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技術 T細胞レセプターの同族抗原との相互作用の発見及び特徴決定のための遺伝子操作された二部構成細胞デバイス

出願人 ジェノヴィー エービー
発明者 ジャーヴィス,リーガンマイケルヒル,ライアンエドワードペース,ルークベンジャミン
出願日 2017年11月7日 (3年4ヶ月経過) 出願番号 2019-546065
公開日 2020年5月14日 (10ヶ月経過) 公開番号 2020-513249
状態 未査定
技術分野 微生物、その培養処理 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード シグナル状態 組合せシステム 事象カウント 一次システム 組合せ動作 一次出力 列制約 一次デバイス
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重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、第1の部分が遺伝子操作された抗原提示細胞ステム(eAPCS)であり、第2の部分が遺伝子操作されたTCR提示細胞システム(eTPCS)である二部構成デバイスに関する。

概要

背景

発明の序論
Tリンパ球(T細胞)による免疫監視機構は、全ての有脊椎動物適応免疫における中心的な機能である。T細胞による免疫監視機構は、T細胞サブタイプにわたる豊富な機能的多様性を介して達成され、該T細胞サブタイプは、病原体感染及び腫瘍性細胞の排除に貢献し、侵入病原体共生微生物食物分子成分のような共生非自己因子に対する適応免疫応答組織化し、更には自己免疫寛容を維持する。様々な外来及び自己因子に応答するために、T細胞は、これらの外来及び自己因子の分子構成成分を特異的に検出できなければならない。よって、T細胞は、個体が遭遇する自己及び非自己分子の大多数を、病原性生物及び病的な自己に対する有効な応答を開始するために十分な特異性を持って、健常な自己に対するそのような応答の開始を回避しながら検出できなければならない。この任務の非常に複雑な性質は、外来及び自己の分子の両方の実際的に無限の多様性を考慮した場合に明らかになり、病原性生物は、T細胞による検出を逃れるための進化圧力の下にある。

T細胞レセプター(TCR)
T細胞は、主として、T細胞レセプター(TCR)の発現により規定される。TCRは、T細胞適応免疫の標的と相互作用しそれを感知する役割を担うT細胞の成分である。一般的に言えば、TCRは、細胞表面で提示されるヘテロ二量体タンパク質複合体で構成される。2つのTCR鎖の各々は、共に免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)ドメインに属し、逆並行βシートを形成する可変(V)領域及び定常(C)領域である2つの細胞外ドメインで構成される。これらは、短い細胞質尾部に隣接するI型膜貫通ドメインにより細胞膜係留されている。多様な分子構成成分に適応してそれを検出するT細胞の素質は、T細胞発生中に生じるTCR鎖におけるバリエーションから生じる。このバリエーションは、B細胞における抗体発生に類似の様式で体細胞組換えにより生じる。

TCR鎖多様性
T細胞プールは、幾つかの機能及び表現型不均質下位集団からなる。しかし、T細胞は、その表面で発現される体性再編成TCRアイソフォームに従ってαβ又はγδに大きく分類できる。2つのTCR鎖対アイソフォーム、すなわちTCRα(TRA)とTCRβ(TRB)との対、及びTCRガンマ(TRG)とTCRデルタ(TRD)との対が存在する。TRA:TRB対を発現するT細胞はαβT細胞と呼ばれ、TRG:TRD対を発現するT細胞は、しばしばγδT細胞と呼ばれる。
αβ及びγδ形のTCRは、共に多様なリガンド、すなわち「抗原」の認識を担い、各T細胞は、T細胞成熟中にαβ又はγδレセプター鎖を新たに生じる。これらの新たなTCR鎖対は、体細胞V(D)J組換えと呼ばれるプロセスにおいてレセプター配列多様性を生じることにより認識の多様性を達成し、体細胞V(D)J組換えの後に各T細胞は、別個に再編成された単一TCRのコピーを発現する。TRA及びTRG遺伝子座では、幾つかの分離した可変(V)及び機能的(J)遺伝子セグメントが組換えのために利用可能であり、定常(C)遺伝子セグメントに並置されるので、VJ組換えと呼ばれる。TRB及びTRD遺伝子座での組換えは、更に、多様性(D)遺伝子セグメントを含むので、VDJ組換えと呼ばれる。
組換えられた各TCRは、αβT細胞の場合にα及びβ鎖、又はγδT細胞の場合にγ及びδ鎖により形成されるリガンド結合部位の構造により決定される、ユニークなリガンド特異性の能力を有する。TCRの構造多様性は、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる、各鎖の3つの短いヘアピンループに主に限定される。3つのCDRは、レセプター鎖対の各鎖からもたらされ、これらの6つのCDRループはまとめて、TCR細胞外ドメインの膜から遠い末端に存在して、抗原結合部位を形成する。
各TCR鎖における配列多様性は、2つの形態で達成される。第一に、組換えのための遺伝子セグメントの無作為選択は、基本的な配列多様性をもたらす。例えば、TRB組換えは、47のユニークV、2のユニークD及び13のユニークJ生殖系列遺伝子セグメントの間で起こる。一般的に、V遺伝子セグメントは、CDR1及びCDR2ループの両方に貢献し、よって生殖系列にコードされている。配列多様性を生じるための第2の形態は、組み換えられるV、(D)及びJ遺伝子セグメントの間の接合部にて鋳型ヌクレオチドの無作為欠失及び非鋳型ヌクレオチドの付加により生じる超可変CDR3ループ内で起こる。

TCR:CD3複合体
成熟αβ及びγδTCR鎖対は、ε、γ、δ及びζと呼ばれる幾つかのアクセサリーCD3サブユニット一緒に複合体として細胞表面にて提示される。これらのサブユニットは、αβ又はγδTCRと一緒に3つの二量体(εγ、εδ、ζζ)として会合する。このTCR:CD3複合体は、αβ又はγδTCRと同族抗原との結合の際に細胞シグナル伝達応答を開始するためのユニットを形成する。TCR:CD3複合体として結合したCD3アクセサリーは、免疫レセプター活性チロシンモチーフ(ITAM)と呼ばれるシグナル伝達モチーフに貢献する。
CD3ε、CD3γ及びCD3δは各々、単一のITAMに貢献するが、CD3ζホモ二量体は3つのITAMを含む。TCRと共に組み立てられる3つのCD3二量体(εγ、εδ、ζζ)は、よって、10のITAMに貢献する。同族抗原とのTCRライゲーションの際に、直列型チロシン残基リン酸化は、重要な70kDaのζ鎖関連タンパク質(ζ-chain-associated protein of 70 kDa;ZAP-70)のようなSrcホモロジー2(Scr homology 2;SH2)ドメインを含むタンパク質のための対形成したドッキング部位を創出する。このようなタンパク質の動員は、T細胞活性化及び分化を最終的に担うTCR:CD3シグナル伝達複合体の形成を開始する。

αβT細胞
αβT細胞は、一般的に、ヒトにおいて、対応するγδT細胞よりも豊富に存在する。αβT細胞の多くは、細胞表面でHLA複合体により提示されるペプチド抗原と相互作用する。ペプチド-HLA(pHLA)認識T細胞は、最初に記述され、最もよく特徴決定されている。αβT細胞のより稀な形も記述されている。粘膜関連インバリアントT(MAIT)細胞は、比較的限定されたα及びβ鎖多様性を有するとみられ、タンパク質断片よりもむしろ細菌代謝産物を認識する。インバリアントナチュラルキラーT細胞(invariantnatural killer T-cell;iNK T細胞)及び生殖系列によりコードされるミコリル反応性T細胞(germline-encoded mycolyl-reactive T-cell;GEMT細胞)は、非HLA分子により交差提示される糖脂質の認識に限定される。iNK T細胞は、大部分が、CD1dにより提示される糖脂質と相互作用すると考えられるが、GEM T細胞細胞は、CD1bにより提示される糖脂質と相互作用する。更に別の形のT細胞は、CD1a及びCD1cに関連付けられた糖脂質と相互作用すると考えられるが、このような細胞は、まだ詳細に特徴決定されていない。

通常型αβT細胞
ほとんどのαβT細胞の重要な特徴は、HLA分子に関連したペプチド抗原の認識である。これらは、しばしば、「通常型」αβT細胞と呼ばれる。個体内で自己HLA分子は、自己及び外来タンパク質からのペプチドをT細胞に提示し、悪性病変及び外来病原体に対する適応免疫、共生生物、食物及び自己に向けての適応寛容のための必須の基礎を提供する。HLAタンパク質をコードするHLA遺伝子座は、ヒトゲノムのうちで最も遺伝子密度が高く、多型性の領域であり、ヒトにおいて12,000を超えるアレレが記載されている。HLA遺伝子座における多型の程度が高いことにより、個体間のペプチド抗原提示の多様性が確実になり、このことは、集団ベルでの免疫のために重要である。

HLAクラスI及びII
2つの形の古典的HLA複合体、すなわちHLAクラスI(HLAI)及びHLAクラスII(HLAII)が存在する。3つの古典的HLAI遺伝子、すなわちHLA-A、HLA-B及びHLA-Cが存在する。これらの遺伝子は、インバリアントβ2ミクログロブリン(β2M)鎖と会合する膜貫通型α鎖をコードする。HLAIα鎖は、免疫グロブリンフォールド型の3つのドメイン、すなわちα1、α2及びα3で構成される。α3ドメインは、膜の近くにあり、大部分がインバリアントであるが、α1及びα2ドメインは一緒になって、多型の膜から遠くにある抗原結合窩を形成する。6つの古典的HLAII遺伝子、すなわちHLA-DPA1、HLA-DPB1、HLA-DQA1、HLA-DQB1、HLA-DRA及びHLA-DRB1が存在する。これらの遺伝子は、α鎖及びβ鎖を含む、対形成したDP、DQ及びDRヘテロ二量体HLA複合体をコードする。各鎖は、免疫グロブリンフォールド型の2つの主要な構造ドメインを有し、ここで、α2及びβ2ドメインは、HLAIα3ドメインのものに類似の、膜に近い大部分がインバリアントのモジュールを含む。HLAIIα2及びβ2ドメインは一緒になって、膜から遠くにある抗原結合窩を形成し、多型性が高い領域である。
HLAI及びHLAIIの抗原結合窩は、8つの逆平行βシートのプラットフォーム上に2つの逆平行αヘリックスを含む。このにおいて、ペプチド抗原が結合し、伸ばされた立体構造で提示される。HLAI及びHLAIIにおけるペプチド接触残基は、ほとんどの配列多型の場所であり、これは、異なるHLAアレレにより提示される多様なペプチドレパートリーの分子的基礎を構成する。ペプチドは、抗原結合窩と広範囲で接触し、その結果、各HLAアレレは、提示されたペプチドに対する別個の配列制約及び優先性課す。所定のペプチドは、よって、限定された数のHLAとだけ結合し、相互的に、各アレレは、所定のタンパク質からのペプチドコレクションの特定の画分だけを受け入れる。各個体に存在するHLAI及びHLAIIアレレのセットは、HLAハプロタイプと呼ばれる。HLAI及びHLAII遺伝子の多型並びに遺伝性のアレレの相互優性発現は、ヒト集団全体にわたるHLAハプロタイプの非常に大きい多様性を駆動し、これは、αβTCRの莫大な配列多様性と組み合わせた場合に、これらのHLA-抗原-TCR相互作用の分析標準化のために大きな障害となる。

HLAI及びHLAIIのαβTCR結合
αβTCRは、HLA及びペプチド抗原(変化した自己)の両方の残基により形成される混合pHLA結合界面の一部としてペプチドを認識する。HLAI複合体は、ほぼ全ての有核細胞の表面に提示され、内因性タンパク質由来するペプチドを提示すると一般的に考えられている。T細胞は、よって、相互作用細胞のpHLAI複合体をサンプリングすることにより、HLAI提示細胞の内因性細胞プロテオームを調べることができる。HLAIの結合は、相互作用T細胞によるTCR共レセプターCD8の発現を必要とするので、HLAIサンプリングは、CD8+αβT細胞に制限される。これとは対照的に、HLAII複合体の表面発現は、プロフェッショナルAPCに主に制限され、提示細胞にとって外因性のタンパク質に由来するペプチドを提示すると一般的に考えられている。相互作用T細胞は、よって、提示細胞が存在する細胞外微小環境のプロテオームを調べることができる。HLAIIの結合は、相互作用T細胞によるTCR共レセプターCD4の発現を必要とするので、HLAIIサンプリングは、CD4+αβT細胞に制限される。

αβTCRの胸腺選択
上記のαβTCRの役割は、pHLA複合体の検出であり、TCR提示T細胞は、確立された免疫におけるそのT細胞の役割と密接な関係がある応答を高めることができる。個体において生じたαβTCRレパートリーは、特定のハプロタイプと関連して、多様性が実際に起こる前に遭遇する可能性が高い全ての外来抗原巨大予測できない多様性の理由であるはずである。この結果は、自己pHLAとの強い相互作用を回避するように特異的に教授されただけで特定されていないpHLA複合体を認識する能力を有して非常に多様で多数のαβTCRがある程度無作為化された様式で生じる背景に対して達成される。これは、胸腺選択と呼ばれるプロセスにおいてT細胞成熟中に注意深く調整される。
胸腺におけるT細胞成熟の第1の工程中に、十分な親和性をもって自己pHLA複合体と相互作用できないαβTCRを有するT細胞は、生存シグナルを奪われ、排除される。ポジティブ選択と呼ばれるこの工程により、正しいHLAに関連付けられて提示される外来又は変化したペプチドを少なくとも認識できる可能性があるTCRレパートリーを生存T細胞が確実に有することになる。その後、自己pHLAと強く相互作用し、よって自己免疫を駆動する能力を有するαβTCRは、ネガティブ選択のプロセスにより能動的に除去される。ポジティブ及びネガティブ選択のこの組合せは、末梢にある自己pHLAに対する低い親和性を有するαβTCRを有するT細胞だけをもたらす。これは、自己に制限されるが自己反応性ではないαβT細胞レパートリーを確立する。HLAハプロタイプに対するT細胞発生のこの高度に個別化された性質は、αβTCR-抗原-HLA相互作用の標準化された分析における困難を強調する。更に、これは、移植片拒絶及び移植片対宿主病の両方の基礎、並びに一個体において同定されるαβTCRが第2の個体において完全に異なる影響を有し得るという一般的な原理の基礎を形成し、このことは、実際の臨床において現れるTCRベース及びT細胞ベース治療及び診断方策について明確な意味を有する。

非通常型αβT細胞
αβT細胞の非HLA拘束又は「非通常型」の形は、非常に異なる分子抗原標的を有する。これらの非通常型αβT細胞は、古典的HLA複合体を結合させないが、CD1ファミリー又はMR1のような保存されたHLA様タンパク質を結合させる。CD1ファミリーは、抗原交差提示に関与する4つの形(CD1a、b、c及びd)を含む。これらの細胞表面複合体は、HLAIによく似たα鎖を有し、これがβ2Mとヘテロ二量体を形成する。α鎖の膜から遠い表面で提示される小さい疎水性ポケットは、病原体由来脂質ベースの抗原のための結合部位を形成する。自然様NK T細胞(innate like NK T-cell;iNK T細胞)は、脂質/CD1ファミリー認識の最もよく理解された例であり、GEMT細胞は、別の顕著な例を表す。「I型」iNK T細胞は、CD1dに関連付けられた脂質α-GalCerと強く相互作用することが知られている。これらのiNK T細胞は、固定されたTCRα鎖(Vα10/Jα18)及び限定された数のβ鎖(制限されたvβ使用を有する)を有する非常に限定されたTCR多様性を示し、これらは、Toll様及びNod様レセプターのような自然の病原体関連分子パターン(PAMPS)認識レセプターになぞらえられている。これとは対照的に、「II型」NK T細胞は、より多様なTCRレパートリーを示し、より多様な形態のCD1d-脂質複合体結合を有するとみられる。GEM T細胞は、CD1bにより提示されるマイコバクテリア由来糖脂質を認識するが、CD1a、b及びcによる抗原提示並びにそれらのT細胞認識の分子的な詳細は、理解され始めたばかりである。
MAIT細胞は、インバリアントTCRα鎖(TRAJ33、TRAJ20又はTRAJ12とライゲーションされたTRAV1-2)を主に発現し、該鎖は、一連のTCRβ鎖と対形成できる。ペプチド又は脂質の代わりに、MAIT TCRは、HLAI様分子であるMR1により提示される病原体由来葉酸及びリボフラビンベースの代謝産物と結合できる。MAIT TCRについて観察されるTCRにおける限定されているが著しい多様性は、保存されたMR1に関連付けられた多様であるが相関する代謝産物の認識を可能にするとみられる。
非古典的HLA拘束αβT細胞TCRがどのようにして成熟中に胸腺において選択されるのか、よく理解されていない。しかし、上で概説したネガティブ及びポジティブ選択の基本的なプロセスが当てはまるようであり、胸腺内特殊化した適所においてこのことが生じることを示唆するいくらか証拠がある。

γδT細胞
αβTCR発生及びpHLA結合の詳細な機械論的理解とは対照的に、抗原標的及びそれらのγδT細胞対応物の関係性については比較的ほとんど知られていない。このことは、循環細胞区画中のそれらの量が比較的低いことが理由の一つである。しかし、γδT細胞は、厳密にHLA拘束されないと広く考えられており、抗体と同様に、より自由に表面抗原を認識するとみられる。加えて、より最近では、γδT細胞は、外来抗原との免疫系の主な相互作用部位である上皮組織常在型T細胞区画を支配できることが認識されるようになってきている。更に、γδT細胞腫免疫監視及び調節不全になった自己のその他の形の監視機構についての様々な機序が文献において明らかにされ始めている。自然様及び適応γδT細胞の両方の特異的抗原標的は、まだほとんど定義されていないが、PAMP組織分布及び迅速な認識は、外来抗原に対する応答の初期及び適応免疫系がまだ成熟中の生命の初期の両方におけるγδT細胞の基本的な役割を示唆する。
γδT細胞の多様な機能は、異なるVγVδ遺伝子セグメント使用に基づくとみられ、γδT細胞が主にインバリアントTCRと一緒に、感染中の非常に初期にPAMPの自然様認識を媒介する2つの主なカテゴリーにおいて広く理解できる。PAMP以外に、これらのタイプのγδT細胞は、更に、細胞ストレス、感染及びおそらく腫瘍発生の非常に初期のサインを与え得るリン酸抗原を含む自己分子を認識すると考えられている。PAMP及びこのようないわゆる損傷関連分子パターン(danger associated molecular pattern;DAMPS)並びに多数の組織拘束自然様γδT細胞の認識は、これらの細胞が、予め活性化、ホーミング及びクローン増殖を必要とせず抗原負荷に対して迅速に応答するのに適していることを強く示唆する。

γδT細胞の第2の形は、実際はより適応性があり、非常に多様性のγδTCRレパートリー及び末梢を循環してリンパ系組織直接アクセスする能力を有すると考えられている。このような抗原特異的γδT細胞は、CMVのような一般的なヒト病原体について記載されており、メモリー応答を形成するとみられる。しかし、γδT細胞は、活性化の後に比較的限定されたクローン性増殖のみを示し、末梢循環又は組織におけるTCR多様性及びγδT細胞の特異的応答の程度についてはほとんど利用可能なデータはない。更に、γδTCRはpHLA複合体と相互作用せず、よって、この状況においてペプチド抗原と結合しないと一般的に考えらえているが、γδT細胞の幾つかの抗原標的だけが特徴決定されており、根底にある分子フレームワークはわずかに理解されているだけである。

末梢γδT細胞の頻度が低いこと及びヒトにおける組織常在性T細胞を研究することが困難であることのために、この重要で多様なタイプのT細胞がどのようにして適応免疫応答に参加するのかについての我々の知識が制限されてきた。この台頭してきた研究領域は、稀なγδT細胞を捕捉して特徴決定し、それらのTCR対を単離し、それらの同族抗原を同定する、より信頼できる技術を必要とする。

抗原及び抗原提示細胞
T細胞及びTCRとの関係において、抗原は、TCRと結合でき、T細胞内のシグナル伝達をもたらす任意の分子と定義できる。最もよく特徴決定されているT細胞抗原は、HLAI及びHLAII複合体において提示され、通常型αβT細胞と結合するペプチドである。しかし、近年、非通常型αβT細胞及びγδT細胞が抗原として広範囲の生体分子、例えば脂質、リポペプチド糖ペプチド、糖脂質並びに一連の代謝産物及び異化産物を結合できることが明らかになってきた。更に、γδT細胞が、抗体様の様式で完全にフォールドされたタンパク質と直接結合できることが明らかになってきた。よって、T細胞抗原がHLAにより提示されるペプチドに主に拘束されるという視点は、過去20年間で、ほぼ全ての生体分子を含むように拡大されている。この概念を念頭に置いて、何を抗原提示細胞(APC)と考えることができるかを定義することが適切である。
抗原及び抗原提示細胞

前出のセクションで定義したように、HLAI及びHLAIIは、細胞型全体にわたって共通点のない発現プロファイルを有する。ほぼ全ての有核細胞が細胞表面でHLAI複合体を提示し、よって、T細胞サンプリングのためにペプチド抗原を提示する能力があることが広く受け入れられている。これとは対照的に、HLAIIは制限された発現プロファイルを有し、少なくとも定常状態条件において、樹状細胞(DC)、マクロファージ及びB細胞を含む抗原提示の専門的な役割を有する細胞の表面でだけ発現される。これらの専門細胞型は、しばしばプロフェッショナルAPCと呼ばれる。この文書の目的のために、用語「APC」は、αβ又はγδT細胞によるサンプリングのために抗原を提示できる任意の有核細胞を表すために用いる。このような抗原は、特異的抗原提示複合体、例えばHLA及びHLA様分子において「カーゴ」として提示されるものに限定されないが、αβ又はγδTCR保有細胞と結合できる任意の細胞表面提示部分を含むことができる。

TCRの治療への使用
初代T細胞の養子移入は、免疫不全患者ウイルス免疫を与えるために、ウイルス抗原に向かう、エクスビボで増殖させたT細胞をまず用いて、1990年代初期に臨床背景において初めて試験された。特定のがん抗原に対してエクスビボで増殖させた初代T細胞を用いる同様のアプローチが、そのすぐ後に悪性腫瘍処置において試験された。現在でも課題であり続けるこれらの初期のアプローチにおけるある限界は、治療製品において組成精細に最適化する必要性と対立する、T細胞の性質及び多様性についての理解の欠如である。現在、エクスビボで増殖させた初代T細胞の使用は、ウイルス抗原に対する特異性を有する初代T細胞を用いる一握りイニシアティブ以外は、製薬業界においてほぼあきらめられている。

近年、遺伝物質を初代ヒト細胞に安定して導入する能力により、実験遺伝子改変細胞治療剤の種類が増えてきている。このような治療用細胞製品は、T細胞応答の力を利用し、T細胞特異性を疾患関連抗原標的、例えば悪性細胞によってのみ発現される抗原に向けなおすことを目的とする。これらは、実際のTCR鎖対ではなく、キメラ抗原レセプター(CAR)をレシピエントT細胞に移入することに主に頼っている。CARは、CD3-TCR機能を模倣する合成キメラレセプターを生成するための、シグナルレセプターエレメント、例えばCD3複合体のζ鎖にグラフトされた標的化部分(多くの場合、悪性細胞の表面発現タンパク質を標的にする一本鎖抗体エレメント)である。これらのいわゆるCAR T細胞(CAR-T)製品は、現在までに臨床試験においてまちまちの成功度を示しており、その可能性にもかかわらず、固有のユニークな分子標的を有する腫瘍、例えばB細胞悪性病変を超えて解釈することは容易ではない。代わりに、全長TCR鎖対ORFをT細胞に移入することについての興味が増えてきている。このようなTCRが操作されたT細胞治療剤は、困難な製造プロセスや、CAR-T製品と同様に、確認された抗原標的及び標的化構築物の欠如により現在制限されている。現在までに、悪性細胞上のHLAIにより提示されるペプチド抗原の認識のためのαβTCRの使用に焦点が当てられており、このアプローチの基本的な困難は、悪性細胞に特異的な抗原が必要であるということである。

TCR-pHLA相互作用が比較的低親和性のものであるので、天然型TCRは、TCRが操作されたT細胞療法のために最適ではないようであると考えられている。幾つかのアプローチが、一本鎖抗体親和性成熟と同じ方法で、インビトロで親和性成熟TCRのために考案されている。これらのTCR親和性成熟アプローチも、一般的に、一方の鎖のV領域を別の鎖のV領域に融合させて単一ポリペプチド構築物を作製する一本鎖フォーマットを用いる。このような単一ポリペプチドを、次いで、抗体操ワークフローから適応させたファージ又は酵母ディスプレイシステムにおいて用いることができ、標的結合に基づく何回かの選択を経ることができる。このような一本鎖TCRアプローチにおいて、機能的TCR鎖対を得る点において2つの固有の限界が存在する。第一に、選択が標的との結合親和性に基づくことである。しかし、TCR親和性がTCRシグナル伝達出力の強さ又は能力と常に相関するわけではないことが十分に文書化されている。第二に、親和性に基づく一本鎖構築物の選択が、それらが全長レセプターとして一旦再構成されると、等価な親和性であると常に解釈されない。

治療との関係において、親和性成熟化TCR対において更なる重要な限界が存在する。つまり、それらの配列が変更されたことを考慮すると、定義による得られた構築物はもはや胸腺選択に供されず、ここで、自己抗原と強く反応するTCRは、レパートリーから削除される。よって、これらの改変TCRは、自己反応性である固有の危険性を有し、この危険性を、現在の方法を用いてインビトロで除くことは非常に難しい。同じ理由により、治療用途のための選択されたか又は操作されたTCRはいずれも、個別化される必要がある。もしTCRが人工的に操作されるか又は天然型TCRが個体にわたって用いられるならば、破滅的な可能性がある自己免疫を回避するために、特定の各個体のHLAハプロタイプ及び提示されるペプチドレパートリーに基づいて交差反応性を除かなければならない。このことは、胸腺選択が、その所定の個体にのみ特異的な全ての利用可能なHLA分子の背景において行われるという事実のためである。このような交差反応性の可能性は不明である。しかし、我々のTCRレパートリーが、同じ種の他の個体のpHLA複合体を外来であると認識する能力は、適応免疫の基本的な特性であり、移植片拒絶及び移植片対宿主病を支持する。がん特異的黒色腫関連抗原(MAGE)に対する成熟TCR鎖対を用いる最近の臨床試験は、胸腺選択を迂回することの潜在的な問題に光を当てた。成熟TCRを有する自家T細胞を2名のがん患者に注入して戻したとき、これらの患者は、致命的な心臓疾患を迅速に発症した。その後の研究により、MAGE特異的成熟化TCRは、心臓タンパク質であるタイチンからのHLAIにより提示されるペプチドと交差反応性であったことがわかった。このことは、交差反応性は、TCRの治療への使用において別個の可能性であることを強く示唆する。

TCRを治療目的のために利用するための別の達成手段は、抗体治療用物質とほぼ同じ方法でそれらを親和性反応剤として用いることにある。一本鎖TCR分子は、コンジュゲート薬物物質を特定のHLA-抗原発現細胞集団に送達するために試験されている。このようなアプローチは、一般的に、CAR-T又はTCRが操作されたT細胞療法より安全であると考えられている。なぜなら、薬物物質の投与を単純に撤回することができるからである。しかし、交差反応性の可能性及び予測困難なオフターゲット効果により、この背景における可能性のある限界がまだ存在する。

臨床診断におけるTCRレパートリー検出
関連する観点において、臨床診断目的のために特定のTCR配列の量の検出を用いることに対する興味が増加している。特にディープシーケンシング法の台頭につれて、ある個体内の全体の、そして特定の関係におけるマッチするαβ対についての完全なTCR多様性を把握することが可能である。このことは、患者における疾患関連抗原に対する免疫応答の確立のための代理読み出しとして、増殖したT細胞クローンの量を単に検出することにより特定の状態及び疾患状態を診断するための手段になる可能性がある。しかし、このような包括的なアプローチは、確立された臨床タイムポイントを有する非常に強い免疫応答に現在のところ限定されており、配列決定により同定された任意の特定のTCRの特異的抗原標的を同定することの根底にある困難に苦しんでいる。

T細胞抗原の治療及び診断のための使用
適応免疫応答を活用する基本的な強さは、TCR-抗原相互作用の精巧な特異性が、各病原体、がん細胞又は自己免疫疾患に特異的に関連する抗原についての詳細な知識を必要とするという中心的な技術的困難言い換えられる。更に、各抗原は、特異的抗原提示複合体又はそのアレレにより提示され得るので、抗原の発見は、関連する各HLA遺伝子及びアレレについて行わなければならない。強い適応免疫応答と関連し、保存されたエピトープ応答階層を一般的に示すHIVインフルエンザ及びCMVのような幾つかの感染性疾患について、最も重要なエピトープが、幾つかの一般的なHLAと関連付けられてマッピングされている。同様に、がん、アレルギー及び自己免疫の分野において、関連T細胞抗原をマッピングする系統的な試みが増えてきている。しかし、これらは、困難な手順であり、異なる臨床状況と関連するT細胞抗原を系統的に表す努力は、効率的で確固とした迅速で適応性のあるプロトコールが存在しないことにより妨げられている。
特に、がん細胞は、困難で重要な態様である。なぜなら、悪性細胞の表面で提示されるペプチドのほとんどは自己抗原であるか又は自己抗原に非常に類似しているからである。よって、胸腺選択は、これらのペプチドを強く認識しうるTCRを削除するであろう。それと同時に、腫瘍は免疫認識を逃れるように発展する。このことは、確立された腫瘍に対する有力な免疫応答が比較的稀であり、標的を予測又は発見することが難しいことを意味する。しかし、これらの応答は存在し、そして重要なことには、通常、よりよい結果と関連している。このような応答の標的、腫瘍関連抗原(TAA)は、ほとんどの場合、自己からの区別可能な特徴を有し、がん発展中に過剰発現されるか、発展のこの段階では細胞型に存在しないか、又は遺伝子変異若しくは翻訳後改変、例えばリン酸化により特異的に変更されたタンパク質に由来する。

利用可能な場合、このようなエピトープの知識により、基礎的な発見、診断目的のため及び例えばワクチン効力の試験として関連するT細胞応答を調べることが可能になる。重要なことに、これらは、アレルギー及び自己免疫におけるT細胞寛容化のための高度に特異的な標的と、重大なことに、特異的免疫療法のため及び悪性細胞に対抗する価値のある標的に向かう点とを提供する。悪性病変は、細胞免疫療法の有望性として特に価値のある標的であり、T細胞操作における進展は、がんのタイプについての特異的マーカーがたまたま利用可能である幾つかの場合を超える確認された標的TAAの欠如により遅くなる。
細胞療法の可能性及び確認された標的の欠如に鑑みて、見込のあるTCR抗原の同定は、いまだに、特に癌を処置するための努力におけるTCRに基づく免疫療法の最も急を要する障害の一つである。

TCR及びT細胞抗原分析の技術的観点
全体として、TCRに基づく療法の発展はまだその初期段階であり、限定された成功しかしていない。とてつもない可能性があるが、診断的アプローチは、患者の疾患状態又は療法に対する応答を評価することを目的とする比較臨床研究においてほとんど実施されていない。天然型TCR鎖対の安定した捕捉と、高スループットにて細胞同士のコミュニケーション機能的関係におけるTCR-抗原相互作用の系統的な分析とについて十分に発展していない技術は、TCRに基づく療法及び診断の発展のための主な障害である。

ディープシーケンシングアプローチにより、健常及び疾患におけるT細胞レセプター多様性についての理解が改善されている。しかし、これらのアプローチは、主にTCRβ鎖のCDR3領域にわたる短い区間に一般的に焦点を当てている。ほとんどの研究は、TCRα鎖の寄与を無視しており、対合したαβ鎖及び興味の対象と決定されたTCRの抗原特異性を分析しようとしたものはほとんどない。単細胞封入及び遺伝子バーコーディングを用いる最近のワークフローにより、天然型TCRαβまたγδ鎖対の対形成及び全長配列の分析が可能になっているが、このようなワークフローは、まだ実験段階である。

単離TCR鎖対は、生物物理学的又は機能的形態のいずれかで抗原特異性の点で分析できる。生物物理学的分析は、TCR及び分析物抗原の両方を可溶形で組換え生成することを必要とする。HLA拘束TCRの場合、このことは、よって、全ての個別のTCR及び同族pHLA複合体の生成を必要とするであろう。このことは、技術的に非常に困難であり、遅くてスループットが低い。更に、このような分析は、相互作用親和性のみを与え、これは予測可能な様式での機能的特徴との関連が低い。
最近まで、細胞との関係での単離TCR配列の詳細な機能解析は、初代T細胞又は不死細胞株への分析物TCR鎖対のトランスフェクションと、細胞活性化の伝統的なフローサイトメトリ分析による細胞応答の検出又は抗原負荷の際のトランスフェクションされた細胞から分泌される因子の検出という面倒なプロトコールにより制限されてきた。Guoらによる最近の発表において、単細胞からの対形成したTCR鎖の迅速なクローニング、発現及び機能的特徴決定が報告された(Molecular Therapy - Methodsand clinical development (2016) 3:15054)。この研究では、分析物ヒトαβTCR対を、αβTCR発現が欠如したレポーター細胞株で発現させているが、これは、TCR刺激の際に活性化されるNur77プロモーターと連結した緑色蛍光タンパク質(GFP)レポーター系を含んでいた。この系は、レポーター細胞株ゲノムへの標準化されたTCR組込みの欠如のために、まだ非効率であり、APCエレメントによる細胞に結合した抗原負荷のための系統的な方法を提供しない。

既知のT細胞抗原に対するTCRの同定についてのワークフローと同様に、健常及び疾患における新規なT細胞抗原のデノボ発見は、まだ非常に困難である。ほとんどのアプローチは、いまだに実際は生物物理学的であり、免疫化プロトコールにおいて試験しようとする候補抗原を、又は上記のように同族TCRの同定により生成することを狙いとする。T細胞抗原発見の分野における標準化はほとんど又は全く存在せず、この分野は、ほとんど学術研究に限定されている。

治療及び診断のための使用の両方においてTCR及びそれらの同族に対する興味の蓄積、並びに著しい数の天然型TCRαβ及びγδ鎖対を捕捉する手段の出現につれて、TCR-抗原相互作用の系統的解析のための信頼できる高スループットで標準化された技術がまだ欠如している。重要なことに、TCR及び抗原が共に生細胞により提示される細胞間コミュニケーションの天然の状況におけるTCR鎖対の機能解析のための標準化されたシステムが欠如している。更に、細胞間コミュニケーションの関連する状況におけるTCR候補の選択及び/又はTCR鎖対の親和性成熟を達成できるシステムが欠如している。

概要

本発明は、第1の部分が遺伝子操作された抗原提示細胞システム(eAPCS)であり、第2の部分が遺伝子操作されたTCR提示細胞システム(eTPCS)である二部構成デバイスに関する。

目的

個体内で自己HLA分子は、自己及び外来タンパク質からのペプチドをT細胞に提示し、悪性病変及び外来病原体に対する適応免疫、共生生物、食物及び自己に向けての適応寛容のための必須の基礎を提供する

効果

実績

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請求項1

第1の部分が遺伝子操作された抗原提示細胞ステム(eAPCS)であり、第2の部分が遺伝子操作されたTCR提示細胞システム(eTPCS)である二部構成デバイス

請求項2

eAPCSがa.eAPC-p、及び/又はb.eAPC-a、及び/又はc.eAPC-pa、及び/又はd.a及び/又はb及び/又はcの1又は2以上のライブラリーから選択される1又は2以上の被分析物eAPCを提供する、請求項1に記載の二部構成デバイス。

請求項3

eAPC-p、eAPC-a又はeAPC-paがa.aAPX、又はb.aAM、又はc.aAPX:aAM、又はd.aAPX:CM、又はe.それらの組合せから選択される被分析物抗原発現する、請求項2に記載の二部構成デバイス。

請求項4

eTPCSがa.eTPC-t、及び/又はb.1又は2以上のそのライブラリーから選択される1又は2以上の被分析物eTPCを提供する、請求項1又は2に記載の二部構成デバイス。

請求項5

被分析物TCR鎖対が、CD3と複合体化したTCR表面タンパク質(被分析物TCRsp)として被分析物eTPCにより発現される、請求項4に記載の二部構成デバイス。

請求項6

eTPCが、eTPCのゲノムに対して遺伝子操作された合成TCRシグナル応答エレメントを表す成分2Fを含有し、被分析物TCRspとeAPC-p、-a又は-paにより提示される被分析物抗原との間での複合体形成報告するために用いられ、eTPCにおいてシグナル応答を生じる、請求項5に記載の二部構成デバイス。

請求項7

1又は2以上の被分析物eAPCが1又は2以上の被分析物eTPCと組み合わされている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の二部構成デバイス。

請求項8

組合せが被分析物TCRspと請求項3に規定する被分析物抗原との間の接触を生じ、該接触がシグナル応答を生じてもよいし生じなくてもよい、請求項7に記載の二部構成デバイス。

請求項9

接触が被分析物TCRspと被分析物抗原との間での複合体形成を生じてもよい、請求項8に記載の二部構成デバイス。

請求項10

複合体形成が、生じる場合には、被分析物eTPC及び/又は被分析物eAPCにおいてシグナル応答を誘導することができる、請求項9に記載の二部構成デバイス。

請求項11

シグナル応答が、シグナル応答を有するか若しくは有しない被分析物eTPC若しくは被分析物eTPCのプール及び/又はシグナル応答を有するか若しくは有しない被分析物eAPC若しくは被分析物eAPCのプールを選択するために用いられる、請求項7〜9のいずれか1項に記載の二部構成デバイス。

請求項12

被分析物TCRspを発現する被分析物eTPCの被分析物抗原に対するシグナル応答の特徴決定に用いるための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の二部構成デバイスから得られる被分析物eTPC。

請求項13

入力の被分析物eTPC又は被分析物eTPCのライブラリーから1又は2以上のeTPCを選択して、1又は2以上の被分析物eTPCを得る方法であって、発現されたTCRspが請求項3に規定される1又は2以上の被分析物抗原に結合し、a.1又は2以上の被分析物eTPCを1又は2以上の被分析物eAPCと組み合わせて被分析物TCRspと被分析物抗原との間の接触を生じさせること、及び下記b.形成される場合、1又は2以上の被分析物TCRspと1又は2以上の被分析物抗原との間の複合体の形成を測定すること、及び/又はc.誘導される場合、1又は2以上の被分析物TCRspと1又は2以上の被分析物抗原との間の複合体形成により誘導される被分析物eTPCによるシグナル応答を測定すること、及び/又はd.誘導される場合、1又は2以上の被分析物TCRspと1又は2以上の被分析物抗原との間の複合体形成により誘導される被分析物eAPCによるシグナル応答を測定すること、及びe.工程b、c及び/又はdに基いて1又は2以上のeTPCを選択すること、ここで、選択はポジティブ及び/又はネガティブ測定によりなされるの少なくとも1つを含んでなる方法。

請求項14

選択工程が単一細胞選別及び/又はプールへの細胞選別により行われる、請求項13に記載の方法。

請求項15

選別が選別された単一細胞の拡大に先行する、請求項14に記載の方法。

請求項16

選別が選別された細胞プールの拡大に先行する、請求項14に記載の方法。

請求項17

選択されたeTPCがシグナル応答の特徴決定に付され、下記:a.天然型シグナル伝達応答を決定すること、及び/又はb.eTPCが成分2Fを含有する場合には、合成シグナル伝達応答を決定することを更に含んでなる、請求項13〜16のいずれか1項に記載の方法。

請求項18

被分析物TCRspを発現する1又は2以上の被分析物eTPCの発現した被分析物抗原に対するシグナル応答を誘導する被分析物抗原を同定するための請求項1〜11のいずれか1項に規定される二部構成デバイスから得られるeAPC。

請求項19

入力の被分析物eAPC又は被分析物eAPCのライブラリーから1又は2以上のeAPCを選択して、1又は2以上の被分析物eAPCを取得する方法であって、被分析物eAPCは、請求項3に規定される発現した被分析物抗原に対する、被分析物TCRspを発現する1又は2以上の被分析物eTPCのシグナル応答を誘導し、下記:a.1又は2以上の被分析物eAPCと1又は2以上の被分析物eTPCとを組み合わせて、被分析物eAPCにより提示される被分析物抗原と1又は2以上の被分析物eTPCの被分析物TCRspとの間の接触を生じさせること、及びb.形成する場合、1又は2以上の被分析物抗原と1又は2以上の被分析物TCRspとの間での複合体の形成を測定すること、及び/又はc.誘導される場合、被分析物TCRspと被分析物抗原との間での複合体形成により誘導される1又は2以上の被分析物eTPCにおけるシグナル応答を測定すること、及び/又はd.誘導される場合、1又は2以上の被分析物TCRspと1又は2以上の被分析物抗原との間での複合体形成により誘導される被分析物eAPCによるシグナル応答を測定すること、及びe.工程b、c及び/又はdから1又は2以上のeAPCを選択すること、ここで、選択はポジティブ及び/又はネガティブ測定によるなされるを含んでなる方法。

請求項20

選択工程が単一細胞選別及び/又はプールへの細胞選別により行われる、請求項19に記載の方法。

請求項21

選別が選別された単一細胞の拡大に先行する、請求項20に記載の方法。

請求項22

選別が選別された細胞プールの拡大に先行する、請求項21に記載の方法。

技術分野

0001

発明の分野
本発明は、2つの部分を含んでなり各部分が、システムの動作中に互いに相互作用する別異の遺伝子操作された細胞システムを含む、遺伝子操作された細胞デバイス構築及び使用に関する。二部構成細胞デバイスの第1の部分は、当該APCヒト白血球抗原(HLA)分子、HLA様分子並びに別異の形態の抗原提示分子及び抗原性分子の細胞表面提示に関してヌルとなるようにゲノム編集により遺伝子操作されている抗原提示細胞(APC)システムである。加えて、遺伝子操作されたAPCシステム(eAPCS)は、抗原提示分子をコードするオープンリーディングフレーム(ORF)の挿入のため、及び必要に応じて、遺伝子コードされた被分析物抗原の挿入のためのゲノム組込み部位を含有する。APCのゲノム組込み部位を標的し、被分析物抗原分子-及び/又は抗原提示複合体をコードするORFを迅速に送達するように設計された遺伝子ドナーベクターは、eAPCSを完成させる。二部構成細胞デバイスの第2の部分は、当該細胞がTCR鎖の表面発現に関してヌルとなるようにゲノム編集により遺伝子操作されているT細胞レセプター(TCR)-提示細胞システムである。この遺伝子操作されたTCR提示細胞システム(eTPCS)は、TCRをコードするORFの導入に際して、TCRヘテロ二量体複合体を細胞表面でCD3複合体状況で発現させることに関して依然としてコンピテントであり、TCRライゲーションに対して検出可能な様式で応答することに関してもコンピテントである。TCR-提示細胞のゲノム組込み部位を標的し、被分析物TCR ORFを迅速に送達するように設計された遺伝子ドナーベクターは、eTPCSを完成させる。この遺伝子操作された二部構成細胞デバイスは、細胞-細胞コミュニケーション天然型機能的状況でのTCR/抗原相互作用の標準化された分析のために設計されている。

背景技術

0002

発明の序論
Tリンパ球(T細胞)による免疫監視機構は、全ての有脊椎動物適応免疫における中心的な機能である。T細胞による免疫監視機構は、T細胞サブタイプにわたる豊富な機能的多様性を介して達成され、該T細胞サブタイプは、病原体感染及び腫瘍性細胞の排除に貢献し、侵入病原体共生微生物食物の分子成分のような共生非自己因子に対する適応免疫応答組織化し、更には自己免疫寛容を維持する。様々な外来及び自己因子に応答するために、T細胞は、これらの外来及び自己因子の分子構成成分を特異的に検出できなければならない。よって、T細胞は、個体が遭遇する自己及び非自己分子の大多数を、病原性生物及び病的な自己に対する有効な応答を開始するために十分な特異性を持って、健常な自己に対するそのような応答の開始を回避しながら検出できなければならない。この任務の非常に複雑な性質は、外来及び自己の分子の両方の実際的に無限の多様性を考慮した場合に明らかになり、病原性生物は、T細胞による検出を逃れるための進化圧力の下にある。

0003

T細胞レセプター(TCR)
T細胞は、主として、T細胞レセプター(TCR)の発現により規定される。TCRは、T細胞適応免疫の標的と相互作用しそれを感知する役割を担うT細胞の成分である。一般的に言えば、TCRは、細胞表面で提示されるヘテロ二量体タンパク質複合体で構成される。2つのTCR鎖の各々は、共に免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)ドメインに属し、逆並行βシートを形成する可変(V)領域及び定常(C)領域である2つの細胞外ドメインで構成される。これらは、短い細胞質尾部に隣接するI型膜貫通ドメインにより細胞膜係留されている。多様な分子構成成分に適応してそれを検出するT細胞の素質は、T細胞発生中に生じるTCR鎖におけるバリエーションから生じる。このバリエーションは、B細胞における抗体発生に類似の様式で体細胞組換えにより生じる。

0004

TCR鎖多様性
T細胞プールは、幾つかの機能及び表現型不均質下位集団からなる。しかし、T細胞は、その表面で発現される体性再編成TCRアイソフォームに従ってαβ又はγδに大きく分類できる。2つのTCR鎖対アイソフォーム、すなわちTCRα(TRA)とTCRβ(TRB)との対、及びTCRガンマ(TRG)とTCRデルタ(TRD)との対が存在する。TRA:TRB対を発現するT細胞はαβT細胞と呼ばれ、TRG:TRD対を発現するT細胞は、しばしばγδT細胞と呼ばれる。
αβ及びγδ形のTCRは、共に多様なリガンド、すなわち「抗原」の認識を担い、各T細胞は、T細胞成熟中にαβ又はγδレセプター鎖を新たに生じる。これらの新たなTCR鎖対は、体細胞V(D)J組換えと呼ばれるプロセスにおいてレセプター配列多様性を生じることにより認識の多様性を達成し、体細胞V(D)J組換えの後に各T細胞は、別個に再編成された単一TCRのコピーを発現する。TRA及びTRG遺伝子座では、幾つかの分離した可変(V)及び機能的(J)遺伝子セグメントが組換えのために利用可能であり、定常(C)遺伝子セグメントに並置されるので、VJ組換えと呼ばれる。TRB及びTRD遺伝子座での組換えは、更に、多様性(D)遺伝子セグメントを含むので、VDJ組換えと呼ばれる。
組換えられた各TCRは、αβT細胞の場合にα及びβ鎖、又はγδT細胞の場合にγ及びδ鎖により形成されるリガンド結合部位の構造により決定される、ユニークなリガンド特異性の能力を有する。TCRの構造多様性は、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる、各鎖の3つの短いヘアピンループに主に限定される。3つのCDRは、レセプター鎖対の各鎖からもたらされ、これらの6つのCDRループはまとめて、TCR細胞外ドメインの膜から遠い末端に存在して、抗原結合部位を形成する。
各TCR鎖における配列多様性は、2つの形態で達成される。第一に、組換えのための遺伝子セグメントの無作為選択は、基本的な配列多様性をもたらす。例えば、TRB組換えは、47のユニークV、2のユニークD及び13のユニークJ生殖系列遺伝子セグメントの間で起こる。一般的に、V遺伝子セグメントは、CDR1及びCDR2ループの両方に貢献し、よって生殖系列にコードされている。配列多様性を生じるための第2の形態は、組み換えられるV、(D)及びJ遺伝子セグメントの間の接合部にて鋳型ヌクレオチドの無作為欠失及び非鋳型ヌクレオチドの付加により生じる超可変CDR3ループ内で起こる。

0005

TCR:CD3複合体
成熟αβ及びγδTCR鎖対は、ε、γ、δ及びζと呼ばれる幾つかのアクセサリーCD3サブユニット一緒に複合体として細胞表面にて提示される。これらのサブユニットは、αβ又はγδTCRと一緒に3つの二量体(εγ、εδ、ζζ)として会合する。このTCR:CD3複合体は、αβ又はγδTCRと同族抗原との結合の際に細胞シグナル伝達応答を開始するためのユニットを形成する。TCR:CD3複合体として結合したCD3アクセサリーは、免疫レセプター活性チロシンモチーフ(ITAM)と呼ばれるシグナル伝達モチーフに貢献する。
CD3ε、CD3γ及びCD3δは各々、単一のITAMに貢献するが、CD3ζホモ二量体は3つのITAMを含む。TCRと共に組み立てられる3つのCD3二量体(εγ、εδ、ζζ)は、よって、10のITAMに貢献する。同族抗原とのTCRライゲーションの際に、直列型チロシン残基リン酸化は、重要な70kDaのζ鎖関連タンパク質(ζ-chain-associated protein of 70 kDa;ZAP-70)のようなSrcホモロジー2(Scr homology 2;SH2)ドメインを含むタンパク質のための対形成したドッキング部位を創出する。このようなタンパク質の動員は、T細胞活性化及び分化を最終的に担うTCR:CD3シグナル伝達複合体の形成を開始する。

0006

αβT細胞
αβT細胞は、一般的に、ヒトにおいて、対応するγδT細胞よりも豊富に存在する。αβT細胞の多くは、細胞表面でHLA複合体により提示されるペプチド抗原と相互作用する。ペプチド-HLA(pHLA)認識T細胞は、最初に記述され、最もよく特徴決定されている。αβT細胞のより稀な形も記述されている。粘膜関連インバリアントT(MAIT)細胞は、比較的限定されたα及びβ鎖多様性を有するとみられ、タンパク質断片よりもむしろ細菌代謝産物を認識する。インバリアントナチュラルキラーT細胞(invariantnatural killer T-cell;iNK T細胞)及び生殖系列によりコードされるミコリル反応性T細胞(germline-encoded mycolyl-reactive T-cell;GEMT細胞)は、非HLA分子により交差提示される糖脂質の認識に限定される。iNK T細胞は、大部分が、CD1dにより提示される糖脂質と相互作用すると考えられるが、GEM T細胞細胞は、CD1bにより提示される糖脂質と相互作用する。更に別の形のT細胞は、CD1a及びCD1cに関連付けられた糖脂質と相互作用すると考えられるが、このような細胞は、まだ詳細に特徴決定されていない。

0007

通常型αβT細胞
ほとんどのαβT細胞の重要な特徴は、HLA分子に関連したペプチド抗原の認識である。これらは、しばしば、「通常型」αβT細胞と呼ばれる。個体内で自己HLA分子は、自己及び外来タンパク質からのペプチドをT細胞に提示し、悪性病変及び外来病原体に対する適応免疫、共生生物、食物及び自己に向けての適応寛容のための必須の基礎を提供する。HLAタンパク質をコードするHLA遺伝子座は、ヒトゲノムのうちで最も遺伝子密度が高く、多型性の領域であり、ヒトにおいて12,000を超えるアレレが記載されている。HLA遺伝子座における多型の程度が高いことにより、個体間のペプチド抗原提示の多様性が確実になり、このことは、集団ベルでの免疫のために重要である。

0008

HLAクラスI及びII
2つの形の古典的HLA複合体、すなわちHLAクラスI(HLAI)及びHLAクラスII(HLAII)が存在する。3つの古典的HLAI遺伝子、すなわちHLA-A、HLA-B及びHLA-Cが存在する。これらの遺伝子は、インバリアントβ2ミクログロブリン(β2M)鎖と会合する膜貫通型α鎖をコードする。HLAIα鎖は、免疫グロブリンフォールド型の3つのドメイン、すなわちα1、α2及びα3で構成される。α3ドメインは、膜の近くにあり、大部分がインバリアントであるが、α1及びα2ドメインは一緒になって、多型の膜から遠くにある抗原結合窩を形成する。6つの古典的HLAII遺伝子、すなわちHLA-DPA1、HLA-DPB1、HLA-DQA1、HLA-DQB1、HLA-DRA及びHLA-DRB1が存在する。これらの遺伝子は、α鎖及びβ鎖を含む、対形成したDP、DQ及びDRヘテロ二量体HLA複合体をコードする。各鎖は、免疫グロブリンフォールド型の2つの主要な構造ドメインを有し、ここで、α2及びβ2ドメインは、HLAIα3ドメインのものに類似の、膜に近い大部分がインバリアントのモジュールを含む。HLAIIα2及びβ2ドメインは一緒になって、膜から遠くにある抗原結合窩を形成し、多型性が高い領域である。
HLAI及びHLAIIの抗原結合窩は、8つの逆平行βシートのプラットフォーム上に2つの逆平行αヘリックスを含む。このにおいて、ペプチド抗原が結合し、伸ばされた立体構造で提示される。HLAI及びHLAIIにおけるペプチド接触残基は、ほとんどの配列多型の場所であり、これは、異なるHLAアレレにより提示される多様なペプチドレパートリーの分子的基礎を構成する。ペプチドは、抗原結合窩と広範囲で接触し、その結果、各HLAアレレは、提示されたペプチドに対する別個の配列制約及び優先性課す。所定のペプチドは、よって、限定された数のHLAとだけ結合し、相互的に、各アレレは、所定のタンパク質からのペプチドコレクションの特定の画分だけを受け入れる。各個体に存在するHLAI及びHLAIIアレレのセットは、HLAハプロタイプと呼ばれる。HLAI及びHLAII遺伝子の多型並びに遺伝性のアレレの相互優性発現は、ヒト集団全体にわたるHLAハプロタイプの非常に大きい多様性を駆動し、これは、αβTCRの莫大な配列多様性と組み合わせた場合に、これらのHLA-抗原-TCR相互作用の分析の標準化のために大きな障害となる。

0009

HLAI及びHLAIIのαβTCR結合
αβTCRは、HLA及びペプチド抗原(変化した自己)の両方の残基により形成される混合pHLA結合界面の一部としてペプチドを認識する。HLAI複合体は、ほぼ全ての有核細胞の表面に提示され、内因性タンパク質由来するペプチドを提示すると一般的に考えられている。T細胞は、よって、相互作用細胞のpHLAI複合体をサンプリングすることにより、HLAI提示細胞の内因性細胞プロテオームを調べることができる。HLAIの結合は、相互作用T細胞によるTCR共レセプターCD8の発現を必要とするので、HLAIサンプリングは、CD8+αβT細胞に制限される。これとは対照的に、HLAII複合体の表面発現は、プロフェッショナルAPCに主に制限され、提示細胞にとって外因性のタンパク質に由来するペプチドを提示すると一般的に考えられている。相互作用T細胞は、よって、提示細胞が存在する細胞外微小環境のプロテオームを調べることができる。HLAIIの結合は、相互作用T細胞によるTCR共レセプターCD4の発現を必要とするので、HLAIIサンプリングは、CD4+αβT細胞に制限される。

0010

αβTCRの胸腺選択
上記のαβTCRの役割は、pHLA複合体の検出であり、TCR提示T細胞は、確立された免疫におけるそのT細胞の役割と密接な関係がある応答を高めることができる。個体において生じたαβTCRレパートリーは、特定のハプロタイプと関連して、多様性が実際に起こる前に遭遇する可能性が高い全ての外来抗原巨大予測できない多様性の理由であるはずである。この結果は、自己pHLAとの強い相互作用を回避するように特異的に教授されただけで特定されていないpHLA複合体を認識する能力を有して非常に多様で多数のαβTCRがある程度無作為化された様式で生じる背景に対して達成される。これは、胸腺選択と呼ばれるプロセスにおいてT細胞成熟中に注意深く調整される。
胸腺におけるT細胞成熟の第1の工程中に、十分な親和性をもって自己pHLA複合体と相互作用できないαβTCRを有するT細胞は、生存シグナルを奪われ、排除される。ポジティブ選択と呼ばれるこの工程により、正しいHLAに関連付けられて提示される外来又は変化したペプチドを少なくとも認識できる可能性があるTCRレパートリーを生存T細胞が確実に有することになる。その後、自己pHLAと強く相互作用し、よって自己免疫を駆動する能力を有するαβTCRは、ネガティブ選択のプロセスにより能動的に除去される。ポジティブ及びネガティブ選択のこの組合せは、末梢にある自己pHLAに対する低い親和性を有するαβTCRを有するT細胞だけをもたらす。これは、自己に制限されるが自己反応性ではないαβT細胞レパートリーを確立する。HLAハプロタイプに対するT細胞発生のこの高度に個別化された性質は、αβTCR-抗原-HLA相互作用の標準化された分析における困難を強調する。更に、これは、移植片拒絶及び移植片対宿主病の両方の基礎、並びに一個体において同定されるαβTCRが第2の個体において完全に異なる影響を有し得るという一般的な原理の基礎を形成し、このことは、実際の臨床において現れるTCRベース及びT細胞ベース治療及び診断方策について明確な意味を有する。

0011

非通常型αβT細胞
αβT細胞の非HLA拘束又は「非通常型」の形は、非常に異なる分子抗原標的を有する。これらの非通常型αβT細胞は、古典的HLA複合体を結合させないが、CD1ファミリー又はMR1のような保存されたHLA様タンパク質を結合させる。CD1ファミリーは、抗原交差提示に関与する4つの形(CD1a、b、c及びd)を含む。これらの細胞表面複合体は、HLAIによく似たα鎖を有し、これがβ2Mとヘテロ二量体を形成する。α鎖の膜から遠い表面で提示される小さい疎水性ポケットは、病原体由来脂質ベースの抗原のための結合部位を形成する。自然様NK T細胞(innate like NK T-cell;iNK T細胞)は、脂質/CD1ファミリー認識の最もよく理解された例であり、GEMT細胞は、別の顕著な例を表す。「I型」iNK T細胞は、CD1dに関連付けられた脂質α-GalCerと強く相互作用することが知られている。これらのiNK T細胞は、固定されたTCRα鎖(Vα10/Jα18)及び限定された数のβ鎖(制限されたvβ使用を有する)を有する非常に限定されたTCR多様性を示し、これらは、Toll様及びNod様レセプターのような自然の病原体関連分子パターン(PAMPS)認識レセプターになぞらえられている。これとは対照的に、「II型」NK T細胞は、より多様なTCRレパートリーを示し、より多様な形態のCD1d-脂質複合体結合を有するとみられる。GEM T細胞は、CD1bにより提示されるマイコバクテリア由来糖脂質を認識するが、CD1a、b及びcによる抗原提示並びにそれらのT細胞認識の分子的な詳細は、理解され始めたばかりである。
MAIT細胞は、インバリアントTCRα鎖(TRAJ33、TRAJ20又はTRAJ12とライゲーションされたTRAV1-2)を主に発現し、該鎖は、一連のTCRβ鎖と対形成できる。ペプチド又は脂質の代わりに、MAIT TCRは、HLAI様分子であるMR1により提示される病原体由来葉酸及びリボフラビンベースの代謝産物と結合できる。MAIT TCRについて観察されるTCRにおける限定されているが著しい多様性は、保存されたMR1に関連付けられた多様であるが相関する代謝産物の認識を可能にするとみられる。
非古典的HLA拘束αβT細胞TCRがどのようにして成熟中に胸腺において選択されるのか、よく理解されていない。しかし、上で概説したネガティブ及びポジティブ選択の基本的なプロセスが当てはまるようであり、胸腺内特殊化した適所においてこのことが生じることを示唆するいくらか証拠がある。

0012

γδT細胞
αβTCR発生及びpHLA結合の詳細な機械論的理解とは対照的に、抗原標的及びそれらのγδT細胞対応物の関係性については比較的ほとんど知られていない。このことは、循環細胞区画中のそれらの量が比較的低いことが理由の一つである。しかし、γδT細胞は、厳密にHLA拘束されないと広く考えられており、抗体と同様に、より自由に表面抗原を認識するとみられる。加えて、より最近では、γδT細胞は、外来抗原との免疫系の主な相互作用部位である上皮組織常在型T細胞区画を支配できることが認識されるようになってきている。更に、γδT細胞腫免疫監視及び調節不全になった自己のその他の形の監視機構についての様々な機序が文献において明らかにされ始めている。自然様及び適応γδT細胞の両方の特異的抗原標的は、まだほとんど定義されていないが、PAMP組織分布及び迅速な認識は、外来抗原に対する応答の初期及び適応免疫系がまだ成熟中の生命の初期の両方におけるγδT細胞の基本的な役割を示唆する。
γδT細胞の多様な機能は、異なるVγVδ遺伝子セグメント使用に基づくとみられ、γδT細胞が主にインバリアントTCRと一緒に、感染中の非常に初期にPAMPの自然様認識を媒介する2つの主なカテゴリーにおいて広く理解できる。PAMP以外に、これらのタイプのγδT細胞は、更に、細胞ストレス、感染及びおそらく腫瘍発生の非常に初期のサインを与え得るリン酸抗原を含む自己分子を認識すると考えられている。PAMP及びこのようないわゆる損傷関連分子パターン(danger associated molecular pattern;DAMPS)並びに多数の組織拘束自然様γδT細胞の認識は、これらの細胞が、予め活性化、ホーミング及びクローン増殖を必要とせず抗原負荷に対して迅速に応答するのに適していることを強く示唆する。

0013

γδT細胞の第2の形は、実際はより適応性があり、非常に多様性のγδTCRレパートリー及び末梢を循環してリンパ系組織直接アクセスする能力を有すると考えられている。このような抗原特異的γδT細胞は、CMVのような一般的なヒト病原体について記載されており、メモリー応答を形成するとみられる。しかし、γδT細胞は、活性化の後に比較的限定されたクローン性増殖のみを示し、末梢循環又は組織におけるTCR多様性及びγδT細胞の特異的応答の程度についてはほとんど利用可能なデータはない。更に、γδTCRはpHLA複合体と相互作用せず、よって、この状況においてペプチド抗原と結合しないと一般的に考えらえているが、γδT細胞の幾つかの抗原標的だけが特徴決定されており、根底にある分子フレームワークはわずかに理解されているだけである。

0014

末梢γδT細胞の頻度が低いこと及びヒトにおける組織常在性T細胞を研究することが困難であることのために、この重要で多様なタイプのT細胞がどのようにして適応免疫応答に参加するのかについての我々の知識が制限されてきた。この台頭してきた研究領域は、稀なγδT細胞を捕捉して特徴決定し、それらのTCR対を単離し、それらの同族抗原を同定する、より信頼できる技術を必要とする。

0015

抗原及び抗原提示細胞
T細胞及びTCRとの関係において、抗原は、TCRと結合でき、T細胞内のシグナル伝達をもたらす任意の分子と定義できる。最もよく特徴決定されているT細胞抗原は、HLAI及びHLAII複合体において提示され、通常型αβT細胞と結合するペプチドである。しかし、近年、非通常型αβT細胞及びγδT細胞が抗原として広範囲の生体分子、例えば脂質、リポペプチド糖ペプチド、糖脂質並びに一連の代謝産物及び異化産物を結合できることが明らかになってきた。更に、γδT細胞が、抗体様の様式で完全にフォールドされたタンパク質と直接結合できることが明らかになってきた。よって、T細胞抗原がHLAにより提示されるペプチドに主に拘束されるという視点は、過去20年間で、ほぼ全ての生体分子を含むように拡大されている。この概念を念頭に置いて、何を抗原提示細胞(APC)と考えることができるかを定義することが適切である。
抗原及び抗原提示細胞

0016

前出のセクションで定義したように、HLAI及びHLAIIは、細胞型全体にわたって共通点のない発現プロファイルを有する。ほぼ全ての有核細胞が細胞表面でHLAI複合体を提示し、よって、T細胞サンプリングのためにペプチド抗原を提示する能力があることが広く受け入れられている。これとは対照的に、HLAIIは制限された発現プロファイルを有し、少なくとも定常状態条件において、樹状細胞(DC)、マクロファージ及びB細胞を含む抗原提示の専門的な役割を有する細胞の表面でだけ発現される。これらの専門細胞型は、しばしばプロフェッショナルAPCと呼ばれる。この文書の目的のために、用語「APC」は、αβ又はγδT細胞によるサンプリングのために抗原を提示できる任意の有核細胞を表すために用いる。このような抗原は、特異的抗原提示複合体、例えばHLA及びHLA様分子において「カーゴ」として提示されるものに限定されないが、αβ又はγδTCR保有細胞と結合できる任意の細胞表面提示部分を含むことができる。

0017

TCRの治療への使用
初代T細胞の養子移入は、免疫不全患者ウイルス免疫を与えるために、ウイルス抗原に向かう、エクスビボで増殖させたT細胞をまず用いて、1990年代初期に臨床背景において初めて試験された。特定のがん抗原に対してエクスビボで増殖させた初代T細胞を用いる同様のアプローチが、そのすぐ後に悪性腫瘍処置において試験された。現在でも課題であり続けるこれらの初期のアプローチにおけるある限界は、治療製品において組成精細に最適化する必要性と対立する、T細胞の性質及び多様性についての理解の欠如である。現在、エクスビボで増殖させた初代T細胞の使用は、ウイルス抗原に対する特異性を有する初代T細胞を用いる一握りイニシアティブ以外は、製薬業界においてほぼあきらめられている。

0018

近年、遺伝物質を初代ヒト細胞に安定して導入する能力により、実験遺伝子改変細胞治療剤の種類が増えてきている。このような治療用細胞製品は、T細胞応答の力を利用し、T細胞特異性を疾患関連抗原標的、例えば悪性細胞によってのみ発現される抗原に向けなおすことを目的とする。これらは、実際のTCR鎖対ではなく、キメラ抗原レセプター(CAR)をレシピエントT細胞に移入することに主に頼っている。CARは、CD3-TCR機能を模倣する合成キメラレセプターを生成するための、シグナルレセプターエレメント、例えばCD3複合体のζ鎖にグラフトされた標的化部分(多くの場合、悪性細胞の表面発現タンパク質を標的にする一本鎖抗体エレメント)である。これらのいわゆるCAR T細胞(CAR-T)製品は、現在までに臨床試験においてまちまちの成功度を示しており、その可能性にもかかわらず、固有のユニークな分子標的を有する腫瘍、例えばB細胞悪性病変を超えて解釈することは容易ではない。代わりに、全長TCR鎖対ORFをT細胞に移入することについての興味が増えてきている。このようなTCRが操作されたT細胞治療剤は、困難な製造プロセスや、CAR-T製品と同様に、確認された抗原標的及び標的化構築物の欠如により現在制限されている。現在までに、悪性細胞上のHLAIにより提示されるペプチド抗原の認識のためのαβTCRの使用に焦点が当てられており、このアプローチの基本的な困難は、悪性細胞に特異的な抗原が必要であるということである。

0019

TCR-pHLA相互作用が比較的低親和性のものであるので、天然型TCRは、TCRが操作されたT細胞療法のために最適ではないようであると考えられている。幾つかのアプローチが、一本鎖抗体親和性成熟と同じ方法で、インビトロで親和性成熟TCRのために考案されている。これらのTCR親和性成熟アプローチも、一般的に、一方の鎖のV領域を別の鎖のV領域に融合させて単一ポリペプチド構築物を作製する一本鎖フォーマットを用いる。このような単一ポリペプチドを、次いで、抗体操ワークフローから適応させたファージ又は酵母ディスプレイシステムにおいて用いることができ、標的結合に基づく何回かの選択を経ることができる。このような一本鎖TCRアプローチにおいて、機能的TCR鎖対を得る点において2つの固有の限界が存在する。第一に、選択が標的との結合親和性に基づくことである。しかし、TCR親和性がTCRシグナル伝達出力の強さ又は能力と常に相関するわけではないことが十分に文書化されている。第二に、親和性に基づく一本鎖構築物の選択が、それらが全長レセプターとして一旦再構成されると、等価な親和性であると常に解釈されない。

0020

治療との関係において、親和性成熟化TCR対において更なる重要な限界が存在する。つまり、それらの配列が変更されたことを考慮すると、定義による得られた構築物はもはや胸腺選択に供されず、ここで、自己抗原と強く反応するTCRは、レパートリーから削除される。よって、これらの改変TCRは、自己反応性である固有の危険性を有し、この危険性を、現在の方法を用いてインビトロで除くことは非常に難しい。同じ理由により、治療用途のための選択されたか又は操作されたTCRはいずれも、個別化される必要がある。もしTCRが人工的に操作されるか又は天然型TCRが個体にわたって用いられるならば、破滅的な可能性がある自己免疫を回避するために、特定の各個体のHLAハプロタイプ及び提示されるペプチドレパートリーに基づいて交差反応性を除かなければならない。このことは、胸腺選択が、その所定の個体にのみ特異的な全ての利用可能なHLA分子の背景において行われるという事実のためである。このような交差反応性の可能性は不明である。しかし、我々のTCRレパートリーが、同じ種の他の個体のpHLA複合体を外来であると認識する能力は、適応免疫の基本的な特性であり、移植片拒絶及び移植片対宿主病を支持する。がん特異的黒色腫関連抗原(MAGE)に対する成熟TCR鎖対を用いる最近の臨床試験は、胸腺選択を迂回することの潜在的な問題に光を当てた。成熟TCRを有する自家T細胞を2名のがん患者に注入して戻したとき、これらの患者は、致命的な心臓疾患を迅速に発症した。その後の研究により、MAGE特異的成熟化TCRは、心臓タンパク質であるタイチンからのHLAIにより提示されるペプチドと交差反応性であったことがわかった。このことは、交差反応性は、TCRの治療への使用において別個の可能性であることを強く示唆する。

0021

TCRを治療目的のために利用するための別の達成手段は、抗体治療用物質とほぼ同じ方法でそれらを親和性反応剤として用いることにある。一本鎖TCR分子は、コンジュゲート薬物物質を特定のHLA-抗原発現細胞集団に送達するために試験されている。このようなアプローチは、一般的に、CAR-T又はTCRが操作されたT細胞療法より安全であると考えられている。なぜなら、薬物物質の投与を単純に撤回することができるからである。しかし、交差反応性の可能性及び予測困難なオフターゲット効果により、この背景における可能性のある限界がまだ存在する。

0022

臨床診断におけるTCRレパートリー検出
関連する観点において、臨床診断目的のために特定のTCR配列の量の検出を用いることに対する興味が増加している。特にディープシーケンシング法の台頭につれて、ある個体内の全体の、そして特定の関係におけるマッチするαβ対についての完全なTCR多様性を把握することが可能である。このことは、患者における疾患関連抗原に対する免疫応答の確立のための代理読み出しとして、増殖したT細胞クローンの量を単に検出することにより特定の状態及び疾患状態を診断するための手段になる可能性がある。しかし、このような包括的なアプローチは、確立された臨床タイムポイントを有する非常に強い免疫応答に現在のところ限定されており、配列決定により同定された任意の特定のTCRの特異的抗原標的を同定することの根底にある困難に苦しんでいる。

0023

T細胞抗原の治療及び診断のための使用
適応免疫応答を活用する基本的な強さは、TCR-抗原相互作用の精巧な特異性が、各病原体、がん細胞又は自己免疫疾患に特異的に関連する抗原についての詳細な知識を必要とするという中心的な技術的困難言い換えられる。更に、各抗原は、特異的抗原提示複合体又はそのアレレにより提示され得るので、抗原の発見は、関連する各HLA遺伝子及びアレレについて行わなければならない。強い適応免疫応答と関連し、保存されたエピトープ応答階層を一般的に示すHIVインフルエンザ及びCMVのような幾つかの感染性疾患について、最も重要なエピトープが、幾つかの一般的なHLAと関連付けられてマッピングされている。同様に、がん、アレルギー及び自己免疫の分野において、関連T細胞抗原をマッピングする系統的な試みが増えてきている。しかし、これらは、困難な手順であり、異なる臨床状況と関連するT細胞抗原を系統的に表す努力は、効率的で確固とした迅速で適応性のあるプロトコールが存在しないことにより妨げられている。
特に、がん細胞は、困難で重要な態様である。なぜなら、悪性細胞の表面で提示されるペプチドのほとんどは自己抗原であるか又は自己抗原に非常に類似しているからである。よって、胸腺選択は、これらのペプチドを強く認識しうるTCRを削除するであろう。それと同時に、腫瘍は免疫認識を逃れるように発展する。このことは、確立された腫瘍に対する有力な免疫応答が比較的稀であり、標的を予測又は発見することが難しいことを意味する。しかし、これらの応答は存在し、そして重要なことには、通常、よりよい結果と関連している。このような応答の標的、腫瘍関連抗原(TAA)は、ほとんどの場合、自己からの区別可能な特徴を有し、がん発展中に過剰発現されるか、発展のこの段階では細胞型に存在しないか、又は遺伝子変異若しくは翻訳後改変、例えばリン酸化により特異的に変更されたタンパク質に由来する。

0024

利用可能な場合、このようなエピトープの知識により、基礎的な発見、診断目的のため及び例えばワクチン効力の試験として関連するT細胞応答を調べることが可能になる。重要なことに、これらは、アレルギー及び自己免疫におけるT細胞寛容化のための高度に特異的な標的と、重大なことに、特異的免疫療法のため及び悪性細胞に対抗する価値のある標的に向かう点とを提供する。悪性病変は、細胞免疫療法の有望性として特に価値のある標的であり、T細胞操作における進展は、がんのタイプについての特異的マーカーがたまたま利用可能である幾つかの場合を超える確認された標的TAAの欠如により遅くなる。
細胞療法の可能性及び確認された標的の欠如に鑑みて、見込のあるTCR抗原の同定は、いまだに、特に癌を処置するための努力におけるTCRに基づく免疫療法の最も急を要する障害の一つである。

0025

TCR及びT細胞抗原分析の技術的観点
全体として、TCRに基づく療法の発展はまだその初期段階であり、限定された成功しかしていない。とてつもない可能性があるが、診断的アプローチは、患者の疾患状態又は療法に対する応答を評価することを目的とする比較臨床研究においてほとんど実施されていない。天然型TCR鎖対の安定した捕捉と、高スループットにて細胞同士のコミュニケーションの機能的関係におけるTCR-抗原相互作用の系統的な分析とについて十分に発展していない技術は、TCRに基づく療法及び診断の発展のための主な障害である。

0026

ディープシーケンシングアプローチにより、健常及び疾患におけるT細胞レセプター多様性についての理解が改善されている。しかし、これらのアプローチは、主にTCRβ鎖のCDR3領域にわたる短い区間に一般的に焦点を当てている。ほとんどの研究は、TCRα鎖の寄与を無視しており、対合したαβ鎖及び興味の対象と決定されたTCRの抗原特異性を分析しようとしたものはほとんどない。単細胞封入及び遺伝子バーコーディングを用いる最近のワークフローにより、天然型TCRαβまたγδ鎖対の対形成及び全長配列の分析が可能になっているが、このようなワークフローは、まだ実験段階である。

0027

単離TCR鎖対は、生物物理学的又は機能的形態のいずれかで抗原特異性の点で分析できる。生物物理学的分析は、TCR及び分析物抗原の両方を可溶形で組換え生成することを必要とする。HLA拘束TCRの場合、このことは、よって、全ての個別のTCR及び同族pHLA複合体の生成を必要とするであろう。このことは、技術的に非常に困難であり、遅くてスループットが低い。更に、このような分析は、相互作用親和性のみを与え、これは予測可能な様式での機能的特徴との関連が低い。
最近まで、細胞との関係での単離TCR配列の詳細な機能解析は、初代T細胞又は不死細胞株への分析物TCR鎖対のトランスフェクションと、細胞活性化の伝統的なフローサイトメトリ分析による細胞応答の検出又は抗原負荷の際のトランスフェクションされた細胞から分泌される因子の検出という面倒なプロトコールにより制限されてきた。Guoらによる最近の発表において、単細胞からの対形成したTCR鎖の迅速なクローニング、発現及び機能的特徴決定が報告された(Molecular Therapy - Methodsand clinical development (2016) 3:15054)。この研究では、分析物ヒトαβTCR対を、αβTCR発現が欠如したレポーター細胞株で発現させているが、これは、TCR刺激の際に活性化されるNur77プロモーターと連結した緑色蛍光タンパク質(GFP)レポーター系を含んでいた。この系は、レポーター細胞株ゲノムへの標準化されたTCR組込みの欠如のために、まだ非効率であり、APCエレメントによる細胞に結合した抗原負荷のための系統的な方法を提供しない。

0028

既知のT細胞抗原に対するTCRの同定についてのワークフローと同様に、健常及び疾患における新規なT細胞抗原のデノボ発見は、まだ非常に困難である。ほとんどのアプローチは、いまだに実際は生物物理学的であり、免疫化プロトコールにおいて試験しようとする候補抗原を、又は上記のように同族TCRの同定により生成することを狙いとする。T細胞抗原発見の分野における標準化はほとんど又は全く存在せず、この分野は、ほとんど学術研究に限定されている。

0029

治療及び診断のための使用の両方においてTCR及びそれらの同族に対する興味の蓄積、並びに著しい数の天然型TCRαβ及びγδ鎖対を捕捉する手段の出現につれて、TCR-抗原相互作用の系統的解析のための信頼できる高スループットで標準化された技術がまだ欠如している。重要なことに、TCR及び抗原が共に生細胞により提示される細胞間コミュニケーションの天然の状況におけるTCR鎖対の機能解析のための標準化されたシステムが欠如している。更に、細胞間コミュニケーションの関連する状況におけるTCR候補の選択及び/又はTCR鎖対の親和性成熟を達成できるシステムが欠如している。

発明が解決しようとする課題

0030

記載したように、天然型の細胞状況で発現されるTCR対を有する細胞の高スループット作製のための標準化された技術を現在欠いている。全長TCR対を単一コピーとしてTCR提示細胞のゲノム中に挿入し得、その結果、前記TCRが分析及び選択のために天然型CD3細胞表面複合体で提示されるシステムを有することは非常に望ましい。CD3複合体により提示されるTCR対は、親和性分析が、単鎖TCR及び他の非天然型TCRディスプレイ技術の場合ではない、実際の天然型TCR組成を反映するものであることを確実にする。更に、生存細胞におけるCD3複合体でのTCR対の提示は、TCR対の機能的分析に絶対的に必要なことである。機能的分析(TCRシグナル伝達出力の分析を意味する)は、TCR選択及び遺伝子操作ワークフロー(シグナル出力が、一般に、細胞治療薬に関する使用に最も重要なパラメーターである)において決定的に重要であり、他のディスプレイプラットフォームで決定されるように、同族抗原/HLAとのTCRの親和性と十分に相関付けられていない。

課題を解決するための手段

0031

発明の詳細な説明
本発明は上記の必要性に取り組むものである。詳細には、本発明は、TCR及びT細胞抗原の発見及び特徴決定のための遺伝子操作された二部構成細胞デバイスの構築及び使用に関する。細胞デバイス全体の2つの部分は、デバイス動作時に互いに接触する別異の遺伝子操作された細胞タイプで構成される。デバイスは、被分析物抗原に対する被分析物TCRの応答性の標準化された機能的分析に使用される。この応答性の読み出しは、TCR、T細胞抗原の同定及び選択、並びにTCR/抗原相互作用の詳細な機能的特徴決定に使用される。デバイスは、第1の細胞集団、eAPCシステム(eAPCS)を用いて作製される遺伝子操作された抗原提示細胞(eAPC)により被分析物抗原を提示する。デバイスは、第2の細胞集団、eTPCシステム(eTPCS)を用いて作製される遺伝子操作されたTCR提示細胞(eTPC)により被分析物TCRを提示する。

0032

本発明の二部構成デバイスは、高度の標準化、再現性を可能にし、被分析物TCR及びT細胞抗原コレクションの複雑性を決定的に制限する特徴を含む。主として、この標準化は、規定され高度に制御された、被分析物抗原提示複合体及び抗原のeAPCのゲノムへの組込み及びTCRのeTPCのゲノムへの組込みにより達成される。このことは、被分析物細胞集団を作製する迅速なサイクル時間を可能にし、現行ランダム-組込み及びウイルスベクタープラットフォームのコストを大きく低下させる。更に、本発明は、細胞-ベースの被分析物アレイの作製をeAPC-及びeTPC-中心様式で可能にする。このことは、大きなベクターライブラリーを細胞集団に組み込むことができ、単一被分析物を発現する細胞のライブラリーとしてアッセイすることができることを意味する。eAPC及びeTPCのゲノムに遺伝子操作されにより導入された単一コピーゲノム受容部位がこのことを達成し、その結果、マッチしたドナーベクター内のORF(HLAについては、抗原又はTCR鎖)により提供されるとき、単一コピーのORFのみがベクタープールから組み込まれることが可能である。このことは、ベクタープールが混合アイデンティティーのORFを含む場合、各細胞が単一アイデンティティーを組み込まれており;バクテリオファージのような他のディスプレイプラットフォームに適合する細胞-ベースのアレイが作製されることを意味する。この高レベルの標準化及び複雑性の低減は、初代又は不死化細胞培養物、拡大増殖及び出力を達成する内因性シグナル伝達応答を用いる現行の方法又はAPC-又はT細胞-中心入力の部分的システム化とは対照的である。重要なことには、二部構成の遺伝子操作された細胞デバイスにより、本発明は、細胞-細胞コミュニケーションの状況で関連する機能的応用の標準化を達成する。このことは、インビボ効果予想能力の増大により、新たなTCR及びT細胞抗原候補の発見及び臨床試験の時間及び費用を低減させるために決定的に重要である。

0033

本発明は、第1の部分が遺伝子操作された抗原提示細胞システム(eAPCS)であり、第2の部分が遺伝子操作されたTCR提示細胞システム(eTPCS)である二部構成デバイスの提供及び動作に関する。全体として、このデバイスは、2つの別タイプの遺伝子操作されたヒト細胞で構成される、T細胞抗原のTCR認識の機能的分析のための多細胞分析システムである。このデバイスの一次出力は、被分析物抗原又は被分析物TCRを発現する細胞であり、これを用いて、それぞれ特異的T細胞抗原又はTCR配列としてのデバイスの終端出力を決定し得る(図1)。

0034

二部構成デバイスは、
i.第1相、被分析物抗原及び被分析物TCRを有する細胞集団の作製、及び2つの被分析物細胞集団を接触させる組合せシステムへのそれらの組立
ii.第2相、デバイスの出力を得るための、組合せシステムの接触された細胞集団のいずれかに固有の応答の読み出し
を含む2つの相で作動する。ここで、eAPCS及びeTPCSはそれぞれ、eAPC:eTPC組合せシステムに組み立てられる被分析物eAPC及びeTPC集団を作製する手段を提供する(図1、工程 i及びii)。
eAPCSは、eAPC:eTPC組合せシステムに提供される種々の形態の被分析物eAPC集団を作製するシステムとして定義される。ここで、被分析物eAPC集団は、以下
i.eAPC-p
ii.eAPC-a
iii.eAPC-pa
iv.それらのライブラリー
の1つとして定義され、eAPC:eTPC組合せシステムへの入力被分析物eAPC集団の選択は、デバイスの動作の対象である抗原の性質により決定される。すなわち、eAPC:eTPCシステムへの組合せに必要とされるeAPC集団は、必要とされるデバイスの一次出力及び/又は必要とされるデバイスの終端出力により定義される(図1、工程i)。

0035

eTPCSは、eAPC:eTPC組合せシステムに提供される被分析物eTPC集団を作製するシステムとして定義される。ここで、被分析物eTPC集団は、以下
i.eTPC-t
ii.eTPC-tのライブラリー
の1つとして定義され、eAPC:eTPC組合せシステムへの入力被分析物eTPC集団の選択は、デバイスの動作の対象であるTCRの性質により決定される。すなわち、eAPC-eTPCシステムへの組合せに必要とされるeTPC集団は、必要とされるデバイスの一次出力及び/又は必要とされるデバイスの終端出力により定義される(図1、工程ii)。
デバイスの一次出力は、選択された細胞集団であり、これは、eAPC:eTPCシステムに提供された相互関係性細胞により提示される被分析物に対して応答したものであってもしなかったものであってもよい。すなわち、この一次出力は、eAPC:eTPC組合せシステム内で報告される応答の存否に基いて選択された単一細胞又は細胞プールとして表し得る(図1工程v)。被分析物eAPC内の応答は、接触するeTPCにより提示される同族TCRの結合によってのみ誘発される。被分析物eTPC内の応答は、接触するeTPCにより提示される同族抗原の結合によってのみ誘発される(図1工程iv)。

0036

eAPC:eTPC組合せシステムからの被分析物eAPC及び/又は被分析物eTPCの選択は、接触する細胞における応答に基いてなされてもよい。すなわち、被分析物eAPCは、接触する被分析物eTPCにおける、報告される応答又はその欠如に基いて選択されてもよい。逆に、被分析物eTPCは、接触する被分析物eAPCにおける、報告される応答又はその欠如に基いて選択されてもよい。
デバイスの一次eAPC出力は、選択された細胞であり、選択は、報告されるシグナル応答の存否に基いてなされ、これら細胞は以下
i.eAPC-p
ii.eAPC-a
iii.eAPC-pa
の1又は2以上を含み、選択された細胞は、単一細胞、同じアイデンティティの細胞プール又は異なるアイデンティティの細胞プールを含んでよい(図1工程v)。
デバイスの一次eTPC出力は選択された細胞であり、選択は、報告されるシグナル応答の存否に基いてなされ、これら細胞はeTPC-tを含み、選択された細胞は、単一細胞、同じアイデンティティの細胞プール又は異なるアイデンティティの細胞プールを含んでよい(図1工程v)。
二部構成細胞デバイスが作動していとき、作製されeAPC:eTPCシステムに組み合わされる被分析物細胞集団の選択は、eAPC及びeTPC集団の各々が存在する被分析物の性質により決定される。

0037

eAPC-pは、抗原提示複合体(aAPX)を細胞表面に発現するものとして定義される。aAPXは積荷分子(CM)が抗原積荷として積載されていてもよい。抗原積荷が積載されたaAPXはaAPX:CM複合体として定義される。
eAPC-aは、被分析物抗原分子(aAM)を発現するものとして定義される。このaAMは細胞表面に提示されていてもよいし、及び/又は細胞内で発現若しくはプロセシングされてもよく、aAPXに積載されていてもよい積荷aAMを表す。
eAPC-paは、aAPX及びaAMを発現するものとして定義される。aAMは細胞内で発現又はプロセシングされてもよく、aAPXに積載されていてもよい積荷aAMを表す。よって、APC-paは、aAPXを細胞表面で発現するが、発現したaAMを積荷としてaAPXに積載していてもよい。これはaAPX:aAM複合体として定義される。eAPC-paは、aAMを積荷としてaAPXに積載してaAPX:aAM複合体を形成しないこともある。更に、生物学的システムの性質に起因して、aAPX:CM複合体もaAPC-paに存在することは不可避である。
eTPC-tは、CD3と複合体化したTCR表面タンパク質(TCRsp)として発現される被分析物TCR鎖対をプロセッシングするものとして定義される。ここで、CD3は、TCRヘテロ二量体対が提示される表面複合体を表し、3つの二量体(εγ、εδ、ζζ)として相補性TCR鎖対と結合するε、γ、δ及びζサブユニットを有するものとして定義される。CD3及び相補性TCR鎖対の発現は、細胞表面での提示に必要であり、よって、TCR又はCD3のいずれかの発現がなければ、それらの細胞表面での提示が妨げられる。eTPC-tの作製において、αβ若しくはγδ TCR対及び/又はCD3の発現はポジティブ選択として利用される。したがって、eTPC-tの作製に用いるTCR α、β、γ又はδ鎖の組合せの性質にかかわらず、相補性TCR鎖対がCD3と複合体化して細胞表面に提示される細胞のみを、eTPC-tと呼ぶ。

0038

上記一次出力は全て、eAPC:eTPC組合せシステムにおける報告される応答に基いてなされる選択に由来する細胞集団である。各被分析物eAPCは、可能性のある被分析物抗原、固有の積荷分子及び/又は被分析物抗原提示複合体のセットを提示する一方、eTPCは被分析物TCRspを提示する。選択された被分析物分子終端デバイス出力として取得され得るのは、選択された細胞からである(図1、工程vi)。
eAPC-pは、aAPXを細胞表面で提示するものとして定義され、aAPX:CM複合体を細胞表面で提示してもよい。よって、eAPC:eTPC組合せシステムから報告される応答に基いて選択されるeAPC-pは、aAPX、CM及び/又はaAPC:CM終端デバイス出力を決定するために用いられてもよい。ここで、これら出力アイデンティティーは、決定した被分析物抗原が、eAPC:eTPC組合せシステムにおいて選択されたeAPC-pと接触させられる被分析物eTPC-tにより提示される被分析物TCRspと複合体を形成し、及び/又は該被分析物TCRspにより刺激されるシグナル応答を報告する能力に基いて選択されたものである。
eAPC-aは、aAMを細胞表面又は細胞内で提示するものとして定義される。よって、eAPC:eTPC組合せシステムから報告される応答に基いて選択されるeAPC-aは、aAM終端デバイス出力を決定するために使用し得る。ここで、この出力アイデンティティーは、決定した被分析物の、eAPC:eTPC組合せシステムにおいて、選択されたeAPC-aと接触した、被分析物eTPC-tにより提示される被分析物TCRspと複合体を形成し、及び/又は該被分析物TCRspにより刺激されるシグナル応答を報告する能力に基いて選択される。

0039

eAPC-paは、aAPX、aAM、aAPX、aAPX:aM又はaAPX:CMを細胞表面に提示するものとして定義される。よって、eAPC:eTPC組合せシステムから報告される応答に基いて選択されるeAPC-paは、aAM、aAPX、aAPX:aM及び/又はaAPX:CM終端デバイス出力を決定するために使用され得る。ここで、この出力アイデンティティーは、決定した被分析物の、eAPC:eTPC組合せシステムにおいて、選択されたeAPC-paと接触した、被分析物eTPC-tにより提示される被分析物TCRspと複合体を形成し、及び/又は該被分析物TCRspにより刺激されるシグナル応答を報告する能力に基いて選択される。
上記のように、被分析物eAPCの選択は、接触するeTPCにおいて報告される応答に基いてなされ得る。したがって、eTPCSへのTCRsp入力が被分析物eTPC-tの作製前に既知である場合、eAPC-p、eAPC-a及びeAPC-paのいずれも、TCRsp出力を間接的に取得するために使用され得る。
本発明に関して、eTPC-tは、TCRspを提示するものとして定義される。よって、eAPC:eTPC組合せシステムから報告される応答に基いて選択されるeTPC-tは、TCRsp終端デバイス出力を決定するために使用され得る。ここで、この出力アイデンティティーは、決定した被分析物TCRspの、eAPC:eTPC組合せシステムにおいて、選択されたeTPCと接触した、被分析物eAPCにより提示される被分析物抗原と複合体を形成し、及び/又は該被分析物抗原により刺激されるシグナル応答を報告する能力に基いて選択される。
上記のように、被分析物eTPCの選択は、接触するeAPCにおいて報告される応答に基いてなされ得る。したがって、eAPCSへの被分析物抗原入力が被分析物eAPCの作製前に既知である場合、eTPCは、被分析物抗原出力aAM、aAPX、aAPX:aM及び/又はaAPX:CMのいずれもを間接的に取得するために使用され得る。

0040

eAPCSの説明
上記のように、本発明は、各部分が遺伝子操作された細胞システムである二部構成細胞デバイスの提供に関する。第1の遺伝子操作された細胞システムは、デバイス内での二部構成eACP:eTPCシステムへの組合せのための被分析物eAPCを作製するために用いられる、遺伝子操作された多成分eAPCSである。
小形態のeAPCSは、第1の成分が、ゲノム受容部位としての第2の成分(成分B)及び遺伝子ドナーベクターとしての第3の成分(成分1Cと呼ぶ)を含むeAPC(成分1Aと呼ぶ)である多成分システムである(図2)。
eAPCは、本システムの他の全ての成分が関係する、eAPCSの基本成分である。したがって、eAPCは、天然型であるか又は操作された或る特徴を含み、この特徴により、eAPCは、eAPCS及び二部構成組合せデバイスの両方における使用に適切とされる。

0041

本発明に関して、eAPC(成分1A)は、
i.aAPX及び/又はaAMの少なくとも1つのファミリーの内因性表面発現を欠き、
ii.少なくとも1つのゲノム受容部位(成分1Bと呼ぶ)を含有し、
ここで、i)は、aAPX及び/又はaAMの発現を欠く天然に存在する細胞集団の選択により得てもよいし、又は当該発現を欠くように遺伝子操作されていてもよく、ii)は、合成のものであってもよいし、特異的若しくは非特異的なゲノム組込みにより導入されていてもよい。

0042

天然に存在する細胞集団からの所望のaAPX及び/又はaAM発現を欠くeAPC細胞候補の選択は、当該技術において周知の方法により達成できる。このことは、eAPCからの欠如が望ましいaAPX及び/又はaAMに特異的な親和性反応剤を用いる標的細胞の染色、並びに標的aAPX及び/又はaAM発現を欠く細胞の選択により直接達成してもよい。
aAPX及び/又はaAM発現を欠くように細胞を遺伝子操作することは、非標的化又は標的化手段により達成してもよい。細胞の非標的化変異誘発は、細胞に化学的放射線学的又はその他の変異原を提供し、次いで、標的aAPX及び/又はaAM発現を欠く細胞を選択することにより達成できる。ゲノム遺伝子座の標的化変異は、限定されないが:
i.ジンクフィンガーヌクレアーゼ
ii.CRISPR/Cas9媒介ターゲティング
iii.合成転写アクチベーターエフェクターヌクレアーゼ(TALEN)
による部位特異的変異誘発を含む異なる手段により達成でき、
ここで、前記部位特異的ヌクレアーゼは、標的遺伝子座で部位特異的DNA修復エラー変異誘発(また、非相同端部連結としても知られる)を誘発して、その後、変異細胞を、標的aAPX及び/又はaAM発現を欠く細胞の選択により得る。

0043

成分1A(eAPC)は、必要に応じて、追加のT細胞共刺激レセプターを含んでもよい。この特徴により、被分析物eAPCと被分析物eTPCとの強固な又は変化する形態のコミュニケーションが可能となり、整調可能なコミュニケーションは、特異的被分析物TCRsp及び/又は被分析物抗原の同定又は特徴決定に適切である。本発明に関して、eTPCでの異なる形態のCD28ライゲーションは、1又は2以上のCD80、CD86及び/又は更なるB7ファミリータンパク質を含むことにより促進され得る。
成分1A(eAPC)は、必要に応じて、細胞表面接着分子成分の導入又は内因性細胞表面接着分子の除去を更に含んで、それぞれ、被分析物eTPCとのeAPCの結合及び免疫シナプスの形成を促進し、又はeAPC:eTPC組合せシステム内での堅固な結合及び有害な細胞クラスタリングの形成を回避してもよい。成分1Aに追加のORFとして導入され得るか又は成分1Aから遺伝子除去され得る接着分子は、接着タンパク質インテグリンファミリーから選択できる。
eAPCは、、必要に応じて、抗原をプロセスし、天然型のプロセシング及び積載(loading)機構により積荷(cargo)としてaAPXに積載する能力を有していてもよい。抗原をプロセスし、天然型のプロセシング及び積載機構により積荷としてaAPXに積載する能力を有するeAPCはまた、eAPC又は(eAPCを含む)培養系に対して内因性である積荷分子(cargo molecule;CM)をプロセスし、積載する能力も有する(CMが積載されているaAPXをaAPX:CM複合体と呼ぶ)。

0044

最小多成分eAPCSの第2の成分は、少なくとも1つのaAPX及び/又はaAMをコードする少なくとも1つのORFの組込みのために用いられる遺伝子ドナーベクター(成分1C)である(図2)。
成分1Cは、eAPC(成分1A)のゲノム内に含まれる成分1Bのゲノム受容部位とカップリングされている遺伝子ドナーベクターである。成分1Cは、遺伝子ドナーベクターにコードされる、aAPX及び/又はaAMをコードする1又は2以上のORFのゲノム受容部位(成分1B)への組み込みのために設計されている。ここで、この組込みは、標的eAPCによるaAPX及び/又はaAMの発現をもたらす。
本発明に関して、対をなす遺伝子ドナーベクター及びゲノム受容部位は組込みカップルとも記載される。
大形態の多成分eAPCSにおいて、成分1A(eAPC)は、第2の遺伝子ドナーベクター(成分1Eと呼ぶ;これもまた本システムに追加される)とカップリングされた第2のゲノム受容部位(成分1Dと呼ぶ)を更に含んでいてもよい(図3)。
多成分eAPCSは、1又は2以上の追加の組込みカップルを更に含んでなってもよい。

0045

eAPC及び1又は2の組込みカップルを含んでなる多成分eAPCSは、誘導体eAPC形態:
i.eAPC-p
ii.eAPC-a
iii.eAPC-pa
の製造に用いられ、ここで、各遺伝子ドナーベクターは、1又は2以上のaAPX及び/又はaAMをコードする1又は2以上のORFを含み、該ORFをカップリングされたゲノム受容部位に組み込むためのものであってもよく、i)は少なくとも1つのaAPXを発現し、ii)は少なくとも1つのaAMを発現し、iii)は少なくとも1つのaAPX及び少なくとも1つのaAMを発現する(図4)。
遺伝子ドナーベクター及びゲノム受容部位は、eAPCSの組込みカップルサブシステムとして働く。遺伝子ドナーベクターは、先ず、標的ORFと組み合わされなければならず、ここで、基本ドナーベクターが当該標的ORFをコードするようになる。次いで、組立てられて準備が整ったドナーベクターは、標的ORFをゲノム受容部位と交換するために標的eAPCに導入され、よって、標的ORFが、標的細胞のカップリングされた受容部位に組み込まれる(図5)。

0046

遺伝子ドナーベクター成分1C及び/又は1Eを含んでなる多成分eAPCSは、成分1C'及び/又は1E'が得られるように、少なくとも1つのaAPX及び/又はaAMをコードする少なくとも1つのORFと組み合わされてもよい。ここで、組合せは、遺伝子ドナーベクターの正しいコーディングフレームへの正しい配向での、遺伝物質のライゲーションとして定義される。
遺伝子ドナーベクター1C及び/又は1Eへの1又は2以上のORFの組合せは、独特なORFのライブラリーを用いて、
i.複数のORFをコードする1C'及び/又は1E'ベクターの別個のライブラリーを得るための別個の反応
ii.複数のORFをコードする1C'及び/又は1E'ベクターのプールされたライブラリーを得るための単一反
として複数回行なってもよい。ここで、別個のライブラリーは、独特なaAPX及び/又はaAMをコードする独特なORFを有するeAPCの別個のライブラリーが得られるように、成分1Aと複数回組み合わされてもよく、プールされたライブラリーは、独特なaAPX及び/又はaAMをコードする独特なORFを各々が有するeAPCのプールされたライブラリーが得られるように、成分1Aと単一事象として組み合わされてもよい。
ゲノム受容部位への予測可能なコピー数の1又は2以上のORFの効率的組込みは、被分析物eAPC集団が迅速に調製及び特徴決定され得る標準化eAPCの動作のために非常に有利である。よって、ゲノム受容部位及びカップリングされたドナーベクターはeAPCの機能に重要である。更に、eAPCを、成分1B及び1Dが互いに隔離されてドナーベクター成分1Cが成分1Bで組み込まれず、その逆も同様であるようにすることが非常に望ましい。加えて、成分1B及び/又は成分1Dが、被分析物抗原の導入が迅速で反復可能であり、aAPX及び/又はaAMの所望のコピー数での正しい組込み及び送達の可能性が高いeAPCの作製方法に適することも望ましい。

0047

ゲノム受容部位は、以下:
i.リコンビナーゼ媒介カセット交換(RMCE)用に設計された合成構築物
ii.部位特異的相同組換え用に設計された合成構築物
iii.部位特異的相同組換え用の天然型ゲノム部位
から選択され得、ここで、i)が好ましい。RMCE法は、各成分1B及び1Dが隔離された特異性を有するように、個別のリコンビナーゼ酵素に特異的である選択された異種特異的部位を採用してよい。
本発明に関して、ゲノム受容部位である成分1B及び/又は成分1Dは、以下の遺伝子エレメント
i.異種特異的リコンビナーゼ部位
ii.相同性アーム
iii.真核生物プロモーター
iv.真核生物条件付き調節エレメント
v.真核生物ターミネーター
vi.選択マーカー
vii.スプライスアクセプター部位
viii.スプライスドナー部位
ix.非タンパク質コーディング遺伝子
x.インスレーター
xi.可動遺伝子エレメント
xii.メガヌクレアーゼ認識部位
xiii.内部リボソーム進入部位(IRES)
xiv.ウイルス性自己切断ペプチドエレメント
xv.コザックコンセンサス配列
の少なくとも1つを含んでなる。

0048

好ましいゲノム受容部位は、以前に記載したエレメントのリストからの以下の選択されたエレメントを用いる2つの異なる配置で構成される。第1の配置は、RMCE組込みにより、1又は2以上のaAPX及び/又は1又は2以上のaAM鎖及び/又は組込みの選択マーカーをコードする単一ORFを受容するためのものであり、ここで、該配置は
5'-[A] [B] [C] [D] [E] [F]-3'
であり、ここで、
A)は、エレメントiii)構成性又は誘導性真核生物プロモーターであり、
B)は、エレメントi)異種特異的リコンビナーゼ部位1であり、
C)は、エレメントxv)コザックコンセンサス配列であり、
D)は、エレメントvi)FACS及び/又はMACS適合性コード化タンパク質マーカーであり、
E)は、エレメントi)異種特異的リコンビナーゼ部位2であり、
F)は、エレメントv)真核生物ターミネーターである。

0049

第2の配置は、RMCE組込みにより、1又は2以上のaAPX及び/又は1又は2以上のaAM及び/又は組込みの選択マーカーをコードする2つのORFを受容するためのものであり、ここで、該配置は:
5'-[A] [B] [C] [D] [E] [F] [G] [H] [I]-3'
であり、ここで、
A)は、エレメントiii)構成性又は誘導性真核生物プロモーターであり、
B)は、エレメントi)異種特異的リコンビナーゼ部位1であり、
C)は、エレメントxv)コザックコンセンサス配列であり、
D)は、エレメントvi)FACS及び/又はMACS適合性のコード化タンパク質マーカー1であり、
E)は、エレメントv)真核生物二方転写ターミネーターであり、
F)は、エレメントvi)FACS及び/又はMACS適合性コード化タンパク質マーカー2であり、
G)は、エレメントxv)コザックコンセンサス配列であり、
H)は、エレメントi)異種特異的リコンビナーゼ部位2であり、
I)は、エレメントiii)構成性又は誘導性真核生物プロモーターであり、
更に、この第2の配置において、エレメントF、G及びIは、アンチセンス方向にコードされる。

0050

成分1C及び/又は1Eは、以下の遺伝子エレメント:
i.異種特異的リコンビナーゼ部位
ii.相同性アーム
iii.真核生物プロモーター
iv.真核生物条件付き調節エレメント
v.真核生物ターミネーター
vi.選択マーカー
vii.スプライスアクセプター部位
viii.スプライスドナー部位
ix.非タンパク質コーディング遺伝子
x.インスレーター
xi.可動遺伝子エレメント
xii.メガヌクレアーゼ認識部位
xiii.内部リボソーム進入部位(IRES)
xiv.ウイルス性自己切断ペプチドエレメント
xv.コザックコンセンサス配列
xvi.組込みの選択マーカー
xvii.抗生物質耐性カセット
xviii.細菌性複製起点
xix.酵母複製起点
xx.クローニング部位
の少なくとも1つで構成される。

0051

遺伝子ドナーベクターの好適な実施形態において、成分1C及び/又は成分1Eは、以前に記載したエレメントのリストからの以下の選択されたエレメントを用いる2つの異なる、可能性のある配置で構成される。
第1の配置は、RMCE組込みによる、1又は2以上のaAPX及び/又は1又は2以上のaAM及び/又は組込みの選択マーカーをコードする単一ORFの送達のためのものであり、ここで、該配置は
5'-[A] [B] [C] [D] [E]-3'
であり、ここで、
A)は、エレメントi)異種特異的リコンビナーゼ部位1であり、
B)は、エレメントxv)コザックコンセンサス配列であり、
C)は、エレメントxx)1又は2以上のaAPX及び/又は1又は2以上のaAM及び/又はエレメントxvi)組込みの選択マーカーをコードする単一ORFのクローニング部位であり、
D)は、エレメントi)異種特異的リコンビナーゼ部位2であり、
E)は、非特異的配向でのエレメントxvii)抗生物質耐性カセット及びエレメントxviii)細菌性複製起点であり、
更に、エレメントviii及び/又はxivを、複数のaAPX及び/又は1又は2以上のaAM及び/又はエレメントxviを一緒に連結するために用いてよい。

0052

第2の配置は、RMCE組込みによる、1又は2以上のaAPX及び/又はaAM及び/又は組込みの選択マーカーをコードする2つのORFの送達のためのものであり、ここで、該配置は:
5'-[A] [B] [C] [D] [E] [F]-3'
であり、ここで、
A)は、エレメントi)異種特異的リコンビナーゼ部位1であり、
B)は、エレメントxv)コザックコンセンサス配列であり、
C)は、1又は2以上のaAPX及び/又は1又は2以上のaAM及び/又はエレメントxvi)組込みの選択マーカーをコードし、真核生物のターミネーターを有する2又は3以上のORFの導入のためのクローニング部位であり、
D)は、エレメントxv)コザックコンセンサス配列(アンチセンス方向)であり、
E)は、エレメントi)異種特異的リコンビナーゼ部位2であり、
F)は、非特異的配向でのエレメントxvii)抗生物質耐性カセット及びエレメントxviii)細菌複製起点であり、
更に、エレメントviii及び/又はxivを、複数のaAPX及び/又はaAM及び/又はエレメントxviを各ORF内で一緒に連結するために用いてよい。

0053

eAPCSにおける被分析物eAPC集団の作製
上記eAPCSシステムは、二部構成デバイスの動作中に、eAPC:eTPC組合せシステム内で、eTPCに被分析物aAPX、aAM、aAPX:aAM及びaAPX:CMを提示するように働く、別異の形態の被分析物eAPC又はそのライブラリーを作製するために複数の様式で用いてもよい。
単一組込みカップルを含んでなるeAPCSは、aAPXのORFと組み合わされた成分1C'を提供することにより、eAPC-pを成分1Aから一工程で作製するために用いてもよい。このaAPXは部位1Bに組み込まれ、成分1B'が作製される。得られる細胞株は提供されたaAPXを発現し、aAPXは細胞表面に提示される(図6)。
2つの組込みカップルを含んでなるeAPCSは、aAPXのORFと組み合わされた成分1C'を提供することにより、eAPC-pを成分1Aから一工程で作製するために用いてもよい。このaAPXは部位1Bに組み込まれ、成分1B'が作製される。得られる細胞株は提供されたaAPXを発現し、aAPXは細胞表面に提示される。第2の組込みカップル1D/1Eは非改変のままであり、下流の組込み工程に用い得る(図7)。
単一組込みカップルを含んでなるeAPCSは、aAMのORFと組み合わされた成分1C'を提供することにより、eAPC-aを成分1Aから一工程で作製するために用いてもよい。このaAMは部位1Bに組み込まれ、成分1B'が作製される。得られる細胞株は提供されたaAMを発現し、aAMは細胞表面に提示されるか、又は細胞内に保持される(図8)。
2つの組込みカップルを含んでなるeAPCSは、aAMのORFと組み合わされた成分1C'を提供することにより、eAPC-aを成分1Aから一工程で作製するために用いてもよい。このaAMは部位1Bに組み込まれ、成分1B'が作製される。得られる細胞株は提供されたaAMを発現し、aAMは細胞表面に提示されるか、又は細胞内に保持される。第2の組込みカップル1D/1Eは非改変のままであり、下流の組込み工程に用い得る(図9)。

0054

単一組込みカップルを含んでなるeAPCSは、一方はaAPXをコードし、他方はaAMをコードする2つのORFと組み合わされた成分1C'を提供することにより、eAPC-paを成分1Aから一工程で作製するために用いてもよい。aAPX及びaAMは共に部位1Bに組み込まれ、成分1B'が作製される。得られる細胞株は提供されたaAPX及びaAMを発現し、aAPX:aAMを細胞表面に提示してもよい(図10)。
2つの組込みカップルを含んでなるeAPCSは、一方はaAPXをコードし、他方はaAMをコードする2つのORFと組み合わされた成分1C'を提供することにより、eAPC-paを成分1Aから一工程で作製するために用いてもよい。aAPX及びaAMは共に部位1Bに組み込まれ、成分1B'が作製される。得られる細胞株は提供されたaAPX及びaAMを発現し、aAPX:aAMを細胞表面に提示してもよい。第2の組込みカップル1D/1Eは非改変のままであり、下流の組込み工程に用い得る(図11)。
2つの組込みカップルを含んでなるeAPCSは、各々がaAPX又はaAMのいずれかをコードする1つのORFと組み合わされた成分1C'及び1E'を提供することにより、eAPC-paを成分1Aから一工程で作製するために用いられてもよい。aAPX及びaAMは共に部位1B又は1Dに組み込まれ、成分1B'及び1D'が作製される。得られる細胞株は提供されたaAPX及びaAMを発現し、aAPX:aAMを細胞表面に提示してもよい(図12)。
2つの組込みカップルを含んでなるeAPCSは、aAPXをコードするORFと組み合わされた成分1C'を先ず提供することにより、eAPC-paを成分1Aから二工程で作製するために使用されてもよい。このaAPXは部位1Bに組み込まれ、成分1B'が作製される。得られる細胞株は提供されたaAPXを発現し、aAPXは細胞表面に提示される)。第2の組込みカップル1D/1Eは非改変のままである。第2の工程において、ドナーベクターがaAMをコードするORFと組み合わされた1E'が提供される。このaAMは部位1Eに組み込まれ、成分1E'が作製される。得られる細胞株は提供されたaAMを発現し、これはaAPXにおいてプロセスされて積荷として積載され、細胞表面でaAPX:aAM複合体を形成してもよい(図13)。
2つの組込みカップルを含んでなるeAPCSは、aAMをコードするORFと組み合わされた成分1C'を先ず提供することにより、eAPC-paを成分1Aから二工程で作製するために用いてもよい。このaAMは部位1Bに組み込まれ、成分1B'が作製される。得られる細胞株は提供されたaAMを発現する(eAPC-a中間体)。第2の組込みカップル1D/1Eは非改変のままである。第2の工程において、ドナーベクターがaAPXをコードするORFと組み合わされた1E'が提供される。このaAPXは1Eに組み込まれ、成分1E'が作製される。得られる細胞株は提供されたaAPXを発現し、これは細胞表面に提示される。第1の工程で組み込まれたaAMは、aAPXにおいてプロセスされて積荷として積載され、細胞表面でaAPX:aAM複合体を形成してもよい(図14)。

0055

被分析物eAPC-p、eAPC-a及びeAPC-pa集団をeAPCから作製する上記の例において、eAPCSシステムは、既知のaAPX及びaAM候補を規定された様式で提供して、規定されたaAPX及び/又はaAMを発現する被分析物eAPCの別個の集団を作製するために用いられる。この方法は、デバイスの動作中にeAPC:eTPC組合せシステムに提供するeAPC-p、eAPC-a及びeAPC-paのライブラリーを構築するために複数回繰り返されてもよい。代替アプローチは、遺伝子ドナーベクターと組み合わされる候補のaAPX及び/又はaAM ORFのプールされたライブラリーを採用し、これらを単一反応で組み込んで、複数のaAPX、aAM及び/又はaAPX:aAMを発現する被分析物eAPC-p、eAPC-a又はeAPC-paのプールされたライブラリーを取得することである。ベクタープールをeAPC-p、-a及び/又は-paのプールに変換するこの方法は、ショットガン組込みと呼ばれる。これは、候補aAMの大きなライブラリーを固定されたaAPXに対して分析するとき、又はその逆のときに特に有用である。
2つの組込みカップルを含んでなるeAPCSは、aAPXをコードするORFと組み合わせた成分1C'を先ず提供することにより、eAPC-paを成分1Aから二工程で作製するために用いてもよい。このaAPXは部位1Bに組み込まれ、成分1B'が作製される。得られる細胞株は提供されたaAPXを細胞表面で発現する(eAPC-p中間体)。第2の組込みカップル1D/1Eは非改変のままである。第2の工程において、複数の1E'のライブラリーが提供され、ここで、ドナーベクターのライブラリーは、各々がaAMをコードする単一ORFと組み合わされたベクタープールを含んでなり、各aAMは単一細胞で部位1Eに組み込まれ、成分1E'が作製される。得られる細胞プールは細胞の集団を含み、ここで、各細胞は元のベクタープールからの単一ランダムaAM ORFが組み込まれている。第2の工程で組み込まれたaAMは、第1の工程で組み込まれたaAPXにおいてプロセスされて積荷として積載され、細胞表面でaAPX:aAM複合体を形成してもよい(図15)。

0056

2つの組込みカップルを含んでなるeAPCSは、aAMをコードするORFと組み合わされた成分1C'を先ず提供することにより、eAPC-paを成分1Aから二工程で作製するために用いられてもよい。このaAMは部位1Bに組み込まれ、成分1B'が作製される。得られる細胞株は提供されたaAMを発現する(eAPC-a中間体)。第2の組込みカップル1D/1Eは非改変のままである。第2の工程において、複数の1E'のライブラリーが提供され、ここで、ドナーベクターのライブラリーは、各々がaAPXをコードする単一ORFと組み合わされたベクタープールを含んでなる。各aAPXは、単一細胞内で、部位1Eに組み込まれ、成分1E'が作製される。得られる細胞プールは細胞の集団を含み、ここで、各細胞は、元のベクタープールからの単一ランダムaAPX ORFが組み込まれている。第1の工程で組み込まれたaAMは、第2の工程で組み込まれたaAPXにおいてプロセスされて積荷として積載され、細胞表面でaAPX:aAM複合体を形成してもよい(図16)。
2つの組込みカップルを含んでなるeAPCSは、各々がaAPXのライブラリー又はaAMのライブラリーのいずれかをコードするORFのライブラリーと組み合わされた成分1C'及び1E'を提供することにより、eAPC-paを成分1Aから一工程で作製するために用いられてもよい。aAPX及びaAMは共に部位1B又は1Dに組み込まれ、1B'及び1D'が作製される。得られる細胞プールは細胞の集団を含み、ここで、各細胞は、元のベクタープールからの単一ランダムaAPX ORF及び単一ランダムaAM ORFが組み込まれている。プールされたライブラリー中の各細胞内で、組み込まれたaAMは、プロセスされ、同一細胞中に組み込まれたaAPXに積荷として積載されて、細胞表面でaAPX:aAM複合体を形成してもよい。このプールされたライブラリーは、提供されたaAPX及びaAMセットからaAPX:aAMの可能性のある全ての組合せを含み得る(図17)。
eAPC-paのプールされたライブラリーを提供するための上記ショットガン組込み法において、システムの堅牢性は単一コピーのゲノム受容部位に依拠する。このことは、単一被分析物のみが組込みカップルを介して各細胞に導入されることを確実にする。この単一コピーゲノム受容部位は、eAPCSの1つの任意選択の側面である。なぜならば、同一ゲノム受容部位の複数コピーは、提供されたベクターのライブラリーからの複数の「アレレ」が製造されたeAPCにおいて取得され得る組込み工程の提供において有益であり得るからである。

0057

本発明に関して、aAPXは、以下:
i.HLAクラスIの1又は2以上のメンバー
ii.HLAクラスIIの1又は2以上のメンバー
iii.1又は2以上の非HLA抗原提示複合体
の1つから選択され得る。
aAPXは、以下:
i.被分析物抗原として提供されるポリペプチド又はポリペプチドの複合体
ii.被分析物抗原として提供されるポリペプチドに由来するペプチド
iii.被分析物抗原として提供されるペプチド
iv.被分析物抗原として提供される代謝物
v.被分析物抗原性分子ORFから翻訳されるポリペプチド又はポリペプチドの複合体
vi.被分析物抗原性分子ORFから翻訳されるポリペプチドに由来するペプチド
vii.成分Aプロテオームの変更に由来するペプチド
viii.成分Aプロテオームに由来するポリペプチド
ix.成分Aメタボロームの変更に由来する代謝物
の1つから選択され得る。

0058

eTPCSの説明
上記のように、本発明は、各パートが遺伝子操作された細胞システムである二部構成細胞デバイスの提供に関する。第1の遺伝子操作された細胞システムは、上記のeAPCSである。第2の遺伝子操作された細胞システムは、デバイス内で二部構成eACP:eTPCシステムに組み合わされるための被分析物eTPCの製造に用いられる遺伝子操作された多成分eTPCSである。
最小形態のeTPCSは、第1の成分がeTPC(成分2Aと呼ぶ)であり、第2の成分が遺伝子ドナーベクター(成分2Cと呼ぶ)である多成分システムである(図18)。
eTPCは、本システムの他の全ての成分が関係する、eTPCSの基本成分である。したがって、eTPCは、天然型であるか又は操作された或る特徴を含み、この特徴により、eTPCは、eTPCS及び二部構成組合せデバイスの両方における使用に適切とされる。

0059

eTPC、成分2Aは、
i.TCRα、β、δ及びγ鎖の内因性発現を欠き、
ii.細胞がTCR鎖の相補対を発現するときのみという条件で細胞表面に提示されるCD3タンパク質を発現し、
iii.更なる成分(成分2Bと呼ぶ)である、少なくとも1つの被分析物TCRα、β、δ又はγ鎖をコードする単一ORF及び/又は被分析物TCR鎖対をコードする2つのORFの組込みのためのゲノム受容部位を含み、
ここで、i)は、前記発現を欠く天然に存在する細胞集団の選択により取得されてもよいし、該発現を欠くように遺伝子操作されてもよく、ii)は、前記発現を含む天然に存在する細胞集団の選択により取得されてもよいし、該発現を含むように遺伝子操作されていてもよく、iii)は、遺伝子工学の手段によりゲノムに導入されていてもよい。

0060

天然に存在する細胞集団からのTCRα、β、δ及びγ鎖を欠くeTPC細胞候補の選択は、当該分野で周知の方法により達成できる。TCRα、β、δ及びγ鎖に特異的な親和性反応剤を用いる標的細胞の染色、並びにTCRα、β、δ及びγ鎖を欠く細胞の選択はこれを直接達成し得る。
TCRα、β、δ及びγ鎖発現を欠くようにeTPCを遺伝子操作することは、標的付けられていない又は標的付けられた手段により達成され得る。細胞の標的付けられていない変異誘発は、細胞に化学的、放射線又はその他の変異原を提供し、次いで、標的aAPX及び/又はaAM発現を欠く細胞を選択することにより達成できる。ゲノム遺伝子座の標的付けられた変異は、
i.ジンクフィンガーヌクレアーゼ、
ii.CRISPR/Cas9媒介ターゲティング(正確及び頭文字)、
iii.合成転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)
による部位特異的変異誘発を含む(が、これらに限定されない)異なる手段により達成でき、ここで、前記部位特異的ヌクレアーゼは、標的遺伝子座で部位特異的DNA修復エラー変異誘発を誘導し、その後、変異細胞を、TCRα、β、δ及びγ鎖の発現を欠く細胞の選択により取得する。

0061

CD3並びに成分B及び/又はDの組込みのオプションは、当業者に周知であるが、相同性指向組換え(HDR)及び/又はランダム組込み法を含んでよく、ここで、HDRは、HDRが生じるゲノム遺伝子座の標的付けられた変異により促進され得、
i.ジンクフィンガーヌクレアーゼ、
ii.CRISPR/Cas9媒介ターゲティング、
iii.合成転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)
による部位特異的変異誘発を含む(が、これらに限定されない)異なる手段により達成でき、ここで、前記部位特異的ヌクレアーゼは、標的遺伝子座でHDRによる部位特異的DNA修復を誘導する。この事象の後、一部の細胞は、組み込まれたHDRベクターを有し、以下:
iv.非破壊的表現型発現解析
v.破壊的表現型発現解析
vi.遺伝子解析
の任意の組合せにより選択及び/又は決定できる
ここで、iv及びviは、奏功するゲノム組込み事象の選択及び決定のための好ましい方法である。
或いは、ウイルスベクターを用いて、部位特異的又は非特異的様式で必要な成分を送達することができる。

0062

eTPC成分2Aは、TCR及びT細胞抗原相互作用の分析を目的として、eAPC:eTPC組合せシステム内で上記eAPC成分1Aと共に用いるように設計されていことを考えると(図1)、好ましい態様では、eTPCは、このような分析に干渉するであろう因子を提示するeTPCを最小限にする特徴を含む。
eTPC成分2Aは、必要に応じて、aAPX及び/又はaAMの少なくとも1つのファミリーの内因性表面発現を欠き、表面発現の欠如は、標的被分析物抗原のマッチさせた分析(matched analysis)における干渉を最小化するように選択される。
aAPXのファミリーは、以下のいずれであってもよい:
i.HLAクラスI
ii.HLAクラスII
iii.非HLA抗原提示複合体。

0063

aAMは:
i.被分析物抗原性分子ORFから翻訳されるポリペプチド又はポリペプチドの複合体
ii.被分析物抗原性分子ORFから翻訳されるポリペプチドに由来するペプチド
iii.成分Aプロテオームの変更に由来するペプチド
iv.成分Aプロテオームの変更に由来するポリペプチド
v.成分Aメタボロームの変更に由来する代謝物
から選択される。
成分2A eTPCは、必要に応じて、T細胞コレセプターを更に含んでよく、この特徴により、被分析物eTPCと被分析物eAPCとの強固な又は変化する形態のコミュニケーションが可能となり、整調可能なコミュニケーションは、特異的被分析物TCRsp及び/又は被分析物抗原の同定又は特徴決定に適切である。

0064

eTPC成分2Aは、必要に応じて、CD4及び/又はCD8を発現してよく、ここで、CD4又はCD8の発現は、それぞれHLAII型及びHLAI型のaAPXへの結合にeTPCを制限する。
本発明に関して、eTPC成分2Aは、必要に応じて、CD28及び/又はCD45を発現してよく、ここで、CD28及びCD45は、シグナル伝達に対するポジティブフィードフォワード効果によりシグナル感受性に寄与する一方、シグナル伝達に対するネガティブフィードバック効果によりシグナル特異性にも寄与し得る。なぜならば、これらは、発現された被分析物TCRspによりシグナル伝達に関係するからである。
成分2A eTPCは、必要に応じて、細胞表面接着分子成分の導入又は内因性細胞表面接着分子の除去を更に含んで、それぞれ、被分析物eAPCとのeTPCの結合及び免疫シナプスの形成を促進し、又はeAPC:eTPC組合せシステム内での堅固な結合及び有害な細胞クラスタリングの形成を回避してもよい。
成分2Aに追加のORFとして導入され得るか又は成分2Aから遺伝子除去され得る接着分子は、インテグリンファミリーの接着タンパク質から選択できる。

0065

最小多成分システムの第2の成分は、少なくとも1つの被分析物TCR鎖をコードする少なくとも1つのORFの組込みに用いられる遺伝子ドナーベクター(成分2C)である(図18)。
成分2Cは、eTPC(成分2A)のゲノム内に含まれる成分2Bのゲノム受容部位とカップリングされている遺伝子ドナーベクターである。成分2Cは、遺伝子ドナーベクターにコードされる、1又は2以上の被分析物TCR鎖をコードするORFのゲノム受容部位(成分2B)への組み込みのために設計されている。ここで、この組込みは、標的eTPCによる被分析物TCR鎖の発現をもたらす。
対をなす遺伝子ドナーベクター及びゲノム受容部位は組込みカップルとも記載される。

0066

eTPCは、eAPC:eTCP組合せシステム内でeAPCにより代表される同族抗原による刺激に応答するように設計されている。よって、発現されたTCRspの刺激からのシグナル伝達応答についての標準化されたレポーター読み出しがあることが望ましい。
本発明に関して、eTPC成分2Aは:
i.少なくとも1つの天然型プロモーター及び/又は少なくとも1つの合成プロモーターと少なくとも1つのレポーターとを含有する単一成分合成構築物
ii.少なくとも1つの天然型プロモーター及び/又は少なくとも1つの合成プロモーターと少なくとも1つのレポーターとを有して設計された多成分合成構築物
から選択される合成ゲノムTCR刺激応答エレメント成分2Fと呼ぶ成分を更に含み、ここで、i及び/又はiiの活性化は、合成経路、天然型経路又はその組合せから選択される少なくとも1つのシグナル伝達経路に依存する。

0067

eTPCは、提示されたTCRspと被分析物抗原との結合をアッセイするために設計されている。結合の読み出しは、TCRsp結合に応答する合成レポーターエレメントの誘導により達成し得る。したがって、eTPCは、
i.少なくとも1つの天然型プロモーター及び/又は少なくとも1つの合成プロモーターと少なくとも1つのレポーターとを含有する単一成分合成構築物
ii.少なくとも1つの天然型プロモーター及び/又は少なくとも1つの合成プロモーターと少なくとも1つのレポーターとを有して設計された多成分合成構築物
から選択される合成ゲノムTCR刺激応答エレメント 成分2Fと呼ぶ成分を更に含んでいてもよく、ここで、i及び/又はiiの活性化は、合成経路、天然型経路又はその組合せから選択される少なくとも1つのシグナル変換経路に依存する。
天然型プロモーターと対立するものとしての合成プロモーターを有する合成TCR刺激応答エレメント(成分2F)は、天然のTCR刺激応答を模擬する可能性が少なく、よって、天然のT細胞刺激とは距離がある近似を表す。しかし、合成プロモーターは、被分析物抗原に生産的に結合するTCRspを提示するeTPC-tの堅固な同定のためのレポーター応答の整調及び調節の関して非常な柔軟性を提供する。

0068

単一成分合成構築物は、シグナルレポーター応答の増幅又は変調の余地が限られているが、実施及び結果の予測がより簡単である。多成分構築物は、構築物複合体応答ネットワークに実質的に無制限の余地があるという利点を有するが、このことは、実施及び予想がより困難であるという代償を伴う。ネットワークはまた、二次応答レポーターのフィードバックループ、抑制及び活性化を開始する場合をもたらす。
合成プロモーターは、当初の天然のTCRシグナル伝達経路の下流に存在させ得るか又は該経路と置き換えることができる人工的合成シグナル伝達成分に連結することができる。この場合、CD3複合体は、人工的合成シグナル伝達経路及び応答ネットワークと部分的又は全体的にカップリングされることができる。このような人工的経路は、応答の微調整又は増強に関して、モジュール式順応性が高いという利点を提供する。

0069

好適な実施形態は、合成プロモーター及び少なくとも部分的な合成シグナル伝達経路を有する多成分合成構築物を移用する。これは、制限された静止状態シグナル応答であるが、被分析物抗原とTCRspとのライゲーションが生じたときに、カップリングされた高いレポーターシグナルを有することを確実にする最も堅固な手段を提供する。
TCRsp刺激と成分2Fとをカップリングさせる正確な様式にかかわらず、所望の終端結果は検出可能なレポーターである。好適な実施形態において、蛍光検出(すなわち、FACS)及び/又は物理選択方法(例えば、磁気活性化細胞選別(MACS))に従うレポーターが望ましい。或いは、レポーターは、分光光度蛍光又は発光アッセイ(好ましくは非破壊的性質のもの)による検出のための、分泌されるものであるか又は細胞内分子であり得る。ここで、当該集団は、その後、レポーター分子の存否に基いて選択することができる。加えて、応答は、単一レポータータイプに制限されず、1又は2以上の異なるレポーターの組合せであり得る。

0070

1つの状況において、合成プロモーター及び部分的合成シグナル伝達経路を有する多成分合成構築物(駆動因子-アクチベーター/リプレッサー増幅因子-レポーター)は、以下:
駆動因子-アクチベーター/リプレッサー:
a)合成プロモーター
b)コザック配列
c)転写因子
d)第1のターミネーター

増幅因子-レポーター
e)第2の合成プロモーター
f)コザック配列
g)レポーター
h)第2のターミネーター
を含んでなり、ここで、
a)は、被分析物抗原へのTCRspのライゲーションにより生じる当初の天然のシグナル伝達経路とカップリングされて設計されている合成プロモーター(駆動因子)を表す。最小駆動因子は、1又は2以上の転写因子結合部位及びコアプロモーターを含んでなり、ここで、コアプロモーターは、少なくとも、TATAボックス、開始エレメント(Inr)及び転写開始部位を含んでなり;b)は、転写因子の効率的翻訳開始のためのコザック配列を表し;c)は、第2の合成プロモーターのDNA配列に結合することができる合成又は天然の転写因子(アクチベーター又はリプレッサー)をコードするORFを表し;d)は、転写因子のmRNA転写物の効率的転写及びポリアデニル化のための転写ターミネーター及び任意付加要素の1又は2以上の非翻訳3'遺伝子エレメントを表す。これら遺伝子エレメントは、限定されないが、転写物を安定化又は脱安定化するエレメント及び独特な同定配列を含んでいてもよい;e)は、c)転写因子及びコアプロモーターの結合のための1又は2以上の認識部位をコードする第2の合成プロモーター(増幅因子)を表し、ここで、コアプロモーターは、少なくとも、TATAボックス、Inr及び転写開始部位を含んでなる;f)は、レポーターの効率的翻訳開始のためのコザック配列を表し;g)は、レポータータンパク質をコードするORFを表し;h)は、レポーターのmRNA転写物の効率的転写及びポリアデニル化のための転写ターミネーター及び任意付加要素の1又は2以上の非翻訳3'遺伝子エレメントを表す。これら遺伝子エレメントは、限定されないが、転写物を安定化又は脱安定化するエレメント及び独特な同定配列を含んでいてもよい。

0071

増幅因子-レポーターパラダイムとカップリングされた駆動因子-アクチベーター/リプレッサーは追加の駆動因子-アクチベーター/リプレッサー及び増幅因子-レポーター対及び/又は追加の増幅因子-レポーター単位を含むように拡張することが可能であることを認識することは重要である。更に、アクチベーターは、ネガティブ選択方法及び/又はネガティブ-フィードバックループのために、増幅因子-レポーター単位及び/又は駆動因子-アクチベーター/リプレッサー単位を停止させるためのリプレッサーと置換可能である。

0072

第2の状況において、合成プロモーター(駆動因子-レポーター)を有する単一成分合成構築物は、以下:
a)合成プロモーター
b)コザック配列
c)レポーター
d)ターミネーター
を含んでなり、ここで
a)は、被分析物抗原へのTCRspのライゲーションにより生じる当初の天然のシグナル伝達経路とカップリングされて設計されている合成プロモーター(駆動因子)を表す。最小駆動因子は、1又は2以上の転写因子結合部位及びコアプロモーターを含んでなり、ここで、コアプロモーターは、少なくとも、TATAボックス、Inr及び転写開始部位を含んでなり;b)は、レポーターの効率的翻訳開始のためのコザック配列を表し;c)は、レポータータンパク質をコードするORFを表し;d)は、レポーターのmRNA転写物の効率的転写及びポリアデニル化のための転写ターミネーター及び任意付加要素の1又は2以上の非翻訳3'遺伝子エレメントを表す。これら遺伝子エレメントは、限定されないが、転写物を安定化又は脱安定化するエレメント及び独特な同定配列を含んでいてもよい。

0073

拡大形態の多成分eTPCSにおいて、成分2A eTPCは、第2のゲノムドナーベクター(成分2Eと呼ぶ;これもまたシステムに追加される)とカップリングされている第2のゲノム受容部位(成分2Dと呼ぶ)を更に含有してもよい(図19)。
eTPCS 成分2Aは、1又は2以上の追加の組込みカップルを更に含んでなってもよい。
eTPC及び1つ又は2つの組込みカップルを含んでなるeTPCSは、eAPC:eTPC組合せシステムの組み立てに使用するeTPC-tの製造に用いる。
eTPC-tは、2つの相補性TCR鎖を組み込んでTCRspを形成することにより製造されてもよいし、又は代替的に、各相性鎖を逐次提供することにより二工程で製造してもよい(図20)。
遺伝子ドナーベクター及びゲノム受容部位は、eTPCSの組込みカップルサブシステムとして働く。遺伝子ドナーベクターは、先ず、標的ORFと組み合わされなければならず、ここで、基本ドナーベクターが当該標的ORFをコードするようになる。次いで、組立てられて準備が整ったドナーベクターは、標的ORFをゲノム受容部位と交換するために標的eTPCに導入され、よって、標的ORFが、標的細胞のカップリングされた受容部位に組み込まれる(図21)。

0074

遺伝子ドナーベクター成分2C及び/又は2Eを含んでなるeTPCSは、成分2C'及び/又は2E'が得られるように、少なくとも1つの被分析物TCR鎖をコードする少なくとも1つのORFと組み合わされる。ここで、組合せは、遺伝子ドナーベクターの正しいコーディングフレームへの正しい配向での、遺伝物質のライゲーションとして定義される。
遺伝子ドナーベクター2C及び/又は2Eへの1又は2以上のORFの組合せは、独特なORFのライブラリーを用いて、
i.複数のORFをコードする2C'及び/又は2E'ベクターの別個のライブラリーを得るための単一の別個の反応
ii.複数のORFをコードする2C'及び/又は2E'ベクターのプールされたライブラリーを得るための単一反応
として複数回行なってもよい。ここで、別個のライブラリーは、独特なTCR鎖をコードする独特なORFを有するeTPCの別個のライブラリーが得られるように、成分2Aと複数回組み合わされてもよく、プールされたライブラリーは、各eTPC-tは元のベクタープールからの被分析物TCR鎖をコードするランダム化されたORFが組み込まれており、結果として、各eTPC-tが単一ランダムの独特なTCRspを発現するプールされたeTPC-tのライブラリーが得られるように、分2Aと1回又は2回以上組み合わされてもよい。
ゲノム受容部位への予測可能なコピー数の1又は2以上のORFの効率的組込みは、被分析物eTPC集団が迅速に調製及び特徴決定され得る標準化eTPCの動作のために非常に有利である。よって、ゲノム受容部位及びカップリングされたドナーベクターはeTPCの機能に重要である。更に、eTPCを、成分2B及び2Dが互いに隔離されてドナーベクター成分2Cが成分2Bで組み込まれず、その逆も同様であるようにすることが非常に望ましい。加えて、成分2B及び/又は成分2Dが、単一の相補性TCR鎖対の導入が迅速で反復可能であり、単一対のみの正しい組込み及び送達の可能性が高いeTPC-tの作製方法に適することも望ましい。

0075

ゲノム受容部位は:
i.リコンビナーゼ媒介カセット交換(RMCE)用に設計された合成構築物
ii.部位特異的相同組換え用に設計された合成構築物
から選択され得、ここで、i)がRCME用に好適な形態のゲノム受容部位である。RMCE法は、各成分2B及び2Dが隔離された特異性を有するように、個別のリコンビナーゼ酵素に特異的である選択された異種特異的部位を採用してよい。
ゲノム受容部位である成分2B及び/又は成分2Dは、以下の遺伝子エレメント:
i.異種特異的リコンビナーゼ部位
ii.相同性アーム
iii.真核生物プロモーター
iv.真核生物条件付き調節エレメント
v.真核生物ターミネーター
vi.選択マーカー
vii.スプライスアクセプター部位
viii.スプライスドナー部位
ix.非タンパク質コーディング遺伝子
x.インスレーター
xi.可動遺伝子エレメント
xii.メガヌクレアーゼ認識部位
xiii.内部リボソーム進入部位(IRES)
xiii.内部リボソーム進入部位(IRES)ウイルス性自己切断ペプチドエレメント
xiv.コザックコンセンサス配列
の少なくとも1つを含んでなる。

0076

好ましいゲノム受容部位は、以前に記載したエレメントのリストからの以下の選択されたエレメントを用いる2つの異なる配置で構成される。
第1の配置は、RMCE組込みにより、1又は2以上のTCR鎖及び/又は組込みの選択マーカーをコードする単一ORFを受容するためのものであり、ここで、該配置は
5'-[A] [B] [C] [D] [E] [F]-3'
であり、ここで、
A)は、エレメントiii)構成性又は誘導性真核生物プロモーターであり、
B)は、エレメントi)異種特異的リコンビナーゼ部位1であり、
C)は、エレメントxv)コザックコンセンサス配列であり、
D)は、エレメントvi)FACS及び/又はMACS適合性コード化タンパク質マーカーであり、
E)は、エレメントi)異種特異的リコンビナーゼ部位2であり、
F)は、エレメントv)真核生物ターミネーターである。

0077

第2の配置は、RMCE組込みにより、1又は2以上のTCR鎖及び/又は組込みの選択マーカーをコードする2つのORFを受容するためのものであり、ここで、該配置は:
5'-[A] [B] [C] [D] [E] [F] [G] [H] [I]-3'
であり、ここで、
A)は、エレメントiii)構成性又は誘導性真核生物プロモーターであり、
B)は、エレメントi)異種特異的リコンビナーゼ部位1であり、
C)は、エレメントxv)コザックコンセンサス配列であり、
D)は、エレメントvi)FACS及び/又はMACS適合性のコード化タンパク質マーカー1であり、
E)は、エレメントv)真核生物二方向転写ターミネーターであり、
F)は、エレメントvi)FACS及び/又はMACS適合性のコード化タンパク質マーカー2であり、
G)は、エレメントxv)コザックコンセンサス配列であり、
H)は、エレメントi)異種特異的リコンビナーゼ部位2であり、
I)は、エレメントiii)構成性又は誘導性真核生物プロモーターであり、
更に、この第2の配置において、エレメントF、G及びIは、アンチセンス方向にコードされる。

0078

成分2C及び/又は2Eは、以下の遺伝子エレメント:
i.異種特異的リコンビナーゼ部位
ii.相同性アーム
iii.真核生物プロモーター
iv.真核生物条件付き調節エレメント
v.真核生物ターミネーター
vi.選択マーカー
vii.スプライスアクセプター部位
viii.スプライスドナー部位
ix.非タンパク質コーディング遺伝子
x.インスレーター
xi.可動遺伝子エレメント
xii.メガヌクレアーゼ認識部位
xiii.内部リボソーム進入部位(IRES)
xiv.ウイルス性自己切断ペプチドエレメント
xv.コザックコンセンサス配列
xvi.組込みの選択マーカー
xvii.抗生物質耐性カセット
xviii.細菌性複製起点
xix.酵母複製起点
xx.クローニング部位
の少なくとも1つで構成される。

0079

好適な遺伝子ドナーベクター(成分C及び/又は成分E)は、以前に記載したエレメントのリストからの以下の選択されたエレメントを用いる2つの異なる、可能性のある配置で構成される。
第1の配置は、RMCE組込みによる、1又は2以上のTCR鎖及び/又は組込みの選択マーカーをコードする単一ORFの受容のためのものであり、ここで、該配置は
5'-[A] [B] [C] [D] [E]-3'
であり、ここで、
A)は、エレメントi)異種特異的リコンビナーゼ部位1であり、
B)は、エレメントxv)コザックコンセンサス配列であり、
C)は、エレメントxx)1又は2以上のTCR鎖及び/又はエレメントxvi)組込みの選択マーカーをコードする単一ORFのクローニング部位であり、
D)は、エレメントi)異種特異的リコンビナーゼ部位2であり、
E)は、非特異的配向でのエレメントxvii)抗生物質耐性カセット及びエレメントxviii)細菌性複製起点であり、
更に、エレメントviii及び/又はxivを、複数のTCR鎖及び/又はエレメントxviを一緒に連結するために用いてよい。

0080

5'-[A] [B] [C] [D] [E] [F]-3'
ここで、
A)は、エレメントi)異種特異的リコンビナーゼ部位1であり、
B)は、エレメントxv)コザックコンセンサス配列であり、
C)は、1又は2以上のTCR鎖及び/又はエレメントxvi)組込みの選択マーカーをコードし、真核生物のターミネーターを有する2又は3以上のORFの導入のためのクローニング部位であり、
D)は、エレメントxv)コザックコンセンサス配列(アンチセンス方向)であり、
E)は、エレメントi)異種特異的リコンビナーゼ部位2であり、
F)は、非特異的配向でのエレメントxvii)抗生物質耐性カセット及びエレメントxviii)細菌複製起点であり、
更に、エレメントviii及び/又はxivを、複数のTCR鎖及び/又はエレメントxviを各ORF内で一緒に連結するために用いてよい。

0081

eTPCSにおける被分析物eTPC集団の作製
上記eTPCSシステムは、二部構成デバイスの動作において、eAPC:eTPC組合せシステム内でeAPCに対して被分析物TCRspを提示するように働く別異の形態の被分析物eTPC集団又はそのライブラリーを作製する複数の方法で使用してもよい。
作製されるeTPC-t集団は、特定の供給源から被分析物TCR鎖(これに対して候補抗原を分析する)を導く必要がある。
被分析物TCR鎖をコードする配列の供給源は、
i.初代T細胞からのTCR鎖ORF配列の対クローニング
ii.初代T細胞からのTCR鎖ORF配列の非対クローニング
iii.合成TCR鎖ORF配列
から誘導することができ、ここで、i)は、胸腺選択に起因して、一般に、自己のaAPX及び/又はaAPX積荷に対して交差反応性である可能性が高くない天然型TCRspの発見に好適であり;ii)は、候補TCR親和性反応剤を同定するために使用されてもよく;iii)は、TCR親和性反応剤の親和性成熟において用いられてもよい。

0082

単一組込みカップルを含んでなるeTPCSは、TCR鎖の相補対のORFと組み合わされた成分2C'を提供することにより、eTPC-tを成分2Aから一工程で作製するために用いてもよい。この被分析物TCR対は部位2Bに組み込まれ、成分2B'が作製される。得られる細胞株は提供されたTCR対を発現し、TCR対はTCRspとして細胞表面に提示される(図21)。
2つの組込みカップルを含んでなるeTPCSは、TCR鎖の相補対のORFと組み合わされた成分2C'を提供することにより、eTPC-tを成分2Aから一工程で作製するために用いてもよい。この被分析物TCR対は部位2Bに組み込まれ、成分2B'が作製される。得られる細胞株は提供されたTCR対を発現し、TCR対は細胞表面にTCRspとして提示される。第2の組込みカップル1D/1Eは非改変のままであり、下流の組込み工程に用い得る(図22)。
2つの組込みカップルを含んでなるeTPCSは、各々が相補性TCR鎖対の1つの鎖をコードする1つのORFと組み合わされた成分2C'及び2E'を提供することにより、eTPC-tを成分2Aから一工程で作製するために用いられてもよい。両被分析物TCRは部位2B又は2Dに組み込まれ、成分2B'及び2D'が作製される。得られる細胞株は提供されたTCR対を発現し、TCR対は細胞表面にTCRspとして提示される(図23)。
2つの組込みカップルを含んでなるeTPCSは、単一被分析物TCR鎖のORFと組み合わされた成分2C'を提供することにより、eTPC-xを成分2Aから一工程で作製するために用いてもよい。この被分析物TCR鎖は部位2Bに組み込まれ、成分2B'が作製される。得られる細胞株は提供されたTCR鎖を発現するが相補性鎖を欠いており、よって表面TCRを発現しない。第2の組込みカップル1D/1Eは非改変のままであり、下流の組込み工程に用い得る(図24)。

0083

2つの組込みカップルを含んでなるeTPCSは、単一被分析物TCR鎖のORFと組み合わされた成分2C'を先ず提供することにより、eTPC-tを成分2Aから二工程で作製するために使用されてもよい。この被分析物TCR鎖は部位2Bに組み込まれ、成分2B'が作製される。得られる細胞株は提供されたTCR鎖を発現するが相補性鎖を欠いており、よって表面TCRを発現しない(eTPC-x中間体)。第2の組込みカップル1D/1Eは非改変のままである。第2の工程において、ベクターが、事前に組み込まれたTCR鎖に相補性である第2の単一被分析物TCR鎖のORFと組み合わされた2E'が提供される。この第2の相補性被分析物TCR鎖は部位2Dに組み込まれ、成分2D'が作製される。得られる細胞株は提供された相補性被分析物TCR鎖対を発現し、これは細胞表面でTCRspとして提示される(図25)。
被分析物eTPC-x及び/又はeTPC-t集団をeTPCから作製する上記の例において、eTPCSシステムは、既知の被分析物TCR鎖を規定された様式で提供して、規定されたTCRspを発現する被分析物eTPCの別個の集団を作製するために用いられる。この方法は、デバイス動作時に、eAPC:eTPC組合せシステムに提供するeTCP-x及び/又はeTCP-tのライブラリーを構築するために複数回繰り返されてもよい。代替アプローチは、被分析物eTPC-tのプールされたライブラリー(各eTPC-tは元のベクタープールからのTCR ORFの単一ランダム対が組み込まれ、よって、各eTPC-tは単一ランダムTCRspを発現するが、まとまったプールとしては元のベクタープールに表される複数の種のTCRspをコードする)を採用することである。同じショットガン原理をeTPC-xのプールの作製に適用することができる。これは、候補TCRspの大きなライブラリーを被分析物抗原に対して分析するときに特に有用である。

0084

1つの組込みカップルを含んでなるeTPCSは、被分析物TCR対のプールをコードする複数のORFのライブラリーと組み合わされた成分2C'を提供することにより、eTPC-tプールを成分2Aから一工程で作製するために用いてもよい。この対は各細胞内で部位Bに組み込まれ、成分B'が作製され、ここで、各eTPC-tは元のベクタープールからのTCR ORFの単一ランダム対が組み込まれ、よって、各eTPC-tは単一ランダムTCRspを発現するが、まとまったプールとしては元のベクタープールに表される複数の種のTCRspをコードする。得られる細胞プールは集団として複数の被分析物TCRspを発現する細胞集団を含む(図26)。
2つの組込みカップルを含んでなるeTPCSは、被分析物TCR対のプールをコードする複数のORFのライブラリーと組み合わせた成分2C'を提供することにより、eTPC-tプールを成分2Aから一工程で作製するために用いてもよい。この対は各細胞内で部位Bに組み込まれ、成分B'が作製され、ここで、各eTPCは元のベクタープールからのTCR ORFの単一ランダム対が組み込まれ、よって、各eTPC-tは単一ランダムTCRspを発現するが、まとまったプールとしては元のベクタープールに表される複数の種のTCRspをコードする。得られる細胞プールは集団として複数の被分析物TCRspを発現する細胞集団を含む。第2の組込みカップル1D/1Eは非改変のままである(図27)。

0085

2つの組込みカップルを含んでなるeTPCSは、単一被分析物TCR鎖のプールをコードする複数のORFのライブラリーと組み合わせた成分2C'を提供し(結果として、各eTPCは、成分2C'にコードされる単一ランダム化されたTCR鎖ORFが部位2Bに組み込まれ、成分2B'が作製される)、同時に、成分2C'に提供される第1のライブラリーに相補性である単一被分析物TCR鎖のプールをコードする複数のORFのライブラリーと組み合わせた成分2E'を提供する(結果として、各eTPC-tは、成分2E'にコードされる単一ランダム化された相補性TCR鎖ORFが部位2Dに組み込まれ、成分2D'が作製される)ことにより、eTPC-tプールを成分2Aから一工程で作製するために用いてもよい。eTPC-tプール中の得られる各細胞は、ランダム化された相補性TCR鎖ORFの単一対を有し、その結果、プール中の各細胞はランダム化されたTCRspを発現する。このプールされたライブラリーは、成分2C'及び2E'に提供されたセットからの可能性のある全ての相補性TCR鎖組合せを含む(図28)。
本発明に関して、2つの組込みカップルを含んでなるeTPCSは、eTPC-tプールを事前に得られたe-TPC-xから一工程で作製するために用いてもよい。ここで、部位2Bは2B'に変換され、単一被分析物TCR鎖を含む。eTPC-tは、既に組み込まれた鎖に相補性である単一被分析物TCR鎖のプールをコードする複数のORFのライブラリーと組み合わされた成分2E'を提供することにより作製される。各eTPC-tは、提供された2E'ライブラリーの単一ランダム化されたTCR鎖ORFが部位2Dに組み込まれ、成分2D'が作製されている。eTPC-tプール中の得られる各細胞は、eTPC-xから出発し、各単一相補性被分析物TCR鎖を選択することにより提供される被分析物TCR鎖を有し、その結果、プール中の各細胞はORFのランダム対をTCRspとして発現する。このアプローチは、相補性TCR鎖対中の固定された鎖に対する種々の単一鎖の効果を分析するときに用いられる(図29)。

0086

eTPC-xは、eTPC-tから、組込みのマーカーをコードするか又はORFをコードしない更なる組込みベクター成分2Y又は2Zのいずれか1つを提供することにより作製されてもよい。成分2Y又は2ZとeTPC-tとの組合せは、単一TCR鎖を発現するeTPC-xが得られるように当該部位の一方を交換する。
eTPC-tのeTPC-xへの変換に好適な遺伝子組込みベクター成分2Y及び成分2Zは、上記成分2C及び2Eと同じ組込みベクター要件を含むが、TCR鎖ORFをコードせず、好ましくは組込みのマーカーをコードする。

0087

被分析物eAPCとeTPCとの接触
本発明は、遺伝子操作された二部構成細胞デバイスの提供に関する。デバイスの2つの部分eAPCS及びeTPCSは、それぞれ被分析物eAPC及び被分析物eTPCの組み立てに用いられる。次いで、これら被分析物細胞集団はeAPC:eTPC組合せシステムに組み立てられる。該システムからデバイス出力を得てもよい。eAPC:eTPCシステムは、上記(図4〜29)のように作製される、1又は2以上の被分析物eAPC集団及び1又は2以上のeTPC集団の選択で構成される(図1)。eAPC:eTPCシステムは、被分析物eAPCと被分析物eTPC集団との物理的接触を可能にする形式で提供される。この接触は、1又は2以上の被分析物抗原と、1又は2以上の被分析物eTPC-tのTCRspとの間の複合体形成を可能とする。ここで、被分析物抗原は、被分析物eTPCにより提示される被分析物TCRspと共に、被分析物eAPCにより提示される、以下:
i.aAPX及び/又は
ii.aAM及び/又は
iii.aAPX:aAM及び/又は
iv.CM及び/又は
v.aAPX:CM
のいずれかである。複合体形成は当該複合体の安定化を導き得、被分析物eAPC及び/又は被分析物eTPC内でのシグナル伝達の誘導が報告され測定され得る。

0088

被分析物eAPCと被分析物eTPCとの接触は、許容される細胞培養系で行われ、ここで、当該系は、eAPC及びeTPC細胞の両方の機能を許容する細胞培養培地を含む。
eAPC:eTPC組合せシステムから得られる被分析物eTPCは、被分析物eAPCにより提示される被分析物抗原に対する、被分析物TCRspを発現する被分析物eTPCのシグナル応答の特徴決定のために用いられ、ここで、このシグナル応答は、二値(binary)又は徐々に変化するもののいずれであってもよく、eTPCに固有なもの(図30)又はeAPCに固有なもの(図31)として測定され得る。

0089

eAPC:eTPC組合せシステムから、入力の被分析物eTPC若しくは被分析物eTPCのライブラリーからの1又は2以上の被分析物eTPCを選択して、1又は2以上の被分析物eTPCを得る方法であって、発現したTCRspが1又は2以上の被分析物eAPCにより提示される被分析物抗原と結合する方法は:
i.1又は2以上の被分析物eTPCを1又は2以上の被分析物eAPCと組み合わせて、被分析物TCRspと被分析物抗原との接触をもたらすことと、以下の少なくとも1つ:
ii.形成される場合、1又は2以上の被分析物TCRspと1又は2以上の被分析物抗原との間での複合体の形成を測定すること、及び/又は
iii.誘導される場合、1又は2以上の被分析物TCRspと1又は2以上の被分析物抗原との間での複合体形成により誘導される被分析物eTPCによるシグナル応答を測定すること、及び/又は
iv.誘導される場合、1又は2以上の被分析物TCRspと1又は2以上の被分析物抗原との間での複合体形成により誘導される被分析物eAPCによるシグナル応答を測定すること、及び
v.工程b、c及び/又はdに基いて1又は2以上の被分析物eTPCを選択することであって、選択はポジティブ及び/又はネガティブ測定によりなされること
を含み、ここで、i、iii及びvは好ましい構成を含む。

0090

eAPC:eTPC組合せシステムから得られる被分析物eAPCは、被分析物eTPCにより提示されるTCRspに対する、被分析物抗原を発現する被分析物eAPCのシグナル応答の特徴決定のために用いられ、ここで、このシグナル応答は、二値又は徐々に変化するもののいずれであってもよく、eTPCに固有なもの(図30)又はeAPCに固有なもの(図31)として測定され得る。
eAPC:eTPC組合せシステムから、入力の被分析物eAPC又は被分析物eAPCのライブラリーからの1又は2以上の被分析物eAPCを選択して、1又は2以上の被分析物eAPCを得る方法であって、発現した被分析物抗原が被分析物eTPCにより提示される1又は2以上の被分析物TCRspと結合する方法は:
i.1又は2以上の被分析物eAPCと1又は2以上の被分析物eTPCとを組み合わせて、被分析物eAPCにより提示される被分析物抗原と1又は2以上の被分析物eTPCの被分析物TCRspとの接触をもたらすこと、及び
ii.形成する場合、1又は2以上の被分析物抗原と1又は2以上の被分析物TCRspとの間での複合体の形成を測定すること、及び/又は
iii.誘導される場合、被分析物TCRspと被分析物抗原との間での複合体形成により誘導される1又は2以上の被分析物eTPCにおけるシグナル応答を測定すること、及び/又は
iv.誘導される場合、1又は2以上の被分析物TCRspと1又は2以上の被分析物抗原との間での複合体形成により誘導される被分析物eAPCによるシグナル応答を測定すること、及び
v.工程b、c及び/又はdから1又は2以上の被分析物eAPCを選択することであって、選択はポジティブ及び/又はネガティブ測定によるなされること
を含み、ここで、i、iii及びvは好ましい構成を含む。

0091

eTPC又はeAPCの選択は、単一製造された被分析物eAPC集団及び単一製造された被分析物eTPC集団が提供される二元培養系を含んでなるeAPC:eTPCシステムからであってもよく、応答性のeAPC又はeTPCがeTPC(図30)及び/又はeAPC(図31)内の二値又は徐々に変化する応答に基いて選択される。
eAPC:eTPCシステムは、製造された単一被分析物eAPC及び製造されたeTPCのプールライブラリーの入力を含んでいてもよい(図32)。
eAPC:eTPCシステムは、製造された単一被分析物eTPC及び製造されたeAPCのプールライブラリーの入力を含んでいてもよい(図33)。
eATP:eTPC組合せシステム内で、あれば、被分析物TCRspと被分析物抗原との間での複合体形成により誘導され得る、1若しくは2以上の被分析物eTPC又は1若しくは2以上のeAPCにおけるシグナル応答を測定することは、一次デバイス出力の選択に重要である。ここで、一次デバイス出力は、以下:
i.eAPC-p
ii.eAPC-a
iii.eAPC-pa
iv.eTPC-t
の1又は2以上の単一細胞又は細胞プールである。ここで、細胞の選択は、接触した被分析物eAPC又は被分析物eTPC細胞の一方又は両方において報告されるシグナル応答の存否に基いてなされてもよい。

0092

本発明に関して、eAPC:eTPC組合せシステムから、被分析物eTPC及び/又は被分析物eAPCを、eTPC内で報告されるシグナル応答に基いて選択する方法は:
i.天然型シグナル伝達応答を決定すること、及び/又は
ii.eTPCが成分2Fを含有する場合及び/又はeAPCが等価な合成レポーターエレメントを含む場合、合成シグナル伝達応答を決定すること
も含んでよい。
eAPC及び/又はeTPCに固有である誘導された天然型又は合成のシグナル応答は、以下:
i.分泌された生体分子
ii.分泌された化学物質
iii.細胞内生体分子
iv.細胞内化学物質
v.表面発現された生体分子
vi.被分析物eTPCの被分析物eAPCに対する細胞毒性作用
vii.シグナル応答が被分析物eAPCにおいて誘導され、a〜eのいずれかの増減を検出することにより決定されるような、被分析物eTPCの被分析物eAPCに対するパラクリン作用
viii.被分析物eTPCの増幅
ix.被分析物eTPCと被分析物eAPCとの間の免疫学的シナプス
の1又は2以上の増減を検出することにより測定され、ここで、前記検出されるシグナル応答は、eAPC:eTPC組合せシステム及び/又は並行して組み立てられた組合せシステムの組立ての前の、被分析物eAPC及び/又は被分析物eTPCに固有の非誘導シグナル応答状態と比較され、ここで、被分析物eAPC及び/又は被分析物eTPCは、用いるeAPC:eTPC組合せシステム内でシグナル応答を誘導しないことが知られている対照の被分析物抗原及び/又は被分析物TCR種を提示し得る。

0093

eAPC:eTPCシステムからの一次システム出力の取得
本発明は、遺伝子操作された二部構成細胞デバイスの提供に関する。デバイスの2つの部分eAPCS及びeTPCSは、それぞれ被分析物eAPC及び被分析物eTPCの組み立てに用いられる。次いで、これら被分析物細胞集団はeAPC:eTPC組合せシステムに組み立てられる。該システムからデバイス出力を得てもよい。eAPC:eTPCシステムは、上記(図4〜29)のように作製される、1又は2以上の被分析物eAPC集団及び1又は2以上のeTPC集団の選択で構成される(図1)。eAPC:eTPCシステムは、被分析物eAPCと被分析物eTPC集団との物理的接触を可能にする形式で提供される。この接触は、1又は2以上の被分析物抗原と、1又は2以上の被分析物eTPC-tのTCRspとの間の複合体形成を可能とする。ここで、被分析物抗原は、被分析物eTPCにより提示される被分析物TCRspと共に、被分析物eAPCにより提示される、以下:
i.aAPX及び/又は
ii.aAM及び/又は
iii.aAPX:aAM及び/又は
iv.CM及び/又は
v.aAPX:CM
のいずれかである。複合体形成は当該複合体の安定化を導き得、被分析物eAPC及び/又は被分析物eTPC内でのシグナル伝達の誘導が報告され測定され得る。

0094

誘導されたシグナル応答の報告の態様は上述の通りであり、二部構成デバイスの一次出力の取得時に測定される必要があるのは、これらの報告される応答である。
デバイスの一次出力は、選択された細胞集団であり、これは、eAPC:eTPCシステムに提供された相互関係性細胞により提示される被分析物に対して応答したものであってもしなかったものであってもよい。すなわち、この一次出力は、eAPC:eTPC組合せシステム内で報告される応答の存否に基いて選択された単一細胞又は細胞プールとして表し得る(図1工程v)。被分析物eAPC内の応答は、接触するeTPCにより提示される同族TCRの結合によってのみ誘発される。被分析物eTPC内の応答は、接触するeTPCにより提示される同族抗原の結合によってのみ誘発される(図1工程iv)。

0095

eAPC:eTPC組合せシステムからの被分析物eAPC及び/又は被分析物eTPCの選択は、接触する細胞における応答に基いてなされてもよい。すなわち、被分析物eAPCは、接触する被分析物eTPCにおける、報告される応答又はその欠如に基いて選択されてもよい。逆に、被分析物eTPCは、接触する被分析物eAPCにおける、報告される応答又はその欠如に基いて選択されてもよい。
本発明に関して、デバイスの一次eAPC出力は、選択された細胞であり、選択は、報告されるシグナル応答の存否に基いてなされ、これら細胞は以下
i.eAPC-p
ii.eAPC-a
iii.eAPC-pa
の1又は2以上を含み、選択された細胞は、単一細胞、同じアイデンティティの細胞プール又は異なるアイデンティティの細胞プールを含んでよい(図1工程v)。
デバイスの一次eTPC出力は選択された細胞であり、選択は、報告されるシグナル応答の存否に基いてなされ、これら細胞はeTPC-tを含み、選択された細胞は、単一細胞、同じアイデンティティの細胞プール又は異なるアイデンティティの細胞プールを含んでよい(図1工程v)。

0096

eAPC:eTPC組合せシステム内の被分析物eAPC及び/又は被分析物eTPCにおいて報告されるシグナルは、被分析物細胞集団を選択して一次出力を提供するために用いてもよい。
eAPC及び/又はeTPC型の一次出力は、eAPC:eTPC組合せシステムが二元培養性質のものである場合(例えば図30及び図31)、所望の被分析物eAPC及び/又は被分析物eTPC集団を二部構成システムから選択することにより達成され得る。
eAPC及び/又はeTPC型の一次出力は、eAPC:eTPC組合せシステムが固定されたeAPC及びプールされたライブラリー被分析物eTPCの性質のものである場合(例えば図32)又はeAPC:eTPC組合せシステムが固定されたeTPC及びプールされたライブラリー被分析物eAPCの性質のものである場合(例えば図33)、所望の被分析物eAPC及び/又は被分析物eTPC集団を組合せ培養系から選択することにより達成され得る。

0097

一次出力を得ることができる幾つかの異なる態様があり、ここで、各態様は選別工程を伴う。細胞選別は、蛍光活性化細胞選別(FACS)及び/又は磁性活性化細胞選別(MACS)及び/又は異なる親和性活性化細胞選別法により達成してよい。
一次出力たるeAPC及び/又はeTPC細胞は、単一細胞選別により単一細胞を得てもよく、及び/又は細胞プール選別により細胞プールを得てもよい。
一次出力たるeAPC及び/又はeTPC細胞は、単一細胞選別により単一細胞を得てもよく、その後、単一細胞を増殖させて、選択されたeAPC又はeTPC細胞のモノクローナルプールを得てもよい。
一次出力たるeAPC及び/又はeTPC細胞は、細胞プール選別により細胞プールを得てもよく、その後、細胞プールを増殖させて、選択されたeAPC及び/又はeTPC細胞のプールを得てもよい。

0098

eAPC:eTPCシステムからの終端システム出力の取得
測定されるシグナル応答に基づいて選択された被分析物eAPC及び/又はeTPC細胞である一次出力を取得する上記の方法に続いて、2部構成細胞デバイスの終端出力を、選択されたeAPCa及び/又はeTPC一次出力の更なる加工処理により得てもよい。
二部構成細胞デバイスからの終端出力は、被分析物eAPC(i〜v)又は被分析物eTPC(vi)により提示され、eAPC:eTPC組合せシステムからの選択により二部構成デバイスからの一次出力として得られる
i.aAPX及び/又は
ii.aAM及び/又は
iii.aAPX:aAM及び/又は
iv.CM及び/又は
v.aAPX:CM及び/又は
vi.TCRsp
のアイデンティティである。

0099

二部構成細胞デバイス内で、被分析物eAPC及び被分析物eTPCにより提示される被分析物分子が遺伝子にコードされている場合が頻繁にある。よって、被分析物eAPC又はeTPCにより提示される被分析物分子を同定するために、eAPC又はeTPCから作製された被分析物分子の遺伝子配列決定を行ってよい。
eAPCは、選別された及び/又は拡大されたeAPC-p、eAPC-a又はeAPC-pa細胞の成分1B'及び/又は成分1D'について遺伝子配列を得て:
i.aAPX及び/又は
ii.aAM及び/又は
iii.aAPX:aAM
のアイデンティティを決定するように加工処理してよく、ここで、得られるアイデンティティは、二部構成細胞デバイスの終端出力を表す。
eAPCは、選別された及び/又は拡大されたeAPC-p、eAPC-a又はeAPC-pa細胞のゲノムについて遺伝子配列を得て:
i.aAPX及び/又は
ii.aAM及び/又は
iii.aAPX:aAM
iv.CM及び/又は
v.aAPX:CM
のアイデンティティを決定するように加工処理してよく、ここで、得られるアイデンティティは、二部構成細胞デバイスの終端出力を表す。

0100

eTPCは、選別された及び/又は拡大されたeTPC-t細胞の成分2B'及び/又は成分2D'について遺伝子配列を得て、TCRspのアイデンティティを決定するように加工処理してよく、ここで、TCRspの得られるアイデンティティは二部構成細胞デバイスの終端出力を表す。
eTPCは、選別された及び/又は拡大されたeTPC-t細胞のゲノムについて遺伝子配列を得て、TCRspのアイデンティティを決定するように加工処理してよく、ここで、TCRspの得られるアイデンティティは二部構成細胞デバイスの終端出力を表す。

0101

遺伝子配列決定は、様々な態様で、様々な遺伝物質源から、特定の加工処理あり又はなしで達成できる。
本発明に関して、配列決定工程の前に
i.ゲノムDNAを抽出すること、及び/又は
ii.成分1B'及び/又は1D'及び/又は2B'及び/又は2D'のRNA転写物を抽出すること、及び/又は
iii.成分1B'及び/又は1D'及び/又は2B'及び/又は2D'のDNA及び/又はRNA転写産物をPCR及び/又はRT-PCRによりにより増幅すること
を行ってよい。
配列決定工程は、二部構成デバイスの一次出力として得られるeAPC又はeTPC、又はそれらのプールに対して破壊的であってよい。

0102

配列決定工程が一次出力eAPC又はeTPCに対して破壊的である二部構成デバイスから一次出力を得ることが望ましい場合、二部構成デバイスの終端出力として得られる配列情報を用いて、それぞれ、eAPCS及びeTPCSの使用により、被分析物eAPC若しくは被分析物eTPCと等価な出力eAPC及びeTPCを作製してよい。
遺伝子によりコードされる被分析物分子の上記場面において、二部構成デバイスの終端出力は、成分1B'及び/又は1D'及び/又は2B'及び/又は2D'並びに/又は細胞ゲノムから配列情報を得ることにより得てよい。しかし、幾つかの実施形態では、抗原情報は、遺伝子によりコードされない。翻訳後修飾される抗原、非遺伝子的手段によりeAPC:eTPC組合せシステムに提供される抗原、被分析物eAPCプロテオソーム又は代謝物の誘導又は改変された状態から現れる抗原、eAPC:eTPCシステムに固有のCMは、遺伝子手段により合理的に同定されない場合がある。

0103

非遺伝子手段によりeACP:eTPCシステムに提供され得るaAMの重要な場合において、提供されたaAMをaAPX:aAM複合体としてeAPC-p又はeAPC-paが提示し得る2つの異なる態様が存在する。第1の場面において、aAMは、aAPXと直接結合し得、細胞表面でaAPX:aAM複合体を形成し得る形態で提供される(図34)。このようなaAMの一例は、HLA複合体についてのペプチド抗原である。第2の場面において、aAMは、被分析物eAPCにより取り込まれ、aAPXにおいて積荷として積載され、細胞表面でaAPX:aAM複合体を形成するようにプロセスされる形態で提供される(図35)。
本発明に関して、aAM積荷又はCM積荷を選択し同定する方法であって、積荷が、二部構成デバイスの一次出力として選択されて得られるeAPCのaAPXに積載される代謝物及び/又はペプチドである方法は、
i.aAPX:aAM又はaAPX:CM又は積荷aM又は積荷CMを単離することと、
ii.積載された積荷を同定することと
を含み、ここで、同定される積載された積荷は、二部構成デバイスの終端出力である。

0104

一般に、選択されたeAPCから積荷分子を同定できる2つの態様が存在する。第一に、aAPX:aAM又はaAPX:CMからの積荷の強制放出により、その後の同定に利用可能なaAM又はCMの単離がもたらされる(図36)。この例は、HLA複合体からペプチドaAMを遊離させるeAPCの酸洗浄である。第二に、(例えば複合体の遊離及び免疫親和性単離法による)aAPX:aAM又はaAPX:CMの捕捉により、aAPX:aAM又はaAPX:CM複合体の単離がもたらされ、aAM又はCMを同定することができる(図37)。
単離aAM及び/若しくはCMを直接に又は単離aAPX:aAM若しくはaAPX:CM複合体から同定する方法は:
i.質量分析
ii.ペプチド配列決定分析
を含むことができ、ここで、含まれるaAM及び/又はCMのアイデンティティは、二部構成デバイスの終端出力である。

図面の説明
本発明を以下の非限定的図面において説明する。

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