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課題・解決手段
本発明は、アミノ化触媒の存在下でエチレングリコールをアンモニアと反応させることによって気相中でエタノールアミンおよび/またはエチレンアミンを製造する方法に関する。本方法は、アミノ化触媒を、活性材料を含む焼成触媒前駆体を還元することによって製造し、前記活性材料は、元素の周期律表の第8族、第9族、第10族および第11族の元素からなる群から選択される1種以上の活性金属と、任意に第3族〜第7族および第12族〜第7族の金属および半金属、元素Pならびに希土類元素からなる群から選択される1種以上の触媒添加元素とを含むことを特徴とする。さらに、本方法は、低塩基度を有する触媒前駆体を用いることを特徴とし、ここで、低塩基度は、a)前記触媒前駆体を共沈によって製造し、前記活性材料は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群から選択される1種以上の塩基性元素をさらに含む;またはb)前記触媒前駆体は、前記活性材料に加えて担体材料をさらに含み、前記担体材料を含浸させることによって、または前記担体材料上への沈殿の適用によって製造し、前記担体材料は、アルカリ金属、Be、Ca、BaおよびSrからなる群から選択される1種以上の塩基性元素またはハイドロタルサイト、クリソタイルおよびセピオライトからなる群から選択される1種以上の鉱物を含む;またはc)前記触媒前駆体は、前記活性材料に加えて担体材料をさらに含み、前記担体材料を含浸させることによって、または担体材料上への沈殿を適用することによって製造し、前記触媒担体の前記活性材料は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群から選択される1種以上の塩基性元素を含み;またはd)前記触媒前駆体を600℃以上の温度で焼成する;またはe)前記触媒前駆体を、変法a)とd)との組合せ、または変法b)とd)との組合せ、または変法c)とd)との組合せによって製造することによって達成される。
概要
背景
概要
本発明は、アミノ化触媒の存在下でエチレングリコールをアンモニアと反応させることによって気相中でエタノールアミンおよび/またはエチレンアミンを製造する方法に関する。本方法は、アミノ化触媒を、活性材料を含む焼成触媒前駆体を還元することによって製造し、前記活性材料は、元素の周期律表の第8族、第9族、第10族および第11族の元素からなる群から選択される1種以上の活性金属と、任意に第3族〜第7族および第12族〜第7族の金属および半金属、元素Pならびに希土類元素からなる群から選択される1種以上の触媒添加元素とを含むことを特徴とする。さらに、本方法は、低塩基度を有する触媒前駆体を用いることを特徴とし、ここで、低塩基度は、a)前記触媒前駆体を共沈によって製造し、前記活性材料は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群から選択される1種以上の塩基性元素をさらに含む;またはb)前記触媒前駆体は、前記活性材料に加えて担体材料をさらに含み、前記担体材料を含浸させることによって、または前記担体材料上への沈殿の適用によって製造し、前記担体材料は、アルカリ金属、Be、Ca、BaおよびSrからなる群から選択される1種以上の塩基性元素またはハイドロタルサイト、クリソタイルおよびセピオライトからなる群から選択される1種以上の鉱物を含む;またはc)前記触媒前駆体は、前記活性材料に加えて担体材料をさらに含み、前記担体材料を含浸させることによって、または担体材料上への沈殿を適用することによって製造し、前記触媒担体の前記活性材料は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群から選択される1種以上の塩基性元素を含み;またはd)前記触媒前駆体を600℃以上の温度で焼成する;またはe)前記触媒前駆体を、変法a)とd)との組合せ、または変法b)とd)との組合せ、または変法c)とd)との組合せによって製造することによって達成される。
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請求項1
活性材料を含む焼成触媒前駆体を還元することによって製造されるアミノ化触媒の存在下でエチレングリコールをアンモニアと反応させることによって気相中でエタノールアミンおよび/またはエチレンアミンを製造する方法であって、前記活性材料は、元素の周期律表の第8族、第9族、第10族および第11族の元素からなる群から選択される1種以上の活性金属と、任意に第3族〜第7族および第12族〜第17族の金属および半金属、元素Pならびに希土類元素からなる群から選択される1種以上の触媒添加元素とを含む方法において、a)前記触媒前駆体を共沈によって製造し、前記活性材料は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群から選択される1種以上の塩基性元素をさらに含む;またはb)前記触媒前駆体は、前記活性材料に加えて担体材料をさらに含み、前記担体材料を含浸させることによって、または前記担体材料上への沈殿を適用することによって製造し、前記担体材料は、アルカリ金属、Be、Ca、BaおよびSrからなる群から選択される1種以上の塩基性元素またはハイドロタルサイト、クリソタイルおよびセピオライトからなる群から選択される1種以上の鉱物を含む;またはc)前記触媒前駆体は、前記活性材料に加えて担体材料をさらに含み、前記担体材料を含浸させることによって、または前記担体材料上への沈殿を適用することによって製造し、前記触媒担体の前記活性材料は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群から選択される1種以上の塩基性元素を含む;またはd)前記触媒前駆体を600℃以上の温度で焼成する;またはe)前記触媒前駆体を、変法a)とd)との組合せ、または変法b)とd)との組合せ、または変法c)とd)との組合せによって製造することを特徴とする、方法。
請求項2
請求項3
MEGとNH3との反応を、前記気相中で0.5〜3MPaの範囲の圧力および200〜350℃の範囲の温度で行うことを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
請求項4
前記反応は、MEGおよびNH3を含むガス流を固定床反応器中でアミノ化触媒と接触させることによって行い、前記アミノ化触媒と接触させる前記ガスの1時間当たりの空間速度(ガス毎時空間速度(GHSV))は1,000〜30,000h−1であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
請求項5
エチレングリコールとアンモニアとの前記反応を、水素の存在下にアミノ化触媒上で行うことを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
請求項6
請求項7
前記触媒前駆体を、変法d)において600〜1200℃の範囲の温度で焼成することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
請求項8
前記触媒前駆体を、変法d)において750〜1100℃の範囲の温度で焼成することを特徴とする、請求項7記載の方法。
請求項9
前記触媒担体は前記活性金属Cuを含むことを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
請求項10
前記触媒前駆体は、ZrおよびZnからなる群から選択される1種以上の触媒添加元素を含むことを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
請求項11
請求項1の変法a)、b)、c)またはd)における前記触媒前駆体の前記活性材料は、K、Mg、Ca、CsおよびBaからなる群から選択される1種以上の塩基性元素を含むことを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
請求項12
請求項1の変法b)、c)またはd)における前記触媒前駆体は、CaOとZnOとの混合酸化物である担体材料を含むことを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
請求項13
前記触媒前駆体を沈殿の適用または含浸によって製造し、いずれの場合も前記触媒前駆体の全質量を基準として、2.5〜60重量%のCu;2.5〜60重量%のZnおよび/または0.1〜10重量%のZr;ならびに2.5〜60重量%のCaを含むことを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
請求項14
前記触媒前駆体を沈殿の適用または含浸によって製造し、前記触媒前駆体は、前記触媒前駆体の全質量を基準として40〜95重量%の請求項12において記載される混合酸化物を含み、前記触媒前駆体の組成は、いずれの場合も前記触媒前駆体の全質量を基準として、1〜20重量%のCu、20〜60重量%のZn、0.1〜10重量%のZrおよび10〜60重量%のCaであることを特徴とする、請求項10から12までのいずれか1項記載の方法。
請求項15
前記触媒前駆体を、変法a)とd)との組合せ、または変法b)とd)との組合せ、または変法c)とd)との組合せによって製造し、ここで、変法d)とのそれぞれの組合せにおいて、前記触媒前駆体は、変法d)において750〜1100℃の範囲の温度で焼成することを特徴とする、請求項8記載の方法。
目次
技術分野
0002
エチレンジアミン(EDA)の工業規模の製造には、一般に2つの方法が用いられている。第一に、EDAは、HClを脱離しながら1,2−ジクロロエタンとアンモニアとを反応させることによって製造することができる(EDC法)。EDAを製造するための更なる工業規模の方法は、アミノ化触媒の存在下でのモノエタノールアミン(MEA)とアンモニアとの反応(MEA法)である。
0003
確立された方法に代わるものとして、EDAはモノエチレングリコール(MEG)とアンモニアとの反応によっても製造することができる。
0004
そのような方法は様々な利点を有するであろう。1つの利点はMEAと比較してMEGの良好な可用性である。
0005
MEAは、エチレンオキシド(EO)とアンモニアとの反応によって工業規模で製造される。一般に形成されるのは、MEAに加えて、ジエタノールアミン(DEOA)およびトリエタノールアミン(TEOA)などの高級エタノールアミンも含む反応混合物である。これらの副生成物は別々の蒸留工程によってMEAから分離されなければならない。エチレンオキシドは空気と爆発性の混合物を形成することがある非常に可燃性のガスである。EOの処理はそれに応じて複雑である。したがって、MEAの製造は、下流の精製蒸留を伴う技術的に複雑なEOプラントを必要とする。
0006
これとは対照的に、MEGは石油化学原料に基づくだけでなく、再生可能原料に基づいても製造することができる。石油化学的手段によって、MEGは同様に水との反応によってEOから製造される。EOとアンモニアとの反応と同様に、EOと水との反応では、既に形成されているMEGがEOと反応してジエチレングリコールおよびトリエチレングリコールなどの副生成物を生じるのを防ぐことは不可能である。MEGに対する選択率は約90%であり、したがって、一般に70〜80%であるMEAに対する選択率よりも明らかに高い。しかしながら、シェルオメガプロセスはまたもやMEGに対する選択率を明らかに増加させることができた(約99%まで)。オメガプロセスでは、EOをCO2と反応させてエチレンカーボネートを得て、これを第二段階で選択的に加水分解してMEGにする。
0007
MEGはまた、合成ガス経路を介して、例えば、シュウ酸ジメチルを得るためのメタノールの酸化的カルボニル化およびそれに続くその水素化によって製造することもできる。したがって、MEGを製造するための更なる可能な石油化学原料として天然ガスも考慮に入れられる。
0008
あるいは、MEGはまた、トウモロコシまたはサトウキビなどの再生可能な原料から、エタノールへの発酵、それに続くエテンへの脱水およびそれに続く酸素との反応によってエチレンオキシドを得ることによっても製造することができる。
0011
液相中でのMEGの金属触媒によるアミノ化の概説は、カーステン・ヴォルフガング・イーメルス(Carsten Wolfgang Ihmels)による卒業論文“Reaktionskinetische Untersuchungen zur metallkatalysierten Aminierung von Ethylenglykol in der fluessigen Phase”[Studies of Reaction Kinetics of the Metal-Catalyzed Amination of Ethylene Glycol in the Liquid Phase](“Reaktionskinetische Untersuchungen zur metallkatalysierten Aminierung von Ethylenglykol in der fluessigen Phase”, Diplom thesis from the Carl von Ossietzky University of Oldenburg dated 03.17.2000)に示されている。イーメルスは、MEGのアミノ化において起こり得る更なる多数の後続反応および副反応、例えばジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンの形成、不均化、ニトリル形成、カルボニル縮合および断片化反応を記載している。二価アルコールの場合の縮合および不均化は、最終的には、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)およびポリマーなどのオリゴマーの形成ももたらし得る。もう1つの重要な副反応は環化である。例えば、ジエタノールアミンまたはDETAはさらに反応してピペラジン(PIP)を生じることができる。より高い温度は、環化に続く脱水素化を促進して芳香族化合物を生じる。したがって、MEGとアンモニアとの反応において広い生成物スペクトルが得られ、生成物スペクトル中のいくつかの生成物は他のものよりも商業的に非常に興味深いものである。例えば、EDA、DETAおよびTETAに対する商業的需要は、PIPまたはアミノエチルエタノールアミン(AEEA)に対するそれよりも高い。それゆえ、MEGとアンモニアとの反応における多くの研究の目的は、有利な生成物スペクトルをもたらす触媒および反応条件を見出すことであった。
0012
イーメルス自身は、コバルト/二酸化ケイ素担持触媒上でのMEGの変換を研究した。所望の目標生成物MEAおよびEDAを得るためのアミノ化には失敗した。代わりに、高分子反応生成物が形成された。より穏やかな条件下では、MEGの変換はまだ不完全であり、目標生成物MEAおよびEDAは低収率で得られた。主生成物はオリゴマー化合物であった。
0013
米国特許第4,111,840号明細書(US 4,111,840)は、Ni/Re担持触媒上で500〜5000psig(約34〜340バール)の圧力にてアンモニアと水素とのMEGの反応を開示している。表面積が60m2/gのシリカ/アルミナ担持触媒は、比表面積が150m2/gのシリカ/アルミナ担持触媒よりも良好な結果をもたらした。
0014
米国特許第3,137,730号明細書(US 3,137,730)は、Cu/Ni触媒上で200〜300℃の温度および1000psig(約69バール)を上回る圧力にて液相中でMEGをアンモニアと反応させることを開示している。
0015
西独国特許第1172268号明細書(DE 1 172 268)は、金属Cu、Ag、Mn、Fe、NiおよびCoのうちの少なくとも1種を含む触媒によるエチレングリコールの変換を開示している。一例において、MEGがCo触媒上で水素の存在下に180℃および300バールの圧力でアンモニアと反応させられた。
0016
国際公開第2007/093514号(WO 2007/093514)は、EDAを製造するための二段階方法を開示しており、1つ目の方法段階において、アミノ化はヒドロアミノ化触媒上で最大40%のMEA転化率まで実施され、2つ目の方法段階において、小さな幾何学的形状を有するRu/Co担持触媒成形体が使用され、かつ2つ目の方法段階は1つ目の方法段階よりも少なくとも10℃高い温度で実施される。
0017
液相の代わりとして、MEGとアンモニアおよび水素との反応は気相中で行うこともできる。液相中での反応に対する気相反応の利点は、反応をより低い反応圧力で行うことができることである。これは資本コストの削減につながる。
0019
気相中でのMEGのアミノ化は、例えば、中国特許出願公開第102190588号明細書(CN 102 190 588)および中国特許出願公開第102233272号明細書(CN 102 233 272)に記載されている。
0020
例えば、中国特許出願公開第102190588号明細書(CN 102 190 588)は、Cu触媒の存在下でのMEGとアンモニアの一段階変換を開示している。その記載によれば、反応圧力は3〜30バールの範囲である。反応温度は150〜350℃の範囲である。
0021
更なる出願(中国特許出願公開第102233272号明細書(CN 102 233 272))は、主成分としてCuおよびNiを含み、副成分としてZr、Zn、Al、Ti、MnおよびCeを含む触媒上でのMEGとアンモニアとの気相中での反応を開示している。しかしながら、得られた反応混合物の組成は開示されていなかった。
0023
特に、有価生成物、すなわち高い商業的意義を有するエタノールアミンまたはエチレンアミン、特にMEAおよびEDAの形成が促進され、かつ環状エチレンアミン、特にPIP、およびより高級のエタノールアミン、特にAEEAの形成は低く抑えられるべきであった。なぜなら、PIPまたはAEEAの商業的需要はEDAおよびMEAよりも低いからである。
0024
本発明の課題は、活性材料を含む焼成触媒前駆体を還元することによって製造されるアミノ化触媒の存在下でエチレングリコールをアンモニアと反応させることによって気相中でエタノールアミンおよび/またはエチレンアミンを製造する方法によって達成され、ここで、活性材料は、元素の周期律表の第8族、第9族、第10族および第11族の元素からなる群から選択される1種以上の活性金属と、任意に第3族〜第7族および第12族〜第17族の金属および半金属、元素Pならびに希土類元素からなる群から選択される1種以上の触媒添加元素とを含み、
a)触媒前駆体を共沈によって製造し、活性材料は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群から選択される1種以上の塩基性元素をさらに含む;または
b)触媒前駆体は、活性材料に加えて担体材料をさらに含み、担体材料を含浸させることによって、または担体材料上への沈殿を適用することによって製造し、担体材料は、アルカリ金属、Be、Ca、BaおよびSrからなる群から選択される1種以上の塩基性元素またはハイドロタルサイト、クリソタイルおよびセピオライトからなる群から選択される1種以上の鉱物を含む;または
c)触媒前駆体は、活性材料に加えて担体材料をさらに含み、担体材料を含浸させることによって、または担体材料上への沈殿を適用することによって製造し、触媒担体の活性材料は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群から選択される1種以上の塩基性元素を含み;
d)触媒前駆体を600℃以上の温度で焼成する;または
e)触媒前駆体を、変法a)とd)との組合せ、または変法b)とd)との組合せ、または変法c)とd)との組合せによって製造することを特徴とする。
0025
以下の略語が上記および下記で使用される:
AEEA:アミノエチルエタノールアミン
AEP:アミノエチルピペラジン
DETA:ジエチレントリアミン
EDA:エチレンジアミン
EO:エチレンオキシド
EDC:二塩化エチレン
HEP:ヒドロキシエチルピペラジン
MEA:モノエタノールアミン
MEG:モノエチレングリコール
PEHA:ペンタエチレンヘキサミン
PIP:ピペラジン
TEPA:テトラエチレンペンタミン
TETA:トリエチレンテトラミンアミノ化触媒
0026
MEGとNH3との反応によってエタノールアミンおよび/またはエチレンアミンを製造するための本発明による方法は、アミノ化触媒の存在下で行われる。
0027
本発明による方法において使用されるアミノ化触媒は、焼成触媒前駆体を還元することによって製造されるものである。
0029
特に好ましくは、触媒前駆体は1g当たりNH30.1mmol以下の酸性度、最も好ましくは1g当たりNH30.04mmol以下の酸性度を有する。
0030
驚くべきことに、好ましい範囲の酸性度を有する触媒前駆体を還元することによって得られるアミノ化触媒は、線状アミノ化生成物MEAおよびEDAに対して高い選択率を有する一方で、環状アミノ化生成物PIPおよびより高級のエタノールアミンAEEAに対しての選択率は低いことが確かめられた。この効果の尺度は、MEAとEDAの選択率の合計とPIPとAEEAの選択率の合計との商として定義される選択率指数SQである(SQ=(S(MEA)+S(EDA))/(S(PIP)+S(AEEA))。線状アミノ化生成物MEAおよびEDAならびにそれらの線状同族体、例えばDETAおよびTETAに対する市場の需要はPIPまたはAEEAに対する需要よりも高いので、高い選択率指数SQの達成は工業的に有利である。
0031
さらに、好ましい範囲の酸性度を有するアミノ化触媒を還元することによって得られるアミノ化触媒は、望ましくない副生成物の形成が低いことも確かめられた。望ましくない副生成物は、例えば、ガス状分解生成物またはMEAおよびEDAに基づく不溶性もしくは難溶性のオリゴマーおよびポリマーである。両方の種類の副生成物の形成は、炭素バランスの低下、ひいては本方法の経済的な実行可能性の低下をもたらす。難溶性もしくは不溶性の副生成物の形成は、アミノ化触媒上に堆積してアミノ化触媒の活性の低下をもたらす可能性がある。
0033
酸性度は昇温脱離法(TPD)によって測定される。TPDは、触媒表面からのアンモニアの非定常状態の温度依存性の脱着速度をモニターし、温度の関数としてプロットする実験である(脱着曲線)。脱着曲線の下の面積は、表面上の酸性部位によって触媒前駆体に結合しているアンモニアの量を示す。これは、計量された触媒前駆体の量に対して正規化されている。TPDは、有利にはガラス製の流動装置中で測定される。一般に10〜500mgの触媒前駆体が流動装置中に入れられる。実際のTPD試験の前に、存在する残留水分および易揮発性汚染物質を除去するために、触媒前駆体は不活性ガス流(He)中で50℃に2時間加熱される。続いて、触媒の表面をアンモニアで飽和させるために、He中10体積%のアンモニアの体積割合を有する不活性ガス流が触媒前駆体に通過させられる。アンモニアの通過は、一般に50℃の温度で約2時間行われる。その後、未結合のアンモニアを除去するために、触媒前駆体は純粋な不活性ガスで50℃の温度でさらに3時間パージされる。パージ後、触媒前駆体は5K/分の加熱速度で50℃から650℃に加熱される。加熱中、不活性ガス(He)が50cm3/分の流速で触媒前駆体上に通過させられる。脱着されたアンモニアが不活性ガス流を介して排出され、質量分析計で定量的に検出され、そして脱着曲線として温度の関数としてプロットされる。TPDを実施するための適切な装置の例は、MicromeriticsGmbH社製のAutochem II 2920である。
0034
好ましい酸性度の達成
触媒前駆体の好ましい酸性度は、本発明に従って、
a)触媒前駆体を共沈によって製造し、活性材料は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群から選択される1種以上の塩基性元素をさらに含む(実施形態a));または
b)触媒前駆体は、活性材料に加えて担体材料をさらに含み、担体材料を含浸させることによって、または担体材料上への沈殿を適用することによって製造し、担体材料は、アルカリ金属、Be、Ca、BaおよびSrからなる群から選択される1種以上の塩基性元素またはハイドロタルサイト、クリソタイルおよびセピオライトからなる群から選択される1種以上の鉱物を含む(実施形態b));または
c)触媒前駆体は、活性材料に加えて担体材料をさらに含み、担体材料を含浸させることによって、または担体材料上への沈殿を適用することによって製造し、触媒担体の活性材料は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群から選択される1種以上の塩基性元素を含み(実施形態c));
d)触媒前駆体を600℃以上の温度で焼成する(実施形態d));または
e)触媒前駆体を、変法a)とd)との組合せ、または変法b)とd)との組合せ、または変法c)とd)との組合せによって製造する(実施形態e))
ことによって達成することができる。
0035
触媒前駆体:
触媒前駆体の組成は、以下に記載される製造方法(共沈または沈殿の適用または浸漬)および本発明の対応する実施形態に依存する。
0036
組成:
触媒前駆体を共沈によって製造する本発明の実施形態a)において、触媒前駆体は、焼成後に、
元素の周期律表の第8族、第9族、第10族および第11族の元素からなる群から選択される1種以上の活性金属;および、
アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群から選択される1種以上の塩基性元素;および
任意に第3族〜第7族および第12族〜第17族の金属および半金属、元素Pならびに希土類元素からなる群から選択される1種以上の触媒添加元素
を含む活性材料を含む。
0037
本発明のこの実施形態において、触媒前駆体は担体材料を一切含まない。以下に記載されるように、沈殿が担体材料の存在下で行われる場合、沈殿は、本発明の文脈において沈殿の適用と呼ばれる。
0038
触媒前駆体を沈殿の適用または含浸によって製造する本発明の実施形態b)において、触媒前駆体は、焼成後に、アルカリ金属、Be、Ca、BaおよびSrからなる群から選択される少なくとも1種以上の塩基性元素を含む担体材料と、
元素周期律表の第8族、第9族、第10族および第11族の元素からなる群から選択される1種以上の活性金属;および、
任意にアルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群から選択される1種以上の塩基性元素;および
任意に第3族〜第7族および第12族〜第17族の金属および半金属、元素Pならびに希土類元素からなる群から選択される1種以上の触媒添加元素
を含む活性材料と、
を含む。
0039
触媒前駆体を沈殿の適用または含浸によって製造する本発明の実施形態c)において、触媒前駆体は、焼成後に、
担体材料と、
元素周期律表の第8族、第9族、第10族および第11族の元素からなる群から選択される1種以上の活性金属;および、
アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群から選択される1種以上の塩基性元素;および
任意に第3族〜第7族および第12族〜第17族の金属および半金属、元素Pならびに希土類元素からなる群から選択される1種以上の触媒添加元素
を含む活性材料と、
を含む。
0040
触媒前駆体を共沈によって製造する本発明の実施形態d)において、触媒前駆体は、
元素周期律表の第8族、第9族、第10族および第11族の元素からなる群から選択される1種以上の活性金属;および、
任意にアルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群から選択される1種以上の塩基性元素;および
任意に第3族〜第7族および第12族〜第17族の金属および半金属、元素Pならびに希土類元素からなる群から選択される1種以上の触媒添加元素
を含む活性材料を含む。
0041
触媒前駆体を沈殿の適用または含浸によって製造する本発明の実施形態d)において、触媒前駆体は、
1種以上の塩基性元素を任意に含む担体材料と、
元素周期律表の第8族、第9族、第10族および第11族の元素からなる群から選択される1種以上の活性金属;および、
任意にアルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群から選択される1種以上の塩基性元素;および
任意に第3族〜第7族および第12族〜第17族の金属および半金属、元素Pならびに希土類元素からなる群から選択される1種以上の触媒添加元素
を含む活性材料と、
を含む。
0042
触媒前駆体および担体材料の組成は、元素分析の公知の方法、例えば原子吸光分析(AAS)、原子発光分析(AES)、蛍光X線分析(XFA)、またはICP−OES(誘導結合プラズマ発光分析)によって測定することができる。
0043
ここで、触媒前駆体の組成は、最後の焼成工程後かつ触媒成形体にする任意の成形工程前に決定される。
0045
好ましくは、触媒前駆体は、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、AgおよびCuからなる群から選択される1種以上の活性金属を含む。
0046
最も好ましくは、触媒前駆体は、Co、Ni、AgおよびCuからなる群から選択される1種以上の活性金属を含む。
0047
触媒前駆体は、特に非常に好ましくは活性金属Cuを含む。
0048
活性金属としてCuを含む触媒前駆体の場合、触媒前駆体の酸性度の低下に関連した利点を大いに達成することが可能であった。
0049
焼成後、活性金属は、一般に触媒前駆体中に上記の活性金属の酸素含有化合物の形態で、例えば活性金属の炭酸塩、酸化物、混合酸化物または水酸化物として、例えばCoO、NiO、CuOおよび/またはそれらの混合酸化物として存在する。
0050
焼成後に得られる活性金属の酸素含有化合物、例えば活性金属の炭酸塩、酸化物、混合酸化物または水酸化物は、以後、触媒活性成分と呼ぶ。
0051
触媒活性成分は、一般に焼成によって活性金属の可溶性化合物または活性金属の沈殿堆積物を少なくとも部分的に触媒活性成分に変換することによって形成され、この変換は、一般に脱水および/または分解によって行われる。
0052
本出願の文脈において、「触媒活性成分」という用語は、上記の酸素含有金属化合物に対して使用されるが、これらの酸素含有化合物がそれ自体既に触媒活性であることを意味するとは想定されていない。触媒活性成分は、一般に本発明による変換において還元後に初めて触媒活性を有する。
0053
触媒前駆体は、活性材料中に1種以上の活性金属を含み得る。触媒前駆体は、好ましくは1〜3種、特に好ましくは1〜2種、特に好ましくは1種の活性金属を含む。
0054
触媒前駆体の活性材料中に存在する活性金属の数に関係なく、後述するように共沈によって製造される触媒前駆体の場合、活性金属の総量は、触媒前駆体の全質量を基準として、好ましくは1〜80重量%の範囲、特に好ましくは2.5〜60重量%の範囲、最も好ましくは5〜50重量%の範囲である。
0055
触媒前駆体の活性材料中に存在する活性金属の数に関係なく、後述するように沈殿の適用または含浸によって製造される触媒前駆体の場合、活性金属の総量は、触媒前駆体の全質量を基準として、好ましくは1〜80重量%の範囲、特に好ましくは2.5〜60重量%の範囲、最も好ましくは5〜50重量%の範囲である。
0056
触媒添加元素/触媒添加剤:
触媒前駆体および実施形態の製造方法に関係なく、活性材料は、活性金属に加えて、任意に1種以上の触媒添加元素を含み得る。
0057
触媒添加元素は、周期律表の第3族〜第7族および第12族〜第17族から選択される金属または半金属、元素Pおよび希土類金属である。
0058
触媒前駆体において、触媒添加元素は、一般にそれらの酸素含有化合物、例えば触媒添加元素の炭酸塩、酸化物、混合酸化物または水酸化物の形態である。触媒添加元素の炭酸塩、酸化物、混合酸化物および水酸化物は、以後、触媒添加剤と呼ぶ。
0059
一般に、触媒添加剤は、触媒添加元素の可溶性化合物または触媒添加元素の沈殿物からの焼成によって触媒添加剤に変換され、この変換は、一般に脱水および/または分解によって行われる。
0060
好ましい触媒添加元素は、Zr、Zn、Ce、La、Y、MnおよびTiである。
0061
特に非常に好ましい触媒添加元素は、Y、Ce、La、Ti、ZrおよびZnである。
0062
触媒添加元素としてY、Ce、La、Ti、Zrおよび/またはZnを含む触媒前駆体の場合、触媒前駆体の酸性度の低下に関連した利点を大いに達成することができた。
0063
触媒前駆体は、活性材料中に1種以上の触媒添加元素を含み得る。触媒前駆体は、好ましくは1〜4種、特に好ましくは1〜3種、特に好ましくは1〜2種の触媒添加元素を含む。
0064
触媒前駆体の活性材料中に存在する活性金属の数に関係なく、後述するように共沈によって製造される触媒前駆体の場合、触媒添加元素の総量は、触媒前駆体の全質量を基準として、好ましくは1〜80重量%の範囲、特に好ましくは2.5〜60重量%の範囲、最も好ましくは5〜50重量%の範囲である。
0065
触媒前駆体の活性材料中に存在する触媒添加元素の数に関係なく、後述するように沈殿の適用または含浸によって製造される触媒前駆体の場合、触媒添加元素の総量は、触媒前駆体の全質量を基準として、好ましくは1〜80重量%の範囲、特に好ましくは2.5〜60重量%の範囲、最も好ましくは5〜50重量%の範囲である。
0066
塩基性元素/塩基性成分:
特許請求の範囲に記載される実施形態a)およびc)ならびに特許請求の範囲に記載される変法b)およびd)の好ましい実施形態において、活性材料は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の群から選択される1種以上の塩基性元素をさらに含む。
0067
驚くべきことに、活性材料中にアルカリ金属およびアルカリ土類金属の群から選択される少なくとも1種の塩基性元素を含む触媒前駆体は、より低い酸性度を有し、MEGのアミノ化において上記の利点を示すことが分かった。
0068
好ましくは、触媒前駆体の活性材料は、Li、Na、K、Rb、Mg、CaおよびBaからなる群から選択される1種以上の塩基性元素を含む。
0069
特に好ましくは、触媒前駆体の活性材料は、K、Mg、Ca、CsおよびBaからなる群から選択される1種以上の塩基性元素を含む。
0070
最も好ましくは、触媒前駆体の活性材料は元素Caを含む。
0071
焼成後、これらの塩基性元素は、一般にそれらの酸素含有化合物、例えばそれらの酸化物、混合酸化物または炭酸塩の形態で触媒前駆体中に存在する。焼成後に得られる塩基性元素の酸素含有化合物は、以後、塩基性成分と呼ぶ。
0072
触媒前駆体は、活性材料中に1種以上の塩基性元素を含み得る。触媒前駆体は、活性材料中に、好ましくは1〜3種、特に好ましくは1〜2種、特に好ましくは1種の塩基性元素を含む。
0073
触媒前駆体の活性材料中に存在する塩基性元素の数に関係なく、後述するように共沈によって製造される触媒前駆体の場合、塩基性元素の総量は、触媒前駆体の全質量を基準として、好ましくは1〜80重量%の範囲、特に好ましくは2.5〜60重量%の範囲、最も好ましくは5〜50重量%の範囲である。
0074
触媒前駆体の活性材料中に存在する塩基性元素の数に関係なく、後述するように沈殿の適用または含浸によって製造される触媒前駆体の場合、塩基性元素の総量は、触媒前駆体の全質量を基準として、好ましくは1〜80重量%の範囲、特に好ましくは2.5〜60重量%の範囲、最も好ましくは15〜50重量%の範囲である。
0075
担体材料:
沈殿の適用または含浸によって製造される触媒の場合、触媒前駆体は、活性材料に加えて1種以上の担体材料を含む。
0076
担体材料は固体であり、一般に高い表面積を有する固体である。
0077
活性材料は、例えば触媒活性成分の難溶性前駆体の沈殿の適用によって、または触媒添加剤の難溶性前駆体の沈殿の適用によって、または塩基性成分の難溶性前駆体の沈殿の適用によって、または担体材料に活性金属または触媒添加元素もしくは塩基性元素の可溶性化合物を含浸させることによって担体材料に施与することができる。
0078
更なる好ましい触媒担体は、触媒添加元素Al、Ti、Zn、ZrおよびSiの酸化物またはそれらの混合物、例えば酸化アルミニウム(ガンマ、デルタ、シータ、アルファ、カッパ、カイまたはそれらの混合物)、二酸化チタン(アナターゼ、ルチル、ブルッカイトまたはそれらの混合物)、酸化亜鉛、二酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素(例えばシリカ、ヒュームドシリカ、シリカゲルまたはシリケート)、アルミノシリケート、鉱物、例えばハイドロタルサイト、クリソタイルおよびセピオライトである。
0079
好ましくは、触媒前駆体の全質量に基づく担体材料の全含有量は、30〜99重量%の範囲、好ましくは40〜95重量%の範囲、特に好ましくは50〜90重量%の範囲である。
0080
塩基性担体材料:
特許請求の範囲に記載される実施形態b)および実施形態c)およびd)の好ましい変法において、担体材料は、アルカリ金属、Ba、Ca、SrおよびBaからなる群から選択される1種以上の塩基性元素またはハイドロタルサイト、クリソタイルおよびセピオライトからなる群から選択される1種以上の鉱物を含む。
0081
驚くべきことに、触媒活性成分を上記の塩基性担体材料のうちの1種に沈殿の適用すること、または触媒活性化合物の前駆体を用いて上述の塩基性担体材料を含浸することによって、上記の利点を有する低酸性度の触媒前駆体が得られることが分かった。
0082
特に好ましくは、担体材料は、Na、KおよびCaからなる群から選択される1種以上の塩基性元素を含む。
0083
最も好ましくは、担体材料は元素Caを含む。
0084
担体材料は、一般に1〜3種、好ましくは1〜2種、特に好ましくは1種の塩基性元素を含む。
0085
塩基性元素の数に関係なく、担体材料中の塩基性元素の含有量は、担体材料の全質量を基準として、1〜50重量%の範囲、好ましくは2〜40重量%の範囲、特に好ましくは2.5〜20重量%の範囲である。
0086
焼成後、担体材料中の塩基性元素は、一般にそれらの酸化物または混合酸化物もしくは炭酸塩の形態で存在する。
0087
好ましい塩基性担体材料は、ZnおよびCaの共沈によって製造された金属酸化物、例えば30〜70重量%のZnOおよび30〜70重量%のCaOを含むものである。
0088
特に好ましい更なる実施形態において、アルカリ金属、Be、Ca、SrおよびBaからなる群から選択される1種以上の塩基性元素またはハイドロタルサイト、クリソタイルおよびセピオライトからなる群から選択される1種以上の鉱物を含む担体材料は、MgOを一切含まない。
0089
好ましい組成:
特に非常に好ましい触媒前駆体は共沈によって製造され、活性金属Cuを含む。
0090
特に非常に好ましい触媒前駆体は共沈によって製造され、活性金属Cuと、触媒添加元素ZrおよびZnのうちの少なくとも1種とを含む;特に好ましい触媒前駆体は、いずれの場合も触媒前駆体の全質量を基準として、1〜80重量%のCu、2〜60重量%のZnおよび0.1〜10重量%のZrを含むものである。
0091
特に非常に好ましい触媒前駆体は共沈によって製造され、活性金属Cuと塩基性元素Caとを含む;特に好ましい触媒前駆体は、いずれの場合も触媒前駆体の全質量を基準として、2.5〜60重量%のCuおよび5〜50重量%のCaを含むものである。
0092
特に非常に好ましい触媒前駆体は共沈によって製造され、活性金属Cuと、触媒添加元素ZrおよびZnのうちの少なくとも1種と、塩基性元素Caとを含む;特に好ましい触媒前駆体は、いずれの場合も触媒前駆体の全質量を基準として、1〜20重量%のCu、20〜60重量%のZn、0.1〜10重量%のZrおよび10〜40重量%のCaを含むものである。
0093
特に好ましい更なる触媒前駆体は、沈殿の適用または含浸によって製造され、活性金属Cuを含む;特に好ましい触媒前駆体は、いずれの場合も触媒前駆体の全質量を基準にして、40〜95重量%の担体材料、例えばアルミナまたはシリカ、および5〜60重量%のCuを含むものである。
0094
特に好ましい更なる触媒前駆体は、沈殿の適用または含浸によって製造され、活性金属Cuと、添加元素ZnおよびZrのうちの少なくとも1種とを含む;特に好ましい触媒前駆体は、いずれの場合も触媒前駆体の全質量を基準にして、50〜90重量%の担体材料、例えばアルミナまたはシリカ、ならびに2.5〜80重量%のCuおよび2.5〜40重量%のZnおよび/または1〜20重量%のZrを含むものである。
0095
特に好ましい更なる触媒前駆体は、沈殿の適用または含浸によって製造され、活性金属Cuと、1種以上の塩基性元素を含む担体材料とを含む。特に好ましいのは、担体材料として、CaOおよびZnOの混合酸化物(CaO/ZnO)を含む触媒前駆体であり、ここで、混合酸化物の割合は、触媒前駆体の全質量を基準にして、好ましくは40〜95重量%であり、この混合酸化物は、好ましくは30〜70重量%のCaOおよび30〜70重量%のZnOからなる。
0096
特に好ましい更なる触媒前駆体は、沈殿の適用または含浸によって製造され、活性金属Cuと、添加元素ZnおよびZrのうちの少なくとも1種と、塩基性担体材料とを含み、特に、30〜70重量%のCaOおよび30〜70重量%のZnOからなる上記混合酸化物を、触媒前駆体の全質量を基準として40〜95重量%で含む触媒前駆体が好ましい。特に好ましいのは、いずれの場合も触媒前駆体の全質量を基準として、1〜20重量%のCu、20〜60重量%のZn、0.1〜10重量%のZrおよび10〜60重量%のCaの元素組成を有する触媒前駆体である。
0097
特に好ましい更なる触媒前駆体は、沈殿の適用または含浸によって製造され、活性材料中に活性金属Cuと少なくとも1種の塩基性元素とを含む;特に好ましい触媒前駆体は、いずれの場合も触媒前駆体の全質量を基準として、50〜90重量%の担体材料、例えばアルミナまたはシリカ、ならびに2.5〜70重量%のCuおよび10〜70重量%のCaを含む。
0098
特に好ましい更なる触媒前駆体は、沈殿の適用または含浸によって製造され、活性材料中に活性金属Cuと添加元素ZnおよびZrのうちの少なくとも1種と少なくとも1種の塩基性元素とを含み、特に好ましい触媒前駆体は、いずれの場合も触媒前駆体の全質量を基準として、2.5〜60重量%のCu、2.5〜60重量%のZnおよび/または0.1〜10重量%のZrならびに2.5〜60重量%のCaを含む。
0099
特に好ましい更なる触媒前駆体は、沈殿の適用または含浸によって製造され、活性材料中に活性金属Cuと添加元素ZnおよびZrのうちの少なくとも1種と塩基性担体材料と少なくとも1種の塩基性元素とを含み、特に好ましい触媒前駆体は、いずれの場合も触媒前駆体の全質量を基準として、2.5〜60重量%のCu、2.5〜60重量%のZnおよび/または0.1〜10重量%のZrならびに2.5〜60重量%のCaを含む。
0100
驚くべきことに、活性金属としてCu、および/または触媒添加元素としてZrおよび/またはZnを有する触媒前駆体の場合、これは酸性度の低下に関連した利点を大いに有することが見出された。
0101
後述するように、実施形態(e)において、後述するように、すべての好ましい組成物が600℃以上の温度で焼成されることが好ましい。
0102
触媒前駆体の製造:
触媒前駆体は、公知の方法、例えば沈殿反応(例えば共沈または沈殿の適用)または浸漬によって製造することができる。
0103
沈殿反応:
共沈:
触媒前駆体は、それらすべての成分の同時沈殿(共沈)によって製造することができる。このために、一般に、対応する活性金属の1種以上の可溶性化合物および場合により液体中の触媒添加元素の1種以上の可溶性化合物を、沈殿が完了するまで加熱および撹拌しながら沈殿剤と混合する。
0104
使用される液体は、一般に水である。
0107
使用される塩基性元素の可溶性化合物は、一般に、塩基性元素の水溶性化合物、例えば水溶性硝酸塩、硫酸塩、カルボン酸塩、特に酢酸塩または硝酸塩である。
0108
沈殿の適用:
触媒前駆体は、沈殿の適用によっても製造することができる。
0109
沈殿の適用は、1種以上の担体材料を液体中に懸濁し、次いで活性金属の可溶性化合物、例えば活性金属の可溶性金属塩、および任意に触媒添加元素の可溶性化合物を添加し、次いで、沈殿剤の添加により懸濁担体へ沈殿を適用することによってこれらを沈殿させる製造方法を意味すると理解される(例えば、欧州特許出願公開第1106600号明細書(EP-A2-1 106 600)の第4頁目、およびA. B. Stiles, Catalyst Manufacture, Marcel Dekker, Inc., 1983, page 15に記載されている)。
0110
使用される活性金属の可溶性化合物、触媒添加元素および塩基性元素は、一般に活性金属の水溶性化合物、触媒添加元素および塩基性元素、例えば水溶性硝酸塩、塩化物、硫酸塩、カルボン酸塩、特に酢酸塩または硝酸塩である。
0112
粒子のサイズは、一般に50〜2000μm、好ましくは100〜1000μm、特に好ましくは300〜700μmの範囲である。
0113
担体材料は、(後述するように)既に成形体として存在していてもよい。担体材料が成形体として存在する場合、担体材料は、好ましくは、後述される幾何学的形状のうちの1つを有する。
0114
担体材料を懸濁している、使用される液体は、典型的には水である。
0117
使用される沈殿剤は、アンモニウム塩、例えばハロゲン化アンモニウム、炭酸アンモニウム、水酸化アンモニウムまたはカルボン酸アンモニウムであってもよい。
0118
沈殿反応は、例えば、20〜100℃、特に30〜90℃、特に50〜70℃の温度で実施することができる。
0119
沈殿反応で得られた沈殿物は、一般に化学的に不均一であり、かつ一般に、使用される金属または半金属の酸化物、酸化物水和物、水酸化物、炭酸塩および/または炭酸水素塩の混合物を含む。沈殿物の濾過性に関しては、それらを熟成させる−すなわち、それらを沈殿後にさらに一定時間、場合により高温でまたは空気が通過する状態で放置させることが有利であると判明することがある。
0120
浸漬:
触媒前駆体は、担体材料に活性金属の可溶性化合物、触媒添加元素および塩基性元素を含浸させることによっても製造することができる(浸漬または含浸)。
0121
浸漬に使用される担体材料は、例えば、粉末または成形体、例えばストランド、タブレット、球状体またはリングの形態で使用することもできる。流動床反応器に適した担体材料は、好ましくは噴霧乾燥によって得られる。
0122
上述の担体材料は、慣用の方法により(A. B. Stiles, Catalyst Manufacture - Laboratory and Commercial Preparations, Marcel Dekker, New York, 1983)、例えば活性金属の塩または触媒添加元素を1つ以上の含浸段階で施与することにより含浸させることができる。
0123
活性金属、触媒添加元素および塩基性元素の塩として、一般に、対応する活性金属、触媒添加元素および塩基性元素の水溶性塩、例えば炭酸塩、硝酸塩、カルボン酸塩、特に硝酸塩、酢酸塩または塩化物が考慮に入れられ、それらは一般に焼成の条件下で、対応する酸化物または混合酸化物に少なくとも部分的に変換される。
0126
複数の活性金属および/または触媒添加元素および/または塩基性元素を担体材料に施与するためには、含浸をすべての塩と同時に、または連続して個々の塩の任意の順序で行うことができる。
0127
触媒前駆体の後処理:
これらの浸漬法に従って得られる含浸触媒前駆体または沈殿法によって得られる沈殿物は、通常、浸漬または沈殿が実施された液体からそれらを分離し、洗浄、乾燥、焼成および場合により調整して、成形プロセスにかけることによって処理される。
0128
分離および洗浄:
含浸された触媒前駆体または沈殿法に従って得られた沈殿物は、一般に、触媒前駆体の製造が行われた液体から分離および洗浄される。
0129
触媒前駆体を分離および洗浄する方法は、例えば、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry (DOI: 10.1002/14356007.o05_o02)の記事“Heterogenous Catalysis and Solid Catalysts, 2. Development and Types of Solid Catalysts”から知られている。
0131
バッチ製造では、分離は一般にフレームフィルタープレスにおいて行われる。この場合、洗浄液によるフィルター残渣の洗浄は、洗浄液を濾過方向に対して向流方向に通過させることによって行うことができる。
0133
触媒前駆体は遠心分離によっても分離することができる。この場合、一般に、洗浄は遠心分離に際して洗浄液を添加することによって行われる。
0134
乾燥:
分離された触媒前駆体は、一般に乾燥させられる。
0135
触媒前駆体を乾燥させる方法は、例えば、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry (DOI: 10.1002/14356007.o05_o02)の記事“Heterogenous Catalysis and Solid Catalysts, 2. Development and Types of Solid Catalysts”から知られている。
0136
この場合、乾燥は、好ましくは60〜200℃、特に80〜160℃、特に好ましくは100〜140℃の範囲の温度で行われ、乾燥時間は、好ましくは6時間以上、例えば6〜24時間の範囲である。しかしながら、乾燥すべき材料の含水量に応じて、より短い乾燥時間、例えば約1、2、3、4または5時間も可能である。
0138
触媒前駆体は、触媒前駆体の懸濁液を噴霧乾燥させることによっても乾燥させることができる。
0139
焼成:
本発明によれば、触媒前駆体は焼成される。
0140
一般に、触媒前駆体は乾燥後に焼成される。
0141
焼成中、活性金属または触媒添加元素の熱的に不安定な化合物、例えば炭酸塩、炭酸水素塩、硝酸塩、塩化物、カルボン酸塩、酸化物水和物または水酸化物は、対応する酸化物および/または混合酸化物に少なくとも部分的に変換される。
0142
焼成が行われる温度は、触媒の製造および組成に依存する。
0143
触媒前駆体の活性材料が塩基性元素を含む場合(実施形態a)およびc))、焼成は、一般に250〜1200℃、好ましくは300〜1100℃、特に500〜1000℃の範囲の温度で行われる。
0144
焼成後の触媒前駆体の活性材料も触媒担体も塩基性元素を含まない場合(これは、例えば実施形態d)において可能である)、焼成は、600℃以上、好ましくは750℃以上、特に好ましくは900℃以上の温度で行われる。この実施形態において、温度は、好ましくは600〜1200℃の範囲、特に好ましくは750〜1100℃の範囲、最も好ましくは900〜1000℃の範囲である。
0145
しかしながら、本発明の実施形態e)において、活性材料が塩基性元素を含む触媒前駆体の場合(実施形態a)またはc))、および塩基性元素を有する担体材料を含む触媒前駆体の場合(実施形態b))においても、焼成は、600℃以上、好ましくは750℃以上、特に好ましくは900℃以上の温度で行われる。これは、実施形態a)とd)、またはb)とd)、またはc)とd)との組合せに対応する。これらの実施形態においても、温度は、好ましくは600〜1200℃の範囲、特に好ましくは750〜1100℃の範囲、最も好ましくは900〜1000℃の範囲である。
0146
焼成は、任意の適切なガス雰囲気下で行うことができ、空気および/または空気混合物、例えば希薄空気が好ましい。しかしながら、焼成は、水素、窒素、ヘリウム、アルゴンおよび/または蒸気またはそれらの混合物の存在下で行うこともできる。焼成は、一般にマッフル炉、ロータリーキルンおよび/またはトンネルキルン中で行われ、焼成時間は、好ましくは1時間以上、特に好ましくは1〜24時間の範囲、最も好ましくは2〜12時間の範囲である。
0147
成形体:
触媒前駆体は、好ましくは粉末または細片の形態で使用される。その場合、粒子は、好ましくは50〜2000μm、特に好ましくは100〜1000μm、特に好ましくは300〜700μmの範囲のサイズを有する。
0148
しかしながら、本発明による方法においては、触媒または触媒前駆体も好ましくは成形体の形態で使用される。
0149
適している成形体としては、任意の幾何学的形状または形状を有する成形体である。好ましい形状は、タブレット、リング、円筒体、星形押出物、ワゴンホイールまたは球状体であり、特に好ましいのは、タブレット、リング、円筒体、球状体または星形押出物である。特に非常に好ましいのは円筒形状である。
0150
球状体の場合、球状体の直径は、好ましくは20mm以下、特に好ましくは10mm以下、さらに特に好ましくは5mm以下、特に好ましくは3mm以下である。
0151
好ましい実施形態において、球状体の場合、球状体の直径は、好ましくは0.1〜20mm、特に好ましくは0.5〜10mm、さらに特に好ましくは1〜5mm、特に好ましくは1.5〜3mmの範囲である。
0152
ストランドまたは円筒体の場合、長さ:直径の比は、好ましくは1:1〜20:1の範囲、特に好ましくは1:1〜14:1の範囲、さらに特に好ましくは1:1〜10:1の範囲、特に好ましくは1:2〜6:1の範囲である。
0153
ストランドまたは円筒体の直径は、好ましくは20mm以下、特に好ましくは15mm以下、さらに特に好ましくは10mm以下、特に好ましくは3mm以下である。
0154
好ましい実施形態において、ストランドまたは円筒体の直径は、有利には0.5〜20mmの範囲、特に好ましくは1〜15mmの範囲、最も好ましくは1.5〜10mmの範囲である。
0155
タブレットの場合、タブレットの高さhは、有利には20mm以下、特に好ましくは10mm以下、さらに特に好ましくは5mm以下、特に好ましくは3mm以下である。
0156
好ましい実施形態において、タブレットの高さhは、好ましくは0.1〜20mmの範囲、特に好ましくは0.5〜15mmの範囲、さらに特に好ましくは1〜10mmの範囲、特に好ましくは1.5〜3mmの範囲である。
0157
タブレットの直径Dに対するタブレットの高さh(または厚さ)の比は、好ましくは1:1〜1:5、特に好ましくは1:1〜1:2.5、さらに特に好ましくは1:1〜1:2、特に好ましくは1:1〜1:2である。
0159
成形:
含浸または沈殿の適用による触媒前駆体の製造において、成形体の上記の好ましい幾何学的形状を既に有する担体材料を使用することが好ましい。
0160
上記の好ましい成形体の幾何学的形状を有していない触媒前駆体は、成形工程に供することができる。
0163
成形のための標準的な方法は、例えば、Ullmann [Ullmann’s Encyclopedia Electronic Release 2000, chapter: “Catalysis and Catalysts”, pages 28-32] and by Ertl et al. [Ertl, Knoezinger, Weitkamp, Handbook of Heterogeneous Catalysis,VCH Weinheim, 1997, pages 98 ff.]に記載されている。
0165
成形操作により、上述の幾何学的形状を有する成形体を得ることができる。
0166
成形は、触媒前駆体の懸濁液を噴霧乾燥させることによっても行うことができる。
0167
調整または成形の後に、一般に熱処理が続く。熱処理の温度は、典型的には焼成の温度に対応する。
0169
触媒前駆体の還元は、後述するように、MEGとアンモニア反応物とを接触させる前に行うことができ、またはMEGとアンモニアとの反応も行われる同じ反応器中でその場で行うことができる。触媒前駆体の還元と、触媒と反応物との接触の前との間で、触媒をさらに不動態化することができる。後述するように、触媒が不動態化されている場合、触媒は反応物との接触前または接触中に再び活性化される。
0172
水素は、一般に工業グレードの純度で使用される。水素は、水素含有ガスの形態で、すなわち、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴンまたは二酸化炭素などの他の不活性ガスとの混合物の形態でも使用することができる。好ましい実施形態において、水素が窒素と一緒に使用され、この場合、水素の体積割合は、好ましくは1〜50体積%、特に好ましくは2.5〜30体積%、特に好ましくは5〜25体積%の範囲である。水素流はまた、場合により新たな水素と混合し、かつ場合により凝縮による水の除去後に、循環ガスとして還元に返送することができる。
0175
触媒前駆体は、一般に50〜600℃、特に100〜500℃、特に好ましくは150〜450℃の還元温度で還元される。
0177
還元時間は、好ましくは1〜20時間であり、特に好ましくは3〜15時間である。
0178
還元中、形成された反応水を除去するために、かつ/または、例えば反応器をより迅速に加熱することができるように、かつ/または還元中に熱をより良好に除去することができるように溶媒を供給してもよい。ここでの溶媒は、超臨界形態で供給することもできる。
0179
適切な溶媒は上記の溶媒を使用することができる。好ましい溶媒は、水;エーテル、例えばメチルtert−ブチルエーテル、エチルtert−ブチルエーテル、ジオキサンまたはテトラヒドロフランである。水またはテトラヒドロフランが特に好ましい。適切な溶媒として、同様に適切な混合物も考慮に入れられる。
0180
こうして得られた成形体は、還元後、不活性条件下で取り扱うことができる。成形体は、好ましくは、窒素などの不活性ガス下、または不活性液体、例えばアルコール、水または触媒が使用される各反応の生成物下で取り扱われ、貯蔵され得る。場合により、実際の反応の開始前に触媒から不活性液体を除去する必要がある。
0181
不活性物質下での触媒の貯蔵は、成形体の複雑でなく危険性のない取扱いおよび貯蔵を可能にする。
0182
還元後、成形体は、空気または空気と窒素との混合物などの酸素含有ガス流と接触させることもできる。
0183
これにより不動態化された成形体が得られる。不動態化された成形体は、一般に保護酸化物層を有する。この保護酸化物層は、触媒の取扱いおよび貯蔵を単純化し、その結果、例えば不動態化された成形体の反応器中への設置が単純化される。不動態化された成形体は、好ましくは、反応物と接触させる前に、不動態化された触媒を水素または水素含有ガスで処理することによって上記のように還元される。還元条件は、一般に触媒前駆体の還元に際して用いられる還元条件に対応する。活性化により、一般に保護不動態化層は取り除かれる。
0184
反応物:
本発明によれば、エチレングリコール(EG)とアンモニア(NH3)との本発明による変換は、気相中で還元または活性化されたアミノ化触媒の存在下で行われる。
0185
エチレングリコール:
エチレングリコールとして、好ましくは少なくとも98%の純度を有する工業用エチレングリコール、最も好ましくは少なくとも99%、最も好ましくは少なくとも99.5%の純度を有するエチレングリコールが使用される。
0186
この方法で使用されるエチレングリコールは、石油化学プロセスから得られるエチレンから製造することができる。例えば、一般に、エテンは第一段階でエチレンオキシドに酸化され、続いてこれを水と反応させてエチレングリコールが得られる。しかしながら、得られたエチレンオキシドを、いわゆるオメガプロセスで二酸化炭素と反応させてエチレンカーボネートを得ることもでき、次いでこれを水で加水分解してエチレングリコールを得ることができる。オメガ方法は、ジエチレングリコールおよびトリエチレングリコールなどの副生成物の形成がより少ないので、エチレングリコールに対するより高い選択率を特徴とする。
0187
しかしながら、エテンは再生可能な原料から製造することもできる。例えば、エテンはバイオエタノールからの脱水によって形成することができる。
0188
アンモニア:
本発明によれば、エチレングリコールをアンモニアと反応させる。
0189
使用されるアンモニアは、慣用の市販のアンモニア、例えば、98重量%を超えるアンモニア、好ましくは99重量%を超えるアンモニア、好ましくは99.5重量%を超える、特に99.8重量%を超えるアンモニアの含有量を有するアンモニアであり得る。
0190
水素:
本発明による方法は、好ましくは水素の存在下で行われる。
0191
水素は一般に、工業グレードの純度で使用される。水素は、水素含有ガスの形態で、すなわち窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴンまたは二酸化炭素などの他の不活性ガスを添加して使用することもできる。使用される水素含有ガスは、使用される触媒に対する触媒毒、例えばCOを含まない限り、例えば改質器オフガス、精油所ガスなどであり得る。しかしながら、純粋な水素、または実質的に純粋な水素、例えば、99重量%を超える水素、好ましくは99.9重量%を超える水素、特に好ましくは99.99重量%を超える水素、特に99.999重量%を超える水素の含有量を有する水素を方法において使用することが好ましい。
0192
気相中での反応:
本発明によれば、エチレングリコールを気相中でアンモニアおよびアミノ化触媒と反応させる。
0193
本発明の文脈において、「気相中での反応」とは、圧力および温度などの反応条件を、エチレングリコールおよびNH3が気相中に存在し、アミノ化触媒の周りを気体状で流れるように調節することを意味する。
0195
アミノ化触媒が固定床の形態で配置されている管状反応器中でエチレングリコールをNH3と反応させることが特に好ましい。更なる特定の実施形態において、エチレングリコールを流動床反応器中でアンモニアと反応させる。
0196
反応条件:
好ましくは、気相中でのMEGとNH3との反応は、0.05〜20MPa、特に好ましくは0.1〜10MPa、さらに特に好ましくは0.3〜5MPa、特に好ましくは0.5〜3MPaの範囲の圧力で行われる。特に好ましい実施形態において、圧力は、0.7〜1.5MPaの範囲内である。
0197
温度は、好ましくは120〜600℃の範囲、特に好ましくは180〜500℃の範囲、さらに特に好ましくは200〜350℃の範囲、特に好ましくは220〜270℃の範囲である。
0198
投入物:
反応物は、ガス状で反応器に供給し、ガス状でアミノ化触媒と接触させるのが好ましい。このために、反応物は、一般に反応器中への導入前に熱交換器を通して案内され、蒸発される。場合により蒸発はフラッシュ蒸発によっても行うことができる。
0199
アミノ化触媒と接触するガス流中のMEGの割合は、一般に0.1〜10体積%、好ましくは0.5〜7.5体積%、さらに特に好ましくは1〜6.5体積%、特に好ましくは2.5〜5体積%の範囲である。
0200
アミノ化触媒と接触させるガス流中のNH3の割合は、一般に5〜90体積%、好ましくは10〜80体積%、さらに特に好ましくは25〜60体積%、特に好ましくは30〜45体積%の範囲である。
0201
NH3対MEGのモル比は、一般に1:1〜50:1、好ましくは5:1〜30:1、特に好ましくは10:1〜20:1、特に好ましくは13:1〜16:1の範囲である。
0202
アミノ化触媒と接触させるガス流は任意に水素を含み得る。アミノ化触媒と接触させるガス流中のH2の割合は、一般に0.1〜70体積%、好ましくは0.5〜50体積%、特に好ましくは1〜40体積%、さらに特に好ましくは2.5〜35体積%、特に好ましくは5〜25体積%の範囲である。
0203
アミノ化触媒と接触させるガス流が不活性ガスを含むことがさらに好ましい。好ましい不活性ガスは、He、Ne、Ar、窒素などの希ガスおよびそれらの混合物である。特に非常に好ましい不活性ガスは、Arおよび窒素、またはそれらの混合物である。アミノ化触媒と接触させるガス流中の不活性ガスの割合は、一般に5〜90体積%、好ましくは10〜80体積%、さらに特に好ましくは25〜60体積%、特に好ましくは30〜50体積%の範囲である。
0204
好ましい変法において、アミノ化触媒と接触させるガス流は、3体積%未満、特に好ましくは0.1体積%未満、さらに特に好ましくは0.005体積%未満、特に好ましくは0.00001体積%未満の水を含む。
0205
アミノ化触媒と接触させるガス毎時空間速度(GHSV)は、一般に100〜30,000h−1、好ましくは500〜20,000h−1、特に好ましくは1,000〜15,000h−1、特に好ましくは3,000〜8,000h−1である。
0208
アミノ化反応器からの排出物はまた、MEGに基づく対応するエタノールアミンおよび/またはエチレンアミンを含む。
0209
アミノ化反応器からの排出物は、好ましくはMEAおよびEDAを含む。
0210
さらに好ましくは、反応排出物は、一般式
R−CH2−CH2−NH2
[式中、Rは、式−(NH−CH2−CH2)x−NH2の基であり、xは1〜4、好ましくは1〜3、最も好ましくは1〜2の範囲の整数である]の、より高級の線状エチレンアミンを含む。好ましくは、反応排出物は、DETA、TETAおよびPETA、特に好ましくはDETAおよびTETA、特に好ましくはDETAを含む。
0211
アミン化反応器からの排出物はまた、式
R−CH2−CH2−OH
[式中、Rは、式−(NH−CH2−CH2)x−NH2の基であり、xは1〜4、好ましくは1〜3、最も好ましくは1〜2の範囲の整数である]の、より高級の線状エタノールアミンを含み得る。
0212
より高級の線状エタノールアミンの一例はAEEAである。
0213
反応排出物は、式
[式中、R1は、式−(CH2−CH2−NH)X−CH2−CH2−OH(ここで、xは0〜4、好ましくは0〜3、特に好ましくは1〜2の範囲の整数である)の基であり、R2は、独立して、または同時に、Hまたは式−(CH2−CH2−NH)X−CH2−CH2−OH(ここで、xは0〜4、好ましくは0〜3、特に好ましくは1〜2の範囲の整数である)の基もしくは式−(CH2−CH2−NH)X−CH2−CH2−NH2(ここで、xは0〜4、好ましくは0〜3、特に好ましくは1〜2の範囲の整数である)の基である]の環状エタノールアミンも含み得る。
0214
反応排出物は、一般式
[式中、R1およびR2は、独立して、または同時に、Hまたは式−(CH2−CH2−NH)X−CH2−CH2−NH2(ここで、xは0〜4、好ましくは0〜4、特に好ましくは1〜2の範囲の整数である)の基であってよい]の環状エチレンアミンも含み得る。
0215
反応排出物中に含まれる環状エチレンアミンの例は、ピペラジンおよびAEPIPである。
0216
排出物は、好ましくは1〜60重量%のMEA、1〜90重量%のEDA、0.1〜30重量%のPIPおよびAEPIPなどのより高級の環状エチレンアミン、0.1〜30重量%のDETA、TETAおよびTEPAなどのより高級の線状エチレンアミンを含む。
0217
排出物は、特に好ましくは、10〜50重量%のMEA、25〜85重量%のEDA、0.25〜10重量%のPIPおよびAEPIPなどの環状エチレンアミン、1〜30重量%のDETA、TETAおよびTEPAなどのより高級の線状エチレンアミンを含む。
0218
排出物は、最も好ましくは、15〜45重量%のMEA、30〜70重量%のEDA、0.5〜5重量%のPIPおよびAEPIPなどの環状エチレンアミン、5〜25重量%のDETA、TETAおよびTEPAなどのより高級の線状エチレンアミンを含む。
0219
本発明による方法は、1.5以上、好ましくは4以上、特に好ましくは8以上の選択率指数SQを達成することができる。これは、PIPおよびAEEAなどの望ましくない環状エチレンアミンおよび望ましくないより高級のエタノールアミンに対する、MEAおよびEDAなどの所望の線状エチレンアミンおよびエタノールアミンの生成物比を、本発明による方法によって高めることができることを意味する。
0220
アミノ化反応器からの排出物は、場合によりアミノ化触媒を含み、これは一般に適切な装置によって、例えば、遠心分離器(またはサイクロンもしくはサイクロン分離器)として一般に構成される固体分離によってガス状成分から分離される。
0221
異なる成分が互いに分離されるように、ガス状排出物は一般に後処理される。
0222
このために、ガス状排出物は部分的に凝縮され、その結果、水素および場合によりアンモニアが気相中に残留し、排出物中に存在する他の成分は液相に変換される。ガス状成分は、一般に、気液分離器中で液体成分から分離される。ガス状成分は、個別に(更なる後処理工程の後に)または一緒にアミノ化反応器中に返送することができる。
0223
水素および場合によりアンモニアが分離された後、アミノ化反応器からの排出物は、場合によりアンモニア、未変換のエチレングリコール、水およびアミノ化生成物を含む。
0224
好ましくは、アミノ化反応器からの排出物は2つの分離順序で分離され、各分離順序は多段蒸留を含む。そのような後処理は、例えば欧州特許第198699号明細書(EP-B1-198699)に記載されている。したがって、第一の分離順序では水とアンモニアが最初に分離され、第二の分離順序では未変換のMEG、ならびにMEA、EDA、PIP、DETA、AEEAおよびより高級のエチレンアミンへの分離が行われる。この場合、MEGとDETAの共沸混合物に対する低沸点成分と高沸点成分とが最初に分離され、続いてMEGとDETA中で濃縮された混合物が選択的溶媒としてのトリエチレングリコール(TEG)との抽出蒸留によってMEGおよびDETAを含む流に分離される。
0225
利点:
驚くべきことに、本発明による方法におけるアミノ化反応器からの排出物は、PIPおよびAEEAに対するMEAおよびEDAの比が高いことが確かめられた。さらに、凝縮しない分解生成物およびより高級の縮合生成物などの望ましくない副生成物の量を減らすことが可能である。両方の副生成物は、炭素バランスの低下につながる可能性がある。前者の場合、低分子量の揮発性分解生成物が生じる可能性がある。対照的に、より高級の縮合生成物は触媒上に堆積する可能性があり、それらはさらに炭化される可能性もある。これは触媒の活性を低下させる可能性がある。MEAおよびEDAなどの線状アミノ化生成物に対する需要は環状化合物PIPまたはより高級の線状エタノールアミンAEEAに対する需要よりも高いことから、高い選択率指数SQを達成することが経済的に有利である。
0226
本発明を以下の実施例によって説明する:
0227
触媒前駆体の製造:
比較例1:低温での触媒前駆体の焼成
467gの硝酸銅水溶液(CuO含有量:19.3重量%)および581.7gの硝酸亜鉛水溶液(ZnO含有量:17.2重量%)および49.3gの酢酸ジルコニウム水溶液(ZrO2含有量:20.3重量%)を混合し、pH5および温度80℃でNaOHにより沈殿させた。沈殿後、pHを8に上げて、混合物をそのpHで15分間放置した。続いて、沈殿した沈殿物を濾別し、洗浄した。フィルター残渣を120℃で16時間乾燥させた。乾燥後、乾燥させた粉末状の残渣を500℃まで加熱し(加熱速度10K/分)、500℃で120分間焼成した。
0228
こうして得られた触媒前駆体の金属含有量は、33重量%のCu、38重量%のZnおよび3.4重量%のZrであった。
0229
実施例1:高温での触媒前駆体の焼成
製造は比較例1と同様であったが、ただし、乾燥させた粉末状の残渣を900℃まで加熱し(加熱速度10K/分)、900℃で120分間焼成した。
0230
こうして得られた触媒前駆体の金属含有量は、36重量%のCu、41重量%のZnおよび3.8重量%のZrであった。
0231
比較例2:低温での触媒前駆体の焼成
103.8gの硝酸銅溶液(CuO含有量:19.3重量%)および336.9gの硝酸カルシウムを300mLの水と混合した。その後、100gのγ−アルミナ粉末を水と混合した。予め製造した金属塩溶液を水性アルミナ懸濁液に添加した。NaOHを添加することによってpH5を確立し、これにより沈殿が生じた。沈殿後、pHを8に上げて、混合物をそのpHで15分間放置した。続いて、沈殿した沈殿物を濾別し、洗浄した。フィルター残渣を120℃で16時間乾燥させた。乾燥後、乾燥させた残渣を500℃まで加熱し(加熱速度10K/分)、500℃で120分間焼成した。
0232
こうして得られた触媒前駆体の金属含有量は、16.8重量%のAl、21.4重量%のCaおよび6.4重量%のCuであった。
0233
実施例2:高温での触媒前駆体の焼成
製造は比較例2と同様であったが、ただし、乾燥させた残渣を900℃まで加熱し(加熱速度10K/分)、900℃で120分間焼成した。
0234
こうして得られた触媒前駆体の金属含有量は、19.9重量%のAl、25.5重量%のCaおよび7.6重量%のCuであった。
0235
比較例3:低温での触媒前駆体の焼成
以下の組成:硝酸銅からの45重量%のCuO、硝酸亜鉛からの50重量%のZnO、酢酸ジルコニウムからの5重量%のZrO2を有する152mLの金属塩溶液を200gのSiliperlAF125(細片:250〜500μm)に含浸させた。使用した金属塩溶液の量は、触媒担体の最大吸水量の95%に相当する。含浸後、触媒前駆体を120℃で16時間乾燥させた。その後、乾燥させた触媒前駆体を500℃に加熱し(加熱速度10K/分)、500℃で120分間焼成した。
0236
こうして得られた触媒前駆体の金属含有量は、10.9重量%のCu、12.6重量%のZnおよび1.1重量%のZrであった。
0237
実施例3:高温での触媒前駆体の焼成
製造は比較例3と同様であったが、ただし、乾燥させた残渣を900℃まで加熱し(加熱速度10K/分)、900℃で120分間焼成した。
0238
こうして得られた触媒前駆体の金属含有量は、10.9重量%のCu、12.8重量%のZnおよび1.1重量%のZrであった。
0239
MEGとNH3との反応:
実施例4:
焼成された触媒前駆体をタブレット化し、粉末中の粒子のその粒度分布が0.315〜0.5mmになるように細片に変換し、篩い分けした。粉末を管状反応器に導入し、2つの石英フリットで固定した。固定触媒床の直径は4mm、長さは80mmであった。管状反応器を、表1に特定される反応温度まで加熱した。
0240
アンモニアを第一の蒸発器において、窒素と水素とのガス流中で蒸発させた(水素含有量については表1参照)。蒸発温度は、ガス流中のアンモニアの量が表1に特定される量に対応するように選択した。第二の蒸発器中で、MEGをガス流中で蒸発させた。蒸発温度は、ガス流中のMEGの量が表1に特定される量に対応するように選択した。
0241
ガス流を、表1に特定される温度まで加熱し、10バールで反応器を通過させた。
0242
ガス毎時空間速度(GHSV)は5,000h−1であった。
0243
ガス流の組成はガスクロマトグラフィーにより測定し、表1に報告している。
0244
0245
同一の組成を有する触媒前駆体の場合、高温での焼成によってのみ、選択率指数SQによって測定されるPIPに対する所望の線状生成物(MEAおよびEDA)の比を明らかに高めることが可能であった。炭素バランス(CB)を改善することも可能であった。炭素バランスの改善は、GCによって検出され得ない低分子量分解生成物の形成だけでなく、同様にGCによって検出されない高分子量縮合物の形成も軽減されたことを示すものである。特に高分子量縮合物は、触媒の活性を低下させる可能性がある触媒上の堆積物をもたらす可能性がある。
0246
触媒前駆体の製造:
比較例5:塩基性成分を含まない触媒前駆体
467gの硝酸銅水溶液(CuO含有量:19.3重量%)および581.7gの硝酸亜鉛水溶液(ZnO含有量:17.2重量%)および49.3gの酢酸ジルコニウム水溶液(ZrO2含有量:20.3重量%)を混合し、pH5および温度80℃でNaOHにより沈殿させた。沈殿後、pHを8に上げて、混合物をそのpHで15分間放置した。続いて、沈殿した沈殿物を濾別し、洗浄した。フィルター残渣を120℃で16時間乾燥させた。乾燥後、乾燥させた粉末状の残渣を500℃まで加熱し(加熱速度10K/分)、500℃で120分間焼成した。
0247
こうして得られた触媒前駆体の金属含有量は、33重量%のCu、38重量%のZnおよび3.4重量%のZrであった。
0248
実施例5A:共沈による塩基性成分を含む触媒前駆体
比較例4と同様の手順であるが、ただし、硝酸銅および酢酸ジルコニウムの一部を硝酸カルシウム*4H2Oで置き換えることで、使用される出発溶液が102.4gの硝酸銅溶液(CuO含有量:19.3重量%)、558.3gの硝酸亜鉛溶液(ZnO含有量:17.2重量%)、400mLの水中の336.9gの硝酸カルシウム*4H2Oの混合物となるようにした。
0249
こうして得られた触媒前駆体の金属含有量は、6.1重量%のCu、30重量%のZnおよび21.2重量%のCaであった。
0250
実施例5B:塩基性担体材料の含浸による触媒前駆体
含浸溶液は、硝酸銅水溶液(CuO含有量:19.3重量%)と酢酸ジルコニウム水溶液(ZrO2含有量:20.3重量%)とを、得られた溶液中のCu:Zrの比率が90:10となるように混合することによって製造した。
0251
100gの担体材料(組成:56重量%のZnO;44重量%のCaO)(粒径:315〜500μm)に33.5mLの含浸溶液を浸漬させた。浸漬させた触媒前駆体を120℃で16時間乾燥させた。乾燥後、乾燥させた触媒前駆体を500℃まで加熱し(加熱速度10K/分)、500℃で120分間焼成した。
0252
実施例5C:塩基性担体材料の含浸による触媒前駆体
含浸溶液は、溶液の理論CuO酸化物含有量が19.3重量%となるように、硝酸銅と水を混合することによって製造した。
0253
100gの担体材料(組成:56重量%のZnO;44重量%のCaO)(粒径:315〜500μm)に33.5mLの含浸溶液を浸漬させた。触媒前駆体の更なる処理は実施例5Bと同様にして実施した。MEGとNH3との反応。
0254
MEGとNH3との反応:
実施例6:
焼成された触媒前駆体は、0.315〜0.5mmの粉末中の粒子のサイズ分布が得られるように調整した。粉末を管状反応器に導入し、2つの石英フリットで固定した。固定触媒床の直径は4mm、長さは80mmであった。管状反応器を、表2に特定される反応温度まで加熱した。
0255
アンモニアを第一の蒸発器中で窒素と水素のガス流中で蒸発させた(水素含有量については表2参照)。蒸発温度は、ガス流中のアンモニアの量が表1に特定される量に対応するように選択した。第二の蒸発器中で、MEGをガス流中で蒸発させた。蒸発温度は、ガス流中のMEGの量が表2に特定される量に対応するように選択した。
0256
ガス流を、表2に特定される温度まで加熱し、10バールで反応器を通過させた。
0257
ガス毎時空間速度(GHSV)は5,000h−1であった。
0258
ガス流の組成はガスクロマトグラフィーにより測定し、表2に報告している。
0259
0260
表から明らかなように、本発明により塩基性担体材料を含浸させることによって得られるか、または共沈によって得られ、かつ活性材料中に塩基性成分を含む触媒前駆体は、MEGとNH3との反応における選択率指数SQの明らかな増加をもたらす。選択率指数SQの増加は、所望の線状アミノ化生成物MEAとEDAとの比が、望ましくないアミノ化生成物PIPに対して有意に上昇したことを意味する。さらに、炭素バランスは著しく改善される。炭素バランスの改善は、GCによって検出され得ない低分子量分解生成物の形成だけでなく、同様にGCによって検出されない高分子量縮合物の形成も軽減されたことを示すものである。特に高分子量縮合物は、触媒の活性を低下させる可能性がある触媒上の堆積物をもたらす可能性がある。
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