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課題・解決手段
本発明は、エタン−1,2−ジオールを、エタン−1,2−ジアミンおよび/または式H2N−[CH2CH2NH]n−CH2CH2NH2[式中、n≧1]の線状ポリエチレンイミンに変換する方法において、(i)MOR、FAU、CHAおよび/またはGME骨格構造を有し、これらの2つ以上の組み合わせを含めたゼオライト材料からなる群から選択される、YO2およびX2O3を含み、Yは四価元素であり、Xは三価元素であるゼオライト材料を含む触媒を準備すること、(ii)エタン−1,2−ジオールおよびアンモニアを含むガス流を準備すること、(iii)エタン−1,2−ジオールをエタン−1,2−ジアミンおよび/または線状ポリエチレンイミンに変換するために、(i)で準備された触媒を、(ii)で準備されたガス流と接触させることを含む、エタン−1,2−ジオールを、エタン−1,2−ジアミンおよび/または線状ポリエチレンイミンに変換する方法に関する。
概要
背景
概要
本発明は、エタン−1,2−ジオールを、エタン−1,2−ジアミンおよび/または式H2N−[CH2CH2NH]n−CH2CH2NH2[式中、n≧1]の線状ポリエチレンイミンに変換する方法において、(i)MOR、FAU、CHAおよび/またはGME骨格構造を有し、これらの2つ以上の組み合わせを含めたゼオライト材料からなる群から選択される、YO2およびX2O3を含み、Yは四価元素であり、Xは三価元素であるゼオライト材料を含む触媒を準備すること、(ii)エタン−1,2−ジオールおよびアンモニアを含むガス流を準備すること、(iii)エタン−1,2−ジオールをエタン−1,2−ジアミンおよび/または線状ポリエチレンイミンに変換するために、(i)で準備された触媒を、(ii)で準備されたガス流と接触させることを含む、エタン−1,2−ジオールを、エタン−1,2−ジアミンおよび/または線状ポリエチレンイミンに変換する方法に関する。
目的
本発明の課題は、モノエチレングリコール前駆体化合物の比較的高い転化率で、エタン−1,2−ジアミンおよび/または式H2N−[CH2CH2NH]n−CH2CH2NH2[式中、n≧1]の線状ポリエチレンイミンの比較的高い収率を得ることができる、エタン−1,2−ジオールを、エタン−1,2−ジアミンおよび/または式H2N−[CH2CH2NH]n−CH2CH2NH2[式中、n≧1]の線状ポリエチレンイミンに変換する方法を提供する
効果
実績
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請求項1
エタン−1,2−ジオールを、エタン−1,2−ジアミンおよび/または式H2N−[CH2CH2NH]n−CH2CH2NH2[式中、n≧1]の線状ポリエチレンイミンに変換する方法において、(i)MOR、FAU、CHAおよび/またはGME骨格構造を有し、これらの2つ以上の組み合わせを含めたゼオライト材料からなる群から選択される、YO2およびX2O3を含み、Yは四価元素であり、Xは三価元素であるゼオライト材料を含む触媒を準備すること、(ii)エタン−1,2−ジオールおよびアンモニアを含むガス流を準備すること、(iii)エタン−1,2−ジオールをエタン−1,2−ジアミンおよび/または線状ポリエチレンイミンに変換するために、(i)で準備された触媒を、(ii)で準備されたガス流と接触させること、を含む、エタン−1,2−ジオールを、エタン−1,2−ジアミンおよび/または線状ポリエチレンイミンに変換する方法。
請求項2
(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触される前記ガス流は、エタン−1,2−ジオールを0.1〜10体積%の範囲内の量で含む、請求項1記載の方法。
請求項3
(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触される前記ガス流は、アンモニアを5〜90体積%の範囲内の量で含む、請求項1または2記載の方法。
請求項4
(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触される前記ガス流は、さらに水素を、0.1〜70体積%の範囲内の量で含む、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
請求項5
(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触される前記ガス流は、H2Oを、5体積%以下の量で含む、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
請求項6
(ii)で準備された前記ガス流を120〜600℃の範囲内の温度に加熱し、その後、前記温度で(iii)で触媒と接触させる、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
請求項7
Yは、Si、Sn、Ti、Zr、Ge、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
請求項8
Xは、Al、B、In、Ga、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
請求項9
前記ゼオライト材料はH型であり、かつ骨格外イオンとしてプロトンを含み、この際、元素として計算してかつ前記ゼオライト材料中に含まれるYO2の100質量%を基準として、骨格外イオンの0.1質量%以下が、金属カチオンである、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
請求項10
前記ゼオライト材料は、実質的にNaを含まない、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
請求項11
クリスタリットの002軸に沿った、MOR骨格構造を有する前記ゼオライト材料の平均粒径は、粉末X線回折により決定して、5±1nm〜55±8nmの範囲内にある、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
請求項12
(i)において準備される前記触媒は、MOR骨格構造を有するゼオライト材料を含む、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
請求項13
MOR骨格構造を有する前記ゼオライト材料は、(1)YO2の少なくとも1つの供給源、X2O3の少なくとも1つの供給源を含み、かつ構造規定剤として1つ以上の有機テンプレートを含み、かつ/または種結晶を含む混合物を製造すること;(2)MOR骨格構造を有するゼオライト材料を得るために、(i)で製造された混合物を結晶化すること;(3)任意に、(2)で得られたゼオライト材料を単離すること;(4)任意に、(2)または(3)で得られたゼオライト材料を洗浄すること;(5)任意に、(2)、(3)または(4)で得られたゼオライト材料を乾燥および/またはか焼すること;(6)任意に、(2)、(3)、(4)または(5)で得られたゼオライト材料をイオン交換手順に供し、この際に、前記ゼオライト材料中に含まれる骨格外イオンをH+イオンにイオン交換すること;(7)任意に、(2)、(3)、(4)、(5)または(6)で得られたゼオライト材料をイオン交換手順に供し、この際に、ゼオライト材料中に含まれる骨格外イオンを、アルカリ土類金属および/または遷移金属からなる群から選択される1つ以上の金属イオンMにイオン交換すること;(8)任意に、(7)で得られたゼオライト材料を乾燥および/またはか焼することを含む方法により製造される、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
請求項14
(6)において、前記ゼオライト材料をイオン交換手順に供する工程が、(6.a)(2)、(3)、(4)または(5)で得られたゼオライト材料をイオン交換手順に供し、この際に、前記ゼオライト材料中に含まれる骨格外イオンをNH4+にイオン交換すること;(6.b)(6.a)で得られたイオン交換されたゼオライト材料をか焼して、H型のゼオライト材料を得ることの工程を含む、請求項13記載の方法。
請求項15
(iii)で得られたガス流中に含まれるエタン−1,2−ジオールおよび/または2−アミノエタノールを、前記ガス流から分離し、かつ(ii)に再循環する、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
技術分野
0001
本発明は、エタン−1,2−ジオールを、エタン−1,2−ジアミンおよび/または式H2N−[CH2CH2NH]n−CH2CH2NH2[式中、n≧1]の線状のポリエチレンイミンに変換する方法において、前記方法は、YO2およびX2O3を含み、Yは四価元素であり、Xは三価元素であるゼオライト材料を有する触媒を使用し、ゼオライト材料は、MOR、FAU、CHAおよび/またはGME骨格構造を有するゼオライト材料からなる群から選択される、エタン−1,2−ジオールを、エタン−1,2−ジアミンおよび/または線状のポリエチレンイミンに変換する方法に関する。
0002
イントロダクション
モルデナイト(MOR)型ゼオライトは、1次元の12員環(MR)チャンネルと交差する8MRチャンネル(サイドポケット)とを有する大細孔ゼオライトの一種である。中性のシリケート骨格内へのAl置換は、カチオン(例えばブレンステッド酸として作用するO−H基)により補償された電荷不均衡を生じさせる。この種のゼオライトは、以前には、フリーデル・クラフツ型反応、異性化、カルボニル化およびアミノ化プロセスのような多様なタイプの化学的変換について記載された。MOR型ゼオライト合成は、またテンプレートフリー合成(有機細孔形成剤の不存在で)、テンプレート合成または脱アルミニウム反応のような後修飾のような多様な反応経路に従って記述された。したがって、国際公開第2014/135662号(WO 2014/135662 A)は、合成ガスを用いてジメチルエーテル(DME)を酢酸メチルにカルボニル化することに関し、この際、使用されるMOR型ゼオライトは、好ましくは、臭化テトラエチルアンモニウム(TEABr)テンプレートを用いて製造される。米国特許第7,605,295号明細書(US 7,605,295)は、好ましくは50nmの12MR細孔の方向に対して平行方向の平均クリスタリット長さを有する小結晶MOR型ゼオライトを用いるトランスアルキル化法に関し、この際、ゼオライトは、TEABrテンプレートを用いて製造される。同様に、米国特許第7,687,423号明細書(US 7,687,423 B2)は、60nm以下の12環チャンネルの方向に対して平行方向の平均クリスタリット長さを有するMOR骨格構造を有するクリスタリットの合成、ならびに芳香族化合物のトランスアルキル化におけるその使用に関する。Grundner, Sebastian et al., Nat. Commun. 2015, Vol. 6, article number 7546は、連続的か焼なしでCu(OAc)2から出発する特定のCuイオン交換法を含む、メタノールへのメタン酸化用の選択/活性触媒としてのCu−MORに関する。
0003
モルデナイトを基礎とする触媒は、また、主にモノエタノールアミンの気相アミノ化によるエチレンアミンの合成のために公知である。したがって、米国特許第4,918,233号明細書(US 4,918,233)は、モノエタノールアミン(MEOA)気相アミノ化用の、26%のMEOA転化率でEDAに対して80%の選択率を有する希土類ドープしたMORの使用について報告している。中国特許出願公開第1962058号明細書(CN 1962058 A)は、Zr、Nb、Mo、またはSnの1つをZnまたはFeと組み合わせて含むモルデナイト触媒を用いるエタノールアミンのアミノ化によるエチレンジアミンの気相合成に関する。特開平06−87797号公報(JP H0687797 A)および特開平07−247245号公報(JP H07247245 A)はそれぞれ、脱アルミニウムモルデナイト触媒を用いたアンモニアおよびモノエタノールアミンのエチレンジアミンへの気相反応のための方法に関する。MEOAからEDAおよびピペラジン誘導体の製造用のモルデナイト型ゼオライトのPによる修飾も、中国特許第101215239号明細書(CN 101215239 B)に記載されている。中国特許出願公開第101406845号明細書(CN 101406845 A)は、H−モルデナイトアミノ化触媒およびその製造を記載する。中国特許出願公開第102974393号明細書(CN 102974393 A)は、修飾ゼオライト分子ふるいアミノ化触媒の再生方法に関する。中国特許出願公開第103007984号明細書(CN 103007984 A)は、アミノ化触媒の製造方法を請求している。中国特許出願公開第102233272号明細書(CN102233272A)および中国特許出願公開第102190588号明細書(CN102190588A)は、モノエチレングリコール(MEG)の接触アミノ化によるEDAの製造方法に関する。
0004
これらに加えて、Achim Fischerの最初の論文「Heterogeneous Transition Metal Catalyzed Amination of Aliphatic Diols(不均一遷移金属触媒による脂肪族ジオールのアミノ化)」、Diss. ETH No 12978, 1998は、モノエチレングリコールおよびモノエタノールアミンをそれぞれエチレンジアミンに変換するためのゼオライト触媒による方法を議論している。国際公開第2009/083580号(WO 2009/083580 A1)は、触媒としてスルホン化されたテトラフルオロエチレンを基礎とするフルオロポリマー−コポリマー(Nafion)を用いる、酸化エチレン、エチレングリコール、またはエタノールアミンのアミノ化からのエチレンアミンの製造方法に関する。米国特許第4918233号明細書(US 4918233)は、脱アルミニウムモルデナイト触媒を使用したモノエタノールアミンおよびアンモニアからのエチレンジアミンの製造に関する。上述の方法の全ては、液相中で行われかつ高圧の使用が必要であるアミノ化法に関することに注目される。
0005
最後に、中国特許出願公開第101215239号明細書(CN 101215239 A)は、エチレンジアミンとアミノエチルピペラジンとの共同製造に関し、この際、この方法はリン修飾モルデナイト触媒の使用を含む。
0006
モノエチレングリコールのアミノ化のために利用可能な方法にもかかわらず、比較的高い活性を示すだけでなく、アミノ化生成物に関して、特にエチレンジアミンに関して増大する選択率を可能にする触媒を使用する、改善された方法の提供の必要性が未だに存在する。
0007
詳細な説明
したがって、本発明の課題は、モノエチレングリコール前駆体化合物の比較的高い転化率で、エタン−1,2−ジアミンおよび/または式H2N−[CH2CH2NH]n−CH2CH2NH2[式中、n≧1]の線状ポリエチレンイミンの比較的高い収率を得ることができる、エタン−1,2−ジオールを、エタン−1,2−ジアミンおよび/または式H2N−[CH2CH2NH]n−CH2CH2NH2[式中、n≧1]の線状ポリエチレンイミンに変換する方法を提供することであった。したがって、意外にも、MOR、FAU、CHAおよび/またはGME骨格構造を有するゼオライト材料を含む触媒の使用により、特に、MOR骨格構造を有するゼオライト材料を含む触媒の使用により、比較的高い転化率を達成するだけでなく、さらにエタン−1,2−ジアミンおよび/または上述の線状ポリエチレンイミンに対する比較的高い選択率を達成することを可能にする、エタン−1,2−ジオールをエタン−1,2−ジアミンおよび/または式H2N−[CH2CH2NH]n−CH2CH2NH2[式中、n≧1]の線状ポリエチレンイミンに変換する方法が提供されることが見出された。
0008
したがって、本発明は、エタン−1,2−ジオールを、エタン−1,2−ジアミンおよび/または式H2N−[CH2CH2NH]n−CH2CH2NH2[式中、n≧1]の線状ポリエチレンイミンに変換する方法において、
(i)MOR、FAU、CHAおよび/またはGME骨格構造を有し、これらの2つ以上の組み合わせを含めたゼオライト材料からなる群から選択される、YO2およびX2O3を含み、Yは四価元素であり、Xは三価元素であるゼオライト材料を含む触媒を準備すること、
(ii)エタン−1,2−ジオールおよびアンモニアを含むガス流を準備すること、
(iii)エタン−1,2−ジオールをエタン−1,2−ジアミンおよび/または線状ポリエチレンイミンに変換するために、(i)で準備された触媒を、(ii)で準備されたガス流と接触させること、
を含み、
ここで、nは、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜5、より好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3、より好ましくは1〜2の範囲であり、より好ましくはn=1である
エタン−1,2−ジオールを、エタン−1,2−ジアミンおよび/または線状ポリエチレンイミンに変換する方法に関する。
0009
本発明によると、(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触されるガス流は、エタン−1,2−ジオールを0.1〜10体積%、好ましくは0.5〜5体積%、より好ましくは1〜4.5体積%、より好ましくは1.5〜4体積%、より好ましくは2〜3.7体積%、より好ましくは2.5〜3.5体積%、より好ましくは2.7〜3.3体積%の範囲内の量で含むことが好ましい。(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触されるガス流は、エタン−1,2−ジオールを、2.9〜3.1体積%の範囲内の量で含むことが特に好ましい。
0010
本発明によると、(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触されるガス流中のアンモニアの量に関して特別な制限はない。したがって、例として、(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触されるガス流は、アンモニアを、5〜90体積%、好ましくは10〜80体積%、より好ましくは20〜70体積%、より好ましくは25〜60体積%、より好ましくは30〜50体積%、より好ましくは35〜45体積%、より好ましくは37〜43体積%の範囲内の量で含んでよい。しかしながら、本発明によると、(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触されるガス流は、39〜41体積%の範囲内の量でアンモニアを含むことが特に好ましい。
0011
(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触されるガス流中のアンモニア:エタン−1,2−ジオールのモル比に関しては特別な制限は適用されず、本発明の方法を行うために、考えられる全てのアンモニア:エタン−1,2−ジオールのモル比が選択されてよい。したがって、例として、(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触されるガス流中のアンモニア:エタン−1,2−ジオールのモル比は、1〜45、好ましくは2〜35、より好ましくは4〜30、より好ましくは6〜25、より好ましくは8〜20、より好ましくは10〜16の範囲内にあってよい。しかしながら、本発明によれば、(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触されるガス流中のアンモニア:エタン−1,2−ジオールのモル比は、12〜14の範囲内にあることが特に好ましい。
0012
本発明によると、(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触されるガス流中の水素の含有率に関しては原則として制限はない。したがって、例として、(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触されるガス流は、さらに、水素を0.1〜70体積%、好ましくは0.5〜50体積%、より好ましくは1〜40体積%、より好ましくは5〜35体積%、より好ましくは10〜30体積%、より好ましくは15〜25体積%、より好ましくは17〜23体積%の範囲内の量で含んでよい。しかしながら、本発明によれば、(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触されるガス流は、水素を19〜21体積%の範囲内の量で含むことが特に好ましい。
0013
あるいは、例として、(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触されるガス流は、水素を、1体積%以下、好ましくは0.5体積%以下、より好ましくは0.1体積%以下、より好ましくは0.05体積%以下、より好ましくは0.001体積%以下、より好ましくは0.0005体積%以下で含んでよい。しかしながら、本発明によると、(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触されるガス流は、水素を0.0001体積%以下で含むことが特に好ましい。
0014
本発明によると、(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触されるガス流は、さらに、不活性ガスを5〜90体積%、好ましくは10〜80体積%、より好ましくは20〜70体積%、より好ましくは25〜60体積%、より好ましくは30〜50体積%、より好ましくは35〜45体積%、より好ましくは37〜43体積%の範囲内の量で含むことが好ましい。本発明によると、(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触されるガス流は、さらに、39〜41体積%の範囲内の量で不活性ガスを含むことが特に好ましい。
0015
本発明の方法で使用されてよい不活性ガスのタイプは、選択された条件下でエタン−1,2−ジオールをエタン−1,2−ジアミンおよび/または式H2N−[CH2CH2NH]n−CH2CH2NH2[式中、n≧1]の線状ポリエチレンイミンに変換することを可能にするという条件で、特に制限はない。したがって、例として、不活性ガスは、希ガス、N2、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から、好ましくはHe、Ne、Ar、N2およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1つ以上のガスを含んでよく、この際に、より好ましくは、不活性ガスは、Arおよび/またはN2、好ましくはN2を含む。しかしながら、不活性ガスは、Arおよび/またはN2、好ましくはN2であることが特に好ましい。
0016
本発明によると、(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触されるガス流中の水の含有率に関しては、H2Oの含有率が5体積%以下であるという条件で原則として制限はない。したがって、例として、(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触されるガス流は、H2Oを、3体積%以下、好ましくは1体積%以下、より好ましくは0.5体積%以下、より好ましくは0.1体積%以下、より好ましくは0.05体積%以下、より好ましくは0.01体積%以下、より好ましくは0.005体積%以下、より好ましくは0.001体積%以下、より好ましくは0.0005体積%以下の量で含んでよい。しかしながら、本発明によると、(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触されるガス流は、水を0.0001体積%以下で含み、好ましくは水を含まないことが特に好ましい。
0017
本発明によると、(ii)で準備されるガス流は、好ましくは、(iii)で触媒と接触される前に加熱される。したがって、例として、(ii)で準備されるガス流を、120〜600℃の範囲内の温度に、好ましくは150〜550℃、より好ましくは180〜500℃、より好ましくは200〜450℃、より好ましくは230〜400℃、より好ましくは250〜370℃、より好ましくは270〜350℃、より好ましくは280〜320℃の範囲内の温度に加熱し、その後でこの温度で(iii)で触媒と接触させてよい。しかしながら、(ii)で準備されるガス流を290〜310℃の範囲内の温度に加熱し、その後でこの温度で(iii)で触媒と接触させることが特に好ましい。
0018
本発明によると、(iii)で触媒をガス流と接触させるための条件に関しては、エタン−1,2−ジオールのエタン−1,2−ジアミンおよび/または式H2N−[CH2CH2NH]n−CH2CH2NH2[式中、n≧1]の線状ポリエチレンイミンへの変換が行われるという条件で原則として制限はない。したがって、例として、(iii)で触媒をガス流と接触させることは、0.05〜20MPa、好ましくは0.1〜10MPa、より好ましくは0.3〜5MPa、より好ましくは0.5〜3MPa、より好ましくは0.6〜2MPa、より好ましくは0.7〜1.5MPa、より好ましくは0.8〜1.3MPaの範囲内の圧力で行われてよい。しかしながら、本発明によると、(iii)で触媒をガス流と接触させることは、0.9〜1.1MPaの範囲内の圧力で行うことが特に好ましい。
0019
(iii)で触媒をガス流と接触させるために使用される時間基準のガス空間速度(GHSV)に関しては特別な制限は適用されず、100〜30,000h-1の範囲内で含まれるという条件で、原則として、本発明の方法を実施するために、考えられる全ての時間基準のガス空間速度が選択されてよい。したがって、例として、(iii)で触媒をガス流と接触させることは、500〜20,000h-1、好ましくは1,000〜15,000h-1、より好ましくは2,000〜10,000h-1、より好ましくは3,000〜8,000h-1、より好ましくは4,000〜6,000h-1,より好ましくは4,500〜5,500h-1の範囲内の時間基準のガス空間速度(GHSV)で行われてよい。しかしながら、(iii)で触媒をガス流と接触させることは、4,800〜5,200h-1の範囲内の時間基準のガス空間速度(GHSV)で行われることが特に好ましい。
0020
本発明によると、(i)において、ゼオライト材料が、MOR骨格構造を有することが好ましい。
0021
本発明によると、MOR骨格構造を有するゼオライト材料のYO2:X2O3のモル比に関しては原則として制限はなく、本発明の方法を実施するために、考えられる全てのYO2:X2O3のモル比が選択されてよい。したがって、例として、MOR骨格構造を有するゼオライト材料は、5〜100、好ましくは6〜70、より好ましくは8〜50、より好ましくは10〜40、より好ましくは12〜30、より好ましくは14〜25、より好ましくは16〜20の範囲内のYO2:X2O3のモル比を表してよい。しかしながら、MOR骨格構造を有するゼオライト材料は、17〜18の範囲内のYO2:X2O3のモル比を表すことが特に好ましい。
0022
本発明の方法で使用されるMOR骨格構造を有するゼオライト材料の四価元素Yに関しては、特別な制限は適用されず、本発明の方法を実施するために、原則として考えられる全ての四価元素が選択されてよい。したがって、例として、Yは、Si、Sn、Ti、Zr、Ge、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択されてよい。しかしながら、本発明によると、YはSiであることが好ましい。
0023
本発明の方法で使用されるMOR骨格構造を有するゼオライト材料の三価元素Xに関しては、特別な制限は適用されず、本発明の方法を実施するために、原則として考えられる全ての三価元素が選択されてよい。したがって、例として、Xは、Al、B、In、Ga、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択されてよい。しかしながら、本発明によると、Xは、Alおよび/またはB、好ましくはAlであることが好ましい。
0024
本発明によると、MOR骨格構造を有するゼオライト材料はH型であり、かつ骨格外イオンとしてプロトンを含み、この際、元素として計算してかつゼオライト材料中に含まれるYO2の100質量%を基準として、骨格外イオンの0.1質量%以下が、好ましくは0.05質量%以下が、より好ましくは0.001質量%以下が、より好ましくは0.0005質量%以下が、金属カチオンであることが好ましい。MOR骨格構造を有するゼオライト材料はH型であり、かつ骨格外イオンとしてプロトンを含み、この際、元素として計算してかつゼオライト材料中に含まれるYO2の100質量%を基準として、骨格外イオンの0.0001質量%以下が、金属カチオンであることが特に好ましい。
0025
本発明の意味の範囲内で、「骨格外イオン」は、ゼオライト材料のミクロ孔内に含まれ、かつゼオライト骨格の電荷を補償するイオンおよび/またはイオン化合物をいい、この際、本発明の好ましい意味によると、「骨格外イオン」は、ゼオライト材料のミクロ孔内に含まれ、かつゼオライト骨格の電荷を補償するカチオンおよび/またはカチオン化合物をいう。
0026
本発明によると、MOR骨格構造を有するゼオライト材料は、骨格外イオンとして1つ以上の金属イオンMを含み、この際、1つ以上の金属イオンMは、アルカリ土類金属および/または遷移金属からなる群から、より好ましくは元素周期表の第4族および第6族〜第11族から、好ましくは第4族および第8族〜第11族から選択される金属からなる群から選択され、この際、より好ましくは1つ以上の金属イオンMは、Mg、Ti、Cu、Co、Cr、Ni、Fe、Mo、Mn、Ru、Rh、Pd、Ag、Os、Ir、Pt、Au、Sn、Zn、Ca、Mgおよびこれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、Cu、Sn、Zn、Ca、Mgおよびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択されることが好ましい。MOR骨格構造を有するゼオライト材料は、骨格外イオンとしてCuおよび/またはZn、好ましくはCuを含むことが特に好ましい。
0027
MOR骨格構造を有するゼオライト材料の中の骨格外イオンとしてのMの含有率に関して、特別な制限は適用されず、原則として、本発明の方法を実施するために、骨格外イオンとしてのMの考えられる全ての含有率が選択されてよい。したがって、例として、ゼオライト材料は、骨格外イオンとしてのMを、元素として計算してかつゼオライト材料中に含まれるYO2の100質量%を基準として、0.5〜15質量%、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは1.3〜8質量%、より好ましくは1.5〜7質量%、より好ましくは1.8〜6質量%、より好ましくは2〜5.5質量%、より好ましくは2.3〜5質量%、より好ましくは2.5〜4.5質量%、より好ましくは2.8〜4質量%、より好ましくは3〜3.5質量%含んでよい。しかしながら、MOR骨格構造を有するゼオライト材料は、骨格外イオンとしてMを、元素として計算してかつゼオライト材料中に含まれるYO2の100質量%を基準として、3.1〜3.4質量%含むことが特に好ましい。
0028
さらに、MOR骨格構造を有するゼオライト材料のM:X2O3のモル比に関して、特別な制限は適用されず、原則として、本発明の方法を実施するために、考えられる全てのM:X2O3のモル比が選択されてよい。したがって、例として、MOR骨格構造を有するゼオライト材料のM:X2O3のモル比は、0.01〜2、好ましくは0.05〜1.5、より好ましくは0.1〜1、より好ましくは0.2〜0.8、より好ましくは0.3〜0.7、より好ましくは0.35〜0.65、より好ましくは0.4〜0.6の範囲内にあってよい。しかしながら、本発明によると、MOR骨格構造を有するゼオライト材料のM:X2O3のモル比は、0.45〜0.55の範囲にあることが特に好ましい。
0029
本発明によると、ゼオライト材料は、実質的にNaを含まず、好ましくは実質的にNaまたはKを含まず、より好ましくは実質的にアルカリ金属を含まず、より好ましくは実質的にアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含まないことが好ましい。
0030
本発明の意味の範囲内で、ゼオライト材料の骨格中に含まれるNa、K、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の量との関連で本発明において使用される「実質的に」は、Na、K、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を、元素として計算してかつMOR骨格構造を有するゼオライト材料中に含まれるYO2の100質量%を基準として、0.1質量%以下、好ましくは0.05質量%以下、より好ましくは0.001質量%以下、より好ましくは0.0005質量%以下、さらにより好ましくは0.0001質量%以下の量を示す。
0032
粉末X線回折により決定して、5±1nm〜55±8nmの範囲内の、クリスタリットの002軸に沿った、MOR骨格構造を有するゼオライト材料の平均粒径に関して、当業者は、プロセスパラメータが、前記範囲の全範囲内でゼオライト材料を得るために変えられることを容易に理解する。米国特許第7,605,295号明細書(US 7, 605, 295 B1)、第2欄、8〜13行および45〜47行には、約60nm以下、好ましくは約50nm以下の、クリスタリットの002軸に沿った平均粒径を有するMOR骨格型を有するクリスタリットの粗大な凝集体を含むUZM凝集体材料が開示されている。
0033
さらに、米国特許第7,687,423号明細書(US 7,687,423 B2)の実施例には、クリスタリットの002軸に沿った、MOR骨格構造を有するゼオライト材料の製造方法が記載されていて、ここで、その実施例1では、47および50nmの、クリスタリットの002軸に沿った平均結晶サイズを有するUZM−14−AおよびUZM−14−Bが製造されている。さらに、米国特許第7,687,423号明細書(US 7,687,423 B2)の実施例3には、さらに、UZM−14試料が、その実施例1で議論されたパラメータのわずかな変更で製造され、40.6〜50.4nmの範囲内の、クリスタリットの002軸に沿った平均結晶サイズを有する材料が製造されている。付加的に、米国特許第7,687,423号明細書(US 7,687,423 B2)は、ZeolistおよびTosohからなる先行技術の材料が、55±8nmより大きい、クリスタリットの002軸に沿った平均結晶サイズを有することを強調している。
0034
さらに、付加的実施例および比較例は、ここで、上述の範囲の全範囲内でゼオライト材料を得るために、当業者にさらなる指針を提供する。
0035
好ましくは、クリスタリットの002軸に沿ったゼオライト材料の平均粒径は、10±1nm〜53±8nm、より好ましくは15±2nm〜50±5nm、より好ましくは18±2nm〜48±5nm、より好ましくは20±2nm〜45±5nm、より好ましくは23±2nm〜43±4nm、より好ましくは25±3nm〜40±4nm、より好ましくは28±3nm〜38±4nm、より好ましくは30±3nm〜35±4nmの範囲内にある。クリスタリットの002軸に沿った、ゼオライト材料の平均粒径は、粉末X線回折により決定して、32±3nm〜34±3nmの範囲内にあることが特に好ましい。
0036
あるいは、粉末X線回折により決定して、クリスタリットの002軸に沿ったゼオライト材料の平均粒径は、25±3nm〜41±4nm、好ましくは26±3nm〜40±4nm、より好ましくは27±3nm〜39±4nm、より好ましくは28±3nm〜38±4nm、より好ましくは29±3nm〜37±4nm、より好ましくは30±3nm〜36±4nm、より好ましくは31±3nm〜35±4nm、より好ましくは32±3nm〜34±3nmの範囲内にあることが好ましい。
0037
あるいは、粉末X線回折により決定して、クリスタリットの002軸に沿ったゼオライト材料の平均粒径は、38±4nm〜54±8nm、好ましくは39±4nm〜53±8nm、より好ましくは40±4nm〜52±5nm、より好ましくは41±4nm〜51±5nm、より好ましくは42±4nm〜50±5nm、より好ましくは43±4nm〜49±5nm、より好ましくは44±4nm〜48±5nm、より好ましくは45±5nm〜47±5nmの範囲内にあることが好ましい。
0038
あるいは、粉末X線回折により決定して、クリスタリットの002軸に沿ったゼオライト材料の平均粒径は、39±4nm〜55±8nm、好ましくは40±4nm〜54±8nm、より好ましくは41±4nm〜53±8nm、より好ましくは42±4nm〜52±5nm、より好ましくは43±4nm〜51±5nm、より好ましくは44±4nm〜50±5nm、より好ましくは45±5nm〜49±5nm、より好ましくは46±5nm〜48±5nmの範囲内にあることが好ましい。
0039
あるいは、粉末X線回折により決定して、クリスタリットの002軸に沿ったゼオライト材料の平均粒径は、45±5nm〜55±8nm、好ましくは46±5nm〜54±8nm、より好ましくは47±5nm〜53±8nm、より好ましくは48±5nm〜52±8nm、より好ましくは49±5nm〜51±5nmの範囲内にあることが好ましい。
0040
粉末X線回折により決定して、クリスタリットの002軸に沿ったゼオライト材料の一次クリスタリットの平均粒径の値に関して、本発明によると、前記値は、002軸に沿った一次クリスタリットの寸法に依存する次の偏差を含み、前記偏差は、所与の値の後に「±」で示されると解釈されることに留意される:
>100〜200nm:20%(例えば150nmについて±30nm)
>50〜100nm:15%(例えば100nmについて±15nm)
>5〜50nm:10%(例えば50nmについて±5nm)
2〜5nm:20%(例えば5nmについて±1nm)
粉末X線回折により決定して、クリスタリットの002軸に沿った、MOR骨格構造を有するゼオライト材料の平均粒径に関して、本発明によると、その決定に関して、特別な制限は適用されない。しかしながら、本発明によると、クリスタリットの002軸に沿った、MOR骨格構造を有するゼオライト材料の平均粒径についての値は、米国特許第7,687,423号明細書(US 7,687,423 B2)に記載された方法により、特に前記文献の第8欄、25〜48行に記載されたように決定されることが好ましい。しかしながら、本発明によると、粉末X線回折により決定した、クリスタリットの002軸に沿った、MOR骨格構造を有するゼオライト材料の平均粒径についての値は、本出願の実験の部に記載された方法に従って決定されることがさらに好ましく、ここで、この値は、X線回折データを基準として、ソフトウェアTOPAS4.2を用いる回折ピーク幅のフィッティングにより決定され、ここで、機器の広がりは、試料の広がりから機器の分離をもたらすTOPAS 4.2ユーザーマニュアル(Bruker AXS GmbH, Oestliche Rheinbrueckenstr. 49, 76187 Karlsruhe, 独国)に記載された基本パラメータ手法を用いるピークフィッティングの間で考慮され、試料の寄与は、次の式に定義されている単一ローレンツプロファイル関数を用いて決定される:
β=λ/(L・cosθ)
式中、βは、ローレンツ半値全幅(FWHM)であり、λは、使用したCuKα放射線のX線波長であり、Lは、クリスタリットサイズであり、θは、ピーク位置の散乱角の半分である。前記好ましい方法によると、002反射のクリスタリットサイズは、21°から24.2°(2θ)までの、002反射を取り囲む局所データの精密化で決定され、ここで、変化するクリスタリットサイズを有する単一ピークは、取り囲む反射をモデル化し、このデータは、0.02°(2θ)のステップ幅を用いて、2°から70°(2θ)までのブラッグ−ブレンターノ幾何学で集められる。
0041
本発明によると、粉末X線回折により決定して、MOR骨格構造を有するゼオライト材料の一次クリスタリットの平均粒径は、5±1nm〜100±15nmの範囲内にあることが好ましく、好ましくは一次クリスタリットの平均粒径は、10±1nm〜90±14nm、より好ましくは20±2nm〜85±13nm、より好ましくは30±3nm〜80±12nm、より好ましくは35±4nm〜75±11nm、より好ましくは40±4nm〜70±11nm、より好ましくは45±5nm〜65±10nm、より好ましくは50±5nm〜65±10nmの範囲内にあることが好ましい。粉末X線回折により決定して、ゼオライト材料の一次クリスタリットの平均粒径は、55±8nm〜65±10nmの範囲内にあることが特に好ましい。粉末X線回折により決定して、ゼオライト材料の一次クリスタリットの平均粒径の値に関して、本発明によると、前記値は、一次クリスタリットの寸法に依存する次の偏差を含み、前記偏差は、所与の値の後に「±」で示されると解釈されることに留意される:
>100〜200nm:20%(例えば150nmについて±30nm)
>50〜100nm:15%(例えば100nmについて±15nm)
>5〜50nm:10%(例えば50nmについて±5nm)
2〜5nm:20%(例えば5nmについて±1nm)
粉末X線回折により決定して、MOR骨格構造を有するゼオライト材料の一次クリスタリットの平均粒径に関して、本発明によると、その決定に関して、特別な制限は適用されない。しかしながら、本発明によると、粉末X線回折により決定して、MOR骨格構造を有するゼオライト材料の一次クリスタリットの平均粒径についての値は、シェラーの式により決定されることが好ましい。しかしながら、本発明によると、粉末X線回折により決定した、MOR骨格構造を有するゼオライト材料の一次クリスタリットの平均粒径についての値は、本出願の実験の部に記載された方法に従って決定されることがさらに好ましく、ここで、この値は、X線回折データを基準として、ソフトウェアTOPAS4.2を用いる回折ピーク幅のフィッティングにより決定され、ここで、機器の広がりは、試料の広がりから機器の分離をもたらすTOPAS 4.2ユーザーマニュアル(Bruker AXS GmbH, Oestliche Rheinbrueckenstr. 49, 76187 Karlsruhe, 独国)に記載された基本パラメータ手法を用いるピークフィッティングの間で考慮され、試料の寄与は、次の式に定義されている単一ローレンツプロファイル関数を用いて決定される:
β=λ/(L・cosθ)
式中、βは、ローレンツ半値全幅(FWHM)であり、λは、使用したCuKα放射線のX線波長であり、Lは、クリスタリットサイズであり、θは、ピーク位置の散乱角の半分であり、このデータは、0.02°(2θ)のステップサイズを用いて、2°から70°(2θ)までのブラッグ−ブレンターノ幾何学で集められる。
0042
本発明によると、(i)で準備される触媒は、MOR骨格構造を有するゼオライト材料を含み、その際、MOR骨格構造を有するゼオライト材料は、好ましくは、モルデナイト、UZM−14、[Ga−Si−O]−MOR、Ca−Q、LZ−211、マリコパイト、Na−D、RMA−1、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1つ以上のゼオライトを含むことが好ましい。本発明によると、ゼオライト材料は、UZM−14および/またはモルデナイト、好ましくはモルデナイトであることが特に好ましい。
0043
あるいは、またはこれに加えて、本発明によると、(i)で準備される触媒は、GME骨格構造を有するゼオライト材料を含み、この際、GME骨格構造を有するゼオライト材料は、好ましくは、グメリナイト、[Be−P−O]−GME、K富有グメリナイト、合成無欠陥グメリナイト、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1つ以上のゼオライトを含むことが好ましい。本発明によると、ゼオライト材料は、グメリナイトであることが特に好ましい。
0044
さらに、かつまたあるいはまたは上述のものに加えて、本発明によると、(i)で準備される触媒は、FAU骨格構造を有するゼオライト材料を含むことが好ましく、この際、FAU骨格構造を有するゼオライト材料は、好ましくは、これらの2つ以上の混合物の群から選択される1つ以上のゼオライトを含む、この際、好ましくは、フォージャサイト、ZSM−3、ベリロホスファートX、[Al−Ge−O]−FAU、CSZ−1、ECR−30、ゼオライトX(Linde X)、ゼオライトY(Linde Y)、LZ−210、SAPO−37、ZSM−20、[Co−Al−P−O]−FAU、Dehyd.Na−X、Dehyd.US−Y、ケイ質Na−Y、[Ga−Ge−O]−FAU、[Al−Ge−O]−FAU、Li−LSX、[Ga−Al−Si−O]−FAU、[Ga−Si−O]−FAU、ジンコホスファートX、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1つ以上のゼオライトである。本発明によると、ゼオライト材料は、フォージャサイトであることが特に好ましい。
0045
さらに、かつまたあるいはまたは上述のものに加えて、本発明によると、(i)で準備される触媒は、CHA骨格構造を有するゼオライト材料を含むことが好ましく、この際、CHA骨格構造を有するゼオライトは、好ましくは、(Ni(deta)2)−UT−6、チャバサイト、|Li−Na|[Al−Si−O]−CHA、DAF−5、Na−チャバサイト、K−チャバサイト、LZ−218、Linde D、Linde R、MeAPSO−47、Phi、SAPO−34、SAPO−47、SSZ−13、SSZ−62、UiO−21、ウィルヘンダーソナイト、ZK−14、ZYT−6、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から、好ましくは、チャバサイト、|Li−Na|[Al−Si−O]−CHA、Na−チャバサイト、K−チャバサイト、SAPO−34、SAPO−47、SSZ−13、SSZ−62、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、チャバサイト、|Li−Na|[Al−Si−O]−CHA、Na−チャバサイト、SAPO−34、SSZ−13、およびこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から、より好ましくは、チャバサイト、SAPO−34、SSZ−13、およびこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される1つ以上のゼオライトを含む。本発明によると、ゼオライト材料は、チャバサイトであることが特に好ましい。
0046
本発明によると、(ii)で準備されたガス流を(i)で準備された触媒と接触させた後に(iii)で得られるガス流は、5超、好ましくは5〜80、より好ましくは5.5〜50、より好ましくは6〜30、より好ましくは6.5〜20、より好ましくは7〜15、より好ましくは7.5〜12、より好ましくは8〜11、より好ましくは8.5〜10.5の、エタン−1,2−ジアミンとジエチレントリアミンとの全モル量の、アミノエチルエタノールアミンとピペラジンとの全モル量に対する(エタン−1,2−ジアミン+ジエチレントリアミン):(アミノエチルエタノールアミン+ピペラジン)のモル比を表すことが好ましい。本発明によると、(ii)で準備されたガス流を(i)で準備された触媒と接触させた後に(iii)で得られるガス流は、9〜10のエタン−1,2−ジアミンとジエチレントリアミンとの全モル量のアミノエチルエタノールアミンとピペラジンとの全モル量に対する(エタン−1,2−ジアミン+ジエチレントリアミン):(アミノエチルエタノールアミン+ピペラジン)のモル比を表すことが特に好ましい。
0047
本発明によると、(i)で準備された触媒と(ii)で準備されたガス流との(iii)での接触の前の時点では、MOR骨格構造からX2O3を除去するための処理、好ましくはゼオライト材料からX2O3を除去するための処理に供せられたMOR骨格構造を有するゼオライト材料を有しないことが好ましい。
0048
本発明の意味の範囲内で、(i)で準備された触媒と(ii)で準備されたガス流との(iii)での接触の前の時点では、MOR骨格構造からX2O3を除去するための処理に供せられたMOR骨格構造を有するゼオライト材料を有しないことが好ましいことは、この時点で、合成されたゼオライト材料中に含まれるX2O3の100モル%を基準として、X2O3の5モル%以上、好ましくは3モル%以上、より好ましくは1モル%以上、より好ましくは0.5モル%以上、より好ましくは0.1モル%以上、より好ましくは0.05モル%以上、より好ましくは0.01モル%以上、より好ましくは0.005モル%以上、より好ましくは0.001モル%以上、より好ましくは0.0005モル%以上、より好ましくは0.0001モル%以上がゼオライト材料の骨格構造から除去された処理に供せられたゼオライト材料を有しないことを示す。
0049
本発明の意味によると、(i)で準備された触媒と(ii)で準備されたガス流との(iii)での接触の前の時点では、ゼオライト材料からX2O3を除去するための処理に供せられたMOR骨格構造を有するゼオライト材料を有しないことが好ましく、このことは、この時点で、合成されたゼオライト材料中に含まれるX2O3の100モル%を基準として、X2O3の5モル%以上、好ましくは3モル%以上、より好ましくは1モル%以上、より好ましくは0.5モル%以上、より好ましくは0.1モル%以上、より好ましくは0.05モル%以上、より好ましくは0.01モル%以上、より好ましくは0.005モル%以上、より好ましくは0.001モル%以上、より好ましくは0.0005モル%以上、より好ましくは0.0001モル%以上がゼオライト材料から除去された処理に供せられたゼオライト材料を有しないことを示す。
0050
好ましくは本発明の方法で使用されるMOR骨格構造を有するゼオライト材料の製造に関して特別な制限は適用されず、本発明の方法を実施するために、原則として、MOR骨格構造を有する考えられる全てのゼオライト材料が選択されてよい。しかしながら、本発明によると、MOR骨格構造を有するゼオライト材料は、
(1)YO2の少なくとも1つの供給源、X2O3の少なくとも1つの供給源を含み、かつ構造規定剤として1つ以上の有機テンプレートを含み、かつ/または種結晶を含む混合物を製造すること;
(2)前記MOR骨格構造を有するゼオライト材料を得るために、(i)で製造された混合物を結晶化すること;
(3)任意に、(2)で得られたゼオライト材料を単離すること;
(4)任意に、(2)または(3)で得られたゼオライト材料を洗浄すること;
(5)任意に、(2)、(3)または(4)で得られたゼオライト材料を乾燥および/またはか焼すること;
(6)任意に、(2)、(3)、(4)または(5)で得られたゼオライト材料をイオン交換手順に供し、この際に、ゼオライト材料中に含まれる骨格外イオンをH+イオンにイオン交換すること;
(7)任意に、(2)、(3)、(4)、(5)または(6)で得られたゼオライト材料をイオン交換手順に供し、この際に、ゼオライト材料中に含まれる骨格外イオンは、アルカリ土類金属および/または遷移金属からなる群から、好ましくは元素周期表の第4族および第6族〜第11族、より好ましくは第4族および第8族〜第11族から選択される金属からなる群から選択される1つ以上の金属イオンMにイオン交換され、この際に、より好ましくは、1つ以上の金属イオンMは、Mg、Ti、Cu、Co、Cr、Ni、Fe、Mo、Mn、Ru、Rh、Pd、Ag、Os、Ir、Pt、Au、Sn、Zn、Ca、Mgおよびこれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、Cu、Sn、Zn、Ca、Mgおよびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、この際に、より好ましくは、ゼオライト材料中に含まれる骨格外イオンは、Cuおよび/またはZn、好ましくはCuにイオン交換されること;
(8)任意に、(7)で得られたゼオライト材料を乾燥および/またはか焼すること
を含む方法により製造されることが好ましい。
0051
本発明の意味の範囲内で、本出願で使用される「有機テンプレート」の用語は、ゼオライト材料、好ましくはMOR型骨格構造を有するゼオライト材料のテンプレート媒介合成のために適している、さらにより好ましくはUZM−14および/またはモルデナイトの合成のために適している、考えられる全ての有機材料を示す。
0052
本発明によると、(1)で製造された混合物中に含まれる1つ以上の有機テンプレートは、テトラアルキルアンモニウム含有化合物およびテトラアルキルホスホニウム含有化合物からなる群、好ましくはテトラアルキルアンモニウムカチオンR1R2R3R4N+含有化合物およびテトラアルキルホスホニウムカチオンR1R2R3R4P+含有化合物からなる群から選択されることが好ましく、ここで、R1、R2、R3およびR4は、互いに無関係に、任意に置換されたおよび/または任意に分枝した(C1〜C6)アルキル、好ましくは(C1〜C5)アルキル、より好ましくは(C1〜C4)アルキル、より好ましくは(C1〜C3)アルキル、さらにより好ましくは任意に置換されたメチルまたはエチルを表し、この際に、さらにより好ましくは、R1、R2、R3およびR4は、任意に置換されたエチル、好ましくは非置換のエチルを表す。
0053
本発明によると、1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR1R2R3R4N+含有化合物および/または1つ以上のテトラアルキルホスホニウムカチオンR1R2R3R4P+含有化合物は、塩、好ましくはハロゲン化物、好ましくは塩化物および/または臭化物、より好ましくは塩化物、水酸化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、酢酸塩およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは塩化物、水酸化物、硫酸塩またはこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1つ以上の塩であり、より好ましくは1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR1R2R3R4N+含有化合物および/または1つ以上のテトラアルキルホスホニウムカチオンR1R2R3R4P+含有化合物は、水酸化物および/または臭化物、さらにより好ましくは臭化物であることがさらに好ましい。
0054
本発明によると、(1)で製造された混合物中に含まれる1つ以上の有機テンプレートは、N,N,N,N−テトラ(C1〜C4)アルキルアンモニウム化合物およびN,N,N,N−テトラ(C1〜C4)アルキルホスホニウム化合物からなる群から、好ましくはN,N,N,N−テトラ(C1〜C3)アルキルアンモニウム化合物およびN,N,N,N−テトラ(C1〜C3)アルキルホスホニウム化合物からなる群から、より好ましくはN,N,N,N−テトラ(C1〜C2)アルキルアンモニウム化合物およびN,N,N,N−テトラ(C1〜C2)アルキルホスホニウム化合物からなる群から、より好ましくはN,N,N,N−テトラ(C1〜C2)アルキルアンモニウム化合物およびN,N,N,N−テトラ(C1〜C2)アルキルホスホニウム化合物からなる群から、より好ましくはN,N,N,N−テトラエチルアンモニウム化合物、N,N,N,N−テトラメチルアンモニウム化合物、N,N,N,N−テトラエチルホスホニウム化合物、N,N,N,N−テトラメチルホスホニウム化合物、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、この際、さらにより好ましくは、1つ以上の有機テンプレートは、1つ以上のN,N,N,N−テトラエチルアンモニウム化合物またはN,N,N,N−テトラエチルホスホニウム化合物、好ましくは1つ以上のN,N,N,N−テトラエチルアンモニウム化合物を含むことが好ましい。
0055
(1)により準備された混合物中の1つ以上の有機テンプレートのYO2に対する有機テンプレート:YO2のモル比に関して、特別な制限は適用されず、MOR骨格構造を有するゼオライト材料の製造方法を実施するために、原則として考えられる全ての有機テンプレート:YO2のモル比が選択されてよい。したがって、例として、(1)により準備された混合物中の1つ以上の有機テンプレートのYO2に対する有機テンプレート:YO2のモル比は、0.005〜0.14、好ましくは0.01〜0.3、より好ましくは0.02〜0.2、より好ましくは0.025〜0.14、より好ましくは0.03〜0.1、より好ましくは0.035〜0.08、より好ましくは0.04〜0.06の範囲であってよい。しかしながら、本発明によると、(1)により準備された混合物中の1つ以上の有機テンプレートのYO2に対する有機テンプレート:YO2のモル比は、0.045〜0.055の範囲にあることが特に好ましい。
0056
あるいは、本発明によると、(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物は、好ましくは種結晶として使用されるゼオライト材料のミクロ孔中に任意に含まれていてよい有機テンプレートを除いて有機テンプレートを実質的に含まないことが好ましく、より好ましくは、(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物は、実質的に有機テンプレートを含まない。
0057
本発明の意味の範囲内で、(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物は、実質的に有機テンプレートを含まないことは、(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物が、有機テンプレートを、混合物中に含まれるYO2の100質量%を基準として0.1質量%以下の量で、好ましくは、混合物中に含まれるYO2の100質量%を基準として0.05質量%以下、より好ましくは0.001質量%以下、より好ましくは0.0005質量%以下、さらにより好ましくは0.0001質量%以下の量でだけ含んでよいことを示す。有機テンプレートの前記量は、(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物中に存在するとしても、本発明の意味の範囲内で、「不純物」または「痕跡量」として表されてもよい。さらに、「有機テンプレート」および「有機構造規定剤」の用語は、本出願において同義に使用されることに留意される。しかしながら、本発明によると、(1)で製造された混合物は、構造規定剤として1つ以上の有機テンプレートを含むことが好ましい。
0058
本発明によると、(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物は,実質的にゼオライト材料を含まず、好ましくは(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物は、実質的に種結晶を含まないことが好ましい。
0059
本発明の意味の範囲内で、(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物が、実質的にゼオライト材料を含まない、好ましくは実質的に種結晶を含まないことは、(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物が、ゼオライト材料を、好ましくは種結晶を、混合物中に含まれるYO2の100質量%を基準として0.1質量%以下の量でだけ、好ましくは混合物中に含まれるYO2の100質量%を基準として0.05質量%以下、より好ましくは0.001質量%以下、より好ましくは0.0005質量%以下、さらにより好ましくは0.0001質量%以下の量でだけ含んでよいことを示す。ゼオライト材料および好ましくは種結晶の前記量は、(1)で製造され(2)で結晶化された混合物中に存在するとしても、本発明の意味の範囲内で、「不純物」または「痕跡量」として表されてもよい。
0060
本発明によると、好ましくは本発明の方法で使用されるMOR骨格構造を有するゼオライト材料の製造方法の(6)において、ゼオライト材料をイオン交換手順に供する工程は、
(6.a)(2)、(3)、(4)または(5)で得られたゼオライト材料をイオン交換手順に供し、この際に、前記ゼオライト材料中に含まれる骨格外イオンをNH4+にイオン交換すること;
(6.b)(6.a)で得られたイオン交換されたゼオライト材料をか焼して、H型のゼオライト材料を得ること
の工程を含むことが好ましい。
0061
(5)、(6.b)、(8)および/または(12)でのか焼に関しては、特別な制限は適用されず、MOR骨格構造を有するゼオライト材料の製造方法を実施するために、考えられる全ての温度および/または期間が選択されてよい。
0062
したがって、例として、(5)、(6.b)、(8)および/または(12)でのか焼は、200〜850℃、好ましくは250〜800℃、より好ましくは300〜750℃、より好ましくは350〜700℃、より好ましくは400〜650℃、より好ましくは450〜620℃、より好ましくは500〜600℃、より好ましくは520〜580℃の範囲内の温度で実施されてよい。しかしながら、本発明によると、(5)、(6.b)、(8)および/または(12)でのか焼は、540〜560℃の範囲内の温度で実施されることが特に好ましい。
0063
さらに、例として、(5)、(6.b)、(8)および/または(12)でのゼオライト材料のか焼は、バッチ式で、半連続式で、または連続式で行われてよい。(6.b)でのか焼は、ゼオライト材料を、本出願で定義された特別なおよび好ましい実施態様のいずれかによる温度に加熱し、かつこの温度で0.5〜36時間、好ましくは1〜32時間、より好ましくは2〜28時間、より好ましくは4〜24時間、より好ましくは6〜20時間、より好ましくは8〜18時間、より好ましくは10〜14時間の範囲の期間保持することによって行われる。しかしながら、本発明によると、(5)、(6.b)、(8)および/または(12)でのゼオライト材料のか焼は、ゼオライト材料を11.5〜12.5時間の範囲の期間加熱することにより行われることが特に好ましい。半連続式または連続式で実施される場合、か焼の期間は、半連続式または連続式で操作される所定のか焼炉中でのゼオライト材料の滞留時間に相当する。
0064
この方法がより大規模で実施される場合に、か焼を半連続式でまたは連続式で、より好ましくは連続式で行うことが好ましい。さらにより好ましくは、(5)、(6.b)、(8)および/または(12)でのゼオライト材料のか焼は、1時間当たり0.2〜50.0kgのゼオライト材料、好ましくは1時間当たり0.5〜2.0kgのゼオライト材料の範囲内の速度で連続式で実施される。好ましい連続か焼のために使用することができる考えられる装置は、例えば、ベルト式か焼炉および/または回転式か焼炉を含み、この場合、好ましくは回転式か焼炉が使用される。
0065
しかしながら、本発明によると、1つ以上の金属イオンMでイオン交換された(7)で得られたゼオライト材料が、乾燥および/またはか焼のような熱処理に供される場合、前記温度は、540℃以上の温度を含まない、好ましくは520℃以上、より好ましくは500℃以上、より好ましくは450℃以上、より好ましくは400℃以上、より好ましくは350℃以上、より好ましくは300℃以上、より好ましくは250℃以上、より好ましくは200℃以上の温度を含まないことが特に好ましい。本発明によると、1つ以上の金属イオンMでイオン交換された(7)で得られたゼオライト材料は、150℃以上の温度に供されないことが特に好ましい。したがって、前記特に好ましい実施態様によると、1つ以上の金属イオンMでイオン交換された(7)で得られたゼオライト材料は、本出願の特別なおよび好ましい実施態様のいずれかに定義されている(8)によるか焼に供されない。
0066
さらに、本発明によると、(6.b)でのか焼は、540〜560℃の範囲内の温度で、11.5〜12.5時間の範囲の期間実施されることが特に好ましい。
0067
本発明によると、(7)においてゼオライト材料は、1つ以上の元素Mとして計算してかつゼオライト材料中に含まれるYO2の100質量%を基準として0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜8質量%、より好ましくは1〜6質量%、より好ましくは1.2〜5質量%、より好ましくは1.5〜4質量%、より好ましくは1.8〜3.5質量%、より好ましくは2〜3質量%、より好ましくは2.3〜2.9質量%の範囲でゼオライト材料中の1つ以上の金属イオンMの負荷量を達成するようにイオン交換されることが好ましい。本発明によると、(7)において、MOR骨格構造を有するゼオライト材料は、1つ以上の元素のMとして計算しかつゼオライト材料中に含まれるYO2の100質量%を基準として、2.5〜2.7質量%の範囲でゼオライト材料中の1つ以上の金属イオンMの負荷量を達成するようにイオン交換されることが特に好ましい。
0068
MOR骨格構造を有するゼオライト材料を製造するために使用される元素Yに関して、特別な制限は適用されず、MOR骨格構造を有するゼオライト材料の製造方法を実施するために、原則として考えられる全ての四価元素が選択されてよい。したがって、例として、Yは、Si、Sn、Ti、Zr、Geおよびこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択されてよい。しかしながら、本発明によると、YはSiであることが特に好ましい。
0069
本発明によると、MOR骨格構造を有するゼオライト材料の製造方法において使用されるYO2のための少なくとも1つの供給源は、シリカ、ケイ酸塩、およびこれらの混合物からなる群から、好ましくはヒュームドシリカ、シリカヒドロゾル、反応性非晶質固体シリカ、シリカゲル、ケイ酸、水ガラス、メタケイ酸ナトリウム水和物、セスキケイ酸塩、二ケイ酸塩、コロイド状シリカ、ケイ酸エステル、テトラアルコキシシラン、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくはヒュームドシリカ、シリカヒドロゾル、シリカゲル、ケイ酸、水ガラス、コロイド状シリカ、ケイ酸エステル、テトラアルコキシシラン、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくはヒュームドシリカ、シリカヒドロゾル、シリカゲル、コロイド状シリカ、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくはヒュームドシリカ、シリカゲル、コロイド状シリカ、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1つ以上の化合物を含むことが好ましく、より好ましくはYO2の少なくとも1つの供給源は、ヒュームドシリカ、コロイド状シリカ、およびこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。本発明によると、ヒュームドシリカをYO2の供給源として使用することが特に好ましい。
0070
MOR骨格構造を有するゼオライト材料を製造するために使用される元素Xに関しては、特別な制限は適用されず、MOR骨格構造を有するゼオライト材料を製造する方法を実施するために、原則として考えられる全ての三価元素が選択されてよい。したがって、例として、Xは、Al、B、In、Ga、およびこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択されてよい。しかしながら、本発明によると、XはAlであることが好ましい。
0071
本発明によると、MOR骨格構造を有するゼオライト材料の製造方法において使用されるX2O3のための少なくとも1つの供給源は、1つ以上のアルミニウム塩、好ましくはアルカリ金属のアルミン酸塩を含むことが好ましく、この場合、アルカリ金属は、好ましくはLi、Na、K、Rb、およびCsからなる群から選択され、より好ましくはアルカリ金属は、Naおよび/またはKであり、さらにより好ましくはアルカリ金属はNaである。
0072
(1)で製造された混合物のYO2:X2O3のモル比に関しては、特別な制限は適用されず、MOR骨格構造を有するゼオライト材料の製造方法を実施するために、原則として考えられる全てのYO2:X2O3のモル比が選択されてよい。したがって、例として、(1)で製造された混合物YO2:X2O3のモル比は、2〜50、好ましくは4〜40、より好ましくは6〜35、より好ましくは10〜30、より好ましくは13〜25、より好ましくは15〜23、より好ましくは17〜22の範囲であってよい。しかしながら、本発明によると、(1)で製造された混合物のYO2:X2O3のモル比は、19〜21の範囲にあることが特に好ましい。
0073
本発明の方法において好ましく使用されるMOR骨格構造を有するゼオライト材料の製造方法のために使用される種結晶に関しては、特別な制限は適用されず、MOR骨格構造を有するゼオライト材料の製造方法のために、原則として考えられる全ての種結晶が選択されてよい。したがって、例として、種結晶は、ゼオライト材料、好ましくは1つ以上のゼオライト、より好ましくはBEA骨格構造を有する1つ以上のゼオライトを含んでよく、この際、より好ましくは、種結晶は、ゼオライトベータを含む。しかしながら、本発明によると、ゼオライトベータを、(1)での混合物の製造のための種結晶として使用することが特に好ましい。
0074
MOR骨格構造を有するゼオライト材料の製造方法のために使用される種結晶の量にも、MOR骨格構造を有するゼオライト材料を製造できるという条件で同じことが適用される。したがって、例として、(1)で製造された混合物中の種結晶の量は、混合物中に含まれるYO2の100質量%を基準として0.1〜15質量%、好ましくは0.5〜10質量%、より好ましくは0.8〜8質量%、より好ましくは1〜5質量%、より好ましくは1.3〜3質量%の範囲であってよい。しかしながら、本発明によると、(1)で製造された混合物中の種結晶の量は、1.5〜2.5質量%の範囲にあることが特に好ましい。
0075
本発明によると、(1)で製造された混合物は、さらに1つ以上の溶媒を含む溶媒系を含むことが好ましく、この場合、溶媒系は、好ましくは極性プロトン性溶媒およびこれらの混合物からなる群から、好ましくはn−ブタノール、イソプロパノール、プロパノール、エタノール、メタノール、水およびこれらの混合物からなる群から、より好ましくはエタノール、メタノール、水およびこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の溶媒を含み、この場合、より好ましくは、溶媒系は水を含む。本発明によると、水、好ましくは脱イオン水を、(1)で準備される混合物中の溶媒系として使用することが特に好ましい。
0076
本発明によると、(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物が、1つ以上の有機テンプレートを含み、かつ(1)で製造された混合物が、溶媒系として水を含む場合、(1)で製造された混合物のH2O:YO2のモル比は、5〜70、好ましくは10〜65、より好ましくは15〜60、より好ましくは20〜55、より好ましくは25〜50、より好ましくは30〜47、より好ましくは35〜45、より好ましくは37〜43の範囲であることがさらに好ましい。本発明によると、(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物が、1つ以上の有機テンプレートを有し、かつ(1)で製造された混合物が、溶媒系として水を含む場合、(1)で製造された混合物のH2O:YO2のモル比は、39〜41の範囲にあることが特に好ましい。
0077
本発明によると、(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物が、種結晶を含み、かつ(1)で製造された混合物が、溶媒系として水を含む場合、(1)で製造された混合物のH2O:YO2のモル比は、5〜45、好ましくは10〜40、より好ましくは12〜35、より好ましくは15〜30、より好ましくは17〜27、より好ましくは19〜25の範囲であることがさらに好ましい。本発明によると、(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物が、種結晶を含み、かつ(1)で製造された混合物が溶媒系として水を含む場合、(1)で製造された混合物のH2O:YO2のモル比は、21〜23の範囲にあることが特に好ましい。
0078
本発明によると、(1)で製造された混合物は、さらに1つ以上のアルカリ金属(AM)を含み、好ましくは1つ以上のアルカリ金属は、Li、Na、K、Cs、およびこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、(1)で製造された混合物は、さらに、アルカリ金属AMとして、Naおよび/またはK、より好ましくはNaを含むことが好ましい。
0079
(1)で製造されかつ(2)で結晶化される混合物が1つ以上の有機テンプレートを含む場合、(1)で製造された混合物のアルカリ金属のYO2に対するAM:YO2のモル比に関しては、特別な制限は適用されず、本発明の方法で好ましく使用されるMOR骨格構造を有するゼオライト材料の製造方法のために、考えられる全てのAM:YO2のモル比が選択されてよい。したがって、例として、(1)で製造されかつ(2)で結晶化される混合物が1つ以上の有機テンプレートを含む場合、(1)で製造された混合物中のアルカリ金属のYO2に対するAM:YO2のモル比は、0.01〜1.5、好ましくは0.05〜1,より好ましくは0.08〜0.5、より好ましくは0.1〜0.35、より好ましくは0.12〜0.3、より好ましくは0.15〜0.25の範囲にあってよい。しかしながら、(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物が、1つ以上の有機テンプレートを含む場合、(1)で製造された混合物中のアルカリ金属のYO2に対するAM:YO2のモル比は、0.18〜0.22の範囲にあることが特に好ましい。
0080
(1)で製造されかつ(2)で結晶化される混合物が種結晶を含む、(1)で製造された混合物中のアルカリ金属のYO2に対するAM:YO2のモル比に関して、特別な制限は適用されず、本発明の方法で好ましく使用されるMOR骨格構造を有するゼオライト材料の製造方法のために、考えられる全てのAM:YO2のモル比が選択されてよい。したがって、例として、(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物が、種結晶を含む場合、(1)で製造された混合物中のアルカリ金属のYO2に対するAM:YO2のモル比が、0.3〜2、好ましくは0.5〜1.5、より好ましくは0.8〜1.2、より好ましくは1〜1、より好ましくは1.2〜0.8、より好ましくは1.3〜0.5の範囲にあってよい。しかしながら、本発明によると、(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物が、種結晶を含む場合、(1)で製造された混合物中のアルカリ金属のYO2に対するAM:YO2のモル比が、1.35〜1.4の範囲にあることが特に好ましい。
0081
さらに、本発明によると、(1)で製造された混合物のYO2:X2O3:AMのモル比は、1:(0.02〜0.5):(0.1〜2)、好ましくは1:(0.025〜0.25):(0.2〜1.5)、より好ましくは1:(0.029〜0.17):(0.3〜1.4)、より好ましくは1:(0.033〜0.1):(0.4〜1.2)、より好ましくは1:(0.04〜0.08):(0.5〜1)、より好ましくは1:(0.043〜0.7):(0.55〜0.9)、より好ましくは1:(0.045〜0.06):(0.6〜0.8)の範囲にあることがさらに好ましい。(1)で製造された混合物のYO2:X2O3:AMのモル比は、1:(0.045〜0.05):(0.65〜0.75)の範囲にあることが特に好ましい。
0082
(2)での結晶化に関しては、特別な制限は適用されず、MOR骨格構造を有するゼオライト材料の製造方法のために、原則として結晶化の考えられる全ての条件が選択されてよい。
0083
したがって、例として、(2)での結晶化は、(1)で製造された混合物の加熱、好ましくは75〜210℃、より好ましくは90〜200℃、より好ましくは110〜190℃、より好ましくは130〜175℃、より好ましくは140〜165℃の範囲の温度での加熱を含んでよい。本発明によると、(2)での結晶化は、(1)で製造された混合物を145〜155℃の範囲の温度に加熱することを含むことが特に好ましい。
0085
本発明によると、(1)で製造されかつ(2)で結晶化される混合物が1つ以上の有機テンプレートを含む場合、(2)での結晶化は、(1)で製造された混合物を、50〜115時間、より好ましくは60〜95時間、より好ましくは65〜85時間、より好ましくは70〜80時間、より好ましくは70〜78時間の範囲内の期間加熱することを含むことが好ましい。本発明によると、(1)で製造されかつ(2)で結晶化される混合物が1つ以上の有機テンプレートを含む場合、(2)での結晶化は、(1)で製造された混合物を、75〜77時間の範囲内の期間加熱することを含むことが特に好ましい。
0086
本発明によると、(1)で製造されかつ(2)で結晶化される混合物が種結晶を含む場合、(2)での結晶化は、(1)で製造された混合物を、60〜140時間、より好ましくは70〜120時間、より好ましくは75〜100時間、より好ましくは80〜90時間の範囲内の期間加熱することを含むことが好ましい。本発明によると、(1)で製造されかつ(2)で結晶化される混合物が種結晶を含む場合、(2)での結晶化は、(1)で製造された混合物を、82〜86時間の範囲内の期間加熱することを含むことが特に好ましい。
0087
本発明によると、(2)で結晶化されたMOR骨格構造を有するゼオライト材料はモルデナイトであることが好ましい。
0088
本発明によると、(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物は、実質的にリンを含まないことが好ましい。
0089
本発明の意味の範囲内で、(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物中に含まれるリンの量との関連で本発明において使用される「実質的に」は、元素として計算してかつ混合物中のYO2の100質量%を基準として、リンの0.1質量%以下、好ましくは0.05質量%以下、より好ましくは0.001質量%以下、より好ましくは0.0005質量%以下、さらにより好ましくは0.0001質量%以下の量を示す。本発明の意味の範囲内で、(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物中に実質的に含まれないリンの定義は、単体のリンならびにリン含有化合物の両方を含む。
0090
本発明によると、(2)で得られたゼオライト材料の骨格は、実質的にリンを含まないことが好ましく、好ましくは(2)で得られたゼオライト材料は、実質的にリンを含まない。
0091
本発明の意味の範囲内で、(2)で得られたゼオライト材料の骨格中に含まれるリンの量との関連で本発明において使用される「実質的に」は、元素として計算してかつゼオライト材料中のYO2の100質量%を基準として、リンの0.1質量%以下、好ましくは0.05質量%以下、より好ましくは0.001質量%以下、より好ましくは0.0005質量%以下、さらにより好ましくは0.0001質量%以下の量を示す。さらに、本発明の意味の範囲内で、(2)で得られたゼオライト材料中に含まれるリンの量との関連で本発明において使用される「実質的に」は、元素として計算してかつゼオライト材料中のYO2の100質量%を基準として、リンの0.1質量%以下、好ましくは0.05質量%以下、より好ましくは0.001質量%以下、より好ましくは0.0005質量%以下、さらにより好ましくは0.0001質量%以下の量を示す。本発明の意味の範囲内で、(2)で得られたゼオライト材料の骨格中に実質的に含まれない、好ましくは(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物中に含まれないリンの定義は、単体のリンならびにリン含有化合物の両方を含む。
0092
MOR骨格構造を有するゼオライト材料が、本発明の方法で使用される触媒において提供することができる形態に関して、本発明による特別な制限はない。したがって、ゼオライト材料は、それ自体として使用されてもよく、または他の成分と一緒に使用されてよい。本発明の方法によると、ゼオライト材料は、成形品の形態で本発明の方法で使用される触媒中に含まれていることが好ましい。したがって、本発明によると、本出願に記載された特定の好ましい実施態様のいずれかによるゼオライト材料を製造するための好ましい方法は、さらに次の
(9)(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)または(8)で得られたゼオライト材料を、1つ以上の結合剤と混合すること;
(10)(9)で得られた混合物を混練すること;
(11)(10)で得られた混練された混合物を成形して、1つ以上の成形品を得ること;および
(12)(11)で得られた1つ以上の成形品を乾燥および/またはか焼すること
を含むことが好ましい。
0093
(7)または(8)で得られたゼオライト材料と混合することができる1つ以上の結合剤に関して、特別な制限は適用されず、原則として全ての適切な結合剤が使用されてよい。したがって、例として、1つ以上の結合剤は、無機結合剤からなる群から選択されてよく、この際、本発明によると、1つ以上の結合剤は、金属酸化物および/または半金属酸化物の1つ以上の供給源または黒鉛の1つ以上の供給源を含むことが好ましく、この際、金属酸化物および/または半金属酸化物の1つ以上の供給源は、好ましくはシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ランタナ、マグネシア、およびこれらの2つ以上の混合物および/または混合酸化物からなる群から、より好ましくはシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、シリカ−アルミナ混合酸化物、シリカ−チタニア混合酸化物、シリカ−ジルコニア混合酸化物、シリカ−ランタナ混合酸化物、シリカ−ジルコニア−ランタナ混合酸化物、アルミナ−チタニア混合酸化物、アルミナ−ジルコニア混合酸化物、アルミナ−ランタナ混合酸化物、アルミナ−ジルコニア−ランタナ混合酸化物、チタニア−ジルコニア混合酸化物、およびこれらの2つ以上の混合物および/または混合酸化物からなる群から、より好ましくはシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ混合酸化物、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される。しかしながら、本発明によると、1つ以上の結合剤は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、および/または黒鉛の1つ以上の供給源を含むことが特に好ましく、この際、より好ましくは、結合剤は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、および/または黒鉛の1つ以上の供給源からなり、この際、より好ましくは、1つ以上の結合剤は、シリカ、アルミナ、および/またはジルコニアの1つ以上の供給源を含み、この際、さらにより好ましくは、結合剤は、シリカ、アルミナ、および/またはジルコニアの1つ以上の供給源からなる、好ましくはシリカ、アルミナ、および/またはジルコニアからなる。
0094
本発明によると、(iii)で得られたガス流中に含まれるエタン−1,2−ジオールおよび/または2−アミノエタノールを、前記ガス流から分離し、かつ(ii)に再循環することが好ましい。
0095
本発明は、さらに、それぞれの依存形式により示される組み合わせおよび実施形態を含む、次の特に好ましい実施態様により特徴付けられる:
1.エタン−1,2−ジオールを、エタン−1,2−ジアミンおよび/または式H2N−[CH2CH2NH]n−CH2CH2NH2[式中、n≧1]の線状ポリエチレンイミンに変換する方法において、
(i)MOR、FAU、CHAおよび/またはGME骨格構造を有し、これらの2つ以上の組み合わせを含めたゼオライト材料からなる群から選択される、YO2およびX2O3を含み、Yは四価元素であり、Xは三価元素であるゼオライト材料を含む触媒を準備すること、
(ii)エタン−1,2−ジオールおよびアンモニアを含むガス流を準備すること、
(iii)エタン−1,2−ジオールをエタン−1,2−ジアミンおよび/または線状ポリエチレンイミンに変換するために、(i)で準備された触媒を、(ii)で準備されたガス流と接触させること、
を含み、
ここで、nは、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜5、より好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3、より好ましくは1〜2の範囲であり、より好ましくはn=1である
エタン−1,2−ジオールを、エタン−1,2−ジアミンおよび/または線状ポリエチレンイミンに変換する方法。
0096
2.(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触されるガス流は、エタン−1,2−ジオールを、0.1〜10体積%、好ましくは0.5〜5体積%、より好ましくは1〜4.5体積%、より好ましくは1.5〜4体積%、より好ましくは2〜3.7体積%、より好ましくは2.5〜3.5体積%、より好ましくは2.7〜3.3体積%、より好ましくは2.9〜3.1体積%の範囲内の量で含む、実施態様1の方法。
0097
3.(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触されるガス流は、アンモニアを、5〜90体積%、好ましくは10〜80体積%、より好ましくは20〜70体積%、より好ましくは25〜60体積%、より好ましくは30〜50体積%、より好ましくは35〜45体積%、より好ましくは37〜43体積%、より好ましくは39〜41体積%の範囲内の量で含む、実施態様1または2の方法。
0098
4.(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触されるガス流中のアンモニア:エタン−1,2−ジオールのモル比は、1〜45、好ましくは2〜35、より好ましくは4〜30、より好ましくは6〜25、より好ましくは8〜20、より好ましくは10〜16、より好ましくは12〜14の範囲内にある、実施態様1から3までのいずれかの方法。
0099
5.(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触されるガス流は、さらに水素を、0.1〜70体積%、好ましくは0.5〜50体積%、より好ましくは1〜40体積%、より好ましくは5〜35体積%、より好ましくは10〜30体積%、より好ましくは15〜25体積%、より好ましくは17〜23体積%、より好ましくは19〜21体積%の範囲内の量で含む、実施態様1から4までのいずれかの方法。
0100
6.(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触されるガス流は、水素を、1体積%以下、好ましくは0.5体積%以下、より好ましくは0.1体積%以下、より好ましくは0.05体積%以下、より好ましくは0.001体積%以下、より好ましくは0.0005体積%以下、より好ましくは、水素を0.0001体積%以下で含む、実施態様1から4までのいずれかの方法。
0101
7.(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触されるガス流は、さらに不活性ガスを、5〜90体積%、好ましくは10〜80体積%、より好ましくは20〜70体積%、より好ましくは25〜60体積%、より好ましくは30〜50体積%、より好ましくは35〜45体積%、より好ましくは37〜43体積%、より好ましくは39〜41体積%の範囲内の量で含む、実施態様1から6までのいずれかの方法。
0102
8.不活性ガスは、希ガス、N2、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から、好ましくはHe、Ne、Ar、N2、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1つ以上のガスを含み、この際、より好ましくは不活性ガスは、Arおよび/またはN2、好ましくはN2を含み、この際、より好ましくは不活性ガスは、Arおよび/またはN2、好ましくはN2である、実施態様7の方法。
0103
9.(ii)で準備されかつ(iii)で触媒と接触されるガス流は、H2Oを、5体積%以下、好ましくは3体積%以下、より好ましくは1体積%以下、より好ましくは0.5体積%以下、より好ましくは0.1体積%以下、より好ましくは0.05体積%以下、より好ましくは0.01体積%以下、より好ましくは0.005体積%以下、より好ましくは0.001体積%以下、より好ましくは0.0005体積%以下、より好ましくは0.0001体積%以下の量で含む、実施態様1から8までのいずれかの方法。
0104
10.(ii)で準備されるガス流を、120〜600℃の範囲内、好ましくは150〜550℃、より好ましくは180〜500℃、より好ましくは200〜450℃、より好ましくは230〜400℃、より好ましくは250〜370℃、より好ましくは270〜350℃、より好ましくは280〜320℃、より好ましくは290〜310℃の範囲内の温度に加熱し、その後でこの温度で(iii)で触媒と接触させる、実施態様1から9までのいずれかの方法。
0105
11.(iii)で触媒をガス流と接触させることは、0.05〜20MPa、好ましくは0.1〜10MPa、より好ましくは0.3〜5MPa、より好ましくは0.5〜3MPa、より好ましくは0.6〜2MPa、より好ましくは0.7〜1.5MPa、より好ましくは0.8〜1.3MPa、より好ましくは0.9〜1.1MPaの範囲内の圧力で行われる、実施態様1から10までのいずれかの方法。
0106
12.(iii)で触媒をガス流と接触させることは、100〜30,000h-1、好ましくは500〜20,000h-1、より好ましくは1,000〜15,000h-1、より好ましくは2,000〜10,000h-1、より好ましくは3,000〜8,000h-1、より好ましくは4,000〜6,000h-1、より好ましくは4,500〜5,500h-1、より好ましくは4,800〜5,200h-1の範囲内の時間基準のガス空間速度(GHSV)で行われる、実施態様1から11までのいずれかの方法。
0107
13.(i)においてゼオライト材料は、MOR骨格構造を有する、実施態様1から12までのいずれかの方法。
0108
14.ゼオライト材料は、5〜100、好ましくは6〜70、より好ましくは8〜50、より好ましくは10〜40、より好ましくは12〜30、より好ましくは14〜25、より好ましくは16〜20、より好ましくは17〜18の範囲内のYO2:X2O3のモル比を表す、実施態様1から13までのいずれかの方法。
0109
15.Yは、Si、Sn、Ti、Zr、Ge、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、Yは、好ましくはSiである、実施態様1から14までのいずれかの方法。
0110
16.Xは、Al、B、In、Ga、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、Xは、好ましくはAlおよび/またはBであり、より好ましくはAlである、実施態様1から15までのいずれかの方法。
0111
17.ゼオライト材料はH型であり、かつ骨格外イオンとしてプロトンを含み、この際、元素として計算してかつゼオライト材料中に含まれるYO2の100質量%を基準として、骨格外イオンの0.1質量%以下が、好ましくは0.05質量%以下が、より好ましくは0.001質量%以下が、より好ましくは0.0005質量%以下が、より好ましくは0.0001質量%以下が、金属カチオンである、実施態様1から16までのいずれかの方法。
0112
18.ゼオライト材料は、骨格外イオンとして1つ以上の金属イオンMを含み、この際、1つ以上の金属イオンMは、アルカリ土類金属および/または遷移金属からなる群から、より好ましくは元素周期表の第4族および第6族〜第11族から、好ましくは第4族および第8族〜第11族から選択される金属からなる群から選択され、この際、より好ましくは1つ以上の金属イオンMは、Mg、Ti、Cu、Co、Cr、Ni、Fe、Mo、Mn、Ru、Rh、Pd、Ag、Os、Ir、Pt、Au、Sn、Zn、Ca、Mgおよびこれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、Cu、Sn、Zn、Ca、Mgおよびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、この際、より好ましくは、ゼオライト材料は、骨格外イオンとしてCuおよび/またはZn、好ましくはCuを含む、実施態様1から17までのいずれかの方法。
0113
19.ゼオライト材料は、骨格外イオンとしてMを、元素として計算してかつゼオライト材料中に含まれるYO2の100質量%を基準として、0.5〜15質量%、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは1.3〜8質量%、より好ましくは1.5〜7質量%、より好ましくは1.8〜6質量%、より好ましくは2〜5.5質量%、より好ましくは2.3〜5質量%、より好ましくは2.5〜4.5質量%、より好ましくは2.8〜4質量%、より好ましくは3〜3.5質量%、より好ましくは3.1〜3.4質量%含む、実施態様18の方法。
0114
20.ゼオライト材料のM:X2O3のモル比は、0.01〜2、好ましくは0.05〜1.5、より好ましくは0.1〜1、より好ましくは0.2〜0.8、より好ましくは0.3〜0.7、より好ましくは0.35〜0.65、より好ましくは0.4〜0.6、より好ましくは0.45〜0.55の範囲内にある、実施態様18または19の方法。
0115
21.ゼオライト材料は、実質的にNaを含まず、好ましくは実質的にNaまたはKを含まず、より好ましくは実質的にアルカリ金属を含まず、より好ましくは実質的にアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含まない、実施態様1から20までのいずれかの方法。
0116
22.クリスタリットの002軸に沿った、MOR骨格構造を有するゼオライト材料の平均粒径は、粉末X線回折により決定して、5±1nm〜55±8nmの範囲内にある、実施態様1から21までのいずれかの方法。
0117
23.粉末X線回折により決定して、クリスタリットの002軸に沿ったゼオライト材料の粒径は、10±1nm〜53±8nm、好ましくは15±2nm〜50±5nm、より好ましくは18±2nm〜48±5nm、より好ましくは20±2nm〜45±5nm、より好ましくは23±2nm〜43±4nm、より好ましくは25±3nm〜40±4nm、より好ましくは28±3nm〜38±4nm、より好ましくは30±3nm〜35±4nm、より好ましくは32±3nm〜34±3nmの範囲内にある、実施態様22の方法。
0118
24.粉末X線回折により決定して、クリスタリットの002軸に沿ったゼオライト材料の平均粒径は、25±3nm〜41±4nm、好ましくは26±3nm〜40±4nm、より好ましくは27±3nm〜39±4nm、より好ましくは28±3nm〜38±4nm、より好ましくは29±3nm〜37±4nm、より好ましくは30±3nm〜36±4nm、より好ましくは31±3nm〜35±4nm、より好ましくは32±3nm〜34±3nmの範囲内にある、実施態様22の方法。
0119
25.粉末X線回折により決定して、クリスタリットの002軸に沿ったゼオライト材料の平均粒径は、38±4nm〜54±8nm、好ましくは39±4nm〜53±8nm、より好ましくは40±4nm〜52±5nm、より好ましくは41±4nm〜51±5nm、より好ましくは42±4nm〜50±5nm、より好ましくは43±4nm〜49±5nm、より好ましくは44±4nm〜48±5nm、より好ましくは45±5nm〜47±5nmの範囲内にある、実施態様22の方法。
0120
26.粉末X線回折により決定して、クリスタリットの002軸に沿ったゼオライト材料の平均粒径は、39±4nm〜55±8nm、好ましくは40±4nm〜54±8nm、より好ましくは41±4nm〜53±8nm、より好ましくは42±4nm〜52±5nm、より好ましくは43±4nm〜51±5nm、より好ましくは44±4nm〜50±5nm、より好ましくは45±5nm〜49±5nm、より好ましくは46±5nm〜48±5nmの範囲内にある、実施態様22の方法。
0121
27.粉末X線回折により決定して、クリスタリットの002軸に沿ったゼオライト材料の平均粒径は、45±5nm〜55±8nm、好ましくは46±5nm〜54±8nm、より好ましくは47±5nm〜53±8nm、より好ましくは48±5nm〜52±8nm、より好ましくは49±5nm〜51±5nmの範囲内にある、実施態様22の方法。
0122
28.粉末X線回折により決定して、MOR骨格構造を有するゼオライト材料の一次クリスタリットの平均粒径は、5±1nm〜100±15nmの範囲内にあり、この際、好ましくは、一次クリスタリットの平均粒径は、10±1nm〜90±14nm、より好ましくは20±2nm〜85±13nm、より好ましくは30±3nm〜80±12nm、より好ましくは35±4nm〜75±11nm、より好ましくは40±4nm〜70±11nm、より好ましくは45±5nm〜65±10nm、より好ましくは50±5nm〜65±10nm、55±8nm〜65±10nmの範囲内にある、実施態様1から27までのいずれかの方法。
0123
29.(i)で準備される触媒は、MOR骨格構造を有するゼオライト材料を含み、この際、MOR骨格構造を有するゼオライト材料は、好ましくは、モルデナイト、UZM−14、[Ga−Si−O]−MOR、Ca−Q、LZ−211、マリコパイト、Na−D、RMA−1、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1つ以上のゼオライトを含み、この際、好ましくは、ゼオライト材料は、UZM−14および/またはモルデナイト、好ましくはモルデナイトである、実施態様1から28までのいずれかの方法。
0124
30.(i)で準備される触媒は、GME骨格構造を有するゼオライト材料を含み、この際、GME骨格構造を有するゼオライト材料は、好ましくは、グメリナイト、[Be−P−O]−GME、K富有グメリナイト、合成無欠陥グメリナイト、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1つ以上のゼオライトを含み、この際、好ましくは、ゼオライト材料は、グメリナイトである、実施態様1から29までのいずれかの方法。
0125
31.(i)で準備される触媒は、FAU骨格構造を有するゼオライト材料を含み、この際、FAU骨格構造を有するゼオライト材料は、好ましくは、フォージャサイト、ZSM−3、ベリロホスファートX、[Al−Ge−O]−FAU、CSZ−1、ECR−30、ゼオライトX(Linde X)、ゼオライトY(Linde Y)、LZ−210、SAPO−37、ZSM−20、[Co−Al−P−O]−FAU、Dehyd.Na−X、Dehyd.US−Y、ケイ質Na−Y、[Ga−Ge−O]−FAU、[Al−Ge−O]−FAU、Li−LSX、[Ga−Al−Si−O]−FAU、[Ga−Si−O]−FAU、ジンコホスファートX、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1つ以上のゼオライトを含み、この際、好ましくは、ゼオライトは、フォージャサイトである、実施態様1から30までのいずれかの方法。
0126
32.(i)で準備される触媒は、CHA骨格構造を有するゼオライト材料を含み、この際、CHA骨格構造を有するゼオライトは、好ましくは、(Ni(deta)2)−UT−6、チャバサイト、|Li−Na|[Al−Si−O]−CHA、DAF−5、Na−チャバサイト、K−チャバサイト、LZ−218、Linde D、Linde R、MeAPSO−47、Phi、SAPO−34、SAPO−47、SSZ−13、SSZ−62、UiO−21、ウィルヘンダーソナイト、ZK−14、ZYT−6、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から、好ましくは、チャバサイト、|Li−Na|[Al−Si−O]−CHA、Na−チャバサイト、K−チャバサイト、SAPO−34、SAPO−47、SSZ−13、SSZ−62、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、チャバサイト、|Li−Na|[Al−Si−O]−CHA、Na−チャバサイト、SAPO−34、SSZ−13、およびこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から、より好ましくは、チャバサイト、SAPO−34、SSZ−13、およびこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される1つ以上のゼオライトを含み、ここで、より好ましくは、ゼオライト材料は、チャバサイトである、実施態様1から31までのいずれかの方法。
0127
33.(ii)で準備されたガス流を(i)で準備された触媒と接触させた後に(iii)で得られるガス流は、5超、好ましくは5〜80、より好ましくは5.5〜50、より好ましくは6〜30、より好ましくは6.5〜20、より好ましくは7〜15、より好ましくは7.5〜12、より好ましくは8〜11、より好ましくは8.5〜10.5、より好ましくは9〜10の、エタン−1,2−ジアミンとジエチレントリアミンとの全モル量の、アミノエチルエタノールアミンとピペラジンとの全モル量に対する(エタン−1,2−ジアミン+ジエチレントリアミン):(アミノエチルエタノールアミン+ピペラジン)のモル比を表す、実施態様1から32までのいずれかの方法。
0128
34.(i)で準備された触媒と(ii)で準備されたガス流との(iii)での接触の前の時点では、MOR骨格構造からX2O3を除去するための処理、好ましくはゼオライト材料からX2O3を除去するための処理に供せられたMOR骨格構造を有するゼオライト材料を有しない、実施態様1から33までのいずれかの方法。
0129
35.MOR骨格構造を有するゼオライト材料は
(1)YO2の少なくとも1つの供給源、X2O3の少なくとも1つの供給源を含み、かつ構造規定剤として1つ以上の有機テンプレートを含み、かつ/または種結晶を含む混合物を製造すること;
(2)MOR骨格構造を有するゼオライト材料を得るために、(i)で製造された混合物を結晶化すること;
(3)任意に、(2)で得られたゼオライト材料を単離すること;
(4)任意に、(2)または(3)で得られたゼオライト材料を洗浄すること;
(5)任意に、(2)、(3)または(4)で得られたゼオライト材料を乾燥および/またはか焼すること;
(6)任意に、(2)、(3)、(4)または(5)で得られたゼオライト材料をイオン交換手順に供し、この際に、ゼオライト材料中に含まれる骨格外イオンをH+イオンにイオン交換すること;
(7)任意に、(2)、(3)、(4)、(5)または(6)で得られたゼオライト材料をイオン交換手順に供し、この際に、ゼオライト材料中に含まれる骨格外イオンは、アルカリ土類金属および/または遷移金属からなる群から、好ましくは元素周期表の第4族および第6族〜第11族から、より好ましくは第4族および第8族〜第11族から選択される金属からなる群から選択される1つ以上の金属イオンMにイオン交換され、この際に、より好ましくは、1つ以上の金属イオンMは、Mg、Ti、Cu、Co、Cr、Ni、Fe、Mo、Mn、Ru、Rh、Pd、Ag、Os、Ir、Pt、Au、Sn、Zn、Ca、Mgおよびこれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、Cu、Sn、Zn、Ca、Mgおよびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、この際に、より好ましくは、ゼオライト材料中に含まれる骨格外イオンは、Cuおよび/またはZn、好ましくはCuにイオン交換されること;
(8)任意に、(7)で得られたゼオライト材料を乾燥および/またはか焼すること
を含む方法により製造される、実施態様1から34までのいずれかの方法。
0130
36.(1)で製造された混合物中に含まれる1つ以上の有機テンプレートは、テトラアルキルアンモニウム含有化合物およびテトラアルキルホスホニウム含有化合物からなる群から、好ましくはテトラアルキルアンモニウムカチオンR1R2R3R4N+含有化合物およびテトラアルキルホスホニウムカチオンR1R2R3R4P+含有化合物からなる群から選択され、ここで、R1、R2、R3およびR4は、互いに無関係に、任意に置換されたおよび/または任意に分枝した(C1〜C6)アルキル、好ましくは(C1〜C5)アルキル、より好ましくは(C1〜C4)アルキル、より好ましくは(C1〜C3)アルキル、さらにより好ましくは任意に置換されたメチルまたはエチルを表し、この際、さらにより好ましくは、R1、R2、R3およびR4は、任意に置換されたエチル、好ましくは非置換のエチルを表す、実施態様35の方法。
0131
37.1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR1R2R3R4N+含有化合物および/または1つ以上のテトラアルキルホスホニウムカチオンR1R2R3R4P+含有化合物は、塩、好ましくはハロゲン化物、好ましくは塩化物および/または臭化物、より好ましくは塩化物、水酸化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、酢酸塩およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは塩化物、水酸化物、硫酸塩およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1つ以上の塩であり、この際、より好ましくは1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR1R2R3R4N+含有化合物および/または1つ以上のテトラアルキルホスホニウムカチオンR1R2R3R4P+含有化合物は、水酸化物および/または臭化物、さらにより好ましくは臭化物である、実施態様36の方法。
0132
38.(1)で製造された混合物中に含まれる1つ以上の有機テンプレートは、N,N,N,N−テトラ(C1〜C4)アルキルアンモニウム化合物およびN,N,N,N−テトラ(C1〜C4)アルキルホスホニウム化合物からなる群から、好ましくはN,N,N,N−テトラ(C1〜C3)アルキルアンモニウム化合物およびN,N,N,N−テトラ(C1〜C3)アルキルホスホニウム化合物からなる群から、より好ましくはN,N,N,N−テトラ(C1〜C2)アルキルアンモニウム化合物およびN,N,N,N−テトラ(C1〜C2)アルキルホスホニウム化合物からなる群から、より好ましくはN,N,N,N−テトラ(C1〜C2)アルキルアンモニウム化合物およびN,N,N,N−テトラ(C1〜C2)アルキルホスホニウム化合物からなる群から、より好ましくはN,N,N,N−テトラエチルアンモニウム化合物、N,N,N,N−テトラメチルアンモニウム化合物、N,N,N,N−テトラエチルホスホニウム化合物、N,N,N,N−テトラメチルホスホニウム化合物、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、この際、さらにより好ましくは、1つ以上の有機テンプレートは、1つ以上のN,N,N,N−テトラエチルアンモニウム化合物またはN,N,N,N−テトラエチルホスホニウム化合物、好ましくは1つ以上のN,N,N,N−テトラエチルアンモニウム化合物を含む、実施態様35から37までのいずれかの方法。
0133
39.(1)により準備された混合物中の1つ以上の有機テンプレートのYO2に対する有機テンプレート:YO2のモル比は、0.005〜0.14、好ましくは0.01〜0.3、より好ましくは0.02〜0.2、より好ましくは0.025〜0.14、より好ましくは0.03〜0.1、より好ましくは0.035〜0.08、より好ましくは0.04〜0.06、より好ましくは0.045〜0.055の範囲にある、実施態様35から38までのいずれかの方法。
0134
40.(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物は、好ましくは種結晶として使用されるゼオライト材料のミクロ孔中に任意に含まれていてよい有機テンプレートを除いて有機テンプレートを実質的に含まず、この際に、より好ましくは、(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物は、実質的に有機テンプレートを含まない、実施態様35の方法。
0135
41.(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物は,実質的にゼオライト材料を含まず、この際、好ましくは(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物は、実質的に種結晶を含まない、実施態様35から40までのいずれかの方法。
0136
42.(6)において、ゼオライト材料をイオン交換手順に供する工程が、
(6.a)(2)、(3)、(4)または(5)で得られたゼオライト材料をイオン交換手順に供し、この際に、ゼオライト材料中に含まれる骨格外イオンをNH4+にイオン交換すること;
(6.b)(6.a)で得られたイオン交換されたゼオライト材料をか焼して、H型のゼオライト材料を得ること
の工程を含む、実施態様35から41までのいずれかの方法。
0137
43.(5)、(6.b)、(8)および/または(12)でのか焼は、200〜850℃、好ましくは250〜800℃、より好ましくは300〜750℃、より好ましくは350〜700℃、より好ましくは400〜650℃、より好ましくは450〜620℃、より好ましくは500〜600℃、より好ましくは520〜580℃、より好ましくは540〜560℃の範囲内の温度で実施される、実施態様42の方法。
0138
44.(5)、(6.b)、(8)および/または(12)でのゼオライト材料のか焼は、0.5〜36時間、好ましくは1〜32時間、より好ましくは2〜28時間、より好ましくは4〜24時間、より好ましくは6〜20時間、より好ましくは8〜18時間、より好ましくは10〜14時間、より好ましくは11.5〜12.5時間の範囲の期間にわたるゼオライト材料のか焼により行われる、実施態様42または43の方法。
0139
45.(7)でゼオライト材料は、1つ以上の元素Mとして計算してかつゼオライト材料中に含まれるYO2の100質量%を基準として0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜8質量%、より好ましくは1〜6質量%、より好ましくは1.2〜5質量%、より好ましくは1.5〜4質量%、より好ましくは1.8〜3.5質量%、より好ましくは2〜3質量%、より好ましくは2.3〜2.9質量%、より好ましくは2.5〜2.7質量%の範囲でゼオライト材料中の1つ以上の金属イオンMの負荷量を達成するようにイオン交換される、実施態様35から44までのいずれかの方法。
0140
46.Yは、Si、Sn、Ti、Zr、Ge、およびこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択され、Yは、好ましくはSiである、実施態様35から45までのいずれかの方法。
0141
47.YO2のための少なくとも1つの供給源は、シリカ、ケイ酸塩、およびこれらの混合物からなる群から、
好ましくはヒュームドシリカ、シリカヒドロゾル、反応性非晶質固体シリカ、シリカゲル、ケイ酸、水ガラス、メタケイ酸ナトリウム水和物、セスキケイ酸塩、二ケイ酸塩、コロイド状シリカ、ケイ酸エステル、テトラアルコキシシラン、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から、
より好ましくは、ヒュームドシリカ、シリカヒドロゾル、シリカゲル、ケイ酸、水ガラス、コロイド状シリカ、ケイ酸エステル、テトラアルコキシシラン、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から、
より好ましくは、ヒュームドシリカ、シリカヒドロゾル、シリカゲル、コロイド状シリカ、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から、
より好ましくは、ヒュームドシリカ、シリカゲル、コロイド状シリカ、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1つ以上の化合物を含み、
この際、より好ましくはYO2の少なくとも1つの供給源は、ヒュームドシリカ、コロイド状シリカ、およびこれらの混合物からなる群から選択され、この際、より好ましくはヒュームドシリカが、YO2の供給源として使用される、
実施態様35から46までのいずれかの方法。
0142
48.Xは、Al、B、In、Ga、およびこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択され、Xは、好ましくはAlである、実施態様35から47までのいずれかの方法。
0143
49.X2O3のための少なくとも1つの供給源は、1つ以上のアルミニウム塩、好ましくはアルカリ金属のアルミン酸塩を含み、この際、アルカリ金属は、好ましくはLi、Na、K、Rb、およびCsからなる群から選択され、この際、より好ましくはアルカリ金属は、Naおよび/またはKであり、この際、さらにより好ましくはアルカリ金属はNaである、実施態様35から48までのいずれかの方法。
0144
50.(1)で製造された混合物のYO2:X2O3のモル比は、2〜50、好ましくは4〜40、より好ましくは6〜35、より好ましくは10〜30、より好ましくは13〜25、より好ましくは15〜23、より好ましくは17〜22、より好ましくは19〜21の範囲にある、実施態様35から49までのいずれかの方法。
0145
51.種結晶は、ゼオライト材料、好ましくは1つ以上のゼオライト、より好ましくはBEA骨格構造を有する1つ以上のゼオライトを含み、この際、より好ましくは種結晶は、ゼオライトベータを含み、この際、より好ましくはゼオライトベータは、(1)で混合物を製造するための種結晶として使用される、実施態様35から50までのいずれかの方法。
0146
52.(1)で製造された混合物中の種結晶の量は、混合物中に含まれるYO2の100質量%を基準として0.1〜15質量%、好ましくは0.5〜10質量%、より好ましくは0.8〜8質量%、より好ましくは1〜5質量%、より好ましくは1.3〜3質量%、より好ましくは1.5〜2.5質量%の範囲にある、実施態様35から51までのいずれかの方法。
0147
53.(1)で製造された混合物はさらに、1つ以上の溶媒を含む溶媒系を含み、この際、溶媒系は、好ましくは極性プロトン性溶媒およびこれらの混合物からなる群から、
好ましくは、n−ブタノール、イソプロパノール、プロパノール、エタノール、メタノール、水、およびこれらの混合物からなる群から、
より好ましくは、エタノール、メタノール、水、およびこれらの混合物からなる群から
選択される1つ以上の溶媒を含み、
この際、より好ましくは、溶媒系は、水を含み、この際、より好ましくは、水、好ましくは脱イオン水が溶媒系として使用される、
実施態様35から52までのいずれかの方法。
0148
54.(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物が、1つ以上の有機テンプレートを含み、この際、(1)で製造された混合物が、溶媒系として水を含み、この際、(1)で製造された混合物のH2O:YO2のモル比は、好ましくは、5〜70、好ましくは10〜65、より好ましくは15〜60、より好ましくは20〜55、より好ましくは25〜50、より好ましくは30〜47、より好ましくは35〜45、より好ましくは37〜43、より好ましくは39〜41の範囲にある、実施態様53の方法。
0149
55.(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物が、種結晶を含み、この際、(1)で製造された混合物が、溶媒系として水を含み、この際、(1)で製造された混合物のH2O:YO2のモル比は、好ましくは、5〜45、好ましくは10〜40、より好ましくは12〜35、より好ましくは15〜30、より好ましくは17〜27、より好ましくは19〜25、より好ましくは21〜23の範囲にある、実施態様53の方法。
0150
56.(1)で製造された混合物は、さらに1つ以上のアルカリ金属(AM)、好ましくはLi、Na、K、Cs、およびこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上のアルカリ金属を含み、この際、より好ましくは、(1)で製造された混合物は、さらにアルカリ金属AMとして、Naおよび/またはK、より好ましくはNaを含む、実施態様35から55までのいずれかの方法。
0151
57.(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物が、1つ以上の有機テンプレートを含み、この際、(1)で製造された混合物中のアルカリ金属のYO2に対するAM:YO2のモル比は、0.01〜1.5、好ましくは0.05〜1、より好ましくは0.08〜0.5、より好ましくは0.1〜0.35、より好ましくは0.12〜0.3、より好ましくは0.15〜0.25、より好ましくは0.18〜0.22の範囲にある、実施態様56の方法。
0152
58.(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物が、種結晶を含み、この際、(1)で製造された混合物中のアルカリ金属のYO2に対するAM:YO2のモル比が、0.3〜2、好ましくは0.5〜1.5、より好ましくは0.8〜1.2、より好ましくは1〜1、より好ましくは1.2〜0.8、より好ましくは1.3〜0.5、より好ましくは1.35〜1.4の範囲にある、実施態様56の方法。
0153
59.(1)で製造された混合物のYO2:X2O3:AMのモル比は、1:(0.02〜0.5):(0.1〜2)、好ましくは1:(0.025〜0.25):(0.2〜1.5)、より好ましくは1:(0.029〜0.17):(0.3〜1.4)、より好ましくは1:(0.033〜0.1):(0.4〜1.2)、より好ましくは1:(0.04〜0.08):(0.5〜1)、より好ましくは1:(0.043〜0.7):(0.55〜0.9)、より好ましくは1:(0.045〜0.06):(0.6〜0.8)、より好ましくは1:(0.045〜0.05):(0.65〜0.75)の範囲にある、実施態様56から58までのいずれかの方法。
0154
60.(2)での結晶化は、(1)で製造された混合物を、好ましくは75〜210℃、より好ましくは90〜200℃、より好ましくは110〜190℃、より好ましくは130〜175℃、より好ましくは140〜165℃、より好ましくは145〜155℃の範囲の温度に加熱することを含む、実施態様35から59までのいずれかの方法。
0155
61.(2)での結晶化は、自生圧力下で、好ましくはソルボサーマル条件下で、より好ましくは水熱条件下で実施される、実施態様35から60までのいずれかの方法。
0156
62.(1)で製造されかつ(2)で結晶化される混合物が1つ以上の有機テンプレートを含み、かつ(2)での結晶化は、(1)で製造された混合物を、50〜115時間、より好ましくは60〜95時間、より好ましくは65〜85時間、より好ましくは70〜80時間、より好ましくは70〜78時間、より好ましくは75〜77時間の範囲内の期間加熱することを含む、実施態様35から61までのいずれかの方法。
0157
63.(1)で製造されかつ(2)で結晶化される混合物が種結晶を含み、その際、(2)での結晶化は、(1)で製造された混合物を、60〜140時間、より好ましくは70〜120時間、より好ましくは75〜100時間、より好ましくは80〜90時間、より好ましくは82〜86時間の範囲内の期間加熱することを含む、実施態様35から62までのいずれかの方法。
0158
64.(2)で結晶化されたMOR骨格構造を有する1つ以上のゼオライト材料は、モルデナイトである、実施態様35から63までのいずれかの方法。
0159
65.(1)で製造されかつ(2)で結晶化された混合物は、実質的にリンを含まない、実施態様35から64までのいずれかの方法。
0160
66.(2)で得られたゼオライト材料の骨格は、実質的にリンを含まず、この際、好ましくは(2)で得られたゼオライト材料は、実質的にリンを含まない、実施態様35から65までのいずれかの方法。
0161
67.(7)で得られたゼオライト材料が、540℃以上、より好ましくは520℃以上、より好ましくは500℃以上、より好ましくは450℃以上、より好ましくは400℃以上、より好ましくは350℃以上、より好ましくは300℃以上、より好ましくは250℃以上、より好ましくは200℃以上、より好ましくは150℃以上の温度に曝されない、実施態様35から66までのいずれかの方法。
0162
68.方法が、さらに
(9)(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)または(8)で得られたゼオライト材料を、1つ以上の結合剤と混合すること;
(10)(9)で得られた混合物を混練すること;
(11)(10)で得られた混練された混合物を成形して、1つ以上の成形品を得ること;および
(12)(11)で得られた1つ以上の成形品を乾燥および/またはか焼すること
を含む、実施態様35から67までのいずれかの方法。
0163
69.1つ以上の結合剤は、無機結合剤からなる群から選択され、この際、1つ以上の結合剤は、好ましくは、金属酸化物および/または半金属酸化物の1つ以上の供給源または黒鉛の1つ以上の供給源を含み、この際、金属酸化物および/または半金属酸化物の1つ以上の供給源は、好ましくはシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ランタナ、マグネシア、およびこれらの2つ以上の混合物および/または混合酸化物からなる群から、より好ましくはシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、シリカ−アルミナ混合酸化物、シリカ−チタニア混合酸化物、シリカ−ジルコニア混合酸化物、シリカ−ランタナ混合酸化物、シリカ−ジルコニア−ランタナ混合酸化物、アルミナ−チタニア混合酸化物、アルミナ−ジルコニア混合酸化物、アルミナ−ランタナ混合酸化物、アルミナ−ジルコニア−ランタナ混合酸化物、チタニア−ジルコニア混合酸化物、およびこれらの2つ以上の混合物および/または混合酸化物からなる群から、より好ましくはシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ混合酸化物、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、この際、より好ましくは、1つ以上の結合剤は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、および/または黒鉛の1つ以上の供給源を含み、1つ以上の結合剤は、好ましくは、シリカ、アルミナ、および/またはジルコニアの1つ以上の供給源を含み、この際、より好ましくは、結合剤は、シリカ、アルミナ、および/またはジルコニアの1つ以上の供給源からなり、好ましくはシリカ、アルミナおよび/またはジルコニアからなる、実施態様68の方法。
0164
70.(iii)で得られたガス流中に含まれるエタン−1,2−ジオールおよび/または2−アミノエタノールを、前記ガス流から分離し、かつ(ii)に再循環する、実施態様1から69までのいずれかの方法。
図面の簡単な説明
0165
実施例4で得られたNaモルデナイトの粉末X線回折パターンを示し、この際、結晶学的データベースからのナトリウムモルデナイトの線形パターンが、比較の目的で含まれている。この図に示されたX線回折パターンは、Cu Kアルファ−1放射線を用いて測定された。それぞれの回折図において、°で表される回折角2シータが横座標に沿って示され、かつ強度が縦軸に沿ってプロットされている。
0166
実施例
X線回折法を用いたクリスタリットサイズの決定
試料のクリスタリットサイズを、ソフトウェアTOPAS4.2を用いて回折ピーク幅をフィッティングによりX線回折を用いて決定した。機器の広がりは、TOPAS 4.2ユーザーマニュアル(Bruker AXS GmbH, Oestliche Rheinbrueckenstr. 49, 76187 Karlsruhe、独国)に記載されたような基本的なパラメータアプローチを用いてピークフィッティングにより考慮された。これにより、試料の広がりからの機器の分離が生じる。試料の寄与は、次の方程式で定義される単一のローレンツプロフィル関数を用いて決定された:
β=λ/(L・cosθ)
式中、βは、ローレンツ半値全幅(FWHM)であり、λは、使用したCuKα放射線のX線波長であり、Lは、クリスタリットサイズであり、θは、ピーク位置の散乱角の半分である。
0167
MOR骨格型を有する試料中の002反射のクリスタリットサイズは、21°〜24.2°(2θ)の002反射を取り囲む局所データの精密化で決定された。変化するクリスタリットサイズを伴う単一ピークは、取り囲む反射をモデル化する。
0168
このデータは、0.02°(2θ)のステップサイズを用いて、2°から70°(2θ)までのブラッグ−ブレンターノ幾何学で集められた。
0169
相対強度比(RIR)法
次の実施例において、各試料中のGME型およびCHA型骨格構造の相対量は、校正を必要としない標準法である、Chung, F. H. in Journal of Applied Crystallography, Volume 7, Issue 6, pages 519-525, December 1974に記載された相対強度比(RIR)法を用いてX線回折定量化により決定した。このために、分析用の回折データを、 D8 Advance Series II回折計(Bruker AXS GmbH, Karlsruhe)で集めた。これは、LYNXEYE検出器(ウインド設定は3°の開放角)を用いるブラッグ−ブレンターノ幾何学で設定された。データは、0.3°に設定された固定発散スリットおよび5°(2q)から70°(2q)までの角度範囲を用いて集めた。ステップ幅は、0.02°(2q)に設定され、スキャン時間は、少なくとも50.000カウントピーク強度を達成するように選択された。次いで、試料中のそれぞれのGME骨格相およびCHA骨格相の相対量を、ソフトウェアパッケージDIFFRAC.EVA V2(Bruker AXS GmbH, Karlsruhe, DIFFRAC.SUITEUser Manual, DIFFRAC.EVA, 2011, pp. 111参照)を用いて、X線回折データを分析することにより決定した。Acta Cryst. (2002), B58, 333-337に記載されたPDFデータベースを、試料中の結晶相の同定のために使用した。データベース中のそれぞれの項目からのI/Icor値を使用し、この値は、50%混合物中のコランダムの主反射に対するそれぞれの化合物の最も強い回折ピークの相対強度を示す。
0170
実施例1:H−モルデナイトの合成
ケイ酸ナトリウム(水ガラス)606.49gを、5Lのプラスチックビーカーに装入し、これに蒸留水748.05g中に溶かしたアルミン酸ナトリウム61.09gの溶液を、200rpmの速度で撹拌しながら添加して、ゲルを形成させ、これをついでこの速度でさらに1時間撹拌する。次いで、コロイド状シリカ(40質量%;Ludox AS-40)の水溶液374.25gをこの混合物に150rpmの撹拌速度で添加し、得られた混合物をこの速度で3時間撹拌する。最後に、H型のゼオライトベータ(CP 814-C, Zeolyst)31.2gを添加し、この混合物を、さらに150rpmで1時間撹拌し、こうして12のpHを有するゲルが得られ、これを一晩ねかす。
0171
1.38 Na2O:0.15 Al2O3:SiO2:21.7 H2Oのモル組成を示しかつ混合物中のSiO2の100質量%を基準として計算して2質量%の種結晶を含む合成ゲルを、次いで、耐圧容器中で170℃で84時間、250rpmの撹拌速度で撹拌しながら結晶化させる。次いで、得られた生成物を固体として濾別し、かつ洗浄水の電気伝導度が150μS未満の値に達するまで、脱イオン水で洗浄する。次いで、この固体を、空気中で90℃で12時間乾燥する。引き続き、この固体を空気中で、1分当たり3.5℃の加熱速度で90℃に加熱し、次いで前記温度で2時間放置する。次いで、この固体を、1分当たり1.5℃の加熱速度で120℃に加熱し、次いで前記温度で2時間放置する。次いで、この固体を4.5℃/minの加熱速度で550℃に加熱し、前記温度で12時間放置する。収量は286gであった。
0174
得られた生成物のX線回折パターンから解るように、得られたゼオライト材料は、単結晶相としてMOR骨格構造を示す。
0175
2リットルの撹拌装置中に、蒸留水900g中に溶かした硝酸アンモニウム100gを水溶液(10質量%のNH4NO3)として装入し、ゼオライト材料100gを添加し、得られた混合物を80℃で2時間撹拌した。次いで、ゼオライト材料を濾別し、次いで蒸留水900g中に溶かした硝酸アンモニウム100gを含む新たな10質量%の水溶液を撹拌装置中に装入し、これに洗浄されたゼオライト材料を添加し、得られた混合物をまた80℃で2時間撹拌した。次いで、ゼオライト材料を濾別し、洗浄水が硝酸塩を含まなくなるまで蒸留水で洗浄した。次いで、洗浄した材料を120℃で5時間乾燥し、引き続き2℃/minの加熱速度で500℃で5時間か焼した。次いで、全ての手順を繰り返し、H型のゼオライト材料85gが得られた。
0176
元素分析により、得られた試料は、物質100g当たりで決定して、炭素<0.1g、アルミニウム6.1g、ナトリウム0.01gおよびケイ素35gの含有量を有していた。
0177
BET表面積は、403m2/gであると決定された。
0178
実施例2:H−モルデナイトの合成
5Lのプラスチックビーカー中で、ヒュームドシリカ(CAB-O-SILM5, Sigma-Aldrich)120gを、脱イオン水900g中に懸濁させる。この懸濁液に、脱イオン水161.7g中の臭化テトラエチルアンモニウム(TEABr, Aldrich)52.04gの混合物を添加する。得られた混合物を、200rpmの撹拌速度で1時間撹拌する。次いで、脱イオン水161.7g中の水酸化ナトリウムフレーク(NaOH, Sigma-Aldrich)36.5gの混合物を添加する。得られた混合物を、次いで、300rpmの撹拌速度で1.5時間撹拌する。引き続き、脱イオン水188.6gを添加し、次いで脱イオン水188.6g中のアルミン酸ナトリウム(NaAlO2, Sigma-Aldrich)15.66gの混合物を添加する。得られた混合物を、次いで、200rpmの撹拌速度で1時間撹拌する。混合物のpH値は、12.5であると決定された。ゲルが形成され、これを一晩中ねかす。
0179
0.28 Na2O:0.048 Al2O3:SiO2:44.5 H2O:0.13TEABrのモル組成を示す合成ゲルを、次いで、耐圧容器中で170℃で84時間、250rpmの撹拌速度で撹拌しながら結晶化させる。次いで、得られた生成物を固体として濾別し、かつ洗浄水の電気伝導度が150μS未満の値に達するまで、脱イオン水で洗浄する。次いで、この固体を、空気中で90℃で12時間乾燥する。引き続き、この固体を空気中で、1分当たり3.5℃の加熱速度で90℃に加熱し、次いで前記温度で2時間放置する。次いで、この固体を、1分当たり1.5℃の加熱速度で120℃に加熱し、次いで前記温度で2時間放置する。次いで、この固体を4.5℃/minの加熱速度で550℃に加熱し、前記温度で12時間放置する。収量は66gであった。
0180
元素分析により、得られた生成物は、物質100g当たりで決定して、炭素0.1g、アルミニウム5.0g、ナトリウム3.2gおよびケイ素37gの含有量を有していた。
0181
BET表面積は、382m2/gであると決定された。生成物の結晶化度は、86%であると測定された。
0182
得られた生成物のX線回折パターンから解るように、得られたゼオライト材料は、単結晶相としてのMOR骨格構造を示し、この際、X線回折データから計算されるクリスタリットの002軸に沿った平均結晶サイズは、58nmであると決定された。
0183
2リットルの撹拌装置中に、蒸留水450g中に溶かした硝酸アンモニウム50gを水溶液(10質量%のNH4NO3)として装入し、ゼオライト材料50gを添加し、得られた混合物を80℃で2時間撹拌した。次いで、ゼオライト材料を濾別し、次いで蒸留水450g中に溶かした硝酸アンモニウム50gを含む新たな10質量%の水溶液を撹拌装置中に装入し、これに濾別されたゼオライト材料を添加し、得られた混合物をまた80℃で2時間撹拌した。次いで、ゼオライト材料を濾別し、洗浄水が硝酸塩を含まなくなるまで蒸留水で洗浄した。次いで、洗浄した材料を120℃で5時間乾燥し、引き続き2℃/minの加熱速度で500℃で5時間か焼した。次いで、全ての手順を繰り返し、H型のゼオライト材料43.7gが得られた。
0184
元素分析により、得られた試料は、物質100g当たりで決定して、炭素<0.1g、アルミニウム4.9g、ナトリウム0.06gおよびケイ素38gの含有量を有していた。
0185
BET表面積は、432m2/gであると決定された。
0186
実施例3:H−モルデナイトの合成
5Lのプラスチックビーカー中で、ヒュームドシリカ(CAB-O-SILM5, Sigma-Aldrich)120gを、脱イオン水900g中に懸濁させる。この懸濁液に、脱イオン水161.7g中の臭化テトラエチルアンモニウム(TEABr, Aldrich)52.04gの混合物を添加する。得られた混合物を、200rpmの撹拌速度で1時間撹拌する。次いで、脱イオン水161.7g中の水酸化ナトリウムフレーク(NaOH, Sigma-Aldrich)36.5gの混合物を添加する。得られた混合物を、次いで、300rpmの撹拌速度で1.5時間撹拌する。引き続き、脱イオン水188.6gを添加し、次いで脱イオン水188.6g中のアルミン酸ナトリウム(NaAlO2, Sigma-Aldrich)15.66gの混合物を添加する。得られた混合物を、次いで、200rpmの撹拌速度で1時間撹拌する。混合物のpH値は、12.2であると決定された。ゲルが形成され、これを一晩中ねかす。
0187
0.28 Na2O:0.048 Al2O3:SiO2:44.5 H2O:0.13TEABrのモル組成を示す合成ゲルを、次いで、耐圧容器中で170℃で72時間、250rpmの撹拌速度で撹拌しながら結晶化させる。次いで、得られた生成物を固体として濾別し、かつ洗浄水の電気伝導度が150μS未満の値に達するまで、脱イオン水で洗浄する。次いで、この固体を、空気中で90℃で12時間乾燥する。引き続き、この固体を空気中で、1分当たり3.5℃の加熱速度で90℃に加熱し、次いで前記温度で2時間放置する。次いで、この固体を、1分当たり1.5℃の加熱速度で120℃に加熱し、次いで前記温度で2時間放置する。次いで、この固体を4.5℃/minの加熱速度で550℃に加熱し、前記温度で12時間放置する。収量は82gであった。
0188
元素分析により、得られた生成物は、物質100g当たりで決定して、炭素<0.1g、アルミニウム4.9g、ナトリウム3.2gおよびケイ素37gの含有量を有していた。
0189
BET表面積は、404m2/gであると決定された。生成物の結晶化度は、90%であると測定された。
0190
得られた生成物のX線回折パターンから解るように、得られたゼオライト材料は、単結晶相としてのMOR骨格構造を示し、この際、X線回折データから計算される平均結晶サイズは、59nmであると決定され、かつクリスタリットの002軸に沿った平均結晶サイズは、46nmであると決定された。
0191
2リットルの撹拌装置中に、硝酸アンモニウム70gを水溶液(10質量%のNH4NO3)として装入し、ゼオライト材料70gを添加し、得られた混合物を80℃で2時間撹拌した。次いで、ゼオライト材料を濾別し、蒸留水630gで洗浄した。濾液を廃棄し、次いで硝酸アンモニウム70gを含む新たな10質量%の水溶液を撹拌装置中に装入し、これに洗浄されたゼオライト材料を添加し、得られた混合物をまた80℃で2時間撹拌した。次いで、ゼオライト材料を濾別し、蒸留水630gで洗浄した。次いで、洗浄した材料を120℃で5時間乾燥し、引き続き2℃/minの加熱速度で500℃で5時間か焼した。次いで、全ての手順を繰り返し、H型のゼオライト材料63.4gが得られた。
0192
元素分析により、得られた試料は、物質100g当たりで決定して、炭素<0.1g、アルミニウム5.0g、ナトリウム0.01gおよびケイ素38gの含有量を有していた。
0193
BET表面積は、474m2/gであると決定された。
0194
実施例4:銅交換モルデナイトの合成
撹拌装置中で、ヒュームドシリカ(CAB-O-SILM5, Sigma-Aldrich)2.4kgを、脱イオン水18kg中に懸濁させる。この懸濁液に、脱イオン水1.04kg中の臭化テトラエチルアンモニウム(TEABr, Aldrich)1.04kgの溶液を添加する。得られた混合物を、150rpmの撹拌速度で1時間撹拌する。次いで、脱イオン水3.5kg中の水酸化ナトリウムフレーク(NaOH, Sigma-Aldrich)0.73kgの溶液を添加する。得られた混合物を、次いで、180rpmの撹拌速度で1.5時間撹拌する。引き続き、脱イオン水4kg中のアルミン酸ナトリウム(NaAlO2, Sigma-Aldrich)0.31kgの溶液を、先の溶液を含む容器を洗浄するために使用した脱イオン水3kgと一緒に添加した。得られた混合物を、次いで、180rpmの撹拌速度で1時間撹拌する。得られたゲルのpH値は、13.1であると決定された。次いで、ゲルを一晩中ねかせた。
0195
次いで、0.5 Na2O:0.0475 Al2O3:SiO2:44.5 H2O:0.125TEABrのモル組成を示す合成ゲルを、耐圧容器中で200rpmで撹拌しながら170℃に加熱し、さらに同じ速度で撹拌しながら170℃で84時間この温度を維持する。次いで、12.5のpHを示す得られた生成物を固体として濾別し、かつ洗浄水の電気伝導度が85μSの値に達するまで、それぞれ脱イオン水50リットルで5回洗浄する。次いで、濾過ケークを100℃に加熱し、窒素流をこの温度で乾燥するために16時間濾過ケークに通す。こうして、結晶質材料1.667kgが得られ、これを、次いで550℃で12時間か焼し、こうして、白色粉末1.533kgが得られた。
0196
元素分析により、得られた生成物は、物質100g当たりで決定して、炭素<0.1g、アルミニウム5.3g、ナトリウム3.2gおよびケイ素35gの含有量を有していた。
0197
BET表面積は、400m2/gであると決定された。生成物の結晶化度は、93%であると測定された。
0198
図1で示された得られた生成物のX線回折パターンから解るように、得られたゼオライト材料は、単結晶相としてMOR骨格構造を示す。X線回折データから計算されたクリスタリットの平均結晶サイズは、57.5nmであると決定された。
0199
撹拌装置中に、硝酸アンモニウム650gを、蒸留水5.85kg中の溶液(10質量%のNH4NO3)として装入し、か焼したゼオライト材料650gを、この溶液に添加し、得られた混合物を撹拌しながら80℃に加熱し、この温度で2時間保持した。次いで、ゼオライト材料を濾別し、濾液を廃棄し、次いで硝酸アンモニウム650gを含む新たな10質量%の水溶液を撹拌装置中に装入し、これに濾別したゼオライト材料を添加し、得られた混合物を再び80℃で2時間撹拌した。次いで、ゼオライト材料を濾別し、蒸留水12リットルで洗浄した。次いで、洗浄した材料を、120℃で5時間乾燥し、引き続き500℃で5時間か焼し、白色粉末が得られた。
0200
元素分析により、得られた試料は、物質100g当たりで決定して、炭素<0.1g、アルミニウム5.4g、ナトリウム0.1gおよびケイ素40gの含有量を有していた。
0201
次いで、硝酸アンモニウム650gを含む新たな10質量%の水溶液を撹拌装置中に装入し、か焼した粉末をこの溶液に添加し、その後に、得られた混合物を撹拌しながら80℃に加熱し、この温度で2時間保持した。次いで、ゼオライト材料を濾別し、蒸留水12リットルで洗浄した。次いで、洗浄した材料を、120℃で5時間乾燥し、引き続き500℃で5時間か焼し、H型ゼオライト材料が得られた。
0202
元素分析により、得られた試料は、物質100g当たりで決定して、炭素<0.1g、アルミニウム5.0g、ナトリウム0.01gおよびケイ素38gの含有量を有していた。
0203
BET表面積は、438m2/gであると決定された。
0204
酢酸銅(II)の0.01モルの水溶液1.8リットル(1.8リットル中3.6グラム)を、2リットルの撹拌装置中に装入し、次いでH型ゼオライト材料30gを添加し、混合物を室温で20時間撹拌した。次いで、ゼオライト材料を濾別し、濾液を廃棄した。次いで、酢酸銅(II)の0.01モルの水溶液1.8リットル(1.8リットル中3.6グラム)の新たな溶液を、2リットルの撹拌装置中に装入し、これにゼオライト材料を添加し、混合物を室温で20時間撹拌した。次いで、ゼオライト材料を濾別し、濾液を廃棄し、ゼオライト材料をまた酢酸銅(II)の0.01モルの水溶液1.8リットル(1.8リットル中3.6グラム)の新たな溶液に添加し、室温で20時間撹拌した。次いで、得られた生成物を遠心分離により溶液から分離し、溶液を廃棄し、引き続きゼオライト材料を蒸留水1.5リットル中に懸濁させた。次いで、ゼオライト材料を遠心分離により溶液から分離し、洗浄水を廃棄し、蒸留水を用いる洗浄手順を、ゼオライト材料の洗浄のために3回繰り返した。次いで、ゼオライト材料を110℃で24時間乾燥し、こうして銅交換ゼオライト材料22gが得られた。
0205
元素分析により、得られた生成物は、物質100g当たりで決定して、炭素0.17g、アルミニウム4.4g、銅2.6gおよびケイ素36gの含有量を有していた。
0206
BET表面積は、425m2/gであると決定された。
0207
実施例5:銅交換モルデナイトの合成
撹拌装置中に、硝酸アンモニウム650gを、蒸留水5.85kg中の溶液(10質量%のNH4NO3)として装入し、結晶化から得られ、洗浄し、乾燥しかつ実施例4でか焼した後のMOR骨格構造を有する銅イオン交換していないゼオライト材料650gを、この溶液に添加し、得られた混合物を撹拌しながら80℃に加熱し、この温度で2時間保持した。次いで、ゼオライト材料を濾別し、濾液を廃棄し、次いで硝酸アンモニウム650gを含む新たな10質量%の水溶液を撹拌装置中に装入し、これに濾別したゼオライト材料を添加し、得られた混合物を再び80℃で2時間撹拌した。次いで、ゼオライト材料を濾別し、蒸留水12リットルで洗浄した。次いで、洗浄した材料を、120℃で5時間乾燥し、引き続き500℃で5時間か焼し、白色粉末が得られた。
0208
元素分析により、得られた試料は、物質100g当たりで決定して、炭素<0.1g、アルミニウム5.4g、ナトリウム0.1gおよびケイ素40gの含有量を有していた。
0209
次いで、硝酸アンモニウム650gを含む新たな10質量%の水溶液を撹拌装置中に装入し、か焼した粉末をこの溶液に添加し、その後に、得られた混合物を撹拌しながら80℃に加熱し、この温度で2時間保持した。次いで、ゼオライト材料を濾別し、蒸留水12リットルで洗浄した。次いで、洗浄した材料を、120℃で5時間乾燥し、引き続き500℃で5時間か焼し、H型ゼオライト材料が得られた。
0210
元素分析により、得られた試料は、物質100g当たりで決定して、アルミニウム4.6g、ナトリウム0.01gおよびケイ素38gの含有量を有していた。
0211
BET表面積は、438m2/gであると決定された。
0212
H型ゼオライト材料40gおよび酢酸銅(II)7.85gを、実験室用ミル(Microton MB550)中に装入し、レベル4で15min粉砕し、この後、混合物は赤外線温度計で決定して30.1℃の温度に達した。次いで、得られた混合物を、回転か焼炉に装入し、2℃/minの速度で500℃に加熱し、この温度で空気中で3時間か焼した。この手順により、銅イオン交換ゼオライト材料32.9gが得られた。
0213
元素分析により、得られた生成物は、物質100g当たりで決定して、炭素<0.1g、アルミニウム4.2g、銅6.6gおよびケイ素35gの含有量を有していた。
0214
BET表面積は、401m2/gであると決定された。
0215
実施例6:銅交換モルデナイトの合成
酢酸銅(II)の0.01モルの水溶液1.5リットル(1.5リットル中3グラム)を、2リットルの撹拌装置中に装入し、次いで実施例1からの生成物25gを添加し、混合物を室温で20時間撹拌した。次いで、ゼオライト材料を濾別し、濾液を廃棄した。酢酸銅(II)の0.01モルの水溶液1.5リットル(1.5リットル中3グラム)の新たな溶液を、2リットルの撹拌装置中に装入し、これにゼオライト材料を添加し、混合物を室温で20時間撹拌した。次いで、ゼオライト材料を濾別し、濾液を廃棄し、ゼオライト材料をまた酢酸銅(II)の0.01モルの新たな水溶液1.5リットル(1.5リットル中3グラム)に添加し、室温で20時間撹拌した。次いで得られた生成物を遠心分離により溶液から分離し、溶液を廃棄し、引き続きゼオライト材料を蒸留水1.25リットル中に懸濁させた。次いで、ゼオライト材料を遠心分離により溶液から分離し、洗浄水を廃棄し、蒸留水を用いる洗浄手順を、ゼオライト材料の洗浄のために3回繰り返した。次いで、ゼオライト材料を110℃で24時間乾燥し、こうして銅交換ゼオライト材料24.4gが得られた。
0216
元素分析により、得られた生成物は、物質100g当たりで決定して、炭素<0.1g、アルミニウム4.8g、銅2.6gおよびケイ素35gの含有量を有していた。
0217
BET表面積は、371m2/gであると決定された。
0218
実施例7:亜鉛交換モルデナイトの合成
洗浄、乾燥およびか焼後の、銅イオン交換に供されていない実施例4で得られたH型ゼオライト材料50gを、ビーカー中に装入し、これに、蒸留水50ml中に溶かした酢酸亜鉛(II)二水和物5.22gの水溶液を添加し、得られた混合物をスパチュラで撹拌した。次いで、ゼオライト材料を濾別し、濾過ケークを乾燥炉内で110℃で12時間乾燥し、引き続き2℃/minの速度で500℃に加熱し、この温度で5時間か焼し、こうして、亜鉛イオン交換ゼオライト材料54.3gが得られた。
0219
元素分析により、得られた生成物は、物質100g当たりで決定して、炭素<0.1g、アルミニウム4.1g、亜鉛2.9gおよびケイ素38gの含有量を有していた。
0220
実施例8:銅および亜鉛交換モルデナイトの合成
酢酸銅(II)の0.01モルの水溶液1.8リットル(1.8リットル中3.6グラム)を、2リットルの撹拌装置中に装入し、次いで実施例7で得られた亜鉛イオン交換ゼオライト材料30gを添加し、混合物を室温で20時間撹拌した。次いで、ゼオライト材料を濾別し、濾液を廃棄した。次いで、酢酸銅(II)の0.01モルの水溶液1.8リットル(1.8リットル中3.6グラム)の新たな溶液を、2リットルの撹拌装置中に装入し、これにゼオライト材料を添加し、混合物を室温で20時間撹拌した。次いで、ゼオライト材料を濾別し、濾液を廃棄し、ゼオライト材料をまた酢酸銅(II)の0.01モルの水溶液1.8リットル(1.8リットル中3.6グラム)の新たな溶液に添加し、室温で20時間撹拌した。次いで、得られた生成物を遠心分離により溶液から分離し、溶液を廃棄し、引き続きゼオライト材料を蒸留水1.5リットル中に懸濁させた。次いで、ゼオライト材料を遠心分離により溶液から分離し、洗浄水を廃棄し、蒸留水を用いる洗浄手順を、ゼオライト材料の洗浄のために3回繰り返した。次いで、ゼオライト材料を110℃で24時間乾燥し、こうして銅および亜鉛交換ゼオライト材料20.4gが得られた。
0221
元素分析により、得られた生成物は、物質100g当たりで決定して、炭素0.11g、アルミニウム4.2g、銅2.7g、ケイ素35gおよび亜鉛1.0gの含有量を有していた。
0222
BET表面積は、425m2/gであると決定された。
0223
実施例9:市販のNa−MORからのH−モルデナイトの合成
2リットルの撹拌装置中に、蒸留水800ml中に溶かした塩化アンモニウム200gを水溶液(20質量%のNH4Cl)として装入し、Naモルデナイト(FM−8、Zeochem)100gを添加し、得られた混合物を100℃で2時間撹拌した。次いで、ゼオライト材料を濾別し、洗浄水が塩化物を含まなくなるまで蒸留水で洗浄した。次いで、洗浄した材料を120℃で12時間乾燥し、引き続き2℃/minの加熱速度で500℃で5時間か焼した。この手順により、H型の市販のゼオライト97.8gが得られた。
0224
元素分析により、得られた試料は、物質100g当たりで決定して、炭素<0.1g、アルミニウム2.8g、ナトリウム<0.01gおよびケイ素38gの含有量を有していた。
0225
市販の試料のX線回折データから計算すると、クリスタリットの002軸に沿った平均結晶サイズは、77nmであると決定された。
0226
実施例10:米国特許第7,687,423号明細書(US 7,687,423 B2)によるUZM−14−Bの合成
2Lのプラスチックビーカー中で、ヒュームドシリカ(CAB-O-SILM5, Sigma-Aldrich)91gを準備する。別のプラスチックビーカー中に脱イオン水960gを秤取し、および水酸化ナトリウム(NaOH, Sigma-Aldrich)15.63g、アルミン酸ナトリウム(NaAlO2, Sigma-Aldrich)11.28g、および臭化テトラエチルアンモニウム(TEABr, Aldrich)12.65gを添加し、撹拌し、この混合物を、さらに、これらの完全な溶解が達成されるまで撹拌する。次いで、この溶液を、ヒュームドシリカを含むビーカーに、粘性のゲルが製造されるために撹拌しながら添加し、これをさらに2時間撹拌する。こうして得られた、0.2 Na2O:0.051 Al2O3:SiO2:39.5 H2O:0.045 TEABrのモル組成を示す合成ゲル(1.07kg)を、次いで、いくつかの耐圧容器に分配し、次いで300rpmの撹拌速度で撹拌しながら150℃で76時間結晶化させる。次いで、得られた生成物を固体として濾別し、脱イオン水で洗浄し、乾燥し、引き続きこの固体を1分当たり2℃の加熱速度で窒素雰囲気下で540℃に加熱し、かつこの材料を前記温度で2時間か焼する工程を行い、その後に、この温度でのか焼を、空気通でさらに5時間続ける。収量は59.1gであった。
0227
元素分析により、得られた生成物は、物質100g当たりで決定して、炭素<0.1g、アルミニウム4.7g、ナトリウム2.8gおよびケイ素38gの含有量を有していた。
0228
BET表面積は、416m2/gであると決定された。生成物の結晶化度は、80%であると測定された。
0229
図1で示された得られた生成物のX線回折パターンから解るように、得られたゼオライト材料は、単結晶相としてMOR骨格構造を示す。生成物の結晶化度は80%であると測定され、かつX線回折データから計算される平均結晶サイズは、47.5nmであると決定された。
0230
2リットルの撹拌装置中に、蒸留水450g中に溶かした硝酸アンモニウム50gを水溶液(10質量%のNH4NO3)として装入し、ゼオライト材料50gを添加し、得られた混合物を80℃で2時間撹拌した。次いで、ゼオライト材料を濾別し、洗浄水が硝酸塩を含まなくなるまで蒸留水で洗浄した。次いで蒸留水450g中に溶かした硝酸アンモニウム50gを含む新たな10質量%の水溶液を撹拌装置中に装入し、これに洗浄されたゼオライト材料を添加し、得られた混合物をまた80℃で2時間撹拌した。次いで、ゼオライト材料を濾別し、洗浄水が硝酸塩を含まなくなるまで改めて蒸留水で洗浄した。次いで、洗浄した材料を120℃で4時間乾燥し、引き続き空気中で500℃で5時間か焼した。次いで、全ての手順を繰り返し、H型のゼオライト材料40.8gが得られた。
0231
元素分析により、得られた試料は、物質100g当たりで決定して、アルミニウム4.2g、ナトリウム<0.01gおよびケイ素38gの含有量を有していた。
0232
BET表面積は、486m2/gであると決定された。生成物の結晶化度は71%であると測定され、かつX線回折データから計算される平均結晶サイズは、47nmであると決定され、かつクリスタリットの002軸に沿った平均結晶サイズは、33nmであると決定された。
0233
実施例11:市販のNH4+交換モルデナイト
NH4+モルデナイトの市販の試料(CBV 21A, Zeolyst)を、そのH型を得るために、550℃でか焼した。
0235
実施例12:H型の市販のモルデナイト
H−モルデナイトの市販の試料(TZM-1013, Tricat)を比較例12として直接使用した。
0236
元素分析により、この試料は、物質100g当たりで決定して、炭素<0.1g、アルミニウム5.4g、ナトリウム0.03gおよびケイ素36gの含有量を有していた。
0237
市販の試料のX線回折データから計算すると、平均結晶サイズは、71nmであると決定され、かつクリスタリットの002軸に沿った平均結晶サイズは、99nmであると決定された。
0238
実施例13:H型の市販のモルデナイト
さらに、H−モルデナイトの市販の試料(MOR-1501, Novel)を比較例5として直接使用した。
0239
元素分析により、この試料は、物質100g当たりで決定して、アルミニウム5.1gおよびケイ素40gの含有量を有していた。
0240
市販の試料のX線回折データから計算すると、平均結晶サイズは、91.5nmであると決定され、かつクリスタリットの002軸に沿った平均結晶サイズは、83nmであると決定された。
0241
実施例14:市販のゼオライトY
ゼオライトYの市販の試料(CBV 600, Zeolyst)を比較例2として直接使用した。
0242
供給元により提供せられた技術データによると、試料の元素分析は、物質100g当たりNa2Oとして計算して、ナトリウム0.2gを示し、かつ660m2/gの表面積を示した。
0243
実施例15:GMEおよびCHA骨格型を有するゼオライト材料の合成
テフロンビーカー中で、NaAlO2 74.38gを、水ガラス(SiO2 26質量%、Na2O 8質量%、H2O 66質量%)832.64g中に撹拌しながら均質化した。これにより、乳白色のゲルが生じ、その中にチャバサイトシード(SiO2を基準として3.7質量%)8.02gを添加する。したがって、得られた反応ゲルは、40.3:3.5:12.0:705のSiO2:Al2O3:Na2O:H2Oのモル比を示す。反応混合物を、撹拌オートクレーブに移し、120℃で60時間加熱する。その後、分散液を冷却し、固体を濾過により上澄みから分離し、引き続き200μSの伝導度が達成されるまでH2O(DI)で洗浄する。残留H2Oを完全に除去するために、試料を、空気中で静止炉中で120℃で16時間乾燥した。白色粉末121gが得られた。
0244
X線回折により決定されるように、生成物は、GME骨格構造を有する相に加えて、主にCHA骨格構造を有するゼオライト材料を示す。相対強度比(RIR)法を用いて決定される、ゼオライト材料中のGME骨格構造とCHA骨格構造との相対量は、CHA93%とGME7%である。回折図から決定された生成物の結晶化度は、71%であった。
0245
撹拌装置中に、蒸留水43.2g中に溶かした硝酸アンモニウム4.8gを水溶液(10質量%のNH4NO3)として装入し、ゼオライト材料4.8gを添加し、得られた混合物を80℃で2時間撹拌した。次いで、ゼオライト材料を濾別し、次いで蒸留水43.2g中に溶かした硝酸アンモニウム4.8gを含む新たな10質量%の水溶液を撹拌装置中に装入し、これに濾別されたゼオライト材料を添加し、得られた混合物をまた80℃で2時間撹拌した。次いで、ゼオライト材料を濾別し、洗浄水が硝酸塩を含まなくなるまで蒸留水600mlで洗浄した。次いで、洗浄した材料を120℃で5時間乾燥し、引き続き空気中で500℃で5時間か焼した。次いで、全ての手順を繰り返し、H型のゼオライト材料3.4gが得られた。
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