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技術 分析装置および分析方法

出願人 東芝メモリ株式会社
発明者 呉佳紅山田裕司
出願日 2019年6月14日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2019-111444
公開日 2020年12月24日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-204494
状態 未査定
技術分野 その他の電気的手段による材料の調査、分析
主要キーワード 照射深度 検出上限 メタル元素 アブレーションレート 分光干渉 レーザアブレーション装置 パルス回数 白色干渉
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

異種材料積層構造でも正確な分析を可能とする分析装置および分析方法を提供する。

解決手段

分析装置1は、試料9を搭載可能なステージ8を備える。光源5は、試料に照射して試料を気化するためのレーザ光を生成する。膜厚測定部6は、レーザ光の照射位置における試料の厚みを測定する。コントローラ7は、膜厚測定部からの試料の厚みの測定値に基づいて、光源からのレーザ光の照射条件を制御する。

概要

背景

LA−ICP−MS(Laser Ablation-Inductively Coupled Plasma-Mass Spectrometer) 装置は、レーザアブレーション装置においてレーザ光照射により試料気化させ、この気化された試料をICP−MS装置に導入し、試料に含まれるメタル元素定量分析を行う。

一方、メモリセルを三次元配置した立体型メモリセルアレイは、複数の異種材料を積層した積層構造を有する。このような積層構造には、高アスペクト比を有するメモリホールが形成される。メモリの性能を向上させるためには、メモリホールを介してメタル元素を積層構造に成膜したりあるいは残留メタル元素を除去したりする必要がある。このとき、積層構造に含有されるメタル元素の濃度管理が重要であり、定量分析するためにLA−ICP−MS装置が用いられる場合がある。

しかし、複数の異種材料の積層構造をレーザアブレーションする場合、積層材料の変化に伴い、異種材料間のアブレーションレートが大きく変化し、アブレーションレートの制御が困難である。このため、積層構造の深さ方向の形状が正しく把握できず、積層構造に含有するメタル元素の正確なプロファイルを得ることが困難であるという問題があった。

概要

異種材料の積層構造でも正確な分析を可能とする分析装置および分析方法を提供する。分析装置1は、試料9を搭載可能なステージ8を備える。光源5は、試料に照射して試料を気化するためのレーザ光を生成する。膜厚測定部6は、レーザ光の照射位置における試料の厚みを測定する。コントローラ7は、膜厚測定部からの試料の厚みの測定値に基づいて、光源からのレーザ光の照射条件を制御する。

目的

特開平9−133617号公報
特開平11−201944号公報
特開平11−051094号公報
特開2004−347473号公報






異種材料の積層構造でも深さ方向におけるメタル元素含有量を正確に定量分析することができる分析装置および分析方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

試料を搭載可能なステージと、前記試料に照射して該試料を気化するためのレーザ光を生成する光源と、前記レーザ光の照射位置における前記試料の厚みを測定する膜厚測定部と、前記膜厚測定部からの前記試料の厚みの測定値に基づいて、前記光源からの前記レーザ光の照射条件を制御するコントローラとを備えた分析装置

請求項2

前記コントローラは、気化された前記試料の定量分析結果に基づいて、前記レーザ光の前記照射条件を制御する、請求項1に記載の分析装置。

請求項3

前記膜厚測定部は、超音波式測定器分光干渉式測定器または電磁誘導式測定器のいずれかである、請求項1または請求項2に記載の分析装置。

請求項4

前記膜厚測定部は、前記ステージに設けられており、該ステージに対向する前記試料の面から該試料の膜厚を測定する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の分析装置。

請求項5

前記コントローラは、前記試料の厚みの測定値に基づいて、前記試料の気化速度所定値にするように、前記レーザ光の前記照射条件を制御する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の分析装置。

請求項6

前記コントローラは、前記試料の定量分析結果に基づいて、前記試料の気化速度を所定値にするように、前記レーザ光の前記照射条件を制御する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の分析装置。

請求項7

前記レーザ光を前記試料に照射している最中に、前記膜厚測定部は、該試料の厚みを測定し、前記コントローラは、前記試料の厚みの測定値に基づいて、前記レーザ光の前記照射条件を制御する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の分析装置。

請求項8

前記レーザ光を前記試料に照射している最中に、前記コントローラは、前記試料の定量分析結果に基づいて、前記レーザ光の前記照射条件を制御する、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の分析装置。

請求項9

前記照射条件は、前記レーザ光の強度、照射時間、照射回数、あるいは、照射面積照射深度のいずれかである、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の分析装置。

請求項10

前記コントローラは、前記試料の定量分析結果から前記試料中の材料の濃度を算出し、該濃度に応じて前記レーザ光の前記照射条件を制御する、請求項1に記載の分析装置。

請求項11

前記試料の厚みの測定位置は、前記レーザ光の照射位置の反対側である、請求項1に記載の分析装置。

請求項12

前記膜厚測定部は、前記ステージの上方に設けられており、前記試料の上方から該試料の膜厚を測定する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の分析装置。

請求項13

前記膜厚測定部は、前記レーザ光と干渉しない光を用いて前記試料の膜厚を測定する、請求項12に記載の分析装置。

請求項14

試料を搭載可能なステージと、前記試料にレーザ光を照射する光源と、前記試料の厚みを測定する膜厚測定部と、前記レーザ光の照射条件を制御するコントローラとを備えた分析装置を用いた分析方法であって、前記試料に前記レーザ光を照射して該試料を気化させ、前記レーザ光の照射位置における前記試料の厚みを測定し、前記試料の厚みの測定値に基づいて、前記光源からの前記レーザ光の照射条件を制御することを具備する、分析方法。

請求項15

前記コントローラは、気化された前記試料の定量分析結果に基づいて、前記レーザ光の前記照射条件を制御する、請求項14に記載の方法。

請求項16

前記膜厚測定部は、前記ステージに対向する前記試料の面から該試料の膜厚を測定する、請求項14に記載の方法。

請求項17

前記コントローラは、前記試料の厚みの測定値に基づいて、前記試料の気化速度を所定値にするように、前記レーザ光の前記照射条件を制御する、請求項14に記載の方法。

請求項18

前記コントローラは、前記試料の定量分析結果に基づいて、前記試料の気化速度を所定値にするように、前記レーザ光の前記照射条件を制御する、請求項14に記載の方法。

請求項19

前記レーザ光を前記試料に照射している最中に、前記膜厚測定部は、該試料の厚みを測定し、前記コントローラは、前記試料の厚みの測定値に基づいて、前記レーザ光の前記照射条件を制御する、請求項14に記載の方法。

請求項20

前記レーザ光を前記試料に照射している最中に、前記コントローラは、前記試料の定量分析結果に基づいて、前記レーザ光の前記照射条件を制御する、請求項14に記載の方法。

技術分野

0001

本実施形態は、分析装置および分析方法に関する。

背景技術

0002

LA−ICP−MS(Laser Ablation-Inductively Coupled Plasma-Mass Spectrometer) 装置は、レーザアブレーション装置においてレーザ光照射により試料気化させ、この気化された試料をICP−MS装置に導入し、試料に含まれるメタル元素定量分析を行う。

0003

一方、メモリセルを三次元配置した立体型メモリセルアレイは、複数の異種材料を積層した積層構造を有する。このような積層構造には、高アスペクト比を有するメモリホールが形成される。メモリの性能を向上させるためには、メモリホールを介してメタル元素を積層構造に成膜したりあるいは残留メタル元素を除去したりする必要がある。このとき、積層構造に含有されるメタル元素の濃度管理が重要であり、定量分析するためにLA−ICP−MS装置が用いられる場合がある。

0004

しかし、複数の異種材料の積層構造をレーザアブレーションする場合、積層材料の変化に伴い、異種材料間のアブレーションレートが大きく変化し、アブレーションレートの制御が困難である。このため、積層構造の深さ方向の形状が正しく把握できず、積層構造に含有するメタル元素の正確なプロファイルを得ることが困難であるという問題があった。

先行技術

0005

特開平9−133617号公報
特開平11−201944号公報
特開平11−051094号公報
特開2004−347473号公報

発明が解決しようとする課題

0006

異種材料の積層構造でも深さ方向におけるメタル元素含有量を正確に定量分析することができる分析装置および分析方法を提供する。

課題を解決するための手段

0007

本実施形態による分析装置は、試料を搭載可能なステージを備える。光源は、試料に照射して該試料を気化するためのレーザ光を生成する。膜厚測定部は、レーザ光の照射位置における試料の厚みを測定する。コントローラは、膜厚測定部からの試料の厚みの測定値に基づいて、光源からのレーザ光の照射条件を制御する。

図面の簡単な説明

0008

本実施形態によるLA−ICP−MS装置の構成例を示す図。
本実施形態による定量分析方法の一例を示すフロー図。
レーザアブレーションによって形成される試料の形状の一例を示すグラフ
本実施形態の変形例によるLA−ICP−MS装置の構成例を示す図。

実施例

0009

以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。明細書と図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。

0010

図1は、本実施形態によるLA−ICP−MS装置の構成例を示す図である。分析装置としてのLA−ICP−MS装置1は、LA(Laser Ablation)部2と、ICP−MS(Inductively Coupled Plasma-Mass Spectrometer)部3とを備えている。LA部2は、試料9にレーザ光Lを照射してレーザアブレーションを行う。ICP−MS部3は、LA部2で気化された試料をプラズマイオン化して試料に含まれる元素の定量分析を行う。尚、図1において、レーザ光Lは破線矢印で示し、データや制御信号の流れは実線矢印で示している。

0011

LA部2は、試料室4と、レーザユニット5と、膜厚測定装置6と、コントローラ7と、ミラー10,11,14,18と、波長変換素子12,13と、レンズ17とを備えている。試料室4 内には分析対象の試料9を搭載可能なステージ8が備えられている。

0012

光源としてのレーザユニット5は、試料9に照射して試料9を気化するためのレーザ光を生成する。レーザユニット5は、例えば、波長1064nmのレーザ光を生成するNd−YAGレーザを搭載してもよい。LA部2において、レーザユニット5から所定の波長(例えば、波長1064nm)で生成されたレーザ光は、ミラー10,11で反射され、波長変換素子12へ入射する。

0013

波長変換素子12は、レーザ光の波長を532nm(2次高調波)に変換する。その後、波長変換素子13は、レーザ光の波長を532nmから266nm(3次高調波)に変換する。レーザ光を短波長とすることにより、レーザ光のエネルギを高め、より多くの物質に対してアブレーションを行うことが可能となる。

0014

このように、レーザ光の波長は、波長変換素子12で半減され、さらに波長変換素子13で半減された後、ミラー14、レンズ17、ミラー18を介して試料室4内の試料9へ照射される。レーザ光は、試料9に照射されて試料9をアブレーションし気化する。

0015

試料室4には、導入管19および導出管20が配管接続されている。導入管19は、アルゴンガス等のキャリアガスを試料室4内に導入する。導出管20の一端は、試料室4に接続され、他端はICP−MS部3に接続されている。導出管20は、レーザ光によって気化された試料9をキャリアガスとともに試料室4から導出し、ICP−MS部3へ搬送する。即ち、レーザ光の照射によって気化された試料9は、導入管19によって試料室4内へ導入されたキャリアガスとともに、導出管20を介してICP−MS部3へ搬送される。

0016

ICP−MS部3は、プラズマトーチ21と、質量分析部24とを備え、試料9に含まれる分析対象の材料(元素)の含有量を特定するために、試料室4からのガスを定量分析する。プラズマトーチ21は、導出管20からキャリアガスとともに導入された試料9をプラズマでイオン化する。質量分析部24は、イオン化されたガスから試料9の物質のイオンのみを取り出して検出するように構成されている。尚、質量分析部24の内部構成は本実施形態と直接関係無いので、ここではその詳細な説明を省略する。また、本実施形態においてICP−MS部3が用いられているが、ICP−MS部3に代えて、ICP−OES(ICP−Optical Emission Spectrometer)を用いてもよい。この場合、ICP−OES部は、気化された試料9から得られる光波長スペクトル)に基づいて対象元素の含有量を特定する。対象元素は、例えば、メタル元素である。以下、ICP−MS部3は、試料9に含まれるメタル元素を検出するものとして説明を進める。

0017

膜厚測定部としての膜厚測定装置6は、レーザ光Lの照射位置における試料9の厚みを測定する。膜厚測定装置6は、ステージ8に埋め込まれており、ステージ8に対向する試料9の面F1に向かって設けられている。即ち、膜厚測定装置6は、試料9の裏面F1から試料9の膜厚を測定する。膜厚測定装置6は、例えば、超音波式測定器分光干渉式測定器または電磁誘導式測定器のいずれでもよい。膜厚測定装置6は、試料9の膜厚を非破壊測定可能な装置であれば、特に限定しない。また、本実施形態において、膜厚測定装置6は、試料9の裏面F1から膜厚を測定している。しかし、後述する変形例のように、膜厚測定装置6は、レーザ光Lと干渉しない限りにおいて、試料9の表面F2から試料9の膜厚を測定してもよい。

0018

コントローラ7は、膜厚測定装置6からの試料9の厚みの測定値に基づいて、レーザユニット5からのレーザ光Lの照射条件を制御する。照射条件は、例えば、レーザ光Lの強度、照射時間、照射回数パルス数)、照射面積等である。例えば、レーザ光Lによる試料9の気化速度(以下、アブレーションレートともいう)を略一定にする場合、コントローラ7は、試料9の厚みの変化が略一定となるようにレーザ光Lの照射条件を制御する。アブレーションレートが低すぎる場合には、コントローラ7は、レーザ光Lの強度、照射時間、照射回数(パルス数)、照射面積を増大させる。アブレーションレートが高すぎる場合には、コントローラ7は、レーザ光Lの強度、照射時間、照射回数(パルス数)、照射面積を低下させる。

0019

尚、照射面積の調整はアブレーションレートを直接変化させない。しかし、メタル元素の検出量がICP−MS部3における検出下限量(数pg〜数ng)を下回っている場合に、ICP−MS部3は、メタル元素の濃度が低すぎてその量を正確に検出することができない。そこで、照射面積を増大させることによって、試料9のメタル元素の検出量を増大させる。これにより、ICP−MS部3は試料9のメタル元素濃度を正確に定量分析することができる。あるいは、メタル元素の検出量がICP−MS部3における検出上限値(数mg〜数千mg)を超えている場合、ICP−MS部3は、メタル元素の濃度が飽和状態となってその量を正確に検出することができない。そこで、照射面積を低下させることによって、試料9のメタル元素の導入量が少なくなり、検出量を低下させる。これにより、ICP−MS部3は材料を正確に定量分析することができる。

0020

ここで、膜厚測定装置6は、試料9の裏面F1から試料9の厚みを測定し、あるいは、レーザ光Lと干渉しないように試料9の表面F2から試料9の厚みを測定する。従って、膜厚測定装置6は、レーザ光Lを試料9に照射している最中に、リアルタイムで試料9の照射位置における厚みを測定することができる。また、コントローラ7は、試料9の厚みの測定値に基づいて、レーザ光Lの照射条件をリアルタイムで制御することができる。例えば、膜厚測定装置6は試料9の厚みを定期的に測定し、コントローラ7は試料9の厚みの経時的な変化からアブレーションレートを算出する。コントローラ7は、アブレーションレートが所定値となるようにレーザ光Lの強度、照射時間あるいはパルス数を制御する。即ち、コントローラ7は、試料9の膜厚からアブレーションレートを算出し、アブレーションレートでレーザユニット5をフィードバック制御する。これにより、コントローラ7は、試料9のアブレーションレートを所定値となるようにリアルタイムで制御することができる。

0021

また、コントローラ7は、ICP−MS部3からの試料9の定量分析結果に基づいて、レーザユニット5からのレーザ光Lの照射条件を制御してもよい。例えば、コントローラ7は、定量分析結果から試料9に含まれるメタル元素の濃度を算出し、濃度に応じてレーザ光Lの照射条件を制御してもよい。定量分析結果は、分析対象であるメタル元素の信号強度である。また、メタル元素の濃度は、次のように算出される。アブレーションレートおよび照射面積から、レーザ光Lによって気化される試料9の体積が分かる。また、ICP−MS部3からメタル元素の検出量が分かる。コントローラ7は、気化された(ICP−MS部3へ搬送された)試料9の体積とメタル元素の検出量とから、その試料9に含有するメタル元素の濃度を算出することができる。

0022

例えば、試料9の積層材料がアブレーションレートの低い材料層(例えば、シリコン酸化膜シリコン窒化膜)である場合には、試料9は気化し難くなるので、コントローラ7は、レーザ光の強度、照射時間あるいはパルス数を増大させる。これにより、試料9のアブレーションレートを増大させることができる。逆に、試料9の積層材料がアブレーションレートの高い材料層(例えば、銅、アルミニウム)である場合には、試料9は気化し易くなるので、コントローラ7は、レーザ光の強度、照射時間あるいはパルス数を減少させる。これにより、試料9のアブレーションレートを低減させることができる。

0023

ICP−MS部3も、レーザ光Lを試料9に照射している最中に、リアルタイムで試料9の積層に含有されるメタル元素の定量分析を実行することができる。また、コントローラ7は、試料9のメタル元素の定量分析結果に基づいて試料9の積層に含有されるメタル元素の濃度をリアルタイムで算出し、レーザ光の照射条件を制御することができる。例えば、ICP−MS部3は、気化された試料9に含まれるメタル元素の濃度を定期的に測定し、コントローラ7はメタル元素の濃度の経時的な変化に応じて、レーザ光Lの強度、照射時間あるいはパルス数を制御する。即ち、コントローラ7は、試料9のメタル元素の濃度でレーザユニット5をフィードバック制御する。これにより、コントローラ7は、試料9のアブレーションレートを最適値に維持するようにリアルタイムで制御することができる。
尚、メタル元素濃度によってアブレーションレートを所定値に維持することができない場合であっても、試料9の厚みの経時的な変化からアブレーションレートが判明すれば、レーザ光Lのフィードバック制御は可能である。

0024

さらに、後述するように、試料9のメタル元素の濃度が高い場合、アブレーションレートが高くなりすぎ、メタル元素の検出量がICP−MSの検出上限値を上回ってしまうことがある。この場合、ICP−MS部3がメタル元素を正確に定量分析できなくなるので、レーザ光Lの照射位置を変更し、あるいは、アブレートする領域の面積を小さくすることで分析処理を継続してもよい。これにより、メタル元素の検出量が検出上限値を下回り、ICP−MS部3は、メタル元素を正確に定量分析できるようになる。

0025

コントローラ7は、例えば、パーソナルコンピュータで構成してもよく、あるいは、CPU等の半導体チップで構成してもよい。コントローラ7は、LA部2に含まれていてもよいが、LA部2とは別体に設けられていてもよい。さらに、コントローラ7は、ICP−MS部3に設けられていてもよい。

0026

このように、本実施形態によるLA−ICP−MS装置1は、試料9の厚みおよび/または対象元素(例えば、メタル元素)の濃度をリアルタイムでフィードバックし、レーザ光Lの照射条件を制御する。これにより、LA−ICP−MS装置1は、試料9のアブレーションレートを所定値に制御することができ、試料9の材料分析を正確かつ容易にすることができる。例えば、試料9がアブレーションレートの異なる複数の異種材料を積層した構造を有する場合であっても、アブレーションレートを所定値に制御することができるので、試料9の材料分析を正確かつ容易にすることができる。

0027

次に、LA−ICP−MS装置1を用いた定量分析方法を説明する。

0028

図2は、本実施形態による定量分析方法の一例を示すフロー図である。

0029

まず、ステージ8上に試料9を載置する(S10)。試料9は、その裏面F1をステージ8の搭載面に対向させるように載置される。これにより、膜厚測定装置6は、試料9の裏面F1から試料9の厚みを測定することができる。

0030

次に、レーザ光Lの照射位置を膜厚測定装置6の測定位置に対応するように設定する(S20)。レーザ光Lの照射位置は、試料9の表面F2上の位置であり、裏面F1上の膜厚測定装置6の測定位置の反対側に対応する。従って、試料9の表面F2の上方から見たときに、レーザ光Lの照射位置と膜厚測定装置6の測定位置とはほぼ一致する。レーザ光Lの照射位置は、ミラー18等の調整により設定することができる。このとき、レーザ光Lの照射条件は、或る初期状態に設定されている。このとき、レーザ光Lの照射面積も設定される。

0031

測定位置の設定の前後において、レーザ光Lの照射条件を設定する(S30)。例えば、レーザ光Lの強度、照射時間、パルス回数、照射面積等を設定する。

0032

次に、レーザ光Lを照射する(S40)。それとともに、試料9の厚みを測定する(S45)。レーザ光Lは、連続して照射してもよく、パルス状に周期的に照射してもよい。膜厚測定装置6による膜厚測定は、連続して行ってもよいし、周期的に行ってもよい。膜厚測定装置6は、レーザ光Lのパルス数n(nは正整数)ごとに膜厚測定を実行してもよい。レーザ光Lの照射位置において、試料9の表面F2から試料9の材料が気化し、試料9が表面F2から削られていく。試料9が気化していくと、試料9の厚みが次第に薄くなっていく。このとき、膜厚測定装置6は、試料9の裏面F1から試料9の厚みを測定する。

0033

コントローラ7は、試料9の厚みの変化速度から気化速度(アブレーションレート)を算出する(S50)。コントローラ7は、アブレーションレートが所定の範囲内に入るように、レーザユニット5からのレーザ光Lの照射条件をフィードバック制御する。このとき、コントローラ7は、アブレーションレートが下限値を下回っていないか、あるいは、上限値を上回っていないかを判断する(S60)。アブレーションレートの上限値および下限値は、コントローラ7内のメモリ(図示せず)に格納しておけばよい。

0034

例えば、アブレーションレートが下限値より低い場合(S60のNO)、コントローラ7は、ステップS30において、レーザ光Lの強度等を増大させればよい。逆に、アブレーションレートが上限値より高い場合(S60のNO)、コントローラ7は、ステップS30において、レーザ光Lの強度等を低下させる。これにより、アブレーションレートが所定の範囲内に入るように、レーザ光Lの照射条件を制御することができる。このように、コントローラ7は、試料9の厚みの測定値を用いてアブレーションレートを算出し、このアブレーションレートに応じてレーザ光Lの照射条件をフィードバック制御することができる。尚、このとき、アブレーションレートの範囲を狭く任意の範囲に設定すれば、コントローラ7は、アブレーションレートを所定値に維持し、実質的に略一定にすることができる。アブレーションレートを略一定値に維持することで、試料9に含まれるメタル元素は、より正確に定量分析することができる。従って、アブレーションレートを略一定値に維持するようにレーザ光Lの照射条件をフィードバック制御することは、正確な定量分析を実行するために好ましいと言える。

0035

また、レーザ光Lの照射条件を限界まで変更しても、アブレーションレートを上限値と下限値との間に制御できない場合には、コントローラ7は、分析処理を中止してもよい。一方、アブレーションレートが上限値と下限値との間にある場合(S60のYES)、ICP−MS部3が試料9に含まれるメタル元素の定量分析を行う(S70)。

0036

次に、ICP−MS部3またはコントローラ7は、アブレーションされた材料に含有されるメタル元素を計測し、メタル元素の検出量および濃度を算出する(S80)。

0037

この試料9に含有されるメタル元素の検出量または濃度は、ICP−MS部3による定量分析結果が正確か否かを判断するために用いられる。上述の通り、メタル元素の検出量または濃度がICP−MS部3の検出下限値を下回っている場合や検出上限値を上回っている場合には、ICP−MS部3は、試料9のメタル元素を正確に定量分析することができない。従って、メタル元素の検出量または濃度が検出下限値を下回っていないか、メタル元素の検出量または濃度が検出上限値を上回っていないか、を判断する必要がある。ここで、検出下限値は、定量分析可能なメタル元素の検出量または濃度の下限量であり、検出上限値は、定量分析可能なメタル元素の検出量または濃度の上限量である。以下、メタル元素の濃度に基づいて、定量分析可能か、レーザ光Lの照射面積を再調整するか、あるいは、分析を終了するか、を判断するものとして説明を続ける。

0038

コントローラ7は、ICP−MS部3から得られるメタル元素の濃度が下限値を下回っていないか、あるいは、検出上限値を上回っていないかを判断する(S90)。濃度が検出上限値を上回っている場合(S90のNO)、検出対象のメタル元素が多すぎて(濃度が高すぎて)、ICP−MS部3において飽和状態となっている。この場合、ICP−MS部3は、そのメタル元素の濃度を正確に検出することができない。従って、コントローラ7は、レーザ光Lの照射条件を変更して(例えば、レーザ光の照射面積を低下させて、あるいは、レーザ光Lの強度等を低下させて)、アブレーションレートを低下させる(S100のYES、S110、S30)。もし、レーザ光Lの照射条件をそれ以上変更できない場合(S100のNO)、LA−ICP−MS装置1は、分析処理を中止する。

0039

一方、アブレーションレートが下限値を下回っている場合(S90のNO)、メタル元素が少なすぎて(濃度が低すぎて)、ICP−MS部3がメタル元素を検出できない。従って、この場合、コントローラ7は、レーザ光Lの照射条件を変更して(例えば、レーザ光の照射面積を増大させて、あるいは、強度等を上昇させて)、アブレーションレートを上昇させる(S100のYES、S110、S30)。もし、レーザ光Lの照射条件をそれ以上変更できない場合(S100のNO)、LA−ICP−MS装置1は、分析処理を中止する。

0040

アブレーションレートが上限値と下限値との間にある場合(S90のYES)、ICP−MS部3は、メタル元素を正確に検出可能である。従って、ICP−MS部3が試料9の積層に含有されるメタル元素の定量分析を行う(S30〜S70)。尚、ステップS100においてレーザ光Lの照射条件をそれ以上変更できない場合(S100のNO)であっても、ICP−MS部3は、試料9の材料の定量分析を中止せず続行してもよい。これにより得られるメタル元素の濃度は、正確でない可能性があるが、或る程度の指標とすることができる。

0041

ステップS30〜S100は、試料9の厚みが設定値未満になるまで繰り返される(S110のNO)。試料9の厚みが設定値未満になると(S110のYES)、分析処理は終了する。

0042

本実施形態によれば、コントローラ7は、試料9の厚みの測定値からアブレーションレートを算出し、このアブレーションレートに基づいてレーザ光Lの照射条件をリアルタイムでフィードバック制御する。これにより、LA−ICP−MS装置1は、試料9のアブレーションレートを所定値にするように、あるいは、所定範囲に入るように、レーザ光Lの照射条件を制御することができる。その結果、試料9の材料の定量分析を正確かつ容易にすることができる。

0043

例えば、立体型メモリセルアレイには、高アスペクト比を有するメモリホールが設けられる。メモリホール内には、メモリセルの性能を高めるために、メモリホール内にメタル膜を成膜する場合がある。この場合、メタル元素の含有量(濃度)を求めるために、LA−ICP−MS装置1が用いられる。

0044

しかし、立体型メモリセルアレイは、複数のシリコン酸化膜と複数のシリコン窒化膜とを交互に積層した積層構造となっている。このため、従来のLA−ICP−MS装置では、アブレーションレートが積層材料の変化に伴って大きく変化してしまい、アブレーションレートを制御することが難しく、積層構造の正確なプロファイルを得ることが困難であった。

0045

これに対し、本実施形態によるLA−ICP−MS装置1は、試料9の厚みを計測し、その厚みの計測値に基づいて、レーザ光Lの照射条件をリアルタイムでフィードバック制御する。これにより、分析対象が立体型メモリセルアレイのようなシリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層構造であっても、LA−ICP−MS装置1は、アブレーションレートを所定値に維持することができ、積層構造の正確なプロファイルを得ることができる。

0046

図3は、レーザアブレーションによって形成される試料9の形状の一例を示すグラフである。このグラフの縦軸は、試料9の表面からの深さを示す。横軸は、試料9の表面の位置Xを示す。深さ0は、試料9の表面を示す。試料9の表面近傍に、材料A(例えば、シリコン酸化膜)が設けられており、その下に材料B(例えば、シリコン窒化膜)が設けられている。材料AおよびBは積層構造の一部であり、互いにアブレーションレートが異なる。また、本実施形態の効果を容易に理解できるようにするために、便宜的に、試料9は、レーザアブレーションによって、x1〜x9まで階段状に削られることを想定している。これは、レーザ光Lの照射位置を変更することによって実現可能である。ラインLcは、レーザ光Lの照射条件をフィードバック制御しなかった場合の試料9の形状を示す。ラインLpは、レーザ光Lの照射条件をフィードバック制御した場合の試料9の形状を示す。

0047

まず、LA部2は、試料9の表面のx1〜x9の範囲にレーザ光Lを照射して試料9をアブレーションによって気化させる。次に、LA部2は、試料9の表面のx2〜x9の範囲にレーザ光Lを照射して試料9をアブレーションによって気化させる。次に、LA部2は、試料9の表面のx3〜x9の範囲にレーザ光Lを照射して試料9をアブレーションによって気化させる。同様に、LA部2は、x4〜x9、x5〜x9、x6〜x9、x7〜x9、x8〜x9をアブレーションする。これにより、図3に示すような階段形状が試料9の表面に形成されるはずである。尚、実際のレーザアブレーションでは、レーザ光Lの照射範囲を変更することなく、試料9をその表面から鉛直方向に真っ直ぐ削る。

0048

ここで、当初、材料Aに適合するようにレーザ光Lの照射条件が設定されていたとする。フィードバック制御のない場合、ラインLcで示すように、材料Aは、階段形状に形成されているが、材料Bは、階段形状に形成されていない。即ち、フィードバック制御のない場合、LA部2は、材料Aを適切にアブレーションしているものの、材料Bを適切にアブレーションすることができない。

0049

これに対し、本実施形態のようにフィードバック制御を実行する場合、ラインLpで示すように、材料AおよびBは、階段形状に形成されている。即ち、本実施形態では、LA部2は、材料AおよびBをともに適切にアブレーションすることができる。このように、本実施形態によれば、アブレーションレートの異なる複数の異種材料を積層した構造を有する場合であっても、アブレーションレートを適切に制御することができる。その結果、試料9の材料分析を正確かつ容易にすることができる。

0050

(変形例)
図4は、本実施形態の変形例によるLA−ICP−MS装置の構成例を示す図である。膜厚測定装置16は、ステージ8の上方に設けられており、試料9の上方から試料9の膜厚を測定する。膜厚測定装置16は、例えば、レーザ光Lと干渉しない光を用いて、例えば、白色干渉微分干渉コンフォーカル等を用いて、試料9の表面F2から試料9の膜厚を測定してよい。このような変形例であっても、本実施形態の効果を得ることができる。

0051

また、変形例と第1実施形態とを組み合わせて、膜厚測定装置6,16が試料9の裏面F1および表面F2の両方から膜厚を測定してもよい。これにより、試料9の厚みをより正確に測定することができる。

0052

本実施形態による分析方法の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、データ処理方法の少なくとも一部の機能を実現するプログラムフレキシブルディスクCD−ROM等の記録媒体収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスク光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。また、分析方法の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。

0053

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

0054

1 LA−ICP−MS装置、2 LA部、3 ICP−MS部、4試料室、5レーザユニット、6膜厚測定装置、7コントローラ、8ステージ、10,11,14,18ミラー、12,13波長変換素子、17 レンズ

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