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技術 インバータ装置及びインバータ装置の制御方法

出願人 株式会社明電舎
発明者 田中賢一郎
出願日 2019年4月22日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-080841
公開日 2020年10月29日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-178508
状態 未査定
技術分野
  • -
主要キーワード 初期誤差 空転中 対称三相交流 二相交流 回転角周波数 モータパラメータ 数式モデル 電源情報
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

回転子位置検出器のないV/f制御方式PMSMに対して拾い上げ運転を可能とする技術を提供する。

解決手段

インバータ装置1において、制御部10は、モータ電流検出値を入力とし、α軸モータ電流値及びβ軸モータ電流値を出力する電流座標二相変換部14と、モータの電圧検出値を入力とし、α軸モータ電圧値及びβ軸モータ電圧値を出力する電圧座標二相変換部15と、停電時に、α軸及びβ軸モータ電流値並びにα軸及びβ軸モータ電圧値を入力とし、モータの回転速度推定値及び回転子磁極位置を出力する位相及び速度推定部16と、復電時に回転速度推定値、回転子磁極位置及び予め設定された電圧実効値又はq軸電圧指令値パターンからq軸電圧指令値を出力する電圧指令生成部17と、q軸電圧指令値から電力変換部のスイッチング素子オンオフするゲート信号を出力するゲート信号生成部19と、を備える。

概要

背景

PM(Permanent Magnet)モータは、回転子永久磁石を使用しているため、励磁電流及び二次電流が生じず、誘導電動機よりも高効率である。
特に、PMSM(Permanent Magnet Synchronous Motor)と呼ばれる永久磁石同期電動機は広く普及している。
従来、PMSMを制御するインバータ装置制御方式として、ベクトル制御及びV/f制御が代表的である。
ベクトル制御ではモータの回転子位置情報が必要であるが、電動機の回転数高速の場合には回転子位置検出器検出精度が低い。
また、回転子位置検出器は熱及び振動の影響を受けやすく、耐環境性が低い。
更には、モータに回転子位置検出器を設置するとコストの増加を招くことになる。

他方で、インバータ装置の出力電圧振幅周波数との比を一定とするV/f制御ではモータの回転子位置情報は不要である。
また、V/f制御はベクトル制御よりも簡易な制御方式であり演算量を抑えることができるため、インバータ装置内制御回路に搭載するマイコンのコストを抑えることが可能である。

V/f制御方式のPMSMは、高効率であり、且つ制御方式が簡易であるため、ファン又はブロアに適用したいという要請がある。
しかしながら、ファン又はブロアにV/f制御方式のPMSMを適用する場合には、停電が発生したときに、空転から再始動する拾い上げ運転が可能であることが求められる。
従来技術の一例である非特許文献1には、拾い上げ運転に関する技術が開示されている。

概要

回転子位置検出器のないV/f制御方式のPMSMに対して拾い上げ運転を可能とする技術を提供する。インバータ装置1において、制御部10は、モータの電流検出値を入力とし、α軸モータ電流値及びβ軸モータ電流値を出力する電流座標二相変換部14と、モータの電圧検出値を入力とし、α軸モータ電圧値及びβ軸モータ電圧値を出力する電圧座標二相変換部15と、停電時に、α軸及びβ軸モータ電流値並びにα軸及びβ軸モータ電圧値を入力とし、モータの回転速度推定値及び回転子磁極位置を出力する位相及び速度推定部16と、復電時に回転速度推定値、回転子磁極位置及び予め設定された電圧実効値又はq軸電圧指令値パターンからq軸電圧指令値を出力する電圧指令生成部17と、q軸電圧指令値から電力変換部のスイッチング素子オンオフするゲート信号を出力するゲート信号生成部19と、を備える。

目的

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、回転子位置検出器のないV/f制御方式のPMSMに対して拾い上げ運転を可能とする技術を得ることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

電力変換部を備え、電源に接続されて、永久磁石同期電動機であるモータをV/f制御により駆動するインバータ装置であって、前記モータの電流検出値を入力とし、α軸モータ電流値及びβ軸モータ電流値を演算して出力する電流座標二相変換部と、前記モータの電圧検出値を入力とし、α軸モータ電圧値及びβ軸モータ電圧値を演算して出力する電圧座標二相変換部と、前記電源の停電時に、前記α軸モータ電流値、前記β軸モータ電流値、前記α軸モータ電圧値及び前記β軸モータ電圧値を入力とし、前記モータの回転速度推定値及び回転子磁極位置を出力する位相及び速度推定部と、前記電源の復電時に、前記回転速度推定値、前記回転子磁極位置及び予め設定された電圧実効値又はq軸電圧指令値パターンからq軸電圧指令値を生成して出力する電圧指令生成部と、前記q軸電圧指令値から前記電力変換部のスイッチング素子オンオフするゲート信号を生成して出力するゲート信号生成部と、を備えるインバータ装置。

請求項2

電力変換部を備え、電源に接続されて、永久磁石同期電動機であるモータをV/f制御により駆動するインバータ装置であって、前記モータの電流検出値を入力とし、α軸モータ電流値及びβ軸モータ電流値を演算して出力する電流座標二相変換部と、前記モータの電圧検出値を入力とし、α軸モータ電圧値及びβ軸モータ電圧値を演算して出力する第1の電圧座標二相変換部と、前記モータの電圧検出値を入力とし、q軸電圧検出値を演算して出力する第2の電圧座標二相変換部と、前記電源の停電時に、前記α軸モータ電流値、前記β軸モータ電流値、前記α軸モータ電圧値及び前記β軸モータ電圧値を入力とし、前記モータの回転子磁極位置を出力する位相推定部と、前記電源の復電時に、前記回転子磁極位置及び前記q軸電圧検出値から前記電力変換部のスイッチング素子をオンオフするゲート信号を生成して出力するゲート信号生成部と、を備えるインバータ装置。

請求項3

式(8)、式(9)、式(10)及び式(11)に基づき、前記回転子磁極位置を式(12)により推定する請求項1又は2に記載のインバータ装置。ただし、s:ラプラス演算子ω:回転角周波数ωc:ローパスフィルタ遮断周波数vα:α軸モータ電圧値vβ:β軸モータ電圧値iα:α軸モータ電流値iβ:β軸モータ電流値R:モータの巻線抵抗L:モータインダクタンス

請求項4

式(17)及び式(18)に基づき、前記回転子磁極位置を式(19)により推定する請求項1又は2に記載のインバータ装置。ただし、s:ラプラス演算子ωc:ローパスフィルタの遮断周波数vα:α軸モータ電圧値vβ:β軸モータ電圧値iα:α軸モータ電流値iβ:β軸モータ電流値R:モータの巻線抵抗L:モータインダクタンスζバンドパスフィルタ帯域を決める係数

請求項5

電力変換部を備え、電源に接続されて、永久磁石同期電動機であるモータをV/f制御により駆動するインバータ装置の制御方法であって、前記モータの電流検出値をα軸モータ電流値及びβ軸モータ電流値に変換すること、前記モータの電圧検出値をα軸モータ電圧値及びβ軸モータ電圧値に変換すること、前記電源の停電時に、前記α軸モータ電流値、前記β軸モータ電流値、前記α軸モータ電圧値及び前記β軸モータ電圧値から前記モータの回転速度推定値及び回転子磁極位置を演算すること、前記電源の復電時に、前記回転速度推定値、前記回転子磁極位置及び予め設定された電圧実効値又はq軸電圧指令値のパターンからq軸電圧指令値を生成すること、前記q軸電圧指令値から前記電力変換部のスイッチング素子をオンオフするゲート信号を生成して出力すること、を含むインバータ装置の制御方法。

請求項6

電力変換部を備え、電源に接続されて、永久磁石同期電動機であるモータをV/f制御により駆動するインバータ装置の制御方法であって、前記モータの電流検出値をα軸モータ電流値及びβ軸モータ電流値に変換すること、前記モータの電圧検出値をα軸モータ電圧値及びβ軸モータ電圧値に変換すること、前記モータの電圧検出値をq軸電圧検出値に変換すること、前記電源の停電時に、前記α軸モータ電流値、前記β軸モータ電流値、前記α軸モータ電圧値及び前記β軸モータ電圧値から前記モータの回転子磁極位置を演算すること、前記電源の復電時に、前記回転子磁極位置及び前記q軸電圧検出値から前記電力変換部のスイッチング素子をオンオフするゲート信号を生成して出力すること、を含むインバータ装置の制御方法。

技術分野

0001

本発明は、インバータ装置及びインバータ装置の制御方法に関する。

背景技術

0002

PM(Permanent Magnet)モータは、回転子永久磁石を使用しているため、励磁電流及び二次電流が生じず、誘導電動機よりも高効率である。
特に、PMSM(Permanent Magnet Synchronous Motor)と呼ばれる永久磁石同期電動機は広く普及している。
従来、PMSMを制御するインバータ装置の制御方式として、ベクトル制御及びV/f制御が代表的である。
ベクトル制御ではモータの回転子位置情報が必要であるが、電動機の回転数高速の場合には回転子位置検出器検出精度が低い。
また、回転子位置検出器は熱及び振動の影響を受けやすく、耐環境性が低い。
更には、モータに回転子位置検出器を設置するとコストの増加を招くことになる。

0003

他方で、インバータ装置の出力電圧振幅周波数との比を一定とするV/f制御ではモータの回転子位置情報は不要である。
また、V/f制御はベクトル制御よりも簡易な制御方式であり演算量を抑えることができるため、インバータ装置内制御回路に搭載するマイコンのコストを抑えることが可能である。

0004

V/f制御方式のPMSMは、高効率であり、且つ制御方式が簡易であるため、ファン又はブロアに適用したいという要請がある。
しかしながら、ファン又はブロアにV/f制御方式のPMSMを適用する場合には、停電が発生したときに、空転から再始動する拾い上げ運転が可能であることが求められる。
従来技術の一例である非特許文献1には、拾い上げ運転に関する技術が開示されている。

先行技術

0005

山本康弘,外2名,「PMセンサレス制御の拾い上げ始動方式」,2003年3月20日,電気学会研究会資料MID,金属産業研究会2003(1),p19−24

発明が解決しようとする課題

0006

空転中のPMSMには、永久磁石による誘起電圧が発生している。
そのため、拾い上げ運転の際には、インバータ装置の出力電圧とモータの誘起電圧の位相とを同期させることを要する。
しかしながら、V/f制御方式のPMSMでは回転子位置情報が不要であるため、モータに回転子位置検出器が設置されていないことが一般的であり、モータの誘起電圧の位相を検出することが困難である。

0007

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、回転子位置検出器のないV/f制御方式のPMSMに対して拾い上げ運転を可能とする技術を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上述の課題を解決して目的を達成する本発明は、電力変換部を備え、電源に接続されて、永久磁石同期電動機であるモータをV/f制御により駆動するインバータ装置であって、前記モータの電流検出値を入力とし、α軸モータ電流値及びβ軸モータ電流値を演算して出力する電流座標二相変換部と、前記モータの電圧検出値を入力とし、α軸モータ電圧値及びβ軸モータ電圧値を演算して出力する電圧座標二相変換部と、前記電源の停電時に、前記α軸モータ電流値、前記β軸モータ電流値、前記α軸モータ電圧値及び前記β軸モータ電圧値を入力とし、前記モータの回転速度推定値及び回転子磁極位置を出力する位相及び速度推定部と、前記電源の復電時に、前記回転速度推定値、前記回転子磁極位置及び予め設定された電圧実効値又はq軸電圧指令値パターンからq軸電圧指令値を生成して出力する電圧指令生成部と、前記q軸電圧指令値から前記電力変換部のスイッチング素子オンオフするゲート信号を生成して出力するゲート信号生成部と、を備えるインバータ装置である。

0009

又は、上述の課題を解決して目的を達成する本発明は、電力変換部を備え、電源に接続されて、永久磁石同期電動機であるモータをV/f制御により駆動するインバータ装置であって、前記モータの電流検出値を入力とし、α軸モータ電流値及びβ軸モータ電流値を演算して出力する電流座標二相変換部と、前記モータの電圧検出値を入力とし、α軸モータ電圧値及びβ軸モータ電圧値を演算して出力する第1の電圧座標二相変換部と、前記モータの電圧検出値を入力とし、q軸電圧検出値を演算して出力する第2の電圧座標二相変換部と、前記電源の停電時に、前記α軸モータ電流値、前記β軸モータ電流値、前記α軸モータ電圧値及び前記β軸モータ電圧値を入力とし、前記モータの回転子磁極位置を出力する位相推定部と、前記電源の復電時に、前記回転子磁極位置及び前記q軸電圧検出値から前記電力変換部のスイッチング素子をオンオフするゲート信号を生成して出力するゲート信号生成部と、を備えるインバータ装置である。

0010

上記構成のインバータ装置において、式(8)、式(9)、式(10)及び式(11)に基づき、前記回転子磁極位置を式(12)により推定することが好ましい。















ただし、
s:ラプラス演算子
ω:回転角周波数
ωc:ローパスフィルタ遮断周波数
vα:α軸モータ電圧値
vβ:β軸モータ電圧値
iα:α軸モータ電流値
iβ:β軸モータ電流値
R:モータの巻線抵抗
L:モータインダクタンス

0011

上記構成のインバータ装置において、式(17)及び式(18)に基づき、前記回転子磁極位置を式(19)により推定することが好ましい。









ただし、
s:ラプラス演算子
ωc:ローパスフィルタの遮断周波数
vα:α軸モータ電圧値
vβ:β軸モータ電圧値
iα:α軸モータ電流値
iβ:β軸モータ電流値
R:モータの巻線抵抗
L:モータインダクタンス
ζバンドパスフィルタ帯域を決める係数

0012

又は、上述の課題を解決して目的を達成する本発明は、電力変換部を備え、電源に接続されて、永久磁石同期電動機であるモータをV/f制御により駆動するインバータ装置の制御方法であって、前記モータの電流検出値をα軸モータ電流値及びβ軸モータ電流値に変換すること、前記モータの電圧検出値をα軸モータ電圧値及びβ軸モータ電圧値に変換すること、前記電源の停電時に、前記α軸モータ電流値、前記β軸モータ電流値、前記α軸モータ電圧値及び前記β軸モータ電圧値から前記モータの回転速度推定値及び回転子磁極位置を演算すること、前記電源の復電時に、前記回転速度推定値、前記回転子磁極位置及び予め設定された電圧実効値又はq軸電圧指令値のパターンからq軸電圧指令値を生成すること、前記q軸電圧指令値から前記電力変換部のスイッチング素子をオンオフするゲート信号を生成して出力すること、を含むインバータ装置の制御方法である。

0013

又は、上述の課題を解決して目的を達成する本発明は、電力変換部を備え、電源に接続されて、永久磁石同期電動機であるモータをV/f制御により駆動するインバータ装置の制御方法であって、前記モータの電流検出値をα軸モータ電流値及びβ軸モータ電流値に変換すること、前記モータの電圧検出値をα軸モータ電圧値及びβ軸モータ電圧値に変換すること、前記モータの電圧検出値をq軸電圧検出値に変換すること、前記電源の停電時に、前記α軸モータ電流値、前記β軸モータ電流値、前記α軸モータ電圧値及び前記β軸モータ電圧値から前記モータの回転子磁極位置を演算すること、前記電源の復電時に、前記回転子磁極位置及び前記q軸電圧検出値から前記電力変換部のスイッチング素子をオンオフするゲート信号を生成して出力すること、を含むインバータ装置の制御方法である。

発明の効果

0014

本発明によれば、回転子位置検出器のないV/f制御方式のPMSMに対して拾い上げ運転を可能とするインバータ装置を得ることができる、という効果を奏する。

図面の簡単な説明

0015

実施形態1に係るインバータ装置と、インバータ装置に接続される構成を示す図である。
実施形態1に係るインバータ装置の構成を示すブロック図である。
周波数に対応した電圧実効値のパターンの例を示す図である。
実施形態3に係るインバータ装置の構成を示すブロック図である。

実施例

0016

本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。
ただし、本発明は、以下の実施形態の記載によって限定解釈されるものではない。

0017

<実施形態1>
図1は、本実施形態に係るインバータ装置1と、インバータ装置1に接続される構成を示す図である。
図1には、インバータ装置1と、インバータ装置1の入力側に接続された三相交流電源2と、インバータ装置1の出力側に接続されたモータ3と、が示されている。

0018

図2は、本実施形態に係るインバータ装置1の構成を示すブロック図である。
図2に示すインバータ装置1は、制御部10と、電力変換部11と、電流検出部12と、電圧検出部13と、を備える。
制御部10は、電流座標二相変換部14と、電圧座標二相変換部15と、位相及び速度推定部16と、電圧指令生成部17と、電圧座標三相変換部18と、ゲート信号生成部19と、を備える。

0019

電力変換部11は、三相交流電源2の三相交流電力を周波数の異なる三相交流電力に変換してモータ3に出力する。
電力変換部11は、交流直流に変換する整流回路と、この直流を交流に変換するインバータ回路と、を備える。
電力変換部11の整流回路は、2つの整流素子直列に接続した直列回路がU相、V相及びW相の各相に対して設けられて、6つの整流素子により実現される。
また、電力変換部11のインバータ回路は、2つのスイッチング素子を直列接続した直列回路がU相、V相及びW相の各相に対して設けられて、6つのスイッチング素子により実現される。

0020

電流検出部12は、電力変換部11の出力からU相電流検出値iu、V相電流検出値iv及びW相電流検出値iwを検出して出力する。
電流検出部12は、U相、V相及びW相の各相に対応して設けられた3つの電流センサにより実現される。

0021

電圧検出部13は、電力変換部11の出力から電圧センサによってUV相線間電圧検出値vuv、VW相線間電圧検出値vvw及びWU相線間電圧検出値vwuを検出する。
更には、電圧検出部13は、これらの線間電圧検出値をU相、V相及びW相の各々の相電圧vu,vv,vwに変換して出力する。

0022

電流座標二相変換部14は、U相電流検出値iu、V相電流検出値iv及びW相電流検出値iwを入力とし、対称三相交流を等価な二相交流固定座標系である二相座標系に変換し、α軸モータ電流値iα及びβ軸モータ電流値iβを出力する。

0023

電圧座標二相変換部15は、U相電圧検出値vu、V相電圧検出値vv及びW相電圧検出値vwを入力とし、対称三相交流を等価な二相交流の固定座標系である二相座標系に変換し、α軸モータ電圧値vα及びβ軸モータ電圧値vβを出力する。

0024

ここで、U相方向の軸をα軸とし、α軸と直交した軸をβ軸とする。
そして、モータの巻線抵抗Rと、モータインダクタンスLと、微分演算子pと、固定座標軸上で定義したモータ電圧であるα軸モータ電圧値vα及びβ軸モータ電圧値vβと、固定座標軸上で定義したモータ電流であるα軸モータ電流値iα及びβ軸モータ電流値iβと、固定座標軸上で定義した磁束ベクトルλα,λβとを用いると、αβ座標系上におけるPMモータ数式モデルは、下記の式(1)で表される。

0025

0026

なお、固定座標軸上で定義したモータ電圧であるα軸モータ電圧値vα及びβ軸モータ電圧値vβと、U相電圧検出値vu、V相電圧検出値vv及びW相電圧検出値vwとの関係は、下記の式(2)で表される。

0027

0028

また、固定座標軸上で定義したモータ電流であるα軸モータ電流値iα及びβ軸モータ電流値iβと、U相電流検出値iu、V相電流検出値iv及びW相電流検出値iwとの関係は、下記の式(3)で表される。

0029

0030

ここで、上記の式(2),(3)におけるCは、下記の式(4)で表される。

0031

0032

位相及び速度推定部16は、α軸モータ電流値iα、β軸モータ電流値iβ、α軸モータ電圧値vα及びβ軸モータ電圧値vβを入力とし、回転速度推定値ω及び回転子磁極位置θreを出力とする。
回転子磁極位置θreは、固定座標軸上の磁束ベクトルλα,λβによって下記の式(5)で表される。
なお、後述するように、位相及び速度推定部16には、三相交流電源2の電源情報も入力される。
この電源情報には、少なくとも三相交流電源2の停電及び復電の情報が含まれる。

0033

0034

そして、上記の式(1)より、固定座標軸上の磁束ベクトルλα,λβは、ラプラス演算子sを用いて、下記の式(6),(7)のように推定される。

0035

0036

0037

純粋な積分では、電圧誤差又は電流センサの直流オフセットの影響により、初期値収束しない場合がある。
そこで、本実施形態では、遮断周波数ωcである下記の式(8),(9)に示すローパスフィルタを用いて入力オフセットを低減させるため、分子を1とした疑似的な積分を行う。

0038

0039

0040

上記の式(8),(9)において、低周波における位相特性が純粋な積分特性と異なるため、理想的には、遮断周波数ωcを小さくすることが好ましい。
しかしながら、遮断周波数ωcを小さくすると、初期値が収束しないことによる影響が大きくなることがある。
そこで、初期誤差及びシステムによる入力オフセットを低減できる遮断周波数ωcを選定し、下記の式(10)により位相誤差Δθeを求め、上記の式(8),(9)の出力信号に対して下記の式(11)の回転座標変換を施すことにより位相補正を行った固定子磁束λ′′が推定される。
なお、ωは、回転角周波数を示す。

0041

0042

0043

上記の式(10),(11)による位相補正の固定子磁束λ′′より推定される誘起電圧の位相である回転子磁極位置θreは下記の式(12)で表される。
なお、初期状態では、式(10)のωは未知であるため、位相誤差Δθeとして固定子磁束λ′′及び回転子磁極位置θreを演算しておく。

0044

0045

PMSMの制御では、回転子磁石の磁束の発生方向がd軸と定義され、これと直交した誘起電圧の発生方向がq軸と定義される。
一般に、q軸方向に流れる電流トルクに寄与するため、無負荷である空転中においては、q軸方向に電圧を印加することにより、インバータ装置1の出力電圧とモータ3の回転子の永久磁石の誘起電圧との同期が可能であるため、拾い上げ運転が可能となる。
更には、推定した回転子磁極位置θreを時間微分することで、モータの回転速度推定値ωを得ることができる。

0046

更には、モータの極数Pを用いることで、モータ電圧である誘起電圧の周波数fは下記の式(13)によって表される。

0047

0048

電圧指令生成部17は、回転速度推定値ω及び回転子磁極位置θreを入力とし、電圧指令を生成し、d軸電圧指令vd*及びq軸電圧指令vq*を出力する。

0049

ここで、拾い上げ運転において、q軸方向に印加する電圧ベクトルの振幅について説明する。
V/f制御では、速度制御のために周波数を変化させる際に、周波数に対応した大きさの電圧をインバータ装置が出力する。
このため、誘起電圧を含むモータパラメータから、周波数に対応した電圧実効値又はq軸電圧指令vq*のパターンが予め設定されている。
ここで、図3は、周波数に対応した電圧実効値のパターンの例を示す図である。
従って、推定した空転中の回転速度である回転角周波数ωと、予め設定された電圧実効値又はq軸電圧指令vq*のパターンより、q軸電圧指令vq*を決定する。
電圧実効値のパターンを用いる場合には、パターン内の電圧実効値に係数を乗じてq軸電圧指令vq*を得る。
なお、拾い上げ運転時には、d軸電圧指令vd*=0とする。

0050

電圧座標三相変換部18は、回転子位置である誘起電圧の位相θre、d軸電圧指令vd*及びq軸電圧指令vq*を入力とし、電圧指令を二相から三相へと変換し、U相電圧指令vu*、V相電圧指令vv*及びW相電圧指令vw*を出力する。
生成されるU相電圧指令vu*、V相電圧指令vv*及びW相電圧指令vw*は、周波数fの正弦波状の波形となる。
なお、電圧指令の二相から三相への変換は下記の式(14),(15)に基づいて行う。
また、下記の式(14)におけるθには、位相推定部16が出力する回転子磁極位置θreを代入する。

0051

0052

0053

ゲート信号生成部19は、U相電圧指令vu*、V相電圧指令vv*及びW相電圧指令vw*を入力とし、電力変換部11内のスイッチング素子をオンオフさせるゲート信号を出力する。
ゲート信号生成方法は、U相電圧指令vu*、V相電圧指令vv*及びW相電圧指令vw*と三角波状キャリア信号との比較に基づいて生成する一般的な生成方法を用いればよい。
これにより、モータ3の誘起電圧と同期した電圧をインバータ装置1から出力することができる。

0054

なお、ゲート信号生成部19には、三相交流電源2の電源情報も入力される。
この電源情報には、少なくとも三相交流電源2の停電及び復電の情報が含まれる。
ゲート信号生成部19は、拾い上げ運転前の三相交流電源2の停電中には、各ゲート信号はすべてオフとする。

0055

また、位相及び速度推定部16にも、ゲート信号生成部19と同様に三相交流電源2の電源情報が入力される。
位相及び速度推定部16は、三相交流電源2の停電を検出すると、モータ3が空転しているとして、回転速度推定値ω及び回転子磁極位置θreの演算を行って電圧指令生成部17に出力する。

0056

位相及び速度推定部16及びゲート信号生成部19は、三相交流電源2の復電後、所定時間の経過までは上述のように拾い上げ運転の制御を行い、所定時間経過後に通常のV/f制御モードで運転を継続する。

0057

以上説明したように、本実施形態に係るインバータ装置によれば、回転子位置検出器のないV/f制御方式のPMSMに対して拾い上げ運転を行うことができる。

0058

<実施形態2>
実施形態1において、磁束推定のためのローパスフィルタの遮断周波数ωcの選定は、システムに依存し、位相補正のための式に、推定した回転速度である回転周波数を用いるため、実施形態1に係るインバータ装置1は速度変動に鈍重である。
また、上記の式(12)のような逆正接の演算は、演算の負荷が大きい。
そこで、本実施形態においては、下記の式(16)に示すバンドパスフィルタを用いて固定子磁束を推定する。

0059

0060

なお、上記の式(16)における係数ζは、バンドパスフィルタの帯域を決める係数であって、Q値又は鋭さとも呼ばれる。
本実施形態においては、まず、実施形態1における式(8),(9)の1/(s+ωc)を上記の式(16)に置き換えて式(17),(18)を得る。

0061

0062

0063

そして、更には、式(17),(18)を用いて下記の式(19)で回転子磁極位置θreを推定する。
その他の構成は実施形態1と同じである。

0064

0065

バンドパスフィルタは、直流成分に対して−∞のゲイン特性であることから、入力信号の初期誤差及び入力オフセットを減衰することができる。
また、例としてωc=5[rad/d]、ζ=0.5とすると、入力信号の周波数10Hz以上に対する位相特性は−86°以下であり、積分特性−90°に対して位相誤差4°未満の磁束推定が実現できるため、実施形態1のような位相補正が不要である。

0066

以上説明したように、本実施形態に係るインバータ装置によれば、回転子位置検出器のないV/f制御方式のPMSMに対して実施形態1の式(10),(11)のような位相補正を行うことなく拾い上げ運転を行うことができる。

0067

<実施形態3>
図4は、本実施形態に係るインバータ装置1aの構成を示すブロック図である。
図4に示すインバータ装置1aは、制御部10に代えて制御部10aを備える点が図1に示すインバータ装置1と異なる。
制御部10aは、位相及び速度推定部16に代えて位相推定部16aを備え、電圧座標三相変換部18に代えて電圧座標三相変換部18aを備え、電圧座標二相変換部15aを更に備える点のみが異なり、その他の構成は図1に示す制御部10と同じである。

0068

なお、電圧座標二相変換部15は、第1の電圧座標二相変換部であり、実施形態1と同様に、U相電圧検出値vu、V相電圧検出値vv及びW相電圧検出値vwを入力とし、対称三相交流を等価な二相交流の固定座標系である二相座標系に変換し、α軸モータ電圧値vα及びβ軸モータ電圧値vβを出力する。
また、電圧座標二相変換部15aは、第2の電圧座標二相変換部であり、U相電圧検出値vu、V相電圧検出値vv、W相電圧検出値vw及び位相推定部16が出力する回転子磁極位置θreを入力とし、対称三相交流を二相座標系に変換し、q軸電圧検出値vqを出力する。
更には、電圧座標三相変換部18aは、回転子位置である誘起電圧の位相θre、d軸電圧指令vd*及びq軸電圧検出値vqを入力とし、これらを二相から三相へと変換し、U相電圧指令vu*、V相電圧指令vv*及びW相電圧指令vw*を出力する。

0069

実施形態1におけるq軸電圧指令値vq*は、電圧実効値のパターンを用いて決定される。
本実施形態においては、q軸電圧を検出し、q軸電圧指令値vq*をこのq軸電圧検出値vqに置き換える。
q軸電圧検出値vqは、下記の式(20),(21)により得られる。
なお、下記の式(20)におけるθには、位相推定部16が出力する回転子磁極位置θreを代入する。

0070

0071

0072

ここで、実施形態1と同様に、q軸電圧指令vq*はゼロとする。
実施形態3においては、電圧実効値のパターンを用いないため、回転速度推定値ωが不要である。

0073

以上説明したように、本実施形態に係るインバータ装置によれば、回転子位置検出器のないV/f制御方式のPMSMに対して回転速度推定値ωの演算を行うことなく拾い上げ運転を行うことができる。

0074

<実施形態4>
本実施形態に係るインバータ装置は、上述した実施形態3のインバータ装置に対して、実施形態2のバンドパスフィルタを適用した構成である。
このような構成とすると、回転子位置検出器のないV/f制御方式のPMSMに対して位相補正を行うことなく、且つ回転速度推定値ωの演算を行うことなく拾い上げ運転を行うことができる。

0075

1,1aインバータ装置
2三相交流電源
3モータ
10,10a 制御部
11電力変換部
12電流検出部
13電圧検出部
14電流座標二相変換部
15,15a電圧座標二相変換部
16位相及び速度推定部
16a位相推定部
17電圧指令生成部
18,18a 電圧座標三相変換部
19ゲート信号生成部

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