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技術 プリント配線板用基板及びプリント配線板

出願人 住友電気工業株式会社
発明者 部谷拓斗覚道浩樹宮田和弘橋爪佳世
出願日 2019年4月16日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-078089
公開日 2020年10月29日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-177989
状態 未査定
技術分野 プリント配線の製造(2)
主要キーワード 高温処理法 蒸気圧調整 絶縁ベースフィルム 膨潤効果 積算分布 白色干渉計 固体接合 電気めっき後
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年10月29日)のものです。
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図面 (7)

課題

焼結層の表面における粗大な凸部の形成が抑制され、導電パターンにおける欠陥を低減できるプリント配線板用基板を提供する。

解決手段

プリント配線板用基板は、絶縁性を有するベースフィルム1と、ベースフィルム1の少なくとも一方の面に直接又は間接に積層される金属粒子の焼結層2とを備える。焼結層表面における最大高さが2μm以上3μm未満の第1凸部の発生個数が0.5個/mm2以下であり、焼結層表面における最大高さが3μm以上の第2凸部の発生個数が実質的に0個/mm2である。

概要

背景

近年、電子機器の小型化及び高性能化に伴い、プリント配線板基板上に備えられる配線部の高密度化が要求されている。このような高密度化の要求を満たすプリント配線板用基板として、導電層の厚みを低減したプリント配線板用基板が求められている。

このような要求に対し、耐熱性絶縁ベースフィルムに金属を含むインクを用いて焼結層を形成し、この焼結層の上にめっき層を積層することにより導電層が形成されたプリント配線板用基板が提案されている(特開2014−187403号公報参照)。

概要

焼結層の表面における粗大な凸部の形成が抑制され、導電パターンにおける欠陥を低減できるプリント配線板用基板を提供する。プリント配線板用基板は、絶縁性を有するベースフィルム1と、ベースフィルム1の少なくとも一方の面に直接又は間接に積層される金属粒子の焼結層2とを備える。焼結層表面における最大高さが2μm以上3μm未満の第1凸部の発生個数が0.5個/mm2以下であり、焼結層表面における最大高さが3μm以上の第2凸部の発生個数が実質的に0個/mm2である。

目的

本開示は上記事情に基づいてなされたものであり、焼結層の表面における粗大な凸部の形成が抑制され、導電パターンにおける欠陥を低減できるプリント配線板用基板を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

絶縁性を有するベースフィルムと、上記ベースフィルムの少なくとも一方の面に直接又は間接に積層される金属粒子焼結層とを備え、上記焼結層表面における最大高さが2μm以上3μm未満の第1凸部の発生個数が0.5個/mm2以下であり、上記焼結層表面における最大高さが3μm以上の第2凸部の発生個数が実質的に0個/mm2であるプリント配線板用基板

請求項2

上記第1凸部及び上記第2凸部以外の領域における上記焼結層の平均厚さが0.05μm以上0.5μm以下である請求項1に記載のプリント配線板用基板。

請求項3

絶縁性を有するベースフィルムと、上記ベースフィルムの少なくとも一方の面に直接又は間接に積層され、平面視でパターニングされている導電層とを備え、上記導電層が金属粒子の焼結層を有し、上記焼結層表面における最大高さが2μm以上3μm未満の第1凸部の発生個数が0.5個/mm2以下であり、上記焼結層表面における最大高さが3μm以上の第2凸部の発生個数が実質的に0個/mm2であるプリント配線板

技術分野

0001

本開示は、プリント配線板用基板及びプリント配線板に関する。

背景技術

0002

近年、電子機器の小型化及び高性能化に伴い、プリント配線板の基板上に備えられる配線部の高密度化が要求されている。このような高密度化の要求を満たすプリント配線板用基板として、導電層の厚みを低減したプリント配線板用基板が求められている。

0003

このような要求に対し、耐熱性絶縁ベースフィルムに金属を含むインクを用いて焼結層を形成し、この焼結層の上にめっき層を積層することにより導電層が形成されたプリント配線板用基板が提案されている(特開2014−187403号公報参照)。

先行技術

0004

特開2014−187403号公報

発明が解決しようとする課題

0005

上記従来のプリント配線板用基板では、金属粒子を含有するインクを用いて焼結層を形成するため、導電層の厚みを低減できる。また、導電層の形成にスパッタリング法を用いないため、真空設備等を必要とせず、容易かつ低コストで導電層を形成できる。

0006

しかしながら、上記従来のプリント配線板用基板では、上記金属粒子の凝集により上記焼結層の表面に多数の粗大な凸部が生じやすい。そのため、導電層が疎密となり、ベースフィルム及び導電層間密着力が低下するおそれがある。また、回路形成工程における上記導電層とレジストとの密着力の低下や配線部の形成不良が生じ、回路短絡断線、動作不良等を引き起こすおそれもある。

0007

本開示は上記事情に基づいてなされたものであり、焼結層の表面における粗大な凸部の形成が抑制され、導電パターンにおける欠陥を低減できるプリント配線板用基板を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本開示の一態様に係るプリント配線板用基板は、絶縁性を有するベースフィルムと、上記ベースフィルムの少なくとも一方の面に直接又は間接に積層される金属粒子の焼結層とを備え、上記焼結層表面における最大高さが2μm以上3μm未満の第1凸部の発生個数が0.5個/mm2以下であり、上記焼結層表面における最大高さが3μm以上の第2凸部の発生個数が実質的に0個/mm2である。

0009

本開示の別の態様に係るプリント配線板は、絶縁性を有するベースフィルムと、上記ベースフィルムの少なくとも一方の面に直接又は間接に積層され、平面視でパターニングされている導電層とを備え、上記導電層が金属粒子の焼結層を有し、上記焼結層表面における最大高さが2μm以上3μm未満の第1凸部の発生個数が0.5個/mm2以下であり、上記焼結層表面における最大高さが3μm以上の第2凸部の発生個数が実質的に0個/mm2である。

発明の効果

0010

本開示の一態様に係るプリント配線板用基板によれば、焼結層の表面における粗大な凸部の形成が抑制され、導電パターンにおける欠陥を低減できる。

図面の簡単な説明

0011

図1は、一実施形態に係るプリント配線板用基板の模式的部分断面図である。
図2は、一実施形態に係るプリント配線板用基板における凸部の模式的断面図である。
図3は、一実施形態に係るプリント配線板の模式的部分断面図である。
図4は、一実施形態に係るプリント配線板の製造方法を説明する模式的部分断面図である。
図5は、一実施形態に係るプリント配線板の製造方法を説明する模式的部分断面図である。
図6は、一実施形態に係るプリント配線板の製造方法を説明する模式的部分断面図である。

0012

[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。

0013

本開示のプリント配線板用基板は、絶縁性を有するベースフィルムと、上記ベースフィルムの少なくとも一方の面に直接又は間接に積層される金属粒子の焼結層とを備え、上記焼結層表面における最大高さが2μm以上3μm未満の第1凸部の発生個数が0.5個/mm2以下であり、上記焼結層表面における最大高さが3μm以上の第2凸部の発生個数が実質的に0個/mm2である。

0014

当該プリント配線板用基板においては、上記焼結層表面における最大高さが2μm以上3μm未満の第1凸部の発生個数が0.5個/mm2以下であり、上記焼結層表面における最大高さが3μm以上の第2凸部の発生個数が実質的に0個/mm2であり、焼結層の表面における粗大な凸部の形成が抑制されている。そのため、当該プリント配線板用基板におけるベースフィルム及び導電層間の密着性に優れるので、良好なレジストパターンを形成できる。また、焼結層の均一化により回路形成工程におけるエッチング性を向上できるので、配線部の形成不良を抑制できる。従って、当該プリント配線板用基板は、導電パターンにおける欠陥を低減できる。

0015

上記第1凸部及び上記第2凸部以外の領域、すなわち第1凸部及び上記第2凸部が形成されていない領域における上記焼結層の平均厚さが0.05μm以上0.5μm以下であることが好ましい。上記第1凸部及び上記第2凸部以外の領域における平均厚さが上記範囲内であることで、焼結層の表面における粗大な凸部の形成及び配線部の裾引きに対する抑制効果をより高めることができる。

0016

本開示の他の一態様に係るプリント配線板は、絶縁性を有するベースフィルムと、上記ベースフィルムの少なくとも一方の面に直接又は間接に積層され、平面視でパターニングされている導電層とを備え、上記導電層が金属粒子の焼結層を有し、上記焼結層表面における最大高さが2μm以上3μm未満の第1凸部の発生個数が0.5個/mm2以下であり、上記焼結層表面における最大高さが3μm以上の第2凸部の発生個数が実質的に0個/mm2である。当該プリント配線板の導電層は、表面における粗大な凸部の形成が抑制された焼結層を有する。従って、当該プリント配線板は、ベースフィルム及び導電層間の密着性に優れ、導電パターンにおける欠陥を低減できる。

0017

ここで「主成分」とは、最も含有量が多い成分であり、含有量が50質量%以上の成分をいう。「平均厚さ」とは、対象物の厚み方向に切断した断面における測定長さ内の表面側の界面の平均線と、裏面側の界面の平均線との間の距離を指す。ここで、「平均線」とは、界面に沿って引かれる仮想線であって、界面とこの仮想線とによって区画される山の総面積(仮想線よりも上側の総面積)と谷の総面積(仮想線よりも下側の総面積)とが等しくなるような線を指す。「平均粒子径」とは、JIS−Z−8819−2(2001)に準拠して計算される体積基準積算分布が50%となるメジアン径(D50)を意味する。「最大高さ」とは、JIS−B−0601(2013)に準拠して白色干渉計による断面像から計算される最大高さRzをいう。「凸部の発生個数」は、白色干渉計を用いて測定面積を1平方mmとして上記焼結層の表面形状を測定し、得られた表面形状から解析される1平方mmあたり個数をいう。「発生個数が実質的に0個/mm2である」とは、発生することがほぼないことを意味し、具体的には発生個数が0.003個/mm2以下であることをいう。

0018

[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の実施形態に係るプリント配線板用基板及びプリント配線板について図面を参照しつつ詳説する。

0019

<プリント配線板用基板>
図1は、一実施形態に係るプリント配線板用基板10を示す模式的部分断面図である。図1に示すように、プリント配線板用基板10は、絶縁性を有するベースフィルム1の少なくとも一方の面に直接又は間接に積層される金属粒子の焼結層2を備える。また、プリント配線板用基板10は、図1に示すように焼結層2の表面に直接又は間接に無電解めっき層3及び電気めっき層4をさらに備えることが好ましい。この焼結層2、無電解めっき層3及び電気めっき層4は、導電層5を形成する。

0020

[ベースフィルム]
ベースフィルム1は、合成樹脂を主成分とし、電気絶縁性を有する。ベースフィルム1は、導電パターンを形成するためのベースフィルムである。ベースフィルム1は可撓性を有していてもよい。ベースフィルム1が可撓性を有する場合、当該プリント配線板用基板10はフレキシブルプリント配線板用基板として用いることができる。

0021

上記合成樹脂としては、例えばポリイミドポリエチレンテレフタレート液晶ポリマーフッ素樹脂等が挙げられる。

0022

ベースフィルム1の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。一方、ベースフィルム1の平均厚さの上限としては、50μmが好ましく、40μmがより好ましい。ベースフィルム1の平均厚さが上記下限未満であると、ベースフィルム1の絶縁強度が不十分となるおそれがある。一方、ベースフィルム1の平均厚さが上記上限を超えると、当該プリント配線板が不必要に厚くなるおそれや、可撓性が不十分となるおそれがある。

0023

[焼結層]
焼結層2は、ベースフィルム1の少なくとも一方の面に直接又は間接に積層される。焼結層2は、複数の金属粒子を焼成することによって得られる金属粒子の焼結体の層である。

0024

また、ベースフィルム1と焼結層2との間に、ベースフィルム1及び焼結層2に対して密着性が高い薄い密着層が積層されていてもよい。

0025

上記焼結層2が銅又は銅合金を主成分とするとよい。このように上記焼結層2の主成分が銅又は銅合金であることにより、焼結層2の導電性が高くなり、プリント配線板用基板10の導電性が向上する。また、焼結層2を低コストで形成できる。

0026

(凸部)
焼結層2の表面には、経時的な金属粒子の凝集に起因して凸部が生じやすい。図2は、当該プリント配線板用基板10における凸部の模式的断面図である。図2に示す凸部8は、上記金属粒子の凝集に起因して形成されるものと考えられる。当該プリント配線板用基板は、焼結層2の表面において、図2の「H」で表される最大高さが2μm以上3μm未満の第1凸部の発生個数の上限が0.5個/mm2であり、好ましくは0.1個/mm2である。上記第1凸部の発生個数が0.5個/mm2以下であることで、ベースフィルム及び導電層間の密着性に優れ、0.1個/mm2以下であることで、上記ベースフィルム及び導電層間の密着性に加えて配線部の裾引きに対する抑制効果を向上できる。また、最大高さが3μm以上の第2凸部の発生個数が実質的に0個/mm2、具体的には発生個数が0.003個/mm2以下である。当該プリント配線板用基板における上記凸部の発生個数が上記範囲であることで、当該プリント配線板用基板に導電パターンを形成してプリント配線板を製造する際に、回路形成工程におけるベースフィルム及び導電層間の密着性に優れるので、良好なレジストパターンを形成できる。また、焼結層の均一化により回路形成工程におけるエッチング性を向上できるので、配線部の形成不良を抑制できる。従って、当該プリント配線板用基板は、導電パターンにおける欠陥を低減できる。

0027

上記第1凸部及び上記第2凸部以外の領域、すなわち第1凸部及び上記第2凸部が形成されていない領域における焼結層2の平均厚さの下限としては、0.05μmが好ましく、0.1μmがより好ましい。また、上記平均厚さの上限としては、0.5μmが好ましく、0.3μmがより好ましい。上記平均厚さが上記下限未満の場合、次工程の無電解めっき工程時の前処理でエッチングされてしまい、密着力が保持できなくなることで、回路の剥がれが生じるおそれがある。一方、上記平均厚さが上記上限を超える場合、回路形成後のフラッシュエッチング工程で過剰に時間を要することになり、生産効率が低くなるおそれがあるとともに、膜厚の均一化が難しくなるおそれがある。

0028

[無電解めっき層]
無電解めっき層3は、導電性を有する薄層であり、電気めっき層4を電解めっきによって形成する際の被着体として利用される。この無電解めっき層3は、無電解めっきにより積層された金属によって形成することができる。無電解めっき層3を備えることで、焼結層2における金属粒子間の空隙に無電解めっき層3が入り込み、焼結層2の平滑性がより向上する。その結果、導電パターンにおける欠陥をより抑制できる。

0029

無電解めっき層3に用いる金属としては、プリント配線板の導電パターンに通常用いられるものであれば特に限定されず、例えば銅、ニッケル、銀等が挙げられる。焼結層2を形成する金属粒子に銅を使用する場合、無電解めっき層3に用いる金属としては、焼結層2との密着性の観点から、銅又はニッケルが好ましい。

0030

無電解めっき層3の平均厚さの下限としては、0.01μmが好ましく、0.2μmがより好ましく、0.3μmがさらに好ましい。また、上記平均厚さの上限としては、1μmが好ましく、0.8μmがより好ましく、0.5μmがさらに好ましい。上記平均厚さが上記下限未満であると、焼結層2の空隙部分に無電解めっき層3が十分に入り込まず、導電層5の強度、平滑性及び導電性が低下するおそれがある。一方、上記平均厚さが上記上限を超えると、不必要にコストが高くなるおそれがある。

0031

[電気めっき層]
電気めっき層4は、無電解めっき層3に電解めっきによって積層された金属で形成される。このように無電解めっき層3を形成してからその表面に電気めっき層4を設けることにより、所望の厚さの導電層5を容易かつ確実に積層できる。また、無電解めっき層3の表面に電気めっき層4を積層することで、例えばサブトラクティブ法に用いるプリント配線板用基板に容易に適用できる。

0032

電気めっき層4に用いる金属としては、上記無電解めっき層3と同様、例えば銅、ニッケル、銀等が挙げられる。焼結層2を形成する金属粒子に銅を使用する場合、電気めっき層4に用いる金属としては、安価で導電性が高い観点から、銅及びニッケルが好ましい。

0033

電気めっき層4の平均厚さの下限としては、1μmが好ましく、2μmがより好ましく、5μmがさらに好ましい。一方、電気めっき層4の平均厚さの上限としては、100μmが好ましく、50μmがより好ましく、30μmがさらに好ましい。電気めっき層4の平均厚さが上記下限に満たない場合、導電層5が損傷し易くなるおそれがある。また、電気めっき層4の平均厚さが上記上限を超える場合、当該プリント配線板20が過度に厚くなり、プリント配線板の薄板化が困難となるおそれがある。

0034

<利点>
当該プリント配線板用基板によれば、焼結層の表面における粗大な凸部の形成が抑制され、導電パターンにおける欠陥を低減できる。

0035

[プリント配線板用基板の製造方法]
本実施形態のプリント配線板用基板の製造方法は、例えば絶縁性を有するベースフィルムの少なくとも一方の面に金属粒子を含有するインクを塗工する工程(塗工工程)と、上記塗工したインクを焼成する工程(焼成工程)とを主に備える。上記塗工工程は、前処理工程としてインク中の凝集により粗大化された金属粒子を除去する工程を含む。

0036

また、当該プリント配線板用基板の製造方法は、上記焼結層2の表面に無電解めっきを施す工程(無電解めっき工程)、及び上記無電解めっき工程で形成された無電解めっき層3の表面に電気めっきを施す工程(電気めっき工程)をさらに備えるとよい。これにより、プリント配線板用基板10の導電層5は、焼結層2、無電解めっきにより形成される無電解めっき層3、及び電気めっきにより形成される電気めっき層4が積層された構造を有する。

0037

(塗工工程)
本工程では、後述する前処理工程後に上記ベースフィルム1の少なくとも一方の面に直接又は間接に、表面に金属粒子を含有するインクを塗工する。

0038

〈インク〉
上記インクは金属粒子を含有する。また、上記インクは、一般に分散剤及び分散媒をさらに含有する。

0039

上記金属粒子は、上記インクに導電性を付与するものである。上記金属粒子の主成分は、プリント配線板用基板10の導電層5に用いられるものであれば特に限定されず、例えば銅、ニッケル、アルミニウム、金、銀、これらの合金等が挙げられる。これらの中でも、導電性及びベースフィルム1との密着性に優れ、低コストである銅及び銅合金が好ましい。上記金属粒子の主成分が銅又は銅合金であることにより、焼結層2の導電性が高くなり、導電性に優れたプリント配線板が作成できる。また、焼結層2を低コストで形成できる。

0040

上記金属粒子の平均粒子径の下限としては、1nmが好ましく、30nmがより好ましい。一方、上記金属粒子の平均粒子径の上限としては、500nmが好ましく、100nmがより好ましい。上記金属粒子の平均粒子径が上記下限より小さいと、インク中での金属粒子の分散性及び安定性が低下するおそれがある。逆に、上記金属粒子の平均粒子径が上記上限を超えると、金属粒子が沈殿し易くなるおそれや、インクを塗工した際に金属粒子の密度が均一になり難くなるおそれがある。平均粒子径が上記範囲である上記金属粒子を用いることで、焼結層2の平均厚さを低減できる。その結果、小型化を促進できるプリント配線板を得ることができる。平均粒子径は、粒子径分布測定装置(例えば日機装株式会社の「マイクロトラック粒度分布計 UPA−150EX」)で測定することができる。

0041

上記インクにおける金属粒子の含有量の下限としては、5質量%が好ましく、8質量%がより好ましく、10質量%がさらに好ましい。一方、上記含有量の上限としては、50質量%が好ましく、45質量%がより好ましく、40質量%がさらに好ましい。上記含有量が上記下限より小さいと、後述する焼成工程において分散剤や分散媒を除去し難くなるおそれや、焼結層2が過度に薄くなるおそれがある。逆に、上記含有量が上記上限を超えると、インク中で金属粒子が凝集しやすくなり、粗大な凸部の発生個数が増加するおそれがある。インク中の金属粒子の含有量を上記範囲内とすることで、インクから形成される塗膜をより緻密な膜に形成することができる。その結果、得られるプリント配線板用基板の導電パターンの強度を向上できる。

0042

上記金属粒子は、高温処理法液相還元法気相法等で製造することができる。これらの中で、液相還元法が好ましく、チタンレドックス法がより好ましい。

0043

金属粒子の粒子径を調整する方法としては、金属化合物、分散剤、還元剤の種類及び配合割合を調整する方法、金属化合物を還元反応させる際の攪拌速度、温度、時間、pH等を調整する方法が挙げられる。

0044

上記分散剤は、分散媒中で析出した金属粒子を上記インク中に良好に分散させるものである。上記分散剤は、焼結層2の劣化防止の観点から、硫黄リンホウ素、ハロゲン及びアルカリを含まないものが好ましい。このような分散剤としては、例えばポリエチレンイミンポリビニルピロリドン等のアミン系の高分子分散剤ポリアクリル酸カルボキシメチルセルロース等の分子中にカルボン酸基を有するポリカルボン酸系の高分子分散剤、ポバールポリビニルアルコール)、スチレンマレイン酸共重合体オレフィン−マレイン酸共重合体、1分子中にポリエチレンイミン部分とポリエチレンオキサイド部分とを有する共重合体等の極性基を有する高分子分散剤などを挙げることができる。

0045

上記分散剤の分子量の下限としては、2,0000が好ましく、3,0000がより好ましい。一方、上記分子量の上限としては、30,0000が好ましく、25,0000がより好ましい。分散剤の分子量が上記範囲内であることにより、金属粒子を分散媒中に良好に分散させることができ、得られる焼結層2の膜質を緻密でかつ欠陥のないものにすることができる。しかし、上記分子量が上記下限より小さいと、金属粒子の凝集を防止して分散を維持する効果が十分に得られず、焼結層2を緻密で欠陥の少ないものにできないおそれがある。逆に、上記分子量が上記上限を超えると、分散剤が過度に嵩高くなり、インクの塗工後に行う熱処理において、金属粒子同士の焼結阻害してボイドを生じさせるおそれがある。また、分散剤が過度に嵩高くなることで、焼結層2の膜質の緻密さが低下したり、分散剤の分解残渣が焼結層2の導電性を低下させたりするおそれがある。

0046

上記分散媒は、その中で金属粒子が分散するものである。上記分散媒としては、一般的に水が用いられる。分散媒として水を用いることで、上記分散剤が十分に膨潤し、分散剤で囲まれた金属粒子が良好に分散できる。また、必要に応じて水溶性有機溶媒をさらに用いてもよい。水溶性の有機溶媒をさらに用いることで、分散液の粘度調整及び蒸気圧調整が可能である。

0047

上記水の含有割合としては、金属粒子100質量部当たり20質量部以上1900質量部以下が好ましい。上記水の含有割合が上記下限より小さいと、上述の分散剤の膨潤効果が不十分となるおそれがある。一方、上記水の含有割合が上記上限を超えると、インク中の金属粒子割合が少なくなり、焼結層2の厚み及び密度が不十分となるおそれがある。

0049

上記有機溶媒の含有割合としては、金属粒子100質量部当たり30質量部以上900質量部以下が好ましい。上記水溶性の有機溶媒の含有割合が上記下限より小さいと、上述の分散液の粘度調整及び蒸気圧調整の効果が十分に得られないおそれがある。一方、上記含有割合が上記上限を超えると、上述の分散剤の膨潤効果が不十分となり、インク中で金属粒子の凝集が生じ易くなるおそれがある。

0050

〈インクの製造方法〉
上記インクは、金属粒子と、分散剤と、分散媒である水と、必要に応じて水溶性の有機溶媒とを所定の割合で配合することで製造できる。

0051

水溶液出発原料としてインクを製造する方法としては、例えば析出した金属粒子を含む液相水溶液限外ろ過遠心分離水洗電気透析等の処理に供して不純物を除去し、必要に応じて濃縮して水を除去する。又は、逆に水を加えて金属粒子の濃度を調整した後、さらに必要に応じて水溶性の有機溶媒を所定の割合で配合することによって金属粒子を含むインクを製造する方法が挙げられる。この方法では、金属粒子の乾燥時の凝集による粗大で不定形粒子の発生を防止することができ、緻密で均一な焼結層2を形成しやすくなる。

0052

〈前処理工程〉
塗工工程の直前の前処理工程として、インク中の凝集により粗大化された金属粒子を除去する工程が行われる。金属粒子を含有するインクは、製造後から塗工までの経過期間が長くなるにつれてインク中に金属粒子の凝集物が多数生じ、焼結層2の欠陥が増加するおそれがある。しかしながら、前処理工程を塗工工程の直前に行うことで、インクの製造後から塗工までの経過期間にかかわらず、前処理工程によりインク中の不純物及び粗大粒子が除去され、ベースフィルム1上に緻密な金属粒子を含有するインクを塗工することができる。そのため、当該プリント配線板用基板10の焼結層2の表面における粗大な凸部8の形成を抑制できる結果、当該プリント配線板用基板10に導電パターンを形成してプリント配線板を製造する際に、当該プリント配線板用基板におけるベースフィルム及び導電層間の密着性に優れるので、良好なレジストパターンを形成できる。また、焼結層の均一化により電気めっき後のフラッシュエッチング性を向上できるので、配線部の裾引きを抑制できる。従って、当該プリント配線板用基板10は、導電パターンにおける欠陥を低減できる。

0053

前処理工程としては、例えばホモジナイザーによる撹拌後の遠心分離、フィルターによるろ過、自然沈降処理、超音波洗浄による凝集した粒子の解粒又はこれらの組み合わせが挙げられる。前処理工程としては、これらの処理を2つ以上組み合わせることが好ましい。

0054

上記遠心分離における遠心加速度の下限としては例えば500Gが好ましく、上記遠心加速度の上限としては例えば1000Gが好ましい。また、上記フィルターによるろ過は、例えば0.1MPa〜5MPaの一定圧力下で、公称孔径0.5μm〜1.5μmのフィルターを用いて行うことが好ましい。上記自然沈降処理は、例えば1時間〜10時間の範囲で自然沈降処理を行った後に上澄み液採取する。上記超音波洗浄は、例えば10kHz〜100kHzの超音波を用いて5分〜20分間洗浄を行う。これらの処理を組み合わせて行う場合、フィルターによるろ過とホモジナイザーによる撹拌後の遠心分離とを組み合わせる場合の条件としては、例えば1MPaの一定圧力下で、公称孔径1μmのフィルターを用いてろ過した後に、ホモジナイザーにて20kHzの超音波を用いて10分間洗浄することが好ましい。フィルターによるろ過と自然沈降処理とを組み合わせる場合の条件としては、例えば3時間の範囲で自然沈降処理を行った後に、上澄み液を採取し、1MPaの一定圧力下で公称孔径1μmのフィルターを用いてろ過することが好ましい。また、ホモジナイザーによる撹拌後の遠心分離と自然沈降処理とを組み合わせる場合の条件としては、例えば1時間の範囲で自然沈降処理を行った後に、上澄み液を採取し、ホモジナイザーにて50kHzの超音波を用いて15分間洗浄することが好ましい。これらの処理が十分に行われない場合、凝集により粗大化された金属粒子の除去が不十分となり、焼結層2の表面の粗大な凸部の形成に対する十分な抑制効果が得られないおそれがある。一方、これらの処理が過剰に行われると、インク中の金属粒子の濃度が低くなり過ぎることにより、後述する焼成工程で金属粒子の焼結が進まないおそれや焼結層2の密着性が低下するおそれがある。

0055

〈本工程〉
ベースフィルム1の表面にインクを塗工する方法としては、例えばスピンコート法スプレーコート法バーコート法ダイコート法スリットコート法ロールコート法ディップコート法等の従来公知の塗工法が挙げられる。またスクリーン印刷ディスペンサ等によりベースフィルム1の表面の一部のみにインクを塗工してもよい。

0056

上記塗工工程の前にベースフィルム1の塗工工程が行われる面に親水化処理を施すとよい。上記親水化処理としては、例えばプラズマ照射して表面を親水化するプラズマ処理や、アルカリ溶液で表面を親水化するアルカリ処理等が挙げられる。

0057

また、上述したように、ベースフィルム1と焼結層2との間に、ベースフィルム1及び焼結層2に対して密着性が高い薄い密着層が積層されていてもよい。その場合、上記塗工工程の前に上記密着層を積層する工程が行われるが、密着層を積層する方法としては、例えば無電解めっき、スパッタリング蒸着カップリング剤塗布等を挙げることができるが、中でも特に密着性に優れる密着層を形成することができるスパッタリングが好ましい。

0058

(焼成工程)
本工程では、塗工工程において塗工したインクを焼成する。これにより、塗工されたインクに含まれる分散剤やその他の有機物揮発及び分解して除去され、その結果残る金属粒子が焼結し相互に密着して固体接合し、ベースフィルム1の少なくとも一方の面に直接又は間接に焼結層2が形成される。なお、焼成の前にインクを乾燥させることが好ましい。

0059

上記焼成は酸素雰囲気下で行ってもよい。上記焼成を酸素雰囲気下で行った場合、インクを焼成することで形成される焼結層2のベースフィルム1との界面近傍では、熱により金属粒子が酸化する。これにより、この金属粒子の金属に基づく金属水酸化物又はその金属水酸化物に由来する基の生成を抑えつつ、上記金属に基づく金属酸化物又はその金属酸化物に由来する基を生成できる。具体的には、例えば金属粒子として銅を用い、ベースフィルム1としてポリイミドを用いた場合、焼結層2のベースフィルム1との界面近傍に酸化銅及び水酸化銅が生成するが、酸化銅の方が多く生成する。この焼結層2の界面近傍に生成した酸化銅は、ベースフィルム1を構成するポリイミドと結合しやすく、焼結層2とベースフィルム1との間の密着力を維持できると考えられる。

0060

本工程における雰囲気酸素濃度の下限は特に限定されないが、上記酸素濃度の上限としては、10,000体積ppmが好ましく、1,000体積ppmがより好ましい。上記酸素濃度が上記上限を超えると、金属粒子が過剰に酸化し焼結層2の導電性が低下するおそれがある。

0061

本工程における加熱温度の下限としては、150℃が好ましく、200℃がより好ましい。一方、上記加熱温度の上限としては、500℃が好ましく、400℃がより好ましい。上記加熱温度が上記下限より小さいと、焼結層2の界面近傍における酸化銅の生成量が少なくなり、十分な焼結層2とベースフィルム1との間の密着力が得られないおそれがある。逆に、上記加熱温度が上記上限を超えると、ベースフィルム1がポリイミド等の有機樹脂の場合にベースフィルム1が変形するおそれがある。

0062

本工程における加熱時間の下限としては、1時間が好ましく、2時間がより好ましい。一方、上記加熱時間の上限としては、24時間が好ましく、18時間がより好ましい。上記加熱時間が上記下限より小さいと、焼結層2の界面近傍における酸化銅の生成量が少なくなり、十分な焼結層2とベースフィルム1との間の密着力が得られないおそれがある。一方、上記加熱時間が上記上限を超えると、ベースフィルム1がポリイミド等の有機樹脂を主成分とする場合にベースフィルム1が変形するおそれがある。

0063

(無電解めっき工程)
無電解めっき工程では、焼成工程により形成される焼結層2の表面に無電解めっきを施す。上記焼成工程によって得られた焼結層2内に空隙が残存していると、この空隙部分が破壊起点となって焼結層2がベースフィルム1から剥離しやすくなる。これに対し、この空隙に無電解めっき層3を充填することで、無電解めっき層3が焼結層2の表面だけでなく、焼結層2の内部を構成する金属粒子間の隙間に入り込み、焼結層2のベースフィルム1からの剥離が防止される。

0064

上記無電解めっき工程は、触媒還元作用により触媒活性を有する金属を析出させる処理であり、市販の各種無電解めっき液を塗布することによって行うことができる。このように無電解めっき工程を行うことで、無電解めっき層3の積層を簡便に行うことができ、さらなる電気めっき層4の積層を確実なものとすることができる。

0065

無電解めっき工程で用いる金属としては、上述したように例えば銅、ニッケル、銀等が挙げられる。上記インクの金属粒子に銅を使用する場合、上記無電解めっきに用いる金属としては、焼結層2との密着性の観点から、銅又はニッケルが好ましい。

0066

上記無電解めっき工程の手順は特に限定されず、例えばクリーナ工程、水洗工程、酸処理工程、水洗工程、プレディップ工程、アクチベーター工程、水洗工程、還元工程、水洗工程等の処理と共に、公知の手段で無電解めっきを行えばよい。

0067

[電気めっき工程]
電気めっき工程では、上記無電解めっき工程により形成される無電解めっき層3の表面に電気めっきを施す。電気めっき工程により導電層5の厚みの調整を容易かつ正確に行うことができる。

0068

上述のように、銅は安価で導電性が高いため、電気めっき層を形成する金属としては、銅が好適に用いられる。

0069

上記電気めっき工程の手順は特に限定されず、例えば公知の電気銅めっき浴及びめっき条件から適宜選択すればよい。

0070

<プリント配線板>
当該プリント配線板は、絶縁性を有するベースフィルムと、上記ベースフィルムの少なくとも一方の面に直接又は間接に積層され、平面視でパターニングされている導電層とを備える。図3は、一実施形態に係るプリント配線板20を示す模式的部分断面図である。図3に示すように、プリント配線板20は、ベースフィルム1と、ベースフィルム1の一方の面に積層される導電パターン7とを備える。導電パターン7は、導電層5から構成される。導電層5は、金属粒子の焼結層2を有する。上述したように、導電層5は、焼結層2以外に、無電解めっき層3及び電気めっき層4を有していてもよい。上記ベースフィルム1、焼結層2、無電解めっき層3及び電気めっき層4は、上述の当該プリント配線板用基板10におけるものと同様であるため、同一符号を付して重複する説明を省略する。

0071

当該プリント配線板20は、焼結層2の表面における粗大な凸部8の形成が抑制された導電層5から構成される導電パターン7を備える。上述したように、焼結層2の表面における最大高さが2μm以上3μm未満の第1凸部の発生個数が0.5個/mm2以下であり、最大高さが3μm以上の第2凸部の発生個数を実質的に0個/mm2である。当該プリント配線板20における上記凸部の発生個数が上記範囲であることで、ベースフィルム1及び導電層5間の密着性に優れ、導電パターン7における欠陥を低減できる。

0072

<プリント配線板の製造方法>
当該プリント配線板は、例えばサブトラクティブ法又はセミアディティブ法により形成される。以下、当該プリント配線板の製造方法の例として、サブトラクティブ法により導電パターンを形成する場合について図4図6に基づいて説明する。なお、図4図6において、上記ベースフィルム1、焼結層2、無電解めっき層3、電気めっき層4は、図3のプリント配線板20と同様であるため、図3と同一の符号を付して重複する説明を省略する。

0073

始めに、図4に示すように、所定の大きさに調整された上記プリント配線板用基板の一方の面に、感光性のレジスト6を被覆形成する。次に、図5に示すように、露光現像等により、レジスト6に対して導電パターンに対応するパターニングを行う。次に、図6に示すように、レジスト6をマスクとしてエッチングにより導電パターン以外の部分の焼結層2、無電解めっき層3及び無電解めっき層3を除去する。そして最後に残ったレジスト6を除去することにより、導電パターン7がベースフィルム1上に形成された図3に示すプリント配線板が得られる。

0074

ここでは、サブトラクティブ法により導電パターンを形成するプリント配線板の製造方法について説明したが、セミアディティブ法等、他の公知の製造方法を用いて導電パターンを形成しても当該プリント配線板を製造できる。

0075

<利点>
当該プリント配線板によれば、焼結層の表面における粗大な凸部の形成が抑制された導電層から構成される導電パターンを備える。従って、当該プリント配線板は、導電パターンにおける欠陥を低減できる。

0076

[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。

0077

上記実施形態では、ベースフィルムの一方の面に焼結層を含む導電層を積層する構成としたが、同様の形成方法によりベースフィルムの両面に焼結層を含む導電層を積層する構成の両面プリント配線板用基板としてもよい。また、上記実施形態で得たプリント配線板用基板の他方の面に、無電解めっき又は電気めっきを行い、焼結層を含まない導電層を形成させてもよい。

0078

上記実施形態では、プリント配線板用基板の導電層が焼結層、無電解めっき層及び電気めっき層を備えていたが、導電層が焼結層のみから形成されていてもよい。

0079

当該プリント配線板用基板は、フレキシブルプリント配線板用であってもよく、リジッドプリント配線板用であってもよい。

0080

以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0081

試験番号No.1〜No.22]
(プリント配線板用基板の作製)
平均粒子径80nmの銅粒子及び分散剤(日本触媒社の「エポミンp−1000」)の合計と、分散媒としての水との質量比が1:3となるように混合し、インクを製造した。

0082

次に、塗工工程前の前処理工程として、製造後20日後のインクをフィルターによるろ過、自然沈降又はこれらの組み合わせにより、凝集により粗大化した金属粒子を除去した。フィルターによるろ過及び自然沈降は、表1に記載の条件にて実施した。また、フィルターによるろ過は、0.1MPaの圧力下で実施した。自然沈降は、表1に記載の時間で自然沈降させた後、上澄み液を採取した。なお、表1における「−」は、該当する処理が行われていないことを示す。次に、平均厚さ25μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社の「カプトンEN−S」にインクを塗工し、350℃で3時間焼成することで焼結層を形成した。

0083

次に、無電解めっきにより焼結層の表面に平均厚さ0.4μmの無電解めっき層を形成した。次いで、電気銅めっきにより上記無電解めっき層の表面に平均厚さ20μmの電気銅めっき層を形成することで焼結層、無電解めっき層及び電気銅めっき層を含む導電層を備えるNo.1〜No.22のプリント配線板用基板を製造した。

0084

その後、ドライレジストフィルムを用い、サブトラクティブ法によりNo.1〜No.22のプリント配線板用基板にフラッシュエッチング処理を行った。そして、平均回路幅25μm、平均回路間隔25μmのライン並列に並んだテストパターンを形成してNo.1〜No.22のプリント配線板を得た。

0085

(焼結層の平均厚さ)
得られたNo.1〜No.22のプリント配線板用基板について、焼結層の表面における凸部が形成されていない領域の平均厚さは、蛍光X線膜厚計セイコーインスツルメンツ社の「SFT9300」)により計測した。No.1〜No.22のプリント配線板用基板の焼結層の平均厚さを以下のA〜Dの4段階で表2に示す。上記4段階のうち、焼結層の平均厚さとしては、A又はBが良好である。
A:0.1μm以上0.3μm以下
B:0.3μm超0.5μm以下又は0.05μm以上0.1μm未満
C:0.5μm超1μm以下
D:0.05μm未満又は1μm超

0086

(焼結層表面の凸部の発生個数)
得られたNo.1〜No.22のプリント配線板用基板について、焼結層の表面における最大高さが2μm以上3μm未満の第1凸部及び最大高さが3μm以上の第2凸部の発生個数を求めた。上記第1凸部及び第2凸部の発生個数は、白色干渉計(東京精密社の「Opt−ScopeSModel」)を用いて上記焼結層の表面形状を測定し、得られた表面形状から解析した。光源として白色LEDを用い、測定面積は1mm×1mmとした。また、凸部の最大高さRzは、JIS−B−0601(2013)に準拠して上記白色干渉計による断面像から測定した。No.1〜No.22のプリント配線板用基板の焼結層表面の凸部の発生個数を表2に示す。

0087

0088

[評価]
得られたNo.1〜No.22のプリント配線板用基板及びプリント配線板について、ベースフィルム、導体層間の密着力及び裾引きを下記の方法にて評価した。これらの評価結果を表1に示す。

0089

(ベースフィルム及び導体層間の密着力評価)
No.1〜No.22のプリント配線板用基板をJIS−K−6854−2(1999)「接着剤はく離接着強さ試験方法−2部:180度はく離」に準拠してポリイミドからなるベースフィルム及び導体層間の剥離強度を測定した。上記測定結果に基づいて、ベースフィルム及び導体層間の密着力を以下のA〜Dの4段階で評価した。上記4段階のうち、評価結果としては、A又はBが良好である。
A:剥離強度が8N/cm以上である
B:剥離強度が5N/cm以上8N/cm未満である
C:剥離強度が3N/cm以上5N/cm未満である
D:剥離強度が3N/cm以上未満である

0090

(裾引き)
上記フラッシュエッチング処理後に走査型電子顕微鏡日立ハイテクノロジー社の「Flex−SEM1000形」)を用いて撮像し、得られた画像からNo.1〜No.22のプリント配線板の配線部の裾引き量をそれぞれ10か所計測した。ここで、「裾引き」とは、回路形成工程のエッチングにより、配線部の上面から下面(ベースフィルム側)に向かって、末広がりにエッチングされ、断面形状が台形状になった配線部の上底下底との差の値をいう。次に、上記各10か所の計測値平均値に基づいて、裾引きの度合いを以下のA〜Dの4段階で評価した。上記4段階のうち、評価結果としては、A又はBが良好である。
A:裾引きがない
B:裾引きが0.5μm未満である
C:裾引きが2.0μm未満である
D:裾引きが2.0μm以上である

0091

0092

表2に示すように、プリント配線板用基板の焼結層表面における最大高さが2μm以上3μm未満の第1凸部の発生個数が0.5個/mm2以下であり、最大高さが3μm以上の第2凸部の発生個数が実質的に0個/mm2(すなわち、0.003個/mm2以下)である試験No.4〜試験No.5、試験No.8〜試験No.12及び試験No.14〜試験No.22は、ベースフィルム及び導体層間の密着力及び裾引きに対する抑制効果が良好であった。特に、第1凸部の発生個数が0.1個/mm2以下であり、かつ第2凸部の発生個数が実質的に0個/mm2である試験No.5、試験No.9〜試験No.12、試験No.15〜試験No.18及び試験No.20〜試験No.22は、ベースフィルム及び導体層間の密着力及び裾引きに対する抑制効果が優れていた。

0093

一方、プリント配線板用基板の焼結層表面における最大高さが2μm以上3μm未満の第1凸部の発生個数が0.5個/mm2超であるか、又は最大高さが3μm以上の第2凸部の発生個数が実質的に0個/mm2でない(すなわち、0.003個/mm2超である)試験No.1〜試験No.3、試験No.6〜試験No.7及び試験No.13は、ベースフィルム及び導体層間の密着力及び裾引きに対する抑制効果が劣っていた。特に、第1凸部の発生個数が0.8個/mm2超であり、かつ第2凸部の発生個数が実質的に0個/mm2でない試験No.1〜No.2及び試験No.6は、ベースフィルム及び導体層間の密着力及び裾引きに対する抑制効果が非常に劣っていた。

実施例

0094

以上のように、当該プリント配線板用基板は、焼結層の表面における粗大な凸部の形成が抑制され、当該プリント配線板用基板に形成された導電パターンは、良好なレジストパターンを形成できることが示された。

0095

本開示のプリント配線板用基板によれば、導電パターンにおける欠陥を低減でき、微細パターンが形成される小型電子機器用のプリント配線板基板として好適である。

0096

1ベースフィルム
2焼結層
3無電解めっき層
4電気めっき層
5導電層
6レジスト
7導電パターン
8 凸部
10プリント配線用基板
20 プリント配線板

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