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技術 液晶ポリマー組成物

出願人 上野製薬株式会社
発明者 土谷仁志深澤正寛太田晃仁
出願日 2019年5月16日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-093056
公開日 2020年11月19日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-186334
状態 未査定
技術分野 ポリエステル、ポリカーボネート 高分子組成物
主要キーワード 金属リベット 円筒ガラス 粒状酸化チタン 全芳香族液晶ポリエステル樹脂 溶融溶液 反応容器内容物 ホウ酸アルミニウムウイスカ 脱落物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年11月19日)のものです。
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課題

ウェルド強度を維持しつつ金属接着性が改善された成形品等の物品を形成し得る液晶ポリマー組成物を提供する。

解決手段

液晶ポリマー100質量部、環状オレフィン系樹脂0.1〜10質量部およびカルボジイミド基含有化合物0.1〜5質量部を含有する液晶ポリマー組成物。

概要

背景

液晶ポリマーは、耐熱性剛性等の機械物性耐薬品性、寸法精度等に優れているため、成形品用途のみならず、繊維やフィルムといった各種用途にその使用が拡大しつつある。特にパーソナルコンピューター携帯電話等の情報・通信分野においては、部品高集積度化、小型化、薄肉化、低背化等が急速に進んでおり0.5mm以下の非常に薄い肉厚部が形成されるケースが多く、液晶ポリマーの優れた成形性、すなわち、流動性が良好であり、かつバリが出ないという他のポリマーにない特徴を活かして、その使用量が大幅に増大している。

しかし、液晶ポリマーには、少しのせん断力でも分子配向しやすい性質があり、成形時の流動方向(MD)とそれに直角な方向(TD)では、機械的強度の異方性も大きく、成形品にウェルド部を有する場合、ウェルド部の強度が弱いといった問題が認められる。

このような問題を解決するために、例えば、特許文献1には、環状オレフィン系樹脂シクロオレフィンポリマーまたはシクロオレフィンコポリマーとも称する)を含有せしめることにより、液晶ポリマーの異方性およびウェルド強度を改良する方法が記載されている。

概要

ウェルド強度を維持しつつ金属接着性が改善された成形品等の物品を形成し得る液晶ポリマー組成物を提供する。液晶ポリマー100質量部、環状オレフィン系樹脂0.1〜10質量部およびカルボジイミド基含有化合物0.1〜5質量部を含有する液晶ポリマー組成物。なし

目的

本発明の目的は、ウェルド強度を維持しつつ金属接着性が改善された成形品等の物品を形成し得る液晶ポリマー組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

液晶ポリマー100質量部、環状オレフィン系樹脂0.1〜10質量部およびカルボジイミド基含有化合物0.1〜5質量部を含有する液晶ポリマー組成物

請求項2

液晶ポリマーは、式(I)および式(II)で表される繰返し単位を含む液晶ポリエステル樹脂である、請求項1に記載の液晶ポリマー組成物。

請求項3

液晶ポリマーは、式(I)〜式(IV)[式中、Ar1およびAr2はそれぞれ2価の芳香族基を表す]で表される繰返し単位から構成される全芳香族液晶ポリエステル樹脂である、請求項1または2に記載の液晶ポリマー組成物。

請求項4

Ar1およびAr2は、それぞれ互いに独立して、式(1)〜(4)で表される芳香族基から選択される1種以上である、請求項3に記載の液晶ポリマー組成物。

請求項5

Ar1は式(1)で表される芳香族基であり、Ar2は式(1)および/または(3)で表される芳香族基である、請求項3または4に記載の液晶ポリマー組成物。

請求項6

さらに針状フィラーを含む、請求項1〜5のいずれかに記載の液晶ポリマー組成物。

請求項7

針状フィラーは針状酸化チタンである、請求項6に記載の液晶ポリマー組成物。

請求項8

針状フィラーの含有量は液晶ポリマー100質量部に対して1〜100質量部である、請求項6または7に記載の液晶ポリマー組成物。

請求項9

請求項1〜8のいずれかに記載の液晶ポリマー組成物から構成される成形品

請求項10

成形品は、コネクタ、スイッチ、リレーコンデンサコイルトランスカメラモジュール、およびアンテナからなる群から選択される1種を構成する部品である、請求項9に記載の成形品。

技術分野

0001

本発明は、ウェルド強度を維持しつつ金属接着性が改善された成形品等の物品を形成し得る液晶ポリマー組成物に関する。

背景技術

0002

液晶ポリマーは、耐熱性剛性等の機械物性耐薬品性、寸法精度等に優れているため、成形品用途のみならず、繊維やフィルムといった各種用途にその使用が拡大しつつある。特にパーソナルコンピューター携帯電話等の情報・通信分野においては、部品高集積度化、小型化、薄肉化、低背化等が急速に進んでおり0.5mm以下の非常に薄い肉厚部が形成されるケースが多く、液晶ポリマーの優れた成形性、すなわち、流動性が良好であり、かつバリが出ないという他のポリマーにない特徴を活かして、その使用量が大幅に増大している。

0003

しかし、液晶ポリマーには、少しのせん断力でも分子配向しやすい性質があり、成形時の流動方向(MD)とそれに直角な方向(TD)では、機械的強度の異方性も大きく、成形品にウェルド部を有する場合、ウェルド部の強度が弱いといった問題が認められる。

0004

このような問題を解決するために、例えば、特許文献1には、環状オレフィン系樹脂シクロオレフィンポリマーまたはシクロオレフィンコポリマーとも称する)を含有せしめることにより、液晶ポリマーの異方性およびウェルド強度を改良する方法が記載されている。

先行技術

0005

特開平10−316841号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、このような環状オレフィン系樹脂を含有せしめると、成形品の金属接着性が低下するため、電気電子部品等の用途の使用に際して成形品の物性が不十分である場合があった。
本発明の目的は、ウェルド強度を維持しつつ金属接着性が改善された成形品等の物品を形成し得る液晶ポリマー組成物を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、液晶ポリマーおよび環状オレフィン系樹脂に、カルボジイミド基含有化合物を配合することにより、成形品等の物品のウェルド強度を維持しつつ金属接着性が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。

0008

すなわち、本発明は、以下の好適な態様を包含する。
〔1〕液晶ポリマー100質量部、環状オレフィン系樹脂0.1〜10質量部およびカルボジイミド基含有化合物0.1〜5質量部を含有する液晶ポリマー組成物。
〔2〕液晶ポリマーは、式(I)および式(II)



で表される繰返し単位を含む液晶ポリエステル樹脂である、〔1〕に記載の液晶ポリマー組成物。
〔3〕液晶ポリマーは、式(I)〜式(IV)



[式中、Ar1およびAr2はそれぞれ2価の芳香族基を表す]
で表される繰返し単位から構成される全芳香族液晶ポリエステル樹脂である、〔1〕または〔2〕に記載の液晶ポリマー組成物。
〔4〕Ar1およびAr2は、それぞれ互いに独立して、式(1)〜(4)



で表される芳香族基から選択される1種以上である、〔3〕に記載の液晶ポリマー組成物。
〔5〕Ar1は式(1)で表される芳香族基であり、Ar2は式(1)および/または(3)で表される芳香族基である、〔3〕または〔4〕に記載の液晶ポリマー組成物。
〔6〕さらに針状フィラーを含む、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の液晶ポリマー組成物。
〔7〕針状フィラーは針状酸化チタンである、〔6〕に記載の液晶ポリマー組成物。
〔8〕針状フィラーの含有量は液晶ポリマー100質量部に対して1〜100質量部である、〔6〕または〔7〕に記載の液晶ポリマー組成物。
〔9〕〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の液晶ポリマー組成物から構成される成形品。
〔10〕成形品は、コネクタ、スイッチ、リレーコンデンサコイルトランスカメラモジュール、およびアンテナからなる群から選択される1種を構成する部品である、〔9〕に記載の成形品。

発明の効果

0009

本発明の液晶ポリマー組成物は、ウェルド強度および金属接着性に優れるため、例えば、射出インサート成形により一体化される、電気・電子部品や自動車部品等の様々な用途に好適に用いられる。

0010

本発明の液晶ポリマー組成物に使用する液晶ポリマー(以下、LCPとも称する)は、異方性溶融相を形成するポリエステルまたはポリエステルアミドであり、当該技術分野においてサーモトロピック液晶ポリエステルまたはサーモトロピック液晶ポリエステルアミドと呼ばれるものであれば特に限定されない。

0011

異方性溶融相の性質は、直交偏光子を利用した慣用偏光検査法により確認することができる。より具体的には、異方性溶融相の確認は、Leitz偏光顕微鏡を使用し、Leitzホットステージにのせた試料窒素雰囲気下で40倍の倍率で観察することにより実施できる。本発明における液晶ポリマーは光学的に異方性を示すもの、即ち、直交偏光子の間で検査したときに光を透過させるものである。試料が光学的に異方性であると、たとえ静止状態であっても偏光は透過する。

0012

本発明において用いる液晶ポリマーとしては、示差走査熱量計により測定される結晶融解温度が320〜360℃であるものが好ましく、335〜345℃であるものがより好ましく、337〜343℃であるものがさらに好ましい。

0013

尚、本明細書および特許請求の範囲において、「結晶融解温度」とは、示差走査熱量計(Differential Scanning Calorimeter、以下DSCと略す)によって、昇温速度20℃/分で測定した際の結晶融解温度ピーク温度から求めたものである。より具体的には、液晶ポリマーの試料を、室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、Tm1より20〜50℃高い温度で10分間保持し、次いで、20℃/分の降温条件で室温まで試料を冷却した後に、再度20℃/分の昇温条件で測定した際の吸熱ピークを観測し、そのピークトップを示す温度を液晶ポリマーの結晶融解温度とする。測定機器としては、例えば、セイコーインスツルメンツ(株)製Exstar6000等を用いることができる。

0014

本発明における液晶ポリマーの構成単位を構成する重合性単量体としては、例えば芳香族ヒドロキシカルボン酸芳香族ジカルボン酸芳香族ジオール芳香族アミノカルボン酸芳香族ヒドロキシアミン芳香族ジアミン脂肪族ジオールおよび脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。このような重合性単量体は、1種のみを用いてもよく、2種以上の重合性単量体を組み合わせてもよい。好適には、少なくとも1種のヒドロキシ基およびカルボキシル基を有する重合性単量体が用いられる。

0015

液晶ポリマーの構成単位を構成する重合性単量体は、前記化合物の1種以上が結合してなるオリゴマー、つまり1種以上の前記化合物から構成されるオリゴマーであってもよい。

0016

芳香族ヒドロキシカルボン酸の具体例としては、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、5−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、7—ヒドロキシ—2—ナフトエ酸、3—ヒドロキシ—2—ナフトエ酸、4’−ヒドロキシフェニル−4−安息香酸、3’−ヒドロキシフェニル−4−安息香酸、4’−ヒドロキシフェニル−3−安息香酸およびそれらのアルキルアルコキシまたはハロゲン置換体ならびにこれらのアシル化物エステル誘導体酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中でも、得られる液晶ポリマーの耐熱性および機械強度ならびに融点を調節し易いという観点から、4−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸からなる群から選択される1種以上の化合物が好ましい。

0017

芳香族ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシビフェニル、3,4’−ジカルボキシビフェニルおよび4,4”−ジカルボキシターフェニル、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体ならびにそれらのエステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中でも、得られる液晶ポリマーの耐熱性を効果的に高められる観点から、テレフタル酸、イソフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸からなる群から選択される1種以上の化合物が好ましく、テレフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸がより好ましい。

0018

芳香族ジオールの具体例としては、ハイドロキノンレゾルシン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、3,3’−ジヒドロキシビフェニル、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニルエーテルおよび2,2’−ジヒドロキシビナフチル、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体ならびにそれらのアシル化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中でも、重合時の反応性に優れる観点から、ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシビフェニルおよび2,6−ジヒドロキシナフタレンからなる群から選択される1種以上の化合物が好ましく、ハイドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニルおよび2,6−ジヒドロキシナフタレンからなる群から選択される1種以上の化合物がより好ましい。

0019

芳香族アミノカルボン酸の具体例としては、4−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、6−アミノ−2−ナフトエ酸、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにそれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。

0020

芳香族ヒドロキシアミンの具体例としては、4−アミノフェノール、N−メチル−4−アミノフェノール、3−アミノフェノール、3−メチル−4−アミノフェノール、4−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニル、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニルエーテル、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニルメタン、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニルスルフィドおよび2,2’−ジアミノビナフチル、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにそれらのアシル化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中でも、得られる液晶ポリマーの耐熱性および機械強度のバランスをとりやすい観点から、4−アミノフェノールが好ましい。

0021

芳香族ジアミンの具体例としては、1,4−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにそれらのアシル化物などのアミド形成性誘導体が挙げられる。

0022

脂肪族ジオールの具体例としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ならびにそれらのアシル化物が挙げられる。また、ポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートなどの脂肪族ジオールを含有するポリマーを、前記の芳香族オキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオールおよびそれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などと反応させてもよい。

0023

脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、シュウ酸マロン酸コハク酸グルタル酸アジピン酸ピメリン酸スベリン酸アゼライン酸セバシン酸ドデカン二酸テトラデカン二酸フマル酸マレイン酸およびヘキサヒドロテレフタル酸が挙げられる。これらの中でも、重合時の反応性に優れる観点から、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸およびドデカン二酸が好ましい。

0024

本発明における液晶ポリマーの構成単位を形成する重合性単量体は、本発明の目的を損なわない範囲で、他の共重合成分として、ジヒドロキシテレフタル酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、トリメリット酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸ピロメリット酸またはこれらのアルキル、アルコキシもしくはハロゲン置換体、ならびにそれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体を含んでいてよい。これらの重合性単量体の使用量は、液晶ポリマーを構成する全構成単位に対して10モル%以下となるような量であるのが好ましい。

0025

本発明において液晶ポリマーは、本発明の目的を損なわない範囲で、チオエステル結合を含むものであってもよい。このような結合を与える重合性単量体としては、メルカプト芳香族カルボン酸、および芳香族ジチオールおよびヒドロキシ芳香族チオールなどが挙げられる。これらの重合性単量体の含有量は、液晶ポリマーを構成する全構成単位に対して10モル%以下となるような量であるのが好ましい。

0026

これらの繰返し単位を組み合わせたポリマーは、単量体の構成や組成比ポリマー中での各繰返し単位シークエンス分布によって異方性溶融相を形成するものと異方性溶融相を形成しないものとが存在するが、本発明に用いる液晶ポリマーは異方性溶融相を形成するものに限られる。

0027

本発明に使用される液晶ポリマーとしては、流動性および機械特性に優れる点で、式(I)および式(II)で表される繰返し単位を含む液晶ポリエステル樹脂が好適に使用される。

0028

さらに、本発明に使用される液晶ポリマーとしては、流動性および機械特性に優れる点で、式(I)〜(IV)で表される繰返し単位から構成される全芳香族液晶ポリエステル樹脂が好適に使用される。



[式中、Ar1およびAr2はそれぞれ2価の芳香族基を表す。]

0029

ここで、式(III)および式(IV)はそれぞれ、複数種のAr1およびAr2を含み得る。また、「芳香族基」は、6員の単環または環数2の縮合環である芳香族基を示す。

0030

流動性および機械特性に優れる点で、Ar1およびAr2は、それぞれ互いに独立して、下記の式(1)〜(4)で表される芳香族基から選択される1種以上であることがより好ましい。Ar1が式(1)で表される芳香族基であり、かつAr2が式(1)および/または式(3)で表される芳香族基であることが特に好ましい。

0031

本発明に用いる液晶ポリマーの構成単位を形成する重合性単量体の組み合わせの具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。
1)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、
2)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
3)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/イソフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
4)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/イソフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル/ハイドロキノン、
5)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/ハイドロキノン、
6)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/ハイドロキノン、
7)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
8)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
9)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/ハイドロキノン、
10)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/ハイドロキノン/4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
11)4−ヒドロキシ安息香酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
12)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン、
13)4−ヒドロキシ安息香酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン、
14)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン、
15)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン/4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
16)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4−アミノフェノール、
17)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4−アミノフェノール、
18)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4−アミノフェノール、
19)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル /4−アミノフェノール、
20)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/エチレングリコール、
21)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル/エチレングリコール、
22)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/エチレングリコール、
23)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル/エチレングリコール、
24)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル。

0032

これらの中でも、10)の重合性単量体に由来する構成単位からなる液晶ポリマーが好ましい。

0033

上記の液晶ポリマーは単独で用いてもよく、2種以上の液晶ポリマーの混合物として用いてもよい。

0034

本発明で用いられる液晶ポリマーの特に好ましい態様の一つとしては、下記式(A)〜(E)で表される繰返し単位から構成される全芳香族液晶ポリエステル樹脂である。

0035

[式中、p、q、r、sおよびtは、各繰返し単位の液晶ポリエステル樹脂中での組成比(モル%)を示し、以下の条件を満たす:
25≦p≦45;
2≦q≦10;
10≦r≦20;
10≦s≦20;
20≦t≦40;
r>s;
p+q+r+s+t=100。]

0036

以下、本発明に用いる液晶ポリマーの製造方法について説明する。

0037

本発明に用いる液晶ポリマーの製造方法に特に制限はなく、重合性単量体を、エステル結合またはアミド結合を形成させる公知の重縮合方法、たとえば溶融アシドリシス法、スラリー重合法などに供することにより液晶ポリマーを得ることができる。

0038

溶融アシドリシス法は、本発明の液晶ポリマー組成物に用いる液晶ポリマーを製造するのに好ましい方法である。この方法は、最初に重合性単量体を加熱して反応物質溶融溶液を形成し、次いで重縮合反応を続けて溶融ポリマーを得るものである。なお、縮合最終段階で副生する揮発物(たとえば酢酸、水など)の除去を容易にするために真空を適用してもよい。

0039

スラリー重合法とは、熱交換流体の存在下で重合性単量体を反応させる方法であって、固体生成物熱交換媒質中に懸濁した状態で得られる。

0040

溶融アシドリシス法およびスラリー重合法のいずれの場合においても、液晶ポリマーを製造する際に使用される重合性単量体は、常温において、ヒドロキシル基および/またはアミノ基をアシル化した変性形態(低級アシル基)、すなわち低級アシル化物として反応に供することもできる。

0041

低級アシル基は炭素原子数2〜5のものが好ましく、炭素原子数2または3のものがより好ましい。本発明の好ましい実施態様において、前記重合性単量体のアセチル化物を反応に供する。

0042

重合性単量体の低級アシル化物は、別途アシル化して予め合成したものを用いてもよいし、液晶ポリマーの製造時に重合性単量体に無水酢酸等のアシル化剤を加えて反応系内で生成せしめることもできる。

0043

溶融アシドリシス法またはスラリー重合法のいずれの場合においても、重縮合反応は、通常150〜400℃、好ましくは250〜370℃の温度で、常圧および/または減圧下で行うのがよく、必要に応じて触媒を用いてもよい。

0045

触媒を使用する場合、該触媒の量は重合性単量体全量に対し、好ましくは1〜1000ppm、より好ましくは2〜100ppmである。

0046

このような重縮合反応によって得られた液晶ポリマーは、通常、溶融状態重合反応槽より抜き出された後に、ペレット状、フレーク状、または粉末状に加工され、他の成分と溶融混練に供される。

0047

ペレット状、フレーク状、または粉末状の液晶ポリエステルは、分子量を高めて耐熱性を向上させる目的で、減圧下、真空下または不活性ガスである窒素ヘリウムなどの雰囲気下において、実質的に固相状態で熱処理を行ってもよい。

0048

本発明の液晶ポリマー組成物は上記液晶ポリマーの他に、環状オレフィン系樹脂を含有する。

0049

本発明の液晶ポリマー組成物に用いられる環状オレフィン系樹脂には、ノルボルネン又は多環ノルボルネン系モノマー等の環状オレフィン重合体、若しくはそれらの共重合体が含まれる。当該環状オレフィン系樹脂は、開環構造を含んでもよく、また、開環構造を含む環状オレフィン系樹脂を水素添加したものでもよい。また、当該環状オレフィン系樹脂は、透明性を著しく損なわず、著しく吸湿性を増大させない範囲で、鎖状オレフィン及びビニル化芳香族化合物に由来する構造単位を含んでいてもよい。また、当該環状オレフィン系樹脂は、その分子内に極性基が導入されていてもよい。

0050

鎖状オレフィンとしては、エチレン及びプロピレン等が挙げられる。また、ビニル化芳香族化合物としては、スチレンα−メチルスチレン及びアルキル置換スチレン等が挙げられる。

0051

環状オレフィン系樹脂が、環状オレフィンと、鎖状オレフィン及び/又はビニル化芳香族化合物との共重合体である場合、環状オレフィンに由来する構造単位の含有量は、共重合体の全構造単位に対して、通常50モル%以下であり、好ましくは15〜50モル%であり、より好ましくは20〜45モル%、さらに好ましくは25〜40モル%である。

0052

環状オレフィン系樹脂が、環状オレフィンと、鎖状オレフィンと、ビニル化芳香族化合物との三元共重合体である場合、鎖状オレフィンに由来する構造単位の含有量は、共重合体の全構造単位に対して、通常5〜80モル%であり、ビニル化芳香族化合物に由来する構造単位の含有量は、共重合体の全構造単位に対して、通常5〜80モル%である。このような三元共重合体には、高価な環状オレフィンの使用量を比較的少なくすることができるという利点がある。

0053

環状オレフィン系樹脂は、市場から入手できる。市販の環状オレフィン系樹脂としては、Topas(登録商標)(Ticona社(独))、アートン(登録商標)(JSR(株))、ゼオノア(ZEONOR)(登録商標)(日本ゼオン(株))、ゼオネックス(ZEONEX)(登録商標)(日本ゼオン(株))及び、アペル(登録商標)(三井化学(株))等が挙げられる。

0054

本発明の液晶ポリマー組成物における環状オレフィン系樹脂の含有量は、液晶ポリマー100質量部に対して、0.1〜10質量部であり、好ましくは0.5〜8質量部であり、より好ましくは1〜7質量部であり、さらに好ましくは2〜6質量部である。環状オレフィン系樹脂の含有量が上記範囲内であることで、溶融粘度の低下による成形性の悪化が抑制されると共に、ウェルド強度も維持され、成形品の金属接着性も有意に向上させることができる。

0055

本発明の液晶ポリマー組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、上述の環状オレフィン系樹脂以外にも、さらに他の樹脂成分を含有させてもよい。他の樹脂成分としては、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタールポリフェニレンエーテルおよびその変性物ポリスルホンポリエーテルスルホンポリエーテルイミドポリアミドイミドなどの熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂エポキシ樹脂ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。

0056

他の樹脂成分は、単独でまたは2種以上を組み合わせて含有することができる。他の樹脂成分の含有量は特に限定されず、液晶ポリマー組成物の用途や目的に応じて適宜定めればよい。典型的には、液晶ポリマー100質量部に対する他の樹脂の合計含有量が、好ましくは0.1〜100質量部、より好ましくは0.2〜80質量部となる範囲で添加される。

0057

本発明の液晶ポリマー組成物は上記液晶ポリマーおよび環状オレフィン系樹脂の他に、カルボジイミド基含有化合物を含有する。

0058

本発明の液晶ポリマー組成物に用いられるカルボジイミド基含有化合物とは、カルボジイミド基(−N=C=N−)を有する化合物であり、カルボジイミド基を少なくとも1つ有する化合物であれば、特に制限されるものではない。

0059

カルボジイミド基含有化合物としては、ポリカルボジイミド化合物モノカルボジイミド化合物が挙げられる。

0060

ポリカルボジイミド化合物としては、具体的には、ポリ(4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルフェニルカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニルカルボジイミド)等の芳香族ポリカルボジイミド;ポリ(ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)等の脂環族ポリカルボジイミドが挙げられる。

0061

モノカルボジイミド化合物としては、ジフェニルカルボジイミド、ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、ジ−2,6−ジエチルフェニルカルボジイミド、ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、ジ−2,6−ジtert−ブチルフェニルカルボジイミド、ジ−o−トリルカルボジイミド、ジ−p−トリルカルボジイミド、ジ−2,4,6−トリメチルフェニルカルボジイミド、ジ−2,4,6−トリイソプロピルフェニルカルボジイミド、ジ−2,4,6−トリイソブチルフェニルカルボジイミド等の芳香族モノカルボジイミド化合物;ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、ジ−シクロヘキシルメタンカルボジイミド等の脂環族モノカルボジイミド化合物;ジ−イソプロピルカルボジイミド、ジ−オクタデシルカルボジイミド等の脂肪族モノカルボジイミド化合物等が挙げられる。

0062

前記カルボジイミド基含有化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中で、好ましい具体的な化合物は、脂肪族ポリカルボジイミド化合物であり、その市販品としては、例えば、日清紡ケミカル(株)製のカルボジライト(登録商標)HMV−8CAやカルボジライト(登録商標)LA−1が挙げられる。

0063

本発明の液晶ポリマー組成物におけるカルボジイミド基含有化合物の含有量は、液晶ポリマー100質量部に対して、0.1〜5質量部であり、好ましくは0.3〜4質量部であり、より好ましくは0.5〜3質量部であり、さらに好ましくは0.7〜2.5質量部である。カルボジイミド基含有化合物の含有量が上記範囲内であることで、溶融粘度の低下による成形性の悪化が抑制されると共に、ウェルド強度も維持され、成形品の金属接着性も有意に向上させることができる。

0064

本発明の液晶ポリマー組成物は、さらに針状フィラーを含有することが好ましい。針状フィラーとしては、ウォラストナイト等の珪酸カルシウムモスハイジ、ゾノトライトチタン酸カルシウム硼酸アルミニウム針状炭酸カルシウム、針状酸化チタン、テトラポット型酸化亜鉛等が挙げられ、機械強度に優れる点で針状酸化チタンが好ましい。針状フィラーは、単独でまたは2種以上を併用することができる。

0065

本発明の液晶ポリマー組成物における針状フィラーの含有量は、液晶ポリマー100質量部に対して、好ましくは1〜100質量部であり、より好ましくは3〜70質量部であり、さらに好ましくは4〜50質量部であり、特に好ましくは5〜20質量部である。針状フィラーを上記範囲内で含有させることで成形品を超音波洗浄した際に発生するパーティクルを低下させることができる。

0066

本発明の液晶ポリマー組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上述の針状フィラー以外に、例えば、他の繊維状、板状、粒状の無機充填材または有機充填材を含有してよい。

0067

本発明の液晶ポリマー組成物が針状フィラー以外の無機充填材または有機充填材を含有する場合、その含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部、より好ましくは0.5〜20質量部である。これら他の充填材の含有量が上記上限値を超えると、成形加工性が低下したり熱安定性が悪くなる傾向がある。

0068

他の繊維状充填材としては、例えば、ミルガラスシリカアルミナ繊維、アルミナ繊維炭素繊維アラミド繊維ポリアリレート繊維ポリベンズイミダゾール繊維、チタン酸カリウムウイスカホウ酸アルミニウムウイスカなどが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を併用することができる。

0070

他の粒状充填材としては、例えば、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、硫酸バリウム、粒状酸化チタンなどが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を併用することができる。

0071

また、本発明の液晶ポリマー組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上述した以外の他の添加剤を含有することができる。

0072

他の添加剤としては、例えば、滑剤である高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩(ここで高級脂肪酸とは、例えば炭素原子数10〜25のものをいう)、フルオロカーボン系界面活性剤など、離型改良剤であるポリシロキサンフッ素樹脂など、着色剤である染料顔料カーボンブラックなど、難燃剤帯電防止剤界面活性剤酸化防止剤であるリン系酸化防止剤フェノール系酸化防止剤硫黄系酸化防止剤など、耐候剤、熱安定剤中和剤などが挙げられる。高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸金属塩、フルオロカーボン系界面活性剤などの外部滑剤効果を有する添加剤については、液晶ポリマー組成物を成形するに際して、予め、液晶ポリマー組成物のペレットの表面に付着させてもよい。これらの添加剤は、単独で使用してもよく、または2種以上を併用してもよい。

0073

これらの他の添加剤の含有量は、液晶ポリマー100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜5質量部である。これら他の添加剤の含有量が上記上限値を超えると、成形加工性が低下したり熱安定性が悪くなる傾向がある。

0074

液晶ポリマー、環状オレフィン系樹脂およびカルボジイミド基含有化合物と、所望により他の無機充填材および/または有機充填材、他の添加剤や他の樹脂成分などを所定の組成で配合し、バンバリーミキサーニーダー、一軸もしくは二軸押出し機などを用いて溶融混練することによって、本発明の液晶ポリマー組成物とすることができる。

0075

この様にして得られた、本発明の液晶ポリマー組成物は、射出成形機押出機などを用いる公知の成形方法によって成形ないし加工され、所望の成形品を得ることができる。

0076

本発明の液晶ポリマー組成物から構成される成形品は、ウェルド強度を維持したまま金属接着性が向上したものであるため、コネクタ、スイッチ、リレー、コンデンサ、コイル、トランス、カメラモジュール、アンテナなどの電子部品に好適に用いられる。

0077

以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例中の溶融粘度、荷重たわみ温度引張強度曲げ強度パーティクル発生数、ウェルド強度、金属接着性の測定、評価は以下に記載の方法で行った。

0078

〈溶融粘度〉
溶融粘度測定装置(東洋精機(株)製キャピログラフ1D)により、1.0mmφ×10mmのキャピラリーを用いて、剪断速度1000sec−1の条件下、試料の結晶融解温度(Tm)+20℃の温度での溶融粘度をそれぞれ測定した。

0079

〈荷重たわみ温度〉
射出成形機(日精樹脂工業(株)製UH1000−110)を用いて、短冊状試験片(長さ127mm×幅12.7mm×厚さ3.2mm)を成形し、これを用いてASTMD648に準拠し、荷重1.82MPa、昇温速度2℃/分で所定たわみ量(0.254mm)になる温度を測定した。

0080

〈引張強度〉
射出成形機(日精樹脂工業(株)製UH1000−110)を用いて結晶融解温度+20〜40℃のシリンダー温度金型温度70℃で射出成形し、ASTM4号ダンベル試験片を作製した。INSTRON5567(インストロンジパンカンパイリテッド社製万能試験機)を用いて、ASTM D638に準拠して測定した。

0081

〈曲げ強度〉
荷重たわみ温度の測定に用いた試験片と同じ試験片を用いてASTMD790に準拠して測定した。

0082

〈パーティクル発生数〉
荷重たわみ温度測定に用いた試験片と同じ試験片を、純水50mLを備えた外径50mm、内径45mm、高さ100mmの円筒ガラス容器に、ゲート部が水に浸からないように載置した後、円筒ガラス容器を、水1000mLを備えた縦140mm、横240mm、深さ100mmの超音波洗浄槽((株)エスエヌディ製US−102)に設置した。38kHz、100Wの出力で10分間超音波洗浄を行った後、純水1mL中に含まれる粒子径が2μm以上である粒子〔試験片から剥落した脱落物(パーティクル)〕の数を、パーティクルカウンタースペクトリス社製LiQuilaz−05)を使用して3回測定し、平均値測定結果とした。

0083

〈ウェルド強度〉
型締め圧15tの射出成形機(日精樹脂工業(株)製NEX15−1E)を用いて融点+20〜40℃のシリンダー温度、金型温度70℃で射出成形し、ウェルド部を有する円筒状試験片(厚さ0.8mm、外径10mm、高さ5mm)を作製した。各試験片について、INSTRON5567(インストロンジャパンカンパニイリミテッド社製万能試験機)を用いて圧縮試験を行い、ウェルド部が破断する際の強度を測定した。

0084

〈金属接着性〉
荷重たわみ温度測定に用いた試験片と同じ試験片の、反ゲート側10mmの位置に接着材(味の素ファインテクノ(株)製AE−421D)12mgを塗布した金属リベット(直径12mm、高さ8mm)を貼り付け、80℃で30分加熱し接着材を固化させ、接着性評価試験片を作製した。各試験片について、INSTRON5567(インストロンジャパンカンパニイリミテッド社製万能試験機)を用いて、金属リベットを試験片と水平に引張り接着力を測定した。

0085

実施例および比較例において下記の略号は以下の化合物を表す。
POB:パラヒドロキシ安息香酸
BON6:6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸
HQ:ハイドロキノン
BP:4,4’−ジヒドロキシビフェニル
TPA:テレフタル酸

0086

[合成例1(LCP)]
トルクメーター付き攪拌装置および留出管を備えた反応容器に、POB、BON6、HQ、BPおよびTPAを表1に示す組成比にて、総量6.5モルとなるように仕込み、さらに全モノマー水酸基量(モル)に対して1.03倍モルの無水酢酸を仕込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。

0087

窒素ガス雰囲気下に室温〜150℃まで1時間で昇温し、同温度にて30分間保持した。次いで、副生する酢酸を留去させつつ350℃まで7時間かけ昇温した後、80分間かけて5mmHgにまで減圧した。所定のトルクを示した時点で重合反応を終了し、反応容器内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリエステル樹脂のペレットを得た。重合時の留出酢酸量は、ほぼ理論値どおりであった。

0088

0089

以下の実施例および比較例で使用した充填材を示す。
環状オレフィン系樹脂(COP):日本ゼオン(株)製、シクロオレフィンポリマー「ZEONOR(登録商標)1420R」
カルボジイミド基含有化合物(CI):日清紡ケミカル(株)製、ポリカルボジイミド「カルボジライト(登録商標)LA−1」
針状フィラー:石原産業(株)製、針状酸化チタン「FTL−400」

0090

実施例1〜5、比較例1〜4
合成例1にて合成したLCP、環状オレフィン系樹脂(COP)、カルボジイミド基含有化合物(CI)および針状フィラーを表2に記載の含有量となるように配合し、2軸押出機(日本製鋼(株)製TEX−30)を用いて、350℃にて溶融混練を行い、液晶ポリマー組成物のペレットを得た。上記の方法により、溶融粘度、荷重たわみ温度、引張強度、曲げ強度、パーティクル発生数、ウェルド強度、金属接着性を測定、評価した。結果を表2に示す。

0091

表2に示すように、実施例1〜5の液晶ポリマー組成物はいずれも、ウェルド強度を維持しつつ、金属接着性に優れたものであった。

0092

これに対して、比較例1〜4の液晶ポリマー組成物については、溶融粘度が低下することによる成形性等の悪化(計量安定性の悪化、空気の巻き込みによるブリスターの発生など)、ウェルド強度の低下、または金属接着性の低下が確認され、成形材料として好ましくないものであった。

0093

また、針状フィラーを所定量配合した実施例4〜5の液晶ポリマー組成物は、パーティクルの発生が抑制されたものであった。

実施例

0094

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