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技術 防火複層ガラス及び防火ガラスユニット

出願人 中島硝子工業株式会社
発明者 勇木健勇木徳仁舩尾真充
出願日 2019年5月28日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-099073
公開日 2020年12月3日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-193121
状態 未査定
技術分野 ガラス板等の固定及び戸板 特殊ウィング ガラスの接着
主要キーワード 防火効果 Eガラス 除去面積 熱反射膜 火炎放射 放射条件 ガラス板中央 除去幅
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年12月3日)のものです。
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図面 (10)

課題

高価なガラス板を用いず、外観が良好で、断熱性能及び防火性能に優れた防火複層ガラス及び防火ガラスユニットを提供する。

解決手段

3枚のガラス板がそれらの外周部に配されたスペーサを介して積層されてなる防火複層ガラスであって;火炎側から順に第1ガラス板、第2ガラス板及び第3ガラス板が配置され、第1ガラス板の火炎側の表面にはLOW−E膜が形成されておらず、第2ガラス板の火炎側の表面にLOW−E膜が形成されるとともに、スペーサ近傍の当該LOW−E膜が除去されており、かつ第3ガラス板の火炎側の表面の全体にLOW−E膜が形成されている、防火複層ガラスとする。

概要

背景

都市防火の観点から、防火地域又は準防火地域においては、建物外壁の開口部であって延焼のおそれのある部分に準遮炎性能が要求される。したがって、建物の周囲で発生する火災の延焼を防ぎ、建物の内部に火炎侵入させない防火性能を有するガラスユニットが求められている。

これまで、そのような防火性能を有するガラスユニットに用いられるガラス板としては、網入りガラス板低膨張ガラス板結晶化ガラス板表面圧縮応力が190MPa以上の耐熱強化ガラス板などの防火ガラス板が用いられていた。また、ガラスユニットが複層ガラスを用いる場合には、その中に用いられるガラス板の少なくとも1枚が上記防火ガラス板であった。

しかしながら、網入りガラス板は、網による外観上の問題を有していた。また、低膨張ガラス板や結晶化ガラス板は高価であった。さらに、表面圧縮応力が190MPa以上の耐熱強化ガラス板は、表面の平坦性が悪く、外観上の問題を有していた。

近年、省エネルギーの観点から建物の断熱性能が重要視されており、赤外線を効率良く反射するためのLOW−E(Low-Emissivity:低放射)膜が形成されたガラス板が、窓やドアなど建物の開口部に広く用いられている。そして多くの場合、LOW−Eガラス板を含む複層ガラスユニットとして用いられている。

非特許文献1には、強化されたLOW−Eガラス板の防火性能についての実験的研究報告されている。それによれば、火炎によってLOW−E膜側から加熱された場合には、LOW−E膜を有さないガラスを加熱した場合や、LOW−E膜の反対側から加熱した場合に比べて、ガラス板の中心部と周辺部の温度差を小さくすることができ、熱割れを抑制できたことが示されている。しかしながら、それでも熱割れの抑制効果は不十分であった。

特許文献1には、倍強度ガラスまたは倍強度ガラスを超える熱強化処理を施したガラスからなるガラス板の少なくとも片面に低放射率熱反射膜を設けた防火戸用単板ガラスが記載されている。また、当該単板ガラス板と、倍強度ガラスまたは倍強度ガラスを超える熱強化処理を施したガラスからなる第2のガラス板とを、前記熱反射膜の少なくとも一層が両ガラス板の間に介装されるように間隔を空けて対向配置した防火戸用複層ガラスが記載されていている。しかしながら、その防火性能は不十分であった。

特許文献2には、複数枚のガラス板がスペーサを介して隔置され、周縁部がシーリング材シールされて構成される複層ガラスであって、複数枚のガラス板は、少なくとも一枚の防火ガラス板と少なくとも一枚の防火ガラス板ではないガラス板とを含み、最外層に配置される二枚のガラス板のうち一方のガラス板の外側の面に非銀系低放射膜が備えられることを特徴とする防火用複層ガラスが記載されている。外側に傷つきにくい低放射膜を配置することによって、ガラスの昇温速度を低下させることができるとされている。また、安価なガラスを1枚使用することによってコスト上昇を抑制することもできるとされている。しかしながら高価な防火ガラスを1枚は使用しなければならずコスト面の問題を有していた。

概要

高価なガラス板を用いず、外観が良好で、断熱性能及び防火性能に優れた防火複層ガラス及び防火ガラスユニットを提供する。3枚のガラス板がそれらの外周部に配されたスペーサを介して積層されてなる防火複層ガラスであって;火炎側から順に第1ガラス板、第2ガラス板及び第3ガラス板が配置され、第1ガラス板の火炎側の表面にはLOW−E膜が形成されておらず、第2ガラス板の火炎側の表面にLOW−E膜が形成されるとともに、スペーサ近傍の当該LOW−E膜が除去されており、かつ第3ガラス板の火炎側の表面の全体にLOW−E膜が形成されている、防火複層ガラスとする。

目的

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、高価なガラス板を用いず、外観が良好で、断熱性能及び防火性能に優れた防火複層ガラス及び防火ガラスユニットを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

3枚のガラス板がそれらの外周部に配されたスペーサを介して積層されてなる防火複層ガラスであって;火炎側から順に第1ガラス板、第2ガラス板及び第3ガラス板が配置され、第1ガラス板の火炎側の表面にはLOW−E膜が形成されておらず、第2ガラス板の火炎側の表面にLOW−E膜が形成されるとともに、スペーサ近傍の当該LOW−E膜が除去されており、かつ第3ガラス板の火炎側の表面の全体にLOW−E膜が形成されている、防火複層ガラス。

請求項2

第1ガラス板の火炎反対側の表面の全体にLOW−E膜が形成されている請求項1に記載の複層ガラス

請求項3

第1ガラス板の表面圧縮応力が60MPa未満であり、第2ガラス板の表面圧縮応力が20MPa以上190MPa未満であり、第3ガラス板の表面圧縮応力が60MPa以上190MPa未満である請求項1又は2に記載の複層ガラス。

請求項4

第2ガラス板における、LOW−E膜の除去幅(W)がスペーサの端から2〜20mmである請求項1〜3のいずれかに記載の複層ガラス。

請求項5

第2ガラス板と第3ガラス板の間のスペーサの表面の放射率が0.5以上である請求項1〜4のいずれかに記載の複層ガラス。

請求項6

請求項1〜5のいずれかに記載の複層ガラスと、該複層ガラスを保持する枠体と、該複層ガラスと該枠体の隙間を封じるシーリング材とを備える防火ガラスユニット

請求項7

第2ガラス板の呑み込み深さ(D)に対する除去幅(W)の比(W/D)が0.5〜2である請求項6に記載のガラスユニット

請求項8

2枚のガラス板がそれらの外周部に配されたスペーサを介して積層されてなる複層ガラスと、該複層ガラスを保持する枠体と、該複層ガラスと該枠体の隙間を封じるシーリング材とを備える防火ガラスユニットであって;火炎側から順に第1ガラス板及び第2ガラス板が配置され、第1ガラス板の火炎側の表面にLOW−E膜が形成されるとともに、シーリング材近傍の当該LOW−E膜が除去されており、かつ第2ガラス板の火炎側の表面の全体にLOW−E膜が形成されている、防火ガラスユニット。

請求項9

第1ガラス板の表面圧縮応力が20MPa以上190MPa未満であり、第2ガラス板の表面圧縮応力が60MPa以上190MPa未満である請求項8に記載のガラスユニット。

請求項10

3枚のガラス板がそれらの外周部に配されたスペーサを介して積層されてなる複層ガラスと、該複層ガラスを保持する枠体と、該複層ガラスと該枠体の隙間を封じるシーリング材とを備える防火ガラスユニットであって;火炎側から順に第1ガラス板、第2ガラス板及び第3ガラス板が配置され、第1ガラス板の火炎側の表面にLOW−E膜が形成されるとともに、シーリング材近傍の当該LOW−E膜が除去されており、第2ガラス板及び第3ガラス板の火炎側の表面の全体にLOW−E膜が形成されている、防火ガラスユニット。

請求項11

第1ガラス板の表面圧縮応力が20MPa以上190MPa未満であり、第2ガラス板及び第3ガラス板の表面圧縮応力が60MPa以上190MPa未満である請求項10に記載のガラスユニット。

請求項12

第1ガラス板と第2ガラス板の間のスペーサの表面の放射率が0.5以上である請求項8〜11のいずれかに記載のガラスユニット。

請求項13

第1ガラス板における、LOW−E膜の除去幅(W)がシール部材の端から2〜20mmである請求項8〜12のいずれかに記載のガラスユニット。

請求項14

第1ガラス板の呑み込み深さ(D)に対する除去幅(W)の比(W/D)が0.5〜2である請求項8〜13のいずれかに記載のガラスユニット。

技術分野

0001

本発明は、火災時にガラス板熱割れしにくい防火複層ガラス及び防火ガラスユニットに関する。

背景技術

0002

都市防火の観点から、防火地域又は準防火地域においては、建物外壁の開口部であって延焼のおそれのある部分に準遮炎性能が要求される。したがって、建物の周囲で発生する火災の延焼を防ぎ、建物の内部に火炎侵入させない防火性能を有するガラスユニットが求められている。

0003

これまで、そのような防火性能を有するガラスユニットに用いられるガラス板としては、網入りガラス板低膨張ガラス板結晶化ガラス板表面圧縮応力が190MPa以上の耐熱強化ガラス板などの防火ガラス板が用いられていた。また、ガラスユニットが複層ガラスを用いる場合には、その中に用いられるガラス板の少なくとも1枚が上記防火ガラス板であった。

0004

しかしながら、網入りガラス板は、網による外観上の問題を有していた。また、低膨張ガラス板や結晶化ガラス板は高価であった。さらに、表面圧縮応力が190MPa以上の耐熱強化ガラス板は、表面の平坦性が悪く、外観上の問題を有していた。

0005

近年、省エネルギーの観点から建物の断熱性能が重要視されており、赤外線を効率良く反射するためのLOW−E(Low-Emissivity:低放射)膜が形成されたガラス板が、窓やドアなど建物の開口部に広く用いられている。そして多くの場合、LOW−Eガラス板を含む複層ガラスユニットとして用いられている。

0006

非特許文献1には、強化されたLOW−Eガラス板の防火性能についての実験的研究報告されている。それによれば、火炎によってLOW−E膜側から加熱された場合には、LOW−E膜を有さないガラスを加熱した場合や、LOW−E膜の反対側から加熱した場合に比べて、ガラス板の中心部と周辺部の温度差を小さくすることができ、熱割れを抑制できたことが示されている。しかしながら、それでも熱割れの抑制効果は不十分であった。

0007

特許文献1には、倍強度ガラスまたは倍強度ガラスを超える熱強化処理を施したガラスからなるガラス板の少なくとも片面に低放射率熱反射膜を設けた防火戸用単板ガラスが記載されている。また、当該単板ガラス板と、倍強度ガラスまたは倍強度ガラスを超える熱強化処理を施したガラスからなる第2のガラス板とを、前記熱反射膜の少なくとも一層が両ガラス板の間に介装されるように間隔を空けて対向配置した防火戸用複層ガラスが記載されていている。しかしながら、その防火性能は不十分であった。

0008

特許文献2には、複数枚のガラス板がスペーサを介して隔置され、周縁部がシーリング材シールされて構成される複層ガラスであって、複数枚のガラス板は、少なくとも一枚の防火ガラス板と少なくとも一枚の防火ガラス板ではないガラス板とを含み、最外層に配置される二枚のガラス板のうち一方のガラス板の外側の面に非銀系低放射膜が備えられることを特徴とする防火用複層ガラスが記載されている。外側に傷つきにくい低放射膜を配置することによって、ガラスの昇温速度を低下させることができるとされている。また、安価なガラスを1枚使用することによってコスト上昇を抑制することもできるとされている。しかしながら高価な防火ガラスを1枚は使用しなければならずコスト面の問題を有していた。

0009

WO2013/065641A1
特開2014−97901号公報

先行技術

0010

耐火炉を用いたLow-Eガラスの防火性能に関する実験的研究」鈴木一幸ら、日本建築学会環境系論文集、第81巻、第727号、p739−747、2016年9月

発明が解決しようとする課題

0011

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、高価なガラス板を用いず、外観が良好で、断熱性能及び防火性能に優れた防火複層ガラス及び防火ガラスユニットを提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0012

上記課題は、3枚のガラス板がそれらの外周部に配されたスペーサを介して積層されてなる防火複層ガラスであって;火炎側から順に第1ガラス板、第2ガラス板及び第3ガラス板が配置され、第1ガラス板の火炎側の表面にはLOW−E膜が形成されておらず、第2ガラス板の火炎側の表面にLOW−E膜が形成されるとともに、スペーサ近傍の当該LOW−E膜が除去されており、かつ第3ガラス板の火炎側の表面の全体にLOW−E膜が形成されている、防火複層ガラスを提供することによって解決される。

0013

このとき、第1ガラス板の火炎反対側の表面の全体にLOW−E膜が形成されていることが好ましい。第1ガラス板の表面圧縮応力が60MPa未満であり、第2ガラス板の表面圧縮応力が20MPa以上190MPa未満であり、第3ガラス板の表面圧縮応力が60MPa以上190MPa未満であることも好ましい。第2ガラス板における、LOW−E膜の除去幅(W)がスペーサの端から2〜20mmであることも好ましい。また、第2ガラス板と第3ガラス板の間のスペーサの表面の放射率が0.5以上であることも好ましい。

0014

本発明の好適な実施態様は、前記複層ガラスと、該複層ガラスを保持する枠体と、該複層ガラスと該枠体の隙間を封じるシーリング材とを備える防火ガラスユニットである。このとき、第2ガラス板の呑み込み深さ(D)に対する除去幅(W)の比(W/D)が0.5〜2であることが好ましい。

0015

上記課題は、2枚のガラス板がそれらの外周部に配されたスペーサを介して積層されてなる複層ガラスと、該複層ガラスを保持する枠体と、該複層ガラスと該枠体の隙間を封じるシーリング材とを備える防火ガラスユニットであって;火炎側から順に第1ガラス板及び第2ガラス板が配置され、第1ガラス板の火炎側の表面にLOW−E膜が形成されるとともに、シーリング材近傍の当該LOW−E膜が除去されており、かつ第2ガラス板の火炎側の表面の全体にLOW−E膜が形成されている、防火ガラスユニットを提供することによっても解決される。このとき、第1ガラス板の表面圧縮応力が20MPa以上190MPa未満であり、第2ガラス板の表面圧縮応力が60MPa以上190MPa未満であることが好ましい。

0016

また上記課題は、3枚のガラス板がそれらの外周部に配されたスペーサを介して積層されてなる複層ガラスと、該複層ガラスを保持する枠体と、該複層ガラスと該枠体の隙間を封じるシーリング材とを備える防火ガラスユニットであって;火炎側から順に第1ガラス板、第2ガラス板及び第3ガラス板が配置され、第1ガラス板の火炎側の表面にLOW−E膜が形成されるとともに、シーリング材近傍の当該LOW−E膜が除去されており、第2ガラス板及び第3ガラス板の火炎側の表面の全体にLOW−E膜が形成されている、防火ガラスユニットを提供することによっても解決される。このとき、第1ガラス板の表面圧縮応力が20MPa以上190MPa未満であり、第2ガラス板及び第3ガラス板の表面圧縮応力が60MPa以上190MPa未満であることが好ましい。

0017

前記防火ガラスユニットにおいて、第1ガラス板と第2ガラス板の間のスペーサの表面の放射率が0.5以上であることが好ましい。第1ガラス板における、LOW−E膜の除去幅(W)がシール部材の端から2〜20mmであることも好ましい。また、第1ガラス板の呑み込み深さ(D)に対する除去幅(W)の比(W/D)が0.5〜2であることも好ましい。

発明の効果

0018

本発明の防火複層ガラス及び防火ガラスユニットは、高価なガラス板を用いないにもかかわらず、外観が良好で、断熱性能及び防火性能にも優れている。したがって、建物の周囲で発生する火災の延焼を防ぎ、建物の内部への火炎の侵入を防止することができる。

図面の簡単な説明

0019

2枚のガラス板が積層されてなる複層ガラスを含む本発明の防火ガラスユニットの一例の模式断面図である。
第1ガラス板及び第2ガラス板の中央部の温度変化を示したグラフである。
シーリング材の端の位置の第1ガラス板の温度変化を示したグラフである。
枠体に呑み込まれた第1ガラス板のエッジの温度変化を示したグラフである。
シーリング材の端の位置の第2ガラス板の温度変化を示したグラフである。
枠体に呑み込まれた第2ガラス板のエッジの温度変化を示したグラフである。
3枚のガラス板が積層されてなる複層ガラスを含む本発明の防火ガラスユニットの一例の模式断面図である。
3枚のガラス板が積層されてなる本発明の複層ガラスの一例の模式断面図である。
3枚のガラス板が積層されてなる複層ガラスを含む本発明の防火ガラスユニットの一例の模式断面図である。

実施例

0020

本発明の第1の態様は、2枚のガラス板がそれらの外周部に配されたスペーサを介して積層されてなる複層ガラスと、該複層ガラスを保持する枠体と、該複層ガラスと該枠体の隙間を封じるシーリング材とを備える防火ガラスユニットであって;火炎側から順に第1ガラス板及び第2ガラス板が配置され、第1ガラス板の火炎側の表面にLOW−E膜が形成されるとともに、シーリング材近傍の当該LOW−E膜が除去されており、かつ第2ガラス板の火炎側の表面の全体にLOW−E膜が形成されている、防火ガラスユニットである。以下、図1を参照しながら説明する。

0021

図1に示される防火ガラスユニット1は、2枚のガラス板(11,12)がそれらの外周部に配されたスペーサ33を介して積層されてなる複層ガラスと、該複層ガラスを保持する枠体31と、該複層ガラスと該枠体31の隙間を封じるシーリング材(32,34)とを備える。図1では、防火ガラスユニット1の下辺のみを示しているが、4辺ともに同様の構成を有している。火炎2の存在する側から反対側への延焼を防ぐことが本発明の防火ガラスユニット1の目的である。通常、火炎2の存在するところが屋外であり、そこから建物内への延焼を防ぐ。

0022

ガラス板(11,12)の材質は特に限定されるものではないが、通常、ソーダライムガラスが用いられる。第1ガラス板11の表面圧縮応力は、20MPa以上190MPa未満であることが好ましい。また、第2ガラス板12の表面圧縮応力は、60MPa以上190MPa未満であることが好ましい。表面圧縮応力が高いことによって、火炎に晒された時の熱割れの発生を抑制することができる。ここで、熱割れとは1枚のガラス板の中での温度差によって生じる割れのことをいう。火災発生時には、ガラス板の中央部が速やかに高温になるのに対し、枠体31に呑み込まれた周辺部の温度は低いままである。このとき、ガラス板中央部が周辺部に比べて膨張して発生する応力によって、ガラス板のエッジに引っ張り応力が発生し、熱割れが発生する。

0023

後に説明するように、第1の態様の防火ガラスユニット1においては、火災発生時に、まず火炎2側に配置された第1ガラス板11が破損し、その後に第2ガラス板12が破損する。このとき、第1ガラス板11の破損をできるだけ遅らせたい場合には、第1ガラス板11の表面圧縮応力が60MPa以上190MPa未満であることが好ましい。このときの第1ガラス板11の表面圧縮応力は、より好適には80MPa以上であり、さらに好適には90MPa以上である。一方、第1ガラス板11が破損して生じた細片が第2ガラス板12を傷つける可能性を下げたい場合には、第1ガラス板11の表面圧縮応力は、20MPa以上60MPa未満であることが好ましい。第1ガラス板11の表面圧縮応力は、より好適には30MPa以上であり、より好適には50MPa以下である。

0024

一方、ガラス板(11,12)の表面圧縮応力が高すぎると、ガラス板にたわみが生じ、外観が悪化する。表面圧縮応力が190MPa未満であることによって、ガラス板(11,12)の表面が平滑になる。ガラス板(11,12)の表面圧縮応力は、より好適には150MPa未満であり、さらに好適には130MPa未満である。ガラス板の厚さは特に限定されないが、通常2〜10mmである。

0025

ガラス板(11,12)の火炎2側の表面にLOW−E膜(21,22)が形成されている。LOW−E膜(21,22)が火炎2側の表面に形成されることによって、火炎2から発生した赤外線がLOW−E膜(21,22)で反射される。これによって、ガラス板(11,12)内に入射する赤外線の量を抑制して、ガラス板(11,12)の温度上昇速度を低下させることができる。

0026

LOW−E膜(21,22)は、可視光を透過し、赤外線を反射する被膜である。その被膜の組成は特に限定されない。代表的なものの一つが、酸化スズ(SnO2)を主成分とするものであり、フッ素などの他の原子がドープされていてもよい。このような酸化スズ系のLOW−E膜は、放射率がそれほど低くないが、膜の強度が高く、酸化劣化することもないので、外気と触れる最外層に設けられる場合に好適に用いられる。また、代表的な他の一つは、銀などの低放射率の金属層を含むものである。例えば、銀層亜鉛層を交互に積層した被膜などが挙げられる。このような低放射率金属系、特に銀系のLOW−E膜は、放射率が低いので、防火効果断熱効果も優れている。しかしながら、膜が酸化されやすく、しかも傷つきやすいので、最外層に使用することは難しく、複層ガラスの内面に用いられることが多い。LOW−E膜22の放射率は、好適には0.3以下であり、より好適には0.2以下であり、さらに好適には0.1以下である。

0027

第1の態様の防火ガラスユニット1では、第1ガラス板11においてシーリング材32近傍のLOW−E膜21が除去されていることが最大の特徴である。LOW−E膜21が除去された部分では、火炎2から発生した赤外線の多くをガラス板11内に入射させることができる。入射した赤外線の一部は第1ガラス板11に吸収され、第1ガラス板11に吸収されなかった赤外線の多くは、第1ガラス板11と第2ガラス板12の間に挟まれた空間に進行する。

0028

このように、LOW−E膜21が除去された部分では、火炎2から発生した赤外線の一部が第1ガラス板11に吸収されることによって、LOW−E膜21が除去された部分の第1ガラス板11の温度が上昇する。この部分の温度を上昇させることによって、枠体31に呑み込まれた部分に伝熱して、第1ガラス板11のエッジの温度を伝熱によって上昇させることができる。すなわち、第1ガラス板11の中心部の温度上昇をLOW−E膜21によって抑制するとともに、シーリング材32近傍の当該LOW−E膜21を除去することによって枠体31に呑み込まれた第1ガラス板11のエッジの温度を上昇させることができ、その結果、両者の温度差を小さくすることができ、第1ガラス板11の熱割れの発生を抑制できる。また、第1ガラス板11が熱割れする場合であっても熱割れまでの時間を延長することができる。同時に、スペーサ33やシーリング材32などを介して第2ガラス板21のエッジの温度を伝熱によって上昇させることができる。

0029

また、第1ガラス板11が熱割れするまでの間、LOW−E膜21が除去された部分では、火炎2から発生した赤外線の一部が第1ガラス板11を透過して、第1ガラス板11と第2ガラス板12の間に挟まれた空間に進行する。この赤外線は、スペーサ33やシーリング材32近傍のLOW−E膜22に照射され、そこで吸収された赤外線によって第2ガラス板21のエッジの温度を伝熱によって上昇させることもできる。その結果、第1ガラス板11が熱割れするまでの間に第2ガラス板12のエッジの温度が上昇する。これによって、第1ガラス板11の破損によって第2ガラス板12の中央部の温度が上昇しても、既に第2ガラス板12のエッジの温度が高いので、熱割れを効果的に抑制することができる。

0030

シーリング材32近傍のLOW−E膜21を除去する方法は特に限定されない。研削装置を用いて機械的に除去することもできるし、レーザ光を照射して熱的に除去することもできるし、化学薬品を用いて除去することもできる。なお、シーリング材とガラス板の接着性を向上させるために、シーリング材と接触する位置のLOW−E膜を除去することは、従来から行われていた。しかしながら、断熱性能や外観上のデメリットにもかかわらず、敢えてシーリング材と接触しない位置のLOW−E膜まで除去することはされていなかった。

0031

第1ガラス板11と第2ガラス板12の間のスペーサ33の表面の放射率が0.5以上であることが好ましい。LOW−E膜21が除去された部分を通った赤外線がスペーサ33の表面で反射されずにスペーサに吸収されやすくなり、その結果第2ガラス板12のエッジに熱を伝えやすくなる。スペーサ33の材質は特に限定されないが、ステンレスなどの金属の表面に黒色など濃色の塗膜を形成したものなどが好適に用いられる。

0032

シーリング材(32,34)の材質は特に限定されないが、シリコーンシーラントなどが好適に用いられる。防火ガラスユニット1の4辺のうちの下辺には、シーリング材34の位置にセッティングブロックを配置して、複層ガラスを支えてもよい。この場合には、セッティングブロックの周囲がシーリング材34で封止される。セッティングブロックの材質は特に限定されないが、EPDMなどのエラストマーが好適に用いられる。

0033

以上説明した効果を定量的に把握するために、図1に示される防火ガラスユニット1の構成で、温度のシミュレーションを行った。厚さ3mmのガラス板(11,12)が、表面が黒色の塗膜で覆われたステンレス製のスペーサ33及びシーリング剤34を介して配置され、ガラス板(11,12)の間に10mmの空気層が形成された複層ガラスを10mmの呑み込み深さ(D)でシーリング材32中に埋めた解析モデルとした。モデリングは、Autodesk Inventorにて実施し、ソルバとしてNastran InCADを用いた。境界条件は、ISO 15099をベースに、放射および対流条件を設定することにより設定した。火炎側の対流条件はISO_834の燃焼カーブを用いた。火炎側の放射条件は、著者上川大輔、第2回(2005年)記念研究助成、「耐火加熱炉熱収支特性解明木質系耐火構造試験における火災減衰期の再現法の提案報告書」(2006年3月発行)の記載データ(図2.11、図3.4、図3.9、図3.14、図3.19)を参照して、ガラス近傍の温度と、そこから900mm離れた位置のバーナー付近の温度差を推定し、ISO_834に100℃をプラスする調整を行った。

0034

前記解析に用いた物性パラメータは以下の通りである。
低放射膜の放射率(ε):0.05
低放射膜のないガラスの放射率(ε):0.4
塗膜で覆われたステンレス製スペーサの放射率(ε):0.9
シーリング材の熱伝導率:0.4W/m・K
空気の熱伝達率:0.07W/m・K
ガラスの熱伝導率:1.0W/m・K

0035

シミュレーションの結果を図2〜6に示す。図2はガラス板(11,12)の中央部の温度変化を示したものである。黒丸が第1ガラス板11のLOW−E膜21面の温度であり、白丸がその裏面のガラス面の温度である。また、黒星が第2ガラス板12のLOW−E膜22面の温度であり、白星がその裏面のガラス面の温度である。このとき、ガラス板(11,12)の中央部の温度は、シーリング材32の端からの除去幅(W)を変化させても大きな変化はない。図3は、シーリング材32の端の位置の第1ガラス板11の温度変化を示したものである。図4は、シーリング剤32に呑み込まれた第1ガラス板11のエッジの温度変化を示したものである。図5は、シーリング材32の端の位置の第2ガラス板12の温度変化を示したものである。また図6は、シーリング剤32に呑み込まれた第2ガラス板12のエッジの温度変化を示したものである。図3〜6では、LOW−E膜(21,22)の除去幅Wを変化させたときのガラスの温度変化を示した。

0036

図2に示されるように、第1ガラス板11の中央部の温度は、火炎放射開始後に急激に上昇する。このとき、第1ガラス板11の裏表の温度差は小さい。一方、第2ガラス板12の中央部の温度上昇速度は第1ガラス板11に比べてはるかに小さい。このとき、第2ガラス板12の裏表の温度差はほとんどない。これらのことから、火炎2からの赤外線が第1ガラス板11によって遮られて、第2ガラス板12の中央部の温度上昇を効果的に抑制できていることがわかる。

0037

図3に示されるように、第1ガラス板11のシーリング材32の端の位置では、火炎放射開始後にすぐ温度上昇を開始するが、その上昇速度は中央部に比べて遅い。一方、図4に示されるように、第1ガラス板11のエッジでは、最初に温度が上昇しない期間があり、その後遅れて温度が上昇する。しかも、その上昇速度はシーリング材32の端の位置よりも遅い。

0038

このように、先に第1ガラス板11の中央の温度が高くなり、それを第1ガラス板11のエッジの温度が追随している。したがって、中央部と周辺部の温度差を小さくするためには、第1ガラス板11の周辺部の温度を早く上昇させることが重要である。ここで、図3及び図4をみればわかるように、シーリング材32近傍のLOW−E膜21を除去することによって、第1ガラス板11の周辺部の温度上昇速度を効果的に向上させられることがわかった。しかも、驚くべきことに、僅かな除去幅であっても有効であることがわかった。図3及び4に示されるように、5mmの幅で除去しただけで温度上昇速度が大きく向上した。そして、10mmの幅で除去した時には40mmの幅で除去した時と比べて大きな差がなかった。ガラスユニットの断熱効果を考えると除去面積は小さいほど良いので、小面積の除去であっても、第1ガラス板11のエッジの十分な加熱効果が認められることは極めて有用である。これによって、第1ガラス板11の熱割れの発生を抑制できる。また、第1ガラス板11が熱割れする場合であっても熱割れまでの時間を延長することができる。

0039

そして、図5及び図6をみればわかるように、第2ガラス板のシーリング材32の端の位置でも、エッジでも、火炎放射開始後しばらくは温度が上昇しない期間があり、その後温度が上昇する。このとき、第1ガラス板11においてシーリング材32近傍のLOW−E膜22を除去することによって、第2ガラス板12の周辺部の温度上昇速度を効果的に向上させられることがわかった。これにより、第1ガラス板11が熱割れするまでの間に第2ガラス板12のエッジの温度が上昇する。一方、第1ガラス板11が熱割れするまでの間は、火炎2からの赤外線が第1ガラス板11によって遮られて、第2ガラス板12の中央部の温度上昇を効果的に抑制できる。したがって、第1ガラス板11が熱割れし、第2ガラス板12の中央部の温度が急激に上昇しても、既に第2ガラス板12のエッジの温度が高いので、熱割れを効果的に抑制することができる。

0040

以上のようなシミュレーションの結果から、LOW−E膜21の除去幅(W)がシーリング材32の端から2〜20mmであることが好ましい。除去幅(W)を2mm以上とすることによって、ガラス板(11,12)のエッジの温度を速やかに上昇させることができる。除去幅(W)は、より好適には3mm以上であり、さらに好適には4mm以上である。一方、除去幅(W)が20mmを超えると、防火ガラスユニット1の断熱性が低下する上に、LOW−E膜21の有無の境界が目立ちやすくなる。除去幅(W)は、より好適には15mm以下であり、さらに好適には10mm以下である。

0041

ガラス板(11,12)の呑み込み深さ(D)は、防火ガラスユニット1の設計によって調整されるが、通常3〜25mmである。呑み込み深さ(D)が小さすぎると、外力や熱によって、ガラス板(11,12)が枠体31から外れるおそれがある。呑み込み深さ(D)は、より好適には5mm以上であり、さらに好適には7mm以上である。一方、呑み込み深さ(D)が大きすぎると、ガラス板(11,12)のエッジの加熱が困難になり、熱割れをしやすくなるおそれがある。呑み込み深さ(D)は、より好適には20mm以下であり、さらに好適には15mm以下である。

0042

また、ガラス板(11,12)の呑み込み深さ(D)に対する除去幅(W)の比(W/D)が0.5〜2であることも好ましい。除去幅(W)は赤外線を吸収する面積に比例するものであり、呑み込み深さ(D)は、伝熱により加熱すべき熱容量に比例するものである。したがって、これらの値が適当にバランスされていることが好ましい。比(W/D)は、0.6以上であることがより好ましく、0.7以上であることがさらに好ましい。一方、比(W/D)は、1.8以下であることがより好ましく、1.6以下であることがさらに好ましい。

0043

本発明の第2の態様は、3枚のガラス板がそれらの外周部に配されたスペーサを介して積層されてなる複層ガラスと、該複層ガラスを保持する枠体と、該複層ガラスと該枠体の隙間を封じるシーリング材とを備える防火ガラスユニットであって;火炎側から順に第1ガラス板、第2ガラス板及び第3ガラス板が配置され、第1ガラス板の火炎側の表面にLOW−E膜が形成されるとともに、シーリング材近傍の当該LOW−E膜が除去されており、第2ガラス板及び第3ガラス板の火炎側の表面の全体にLOW−E膜が形成されている、防火ガラスユニットである。以下、図7を参照しながら説明する。

0044

図7に示される防火複層ガラスユニット1は、第2ガラス板12の火炎2の反対側に、さらに第3ガラス板13を追加した点を除けば、2枚のガラス板11、12を含む図1の防火複層ガラスユニット1と同様である。第2ガラス板12と第3ガラス板13の間には、スペーサ33とシーリング材34が配置されている。第3ガラス板13としては、第2ガラス板と同様のものを用いることができ、その火炎2側の表面の全体にLOW−E膜23が形成されている。第1ガラス板11に続き第2ガラス板12が熱割れした後にも、まだ第3ガラス板13が残っているので、第1の態様の防火複層ガラスユニット1よりも優れた防火性能を有している。

0045

第2の態様の防火ガラスユニット1においては、LOW−E膜が3層設けられる上に、そのうちの2枚のLOW−E膜22、23はガラス板12、13の表面全体に形成される。しかも、LOW−E膜22、23については最外層に配置されないので、放射率の低い低放射率金属系、特に銀系のLOW−E膜を用いることができる。したがって、断熱性能が第1の態様よりも優れたものになる。

0046

本発明の第3の態様は、3枚のガラス板がそれらの外周部に配されたスペーサを介して積層されてなる防火複層ガラスであって;火炎側から順に第1ガラス板、第2ガラス板及び第3ガラス板が配置され、第1ガラス板の火炎側の表面にはLOW−E膜が形成されておらず、第2ガラス板の火炎側の表面にLOW−E膜が形成されるとともに、スペーサ近傍の当該LOW−E膜が除去されており、かつ第3ガラス板の火炎側の表面の全体にLOW−E膜が形成されている、防火複層ガラスである。以下、図8を参照しながら説明する。

0047

図8に示される防火複層ガラス3は、3枚のガラス板(11,12,13)がそれらの外周部に配されたスペーサ33を介して積層されてなる。好適な実施態様は、図9に示されるように、防火複層ガラス3と、該複層ガラス3を保持する枠体31と、該複層ガラス3と該枠体31の隙間を封じるシーリング材32とを備える防火ガラスユニット1である。この防火ガラスユニット1は、第1の態様の防火ガラスユニット1の火炎2側にさらに1枚のガラス板を追加した構造である。火炎2の存在する側から反対側への延焼を防ぐことが本発明の防火ガラスユニット1の目的である。通常、火炎2の存在するところが屋外であり、そこから建物内への延焼を防ぐ。

0048

ガラス板(11,12,13)の材質及び厚みは、第1の態様のガラス板(11,12)と同様である。第1ガラス板11の表面圧縮応力は、60MPa未満であることが好ましい。第1ガラス板11は火炎に晒された時に最初に割れるので、割れた時に破片が飛び散って第2ガラス板12を破損することがないように表面圧縮応力が大きすぎないほうがよい。第1ガラス板11の表面圧縮応力はより好適には50MPa未満である。一方、第1ガラス板11が熱割れするまでの時間を少しでも延ばせるという観点からは、第1ガラス板11の表面圧縮応力はより好適には20MPa以上であり、さらに好適には30MPa以上である。第2ガラス板12の表面圧縮応力は、第1の態様の第1ガラス板11と同様である。また第3ガラス板13の表面圧縮応力は、第1の態様の第2ガラス板12と同様である。

0049

第1ガラス板11の火炎2側の表面にはLOW−E膜が形成されていない。火炎2側の表面は、通常屋外に面するので、LOW−E膜が劣化して遮熱性や外観が悪化するおそれがあって好ましくない。この点で、第1の態様及び第2の態様よりも優れている。一方、断熱性の観点からは、第1ガラス板11の火炎2の反対側の表面の全体にLOW−E膜21が形成されていることが好ましい。第2ガラス板12及び第3ガラス板13の火炎2側の表面にはLOW−E膜(22,23)が形成されている。LOW−E膜(22,23)が火炎2側の表面に形成されることによって、火炎2から発生した赤外線がLOW−E膜(22,23)で反射される。これによって、ガラス板(12,13)内に入射する赤外線の量を抑制して、ガラス板(12,13)の温度上昇速度を低下させることができる。ガラス板(11,12,13)に形成されるLOW−E膜は第1の態様で用いられるLOW−E膜と同様のものを用いることができる。ただし、いずれも複層ガラスの内面に用いられるので、低放射率金属系、特に銀系のLOW−E膜を用いることが好ましい。

0050

第2ガラス板の火炎側の表面にLOW−E膜22が形成されるとともに、スペーサ33近傍の当該LOW−E膜22が除去されている。この点は、第1の態様の第1ガラス板11においてシーリング材32の近傍のLOW−E膜12が除去されるのと同様である。また、第3ガラス板13の火炎2側の表面の全体にLOW−E膜23が形成されている。この点は、第1の態様の第2ガラス板12と同様である。

0051

LOW−E膜22の除去幅(W)は、第1の態様の、LOW−E膜21の除去幅(W)と同様である。ガラス板(11,12,13)の呑み込み深さ(D)は、第1の態様のガラス板(11,12)の呑み込み深さ(D)と同様である。また、呑み込み深さ(D)に対する除去幅(W)の比(W/D)も第1の態様と同様である。

0052

スペーサ33の外周側にはシーリング材34が配置されている。図8では、防火複層ガラス3の下辺のみを示しているが、4辺ともに同様の構成を有している。スペーサ33及びシーリング材34の材質は、第1の態様と同様である。防火ガラスユニット1の4辺のうちの下辺には、第1の態様と同様にセッティングブロックを設けてもよい。

0053

第3の態様の防火積層ガラス3においては、火炎放射開始後に、第1ガラス板11の中央部の温度が上昇する。第1ガラス板11の火炎2側にLOW−E膜が形成されていないので、急激に温度上昇し、比較的短時間に熱割れを生じる。その後、2枚のガラス板のみが残った状況での挙動は、第1の態様と同様である。第1のガラス板11が破損するまでの時間の分だけ、第1の態様よりも防火性に優れる。また、低放射率金属系、特に銀系のLOW−E膜(21,23)を2枚のガラス板(11,13)の全面に用いることができるので、第1の態様及び第2の態様よりも断熱性に優れている。

0054

1防火ガラスユニット
2火炎
3防火複層ガラス
11 第1ガラス板
12 第2ガラス板
13 第3ガラス板
21、22、23 LOW−E膜
31枠体
32、34シーリング材
33 スペーサ

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