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技術 液晶ポリマー組成物

出願人 上野製薬株式会社
発明者 藤原久成太田晃仁奥谷尚矢
出願日 2019年5月27日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-098730
公開日 2020年12月3日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-193261
状態 未査定
技術分野 高分子組成物 高分子成形体の製造 ポリエステル、ポリカーボネート
主要キーワード 溶融溶液 電機特性 重合性単量体全量 反応性カップリング ジヒドロキシビフェニルエーテル 液晶ポリマー組成物 トルクメーター フルオロカーボン系界面活性剤
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

誘電特性および製膜性に優れた液晶ポリマー組成物およびこれから構成されるフィルムを提供する。

解決手段

液晶ポリマー100質量部、およびポリアリレート樹脂0.1〜20質量部を含有する液晶ポリマー組成物であって、溶融張力が3mN以上であり、かつ、長さ85mm、幅1.75mm、厚さ1.75mmのスティック状試験片を用いて1GHzにおいて測定した誘電正接が0.0015以下である、液晶ポリマー組成物。

概要

背景

液晶ポリマーは、耐熱性剛性等の機械物性耐薬品性、寸法精度等に優れているため、成形品用途のみならず、繊維やフィルムといった各種用途にその使用が拡大しつつある。特にパーソナルコンピューター携帯電話等の情報・通信分野においては、部品高集積度化、小型化、薄肉化、低背化等が急速に進んでおり0.5mm以下の非常に薄い肉厚部が形成されるケースが多く、液晶ポリマーの優れた成形性、すなわち、流動性が良好であり、かつバリが出ないという他の樹脂にない特徴を活かして、その使用量が大幅に増大している。

かかる液晶ポリマーからなる液晶ポリマーフィルムは、高周波領域(GHz帯)での電機特性低誘電率低誘電損失)に優れ、回路での電送損失が少ないなどの特徴から、フレキシブルプリント配線FPC)基材等の材料として注目されている。

しかし、液晶ポリマーは剛直な分子構造を有することから、成形方向配向して異方性を示したり、成形方向で裂ける傾向があるため、フィルム成形が難しいという問題があった。

そこで、液晶ポリマーのフィルム成形性を改善するために、様々な方法が提案されている。例えば、特許文献1には、液晶ポリマーとグリシジル基を有するエチレン共重合体等とのブレンド樹脂からなるフィルムが、また、特許文献2および3には、液晶ポリマーとポリアリレート等の熱可塑性樹脂とのブレンド体から形成されたフィルムが提案されている。

概要

誘電特性および製膜性に優れた液晶ポリマー組成物およびこれから構成されるフィルムを提供する。液晶ポリマー100質量部、およびポリアリレート樹脂0.1〜20質量部を含有する液晶ポリマー組成物であって、溶融張力が3mN以上であり、かつ、長さ85mm、幅1.75mm、厚さ1.75mmのスティック状試験片を用いて1GHzにおいて測定した誘電正接が0.0015以下である、液晶ポリマー組成物。なし

目的

本発明の目的は、誘電特性および製膜性に優れた液晶ポリマー組成物およびこれから構成されるフィルムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

液晶ポリマー100質量部、およびポリアリレート樹脂0.1〜20質量部を含有する液晶ポリマー組成物であって、溶融張力が3mN以上であり、かつ、長さ85mm、幅1.75mm、厚さ1.75mmのスティック状試験片を用いて1GHzにおいて測定した誘電正接が0.0015以下である、液晶ポリマー組成物。

請求項2

結晶融解温度(Tm)と結晶化温度(Tc)との差ΔT(Tm-Tc)は40℃以上である、請求項1に記載の液晶ポリマー組成物。

請求項3

液晶ポリマーは、式(I)〜(III)[式中、Ar1およびAr2は、それぞれ1種または2種以上の2価の芳香族基を表し、p、qおよびrは、それぞれ、液晶ポリエステル(A)中での各繰返し単位組成比モル%)であり、以下の条件を満たす:35≦p≦90、5≦q≦30、および5≦r≦30]で表される繰返し単位を含む液晶ポリエステルである、請求項1または2に記載の液晶ポリマー組成物。

請求項4

液晶ポリマーは、式(I)〜(III)[式中、Ar1およびAr2は、それぞれ1種または2種以上の2価の芳香族基を表し、p、qおよびrは、それぞれ、液晶ポリエステル(A)中での各繰返し単位の組成比(モル%)であり、以下の条件を満たす:35≦p≦90、5≦q≦30、および5≦r≦30]で表される繰返し単位を含む液晶ポリエステル(A)と、式(IV)および式(V)[式中、sおよびtはそれぞれ、液晶ポリエステル(B)中での各繰返し単位の組成比(モル%)であり、以下の条件を満たす:80/20≦s/t≦60/40]で表される繰返し単位を含む液晶ポリエステル(B)とを含有し、液晶ポリエステル(A)と液晶ポリエステル(B)の質量比[(A)/(B)]は99/1〜45/55である、請求項1〜3のいずれかに記載の液晶ポリマー組成物。

請求項5

液晶ポリエステル(B)は、式(IV)および式(V)で表される繰返し単位から構成される液晶ポリエステルである、請求項4に記載の液晶ポリマー組成物。

請求項6

請求項1〜5のいずれかに記載の液晶ポリマー組成物から構成されるフィルム

技術分野

0001

本発明は、誘電特性および製膜性に優れた液晶ポリマー組成物に関する。

背景技術

0002

液晶ポリマーは、耐熱性剛性等の機械物性耐薬品性、寸法精度等に優れているため、成形品用途のみならず、繊維やフィルムといった各種用途にその使用が拡大しつつある。特にパーソナルコンピューター携帯電話等の情報・通信分野においては、部品高集積度化、小型化、薄肉化、低背化等が急速に進んでおり0.5mm以下の非常に薄い肉厚部が形成されるケースが多く、液晶ポリマーの優れた成形性、すなわち、流動性が良好であり、かつバリが出ないという他の樹脂にない特徴を活かして、その使用量が大幅に増大している。

0003

かかる液晶ポリマーからなる液晶ポリマーフィルムは、高周波領域(GHz帯)での電機特性低誘電率低誘電損失)に優れ、回路での電送損失が少ないなどの特徴から、フレキシブルプリント配線FPC)基材等の材料として注目されている。

0004

しかし、液晶ポリマーは剛直な分子構造を有することから、成形方向配向して異方性を示したり、成形方向で裂ける傾向があるため、フィルム成形が難しいという問題があった。

0005

そこで、液晶ポリマーのフィルム成形性を改善するために、様々な方法が提案されている。例えば、特許文献1には、液晶ポリマーとグリシジル基を有するエチレン共重合体等とのブレンド樹脂からなるフィルムが、また、特許文献2および3には、液晶ポリマーとポリアリレート等の熱可塑性樹脂とのブレンド体から形成されたフィルムが提案されている。

先行技術

0006

特開平08−337710号公報
特開2000—290512号公報
特開2004—175995号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、特許文献1に記載されたブレンド樹脂からなるフィルムは、エチレン共重合体を基本骨格としたものであるため、耐熱性が低く、高品質のフィルムの作製は困難であった。

0008

また、特許文献2および3に記載されたフィルムは、製膜性が十分でないとともに、誘電特性に劣るものであり、回路基板としての使用に適さないものであった。

0009

本発明の目的は、誘電特性および製膜性に優れた液晶ポリマー組成物およびこれから構成されるフィルムを提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明者等は、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、特定の液晶ポリマーに、所定量のポリアリレート樹脂を配合することにより、誘電特性および製膜性に優れた液晶ポリマー組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。

0011

すなわち、本発明は、以下の好適な態様を包含する。
〔1〕液晶ポリマー100質量部、およびポリアリレート樹脂0.1〜20質量部を含有する液晶ポリマー組成物であって、溶融張力が3mN以上であり、かつ、長さ85mm、幅1.75mm、厚さ1.75mmのスティック状試験片を用いて1GHzにおいて測定した誘電正接が0.0015以下である、液晶ポリマー組成物。
〔2〕結晶融解温度(Tm)と結晶化温度(Tc)との差ΔT(Tm-Tc)は40℃以上である、請求項1に記載の液晶ポリマー組成物。
〔3〕液晶ポリマーは、式(I)〜(III)




[式中、
Ar1およびAr2は、それぞれ1種または2種以上の2価の芳香族基を表し、p、qおよびrは、それぞれ、液晶ポリエステル(A)中での各繰返し単位組成比モル%)であり、以下の条件を満たす:
35≦p≦90、
5≦q≦30、および
5≦r≦30]
で表される繰返し単位を含む液晶ポリエステルである、〔1〕または〔2〕に記載の液晶ポリマー組成物。
〔4〕液晶ポリマーは、式(I)〜(III)




[式中、
Ar1およびAr2は、それぞれ1種または2種以上の2価の芳香族基を表し、p、qおよびrは、それぞれ、液晶ポリエステル(A)中での各繰返し単位の組成比(モル%)であり、以下の条件を満たす:
35≦p≦90、
5≦q≦30、および
5≦r≦30]
で表される繰返し単位を含む液晶ポリエステル(A)と、
式(IV)および式(V)




[式中、
sおよびtはそれぞれ、液晶ポリエステル(B)中での各繰返し単位の組成比(モル%)であり、以下の条件を満たす:
80/20≦s/t≦60/40]
で表される繰返し単位を含む液晶ポリエステル(B)と
を含有し、
液晶ポリエステル(A)と液晶ポリエステル(B)の質量比[(A)/(B)]は99/1〜45/55である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の液晶ポリマー組成物。
〔5〕液晶ポリエステル(B)は、式(IV)および式(V)で表される繰返し単位から構成される液晶ポリエステルである、〔4〕に記載の液晶ポリマー組成物。
〔6〕〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の液晶ポリマー組成物から構成されるフィルム。

発明の効果

0012

本発明によれば、誘電特性および製膜性に優れた液晶ポリマー組成物およびこれから構成されるフィルムを提供することができる。

0013

本発明の液晶ポリマー組成物は、液晶ポリマーおよびポリアリレート樹脂を必須成分として含有する。

0014

本発明において使用される液晶ポリマーは、当業者サーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれる、異方性溶融相を形成するポリエステルまたはポリエステルアミドであり、当該技術分野においてサーモトロピック液晶ポリエステルまたはサーモトロピック液晶ポリエステルアミドと呼ばれるものであれば特に限定されない。

0015

異方性溶融相の性質は、直交偏光子を利用した慣用偏光検査法により確認することができる。より具体的には、異方性溶融相の確認は、Leitz偏光顕微鏡を使用し、Leitzホットステージにのせた試料窒素雰囲気下で40倍の倍率で観察することにより実施できる。本発明における液晶ポリマーは光学的に異方性を示すもの、即ち、直交偏光子の間で検査したときに光を透過させるものである。試料が光学的に異方性であると、たとえ静止状態であっても偏光は透過する。

0016

本発明における液晶ポリマーを構成する重合性単量体としては、例えば芳香族ヒドロキシカルボン酸芳香族ジカルボン酸芳香族ジオール芳香族アミノカルボン酸芳香族ヒドロキシアミン芳香族ジアミン脂肪族ジオールおよび脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。液晶ポリマーを構成する重合性単量体は、これら化合物は1種のみであってもよく、2種以上の化合物を組み合わせてもよいが、少なくとも1種のヒドロキシ基およびカルボキシル基を有する重合性単量体を含むことが望ましい。

0017

液晶ポリマーを構成する重合性単量体は、前記化合物の1種以上が結合してなるオリゴマー、つまり1種以上の前記化合物から構成されるオリゴマーであってもよい。

0018

芳香族ヒドロキシカルボン酸の具体例としては、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、5−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、7−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4’−ヒドロキシフェニル−4−安息香酸、3’−ヒドロキシフェニル−4−安息香酸、4’−ヒドロキシフェニル−3−安息香酸およびそれらのアルキルアルコキシまたはハロゲン置換体ならびにこれらのアシル化物エステル誘導体酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中でも、得られる液晶ポリマーの耐熱性および機械強度ならびに融点を調節し易いという観点から、4−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸からなる群から選択される1種以上の化合物が好ましい。

0019

芳香族ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシビフェニル、3,4’−ジカルボキシビフェニルおよび4,4’’−ジカルボキシターフェニル、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体ならびにそれらのエステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中でも、得られる液晶ポリマーの耐熱性を効果的に高められる観点から、テレフタル酸、イソフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸からなる群から選択される1種以上の化合物が好ましく、テレフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸がより好ましい。

0020

芳香族ジオールの具体例としては、ハイドロキノンレゾルシン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、3,3’−ジヒドロキシビフェニル、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニルエーテルおよび2,2’−ジヒドロキシビナフチル、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体ならびにそれらのアシル化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中でも、重合時の反応性に優れる観点から、ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシビフェニルおよび2,6−ジヒドロキシナフタレンからなる群から選択される1種以上の化合物が好ましく、ハイドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニルおよび2,6−ジヒドロキシナフタレンからなる群から選択される1種以上の化合物がより好ましい。

0021

芳香族アミノカルボン酸の具体例としては、4−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、6−アミノ−2−ナフトエ酸、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにそれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。

0022

芳香族ヒドロキシアミンの具体例としては、4−アミノフェノール、N−メチル−4−アミノフェノール、3−アミノフェノール、3−メチル−4−アミノフェノール、4−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニル、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニルエーテル、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニルメタン、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニルスルフィドおよび2,2’−ジアミノビナフチル、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにそれらのアシル化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中でも、得られる液晶ポリマーの耐熱性および機械強度のバランスをとりやすい観点から、4−アミノフェノールが好ましい。

0023

芳香族ジアミンの具体例としては、1,4−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにそれらのアシル化物などのアミド形成性誘導体が挙げられる。

0024

脂肪族ジオールの具体例としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ならびにそれらのアシル化物が挙げられる。また、ポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートなどの脂肪族ジオールを含有するポリマーを、前記の芳香族オキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオールおよびそれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などと反応させてもよい。

0025

脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、シュウ酸マロン酸コハク酸グルタル酸アジピン酸ピメリン酸スベリン酸アゼライン酸セバシン酸ドデカン二酸テトラデカン二酸フマル酸マレイン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸およびヘキサヒドロテレフタル酸が挙げられる。これらの中でも、重合時の反応性に優れる観点から、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が好ましい。

0026

本発明において液晶ポリマーは、本発明の目的を損なわない範囲で、ジヒドロキシテレフタル酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、トリメリット酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸ピロメリット酸またはこれらのアルキル、アルコキシもしくはハロゲン置換体、ならびにそれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体を重合性単量体として含むものであってもよい。これらの重合性単量体の使用量は、他の重合性単量体の合計量に対して10モル%以下であるのが好ましい。

0027

本発明において液晶ポリマーは、本発明の目的を損なわない範囲で、チオエステル結合を含むものであってもよい。このような結合を与える重合性単量体としては、メルカプト芳香族カルボン酸、および芳香族ジチオールおよびヒドロキシ芳香族チオールなどが挙げられる。これらの重合性単量体の含有量は、他の重合性単量体の合計量に対して10モル%以下であるのが好ましい。

0028

これらの繰返し単位を組み合わせたポリマーは、単量体の構成や組成比、ポリマー中での各繰返し単位のシークエンス分布によって異方性溶融相を形成するものと異方性溶融相を形成しないものとが存在するが、本発明に用いる液晶ポリマーは異方性溶融相を形成するものに限られる。単量体の構成や組成比、ポリマー中での各繰返し単位のシークエンス分布は、異方性溶融相を形成する液晶ポリマーが得られるように当業者であれば適宜選択および調節することができる。

0029

本発明の一つの実施形態において、液晶ポリマーとしては、式(I)〜(III)



[式中、
Ar1およびAr2は、それぞれ1種または2種以上の2価の芳香族基を表し、p、qおよびrは、それぞれ、液晶ポリエステル(A)中での各繰返し単位の組成比(モル%)であり、以下の条件を満たす:
35≦p≦90、
5≦q≦30、および
5≦r≦30]
で表される繰返し単位を含む液晶ポリエステル(A)が好適に使用される。

0030

また、本発明の別の実施形態において、液晶ポリマーとしては、式(I)〜(III)



[式中、
Ar1およびAr2は、それぞれ1種または2種以上の2価の芳香族基を表し、p、qおよびrは、それぞれ、液晶ポリエステル(A)中での各繰返し単位の組成比(モル%)であり、以下の条件を満たす:
35≦p≦90、
5≦q≦30、および
5≦r≦30]
で表される繰返し単位を含む液晶ポリエステル(A)と、
式(IV)および式(V)



[式中、
sおよびtはそれぞれ、液晶ポリエステル(B)中での各繰返し単位の組成比(モル%)であり、以下の条件を満たす:
80/20≦s/t≦60/40]
で表される繰返し単位を含む液晶ポリエステル(B)と
を含有し、
液晶ポリエステル(A)と液晶ポリエステル(B)の質量比[(A)/(B)]が99/1〜45/55である液晶ポリエステルが好適に使用される。この場合、液晶ポリエステル(A)と液晶ポリエステル(B)の質量比[(A)/(B)]は90/10〜50/50がより好ましく、80/20〜60/40がさらに好ましい。

0031

また、本発明のさらに別の実施形態において、液晶ポリマーとしては、式(I)〜(III)



[式中、
Ar1およびAr2は、それぞれ1種または2種以上の2価の芳香族基を表し、p、qおよびrは、それぞれ、液晶ポリエステル(A)中での各繰返し単位の組成比(モル%)であり、以下の条件を満たす:
35≦p≦90、
5≦q≦30、および
5≦r≦30]
で表される繰返し単位を含む液晶ポリエステル(A)と、
式(IV)および式(V)



[式中、
sおよびtはそれぞれ、液晶ポリエステル(B)中での各繰返し単位の組成比(モル%)であり、以下の条件を満たす:
80/20≦s/t≦60/40]
で表される繰返し単位を含む液晶ポリエステル(B)と
から構成され、
液晶ポリエステル(A)と液晶ポリエステル(B)の質量比[(A)/(B)]が99/1〜45/55である液晶ポリエステルが好適に使用される。この場合、液晶ポリエステル(A)と液晶ポリエステル(B)の質量比[(A)/(B)]は90/10〜50/50がより好ましく、80/20〜60/40がさらに好ましい。

0032

式(I)で表される繰返し単位を与える単量体としては、例えば、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、およびこのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性の誘導体が挙げられる。

0033

式(II)で表される繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、芳香族ジオールであるハイドロキノン、レゾルシン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジヒドロキシビフェニル、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニルエーテルなど、およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。

0034

式(III)で表される繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、芳香族ジカルボン酸であるテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシビフェニルなど、およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのエステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。

0035

式(IV)で表される繰返し単位を与える単量体としては、例えば、4−ヒドロキシ安息香酸およびこのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。

0036

式(V)で表される繰返し単位を与える単量体としては、例えば、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸およびこのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。

0037

以下、本発明に用いる液晶ポリマーの製造方法について説明する。
本発明に用いる液晶ポリマーの製造方法に特に制限はなく、重合性単量体を、エステル結合またはアミド結合を形成させる公知の重縮合方法、たとえば溶融アシドリシス法、スラリー重合法などに供することにより液晶ポリマーを得ることができる。

0038

溶融アシドリシス法は、本発明の液晶ポリマー組成物に用いる液晶ポリマーを製造するのに好ましい方法である。この方法は、最初に重合性単量体を加熱して反応物質溶融溶液を形成し、次いで重縮合反応を続けて溶融ポリマーを得るものである。なお、縮合最終段階で副生する揮発物(たとえば酢酸、水など)の除去を容易にするために真空を適用してもよい。

0039

スラリー重合法とは、熱交換流体の存在下で重合性単量体を反応させる方法であって、固体生成物熱交換媒質中に懸濁した状態で得られる。

0040

溶融アシドリシス法およびスラリー重合法のいずれの場合においても、液晶ポリマーを製造する際に使用される重合性単量体は、常温において、ヒドロキシル基および/またはアミノ基をアシル化した変性形態(低級アシル基)、すなわち低級アシル化物として反応に供することもできる。

0041

低級アシル基は炭素原子数2〜5のものが好ましく、炭素原子数2または3のものがより好ましい。本発明の好ましい実施態様において、前記重合性単量体のアセチル化物を反応に供する。

0042

重合性単量体の低級アシル化物は、別途アシル化して予め合成したものを用いてもよいし、液晶ポリマーの製造時に重合性単量体に無水酢酸等のアシル化剤を加えて反応系内で生成せしめることもできる。

0043

溶融アシドリシス法またはスラリー重合法のいずれの場合においても、重縮合反応は、通常150〜400℃、好ましくは250〜370℃の温度で、常圧および/または減圧下で行うのがよく、必要に応じて触媒を用いてもよい。

0045

触媒を使用する場合、該触媒の量は重合性単量体全量に対し、好ましくは1〜1000ppm、より好ましくは2〜100ppmである。

0046

このようにして重縮合反応させて得られた液晶ポリマーは、通常、溶融状態重合反応槽より抜き出された後に、ペレット状、フレーク状、または粉末状に加工される。

0047

ペレット状、フレーク状、または粉末状の液晶ポリマーは、分子量を高め耐熱性を向上させる目的などで、減圧下、真空下、または窒素ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気下において、実質的に固相状態で熱処理を行ってもよい。

0048

固相状態において行う熱処理の温度は、液晶ポリマーが溶融しない限り特に限定されないが、通常260〜350℃、好ましくは280〜320℃で行うのがよい。

0049

本発明に用いられるポリアリレート樹脂は、芳香族ジカルボン酸またはその誘導体と、二価フェノールまたはその誘導体とを構成単位とする樹脂であり、溶液重合溶融重合界面重合などの方法により製造することができる。

0050

ポリアリレート樹脂を構成する芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸が例示されるが、溶融加工性および総合的性能の点から、両者の混合物であることが好ましい。混合物におけるテレフタル酸とイソフタル酸の配合比は限定されないが、質量比で、テレフタル酸/イソフタル酸=9/1〜1/9であることが好ましい。溶融加工性や性能のバランスの点を考慮すれば、配合比が7/3〜3/7であることが好ましく、1/1であることが特に好ましい。

0051

ポリアリレート樹脂を構成する二価フェノールとしては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ハイドロキノンなどが挙げられ、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]が好ましい。これらは単独でもよくまた混合物であってもよい。さらにこれらの二価フェノールにエチレングリコール、プロピレングリコールなどを少量併用してもよい。

0052

ポリアリレート樹脂(A)の極限粘度は特に限定されないが、機械的特性と流動性の観点から、1,1,2,2−テトラクロロエタンを溶媒として、温度25℃で測定した極限粘度は、0.4〜0.8が好ましく、0.5〜0.7がさらに好ましい。

0053

本発明の液晶ポリマー組成物は、上述した液晶ポリマー100質量部、およびポリアリレート樹脂0.1〜20質量部を含有する。液晶ポリマー組成物におけるポリアリレート樹脂の含有量は、好ましくは0.2〜18質量部、より好ましくは0.4〜16質量部である。

0054

本発明の液晶ポリマー組成物は、溶融張力が3mN以上であるという特徴を有する。溶融張力は、溶融張力測定装置(東洋精機(株)製キャピログラフ1D)により、2.0mmφ×10mmのキャピラリーを用いて、ピストン押出速度を5.0mm/s、巻き取り速度を0〜200m/分まで5分かけて上げる条件下で、結晶融解温度+20℃で測定される。本発明の液晶ポリマー組成物の溶融張力は、好ましくは4mN以上、より好ましくは5mN以上であり、通常は100mN以下である。溶融張力が3mNを下回ると、製膜性が低下し高品質のフィルムが得られ難くなる。

0055

本発明の液晶ポリマー組成物は、長さ85mm、幅1.75mm、厚さ1.75mmのスティック状試験片を用いて1GHzにおいて測定した誘電正接が、0.0015以下であるという特徴を有する。誘電正接は、好ましくは0.0013以下、より好ましくは0.001以下である。また、誘電正接は、通常0.0001以上である。

0056

本発明の液晶ポリマー組成物は、結晶融解温度(Tm)が、好ましくは310〜350℃であり、より好ましくは315〜348℃であり、さらに好ましくは320〜345℃であり、また、結晶化温度(Tc)が、好ましくは230〜310℃であり、より好ましくは235〜308℃であり、さらに好ましくは240〜305℃である。

0057

本発明の液晶ポリマー組成物は、上記の結晶融解温度(Tm)と結晶化温度(Tc)との差ΔT(Tm-Tc)が好ましくは40℃以上であり、より好ましくは42℃以上であり、さらに好ましくは45℃以上であり、特に好ましくは50℃以上である。ΔTの上限は、通常120℃である。ΔTが40℃以上、すなわち結晶融解温度(Tm)と結晶化温度(Tc)との差が大であるほど、製膜性が向上し、均一かつ高品質のフィルムを得ることができる。

0058

本発明の液晶ポリマー組成物は、任意の成分として、さらに無機および/または有機充填材を含有してもよい。

0060

これらの中では、タルクが、物性とコストのバランスが優れている点で好ましい。

0061

また、無機および/または有機充填材は、表面処理をされたものであってもよい。表面処理の方法としては、例えば、充填材表面に表面処理剤吸着させる方法、混練する際に表面処理剤を添加する方法などが挙げられる。

0062

表面処理剤としては、反応性カップリング剤であるシラン系カップリング剤チタネート系カップリング剤ボランカップリング剤など、潤滑剤である高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸金属塩フルオロカーボン系界面活性剤などが挙げられる。

0063

無機および/または有機充填材を配合する場合の含有量は、液晶ポリマーおよびポリアリレート樹脂の合計量100質量部に対して、1〜150質量部であることが好ましく、10〜100質量部であることがより好ましい。

0064

無機および/または有機充填材の含有量が1質量部未満であると、液晶ポリマー組成物について無機および/または有機充填材による機械強度および耐熱性の向上効果が得られにくく、150質量部を超えると流動性が低下する傾向がある。

0065

本発明の液晶ポリマー組成物には、液晶ポリマーとポリアリレート樹脂の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに他の添加剤や樹脂成分が添加されてもよい。

0066

他の添加剤の具体例としては、例えば、滑剤である高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩(ここで高級脂肪酸とは、炭素原子数10〜25のものをいう)など、離型改良剤であるポリシロキサンフッ素樹脂など、着色剤である染料顔料カーボンブラックなど、難燃剤帯電防止剤界面活性剤造核剤であるタルク、有機リン酸塩ソルビトール類など、アンチブロッキング剤酸化防止剤であるリン系酸化防止剤フェノール系酸化防止剤硫黄系酸化防止剤など、耐候剤、熱安定剤中和剤などが挙げられる。これらの添加剤は、単独でまたは2種以上を併用することができる。

0067

液晶ポリマー組成物における他の添加剤の合計量は、液晶ポリマーとポリアリレート樹脂の合計量100質量部に対して、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.1〜3質量部である。

0068

他の添加剤の合計量が0.01質量部未満であると、添加剤の機能を実現しにくく、5質量部を超えると、液晶ポリマー組成物の成形加工熱安定性が悪くなる傾向がある。

0069

また、上記他の添加剤のうち、滑剤、離型剤、アンチブロッキング剤などの添加剤を使用する場合は、液晶ポリマー組成物を作製する際に添加してもよいし、成形する際に液晶ポリマー組成物のペレット表面に付着させてもよい。

0070

他の樹脂成分の具体例としては、例えば、熱可塑性樹脂であるポリエステル、ポリアセタールポリフェニレンエーテルおよびその変性物ポリスルホンポリエーテルスルホンポリエーテルイミドポリアミドイミドなどや、熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂エポキシ樹脂ポリイミド樹脂などが挙げられる。これらの樹脂成分は単独でまたは2種以上を併用してもよい。

0071

他の樹脂成分を含有する場合、その含有量は、液晶ポリマーとポリアリレート樹脂の合計量100質量部に対して0.1〜100質量部であることが好ましく、0.2〜80質量部であることがより好ましい。

0072

本発明の液晶ポリマー組成物は、液晶ポリマーおよびポリアリレート樹脂、ならびに、相溶化剤、無機および/または有機充填材、他の添加剤、他の樹脂成分を混合し、バンバリーミキサーニーダー、一軸もしくは二軸押出機などを用いて、液晶ポリマーの結晶融解温度近傍から結晶融解温度+40℃の間の温度条件溶融混練して得ることができる。

0073

他の樹脂成分および他の添加剤は、予め液晶ポリマーまたはポリアリレート樹脂のいずれかに配合しておいてもよく、あるいは液晶ポリマーおよびポリアリレート樹脂を溶融混練して得られた液晶ポリマー組成物を成形する際に配合してもよい。

0074

本発明の液晶ポリマー組成物は、従来公知の射出成形圧縮成形押出成形ブローなどの成形法によって、射出成形品、フィルム、シートおよび不織布などの成形品に加工することができる。特に製膜性に優れることから、フィルムやシートに好適に加工することができる。

0075

以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれに限定されるものではない。

0076

実施例中の結晶融解温度、結晶化温度、荷重たわみ温度および誘電正接は、以下に記載の方法で測定した。

0077

〈結晶融解温度および結晶化温度〉
セイコーインスツルメンツ株式会社製Exstar6000を用いて測定を行った。液晶ポリマー組成物の試料を、室温から20℃/分の昇温条件下で測定した際の吸熱ピーク観測し、その温度より20〜50℃高い温度で10分間保持する。次いで20℃/分の降温条件で室温まで試料を冷却した際の発熱ピークを観測し、そのピークトップを示す温度を結晶化温度(Tc)とする。その後、室温まで試料を冷却した後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際の吸熱ピークを観測し、そのピークトップを示す温度を結晶融解温度(Tm)とする。

0078

〈溶融張力〉
溶融張力測定装置(東洋精機(株)製キャピログラフ1D)により、2.0mmφ×10mmのキャピラリーを用いて、ピストンの押出速度を5.0mm/s、巻き取り速度を0〜200m/分まで5分かけて上げる条件下で、結晶融解温度+20℃の溶融張力を測定した。

0079

〈荷重たわみ温度〉
射出成形機(日精樹脂工業(株)製UH1000−110)を用いて、短冊状試験片(長さ127mm×幅12.7mm×厚さ3.2mm)を成形し、これを用いてASTMD648に準拠し、荷重1.82MPa、昇温速度2℃/分で所定たわみ量(0.254mm)になる温度を測定した。

0080

〈誘電正接(tanδ)〉
射出成形機(日精樹脂工業株式会社製 UH1000−110)を用いて、長さ85mm、幅1.75mm、厚さ1.75mmのスティック状試験片を作成し、その試験片を用いて、ベクトルネットワークアナライザー(アジレントテクノロジー社製)にて1GHzおよび10GHzにおける誘電正接を空洞共振器摂動法により測定した。

0081

実施例において、下記の略号は以下の化合物を表す。
POB:4−ヒドロキシ安息香酸
BON6:6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸
BP:4,4’−ジヒドロキシビフェニル
HQ:ハイドロキノン
TPA:テレフタル酸
NDA:2,6−ナフタレンジカルボン酸
PAR:ポリアリレート樹脂

0082

[合成例1(LCP−1)]
トルクメーター付き攪拌装置および留出管を備えた反応容器に、BON6:660.5g(54.0モル%)、BP:254.2g(21.0モル%)、HQ:14.3g(2.0モル%)およびTPA:248.3g(23.0モル%)を仕込み、さらに全モノマー水酸基量(モル)に対して1.03倍モルの無水酢酸を仕込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。

0083

窒素ガス雰囲気下に室温から150℃まで1時間かけて昇温し、150℃で60分保持した。次いで、副生する酢酸を留出させつつ350℃まで7時間かけて昇温した後、90分かけて10mmHgにまで減圧した。所定のトルクを示した時点で重合反応を終了し、反応容器から内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリエステルのペレットを得た。重合時の留出酢酸量は、ほぼ理論値どおりであった。得られたペレットの結晶融解温度(Tm)は338℃であり、溶融粘度は23Pa・sであった。

0084

[合成例2(LCP−2)]
トルクメーター付き攪拌装置および留出管を備えた反応容器に、POB:655.4g(73モル%)およびBON6:330.2g(27モル%)を仕込み、さらに全モノマーの水酸基量(モル)に対して1.02倍モルの無水酢酸を仕込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。

0085

窒素ガス雰囲気下に室温から145℃まで1時間で昇温し、145℃にて30分間保持した。次いで、副生する酢酸を留去させつつ320℃まで7時間かけて昇温した後、80分かけて10mmHgにまで減圧した。所定のトルクを示した時点で重合反応を終了し、反応容器から内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリエステルのペレットを得た。重合時の留出酢酸量は、ほぼ理論値どおりであった。得られたペレットの結晶融解温度(Tm)は279℃であり、溶融粘度は21Pa・sであった。

0086

[合成例3(LCP−3)]
トルクメーター付き攪拌装置および留出管を備えた反応容器に、POB:641.9g(71.5モル%)、BON6:30.6g(2.5モル%)、HQ:93.0g(13モル%)およびNDA:182.7g(13モル%)を仕込み、さらに全モノマーの水酸基量(モル)に対して1.03倍モルの無水酢酸を仕込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。

0087

窒素ガス雰囲気下に室温〜145℃まで1時間かけて昇温し、145℃で30分保持した。次いで、副生する酢酸を留出させつつ345℃まで7時間かけて昇温した後、80分かけて10mmHgにまで減圧した。所定のトルクを示した時点で重合反応を終了し、反応容器から内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリエステル樹脂のペレットを得た。重合時の留出酢酸量は、ほぼ理論値どおりであった。得られたペレットの結晶融解温度(Tm)は321℃であり、溶融粘度は23Pa・sであった。

0088

[ポリアリレート樹脂]
ポリアリレート樹脂として、以下のものを使用した。
ポリアリレート樹脂:Uポリマー(登録商標)U−100(ユニチカ株式会社製)

0089

実施例1
液晶ポリマーとしてLCP−1を100質量部、およびポリアリレート樹脂3質量部を、2軸押出機(日本製鋼(株)製TEX−30)を用いて、350℃にて溶融混練を行い、液晶ポリマー組成物のペレットを得た。上記の方法により、結晶融解温度、結晶化温度、荷重たわみ温度および誘電正接について測定した。結果を表1に示す。
実施例2〜6、比較例1〜6

0090

LCP−1〜3、ポリアリレート樹脂について、表1に記載の含有量となるように配合し、実施例1と同様にしてペレットを得て、結晶融解温度、結晶化温度、荷重たわみ温度および誘電正接について測定した。結果を表1に示す。

実施例

0091

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