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図面 (16)

課題

光やミリ波レーダ透過性に優れ、車載用光学センサ防曇用や融雪用ヒータ電磁フィルム等の用途に好適に使用可能な透明導電回路基板およびその製造方法を提供する。

解決手段

一実施形態による透明回路基板10は、凹部23及び導電回路60を備える。凹部23は、透明絶縁フィルム22に設けられている。導電回路60は、凹部23に充填された導電性インク40を硬化することによって形成され、幅が0.1mm以下かつ高さが0.04mm以上である。

概要

背景

従来、フェノール樹脂ガラスエポキシ等に銅箔を貼り合わせたリジッド基板や、ポリエステルフィルムポリイミドフィルム等に銅箔を貼り合わせたフレキシブル基板の銅箔のエッチングサブトラクティブ法)や、ポリイミドフィルム等の絶縁フィルム上にめっき等により直接配線を形成する方法(アディティブ法)等により、回路形成された回路基板が一般的に用いられている。しかしながら、いずれの工法においても、高精細回路の形成と回路厚みを大きくすることは背反する課題であり、高精細でかつ厚みの大きい回路基板を製造することが困難なため、高精細な回路基板において、一定以上の導電性を確保するのが困難という問題があった。

また、透過性に優れた電磁波遮蔽シート微細共振器等のメタマテリアルなどを印刷方式によって製造する試みが進められているが(例えば特許文献1、特許文献2)、印刷形成される導体回路厚みが薄く、表皮効果の影響を受けるため、導体損を十分に抑えることが難しかった、またはめっきなどの後工程によって導体回路厚みを増大させる必要があった。

概要

光やミリ波レーダの透過性に優れ、車載用光学センサ防曇用や融雪用ヒータ電磁フィルム等の用途に好適に使用可能な透明導電回路基板およびその製造方法を提供する。一実施形態による透明回路基板10は、凹部23及び導電回路60を備える。凹部23は、透明絶縁フィルム22に設けられている。導電回路60は、凹部23に充填された導電性インク40を硬化することによって形成され、幅が0.1mm以下かつ高さが0.04mm以上である。

目的

本発明の目的は、光やミリ波レーダの透過性に優れ、車載用光学センサの防曇用や融雪用ヒータ、電磁フィルム等の用途に好適に使用可能な透明導電回路基板およびその製造方法、使用方法並びに光学センサを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

透明絶縁フィルムに設けられている凹部と、前記凹部に充填された導電性インク硬化することによって形成され、幅が0.1mm以下かつ高さが0.04mm以上の導電回路と、を備える透明導電回路基板

請求項2

前記透明絶縁フィルムは、厚みが0.1〜1mmであり、厚み方向の全光線透過率が80%以上である請求項1記載の透明導電回路基板。

請求項3

前記透明絶縁フィルムへの前記凹部の形成は、金属凸版の転写法もしくはレーザ加工法により行われている請求項1または2記載の透明導電回路基板。

請求項4

前記導電性インクは、平均粒子径1〜300nmの金属微粒子を30〜90質量%含有する金属ナノインクである請求項1から3のいずれか一項記載の透明導電回路基板。

請求項5

前記金属微粒子は、銀微粒子である請求項4記載の透明導電回路基板。

請求項6

前記導電性インクは、平均粒子径1〜300nmの金属微粒子を30〜90質量%含有する金属ナノインクに、平均粒子径0.5〜10μmの金属粉を含み、前記金属粉と前記金属微粒子との質量比は、金属粉の質量/金属微粒子の質量=0.1〜10となるように混錬して得られる金属粉ペーストである請求項1から5のいずれか一項記載の透明導電回路基板。

請求項7

前記金属粉は、銀粉である請求項6記載の透明導電回路基板。

請求項8

前記金属粉ペーストにおける総固形分は、65〜96質量%である請求項6または7記載の透明導電回路基板。

請求項9

前記導電回路は、その断面における高さTと幅Wとの比であるT/Wが、1以上である特定導電回路を有する請求項1から8のいずれか一項記載の透明導電回路基板。

請求項10

前記導電回路は、距離を3mmとした任意の二点間で測定した線抵抗値が50mΩ/mm以下である請求項1から9のいずれか一項記載の透明導電回路基板。

請求項11

前記導電回路は、透明絶縁フィルムで封止されている請求項1から10のいずれか一項記載の透明導電回路基板。

請求項12

幅が0.1mm以下かつ高さが0.04mm以上の導電回路を有する透明導電回路基板の製造方法であって、以下のA〜Cの工程を含む透明導電回路基板の製造方法。A透明絶縁フィルムに凹部を形成する工程B前記凹部に未硬化の導電性インクを充填する工程C凹部に充填した導電性インクを硬化して、導電回路を形成する工程

請求項13

前記透明絶縁フィルムへの凹部の形成は、金属凸版の転写法もしくはレーザ加工法により行われている請求項12記載の透明導電回路基板の製造方法。

請求項14

請求項1から11のいずれか一項記載の透明導電回路基板は、防曇用ヒータもしくは融雪用ヒータとして使用する透明導電回路基板の使用方法

請求項15

請求項1から11のいずれか一項記載の透明導電回路基板をヒータとして備える光学センサ

請求項16

請求項1から11のいずれか一項記載の透明導電回路基板をメタマテリアルとして備える電磁フィルムとして使用する透明導電回路基板の使用方法。

技術分野

0001

本発明は、透明導電回路基板及びその製造方法、使用方法並びに光学センサに関する。

背景技術

0002

従来、フェノール樹脂ガラスエポキシ等に銅箔を貼り合わせたリジッド基板や、ポリエステルフィルムポリイミドフィルム等に銅箔を貼り合わせたフレキシブル基板の銅箔のエッチングサブトラクティブ法)や、ポリイミドフィルム等の絶縁フィルム上にめっき等により直接配線を形成する方法(アディティブ法)等により、回路形成された回路基板が一般的に用いられている。しかしながら、いずれの工法においても、高精細回路の形成と回路厚みを大きくすることは背反する課題であり、高精細でかつ厚みの大きい回路基板を製造することが困難なため、高精細な回路基板において、一定以上の導電性を確保するのが困難という問題があった。

0003

また、透過性に優れた電磁波遮蔽シート微細共振器等のメタマテリアルなどを印刷方式によって製造する試みが進められているが(例えば特許文献1、特許文献2)、印刷形成される導体回路厚みが薄く、表皮効果の影響を受けるため、導体損を十分に抑えることが難しかった、またはめっきなどの後工程によって導体回路厚みを増大させる必要があった。

先行技術

0004

特開2002−185212号公報
特開2005−175061号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明の目的は、光やミリ波レーダの透過性に優れ、車載用光学センサの防曇用や融雪用ヒータ電磁フィルム等の用途に好適に使用可能な透明導電回路基板およびその製造方法、使用方法並びに光学センサを提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは、透明絶縁フィルムに凹部を形成する工程、前記凹部に未硬化導電性インク充填する工程、および凹部に充填した導電性インクを硬化して、導電回路を形成する工程により、透明絶縁フィルムの有する可視光レーダの透過性を損なうことなく、透明導電回路基板を製造できることを見出し、本発明を完成した。

0007

すなわち、本発明によれば、以下に示す透明導電回路基板が提供される。

0008

[1] 透明絶縁フィルムに設けられている凹部と、
前記凹部に充填された導電性インクを硬化することによって形成され、幅が0.1mm以下かつ高さが0.04mm以上の導電回路と、
を備える透明導電回路基板。
[2] 前記透明絶縁フィルムは、厚みが0.1〜1mmであり、厚み方向の全光線透過率が80%以上である[1]記載の透明導電回路基板。
[3] 前記透明絶縁フィルムへの凹部の形成は、金属凸版の転写法もしくはレーザ加工法により行われている[1]または[2]記載の透明導電回路基板。
[4] 前記導電性インクは、平均粒子径1〜300nmの金属微粒子を30〜90質量%含有する金属ナノインクである[1]から[3]のいずれか一つ記載の透明導電回路基板。
[5] 前記金属微粒子は、銀微粒子である[4]記載の透明導電回路基板。
[6] 前記導電性インクは、
平均粒子径1〜300nmの金属微粒子を30〜90質量%含有する金属ナノインクに、平均粒子径0.5〜10μmの金属粉を含み、
前記金属粉と前記金属微粒子との質量比は、金属粉の質量/金属微粒子の質量=0.1〜10となるように混錬して得られる金属粉ペーストである[1]から[5]のいずれか一つ記載の透明導電回路基板。
[7] 前記金属粉は、銀粉である[6]記載の透明導電回路基板。
[8] 前記金属粉ペーストにおける総固形分は、65〜96質量%である[6]または[7]記載の透明導電回路基板。
[9] 前記導電回路は、その断面における高さTと幅Wとの比であるT/Wが、1以上である特定導電回路を有する[1]から[8]のいずれか一つ記載の透明導電回路基板。
[10] 前記導電回路は、距離を3mmとした任意の二点間で測定した線抵抗値が50mΩ/mm以下である[1]から[9]のいずれか一つ記載の透明導電回路基板。
[11] 前記導電回路は、透明絶縁フィルムで封止されている[1]から[10]のいずれか一つ記載の透明導電回路基板。

0009

また、本発明によると、以下に示す透明導電回路基板の製造方法が提供される。
[12] 幅が0.1mm以下かつ高さが0.04mm以上の導電回路を有する透明導電回路基板の製造方法であって、以下のA〜Cの工程を含む透明導電回路基板の製造方法。
A 透明絶縁フィルムに凹部を形成する工程
B 前記凹部に未硬化の導電性インクを充填する工程
C 凹部に充填した導電性インクを硬化して、導電回路を形成する工程
[13] 前記透明絶縁フィルムへの凹部の形成は、金属凸版の転写法もしくはレーザ加工法により行われている[12]記載の透明導電回路基板の製造方法。

0010

[14] [1]から[11]のいずれか一つ記載の透明導電回路基板は、防曇用ヒータもしくは融雪用ヒータとして使用する透明導電回路基板の使用方法。
[15] [1]から[11]のいずれか一つ記載の透明導電回路基板をヒータとして備える光学センサ。
[16] [1]から[11]のいずれか一つ記載の透明導電回路基板をメタマテリアルとして備える電磁フィルムとして使用する透明導電回路基板の使用方法。

図面の簡単な説明

0011

一実施形態による透明導電回路基板の一例を示した模式的な平面図
図1のII−II線における断面図
凸版金型による透明絶縁フィルムへの凹部の形成についての一例を示す模式図
レーザによる透明絶縁フィルムへの凹部の形成についての一例を示す模式図
一実施形態による透明絶縁フィルムに形成された断面が矩形の凹部の一部を拡大した模式図
一実施形態による透明絶縁フィルムに形成された断面が台形の凹部の一部を拡大した模式図
スキージング法を用いて透明絶縁フィルムに形成された凹部へ導電性インクを充填する例を示す模式図
往復するスキージング法を用いて透明絶縁フィルムに形成された凹部へ導電性インクを充填する例を示す模式的
一実施形態による透明絶縁フィルムに形成された凹部に導電性インクを充填した状態を示す模式図
一実施形態による透明絶縁フィルムに形成された凹部に導電性インクを充填した状態を示す模式図
一実施形態による透明絶縁フィルムに形成された凹部に導電性インクを充填した状態を示す模式図
一実施形態による透明導電回路基板を透明絶縁フィルムでカバーした例を示す模式図
図12のXIII−XIII線で切断した断面を示す模式図
図12のXIV−XIV線で切断した断面を示す模式図
凸型金型の一例を示す模式的な平面図

実施例

0012

以下、一実施形態による透明導電回路基板およびその製造方法について、詳細に説明する。

0013

一実施形態による透明導電回路基板10は、図1及び図2に示すように透明絶縁フィルム22、凹部23及び導電回路60を備える。透明導電回路基板10は、透明絶縁フィルム22に凹部23を形成する工程、凹部23に未硬化の導電性インク40を充填する工程、および凹部23に充填した導電性インク40を硬化して、導電回路60を形成する工程により製造される。

0014

一実施形態による透明導電回路基板10に使用する透明絶縁フィルム22としては、導電性インク40を充填する凹部23が形成可能であり、可視光やレーダ等を透過し、必要な絶縁性を有するプラスチックフィルムであれば、任意のプラスチックフィルムが使用可能である。また、透明絶縁フィルム22は、凹部23の形成を後述の金属凸版の転写法で容易に行うことができるという観点から、熱可塑性のプラスチックフィルムであることが好ましい。具体的には、透明絶縁フィルム22は、ポリカーボネートアクリル樹脂ポリオレフィンポリシクロオレフィンポリエステルポリアミドポリイミド等のプラスチックフィルムが挙げられ、優れた透明性、強度、絶縁性、凹部23の形成しやすさ及び経済性の観点から、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリシクロオレフィンのいずれかを用いることが好ましい。

0015

導電回路60を形成する透明絶縁フィルム22の厚みは、導電回路60の高さに合わせて任意の厚みのフィルムが使用可能であるが、好ましくは0.1〜1mm、より好ましくは0.12〜0.7mm、更に好ましくは0.15〜0.5mm、特に好ましくは0.2〜0.4mmである。透明絶縁フィルム22の厚みが0.1mm未満の場合は、透明導電回路基板10の強度が低下するとともに、形成される凹部23の深さが小さくなり、得られる導電回路60の高さが小さくなって必要な導電性を有する導電回路60が得難くなる。透明絶縁フィルム22の厚みが1mmよりも大きい場合は、得られる透明導電回路基板10の剛性が大きくなり、成形加工が行い難くなる。

0016

一実施形態の透明導電回路基板10に使用する透明絶縁フィルム22には無色透明のフィルムが好適に用いられ、全光線透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。

0017

透明絶縁フィルム22の絶縁性は、回路基板の絶縁部として十分な絶縁性を示すことができれば良く、その体積抵抗率が1×1010Ωcm以上であることが好ましく、1×1011Ωcm以上であることがより好ましい。

0018

一実施形態では、透明絶縁フィルム22に形成した凹部23に未硬化の導電性インク40を充填し、導電性インク40を硬化することで導電回路60を形成する。凹部23の形成は金属凸版の転写法、レーザ加工法等、任意の方法が可能である。

0019

図3に金属凸版31の転写法による凹部23の形成の一例を示す。予め凸形状が形成された金属凸版31を準備して、金属凸版31の凸部が形成された側が透明絶縁フィルム21と接するように透明絶縁フィルム21と重ね合わせて加熱加圧する。これにより、透明絶縁フィルム21に凹部23を形成する。その結果、凹部23が形成された透明絶縁フィルム22が得られる。この方法による場合、必要とする凹部23の形状を考慮して、金属凸版31の凸部の形状を形成しておく。また、金属凸版31の作成は、金属板切削加工、エッチング及び電鋳等の任意の方法により行うことが可能である。

0020

図4は、レーザ加工法による凹部23の形成の一例を示す。この方法の場合は、透明絶縁フィルム21にレーザ光32を照射することにより、透明絶縁フィルム21を貫く導電回路60に相当する形状の溝が形成される。溝が形成された透明絶縁フィルム21は、片方の面に、別の透明絶縁フィルム21が加熱加圧もしくは接着剤等の手段により貼り合わせられる。これにより、凹部23が形成された透明絶縁フィルム22が得られる。この場合、レーザとしては、固体レーザ半導体レーザ炭酸ガスレーザエキシマレーザ等の任意のレーザを用いることが可能である。

0021

導電回路60の形状は、凹部23の形状により概ね決定される。本実施形態の場合、透明導電回路基板10は、幅0.1mm以下かつ高さが0.04mm以上の導電回路60を有する。このことから、透明絶縁フィルム22の凹部23は幅が概ね0.1mm以下で深さが0.04mm以上の部分を含むように形成される。

0022

透明絶縁フィルム21に形成される凹部23の形状は、導電性インク40を充填し硬化した後に、所定の線幅で目的とする導電性を示す導電回路60が形成できれば任意の形状とすることができる。この場合、凹部23は、形成のしやすさや導電性インク40の充填のしやすさから、その断面形状が図5に示すような矩形や図6に示すような台形であることが好ましい。

0023

凹部23が形成された透明絶縁フィルム22は、未硬化の導電性インク40が充填される。導電性インク40としては、硬化後に得られる導電回路60に所定の導電性を与えるものであれば任意の導電性インクを用いることが可能であり、金属ペースト、金属ナノインク、カーボンナノチューブ(CNTインク等が挙げられる。本実施形態の場合、導電性インク40は、金属ナノインクであることが好ましい。金属ナノインクとは、平均粒子径が1〜300nm、好ましくは5〜100nmの金属微粒子を、30〜90質量%、好ましくは50〜80質量%を、バインダ樹脂溶液に分散させた導電性インクである。金属ナノインクに含まれる金属微粒子の種類としては、銀微粒子や銅微粒子等、導電性を発現する金属微粒子が用いられ、導電性や耐蝕性の観点から銀微粒子を用いた銀ナノインクであることが好ましい。銀ナノインクを用いることで、硬化後に得られる導電回路60の良好な導電性が得やすくなるとともに、導電回路60の経時的な色調の変化を抑制することができる。

0024

導電性インク40の他の好ましい形態としては、金属ナノインクに、金属粉を含むことが好ましい。具体的には、導電性インク40は、金属粉と金属微粒子とを含んでいる。金属粉は、平均粒子径が0.5〜10μmであり、好ましくは平均粒子径が1〜5μmである。金属微粒子は、平均粒子径が1〜300nmである。そして、これら金属粉と金属微粒子とは、重量比で金属粉の重量/金属微粒子の重量=0.1〜10、より好ましくは0.2〜8である。このように、導電性インク40は、金属ナノインクに所定の割合で金属粉を混錬することによって、ペースト状として得られる。平均粒子径が0.5〜10μmの金属粉としては、銀粉や銅粉等、導電性を発現する金属粉が用いられ、安定した導電性や耐蝕性の観点から銀粉を用いることが好ましい。

0025

金属ナノインクと平均粒子径が0.5〜10μmの金属粉との混錬は、プロペラ型撹拌器回転型撹拌器、振動型撹拌器、ロールミル超音波分散機、フーバ式マーラ等を単独もしくはそれらを組み合わせた任意の方法で行い、金属粉ペーストとすることが可能である。また、金属ナノインクと金属粉とを混錬して得られる導電性インク40は、粘度調整、金属微粒子や金属粉の分散性向上、硬化後の導電回路の導電性や強度の確保のため、溶剤界面活性剤バインダ樹脂等の添加を行うこともできる。

0026

金属ナノインクや金属粉ペースト等の導電性インク40は、透明絶縁フィルム22の凹部23に充填される。この導電性インク40を凹部23に充填する方法は任意である。例えば、図7に示すようにスクリーン印刷におけるスキージングのように、透明絶縁フィルム22の凹部23以外の箇所の導電性インク40をスキージ50でかきとりながら、凹部23に導電性インク40を選択的に充填させるスキージング法を用いることができる。また、ドクタリング法を用いてもよい。スキージング法により凹部23に導電性インク40を充填させる場合、図7に示すように一方向のスキージングにより充填させても良いが、図8に示すように一方向へのスキージングにより凹部23に導電性インク40を充填させた後、逆方向にスキージングを行うことで凹部23に充填された導電性インク40を残したまま、凹部23以外の部分に残った導電性インク40をかき取って取り除くこともできる。

0027

透明絶縁フィルム22の凹部23に充填された未硬化の導電性インク40は、硬化されることによって導電回路60となる。導電性インク40の硬化方法は、熱硬化光硬化光焼成マイクロ波焼成等導電性インクの性質に合わせて適宜採用することができる。なお、ここでいう硬化とは、導電性インク40を構成するバインダ樹脂等の重合架橋等の化学反応を伴うものだけではなく、例えば溶剤の揮発による導電性インク中の固形分成分固化等のように重合や架橋といった化学反応を伴わない導電性インクの流動性が失われて導電回路60として使用可能に固形化されるプロセスを全て包含しており、金属微粒子や金属粉が融着する場合も含まれる。

0028

透明絶縁フィルム22の凹部23への導電性インク40の充填及び硬化は、それぞれ1回ずつの工程で一度に導電回路60を形成しても良く、導電性インク40を凹部23の一部充填して硬化を行い、さらに充填と硬化を繰り返すなど、それぞれを2回以上繰り返し行っても差し支えない。

0029

このように、透明絶縁フィルム21への凹部23の形成、導電性インク40の凹部23への充填、充填された導電性インク40の硬化による導電回路60の形成により、目的とする一実施形態による透明導電回路基板10が得られる。

0030

透明導電回路基板10は、幅が0.1mm以下かつ高さが0.04mm以上、好ましくは幅が0.08mm以下かつ高さが0.05mm以上、より好ましくは幅が0.06mm以下かつ高さが0.06mm以上の導電回路60を有する。導電回路60の幅を0.1mm以下かつ高さを0.04mm以上とすることで、導電回路60による光やミリ波レーダ透過の阻害への影響を小さくし、目視で導電回路60を認識し難くなることで透明導電回路基板10を具備したデバイス意匠性を良くしつつ、導電回路60として必要な導電性を確保することが可能となる。また、導電回路60の幅の下限や高さの上限は、透明導電回路基板10として必要な導電性の観点に加えて、透明絶縁フィルム22への凹部23の形成のしやすさや導電性インク40の充填のしやすさ等の観点から、幅については好ましくは0.01mm以上、より好ましくは0.02mm以上であり、高さについては好ましくは0.3mm以下、より好ましくは0.2mm以下である。そして、導電回路60の高さTと幅Wとの比であるT/Wは1以上であることが、導電回路60による光やミリ波レーダ透過の阻害への影響を小さくし、目視で導電回路60を認識し難くなることで透明導電回路基板10を具備したデバイスの意匠性を良くしつつ、導電回路60として必要な導電性を確保することが可能となるという観点からより好ましい。導電回路60の形状は透明絶縁フィルム22の凹部23の形状が反映されるが、導電回路60は、図9のように上端が凹部23の開口端部と一致しているだけではなく、図10のように上端が凹部23の開口端部よりも低く凹部23を満たしていない状態、または図11のように上端が凹部23からはみ出している状態であっても、所定の幅や高さが確保できていれば差し支えない。なお、本実施形態において、導電回路60の幅とは導電回路60の断面における最大幅を意味しており、導電回路60の高さとは導電回路60の断面における最大高さを意味している。

0031

透明導電回路基板10の導電回路60は、良好な導電性を示す。導電回路60の抵抗値は、好ましくは50mΩ/mm以下、より好ましくは30mΩ/mm以下、さらに好ましくは10mΩ/mm以下である。抵抗値が50mΩ/mm以下と良好な導電性を示すことで、ヒータ等の回路基板として導電回路60に電気を安定して流すことができる。

0032

透明導電回路基板10は、例えばヒータとして使用する場合、図12に示すように導電回路60の一部に外部との電気的な接続を取るために端子部71を設けてもよい。端子部71を設ける場合、外部との電気的接続を確保することができれば、端子部71の幅や高さは任意に設定することができる。

0033

透明導電回路基板10は、透明絶縁フィルム22の凹部23に導電性インク40を充填及び硬化することで製造される。この場合、導電回路60は、図12図14に示すように保護を目的に更に透明絶縁フィルム21で導電回路60を覆ってもよい。この場合、導電回路60を覆う透明絶縁フィルム21は、端子部71における外部との接続を確保するために、予め開口部72が設けられている。

0034

上記方法により得られた透明導電回路基板10は、光やミリ波等のレーダの透過性を維持したまま、電気信号の伝達やヒータ用の回路として使用可能であり、更には使用される透明絶縁フィルム22の性状により、熱成形加工を行うことも可能であって、多くの用途に使用することが可能である。

0035

例えば、自動車等に搭載される光学カメラとともにヒータとして使用することで、光学カメラの防曇用に使用することが可能である。また、自動車のエンブレム部等に搭載されたミリ波センサとともにヒータとして使用することで、融雪用ヒータとしても使用することができる。

0036

一実施形態による透明導電回路基板10の製造方法では、低抵抗導電性材料からなる単位素子を、ミリ波やテラ波といったエネルギー波波長に比べ十分小さい間隔、かつ高アスペクト矩形形状で並べることが可能である。これにより、導体素子の幅、隣接する導体素子の間隔、誘電体基板比誘電率等を目的の波長に応じて変えることで、簡便な方法でメタマテリアルパターンを配することができる。そのため、電磁波吸収遮へい、またはプリズム材フィルムとして用いることができる。

0037

また、透明導電回路基板10は、導電回路60が透明絶縁フィルム22の凹部23に埋め込まれた構造体である。そのため、透明絶縁フィルム21、透明絶縁フィルム22もしくは別に作成した透明導電回路基板10を熱プレス等により積層複合化することで、3次元メタマテリアルを一体形成することも容易である。

0038

以下、透明導電回路基板10の実施例を具体的に説明する。なお、以下の実施例は、理解を容易にするためのものであり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0039

<導電回路の幅および高さの測定>
深度カラーD形測定顕微鏡(株式会社キーエンス社製、VK−9500)を用いて、導電回路60の幅および高さを求めた。

0040

<導電回路の抵抗値の測定>
半導体パラメータアナライザーケースレーインスツルメンツ社製、MODEL4200)を用いて、4端子法にて、二点間距離3mm、印加電流0.1Aの条件で、導電回路60の二点間抵抗値を求めた。

0041

光線透過率の測定>
分光色彩計(コニカミノルタ株式会社製、CM−5)を用いて、ASTME 1164に基づき、光源C視野2°の条件で、透明絶縁フィルム22の光線透過率を求めた。

0042

(実施例1)
図15に示すように、幅100mm、長さ100mm、厚さ0.15mmのニッケル板の片面に、電鋳法で幅0.055mm、高さ0.15mmの凸部が形成された金属凸版31を準備した。次に、透明絶縁フィルム21として、光線透過率が95%であり、幅100mm、長さ100mmで厚み0.3mmのポリカーボネートフィルムPCフィルム)を準備した。これら金属凸版31の凸部とPCフィルムとが接するように重ね合わせ、重ね合わせた金属凸版31とPCフィルムとを2枚のステンレス製鏡面板の間に挟み込んだ。この状態で真空熱プレス装置を用いて170℃、3MPaの圧力で3分加熱加圧して、金属凸版31の凸部の形状をPCフィルムに転写した。これにより、透明絶縁フィルム22であるPCフィルムは、幅0.055mm、深さ0.15mmの矩形断面形状を有する凹部23が形成された。

0043

次に、導電性インク40として、バインダ樹脂溶液中に、平均粒子径35nmの銀微粒子が60質量%分散された銀ナノインクを準備した。準備した導電性インク40は、印刷装置日本電子精機株式会社製)を用いて、凹部23が形成された透明絶縁フィルム22上で一往復スキージングして、透明絶縁フィルム22の凹部23に充填した。導電性インク40は、凹部23に充填した後、150℃で15分の条件で硬化を行った。この操作を計3回繰り返し行って、透明絶縁フィルム22であるPCフィルムの凹部23に導電回路60が形成された透明導電回路基板10を得た。得られた導電回路60の幅は0.055mmで高さは0.15mmであった。作成した透明導電回路基板10の導電回路60の任意の二点間距離3mmでの抵抗値は、10mΩ/mm未満と良好な導電性を示した。

0044

(実施例2)
幅150mm、長さ150mm、厚さ0.3mmのニッケル板の片面に、電鋳法で底部の幅0.06mm、頂部の幅0.05mm、高さ0.1mmの断面形状が台形の凸部を形成した金属凸版31を準備した。次に、透明絶縁フィルム21として、光線透過率が95%であり、幅150mm、長さ150mmで厚み0.3mmのPCフィルムを準備した。これら金属凸版31の凸部とPCフィルムとが接するように重ね合わせ、重ね合わせた金属凸版31とPCフィルムとを2枚のステンレス製の鏡面板の間に挟み込んだ。この状態で真空熱プレス装置を用いて170℃、3MPaの圧力で3分加熱加圧して、金属凸版31の凸部の形状をPCフィルムに転写した。これにより、透明絶縁フィルム22であるPCフィルムは、底部の幅0.05mm、開口部の幅0.06mm、深さ0.1mmの台形断面形状を有する凹部23が形成された。

0045

次に、実施例1と同様の方法を用いて、導電性インク40の充填、硬化を2回繰り返して、透明絶縁フィルム21であるPCフィルムの凹部23に導電回路60が形成された透明導電回路基板10を得た。得られた導電回路60は、幅が0.06mm、高さが0.1mmの台形形状であった。また、透明導電回路基板10の導電回路60の任意の二点間距離3mmでの抵抗値は、10mΩ/mm未満と良好な導電性を示した。

0046

(実施例3)
実施例1と同様の手順により、光線透過率95%であり、厚さ0.3mmのPCフィルムに、幅0.055mm、深さ0.15mmの矩形断面形状を有する凹部23を形成した。

0047

次に、実施例1で用いた銀微粒子を60質量%含有する銀ナノインクを「1重量部」に対して、平均粒子径2μmの銀粉を「4重量部」を添加し、フーバ式マーラを用いて十分に混錬した。これにより、導電性インク40として、平均粒子径35nmの銀微粒子と平均粒子径2μmの銀粉とが、銀粉/銀微粒子=6.67の重量比で含まれる銀ペーストを作成した。

0048

次に、印刷装置(日本電子精機株式会社製)を用いて、得られた導電性インク40を実施例1と同様に凹部23が形成されたPCフィルム上で一往復スキージングして、PCフィルムの凹部23に導電性インク40を充填した。その後、170℃で60分の条件で凹部23に充填された導電性インク40を硬化して、透明絶縁フィルム22であるPCフィルムの凹部23に導電回路60が形成された透明導電回路基板10を得た。得られた透明導電回路基板10の任意の二点間距離3mmでの抵抗値は、10mΩ/mm未満と良好な導電性を示した。

0049

(実施例4)
幅100mm、長さ100mm、厚さ0.15mmのニッケル板の片面に、電鋳法で幅0.055mm、高さ0.06mmの凸部が形成された金属凸版31を準備した。次に、透明絶縁フィルム21として、光線透過率が95%であり、幅100mm、長さ100mmで厚み0.3mmのPCフィルムを準備した。これら金属凸版31の凸部とPCフィルムとが接するように重ね合わせ、重ね合わせた金属凸版31とPCフィルムとを2枚のステンレス製の鏡面板の間に挟み込んだ。この状態で真空熱プレス装置を用いて170℃、3MPaの圧力で3分加熱加圧して、金属凸版31の凸部の形状をPCフィルムに転写した。これにより、透明絶縁フィルム22であるPCフィルムは、幅0.055mm、深さ0.06mmの矩形断面形状を有する凹部23が形成された。

0050

その後、導電性インク40として実施例3で作成した銀ペーストを用いて、実施例3と同様にPCフィルムの凹部23への導電性インク40の充填及び硬化を1回ずつ行い、透明絶縁フィルム22であるPCフィルムの凹部23に導電回路60が形成された透明導電回路基板10を得た。得られた透明導電回路基板10の任意の二点間距離3mmでの抵抗値は、10〜20mΩ/mmと良好な導電性を示した。

0051

(実施例5)
実施例5では、銀微粒子を60質量%含有する銀ナノインクを「1重量部」に対して、平均粒子径2μmの銀粉を「1重量部」を添加し、フーバ式マーラを用いて十分に混錬した。これにより、導電性インク40として、平均粒子径35nmの銀微粒子と平均粒子径2μmの銀粉とが、銀粉/銀微粒子=1.67の重量比で含まれる銀ペーストを作成した。実施例5では、導電性インク40以外は、実施例3と同様に設定した。
その結果、得られた透明導電回路基板10の任意の二点間距離3mmでの抵抗値は、10mΩ/mm未満と良好な導電性を示した。

0052

(比較例1)
線径25μmのスクリーンメッシュに幅0.06mm、長さ50mmの開口部が形成されたスクリーン製版を用いて、スクリーン印刷法により厚さ0.3mmのPCフィルム上に、実施例1で使用した導電性インク40でパターンを形成した。導電性インク40を150℃、15分の条件で硬化させて、導電回路60を形成した。得られた導電回路60は、スクリーン印刷時のパターンににじみ出しが見られた。この導電回路60は、幅が0.065mmであり、高さが0.01mmと非常に低いものであった。二点間距離3mmで測定した導電回路60の抵抗値は、約100mΩ/mmであった。このように、比較例1は、上述の実施例の透明導電回路基板10の導電回路60と比べて、導電性に劣るものであった。

0053

図面中、10は透明導電回路基板、21、22は透明絶縁フィルム、23は凹部、31は金属凸版、32はレーザ光、40は導電性インク、50はスキージ、60は導電回路、
71は端子部、72は開口部を示す。

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