図面 (/)
概要
背景
概要
大型の放熱板を不要とするパワー半導体モジュールの小型軽量化を提供する。パワー半導体モジュール1において、基板2の回路パターン3にパワー半導体素子4の下面を金属粒子焼結結合でダイボンディング接続するとともに、回路パターン3とパワー半導体素子4の上面とを超音波ワイヤーボンディングで接続後、回路パターン3に端子7を接続し、全ての接続部分を樹脂8で封止する。パワー半導体素子4の直下方に位置する基板2の下面の回路パターン9は樹脂8から露出させる。パワー半導体モジュール1の全ての接続部分が、封止する樹脂8のガラス転移点よりも高い融点を有する。
目的
効果
実績
- 技術文献被引用数
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- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
技術分野
背景技術
0003
このパワー半導体モジュールの一例として、パワー半導体素子を基板に実装するとともに樹脂で封止した構造のものが知られている(たとえば、特許文献1参照。)。このパワー半導体モジュールでは、内部の接続にはんだを用い、放熱板を設けて放熱を行う構成となっている。
先行技術
0004
特開2004−165406号公報
発明が解決しようとする課題
0005
上記従来のパワー半導体モジュールでは、内部の接続に封止する樹脂よりも融点が低いはんだを用いているために、稼働時に大電流が内部を流れることで発生した多大な熱によって内部のはんだが溶出して接続部分が破断するおそれがあった。
0006
そのため、上記従来のパワー半導体モジュールでは、より多くの熱を放射することができるように大型の放熱板を設ける必要があり、大型で重量なものとなっていた。
課題を解決するための手段
0007
そこで、請求項1に係る本発明では、基板の回路パターンにパワー半導体素子の下面をダイボンディングで接続するとともに、回路パターンとパワー半導体素子の上面とをワイヤーボンディングで接続し、回路パターンに端子を接続し、全ての接続部分を樹脂で封止したパワー半導体モジュールにおいて、前記全ての接続部分が、封止する樹脂のガラス転移点よりも高い融点を有することにした。
0008
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記基板の上面の回路パターンにパワー半導体素子を実装するとともに、パワー半導体素子の直下方に位置する基板の下面の回路パターンを樹脂から露出させることにした。
0009
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項1又は請求項2に係る本発明において、前記回路パターンとパワー半導体素子の下面とを金属粒子焼成結合により接続するとともに、前記回路パターンとパワー半導体素子の上面及び端子とを超音波接合により接続することにした。
発明の効果
0010
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
0011
すなわち、本発明では、基板の回路パターンにパワー半導体素子の下面をダイボンディングで接続するとともに、回路パターンとパワー半導体素子の上面とをワイヤーボンディングで接続し、回路パターンに端子を接続し、全ての接続部分を樹脂で封止したパワー半導体モジュールにおいて、前記全ての接続部分が、封止する樹脂のガラス転移点よりも高い融点を有することにしているために、大型の放熱板を設ける必要がなくなり、パワー半導体モジュールの小型軽量化を図ることができる。
図面の簡単な説明
0012
本発明に係るパワー半導体モジュールを示す断面模式図。
同製造工程を示す説明図。
実施例
0013
以下に、本発明に係るパワー半導体モジュールの具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
0014
図1に示すように、パワー半導体モジュール1は、基板2の上面の回路パターン3にパワー半導体素子4の下面をダイアタッチ材5を用いてダイボンディングで接続するとともに、回路パターン3とパワー半導体素子4の上面とをワイヤー6を用いてワイヤーボンディングで接続し、さらに、回路パターン3に端子7を接続し、全ての接続部分を樹脂8で封止している。
0015
このパワー半導体モジュール1では、基板2の上面の回路パターン3にパワー半導体素子4を実装するとともに、パワー半導体素子4の直下方に位置する基板2の下面の回路パターン9を封止した樹脂8から外部に露出させている。
0016
ここで、基板2は、セラミックス板製で表面(上面及び下面)に銅からなる回路パターン3,9を形成している。
0018
パワー半導体素子4は、化合物系パワーデバイス等の大電流を流すことができ電力制御に用いられる半導体素子であり、下面にダイボンディング用の電極が形成されるとともに、上面にワイヤーボンディング用の電極が形成されている。
0019
ダイアタッチ材5は、回路パターン3とパワー半導体素子4とを金属粒子焼成結合させており、ここでは、銅ナノ粒子を用いている。
0023
回路パターン9は、稼働時に発生するパワー半導体素子4の熱を放射するために基板2の下面に全体的に形成している。
0024
パワー半導体モジュール1は、以上に説明したように構成している。
0025
特に、上記パワー半導体モジュール1では、回路パターン3とパワー半導体素子4の下面との接続部分、及び、回路パターン3とパワー半導体素子4の上面との接続部分、並びに、回路パターン3と端子7との接続部分が、封止する樹脂8のガラス転移点よりも高い融点を有するようにしている。
0026
そのため、上記構成のパワー半導体モジュール1では、封止材よりも先に内部の接続が溶断等することが無く、これにより、大型の放熱板を設ける必要もなくなり、パワー半導体モジュール1の小型軽量化を図ることができ、高耐熱性で高信頼性のパワー半導体モジュール1とすることができる。
0027
このパワー半導体モジュール1は、以下に説明するようにして製造することができる。
0028
まず、図2(a)に示すように、基板2の上面及び下面に所要形状の回路パターン3,9を形成する。
0029
次に、図2(b)に示すように、基板2の上面の回路パターン3の所定位置にダイアタッチ材5を塗布するとともにパワー半導体素子4を載置し、回路パターン3とパワー半導体素子4の下面の電極とを金属粒子焼成結合する。
0030
次に、図2(c)に示すように、パワー半導体素子4の上面の電極と回路パターン3とにワイヤー6の端部をそれぞれ超音波接合する。
0032
次に、図2(e)に示すように、基板2の下面の回路パターン9を露出させた状態で、回路パターン3とパワー半導体素子4の下面との接続部分、及び、回路パターン3とパワー半導体素子4の上面との接続部分、並びに、回路パターン3と端子7との接続部分を樹脂8で成形封止する。
0033
最後に、図2(f)に示すように、リードフレーム10から端子7を切断して、パワー半導体モジュール1を製造する。
0034
1パワー半導体モジュール2基板
3回路パターン4パワー半導体素子
5ダイアタッチ材6ワイヤー
7端子8樹脂
9 回路パターン 10 リードフレーム