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技術 電子制御装置

出願人 三菱電機株式会社
発明者 佐藤聡一塗家伸朗
出願日 2019年4月22日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-080718
公開日 2020年10月29日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-178505
状態 特許登録済
技術分野 車両用電気・流体回路 電気装置のための箱体 接続箱
主要キーワード ケース溝 カバー外周縁 輪郭外周 金属製薄肉 締結関係 材料削減 外周開口 平面中央
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年10月29日)のものです。
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図面 (20)

課題

本願は、ケースの外周位置とカバーの外周位置に形成された環状シール部の密閉性を向上することができる電子制御装置を提供するものである。

解決手段

ケース(200A)の外周位置とカバー(300A)の外周位置に形成された環状シール部(600A)は、ケース側環状シール面(210)と、カバー側環状シール面(310)と、ケース側環状シール面(210)とカバー側環状シール面(310)との間に充填された環状シール材(610)とを備え、ケース側環状シール面(210)又はカバー側環状シール面(310)の周縁部には、ケース側環状シール面(210)又はカバー側環状シール面(310)より凸側に突出された段差寸法Δhのケース側段差部(211A)又はカバー側段差部(311A)を備え、ケース側段差部(211A)又はカバー側段差部(311A)により対向するシール面は段差寸法Δhの撓んだ状態の橈み形状で係合締結される環状シール部(600A)の密閉構造とするものである。

概要

背景

回路基板収納するケースカバーによって合体一体化される密閉筐体は、内部に収納される回路基板を保護するために防水機能が必要とされる。一体化されるケースとカバーの外周位置(周縁)の複数の辺における合せ部には防水シール材充填され、辺の交点締結固定部として締結関係部材により締結一体化し、液体等が密閉筐体の内部に侵入しないよう防水構造が形成されている。

電子制御装置工場内で組立てられた状態では、電子制御装置の密閉筐体の内外の圧力は同一圧力であるが、航空輸送される場合、また、高地標高環境でしかも組立てられた環境より周囲温度が上昇しており、電子制御装置が動作して電子部品から発熱がある状況では、密閉筐体の内側の圧力が上昇し、密閉筐体の内外の圧力差が大きくなり、密閉筐体を構成するケース及びカバーにはこの圧力差による内側からの力が作用し、周縁のケースとカバーの合せ部のシール面を開こうとする力により充填されているシール材にも引張り力が作用することとなる。

上記のように、密閉筐体の内外の圧力差は、内側の圧力が外側の圧力よりも高くなる場合に、大きな圧力差が発生することが想定され、密閉筐体の密閉性耐久対策が必要である。

従来、密閉筐体の内部からの圧力に抗するケースとカバーの合せ部のシール構造は、ケースの外周縁に設けられた溝部に、カバー側に設けた舌状突条部を差し込み、溝部と突条部との隙間にシール材を充填硬化させた凹凸シール面方式の防水構造である。密閉筐体の合わせ部が開こうとする力をシール材の接着面がせん断強さで保持する構造であり、接着強度を確保するのにシール材との接触面を大きくすることで接着強度を確保する防水構造であって、合せ部のシール構造が凹凸となる複雑化した構造なること、また、シール材の量が多くなることなどの問題点があった。

この課題に対し、特許文献1によれば、小型化で十分な接着強度を有する電子制御装置を提供する解決手段として、以下のように述べられている。

ケース本体の端部(外周フランジ部)に溝部を設け、この溝部に接着剤(シール材)を充填するとともに、カバーはこの溝部内の接着剤(シール材)に接着されるカバー平面部があって、そして、この溝部の外側周囲段差部を有し、カバー平面部と段差部を当接させ、カバー平面部は溝部に充填されたシール材と平面状に接着される平面構造としたシール構造が提案されている。

また、特許文献1の図4によれば、前記段差部にカバー平面部に係合する突起を設けたシール部の構造が提案されている。そして、特許文献1の段落[0012]には、カバーに接着剤と接触する平面部を設けたので、ケース本体とカバーとの接着強度を引張り強度で保持することが可能になり、接着部分が大型化することなく、十分な接着強度が得られるとしている。

また、特許文献2によれば、ケース本体とカバーとの締結固定部を端点とする辺の各部のシール断面構造は、防水性を確保しつつ、辺の端部におけるシール断面積を、辺の中央部における断面積よりも小さいシール面の構造とすることを特徴とする筐体構造の電子制御装置としており、シール断面を形成する接着面幅Wと接着厚みGにおいては、接着面幅Wを一定とした場合、固定点端部におけるシール断面積が、固定点から離れた辺の中央部におけるシール断面積より小さいこととしている。

概要

本願は、ケースの外周位置とカバーの外周位置に形成された環状シール部の密閉性を向上することができる電子制御装置を提供するものである。ケース(200A)の外周位置とカバー(300A)の外周位置に形成された環状シール部(600A)は、ケース側環状シール面(210)と、カバー側環状シール面(310)と、ケース側環状シール面(210)とカバー側環状シール面(310)との間に充填された環状シール材(610)とを備え、ケース側環状シール面(210)又はカバー側環状シール面(310)の周縁部には、ケース側環状シール面(210)又はカバー側環状シール面(310)より凸側に突出された段差寸法Δhのケース側段差部(211A)又はカバー側段差部(311A)を備え、ケース側段差部(211A)又はカバー側段差部(311A)により対向するシール面は段差寸法Δhの撓んだ状態の橈み形状で係合締結される環状シール部(600A)の密閉構造とするものである。

目的

この課題に対し、特許文献1によれば、小型化で十分な接着強度を有する電子制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

ケースカバーとによって構成された密閉筐体と、前記密閉筐体の内部に密閉収納され、前記ケースの開口部から一部が露出するコネクタハウジングを有した回路基板とを備え、前記ケースの外周位置と前記カバーの外周位置に環状シール部が形成され、前記ケースの外周位置と前記カバーの外周位置の締結固定部において締結材によって締結一体化される電子制御装置であって、前記環状シール部は、前記ケースの外周位置にケース側環状シール面と、前記カバーの外周位置にカバー側環状シール面と、前記ケース側環状シール面と前記カバー側環状シール面との間に充填された環状シール材とを備え、前記締結固定部には、前記カバー側環状シール面に当接され、締結シール面の間隔を確定する厚みHsとする締結当接面を有する締結座を備え、前記ケース側環状シール面又は前記カバー側環状シール面の周縁部には、前記締結固定部を端点とする辺の中心部に前記締結当接面又は対向する当接面を基準にして前記ケース側環状シール面又は前記カバー側環状シール面より凸側に突出された段差寸法Δhのケース側段差部又はカバー側段差部を備え、前記ケース側段差部の内側には前記環状シール材が充填されるシール断面形状となる幅と高さを有し、前記ケースと前記カバーが組合されたとき、前記ケース側段差部又は前記カバー側段差部は対向するシール面と最初に当接する関係であり、前記締結固定部において、前記ケースに前記カバーを前記締結当接面まで前記締結材によって締結されたとき、前記ケース側段差部又は前記カバー側段差部により対向するシール面は前記段差寸法Δhの撓んだ状態の橈み形状で係合締結される前記環状シール部の密閉構造とすることを特徴とする電子制御装置。

請求項2

前記ケース側段差部又は前記カバー側段差部は、前記締結固定部を端点とする辺の中央を中心に左右対称とした長さLtであることを特徴とする請求項1に記載の電子制御装置。

請求項3

前記ケース側段差部又は前記カバー側段差部は、複数に分割配置されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子制御装置。

請求項4

前記ケース側段差部又は前記カバー側段差部は、両端と中央の3つに分割配置され、両端に位置する前記ケース側段差部又は前記カバー側段差部は前記段差寸法Δhであり、中央に位置する前記ケース側段差部又は前記カバー側段差部は段差寸法Δhcであり、前記段差寸法Δhcの大きさは前記段差寸法Δhよりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電子制御装置。

請求項5

前記環状シール部において、前記ケース側環状シール面の内側にケースシール環状傾斜面を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電子制御装置。

請求項6

前記ケースシール環状傾斜面の傾斜部の幅寸法Wkが、前記ケース側環状シール面の幅Wsに対して、Wk=Ws/2であることを特徴とする請求項5に記載の電子制御装置。

請求項7

前記環状シール部において、前記ケース側環状シール面の内側に、前記締結固定部を端点とする辺の中央部にケースシール中央傾斜面を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電子制御装置。

請求項8

前記ケースシール中央傾斜面の傾斜部の幅寸法Wkが、前記ケース側環状シール面の幅Wsに対して、Wk=Ws/2であることを特徴とする請求項7に記載の電子制御装置。

請求項9

前記ケース側段差部又は前記カバー側段差部を備えた環状シール部において、前記ケース側環状シール面のシール面に対向する前記カバーの内側にカバー傾斜部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の電子制御装置。

技術分野

0001

本願は、回路基板ケースカバーとによって構成された密閉筐体収納される電子制御装置に関するものである。

背景技術

0002

回路基板を収納するケースとカバーによって合体一体化される密閉筐体は、内部に収納される回路基板を保護するために防水機能が必要とされる。一体化されるケースとカバーの外周位置(周縁)の複数の辺における合せ部には防水シール材充填され、辺の交点締結固定部として締結関係部材により締結一体化し、液体等が密閉筐体の内部に侵入しないよう防水構造が形成されている。

0003

電子制御装置は工場内で組立てられた状態では、電子制御装置の密閉筐体の内外の圧力は同一圧力であるが、航空輸送される場合、また、高地標高環境でしかも組立てられた環境より周囲温度が上昇しており、電子制御装置が動作して電子部品から発熱がある状況では、密閉筐体の内側の圧力が上昇し、密閉筐体の内外の圧力差が大きくなり、密閉筐体を構成するケース及びカバーにはこの圧力差による内側からの力が作用し、周縁のケースとカバーの合せ部のシール面を開こうとする力により充填されているシール材にも引張り力が作用することとなる。

0004

上記のように、密閉筐体の内外の圧力差は、内側の圧力が外側の圧力よりも高くなる場合に、大きな圧力差が発生することが想定され、密閉筐体の密閉性耐久対策が必要である。

0005

従来、密閉筐体の内部からの圧力に抗するケースとカバーの合せ部のシール構造は、ケースの外周縁に設けられた溝部に、カバー側に設けた舌状突条部を差し込み、溝部と突条部との隙間にシール材を充填硬化させた凹凸シール面方式の防水構造である。密閉筐体の合わせ部が開こうとする力をシール材の接着面がせん断強さで保持する構造であり、接着強度を確保するのにシール材との接触面を大きくすることで接着強度を確保する防水構造であって、合せ部のシール構造が凹凸となる複雑化した構造なること、また、シール材の量が多くなることなどの問題点があった。

0006

この課題に対し、特許文献1によれば、小型化で十分な接着強度を有する電子制御装置を提供する解決手段として、以下のように述べられている。

0007

ケース本体の端部(外周フランジ部)に溝部を設け、この溝部に接着剤(シール材)を充填するとともに、カバーはこの溝部内の接着剤(シール材)に接着されるカバー平面部があって、そして、この溝部の外側周囲段差部を有し、カバー平面部と段差部を当接させ、カバー平面部は溝部に充填されたシール材と平面状に接着される平面構造としたシール構造が提案されている。

0008

また、特許文献1の図4によれば、前記段差部にカバー平面部に係合する突起を設けたシール部の構造が提案されている。そして、特許文献1の段落[0012]には、カバーに接着剤と接触する平面部を設けたので、ケース本体とカバーとの接着強度を引張り強度で保持することが可能になり、接着部分が大型化することなく、十分な接着強度が得られるとしている。

0009

また、特許文献2によれば、ケース本体とカバーとの締結固定部を端点とする辺の各部のシール断面構造は、防水性を確保しつつ、辺の端部におけるシール断面積を、辺の中央部における断面積よりも小さいシール面の構造とすることを特徴とする筐体構造の電子制御装置としており、シール断面を形成する接着面幅Wと接着厚みGにおいては、接着面幅Wを一定とした場合、固定点端部におけるシール断面積が、固定点から離れた辺の中央部におけるシール断面積より小さいこととしている。

先行技術

0010

特許第5500681号(図2図4、段落[0007]、[0012])
特許第6379204号(図6、段落[0008]、[0009]、[0048])

発明が解決しようとする課題

0011

ケースとカバーを締結して構成される密閉筐体は、環状シール材を施して組込みされた環境と、製品となって使用される環境が変わり、使用環境で密閉筐体の内部圧力が、密閉筐体の外部より高い圧力状態となると、密閉筐体の内外の圧力差により密閉筐体の内側からはケースとカバーとの合せ部を開く方向の力が作用することとなる。そして、この力により、密閉筐体の角部の締結固定部を端点とする辺の中央部においては、密閉筐体を構成している部材の変位が最も大きくなり、環状シール材に発生する応力も最大となる。

0012

一般的にケースとカバーを組み立てた状態での平面シール面は密閉筐体の内側から圧力差によって密閉筐体の組合せ部が開くように力が作用し、カバー側環状シール面の変形と環状シール材の変形が生じる。

0013

カバーは4つの角部の締結固定部において締結関係部材によりケースに固定されるが、カバーは密閉筐体の内側から圧力Pによって外側に太鼓状に膨れようとする。膨れの変位はカバーの平面中央部が最も大きく、カバー側環状シール面はケース側環状シール面に対し開く方向に変位し、また傾き角も発生する。

0014

このため、締結固定部間を結ぶ辺を境に、外側は環状シール材を押さえる方向に作用し、内側は環状シール材を引張り方向に変位する。最も変位が大きく環状シール材への発生応力が高くなるのは締結固定部を端点とする辺の中央部であり、環状シール材の変形抑制構造による環状シール材の接着強度確保が要求されるところとなる。

0015

そこで、この変位の大きい辺の中央部に締結材による固定部を追加して変位を抑制し、シール性強化を図る方法もあるが、締結固定部の箇所が2倍になり、製品の構造が複雑化するなど、製品価格上昇になり得策ではない。

0016

また、上述した特許文献1では、ケース本体の周縁端部に形成された溝部にシール材が充填され、カバーはこの溝部内のシール材に接着される平面部を有し、ケース溝部の外側の外周に有する段差部とカバーの平面部の端部と当接させ、ケース本体とカバーとのシール材の接着強度を引張り方向で保持可能になるとし、せん断強度より有利な引張り強度で保持するシール構造とすることで、接着部分を大型化することなくシール強度が得られるとしている。

0017

そして、特許文献1の図2に示すような構造でケースの外周の段差部とカバーの平面部の端部の当接部を全周に設けているが、例えば、シール材の厚さが数百μmに対して、ダイキャスト鋳造などにより成形されるケースと、プレス加工による成形品カバーの場合では、製品の出来上がり寸法のバラツキが数百μmと想定され、このような状態では、該当部分が当接しない場合が考えられる。

0018

このような状態では密閉筐体の辺の中央部の変形は抑制できず、環状シール材の強度を超える応力が発生した場合、環状シール材は破断され、密閉筐体としての密閉性が損なわれることとなる。
また、カバー平面部の端面とケース外周の段差部が当接する寸法関係では、お互いが干渉しやすく組込みが困難なことも想定される。

0019

更に、特許文献1の図4の構造の場合、カバー平面部に係合する突起をケースの外周の段差部に設け、カバー平面部の上面を押える構造としているが、4辺の合せ部のある矩形形状の密閉筐体で、4辺の突起がカバー平面部と確実に係合する形状に組立てるには、カバーをケース段差部に装着にした後に突起を折り曲げる等などの工法でカバー平面部を係合するような工程となり、組立工程が複雑で製作工数がかかるという課題がある。

0020

また、上述した特許文献2では、ケース本体とカバーとの締結固定部間の辺の各部のシール断面構造は、防水性を確保しつつ、辺の端部におけるシール断面積を、辺の中央部における断面積よりも小さいシール面の構造とすることを特徴とする密閉筐体構造の電子制御装置としており、シール断面を形成する接着面幅Wと接着厚みGにおいては、接着面幅を一定とした場合、厚みGで断面積を変化させることとなっている。

0021

しかし、密閉筐体の締結合せ面を開こうとする力による変形は、密閉筐体を構成するカバーを太鼓状に膨らませる変形で、辺より内側では合わせ面が開く方向変位し、外側では環状シール材を押さえる方向に変位し、接着厚みGが厚い程、変形量が大きくなり、密閉性の効果が得られない場合が考えられる。

0022

本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、ケースとカバーとによって構成された密閉筐体に回路基板が密閉収納され、ケースの外周位置とカバーの外周位置に形成された環状シール部の密閉性を向上することができる電子制御装置を提供するものである。

課題を解決するための手段

0023

本願に開示される電子制御装置は、ケースとカバーとによって構成された密閉筐体と、前記密閉筐体の内部に密閉収納され、前記ケースの開口部から一部が露出するコネクタハウジングを有した回路基板とを備え、前記ケースの外周位置と前記カバーの外周位置に環状シール部が形成され、前記ケースの外周位置と前記カバーの外周位置の締結固定部において締結材によって締結一体化される電子制御装置であって、前記環状シール部は、前記ケースの外周位置にケース側環状シール面と、前記カバーの外周位置にカバー側環状シール面と、前記ケース側環状シール面と前記カバー側環状シール面との間に充填される環状シール材とを備え、前記締結固定部には、前記カバー側環状シール面に当接され、締結シール面の間隔を確定する厚みHsとする締結当接面を有する締結座を備え、前記ケース側環状シール面又は前記カバー側環状シール面の周縁部には、前記締結固定部を端点とする辺の中心部に前記締結当接面又は対向する当接面を基準にして前記ケース側環状シール面又は前記カバー側環状シール面より凸側に突出された段差寸法Δhのケース側段差部又はカバー側段差部を備え、前記ケース側段差部の内側には前記環状シール材が充填されるシール断面形状となる幅と高さを有し、前記ケースと前記カバーが組合されたとき、前記ケース側段差部又は前記カバー側段差部は対向するシール面と最初に当接する関係であり、前記締結固定部において、前記ケースに前記カバーを前記締結当接面まで前記締結材によって締結されたとき、前記ケース側段差部又は前記カバー側段差部により対向するシール面は前記段差寸法Δh分撓んだ状態の橈み形状で係合締結される前記環状シール部の密閉構造とするものである。

発明の効果

0024

本願に開示される電子制御装置は、ケースとカバーとによって構成された密閉筐体に回路基板が密閉収納され、ケースの外周位置とカバーの外周位置に形成された環状シール部の密閉性を向上することができる電子制御装置を得ることができる。

図面の簡単な説明

0025

実施の形態1による電子制御装置におけるカバーの外観を示す斜視図である。
実施の形態1による電子制御装置におけるケースの外観を示す斜視図である。
実施の形態1による電子制御装置を比較するための一般的な環状シール部を示す断面図であり、(a)は内圧がかかっていない状態を示す断面図であり、(b)は内圧がかかった状態を示す断面図である。
実施の形態1による電子制御装置を比較するための一般的な環状シール部の他の変形形態を示す断面図であり、(a)は内圧がかかっていない状態を示す断面図であり、(b)は内圧がかかった状態を示す断面図である。
実施の形態1による電子制御装置を示す展開斜視図である。
実施の形態1による電子制御装置を示す図5のA部の拡大斜視図である。
実施の形態1による電子制御装置を示す図6のVII−VII線における断面図である。
実施の形態1による電子制御装置における環状シール部を示す断面図である。
実施の形態1による電子制御装置における環状シール部を示す断面図である。
実施の形態1による電子制御装置における環状シール部を示す断面図である。
実施の形態1による電子制御装置を示す側面図である。
実施の形態1による電子制御装置を示す図11のXII−XII線における断面図である。
実施の形態1による電子制御装置における図12の他の変形形態を示す断面図である。
実施の形態1による電子制御装置における図12の他の変形形態を示す断面図である。
実施の形態1による電子制御装置における図11の締結組立した状態を示す側面図である。
実施の形態1による電子制御装置における図15の他の変形形態を示す断面図である。
実施の形態1による電子制御装置における図15の他の変形形態を示す断面図である。
実施の形態1による電子制御装置を示す図15のB部の拡大側面図である。
実施の形態1による電子制御装置を示す図17のC部の拡大側面図である。
実施の形態1による電子制御装置における環状シール部を示す断面図であり、(a)は内圧がかかっていない状態を示す断面図であり、(b)は内圧がかかった状態を示す断面図である。
実施の形態2による電子制御装置におけるケースを示す斜視図である。
実施の形態2による電子制御装置を示す図21のX−X線における断面図であり、(a)は内圧がかかっていない状態を示す断面図であり、(b)は内圧がかかった状態を示す断面図である。
実施の形態2による電子制御装置における図21の他の変形形態を示す斜視図である。
実施の形態2による電子制御装置を示す図23のY−Y線における断面図であり、(a)は内圧がかかっていない状態を示す断面図であり、(b)は内圧がかかった状態を示す断面図である。
実施の形態3による電子制御装置における環状シール部を示す断面図である。
実施の形態3による電子制御装置における図24の他の変形形態を示す断面図である。
実施の形態3による電子制御装置における図24の他の変形形態を示す断面図である。

実施例

0026

実施の形態1.
以下、本願の電子制御装置の実施形態については以下に詳細に説明する。なお、各実施の形態において、同じ構成要素には同一名称又は符号を付している。また、重複する説明は説明を省略している場合がある。

0027

図1は実施の形態1による電子制御装置におけるカバーの外観を示す斜視図である。図2は実施の形態1による電子制御装置におけるケースの外観を示す斜視図である。
電子制御装置となる密閉筐体100は、樹脂製のコネクタハウジング500の一部が、外部に露出するように搭載された後述する回路基板400が収納される放熱性のある例えばアルミニウ材等で成形されたダイキャスト製のケース200と、このケース200の外周開口部を覆うための樹脂製、又は金属製のカバー300のお互いのシール面を合せ、環状シール部600として合せ面のシール面には後述する環状シール材610が充填されたシール構造を構成している。4つの角部の締結固定部110において、締結材挿入部202に例えばネジカシメなどの締結材130を挿着してケース200とカバー300とが締結一体化される構造となっている。

0028

図5は本願の実施の形態1による電子制御装置を示す展開斜視図である。電子制御装置となる密閉筐体を分解した展開斜視図である。図6図5のA部の詳細を示す拡大斜視図であり、図7図6のVII−VII線における断面図であり、ケース側にカバーを組合された状態を示している。

0029

図5において、ケース200Aとカバー300Aによって密閉筐体100Aが構成される。回路基板400には基板配線パターンに接続された複数の接続端子を有する樹脂製のコネクタハウジング500が搭載されており、ケース200Aの開口部203から一部が露出する構造となっている。

0030

回路基板400はケース200Aとカバー300Aとによって構成された密閉筐体100Aに収納され、カバー300Aは4つの角部の締結固定部110において締結関係部材120であるネジ等の締結材130によってケース200Aに固定されて一体化され、密閉筐体100Aが形成される。

0031

そして、ケース200Aの開口部203から露出するコネクタハウジング500の輪郭外周部は開口部203の周囲の塗布されたコネクタ部シール材によって防水シールされる構造となっている。

0032

また、ケース200Aの外周位置のケース側環状シール面210の中央部には、図6の拡大斜視図に示すように、ケース200Aとカバー300Aを締結する角部の締結固定部110を端点とする辺の中央部C210に辺方向に長さLt、高さHt、奥行き寸法をWtとしたケース側段差部211Aがケース側環状シール面210の周縁端部に設けられている。ケース側段差部211Aは一例として締結固定部110を端点とする辺の中央部C210を中心として左右対称に配置されている。

0033

このケース側段差部211Aは締結座201の締結当接面201Sより凸側に突出した段差であり、図7に示すように、ケース200Aにカバー300Aを組合せたとき、ケース側段差部211Aは対抗するカバー300Aの外周位置のカバー側環状シール面310とは締結当接面201Sの面を基準にして後述する図11に示すように段差寸法をΔhとした当接状態になっている。

0034

このように、ケース200Aのケース側環状シール面210の複数の辺の中央部の外周端部には、組合せするカバー側環状シール面310と対向するためのケース側段差部211Aを有しており、ケース側段差部211Aを除く幅Wsのシール面及び、連続するケース側環状シール面210には半流動性粘性特性ある環状シール材610が塗布されている。

0035

そして、締結固定部110において、ネジ、タッピンネジ、カシメ等の締結材130を締結材挿入部202に挿入して、カバー側環状シール面310を締結座201の締結当接面201Sの高さHsまで押込み固定するとき、ケース側環状シール面210に塗布されている環状シール材610は、ケース側環状シール面210及びカバー側環状シール面310の間に充満してなじみ、その後、環状シール材610が硬化してケース200Aとカバー300Aの締結の合せ面は、環状シール材610により接着一体化された環状シール部600Aとなる密閉構造となっている。

0036

ケース200Aの環状シール面210及びカバー300Aの環状シール面310の形状としては、上述した図7の構造に限定されるものではなく、他の構造とすることもできる。例えば、図8図9図10に示すような構造とすることもできる。図8は実施の形態1による電子制御装置における環状シール部を示す断面図である。図9は実施の形態1による電子制御装置における環状シール部を示す断面図である。図10は実施の形態1による電子制御装置における環状シール部を示す断面図である。

0037

図8はカバー300Aの厚みを図7のカバー300Aの厚みより大きくしたものであり、図9凹形状のケース側環状シール面210aおよび凹形状のカバー側環状シール面310aとしたものであり、図10段差形状のケース側環状シール面210bとしたものである。このように、ケース200Aの環状シール面210及びカバー300Aの環状シール面310の形状は、平面形状あるいは凹凸の形状のいずれでも良く、ケース側段差部211A又はカバー側段差部311Aの内側には環状シール材610が充填されてシール性が確保できる断面形状であればよい。

0038

図11は実施の形態1による電子制御装置を示す側面図であり、図5の実施の形態1におけるケース側段差部211Aを示した側面図である。ケース側段差部211Aの上面にカバー側環状シール面310が当接した状態で、ケース200Aとカバー300Aは組合されており、締結当接面201Sとの段差寸法がΔhとなっている。図12図11におけるXII−XII線における断面図である。

0039

図12においては、ケース側段差部211Aは、ケース側環状シール面210の外周端部に設けてあり、そのケース側段差部211Aの高さはケース側環状シール面210からの高さがHtである。

0040

図13および図14はそれぞれ図12の他の変形形態を示し、図13は実施の形態1による電子制御装置における図12の他の変形形態を示す断面図である。図14は実施の形態1による電子制御装置における図12の他の変形形態を示す断面図である。

0041

図13ではカバー側段差部311Aとしてカバー側環状シール面310の外周端部に設けてあり、締結当接面201Sと当接するカバー側環状シール面310の当接面から凸側に突出した段差寸法Δhとなっており、その高さをHtとして、対向するケース側環状シール面210と当接する形状となっている。

0042

図14では段差部をケース側段差部211A1とカバー側段差部311A1としてそれぞれケース側環状シール面210及びカバー側環状シール面310の外周端部に設けた構造となっており、それぞれのケース側段差部211A1、カバー側段差部311A1は、組合せたときに図12の実施の形態で示すように、締結当接面201Sの当接面に対して、凸側に突出した段差寸法Δhとなるようにすればよく、段差部高さHtに対し、図14ではケース側段差部211A1、及びカバー側段差部311A1の高さをそれぞれHt/2としている。金属製薄肉プレス成型カバーで、カバー外周縁の強度を確保したい場合は、カバー側環状シール面310にカバー側段差部311A1として段差部を設けた構造とする方法が有用と考えられる。

0043

図15は実施の形態1による電子制御装置における図11の締結組立した状態を示す側面図であり、ケース200Aとカバー300Aの締結固定した状態の側面図である。

0044

締結材130によってカバー側環状シール面310は締結座201の締結当接面201Sの当接面まで押込まれ締結される。締結当接面201Sの高さHsは締結固定部110の近傍における環状シール材610の厚みとなる。ケース200Aとカバー300Aを組合せたときは、締結当接面201Sの面を基準して凸側に突出した段差寸法Δhのケース側段差部211Aaは対向するカバー側環状シール面310とは当接状態となっていて、カバー側環状シール面310は締結された状態では長さLt、高さHtのケース側段差部211Aの両端を当接点とし、締結固定部110の位置で固定されることとなる。

0045

従って、図15に示すように、カバー側環状シール面310は締結座201の締結当接面201Sに対しケース側段差部211Aは段差寸法差分Δhの寸法だけ撓ませた形状でケース側段差部211Aの剛体によって係合固定されていることになる。

0046

そして、カバー300Aは鉄あるいはアルミニウムなどの金属をプレス加工による薄肉厚形状で製造可能で、数百μm撓ませて固定する条件でも、弾性変形許容範囲内で強度的な問題は発生しない。段差部と当接するシール面の係合された状態の詳細は後述の図18で説明する。

0047

図16は実施の形態1による電子制御装置における図15の他の変形形態を示す断面図である。
図16に示すケース側段差部211Aの長さLtの形状に対し、カバー側環状シール面310への当接点を同じ位置として、左右に段差部を複数に分割配置したものであり、左右に二つに分割配置されたケース側段差部211B1、ケース側段差部211B2としたものである。図15と同様の段差部と締結当接面201Sの面とは凸側に突出した段差寸法Δhとなっている。左右に分割配置したケース側段差部211B1とケース側段差部211B2との間は空間となっているが上述した実施の形態1と同様、カバー側環状シール面310はケース側段差部211B1とケース側段差部211B2の両端を当接点として係合された環状シール部600Aとなっている。

0048

図17は実施の形態1による電子制御装置における図15の他の変形形態を示す断面図であり、図16の変形形態に対し、両側に分割配置されたケース側段差部211B1、ケース側段差部211B2に加え、ケース側段差部211B1とケース側段差部211B2との間の中央部にケース側段差部211Cを設けている。すなわち、両端と中央の3つに分割配置されている。

0049

そして、ケース側段差部211B1、ケース側段差部211B2の端の点でカバー側環状シール面310とは当接されて締結されており、中央部のたわみの形状と中央部のケース側段差部211Cを当接するように段差寸法Δhcとしたものである。

0050

図18は実施の形態1における図15のB部の詳細を示す拡大側面図であり、ケース200Aとカバー300Aと締結組合せした状態を示している。構成は図15に記載の通りであり、ケース側段差部211Aの両端で対向するシール面が係合支持されている。そして、中央部においては撓み形状面とGapがあるものの、ケース側段差部211Aの内側はシール面の一部であり、塗布した環状シール材610が充満され、防水性は損なわれない。

0051

図19は実施の形態1における図17のC部の詳細を示す拡大側面図であり、ケース200Aとカバー300Aと締結した状態を示している。構成は図17に記載の通りであり、中央におけるケース側段差部211Cの段差は締結当接面201Sの面との段差寸法Δhcの大きさは両端のケース側段差部211B1の段差寸法Δhよりも大きくなっていて、カバー側環状シール面310がケース側段差部211B1と当接した状態から締結固定部110で締結材130によって段差寸法Δhの撓み形状に沿う段差寸法となっている。

0052

従って、ケース側段差部211B1、ケース側段差部211B2、ケース側段差部211Cの両方でカバー側環状シール面310は当接し、係合固定されていることとなり、実施の形態1による一体形状のケース側段差部211Aよりも辺の中央部においては当接するシール面の傾きは抑制され、より効果のある環状シール部600Aの密閉構造が得られる。

0053

なお、図11から図19の構成に関する説明ではひとつの段差部の例として、例えばケース側段差部211Aとしての構成で説明したが、段差部の形状、取付部位は様々な組合せがあることを言明しておく。

0054

次に動作について説明する。ケース200Aとカバー300Aの合せ面のシール構造について、課題解決のための手段を実施する前と実施したケースを比較して説明する。

0055

図3(a)は環状シール材610の厚みをTssとしたときのケース200とカバー300を組立した状態の断面図で、図3(b)は密閉筐体の内部の圧力が外部より高く、圧力差によって密閉筐体の合せ部が開くように力が作用している状態のカバー300と環状シール材610の変形の状態を示した図である。

0056

カバー300は4つの角部の締結固定部110で締結材130によってケース200に固定されているが、カバー300は密閉筐体100の内外の圧力差の圧力Pによって外側に太鼓状に膨れようとし、4つの角部の固定部に囲われたカバー300の面中央部で最も変位が大きく、カバー側環状シール面310はケース側環状シール面210から開く方向に変位するとともに、図3(b)の断面図に示すようにケース側環状シール面210に対し角度θabとなる傾きとなる変形を生じる。

0057

従って、各締結固定部110を端点とする辺を境に、外側では弾性体である環状シール材610はシール面の傾きにより圧縮され、内側では圧力Pによる変位とシール面の傾きにより引っ張り方向に変位し、辺の中央部において最も変位が大きくなる。

0058

また、図4(a)はシール材の接着強度を向上させる狙いで、図3(a)の構造より環状シール材610の厚みを増し、Tsdとしたときのケース200とカバー300を組み立てた状態での断面図である。

0059

図4(b)は図3(b)と同様に密閉筐体100の内部の圧力が外部より高く、圧力差によって密閉筐体100の合わせ部が開くように力が作用している状態を示した図である。

0060

密閉筐体100の内外圧力差Pによって外側にカバー300が太鼓状に膨れようとする作用は、図3(b)と同様であるが、辺の中央部のカバー側環状シール面310のケース側環状シール面210に対する傾きの変位は弾性体である環状シール材610の厚みがTss<Tsdと厚くなっていることで変形しやすく、従って、カバー側環状シール面310の傾きはθab<θcdとなって環状シール材610の変形を抑制する効果は少なく、環状シール材610の接着強度向上のために環状シール材610の厚みを増す手段は密閉性向上の効果は少ないといえる。

0061

図20は実施の形態1による電子制御装置における環状シール部を示す断面図であり、(a)は内圧がかかっていない状態を示す断面図であり、(b)は内圧がかかった状態を示す断面図である。図20(b)は図20(a)において、ケース側段差部211Aによって対向するカバー側環状シール面310を係合した状態での環状シール部600Aの断面を示した図で、密閉筐体100Aの内部から外気との差の圧力Pが作用している状態のカバー側環状シール面310の状態を示したものである。

0062

圧力Pによりカバー300Aは面中央部が太鼓状に膨れるように力を受けるが、カバー側環状シール面310は締結当接面201Sとは凸側の突出した段差寸法Δhであるケース側段差部211Aの剛体に段差寸法撓んだ形状で係合されており、ケース側環状シール面210に対して傾き角度θtの変形に留まる。

0063

この傾き角度θtは段差部の形態のない、例えば図3(b)場合に比しθt<θabであり、弾性体である環状シール材610を変形させようとする作用が抑制されこととなり、締結面の変位が抑制された環状シール材610にとって接着強度を確保可能とする最適な環状シール部600Aの密閉構造とした電子制御装置を得ることができる。

0064

次に、各実施の形態と請求項との特徴について説明する。この実施形態における請求項1,2による電子制御装置は、ケース200Aとカバー300Aによる密閉筐体100Aに樹脂製コネクタハウジング500を搭載した回路基板400を密閉収納したものであって、ケース200Aとカバー300Aの外周の4つの角部の締結固定部110には締結座201を備え、ケース200Aの外周のケース側環状シール面210とカバー300Aの外周のカバー側環状シール面310との間には半流動性の粘性特性で弾性体である環状シール材610が充填されており、ケース200Aとカバー300Aを締結一体化したとき、締結固定部110の近傍での環状シール材610の厚みは締結座201の締結当接面201Sの高さによって確保されることになる。

0065

また、電子制御装置としての使用で周囲温度が上昇し、回路基板400上の電子部品が動作発熱し、密閉筐体100Aの内圧が上昇すると、ケース200Aとカバー300Aの締結面となっているお互いの外周位置のケース側環状シール面210、カバー側環状シール面310には開く方向に内圧が作用し、締結固定部110を端点とする辺の中央C210位置おいて変位が最大となるが、ケース側環状シール面210、カバー側環状シール面310の周縁端部には、ケース200Aとカバー300Aを組合せたときに対向するシール面と最初に当接するケース側段差部211A又はカバー側段差部311Aが設けてあり、このケース側段差部211A又はカバー側段差部311Aは締結座201の締結当接面201SとはΔhの段差寸法となる段差であり、外周位置の締結面に環状シール材610が塗布される。

0066

その後、締結固定部110の位置で締結材130によって締結座201の締結当接面201Sまで押し込み固定したとき、ケース側段差部211A又はカバー側段差部311Aと対向するシール面で成す締結面は、段差寸法Δh撓んだ形状で係合し、締結面は強度に相応した撓み形状で一体化されていることとなる。

0067

部品の寸法公差を考慮して、段差寸法Δhを設定することで、ケース200Aとカバー300Aの段差部高さHtを切削加工等で、精度良く加工することなく、最も密閉性に対する対策が必要である、締結固定部110を端点とする辺の中央位置で、ケース200Aとカバー300Aを当接させることができる。

0068

係合して締結されたケース側環状シール面210、カバー側環状シール面310は剛性強化されていることとなり、ケース側環状シール面210、カバー側環状シール面310が内圧により開こうとする変形は抑止され、また、環状シール材610を圧することがなく、ケース側環状シール面210、カバー側環状シール面310の内側における環状シール材610の引っ張り変形量および発生応力を低減することとなり環状シール部600Aの密閉性の耐久を向上させることができる。

0069

そして、環状シール材610の変形量を抑制できる構造であるため、環状シール材610の厚みの最適化を図ることが容易であり、環状シール材610の使用量を削減できる効果がある。

0070

また、ケース200A又はカバー300Aの外周位置のシール面に設けた段差部と対向するシール面を係合一体化する構造は、ケース側段差部211A又はカバー側段差部311Aの内側には環状シール材610の接着強度を確保する断面を有したシール面の組合せで良く、シール面の平面度平行度を要する加工工程は不要であり、本願の構造はケース200Aのケース側環状シール面210、カバー300Aの、カバー側環状シール面310に凹条の溝と凸の突条となる複雑なシール構造でないため、製造価格を安価とすることができる効果がある。

0071

そして、締結面の環状シール材610の断面積は、電子制御装置が使用される条件で十分なる接着強度となるよう設計されるが、締結固定部110の近傍では環状シール材610の厚みを締結座201の締結当接面201Sの高さで確定でき、組立工程での環状シール材610の塗布量の工程管理が容易で、組立てでの環状シール材610の厚みのバラツキを抑制することができ、環状シール部600Aの密閉性の品質の安定化が図れる効果もある。

0072

この実施形態における電子制御装置の請求項3,4に関連し、ケース側段差部211A又はカバー側段差部311Aを締結固定部110を端点とする辺の中央部C210を対称に複数に分割配置した環状シール部600Aの構造とした密閉筐体100Aであって、ケース200Aとカバー300Aとを組合せたとき、締結当接面201Sからの段差寸法がΔhであるケース側段差部211A又はカバー側段差部311Aと、対向するシール面は最初に当接し、その後、締結固定部110において締結材130により押込み固定するとき、締結一体化されるケース側環状シール面210、カバー側環状シール面310は締結座201の締結当接面201Sに対し段差寸法Δh撓ませた形状で係合一体化されていることになる。

0073

そして、ケース側段差部211B,211C又はカバー側段差部311B,311C(図示せず)が撓み形状に当接することにより、請求項1,2における実施の形態よりも、さらに、ケース側環状シール面210、カバー側環状シール面310は剛性強化されていることとなり、カバー側環状シール面310が内圧により開こうとする変形による環状シール材610を圧することがなく、また開く方向の変位も抑止されるとともに、環状シール材610の引張り変形量および発生応力を低減することとなり、環状シール部600Aの密閉性の耐久を向上させることができる。

0074

そして、環状シール材610の変形量を抑制できる構造であるため、環状シール材610の厚みの最適化を図ることが容易であり、環状シール材610の使用量を削減できる効果がある。また、ケース側段差部211B,211C又はカバー側段差部311B,311C(図示せず)を必要位置に分割配置することで材料削減のよる製造価格低減の効果がある。

0075

以上説明した図15から図20においては、ケース側段差部211A、ケース側段差部211B、ケース側段差部211Cを対象として説明したが、これに限らず、カバー側段差部311Aについても同様に、複数に分割配置してもよく、カバー側段差部311B1(図示せず)とカバー側段差部311B2(図示せず)の二つに分割配置してもよく、あるいはカバー側段差部311B1(図示せず)とカバー側段差部311B2(図示せず)の間にカバー側段差部311C(図示せず)を配置した3つに分割配置してもよく、同様の効果を奏する。あるいは、ケース側段差部211A、ケース側段差部211B、ケース側段差部211Cと、カバー側段差部311B1(図示せず)、カバー側段差部311B2(図示せず)、カバー側段差部311C(図示せず)とを設けた構成としてもよく、同様の効果を奏する。

0076

実施の形態2.
以下、本願の実施の形態2による電子制御装置について説明する。図21は実施の形態2による電子制御装置におけるケースを示す斜視図である。図22は実施の形態2による電子制御装置を示す図21のX−X線における断面図であり、(a)は内圧がかかっていない状態を示す断面図であり、(b)は内圧がかかった状態を示す断面図である。図23は実施の形態2による電子制御装置における図21の他の変形形態を示す斜視図である。図24は実施の形態2による電子制御装置を示す図23のY−Y線における断面図であり、(a)は内圧がかかっていない状態を示す断面図であり、(b)は内圧がかかった状態を示す断面図である。これら図21図24に基づいてその構造と作用及び特徴について説明する。

0077

図21は本願の対象となるケース200Aの実施の形態1に対して、ケース200Bとし、ケース側環状シール面210の内側全周にケースシール環状傾斜面212を設けたシール面の構造としたものである。そして、このケースシール環状傾斜面212の傾斜形状はケース側環状シール面210と滑らかにつながるようにすれば、直線で構成しても曲線で構成してもよい。

0078

図22(a)はケース200Bのケース側環状シール面210に繋がる傾斜面を全周に設けたケースシール環状傾斜面212とし、締結固定部110間を端点とする辺の中央部のシール部の断面図で、図22(b)は実施の形態2における密閉筐体100Bの内部の圧力Pが作用した状態でのシール面の変形した状態を示している。

0079

ケース側段差部211A部の断面における環状シール材610の厚みはケースシール環状傾斜面212の傾斜高さHskとのケース側段差部211Aのケース側環状シール面210よりの高さHtとが加算された厚みとなる環状シール部600Bとした密閉構造である。

0080

ケース側段差部211Aよって対向するカバー側環状シール面310とは締結時の締結当接面201Sの面との段差寸法Δhとなる撓み形状で係合固定されているため、カバー側環状シール面310はケース側環状シール面210に対して傾きの変形が抑制されている。

0081

環状シール材610は、図22(a)の断面図において、ケースシール環状傾斜面212の最内において傾斜面の高さHskとケース側段差部211A部の高さHtが加味された環状シール材610の厚みとなっており、環状シール材610の変形率を抑制する効果があり、密閉性が高くなる構造となっている。

0082

以上のとおり、この実施形態における電子制御装置の請求項5,6に関連し、ケース側環状シール面210の内側に設けられたシール面と繋がるケースシール環状傾斜面212における内側の環状シール材610の厚みは、傾斜高さが加味され、平面シール面のシール厚みに比べて厚くなっている。

0083

そして、密閉筐体100Bは内圧荷重を受ける条件では、密閉筐体100Bの外周の4つの角部の締結固定部110で拘束されているカバー300Bは面中央を頂点に膨らみ、変形が生じる。この変形に応動してカバー側環状シール面310の内側の部位は引張り側の変形となるが、平面シール面の環状シール材厚み<傾斜面の環状シール材厚みの関係であるため、同じ変位量に対する環状シール材610の変形の割合は平面シール面の場合に比べ小さく、環状シール材610の変形率を抑制する効果があり、密閉筐体100Bの内圧荷重に対する環状シール部600Bの耐力向上が可能となる特徴がある。

0084

また、ケース側環状シール面210のケースシール環状傾斜面212はケース側段差部211Aの根元を起点とした内側を傾斜面としても良いが、傾斜の断面積が大きくなることによりシール材使用量が増すこととなり、経済性が悪くなる。また、ケース側段差部211Aの根元近傍は、シール材の変形が小さいため、傾斜面を設置しても、防水性を向上させる効果は小さい。

0085

ケースシール環状傾斜面212の寸法を適切に設定すること、環状シール材610の使用量を抑制しつつ、シール面部の接着強度を向上させ、防水性の耐力を向上する効果がある。

0086

図23は本願の対象となるケース200Bの実施の形態2に対する変形の形態で、ケース側環状シール面210と滑らかにつながる傾斜面が締結固定部110を端点とする辺の中央部C210を中心に左右対称に長さLkのケースシール中央傾斜面213としたシール面の構造としたものである。

0087

図24(a)はケース200Bのケース側環状シール面210に締結固定部110を端点とする辺の中央部に設けたケースシール中央傾斜面213とし、締結固定部110間を端点とする辺の中央部のシール部の断面図で、図24(b)は実施の形態2における密閉筐体100Bの内部の圧力Pが作用した状態でのシール面の変形した状態を示している。

0088

ケース側段差部211A部の断面における環状シール材610の厚みはケースシール中央傾斜面213の傾斜高さHskとのケース側段差部211Aのケース側環状シール面210よりの高さHtとが加算された厚みとなる環状シール部600Bとした密閉構造である。

0089

ケース側段差部211Aよって対向するカバー側環状シール面310とは締結時の締結当接面201Sの面との段差寸法Δhとなる撓み形状で係合固定されているため、カバー側環状シール面310はケース側環状シール面210に対して傾きの変形が抑制されている。

0090

環状シール材610は、図24(a)の断面図において、ケースシール中央傾斜面213の最内において傾斜面の高さHskとケース側段差部211A部の高さHtが加味された環状シール材610の厚みとなっており、環状シール材610の変形率を抑制する効果があり、密閉性が高くなる構造となっている。

0091

以上のとおり、この実施形態における電子制御装置の請求項7,8に関連し、密閉筐体100Bの締結固定部110を端点とする辺の中央部を中心として、左右対称に中央部のケース側環状シール面210に辺方向にLktの長さとするケースシール中央傾斜面213における内側の環状シール材610の厚みは、傾斜高さが加味され、平面シール面のシール厚みに比べて厚くなっている。

0092

そして、密閉筐体100Bは内圧荷重を受ける条件では、密閉筐体100Bの外周の角部の締結固定部110で拘束されているカバー300Bは、面中央を頂点に膨らみ変形が生じる。この変形に応動してカバー側環状シール面310の内側の部位は引張り側の作用となるが、平面シール面の環状シール材厚み<傾斜面の環状シール厚みの関係であるため、同じ変位量に対する環状シール材610の変形の割合は平面シール面の場合に比べ小さく、環状シール材610の変形率を抑制する効果があり、密閉筐体100Bの内圧荷重に対する環状シール部600Bの耐力向上が可能となる特徴がある。

0093

また、ケースシール中央傾斜面213が締結固定部110を端点とする辺の中央の変形作用の最も大きい部位に設けられることで、請求項5,6に関連する実施の形態に対して、環状シール部600Bの防水性の耐力を保ちつつ、環状シール材610の使用量を抑制することができる。

0094

以上説明した図21から図24においては、ケースシール環状傾斜面212あるいはケースシール中央傾斜面213がケース側環状シール面210につながって設けられた場合について説明したが、これに限らず、ケースシール環状傾斜面212あるいはケースシール中央傾斜面213をカバー側環状シール面310につながって設けてもよく、同様の効果を奏する。

0095

実施の形態3.
以下、本願の実施の形態3による電子制御装置について説明する。図25は実施の形態3による電子制御装置における環状シール部を示す断面図である。図26は実施の形態3による電子制御装置における図24の他の変形形態を示す断面図である。図27は実施の形態3による電子制御装置における図24の他の変形形態を示す断面図である。これら図25から図27に基づいてその構造と作用及び特徴について説明する。

0096

図25は本願の対象となるケース200Aの実施の形態1に対して、カバー300Cの内側にカバー内側傾斜面312を設けた環状シール部600Cの密閉構造で、上述した実施の形態2のようにケース側環状シール面210に傾斜面を設けるに十分な肉厚を持たないケース200Cなどに有効である。

0097

図26は傾斜面をカバー300Cのカバー内側傾斜面312とケース200Cのケース側環状シール面210と滑らかにつながるケースシール環状傾斜面212、ケースシール中央傾斜面213を併用した環状シール部600Cの密閉構造としたものである。

0098

図27の場合の環状シール材610の最内部厚みは、ケース側段差部211Aの高さHtとカバー内側傾斜面312の高さHskが合算された厚みHssであり、図25の場合の環状シール材610の最内部厚みは、ケース側段差部211Aの高さHtとケースシール環状傾斜面212、ケースシール中央傾斜面213の高さとカバー300Cのカバー内側傾斜面312の高さが合算された厚みHssであり、ケース200C、カバー300Cの構造、形状に応じた環状シール部600Cの構造とすることが可能である。

0099

図27はケース200Cのケース側環状シール面210のケースシール環状傾斜面212、ケースシール中央傾斜面213と、カバー300Cのカバー内側傾斜面312の断面を併用したものである。ケース200Cの締結固定部110の締結座201の締結当接面201Sに対して、ケース側環状シール面210が凸側に突出したケースの場合、ケース側段差部211Aとしての機能を有しているので、対向するカバー側環状シール面310は締結されるとき、締結固定部110において、カバー側環状シール面310は締結座201の締結当接面201Sまで段差寸法が押込められ、締結材130で固定されることとなり、ケース側段差部211Aとカバー側環状シール面310は係合固定となっている。

0100

以上のとおり、この実施形態における電子制御装置の請求項9に関連し、環状シール材610はカバー300Cの内側に設けたカバー内側傾斜面312にも充填されるため、環状シール材610の厚みは、シール面の最内部でカバー内側傾斜部312の傾斜高さが加味された厚みとなる。

0101

そして、密閉筐体100Cは内圧荷重を受ける条件では、密閉筐体100Cの外周の4つの角部の締結固定部110で拘束されているカバー300Cは面中央を頂点に膨らみ、変形が生じる。この変形に応動して、カバー側環状シール面310の内側の部位は引張り側の作用となるが、平面シール面の環状シール材厚み<カバー内側傾斜面のシール厚みの関係であるため、同じ変位量に対する環状シール材610の変形の割合は平面シール面の場合に比べ小さく、環状シール材610の変形率を抑制する効果があり、密閉筐体100Cの内圧荷重に対するシール部の耐力向上が可能となる特徴がある。

0102

また、環状シール部600Cの構造をケース側環状シール面210、又はカバー側環状シール面310に設けたケース側段差部211A又はカバー側段差部311Aとカバー内側傾斜面312の傾斜部で構成される環状シール材610の充填断面構造とした簡易な構造で密閉性が図れるため製造価格抑制の効果がある。

0103

本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組合せで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。

0104

本願は、ケースの外周位置とカバーの外周位置に形成された環状シール部の密閉性を向上することができる電子制御装置の実現に好適である。

0105

100密閉筐体、100A 密閉筐体、100B 密閉筐体、100C 密閉筐体、110締結固定部、130締結材、200ケース、200A ケース、200B ケース、200C ケース、201締結座、201S締結当接面、203 開口部、210 ケース側環状シール面、210a ケース側環状シール面、210b ケース側環状シール面、211A ケース側段差部、211A1 ケース側段差部、211B1 ケース側段差部、211B2 ケース側段差部、211C ケース側段差部、212 ケースシール環状傾斜面、213 ケースシール中央傾斜面、300カバー、300A カバー、300B カバー、300C カバー、310 カバー側環状シール面、310a カバー側環状シール面、311A カバー側段差部、311A1 カバー側段差部、400回路基板、500コネクタハウジング、600環状シール部、600A 環状シール部、600B 環状シール部、600C 環状シール部

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