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図面 (3)

課題

摩擦帯電および剥離帯電が起こりにくいウェハーカップを提供すること。

解決手段

テトラフルオロエチレン単位フルオロアルキルビニルエーテル)単位とを含有する共重合体を含むウェハーカップであって、内面の少なくとも一部における、対水接触角が、80度以下であるウェハーカップを提供する。

概要

背景

半導体製造プロセスには、通常、水や薬液によりウェハーを処理する工程が含まれる。このような処理工程において用いる装置として、たとえば、特許文献1には、洗浄を行うウェハーを上面に固定して回転可能な回転テーブルのようなウェハースピンベースを備えており、このようなウェハースピンベースが凹形容器からなるウェハーカップ内に配置されている半導体洗浄装置が記載されている。

概要

摩擦帯電および剥離帯電が起こりにくいウェハーカップを提供すること。テトラフルオロエチレン単位フルオロアルキルビニルエーテル)単位とを含有する共重合体を含むウェハーカップであって、内面の少なくとも一部における、対水接触角が、80度以下であるウェハーカップを提供する。

目的

特開2012−54269号公報






本開示では、摩擦帯電および剥離帯電が起こりにくいウェハーカップを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

テトラフルオロエチレン単位フルオロアルキルビニルエーテル)単位とを含有する共重合体を含むウェハーカップであって、内面の少なくとも一部における、対水接触角が、80度以下であるウェハーカップ。

請求項2

前記共重合体のフルオロ(アルキルビニルエーテル)単位の含有量が、全単量体単位に対して、3.5〜7.0質量%である請求項1に記載のウェハーカップ。

請求項3

前記共重合体の372℃でのメルトフローレートが、1〜30g/10分である請求項1または2に記載のウェハーカップ。

技術分野

0001

本開示は、半導体製造プロセスで用いられるウェハーカップに関する。

背景技術

0002

半導体製造プロセスには、通常、水や薬液によりウェハーを処理する工程が含まれる。このような処理工程において用いる装置として、たとえば、特許文献1には、洗浄を行うウェハーを上面に固定して回転可能な回転テーブルのようなウェハースピンベースを備えており、このようなウェハースピンベースが凹形容器からなるウェハーカップ内に配置されている半導体洗浄装置が記載されている。

先行技術

0003

特開2012−54269号公報

発明が解決しようとする課題

0004

本開示では、摩擦帯電および剥離帯電が起こりにくいウェハーカップを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

本開示によれば、テトラフルオロエチレン単位フルオロアルキルビニルエーテル)単位とを含有する共重合体を含むウェハーカップであって、内面の少なくとも一部における、対水接触角が、80度以下であるウェハーカップが提供される。

0006

前記共重合体のフルオロ(アルキルビニルエーテル)単位の含有量が、全単量体単位に対して、3.5〜7.0質量%であることが好ましい。
前記共重合体の372℃でのメルトフローレートが、1〜30g/10分であることが好ましい。

発明の効果

0007

本開示によれば、摩擦帯電および剥離帯電が起こりにくいウェハーカップを提供することができる。

図面の簡単な説明

0008

図1は、本開示の一実施形態に係るウェハーカップおよび該ウェハーカップが適用されるウェハー処理装置の断面図である。
図2は、本開示の実施例おける評価方法を説明するための図である。

0009

以下、本開示の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本開示は、以下の実施形態に限定されるものではない。

0010

本開示のウェハーカップは、テトラフルオロエチレン単位とフルオロ(アルキルビニルエーテル)単位とを含有する共重合体を含むウェハーカップであって、内面の少なくとも一部における、対水接触角が、80度以下である。

0011

ここで、図1は、本開示の一実施形態に係るウェハー処理装置の断面図である。図1に示すように、本開示の一実施形態に係るウェハー処理装置は、回転機構20により回転可能とされたウェハースピンベース30上に、チャック機構などにより、ウェハー40を保持するとともに、回転機構20の作用により、ウェハースピンベース30が回転することで、ウェハー40を回転させながら、ノズル50から水または薬液を供給することで、ウェハー40に対し、処理を行うための装置である。なお、図1においては、水または薬液を供給するためのノズル50を一つ備える構成を例示したが、ノズル50の数は、特に限定されず、2以上であってもよく、ノズル50は、ウェハー40の下面側に、水または薬液を供給するような位置に配置されていてもよい。

0012

本開示の一実施形態に係るウェハー処理装置においては、図1に示すように、ウェハースピンベース30およびウェハー40を取り囲むように、ウェハーカップ10が設けられている。本開示の一実施形態に係るウェハー処理装置によれば、ウェハーカップ10により、ウェハースピンベース30およびウェハー40を取り囲むことによって、ウェハー40に対し供給された水または薬液の一部が、ウェハースピンベース30およびウェハー40から飛散した際に、水または薬液が、外部へ飛散することを抑制するための飛散抑制用の部材として作用するものである。

0013

そして、本開示の一実施形態においては、このようなウェハーカップ10として、本開示のウェハーカップが好適に用いられる。

0014

ここで、図1に示すウェハーカップ10や、特許文献1に開示されたウェハーカップは、一般的に、大型であり、優れた耐薬品性が要求されることから、ポリテトラフルオロエチレンブロックを切削することにより、製造されている。

0015

しかしながら、ポリテトラフルオロエチレンのブロックの切削には、大きな時間的負担および経済的負担を要することがあることから、新たな材料および製造方法が求められている。フルオロポリマー成形品の製造方法としては、溶融加工可能なフルオロポリマーを溶融成形する方法が知られている。

0016

その一方で、フルオロポリマーを成形することにより得られる大型の成形品を、ウェハーカップとして用いた場合に、飛散した水や薬液などが付着し、それらが液滴となってウェハーカップの表面を流れると、液滴との摩擦帯電や剥離帯電によりウェハーカップが帯電することが判明した。具体的には、ウェハーカップ表面に、付着した液滴が、ウェハーカップ表面上を移動した際に(たとえば、ウェハーカップ表面上を流れ落ちる際に)、このような移動により、摩擦帯電や剥離帯電が引き起こされ、ウェハーカップが帯電することが判明した。フルオロポリマーを含むウェハーカップが一度でも帯電してしまうと、電荷放電させることは容易ではない。このため、ウェハーカップに向かって飛散する液滴が、静電気反発によって静電気を帯びた状態でウェハー上に戻り半導体デバイスに不具合を起こすなど、ウェハーカップの帯電が原因と推測される問題が生じ得る。したがって、半導体製造プロセスにおける生産ライン静電気対策は、半導体デバイスの生産の「歩留まり」に影響する重要課題である。

0017

また、摩擦帯電や剥離帯電を起こりにくくする方法として、カーボン系帯電防止剤を用いる方法が考えられるが、カーボン系の帯電防止剤を用いると、溶出により、コンタミネーションの原因となる問題がある。

0018

これに対し、本開示のウェハーカップは、たとえば、図1に示すウェハーカップ10のように、ウェハーを回転させながら、ウェハーに水または薬液を供給するウェハー処理装置の、ウェハーを取り囲むための用途として用いられる成形品であって、テトラフルオロエチレン単位とフルオロ(アルキルビニルエーテル)単位とを含有する共重合体を含み、かつ、内面の少なくとも一部(図1の態様では、ウェハーを取り囲む面のうち少なくとも一部)における、対水接触角が、80度以下に調整された成形品である。本開示のウェハーカップは、内面の少なくとも一部の対水接触角が、80度以下に調整されたものであるから、摩擦帯電および剥離帯電が起こりにくく、そのため、上記課題を好適に解決できるものである。

0019

本開示のウェハーカップの対水接触角は、80度以下であり、摩擦帯電および剥離帯電の発生をより一層抑制できることから、好ましくは70度以下であり、より好ましくは60度以下であり、下限は特に限定されないが、製造容易性の観点から、好ましくは40度以上である。対水接触角は、ウェハーを取り囲む面のうち少なくとも一部分についての対水接触角であればよく、ウェハーを取り囲む面の全面の対水接触角であってもよく、ウェハーを取り囲む面のうち、ウェハーから飛散した水または薬液が付着する可能性がある部分についての対水接触角であってもよい。

0020

また、本開示のウェハーカップが、図1に示すウェハー処理装置に用いられるウェハーカップ10である場合には、上記対水接触角は、ウェハースピンベース30およびウェハー40を取り囲む面の全面の対水接触角であってもよく、ウェハースピンベース30およびウェハー40を囲む面のうち、ウェハーから飛散した水または薬液が付着する可能性がある部分についての対水接触角であってもよい。

0021

本開示において、対水接触角は、接触角計を用いて測定する。

0022

本開示のウェハーカップは、テトラフルオロエチレン単位(TFE単位)とフルオロ(アルキルビニルエーテル)単位(FAVE単位)とを含有する共重合体(以下、TFE/FAVE共重合体(または、PFA)という)を含む。

0023

上記TFE/FAVE共重合体は、溶融加工性フッ素樹脂であることが好ましい。本開示において、溶融加工性とは、押出機および射出成形機などの従来の加工機器を用いて、ポリマー溶融して加工することが可能であることを意味する。従って、溶融加工性のフッ素樹脂は、後述する測定方法により測定されるメルトフローレートが0.01〜500g/10分であることが通常である。

0024

上記TFE/FAVE共重合体におけるFAVEに基づく単量体単位の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは1.0〜10質量%であり、より好ましくは2.0質量%以上であり、さらに好ましくは3.5質量%以上であり、特に好ましくは4.0質量%以上であり、より好ましくは8.0質量%以下であり、さらに好ましくは7.0質量%以下であり、特に好ましくは6.5質量%以下であり、最も好ましくは6.0質量%以下である。なお、上記FAVEに基づく単量体単位の量は、19F−NMR法により測定する。

0025

上記FAVE単位を構成するFAVEとしては、一般式(1):
CF2=CFO(CF2CFY1O)p−(CF2CF2CF2O)q−Rf (1)
(式中、Y1はFまたはCF3を表し、Rfは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基を表す。pは0〜5の整数を表し、qは0〜5の整数を表す。)で表される単量体、および、一般式(2):
CFX=CXOCF2OR1 (2)
(式中、Xは、同一または異なり、H、FまたはCF3を表し、R1は、直鎖または分岐した、H、Cl、BrおよびIからなる群より選択される少なくとも1種の原子を1〜2個含んでいてもよい炭素数が1〜6のフルオロアルキル基、若しくは、H、Cl、BrおよびIからなる群より選択される少なくとも1種の原子を1〜2個含んでいてもよい炭素数が5または6の環状フルオロアルキル基を表す。)で表される単量体からなる群より選択される少なくとも1種を挙げることができる。

0026

なかでも、上記FAVEとしては、一般式(1)で表される単量体が好ましく、パーフルオロメチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)およびパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、PPVEがさらに好ましい。

0027

上記TFE/FAVE共重合体としては、特に限定されないが、TFE単位とFAVE単位とのモル比(TFE単位/FAVE単位)が70/30以上99/1未満である共重合体が好ましい。より好ましいモル比は、70/30以上98.9/1.1以下であり、さらに好ましいモル比は、80/20以上98.9/1.1以下である。TFE単位が少なすぎると機械物性が低下する傾向があり、多すぎると融点が高くなりすぎ成形性が低下する傾向がある。

0028

上記TFE/FAVE共重合体は、TFEおよびFAVEと共重合可能な単量体に由来する単量体単位が0.1〜10モル%であり、TFE単位およびFAVE単位が合計で90〜99.9モル%である共重合体であることも好ましい。

0029

TFEおよびFAVEと共重合可能な単量体としては、HFP、CZ3Z4=CZ5(CF2)nZ6(式中、Z3、Z4およびZ5は、同一または異なって、HまたはFを表し、Z6は、H、FまたはClを表し、nは2〜10の整数を表す。)で表されるビニル単量体、および、CF2=CF−OCH2−Rf7(式中、Rf7は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体等が挙げられる。なかでも、HFPが好ましい。

0030

上記TFE/FAVE共重合体としては、TFE単位およびFAVE単位のみからなる共重合体、および、上記TFE/HFP/FAVE共重合体からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、TFE単位およびFAVE単位のみからなる共重合体がより好ましい。

0031

上記TFE/FAVE共重合体の融点は、好ましくは280〜322℃であり、より好ましくは290℃以上であり、より好ましくは315℃以下である。上記融点は、示差走査熱量計DSC〕を用いて測定できる。

0032

上記TFE/FAVE共重合体のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは70〜110℃であり、より好ましくは80℃以上であり、より好ましくは100℃以下である。上記ガラス転移温度は、動的粘弾性測定により測定できる。

0033

上記TFE/FAVE共重合体の372℃におけるメルトフローレート(MFR)は、好ましくは0.1〜100g/10分であり、より好ましくは0.5g/10分以上であり、さらに好ましくは1g/10分以上であり、より好ましくは80g/10分以下であり、さらに好ましくは40g/10分以下であり、特に好ましくは30g/10分以下である。MFRは、ASTMD1238に従って、メルトインデクサー(安田精機製作所社製)を用いて、372℃、5kg荷重下内径2.1mm、長さ8mmのノズルから10分間あたりに流出するポリマーの質量(g/10分)として得られる値である。

0034

上記TFE/FAVE共重合体は、官能基熱分解による発泡による成形不良が発生しにくいことから、官能基を合計で炭素原子106個あたり0〜1000個有することが好ましい。官能基の個数は、炭素原子106個あたり0〜700個有することがより好ましく、500個以下であることがより好ましく、300個以下であることが更に好ましい。

0035

上記官能基は、上記TFE/FAVE共重合体の主鎖末端または側鎖末端に存在する官能基、および、主鎖中または側鎖中に存在する官能基である。上記官能基としては、−CF=CF2、−CF2H、−COF、−COOH、−COOCH3、−CONH2および−CH2OHからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。

0036

上記官能基の種類の同定および官能基数の測定には、赤外分光分析法を用いることができる。

0037

官能基数については、具体的には、以下の方法で測定する。まず、上記TFE/FAVE共重合体を330〜340℃にて30分間溶融し、圧縮成形して、厚さ0.25〜0.3mmのフィルムを作製する。このフィルムをフーリエ変換赤外分光分析により分析して、上記TFE/FAVE共重合体の赤外吸収スペクトルを得、完全にフッ素化されて官能基が存在しないベーススペクトルとの差スペクトルを得る。この差スペクトルに現れる特定の官能基の吸収ピークから、下記式(A)に従って、上記TFE/FAVE共重合体における炭素原子1×106個あたりの官能基数Nを算出する。
N=I×K/t (A)
I:吸光度
K:補正係数
t:フィルムの厚さ(mm)

0038

参考までに、本開示における官能基について、吸収周波数モル吸光係数および補正係数を表1に示す。また、モル吸光係数は低分子モデル化合物のFT−IR測定データから決定したものである。

0039

0040

なお、−CH2CF2H、−CH2COF、−CH2COOH、−CH2COOCH3、−CH2CONH2の吸収周波数は、それぞれ表中に示す、−CF2H、−COF、−COOH freeと−COOH bonded、−COOCH3、−CONH2の吸収周波数から数十カイザー(cm−1)低くなる。
従って、たとえば、−COFの官能基数とは、−CF2COFに起因する吸収周波数1883cm−1の吸収ピークから求めた官能基数と、−CH2COFに起因する吸収周波数1840cm−1の吸収ピークから求めた官能基数との合計である。

0041

上記官能基数は、−CF=CF2、−CF2H、−COF、−COOH、−COOCH3、−CONH2および−CH2OHの合計数であってよい。

0042

上記官能基は、たとえば、上記TFE/FAVE共重合体を製造する際に用いた連鎖移動剤重合開始剤によって、上記TFE/FAVE共重合体に導入される。たとえば、連鎖移動剤としてアルコールを使用したり、重合開始剤として−CH2OHの構造を有する過酸化物を使用したりした場合、上記TFE/FAVE共重合体の主鎖末端に−CH2OHが導入される。また、官能基を有する単量体を重合することによって、上記官能基が上記TFE/FAVE共重合体の側鎖末端に導入される。

0043

上記TFE/FAVE共重合体は、例えば、その構成単位となるモノマーや、重合開始剤等の添加剤を適宜混合して、乳化重合懸濁重合を行う等の従来公知の方法により製造することができる。

0044

本開示のウェハーカップは、必要に応じてTFE/FAVE共重合体以外の他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、架橋剤、耐熱安定剤、発泡剤発泡核剤酸化防止剤界面活性剤光重合開始剤摩耗防止剤表面改質剤等の添加剤等を挙げることができる。

0045

本開示において、ウェハーカップの大きさは特に限定されないが、大型であってよい。本開示のウェハーカップは、たとえば、少なくとも300mmまたは少なくとも450mmの直径を有するウェハー(半導体ウェハー)よりも大きな投影面積を有することができる。本開示のウェハーカップの投影面積は、好ましくは1000cm2以上であり、より好ましくは1100cm2以上であり、5000cm2以下であってよい。上記範囲内の投影面積を有するウェハーカップの形状は特に限定されず、ウェハーを取り囲むことが可能な形状であればよく、円筒形御椀形状箱型形、籠状などであってよく、任意の方向から見たウェハーカップの投影面積のうち、最大の投影面積が上記範囲内であればよい。また、本開示のウェハーカップが射出成形により得られる射出成形品である場合には、射出方向の投影面積が上記範囲内であることが好ましい。射出方向の投影面積とは、射出成形品を射出成形機のノズル方向から見たときに見え面積、すなわちノズルの方向の投影面積である。また、上記範囲内の射出方向の投影面積を有する射出成形品は、さらに射出面積拡散比が3000以上であることが好ましい。射出面積比とは、射出方向と直交する方向への射出面積拡散比、すなわちノズル部先端開口面積と射出成形品の投影面積の比である。

0046

本開示のウェハーカップは、ウェハーを回転させながら、ウェハーに水または薬液を供給するウェハー処理装置の、ウェハーを取り囲むものであることが好適であることから、たとえば、少なくとも300mmまたは少なくとも450mmの直径を有するウェハー(半導体ウェハー)を取り囲むことのできる筒状の部位を有する射出成形品とすることができる。射出成形品の筒状の部位は、ウェハーを保持するための、ターンベーススピンベーススピンチャックなどの保持手段を取り囲む部位であることも好ましい。図1に示す一実施形態においては、本開示のウェハーカップから構成されるウェハーカップ10の筒状の部位は、ウェハースピンベース30およびウェハー40を取り囲んでいる。図1に示す一実施形態においては、ウェハーカップ10として、底面が閉じた円筒状の部位を有する円筒形としたが、このような形状に特に限定されず、御椀形状、箱型形、籠状などであってよい。

0047

本開示において、ウェハー処理装置としては、特に限定されないが、たとえば、ウェハーを水または薬液により洗浄する半導体洗浄装置、レジストを塗布してレジスト膜を形成する半導体製造装置、レジスト膜の現像を行う半導体製造装置などが挙げられ、これらの各装置においては、ウェハーを回転させながら、ウェハー上に水または薬液を供給する。あるいは、ウェハーを回転させることにより、ウェハー上の水または薬液を振り切って、ウェハーを乾燥させる。したがって、ウェハーの周囲には、水または薬液が飛散することになる。本開示のウェハーカップは、図1に示すウェハーカップ10として利用することができ、水または薬液の飛散を抑制するように、ウェハーの周囲に設けることができる。本開示のウェハーカップは、カップガードスプラッシュガードなどと呼ばれることもある。本開示のウェハーカップは、摩擦帯電および剥離帯電が起こりにくいため、たとえば、ウェハーを包囲するように設けたとしても、ウェハーを帯電させたり、帯電した液滴をウェハー上に跳ね返したりするおそれが小さい。したがって、半導体デバイス製造の歩留まりの向上に大きく貢献することができる。特に、摩擦帯電および剥離帯電は、ウェハーカップの表面に付着した液滴が、ウェハーカップの表面上を移動した際に、このような移動により引き起こされる、液滴の移動に起因する帯電であるが、本開示のウェハーカップによれば、摩擦帯電および剥離帯電が起こりにくいため、結果として、上記問題を有効に解決できるものである。

0048

また、本開示において、ウェハーを回転させながら、ウェハーに水または薬液を供給するウェハー処理装置としては、半導体の前工程を実施するための装置であってもよく、本開示のウェハーカップは、たとえば、半導体の前工程を実施するための装置に設置する部材として用いることができる。半導体の前工程としては、次のような工程を挙げることができる。
a.基盤となるシリコンウェハを洗浄する「洗浄工程」
b.シリコンウェハ上に回路素材となる薄膜を形成する「成膜工程」
c.フォトレジスト感光液)を均一に塗布する「レジスト塗布工程」
d.回路パターン転写を行う「露光工程」
e.露光された部分のフォトレジストを溶かす「現像工程」
f.薬液やイオンにより露出した下地の薄膜を除去する「エッチング工程」
g.リンなど不純物注入し、シリコン電気的特性を持たせる「イオン注入工程」
h.不要なフォトレジストを除去する「剥離工程」

0049

なお、上記各工程を実施するためには、ウェハーを回転させながら、ウェハーに水または薬液を供給してウェハーの処理が行われるため、本開示のウェハーカップは、このような各工程に用いられる装置において、ウェハーを取り囲むためのウェハーカップとして好適に用いることができる。

0050

本開示のウェハーカップの製造方法は、特に限定されないが、以下に説明するウェハーカップの製造方法により、好適に製造することができる。

0051

本開示のウェハーカップの製造方法は、TFE単位とFAVE単位とを含有する共重合体(TFE/FAVE共重合体)を含むウェハーカップの製造方法であって、その表面の少なくとも一部に対して、プラズマ処理を行う工程を備える。本開示のウェハーカップの製造方法においては、プラズマ処理を行うことで、対水接触角の小さい表面を形成することができる。そのため、プラズマ処理は、その表面全面に対して行ってもよい。あるいは、ウェハーを回転させながら、ウェハーに水または薬液を供給するウェハー処理装置の、ウェハーを取り囲むためのウェハーカップとして用いた際や、図1に示すウェハーカップ10として用いた際に、ウェハーを取り囲むこととなる面のうち少なくとも一部に対して行ってもよい。さらには、プラズマ処理は、ウェハーを取り囲むこととなる面の全面に対して行ってもよく、ウェハーを取り囲むこととなる面のうち、ウェハーから飛散した水または薬液が付着する可能性がある部分に対して行ってもよい。

0052

本開示の製造方法においては、TFE/FAVE共重合体を用いることによって、得られるウェハーカップの対水接触角を十分に低下させることができるだけでなく、小さい対水接触角を長期間維持できるという効果が得られる。この理由は明確ではないが、プラズマ処理によって、ウェハーカップ表面に親水性官能基が生成するだけでなく、表面付近ポリマー分子が架橋されて、生成した親水性官能基がウェハーカップ表面に固定化されるからであると考えられる。通常、表面に生成した極性官能基は、バルクや大気よりも高い表面自由エネルギー分散力成分は低下するが、双極子力成分と水素結合成分が増加し、総計で増加するため)を有しており、ウェハーカップの内部に潜った方が表面自由エネルギー的に安定なため、極性基の内部反転と呼ばれる分子運動がおこると考えられる。特に、TFE/FAVE共重合体などの半結晶性のポリマーの場合は、結晶化度が低いと非結晶部のポリマー鎖はルーズで分子運動し易いために、内部反転も起こり易くなる。本開示の製造方法においては、TFE/FAVE共重合体を用い、特定のプラズマ処理条件を採用することによって、表面のポリマー分子が架橋され、表面に生成した親水性官能基の分子運動が抑制されて、長期間にわたり小さい対水接触角が保持されると推測される。

0053

他方、同じパーフルオロポリマーであっても、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やTFE/HFP共重合体(FEP)などの、FAVE単位を含有しない他のパーフルオロポリマーを用いると、ポリマー分子の架橋が円滑に進行せず、仮に親水性官能基が生成したとしても、早期に消滅してしまうものと推測される。

0054

本開示の製造方法において用いるTFE/FAVE共重合体としては、本開示のウェハーカップが含むTFE/FAVE共重合体と同様のものを挙げることができ、本開示のウェハーカップが含むTFE/FAVE共重合体と同様のものが好適である。

0055

対水接触角がより一層小さい表面を形成するためには、特定のFAVE単位の含有量を有するTFE/FAVE共重合体を用いることが好ましい。上記TFE/FAVE共重合体におけるFAVEに基づく単量体単位の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは1.0〜10質量%であり、より好ましくは2.0質量%以上であり、さらに好ましくは3.5質量%以上であり、特に好ましくは4.0質量%以上であり、より好ましくは8.0質量%以下であり、さらに好ましくは7.0質量%以下であり、特に好ましくは6.5質量%以下であり、最も好ましくは6.0質量%以下である。

0056

また、対水接触角がより一層小さい表面を形成するためには、官能基を有するTFE/FAVE共重合体を用いることが好ましい。官能基を有するTFE/FAVE共重合体を用いることによって、プラズマ処理による親水性官能基の導入と、架橋反応が、円滑に進行するものと推測される。また、親水性官能基を導入するとともに、ウェハーカップの表面付近のポリマー分子を架橋させることによって、長期間に渡って親水性官能基を維持できるものと推測される。この場合の官能基数は1以上であることが好ましい。

0057

本開示の製造方法において用いるTFE/FAVE共重合体が有し得る官能基としては、本開示のウェハーカップが含むTFE/FAVE共重合体と同様のものを挙げることができ、本開示のウェハーカップが含むTFE/FAVE共重合体と同様のものが好適である。また、官能基の数も、本開示のウェハーカップが含むTFE/FAVE共重合体と同様の数であってよい。

0058

本開示の製造方法におけるプラズマ処理は、ウェハーカップを構成することとなる成形品と放電電極との間隙ガスを導入しながら放電電極に電圧印加して、ウェハーカップを構成することとなる成形品と放電電極との間に発生したプラズマガスにより該成形品表面をプラズマ照射処理することにより、実施できる。

0059

本開示の製造方法におけるプラズマ処理としては、対水接触角がより小さい表面を効率良く形成できることから、真空プラズマ処理または大気圧プラズマ処理が好ましく、常圧にて簡便に短時間の処理が可能で、放電状態が非常に安定で均質であり、生成ラジカル空間均一性が高いことから、大気圧プラズマ処理がより好ましい。

0060

大気圧プラズマ処理の処理時間としては、対水接触角がより小さい表面を効率良く形成できることから、その下限は、好ましくは5秒以上であり、より好ましくは10秒以上であり、その上限は、好ましくは50秒以下であり、より好ましくは50秒未満であり、さらに好ましくは45秒以下であり、よりさらに好ましくは40秒以下であり、より一層好ましくは35秒以下であり、特に好ましくは30秒以下であり、最も好ましくは25秒以下である。一方で、真空プラズマの場合は、ガス種真空度チャンバーサイズや電極距離などにより異なるが、処理時間は、数十秒〜10分程度である。

0061

本開示の製造方法においては、プラズマ処理を、表面温度が150℃以上に加熱された成形品に対して行うことが好ましい。本開示において、プラズマ処理の際の表面温度とは、プラズマ照射されている間の成形品表面の最高温度をいう。プラズマ処理の際の表面温度が低すぎると、得られるウェハーカップの接触角を十分に低下させられなかったり、ウェハーカップの表面近傍に存在するポリマー分子の分子運動性を十分に高めることができず、表面付近のポリマー分子の架橋反応を促進できないことから、小さい対水接触角を長期間維持できなかったりする。

0062

本開示の製造方法において、プラズマ処理に供する成形品の表面温度は、日油技研工業社製サーモラベルを用いて測定することができる。

0063

プラズマ処理の際の表面温度の上限は、ウェハーカップを構成することとなる成形品の熱変形を抑制する観点から、TFE/FAVE共重合体の融点以下であることが好ましい。プラズマ処理の際の表面温度としては、より好ましくは155℃以上、より好ましくは280℃以下、さらに好ましくは240℃以下である。プラズマ処理の際の表面温度が高すぎると、得られるウェハーカップの形状が損なわれるおそれがある。
また、PTFEは、非溶融加工性を有することから、表面を非常に高い温度まで上昇させても、成形品の形状が大きく変化しない。したがって、PTFEのこの性質を利用して、たとえば、表面に凹凸があるPTFE成形品に対してプラズマ処理をする際に、非常に高い温度まで昇温させることによって、表面のみを適度に溶かして、平滑化させることができる。一方、TFE/FAVE共重合体は、通常、溶融加工性を有することから、プラズマ処理の際の表面温度を非常に高くすると、そもそもの成形品の形状が損なわれるおそれがある。

0064

プラズマ処理の際の表面温度の制御方法は、特に限定されず、プラズマ処理の条件により制御する方法、外部加熱設備により制御する方法などが挙げられる。たとえば、大気圧プラズマ処理を利用する場合には、電力密度や処理時間を調整することによって、所望の温度範囲に自然に昇温させることができる。なお、TFE/FAVE共重合体の成形品に対して、大気圧プラズマ処理を過度に長時間行うと、融点以上の温度まで自然に昇温してしまい、成形品の形状が損なわれるおそれがある。また、パルス変調周波数を使用したり、真空プラズマ処理を利用したりする場合には、プラズマ処理により成形品の表面温度が昇温しにくいので、外部加熱設備を用いて成形品の表面温度を140〜240℃に昇温した後にプラズマ処理する方法、プラズマ処理装置内に加熱手段を設置して加熱する方法などを使用することが好適である。加熱手段としては、加熱ヒータ電熱コイルを内蔵した熱盤ヒータハロゲンランプなどが挙げられる。

0065

プラズマ処理に用いる電極の構造は、特に限定されないが、得られるウェハーカップの形状に適した構造が好ましい。高圧側電極及び接地側電極材質は、導電材料であれば特に限定されず、金属の場合、ステンレス系鋼、真鍮炭素鋼、超鋼等の合金や、銅、アルミニウム等が挙げられ、これらを単体もしくは適宜組み合わせて使用することができる。または非導電性プラスチックセラミック等の表面に銅、金、金属酸化物透明導電材料等をコーティング導電化処理したもの等を使用することもできる。

0066

プラズマ処理には、反応性ガス、または、反応性ガスと励起ガスとの混合ガスを用いることができる。反応性ガスとしては、空気、水素酸素アンモニア水蒸気メタンなどが挙げられる。励起ガスとしては、アルゴンヘリウム窒素などが挙げられる。混合ガスとしては、たとえば、酸素ガスアルゴンガスとの混合ガス、酸素ガスと窒素ガスとの混合ガスなどが挙げられる。反応性ガスと励起ガスとの体積比(反応性ガス/励起ガス)は、0.5/100〜1.5/100の範囲であってよい。また、用いるガス中酸素濃度は、0.0005〜0.3体積%の範囲であってよい。

0067

特に、酸素ガスを用いると、成形品の表面で親水性官能基が生成し、対水接触角を十分に低下させられることが期待できる。ただし、ヘリウムガス、アルゴンガスなど励起ガスに対する酸素量が多すぎると、放電を維持するための電力量が多くなるおそれがある。電力量が多くなると、成形品表面にダメージを与え、対水接触角も大きくなるおそれがある。したがって、プラズマ処理に酸素ガスと励起ガスとの混合ガスを用いる場合は、酸素ガスと励起ガスとの体積比(酸素ガス/励起ガス)を、0.5/100〜1.5/100の範囲とすることが好ましい。

0068

また、励起ガスとしてのヘリウムガスは、発光分光測定により、プラズマ中で高エネルギー準位に励起されることが明らかとなっており、活性化されたHeとO2が反応して、酸素の様なプロセスガスを効率よく解離原子状酸素を容易に生成することができる(ペニング効果)。

0069

プラズマ処理は、バッチ式で行ってもよし、コンベアー機構などを用いた処理などの連続式で行ってもよい。

0070

次に大気圧プラズマ処理を利用する場合の処理条件について説明する。大気圧プラズマ処理に用いる反応装置としては、外部電極流通管型、内部電極ベルジャー型などが挙げられる。

0071

大気圧プラズマ処理に用いる高周波電源電圧周波数は、50Hz〜2.45GHzが好ましい。また、均一なプラズマ空間を安定生成する高周波として、13.56MHzが推奨される。電極単位面積当たりの電力密度は、通常、5〜50W/cm2であり、好ましくは10〜30W/cm2であり、ある程度の高電圧で成形品を加熱するとポリマー分子の架橋反応が進み易い傾向がある。大気圧プラズマ処理の際の圧力は、500〜1300hPa(375〜975torr)の範囲であってよい。

0072

大気圧プラズマ処理に用いる電極と成形品との距離は、比較的低電圧でも所望の効果が得られ、安全性および経済性にも優れることから、好ましくは0.5〜5mmであり、より好ましくは1〜5mmである。

0073

大気圧プラズマ処理におけるガス流量は、50〜500cc/分(常圧)であってよい。より好ましくは10〜400cc/分(常圧)である。

0074

次に真空プラズマ処理を利用する場合の処理条件について説明する。真空プラズマ処理に利用する電圧周波数は、好ましくは5Hz〜15MHzである。真空プラズマ処理に用いる真空装置としては、効率がよいことから、ローターリーポンプが好ましい。真空プラズマ処理の際の圧力は、放電が安定し、十分な処理速度が得られることから、通常、0.01〜10Torr(1.3〜1330Pa)であり、好ましくは0.1〜2Torr(13.3〜266Pa)である。

0075

真空プラズマ処理におけるガス流量は、5〜50cc/分(常圧)であってよい。ガス流量は、ニードルバルブを用いて調節できる。その他の処理条件は、大気圧プラズマ処理の好適な処理条件と同様であってよい。

0076

本開示の製造方法は、上記TFE/FAVE共重合体を成形することにより、ウェハーカップを構成することとなる成形品を得る工程をさらに備えることが好ましい。また、成形品を得る工程は、プラズマ処理を行う工程の前に実施することが好ましい。

0077

上記TFE/FAVE共重合体を成形する方法としては、上記TFE/FAVE共重合体を、融点以上に加熱して溶融させ、成形する方法が使用できる。上記TFE/FAVE共重合体を成形する方法としては、特に限定されず、押出成形、射出成形、トランスファー成形インフレーション成形、圧縮成形等の公知の方法が挙げられる。これらの成形方法は、得られるウェハーカップの形状に応じて適宜選択すればよい。

0078

上記TFE/FAVE共重合体を成形する方法としては、押出成形、射出成形、トランスファー成形、インフレーション成形、圧縮成形等の公知の方法が挙げられる。これらの成形方法のなかでも、大型のウェハーカップを容易に製造できることから、射出成形が好ましい。

0079

本開示の製造方法において、射出成形により、ウェハーカップを構成することとなる成形品を得る場合には、射出成形により射出成形品を得た後、射出成形品をプラズマ処理装置に供給して、プラズマ処理を行う。なお、プラズマ処理を行う際におけるプラズマ処理方法としては、たとえば、大気圧プラズマ処理装置を用いた大気圧下でプラズマ処理を行う方法(たとえば、特開平5−309787号公報)や、アンモニアガス雰囲気下でプラズマ処理を行う方法(たとえば、三菱電線工業時報、2007年7月号、第78頁−第84頁)などが知られている。プラズマ処理装置に供給された射出成形品は、該射出成形品と放電電極との間隙にガスを導入しながら放電電極に電圧を印加して、該射出成形品の内側と放電電極との間に発生したプラズマガスにより射出成形品のウェハーを取り囲むこととなる内面をプラズマ照射処理することができる。この際には、射出成形品の内面の全面に対して、プラズマ処理を行ってもよく、射出成形品の内面の一部について、プラズマ処理を行ってもよく、また、ウェハーから飛散した水または薬液が付着する可能性がある部分について、プラズマ処理を行ってもよい。プラズマ処理は、外部電極が設置された放電容器内で行ってもよいし、誘電体放電を利用したダイレクト式であってもよいし、あるいは、プラズマ活性化したガスをジェット式に吹き出す、リモート式であってもよい。

0080

以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。

0081

つぎに本開示の実施形態について実施例をあげて説明するが、本開示はかかる実施例のみに限定されるものではない。

0082

実施例の各数値は以下の方法により測定した。

0083

(融点)
示差走査熱量計〔DSC〕を用いて10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度として求めた。

0084

(MFR)
ASTMD1238に従って、メルトインデクサー(安田精機製作所社製)を用いて、372℃、5kg荷重下で内径2.1mm、長さ8mmのノズルから10分間あたりに流出するポリマーの質量(g/10分)を求めた。

0085

(単量体単位の含有量)
各単量体単位の含有量は、19F−NMR法により測定した。

0086

(官能基数)
試料を330〜340℃にて30分間溶融し、圧縮成形して、厚さ0.25〜0.3mmのフィルムを作製する。このフィルムをフーリエ変換赤外分光分析装置〔FT−IR(商品名:1760X型、パーキンエルマー社製)により40回スキャンし、分析して赤外吸収スペクトルを得、完全にフッ素化されて官能基が存在しないベーススペクトルとの差スペクトルを得る。この差スペクトルに現れる特定の官能基の吸収ピークから、下記式(A)に従って試料における炭素原子1×106個あたりの官能基数Nを算出する。

0087

N=I×K/t (A)
I:吸光度
K:補正係数
t:フィルムの厚さ(mm)

0088

参考までに、本開示における官能基について、吸収周波数、モル吸光係数および補正係数を表2に示す。また、モル吸光係数は低分子モデル化合物のFT−IR測定データから決定したものである。

0089

0090

(対水接触角)
室温下で接触角計(協和界面科学社製のFACECNTACT−ANGLEMETERCA−D型)を使用して測定した。
プラズマ照射を行った成形品については、プラズマ照射から1日が経過した後の成形品に対し、プラズマ照射処理面の対水接触角の測定を行った。

0091

(帯電量)
チューブ状の成形品を長さ方向に沿って、半分に切断することで、長さ50mmの半割チューブとし、図2に示すように、半割チューブ60を、縦120mm×横120mm×厚さ1.5mmのグラウンド絶縁されたアルミ板70に対し、下端の高さhが70mmとなるように、角度θ=60°にて傾斜させた状態とした。そして、図2に示すように、半割チューブ60の上端の溝部に、純水をシリンジ90にて50μL/1滴の条件にて、一滴ずつ滴下し、合計10滴滴下した。
この操作により、滴下した水滴は、半割チューブ60の溝部を滑り落ちながら、摩擦帯電および剥離帯電により半割チューブ60を負に帯電させると当時に、半割チューブ60から落下する水滴は正に帯電する。アルミ板70上に落ちた正に帯電した水滴により、アルミ板70中の自由電子水滴落下面(図2中の上面)側に移動し、結果としてアルミ板70の裏面(図2中の下面)側が、静電誘導により正に帯電する。この時における、アルミ板70の裏面側の電位を、デジタル低電位測定器電機社製のKSD−3000)により測定することで、半割チューブ60の帯電量を求めることができる。すなわち、10滴の水滴の総帯電量が+Qであれば、グラウンドと絶縁されたアルミ板70は、+Qの電荷を受け取ることとなり、この時、帯電電位の絶対値は同等であることから、半割チューブ60表面の帯電量は−Qとなる。そのため、アルミ板70の電位を測定することにより、半割チューブ60の電位および帯電量を求めることができる。なお、アルミ板70の電位測定には、アルミ板70の裏面(水滴の滴下面と反対側の面)側に、アルミ板70からの距離d=10mmの位置に設置したプローブ80を使用した。
また、比較例3、実施例5については、半割チューブ60に代えて、シート状の成形品を使用して、上記と同様にして帯電量の測定を行った。
なお、本例においては、半割チューブ60、シート状の成形品について、帯電量の測定を行ったが、帯電量は、成形品形状に依存するものではないといえる。

0092

(帯電量の低下率
上記帯電量の測定結果より、下記式にしたがって、帯電量の低下率を算出した。
帯電量の低下率(%)=(帯電量/未処理品の帯電量)×100
なお、比較例1,2、実施例1〜4においては、未処理品として、比較例1の結果を使用し、比較例3、実施例5においては、未処理品として、比較例3の結果を使用した。

0093

比較例1
TFE/PPVE共重合体1(TFEとPPVEとの組成比(質量%):TFE/PPVE=96.5/3.5)、融点:308℃、MFR:2.0g/10分、官能基数6(個/C106個))をチューブ押出成形機で成形し、外径12mm、内径10mmのチューブ状成形品を得た。得られたチューブ状成形品について、物性を評価した。結果を表3に示す。

0094

比較例2
比較例1と同様にして得られたチューブ状成形品を、大気圧プラズマ処理装置の二重螺旋型電極(高周波電源13.56MHz)内に挿入し、酸素およびアルゴンの混合ガス(酸素とアルゴンの体積比(O2/Ar)が1/100)をチューブ状成形品内にガス流量300cc/分で連続的に導入し、電力密度20W/cm2の電力を印加して、3秒のプラズマ処理を行った。
プラズマ処理後のチューブ状成形品について、各種の物性を評価した。結果を表3に示す。なお、本例においては、二重螺旋型電極を使用する方法を採用したが、成形品の形状およびサイズに応じた方法を採用することができる。

0095

実施例1〜4
プラズマ処理条件を表3に記載の条件に変更した以外は、比較例2と同様にして、プラズマ処理を行い、プラズマ処理後のチューブ状成形品について、各種の物性を評価した。結果を表3に示す。

0096

比較例3
TFE/PPVE共重合体2(TFEとPPVEとの組成比(質量%):TFE/PPVE=95.5/4.5)、融点:306℃、MFR:13.0g/10分、官能基数484(個/C106個))をヒートプレス成形機で成形し、50mm角、厚さ1mmのシート状成形品を得た。得られたシート状成形品について、物性を評価した。結果を表3に示す。

0097

実施例5
比較例3と同様に得られたシート状成形品を、外部加熱手段により190℃に加熱した後、互いに平行な一対の電極を備える真空プラズマ処理装置(高周波電源13.56MHz)内に設置し、処理装置内の圧力が5.5Paに保持されるように、アンモニアガスを処理装置内にガス流量20cc/分で連続的に導入し、電力密度20W/cm2の電力を印加して、20秒のプラズマ処理を行った。
プラズマ処理後のシート状成形品について、各種の物性を評価した。結果を表3に示す。

実施例

0098

0099

10…ウェハーカップ
20…回転機構
30…ウェハースピンベース
40…ウェハー
50…ノズル

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