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技術 霊長類動物用セーフティヘッドギア

出願人 日本クレア株式会社
発明者 新井伸哉深澤一正北野昌樹鍵山謙介日比野仁士服部真智子
出願日 2019年5月10日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-089623
公開日 2020年11月19日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-184888
状態 特許登録済
技術分野 獣医用機器 家畜、動物の飼育(3)(その他の飼育)
主要キーワード 後部部品 前部部品 戻り止め効果 略扇形形状 金魚鉢 差込板 成型操作 施術者側
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年11月19日)のものです。
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図面 (20)

課題

霊長類動物に過分なストレスをかけることなく、スムーズに霊長類動物に対して施術をすることができるヘッドギアを提供する。

解決手段

霊長類動物の頭部を覆うヘッドギア1であって、前記霊長類動物の頭部が貫通可能な開口と、霊長類動物の頭部が貫通可能な前記開口の開口面積を調節可能なスライド部材4と、を備える、セーフティヘッドギアである。

概要

背景

霊長類動物として、マーモセットカニクイザル、ニホンザルタマリン、及びチンパンジーなど多くの種が存在する。これらの霊長類動物、なかでもマーモセットは人間に近く、脳・神経系・循環器系消化器系内分泌系・免疫系・行動学等ではヒトとの類似点を多く有している。この類似点のために、動物実験に広く用いられている。

マーモセットは、ラットと同じ程度の大きさ(体重200〜400g)である。マーモセットは、ハンドリングが容易で、飼育スペースも少なくてすむ。また、マーモセットは、人獣共通のウイルス性感染症報告例もなく、赤痢菌結核菌感受性も低いといわれている。
さらに、マーモセットは生後12か月齢前後で性成熟に達し、1産に2〜4匹の仔を(個体によっては年2回)出産する。マーモセットの寿命は、15〜16年といわれる。マーモセットは、性格的にはやや神経質な面を持ち合わせているので、その飼育や取扱いには十分な配慮が必要とされている。

このようなマーモセットに施術を行う場合、一人の施術者がマーモセットの両手両足、尾、及び頭部を押さえ付けた状態で、他の施術者が注射や採血を行っていた。この方法では、マーモセットが暴れて施術者が噛み付かれたりしないよう、強い力でマーモセットを抑え付けなければならず、人手が掛かっていた。加えて、マーモセットにも大きなストレスがかかっていた。

このような状況を解消するため、マーモセットの拘束装置が開発された(特許文献1)。この装置は、両端が開口した胴部包囲用筒状部と、その開口した一端の外側に配置した頭部載置台と、同他端の外側に配置した腰部固定台とを備え、この腰部固定台に拘束バンドが設けられている。

かかる装置を使用すれば、マーモセットは胴体部が固定される。したがって、施術者は片手でマーモセットの腕を押さえ、他の手で注射針を挿入することができる。

概要

霊長類動物に過分なストレスをかけることなく、スムーズに霊長類動物に対して施術をすることができるヘッドギアを提供する。霊長類動物の頭部を覆うヘッドギア1であって、前記霊長類動物の頭部が貫通可能な開口と、霊長類動物の頭部が貫通可能な前記開口の開口面積を調節可能なスライド部材4と、を備える、セーフティヘッドギアである。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

霊長類動物の頭部を覆うヘッドギアであって前記霊長類動物の頭部が貫通可能な開口と、霊長類動物の頭部が貫通可能な前記開口の開口面積を調節可能なスライド部材と、を備える、前記ヘッドギア。

請求項2

挿入された前記霊長類動物の口部に対応する位置のスリットと、前記スリットに差し込み可能で、前記スリットに差し込まれたときにその一部が前記霊長類動物の口内に挿入される差込板とをさらに備える、請求項1に記載のヘッドギア。

請求項3

前記差込板に、前記霊長類動物の口部に挿入される経口チューブ案内通路が設けられている、請求項2に記載のヘッドギア。

請求項4

前記霊長類動物が呼吸をするための呼吸孔が設けられている、請求項1〜3のいずれかに記載のヘッドギア。

請求項5

前記スライド部材が、前記ヘッドギアに設けられた2つの合わせ部に回転自在に取り付けられ、前記スライド部材が前記合わせ部を中心に回転することにより前記開口の開口面積を調節する、請求項1〜4のいずれかに記載のヘッドギア。

請求項6

前記霊長類動物が、マーモセットである、請求項1〜5のいずれかに記載のヘッドギア。

技術分野

0001

本発明は、医療研究及び各種実験などに用いられるマーモセットなどの霊長類動物に使用する霊長類動物用セーフティヘッドギアに関する。

背景技術

0002

霊長類動物として、マーモセット、カニクイザル、ニホンザルタマリン、及びチンパンジーなど多くの種が存在する。これらの霊長類動物、なかでもマーモセットは人間に近く、脳・神経系・循環器系消化器系内分泌系・免疫系・行動学等ではヒトとの類似点を多く有している。この類似点のために、動物実験に広く用いられている。

0003

マーモセットは、ラットと同じ程度の大きさ(体重200〜400g)である。マーモセットは、ハンドリングが容易で、飼育スペースも少なくてすむ。また、マーモセットは、人獣共通のウイルス性感染症報告例もなく、赤痢菌結核菌感受性も低いといわれている。
さらに、マーモセットは生後12か月齢前後で性成熟に達し、1産に2〜4匹の仔を(個体によっては年2回)出産する。マーモセットの寿命は、15〜16年といわれる。マーモセットは、性格的にはやや神経質な面を持ち合わせているので、その飼育や取扱いには十分な配慮が必要とされている。

0004

このようなマーモセットに施術を行う場合、一人の施術者がマーモセットの両手両足、尾、及び頭部を押さえ付けた状態で、他の施術者が注射や採血を行っていた。この方法では、マーモセットが暴れて施術者が噛み付かれたりしないよう、強い力でマーモセットを抑え付けなければならず、人手が掛かっていた。加えて、マーモセットにも大きなストレスがかかっていた。

0005

このような状況を解消するため、マーモセットの拘束装置が開発された(特許文献1)。この装置は、両端が開口した胴部包囲用筒状部と、その開口した一端の外側に配置した頭部載置台と、同他端の外側に配置した腰部固定台とを備え、この腰部固定台に拘束バンドが設けられている。

0006

かかる装置を使用すれば、マーモセットは胴体部が固定される。したがって、施術者は片手でマーモセットの腕を押さえ、他の手で注射針を挿入することができる。

先行技術

0007

特開2001−78608

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、特許文献1に記載の装置を使用した場合においても、マーモセットの頭部はむき出しとなっていた。したがって、施術者が腕を噛まれる危険性があるため、施術者とは別に保定者がマーモセットの頭部を抑えなければならなかった。すなわち、マーモセットに施術をするために、依然として2人以上の人員が必要であった。また、強い力で押さえつけることで、マーモセットに多大なストレスがかかることも懸念された。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、霊長類動物、特にマーモセットに対する施術をスムーズに行い、施術者が噛み付かれるリスクを低減し、そしてマーモセットにも過大なストレスを与えない方法を検討した。そして、本発明のヘッドギアを用いることにより、マーモセットに対する施術をスムーズに行うことができることを確認し、本発明を完成するに至った。
本発明は、具体的には以下の通りである。
<1>霊長類動物の頭部を覆うヘッドギアであって、前記霊長類動物の頭部が貫通可能な開口と、霊長類動物の頭部が貫通可能な前記開口の開口面積を調節可能なスライド部材と、を備える、前記ヘッドギア。
<2>挿入された前記霊長類動物の口部に対応する位置のスリットと、前記スリットに差し込み可能で、前記スリットに差し込まれたときにその一部が前記霊長類動物の口内に挿入される差込板とをさらに備える、<1>に記載のヘッドギア。
<3>前記差込板に、前記霊長類動物の口部に挿入される経口チューブ案内通路が設けられている、<2>に記載のヘッドギア。
<4>前記霊長類動物が呼吸をするための呼吸孔が設けられている、<1>〜<3>のいずれかに記載のヘッドギア。
<5>前記スライド部材が、前記ヘッドギアに設けられた2つの合わせ部に回転自在に取り付けられ、前記スライド部材が前記合わせ部を中心に回転することにより前記開口の開口面積を調節する、<1>〜<4>のいずれかに記載のヘッドギア。
<6>前記霊長類動物が、マーモセットである、<1>〜<5>のいずれかに記載のヘッドギア。

発明の効果

0010

本発明のヘッドギアを用いることで、霊長類動物に過分なストレスをかけることなく、スムーズに霊長類動物に対して施術をすることができる。すなわち、霊長類動物に対して施術を行う際の人員及び時間削減が可能となる。また、施術者が霊長類動物に噛み付かれるリスクを低減することもできる。また、霊長類動物に対して過大なストレスを与えることを防止することもできる。加えて、霊長類動物が何かを掴んだ場合にも、掴んだ物を口に運ぶことができず、霊長類動物の歯の脱臼又は誤食のリスクを減少させることもできる。

図面の簡単な説明

0011

本発明のヘッドギアの一態様の斜視図である。
本発明のヘッドギアの一態様の平面図である。
本発明のヘッドギアの一態様の正面図である。
本発明のヘッドギアの一態様の右側面図である。
本発明のヘッドギアの一態様の底面図である。
本発明のヘッドギアの一態様の背面図である。
本発明のヘッドギアを説明する際に用いる方向に関する用語を示す図である。
本発明のヘッドギアの一態様の前部部品の正面図である。
本発明のヘッドギアの一態様の前部部品の背面図である。
本発明のヘッドギアの一態様の前部部品の右側面図である。
本発明のヘッドギアの一態様の前部部品の底面図である。
本発明のヘッドギアの一態様の後部部品の正面図である。
本発明のヘッドギアの一態様の後部部品の右側面図である。
本発明のヘッドギアの一態様のスライド部材の斜視図である。
本発明のヘッドギアの一態様のスライド部材の平面図である。
本発明のヘッドギアの一態様のスライド部材の正面図である。
本発明のヘッドギアの一態様のスライド部材の右側面図である。
本発明のヘッドギアの一態様におけるスライド部材の動きを示す図である。
本発明のヘッドギアの一態様の差込板の斜視図である。
本発明のヘッドギアの一態様の差込板の正面図である。
本発明のヘッドギアの一態様の差込板の右側面図である。
本発明のヘッドギアの一態様の差込板の底面図である。
本発明のヘッドギアの一態様における各部品組み立て方法を示す図である。

0012

以下、本発明のヘッドギアについて図面を用いて説明するが、当該図面及び説明は好ましい態様を例示するものであって、本発明の技術的思想の範囲を限定するものではない。
なお、本発明のヘッドギア及びこれらを構成する各部材を説明する際に、ヘッドギアが組み合わされた状態において、霊長類動物の頭部が存在する側を「内部」と表現し、霊長類動物の頭部が存在する側の各部材の表面を「内部表面」と表現することがある。また、ヘッドギアが組み合わされた状態において、霊長類動物の頭部が存在しない側を「外部」と表現し、霊長類動物の頭部が存在しない側の各部材の表面を「外部表面」と表現することがある。
同様に、ヘッドギアが組み合わされた状態において、霊長類動物の頭部が存在する方向を「上方」、「上側」、又は「上方向」と表現することがある。また、ヘッドギアが組み合わされた状態において、「上方向」とは逆の方向、すなわち霊長類動物の胴体が存在する方向を「下方」、「下側」、又は「下方向」と表現することがある。
同様に、ヘッドギアが組み合わされた状態において、霊長類動物の口、目等が存在する方向を「前」、「前側」、又は「前方向」と表現することがある。また、ヘッドギアが組み合わされた状態において、「前方向」とは逆の方向、すなわち、霊長類動物の後頭部が存在する方向を「後」、「後側」、又は「後方向」と表現することがある。
図7に、本発明のヘッドギアを説明する際に用いる、方向に関する用語を示す。

0013

図1〜6は、本発明のヘッドギアの一態様を示す図である。図1〜6は、マーモセット用のヘッドギア1を示している。図1〜6において、ヘッドギア1は、前部部品2、後部部品3、及びスライド部材4から成る。ヘッドギア1の下方には、霊長類動物の頭部が挿入される開口6が形成されている。ヘッドギア1の付属品として、差込板5を付属させることができる。

0014

図1〜6において、差込板5は、前部部品2のスリット22(図8等参照)に差し込まれている。差込板5は、施術者側(前方向)に移動させることで、スリット22から取り外すことができる。差込板5及びスリット22を備えることにより、霊長類動物が自分自身(特に、口内及びなど)及び周囲に存在する物体保定器等)を噛み、霊長類動物が傷つくことを防止することができる。
差込板5は、経口チューブを通すための案内通路51を備えることができる(図19等参照)。差込板5が経口チューブを通すための案内通路51を備えることにより、霊長類動物に対する経口投与用チューブ挿入操作を円滑に行うことができる。
ヘッドギア1は、霊長類動物が呼吸をするための呼吸孔を備えることができる。呼吸孔を備えることにより、霊長類動物がスムーズに呼吸ができるようになる。加えて、霊長類動物の呼吸により、ヘッドギア1の内部が曇ることを防止することができる。
前記スライド部材は、前記ヘッドギアに設けられた2つの合わせ部に回転自在に取り付けられることができ、前記スライド部材が前記合わせ部を中心に回転することにより前記開口の開口面積を調節することできる。このような構成を採用することにより、開口の開口面積をスムーズに調節することができる。

0015

ヘッドギア1では、半球状の前部部品2と半球状の後部部品3とが霊長類動物の頭部を覆うように設計されている。本明細書において、「頭部」とは、首より上方の部分を意味し、顔、後頭部、及び口等を包含する。本明細書において、「霊長類動物の頭部を覆う」とは、霊長類動物の口と、霊長類動物の頭部の少なくとも一部とを覆うことを意味する。すなわち、本発明の効果が得られる限りにおいて、ヘッドギア1の頭頂部に大きく孔が空いているような態様であっても、「霊長類動物の頭部を覆う」に該当する。なお、「覆う」とは、頭部表面とヘッドギアの内側表面とに一定の距離が存在する場合及び存在しない場合の両方、すなわち、頭部表面とヘッドギアの内側表面とが直接接触する場合及び直接接触しない場合の両方を意味するが、霊長類動物のストレスを考慮して、直接接触しないことが好ましい。
本発明のヘッドギア1は、霊長類動物の口を含む、霊長類動物の頭部の表面積の30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、又は95%以上を覆うことができる。
本発明のヘッドギア1では、覆っている霊長類動物の頭部の表面積の30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、又は95%以上が、ヘッドギアの内側表面に直接接触しないことができる。
本発明のヘッドギア1は、好ましくは、口部から霊長類動物の後頭部に至るまでを覆うものであり、さらに好ましくは、図1に示すように、霊長類動物の頭部全体収納するものである。なお、本明細書において「頭頂部」とは、頭部の頂端のことであり、霊長類動物を直立させた場合に、最も体高が高くなる部分を意味する。
ヘッドギア1の形状は、霊長類動物の頭部を覆うことができる形状であれば特に限定されず、任意の形状を使用することができるが、図1に示すように、略球形であることが好ましい。本明細書において「略球形」とは、横方向及び高さ方向により形成される平面に平行方向にヘッドギア1を切断したときにおける最も長い直径X(図3参照)、奥行方向及び高さ方向により形成される平面に平行方向にヘッドギア1を切断したときにおける最も長い直径Y(図2参照)、及び高さ方向及び奥行方向により形成される平面に平行方向にヘッドギア1を切断したときにおける最も長い直径Z(図4参照)のうち、最も短い直径が、最も長い直径の例えば50%〜100%、好ましくは60%〜100%、より好ましくは70%〜100%、さらに好ましくは80%〜100%、最も好ましくは90%〜100%の長さであることを意味する。

0016

前部部品2と後部部品3とは、霊長類動物の頭部が貫通可能な開口6を形成するように設計されている。開口6の孔径及び形状は、霊長類動物の頭部がヘッドギア1に収納されるために貫通可能であればよく、霊長類動物の種類又は用途に応じて当業者であれば適宜調節することができる。開口6の形状は、略長方形又は略楕円形であることが好ましい。開口6は、ヘッドギア1の下側に設けられることが好ましい。
霊長類動物がマーモセットである場合、開口6の形状が、略長方形又は略楕円形であり、そして開口6の孔径が、長手方向の長さが4cm〜6cm、短手方向の長さが2cm〜4cmであることが好ましい。長手方向の長さ及び短手方向の長さは、スライド部材4が開口6の開口面積を制限していない状態の長さを意味する。スライド部材4が、開口6の長手方向の長さを調節することにより開口6の開口面積を調節することが好ましい。

0017

図1〜6は、前部部品2と後部部品3、すなわち2つの部材を組み合わせて霊長類動物の頭部を覆う構成を示している。しかしながら、1つの部材、例えばお椀型金魚鉢型のものを用いて霊長類動物の頭部を覆う構成とすることもできる。しかしながら、この場合は金型等による成型操作が困難であることから、前部部品2と後部部品3を組み合わせる構成とすることが好ましい。

0018

前部部品2、後部部品3、スライド部材4、及び差込板5の材質は、本発明の効果が得られる限りにおいて特に限定されないが、霊長類動物の視界遮り過度なストレスを与えないために、及び、施術者がヘッドギア1内部の霊長類動物の様子を確認できるように、プラスチック樹脂などの透明の材質を使用することが好ましい。

0019

本発明において霊長類動物とは、以下に限定されるものではないが、イタチキツネザルブラウンキツネザル、ワオキツネザル、アイアイリスザルクモザル、マーモセット、カニクイザル、ニホンザル、タマリン、及びチンパンジーなどを例示することができる。霊長類としては、マーモセットを用いることが好ましく、マーモセットとしては、ピグミーマーモセット及びコモンマーモセット等が挙げられる。本明細書において、「霊長類動物」には、ヒトは含まれない。

0020

図8〜11は、本発明のヘッドギアの一態様の前部部品2を示す図である。前部部品2は、呼吸孔21を備えることが好ましい。呼吸孔21は、頭部を覆われた霊長類動物が呼吸を行うための孔である。呼吸孔の形状、大きさ、及び個数は霊長類動物が呼吸をすることができれば特に限定されない。
また、前部部品2は呼吸孔に限らず、霊長類動物に点眼薬投与するための点眼孔、及び/又は毛髪サンプリングするための孔を備えることもできる。

0021

前部部品2は、差込板5を挿入するためのスリット22を備えることができる。スリット22は、霊長類動物の口部に対向する位置に設けられる。スリット22の形状は差込板5を容易に挿入することができればよく、特に限定されない。スリット22は、後述する差込板5のストッパ部55と篏合して、霊長類動物が暴れた場合でも容易に抜けないように設計することが好ましい。

0022

前部部品2は、前部部品2と後部部品3との位置合わせのための嵌合部A23を備えることができる。嵌合部A23と後部部品3が備える嵌合部B33(図12等参照)とを嵌合させることにより、前部部品2と後部部品3との位置合わせを容易にすることができる。前部部品2と後部部品3との位置合わせを容易にすることができれば、嵌合部A23及び嵌合部B33の形状は特に制限されることはなく、凹凸等の任意の形状を採用することができる。嵌合部A23の例としては、後側に向かって突出する凸部であり、嵌合部B33の例としては、前記凸部を収容するために、後側に向かって陥没する、前記凸部と同一形状の凹部が挙げられる。ヘッドギア1は、嵌合部を複数、例えば3つ備えることが好ましい。すなわち、前部部品2及び後部部品3の各々が、嵌合部A23及び嵌合部B33を複数、例えば3つずつ備えることが好ましい。

0023

前部部品2は、前部部品2と後部部品3とを組み合わせるための合わせ部A24を備えることができる。合わせ部A24と後部部品3が備える合わせ部B34(図12等参照)とを面合わせすることにより、前部部品2と後部部品3とを容易に組み合わせることができる。前部部品2と後部部品3とを組み合わせることを容易にすることができれば、合わせ部A24及び合わせ部B34の形状は特に制限されることはなく、任意の形状を採用することができる。合わせ部A24及び合わせ部B34の例としては、横方向及び上方向に向かって突出する、ヘッドギア1の左右に設けられた2つの凸部が挙げられる。この凸部は、奥行方向及び高さ方向が形成する平面と平行方向の断面が半円となる筒状体であることが好ましい。

0024

図12〜13は、本発明のヘッドギア1の一態様の後部部品3を示す図である。後部部品3は、霊長類動物にヘッドギア1を装着させた後にスライド部材4が上方に戻ることを防止する戻り止めB32を備えることが好ましい。戻り止めB32は、スライド部材4が上方に戻ることを防止し、スライド部材4が開口6の開口面積を制限した状態を維持する。戻り止めB32の形状及び大きさは、スライド部材4が上方に戻ることを防止することができれば特に限定されることはなく、ヘッドギア1の材質及び大きさに合わせて任意の形状(例えば、突起)及び大きさを採用することができる。戻り止めB32の形状は、スライド部材の戻り止め効果の観点から、後方向に向かって突出した突起であることができ、下方に向かうにつれて突起が長くなる形状であることが好ましい。戻り止めB32は、ヘッドギア1における最も後方の部分及び/又は開口6における最も後方の部分に位置することが好ましい。
また、呼吸孔を前部部品2ではなく、後部部品3に設けてもよく、前部部品2及び後部部品3の両方に設けてもよい。

0025

後部部品3は、開口6の開口面積を広く保持するための滑り止め31を備える。滑り止め31は、スライド部材4が開口6の開口面積を広く保持しているときにスライド部材4と接触し、摩擦によりスライド部材4が下方に移動して開口6の開口面積を狭くすることを防止することができる。滑り止め31の形状は、スライド部材4が下方に移動して開口6の開口面積を狭くすることを防止することができれば特に限定されないが、例えば、後部部品3から上方へ突出した突起であることができる。滑り止め31の大きさ、設置する位置及び個数に関しても、スライド部材4が下方に移動して開口6の開口面積を狭くすることを防止することができれば特に限定されない。

0026

図14〜18は、本発明のヘッドギア1の一態様のスライド部材4を示す図である。本発明のヘッドギア1は、霊長類動物の頭部が貫通可能な開口の開口面積を調節可能なスライド部材4を備える。スライド部材4は、開口6の開口面積を調節するための部材である。スライド部材4が開口6の開口面積を調節する様式は、本発明の効果が得られる限りにおいて特に制限されることはないが、ヘッドギア1が略球状である場合、ヘッドギア1における奥行方向の中心部分を円心として、回転運動を行うことにより開口面積を調節できることが好ましい。このように構成するために、合わせ部A24及び合わせ部B34を収容して且つスライド部材が回転自在となることを可能とするための合わせ部収容部43及び合わせ部用孔44を、スライド部材4が備えることが好ましい。

0027

スライド部材4の形状、大きさ、及び個数は、開口の開口面積を調節可能であれば特に限定されない。例えば、スライド部材4を2つ設けて、図18に示すように一方からではなく、両側から開口6の開口面積を増減させるように設計することもできる。スライド部材4をスライドさせる方向に関しては、スライド部材4の形状、大きさ、及び個数等に応じて、当業者であれば適した方向にスライドするようにスライド部材4を設けることができる。

0028

スライド部材4は、施術者がスライド部材4を把持するためのツマミ部41を備えることができる。スライド部材4を用いて開口6の開口面積を調節することにより、霊長類動物が暴れた場合でも頭部を抜けにくくすることができる。施術者がスライド部材4を把持することができれば、ツマミ部41の形状は特に制限されることはなく、任意の形状を採用することができる。ツマミ部41の形状の例としては、スライド部材4から後方向に延伸した部分であることができる。ツマミ部41は、施術者がスライド部材4を把持しやすいように、高さ方向における厚さが5mm以下であることが好ましい。ツマミ部41を施術者が把持して上方に強く引き上げることにより、開口6の開口面積を大きくすることができ、霊長類動物の頭部をヘッドギア1から容易に外すことができる。

0029

図18にスライド部材4の調節方法が図示されている。頭部を挿入するために開口6の開口面積を大きくする場合は、スライド部材4を上方に移動させる。頭部を挿入した後、ヘッドギア1が頭部から外れないように開口6の開口面積を小さくする場合は、スライド部材4を下方に移動させる。

0030

スライド部材4は、霊長類動物にヘッドギア1を装着させた後にスライド部材4が上方に戻ることを防止する戻り止めC42を備えることが好ましい。戻り止めC42を備えることにより、開口6の開口面積が広くなることによるヘッドギア1の霊長類動物の頭部からの脱離を防止することができる。戻り止めC42の形状、個数、及び大きさは、ヘッドギア1の霊長類動物の頭部からの脱離を防止することができれば特に制限されることはなく、前方向に突出する突起等の任意の形状を採用することができる。

0031

図19〜22は、本発明のヘッドギア1の一態様の差込板5を示す図である。差込板5の形状は、スリット22に挿入することができ、且つ前記スリット22に差し込まれたときに差込板5の一部が霊長類動物の口内に挿入されればよく、特に限定されないが、前部部品2と後部部品3とが略球形である場合は、略扇形形状であることが好ましい。
差込板5は、口内保護板57を備える。口内保護板57を霊長類動物の上歯及び下歯の間に存在させることにより、興奮した霊長類動物が自らのや唇をかむことを防止することができる。

0032

差込板5は、経口投与用チューブを通すための案内通路51を備えることが好ましい。案内通路51は、差込板5の奥行方向における一方の端部から他方の端部まで貫通している。案内通路の孔径は、当業者であれば用途に合わせて適宜調節することができる。経口投与用チューブを通すための案内通路51の霊長類動物の内部側の端部は、霊長類動物の口内に挿入される。案内通路51の形状は、経口投与用チューブを挿通することができれば特に限定されることはないが、上方向及び横方向が形成する平面と平行方向に差込板5を切断した場合の断面が略円形または略楕円形となることが好ましい。案内通路51には、カテーテル又は内視鏡等も挿通させることができる。

0033

差込板5は、経口投与用チューブを通し易くするためのガイド部52を備えることが好ましい。ガイド部52は、例えば、差込板5を挿入する方向とは逆方向(外部方向)に部分的に突出させた、突出部であることが好ましい。ガイド部52は、経口投与用チューブをガイドするためのくぼみ53を備えることが好ましい。また、差込板5の一部に、好ましくはガイド部52(突出部)に、施術者が差込板5を把持するための把持部54を設けることが好ましい。把持部54は、ガイド部52の最も前方向の部分から下方向に突出させた部分であることができる。

0034

スリット22に挿入された後に霊長類動物が激しく動いた場合にも差込板5が外れないように、差込板5はストッパ部55及び/又はへり56を有することが好ましい。ストッパ部55の形状、大きさ、及び個数は、差込板5が外れないようにできれば特に限定されることはなく、凸部、凹部等の任意の形状を用いることができる。へり56は、スリット22へ差し込む方向とは逆方向(前方向)の差込板の周縁部に配置される突起であることができる。

0035

図23に、前部部品2、後部部品3、スライド部材4、及び差込板5の組み立て方の一例を示す。
1.まず、前部部品2の3つの嵌合部A23と後部部品3の3つの嵌合部B33、そして前部部品2の2つの合わせ部A24と後部部品3の2つの合わせ部B34とを合わせる。
2.次に、スライド部材4の合わせ部用孔44中に前部部品2の合わせ部A24と後部部品3の合わせ部B34とを収容する。
3.霊長類動物の頭部を収容した後、差込板5をスリット22に差し込む。
図示している組み立て方法は単なる一例であり、本発明のヘッドギアが図示している組み立て方法を使用するものに限定されるわけではない。

0036

本発明のヘッドギア1の寸法は、マーモセット用セーフティヘッドギアである場合、高さ方向、奥行き方向、及び横方向のそれぞれにおいて、4〜10cmが好ましく、5〜8cmがさらに好ましい。

0037

(施術)
本明細書において、「施術」とは、霊長類動物に対して、施術者が治療投薬、サンプリング、触診、及び観察等の特定の操作を行うことを意味する。施術は、具体的には、点眼薬の投与、注射、及び経口投与用チューブの挿入等である。

0038

操作方法
本発明のヘッドギアは、以下の手順で使用することができる。なお、以下の手順では、経口投与用チューブの挿入を例として説明しているが、本発明は、経口投与用チューブの挿入のために使用されるものに限定されない。
(1)開口6から霊長類動物の頭部を収納する。
(2)スライド部材4を下方に移動させる。この操作により、開口6の開口面積を減少させ、霊長類動物が暴れた場合においてもヘッドギア1が外れにくくする。この操作により、霊長類動物に噛まれる危険性がなくなり、血液採取又は注射等も容易にできるようになる。
(3)差込板5をスリット22に挿入し、案内通路51の内側端部を霊長類動物の口内に挿入する。この操作により、頭部が固定される。
(4)経口投与用チューブの案内通路51に経口投与用チューブを挿入し、霊長類動物の口内まで(必要であればなどさらに奥まで)到達させる。
(5)経口投与用チューブを通して薬剤を霊長類動物に投与する。
(6)経口投与用チューブを霊長類動物の口部及び案内通路51から引き抜く
(7)差込板5をスリット22から引き抜く。
(8)スライド部材4を上方に移動させる。この操作により、開口6の開口面積を拡大させ、霊長類動物の頭部を通しやすくする
(9)霊長類動物の頭部を開口6から抜き、霊長類動物を開放する。

0039

上記手順(3)より前に、特許文献1のような器具を用いて霊長類動物を保定する操作を行うこともできる。

0040

1ヘッドギア
2前部部品
3後部部品
4スライド部材
5差込板
6 開口
21呼吸用通気孔
22スリット
23 嵌合部A
24 合わせ部A
31滑り止め
32戻り止めB
33 嵌合部B
34 合わせ部B
41ツマミ部
42 戻り止めC
43 合わせ部収容部
44 合わせ部用孔
51案内通路
52ガイド部
53くぼみ
54把持部
55ストッパ部
56へり
57 口内保護板
61 前部部品由来開口
62 後部部品由来開口

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