakiraman, K., Sharpless, N.E., Ding, S., Feng, W., et al. (2016). Clearance of senescent cells by ABT263 rejuvenates aged hematopoietic stem cells in mice. Nat Med 22, 78-83、Yosef, R., Pilpel, N., Tokarsky-Amiel, R., Biran, A., Ovadya, Y., Cohen, S., Vadai, E., Dassa, L., Shahar, E., Condiotti, R., et al. (2016). Directed elimination of senescent cells by inhibition of BCL-W and BCL-XL. Nat Commun 7, 11190、Zhu, Y., Tchkonia, T., Fuhrmann-Stroissnigg, H., Dai, H.M., Ling, Y.Y., Stout, M.B., Pirtskhalava, T., Giorgadze, N., Johnson, K.O., Giles, C.B., et al. (2016). Identification of a novel senolytic agent, navitoclax, targeting the Bcl-2 family of anti-apoptotic factors. Aging Cell 15, 428-435)。OIS中に老化細胞除去剤として振る舞う化合物の能力を試験するために実験を実施した(図3ではIMR90ER:RAS、及び図4ではHMEC hTERT ER:RASを使用)。結果は、老化細胞除去化合物がヒト線維芽細胞だけでなく、他の細胞型においても老化細胞除去として振る舞うことを示唆している。老化IMR90 ER:RASの選択的死滅が老化誘導の結果であるかRASシグナル伝達の活性化の結果であるかを理解するために、同質遺伝子IMR90 ER:RAS E6/E7細胞において実験を実施した。これらの細胞では、ER:RAS融合タンパク質を活性化させる4OHTを100nM加えることによってRASシグナル伝達を誘導させる。しかし、E6/E7タンパク質の発現は老化誘導を妨げる。試験した化合物のうちの2つ、ウアバイン及びジフェニレンヨードニウムは、IMR90 ER:RAS E6/E7を死滅させることについて選択性を示した(図5)。このことは、これらの化合物の選択性の一部が、老化の活性化ではなくRASシグナル伝達が原因であることを示唆しているが、RASの活性化過剰が多くの腫瘍の特徴であるため、これらの化合物は依然として興味深い。

0059

本発明による化合物が、老化ががん遺伝子活性化以外の刺激によって誘導されている場合にも老化細胞除去剤として振る舞うことができるかどうかを決定するために、実験を実施した。化合物を、複製老化を受けている細胞(古いIMR90細胞、図6)、並びにエトポシド(図7)及びドキソルビシン(図8)などの化学療法薬によって誘導された老化を排除する能力について試験した。結果の要約を図9に提示する。一部の化合物は広域性を実証したが(使用した系の多くにおいて老化細胞除去剤として振る舞う)、他のものは所定の細胞型又は誘導因子に対してより特異的であった。

0060

1つの化合物、PF−573228はFAK阻害剤である。他のFAK阻害剤が老化細胞除去剤としても振る舞うかどうかを試験するために、実験を実施した。化合物14(NSC677249としても知られる)及びデファクチニブも老化細胞除去特性を有することが示されている(図12)。これらの結果は、FAKが老化細胞に必須の遺伝子であり、したがってFAK阻害剤が老化細胞除去剤としての治療的応用を有する可能性があることを示唆している。また、様々なスタチンも老化細胞除去性であることが同定された。スタチンはHMG−CoAレダクターゼ阻害剤であり、心血管疾患を予防するために使用されている脂質低下医薬品のクラスである(Goldstein and Brown, 2015)。これらのスタチンのうちの5つの老化細胞除去効果が実験によって確認された(図11A)。さらなる実験は、アトルバスタチン及びシンバスタチンの老化細胞除去剤としての用量依存的効果を確認する役割を果たした(図11B〜C)。これらの実験は、HMG−CoAレダクターゼが老化細胞の必須遺伝子であり、したがってHMG−CoAレダクターゼの阻害剤が老化細胞除去剤としての治療的応用を有することを示唆している。

0061

パンカスパーゼ阻害剤(QVD)を使用して、老化細胞除去剤が老化細胞の排除を引き起こした機構を調査するために、実験を実施した。この阻害剤の添加は、PF−573228、ロットレリン、及びロテノンによる老化細胞の排除を妨げ、これは、これらの薬物が老化細胞のアポトーシスを選択的に誘導することを示している(図13)。

0062

上記実験はすべて、正常細胞及び老化細胞の培養物における薬物の効果を比較して行った。薬物が混合培養物からの老化細胞を選択的に死滅させるかどうかを理解するために、4OHTで治療した際に老化を受けるように誘導することができるCherry標識した正常IMR90細胞及びGFP標識したIMR90ER:RAS細胞を使用して、実験を実施した(図14A)。この系を使用して、老化細胞除去剤JFD00244及びロットレリンは、ABT−263と同様の様式で、共培養物からの老化細胞の選択的排除をもたらす(図14B〜C)。

0063

さらなる実験では、老化細胞除去剤がインビボで老化細胞を排除することができるかどうかを調査した。化学療法剤ドキソルビシンを用いたマウスの治療は老化を誘導することが示されている。これらの老化細胞は、化学療法に関連する副作用の一部の原因であり、がん細胞の増殖をあおる可能性がある(Demaria, M., O'Leary, M.N., Chang, J., Shao, L., Liu, S., Alimirah, F., Koenig, K., Le, C., Mitin, N., Deal, A.M., et al. (2016). Cellular Senescence Promotes Adverse Effects of Chemotherapy and Cancer Relapse. Cancer Discov.)。ウアバインを用いた治療がドキソルビシンによって誘導された老化細胞を排除できるかどうかを理解するために、図15に記載のように実験を実施した。ドキソルビシン治療は肺において老化を誘導する。ウアバインを用いた治療は、マウスのドキソルビシン治療によって誘導された老化細胞の部分的排除をもたらした(図15)。

0064

全身放射線照射は老化を引き起こすことが知られている。照射したマウスでは、老化細胞は肺を含む様々な組織に蓄積される(Chang, J., Wang, Y., Shao, L., Laberge, R.M., Demaria, M., Campisi, J., Janakiraman, K., Sharpless, N.E., Ding, S., Feng, W., et al. (2016). Clearance of senescent cells by ABT263 rejuvenates aged hematopoietic stem cells in mice. Nat Med 22, 78-83、Yosef, R., Pilpel, N., Tokarsky-Amiel, R., Biran, A., Ovadya, Y., Cohen, S., Vadai, E., Dassa, L., Shahar, E., Condiotti, R., et al. (2016). Directed elimination of senescent cells by inhibition of BCL-W and BCL-XL. Nat Commun 7, 11190)。これは、公知の老化細胞除去ABT−263を用いた治療の際に部分的防止することができる(Chang, J., Wang, Y., Shao, L., Laberge, R.M., Demaria, M., Campisi, J., Janakiraman, K., Sharpless, N.E., Ding, S., Feng, W., et al. (2016). Clearance of senescent cells by ABT263 rejuvenates aged hematopoietic stem cells in mice. Nat Med 22, 78-83、Yosef, R., Pilpel, N., Tokarsky-Amiel, R., Biran, A., Ovadya, Y., Cohen, S., Vadai, E., Dassa, L., Shahar, E., Condiotti, R., et al. (2016). Directed elimination of senescent cells by inhibition of BCL-W and BCL-XL. Nat Commun 7, 11190)。ウアバイン又はDPIのどちらかを用いた治療は、ABT−263と同様の様式で、これらの老化細胞を部分的に排除した(図16)。

0065

要約すると、本出願人らによる実験により様々な老化細胞除去剤が同定された。それらの効果は様々な老化の系にわたって検証されており、また、これらの老化細胞除去剤の一部は幅広特異性を有する一方で、他のものは細胞型又は老化誘導因子についてより選択的であることが同定されている。初期実験により、2つの標的(FAK及びHMG−CoAレダクターゼ)に対する複数の阻害剤が老化細胞除去剤として振る舞うことが同定されている。データは、FAK及びHMG−CoAレダクターゼが老化細胞に必須の遺伝子であることを示唆している。したがって、FAK又はHMG−CoAレダクターゼを阻害する薬剤は老化細胞除去剤としての治療的応用を有する。また、実験により、ウアバイン及びDPIを用いた治療がマウスにおいて老化細胞を部分的に排除することが確認されており、これは、これらの薬剤(及び本明細書中で同定した他の老化細胞除去剤)が老化関連疾患の治療において応用を有することを示唆している。

0066

治療的応用
本発明は、1又は2以上の老化細胞を選択的に死滅させることに使用するための薬剤に関する。本発明のさらなる態様は、老化関連の疾患又は障害の治療又は予防において使用するための化合物、及びそれに関連する方法に関する。

0067

好ましい一実施形態では、薬剤は、がん遺伝子誘導性老化を受けている細胞を選択的に死滅させる。

0068

別の好ましい実施形態では、薬剤は、薬物誘発性老化を受けている細胞を選択的に死滅させる。

0069

別の好ましい実施形態では、薬剤は、放射線照射誘導性老化を受けている細胞を選択的に死滅させる。

0070

薬学的活性剤(pharmaceutically active agent)の性質に応じて、本明細書中に記載の薬剤は、広範囲の様々な老化関連の疾患及び障害を治療するために使用することができる。

0071

例えば、好ましい一実施形態では、薬剤は腫瘍化を遅延させる。別の実施形態では、薬剤は白内障形成を減弱させる。別の実施形態では、薬剤はアテローム性動脈硬化症を減弱させる。別の実施形態では、薬剤は、他の臓器の中でとりわけ腎臓、脂肪、及び心臓の加齢関連劣化を減弱させる。

0072

本発明の一態様は、老化関連の疾患又は障害の治療又は予防において使用するための化合物であって、前記化合物が強心配糖体又は非糖部であり、前記老化関連の疾患又は障害が心血管障害以外である、化合物に関する。好ましくは、本態様では、強心配糖体又は非糖部は、ウアバイン、ブフェリン、ジゴキシン、K−ストロファンチン、及びストロファンチジンから選択される。

0073

本発明の別の態様は、老化関連の疾患又は障害の治療又は予防において使用するための化合物であって、前記化合物がHMG−CoAレダクターゼ阻害剤であり、前記老化関連の疾患又は障害が心血管障害以外である、化合物に関する。好ましくは、障害は増殖性障害である。好ましくは、本態様では、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、スタチン、より好ましくは、アトルバスタチンカルシウム、フルバスタチンナトリウム、ロバスタチン、ピタバスタチンカルシウム、及びシンバスタチンから選択されるスタチンである。

0074

本発明の別の態様は、接着斑キナーゼ(FAK)阻害剤である、老化関連の疾患又は障害の治療又は予防において使用するための化合物に関する。好ましくは、本態様では、接着斑キナーゼ(FAK)阻害剤は、PF−573228、NSC677249、及びデファクチニブから選択される。好ましくは、本実施形態では、障害は増殖性障害(例えばがん)以外である。

0075

本発明の別の態様は、老化関連の疾患又は障害の治療又は予防において使用するための、以下:JFD00244、シクロスポリン、チルホスチンAG879、カンタリジン、塩化ジフェニレンヨードニウム、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、LY−367,265、ロテノン、イダルビシン、塩化デカリニウム、ビンクリスチン、アトルバスタチンカルシウム、ニタゾキサニド、ニトロフラゾン、テムシロリムス、エルトロンボパグ、アダパレン、アザシクロノール、エノキサシン、及びラルテグラビル、並びに薬学的に許容されるその塩(化合物がまだ塩形態でない場合)から選択される、化合物に関する。

0076

本発明の別の態様は、老化関連の疾患又は障害の治療又は予防において使用するための化合物であって、前記老化関連の疾患又は障害が心血管障害以外であり、前記化合物が、以下:PF−573228、JFD00244、ウアバイン、ブファリン、ジゴキシン、K−ストロファンチン、ストロファンチジン、シクロスポリン、チルホスチンAG879、カンタリジン、塩化ジフェニレンヨードニウム、ロットレリン、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、LY−367,265、ロテノン、イダルビシン、塩化デカリニウム、ビンクリスチン、アトルバスタチンカルシウム、フルバスタチンナトリウム、ロバスタチン、ピタバスタチンカルシウム、シンバスタチン、ニタゾキサニド、ニトロフラゾン、テムシロリムス、エルトロンボパグ、アダパレン、アザシクロノール、エノキサシン、及びラルテグラビル、並びに薬学的に許容されるその塩(化合物がまだ塩形態でない場合)から選択される、化合物に関する。

0077

本発明の別の態様は、対象に治療有効量のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を投与するステップを含む、心血管障害以外の老化関連の疾患又は障害を治療又は予防する方法に関する。

0078

本発明の別の態様は、対象に治療有効量の接着斑キナーゼ(FAK)阻害剤を投与するステップを含む、老化関連の疾患又は障害を治療又は予防する方法に関する。好ましくは、本実施形態では、障害は増殖性障害(例えばがん)以外である。

0079

本発明の別の態様は、老化細胞を選択的に死滅させることによって老化関連の疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、以下:PF−573228、JFD00244、ウアバイン、ブファリン、ジゴキシン、K−ストロファンチン、ストロファンチジン、シクロスポリン、チルホスチンAG879、カンタリジン、塩化ジフェニレンヨードニウム、ロットレリン、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、LY−367,265、ロテノン、イダルビシン、塩化デカリニウム、ビンクリスチン、アトルバスタチンカルシウム、フルバスタチンナトリウム、ロバスタチン、ピタバスタチンカルシウム、シンバスタチン、ニタゾキサニド、ニトロフラゾン、テムシロリムス、エルトロンボパグ、アダパレン、アザシクロノール、エノキサシン、ラルテグラビル、NSC677249、及びデファクチニブ、並びに薬学的に許容されるその塩(化合物がまだ塩形態でない場合)から選択される化合物を治療有効量で対象に投与するステップを含む、方法に関する。

0080

好ましくは、化合物は、以下:PF−573228、JFD00244、ウアバイン、ブファリン、ジゴキシン、K−ストロファンチン、ストロファンチジン、シクロスポリン、チルホスチンAG879、カンタリジン、塩化ジフェニレンヨードニウム、ロットレリン、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、ロテノン、イダルビシン、塩化デカリニウム、ビンクリスチン、アトルバスタチンカルシウム、フルバスタチンナトリウム、ロバスタチン、ピタバスタチンカルシウム、シンバスタチン、ニタゾキサニド、ニトロフラゾン、エルトロンボパグ、アダパレン、NSC677249、及びデファクチニブ、並びに薬学的に許容されるその塩(化合物がまだ塩形態でない場合)から選択される。

0081

本発明の別の態様は、老化関連の疾患又は障害を治療又は予防するための医薬品の調製における、以下:PF−573228、JFD00244、ウアバイン、ブファリン、ジゴキシン、K−ストロファンチン、ストロファンチジン、シクロスポリン、チルホスチンAG879、カンタリジン、塩化ジフェニレンヨードニウム、ロットレリン、2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン、LY−367,265、ロテノン、イダルビシン、塩化デカリニウム、ビンクリスチン、アトルバスタチンカルシウム、フルバスタチンナトリウム、ロバスタチン、ピタバスタチンカルシウム、シンバスタチン、ニタゾキサニド、ニトロフラゾン、テムシロリムス、エルトロンボパグ、アダパレン、アザシクロノール、エノキサシン、ラルテグラビル、NSC677249、及びデファクチニブ、並びに化合物がまだ塩形態でない場合は薬学的に許容されるその塩から選択される化合物の使用であって、前記化合物は、1又は2以上の老化細胞を選択的に死滅させる、使用に関する。

0082

本発明の別の態様は、心血管障害以外の老化関連の疾患又は障害を治療又は予防するための医薬品の調製における、強心配糖体又は非糖部の使用に関する。好ましくは、障害は以下に詳述する増殖性障害である。

0083

本発明の別の態様は、老化関連の疾患又は障害を治療又は予防するための医薬品の調製における、接着斑キナーゼ(FAK)阻害剤の使用に関する。好ましくは、障害は増殖性障害(例えばがん)以外である。

0084

本発明の別の態様は、心血管障害以外である、老化関連の疾患又は障害を治療又は予防するための医薬品の調製における、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤の使用に関する。

0085

老化細胞は、当分野で公知の技法及び手順によって検出することができる。例えば、老化細胞の存在は、老化マーカー、SA−ベータガラクトシダーゼ(SA−β−gal)を検出する組織学的又は免疫組織化学的技法によって分析することができる(Dimri et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92: 9363-9367 (1995)、国際公開公報WO2015/116735号に記載の方法も参照)。或いは、老化細胞は、公知の免疫化学的方法、例えば免疫ブロッティング分析によって決定された老化細胞関連ポリペプチドp16の存在によって検出することができる。細胞におけるpl6mRNAの発現は、定量的PCRを含む様々な技法によって測定することができる。老化細胞に関連するポリペプチドは、公知のアッセイ、例えばLuminexアレイアッセイを使用して検出することができる(Coppe et al,PLoS Biol 6: 2853-68 (2008))。

0086

老化細胞の存在は、サイトカインケモカイン、発現及び分泌された増殖因子プロテアーゼ細胞関連代謝物反応性酸素種、並びに炎症及び/又は他の生物学的効果を刺激する他の分子などの、他の老化細胞関連分子を検出することによっても決定することができる。老化細胞関連分子の例には、老化関連分泌表現型(SASP)、老化メッセージングセクレトーム、及びDNA損傷分泌プログラム(DDSP)を含むものが含まれる。

0087

本明細書中で使用する老化関連の障害又は疾患には、細胞の老化に関連する又はそれによって引き起こされる障害又は疾患が含まれ、加齢関連の疾患及び障害が含まれる。老化関連の疾患又は障害は老化細胞関連の疾患又は障害とも呼ばれ得る。加齢の顕著な一特長は、機能の徐々の損失、又は分子、細胞、組織、及び生物レベルで起こる変性である。加齢関連の変性は、筋肉減少症、アテローム性動脈硬化症及び心不全、骨粗鬆症肺動脈弁閉鎖症腎不全神経変性(黄斑変性症、アルツハイマー病、及びパーキンソン病を含む)、並びに多くの他のものなどの、十分に理解されている病理を引き起こす。

0088

老化関連の疾患及び障害には、それだけには限定されないが、心血管疾患及び障害、がんなどの増殖性障害、炎症性疾患及び障害、自己免疫疾患及び障害、肺疾患及び障害、眼の疾患及び障害、代謝性疾患及び障害、神経系疾患及び障害(例えば神経変性疾患及び障害)、老化によって誘導される加齢関連の疾患及び障害、皮膚の病気加齢関連疾患皮膚科学的な疾患及び障害、並びに移植関連の疾患及び障害が含まれる。

0089

好ましくは、対象は哺乳動物、より好ましくはヒトである。

0090

用語「方法」とは、それだけには限定されないが、化学、薬理学、生物学、生化学、及び医学分野技術者に知られている様式、手段、技法及び手順、又は公知の様式、手段、技法及び手順から容易に開発されるものを含む、所定の課題を達成するための様式、手段、技法及び手順をいう。

0091

本明細書中、用語「治療すること」には、疾患若しくは障害の進行を抑止する、実質的に阻害する、遅らせる、若しくは逆行させること、疾患若しくは障害の臨床症状を実質的に寛解させること、又は疾患若しくは障害の臨床症状の外見を実質的に防止することが含まれる。

0092

本明細書中、用語「防止すること」とは、そもそも生物が障害又は疾患を獲得することを防ぐための方法をいう。

0093

用語「治療有効量」とは、治療している疾患又は障害の症状のうちの1又は2以上をある程度まで軽減させる、投与している薬剤の量をいう。

0094

本発明において使用するいかなる薬剤においても、本明細書中で治療有効用量ともいう治療有効量は、細胞培養アッセイから最初に推定することができる。例えば、細胞培養において決定されたIC50又はIC100を含む循環濃度範囲を達成するために、用量を動物モデルで製剤化することができる。そのような情報を使用して、ヒトにおいて有用な用量をより正確に決定することができる。また、初期投薬量はインビボでのデータからも推定することができる。これらの初期指針を使用して、当業者はヒトにおける有効な投薬量を決定することができる。

0095

さらに、本明細書中に記載の薬剤の毒性及び治療上の有効性は、標準の医薬手順によって、例えばLD50及びED50を決定することによって、細胞培養物又は実験動物において決定することができる。毒性効果治療効果用量比治療指数であり、LD50とED50の比として表すことができる。高い治療指数を示す化合物が好ましい。これらの細胞培養アッセイ及び動物研究から得られたデータを使用して、ヒトにおける使用に毒性がない投薬量範囲を配合することができる。そのような化合物の投薬量は、好ましくは、毒性がわずか又はまったくないED50を含む循環濃度の範囲内にある。投薬量は、用いる剤形及び利用する投与経路に応じてこの範囲内で変動し得る。正確な配合、投与経路、及び投薬量は、患者の状態に鑑みて個々の医師が選択することができる。(例えば、Fingl et al, 1975, The Pharmacological Basis of Therapeutics, chapter 1, page 1を参照)。

0096

投薬の量及び間隔は、治療効果を維持するために十分な活性化合物血漿レベルを提供するために個々に調節し得る。好ましくは、治療上有効な血清レベルは、複数の用量を各日に投与することによって達成される。局所投与又は選択的取込の場合は、薬物の有効な局所濃度は血漿濃度と関連していない場合がある。当業者は、必要以上の実験を行わずに、治療上有効な局所投薬量を最適化することができるであろう。

0097

本発明の一態様は、1又は2以上の老化細胞を選択的に死滅させる、老化関連の障害又は疾患の予防又は治療において使用するための強心配糖体又は非糖部に関する。好ましくは、本態様では、老化関連の障害又は疾患は心血管障害ではない。

0098

本発明の一態様は、1又は2以上の老化細胞を選択的に死滅させる、老化関連の障害又は疾患の予防又は治療において使用するためのHMG−CoAレダクターゼ阻害剤に関する。好ましくは、本態様では、老化関連の障害又は疾患は心血管障害ではない。

0099

本発明の別の態様は、1又は2以上の老化細胞を選択的に死滅させる、老化関連の障害又は疾患の予防又は治療において使用するためのFAK阻害剤に関する。好ましくは、本態様では、老化関連の障害又は疾患はがんなどの増殖性障害ではない。本態様では、好ましくは、老化関連の疾患又は障害は、心血管疾患若しくは障害、代謝性疾患、炎症性疾患若しくは障害、肺疾患若しくは障害、又は神経系疾患若しくは障害である。

0100

増殖性障害
本発明の好ましい一実施形態では、薬剤は、がん又は白血病などの増殖性障害の治療において使用することができる。

0101

本発明の本態様に従って治療し得るがんの非限定的な例には、腺癌副腎腫瘍、エナメル上皮腫未分化甲状腺未分化癌血管線維腫血管腫血管肉腫、アプドーマ、嗜銀細胞腫化腫瘍、腹水腫瘍細胞、腹水腫瘍、星状芽細胞腫星細胞腫毛細血管拡張性運動失調症心房粘液腫基底細胞癌細胞、骨がん、脳幹神経膠腫脳腫瘍乳がんバーキットリンパ腫小脳星細胞腫、子宮頸がんサクランボ色血管腫胆管癌胆管腫軟骨芽細胞腫軟骨腫軟骨肉腫絨毛芽腫絨毛癌結腸がん、一般急性リンパ芽球性白血病頭蓋咽頭腫嚢胞癌嚢胞線維腫嚢腫、非浸潤性乳管癌、管内乳頭腫未分化胚細胞腫脳腫瘤子宮内膜癌内皮腫上衣腫上皮腫赤白血病ユーイング肉腫結節外リンパ腫、ネコ肉腫線維腺腫線維肉腫甲状腺濾胞がん、神経節膠腫ガストリノーマ細胞、多形性膠芽細胞腫、神経膠腫、性腺芽細胞腫血管芽腫血管内皮芽細胞腫血管内皮腫血管外皮腫、血管リンパ管腫血球芽細胞腫、血球細胞腫、有毛細胞白血病、過誤腫肝臓癌肝細胞癌、肝臓癌、組織腫ホジキン病、副腎腫、浸潤性がん、浸潤性導管細胞癌膵島細胞腫若年性血管線維腫カポジ肉腫腎臓腫瘍大細胞リンパ腫、白血病、非白血病急性白血病脂肪腫、肝臓がん、肝臓転移、リュッケ癌、リンパ腺腫リンパ管腫リンパ球性白血病リンパ球性リンパ腫リンパ球腫リンパ浮腫、リンパ腫、肺がん悪性中皮腫、悪性奇形腫肥満細胞腫髄芽腫黒色腫髄膜腫中皮腫モート神経腫多発性骨髄腫骨髄芽細胞腫骨髄性白血病骨髄脂肪腫骨髄腫筋芽細胞腫粘液腫上咽頭癌新生物性腎芽細胞腫神経芽細胞腫神経線維腫神経線維腫症、神経膠腫、神経腫、非ホジキンリンパ腫乏突起神経膠腫視神経神経膠腫、骨軟骨腫骨原性肉腫骨肉腫卵巣がん乳頭パジェット病パンコースト腫瘍膵臓がん褐色細胞腫、褐色細胞腫、形質細胞腫原発性脳腫瘍胎児転移腫、プロラクチノーマ腎細胞癌網膜芽細胞腫横紋筋肉腫(rhabdomyosarcoma)、横紋筋肉腫(rhabdo sarcoma)、固形腫瘍、肉腫、二次性腫瘍精上皮腫皮膚がん小細胞癌扁平細胞癌、イチゴ状血管腫、T細胞リンパ腫、奇形腫、精巣がん胸腺腫栄養芽細胞腫瘍、ウィルムス腫瘍が含まれる。

0102

非常に好ましい一実施形態では、本発明の薬剤は、放射線照射或いは化学療法(例えば、パルボシクリブ、リボシクリブ、若しくはアベマシクリブ、又は他の化学療法剤を用いた治療)などの、老化を誘導するがんの他の治療と併せて使用することができる。したがって、他の治療と同時に、又はその後に治療することによって、薬剤は、
− 老化へと押し進められたがん細胞を排除することができる、並びに/或いは
− 炎症、がんの増殖の促進、転移の促進、及び化学療法若しくは放射線療法の他の副作用などの、老化細胞によって生じる特定の副作用を排除する又は低減することができる、並びに/又は
− 前がん性病変を低減する若しくは排除することができる、並びに/又は
− CDK4/6阻害剤を用いた治療によって老化を受けた細胞を排除する若しくは低減することができる。

0103

好ましい一実施形態では、薬剤は、前がん性(又は新生物発生前の)病変を低減する又は排除することができる。老化細胞は、前悪性腫瘍中には存在するが悪性のものには存在しない。この点において、前悪性腫瘍中の相当数の細胞ががん遺伝子誘導性老化を受けるが、p16INK4a又はp53などのがん遺伝子誘導性老化エフェクターの損失が原因で、悪性腫瘍中の細胞はそうされることができないことが理解される(Collado et al; Nature、Vol 436, August 2005, page 642)。したがって、本発明の一実施形態は、前がん性(又は新生物発生前の)病変を低減する又は排除することにおいて使用するための、本明細書中に記載の薬剤に関する。

0104

本発明の別の好ましい実施形態では、薬剤は、例えば化学療法剤を用いた治療の前、その間、又はその後に、化学療法誘導性老化を排除する又は低減することができる。化学療法剤には、それだけには限定されないが、アントラサイクリン、ドキソルビシン、エトポシド、ダウノルビシンタキソールパクリタキセルゲムシタビン、ポマリドミド、及びレナミドマイドが含まれる。したがって、好ましい一実施形態では、薬剤は、化学療法剤を用いた組合せ治療で使用することができ、薬剤は、化学療法剤と別々に、順次に、又は同時に投与する。本発明の一実施形態は、化学療法誘導性老化を排除する又は低減することにおいて使用するための、本明細書中に記載の薬剤に関する。

0105

本発明の別の好ましい実施形態では、薬剤は、CDK阻害剤、例えばCDK4阻害剤又はCDK6阻害剤を用いた治療によって誘導された老化を排除する又は低減することができる。したがって、好ましい一実施形態では、薬剤は、CDK4阻害剤又はCDK6阻害剤を用いた組合せ治療で使用することができ、薬剤は、CDK4阻害剤又はCDK6阻害剤と別々に、順次に、又は同時に投与する。

0106

本発明の別の好ましい実施形態では、薬剤は、パルボシクリブ誘導性老化を排除する又は低減ことができる。パルボシクリブ誘導性老化を排除する又は低減する状況において、薬剤の投与は、細胞が再び細胞周期に入る際にがんの寛解を潜在的に妨げる可能性がある(Cadoo et al; Breast Cancer: Targets and Therapy 2014;6, 123-133を参照)。

0107

別の好ましい実施形態では、薬剤は、老化へと押し進められたがん細胞を排除することができる。好ましい一実施形態では、薬剤は腫瘍化を遅延させる。

0108

別の好ましい実施形態では、薬剤は、炎症、がんの増殖の促進、転移の促進、及び化学療法若しくは放射線療法の他の副作用などの、老化細胞によって生じる特定の副作用を排除する又は低減することができる。細胞の老化は、若年期には腫瘍化を抑制するが、これは、高齢の生物ではがんを促進し得ることが研究により示されている(Krtolica et al; PNAS, Oct 9, 2001, Vol 98, No 21, 12072-12077)。がん遺伝子誘導性老化は、古典的には腫瘍防御バリアとしてみなされている。しかし、いくつかの研究により、特定の状況下では、老化細胞はその分泌表現型が理由で腫瘍の進行を支持し得ることが示されている(Angelini et al; Cancer Res 73(1), 1 January 2013, 450-458)。

0109

別の好ましい実施形態では、薬剤は、がん及び転移を駆動する炎症を減少させることができる。

0110

好ましい一実施形態では、薬剤は、化学療法誘導性又は放射線療法誘導性の副作用の治療において使用することができる。化学療法剤の非限定的な例には、アントラサイクリン、ドキソルビシン、エトポシド、ダウノルビシン、タクソール、パクリタキセル、ゲムシタビン、ポマリドミド、及びレナミドマイドが含まれる。化学療法誘導性副作用又は放射線療法誘導性副作用には、それだけには限定されないが、体重減少内分泌変化、ホルモン不均衡、ホルモンシグナル伝達の変化、心毒性の変化、体組成身体活動性能力の低減、胃腸毒性嘔気嘔吐便秘無食欲症、下痢末梢神経障害、疲労、倦怠感、低身体活動、血液毒性貧血肝毒性脱毛症疼痛感染症、粘膜炎、水分貯留、皮膚毒性、発疹皮膚炎色素沈着過剰蕁麻疹感光性、爪の変化、口、歯肉、又は咽頭の問題、及び化学療法又は放射線療法によって引き起こされる任意の毒性副作用が含まれる。したがって、好ましい一実施形態では、薬剤は、化学療法剤を用いた組合せ治療で使用することができ、薬剤は、化学療法剤と別々に、順次に、又は同時に投与する。同様に、薬剤は、放射線療法を用いた組合せ治療で使用することができ、薬剤は、放射線療法の前、その間、又はその後に投与される。本発明の別の実施形態は、1又は2以上の化学療法誘導性又は放射線療法誘導性の副作用を低減する又は緩和することにおいて使用するための、本明細書中に記載の薬剤に関する。

0111

一部の実施形態では、本発明は、化学療法を受けていない若しくは放射線療法を受けていない期間の間、又は化学療法若しくは放射線療法の治療レジメンが完了したあとに、本明細書中に記載の薬剤を投与するステップを含む、転移の可能性を治療する又は低減する方法を提供する。本発明の別の実施形態は、転移の可能性を治療する又は低減することにおいて使用するための、本明細書中に記載の薬剤に関する。

0112

好ましい一実施形態では、薬剤は、慢性又は長期的な化学療法誘導性又は放射線療法誘導性の副作用の治療において使用することができる。特定の毒性効果は治療のずっと後に現れる場合があり、療法による臓器又は系への損傷から生じる場合がある。臓器不全、例えば、神経、肺、心血管、及び内分泌の機能不全が、小児期の間にがんの治療を行った対象において観察される場合がある。化学療法又は放射線療法を受けた対象において発生する慢性又は遅発型の毒性副作用には、例えば、心筋症鬱血心疾患、炎症、早発閉経、骨粗鬆症、不妊症認知機能障害、末梢神経障害、二次性がん、白内障及び他の視覚問題、聴覚損失慢性疲労肺気量低下、並びに肺疾患が含まれる。

0113

心血管疾患
本発明の好ましい一実施形態では、老化関連の疾患又は障害は心血管疾患である。例には、それだけには限定されないが、アテローム性動脈硬化症、狭心症、不整脈、心筋症、鬱血性心不全冠動脈疾患頸動脈疾患、心内膜炎冠動脈血栓心筋梗塞、高血圧、大動脈瘤心拡張機能障害高コレステロール血症高脂血症、増弁逸脱、末梢血管疾患、心ストレス耐性、心線維症、脳動脈瘤、及び脳卒中が含まれる。

0114

好ましい一実施形態では、老化関連の疾患又は障害は、アテローム性動脈硬化症(すなわち動脈硬化)に関連している、又はそれによって引き起こされる。アテローム性動脈硬化症は、中型及び大型の動脈の内腔侵害するパッチ状内膜アテローム)によって特徴づけられている。本発明による薬剤の投与により、対象の血管内のアテローム硬化斑の脂質含有量を低減する、及び/又は線維性被膜の厚さを増加させることができる。

0115

炎症性及び自己免疫疾患及び障害
本発明の好ましい一実施形態では、老化関連の疾患又は障害は炎症性又は自己免疫疾患又は障害である。自己免疫疾患の非限定的な例には、骨粗鬆症、骨関節炎、乾癬口腔粘膜炎関節リウマチ炎症性腸疾患湿疹脊柱後弯脊柱弯曲)、椎間板ヘルニア、並びに肺疾患、COPD、及び特発性肺線維症が含まれる。好ましい一実施形態では、老化関連の疾患又は障害は慢性炎症である。

0116

慢性炎症は、骨関節炎に関連する主な加齢関連因子であると考えられている。加齢と組み合わせて、関節の酷使及び肥満症が骨関節炎を促進すると思われる。老化細胞を選択的に死滅させることによって、本発明の薬剤は、関節内のプロテオグリカン層の損失又は浸食を低減する又は阻害する、患部関節における炎症を低減する、及びコラーゲンの産生を促進することができる。老化細胞の除去は関節内で産生されるIL−6などの炎症性サイトカインの量の低減を引き起こし、炎症が低減する。

0117

本発明の好ましい一実施形態では、老化関連の疾患又は障害は関節リウマチである。関節リウマチは、手足の関節を典型的に冒す慢性炎症性障害である。

0118

本発明の好ましい一実施形態では、老化関連の疾患又は障害は骨粗鬆症である。骨粗鬆症は、骨折の危険性の増加をもたらし得る、骨量及び密度の減少によって特徴づけられている進行性骨疾患である。骨塩密度(BMD)が低減し、骨の微小構造が劣化し、骨中のタンパク質の量及び多様性が変化する。

0119

本発明の好ましい一実施形態では、本発明の薬剤は椎間板ヘルニアの治療において使用するためのものである。椎間板ヘルニアを患っている対象は、血中及び血管壁中に上昇した細胞老化の存在を呈する(Roberts et al. (2006) Eur. Spine J. 15 Suppl 3: S312-316)。

0120

神経系疾患又は障害
本発明の好ましい一実施形態では、老化関連の疾患又は障害は、アルツハイマー病(及び他の認知症)、パーキンソン病、ハンチントン病、認知症、軽度認知機能障害(MCI)、黄斑変性症、及び運動ニューロン機能不全(MND)、並びに加齢黄斑変性症などの眼の疾患及び障害から選択される、神経系疾患又は障害である。

0121

パーキンソン病(PD)とは、動きの遅さ(動作緩慢)、揺れ硬直姿勢の不安定、及び平衡感覚障害によって特徴づけられた、脳の不能状態である。これらの症状の多くは、ドーパミン欠乏をもたらす、脳内の特定の神経の損失が原因である。ドーパミン産生ニューロンの老化が、反応性酸素種の産生によって、PDにおいて観察される細胞死に寄与すると考えられている(Cohen et al, J. Neural Transm. Suppl. 19:89-103 (1983))。

0122

アルツハイマー病(AD)とは、記憶力低下、失見当識、及び錯乱を伴うゆっくり進行する精神機能低下を示し、深刻な認知症をもたらす神経変性疾患である。疾患が進行するにつれて、判断力の低下、錯乱、行動の変化、失見当識、並びに歩行及び嚥下の困難が起きる。加齢が、高齢者における認知症の主な原因であるADを発症する、唯一最大の素因危険因子である(Hebert, et al., Arch. Neurol. 60:1119-1122 (2003))。初期の臨床症状は軽度認知機能障害と著しい類似性を示す。

0123

軽度認知機能障害(MCI)とは、個体の年齢及び教育に基づいて予想されるものを超えているが、個体の日々の活動を妨げるほど顕著ではない、認知機能障害の発症及び進化に関わる脳機能症候群である。MCIは、正常な加齢とそれが転向し得る認知症との間の遷移状態であるとみなされる、認知的加齢の側面である(Pepeu, Dialogues in Clinical Neuroscience 6:369-377, 2004)。記憶に主に影響を与えるMCIは「健忘性MCI」として知られており、これはしばしばアルツハイマー病の前駆段階としてみなされている。記憶以外の思考能力に影響を与えるMCIは「非健忘性MCI」として知られている。

0124

MNDとは、発話、歩行、呼吸、及び嚥下などの随意筋の活動を制御する細胞である運動ニューロンを破壊する、進行性神経障害の群である。MNDの例には、ルーゲーリック病としても知られる筋萎縮性側索硬化症ALS)、進行性球麻痺仮性球麻痺原発性側索硬化症進行性筋萎縮下位運動ニューロン疾患、及び脊髄性筋萎縮症SMA)(例えば、ウェルドニッヒ−ホフマン病とも呼ばれるSMA1、SMA2、クーゲルベルク−ヴェランダー病とも呼ばれるSMA3、及びケネディー病)、ポリオ後症候群、並びに遺伝性痙攣性対麻痺が含まれる。

0125

眼の疾患及び障害
本発明の好ましい一実施形態では、老化関連の疾患又は障害は、眼の疾患、障害、又は状態である。例には、それだけには限定されないが、老眼、黄斑変性症、白内障、及び緑内障が含まれる。黄斑変性症は、網膜黄斑と呼ばれる網膜の中央部における光受容細胞の損失を引き起こす神経変性疾患である。

0126

代謝性疾患
本発明の好ましい一実施形態では、老化関連の疾患又は障害は、糖尿病、糖尿病性潰瘍代謝症候群、及び肥満症から選択される代謝性疾患である。

0127

老化細胞は、肥満症及び2型糖尿病などの代謝性疾患において役割を果たすと理解されている。研究により、肥満マウスからの脂肪組織が老化マーカーであるSA−β−Gal、p53、及びp21の誘導を示したことが示されている(Tchkonia et al, Aging Cell 9:667-684 (2010)、Minamino et al, Nat. Med. 15: 1082-1087 (2009))。炎症誘発性SASP構成要素も2型糖尿病に寄与すると考えられているため、肥満症における老化細胞の誘導は潜在的に臨床的な意味を有する。老化マーカー及びSASP構成要素の上方制御の同様のパターンが、マウス及びヒトのどちらにおいても糖尿病と関連づけられている。したがって、本明細書中に記載の薬剤は、2型糖尿病、肥満症、及び代謝症候群を治療又は予防することにおいて潜在的な応用を有する。

0128

肺疾患又は障害
本発明の好ましい一実施形態では、老化関連の疾患又は障害は肺疾患である。例には、それだけには限定されないが、肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、嚢胞性線維症、気腫気管支拡張症、及び肺機能の加齢関連の損失が含まれる。

0129

COPDとは、肺組織崩壊(気腫)及び小気道の機能不全(閉塞性細気管支炎)から生じる持続的に乏しい空気流によって定義される肺疾患である。肺線維症とは、肺の硬化及び瘢痕によって特徴づけられており、呼吸不全、肺がん、及び心不全をもたらし得る、慢性かつ進行性の肺疾患である。本発明の薬剤は、老齢化しており、肺機能の損失(若しくは変性)(すなわち、より若齢の対象と比較して低下した若しくは損なわれた肺機能)及び/又は肺組織の変性を有する対象を治療するためにも使用することができる。

0130

他の加齢関連障害
本発明の好ましい一実施形態では、老化関連の疾患又は障害は、腎臓病、腎不全、虚弱、聴覚損失、筋肉疲労皮膚疾患皮膚創傷治癒肝線維症膵線維症口腔粘膜下線維症、及び筋肉減少症から選択される加齢関連障害である。

0131

皮膚の疾患又は障害
本発明の好ましい一実施形態では、老化関連の疾患又は障害は皮膚の疾患又は障害である。例には、それだけには限定されないが、湿疹、乾癬、色素沈着過剰、母斑、発疹、アトピー性皮膚炎(湿疹の一形態であり、炎症に関連している)、蕁麻疹、感光性又は光老化に関連する疾患及び障害、皺(rhytide)(加齢が原因の皺(wrinkle))、そう痒症(糖尿病及び加齢に関連)、知覚異常(糖尿病及び多発性硬化症に関連する化学療法の副作用)、湿疹性発疹(しばしば老齢化患者で観察され、特定の薬物の副作用に関連)、好酸球性皮膚症(特定の種類の血液がんに関連)、反応性好中球性皮膚症(炎症性腸症候群などの根底にある疾患に関連)、天疱瘡類天疱瘡、免疫水疱性皮膚症(皮膚の自己免疫水疱形成)、皮膚の線維組織球増殖、皮膚リンパ腫、並びに皮膚ループスが含まれる。遅発性ループスは、加齢に関連しているT細胞及びB細胞並びにサイトカイン(免疫老化)の減少した(すなわち低減した)機能に関連していてもよい。

0132

生命寿命及び加齢関連の疾患又は状態
好ましい一実施形態では、本明細書中に記載の薬剤は、老化細胞を非老化細胞に優先して選択的に死滅させることによって対象の生命寿命を延長させるために使用することができる。一部の実施形態では、対象の生命寿命の延長は、加齢関連の疾患又は状態の発症又は進行を遅延させることを含む。一部の実施形態では、加齢関連の疾患又は状態は、アテローム性動脈硬化症、心血管疾患、がん、関節炎、認知症、白内障、骨粗鬆症、糖尿病、高血圧、加齢関連脂肪損失リポジストロフィー、及び腎臓疾患から選択される。一部の実施形態では、加齢関連の疾患又は状態は老人性不安障害である。一部の実施形態では、加齢関連の疾患又は状態は加齢関連不活性である。一部の実施形態では、加齢関連の疾患又は状態は自発活性の低減である。一部の実施形態では、加齢関連の疾患又は状態は探索行動の低減である。

0133

好ましい一実施形態では、加齢関連の疾患又は状態の発症又は進行を、少なくとも約1カ月間、少なくとも約2カ月間、少なくとも約3カ月間、少なくとも約4カ月間、少なくとも約5カ月間、少なくとも約6カ月間、少なくとも約7カ月間、少なくとも約8カ月間、少なくとも約9カ月間、少なくとも約10カ月間、少なくとも約11カ月間、少なくとも約1年間、遅延させることができる。

0134

好ましい一実施形態では、薬剤は、対象の肉体的健康を改善させることにおいて使用するためのものである。別の好ましい実施形態では、薬剤は、血中代謝物の老化関連変化を戻すことにおいて使用するためのものである。

0135

β−ガラクトシダーゼ活性の上昇に関連する疾患
別の実施形態では、薬剤は、β−ガラクトシダーゼ活性の上昇と相関又は関連している疾患又は障害の治療において使用することができる。好ましい実施形態では、β−ガラクトシダーゼ活性の上昇は、標準方法によって決定することができるベースラインレベルと比較した、β−ガラクトシダーゼの発現の上昇又はβ−ガラクトシダーゼ活性の過剰発現の結果である。

0136

β−ガラクトシダーゼの発現は、組織学的又は免疫組織学的方法によって細胞中で検出することができる。例えば、老化マーカーSA−ベータガラクトシダーゼ(SA−β−Gal)は公知の方法によって検出することができる(Dimri et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92: 9363-9367 (1995)。

0137

本発明のより好ましい実施形態では、疾患は、新生児早老症のヴィーデマン・ラウテントラウヒ症候群、成人早老症のウェルナー症候群ハッチソンギルフォード症候群、ロスムンドトムソン症候群、マルビルスミス症候群、コケイン症候群、先天性角化異常症、特発性肺線維症、再生不良性貧血、気腫、2型糖尿病、及び軟骨の変性から選択される。

0138

医薬組成物
本発明による使用のために、本明細書中に記載の薬剤を、1又は2以上の薬学的に許容される担体、したがって他の治療的及び/又は予防的成分であってもよいものと共に、医薬配合物として提示し得る。担体は、配合物の他の成分と適合性があり、そのレシピエントに有害でないという意味で、許容されるものでなければならない。医薬組成物は、人医学及び獣医学においてヒト又は動物で使用するためのものであり得る。

0139

本明細書中に記載の医薬組成物の様々な異なる形態のための、そのような適切な賦形剤の例は、“Handbook of Pharmaceutical Excipients, 2nd Edition, (1994), Edited by A Wade and PJ Weller中に見出し得る。

0140

治療的使用に許容される担体又は希釈剤は医薬分野で周知であり、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co. (A. R. Gennaro edit. 1985)に記載されている。

0141

適切な担体の例には、ラクトースデンプングルコースメチルセルロースステアリン酸マグネシウムマンニトールソルビトールなどが含まれる。適切な希釈剤の例には、エタノールグリセロール、及び水が含まれる。

0142

医薬担体、賦形剤、又は希釈剤の選択は、意図された投与経路及び標準の医薬実施に関して選択することができる。医薬組成物は、担体、賦形剤、若しくは希釈剤として、又はそれに加えて、任意の適切な結合剤滑沢剤懸濁剤被覆剤可溶化剤緩衝剤香味料表面活性剤増粘剤保存料抗酸化剤を含む)など、及び、配合物を意図されたレシピエントの血液と等張にする目的で含められる物質を含み得る。

0143

適切な結合剤の例には、デンプン、ゼラチン、グルコースなどの天然糖、無水ラクトース、昜流動性ラクトース、ベータ−ラクトース、コーン甘味料アカシアトラガカント、又はアルギン酸ナトリウムなどの天然及び合成のガムカルボキシメチルセルロース、及びポリエチレングリコールが含まれる。

0144

適切な滑沢剤の例には、オレイン酸ナトリウムステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム酢酸ナトリウム塩化ナトリウムなどが含まれる。保存料、安定化剤色素、及びさらには香味料を医薬組成物中に提供し得る。保存料の例には、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、及びp−ヒドロキシ安息香酸エステルが含まれる。抗酸化剤及び懸濁剤も使用し得る。

0145

医薬配合物には、経口、局所(真皮頬側、及び下を含む)、直腸又は非経口(皮下、皮内、筋肉内、及び静脈内を含む)、経鼻及び肺内投与、例えば吸入によるものに適切なものが含まれる。配合物は、適切な場合は、個別の投与量単位好都合に提示してよく、医薬分野で周知の方法のうちの任意のものによって調製し得る。すべての方法には、活性化合物を液体担体若しくは微粉固形担体又は両方と会合させ、その後、必要な場合は、生成物を所望の配合物へと形成するステップが含まれる。

0146

担体が固形である、経口投与に適した医薬配合物は、最も好ましくは、それぞれが事前に決定した量の活性化合物を含有する、ボーラス剤、カプセル剤、又は錠剤などの単位剤形として提示する。錠剤は圧縮又は成形によって作製してよく、1又は2以上の副成分を用いてもよい。打錠は、適切な機械において、結合剤、滑沢剤、不活性な希釈剤、滑沢剤、表面活性剤、又は分散剤と混合していてもよい、粉末剤又は粒剤などの易流動性形態の活性化合物を圧縮することによって調製し得る。成形錠剤は、不活性な液体希釈剤を用いて活性化合物を成形することによって作製し得る。錠剤は被覆されていてもよく、被覆されていない場合は切れ目を入れていてもよい。カプセル剤は、活性化合物を、単独で又は1若しくは2以上の副成分と混合してカプセルシェル内に充填し、その後、通常の様式で密封することによって調製し得る。カシェ剤はカプセル剤と同様であり、活性化合物を任意の副成分と一緒ライスペーパー封筒に密封する。また、薬剤を、例えば投与前に水に懸濁させる、又は食品上に振りかけ得る、分散性粒剤として配合してもよい。粒剤を、例えばサッシェ内にパッケージングしてもよい。担体が液体である、経口投与に適した配合物は、水性若しくは非水性の液体中の液剤若しくは懸濁剤として、又は水中油液体乳濁液剤として提示し得る。

0147

経口投与用の配合物には、徐放性剤形、例えば、薬剤が適切な放出制御マトリックス中で配合されている、又は適切な放出制御フィルムで被覆されている錠剤が含まれる。そのような配合物は、予防的使用において特に好都合であり得る。

0148

担体が固形である、直腸投与に適した医薬配合物は、最も好ましくは、単位用量の坐薬として提示する。適切な担体には、カカオ脂及び当分野において一般的に使用される他の材料が含まれる。坐薬は、活性化合物を軟化又は融解した担体と混合し、続いて急冷及び鋳型で形成することによって、好都合に形成し得る。非経口投与に適した医薬配合物には、水性又は油性の媒体中の、活性化合物の滅菌した溶液又は懸濁液が含まれる。

0149

注射用調製物ボーラス注射又は持続注入用適応させ得る。そのような調製物は、配合物を導入したあと使用に必要となるまで密封する、単位用量又は複数用量の容器中で好都合に提示される。或いは、活性化合物は、使用前に滅菌した発熱物質を含まない水などの適切な媒体で構成する粉末形態であり得る。

0150

また、薬剤を、筋肉内注射によって、又は移植、例えば皮下若しくは筋肉内によって投与し得る、長時間作用性デポー調製物として配合してもよい。デポー調製物には、例えば、適切なポリマー性若しくは疎水性材料、又はイオン交換樹脂が含まれ得る。そのような長時間作用性の配合物は、予防的使用において特に好都合である。

0151

頬側口腔を介した肺内投与に適した配合物は、活性化合物を含有しており、望ましくは0.5〜7ミクロンの範囲の直径を有する粒子がレシピエントの気管支樹送達されるように提示する。

0152

1つの可能性として、そのような配合物は、吸入デバイスにおいて使用するための、適切には例えばゼラチンからなる突き刺し可能なカプセル、或いは、活性化合物、適切な液体又は気体噴霧剤、並びに界面活性剤及び/又は固形希釈剤などであってもよい他の成分を含む自己推進式配合物として好都合に提示し得る、細かく微粉砕された粉末剤の形態である。適切な液体噴霧剤にはプロパン及びクロロフルオロカーボンが含まれ、適切な気体噴霧剤には二酸化炭素が含まれる。また、活性化合物が溶液又は懸濁液の液滴形態として分注される自己推進式配合物も用い得る。

0153

そのような自己推進式配合物は当分野で知られているものと同様であり、確立された手順によって調製し得る。適切には、これらは、所望のスプレー特徴を有する手動操作可能又は自動的に機能する弁が備えられた容器中で提示し、有利には、弁は、それを操作するごとに固定容積、例えば25〜100マイクロリットルを送達する計量型のものである。

0154

さらなる可能性として、薬剤は、加速された空気流又は超音波撹拌を用いて吸入のための微細な液滴の霧を生成する、アトマイザー又はネブライザーにおいて使用するための液剤又は懸濁剤の形態であり得る。

0155

経鼻投与に適した配合物には、肺内投与について上述したものと一般的に類似の調製物が含まれる。分注した際、そのような配合物は、望ましくは、鼻腔内での保持を可能にするために10〜200ミクロンの範囲の粒径を有するべきである。これは、必要に応じて、適切な粒径の粉末の使用又は適切な弁の選択によって達成し得る。他の適切な配合物には、の近くに持った容器から鼻道を介して急速吸入によって投与するための、20〜500ミクロンの範囲の粒径を有する粗い粉末、及び水性又は油性の溶液又は懸濁液中の0.2〜5%w/vの活性化合物を含む経鼻液滴が含まれる。

0156

薬学的に許容される担体は当業者に周知であり、それだけには限定されないが、0.1M、好ましくは0.05Mのリン酸緩衝液又は0.8%の生理食塩水が含まれる。加えて、そのような薬学的に許容される担体は、水性又は非水性の溶液、懸濁液、及び乳濁液であり得る。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、及びオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルである。水性担体には、水、アルコール溶液水溶液、乳濁液、又は生理食塩水及び緩衝媒体を含む懸濁液が含まれる。非経口媒体には、塩化ナトリウム溶液リンゲルデキストロース、デキストロースと塩化ナトリウム、乳酸リンゲル、又は不揮発性油が含まれる。例えば、抗微生物剤、抗酸化剤、キレート化剤不活性ガスなどの、保存料及び他の添加剤も提示し得る。

0157

局所配合物に適した配合物は、例えば、ゲル剤クリーム剤、又は軟膏として提供し得る。そのような調製物は、例えば、創傷若しくは潰瘍の表面に直接広げる、又は治療する領域及びその上に施用し得る帯具ガーゼメッシュなどの適切な支持体上で運んで、創傷又は潰瘍に施用し得る。

0158

また、治療する部位、例えば創傷又は潰瘍上に直接スプレーする又は振りかけることができる、液体又は粉末の配合物も提供し得る。或いは、帯具、ガーゼ、メッシュなどの担体に配合物をスプレーする又は振りかけて、その後、治療する部位に施用することができる。

0159

上述の医薬組成物又は獣医学的組成物は、薬剤を担体と、例えば混合することで会合させることによって調製することができる。

0160

一般に、配合物は、薬剤を液体担体若しくは微粉固形担体又は両方と均一かつ密接に会合させ、その後、必要な場合は生成物を形成することによって調製される。

0161


本発明の薬剤は、塩、特に薬学的及び獣医学的に許容される塩として存在することができる。

0162

本発明の薬剤の薬学的に許容される塩には、その適切な酸付加又は塩基塩が含まれる。適切な医薬的塩総説は、Berge et al, J Pharm Sci, 66, 1-19 (1977)に見出し得る。塩は、例えば、強力な無機酸、例えば、鉱酸、例えば、塩酸臭化水素酸、及びヨウ化水素酸などのハロゲン化水素酸硫酸リン酸、硫酸塩、硫酸水素塩ヘミ硫酸塩チオシアン酸塩過硫酸塩、及びスルホン酸を用いて、強力な有機カルボン酸、例えば、酢酸などの、非置換若しくは置換(例えばハロゲンによる)の1〜4個の炭素原子アルカンカルボン酸を用いて、飽和若しくは不飽和ジカルボン酸、例えば、シュウ酸マロン酸コハク酸マレイン酸フマル酸フタル酸、若しくはテトラフタル酸を用いて、ヒドロキシカルボン酸、例えば、アスコルビン酸グリコール酸、乳酸、リンゴ酸酒石酸、若しくはクエン酸を用いて、アミノ酸、例えばアスパラギン酸若しくはグルタミン酸を用いて、安息香酸を用いて、又は有機スルホン酸、例えば、メタン−若しくはp−トルエンスルホン酸などの、非置換若しくは置換(例えばハロゲンによる)の(C1−C4)−アルキル−若しくはアリール−スルホン酸を用いて形成する。薬学的又は獣医学的に許容されていない塩も、中間体として価値ある場合がある。

0163

好ましい塩には、例えば、酢酸塩トリフルオロ酢酸塩乳酸塩グルコン酸塩クエン酸塩酒石酸塩マレイン酸塩リンゴ酸塩パントテン酸塩アジピン酸塩アルギン酸塩アスパラギン酸塩安息香酸塩酪酸塩ジグルコ酸塩シクロペンタン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩シュウ酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩フマル酸塩ニコチン酸塩、パルモ酸塩、ペクチン酸塩3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、ラクトビオン酸塩、ピバル酸塩ショウノウ酸塩ウンデカン酸塩、及びコハク酸塩、有機スルホン酸、例えば、メタンスルホン酸塩エタンスルホン酸塩2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ショウノウスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩ベンゼンスルホン酸塩、p−クロロベンゼンスルホン酸塩、及びp−トルエンスルホン酸塩、並びに無機酸、例えば、塩酸塩臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、ヘミ硫酸塩、チオシアン酸塩、過硫酸塩、リン酸、及びスルホン酸が含まれる。

0164

鏡像異性体互変異性体
既に論じた本発明のすべての態様において、本発明には、適切な場合は、本発明の薬剤のすべての鏡像異性体、ジアステレオアイソマー、及び互変異性体が含まれる。当業者は、光学的性質(1又は2以上のキラル炭素原子)又は互変異性体特徴を保有する化合物を認識するであろう。対応する鏡像異性体及び/又は互変異性体は、当分野で公知の方法によって単離/調製し得る。

0165

鏡像異性体はそのキラル中心絶対配置によって特徴づけられており、カーン、インゴールド、及びプレローグのR−及びS−シーケンシングルールによって記載される。そのような慣習は当分野で周知である(例えば‘Advanced Organic Chemistry’, 3rdedition, ed. March, J., John Wiley and Sons, New York, 1985を参照)。

0166

キラル中心を含有する本発明の薬剤は、鏡像異性的富化された混合物であるラセミ混合物として使用し得るか、又は、周知の技法を使用してラセミ混合物を分離し、個々の鏡像異性体を単独で使用し得る。

0167

立体異性体及び幾何異性体
本発明において使用するための薬剤の一部は立体異性体及び/又は幾何異性体として存在し得る、例えば、これらは1又は2以上の不斉中心及び/又は幾何学的中心を保有していてよく、しががって、2又は3以上の立体異性及び/又は幾何学形態で存在し得る。本発明は、これらの薬剤の個々の立体異性体及び幾何異性体すべて、並びにそれらの混合物の使用を企図する。前記形態が適切な機能的活性を保持している限りは(ただし必ずしも同じ度合までではない)、特許請求項の範囲において使用する用語にはこれらの形態が包含される。

0168

また、本発明には、薬剤のすべての適切な同位体変種が含まれる。同位体変種とは、少なくとも1つの原子が、同じ原子番号を有するが自然で通常見つかる原子質量とは異なる原子質量を有する原子によって置き換えられているものとして定義される。取り込むことができる同位体の例には、水素炭素窒素酸素リン硫黄フッ素、及び塩素の同位体、例えば、それぞれ2H、3H、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F、及び36Clが含まれる。特定の同位体変種、例えば、3H又は14Cなどの放射性同位元素が取り込まれているものは、薬物及び/又は基質組織分布の研究において有用である。トリチウム標識、すなわち3H、及び炭素−14、すなわち14C同位体が、それらの調製の容易さ及び検出性のために特に好ましい。さらに、重水素、すなわち2Hなどの同位体での置換は、より高い代謝安定性から生じる特定の治療上の利点、例えば、インビボ半減期の増加又は投薬必要量の低減をもたらす場合があり、したがって、一部の状況下では好ましい場合がある。例えば、本発明には、任意の水素原子が重水素原子によって置き換えられている薬剤が含まれる。本発明の薬剤の同位体変種、及び本発明の薬学的に許容されるその塩は、一般に、慣例の手順によって、適切な試薬の適切な同位体変種を使用して、調製することができる。

0169

溶媒和物
また、本発明には、本発明の薬剤の溶媒和物形態も含まれる。特許請求の範囲において使用する用語にはこれらの形態が包含される。

0170

多型
本発明は、その様々な結晶形態多型形態、及び(無水形態含水形態の本発明の薬剤にさらに関する。精製方法をわずかに変えること、及び/又はそのような化合物の合成による調製において使用した溶媒からの単離によって、化合物をそのような形態のうちの任意のもので単離し得ることは、医薬業界内で十分に確立されている。

0171

投与
本発明の医薬組成物を、直腸、経鼻、気管支内、局所(頬側及び舌下を含む)、経膣又は非経口(皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、及び皮内を含む)、腹腔内又はくも膜下腔内の投与に適応させ得る。好ましくは、配合物は経口投与する配ee合物である。配合物は、単位剤形で、すなわち、単位用量を含有する個別の部分、又は複数の単位用量若しくは単位用量の副単位の形態で好都合に提示し得る。例として、配合物は錠剤及び持続放出カプセル剤の形態であってよく、薬学分野で周知の任意の方法によって調製し得る。

0172

本発明における経口投与用配合物は、それぞれが事前に決定した量の活性薬剤を含有する、カプセル剤、ゼラチン質カプセル剤、ドロップ剤、カシェ剤、丸薬、若しくは錠剤などの個別の単位として、粉末剤若しくは顆粒剤として、水性液体若しくは非水性液体中の活性薬剤の溶液剤、乳濁液剤、若しくは懸濁剤として、又は水中油の液体乳濁液剤若しくは油中水の液体乳濁液剤として、又はボーラス剤などとして提示し得る。好ましくは、これらの組成物は、1用量あたり1〜250mg、より好ましくは10〜100mgの活性成分を含有する。

0173

経口投与用の組成物(例えば錠剤及びカプセル剤)では、用語「許容される担体」には、一般的な賦形剤、例えば結合剤、例えば、シロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、ポリビニルピロリドンポビドン)、メチルセルロース、エチルセルロースカルボキシメチルセルロースナトリウムヒドロキシプロピルメチルセルローススクロース、及びデンプン、充填剤及び担体、例えば、コーンスターチ、ゼラチン、ラクトース、スクロース、微結晶セルロースカオリン、マンニトール、リン酸二カルシウム、塩化ナトリウム、及びアルギン酸、並びに滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、及び他のステアリン酸金属塩ステアリン酸グリセロールステアリン酸、シリコーン溶液タルクワックス、油、及びコロイド状シリカなどの媒体が含まれる。ペパーミントウィンターグリーン油、チェリー香味料などの香味料も使用することができる。剤形を容易に同定可能にするために、着色料を加えることが望ましい場合がある。また、錠剤を当分野で周知の方法によって被覆してもよい。

0174

錠剤は圧縮又は成形によって作製してよく、1又は2以上の副成分を用いていてもよい。打錠は、適切な機械において、結合剤、滑沢剤、不活性な希釈剤、保存料、表面活性剤又は分散剤と混合していてもよい、粉末剤又は顆粒剤などの易流動性形態の活性剤を圧縮することによって調製し得る。成形錠剤は、不活性な液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を適切な機械にて成形することによって作製し得る。錠剤は被覆する又は切れ目を入れていてもよく、活性薬剤の徐放放出又は制御放出を提供するように配合し得る。

0175

経口投与に適した他の配合物には、香味づけられた基剤、通常はスクロース及びアカシア又はトラガカント中に活性薬剤を含む薬用キャンディー剤、ゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びアカシアなどの不活性基剤中に活性薬剤を含むパステル錠、並びに適切な液体担体中に活性薬剤を含む洗口液剤が含まれる。

0176

他の投与形態は、静脈内、動脈内、くも膜下腔内、皮下、皮内、腹腔内、又は筋肉内で注射してもよく、滅菌した又は滅菌可能な溶液から調製する、液剤又は乳濁液剤を含む。注射用形態は、典型的には1用量あたり10〜1000mg、好ましくは10〜250mgの活性成分を含有する。

0177

また、本発明の医薬組成物は、坐薬、坐薬、懸濁剤、乳濁液剤、ローション剤、軟膏、クリーム剤、ゲル剤、スプレー剤、液剤、又は散布剤の形態であってもよい。

0178

経皮投与代替手段は、皮膚パッチ剤の使用によるものである。例えば、活性成分を、ポリエチレングリコール又は流動パラフィン水性乳濁液剤からなるクリーム剤内に取り込ませることができる。また、活性成分を、1〜10重量%の濃度で、白又は白色軟パラフィン基剤からなる軟膏内に、必要に応じて安定化剤及び保存料と一緒に取り込ませることができる。

0179

投薬量
当業者は、必要以上の実験を行わずに、対象に投与するための本発明の組成物のうちの1つの適切な用量を容易に決定することができる。典型的には、医師が、個々の患者最も適切となる実際の投薬量を決定し、これは、用いる具体的な化合物の活性、その化合物の代謝安定性及び作用の長さ、年齢、体重、全体的な健康、性別食習慣、投与の様式及び時間、排泄速度、薬物の組合せ、特定の状態の重症度、並びに個体の受けている療法を含む、様々な因子に依存する。本明細書中に開示した投薬量は平均的な事例の例示的なものである。もちろん、より高い又はより低い投薬量範囲が利点となる個々の事例も存在することができ、そのようなものは本発明の範囲内にある。

0180

また、薬物の濃度が本明細書中に開示した治療的症状のうちの1又は2以上を達成するために十分である様式で、本発明の薬剤を患者に経口投与してもよい。典型的には、化合物を含有する医薬組成物を、約0.1〜約50mg/kgの経口量で、患者の状態と一貫した様式で投与する。好ましくは、経口量は約0.5〜約20mg/kgとなる。

0181

本発明の薬剤を本発明に従って投与した場合に、許容されない毒性効果は予想されていない。良好な生体利用度を有していてよい本発明の薬剤は、所定の薬理学的効果を持つために必要な化合物の濃度を決定するために、いくつかの生物学的アッセイのうちの1つにおいて試験し得る。

0182

組合せ
特に好ましい実施形態では、本発明の薬剤を、1又は2以上の他の活性薬剤と、例えば市販されている既存の薬物と組み合わせて投与する。そのような場合、本発明の化合物は、1又は2以上の他の活性薬剤と連続的に、同時に、又は順次に投与し得る。一般に、薬物は組み合わせて使用した場合により有効である。特に、主な毒性、作用機構、及び耐性機構重複を回避するために組合せ療法が望ましい。さらに、ほとんどの薬物をその最大耐量で、そのような用量間において最小の時間間隔で、投与することも望ましい。化学療法薬を組み合わせることの主な利点は、生化学的相互作用を介して相加的又は場合によっては相乗的な効果が促進され得ることであり、また、耐性出現も減少又は遅延され得る。有益な組合せは、試験化合物の活性を特定の障害の治療において価値あることが知られている又は考えられている薬剤と共に研究することによって提案し得る。

0183

本発明を、以下の非限定的な例を通じてさらに説明する。
[実施例]

0184

材料及び方法
本明細書中に記載の薬剤は市販されている。例えば、以下の化合物を薬理学的活性化合物ライブラリ(LOPAC,The Library of Pharmacologically Active Compounds;SigmaAldrich社)から得た。
PF−573228
JFD00244
ウアバイン
ブファリン
K−ストロファンチン
ストロファンチジン
ジゴキシン
シクロスポリン
チルホスチンAG879
カンタリジン
塩化ジフェニレンヨードニウム(DPI)
ロットレリン
2,3−ジメトキシ−1,4−ナフトキノン
LY−367,265
ロテノン
イダルビシン
塩化デカリニウム
ビンクリスチン

0185

以下の化合物をSelleck社の化学ライブラリから得た。
アトルバスタチンカルシウム(Lipitor)
フルバスタチンナトリウム(Lescol)
ロバスタチン(Mevacor)
ピタバスタチンカルシウム(Livalo)
シンバスタチン(Zocor)
ニタゾキサニド(Alinia、Annita)
ニトロフラゾン(ニトロフラール)
シクロスポリン(Neoral)
テムシロリムス(Torisel)
エルトロンボパグ(SB−497115−GR)
ビンクリスチン
アダパレン
アザシクロノール
エノキサシン(Penetrex)
ラルテグラビル(MK−0518)。

0186

他のFAK阻害剤(NSC677249としても知られる化合物14及びデファクチニブ)並びに他の化合物(エトポシド及びドキソルビシンなど)はSIGMA社から入手した。

0187

IMR90細胞はATCCから入手した。IMR90ER:RAS及びIMR90 ER:RAS E6/E7は、IMR90細胞のレトロウイルス感染によって生成し、他の箇所に記載されている(Banito, A., Rashid, S.T., Acosta, J.C., Li, S., Pereira, C.F., Geti, I., Pinho, S., Silva, J.C., Azuara, V., Walsh, M., et al. (2009). Senescence impairs successful reprogramming to pluripotent stem cells. Genes Dev 23, 2134-2139、Barradas, M., Anderton, E., Acosta, J.C., Li, S., Banito, A., Rodriguez-Niedenfuhr, M., Maertens, G., Banck, M., Zhou, M.M., Walsh, M.J., et al. (2009). Histone demethylase JMJD3 contributes to epigenetic control of INK4a/ARF by oncogenic RAS. Genes Dev 23, 1177-1182)。HMEC細胞はLonza社から入手した。HMEC hTERT ER:RASはHMEC細胞のレトロウイルス感染によって生成した。(PF−573228、NSC677249としても知られる化合物14、及びデファクチニブ)

0188

老化細胞除去活性の決定
IMR90ER:RAS細胞を100nMの4OHTで6日間治療することによって、老化を受けるように誘導した。その時点で、10μMの示した薬物を加えた。平行して、同じ治療をDMSO(−4OHT)で治療したIMR90 ER:RAS細胞において実施した。これらの細胞は老化を受けない。細胞を4OHT誘導後の6、8、及び10日目に固定し、クリスタルバイオレットで染色して細胞生存度を評価した。同様の実験を実施し、誘導後10日目の細胞を固定し、DAPIで染色して細胞数を評価した(図1を参照)。様々な老化モデルを使用して、細胞培養物中の老化細胞除去化合物を試験した(図2を参照)。

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