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課題
解決手段
概要
背景
概要
遠隔指示に従って走行する自動運転車両が予め決められた記録対象状況になったときに遠隔指示の結果を記録することができる車両遠隔指示システムを提供する。自動運転車両の状況に応じて遠隔オペレータが自動運転車両の走行に関する遠隔指示を行う車両遠隔指示システムであって、遠隔オペレータが自動運転車両に対して遠隔指示を行った場合に、自動運転車両の車載センサの検出情報に基づいて、遠隔指示に従って走行する自動運転車両が予め決められた記録対象状況になったか否かを判定する記録対象状況判定部と、記録対象状況判定部により自動運転車両が記録対象状況となったと判定された場合に、遠隔指示の結果として自動運転車両の位置情報を記録する遠隔指示結果記録部と、を備える。
目的
効果
実績
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この技術が所属する分野
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請求項1
自動運転車両の状況に応じて遠隔オペレータが前記自動運転車両の走行に関する遠隔指示を行う車両遠隔指示システムであって、前記遠隔オペレータが前記自動運転車両に対して前記遠隔指示を行った場合に、前記自動運転車両の車載センサの検出情報に基づいて、前記遠隔指示に従って走行する前記自動運転車両が予め決められた記録対象状況になったか否かを判定する記録対象状況判定部と、前記記録対象状況判定部により前記自動運転車両が前記記録対象状況となったと判定された場合に、前記遠隔指示の結果として前記自動運転車両の位置情報を記録する遠隔指示結果記録部と、を備える、車両遠隔指示システム。
請求項2
前記記録対象状況判定部は、前記遠隔指示に従って走行する前記自動運転車両が緊急ブレーキを作動させた場合、前記自動運転車両が前記記録対象状況になったと判定する、請求項1に記載の車両遠隔指示システム。
請求項3
前記遠隔指示結果記録部は、前記記録対象状況判定部により前記自動運転車両が前記記録対象状況となったと判定された場合に、前記遠隔指示の結果として前記自動運転車両の位置情報及び前記自動運転車両の前記車載センサの検出情報を関連付けて記録する、請求項1又は2に記載の車両遠隔指示システム。
請求項4
前記遠隔指示結果記録部は、前記記録対象状況判定部により前記自動運転車両が前記記録対象状況となったと判定された場合に、前記遠隔指示の結果として前記自動運転車両の位置情報及び前記遠隔オペレータの識別情報を関連付けて記録する、請求項1又は2に記載の車両遠隔指示システム。
請求項5
前記遠隔指示結果記録部は、前記遠隔指示が緊急退避である場合には、前記記録対象状況判定部の判定結果に関わらず、前記遠隔指示の結果を記録しない、請求項4に記載の車両遠隔指示システム。
技術分野
0001
本発明は、車両遠隔指示システムに関する。
背景技術
0002
従来、車両遠隔指示システムに関する技術文献として、特開2018—140755号公報が知られている。この公報には、遠隔オペレータによるステアリングホイールの操舵量が自動運転車両に送信されることで自動運転車両の操舵系が遠隔オペレータの操舵量に応じて操舵される遠隔操縦が示されている。
先行技術
0003
特開2018—140755号公報
発明が解決しようとする課題
0004
ところで、上述したような遠隔操縦ではなく、自動運転車両が人間の判断を必要とするような場合に、遠隔オペレータが進行等の遠隔指示を出し、自動運転車両は遠隔指示に従って自動で走行するシステムが考えられている。この場合、遠隔オペレータは遠隔操縦と異なり遠隔指示の結果を必ず把握できるわけではないため、遠隔指示に従って走行する自動運転車両が記録を残すべき状況(例えば緊急ブレーキを作動させたような状況)になったときには記録を残せることが望ましい。
課題を解決するための手段
0005
本発明の一態様は、自動運転車両の状況に応じて遠隔オペレータが自動運転車両の走行に関する遠隔指示を行う車両遠隔指示システムであって、遠隔オペレータが自動運転車両に対して遠隔指示を行った場合に、自動運転車両の車載センサの検出情報に基づいて、遠隔指示に従って走行する自動運転車両が予め決められた記録対象状況になったか否かを判定する記録対象状況判定部と、記録対象状況判定部により自動運転車両が記録対象状況となったと判定された場合に、遠隔指示の結果として自動運転車両の位置情報を記録する遠隔指示結果記録部と、を備える。
0006
本発明の一態様に係る車両遠隔指示システムによれば、遠隔指示に従って走行する自動運転車両が予め決められた記録対象状況になったと判定された場合に、自動運転車両の位置情報を遠隔指示の結果として記録することができる。
0007
本発明の一態様に係る車両遠隔指示システムにおいて、記録対象状況判定部は、遠隔指示に従って走行する自動運転車両が緊急ブレーキを作動させた場合、自動運転車両が記録対象状況になったと判定してもよい。
この車両遠隔指示システムによれば、遠隔指示に従って走行する自動運転車両が緊急ブレーキを作動させた場合に自動運転車両が記録対象状況になったと判定して自動運転車両の位置情報を記録することができる。
0008
本発明の一態様に係る車両遠隔指示システムにおいて、遠隔指示結果記録部は、記録対象状況判定部により自動運転車両が記録対象状況となったと判定された場合に、遠隔指示の結果として自動運転車両の位置情報及び自動運転車両の車載センサの検出情報を関連付けて記録してもよい。
この車両遠隔指示システムによれば、自動運転車両が記録対象状況となったと判定された場合に、自動運転車両の位置情報及び自動運転車両の車載センサの検出情報を関連付けて記録するので、遠隔指示の結果をより詳細に記録に残すことができる。
0009
本発明の一態様に係る車両遠隔指示システムにおいて、遠隔指示結果記録部は、記録対象状況判定部により自動運転車両が記録対象状況となったと判定された場合に、自動運転車両の位置情報及び遠隔オペレータの識別情報を関連付けて記録してもよい。
この車両遠隔指示システムによれば、自動運転車両が記録対象状況となったと判定された場合に、遠隔指示の結果として自動運転車両の位置情報及び遠隔オペレータの識別情報を関連付けて記録することができる。その結果、この車両遠隔指示システムによれば、遠隔指示の結果を遠隔オペレータにフィードバックすることが可能となり、遠隔指示の結果を遠隔オペレータの技能向上に用いることもできる。
0010
本発明の一態様に係る車両遠隔指示システムにおいて、遠隔指示結果記録部は、遠隔指示が緊急退避である場合には、記録対象状況判定部の判定結果に関わらず、遠隔指示の結果を記録しなくてもよい。
この車両遠隔指示システムによれば、遠隔指示が緊急退避である場合には、自動運転車両が通常と異なる記録対象状況になる可能性を遠隔オペレータが認識していることが多いと考えられることから、遠隔指示の結果を記録しないことで遠隔オペレータにフィードバック不要な情報まで記録することを避けることができる。
発明の効果
0011
本発明の一態様に係る車両遠隔指示システムによれば、遠隔指示に従って走行する自動運転車両が予め決められた記録対象状況になったときに遠隔指示の結果を記録することができる。
図面の簡単な説明
0012
一実施形態に係る車両遠隔指示システムの全体像を示す図である。
自動運転車両の構成の一例を示すブロック図である。
遠隔指示サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
遠隔指示装置の構成の一例を示すブロック図である。
(a)自動運転車両が記録対象状況になる前の一例を示す平面図である。(b)自動運転車両が記録対象状況になった場合の一例を示す平面図である。
(a)遠隔指示要求処理の一例を示すフローチャートである。(b)遠隔指示送信処理の一例を示すフローチャートである。
(a)遠隔指示結果記録処理の一例を示すフローチャートである。(b)記録対象状況判定処理の一例を示すフローチャートである。
実施例
0013
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
0014
図1は、一実施形態に係る車両遠隔指示システムの全体像を示す図である。図1に示す車両遠隔指示システム100は、遠隔オペレータRにより自動運転車両2に対する遠隔指示を行うシステムである。遠隔指示とは、自動運転車両2の走行の判断に関する遠隔オペレータRの指示である。
0015
遠隔指示には、交差点の右折開始の指示、信号機付き交差点の進入開始の指示、見通しの悪い交差点の進入開始の指示、車線変更の開始の指示、前方の障害物に対するオフセット回避の開始の指示、緊急退避のうち少なくとも一つが含まれる。車両の右側通行の国又は地域の場合には、交差点の右折開始の指示に代えて交差点の左折開始の指示とすることができる。見通しの悪い交差点とは、交差点の進入時に壁等によって交差する道路の状況を視認しにくい交差点である。見通しの悪い交差点は、例えば地図情報に予め登録されている。見通しの悪い交差点となるか否かは、交差点に対する自動運転車両2の進入方向に応じて決められてもよい。
0016
前方の障害物に対するオフセット回避とは、例えば道路端に寄って停車している停車車両が自動運転車両2の前方に存在する場合において、停車車両を避けるために隣接車線又は対向車線に自動運転車両2が一時的にはみ出すようにオフセットする走行である。この場合における停車車両は四輪車両に限られず二輪車であってもよい。前方の障害物は、自転車、パーソナルモビリティ、歩行者等であってもよく、移動中であってもよい。緊急退避とは、自動運転車両2を道路の路肩等の退避スペースに自動で退避させる制御である。退避スペースは、例えば地図上に予め設定されている。遠隔オペレータRは、例えば自動運転車両2の異常を認識した場合又は乗員の異常を認識した場合等に緊急退避の遠隔指示を選択する。
0017
その他、遠隔指示には、駐車状態であった自動運転車両2の発進に対する指示が含まれてもよい。遠隔指示には、停車状態であった自動運転車両2の周囲に歩行者等が検出された場合における自動運転車両2の発進に対する指示が含まれていてもよい。遠隔指示には、自動運転車両2に対する乗員の乗り降りに関する指示(例えばドアの自動開閉の指示、降車の音声案内開始の指示)が含まれていてもよい。
0018
[車両遠隔指示システムの構成]
図1に示すように、車両遠隔指示システム100は、遠隔オペレータRが遠隔指示を入力する遠隔指示装置1を備えている。遠隔指示装置1は、ネットワークNを介して複数の自動運転車両2と通信可能に接続されている。ネットワークNは無線通信ネットワークである。遠隔指示装置1には、自動運転車両2から各種の情報が送られる。
0019
車両遠隔指示システム100では、例えば自動運転車両2からの遠隔指示要求に応じて、遠隔オペレータRに遠隔指示の入力が要求される。遠隔オペレータRは、遠隔指示装置1のオペレータインターフェース3に遠隔指示を入力する。遠隔指示装置1は、ネットワークNを通じて自動運転車両2に遠隔指示を送信する。自動運転車両2は、遠隔指示に従って自動で走行する。遠隔指示装置1は、一定条件下で遠隔指示に従った自動運転車両2の走行の結果を取得し、遠隔指示結果データベース4に記録させる。
0020
なお、車両遠隔指示システム100において遠隔オペレータRの人数は限定されず、一人であってもよく、二人以上であってもよい。車両遠隔指示システム100と通信可能な自動運転車両2の台数も特に限定されない。複数人の遠隔オペレータRが交替して一台の自動運転車両2に対する遠隔指示を行う態様であってもよく、一人の遠隔オペレータRが二台以上の自動運転車両2に対して遠隔指示を行う態様であってもよい。
0021
〈自動運転車両の構成〉
まず、自動運転車両2の構成の一例について説明する。図2は、自動運転車両2の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、自動運転車両2は、一例として、自動運転ECU20を有している。自動運転ECU20は、CPU、ROM、RAM等を有する電子制御ユニットである。自動運転ECU20では、例えば、ROMに記録されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。自動運転ECU20は、複数の電子ユニットから構成されていてもよい。
0022
自動運転ECU20は、GPS[Global Positioning System]受信部21、外部センサ22(車載センサ)、内部センサ23(車載センサ)、地図データベース24、通信部25、及び、アクチュエータ26と接続されている。
0023
GPS受信部21は、3個以上のGPS衛星から信号を受信することにより、自動運転車両2の位置(例えば自動運転車両2の緯度及び経度)を測定する。GPS受信部21は、測定した自動運転車両2の位置情報を自動運転ECU20へ送信する。
0024
外部センサ22は、自動運転車両2の外部環境を検出する車載センサである。外部センサ22は、カメラを少なくとも含む。カメラは、自動運転車両2の外部環境を撮像する撮像機器である。カメラは、例えば自動運転車両2のフロントガラスの裏側に設けられ、車両前方を撮像する。カメラは、自動運転車両2の外部環境に関する撮像情報を自動運転ECU20へ送信する。カメラは、単眼カメラであってもよく、ステレオカメラであってもよい。カメラは、複数台設けられていてもよく、自動運転車両2の前方の他、左右の側方及び後方を撮像してもよい。自動運転車両2には、遠隔オペレータ向けの外部カメラが備え付けられていてもよい。遠隔オペレータ向けの外部カメラは少なくとも自動運転車両2の前方を撮像している。遠隔オペレータ向けの外部カメラは、自動運転車両2の側方及び後方を含む周囲を撮像する複数のカメラから構成されていてもよい。
0025
外部センサ22は、レーダセンサを含んでもよい。レーダセンサは、電波(例えばミリ波)又は光を利用して自動運転車両2の周辺の物体を検出する検出機器である。レーダセンサには、例えば、ミリ波レーダ又はライダー[LIDAR:Light Detection and Ranging]が含まれる。レーダセンサは、電波又は光を自動運転車両2の周辺に送信し、物体で反射された電波又は光を受信することで物体を検出する。レーダセンサは、検出した物体情報を自動運転ECU20へ送信する。物体には、ガードレール、建物等の固定物体の他、歩行者、自転車、他車両等の移動物体が含まれる。また、外部センサ22は、自動運転車両2の外部の音を検出する音検出センサを含んでもよい。
0026
内部センサ23は、自動運転車両2の走行状態を検出する車載センサである。内部センサ23は、車速センサ、加速度センサ、及びヨーレートセンサを含んでいる。車速センサは、自動運転車両2の速度を検出する検出器である。車速センサとしては、自動運転車両2の車輪又は車輪と一体に回転するドライブシャフト等に対して設けられ、各車輪の回転速度を検出する車輪速センサを用いることができる。車速センサは、検出した車速情報(車輪速情報)を自動運転ECU20に送信する。
0027
加速度センサは、自動運転車両2の加速度を検出する検出器である。加速度センサは、例えば、自動運転車両2の前後方向の加速度を検出する前後加速度センサを含んでいる.加速度センサは、自動運転車両2の横加速度を検出する横加速度センサを含んでいてもよい。加速度センサは、例えば、自動運転車両2の加速度情報を自動運転ECU20に送信する。ヨーレートセンサは、自動運転車両2の重心の鉛直軸周りのヨーレート(回転角速度)を検出する検出器である。ヨーレートセンサとしては、例えばジャイロセンサを用いることができる。ヨーレートセンサは、検出した自動運転車両2のヨーレート情報を自動運転ECU20へ送信する。
0028
地図データベース24は、地図情報を記録するデータベースである。地図データベース24は、例えば、自動運転車両2に搭載されたHDD等の記録装置内に形成されている。地図情報には、道路の位置情報、道路形状の情報(例えば曲率情報)、交差点及び分岐点の位置情報等が含まれる。地図情報には、位置情報と関連付けられた法定速度等の交通規制情報が含まれていてもよい。地図情報には、自動運転車両2の位置情報の取得に用いられる物標情報が含まれていてもよい。物標としては、道路標識、路面標示、信号機、電柱等を用いることができる。地図データベース24は、自動運転車両2と通信可能なサーバに構成されていてもよい。サーバは遠隔指示サーバ10に限らない。
0030
アクチュエータ26は、自動運転車両2の制御に用いられる機器である。アクチュエータ26は、駆動アクチュエータ、ブレーキアクチュエータ、及び操舵アクチュエータを少なくとも含む。駆動アクチュエータは、自動運転ECU20からの制御信号に応じてエンジンに対する空気の供給量(スロットル開度)を制御し、自動運転車両2の駆動力を制御する。なお、自動運転車両2がハイブリッド車である場合には、エンジンに対する空気の供給量の他に、動力源としてのモータに自動運転ECU20からの制御信号が入力されて当該駆動力が制御される。自動運転車両2が電気自動車である場合には、動力源としてのモータに自動運転ECU20からの制御信号が入力されて当該駆動力が制御される。これらの場合における動力源としてのモータは、アクチュエータ26を構成する。
0031
ブレーキアクチュエータは、自動運転ECU20からの制御信号に応じてブレーキシステムを制御し、自動運転車両2の車輪へ付与する制動力を制御する。ブレーキシステムとしては、例えば、液圧ブレーキシステムを用いることができる。操舵アクチュエータは、電動パワーステアリングシステムのうち操舵トルクを制御するアシストモータの駆動を自動運転ECU20からの制御信号に応じて制御する。これにより、操舵アクチュエータは、自動運転車両2の操舵トルクを制御する。
0032
次に、自動運転ECU20の機能的構成の一例について説明する。自動運転ECU20は、車両位置取得部31、外部環境認識部32、走行状態認識部33、遠隔指示要求判定部34、進路生成部35、自動運転制御部36、及び緊急ブレーキ判定部37を有している。
0033
車両位置取得部31は、GPS受信部21の位置情報及び地図データベース24の地図情報に基づいて、自動運転車両2の位置情報を取得する。また、車両位置取得部31は、地図データベース24の地図情報に含まれた物標情報及び外部センサ22の検出結果を利用して、SLAM[Simultaneous Localization and Mapping]技術により自動運転車両2の位置情報を取得してもよい。車両位置取得部31は、車線の区画線と自動運転車両2の位置関係から、車線に対する自動運転車両2の横位置(車線幅方向における自動運転車両2の位置)を認識して位置情報に含めてもよい。車両位置取得部31は、その他、周知の手法により自動運転車両2の位置情報を取得してもよい。
0034
外部環境認識部32は、外部センサ22の検出結果に基づいて、自動運転車両2の外部環境を認識する。外部環境には、自動運転車両2に対する周囲の物体の相対位置が含まれる。外部環境には、自動運転車両2に対する周囲の物体の相対速度及び移動方向が含まれていてもよい。外部環境には、他車両、歩行者、自転車等の物体の種類が含まれてもよい。物体の種類は、パターンマッチング等の周知の手法により識別することができる。外部環境には、自動運転車両2の周囲の区画線認識(白線認識)の結果が含まれていてもよい。外部環境には、信号機の点灯状態の認識結果が含まれていてもよい。外部環境認識部32は、例えば、外部センサ22のカメラの画像に基づいて、自動運転車両2の前方の信号機の点灯状態(通過可能な点灯状態であるか、通過禁止の点灯状態であるか等)を認識できる。
0035
走行状態認識部33は、内部センサ23の検出結果に基づいて、自動運転車両2の走行状態を認識する。走行状態には、自動運転車両2の車速、自動運転車両2の加速度、自動運転車両2のヨーレートが含まれる。具体的に、走行状態認識部33は、車速センサの車速情報に基づいて、自動運転車両2の車速を認識する。走行状態認識部33は、加速度センサの車速情報に基づいて、自動運転車両2の加速度を認識する。走行状態認識部33は、ヨーレートセンサのヨーレート情報に基づいて、自動運転車両2の向きを認識する。
0036
遠隔指示要求判定部34は、遠隔オペレータRに遠隔指示を要求すべきか否かを判定する。遠隔指示要求判定部34は、車両位置取得部31の取得した自動運転車両2の位置情報及び地図データベース24の地図情報と、外部環境認識部32の認識した外部環境と、後述する進路生成部35の生成した進路とのうち少なくとも一つに基づいて、遠隔指示を要求すべきか否かを判定する。
0037
遠隔指示要求判定部34は、自動運転車両2が予め設定された遠隔指示を要求すべき状況になった場合に、遠隔指示を要求すべきと判定する。遠隔指示要求判定部34は、例えば、自動運転車両2が交差点を右折する状況になった場合、遠隔指示を要求すべきと判定する。遠隔指示要求判定部34は、自動運転車両2が信号機付き交差点又は見通しの悪い交差点に進入する状況になった場合に、遠隔指示を要求すべきと判定してもよい。遠隔指示要求判定部34は、自動運転車両2が目的地に至るために車線変更を開始する状況になった場合に、遠隔指示を要求すべきと判定してもよい。遠隔指示要求判定部34は、自動運転車両2の前方にオフセット回避すべき障害物が存在する場合に、遠隔指示を要求すべきと判定してもよい。
0038
遠隔指示要求判定部34は、例えば、自動運転車両2の位置情報、地図情報、及び進路から、自動運転車両2が交差点を右折する状況になったこと、自動運転車両2が信号機付き交差点に進入する状況になったこと、又は自動運転車両2が車線変更を開始する状況になったことを認識できる。また、遠隔指示要求判定部34は、自動運転車両2の外部環境に基づいて、自動運転車両2の前方にオフセット回避すべき障害物が存在することを認識できる。
0039
遠隔指示要求判定部34は、遠隔指示を要求すべきと判定した場合、遠隔指示サーバ10に対して遠隔オペレータRによる遠隔指示を要求する。遠隔指示の要求には、例えば自動運転車両2の識別情報が含まれる。なお、遠隔指示要求判定部34は、予め余裕をもって遠隔指示を要求してもよい。遠隔指示要求判定部34は、遠隔指示の対象となる交差点等と自動運転車両2との距離が一定距離以下になった場合に、遠隔指示を要求すべきと判定してもよい。距離ではなく到達残り時間を用いてもよい。
0040
遠隔指示要求判定部34は、遠隔指示を要求すべきと判定した場合、自動運転車両2の走行状況情報を遠隔指示サーバ10に送信する。自動運転車両2の走行状況情報には、遠隔オペレータRが自動運転車両2の状況を認識するための情報が含まれる。
0041
具体的に、自動運転車両2の走行状況情報には、自動運転車両2の位置情報及び自動運転車両2の車載センサの検出情報が含まれる。車載センサの検出情報には、外部センサ22のカメラの画像が含まれる。車載センサの検出情報には、例えば自動運転車両2のカメラの撮像した自動運転車両2の前方の画像が含まれてもよい。車載センサの検出情報には、自動運転車両2の側方及び後方を含む自動運転車両2の周囲の画像が含まれていてもよい。また、車載センサの検出情報には、外部センサ22のレーダセンサの検出した物体情報が含まれてもよい。車載センサの検出情報には、物体の種類の識別結果が含まれてもよい。遠隔指示要求判定部34は、車載センサの検出情報として外部環境認識部32の認識した自動運転車両2の外部環境の情報を用いてもよい。
0042
また、車載センサの検出情報には、内部センサ23の車速センサの検出した自動運転車両2の車速の情報が含まれていてもよい。車載センサの検出情報には、内部センサ23のヨーレートセンサの検出した自動運転車両2のヨーレートの情報が含まれていてもよい。車載センサの検出情報には、自動運転車両2の操舵角の情報が含まれていてもよい。遠隔指示要求判定部34は、車載センサの検出情報として走行状態認識部33の認識した自動運転車両2の走行状態の情報を用いてもよい。
0043
更に、自動運転車両2の走行状況情報には、乗員に関する情報(乗員の有無、乗員の人数)が含まれてもよい。自動運転車両2の走行状況情報には、遠隔オペレータRの選択可能な遠隔指示に応じた進路の情報が含まれてもよい。進路については後述する。
0044
なお、自動運転ECU20は、遠隔指示を要求すべきか否かの判定結果にかかわらず、予め設定されたタイミングで自動運転車両2の走行状況情報を遠隔指示サーバ10に送信する態様であってもよい。予め設定されたタイミングは、一定時間毎であってもよく、地図上の道路のノード毎であってもよく、横断歩道接近時、交差点接近時等のイベント毎であってもよい。
0045
進路生成部35は、自動運転車両2の自動運転に利用される進路[trajectory]を生成する。進路生成部35は、予め設定された走行ルート、地図情報、自動運転車両2の位置情報、自動運転車両2の外部環境、及び自動運転車両2の走行状態に基づいて、自動運転の進路を生成する。
0046
走行ルートとは、自動運転において自動運転車両2が走行するルートである。進路生成部35は、例えば目的地、地図情報、及び自動運転車両2の位置情報に基づいて、自動運転の走行ルートを求める。走行ルートは、周知のナビゲーションシステムによって設定されてもよい。目的地は自動運転車両2の乗員によって設定されてもよく、自動運転ECU20又はナビゲーションシステム等が自動的に提案してもよい。
0047
進路には、自動運転で車両が走行する経路[path]と自動運転における車速プロファイルとが含まれる。経路は、走行ルート上において自動運転中の車両が走行する予定の軌跡である。経路は、例えば走行ルート上の位置に応じた自動運転車両2の操舵角変化のデータ(操舵角プロファイル)とすることができる。走行ルート上の位置とは、例えば走行ルートの進行方向において所定間隔(例えば1m)毎に設定された設定縦位置である。操舵角プロファイルとは、設定縦位置毎に目標操舵角が関連付けられたデータとなる。
0048
進路生成部35は、例えば走行ルート、地図情報、自動運転車両2の外部環境、及び自動運転車両2の走行状態に基づいて、自動運転車両2が走行する経路を生成する。進路生成部35は、例えば自動運転車両2が走行ルートに含まれる車線の中央(車線幅方向における中央)を通るように経路を生成する。
0049
車速プロファイルは、例えば設定縦位置毎に目標車速が関連付けられたデータである。なお、設定縦位置は、距離ではなく自動運転車両2の走行時間を基準として設定されてもよい。設定縦位置は、車両の1秒後の到達位置、車両の2秒後の到達位置として設定されていてもよい。
0050
進路生成部35は、例えば経路と地図情報に含まれる法定速度等の交通規制情報に基づいて車速プロファイルを生成する。法定速度に代えて、地図上の位置又は区間に対して予め設定された設定速度を用いてもよい。進路生成部35は、経路及び車速プロファイルから自動運転の進路を生成する。なお、進路生成部35における進路の生成方法は上述した内容に限定されず、自動運転に関する周知の手法を採用することができる。進路の内容についても同様である。
0051
進路生成部35は、遠隔指示要求判定部34により遠隔指示サーバ10に対して遠隔指示が要求された場合、遠隔指示に応じた進路を予め生成する。自動運転車両2の状況に応じて、遠隔指示の内容は予め決められている。例えば交差点の右折時における遠隔指示の内容には、右折開始(進行)の遠隔指示及び待機の遠隔指示が含まれる。交差点の右折時における遠隔指示の内容には、右折をやめて直進の遠隔指示が含まれてもよく、緊急退避の遠隔指示が含まれてもよい。
0052
進路生成部35は、例えば、自動運転車両2が交差点を右折する状況において、右折開始の遠隔指示に対応するように、自動運転車両2が交差点を右折する進路を生成する。進路生成部35は、遠隔指示を受信するまでの間、外部環境の変化に応じて進路を更新してもよい。また、進路生成部35は、交差点の右折から交差点の直進に切り換える遠隔指示が存在する場合には、交差点を直進する進路を予め生成してもよい。
0053
進路生成部35は、緊急退避の遠隔指示が存在する場合には、緊急退避用の進路を予め生成してもよい。緊急退避用の進路は、地図上に予め設定された退避スペースの何れかに自動運転車両2を停車させるように生成される。進路生成部35は、例えば外部環境に基づいて各退避スペース上の障害物の有無を認識し、空いている退避スペースに停車するように緊急退避用の進路を生成する。なお、進路生成部35は、必ずしも進路を予め生成する必要はなく、遠隔指示を受信してから遠隔指示に対応する進路を生成してもよい。
0054
自動運転制御部36は、自動運転車両2の自動運転を実行する。自動運転制御部36は、例えば自動運転車両2の外部環境、自動運転車両2の走行状態、及び進路生成部35の生成した進路に基づいて、自動運転車両2の自動運転を実行する。自動運転制御部36は、アクチュエータ26に制御信号を送信することで、自動運転車両2の自動運転を行う。
0055
自動運転制御部36は、遠隔指示要求判定部34により遠隔指示サーバ10に対して遠隔指示が要求された場合、遠隔指示サーバ10からの遠隔指示の受信を待つ。自動運転制御部36は、自動運転車両2が停車してから遠隔指示を要求した場合、遠隔指示を受信するまで停車状態を維持する。
0056
自動運転制御部36は、運転免許を有する乗員が乗車している場合において、予め設定された待機時間が経過しても遠隔指示を受信しないときには、当該乗員による判断又は手動運転を求めてもよい。自動運転制御部36は、待機時間が経過しても遠隔指示を受信せず、乗員による判断又は手動運転も不能な場合には、自動で緊急退避を行ってもよい。
0057
緊急ブレーキ判定部37は、自動運転車両2の外部環境又は外部センサ22の検出結果(カメラの画像及び/又はレーダセンサの物体情報)に基づいて、緊急ブレーキの要否を判定する。緊急ブレーキ判定部37は、例えば自動運転車両2の前方の障害物と自動運転車両2との衝突余裕時間[TTC: TimeTo Collision]がTTC閾値未満となった場合に、緊急ブレーキが必要と判定する。TTC閾値は予め設定された値の閾値である。なお、衝突余裕時間に代えて車間時間[THW : Time Headway]を用いてもよく、自動運転車両2と障害物との距離を用いてもよい。
0058
緊急ブレーキ判定部37は、緊急ブレーキが必要と判定した場合、ブレーキアクチュエータに制御信号を送信して緊急ブレーキを実行する。緊急ブレーキの判定は、自動運転機能とは独立して実行される。緊急ブレーキ判定部37は、自動運転ECU20とは異なる電子ユニットに形成されてもよい。緊急ブレーキは、いわゆるPCS[Pre-Crash Safety]システムにおいて実行されてもよい。
0059
〈遠隔指示装置の構成〉
以下、本実施形態に係る遠隔指示装置1の構成について図面を参照して説明する。図1に示すように、遠隔指示装置1は、遠隔指示サーバ10、オペレータインターフェース3、遠隔指示結果データベース4を有している。
0060
まず、遠隔指示サーバ10のハードウェア構成について説明する。図3は、遠隔指示サーバ10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、遠隔指示サーバ10は、プロセッサ10a、記録部10b、通信部10c及びユーザインターフェース10dを備えた一般的なコンピュータとして構成されている。
0061
プロセッサ10aは、各種オペレーティングシステムを動作させて遠隔指示サーバ10を制御する。プロセッサ10aは、制御装置、演算装置、レジスタ等を含むCPU[Central Processing Unit]等の演算器である。プロセッサ10aは、記録部10b、通信部10c及びユーザインターフェース10dを統括する。記録部10bは、メモリ及びストレージのうち少なくとも一方を含んで構成されている。メモリは、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]等の記録媒体である。ストレージは、HDD[Hard Disk Drive]等の記録媒体である。
0062
通信部10cは、ネットワークNを介した通信を行うための通信機器である。通信部10cには、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード等を用いることができる。ユーザインターフェース10dは、管理者等のユーザに対する遠隔指示サーバ10の入出力部である。ユーザインターフェース10dは、ディスプレイ、スピーカ等の出力器、及び、タッチパネル等の入力器を含む。なお、遠隔指示サーバ10は、必ずしも施設に設けられている必要はなく、車両等の移動体に搭載されていてもよい。
0063
図4は、遠隔指示装置1の構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、オペレータインターフェース3は、遠隔オペレータRに対する遠隔指示装置1の入出力部である。オペレータインターフェース3は、出力部3a及び指示入力部3bを有している。
0065
ディスプレイには、例えば、自動運転車両2のカメラが撮像した自動運転車両2の前方の画像(前方の景色の画像)が表示される。ディスプレイは、複数の表示画面を有していてもよく、自動運転車両2の側方及び/又は後方の画像が表示されてもよい。ディスプレイは、遠隔オペレータRに視覚情報を提供できる構成であれば特に限定されない。ディスプレイは、遠隔オペレータRの目を覆うように装着されるウェアラブルデバイスであってもよい。
0066
スピーカは、例えば遠隔オペレータRの頭に装着されるヘッドセットスピーカである。スピーカは、例えば、自動運転車両2の状況(例えば交差点の右折時である等の状況)を音声により遠隔オペレータRに伝える。スピーカは、必ずしもヘッドセットである必要はなく、設置型であってもよい。
0067
出力部3aは、振動によって遠隔オペレータRに情報を提供してもよい。出力部3aは、例えば遠隔オペレータRのシートに設けられた振動アクチュエータを有してもよい。出力部3aは、自動運転車両2に対する他車両の接近等を振動によって遠隔オペレータRに注意喚起してもよい。出力部3aは、シートの左右それぞれに振動アクチュエータを有しており、他車両の接近方向等に応じた位置の振動アクチュエータを振動させてもよい。なお、出力部3aは、遠隔オペレータRの体に装着するウェアラブル型の振動アクチュエータを有していてもよい。出力部3aは、体の各位置に装着された振動アクチュエータを他車両の接近方向等に応じて振動させることで遠隔オペレータRに情報提供を行うことができる。
0068
指示入力部3bは、遠隔オペレータRにより遠隔指示が入力される機器である。指示入力部3bは、例えば操作レバーを有している。指示入力部3bでは、例えば、操作レバーを遠隔オペレータRの前後方向の奥側に倒すことで自動運転車両2を進行させる遠隔指示が入力され、操作レバーを遠隔オペレータRの前後方向の手前側に倒すことで自動運転車両2の減速又は停車の遠隔指示が入力される。
0069
指示入力部3bは、ボタンを有していてもよく、遠隔オペレータRがボタンを押しながら操作レバーを倒すことで遠隔指示が入力されてもよい。指示入力部3bは、タッチパネルを有していてもよい。タッチパネルは出力部3aのディスプレイと共通であってもよい。指示入力部3bは、操作ペダルを有していてもよい。
0070
指示入力部3bは、音声認識の機能を有していてもよく、ジェスチャー認識の機能を有していてもよい。遠隔オペレータRのジェスチャーは、オペレータインターフェース3に搭載されたカメラ及び/又はレーダセンサ等によって認識できる。指示入力部3bでは、操作レバーの操作、ボタンの操作、タッチパネルの操作、操作ペダルの操作、音声入力、ジェスチャーのうち二つ以上を組み合わせることで遠隔指示を入力可能としてもよい。
0071
遠隔指示結果データベース4は、遠隔指示の結果が記録されるデータベースである。遠隔指示の結果には、自動運転車両2の位置情報が少なくとも含まれる。遠隔指示の結果には、自動運転車両2の車載センサの検出情報が含まれてもよい。自動運転車両2の構成について後述する。遠隔指示の結果には、遠隔オペレータRの識別情報が含まれてもよい。遠隔指示結果データベース4は、必ずしも遠隔指示装置1が有する必要はなく、異なる施設のサーバ等に形成されていてもよい。
0072
次に、遠隔指示サーバ10の機能的構成について説明する。図4に示すように、遠隔指示サーバ10は、遠隔指示要求受信部11、情報提供部12、遠隔指示送信部13、記録対象状況判定部14、及び遠隔指示結果記録部15を有している。
0073
遠隔指示要求受信部11は、自動運転車両2が遠隔指示サーバ10に遠隔指示を要求した場合に、遠隔指示の要求を受信する。また、遠隔指示要求受信部11は、自動運転車両2からの送信により、遠隔指示を要求した自動運転車両2の走行状況情報を取得する。なお、遠隔指示要求受信部11は、遠隔指示を要求していない自動運転車両2の走行状況情報を取得してもよい。
0074
情報提供部12は、遠隔オペレータRに対する各種の情報提供を行う。情報提供部12は、遠隔指示要求受信部11が遠隔指示の要求を受信した場合、オペレータインターフェース3を介して担当する遠隔オペレータRに遠隔指示の入力を要求する。
0075
また、情報提供部12は、遠隔指示要求受信部11の取得した自動運転車両2の走行状況情報に基づいて、遠隔オペレータRに自動運転車両2の情報を提供する。情報提供部12は、例えばオペレータインターフェース3の出力部3aのディスプレイに自動運転車両2の前方の画像を表示する。情報提供部12は、視点変換により自動運転車両2の運転席付近から見た画像をに表示してもよい。情報提供部12は、自動運転車両2の側方及び後方の画像を表示してもよい。情報提供部12は、自動運転車両2の周囲を撮像した画像を合成したパノラマ画像を表示してもよく、画像合成及び視点変換により自動運転車両2を見下ろすように生成された俯瞰画像を表示してもよい。情報提供部12は、画像中の物体の強調表示(例えば他車両等を枠で囲む表示)を行ってもよい。情報提供部12は、画像中に信号機が含まれる場合には、信号機の点灯状態の認識結果をディスプレイに表示してもよい。
0076
情報提供部12は、自動運転車両2のカメラが撮像した画像に限らず、様々な情報をディスプレイに表示してもよい。情報提供部12は、遠隔指示を要求した自動運転車両2の状況(交差点の右折時、障害物のオフセット回避時等の状況)をテキスト又はアイコン等を用いて表示してもよい。情報提供部12は、遠隔オペレータRが選択できる遠隔指示の種類(進行、待機等)をディスプレイに表示してもよい。情報提供部12は、遠隔指示に応じた自動運転車両2の進路に関する情報(進行の遠隔指示に対応する自動運転車両2進行する軌跡等)をディスプレイに表示してもよい。
0077
情報提供部12は、自動運転車両2のレーダセンサが検出した物体の情報を表示してもよい。物体の情報は俯瞰画像中にアイコンとして表示されてもよい。物体の種類が識別されている場合には、物体の種類に応じたアイコン表示がなされてもよい。情報提供部12は、自動運転車両2の位置情報に基づいて取得した自動運転車両2の周囲の地図情報をディスプレイに表示してもよい。地図情報は、遠隔指示サーバ10が有していてもよく、他のサーバ等から取得してもよい。自動運転車両2の周囲の地図情報は自動運転車両2から取得してもよい。
0078
情報提供部12は、自動運転車両2の位置情報に基づいて取得した道路交通情報をディスプレイに表示してもよい。道路交通情報には、渋滞発生区間、工事区間情報、事故位置情報等のうち少なくとも一つが含まれる。道路交通情報は、例えば交通情報センターから取得できる。
0079
情報提供部12は、自動運転車両2の車速の情報をディスプレイに表示してもよく、自動運転車両2の操舵角の情報をディスプレイに表示してもよい。情報提供部12は、自動運転車両2の位置する道路の勾配の情報をディスプレイに表示してもよい。情報提供部12は、自動運転車両2が車室内カメラを有している場合、必要に応じて自動運転車両2の車室内の画像を表示してもよい。情報提供部12は、自動運転車両2における乗員の乗車状況及び/又は荷物の積載状況をディスプレイに表示してもよい。
0080
情報提供部12は、オペレータインターフェース3の出力部3aのスピーカにより音情報を遠隔オペレータRに提供する。情報提供部12は、自動運転車両2の状況(交差点の右折時、障害物のオフセット回避時等)を音声としてスピーカから出力してもよい。情報提供部12は、自動運転車両2の周囲の他車両等の接近を音又は音声としてスピーカから出力してもよい。情報提供部12は、自動運転車両2の周囲の音(雑音)をそのままスピーカから出力してもよい。情報提供部12は、必要に応じて車室内の乗員の音声をスピーカから出力してもよい。なお、スピーカによる情報提供は必須ではない。
0081
その他、情報提供部12は、出力部3aが振動アクチュエータを有している場合、振動により遠隔オペレータRに情報提供を行ってもよい。この場合、情報提供部12は、例えば、自動運転車両2に対する他車両の接近方向、歩行者の存在する方向等の注意すべき方向に応じた位置の振動アクチュエータを振動させることで遠隔オペレータRに情報提供(注意喚起)を行うことができる。
0082
遠隔指示送信部13は、遠隔オペレータRがオペレータインターフェース3の指示入力部3bに入力した場合、遠隔指示を自動運転車両2に送信する。情報提供部12は、遠隔オペレータRが入力した遠隔指示を自動運転車両2に送信した場合、自動運転車両2の情報を続けて遠隔オペレータRに伝えてもよく、遠隔指示を要求する別の自動運転車両2の情報に切り換えてもよい。
0083
遠隔指示送信部13は、遠隔指示を自動運転車両2に送信した場合、遠隔指示に従って走行する自動運転車両2の走行結果情報を取得する。走行結果情報には、自動運転車両2の位置情報及び自動運転車両2の車載センサの検出情報が含まれる。走行結果情報には、緊急ブレーキの作動の有無に関する情報が含まれてもよい。走行結果情報は、上述した走行状況情報と同様の情報とすることができる。
0084
記録対象状況判定部14は、自動運転車両2の走行結果情報(自動運転車両2の車載センサの検出情報)に基づいて、遠隔指示に従って走行する自動運転車両2が予め決められた記録対象状況になったか否かを判定する。記録対象状況とは、遠隔指示の結果を記録する対象となる自動運転車両2の状況である。
0085
記録対象状況判定部14は、例えば遠隔指示に従って走行する自動運転車両2の緊急ブレーキが作動した場合、自動運転車両2が記録対象状況になったと判定する。ここで、図5(a)は、自動運転車両2が記録対象状況になる前の一例を示す平面図である。図5(b)は、自動運転車両2が記録対象状況になったときの一例を示す平面図である。
0086
図5(a)に、十字路の交差点T、自動運転車両2の対向車N1及びN2を示す。交差点Tの信号機は通過可能な点灯状態(例えば青色の点灯状態)である。自動運転中の自動運転車両2は、交差点Tで右折を開始するため、遠隔指示装置1の遠隔指示サーバ10に遠隔指示を要求する。図5(a)に示す状況において、対向車N2は、対向車N1の存在により自動運転車両2から見て死角に位置している。また、対向車N1は、自動運転車両2が右折のウインカーを見て減速している。ここで、遠隔オペレータRは、対向車N2の存在を認識せずに、自動運転車両2の進行(右折開始)の遠隔指示を入力したものとする。
0087
続いて、図5(b)に示す状況において、遠隔オペレータRの遠隔指示に従って右折する自動運転車両2は対向車N2の急接近により緊急ブレーキを作動させて停止する。このように、記録対象状況判定部14は、遠隔指示に従って走行する自動運転車両2の緊急ブレーキが作動した場合、自動運転車両2が記録対象状況になったと判定する。なお、情報提供部12は、遠隔指示に従って走行する自動運転車両2が記録対象状況になったと判定された場合、遠隔オペレータRに通知を行ってもよい。
0088
記録対象状況判定部14は、緊急ブレーキは作動していないが、遠隔指示に従って走行する自動運転車両2の近傍に歩行者等の障害物を検出した場合、自動運転車両2が記録対象状況になったと判定してもよい。或いは、記録対象状況判定部14は、遠隔指示に従って走行する自動運転車両2の軌跡の近傍に歩行者等の障害物を検出した場合、自動運転車両2が記録対象状況になったと判定してもよい。近傍とは、自動運転車両2から一定距離内の範囲である。一定距離は特に限定されず、0.5mであっても、1mであっても、2mであってもよい。
0089
記録対象状況判定部14は、信号機付きの交差点の進入時又は信号機付きの交差点の右折開始時に遠隔オペレータRが進行開始の遠隔指示を入力した場合であって、画像による信号機の点灯状態の認識結果が通過禁止の点灯状態であるとき、自動運転車両2が記録対象状況になったと判定してもよい。
0090
記録対象状況判定部14は、信号機付きの交差点の進入時又は交差点の右折開始時に遠隔オペレータRが進行開始の遠隔指示を入力した場合であって、交差点通過後の進入先の道路に他車両が詰まっている等により、交差点内又は交差点通過直後の横断歩道上で自動運転車両2が停止した場合、自動運転車両2が記録対象状況になったと判定してもよい。
0091
記録対象状況判定部14は、交差点内に進入した自動運転車両2による交差点の右折開始時において遠隔オペレータRが待機の遠隔指示を入力した場合であって、一定時間が経過しても進行の遠隔指示が入力されないとき、自動運転車両2が記録対象状況になったと判定してもよい。一定時間は特に限定されず、3分であっても、5分であってもよい。なお、停止又は指示保留の遠隔指示は、遠隔オペレータRが所定時間経過しても遠隔指示を入力しない場合に自動で送信されてもよい。
0092
記録対象状況判定部14は、前方の障害物に対するオフセット回避時に遠隔オペレータRが進行開始の遠隔指示を入力した場合であって、オフセットにより自動運転車両2がはみ出す隣接車線上で接近する後続車が検出されたとき、自動運転車両2が記録対象状況になったと判定してもよい。後続車は、例えばブラインドスポットモニター[BSM : Blind spot monitor]に反応が生じたときに検出されたとすることができる。記録対象状況判定部14は、前方の停止車両に対するオフセット回避時に遠隔オペレータRが進行開始の遠隔指示を入力した場合であって、停止車両が発進してオフセット回避が不要となったとき、自動運転車両2が記録対象状況になったと判定してもよい。
0093
記録対象状況判定部14は、見通しの悪い交差点の進入時に遠隔オペレータRが進行開始の遠隔指示を入力した場合であって、自動運転車両2の進行方向と交差する他車両が検出されたとき、自動運転車両2が記録対象状況になったと判定してもよい。自動運転車両2の進行方向と交差する他車両は、例えばフロントクロストラフィックアラート[FCTA : Front Cross Traffic Alert]が反応したときに検出されたとすることができる。
0094
記録対象状況判定部14は、見通しの悪い交差点の進入時に遠隔オペレータRが待機の遠隔指示を入力した場合であって、一定時間が経過しても進行の遠隔指示が入力されないとき、自動運転車両2が記録対象状況になったと判定してもよい。記録対象状況判定部14は、見通しの悪い交差点の進入時に遠隔オペレータRが待機の遠隔指示を入力した場合であって、後方の他車両からホーンで警告されたとき、自動運転車両2が記録対象状況になったと判定してもよい。ホーンの警告は、自動運転車両2に外部の音を検出する音検出センサが搭載されている場合に検出できる。また、後方の他車両からの警告として、パッシングを検出してもよい。
0095
なお、記録対象状況判定部14は、信号機付きの交差点の進入時、交差点の右折開始時においても、後方の他車両からの警告されたときには、自動運転車両2が記録対象状況になったと判定してもよい。また、記録対象状況判定部14は、自動運転車両2の走行結果情報に加えて、道路上に設置された路面カメラの撮像画像(自動運転車両2が含まれる画像)に基づいて、自動運転車両2が記録対象状況になったか否かを判定してもよい。記録対象状況判定部14は、自動運転車両2の走行結果情報に加えて、他の車両のカメラの画像(自動運転車両2が含まれる画像)に基づいて、自動運転車両2が記録対象状況になったか否かを判定してもよい。
0096
遠隔指示結果記録部15は、記録対象状況判定部14により自動運転車両2が記録対象状況になったと判定された場合、遠隔指示の結果を記録する。遠隔指示結果記録部15は、遠隔指示結果データベース4に遠隔指示の結果を記録する。
0097
遠隔指示結果記録部15は、遠隔指示の結果として、遠隔指示に従って走行する自動運転車両2の位置情報を記録する。記録対象は、遠隔指示に従って走行する自動運転車両2の位置情報の一部であってもよい。
0098
遠隔指示結果記録部15は、遠隔指示の結果として、自動運転車両2の位置情報と関連付けて自動運転車両2の車載センサの検出情報を記録してもよい。遠隔指示結果記録部15は、遠隔指示の結果として、自動運転車両2の位置情報と関連付けて遠隔オペレータRの識別情報を記録してもよい。遠隔オペレータRの識別情報は、遠隔オペレータRを個別に識別可能な情報であれば特に限定されない。遠隔オペレータRの識別情報は番号であってもよい。遠隔指示結果記録部15は、遠隔指示の結果として、自動運転車両2の位置情報、自動運転車両2の車載センサの検出情報、遠隔オペレータRの識別情報の全てを関連付けて記録してもよい。
0099
記録対象となる自動運転車両2の車載センサの検出情報には、例えば自動運転車両2のカメラの画像が含まれる。遠隔指示結果記録部15は、画像内に信号機が含まれる場合、記録対象となる検出情報として画像内の信号機の点灯状態の認識結果を含めてもよい。遠隔指示結果記録部15は、緊急ブレーキの作動により自動運転車両2が記録対象状況と判定された場合には、緊急ブレーキの作動に関する車載センサの検出情報(カメラの画像及び/又はレーダセンサの物体情報)を判定結果に含めてもよい。カメラの画像は自動運転車両2の前方だけではなく、後方の画像を含めてもよく、側方の画像を含めてもよい。レーダセンサの物体情報も自動運転車両2の前方だけではなく、後方を含めてもよく、側方を含めてもよい。
0100
なお、遠隔指示結果記録部15は、自動運転車両2が記録対象状況になったと判定されたときの遠隔指示の結果を記録してもよく、遠隔オペレータRの遠隔指示を受信した後から自動運転車両2が記録対象状況になったと判定されるまでの間の遠隔指示の結果を複数記録してもよい。遠隔指示の結果の記録時間は任意に設定することができる。
0101
その他、遠隔指示結果記録部15は、自動運転車両2の車種、仕様等の車両情報を遠隔指示の結果に関連付けて記録してもよい。遠隔指示結果記録部15は、自動運転車両2の識別情報を遠隔指示の結果に関連付けて記録してもよい。なお、遠隔指示結果記録部15は、遠隔指示が緊急退避である場合には、記録対象状況判定部14による判定結果に関わらず、遠隔指示の結果を記録しなくてもよい。
0102
[車両遠隔指示システムの処理]
続いて、本実施形態に係る車両遠隔指示システム100の遠隔指示装置1の処理について図面を参照して説明する。図6(a)は、遠隔指示要求処理の一例を示すフローチャートである。
0103
図6(a)に示すように、遠隔指示装置1の遠隔指示サーバ10は、S10として、遠隔指示要求受信部11により自動運転車両2から遠隔指示の要求を受信したか否かを判定する。遠隔指示サーバ10は、自動運転車両2から遠隔指示の要求を受信したと判定した場合(S10:YES)、S12に移行する。遠隔指示サーバ10は、自動運転車両2から遠隔指示の要求を受信したと判定しない場合(S10:NO)、今回の処理を終了する。その後、遠隔指示サーバ10は、一定時間の経過後に再びS10の処理を繰り返す。
0104
S12において、遠隔指示サーバ10は、情報提供部12により遠隔オペレータRに遠隔指示の入力を要求する。情報提供部12は、遠隔指示の対象となる自動運転車両2の情報を遠隔オペレータRに提供する。その後、今回の処理を終了する。
0105
図6(b)は、遠隔指示送信処理の一例を示すフローチャートである。遠隔指示送信処理は、遠隔オペレータRに遠隔指示の入力が要求された場合に実行される。
0106
図6(b)に示すように、遠隔指示サーバ10は、S20として、遠隔指示送信部13により遠隔オペレータRが遠隔指示を入力したか否かを判定する。遠隔指示サーバ10は、遠隔オペレータRが遠隔指示を入力したと判定した場合(S20:YES)、S22に移行する。遠隔指示サーバ10は、遠隔オペレータRが遠隔指示を入力したと判定しなかった場合(S20:NO)、今回の処理を終了する。その後、遠隔指示サーバ10は、一定時間の経過後に再びS20の処理を繰り返す。
0107
S22において、遠隔指示サーバ10は、遠隔指示送信部13により自動運転車両2へ遠隔指示を送信する。その後、遠隔指示サーバ10は今回の処理を終了する。なお、遠隔指示サーバ10は、待機の遠隔指示であった場合には、S20から処理を繰り返す。
0108
図7(a)は、遠隔指示結果記録処理の一例を示すフローチャートである。遠隔指示結果記録処理は、自動運転車両2へ遠隔指示が送信された場合に実行される。
0109
図7(a)に示すように、遠隔指示サーバ10は、S30として、記録対象状況判定部14により遠隔指示に従って走行する自動運転車両2が記録対象状況になったか否かを判定する。遠隔指示サーバ10は、自動運転車両2が記録対象状況になったと判定された場合(S30:YES)、S32に移行する。遠隔指示サーバ10は、自動運転車両2が記録対象状況になったと判定されなかった場合(S30:NO)、今回の処理を終了する。その後、遠隔指示サーバ10は、遠隔指示に従った自動運転車両2の走行が継続している場合、一定時間の経過後に再びS30の処理を繰り返す。
0110
S32において、遠隔指示サーバ10は、遠隔指示結果記録部15により遠隔指示は緊急退避ではないか否かを判定する。遠隔指示サーバ10は、遠隔指示が緊急退避ではないと判定された場合(S32:YES)、S34に移行する。遠隔指示サーバ10は、遠隔指示が緊急退避であると判定された場合(S32:NO)、今回の処理を終了する。
0111
なお、S32の判定はS30より先に実行されてもよい。遠隔指示に緊急退避が含まれない場合には、S32を実行する必要はない。また、S32は必ずしも実行する必要はなく、遠隔指示が緊急退避の場合であっても遠隔指示の結果を記録する態様であってもよい。
0112
S34において、遠隔指示サーバ10は、情報提供部12により遠隔オペレータRに対して自動運転車両2が記録対象状況になったことを通知する。情報提供部12は、例えばオペレータインターフェース3を介して遠隔オペレータRに通知を行う。通知内容は、遠隔オペレータRに自動運転車両2の状況の確認を求めるものであればよい。なお、S34の処理は必ずしも実行する必要はない。
0113
その後、S36において、遠隔指示サーバ10は、遠隔指示結果記録部15により遠隔指示の結果を記録する。遠隔指示結果記録部15は、例えば、遠隔指示の結果として、自動運転車両2の位置情報、自動運転車両2の車載センサの検出情報、遠隔オペレータRの識別情報を関連付けて記録する。その後、遠隔指示サーバ10は、今回の処理を終了する。
0115
図7(b)に示すように、遠隔指示サーバ10は、S40として、記録対象状況判定部14により遠隔指示に従って走行する自動運転車両2が緊急ブレーキを作動させたか否かを判定する。遠隔指示サーバ10は、自動運転車両2が緊急ブレーキを作動させたと判定された場合(S40:YES)、S42に移行する。遠隔指示サーバ10は、自動運転車両2が緊急ブレーキを作動させたと判定された場合(S40:NO)、今回の処理(緊急ブレーキの作動による記録対象状況の判定)を終了する。
0116
S42において、遠隔指示サーバ10は、記録対象状況判定部14により自動運転車両2が記録対象状況になったと判定する。その後、遠隔指示サーバ10は、図7(a)のS32に移行する。
0117
以上説明した車両遠隔指示システム100によれば、遠隔指示に従って走行する自動運転車両2が記録対象状況になったと判定された場合に、自動運転車両2の位置情報を遠隔指示の結果として記録することができる。また、車両遠隔指示システム100では、自動運転車両の位置情報及び自動運転車両の車載センサの検出情報を関連付けて記録することで、遠隔指示の結果をより詳細に記録に残すことができる。更に、車両遠隔指示システム100では、遠隔指示の結果として自動運転車両の位置情報及び遠隔オペレータの識別情報を関連付けて記録することで、遠隔指示の結果を遠隔オペレータにフィードバックすることが可能となり、遠隔指示の結果を遠隔オペレータの技能向上に用いることもできる。
0118
また、車両遠隔指示システム100によれば、遠隔指示に従って走行する自動運転車両2が緊急ブレーキを作動させた場合に自動運転車両2が記録対象状況になったと判定するので、記録すべき遠隔指示の結果を適切に記録することができる。更に、車両遠隔指示システム100によれば、遠隔指示が緊急退避である場合には、自動運転車両が通常と異なる記録対象状況になる可能性を遠隔オペレータが認識していることが多いと考えられることから、遠隔指示の結果を記録しないことで遠隔オペレータにフィードバック不要な情報まで記録することを避けることができる。
0119
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、上述した実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。
0120
例えば、車両遠隔指示システム100は、自動運転車両2を構成要素に含まなくてもよい。この場合、車両遠隔指示システム100は遠隔指示装置1に相当する。
0121
車両遠隔指示システム100において、自動運転車両2ではなく、遠隔指示サーバ10が遠隔指示の要否を判定してもよい。この場合、遠隔指示サーバ10は、自動運転車両2から取得した走行状況情報に基づいて、自動運転車両2が遠隔指示を要求すべき状況になったか否かを判定する。遠隔指示サーバ10は、自動運転車両2が遠隔指示を要求すべき状況になったと判定した場合、自動運転車両2に待機指示を送信すると共に、遠隔オペレータRに遠隔指示の入力を要求してもよい。
0122
なお、遠隔指示装置1は、車両に搭載されていてもよい。この場合、遠隔オペレータRも車両に乗車している。遠隔指示サーバ10は、複数台の車両のECUから構成されたクラウドサーバであってもよい。
0123
遠隔指示結果記録部15は、遠隔オペレータRが予め設定された待機時間が経過しても遠隔指示を入力しなかった場合も、遠隔指示の結果として自動運転車両2の状況を記録してもよい。
0124
1…遠隔指示装置、2…自動運転車両、3…オペレータインターフェース、3a…出力部、3b…指示入力部、4…遠隔指示結果データベース、10…遠隔指示サーバ、11…遠隔指示要求受信部、12…情報提供部、13…遠隔指示送信部、14…記録対象状況判定部、15…遠隔指示結果記録部、100…車両遠隔指示システム。