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図面 (10)

課題

ドラッガーによる排滓の際、簡便な方法で排滓効率を高めることが可能な技術を開示する。

解決手段

少なくとも一方向に傾けることが可能なと、鍋を傾けた状態で、鍋の傾き方向に動作して、鍋に収容された溶融金属の表面に存在するスラグ又は不純物を、鍋の外側へと掻き出すためのドラッガーと、を備える、排滓システムであって、鍋の表面のうち鍋を傾けた状態で溶融金属の液面よりも上方となる部分、且つ、ドラッガーによる掻き出し動作の際にドラッガーの掻き板が通過する部分に排滓面が設けられており、ドラッガーの掻き板の先端が幅方向に直線状に構成されており、排滓面が幅方向断面において直線状に構成されており、排滓面の幅がドラッガーの掻き板の先端の幅以上であり、ドラッガーによる掻き出し動作の際、ドラッガーの掻き板の先端が排滓面に当接しつつスライドするように構成されている、排滓システム。

概要

背景

溶融金属を収容したうえで当該溶融金属の成分調整等を行うことがある。成分調整の前後において溶融金属の液面にスラグ又は不純物が存在する場合、当該スラグ又は不純物を鍋外へと除去する必要がある。例えば、製鋼プロセスにおいて、高炉からトーピードカー等で運ばれてきた溶銑は、一旦、溶銑鍋移し替えられ、脱硫処理等が行われ、その後、転炉装入されて溶鋼へと精錬される。この場合、脱硫処理を行う前に溶銑鍋内の溶銑上の高炉スラグ等を事前に除去する必要があり、さらに脱硫処理後にも溶銑上に浮上したスラグ等を除去する必要がある。

また、転炉で溶銑脱りんを行った後、一旦、溶銑鍋に出湯し、再度転炉に注湯して脱炭精錬を行う場合においても、溶銑脱りん後の鍋中の溶銑上のスラグ等が多い場合には、脱炭精錬に持ち越すスラグ等の量を減らすために、スラグ等を鍋外へと除去する必要がある。

鍋内の溶融金属の液面に存在するスラグ等を排滓する場合、鍋を傾けた状態で、ドラッガーと呼ばれる装置で機械的にスラグを掻き出す操作が行われる。しかしながら、ドラッガーを用いてスラグ等の排滓を行う場合、排滓時間が長時間となるうえ、排滓する際に一部の溶銑も一緒にドラッガーで掻き出してしまう虞がある。排滓を徹底しようとすると、溶銑の歩留まりが大きく落ちてしまうことが課題である。

スラグの排滓効率を高めるためには、例えば、特許文献1に記載されているように、スラグをフォーミングさせることが有効と考えられる。また、特許文献2に記載されているように、マルチアーム式のドラッガーを用いてスラグの排滓を行うことも有効と考えられる。

概要

ドラッガーによる排滓の際、簡便な方法で排滓効率を高めることが可能な技術を開示する。少なくとも一方向に傾けることが可能な鍋と、鍋を傾けた状態で、鍋の傾き方向に動作して、鍋に収容された溶融金属の表面に存在するスラグ又は不純物を、鍋の外側へと掻き出すためのドラッガーと、を備える、排滓システムであって、鍋の表面のうち鍋を傾けた状態で溶融金属の液面よりも上方となる部分、且つ、ドラッガーによる掻き出し動作の際にドラッガーの掻き板が通過する部分に排滓面が設けられており、ドラッガーの掻き板の先端が幅方向に直線状に構成されており、排滓面が幅方向断面において直線状に構成されており、排滓面の幅がドラッガーの掻き板の先端の幅以上であり、ドラッガーによる掻き出し動作の際、ドラッガーの掻き板の先端が排滓面に当接しつつスライドするように構成されている、排滓システム。

目的

排滓を徹底しようとすると、溶銑の歩留まりが大きく落ちてしまうことが課題である

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

少なくとも一方向に傾けることが可能なと、前記鍋を傾けた状態で、前記鍋の傾き方向に動作して、前記鍋に収容された溶融金属の表面に存在するスラグ又は不純物を、前記鍋の外側へと掻き出すためのドラッガーと、を備える、排滓ステムであって、前記鍋の表面のうち前記鍋を傾けた状態で前記溶融金属の液面よりも上方となる部分、且つ、前記ドラッガーによる掻き出し動作の際に前記ドラッガーの掻き板が通過する部分に排滓面が設けられており、前記ドラッガーの掻き板の先端が幅方向に直線状に構成されており、前記排滓面が幅方向断面において直線状に構成されており、前記排滓面の幅が前記ドラッガーの掻き板の先端の幅以上であり、前記ドラッガーによる掻き出し動作の際、前記ドラッガーの掻き板の先端が前記排滓面に当接しつつスライドするように構成されている、排滓システム。

請求項2

前記鍋の上端部が設けられており、前記排滓面が前記嘴部に設けられている、請求項1に記載の排滓システム。

請求項3

前記鍋の上端に嘴部が設けられており、前記排滓面が前記嘴部とは別の部分に設けられている、請求項1に記載の排滓システム。

請求項4

鍋に収容された溶融金属の表面に存在するスラグ又は不純物を、ドラッガーを用いて鍋外へと掻き出す工程を備える、排滓方法であって、前記ドラッガーとして、掻き板の先端が幅方向に直線状に構成されたものを用い、前記鍋として、前記鍋の表面のうち前記鍋を傾けた状態で前記溶融金属の液面よりも上方となる部分、且つ、前記ドラッガーによる掻き出し動作の際に前記ドラッガーの掻き板が通過する部分に、幅方向断面において直線状であり、且つ、前記ドラッガーの掻き板の先端の幅以上の幅を有する排滓面を備えるものを用い、前記ドラッガーによる掻き出し動作の際、前記ドラッガーの掻き板の先端を前記排滓面に当接させつつスライドさせる、排滓方法。

請求項5

前記排滓面を有する嘴部を上端に備える鍋を用いる、請求項4に記載の排滓方法。

請求項6

上端に嘴部を備えるとともに前記嘴部とは別の部分に前記排滓面を備える鍋を用いる、請求項4に記載の排滓方法。

技術分野

0001

本願は、に収容された溶融金属の液面に存在するスラグ又は不純物を、ドラッガーによって鍋の外側へと掻き出す、排滓ステム及び排滓方法等を開示する。

背景技術

0002

鍋に溶融金属を収容したうえで当該溶融金属の成分調整等を行うことがある。成分調整の前後において溶融金属の液面にスラグ又は不純物が存在する場合、当該スラグ又は不純物を鍋外へと除去する必要がある。例えば、製鋼プロセスにおいて、高炉からトーピードカー等で運ばれてきた溶銑は、一旦、溶銑鍋移し替えられ、脱硫処理等が行われ、その後、転炉装入されて溶鋼へと精錬される。この場合、脱硫処理を行う前に溶銑鍋内の溶銑上の高炉スラグ等を事前に除去する必要があり、さらに脱硫処理後にも溶銑上に浮上したスラグ等を除去する必要がある。

0003

また、転炉で溶銑脱りんを行った後、一旦、溶銑鍋に出湯し、再度転炉に注湯して脱炭精錬を行う場合においても、溶銑脱りん後の鍋中の溶銑上のスラグ等が多い場合には、脱炭精錬に持ち越すスラグ等の量を減らすために、スラグ等を鍋外へと除去する必要がある。

0004

鍋内の溶融金属の液面に存在するスラグ等を排滓する場合、鍋を傾けた状態で、ドラッガーと呼ばれる装置で機械的にスラグを掻き出す操作が行われる。しかしながら、ドラッガーを用いてスラグ等の排滓を行う場合、排滓時間が長時間となるうえ、排滓する際に一部の溶銑も一緒にドラッガーで掻き出してしまう虞がある。排滓を徹底しようとすると、溶銑の歩留まりが大きく落ちてしまうことが課題である。

0005

スラグの排滓効率を高めるためには、例えば、特許文献1に記載されているように、スラグをフォーミングさせることが有効と考えられる。また、特許文献2に記載されているように、マルチアーム式のドラッガーを用いてスラグの排滓を行うことも有効と考えられる。

先行技術

0006

特開平8−041521号公報
特開2000−227282号公報

発明が解決しようとする課題

0007

特許文献1に記載された技術を適用可能な条件には限りがある。すなわち、溶銑を例にとると、脱珪処理がされている溶銑に限られたり、また、スラグをフォーミングさせるために酸素源を添加するとスラグの酸素ポテンシャルが増加することから脱硫スラグの排滓には向かない。特許文献2に記載された技術においては、複数の掻き板鍋形状に合わせて移動させる必要があり、装置が複雑となってしまう。ドラッガーによる排滓の際、より簡便な方法で、排滓効率を高めることが可能な新たな技術が必要である。

課題を解決するための手段

0008

本願は上記課題を解決するための手段の一つとして、少なくとも一方向に傾けることが可能な鍋と、前記鍋を傾けた状態で、前記鍋の傾き方向に動作して、前記鍋に収容された溶融金属の表面に存在するスラグ又は不純物を、前記鍋の外側へと掻き出すためのドラッガーと、を備える、排滓システムであって、前記鍋の表面のうち前記鍋を傾けた状態で前記溶融金属の液面よりも上方となる部分、且つ、前記ドラッガーによる掻き出し動作の際に前記ドラッガーの掻き板が通過する部分に排滓面が設けられており、前記ドラッガーの掻き板の先端が幅方向に直線状に構成されており、前記排滓面が幅方向断面において直線状に構成されており、前記排滓面の幅が前記ドラッガーの掻き板の先端の幅以上であり、前記ドラッガーによる掻き出し動作の際、前記ドラッガーの掻き板の先端が前記排滓面に当接しつつスライドするように構成されている、排滓システムを開示する。

0009

本開示の排滓システムにおいては、前記鍋の上端部が設けられており、前記排滓面が前記嘴部に設けられていてもよい。

0010

本開示の排滓システムにおいては、前記鍋の上端に嘴部が設けられており、前記排滓面が前記嘴部とは別の部分に設けられていてもよい。

0011

本願は上記課題を解決するための手段の一つとして、鍋に収容された溶融金属の表面に存在するスラグ又は不純物を、ドラッガーを用いて鍋外へと掻き出す工程を備える、排滓方法であって、前記ドラッガーとして、掻き板の先端が幅方向に直線状に構成されたものを用い、前記鍋として、前記鍋の表面のうち前記鍋を傾けた状態で前記溶融金属の液面よりも上方となる部分、且つ、前記ドラッガーによる掻き出し動作の際に前記ドラッガーの掻き板が通過する部分に、幅方向断面において直線状であり、且つ、前記ドラッガーの掻き板の先端の幅以上の幅を有する排滓面を備えるものを用い、前記ドラッガーによる掻き出し動作の際、前記ドラッガーの掻き板の先端を前記排滓面に当接させつつスライドさせる、排滓方法を開示する。

0012

本開示の排滓方法においては、前記排滓面を有する嘴部を上端に備える鍋を用いてもよい。

0013

本開示の排滓方法においては、上端に嘴部を備えるとともに前記嘴部とは別の部分に前記排滓面を備える鍋を用いてもよい。

発明の効果

0014

本開示の排滓システム及び排滓方法によれば、従来よりも簡便な方法で、ドラッガーによるスラグ等の排滓効率を高めることが可能である。

図面の簡単な説明

0015

従来技術における課題について説明するための図である。
ドラッガーの掻き板の形状を変更することで従来技術における課題の解決を試みた例を説明するための図である。
排滓システム100を説明するための概略図である。
排滓システム100において採用され得る鍋10の形状の一例を説明するための概略図である。
鍋10の排滓面11の形状とドラッガー20の掻き板21の先端21aの形状との関係を説明するための概略図である。
排滓システム200を説明するための概略図である。
排滓システム200において採用され得る鍋110の形状の一例を説明するための概略図である。
鍋110の変形例を説明するための概略図である。
鍋に設けられるその他の構造の一例を説明するための概略図である。

0016

鍋に収容された溶融金属の表面に存在するスラグ又は不純物をドラッガーで排滓する際は、図1に示すように、鍋の上端に設置された嘴部の方を下に傾けて、当該嘴部からスラグ等を掻き出して排滓することが一般的である。しかしながら、この嘴部はドラッガーによる排滓を目的として設計されたものではないため、決して排滓しやすい形状にはなっていない。また、嘴部以外の所から排滓する場合でも、通常の鍋は上部の開口形状円形状であり、鍋の上端部において排滓しやすい部位はない。

0017

通常の鍋は、嘴部もその他の上端部も曲面で構成されている。一方、図1に示すようにドラッガーの掻き板の先端は幅方向に直線状に構成されている。そのため、排滓の際は、ドラッガーの掻き板と鍋の内側の形状が合わない状態でスラグを無理矢理掻き出すこととなる。つまり、一般的な鍋形状とドラッガー先端形状とを採用した場合、溶融金属の液面上のスラグ等をドラッガーで引き寄せ、鍋の外に向けて掻き出す際、ドラッガーの掻き板の先端の幅中央部と鍋壁面との間に必ず隙間が生じることから、その隙間からスラグ等がすり抜けてしまい、効率的な排滓ができない。

0018

鍋中のスラグ等をドラッガーで効率的に排滓するためには、ドラッガーの掻き板の先端の形状と鍋上部の壁面の形状とを合わせることが有効と考えられる。

0019

鍋の形状を変えることなく、ドラッガーの掻き板の形状を鍋の壁面の曲面に合わせる場合、図2(A)に示すような掻き板の先端の幅中央部を下に向かって凸とした形状や、図2(B)に示すような掻き板の下端は直線状のままで、排滓方向に向かって凸とした形状とすることがあり得る。しかしながら、図2(A)の形状では、スラグ等を排滓する際、掻き板の下端が溶融金属と接触し、スラグ等とともに溶融金属まで余計に掻き出してしまう虞がある。また、図2(B)の形状では、ドラッガーによる掻き出しの際、溶融金属の液面上のスラグ等が掻き板先端の凸形状に沿って横方向に逃げ、スラグ等を掻き板でうまく捕捉できない虞がある。このように、ドラッガーの掻き板の先端部の形状を鍋上部の壁面の形状を合わせても、効率的な排滓は難しい。

0020

本発明者は、発想転換して、鍋の形状をドラッガーの掻き板の先端の形状に合わせることを検討した。すなわち、ドラッガーの掻き板の先端形状については幅方向に直線状のまま、鍋上部の壁面をドラッガーの掻き板の先端形状に合わせて幅方向断面において直線状とすることで、ドラッガーの掻き板の先端と鍋の壁面との隙間を解消できる。本発明者の新たな知見では、図2に示すようにドラッガーの掻き板の先端形状を鍋の壁面の形状に合わせるように曲線状に変更するよりも、鍋の壁面の形状をドラッガーの掻き板の先端形状に合わせるように直線状に変更したほうが、排滓効率が顕著に向上する。以上の通り、ドラッガーによる掻き出し動作の際にドラッガーが通過する鍋上部の表面形状は、ドラッガーの掻き板の幅以上の長さの直線が平行に連続して形成される面形状が適している。以下、本開示の排滓システム及び排滓方法について説明する。

0021

1.排滓システム100
図3に排滓システム100の構成を概略的に示す。図3(A)が鍋10及びドラッガー20を垂直断面で切断した場合における端面概略図であり、図3(B)が排滓システム100の外観を説明するための斜視概略図であり、図3(C)が排滓面11の近傍を拡大して示す斜視概略図である。図3に示すように、排滓システム100は、少なくとも一方向に傾けることが可能な鍋10と、鍋10を傾けた状態で、鍋10の傾き方向に動作して、鍋10に収容された溶融金属1の表面に存在するスラグ又は不純物2(スラグ等2)を、鍋10の外側へと掻き出すためのドラッガー20と、を備える。排滓システム100においては、鍋10の表面のうち鍋10を傾けた状態で溶融金属1の液面よりも上方となる部分、且つ、ドラッガー20による掻き出し動作の際にドラッガー20の掻き板21が通過する部分に排滓面11が設けられており、ドラッガー20の掻き板21の先端21aが幅方向に直線状に構成されており、排滓面11が幅方向断面において直線状に構成されており、排滓面11の幅がドラッガー20の掻き板21の先端21aの幅以上であり、ドラッガー20による掻き出し動作の際、ドラッガー20の掻き板21の先端21aが排滓面11に当接しつつスライドするように構成されている。

0022

1.1.鍋10
図4に排滓システム100において採用され得る鍋10の形状の一例を概略的に示す。図4(A)が鍋10を垂直断面で切断した場合における端面概略図であり、図4(B)が鍋10の外観を説明するための斜視概略図である。図4に示すように、鍋10は側壁10aと底10bとを有している。図4に示すように、鍋10の側壁10aは円筒状であってもよい。また、図4に示すように、鍋10の上端には嘴部10cが設けられていてもよく、当該嘴部10cに排滓面11が設けられていてもよい。さらに、鍋10は側壁10aの外側表面の一部に掛止部10dを有していてもよく、当該掛止部10dに外部装置を引っ掛けることで、当該掛止部10dを回転軸として鍋10を所定の方向に傾けることが可能とされていてもよい。鍋10の大きさに特に制限はなく、目的とする用途に応じて適当な大きさを採用すればよい。鍋10は公知の材質により構成され得る。上述の通り、鍋10には溶融金属が収容されることから、鍋10の内壁耐火物により構成するとよい。鍋10の内壁を耐火物により構成する場合、当該耐火物を所定の形状に成形しつつ施工することで、鍋10の一部に所望の排滓面11を設けることができる。

0023

図3及び4に示すように、排滓面11は、鍋10の表面のうち鍋10を傾けた状態で溶融金属1の液面よりも上方となる部分、且つ、ドラッガー20による掻き出し動作の際にドラッガー20の掻き板21が通過する部分に設けられる。図3及び4に示す排滓システム100においては、スラグ等2を嘴部10cから掻き出すことから、排滓面11が嘴部10cに設けられている。排滓面11は幅方向断面において直線状に構成されており、且つ、その幅はドラッガー20の掻き板21の先端21aの幅よりも広い。尚、本願において「幅方向」とはドラッガー20の掻き板21の先端21aの幅が延びる方向をいい、「幅方向断面」とは幅方向と平行な平面によって排滓方向と直交するように切断した場合の断面をいう。また、「直線状」とは、巨視的に見て実質的に直線状であることを意味し、微視的には多少の凹凸が存在していてもよく、また、工業生産上の多少の曲がりが生じてもよいことは言うまでもない。

0024

1.2.ドラッガー20
図3(C)に示すように、ドラッガー20は掻き板21を備えており、当該掻き板21の先端(下端)21aは、幅方向に直線状に構成されている。このように、掻き板21の先端21aを幅方向に直線状に構成することで、スラグ等2を掻き出す際、掻き板21の先端21aが溶融金属1と接触し難い。また、スラグ等2を掻き出す際、スラグ等2を適切に捕捉することができる。ドラッガー20は、掻き板20の先端21aの形状が直線状であることを除いて、従来と同様の構成を採用可能である。

0025

1.3.鍋10の排滓面11の形状とドラッガー20の掻き板21の形状との関係
図5に、鍋10の排滓面11の幅方向断面における形状と、ドラッガー20の掻き板21の先端21aの幅方向の形状との関係を示す。図5(A)に示すように、排滓面11は幅方向断面において直線状とされており、また、ドラッガー20の掻き板21の先端21aは、幅方向において直線状とされている。ここで、図5(A)に示すように、排滓面11の幅方向断面における直線の長さ(幅)をL1、掻き板21の先端21aの幅をL2とした場合、L1≧L2の関係が満たされる。これにより、ドラッガー20による掻き出し動作の際、ドラッガー20の掻き板21の先端21aの幅全体を、排滓面11に当接させることができ、排滓面11と掻き板21の先端21aとの間に隙間が生じ難い。そのため、ドラッガー20の掻き板21の先端21aを排滓面11に当接させつつスライドさせた場合において、掻き板21により捕捉されたスラグ等2のすり抜けを抑制でき、排滓効率を向上させることができる。一方、掻き出し方向に沿った断面における排滓面11の形状については特に制限はない。図5(B)に示すように直線状であってもよいし、図5(C)に示すように曲線状であってもよいし、或いは、直線状と曲線状との組み合わせであってもよい。

0026

2.排滓システム200
上記においては鍋の嘴部に排滓面を設けた形態について説明したが、本開示の排滓システムはこの形態に限定されるものではない。図6に排滓システム200の構成を概略的に示す。図6において、図3〜5と同様の構成については同符号を付す。図6(A)が鍋110及びドラッガー20を垂直断面で切断した場合における端面概略図であり、図6(B)が排滓システム200の外観を説明するための斜視概略図であり、図6(C)が排滓面111の近傍を拡大して示す斜視概略図である。図6に示すように、排滓システム200は、少なくとも一方向に傾けることが可能な鍋110と、鍋110を傾けた状態で、鍋110の傾き方向に動作して、鍋110に収容された溶融金属1の表面に存在するスラグ等2を、鍋110の外側へと掻き出すためのドラッガー20と、を備える。排滓システム200においては、鍋110の表面のうち鍋110を傾けた状態で溶融金属1の液面よりも上方となる部分、且つ、ドラッガー20による掻き出し動作の際にドラッガー20の掻き板21が通過する部分に排滓面111が設けられており、ドラッガー20の掻き板21の先端21aが幅方向に直線状に構成されており、排滓面111が幅方向断面において直線状に構成されており、排滓面111の幅がドラッガー20の掻き板21の先端21aの幅以上であり、ドラッガー20による掻き出し動作の際、ドラッガー20の掻き板21の先端21aが排滓面111に当接しつつスライドするように構成されている。

0027

図7に排滓システム200において採用され得る鍋110の形状の一例を概略的に示す。図7(A)が鍋110を垂直断面で切断した場合における端面概略図であり、図7(B)が鍋110の外観を説明するための斜視概略図である。図7に示すように、鍋110は側壁110aと底110bとを有している。図7に示すように、鍋110の側壁110aは円筒状であってもよい。また、図7に示すように、鍋110の上端には嘴部110cが設けられていてもよく、当該嘴部110cとは別の部分に排滓面111が設けられていてもよい。さらに、鍋110は側壁110aの外側表面の一部に掛止部110dを有していてもよく、当該掛止部110dに外部装置を引っ掛けることで、当該掛止部110dを回転軸として鍋110を所定の方向に傾けることが可能とされていてもよい。

0028

鍋110のように、嘴部110cとは別の部分に排滓面111を設けた場合においても、排滓面111の幅方向断面における形状を直線状とし、且つ、排滓面111の幅をドラッガー20の掻き板21の先端21aの幅以上とすることで、ドラッガー20による掻き出し動作の際、ドラッガー20の掻き板21の先端21aの幅全体を、排滓面111に当接させることができる。すなわち、排滓面111と掻き板21の先端21aとの間に隙間が生じ難い。そのため、ドラッガー20の掻き板21の先端21aを排滓面111に当接させつつスライドさせた場合において、掻き板21により捕捉されたスラグ等2のすり抜けを抑制でき、排滓効率を向上させることができる。

0029

図7においては、鍋110の内壁において、鍋110の底110bから鍋開口に向かって同じ幅で延びる平面の一部を排滓面111とする形態について説明した。しかしながら、排滓面111の形態は図7に示す形態に限定されるものではない。上述の通り、排滓面111は、鍋110の表面のうち鍋110を傾けた状態で溶融金属1の液面よりも上方となる部分、且つ、ドラッガー20による掻き出し動作の際にドラッガー20の掻き板21が通過する部分に設けられていればよい。図8に鍋110の変形例を示す。排滓面111は、図8(A)に示すように、鍋開口から鍋110の底110bに向かって先細りとなるような平面であってもよいし、図8(B)に示すように、鍋110の側壁110aの内側の上部にのみ設けられた突出面であってもよい。また、図5(C)に示した排滓面11と同様、排滓面111は幅方向断面において直線状に構成されていればよく、排滓方向断面においては直線状に構成されていても曲線状に構成されていても直線状及び曲線状の組み合わせで構成されていてもよい。

0030

3.排滓方法
本開示の技術は排滓方法としての側面も有する。すなわち、図3〜8に示すように、本開示の排滓方法は、鍋10、110に収容された溶融金属1の表面に存在するスラグ又は不純物2を、ドラッガー20を用いて鍋外へと掻き出す工程を備える、排滓方法であって、ドラッガー20として、掻き板21の先端21aが幅方向に直線状に構成されたものを用い、鍋10、110として、鍋10、110の表面のうち鍋10、110を傾けた状態で溶融金属1の液面よりも上方となる部分、且つ、ドラッガー20による掻き出し動作の際にドラッガー20の先端21aが通過する部分に、幅方向断面において直線状であり、且つ、ドラッガー20の掻き板21の先端21aの幅以上の幅を有する排滓面11、111を備えるものを用い、ドラッガー20による掻き出し動作の際、ドラッガー20の掻き板21の先端21aを排滓面11、111に当接させつつスライドさせることを特徴とする。本開示の排滓方法における鍋やドラッガーの形態に関しては、上記した排滓システム100、200にて説明した形態と同様である。例えば、鍋として、排滓面11を有する嘴部10cを上端に備える鍋10を用いてもよいし、上端に嘴部110cを備えるとともに嘴部110cとは別の部分に排滓面111を備える鍋110を用いてもよい。

0031

4.補足
上記説明では、鍋が嘴部を有する形態を例示したが、本開示の排滓システム及び排滓方法においては、嘴部を有さない鍋を採用してもよい。ただし、鍋が嘴部を備える場合のほうが、嘴部を備えない場合よりも、鍋内の溶融金属を他の容器へとより容易に注湯することができる。

0032

上記説明では、鍋の側壁の外側に掛止部を設け、当該掛止部を回転中心として鍋を傾ける形態を例示したが、本開示の排滓システム及び排滓方法においては、掛止部を有さない鍋を採用してもよい。ただし、鍋が掛止部を備える場合のほうが、掛止部を備えない場合よりも、鍋を機械的に適切に保持しつつ容易に傾けることができる。

0033

鍋が嘴部を備える場合において、鍋を嘴部に向かって容易に傾けるために、鍋の外壁図9に示すような構造10eを設ける場合がある。構造10eは、鍋の外壁の嘴部とは反対側の部分に設けられており、当該構造10eに外部装置を引っ掛けて持ち上げることで、鍋を嘴部に向かって機械的に容易に傾けることができる。このような構造10eを有する場合において、当該構造10eの上方に排滓面を設けると、排滓面から排滓されたスラグ等が構造10eに降りかかり、構造10eが損傷する虞がある。この点、鍋が嘴部を有する場合は、当該嘴部に排滓面を設けることで、構造10eの損傷を回避することができる。一方、嘴部を曲面とした場合、溶融金属を他の容器に注湯することがより容易となる。溶融金属の注湯を重視する場合は、嘴部とは異なる部分に排滓面を設けるとよい。また、嘴部とは異なる部分に排滓面を設けることで、嘴部の大きさに制約されずに排滓面を設けることができるという利点もある。

0034

本開示の排滓システム及び排滓方法において、鍋に収容される溶融金属の種類に特に制限はなく、液面にスラグや不純物が存在して排滓が必要となる、あらゆる種類の溶融金属を対象とすることができる。尚、本開示の排滓システム及び排滓方法において、特許文献1に開示されたようなスラグフォーミングを事前に行うことも可能である。

0035

以下に実施例を示しつつ、本開示の技術について具体的に説明する。ただし、本開示の技術は以下に示す実施例に限定されるものではない。以下の実施例においては、溶銑脱りん処理を行った溶銑の液面に存在するスラグをドラッガーで排滓する場合において、ドラッガーの掻き板や溶銑鍋の形状を種々変化させて、排滓効率や地金量を比較した。

0036

溶銑鍋に、転炉で溶銑脱りん処理を行った溶銑約300tと、転炉から溶銑と一緒に排出された脱りんスラグ約3.0tとが収容された状態で、板幅0.8mの掻き板を有するドラッガーを用いてスラグの排滓を行った。下記実施例及び比較例の各々の溶銑鍋について、5回排滓処理を行い、その5回の排滓率平均値と地金量の平均値を指標として、排滓のし易さを評価した。尚、「排滓率」は、排滓前の鍋中のスラグ量3.0tに対するスラグ鍋内から排滓されたスラグ量の割合である。

0037

1.比較例1
比較例1においては、内半径3.8mの円筒形の側壁に丸い嘴部が付いた一般的な溶銑鍋を採用するとともに、掻き板の先端が直線状であるドラッガーを採用し、図1に示すように、嘴部の方向に鍋を傾けつつ、嘴部の方向に向けてドラッガーで排滓を行った。比較例1について、平均排滓率は83%、平均地金量は1.1tであった。比較例1においては、ドラッガーの掻き板の先端の幅中央部と嘴部表面との間に大きな隙間が生じ、その隙間からスラグ等がすり抜けてしまい、効率的な排滓ができなかった。また、排滓を徹底しようとすると、地金が増大し、溶銑の歩留まりが大きく低下した。

0038

2.比較例2
比較例2においては、内半径3.8mの円筒形の側壁に丸い嘴部が付いた一般的な溶銑鍋を採用するとともに、掻き板の先端が下に向かって凸の曲線状であるドラッガー(図2(A)参照)を採用し、図1に示すように、嘴部の方向に鍋を傾けつつ、嘴部の方向に向けてドラッガーで排滓を行った。比較例2について、平均排滓率は91%、平均地金量は1.4tであり、比較例1と比べて排滓率は向上したものの、地金量が増加してしまった。

0039

3.比較例3
比較例3においては、内半径3.8mの円筒形の側壁に丸い嘴部が付いた一般的な溶銑鍋を採用するとともに、掻き板の先端が排滓方向に向かって凸の曲線状であるドラッガー(図2(B)参照)を採用し、図1に示すように、嘴部の方向に鍋を傾けつつ、嘴部の方向に向けてドラッガーで排滓を行った。比較例3について、平均排滓率は87%、平均地金量は0.6tであり、比較例1、2と比べて地金量は大きく減少したが、排滓率は比較例1とほとんど変わらなかった。

0040

4.実施例1
実施例1においては、内半径3.8mの円筒形の側壁に嘴部がついた溶銑鍋であって、嘴部の先端に幅1.0mで幅方向断面における形状が直線状である排滓面を備える溶銑鍋(図4参照)を採用するとともに、掻き板の先端が直線状であるドラッガーを採用し、図3に示すように、嘴部の方向に鍋を傾けつつ、嘴部の方向に向けてドラッガーで排滓を行った。実施例1について、平均排滓率は93%、平均地金量は0.6tであり、比較例1と比べて排滓率は大きく向上し、地金量は約半減した。

0041

5.実施例2
実施例2においては、内半径3.8mの円筒形の側壁に嘴部がついた溶銑鍋であって、嘴部とは反対側の内壁に幅1.0mで幅方向断面における形状が直線状である排滓面をほぼ垂直に設けた溶銑鍋(図7参照)を採用するとともに、掻き板の先端が直線状であるドラッガーを採用し、図6に示すように、嘴部とは反対側に鍋を傾けつつ、嘴部とは反対方向に向けてドラッガーで排滓を行った。実施例2について、平均排滓率は93%、平均地金量は0.5tであり、比較例1と比べて排滓率は大きく向上し、地金量は約半減した。

0042

6.実施例3
実施例3においては、内半径3.8mの円筒形の側壁に嘴部がついた溶銑鍋であって、嘴部とは反対側の内壁の上端に幅1.0mの直線部を備え、その直線部が鍋底に向けて縮小していくような溶銑鍋(図8(A)参照)を採用するとともに、掻き板の先端が直線状であるドラッガーを採用し、図6に示すように、嘴部とは反対側に鍋を傾けつつ、嘴部とは反対方向に向けてドラッガーで排滓を行った。ここで、溶銑の液面の上に存在する排滓面の幅については、排滓面の下端においても0.8m以上となるようにした。実施例3について、平均排滓率は91%、平均地金量は0.5tであり、比較例1と比べて排滓率は大きく向上し、地金量は約半減した。

0043

7.実施例4
実施例4においては、内半径3.8mの円筒形の側壁に嘴部がついた溶銑鍋であって、嘴部とは反対側の内壁の上端に幅1.0mの直線部を備え、その直線部が鍋の深さの1/3まで延びるような溶銑鍋(図8(B)参照)を採用するとともに、掻き板の先端が直線状であるドラッガーを採用し、図6に示すように、嘴部とは反対側に鍋を傾けつつ、嘴部とは反対方向に向けてドラッガーで排滓を行った。実施例4について、平均排滓率は92%、平均地金量は0.5tであり、比較例1と比べて排滓率は大きく向上し、地金量は約半減した。

実施例

0044

以上の通り、ドラッガーとして掻き板の先端形状が幅方向において直線状であるものを採用し、且つ、ドラッガーによる掻き出し動作の際にドラッガーが通過する鍋上部の表面形状を、ドラッガーの掻き板の幅以上の長さの直線が平行に連続して形成される面形状とすることで、スラグ等の排滓率を大きく向上させることができるとともに、掻き板の地金量も大きく低減できることが分かった。

0045

100排滓システム
1溶融金属
2スラグ又は不純物
10鍋
10a側壁
10b 底
10c嘴部
10d掛止部
11 排滓面
20ドラッガー
21掻き板
21a 掻き板の先端
200 排滓システム
110 鍋
110a 側壁
110b 底
110c 嘴部
110d 掛止部
111 排滓面

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