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技術 固体電解コンデンサおよびその製造方法

出願人 パナソニックIPマネジメント株式会社
発明者 山崎蓮姫隈川隆博
出願日 2019年4月22日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-081118
公開日 2020年10月29日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-178098
状態 未査定
技術分野 電解コンデンサの端子・電極等 電解コンデンサ
主要キーワード 低弾性体 産業用装置 陰極側電極 混入比率 金属間結合 陽極側電極 各陽極端子 側端面側
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年10月29日)のものです。
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図面 (11)

課題

固体電解コンデンサにおいて、良好な電気特性を維持しながら、高い信頼性を実現すること。

解決手段

固体電解コンデンサ100は、積層された複数のコンデンサ素子1を有する。コンデンサ素子1は、陽極体2と、陽極体2の表面に設けられ、複数の空隙3aを有する誘電体層3と、誘電体層3の表面に設けられた固体電解質層5と、固体電解質層5の表面に設けられた陰極体6と、陽極側と陰極側とを絶縁分離する絶縁樹脂16を含み、誘電体層3のうちの陽極側に設けられた絶縁層4と、を備える。絶縁樹脂16は、絶縁層4に含まれる複数の空隙3aに充填されている。隣り合う絶縁層4の間には、陽極部接着樹脂17が設けられている。

概要

背景

電子機器高周波化に伴って、高周波領域でのインピーダンス特性に優れたコンデンサが求められている。この要求に応えるために、電気伝導度の高い導電性高分子固体電解質に用いた固体電解コンデンサが種々検討されている(例えば、特許文献1参照)。

また、近年、パーソナルコンピュータのCPU(Central Processing Unit)周り等に使用される固体電解コンデンサには、小型かつ大容量化が強く望まれている。さらに、高周波化に対応した低ESR(Equivalent Series Resistance:等価直列抵抗)化が要求されたり、ノイズ除去過渡応答性に優れた低ESL(等価直列インダクタンス)化が要求されたりしている。そして、これらの要求に応えるために種々の検討がなされている。

ここで、図3を用いて、特許文献1に開示されている積層型固体電解コンデンサについて説明する。図3は、特許文献1に開示されている積層型固体電解コンデンサの側面断面図である。

図3において、固体電解コンデンサ31は、積層体33、外装43、陽極外部電極47、および陰極側外部電極48を備える。

積層体33は、複数のコンデンサ素子32が積層されてなる。コンデンサ素子32は、芯部35およびその表面に沿って形成される粗面部36を備えた弁作用金属基体34と、粗面部36上に形成された誘電体被膜37と、誘電体被膜37上に形成された固体電解質層39と、固体電解質層39上に形成された集電体層40と、を有する。複数のコンデンサ素子32の各集電体層40は互いに電気的に接続されている。

外装43は、電気絶縁性を有し、弁作用金属基体34の一方端面38が第1の端面44上に露出された状態で、積層体33を覆う。

陽極側外部電極47は、外装43の第1の端面44上、および、その端面に隣接する上面および下面それぞれの一部上に設けられている。また、陽極側外部電極47は、弁作用金属基体34の芯部35と電気的に接続されている。

陰極側外部電極48は、外装43の第1の端面44に対向する第2の端面45に設けられている。また、陰極側外部電極48は、集電体層40と電気的に接続されている。

陽極側外部電極47は、第1導電層49、第2導電層50、および第3導電層51を含む。第1導電層49は、弁作用金属34の芯部35に直接接するように形成され、隣り合うコンデンサ素子32の各弁作用金属基体34の芯部35をお互いに電気的に接続する。また、第1導電層49は、弁作用金属基体34の一方端面38およびその周囲の外装43の第1の端面44全体を覆うとともに、第1の端面44に隣接する上面および下面それぞれの一部にまで伸びるように、スパッタリングのようなドライプロセスによって、形成されている。

上述した構成を有する固体電解コンデンサ31では、弁作用金属基体34の粗面部36への水の浸入や粗面部36と外装43との間への水分の浸入を抑制することができる。また、第2導電層50は第1導電層49の上に形成されているので、密着強度を高めることができる。

概要

固体電解コンデンサにおいて、良好な電気特性を維持しながら、高い信頼性を実現すること。固体電解コンデンサ100は、積層された複数のコンデンサ素子1を有する。コンデンサ素子1は、陽極体2と、陽極体2の表面に設けられ、複数の空隙3aを有する誘電体層3と、誘電体層3の表面に設けられた固体電解質層5と、固体電解質層5の表面に設けられた陰極体6と、陽極側と陰極側とを絶縁分離する絶縁樹脂16を含み、誘電体層3のうちの陽極側に設けられた絶縁層4と、を備える。絶縁樹脂16は、絶縁層4に含まれる複数の空隙3aに充填されている。隣り合う絶縁層4の間には、陽極部接着樹脂17が設けられている。B

目的

本開示の一態様の目的は、良好な電気特性を維持しながら、高い信頼性を有する固体電解コンデンサおよびその製造方法を提供する

効果

実績

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牽制数
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請求項1

積層された複数のコンデンサ素子外装体により被覆した固体電解コンデンサであって、前記コンデンサ素子は、陽極体と、前記陽極体の表面に設けられ、複数の空隙を有する誘電体層と、前記誘電体層の表面に設けられた固体電解質層と、前記固体電解質層の表面に設けられた陰極体と、陽極側と陰極側とを絶縁分離する絶縁樹脂を含み、前記誘電体層のうちの陽極側に設けられた絶縁層と、を備え、前記絶縁樹脂は、前記絶縁層に含まれる前記複数の空隙に充填されており、隣り合う前記絶縁層の間に、陽極部接着樹脂が設けられている、固体電解コンデンサ。

請求項2

前記外装体の陽極側端面から、前記陽極体の端部である陽極端子部と、前記絶縁層の端部と、前記陽極部接着樹脂の端部と、が露出しており、前記陽極側端面側において、前記陽極端子部と金属結合されたコンタクト層と、前記コンタクト層を被覆する陽極側電極層と、前記陽極側電極層の表面に設けられた陽極側外部電極と、をさらに有する、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。

請求項3

前記外装体の陰極側端面において、前記陰極体と電気的に接続された陰極側電極層と、前記陰極側電極層の表面に設けられた陰極側外部電極と、をさらに有する、請求項1または2に記載の固体電解コンデンサ。

請求項4

前記絶縁層に含まれる前記複数の空隙に対する前記絶縁樹脂の充填率が50%以上である、請求項1から3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。

請求項5

前記絶縁樹脂のガラス転移温度が150℃以上である、請求項1から4のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。

請求項6

前記陽極部接着樹脂のガラス転移温度が150℃以上である、請求項1から5のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。

請求項7

前記絶縁樹脂の弾性率が3GPa〜7GPa以上である、請求項1から6のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。

請求項8

前記陽極部接着樹脂の弾性率が3GPa〜7GPa以上である、請求項1から7のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。

請求項9

前記コンタクト層は、前記陽極体よりもイオン化傾向の小さい金属を含み、前記コンタクト層の厚みは、5〜100μmである、請求項2から8のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。

請求項10

前記陽極側電極層の材料は、樹脂材料中に金属粒子混入された導電樹脂材料であり、前記陽極側電極層の厚みは、20〜300μmである請求2から9のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。

請求項11

陽極体と、前記陽極体の表面に設けられ、複数の空隙を有する誘電体層と、前記誘電体層の表面に設けられた固体電解質層と、前記固体電解質層の表面に設けられた陰極体と、陽極側と陰極側とを絶縁分離する絶縁樹脂を含み、前記誘電体層のうちの陽極側に設けられた絶縁層と、を備えたコンデンサ素子を複数形成する素子形成工程と、前記複数のコンデンサ素子を、導電材および陽極部接着樹脂を介して積層する積層工程と、前記複数のコンデンサ素子を被覆する外装体を形成する封止工程と、前記陽極体の端部である陽極端子部と、前記絶縁層の端部と、陽極部接着樹脂の端部とが前記外装体から露呈した陽極端面を形成する露呈工程と、前記陽極端子部にコンタクト層を形成するコンタクト層形成工程と、前記コンタクト層を含む前記陽極端面を被覆する陽極側電極層を形成し、かつ、前記陰極体と電気的に接続された陰極側電極層を形成する第1の電極形成工程と、前記陽極側電極層を被覆する陽極側外部電極を形成し、かつ、前記陰極側電極層を被覆する陰極側外部電極を形成する第2の電極形成工程と、を含み、前記素子形成工程では、前記絶縁樹脂が前記絶縁層に含まれる前記複数の空隙に充填され、前記積層工程では、前記陽極部接着樹脂が、隣り合う前記絶縁層の間に設けられる、固体電解コンデンサの製造方法。

技術分野

0001

本開示は、固体電解コンデンサおよびその製造方法に関する。

背景技術

0002

電子機器高周波化に伴って、高周波領域でのインピーダンス特性に優れたコンデンサが求められている。この要求に応えるために、電気伝導度の高い導電性高分子固体電解質に用いた固体電解コンデンサが種々検討されている(例えば、特許文献1参照)。

0003

また、近年、パーソナルコンピュータのCPU(Central Processing Unit)周り等に使用される固体電解コンデンサには、小型かつ大容量化が強く望まれている。さらに、高周波化に対応した低ESR(Equivalent Series Resistance:等価直列抵抗)化が要求されたり、ノイズ除去過渡応答性に優れた低ESL(等価直列インダクタンス)化が要求されたりしている。そして、これらの要求に応えるために種々の検討がなされている。

0004

ここで、図3を用いて、特許文献1に開示されている積層型固体電解コンデンサについて説明する。図3は、特許文献1に開示されている積層型固体電解コンデンサの側面断面図である。

0005

図3において、固体電解コンデンサ31は、積層体33、外装43、陽極外部電極47、および陰極側外部電極48を備える。

0006

積層体33は、複数のコンデンサ素子32が積層されてなる。コンデンサ素子32は、芯部35およびその表面に沿って形成される粗面部36を備えた弁作用金属基体34と、粗面部36上に形成された誘電体被膜37と、誘電体被膜37上に形成された固体電解質層39と、固体電解質層39上に形成された集電体層40と、を有する。複数のコンデンサ素子32の各集電体層40は互いに電気的に接続されている。

0007

外装43は、電気絶縁性を有し、弁作用金属基体34の一方端面38が第1の端面44上に露出された状態で、積層体33を覆う。

0008

陽極側外部電極47は、外装43の第1の端面44上、および、その端面に隣接する上面および下面それぞれの一部上に設けられている。また、陽極側外部電極47は、弁作用金属基体34の芯部35と電気的に接続されている。

0009

陰極側外部電極48は、外装43の第1の端面44に対向する第2の端面45に設けられている。また、陰極側外部電極48は、集電体層40と電気的に接続されている。

0010

陽極側外部電極47は、第1導電層49、第2導電層50、および第3導電層51を含む。第1導電層49は、弁作用金属34の芯部35に直接接するように形成され、隣り合うコンデンサ素子32の各弁作用金属基体34の芯部35をお互いに電気的に接続する。また、第1導電層49は、弁作用金属基体34の一方端面38およびその周囲の外装43の第1の端面44全体を覆うとともに、第1の端面44に隣接する上面および下面それぞれの一部にまで伸びるように、スパッタリングのようなドライプロセスによって、形成されている。

0011

上述した構成を有する固体電解コンデンサ31では、弁作用金属基体34の粗面部36への水の浸入や粗面部36と外装43との間への水分の浸入を抑制することができる。また、第2導電層50は第1導電層49の上に形成されているので、密着強度を高めることができる。

先行技術

0012

特許第6233410号公報

発明が解決しようとする課題

0013

特許文献1の固体電解コンデンサ31では、弁作用金属基体34の一方端面38に露出した芯部35が、Al(アルミニウム)箔などの金属箔で構成される。また、その金属箔の表面にエッチング加工を行うことにより、粗面部36が形成され、その上には誘電体被膜37が形成される。

0014

また、スパッタリングのようなドライプロセスにより、弁作用金属基体34の一方端面38に第1導電層49が形成される場合、粗面部36上の誘電体被膜37と、樹脂材料からなる外装43とは、接合強度が高い金属結合ではなく、アンカー効果を利用して機械的に付着しているだけである。

0015

よって、誘電体被膜37と外装43との接合強度は極めて弱く、第2導電層50および第3導電層51を形成する際に弱い圧力を加えるだけで剥離が生じてしまう。

0016

また、アンカー効果によって形成された第1導電層49と粗面部36との界面では、剥離により、粗面部36の多孔質上の構造から水分の浸入するおそれがある。

0017

同様に、第1導電層49と外装43との界面でも、剥離により、コンデンサ素子32全体へ水分が浸入するおそれがある。

0018

したがって、固体電解コンデンサ31をプリント基板実装する際に、固体電解コンデンサ31に含まれている水分が高温蒸発し、コンデンサ素子32間で膨らむことにより、コンデンサ素子32が破壊され、品質不良を起こすという課題がある。

0019

本開示の一態様の目的は、良好な電気特性を維持しながら、高い信頼性を有する固体電解コンデンサおよびその製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0020

本開示の一態様に係る固体電解コンデンサは、積層された複数のコンデンサ素子を外装体により被覆した固体電解コンデンサであって、前記コンデンサ素子は、陽極体と、前記陽極体の表面に設けられ、複数の空隙を有する誘電体層と、前記誘電体層の表面に設けられた固体電解質層と、前記固体電解質層の表面に設けられた陰極体と、陽極側と陰極側とを絶縁分離する絶縁樹脂を含み、前記誘電体層のうちの陽極側に設けられた絶縁層と、を備え、前記絶縁樹脂は、前記絶縁層に含まれる前記複数の空隙に充填されており、隣り合う前記絶縁層の間に、陽極部接着樹脂が設けられている。

0021

本開示の一態様に係る固体電解コンデンサの製造方法は、陽極体と、前記陽極体の表面に設けられ、複数の空隙を有する誘電体層と、前記誘電体層の表面に設けられた固体電解質層と、前記固体電解質層の表面に設けられた陰極体と、陽極側と陰極側とを絶縁分離する絶縁樹脂を含み、前記誘電体層のうちの陽極側に設けられた絶縁層と、を備えたコンデンサ素子を複数形成する素子形成工程と、前記複数のコンデンサ素子を、導電材および陽極部接着樹脂を介して積層する積層工程と、前記複数のコンデンサ素子を被覆する外装体を形成する封止工程と、前記陽極体の端部である陽極端子部と、前記絶縁層の端部と、陽極部接着樹脂の端部とが前記外装体から露呈した陽極端面を形成する露呈工程と、前記陽極端子部にコンタクト層を形成するコンタクト層形成工程と、前記コンタクト層を含む前記陽極端面を被覆する陽極側電極層を形成し、かつ、前記陰極体と電気的に接続された陰極側電極層を形成する第1の電極形成工程と、前記陽極側電極層を被覆する陽極側外部電極を形成し、かつ、前記陰極側電極層を被覆する陰極側外部電極を形成する第2の電極形成工程と、を含み、前記素子形成工程では、前記絶縁樹脂が前記絶縁層に含まれる前記複数の空隙に充填され、前記積層工程では、前記陽極部接着樹脂が、隣り合う前記絶縁層の間に設けられる。

発明の効果

0022

本開示によれば、固体電解コンデンサにおいて、良好な電気特性を維持しながら、高い信頼性を実現することができる。

図面の簡単な説明

0023

本開示の実施の形態に係る固体電解コンデンサを示す斜視図
図1AのA−A’断面図
図1Bの範囲Xの拡大図
本開示の実施の形態に係る積層工程時の固体電解コンデンサを示す断面図
本開示の実施の形態に係る封止工程時の固体電解コンデンサを示す断面図
本開示の実施の形態に係る露呈工程時の固体電解コンデンサを示す断面図
本開示の実施の形態に係るコンタクト層形成工程時の固体電解コンデンサを示す断面図
本開示の実施の形態に係る第1の電極形成工程時の固体電解コンデンサを示す断面図
本開示の実施の形態に係る第2の電極形成工程時の固体電解コンデンサを示す断面図
特許文献1の固体電解コンデンサの構成を示す側面断面図

実施例

0024

以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において共通する構成要素については同一の符号を付し、それらの説明は適宜省略する。

0025

[固体電解コンデンサ100の構成]
本開示の実施の形態に係る固体電解コンデンサ100の構成について、図1A図1B図1Cを用いて説明する。図1Aは、本実施の形態に係る固体電解コンデンサ100を示す斜視図である。図1Bは、図1AのA−A’断面図である。図1Cは、図1Bの部分Xの拡大図である。

0026

図1A図1Cに示すように、固体電解コンデンサ100は、コンデンサ素子1、支持部材7、導電材8、陽極端子部9、外装体10、コンタクト層11、陽極側電極層12a、陰極側電極層12b、陽極側外部電極13a、陰極側外部電極13b、陽極部接着樹脂17を有する。

0027

コンタクト層11は、陽極端子部9表面に形成されている。

0028

陽極側電極層12aは、少なくともコンタクト層11を被覆して形成されている。

0029

陽極側外部電極13aおよび陰極側外部電極13bは、それぞれ、陽極側電極層12aおよび陰極側電極層12bの表面に形成されている。

0030

<コンデンサ素子1>
図1Bに示すように、コンデンサ素子1は、陽極体2、誘電体層3、絶縁層4、固体電解質層5、および陰極体6を有する。

0031

誘電体層3は、例えば、化学エッチングなどの方法により、陽極体2であるAl箔両面に多孔質層を形成し、その多孔質層上に誘電体被膜を形成して得られる。

0032

陽極体2は、多孔質化されずに残っているAl箔芯材部である。この陽極体2は、誘電体層3により包み込まれている。すなわち、陽極体2の両面(上面および下面)には、誘電体層3が配置されている。

0033

陽極体2の厚みおよび誘電体層3の厚みは、それぞれ、20〜80μmである。なお、陽極体2および誘電体層3の材料は、Al箔に限定されず、例えば、コンデンサ材料として一般的に使用されるTa(タンタル)等であってもよい。

0034

陽極体2の陽極側絶縁樹脂充填部18には、絶縁層4が形成されている。絶縁層4は、陽極端面14と陰極体6を電気的に絶縁分離している。つまり、陽極側と陰極側(図示略)を電気的に絶縁分離している。

0035

図1Cに示すように、誘電体層3は、数nmから数十μm(ただし、上限は30μm)の空隙3aが多数広がっている多孔質構造である。この多孔質構造は、例えば、化学エッチングなどの方法により形成される。

0036

絶縁層4に相当する誘電体層3の一部には、絶縁性を有する絶縁樹脂16が含浸される。これにより、図1Cに示すように、絶縁層4における空隙3aには、絶縁樹脂16が充填される。なお、絶縁樹脂16を空隙3aに充填させるためには、絶縁樹脂16は、低粘度の樹脂であることが好ましい。

0037

絶縁樹脂16を空隙3aに充填させる方法としては、例えば、誘電体層3を減圧された環境下に置く方法、または、外部から圧力をかける方法が挙げられる。絶縁樹脂16の材質(例えば、粘度など)にもよるが、外部から圧力をかける方法を用いる場合では、加圧状態によって充填率含浸率といってもよい)を改善させることができる。例えば、絶縁層4において、サイズの大きい空隙から順に絶縁樹脂16が充填され、充填率が約50%以上となった場合、数十μmの空隙では絶縁樹脂16が充填された状態となり、数nmの空隙には絶縁樹脂16が充填されていない状態となる。これに対して、水分の粒子の大きさは数十μmといわれているため、充填率が50%以上であれば、外部からの水分の浸入を防ぐことができる。

0038

また、後述する積層工程では熱硬化が行われるため、絶縁樹脂16は、耐熱性を備える。熱硬化時加熱温度は、積層工程における導電性樹脂硬化温度などにもよるが、150℃〜220℃である。そのため、絶縁樹脂16におけるガラス転移温度Tgは、少なくとも150℃以上であることが好ましい。

0039

また、絶縁樹脂16は、誘電体層3の一部(絶縁層4に相当する部分)に含浸されてコンタクト層11を形成する際に生じる衝撃エネルギー(詳細は後述するコンタクト層形成工程にて説明)を吸収する能力を有することが好ましい。すなわち、絶縁樹脂16は、衝撃エネルギーをある程度吸収し、変形しても粘り強く、衝撃に強い性質を有することが好ましい。例えば、絶縁樹脂16は、樹脂特性で言うと、弾性率が3GPa〜7GPa以上の樹脂であることが好ましい。

0040

空隙3aに充填された絶縁樹脂16は、例えば高温炉などの熱により硬化する。なお、絶縁樹脂16がUV(紫外線硬化樹脂である場合では、紫外線を絶縁樹脂16に照射することにより、空隙3aに充填された絶縁樹脂16を硬化させてもよい。

0041

絶縁層4の形成方法としては、例えば、多孔質状の誘電体層3の一部に絶縁樹脂16を含浸させた後に、さらに絶縁性の樹脂であるポリイミドなどをコーティングする方法がある。また、緻密性を高めるために、まず、誘電体層3に圧縮応力を与えて緻密な層にしてから、多孔質状の誘電体層3の一部に絶縁樹脂16を含浸させて絶縁性を持たす方法等を用いてもよい。

0042

図1Bに示すように、陽極端子部9の陽極素子間には、陽極部接着樹脂17が積層されている。これにより、陽極端子部9の陽極素子間の空隙が埋められている。

0043

また、後述する積層工程では熱硬化が行われるため、陽極部接着樹脂17は、耐熱性を備える。熱硬化時の加熱温度は、積層工程における導電性樹脂の硬化温度などにもよるが、150℃〜220℃である。そのため、陽極部接着樹脂17におけるガラス転移温度Tgは、少なくとも150℃以上であることが好ましい。

0044

また、陽極部接着樹脂17は、コンタクト層11を形成する際に生じる衝撃エネルギー(詳細は後述するコンタクト層形成工程にて説明)を吸収する能力を有することが好ましい。すなわち、陽極部接着樹脂17は、衝撃エネルギーをある程度吸収し、変形しても粘り強く、衝撃に強い性質を有することが好ましい。例えば、陽極部接着樹脂17は、樹脂特性で言うと、弾性率が3GPa〜7GPa以上の樹脂であることが好ましい。

0045

なお、図1Bではコンデンサ素子1が単構造である場合を例示しているが、コンデンサ素子1は、異種材料を組み合わせた複合構造であってもよい。例えば、コンデンサ素子1は、緻密なAl酸化膜ポリイミド樹脂積層構造であってもよい。

0046

絶縁層4で絶縁分離され、陰極側となる誘電体層3上には、固体電解質層5が形成されている。固体電解質層5は、例えば、ポリピロールポリチオフェンなどの導電性高分子材料からなる。一般に、固体電解質層5は、化学重合または電解重合などの方法によって形成される。

0047

固体電解質層5上には、陰極体6が形成されている。陰極体6は、例えば印刷法または転写法などにより、カーボン層とAg(銀)ペースト層とが順次積層されたものである。

0048

なお、陰極体6は、カーボン層およびAgペースト層の積層構造に限定されない。例えば、陰極体6は、Agペーストの代わりに、Ag以外のフィラーを用いた導電ペーストまたはシンタリング材等を含むものであってもよい。上記導電ペーストとしては、例えばCu(銅)ペーストが挙げられる。

0049

<支持部材7、導電材8、外装体10>
コンデンサ素子1は、例えばガラスエポキシ基板からなる支持部材7上に、陰極部は導電材8を介して、陽極部は陽極部接着樹脂17を介して、複数積層される。また、コンデンサ素子1は、陽極体2の端部が露呈した陽極端子部9が構成されるように、外装体10で封止されている。なお、図1では、コンデンサ素子1の積層数が3層である場合を例示しているが、コンデンサ素子1の積層数は、3層に限定されない。

0050

上述したとおり、陽極部は、陽極部接着樹脂17を介することにより、陽極部素子間の隙間が埋められている。これにより、陽極側外部電極13a、陰極側外部電極13bの形成時に、圧力などによって素子の断線や隙間が生じることによる水分の浸入を防ぐ効果がある。

0051

支持部材7としては、ガラスエポキシ基板のほか、例えば、BT(Bismaleimide-Triazine)レジンポリイミド樹脂基板などの耐熱性に優れた基板や、Cu製のリードフレーム等を用いることができる。ただし、リードフレームなどの導電材料を用いる場合では、陽極側と陰極側を絶縁できるように分離する必要があることは言うまでもない。

0052

導電材8としては、例えば、Agペースト等の導電ペーストを用いる。導電材8は、コンデンサ素子1の陰極体と電気的に接続している。

0053

なお、図1Bでは、隣り合うコンデンサ素子1間には、導電材8のみが設けられる場合を図示しているが、例えば、導電材8のほかに、Al、Cu、In(インジウム)などの金属箔を介在させてもよい。

0054

<陽極端子部9、コンタクト層11>
陽極端子部9には、陽極体2よりもイオン化傾向の小さい金属からなるコンタクト層11が形成されている。このコンタクト層11は、樹脂系材料である外装体10および絶縁層4には形成されておらず、金属材料からなる陽極端子部9の表面のみに選択的に形成されている。

0055

ここで、陽極体2がAlである場合、コンタクト層11の材料としては、Alよりもイオン化傾向の小さい金属を用いることが好ましい。このような金属としては、例えば、Zn(亜鉛)、Ni(ニッケル)、Sn(スズ)、Cu、Ag等が挙げられる。このような金属により、コンタクト層11の表面において強固な酸化膜の形成が抑制され、コンタクト層11と陽極側電極層12aとの電気的接続をより確実にすることができる。

0056

また、陽極体2がAlである場合、コンタクト層11の材料として、原子間距離の近いCu、Zn、またはAgを用いることで、Alとの金属間結合による合金層が形成される。よって、陽極体2間の接合強度をより強固にすることができる。なお、コンタクト層11は、単元素金属で構成される以外に、青銅黄銅などの合金で構成されてもよいし、NiとAg、CuとAg等とが積層されて構成されてもよい。

0057

電極構造
陽極端面14は、コンタクト層11、絶縁層4の陽極側端面4a、外装体10の陽極側端面10a、および支持部材7の陽極側端面7aで構成されている。

0058

陰極端面15は、導電材8の陰極側端面である陰極端子部8b、外装体10の陰極側端面10b、および支持部材7の陰極側端面7bで構成されている。

0059

陽極端面14は、陽極側電極層12aにより被覆されている。また、陰極端面15は、陰極側電極層12bにより被覆されている。ここで、積層されたコンデンサ素子1の陽極端子部9同士の電気的な導通は、主に陽極側電極層12aを介して行われる。

0060

また、陽極側電極層12aは、陽極側外部電極13aにより被覆されている。また、陰極側電極層12bは、陰極側外部電極13bにより被覆されている。

0061

陽極側電極層12aおよび陰極側電極層12bの材料は、例えば、バインダとなる樹脂材料中にAgまたはCuなどの金属フィラー金属粒子)を混入させた導電ペースト材料(導電樹脂材料)であることが望ましい。これにより、例えば、絶縁層4、外装体10、支持部材7を構成する材料との接着に適したバインダ成分を樹脂中に添加することができ、化学結合または水素結合による結合が期待できる。

0062

さらに、絶縁層4の陽極側端面4a、外装体10の陽極側端面10a、陰極側端面10b、および支持部材7の陽極側端面7a、陰極側端面7bそれぞれの表面粗さRaを、5マイクロメートル以上にすることが望ましい。これにより、各端面と陽極側電極層12aまたは陰極側電極層12bとの接触面積を増加させるとともに、アンカー効果による結合力をさらに付与することができる。

0063

[固体電解コンデンサ100の製造方法]
次に、本実施の形態の固体電解コンデンサ100の製造方法について、図2A図2Fを用いて説明する。図2A図2Fは、それぞれ、製造方法の各工程における固体電解コンデンサ(換言すれば、製造途中の固体電解コンデンサ)の断面図である。

0064

<積層工程>
図2Aを用いて、最初の工程である積層工程について説明する。

0065

まず、図2Aに示すコンデンサ素子1を複数準備する。ここでは、3つのコンデンサ素子1を積層する場合を例に挙げて説明する。

0066

次に、支持部材7上において、陰極側に導電材8を適量塗布し、陽極側に陽極部接着樹脂17を適量塗布する。そして、支持部材7に塗布された導電材8および陽極部接着樹脂17の上に、1つ目のコンデンサ素子1を精度良く載置する。

0067

次に、1つ目のコンデンサ素子1上において、陰極側に導電材8を適量塗布し、陽極側に陽極部接着樹脂17を適量塗布する。そして、1つ目のコンデンサ素子1に塗布された導電材8および陽極部接着樹脂17の上に、2つ目のコンデンサ素子1を精度良く載置する。

0068

次に、2つ目のコンデンサ素子1上において、陰極側に導電材8を適量塗布し、陽極側に陽極部接着樹脂17を適量塗布する。そして、2つ目のコンデンサ素子1に塗布された導電材8および陽極部接着樹脂17の上に、3つ目のコンデンサ素子1を精度良く載置する。

0069

導電材8としては、例えば、熱硬化性のAgペーストを用いることができる。また、導電材8の塗布方法としては、例えば、ディスペンス方式印刷インクジェット法ディップ法、または転写法などを用いることができる。また、導電材8は、ペースト状ではなく、貼り付け可能なシート状であってもよい。

0070

陽極部接着樹脂17としては、例えば、熱硬化性の接着樹脂を用いることができる。また、陽極部接着樹脂17の塗布方法としては、例えば、ディスペンス方式、印刷、インクジェット法、ディップ法、または転写法などを用いることができる。また、陽極部接着樹脂17も、ペースト状ではなく、貼り付け可能な接着シート状であってもよい。

0071

次に、高温炉などを用いて導電材8および陽極部接着樹脂17を熱硬化させ、各コンデンサ素子1の陰極体6同士を導通させる。なお、熱硬化の手段としては、高温炉に限定されず、例えば、ホットプレートまたはリフロー炉等を用いてもよい。

0072

以上説明した積層工程により、固体電解コンデンサは、図2Aに示す状態となる。

0073

なお、上記説明では、支持部材7上の一箇所において3つのコンデンサ素子1を順次積層する場合を例に挙げて説明したが、この積層は、支持部材7上の複数箇所において(例えば、複数列複数行マトリクス状に)同時に行われてもよい。

0074

<封止工程>
図2Bを用いて、積層工程の次の工程である封止工程について説明する。

0075

図2Bに示すように、積層された3つのコンデンサ素子1を覆うように外装体10で封止する。

0076

外装体10としては、例えば、シリカなどの無機フィラーを含有したエポキシ樹脂を用いる。また、外装体10は、積層されたコンデンサ素子1間の隙間、および、支持部材7とコンデンサ素子1との隙間にも充填される。封止の方法としては、例えば、トランスファー封止、コンプレッション封止、液状樹脂を型に流し込んだ後に熱硬化させる方法等を用いることができる。

0077

<露呈工程>
図2Cを用いて、封止工程の次の工程である露呈工程について説明する。

0078

陰極端子部8bおよび陽極端子部9を露呈させるために、陽極端面14および陰極端面15を形成する。

0079

この形成方法としては、例えば、ダイヤモンド粒子ボンド材で固定したダイシングブレード高速回転させてカットする方法を用いる。この方法を用いて、図2Bに示した外装体10および支持部材7の一部(図中の両端部)が切除されると、図2Cに示すように陽極端面14および陰極端面15が形成される。

0080

この時点での陽極端面14は、主に、陽極端子部9、絶縁層4の陽極側端面4a、外装体10の陽極側端面10a、および支持部材7の陽極側端面7aで構成されている。また、陽極側端面4aの多孔質層には、絶縁樹脂16が含浸されている。

0081

また、この時点での陰極端面15は、主に、導電材8の陰極側端面である陰極端子部8b、外装体10の陰極側端面10b、および支持部材7の陰極側端面7bで構成されている。

0082

<コンタクト層形成工程>
図2Dを用いて、露呈工程の次の工程であるコンタクト層形成工程について説明する。

0083

図2Dに示すように、陽極端面14を構成する各端面(絶縁層4の陽極側端面4a、外装体10の陽極側端面10a、および支持部材7の陽極側端面7a)をそれぞれ粗化させる。また、図2Dに示すように、各陽極端子部9の表面にコンタクト層11を形成する。

0084

このコンタクト層11は、例えば、Cuの粒子を高速で陽極端子部9に衝突させて形成される。Cuの粒子は、陽極端子部9の材料であるAlよりもイオン化傾向が小さく、かつ、Alと原子間距離が比較的近い金属である。

0085

このコンタクト層11の形成技術は、コールドスプレー法と呼ばれる手法である。コールドスプレー法は、空気、窒素ヘリウムなどの圧縮された気体により、数μmから数十μmオーダーの金属粒子を、亜音速から超音速へと加速させて、固相状態のまま基材に衝突させて金属皮膜を形成する技術である。

0086

コールドスプレー法における金属粒子の付着メカニズムに関しては、解明されていない部分もあるが、一般的には、金属粒子の衝突エネルギーによって、金属粒子または金属基材塑性変形し、金属表面に新生面が露出することによって、活性化するものと考えられている。

0087

上記コールドスプレー法によれば、高速で陽極端子部9に衝突したCu粒子は、陽極端子部9のAl表面の酸化膜を突き破る。これにより、AlとCuとの金属結合が形成される。よって、コンタクト層11と陽極端子部9との界面には、AlとCuとの合金層が形成される。一方、コンタクト層11の表面には、非弁作用金属であるCuの層が形成される。よって、コンタクト層11は、陽極端子部9よりもイオン化傾向が小さい金属を含むことになる。

0088

また、上記コールドスプレー法では、一般的に、数μm〜数十μmオーダーの大きさの粒子が使用されている。その理由は、粒子が数μmより小さい場合では、粒子を亜音速から超音速へと加速させても、基材に衝突させるために必要なエネルギー(衝突エネルギー)を確保できないためである。衝突エネルギーが確保できないと、AlとCuとの金属結合が形成できず、アンカー効果による付着となる。よって、接合強度が非常に弱くなる。

0089

数μm〜数十μmオーダーの大きさの粒子を用いて形成されたコンタクト層11は、数μm〜数百μmの厚みを有する。アルミコンデンサの場合、コンタクト層11の厚みは、5〜100μmであることが好ましい。なお、コンタクト層11の厚みが5μmより小さい場合では、強度の低下が生じる。一方、コンタクト層11が100μmより大きい場合では、電極厚み分の抵抗値の増加により、特性値劣化が生じる。

0090

また、上記コールドスプレー法を行った場合、Cu粒子は、非金属材料で構成された各端面(絶縁層4の陽極側端面4a、外装体10の陽極側端面10a、および支持部材7の陽極側端面7a)にも衝突する。

0091

金属粒子を衝突させる基材(例えば、絶縁層4、外装体10、支持部材7)が樹脂基材である場合、金属粒子と樹脂基材との結合は、樹脂基材の表面の凹凸に、塑性変形した金属粒子が食い込むことによる、機械的な接合が主となると考えられている。したがって、樹脂基材に金属を成膜するためには、樹脂基材に十分な硬度を持たせて衝突のエネルギーを金属粒子の塑性変形に効率よく費やすこと、金属粒子の塑性変形が起こりやすい金属材料および加工条件選定すること、衝突のエネルギーで樹脂基材が破壊されにくいこと、が条件となる。

0092

ここで、外装体10として一般的に使用されるエポキシ樹脂は、シリカ等のフィラーの混入比率を高めることで、マクロで見た時の硬度を高められるが、バインダとなるエポキシ樹脂成分比率が少なくなり、脆くなる。

0093

すなわち、樹脂基材が破壊せずに、金属粒子が十分に塑性変形を引き起こして金属の成膜ができる部分と、金属粒子の衝突エネルギーによって樹脂基材が脆性破壊して削れる部分とが存在することとなる。

0094

したがって、面全体に亘ってある規定以上の厚みの金属膜を安定して形成するためには、成膜加工時間を長くする方法や、金属粒子の噴霧量を増やす等の方法が必要となり、生産性が著しく悪化してしまう。

0095

また、面全体に亘って金属膜を形成することはできるが、成膜し易いAlで構成される陽極端子部9と、樹脂基材といった削れやすい材料で構成される外装体10とでは、成膜される金属の厚みが大きく異なることになる。よって、固体電解コンデンサの外形の精度に影響が出る。

0096

また、金属粒子のヤング率が、樹脂基材を構成する部材のヤング率よりも小さい場合、金属粒子の衝突時の塑性変形が促される傾向にある。よって、樹脂基材に金属膜を形成する際に、金属粒子が樹脂基材上に固着し易くなる。

0097

一方、樹脂基材に金属粒子を完全に固着させない場合には、樹脂基材に弾性を持たせて衝突エネルギーを塑性変形のエネルギーに変換させないこと、樹脂基材の強度を下げて、塑性変形が起こる衝撃以下で基材を破壊させること、陽極端子部9にコンタクト層11が形成できる範囲内で、塑性変形の起こりにくい金属材料および加工条件を選定すること、が基本条件となる。

0098

すなわち、金属粒子(コンタクト層11と言い換えてもよい)のヤング率を、樹脂基材を構成する部材のヤング率より大きくすることで、固着し難い状態を作ることができる。

0099

例えば、樹脂基材にヤング率が94GPaのシリカが充填されている場合、それ以上のヤング率を持ち、かつ、Alとの接合がされ易い金属粒子(例えば、CuまたはNi)を用いることが好ましい。ただし、金属粒子の形状、サイズ、温度、および、樹脂材料に充填するシリカのサイズ、充填率等によっても、固着状態は変化するので、これに限定されるわけではない。

0100

また、樹脂基材に金属粒子を固着させない場合では、樹脂基材に金属粒子を衝突させることにより、表面を粗化する効果を得ることができる。

0101

なお、図2Dでは、陰極端面15を構成する各端面(陰極端子部8b、陰極側端面10b、および陰極側端面7b)に対して粗化処理を行っていない場合を例示しているが、サンドブラスト等によって陰極端面15を構成する各端面を粗化させてもよい。

0102

また、上記説明では、コンタクト層11の形成方法として、ドライプロセスの一例であるコールドスプレー法を用いる場合を例に挙げて説明したが、めっきなどウエット工法を用いてもよい。めっきなどのウエット工程を用いる場合では、コンタクト層11を形成する際にめっき液が素子間へ侵入することにより、特性の劣化が生じるなどの課題がある。本実施の形態では、陽極側端面4aの多孔質層に絶縁樹脂16を含浸して、空隙を埋めることができる。また、陽極部の素子間に陽極部接着樹脂17を積層することで素子間の隙間を埋めることができ、液体の素子への浸入を防ぐことが可能となる。

0103

また、ドライプロセスであるコールドスプレー法では、金属粒子を高圧ガス吹付ける際に大きな圧力が生じる。しかし、本実施の形態では、低弾性体樹脂である絶縁樹脂16が多孔質層に含浸していること、および、陽極部の素子間に陽極部接着樹脂17が密着していることから、コンデンサ素子の断線などを防ぐことができる。

0104

また、本実施の形態では、低弾性体樹脂である絶縁樹脂16が多孔質層に含浸していること、および、陽極部の素子間に陽極部接着樹脂17が密着していることから、第1の電極形成工程(陽極側電極層12a、陰極側電極層12bの形成)や第2の電極形成工程(陽極側外部電極13a、陰極側外部電極13bの形成)で生じる水分が素子間へ浸入することを防ぐことができる。

0105

<第1の電極形成工程>
図2Eを用いて、コンタクト層形成工程の次の工程である第1の電極形成工程について説明する。

0106

図2Eに示すように、陽極端面14に陽極側電極層12aを形成し、陰極端面15に陰極側電極層12bを形成する。これにより、陽極体2が陽極側電極層12aと電気的に接続され、陰極体が陰極側電極層12bと電気的に接続される。

0107

具体的には、Agペーストを、ディップ法、転写法、印刷法、ディスペンス法などで各端面に塗布し、その後、高温で硬化させることにより、陽極側電極層12aおよび陰極側電極層12bを形成する。

0108

上述したとおり、陽極側電極層12a、陰極側電極層12bは、それぞれ、陽極体2、陰極体6と電気的に接続されるが、電極層12a、12bの電極厚みは、直接、特性値に影響を与える。

0109

例えば、陽極側電極層12aの厚みが300μm以上である場合、電極自身が持つ抵抗値が上昇し、特性評価が下がってしまう。逆に、陽極側電極層12aの厚みが20μm以下である場合、電極自身が持つ抵抗値は減少するが、コンタクト層11との界面強度が低下してしまう。よって、陽極側電極層12aの厚みは、例えば、20〜300μmであることが好ましい。

0110

なお、陽極側電極層12aは、陽極端面14と直交する面(例えば、外装体10の上面、支持部材7の下面)の一部を被覆してもよい。同様に、陰極側電極層12bは、陰極端面15と直交する面(例えば、外装体10の上面、支持部材7の下面)の一部を被覆してもよい。

0111

<第2の電極形成工程>
図2Fを用いて、第1の電極形成工程の次の工程である第2の電極形成工程について説明する。

0112

図2Fに示すように、陽極側電極層12aの外表面に陽極側外部電極13aを形成し、また、陰極側電極層12bの外表面に陰極側外部電極13bを形成する。

0113

具体的には、陽極側外部電極13aおよび陰極側外部電極13bは、電解めっき法の一つであるバレルめっき法で形成される。陽極側外部電極13aおよび陰極側外部電極13bは、NiとSnとの積層構造である。

0114

なお、陽極側外部電極13aおよび陰極側外部電極13bは、上述したコールドスプレー法によりAgおよびSnを含む構造として形成されてもよい。または、陽極側外部電極13aおよび陰極側外部電極13bは、バレルめっき法と半田ディップ法との組み合わせで形成されてもよい。

0115

または、陽極側外部電極13aおよび陰極側外部電極13bは、予めSn被膜を施したCu材キャップを、Agペースト(接着剤として機能可能)である陽極側電極層12a電極層12a、陰極側電極層12bのそれぞれに接着させる方法で形成されてもよい。

0116

以上により、図1A図1Cに示した固体電解コンデンサ100が製造される。

0117

<効果>
本実施の形態の固体電解コンデンサ100は、弁作用金属箔からなる陽極端子部9に金属結合されたコンタクト層11を備えることにより、陽極側外部電極13a、陰極側外部電極13bまでの低抵抗電流経路を確保できる。したがって、良好な電気特性を維持することができる。

0118

また、陽極端面14、陰極端面15は、それぞれ、樹脂基材との接合性に優れた導電性樹脂ペーストからなる陽極側電極層12a、陰極側電極層12bと接合されるので、強固な接合を実現できる。したがって、固体電解コンデンサ100の信頼性を向上させることができる。

0119

なお、コンタクト層11の形成箇所を陽極端子部9のみに限定すれば、金属成膜に要する時間を大幅に削減できる。よって、金属粒子の消費量を大幅に低減でき、工程時間を短縮できる。したがって、固体電解コンデンサ100の生産性を向上させることができる。

0120

また、コンタクト層11の形成と同時に、陽極端面14を構成する端面(絶縁層4の陽極側端面4a、外装体10の陽極側端面10a、および支持部材7の陽極側端面7a)を粗化することにより、加工時間を増加することなく、陽極側電極層12a、陰極側電極層12bとの密着性をより向上させることができ、極めて高い信頼性を得ることができる。

0121

また、ドライプロセスであるコールドスプレー工法を用いた場合、金属粒子を高圧ガスで吹付ける際に大きな圧力が生じるが、低弾性体樹脂である絶縁樹脂16が多孔質層に含浸しており、かつ、陽極部の素子間に陽極部接着樹脂17が密着(充填)していることから、コンデンサ素子の断線などを防ぐことができる。さらに、第1の電極形成工程(陽極側電極層12a、陰極側電極層12bの形成)や第2の電極形成工程(陽極側外部電極13a、陰極側外部電極13bの形成)で生じる水分が素子間へ浸入することを防ぐことができる。

0122

以上のことから、本実施の形態の固体電解コンデンサ100は、良好な電気特性を維持しながら、信頼性および生産性の向上を実現することができる。

0123

なお、本開示は、上記実施の形態の説明に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。

0124

本開示の固体電解コンデンサは、良好な電気特性を維持しながら、高い信頼性と生産性を有するため、電子機器(例えば、パソコン携帯端末等)、産業用装置車載用装置など、あらゆる分野のコンデンサとして適用できる。

0125

1コンデンサ素子
2陽極体
3誘電体層
4絶縁層
4a 絶縁層4の陽極側端面
5固体電解質層
6陰極体
7支持部材
7a 支持部材7の陽極側端面
7b 支持部材7の陰極側端面
8導電材
8b陰極端子部
9陽極端子部
10外装体
10a 外装体10の陽極側端面
10b 外装体10の陰極側端面
11コンタクト層
12a陽極側電極層
12b陰極側電極層
13a 陽極側外部電極
13b陰極側外部電極
14 陽極端面
15陰極端面
16絶縁樹脂
17 陽極部接着樹脂
18 陽極側絶縁樹脂充填部
100 固体電解コンデンサ

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