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課題
解決手段
概要
背景
車両における電力又は電力量の需要と供給を制御するシステムとして、特許文献1に、車載ソーラーパネルの発電量及び車載バッテリの蓄電量に基づいて、駐車車両の空調(エアコン、ブロワ)を制御する装置が開示されている。このシステムでは、車載ソーラーパネルの発電量が所定値より多い場合や車載バッテリの蓄電量に余裕がある場合に車両の空調を制御することで、車載バッテリの蓄電量不足を防止しつつ車室内を快適に制御している。
また、特許文献2に、駆動用バッテリ及び補機バッテリの蓄電量に基づいて、車両の駐車中における駆動用バッテリから補機バッテリへの電力移送を制御するシステムが開示されている。このシステムでは、駐車中に補機バッテリの蓄電量が閾値まで低下した場合、駆動用バッテリの蓄電量が所定値以上あれば、駆動用バッテリの電力によって補機バッテリを充電することで補機バッテリ上がりを防止している。
概要
車両で発生する電力等の需要に対して、外部電源に接続された充電器から供給される電力等を好適に利用できる需給制御システムを提供する。本需給制御システムが備える車載バッテリ及び充電器を制御する制御装置は、車載機器で発生した電力等の総需要を求め、車載バッテリから供給可能な電力等で総需要を満足できるか否かを判断し、車載バッテリだけで総需要を満足できない場合、車載バッテリと充電器とから供給可能な総電力等で総需要を満足できれば充電器を駆動状態にする。
目的
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、車両で発生する電力又は電力量の需要に対して、外部電源に接続された充電器から供給される電力又は電力量を好適に利用することができる車両用需給制御システムを提供する
効果
実績
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請求項1
車両に搭載され、車両における電力又は電力量の需要と供給を制御する車両用需給制御システムであって、車載バッテリと、接続される外部電源から1つ以上の車載機器へ電力供給が可能な充電器と、前記車載バッテリ及び前記充電器を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、駐車中において、前記1つ以上の車載機器で発生した電力又は電力量の需要の合計である総需要を求め、前記車載バッテリから供給可能な電力又は電力量で前記総需要を満足できるか否かを判断し、前記車載バッテリだけで前記総需要を満足できない場合、前記車載バッテリと前記充電器とから供給可能な総電力又は総電力量で前記総需要を満足できれば、前記充電器を駆動状態に制御する、車両用需給制御システム。
請求項2
前記制御装置は、前記車載バッテリだけで前記総需要を満足できる場合、前記所定の情報として、前記車載バッテリ及び前記充電器にそれぞれ設定された、前記1つ以上の車載機器で発生する電力又は電力量の需要を分類するために予め定義された複数の優先ランク毎に、より高い優先ランクに設定された値の範囲内で、より高い優先ランクの需要に対して供給する電力又は電力量を確保し、かつ、自優先ランクの需要への供給を許容できる電力又は電力量の上限を示す許容限界に基づいて、前記充電器を前記車載機器への電力供給を行う駆動状態及び前記車載機器へ電力供給を行わない停止状態のいずれかに制御する、請求項1に記載の車両用需給制御システム。
請求項3
前記制御装置は、前記優先ランクの少なくとも1つにおいて、自優先ランクで発生した需要と当該自優先ランクより高い優先ランクで発生した需要との合計である合計需要が、前記充電器の許容限界未満かつ前記車載バッテリの許容限界以上であれば、前記充電器を駆動状態とし、前記合計需要が、前記車載バッテリの許容限界未満かつ前記充電器の許容限界以上であれば、前記充電器を停止状態とする、請求項2に記載の車両用需給制御システム。
請求項4
前記制御装置は、前記車載バッテリだけで前記総需要を満足できない場合、前記車載バッテリと前記充電器とから供給可能な総電力又は総電力量で前記総需要を満足できず、かつ、前記優先ランクの少なくとも1つにおいて前記車載バッテリからの電力供給が不可能であれば、前記充電器を駆動状態に制御する、請求項2又は3に記載の車両用需給制御システム。
請求項5
前記制御装置は、前記車載バッテリだけで前記総需要を満足できない場合、前記車載バッテリと前記充電器とから供給可能な総電力又は総電力量で前記総需要を満足できず、かつ、前記車載バッテリの電力供給が可能であれば、需要が発生している優先ランクにおいて前記充電器の許容限界が所定値よりも大きい場合は、前記充電器を駆動状態に制御し、需要が発生している優先ランクにおいて前記充電器の許容限界が前記所定値よりも小さい場合は、前記充電器を停止状態に制御する、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の車両用需給制御システム。
技術分野
背景技術
0002
車両における電力又は電力量の需要と供給を制御するシステムとして、特許文献1に、車載ソーラーパネルの発電量及び車載バッテリの蓄電量に基づいて、駐車車両の空調(エアコン、ブロワ)を制御する装置が開示されている。このシステムでは、車載ソーラーパネルの発電量が所定値より多い場合や車載バッテリの蓄電量に余裕がある場合に車両の空調を制御することで、車載バッテリの蓄電量不足を防止しつつ車室内を快適に制御している。
0003
また、特許文献2に、駆動用バッテリ及び補機バッテリの蓄電量に基づいて、車両の駐車中における駆動用バッテリから補機バッテリへの電力移送を制御するシステムが開示されている。このシステムでは、駐車中に補機バッテリの蓄電量が閾値まで低下した場合、駆動用バッテリの蓄電量が所定値以上あれば、駆動用バッテリの電力によって補機バッテリを充電することで補機バッテリ上がりを防止している。
先行技術
0004
特開2007−307957号公報
特開2016−052189号公報
発明が解決しようとする課題
0005
近年、充電設備などの外部電源に接続して車載バッテリを充電したり、車載機器に電力を供給したりできる充電器を備えた、ハイブリッド自動車や電気自動車が開発されている。この外部電源は、ソーラー発電装置と比べると大きい電力を安定して継続的に出力することができる。しかし、電力供給源として充電器を介して接続される外部電源を車載バッテリと併用した場合の好適な電力又は電力量の需給制御は、これまで検討されていなかった。
0006
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、車両で発生する電力又は電力量の需要に対して、外部電源に接続された充電器から供給される電力又は電力量を好適に利用することができる車両用需給制御システムを提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
0007
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、車両に搭載され、車両における電力又は電力量の需要と供給を制御する車両用需給制御システムであって、車載バッテリと、接続される外部電源から1つ以上の車載機器へ電力供給が可能な充電器と、車載バッテリ及び充電器を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、駐車中において、1つ以上の車載機器で発生した電力又は電力量の需要の合計である総需要を求め、車載バッテリから供給可能な電力又は電力量で総需要を満足できるか否かを判断し、車載バッテリだけで総需要を満足できない場合、車載バッテリと充電器とから供給可能な総電力又は総電力量で総需要を満足できれば、充電器を駆動状態に制御する。
発明の効果
0008
上記本発明の車両用需給制御システムによれば、車両で発生する電力又は電力量の需要に対して、外部電源に接続された充電器から供給される電力又は電力量を好適に利用することができる。
図面の簡単な説明
0009
本発明の一実施形態に係る車両用需給制御システムの概略構成図
優先ランクを定義した一例
電力量に関する各優先ランクにおける下限値及び上限値の一例
電力に関する各優先ランクにおける下限値及び上限値の一例
図3Aに基づいて各優先ランクの制御下限値及び制御上限値を求めた例
図4に基づいて電力量供給に関する許容限界を設定した例
需要に対してコントローラが行う充電器制御のフローチャート
需要に対してコントローラが行う充電器制御のフローチャート
高圧電池及びプラグイン充電器の許容限界と総需要との関係を例示した図(Aパターン)
高圧電池及びプラグイン充電器の許容限界と総需要との関係を例示した図(B−1パターン)
高圧電池及びプラグイン充電器の許容限界と総需要との関係を例示した図(B−2パターン)
高圧電池及びプラグイン充電器の許容限界と総需要との関係を例示した図(C−1パターン)
高圧電池及びプラグイン充電器の許容限界と総需要との関係を例示した図(C−2パターン)
高圧電池及びプラグイン充電器の許容限界と総需要との関係を例示した図(C−3パターン)
高圧電池及びプラグイン充電器の許容限界と総需要との関係を例示した図(Dパターン)
実施例
0010
本発明の車両用需給制御システムは、外部電源と接続可能な充電器を搭載する。本システムでは、車載機器に電力等を供給する電力供給源として車載バッテリと充電器を介して接続される外部電源とを併用できる場合、システムにおいて車載バッテリ及び充電器が効率良く動作するように充電器の駆動/停止の状態を制御する。
0011
[実施形態]
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においては、原則、電力と電力量とを区別して表現するが、電力及び電力量のいずれをも取り得る内容を表現する場合には、「電力等」と記載している。
0012
<構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用需給制御システム1の概略構成を示すブロック図である。図1に例示した車両用需給制御システム1は、複数の装備10と、高圧電池20と、低圧電池30と、DCDCコンバータ40と、コントローラ50と、電池監視部60と、プラグイン充電器70と、を備えている。
0013
複数の装備10は、車両に搭載される機器であり、所定の動作を実行するために必要な電力を使用する需要(電力需要)又は必要な電力量を消費する需要(電力量需要)を生じさせる装置である。この電力需要には、装備10で発生した電力を電池に排出する需要を含んでいてもよいし、電力量需要には、装備10で得られる電力量を電池に蓄積する需要を含んでいてもよい。図1では、2つの装備10が車両に搭載されている例を示したが、3つ以上の装備10が車両に搭載されていてもよい。
0014
高圧電池20は、リチウムイオン電池等の充放電可能に構成された二次電池であり、例えば電力等の供給/蓄積源として車両に搭載される駆動用バッテリである。この高圧電池20は、SMR(システムメインリレー)21を介して、図示しないスタータモータや走行用モータ等に電力等を供給することができる。また、高圧電池20は、SMR21を介して、DCDCコンバータ40に電力等を出力することができる。
0016
プラグイン充電器70は、接続プラグ72を介して所定の外部電源80と接続することが可能である。このプラグイン充電器70は、外部電源80と接続プラグ72を介して接続している場合には、CHR(チャージリレー)71を介して高圧電池20に電力等を供給することができる。また、プラグイン充電器70は、CHR71及びSMR21を介して、図示しないスタータモータや走行用モータ等及びDCDCコンバータ40に電力等を出力することができる。
0017
低圧電池30は、鉛蓄電池やリチウムイオン電池等の充放電可能に構成された二次電池であり、例えば電力等の供給/蓄積源として車両に搭載される補機バッテリである。この低圧電池30は、高圧電池20やプラグイン充電器70から出力される電力等を蓄えることができる。また、低圧電池30は、自らが蓄えている電力等を複数の装備10に供給してもよい。
0018
DCDCコンバータ40は、高圧電池20に蓄えられた電力等やプラグイン充電器70から供給される電力等を、所定の電圧で複数の装備10及び低圧電池30に出力することができる。また、DCDCコンバータ40は、複数の装備10から排出される電力等を、所定の電圧で高圧電池20に出力することができる。DCDCコンバータ40から出力される電力等は、コントローラ50から指示される出力電圧値によって制御される。
0019
コントローラ50は、電池監視部60から入力する高圧電池20の状態、及びプラグイン充電器70から入力する外部電源80による供給可否状態に基づいて、複数の装備10、DCDCコンバータ40、SMR21、プラグイン充電器70、及びCHR71を制御することができる。外部電源80による供給可否状態には、外部電源80と接続プラグ72との接続状態や外部電源80の電源電圧及び定格電流の情報が少なくとも含まれる。コントローラ50は、プラグイン充電器70からこの情報を含むコントロールパイロット信号(CPLT信号)を受信することで、外部電源80による供給可否状態を取得することができる。本実施形態のコントローラ50では、複数の装備10で発生した電力等の需要に対して供給/蓄積源から供給する電力又は電力量を後述する優先ランクの高い方から順に配分するための制御を実施するにあたり、高圧電池20に加えてプラグイン充電器70を使用するか否かを好適に制御する。
0020
このコントローラ50は、典型的にはプロセッサ、メモリ、及び入出力インタフェース等を含んだECU(Electronic Control Unit)として構成され得る。コントローラ50には、SMR21及びCHR71の接続/遮断状態を制御できるECUや、DCDCコンバータ40の出力電圧値を制御できるECUや、低圧電池30の状態を監視できるECUや、プラグイン充電器70の動作状態を制御できるECU等、車両に搭載されるECUの一部又は全部を含むことができる。本実施形態のコントローラ50は、メモリに格納されたプログラムをプロセッサが読み出して実行することによって、需要演算部51、判断部52、及び状態制御部53の各機能を実現する。
0021
需要演算部51は、複数の装備10において発生した電力等の需要の合計である総需要を演算する。車両で発生し得る様々な電力等の需要は、その内容や目的に応じて優先ランクのいずれかの需要要件として分類される。各優先ランクには、電力等の需要に対して、どこまで電力等の供給を許容するのかに関する供給要件及びどこまで電力等の蓄積を許容するのかに関する蓄積要件が、予め定められている。以下、この優先ランクについて説明をする。
0022
優先ランクとは、車両に求められる機能や性能等によって分類された所定のカテゴリに基づいて、複数の装備10から生じる電力等の需要に対して、少なくとも高圧電池20やプラグイン充電器70から電力等を供給する優先順位を予め定義したものである。図2に、車両に関するカテゴリに基づいて定義した優先ランクの一例を示す。
0023
図2の例では、車両に関する安全、安心、コンプライアンス、基本性能(システム起動、通常走行)、部品保護、商品性(動力、静粛性、走行安定性、公証燃費、先進装備)、経済性、及び付加価値のカテゴリについて、優先順位が最も高い「P1」から優先順位が最も低い「P8」まで、それぞれ優先ランクが定義されている。コンプライアンスにおいては、サブカテゴリとして法規(排気)及び諸元(燃費)について優先ランク「P3−1」及び「P3−2」がさらに区分されている。部品保護においては、サブカテゴリとして故障回避(機能保護)及び劣化回避(寿命維持)について優先ランク「P5−1」「P5−2」がさらに区分されている。経済性においては、サブカテゴリとして燃費消費、EV距離、電気料金、及び補機延命について優先ランク「P7−1」、「P7−2」、「P7−3」、及び「P7−4」がさらに区分されている。なお、優先ランクの数やカテゴリ及びサブカテゴリの区分等については、車両に求められる性能や機能等に基づいて自由に設定可能である。
0024
各優先ランクには、電力等の需要に対して供給/蓄積源からの電力等の供給を許容する限界を示した許容限界が設定されている。許容限界の設定においては、まず各優先ランク単独での、電力等の需要に対して供給/蓄積源から電力等の供給をした場合に下降を許容できる電力等の下限値及び供給/蓄積源へ電力等の蓄積をした場合に上昇を許容できる電力等の上限値が求められる。図3Aに、高圧電池20が各優先ランクの需要に対して許容できる電力量の上限値及び下限値の一例を示す。
0025
図3Aの例では、高圧電池20に蓄えられた電力量が現在値(実線)であるとき、優先ランクP1の電力量需要については、優先ランク単独の要求に対して、現在値がP1固有の下限値L1になるまでの電力量(絶対値)が供給可能(供給限界)であり、かつ、現在値がP1固有の上限値H1になるまでの電力量(絶対値)が蓄積可能(蓄積限界)であることを示している。つまり、優先ランクP1単独の電力量需要について、安全に関する所定の内容を満足するために下限値L1から上限値H1までの範囲の電力量変化が許容される。同様にして、優先ランクP2単独の電力量需要については、安心に関する所定の内容を満足するために下限値L2から上限値H2までの範囲の電力量変化が許容され、優先ランクP3単独の電力量需要については、コンプライアンスに関する所定の内容を満足するために下限値L3から上限値H3までの範囲の電力量変化が許容され、優先ランクP4単独の電力量需要については、基本性能に関する所定の内容を満足するために下限値L4から上限値H4までの範囲の電力量変化が許容され、優先ランクP5単独の電力量需要については、部品保護に関する所定の内容を満足するために下限値L5から上限値H5までの範囲の電力量変化が許容され、優先ランクP6単独の電力量需要については、商品性に関する所定の内容を満足するために下限値L6から上限値H6までの範囲の電力量変化が許容され、優先ランクP7単独の電力量需要については、経済性に関する所定の内容を満足するために下限値L7から上限値H7までの範囲の電力量変化が許容される。一方、優先ランクP8単独の電力量需要については、電力量変化が許容されていない。なお、各々の所定の内容は、車両の種類、車両に要求される性能や機能、及び規格などに基づいた電力量供給による車両搭載システムや高圧電池20への影響(メリット/デメリット)などを考慮して、それぞれ適切に設定される。
0026
なお、高圧電池20が各優先ランクの需要に対して許容できる電力の変化範囲についても、上述した電力量と同様の考え方を適用することができる。図3Bに、高圧電池20が各優先ランクの需要に対して許容できる電力の上限値及び下限値の一例を示す。この場合、上限値が供給/蓄積源から供給可能な供給限界となり、下限値が蓄積可能な蓄積限界電力となる。
0027
各優先ランク単独での上限値及び下限値が求められた後、コントローラ50が実行する配分制御に用いる各優先ランクの制御上限値及び制御下限値がさらに求められる。この制御上限値及び制御下限値は、各優先ランク単独での固有の上限値及び下限値を基準として、より高い優先ランクに対して設定された値の範囲内にトリミング処理されることによってそれぞれ求められる。このトリミング処理とは、ある優先ランクU単独での固有の上限値が、優先度がより高い優先ランクVで設定された制御上限値より大きいも場合、優先ランクUの制御上限値を優先ランクVの制御上限値と同じ値(あるいはより小さい値)に制限する処理である。また、トリミング処理とは、優先ランクU単独での固有の下限値が、優先度がより高い優先ランクVで設定された制御下限値よりも小さい場合、優先ランクUの制御下限値を優先ランクVの制御下限値と同じ値(あるいはより大きい値)に制限する処理である。図4に、図3Aで示した電力量に関する各優先ランク単独での固有の上限値及び下限値(1点鎖線)に基づいて、各優先ランクの制御上限値及び制御下限値(太実線)を求める例を示す。
0028
図4において、最上位の優先ランクP1については、単独での固有の上限値及び下限値を、優先ランクP1の制御上限値及び制御下限値として求める。次の優先順位である優先ランクP2については、単独での固有の上限値及び優先ランクP1で設定した制御上限値のいずれか小さい方を優先ランクP1の制御上限値として求め、単独での固有の下限値及び優先ランクP1で設定した制御下限値のいずれか大きい方を優先ランクP1の制御下限値として求める。よって、優先ランクP2も、単独での上限値及び下限値が制御上限値及び制御下限値となる。同様に、優先ランクP3についても、単独での上限値及び下限値が制御上限値及び制御下限値となる。しかし、優先ランクP4及びP5については、単独での上限値が優先ランクP3の制御上限値よりも大きくかつ単独での下限値が優先ランクP3の制御下限値より小さいため、優先ランクP3の制御上限値及び制御下限値を優先ランクP4及びP5の制御上限値及び制御下限値としてそれぞれ求める(トリミング処理)。優先ランクP6の制御上限値、及び優先ランクP7の制御下限値も同様の考え方である。このようなトリミングルールで制御上限値及び制御下限値を求めることによって、相対的に優先ランクが低い需要に対して供給可能な最大の電力又は電力量が、相対的に優先ランクが高い需要に対して供給可能な最大の電力又は電力量以下に制限される。トリミング処理することで、例えば、コンプライアンス(優先ランクP3)を満足させるために供給/蓄積源の使用が制限されているのにも関わらず、基本性能(優先ランクP4)がその制限を超えて供給/蓄積源を使用する、つまり優先されるべきコンプライアンスを無視して基本性能が動作する、といった制御が実行されることを回避することができる。
0029
制御上限値及び制御下限値が求められると、優先ランク毎に許容限界が設定される。許容限界は、各優先ランクについて、自優先ランクよりも優先度が高い他の優先ランクの需要に供給する電力又は電力量を確保し、かつ、自優先ランクの需要への供給を許容できる電力又は電力量の上限を示した値である。例えば、優先ランクP3の許容限界が50Wsに設定されている場合、より優先度が高い優先ランクP1及びP2の需要に供給される電力量合計が40Wsであるときには、優先ランクP3の需要に対して10Ws(=50−40)まで供給が許容されるが、優先ランクP1及びP2の需要に供給される電力量合計が60Wsであれば許容限界を既に超えているため、優先ランクP3の需要に対して供給が許容されないこととなる。この許容限界は、図4で示した電力量の場合、電力量の供給に関する許容限界を電力量の「現在値−制御下限値」によって算出できる。図5に、図4で示した現在値と制御下限値とに基づいて電力量の供給に関する許容限界(実線)を設定した例を示す。なお、図4で示した現在値と制御上限値とに基づいて、電力量の蓄積に関する許容限界を「制御上限値−現在値」によって算出することができる。この電力量の蓄積に関する許容限界を設定に反映させれば、例えば図5に示す電力量の供給に関する許容限界を電力量が増大する方向に変動させることができ、許容可能な範囲が拡大される。
0030
上述した優先ランク毎の許容限界は、高圧電池20及びプラグイン充電器70の各々について設定される。すなわち、高圧電池20を需要に対する供給/蓄積源とした場合の許容限界と、プラグイン充電器70を需要に対する供給/蓄積源とした場合の許容限界とが、それぞれ設定される。
0031
需要演算部51は、複数の装備10において発生した様々な優先ランクの電力等の需要を検出し、この検出した需要を合計した「総需要」を求める。また、需要演算部51は、検出した需要によって要求される電力又は電力量や優先ランクの情報を取得する。需要演算部51は、この情報を、電力等の需要を検出した装備10から受信することで取得してもよいし、装備10が発生する電力等の需要と要求される電力又は電力量や優先ランクとを紐付けたテーブル等を予めコントローラ50が保持しておき、電力等の需要の検出に応じてこのテーブルから取得するようにしてもよい。
0032
判断部52は、高圧電池20から供給可能な電力又は電力量、プラグイン充電器70から供給可能な電力又は電力量、装備10において発生した各需要及びそれらの総需要、及び各優先ランクの許容限界に基づいて、プラグイン充電器70の動作状態を装備10への電力等の供給を行う駆動状態にするか、装備10へ電力等の供給を行わない停止状態にするかを判断する。
0033
状態制御部53は、判断部52による判断の結果に従って、プラグイン充電器70の動作状態を駆動状態及び停止状態のいずれかに制御する。このプラグイン充電器70の動作状態制御について、以下に詳細に説明する。
0034
<制御>
図面をさらに参照して、本発明の一実施形態に係る車両用需給制御システム1のコントローラ50が実行する充電器制御を説明する。図6A及び図6Bは、装備10から生じた需要に対して、コントローラ50が実行する充電器制御の処理手順を示すフローチャートである。図6Aの処理と図6Bの処理とは、結合子X及びYで結ばれる。図7乃至図13は、高圧電池20の許容限界と、プラグイン充電器70の許容限界と、総需要との関係を例示した図であり、図6A及び図6Bにおける括弧記号が付された処理と対応付けられている。
0036
ステップS601:需要演算部51が、複数の装備10において発生した電力等の需要を合計した総需要を算出する。この総需要は、例えば、需要が新たに発生したり、発生していた需要が無くなったりすることによって、車両における需要の状況が変化した場合や、車両の状態(高圧電池20の状態や各種システムの状態等)によって電力等の供給状況が変化した場合等に、その都度算出されることが望ましい。又は、所定の時間間隔で総需要の算出を行ってもよい。総需要が算出されると、ステップS602に処理が進む。
0037
ステップS602:判断部52が、高圧電池20から供給可能な電力又は電力量だけで総需要を満足できる(賄える)か否かを判断する。例えば、高圧電池20の出力電力が低かったり(低Wout)、蓄積している電力量が不足していたりする場合に、総需要を満足できないと判断される。高圧電池20からの供給だけで総需要を満足できる場合は(ステップS602、はい)、ステップS604に処理が進み、それ以外の場合は(ステップS602、いいえ)、ステップS603に処理が進む。
0038
ステップS603:判断部52が、高圧電池20から供給可能な電力又は電力量に、プラグイン充電器70から供給可能な電力又は電力量を加えた場合に、総需要を満足できるか否かを判断する。高圧電池20及びプラグイン充電器70からの供給で総需要を満足できる場合は(ステップS603、はい)、ステップS607に処理が進み、それ以外の場合は(ステップS603、いいえ)、ステップS609に処理が進む。
0039
ステップS604:判断部52が、優先ランクPiまでの合計需要を「値Ai」に代入する。この優先ランクPiまでの合計需要とは、優先ランクPiで発生した需要と、優先ランクPiより高い優先ランクP(i−1)、P(i−2)、…、P1でそれぞれ発生した需要とを、合計した需要である。また、判断部52が、優先ランクPiにおける高圧電池20の許容限界を「値Bi」に代入し、優先ランクPiにおけるプラグイン充電器70の許容限界を「値Ci」に代入する。値Ai、値Bi、及び値Ciが代入されると、ステップS605に処理が進む。
0040
ステップS605:判断部52が、優先ランクPiについて、合計需要Aiが、高圧電池20の許容限界Bi未満かつプラグイン充電器70の許容限界Ci以上か否か(Bi≧Ai>Ci)を判断する。この判断によって、高圧電池20よりもプラグイン充電器70の方が電力等の供給能力が低くなる優先ランクPiがあるか否かを把握することができる。Bi≧Ai>Ciである場合は(ステップS605、はい)、ステップS608に処理が進み、それ以外の場合は(ステップS605、いいえ)、ステップS606に処理が進む。
0041
ステップS606:判断部52が、優先ランクPiについて、合計需要Aiが、プラグイン充電器70の許容限界Ci未満かつ高圧電池20の許容限界Bi以上か否か(Ci≧Ai>Bi)を判断する。この判断によって、高圧電池20よりもプラグイン充電器70の方が電力等の供給能力が高くなる優先ランクPiがあるか否かを把握することができる。Ci≧Ai>Biである場合は(ステップS606、はい)、ステップS607に処理が進み、それ以外の場合は(ステップS606、いいえ)、ステップS604に処理が進む。
0042
上記ステップS604〜S606の処理は、最も高い優先ランクから降順で実施され、いずれかの優先ランクにおいてステップS605又はS606の条件が満足されるか、最も低い優先ランクによる処理が終了するまで継続して行われる。なお、図6Aでは、全ての優先ランクによる処理においてステップS605及びS606のいずれの条件も満足しない場合には、ステップS608に処理が進む例を示しているが、ステップS607に処理が進むようにしてもよい。
0043
ステップS607:状態制御部53が、プラグイン充電器70を電力等の供給を行う駆動状態に制御する。プラグイン充電器70を駆動させた場合には、高圧電池20に定められた入力電力Winを超えないように、プラグイン充電器70の定格出力電力以下で各装備10に電力が供給される。また、高圧電池20に定められた出力電力Woutは、DCDCコンバータ40のフードバック制御により保護することができる。プラグイン充電器70の制御が終わると、ステップS601に処理が戻る。
0044
図7に、合計需要Aiを、高圧電池20及びプラグイン充電器70からの供給で総需要を満足できる場合[Aパターン]における、各許容限界と総需要との関係の具体例を示す。図7は、電力の汲み出し需要に関して、優先ランクP5の部品保護(2寿命維持)について電力需要pw(網掛け箇所)が発生している例である。この図7に示すAパターンでは、優先ランクP5−2の電力需要pwは、高圧電池20の許容限界B5の電力では賄えないが(pw>B5)、高圧電池20の許容限界B5にプラグイン充電器70の許容限界C5を加算した合計許容限界の電力では賄える(pw≦B5+C5)。なお、許容限界B5に許容限界C5を加算した合計許容限界の上限は、DCDCコンバータ40が出力可能な電力(出力限界)に制限される。このようなAパターンの場合には、プラグイン充電器70を駆動状態にする。
0045
図8に、合計需要Aiが、プラグイン充電器70の許容限界Ci未満かつ高圧電池20の許容限界Bi以上(Ci≧Ai>Bi)である場合[B−1パターン]における、各許容限界と総需要との関係の具体例を示す。図8は、電力の汲み出し需要に関して、優先ランクP5の部品保護(2寿命維持)について電力又は電力量の需要pw(網掛け箇所)が発生している例である。この図8に示すB−1パターンでは、優先ランクP5−2の需要pwは、高圧電池20の許容限界B5でもプラグイン充電器70の許容限界C5でも賄える。しかし、優先ランクP6については、高圧電池20の許容限界B6が需要pwを下回るのに対し、プラグイン充電器70の許容限界C6は需要pwを上回っている。このようなB−1パターンの場合には、今後優先ランクP6の需要が発生した場合でもその需要の少なくとも一部を賄うことができるように、プラグイン充電器70を駆動状態にする。これにより、例えば、ユーザが違和感を覚えるようなEV走行距離の減少を伝える情報がディスプレイに表示されたり(商品性)、高圧電池20が勝手に放電されてSOCが低下したり(経済性)することを、防ぐことが可能である。
0046
ステップS608:状態制御部53が、プラグイン充電器70を電力等の供給を行わない停止状態に制御する。プラグイン充電器70の制御が終わると、ステップS601に処理が戻る。
0047
図9に、合計需要Aiが、高圧電池20の許容限界Bi未満かつプラグイン充電器70の許容限界Ci以上(Bi≧Ai>Ci)である場合[B−2パターン]における、各許容限界と総需要との関係の具体例を示す。図9は、電力の汲み出し需要に関して、優先ランクP5の部品保護(2寿命維持)について電力又は電力量の需要pw(網掛け箇所)が発生している例である。この図9に示すB−2パターンでは、優先ランクP5−2の需要pwは、高圧電池20の許容限界B5でもプラグイン充電器70の許容限界C5でも賄える。しかし、優先ランクP6については、高圧電池20の許容限界B6が需要pwを上回るのに対し、プラグイン充電器70の許容限界C6は需要pwを下回っている。このようなB−2パターンの場合には、プラグイン充電器70による不要な電力を消費しないように、プラグイン充電器70を停止状態にする。これにより、例えば、高圧電池20が満充電容量まで勝手に充電されたり(部品保護)、高圧電池20の入力電力Winを超えたり(部品保護)、ユーザが違和感を覚えるようなEV走行距離の増加を伝える情報がディスプレイに表示されたり(商品性)、電気代が増加したり(経済性)することを、防ぐことが可能である。
0048
ステップS609:判断部52が、高圧電池20及びプラグイン充電器70のいずれからも電力等の供給が不可能か否かを判断する。つまり、複数の装備10において発生した電力等の需要に対して全く電力等を供給できない状態にあるのか、少なくとも一方が電力等を供給できるのかが判断される。いずれからも電力等の供給が不可能である場合は(ステップS609、はい)、ステップS613に処理が進み、それ以外の場合は(ステップS609、いいえ)、ステップS610に処理が進む。
0049
ステップS610:判断部52が、高圧電池20から電力等の供給が不可能か否かを判断する。高圧電池20からの供給が不可能である場合は(ステップS610、はい)、プラグイン充電器70が電力等を供給できるためステップS612に処理が進み、それ以外の場合は(ステップS610、いいえ)、ステップS611に処理が進む。
0050
ステップS611:判断部52が、需要が発生している優先ランクにおいて、プラグイン充電器70の許容限界が所定値以下か否かを判断する。この判断は、プラグイン充電器70を駆動することが効率的か否かを判定するために実施され、所定値はシステムに要求される効率等に基づいて適宜設定される。プラグイン充電器70の許容限界が所定値以下である場合は(ステップS611、はい)、プラグイン充電器70を駆動することが効率的ではないためステップS613に処理が進み、それ以外の場合は(ステップS611、いいえ)、ステップS612に処理が進む。
0051
ステップS612:状態制御部53が、プラグイン充電器70を電力等の供給を行う駆動状態に制御する。プラグイン充電器70を駆動させた場合には、高圧電池20に定められた入力電力Winを超えないように、プラグイン充電器70の定格出力電力以下で各装備10に電力が供給される。また、高圧電池20に定められた出力電力Woutは、DCDCコンバータ40のフードバック制御により保護することができる。プラグイン充電器70の制御が終わると、ステップS601に処理が戻る。
0052
図10に、合計需要Aiを、高圧電池20から電力等の供給が不可能な場合[C−1パターン]における、各許容限界と総需要との関係の具体例を示す。図10は、電力の汲み出し需要に関して、優先ランクP5の部品保護(2寿命維持)について電力需要pw(網掛け箇所)が発生している例である。この図10に示すC−1パターンでは、優先ランクP5−2の電力需要pwは、高圧電池20の許容限界B5とプラグイン充電器70の許容限界C5とを加算した合計許容限界の電力でも賄えず(pw>B5+C5)、高圧電池20では一切賄えないが(pw>B5=0)、プラグイン充電器70では一部を賄える(pw>C5≠0)。このようなC−1パターンの場合には、プラグイン充電器70を駆動状態にする。これにより、高圧電池20から電力等を供給できないときでも、プラグイン充電器70から電力等を供給することができる。
0053
図11に、合計需要Aiを、プラグイン充電器70の許容限界が所定値を超える場合[C−2パターン]における、各許容限界と総需要との関係の具体例を示す。図11は、電力の汲み出し需要に関して、優先ランクP5の部品保護(2寿命維持)について電力需要pw(網掛け箇所)が発生している例である。この図11に示すC−2パターンでは、優先ランクP5−2の電力需要pwは、高圧電池20の許容限界B5とプラグイン充電器70の許容限界C5とを加算した合計許容限界の電力でも賄えず(pw>B5+C5)、プラグイン充電器70の許容限界C5が所定値αよりも大きい(C5>α)。このようなC−2パターンの場合には、プラグイン充電器70を駆動状態にする。これにより、高圧電池20だけの場合に比べて、より多くの電力を供給することができる。
0054
ステップS613:状態制御部53が、プラグイン充電器70を電力等の供給を行わない停止状態に制御する。プラグイン充電器70の制御が終わると、ステップS601に処理が戻る。
0055
図12に、合計需要Aiを、プラグイン充電器70の許容限界が所定値以下の場合[C−3パターン]における、各許容限界と総需要との関係の具体例を示す。図12は、電力の汲み出し需要に関して、優先ランクP5の部品保護(2寿命維持)について電力需要pw(網掛け箇所)が発生している例である。この図12に示すC−3パターンでは、優先ランクP5−2の電力需要pwは、高圧電池20の許容限界B5とプラグイン充電器70の許容限界C5とを加算した合計許容限界の電力でも賄えず(pw>B5+C5)、プラグイン充電器70の許容限界C5が所定値αよりも小さい(C5<α)。このようなC−3パターンの場合には、プラグイン充電器70を停止状態にする。これにより、プラグイン充電器70を駆動させてシステム効率を低下させてしまうことを防ぐことができる。
0056
図13に、合計需要Aiを、高圧電池20からもプラグイン充電器70からも電力等の供給が不可能な場合[Dパターン]における、各許容限界と総需要との関係の具体例を示す。図13は、電力の汲み出し需要に関して、優先ランクP5の部品保護(2寿命維持)について電力需要pw(網掛け箇所)が発生している例である。この図13に示すDパターンでは、優先ランクP5−2の許容限界が高圧電池20及びプラグイン充電器70共にゼロであるため優先ランクP5−2の電力需要pwを賄えない。よって、プラグイン充電器70を停止させることで、不必要な電力消費をなくすことができる。
0057
[作用・効果]
以上のように、本発明の一実施形態に係る車両用需給制御システム1によれば、装備10への電力又は電力量の供給/蓄積源として高圧電池20とプラグイン充電器70とを併用できる場面において、高圧電池20からの電力又は電力量の供給だけで装備10で発生した総需要を全て賄えない場合、プラグイン充電器70からの電力又は電力量の供給を加えることによって総需要を全て賄えるのであれば、プラグイン充電器70を駆動させる。これにより、装備10で発生する電力又は電力量の需要に対して、外部電源80に接続されたプラグイン充電器70から供給される電力又は電力量を好適に利用することができる。
0058
また、本実施形態に係る車両用需給制御システム1によれば、高圧電池20からの電力又は電力量の供給だけで装備10で発生した総需要を全て賄える場合には、プラグイン充電器70を駆動させるか停止させるかを、装備10で発生する電力又は電力量の需要を分類する複数の優先ランクに与えられた許容限界に基づいて判断する。これにより、装備10で発生する電力又は電力量の需要に対して、外部電源80に接続されたプラグイン充電器70から供給される電力又は電力量をさらに好適に利用することができる。
0059
また、本実施形態に係る車両用需給制御システム1によれば、高圧電池20からの電力又は電力量の供給だけで装備10で発生した総需要を全て賄える場合であっても、いずれかの優先ランクにおける合計需要がプラグイン充電器70の許容限界未満かつ高圧電池20の許容限界以上であれば、プラグイン充電器70を駆動させる。これによって、この優先ランクで発生する需要に対してより多くの需要に電力又は電力量を供給することができる。
0060
また、本実施形態に係る車両用需給制御システム1によれば、高圧電池20とプラグイン充電器70とから供給可能な総電力又は総電力量の供給だけで装備10で発生した総需要を賄えない場合、高圧電池20からの電力供給が可能でありかつプラグイン充電器70の駆動が不効率でなければ、プラグイン充電器70を駆動させる。これによって、より多くの需要に対してプラグイン充電器70から電力又は電力量を効率的に供給することができる。
0061
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は、制御装置、制御装置を含んだ需給制御システム、需給制御システムが実行する充電器制御方法、充電器制御プログラム及び当該プログラムを記憶したコンピューター読み取り可能な非一時的な記録媒体、あるいは需給制御システムを搭載した車両として捉えることができる。
0062
本発明の車両用需給制御システムは、電力又は電力量の供給/蓄積源である電池が搭載された車両等に利用可能である。
0063
1需給制御システム
10装備
20高圧電池
21システムメインリレー(SMR)
30低圧電池
40DCDCコンバータ
50コントローラ
51需要演算部
52 判断部
53状態制御部
60電池監視部
70プラグイン充電器
71チャージリレー(CHR)
72接続プラグ
80 外部電源
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