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課題・解決手段

ビフィドバクテリウムロンガムNCIMB42020の単離株は、ウイルス感染症、特にインフルエンザライノウイルスおよびRSVなどのウイルス呼吸器感染症治療に有用である。ビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB42020はまた、二次細菌感染症を取り除くのにも有用である。

概要

背景

ビフィドバクテリウム属菌は、十分な数で摂取されると、基本的栄養を超えた健康効果を及ぼす生存生物であるので、プロバイオティクスと考えられる。プロバイオティクス効果を及ぼすためには、高レベルの摂取ビフィドバクテリウム属菌がその作用部位に到達しなければならない。腸内容物グラム当たりおよそ106〜107個の生存ビフィドバクテリウム属菌の最小レベル示唆されている(Bouhnik,Y.、Lait 1993)。成人および乳児で行われたインビボ試験が、ビフィドバクテリウム属菌の一部の株が胃腸管を生きて通過することができることを示していることを示す報告が文献にある。様々なビフィドバクテリウム株が酸および胆汁酸塩に耐える能力の間には有意な差が観察されており、潜在的なプロバイオティクス株の選択にとって生存が重要な基準となることを示している。

ビフィドバクテリウム属菌の摂取は、胃腸管通過を改善することができ、胃腸管(GIT)感染症便秘過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)−クローン病および潰瘍性大腸炎食物アレルギー抗生物質誘発性下痢心血管疾患および一定のがん(例えば、結腸直腸がん)などの欠乏性または障害性細菌叢によって引き起こされ得る病気を予防し得る、またはその治療支援し得る。

ウイルス感染症は、罹患率および死亡率の主因である。インフルエンザウイルスライノウイルス感冒)および呼吸器合胞体ウイルス(RSV)は、通常、健康な個体では適切な宿主免疫応答によってうまく取り除かれる高度感染性ウイルスである。しかしながら、これらの感染症による問題の多くは、初期ウイルスではなく、むしろしばしばこれに付随する二次感染症、例えば肺炎を引き起こす細菌感染症、洞組織の感染症等である。COPDまたは喘息または肥満を患っている個体などの感受性個体は、ウイルス感染症に対する応答が極めて乏しく、その後の二次感染症が重篤となり、このような個体にとっては生命脅かすものとなり得る。

これらの状態のこれらのウイルス誘発性憎悪は、相当な医療費および著しい苦痛を伴う。これらの憎悪のための新規の有効な治療法の開発は、主要な未だ対処されていない臨床的必要性があるので、有益となると予想される。インフルエンザウイルス、特に世界的流行性の鳥インフルエンザウイルス罹患した患者への副腎皮質ステロイド投与は、比較的一般的であるが、論争の的になったままである。日常的なステロイドの使用は、ウイルス負荷を減らさず、後で二次細菌感染症のクリアランス阻害もするので、インフルエンザウイルス感染症にとって理想的ではない(Yangら、2015)。

感染の早い段階では、インフルエンザ、ライノウイルスおよびRSV複製が肺上皮細胞で起こり、ウイルスセンサー活性化、ならびに抗ウイルスI型およびII型インターフェロン(IFN)ならびにケモカインおよびサイトカインの放出をもたらす。これらの炎症促進性メディエータは、一次感染症を取り除くのに役立つが、I型IFNはまたその後の損傷(免疫病理学)を引き起こし得る。IFN−αおよびIFN−β分子の増加などのIFN I型応答は、インフルエンザ感染症モデルにおける罹患率および死亡率の増加と直接相関することが示されている(Davidsonら、2014)。抗ウイルスI型IFNおよび関連するIP−10ケモカインの過剰産生は、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumonia)、モラクセラカタラーリス(Moraxella catarrhalis)およびインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、および黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)などの細菌因子によって引き起こされる(Hewittら、2016)ような明らかな二次感染症に対する適切な免疫応答を阻害する(Nakamuraら、2011;Shahangianら、2009;Liら、2012)。これらの二次感染症は、肺内の過剰な細胞死を引き起こす。感受性個体では、これが、肺組織傷害および肺機能低下につながり、ある場合、例えばCOPD患者では重篤な合併症および死亡率を引き起こす。重要なことに、炎症促進性活性化は、I型IFN応答にのみ起こり、好中球動員を引き起こすが、III型IFN応答では起こらない(Galaniら、2017)。

しかしながら、IFNラムダ(IFN−λ)などのIII型IFNは、炎症促進性応答も免疫病理学も誘導することなくウイルス複製を制限することができる(Davidsonら、2016;Galaniら、2017)。

そのため、適切なIII型応答および抗ウイルス防御を維持しながら、ウイルス感染症に対するI型IFN応答ならびに付随する炎症促進性および組織損傷性応答を制限することができる治療薬は、呼吸器ウイルス感染症の管理における有意な進歩となると予想される。この免疫病理学の減少は、宿主生存および疾患の消散にとって重要である。

他の先天性センサーまたは免疫メディエータも、早期の抗ウイルス防御で重要な役割を果たすことができる。サーファクタントタンパク質D(SP−D)は、感染の初期相の一部であるインフルエンザウイルスの上皮細胞への侵入を抑えることができる。(Thielら、1989;Sastryら、1993)。また、ウイルスに結合して、これが気管支上皮細胞に感染するのを抑えることができるこの先天性センサーを誘導することができる治療薬は、インフルエンザ、ライノウイルスおよびRSVなどのウイルスの治療における有意な進歩となると予想される。さらに、腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)、重要な炎症性サイトカインの阻害は、免疫病理学の程度に対する有意な効果を有し、炎症性細胞浸潤およびサイトカイン応答を阻害した。TNF−αは、高度病原性インフルエンザウイルスに感染したマカクサルおよびヒトで罹患率および死亡率と相関することが示されている。TNF−αが抑制されると、インフルエンザウイルス感染マウスインフルエンザウイルス複製の減少および生存増加が観察された。エタネルセプトによるこの炎症性サイトカインの阻害は、マウスで致死性H1N1インフルエンザ感染症に対する防御を提供する(Shiら、2013)。

III型IFN−λおよび/またはSP−Dを誘導することができる治療薬は、二次細菌感染症の可能性を減少させながら、一次ウイルス感染症の早期クリアランスにおいて役割を果たし、ARDS、喘息、肥満およびCOPDの管理における有意な進歩となると予想される。

概要

ビフィドバクテリウムロンガムNCIMB42020の単離株は、ウイルス感染症、特にインフルエンザ、ライノウイルスおよびRSVなどのウイルス呼吸器感染症の治療に有用である。ビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB42020はまた、二次細菌感染症を取り除くのにも有用である。

目的

エタネルセプトによるこの炎症性サイトカインの阻害は、マウスで致死性H1N1インフルエンザ感染症に対する防御を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

受託番号NCIMB42020を有するビフィドバクテリウムロンガム株

請求項2

生物学的に純粋な培養物の形態である、請求項1に記載のビフィドバクテリウム株

請求項3

ビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB42020の単離株

請求項4

生細胞の形態である、請求項1〜3のいずれかに記載のビフィドバクテリウム株。

請求項5

非生細胞の形態である、請求項1〜4のいずれかに記載のビフィドバクテリウム株。

請求項6

糞便から単離される、請求項1〜5のいずれかに記載のビフィドバクテリウム株。

請求項7

細菌ブロスの形態である、請求項1〜6のいずれかに記載のビフィドバクテリウム株。

請求項8

凍結乾燥粉末の形態である、請求項1〜6のいずれかに記載のビフィドバクテリウム株。

請求項9

ウイルスに対するIP−10応答減弱する、請求項1〜8のいずれかに記載の株。

請求項10

ウイルスに対するIII型インターフェロン応答を増強する、請求項1〜9のいずれかに記載の株。

請求項11

ウイルスに対するインターフェロンλ応答を増強する、請求項1から10のいずれかに記載の株。

請求項12

ウイルスに対するインターフェロンI型応答を抑制する、請求項1〜11のいずれかに記載の株。

請求項13

ウイルスに対するインターフェロンα応答を抑制する、請求項1〜12のいずれかに記載の株。

請求項14

ウイルスに対するインターフェロンβ応答を抑制する、請求項1〜13のいずれかに記載の株。

請求項15

ウイルスに対するサーファクタントタンパク質D応答を増強する、請求項1〜14のいずれかに記載の株。

請求項16

請求項1〜15のいずれかに記載のビフィドバクテリウム株を含む製剤。

請求項17

別のプロバイオティクス物質をさらに含む、請求項16に記載の製剤。

請求項18

プレバイオティクス物質をさらに含む、請求項16または17のいずれかに記載の製剤。

請求項19

摂取可能な担体をさらに含む、請求項16または17のいずれかに記載の製剤。

請求項20

前記摂取可能な担体が、カプセル錠剤または粉末などの薬学的に許容される担体である、請求項19に記載の製剤。

請求項21

前記摂取可能な担体が、酸性乳ヨーグルトフローズンヨーグルトアイスクリーム粉乳乳濃縮物、アイスクリーム、チーズスプレッドドレッシングまたは飲料などの食品製品である、請求項19に記載の製剤。

請求項22

タンパク質および/またはペプチド、特にグルタミングルタミン酸塩富むタンパク質および/またはペプチド、脂質、炭水化物ビタミンミネラルならびに/あるいは微量元素をさらに含む、請求項16〜21のいずれかに記載の製剤。

請求項23

前記ビフィドバクテリウム株が、製剤1グラム当たり106cfu超の量で存在する、請求項16〜22に記載の製剤。

請求項24

アジュバントをさらに含む、請求項16〜23に記載の製剤。

請求項25

薬物実体をさらに含む、請求項16〜24に記載の製剤。

請求項26

生物学的化合物をさらに含む、請求項16〜25に記載の製剤。

請求項27

またはへの投与適合されている、請求項1〜15のいずれかに記載の株を含む製剤。

請求項28

点鼻薬の形態の、請求項27に記載の製剤。

請求項29

製剤の粘度が0.001Pa・s(1cp)〜2Pa・s(2000cp)である、請求項27または28に記載の製剤。

請求項30

食品に使用するための、請求項1〜15のいずれかに記載のビフィドバクテリウム株または請求項16〜26のいずれかに記載の製剤。

請求項31

医薬品として使用するための、請求項1〜15のいずれかに記載のビフィドバクテリウム株または請求項16〜26のいずれかに記載の製剤。

請求項32

望ましくない炎症活性の予防および/または治療に使用するための、請求項1〜15のいずれかに記載のビフィドバクテリウム株または請求項16〜29のいずれかに記載の製剤。

請求項33

望ましくない炎症活性の予防および/または治療に使用するための、請求項1〜15のいずれかに記載のビフィドバクテリウム株またはその活性誘導体もしくはフラグメントもしくは突然変異体もしくは変異体

請求項34

喘息および/またはアレルギーを治療するための医薬品の調製に使用するための請求項1〜15のいずれかに記載のビフィドバクテリウム株または請求項16〜29のいずれかに記載の製剤であって、前記医薬品は、吸入に適した形態であってもよい、製剤。

請求項35

対象のウイルス感染症の予防または治療に使用するための、請求項1〜15のいずれかに記載のビフィドバクテリウム株または請求項16〜29のいずれかに記載の製剤。

請求項36

対象の呼吸器ウイルス感染症に関連する二次細菌感染症の予防に使用するための、請求項1〜15のいずれかに記載ビフィドバクテリウム株または請求項16〜29のいずれかに記載の製剤。

請求項37

前記ウイルスが呼吸器ウイルスである、請求項35または36に記載の使用するためのビフィドバクテリウム株。

請求項38

前記呼吸器ウイルスが、インフルエンザウイルスライノウイルスおよび呼吸器合胞体ウイルスから選択される、請求項37に記載の使用するためのビフィドバクテリウム株。

請求項39

前記対象が、炎症性肺疾患診断されている、請求項35〜38のいずれかに記載の使用するためのビフィドバクテリウム・ロンガム株。

請求項40

前記対象が、呼吸器感染症に対する感受性が増加している、請求項35〜39のいずれかに記載の使用するためのビフィドバクテリウム・ロンガム株。

請求項41

前記対象が肥満である、請求項35〜40のいずれかに記載の使用するためのビフィドバクテリウム・ロンガム株。

請求項42

前記対象が急性呼吸窮迫症候群(ARDS)患者である、請求項35〜41のいずれかに記載の使用するためのビフィドバクテリウム・ロンガム株。

請求項43

前記対象が喘息患者である、請求項35〜42のいずれかに記載の使用するためのビフィドバクテリウム・ロンガム株。

請求項44

前記対象が慢性閉塞性肺疾患COPD)患者である、請求項35〜43のいずれかに記載の使用するためのビフィドバクテリウム・ロンガム株。

請求項45

前記対象が5未満の小児である、請求項35〜44のいずれかに記載の使用するためのビフィドバクテリウム・ロンガム株。

請求項46

前記対象が60歳超の高齢者である、請求項35〜44のいずれかに記載の使用するためのビフィドバクテリウム・ロンガム株。

請求項47

対象のウイルス感染症を予防または治療する方法であって、有効量のビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB42020株またはその活性誘導体もしくはフラグメントもしくは突然変異体もしくは変異体を、それを必要とする対象に投与するステップを含む方法。

請求項48

前記ビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB42020株またはその活性誘導体もしくはフラグメントもしくは突然変異体もしくは変異体が、ウイルスに対するIP−10応答を減弱する、請求項47に記載の方法。

請求項49

前記ビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB42020株またはその活性誘導体もしくはフラグメントもしくは突然変異体もしくは変異体が、前記ウイルスに対するIII型インターフェロン応答を増強する、請求項47または48に記載の方法。

請求項50

前記ビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB42020株またはその活性誘導体もしくはフラグメントもしくは突然変異体もしくは変異体が、前記ウイルスに対するインターフェロンλ応答を増強する、請求項47〜49のいずれかに記載の方法。

請求項51

前記ビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB42020株またはその活性誘導体もしくはフラグメントもしくは突然変異体もしくは変異体が、前記ウイルスに対するインターフェロンI型応答を抑制する、請求項47〜50のいずれかに記載の方法。

請求項52

前記ビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB42020株またはその活性誘導体もしくはフラグメントもしくは突然変異体もしくは変異体が、前記ウイルスに対するインターフェロンα応答を抑制する、請求項47〜51のいずれかに記載の方法。

請求項53

前記ビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB42020株またはその活性誘導体もしくはフラグメントもしくは突然変異体もしくは変異体が、前記ウイルスに対するインターフェロンβ応答を抑制する、請求項47〜52のいずれかに記載の方法。

請求項54

前記ビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB42020株またはその活性誘導体もしくはフラグメントもしくは突然変異体もしくは変異体が、前記ウイルスに対するサーファクタントタンパク質D応答を増強する、請求項47〜53のいずれかに記載の方法。

請求項55

対象の二次細菌感染症を予防または治療する方法であって、ビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB42020またはその活性誘導体もしくはフラグメントもしくは突然変異体もしくは変異体から単離された細胞壁画分を投与するステップを含む方法。

請求項56

前記ウイルスが呼吸器ウイルスである、請求項47〜55のいずれかに記載の方法。

請求項57

前記ウイルスが、インフルエンザウイルス、ライノウイルスおよび呼吸器合胞体ウイルスから選択される、請求項47〜56のいずれかに記載の方法。

請求項58

前記対象が、炎症性肺疾患と診断されている、請求項47〜57のいずれかに記載の方法。

請求項59

前記対象が、呼吸器感染症に対する感受性が増加している、請求項47〜58のいずれかに記載の方法。

請求項60

前記対象が肥満である、請求項47〜59のいずれかに記載の方法。

請求項61

前記対象が急性呼吸窮迫症候群(ARDS)患者である、請求項47〜60のいずれかに記載の方法。

請求項62

前記対象が喘息患者である、請求項47〜61のいずれかに記載の方法。

請求項63

前記対象が慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者である、請求項47〜62のいずれかに記載の方法。

請求項64

前記対象が5歳未満の小児である、請求項47〜63のいずれかに記載の方法。

請求項65

前記対象が60歳超の高齢者である、請求項47〜64のいずれかに記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、ヒト結腸細菌叢中に存在するいくつかの優勢な培養可能な細菌の1つであるビフィドバクテリウム属菌に関する。

背景技術

0002

ビフィドバクテリウム属菌は、十分な数で摂取されると、基本的栄養を超えた健康効果を及ぼす生存生物であるので、プロバイオティクスと考えられる。プロバイオティクス効果を及ぼすためには、高レベルの摂取ビフィドバクテリウム属菌がその作用部位に到達しなければならない。腸内容物グラム当たりおよそ106〜107個の生存ビフィドバクテリウム属菌の最小レベル示唆されている(Bouhnik,Y.、Lait 1993)。成人および乳児で行われたインビボ試験が、ビフィドバクテリウム属菌の一部の株が胃腸管を生きて通過することができることを示していることを示す報告が文献にある。様々なビフィドバクテリウム株が酸および胆汁酸塩に耐える能力の間には有意な差が観察されており、潜在的なプロバイオティクス株の選択にとって生存が重要な基準となることを示している。

0003

ビフィドバクテリウム属菌の摂取は、胃腸管通過を改善することができ、胃腸管(GIT)感染症便秘過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)−クローン病および潰瘍性大腸炎食物アレルギー抗生物質誘発性下痢心血管疾患および一定のがん(例えば、結腸直腸がん)などの欠乏性または障害性細菌叢によって引き起こされ得る病気を予防し得る、またはその治療支援し得る。

0004

ウイルス感染症は、罹患率および死亡率の主因である。インフルエンザウイルスライノウイルス感冒)および呼吸器合胞体ウイルス(RSV)は、通常、健康な個体では適切な宿主免疫応答によってうまく取り除かれる高度感染性ウイルスである。しかしながら、これらの感染症による問題の多くは、初期ウイルスではなく、むしろしばしばこれに付随する二次感染症、例えば肺炎を引き起こす細菌感染症、洞組織の感染症等である。COPDまたは喘息または肥満を患っている個体などの感受性個体は、ウイルス感染症に対する応答が極めて乏しく、その後の二次感染症が重篤となり、このような個体にとっては生命脅かすものとなり得る。

0005

これらの状態のこれらのウイルス誘発性憎悪は、相当な医療費および著しい苦痛を伴う。これらの憎悪のための新規の有効な治療法の開発は、主要な未だ対処されていない臨床的必要性があるので、有益となると予想される。インフルエンザウイルス、特に世界的流行性の鳥インフルエンザウイルス罹患した患者への副腎皮質ステロイド投与は、比較的一般的であるが、論争の的になったままである。日常的なステロイドの使用は、ウイルス負荷を減らさず、後で二次細菌感染症のクリアランス阻害もするので、インフルエンザウイルス感染症にとって理想的ではない(Yangら、2015)。

0006

感染の早い段階では、インフルエンザ、ライノウイルスおよびRSV複製が肺上皮細胞で起こり、ウイルスセンサー活性化、ならびに抗ウイルスI型およびII型インターフェロン(IFN)ならびにケモカインおよびサイトカインの放出をもたらす。これらの炎症促進性メディエータは、一次感染症を取り除くのに役立つが、I型IFNはまたその後の損傷(免疫病理学)を引き起こし得る。IFN−αおよびIFN−β分子の増加などのIFN I型応答は、インフルエンザ感染症モデルにおける罹患率および死亡率の増加と直接相関することが示されている(Davidsonら、2014)。抗ウイルスI型IFNおよび関連するIP−10ケモカインの過剰産生は、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumonia)、モラクセラカタラーリス(Moraxella catarrhalis)およびインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、および黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)などの細菌因子によって引き起こされる(Hewittら、2016)ような明らかな二次感染症に対する適切な免疫応答を阻害する(Nakamuraら、2011;Shahangianら、2009;Liら、2012)。これらの二次感染症は、肺内の過剰な細胞死を引き起こす。感受性個体では、これが、肺組織傷害および肺機能低下につながり、ある場合、例えばCOPD患者では重篤な合併症および死亡率を引き起こす。重要なことに、炎症促進性活性化は、I型IFN応答にのみ起こり、好中球動員を引き起こすが、III型IFN応答では起こらない(Galaniら、2017)。

0007

しかしながら、IFNラムダ(IFN−λ)などのIII型IFNは、炎症促進性応答も免疫病理学も誘導することなくウイルス複製を制限することができる(Davidsonら、2016;Galaniら、2017)。

0008

そのため、適切なIII型応答および抗ウイルス防御を維持しながら、ウイルス感染症に対するI型IFN応答ならびに付随する炎症促進性および組織損傷性応答を制限することができる治療薬は、呼吸器ウイルス感染症の管理における有意な進歩となると予想される。この免疫病理学の減少は、宿主生存および疾患の消散にとって重要である。

0009

他の先天性センサーまたは免疫メディエータも、早期の抗ウイルス防御で重要な役割を果たすことができる。サーファクタントタンパク質D(SP−D)は、感染の初期相の一部であるインフルエンザウイルスの上皮細胞への侵入を抑えることができる。(Thielら、1989;Sastryら、1993)。また、ウイルスに結合して、これが気管支上皮細胞に感染するのを抑えることができるこの先天性センサーを誘導することができる治療薬は、インフルエンザ、ライノウイルスおよびRSVなどのウイルスの治療における有意な進歩となると予想される。さらに、腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)、重要な炎症性サイトカインの阻害は、免疫病理学の程度に対する有意な効果を有し、炎症性細胞浸潤およびサイトカイン応答を阻害した。TNF−αは、高度病原性インフルエンザウイルスに感染したマカクサルおよびヒトで罹患率および死亡率と相関することが示されている。TNF−αが抑制されると、インフルエンザウイルス感染マウスインフルエンザウイルス複製の減少および生存増加が観察された。エタネルセプトによるこの炎症性サイトカインの阻害は、マウスで致死性H1N1インフルエンザ感染症に対する防御を提供する(Shiら、2013)。

0010

III型IFN−λおよび/またはSP−Dを誘導することができる治療薬は、二次細菌感染症の可能性を減少させながら、一次ウイルス感染症の早期クリアランスにおいて役割を果たし、ARDS、喘息、肥満およびCOPDの管理における有意な進歩となると予想される。

0011

本発明によると、受託番号NCIMB42020を有するビフィドバクテリウムロンガム(Bifidobacterium longum)株が提供される。この株は、生物学的に純粋な培養物の形態であり得る。

0012

ビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB42020の単離株も提供される。
この株は、生細胞の形態および/または非生細胞の形態であり得る。
この株は、健康なヒト対象糞便または胃腸管から単離され得る。

0013

この株は、細菌ブロスの形態であり得る。あるいは、この株は、凍結乾燥粉末の形態である。
この株は、ウイルスに対するIP−10応答を減弱する。IP−10はIFN−γに応答していくつかの細胞型によって分泌されるので、これは重要である。これらの細胞型は、単球および内皮細胞を含む。IP−10は、単球/マクロファージ、T細胞NK細胞および樹状細胞化学誘引、ならびに内皮細胞へのT細胞接着の促進を含むいくつかの役割に帰属し、ウイルス誘導性宿主系活性化の指標である。

0014

この株は、ウイルスに対するインターフェロンλ応答などの、ウイルスに対するIII型インターフェロン応答を増強し得る。
この株は、ウイルスに対するインターフェロンα応答および/またはウイルスに対するインターフェロンβ応答などの、ウイルスに対するインターフェロンI型応答を抑制し得る。

0015

この株は、ウイルスに対するサーファクタントタンパク質D応答を増強し得る。
本発明はまた、本発明のビフィドバクテリウム株を含む製剤を提供する。
製剤は、別のプロバイオティクス物質および/またはプレバイオティクス(prebiotic)物質をさらに含み得る。

0016

製剤は、摂取可能な担体をさらに含み得る。摂取可能な担体は、カプセル錠剤または粉末などの薬学的に許容される担体であり得る。摂取可能な担体は、酸性乳ヨーグルトフローズンヨーグルトアイスクリーム粉乳乳濃縮物、アイスクリーム、チーズスプレッドドレッシングまたは飲料などの食品製品であり得る。

0017

製剤は、タンパク質および/またはペプチド、特にグルタミングルタミン酸塩富むタンパク質および/またはペプチド、脂質、炭水化物ビタミンミネラルならびに/あるいは微量元素をさらに含み得る。

0018

ビフィドバクテリウム株は、製剤1グラム当たり106cfu超の量で存在し得る。
製剤は、アジュバント、薬物実体および/または生物学的化合物をさらに含み得る。
製剤は、肺またはへの投与に適合され得る。例えば、製剤は、点鼻薬の形態であり得る。製剤の粘度は0.001Pa・s(1cp)〜2Pa・s(2000cp)であり得る。

0019

ビフィドバクテリウム株またはその製剤は、食品に使用するため、または医薬品として使用するためのものであり得る。
ビフィドバクテリウム株またはその製剤は、望ましくない炎症活性の予防および/または治療に使用するためのものであり得る。

0020

ビフィドバクテリウム株またはその活性誘導体もしくはフラグメントもしくは突然変異体もしくは変異体は、望ましくない炎症活性の予防および/または治療に使用するためのものであり得る。

0021

ビフィドバクテリウム株またはその製剤は、喘息および/またはアレルギーを治療するための医薬品の調製に使用するための製剤であって、医薬品は、吸入に適した形態であってもよい、製剤であり得る。

0022

ビフィドバクテリウム株またはその製剤は、対象のウイルス感染症の予防または治療に使用するためのものであり得る。
ビフィドバクテリウム株またはその製剤は、対象の呼吸器ウイルス感染症に関連する二次細菌感染症の予防に使用するためのものであり得る。

0023

ウイルスは、いくつかの場合、インフルエンザウイルス、ライノウイルスおよび呼吸器合胞体ウイルスから選択され得る呼吸器ウイルスである。
対象は、炎症性肺疾患診断されていてもよい。

0024

いくつかの場合、対象は、呼吸器感染症に対する感受性が増加している。
対象は、肥満、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)患者、喘息患者、または慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の1つまたは複数であり得る。

0025

ある場合、対象は5未満の小児である。
別の場合、対象は60歳超の高齢者である。
本発明はまた、対象のウイルス感染症を予防または治療する方法であって、有効量のビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB42020株またはその活性誘導体もしくはフラグメントもしくは突然変異体もしくは変異体を、それを必要とする対象に投与するステップを含む方法を提供する。

0026

ビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB42020株またはその活性誘導体もしくはフラグメントもしくは突然変異体もしくは変異体は、
ウイルスに対するIP−10応答を減弱し得る;
ウイルスに対するインターフェロンλ応答などの、ウイルスに対するIII型インターフェロン応答を増強し得る;
ウイルスに対するインターフェロンα応答および/またはウイルスに対するインターフェロンβ応答などの、ウイルスに対するインターフェロンI型応答を抑制し得る;ならびに/あるいは
ウイルスに対するサーファクタントタンパク質D応答を増強し得る。

0027

ビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB42020株から単離された細胞壁画分も提供される。
細胞壁画分は、
ウイルスに対するIP−10応答を減弱し得る;
ウイルスに対するインターフェロンλ応答などの、ウイルスに対するIII型インターフェロン応答を増強し得る;
ウイルスに対するインターフェロンα応答および/またはウイルスに対するインターフェロンβ応答などの、ウイルスに対するインターフェロンI型応答を抑制し得る;ならびに/あるいは
ウイルスに対するサーファクタントタンパク質D応答を増強し得る。

0028

ウイルスは、いくつかの場合、インフルエンザウイルス、ライノウイルスおよび呼吸器合胞体ウイルスから選択され得る呼吸器ウイルスである。
対象は、炎症性肺疾患と診断されていてもよい。

0029

いくつかの場合、対象は、呼吸器感染症に対する感受性が増加している。
対象は、肥満、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)患者、喘息患者、または慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の1つまたは複数であり得る。

0030

ある場合、対象は5歳未満の小児である。
別の場合、対象は60歳超の高齢者である。
細胞壁画分は、100kDa超の分子量を有し得る。細胞壁画分はサイズが0.45μm未満であり得る。

0031

一実施形態では、画分が、ビフィドバクテリウム・ロンガムを切開し、細胞質画分から細胞壁画分を分離することによって単離される。
対象の呼吸器ウイルス感染症の予防または治療に使用するためのビフィドバクテリウム・ロンガム株から単離された細胞壁画分も提供される。

0032

本発明はまた、対象の呼吸器ウイルス感染症に関連する二次細菌感染症の予防に使用するためのビフィドバクテリウム・ロンガム株から単離された細胞壁画分も提供する。
ビフィドバクテリウム・ロンガムの細胞壁画分を単離する方法であって、
ビフィドバクテリウム・ロンガムを切開して、細胞壁画分および細胞質画分を形成するステップと;
細胞質画分から細胞壁画分を分離するステップと
を含む方法も提供される。

0033

ビフィドバクテリウム・ロンガムの切開は、
キレート剤で処理すること;
酵素で処理すること;および
剪断力印加すること
の少なくとも1つを含み得る。

0034

キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸EDTA)などのカルシウムキレート剤であり得る。酵素は、リゾチームなどのグリコシドヒドロラーゼであり得る。あるいはまたはさらに、酵素はムタノリシン(mutanolysin)などのムラティック(muralytic)酵素である。

0035

剪断力は、超音波処理によって、および/またはフレンチプレスなどによる圧力によって印加され得る。
分離は遠心分離を含み得る。

0036

いくつかの場合、分離後、細胞壁画分が濾過されて、サイズが0.45μm未満の画分が得られる。
細胞壁画分を含む製剤も提供される。

0037

製剤は、別のプロバイオティクス物質および/またはプレバイオティクス物質をさらに含み得る。
製剤は、摂取可能な担体をさらに含み得る。摂取可能な担体は、カプセル、錠剤または粉末などの薬学的に許容される担体であり得る。摂取可能な担体は、酸性乳、ヨーグルト、フローズンヨーグルト、アイスクリーム、粉乳、乳濃縮物、アイスクリーム、チーズスプレッド、ドレッシングまたは飲料などの食品製品であり得る。

0038

製剤は、タンパク質および/またはペプチド、特にグルタミン/グルタミン酸塩に富むタンパク質および/またはペプチド、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルならびに/あるいは微量元素をさらに含み得る。

0039

製剤は、アジュバント、薬物実体および/または生物学的化合物をさらに含み得る。
製剤は、肺または鼻への投与に適合され得る。例えば、製剤は、点鼻薬の形態であり得る。製剤の粘度は0.001Pa・s(1cp)〜2Pa・s(2000cp)であり得る。

0040

本発明は、ビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB42020(AH0106)の単離株を提供する。
本発明はまた、ビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB42020の単離株の突然変異体または変異体を提供する。

0041

単離株は生細胞の形態であり得る。
単離株は非生細胞の形態であり得る。
本発明はまた、ビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB42020の単離株を含む製剤を提供する。

0042

製剤は、摂取可能な担体を含み得る。摂取可能な担体は、カプセル、錠剤または粉末などの薬学的に許容される担体であり得る。摂取可能な担体は、酸性乳、ヨーグルト、フローズンヨーグルト、粉乳、乳濃縮物、チーズスプレッド、ドレッシングまたは飲料などの食品製品であり得る。

0043

一実施形態では、この株がウイルスに対するIP−10応答を減弱する。
一実施形態では、この株がウイルスに対するIII型インターフェロン応答を増強する。

0044

一実施形態では、この株がウイルスに対するインターフェロンα応答を抑制する。
一実施形態では、この株がウイルスに対するインターフェロンβ応答を抑制する。
ある場合、この株が、
ウイルスに対するIP−10応答を減弱する;
ウイルスに対するIII型インターフェロン応答を増強する;
ウイルスに対するインターフェロンα応答を抑制する;および
ウイルスに対するインターフェロンβ応答を抑制する。

0045

この株は、摂取可能な担体1グラム当たり106cfu超で存在し得る。
本発明はさらに、ビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB42020の単離株と、薬学的に許容される担体とを含む組成物を提供する。

0046

本発明はまた、プロバイオティクス株としてのビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB42020株の使用を提供する。
一実施形態では、製剤が、肺または鼻への投与に適合されている。

0047

本発明の特定の株が、カプセル剤マイクロカプセル剤、錠剤、顆粒剤散剤トローチ丸剤坐剤懸濁剤およびシロップなどの、従来の製剤における経口摂取可能な形態で動物(ヒトを含む)に投与され得ることが理解されると予想される。適切な製剤は、従来の有機および無機添加剤を使用して一般的に利用される方法によって調製され得る。医薬組成物中の有効成分の量は、所望の治療効果を及ぼすレベルであり得る。

0048

製剤はまた、細菌成分、薬物実体または生物学的化合物を含み得る。
さらに、本発明の株を含むワクチンは、任意の適切な公知の方法を使用して調製され得、薬学的に許容される担体またはアジュバントを含み得る。

0049

本発明はまた、対象のウイルス感染症の予防または治療に使用するための、本発明のビフィドバクテリウム株または本発明の製剤を提供する。
ある場合、対象は急性呼吸窮迫症候群(ARDS)患者である。

0050

別の場合、対象は喘息患者である。
さらなる場合、対象は慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者である。
本発明はまた、ウイルスに対するIP−10応答を減弱する、ビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB42020から単離された細胞壁画分を提供する。

0051

ある場合、画分が、ウイルスに対するIII型インターフェロン応答を増強する。
ある場合、画分が、ウイルスに対するインターフェロンα応答を抑制する。
ある場合、画分が、ウイルスに対するインターフェロンβ応答を抑制する。

0052

本発明はさらに、
ウイルスに対するIP−10応答を減弱する;
ウイルスに対するIII型インターフェロン応答を増強する;
ウイルスに対するインターフェロンα応答を抑制する;および
ウイルスに対するインターフェロンβ応答を抑制する
ビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB42020から単離された細胞壁画分を提供する。

0053

ある場合、細胞壁画分の分子量が100kDa超である。
ある場合、細胞壁画分が、サイズが0.45μm未満である。
ある場合、細胞壁画分が、100kDa超の分子量を有し、サイズが0.45μm未満である。

0054

本発明はさらに、対象のウイルス感染症を予防または治療する方法であって、ビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB42020から単離された細胞壁画分を投与するステップを含む方法を提供する。

0055

ある場合、細胞壁画分が、ウイルスに対するIP−10応答を減弱する。
ある場合、画分が、ウイルスに対するIII型インターフェロン応答を増強する。
ある場合、画分が、ウイルスに対するインターフェロンα応答を抑制する。

0056

ある場合、画分が、ウイルスに対するインターフェロンβ応答を抑制する。
対象のウイルス感染症を予防または治療する方法であって、
ウイルスに対するIP−10応答を減弱する;
ウイルスに対するIII型インターフェロン応答を増強する;
ウイルスに対するインターフェロンα応答を抑制する;および
ウイルスに対するインターフェロンβ応答を抑制する
ビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB42020から単離された細胞壁画分を投与するステップを含む方法も提供される。

0057

ある場合、細胞壁画分の分子量が100kDa超である。
ある場合、細胞壁画分が、サイズが0.45μm未満である。
ある場合、細胞壁画分が、肺または鼻への投与に適した製剤で投与される。

0058

ある場合、対象は急性呼吸窮迫症候群(ARDS)患者である。
ある場合、対象は喘息患者である。
ある場合、対象は慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者である。

0059

本発明はまた、寄託された株の突然変異体および変異体を含む。本明細書を通して、突然変異体、変異体および遺伝子修飾突然変異体という用語は、その遺伝的および/または表現型特性親株と比較して変化している株を含む。天然に生じる変異体は、選択的に単離された標的化特性の自発的変化を含む。親株特性の意図的変化は、遺伝子破壊接合伝達等などの従来の(インビトロ遺伝子操作技術によって達成される。遺伝子修飾は、例えばプラスミドDNAまたはバクテリオファージを含むベクターによる菌株ゲノムへの挿入による、株のゲノムへの外因性および/内因性DNA配列の導入を含む。

0060

自然のまたは誘発された突然変異は、DNA配列によってコードされるアミノ酸配列の変化をもたらし得る欠失、挿入、塩基転換または他のDNA修飾などの少なくとも単一の塩基変化を含む。

0061

突然変異体、変異体および遺伝子修飾突然変異体という用語はまた、全ての微生物について自然で一貫している速度でゲノムに蓄積する遺伝子変化、ならびに/あるいはゲノムの意図的(インビトロ)操作によっては達成されないが、抗生物質などの環境圧にさらされると細菌の生存を支持するための選択的利点を提供する変異体および/または突然変異体の自然選択を通して達成される自発的突然変異および/または遺伝子の獲得および/または遺伝子の喪失を通して起こる遺伝子変化を受けた株を含む。突然変異体は、生物の生化学的機能性を基本的には変化させないが、その産物を細菌の同定または選択に使用することができる特定の遺伝子、例えば抗生物質耐性をゲノムに意図的に(インビトロで)挿入することによって作製され得る。

0062

業者であれば、親株を用いたDNA配列相同性分析によって、突然変異または変異株が同定され得ることを認識すると予想される。実証可能な表現型または測定可能な機能的差異を有さないで、親株と近い配列同一性を有する株が突然変異体または変異株とみなされる。親DNA配列と99.5%以上の配列同一性(相同性)を有する株が、突然変異体または変異体とみなされ得る。配列相同性は、http://www.ncbi.nlm.nih,gov/BLAST/で公的に入手可能な、オンライン相同性アルゴリズム「BLAST」プログラムを使用して決定され得る。

0063

本発明は、添付の図面を参照して、単なる例として記載された以下のその説明からより明確に理解されると予想される。

図面の簡単な説明

0064

増加する濃度(中および高)のB.ロンガム株35624、AH1206、AH1362、1714、BL1207およびAH0106によるインビトロ刺激後のPBMCおよびMDDC中のIL−10の誘導プロファイルを示す棒グラフである。
同上。
増加する濃度(中および高)のB.ロンガム株35624、AH1206、AH1362、1714、BL1207およびAH0106によるインビトロ刺激後のPBMCおよびMDDC中のIL−12p40の誘導プロファイルを示す棒グラフである。
同上。
増加する濃度(中および高)のB.ロンガム株35624、AH1206、AH1362、1714、BL1207およびAH0106によるインビトロ刺激後のPBMCおよびMDDC中のTNF−αの誘導プロファイルを示す棒グラフである。
同上。
増加する濃度(中および高)のB.ロンガム株35624、AH1206、AH1362、1714、BL1207およびAH0106によるインビトロ刺激後のPBMCおよびMDDC中のIL−1βの誘導プロファイルを示す棒グラフである。
同上。
B.ロンガムAH0106の存在下でのライノウイルスに対するIP−10応答の棒グラフである。
図6(a)は、B.ロンガムAH0106の存在下でのライノウイルスに対するインターフェロンλ(III型インターフェロン)応答の棒グラフである。図6(b)は、B.ロンガムAH0106の存在下でのライノウイルスに対するインターフェロンα(1型インターフェロン)応答の棒グラフである。図6(c)は、B.ロンガムAH0106の存在下でのライノウイルスに対するインターフェロンβ(1型インターフェロン)応答の棒グラフである。
B.ロンガムAH0106または黄色ブドウ球菌株の存在下でのライノウイルス16に対するIP−10応答を比較する棒グラフである。
B.ロンガム株AH0106および35624の存在下でのLPSに対するIP−10応答の棒グラフである。
B.ロンガム株AH0106および35624の存在下でのLPSに対するTNF−α応答の棒グラフである。
ウイルス感染後のB.ロンガムAH0106株、B.ロンガム35624株およびプラセボに応じた肺のウイルス複製のグラフである。
B.ロンガム株AH0106、35624およびプラセボによる感染後の期間にわたる生存のグラフである。
ウイルス感染後のB.ロンガム株AH0106株、35624株およびプラセボに対する気管支肺胞洗浄(BAL)液中のサイトカイン応答および血清中のサーファクタントタンパク質D応答の一連のグラフである。
ウイルス感染後のB.ロンガム株AH0106株、35624株およびプラセボに応じたBALで測定された様々なバイオマーカーヒートマップを示す図である;バンドの強度が高くなるほど、誘導が大きくなる。
ウイルス感染後のB.ロンガム株AH0106株、35624株およびプラセボに応じたマクロファージのBAL数のグラフである。
ビフィドバクテリウム・ロンガムAH0106から細胞壁画分を単離するために使用される方法のフローチャートである。
図16(a)は、単球由来樹状細胞におけるAH0106株由来の細胞壁画分(Bif AH0106ペレット)の存在下でのヒトライノウイルス(HRV16)に対するIP−10応答のグラフである。図16(b)は、単球由来樹状細胞におけるAH0106株由来の細胞壁画分(Bif AH0106ペレット)の存在下でのヒトライノウイルス(HRV16)に対するIFN−α応答のグラフである。図16(c)は、単球由来樹状細胞におけるAH0106株由来の細胞壁画分(Bif AH0106ペレット)の存在下でのヒトライノウイルス(HRV16)に対するIFN−β応答のグラフである。
同上。
図17(a)は、単球由来樹状細胞におけるAH0106株由来の細胞壁画分と比較したUCC2003株由来の細胞壁画分の存在下でのヒトライノウイルス(HRV16)に対するIP−10応答の棒グラフである。図17(b)は、単球由来樹状細胞におけるAH0106株由来の細胞壁画分と比較したUCC2003株由来の細胞壁画分の存在下でのインターフェロンベータ(IFN−β)に対するIP−10応答の棒グラフである。
図18(a)は、単球由来樹状細胞におけるB.ロンガム株AH0106および35624由来の細胞壁画分と比較したUCC2003株由来の細胞壁画分の存在下でのLPSに対するTNF−α応答の棒グラフである。図18(b)は、単球由来樹状細胞におけるB.ロンガム株AH0106および35624由来の細胞壁画分と比較したUCC2003株由来の細胞壁画分の存在下でのPoly:ICに対するTNF−α応答の棒グラフである。
図19(a)は、ウイルス感染症に対する異常な応答のカスケードの図である。図19(b)は、B.ロンガムAH106株またはその細胞壁画分によって媒介されるウイルス感染症に対する応答のカスケードの図である。

0065

ビフィドバクテリウム・ロンガムAH0106株の寄託は、2012年8月2日に国立産業食品および海洋菌保存機関(National Collections of Industrial and Marine Bacteria Limited)(NCIMB)Ferguson Building、Craibstone Estate、Bucksburn、Aberdeen、AB21 9YA、スコトランド、英国でなされ、受託番号NCIMB42020が与えられた。

0066

本明細書はまた、ビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB41003(35624(登録商標)株)にも言及する。この株は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、WO00/42168に記載されている。この株は、1999年1月13日に国立産業食品および海洋菌保存機関(National Collections of Industrial and Marine Bacteria)、Ferguson Building、Craibstone Estate、Bucksburn、Aberdeen、AB21 9YA、スコットランド、英国で寄託された。

0067

本発明者らは、特定の菌株が抗ウイルス防御を促進し、損傷を及ぼす炎症促進性応答を阻害し、喘息患者およびCOPD患者におけるウイルス誘発性ARDSまたはウイルス誘発性憎悪の予防および/または治療に特に有用であることを発見した。

0068

以下の実施例は、本発明の範囲内の実施形態をさらに記載および実証する。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、多くの変化が可能であるので、これらの実施例は単なる例示目的で与えられるにすぎず、本発明の限定として解釈されるべきでない。

0069

実施例1ビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB42020の単離
ビフィドバクテリウム・ロンガムNCIMB42020株を、健康なヒト対象に由来する糞便試料から単離した。

0070

糞便試料をプロバイオティクス菌株についてスクリーニングした。試料を、0.05%システイン−HClを補足したリン酸緩衝食塩水PBS)を含有する採取管に移した。次いで、溶液を10分間インキュベートした。試料をボルテックスし、選択寒天(De Man、RogosaおよびSharpe(MRS)寒天+10%スクロースムピロシンおよびコンゴレッド+システイン+ムピロシン)上に置いた。コンゴレッド寒天スクリーニングを使用して、EPS発現菌株を表現型的にスクリーニングした。手短に言えば、10ml改変Rogosaブロス培地(+0.05%システイン)に、菌株の新たに増殖させたコロニー無菌的に接種し、混濁するまで(約16時間〜約24時間)、37℃で嫌気的にインキュベートした。ブロス培養物を、コンゴレッド寒天プレート上に無菌的に画線接種(streaked)し、37℃で48時間嫌気的にインキュベートした。一定の株の増殖および/または代謝の副産物として産生されるEPSがコンゴレッド染料の取り込みを防ぎ、クリーム色白色コロニー形態をもたらすと考えられる。EPSをあまり産生しない株はコンゴレッド染料を容易に取り込み、ピンク色/赤色コロニー形態をもたらす。EPSを産生しない株は、赤色に染色し、赤色寒天背景中でほぼ透明に見える。

0071

単離コロニープレートから選び取り、3回再画線接種して純度を確保した。顕微鏡検査グラム染色カタラーゼ試験フルクトース−6−リン酸ホスホケトラーゼ評価を使用して、推定上のビフィドバクテリウム属種を決定し、単離株を40%グリセロールストックし、−80℃で保存した。16S遺伝子間スペーサー領域配列決定(IGS)を使用して、新たに単離された株を同定した。

0072

名称AH0106を与えられた、純粋なビフィドバクテリウム株の単離後、これはその後NCIMBで寄託され、名称42020を与えられた。微生物学的特徴を評価し、以下の表1に要約する。B.ロンガムNCIMB42020はグラム陽性カタラーゼ陰性多形性形状の細菌であり、フルクトース−6−リン酸ホスホケトラーゼ陽性であり、ビフィドバクテリウム属菌として同定される。

0073

0074

16s〜23s遺伝子間スペーサー(IGS)配列決定を行って、単離したビフィドバクテリウム属菌の種を同定した。手短に言えば、100μlの抽出溶液および25μlの組織調製溶液(Sigma、XNAT2キット)を使用して、NCIMB42020からDNAを単離した。試料を室温で2時間、引き続いて95℃で2時間インキュベートし、次いで、100μlの中和溶液(Sigma、XNAT2キット)を添加した。Nanodrop分光光度計を使用して、ゲノムDNA溶液定量化し、4℃で保存した。IGSプライマーを使用して、PCRを行った。使用したプライマー対はIGS R 5’−CTGGTGCCAAGGCATCCA−3’(配列番号1)およびIGS L 5’−GCTGGATCACCCCTTTCT−3’(配列番号2)であった。サイクリング条件は94℃4分(1サイクル)、94℃45秒、53℃45秒、72℃45秒(28サイクル)であった。PCR反応は2μl(100ng)のDNA、PCRミックス(Sigma、Red Taq)、0.025nM IGS LおよびRプライマー(MWG Biotech、ドイツ)を含有していた。PCR反応をBiothermaサーモサイクラーで行った。PCR産物(10μl)を、TAE中2%アガロースEtBr染色ゲル上に分子量マーカー(100bpラダー、Roche)と並んで泳動して、IGSプロファイルを決定した。Promega Wizard PCR精製キットを使用して、ビフィドバクテリウム属菌のPCR産物(単一バンド)を精製した。遺伝子間スペーサー領域について、プライマー配列(上記)を使用して、精製PCR産物を配列決定した。次いで、配列データをNCBIヌクレオチドデータベースに対して検索して、ヌクレオチド相同性によって株を同定した。得られたDNA配列データを、NCBI標準ヌクレオチド対ヌクレオチド相同性BLAST検索エンジン(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/)にかけた。配列との最も近い一致を特定し、次いで、DNASTAR MegAlignソフトウェアを使用して、配列を比較のために整列させた。配列は配列表(表2)で見ることができる。NCIMBデータベースを検索することによって、NCIMB42020が特有のIGS(表2)配列を有し、その最も近い配列がビフィドバクテリウム・ロンガムと相同であることが明らかになった。

0075

0076

実施例2AH106のサイトカインプロファイルおよび潜在的な健康上の利益を有する他のビフィドバクテリウム(Bifidobacteria)・ロンガム株のプロファイルとの比較
密度勾配遠心分離を使用して、健康なドナーから末梢血単核球(PBMC)を単離した。PBMCを洗浄し、ダルベッコ変法イーグル培地−Glutamax(DMEM)(商標)(Glutamax(グルタミン代替物)+ピルビン酸塩+4.5g/lグルコース(Gibcoカタログ10569−010)10%ウシ胎児血清(SigmaカタログF4135)および1%ペニシリンストレプトマイシン(SigmaカタログP0781)に再懸濁した。PBMCを、37℃、5%CO2で、補足DMEM中で24時間、様々な用量のビフィドバクテリウム・ロンガム((全細菌:PBMC)高(100:1)および中(50:1))で刺激した。

0077

単球由来樹状細胞作製について:密度勾配遠心分離を使用して、健康なドナーから末梢血単核球(PBMC)を単離した。MACSシステム(Miltenyi Biotec、130−050−201)によりCD14陽性単離を使用して、ヒト末梢血単球を単離した。細胞を単球由来樹状細胞(MDDC)に分化させるために、インターロイキン4 1000U/ml(Novartis)および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(PeproTech、300−03)1000U/mlを含むcRPMI培地(Life Technologies、21875−091)で6日間培養した。MDDCを、37℃、5%CO2でcRPMI中24時間、様々な用量のB.ロンガム((全細菌:MDDC)高(100:1)および中(50:1))で刺激した。製造業者の指示に従って市販のサイトカインキット(MesoScale Discovery)プラットフォームを使用して、サイトカイン分泌を測定した。

0078

AH0106は、互いに類似のプロファイルを与える他の全ての菌株(35624、AH1206、AH1362、1714、BL1207)よりも、PBMCとMDDCの両方で多くのIL−10、IL−12p40、TNF−α、IL−1βを誘導した(図1〜図4)。AH106は、35624および1714などの他のB.ロンガムの特に知られている抗炎症性株よりもはるかに強力なサイトカインの刺激因子であり、AH0106が、より免疫刺激性の様式で、他のB.ロンガム株とは異なる方法で、ヒト免疫系と連動していることを実証している。

0079

実施例3AH0106株(単球由来樹状細胞で1型インターフェロンおよび結果としてのIP−10誘導(炎症促進性ケモカイン)を有利に遮断し、3型インターフェロンIFN−λを増加させる)
ウイルス感染に対する樹状細胞による過剰な免疫応答は、肺で炎症促進性応答を引き起こす。1型IFNは、Th1細胞の化学誘引物質であるケモカイン、IP−10の産生を刺激し得る。B.ロンガムAH0106がヒト単球由来樹状細胞に対する有益な抗ウイルス効果を有するかどうかを決定するために、MDDCを、ヒトライノウイルス16(HRV16)に曝露する前にB.ロンガムAH0106で刺激し、HRV16に対するインターフェロンおよびIP−10応答を監視した。MDDCを、複数用量のB.ロンガムAH0106(100:1、50:1、25:1、10:1、1:1)による前処理(1時間)後に、37℃、5%CO2でcRPMI中24時間、HRV16(MOI)25:1)で、またはHRV16単独で刺激した。IFN−α、IFN−β、IFN−λおよびIP−10を測定するBio−Plex多重懸濁アレイ(Bio−Rad Laboratories)によってサイトカイン分泌を調べた。驚くべきことに、RVに対するIP−10応答が、用量依存的様式でB.ロンガムAH0106株によって減弱された(図5)。同様に驚くべきことに、低用量では、B.ロンガムAH0106株とのコインキュベーションは、III型インターフェロン応答(インターフェロンλ)の増強をもたらしたが、IP−10応答と同様に、高用量では、インターフェロンαおよびβ応答が抑制された(図6)。このデータは、損傷性応答を弱めながら防御免疫応答を支持することにおいて、B.ロンガムAH0106がRVに対する免疫応答を変化させることを示している。

0080

実施例4 全てのグラム陽性菌株が同じ効果を有するわけではない
別のグラム陽性菌株が、ヒト単球由来樹状細胞に対する有益な抗ウイルス効果を有するかどうかを決定するために、黄色ブドウ球菌で刺激したMDDCをヒトライノウイルス16(HRV16)に曝露し、IP−10応答を監視した。手短に言えば、MDDCを、複数用量の黄色ブドウ球菌(100:1、50:1)による前処理(1時間)後に、37℃、5%CO2でcRPMI中24時間、HRV16(MOI)25:1)で刺激し、B.ロンガムAH0106(100:1)またはHRV16単独と比較した。黄色ブドウ球菌株は、HRV16に応じてDC IP−10分泌を減少させなかった(図7)。

0081

実施例5AH0106株は単球由来樹状細胞でTNF−αならびにIP−10を有利に遮断するが、全てのビフィドバクテリウム・ロンガム株が同じ効果を有するわけではない
炎症を起こした粘膜内では、IP−10およびTNF−α分泌を誘導するのがウイルス自体だけではなく、他の(toll様受容体TLRリガンドもその産生を誘導し得る。そのため、MDDCを、LPSに曝露する前にB.ロンガムAH0106またはB.ロンガム35624で前処理した。LPS、TLR−4アゴニストに対するIP−10およびTNF応答を監視した。手短に言えば、MDDCを、(100:1)の用量のB.ロンガムAH0106もしくは35624による前処理(1時間)後に、37℃、5%CO2でcRPMI中24時間LPS(50ng/ml)、またはLPS単独で刺激した。驚くべきことに、LPSに対するIP−10およびTNF−α応答はB.ロンガムAH106によって減弱された一方、B.ロンガム35624への曝露後、LPSに対するIP−10応答はほんのわずかしか減少せず(図8)、B.ロンガム35624は同じ用量でTNF−αを増加させる(図9)。B.ロンガム35624は周知の抗炎症性株であり、仮定される最高の候補であったので、これは非常に驚くべき結果である。B.ロンガムAH0106に関するサイトカインデータのあるものは、これが一般化された免疫刺激反応を引き起こすことを示唆していたが、実際には、B.ロンガムAH0106は、この細胞系で優れた、特異的免疫応答を有していた。

0082

実施例6呼吸器感染症の前臨床インビボモデルにおけるB.ロンガムAH106とB.ロンガム35624の比較
本発明者らは、治療利益を示すよう設計された前臨床モデルで、B.ロンガムAH0106株の有効性を試験した。ライノウイルスマウスモデルは、マウスがICAM、細胞に侵入するための主要なグループのライノウイルスの受容体を有さないために、ヒト感染症の優れた代用と考えられない。そのため、本発明者らは、優れたモデルと考えられるマウスにおける致死性インフルエンザモデルを利用した(Bartlettら、2015)。H1N1インフルエンザ株A/RP8/34(100PFU/50ul)株を使用してマウスを感染させた。

0083

0084

B.ロンガムAH0106株、B.ロンガム35624株またはプラセボを、ウイルス感染後−2時間、+1日および+3日に鼻腔内投与した。これらの株は1×109個全細胞の用量で投与した。

0085

2時間、1日目および3日目 1鼻腔当たりビヒクル対照(1群)、B.ロンガムAH0106(2群およびB.ロンガム35624細胞壁画分(3群)の投与(50μl容量)。

0086

0日目 1鼻腔当たり一用量の致死性インフルエンザ(RP8)の投与(1〜3群)。
0〜10日目罹患率についての動物の監視(体重、体温および臨床スコア、1〜3群)。

0087

5日目:1群当たり5匹の動物を最終的な出血のために屠殺し、器官を取り出し、各日について分析する。5日目(1〜3群)。
5日目:サイトカインおよび細胞浸潤物の測定のためのBAL液の単離。定量的PCRによる肺のウイルス力価の定量化のための肺組織の回収全肺葉の半分)。
肺組織のウイルス力価の測定
単離した肺葉を、定量的PCRによる肺組織のウイルス量の定量化のために調製した。RNAをTRI試薬(Molecular Research Center)で調製し、次いで、DNアーゼ(Invitrogen)で処理してゲノムDNA汚染を回避した後、SuperScript III(Invitrogen)を使用して逆転写によってRNAをcDNAに変換した。SYBR Green(Stratagene)を使用してリアルタイムPCR(iCycler;Bio−Rad)によってcDNAを定量化し、試料をGAPD発現レベル正規化した。使用したプライマー配列(それぞれ、順方向および逆方向)は、インフルエンザRP8Mタンパク質、5’−GGACTGCAGCGTAGACGCTT−3’(配列番号4)および5’CATCCTGTATATGAGGCCCAT−3’(配列番号5)であった。
群(1〜3):
1.プラセボ−PBSに再懸濁した凍結保護物質による処理。
2.B.ロンガムAH0106 109個全細胞による処理。
3.B.ロンガム35624 109個全細胞による処理。
1群当たりのマウス数(1〜3群)=5
サイトカインおよびケモカインの測定。

0088

製造業者の指示に従って市販のU−PLEX Biomarker Group1 Mouse 35−Plex(MesoScale Discovery)プラットフォームを使用して、血清中とBAL液中の両方のマウスIL−1β、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−9、IL−10、IL−12p70、IL−12/IL−23p40、IL−13、IL−15、IL−16、IL−17A、IL−17A/F、IL−17C、IL−17E、IL−17F、IL−21、IL−22、IL−23、IL−30、IL−31、IL−33、IP−10、MIP3α、MIP−2、MIP−1β、MIP−1α、MCP−1、KC/GRO、TNF−α、VEGF、EPO、GMCSF、IFN−γの濃度を測定した;ELISAキット(RayBiotech,Inc)を使用して、マウスIL−28(IFN−λ2/3)、マウスG−CSF、マウスTRAIL、マウスAREGを検出した;製造業者の指示に従ってR&D Systems製のQuantikineキットを使用して、オンコスタチンMおよびマウスサーファクタントタンパク質D(SPD)を測定した。マウスIFNα白金ELISA(ThermoFisher scientific)によって、血清およびBAL液中のマウスIFN−αを測定した。VeriKineマウスインターフェロンベータHS ELISAキット(PBLAssay Science)を使用して、マウスインターフェロン−β(IFN−β)の血清およびBAL液レベルを測定した。
BALへの細胞浸潤物の測定
細胞をBAL液から単離し、コールターカウンター(IG Instrumenten−Gesellschaft AG、Basal、スイス)を使用して、気管支肺胞洗浄(BAL)液中の全細胞数を測定した。Diff−Quik溶液(Dade Behring、Siemens Healthcare Diagnostics、Deerfield、IL)で染色したサイトスピンでの標準的な形態学的および細胞化学的基準に基づいて、微分細胞計数を行った(200個細胞数/試料)。

0089

驚くべきことに、B.ロンガムAH0106の投与は、B.ロンガム35624株よりもマウスをよく保護した。両株で、ウイルス力価は同様のレベルだけ低下したが(図10)、死亡率はB.ロンガムAH0106処理マウスでより低下した(図11)。この生存増強は、減少したインターフェロン−αおよびインターフェロン−β応答ならびに増強したサーファクタントタンパク質D応答に関連していた(図12)。さらに、5日目でBAL中のマクロファージの増加(図14)に関連するAH0106処理動物におけるサイトカインおよびケモカインの強力な誘導(図13)があった。この免疫応答は、B.ロンガムAH0106処理動物で見られるウイルスクリアランスの増強に寄与し、治癒プロセスの開始がマクロファージの肺への流入をもたらした。

0090

実施例7細胞壁ペレット作製
細菌収穫/洗浄
方法:
1.遠心分離(14000rpm、4℃、20分;ローターJA−20(Avanti J−26×P Beckman Coulter)によって、元の細菌バイオマス(全細胞数=1.5×1011)250ml当量を収穫する。細菌ペレットを滅菌PBSで洗浄し、上清廃棄し、再度洗浄する(さらに2回繰り返す)。
2.生および非生凍結乾燥細菌(3.0×1011粉末0.5gまたは全細胞数=1.5×1011)を50mlに再懸濁し、遠心分離(14000rpm、4℃、20分;ローターJA−20(Avanti J−26×P Beckman Coulter)によって収穫した。細菌ペレットを滅菌PBSで洗浄し、上清を廃棄し、再度洗浄する(さらに2回繰り返す)。
3.最後に、ペレットを滅菌PBS 50mlに再懸濁し、細菌溶液を2つの25ml分割量に分ける。
細胞破壊
この手順の目的は、細菌全体から細胞壁画分を作製し、細胞質画分および他の成分を除去することであった。これは、以下から選択される1つまたは複数のステップを含む:
・溶解を助けるために酵素処理を使用する場合にDNアーゼまたはプロテアーゼ活性を防ぐために、場合により凍結融解手順と合わせた、キレート剤による処理
・グリコシドヒドロラーゼおよび/またはNアセチルムラミダーゼによる酵素処理
・超音波処理またはフレンチプレス使用などの高圧の印加などの剪断力の印加。
・遠心分離を使用することによる、細胞質画分からの細胞壁画分の分離
・細胞壁画分の濾過
材料:
・EDTA(0.5M Fluka)は、細胞壁溶解のために酵素を使用する場合にDNアーゼまたはプロテアーゼ活性を防ぐために金属イオンカルシウムまたはマグネシウム)を除去するためのキレート剤である
・リゾチーム(Sigma 10mg/ml)*エンドトキシンフリーは、N−アセチルムラミン酸とN−アセチル−D−グルコサミン残基との間の1,4−β−結合の加水分解触媒するグリコシドヒドロラーゼである。この加水分解は、細菌細胞壁完全性を損ない、細菌の溶解を引き起こす。
・ムタノリシン(1ml H2Oに希釈した10KU Sigma)は、細菌細胞壁のβ−N−アセチルムラミル−(1→4)−N−アセチルグルコサミン結合を切断するムラリティック酵素である、N−アセチルムラミダーゼである。この切断は、細菌細胞壁の完全性を損ない、細菌の溶解を引き起こす。
ガラスビーズ90〜150μm粒径(VWR)は溶解を助けるために超音波処理と合わせて使用した
方法:
1.250μlのEDTA(0.5MストックFluka)を25ml分割量の各々に添加することにより、最終濃度を5mM EDTAにした。
2.凍結するまで2つの分割量を液体窒素に入れることによって分割量を凍結し、次いで、分割量を水中で融解する;この手順を2回繰り返す。
3.細菌分割量それぞれ25mlを、時折穏やかなボルテックスで、37℃で1時間、250μlのリゾチーム(10mg/ml)および250μlのムタノリシン(2.5KU)と共にインキュベートする。このステップから、超音波処理器またはフレンチプレスによる剪断力を使用して、細菌細胞破壊する。
超音波処理
小さじ2分の1のオートクレーブ処理したガラスビーズ90〜150μm粒径(VMR)を、超音波処理直前に細菌分割量に添加した。
・25mlの再懸濁した細菌材料を一度に超音波処理し、次いで、上に置き、50mlプローブを含む超音波処理器(VibraCell SONICS)を使用して他の分割量を超音波処理する。(設定チューン=50、周波数=60)。この手順を氷上で10分間、4回繰り返す。超音波処理後、4℃で10分間の1000rpmでの遠心分離によって、ガラスビーズ、壊れていない細胞および細胞片を除去する。
フレンチプレスによる高圧
・あるいは、フレンチプレス(Thermo Electron CorporationFA−078A)を使用した高圧設定(137.93MPa(20,000psi)当量)で、10.34MPa(1500psi)の圧力によって、細菌細胞を破壊する。この手順を氷上で3回繰り返す。
・フレンチプレスを使用した剪断力の印加は、3回目の実行後に混濁した細菌細胞の清澄化をもたらす。フレンチプレス破壊後、4℃で10分間の1000rpmでの遠心分離によって、壊れていない細胞および細胞片を除去し、細胞壁材料および細胞質画分を含有する上清が保持される。
4.剪断力(超音波処理または高圧)の印加後、細胞壁材料および細胞質画分を含有する上清が保持された。この上清を4℃で20分間、14000rpmで遠心分離して、細胞質材料から細胞壁材料を分離する。上清を廃棄する。
5.細胞壁材料を含有するペレットを、元の細菌バイオマス250ml当たり5mlのPBSに再懸濁する。細胞壁材料のペレットを1000rpmで10分間遠心分離して、ペレット中の黒色残渣を除去した。細胞壁材料を含有するペレットを−80℃で保存した。

0091

遠心分離機およびローター
Avanti J−E Centrifuge Beckman Coulter
ローター:JA−20
超音波処理器
VibraCell SONICS、Sonics and Materials
プローブ435−09
フレンチプレス
フレンチプレスFA−078A
Cell FA−032(40K標準)(35ml容量で標準フレンチプレス圧275.86MPa(40,000psi)Cell、圧力最大275.86MPa(40,000psi))
サイズ濾過、引き続いて限外濾過
材料:
ポリビニリデンジフオリドPVDF膜フィルター(0.45μm孔径、Millipore、Bedford、MA)
・100kDa MWCO UF装置(Millipore)。
1.細胞壁材料を含有する再懸濁した細菌ペレット(5ml)を融解し、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)膜フィルター(0.45μm孔径、Millipore、Bedford、MA;使用前にPBSで徹底的にすすぐ)を通して濾過する。膜フィルターを通り抜ける材料は、無傷細菌を含まず、サイズが0.45μm未満の細胞壁材料である。この0.45μmフィルターステップによって、4mlの細胞壁材料を産生する。元の250mlの細菌培養物から、4mlの懸濁細胞壁材料が残る。
2.次いで、0.45μm未満の細胞壁材料を限外濾過する。

0092

a.UF装置を最初に15mlPBSですすぎ、4℃で、3500×gで回転させる。
b.0.45μm未満の細菌ペレット抽出物を取り、約4mlを100kDa MWCO UF装置にローティングする。

0093

c.100kDa超上側溶液の体積が小さくなったら、PBSで透析濾過する。
d.100kDaフィルターを通り抜ける材料が保持され、−80℃で保存する。
e.保持液(retentate)は、限外濾過装置に添加したのと同じ容量のPBS(4ml)に再懸濁すべきである。この材料を100kDa超細菌ペレットと呼ぶ。こうして産生された細胞壁画分の最終乾燥重量は、保持液4ml中120mgであり、これは最終濃度が1ml当たり30mgの細胞壁画分であるのと等しい。

0094

f.この細胞壁画分をより増強した溶解度についてのインビトロおよびインビボ試験のために濃縮した。300mg/ml(10×)または150mg/ml(5×)の100kDa超細菌ペレット溶液などの30mg/mlより濃縮した材料を作製するために、細胞壁画分を、出発材料よりも10倍または5倍少ない容量にただ再懸濁する。

0095

実施例8AH0106由来の細胞壁画分は、MDDCSにおいて1型インターフェロンおよび結果としてのIP−10誘導(炎症促進性ケモカイン)を有利に遮断する
実施例7で作製される、B.ロンガムAH0106由来の細胞壁画分が有益な抗ウイルス効果を有するかどうかを決定するために、画分を、HRV16に曝露したヒトMDDCでインキュベートし、1型インターフェロンおよび細胞IP−10応答を監視した。単球由来樹状細胞作製について:密度勾配遠心分離を使用して、健康なドナーから末梢血単核球(PBMC)を単離した。MACSシステム(Miltenyi Biotec、130−050−201)によるCD14陽性単離を使用して、ヒト末梢血単球を単離した。細胞を、インターロイキン4 1000U/ml(Novartis)および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(PeproTech、300−03)1000U/mlを含むcRPMI培地(Life Technologies、21875−091)で6日間培養して、MDDCに分化させた。細胞をcRPMI培地(RPMI(Life Technologies、21875−091)+10%ウシ胎児血清(SigmaカタログF4135)および1%ペニシリン/ストレプトマイシン(SigmaカタログP0781)で培養した。

0096

MDDCを、B.ロンガムAH0106由来の細胞壁画分(30mg/ml)による前処理(1時間)後に、37℃、5%CO2でcRPMI中24時間、HRV16(MOI)25:1)で、またはHRV16単独で刺激した。Bio−Plex多重懸濁アレイ(Bio−Rad Laboratories)によって、サイトカイン分泌を調べた(IFN−α、IFN−β、IP−10)。

0097

上記のB.ロンガムAH0106株で前処理したHRV16刺激MDDCの結果と一致して、HRV16に対するIP−10(図16(a))、IFN−α(図16(b))およびIFN−β(図16(c))応答は、B.ロンガムAH0106株由来の細胞壁画分によって減弱された。

0098

実施例9 全てのビフィドバクテリウム属種由来の細胞壁画分が同じ効果を有するわけではない
実施例4に記載される方法論を使用して、別のビフィドバクテリウム属菌、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacteria breve)(Bif UCC2003)由来の細胞壁画分も試験したが、同様の有意な効果は示さなかった。Bif UCC2003画分は、ウイルス刺激後にIP−10産生を減少させたが、24時間アッセイ中、B.ロンガムAH0106細胞壁画分と同程度ではなかった(図17(a))。

0099

さらに、炎症を起こした粘膜内では、IP−10分泌を誘導するのがウイルス自体だけではなく、他のサイトカインもIP−10産生を誘導し得る。IFN−βなどのサイトカインは、一次抗ウイルス宿主応答の一部として産生される。IFN−βは、特に、IP−10の強力な誘導因子である。そのため、本発明者らは、IFN−βに応じたIP−10の分泌に対する細胞壁画分の効果を調べた(図17(b))。MDDCを、細胞壁画分(30mg/ml)による前処理(1時間)後に、37℃、5%CO2でcRPMI中24時間、IFN−β(200ng/ml)でまたはIFN−β単独で刺激した。B.ロンガムAH0106細胞壁ペレット画分はこれらの刺激に対するIP−10分泌を抑制した一方、Bif UCC2003細胞壁ペレット画分はIP−10分泌を全く減少させなかった。

0100

実施例10 B.ロンガムAH0106株由来の細胞壁画分は、炎症の減少に寄与する、単球由来樹状細胞におけるさらなる有益な効果を有する(TNF−αを遮断する)が、全てのビフィドバクテリウム株が同じ効果を有するわけではない
炎症を起こした粘膜内では、炎症促進性TNF−α分泌を誘導するのがウイルス自体だけではなく、他の(toll様受容体)TLRリガンドもその産生を誘導し得る。そのため、本発明者らは、TLRリガンドPoly:IC(TLR−3)およびLPS(TLR−4)に応じたTNF−αの分泌を調べた。MDDCを、LPS、TLR−4アゴニストに曝露する前に細胞壁B.ロンガムAH0106、B.ロンガム35624およびBif UCC2003で前処理し、IP−10およびTNF応答を監視した。MDDCを、(30mg/ml)の用量のビフィドバクテリウム属菌由来の細胞壁画分による前処理(1時間)後に、37℃、5%CO2でcRPMI中24時間、TLR−4アゴニストLPS(50ng/ml)もしくはTLR−3アゴニストPoly:IC(5μg/ml)でまたはTLRアゴニスト単独で刺激した。QuantikineELISA(R&D systems)によってTNF−α分泌を調べた。B.ロンガムAH0106株全体の結果と一致して、LPSおよびPoly:ICに対するTNF−α応答はB.ロンガムAH106由来の細胞壁画分によって減弱された一方、B.ロンガム35624由来の細胞壁画分とBif UCC2003由来の細胞壁画分の両方とも、同じ用量でTNF−αを増加させる(図18aおよび図18b)。B.ロンガム35624は周知の抗炎症性株であるので、これは非常に驚くべき結果であり、B.ロンガムAH0106はこの系で優れた応答を有していた。
考察
要約すると、実施例2〜10に例示されるように、本発明者らは、有益なIII型インターフェロン応答増強が存在し、AH0106由来の細胞壁画分の添加がこの望ましい応答を引き起こすことを示した。後期宿主免疫系応答(DC)の一部である細胞では、細胞壁画分が、細胞損傷および二次感染症をもたらし得る過剰な1型インターフェロン応答を遮断する。この標的化効果は、小児と成人の両方、および肥満個体においてインフルエンザ、感冒(ライノウイルス)およびRSVによって引き起こされる感染症、喘息、COPDおよびARDなどの慢性呼吸器疾患ウイルス性憎悪で利益がある。
カスケード応答
ウイルス感染症に対する異常な応答のカスケードを図19(a)に例示する。

0101

ウイルス感染症に対するAH0106細胞壁画分媒介応答のカスケードを図19(b)に例示する。
主な抗ウイルス応答はIFNによって制御される。最もよく定義されたI型IFNはIFN−αおよびIFN−βである。ほとんどの細胞型はIFN−βを産生する一方で、造血細胞、特に形質細胞様樹状細胞はIFN−αの優勢な産生者である(IvashkivおよびDonlin 2014)。前述のように、IFN−αおよびIFN−βなどのインターフェロンI型応答は、インフルエンザ感染症のモデルで罹患率および死亡率増加と直接相関することが示されている(Davidsonら、2014)。1型IFNは、IP−10(CXCL−10とも呼ばれる)、その主な機能がTh1細胞の化学誘引物質である、CXCR3に結合するケモカインの産生を刺激し得る。λIFN(IFN1、III型IFNまたはIL28およびIL−29)は、I型IFNと相同性、発現様式および抗ウイルス機能を共有するインターフェロンの新たなクラスを構成する(Lazearら、2015b;Wackら、2015)。これらは、I型IFNのものと著しく類似しているように思われる下流シグナル伝達を誘導し、ISGの発現および抗ウイルス応答の誘導を駆動する(Durbinら、2013;Mendozaら、2017)。しかしながら、III型インターフェロンは、炎症促進性応答または免疫病理学を制限するのに重要な役割を果たす。

0102

インフルエンザウイルスによる感染で、IP−10が肺で上昇する(Ichikawaら、2013)。実際、モノクローナル抗体を使用したIP−10の遮断は、ウイルス誘発性肺傷害を改善する(Wangら、2013)。IP−10はARDS患者の肺で上昇しており、ARDS病理学における重要な因子であることが示されている(Ichikawaら、2013)。

0103

SP−Dは、ウイルスのHA/NA糖タンパク質上のマンノースに富むグリカンに結合することによって、インフルエンザに対する自然宿主防御で重要な役割を果たす(Hartshornら、1997;Readingら、1997;Hartshornら、2000)。SP−Dは、ウイルス感染性の中和およびウイルスNAの酵素活性の阻害を含むインビトロでの所定範囲抗ウイルス活性を媒介し、SP−D欠損マウスは、高度グリコシル化インフルエンザウイルスによる感染により感受性であった。(Hartshornら、1997;Readingら、1997;Tecleら、2007;LeVineら、2001;Vigerustら、2007;Hawgoodら、2004)。SP−Dは、RSVの貪食および肺クリアランスを増強する(LeVineら、2004)。

0104

二次細菌感染症は、ウイルス感染後の主要な問題である。ウイルス−細菌同時感染はインフルエンザ、ライノウイルスおよびRSVでよく認識されている。気道における主な細菌感染症には、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、モラクセラ・カタラーリスおよびインフルエンザ菌が含まれるが、黄色ブドウ球菌もウイルス感染症後に重篤な感染症を引き起こすことが示されている(Hewittら、2016)。二次細菌感染症は、最も頻繁には一次ウイルス感染症の5〜10日後に起こるので、一過的な免疫抑制一次応答)が細菌増殖を担い得ることを示唆している。インフルエンザと肺炎連鎖球菌との間の相乗作用について提案されている機序が、一次インフルエンザウイルス感染症によって誘発される抗ウイルス1型IFN(IFN−α/β)応答が、抗菌免疫の抑制を介して二次細菌負荷に対する宿主の感受性を増強することを示唆している(Nakamuraら、2011;Shahangianら、2009;Liら、2012)。対照的に、IFN−λなどのIII型インターフェロンは、IFN−α/β誘導後に起こる二次細菌感染症のクリアランスを阻害することなくウイルス複製を制限することができる。IFNLR1 Fcタンパク質による細菌負荷の直前のIFN−λシグナル伝達の減弱の影響は、動物で対照と比較して、肺における細菌負荷を十分に増加させることが示されている(Richら、2017)。さらに、SP−Dの欠損は、上気道および下気道の肺炎連鎖球菌によるコロニー形成および感染増強、ならびに菌血症早期発症および長期持続に関連していた。SP−Dは、インビトロで肺炎連鎖球菌に結合し、これを凝集させることが示された(喘息およびCOPD患者における二次憎悪の重要な問題である二次細菌感染因子)(Jounblatら、2005)。

0105

ウイルス感染症に対する調節不全のまたは異常な免疫応答によって急性的に影響を及ぼされる様々な状態は以下の通り要約される;急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、小児喘息を含む喘息、COPD、肥満。

0106

急性呼吸窮迫症候群(ARDS)は、世界中の多数の人々に発症しており、非常に高い死亡率(30〜50%)を伴う。呼吸器ウイルス感染症(例えば、インフルエンザ)はARDSに関連する。

0107

喘息は、通常は気道過敏および可変気流に関連する、気道の慢性炎症性障害である。
喘息は、しばしば自然にまたは治療中に可逆性の、通常は気道過敏および可変気流閉塞に関連する、気道の慢性炎症性障害である(WTO、2007)。小児、青年期およびあまり頻度は高くないが成人における喘息憎悪のおよそ80〜85%がウイルス性上気道ウイルス感染症に関連しており、ライノウイルス(RV)がこれらのウイルス関連憎悪の約60〜70%を占める。ウイルス感染症は全年齢の小児で喘鳴病と密接に関連している。RSVが細気管支炎またはクループの主原因物質である一方で、ライノウイルス(RV)はその後に喘鳴小児で最も一般的に検出される。これらのウイルスのいずれかによって誘発される重篤な呼吸器病はその後の喘息発症に関連し、RV感染症で喘鳴している若齢小児でリスクが最も大きい(JarttiおよびGern、2017)。

0108

肥満は、調節不全の免疫および炎症応答に関連する。喘息の発生に対する肥満の効果は、女性および非アレルギー個体でより顕著であるように思われる一方で、喘息発生率に対するボディマス指数(BMI)増加の用量反応効果が存在する。肥満が、従来の喘息治療に対して可変的応答を有するより重篤な疾患を特徴とする特有の喘息表現型に関連することがますます自明になっている。さらに、肥満は、2009年のインフルエンザA(H1N1)世界的流行の間に、重篤なインフルエンザについての危険因子として特定され、肥満個体は呼吸器ウイルスに対する抗ウイルス防御が損なわれている(Almondら、2013)。証拠は、この損傷性応答を駆動するのが、ウイルス自体ではなく、RVに対する免疫応答の性質であることを示唆している(Steinkeら、2016)。

0109

COPDは、米国の死因第3位である。実際、COPDは、その発生率が増加している唯一の主な死因であり、2030年までに先進国の死因第3位になると予想される(心疾患および脳卒中のみが超過する)。これは、気道の炎症誘発性損傷から生じ、慢性気管支炎および/または気腫を引き起こす。広範なウイルスがCOPD患者の憎悪を誘導し得るが、また、症状の悪化をもたらすのはウイルスではなく、ウイルスに対する免疫応答であるように思われる(Zhouら、2015)。

0110

本発明の株は、カプセル剤、マイクロカプセル剤、錠剤、顆粒剤、散剤、トローチ、丸剤、坐剤、懸濁剤およびシロップなどの従来の製剤で経口摂取可能な形態で動物(ヒトを含む)に投与され得ることが理解されると予想される。適切な製剤は、従来の有機および無機添加剤を使用して一般的に利用される方法によって調製され得る。医薬組成物中の有効成分の量は、所望の治療効果を及ぼすレベルであり得る。

0111

製剤はまた、細菌成分、薬物実体または生物学的化合物を含み得る。
さらに、本発明の株を含むワクチンは、任意の適切な公知の方法を使用して調製され得、薬学的に許容される担体またはアジュバントを含み得る。

0112

ヒト免疫系は、広範囲ヒト疾患病因学および病理学において有意な役割を果たす。過免疫および低免疫(hypo−immune)応答性が、疾患状態の大部分をもたらす、またはその構成要素である。サイトカインと呼ばれる生物学的実体の1つのファミリーが、免疫過程の制御にとって特に重要である。これらの繊細なサイトカインネットワーク摂動が、多くの疾患にますます関連している。これらの疾患には、それだけに限らないが、炎症性障害免疫不全、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、がん(特に胃腸および免疫系のもの)、下痢性疾患、抗生物質関連下痢、小児下痢、虫垂炎自己免疫障害多発性硬化症アルツハイマー病関節リウマチセリアック病糖尿病臓器移植、細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症歯周病泌尿生殖器疾患性感染症HIV感染症HIV複製、HIV関連下痢、手術関連外傷、手術誘発性転移性疾患敗血症体重減少食欲不振熱制御悪液質創傷治癒潰瘍、腸バリア機能、アレルギー、喘息、呼吸器障害循環障害冠動脈心疾患貧血血液凝固系障害腎疾患中枢神経系の障害、肝疾患虚血栄養障害骨粗鬆症内分泌障害上皮障害、乾癬および尋常性ざ瘡が含まれる。サイトカイン産生に対する効果は、調査したプロバイオティクス株に特異的である。よって、特に特定の疾患型について排他的なサイトカイン不均衡を正常化するために特定のプロバイオティクス株が選択され得る。AN1206の単一株またはその突然変異体もしくは変異体またはこれらの株の選択を使用して、疾患特異的療法のカスタム化が達成され得る。

0113

腸内細菌叢は、腸免疫系の発達および適切な機能にとって重要である。腸内細菌叢が存在しないと、無菌動物モデルで実証されるように、腸免疫系が発達不全となり、マクロファージ貪食能および免疫グロブリン産生などの一定の機能的パラメータが減少する。非損傷性免疫応答を刺激することにおける腸内細菌叢の重要性がより自明になっている。西洋諸国でのアレルギーの発生率および重症度の増加は、宿主が遭遇する感染性負荷の数および範囲の減少に付随した、衛生および公衆衛生の増加に関連している。この免疫刺激の欠如が、宿主が非病原性であるが抗原性物質に反応するのを可能にし、アレルギーまたは自己免疫をもたらし得る。一連の非病原性免疫調節性細菌の計画的な消費は、宿主に、免疫機能の適切な発達および制御のために必要な適切な教育的刺激を提供すると予想される。

0114

炎症は、実質的な物理的損傷、感染を有する、または進行中の免疫応答が存在する部位における体液血漿タンパク質および白血球局所的蓄積を記載するために使用される用語である。炎症反応の制御は、いくつかのレベルで及ぼされる。制御因子は、サイトカイン、ホルモン(例えば、ヒドロコルチゾン)、プロスタグランジン反応性中間体およびロイコトリエンを含む。サイトカインは、免疫学的および炎症性反応の生成および制御に関与する低分子量の生物学的に活性なタンパク質である一方で、発達、組織修復および造血も調節する。サイトカインは、白血球自体の間および白血球自体と他の細胞型との間の連通の手段を提供する。ほとんどのサイトカインは、多面発現性であり、複数の生物学的に重複する活性を発現する。サイトカインカスケードおよびネットワークは、特定の細胞型に対する特定のサイトカインの作用よりもむしろ炎症反応を制御する。炎症反応の漸減は、低濃度の適切な活性化シグナルおよび他の炎症性メディエータをもたらし、炎症反応の停止につながる。TNFαは、炎症状態をもたらすサイトカインカスケードおよび生物学的効果を開始するので、重要な炎症促進性サイトカインである。そのため、炎症性疾患の治療には、TNFαを阻害する薬剤、例えばインフリキシマブが現在使用されている。

0115

炎症促進性サイトカインは、炎症性腸疾患(IBD)を含む多くの炎症性疾患の発病において主要な役割を果たすと考えられる。現在のIBDを治療するための療法は、IL−8およびTNFαを含むこれらの炎症促進性サイトカインのレベルを低下させることを目指している。このような療法はまた、関節リウマチなどの全身炎症性疾患の治療においても有意な役割を果たし得る。

0116

本発明の株は、特に非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)またはインフリキシマブなどの他の抗炎症療法と組み合わせて使用されると、所定範囲の炎症性疾患の治療において潜在的用途を有し得る。

0117

広範囲の腫瘍型にわたる多機能性サイトカインの産生は、がん患者で有意な炎症反応が進行中であることを示唆している。この反応がインビボで腫瘍細胞の増殖および発達に対してどのような保護効果を有するのかは現在はっきりしない。しかしながら、これらの炎症反応は腫瘍保有宿主に悪影響を及ぼし得ると予想される。腫瘍および正常組織内のサイトカイン産生および細胞増殖の調節には複雑なサイトカイン相互作用が関与している。体重減少(悪液質)は、がん患者の唯一の最も一般的な死因であり、初期栄養不良は予後不良を示すことが長く認識されている。腫瘍が増殖し、広がるためには、これが新たな血管形成を誘導し、細胞外マトリックスを分解しなければならない。炎症反応は、上記機序で果たす有意な役割があるので、宿主の衰弱および腫瘍の進行に寄与し得る。ビフィドバクテリウム・ロンガムの抗炎症特性のために、これらの菌株は、悪性細胞形質転換の速度を低下させ得る。さらに、腸内細菌は、食物化合物から、遺伝毒性発癌性および腫瘍促進活性を有する物質を産生し、腸内細菌はDNA反応剤に対する前発癌物質を活性化し得る。一般に、ビフィドバクテリウム属の種は、バクテロイデス真正細菌およびクロストリジウムなどの腸内の他の集団と比較して生体異物代謝酵素の活性が低い。そのため、腸内のビフィドバクテリウム属細菌の数の増加は、これらの酵素のレベルを有利に修正し得ると予想される。

0118

病原性生物の大部分は、粘膜表面を介して侵入する。これらの部位の効率的なワクチン接種は、特定の感染因子による侵入から防御する。経口ワクチン接種戦略は、現在までのところ、弱毒化した生きた病原性生物または精製したカプセル化抗原の使用に集中している。インビボで感染因子からの抗原を産生するよう操作されたプロバイオティクス細菌は、これらの細菌がヒト消費にとって安全であると考えられるので(GRAS状態)、魅力的代替を提供し得る。

0119

マウス研究は、外来抗原を発現するプロバイオティクス細菌の消費が、防御免疫応答を誘発することができることを実証している。破傷風毒素フラグメントC(TTFC)をコードする遺伝子がラクトコッカスラクティス(Lactococcus lactis)で発現され、経口経路を介してマウスが免疫された。この系は、マウスを致死毒素負荷から防御するのに十分有意に高い抗体価を誘導することができた。抗原提示に加えて、生細菌ベクターは、インビボで免疫刺激性サイトカインなどの生理活性化合物を産生することができる。生理活性ヒトIL−2またはIL−6およびTTFCを分泌するL.ラクティスは、鼻腔内免疫化マウスで10〜15倍高い血清IgG力価を誘導した。しかしながら、この特定の菌株では、これらのサイトカインとの同時発現によって総IgAレベルは増加しなかった。ストレプトコッカス・ゴルドニ(Streptococcus gordonii)などの他の菌株も、粘膜ワクチンとしての有用性について調べられている。マウス口腔および腔でコロニー形成している組換えS.ゴルドニは、この細菌によって発現される抗原に対する粘膜と全身両方の抗体応答を誘導した。よって、ベクターとしてプロバイオティクス細菌を使用した経口免疫は、宿主を感染から防御するだけでなく、病原体が通常誘発する免疫学的刺激に取って代わり得るので、宿主の免疫学的教育に寄与する。
プレバイオティクス
プロバイオティクス生物の導入は、適切な担体中の微生物の摂取によって達成される。大腸内でのこれらのプロバイオティクス株の増殖を促進するような媒体を提供することが有利となると予想される。1種または複数のオリゴ糖多糖または他のプレバイオティクスの添加は、胃腸管内乳酸細菌の増殖を増強する。プレバイオティクスは、プラスの価値があると考えられる常在菌、例えばビフィドバクテリウム属菌、乳酸桿菌によって結腸内で特異的に発酵される任意の非生存食物成分を指す。プレバイオティクスの種類には、フルクトース、キシロース大豆ガラクトース、グルコースおよびマンノースを含有するものが含まれ得る。プロバイオティクス株と1種または複数のプレバイオティクス化合物の組合せ投与は、インビボで投与されたプロバイオティクスの増殖を増強し、より明白な健康上の利益をもたらし得るので、シンバイオティクスと呼ばれる。
他の有効成分
プロバイオティクス株は、それ自体で、あるいは上記のように他のプロバイオティクスおよび/またはプレバイオティクス物質と共に、予防的にまたは治療方法として投与され得ることが理解されると予想される。さらに、細菌は、他の活性物質、例えば炎症または他の障害、特に免疫学的関与を有するものを治療するために使用されるものを使用した予防的または治療体制の一部として使用され得る。このような組合せは、単一製剤で、または同時にもしくは異なる時に、同じもしくは異なる投与経路を使用して投与される別々の製剤として投与され得る。
医薬組成物
医薬組成物は、治療上有効量の薬学的に活性の薬剤を含むまたはからなる組成物である。これは、好ましくは薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤(これらの組合せを含む)を含む。治療的使用のための許容される担体または希釈剤は製薬分野で周知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciencesに記載されている。医薬担体、賦形剤または希釈剤の選択は、意図した投与経路および標準的な薬務に関して選択され得る。医薬組成物は、担体、賦形剤または希釈剤として、またはこれに加えて、任意の適切な結合剤潤滑剤、懸濁化剤コーティング剤可溶化剤噴霧剤を含み得る。

0121

必要に応じて、医薬組成物は、吸入、坐剤もしくはペッサリーの形態、ローション、溶液、クリーム軟膏もしくは粉剤の形態で局所的、皮膚パッチの使用により、デンプンもしくはラクトースなどの賦形剤を含有する錠剤の形態で経口的、または単独もしくは賦形剤との混合物のカプセル剤もしくは膣坐剤(ovule)、または香味剤もしくは着色剤を含有するエリキシル液剤もしくは懸濁剤の形態のいずれか1つまたは複数によって投与され得る、あるいは医薬組成物は非経口的に、例えば陰茎海綿体内、静脈内、筋肉内または皮下注射され得る。非経口投与については、組成物は、他の物質、例えば溶液を血液と等張にするのに十分な塩または単糖を含有し得る滅菌水溶液の形態で最もよく使用され得る。頬側または舌下投与については、組成物は、従来の様式で製剤化され得る錠剤またはロゼンジの形態で投与され得る。

0122

鼻腔内投与は、点鼻薬、鼻洗浄液または鼻内への直接施用を使用して達成され得る。
肺への投与は、乾燥粉末の形態であり得、吸入装置を使用して吸入され得る。いくつかの場合、製剤は、エアロゾルの形態である。エアロゾルは、例えばHFA噴霧剤を含む方法用量吸入器、非HFA噴霧剤を含む定量吸入器ネブライザー加圧カン、または連続噴霧器を使用した、溶液、懸濁液、スプレーミスト蒸気、液滴、粒子または乾燥粉末であり得る。

0123

製剤は、ウイルスをカプセル化する、除去するおよび/または不活性化するように設計され得る。あるいはまたはさらに、製剤は、ウイルスが気道にさらに感染するのを阻止し得る。

0124

鼻腔などの気道への送達およびその中での維持を助けるために、製剤は、0.001Pa・s(1センチポアズ)〜2Pa・s(2000センチポアズ)、例えば0.005Pa・s(5cp)〜0.5Pa・s(500cp)または0.005Pa・s(5cp)〜0.3Pa・s(300cp)の所望の粘度を有し得る。所望の粘度を達成するために、任意の適切な粘度修正剤が使用され得る。このような物質は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの適切な天然または合成ポリマー材料であり得る。

0125

様々な送達システムに応じた様々な組成物/製剤要件が存在し得る。例として、本発明の医薬組成物は、ミニポンプを使用してまたは粘膜経路によって送達されるように、例えば点鼻薬もしくは吸入用エアロゾルもしくは摂取可能な溶液として製剤化されてもよいし、または非経口的に製剤化されてもよく、その場合、組成物は注射可能な形態に製剤化され、例えば静脈内、筋肉内または皮下経路による送達用に製剤化されてもよい。あるいは、製剤は、両経路によって送達されるように設計され得る。

実施例

0126

本発明は、上記実施形態に限定されず、詳細が変化し得る。
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