図面 (/)
課題
解決手段
概要
背景
電動機と、電動機から出力される動力をドライブシャフトに伝達する斜歯歯車と、斜歯歯車を非回転部材に対して回転可能に支持する軸受と、斜歯歯車の回転が停止されたロック状態および斜歯歯車の回転が許容されたアンロック状態に切替可能なパーキング機構と、を備えた車両用動力伝達装置が知られている。たとえば特許文献1に記載の車両用動力伝達装置がそれである。上記特許文献1に記載の車両用動力伝達装置は、斜歯歯車がロック状態にされた場合にドライブシャフトに蓄積された捩りトルクの反力が、斜歯歯車がアンロック状態にされた場合に電動機によって受けられるように構成されている。上記特許文献1に記載の車両用動力伝達装置では、斜歯歯車がアンロック状態にされた場合に、電動機がドライブシャフトの捩りトルクの反力に対抗するトルクを斜歯歯車に対して出力することによって、たとえば車両用動力伝達装置内に発生するガタ打ち音やショックを抑制している。
概要
ドライブシャフトに蓄積された捩りトルクの反力に基づく斜歯歯車への衝撃荷重を抑制する構造を備える車両用動力伝達装置を提供する。電動機MGと斜歯歯車28との間の動力伝達経路にトルクリミッタ32が配設されている。これにより、トルクリミッタ32が設けられていない場合に比べて、パーキング機構30によって斜歯歯車28の回転阻止が解除されたとき、電動機MGが受けるドライブシャフト22a、22bに蓄積された捩りトルクの反力を低減させることができるので、これに伴って、電動機MGに連結された斜歯歯車28に伝達されるドライブシャフト22a、22bの捩りトルクの反力を低減させることができる。そのため、ドライブシャフト22a、22bの捩りトルクの反力に基づき軸受42に印加される斜歯歯車28の軸方向成分の荷重が抑制される。
目的
効果
実績
- 技術文献被引用数
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この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
電動機と、前記電動機から出力される動力をドライブシャフトに伝達する斜歯歯車と、前記斜歯歯車を非回転部材に対して回転可能に支持する軸受と、前記斜歯歯車の回転が阻止されたロック状態および前記斜歯歯車の回転が許容されたアンロック状態に切替可能なパーキング機構と、を備え、前記斜歯歯車がロック状態にされた場合に前記ドライブシャフトに蓄積された捩りトルクの反力が、前記斜歯歯車がアンロック状態にされた場合に前記電動機によって受けられる、車両用動力伝達装置であって、前記電動機と前記斜歯歯車との間の動力伝達経路にトルクリミッタが配設されていることを特徴とする車両用動力伝達装置。
請求項2
電動機と、前記電動機から出力される動力をドライブシャフトに伝達する斜歯歯車と、前記斜歯歯車を非回転部材に対して回転可能に支持する軸受と、前記斜歯歯車の回転が阻止されたロック状態および前記斜歯歯車の回転が許容されたアンロック状態に切替可能なパーキング機構と、を備え、前記斜歯歯車がロック状態にされた場合に前記ドライブシャフトに蓄積された捩りトルクの反力が、前記斜歯歯車がアンロック状態にされた場合に前記電動機によって受けられる、車両用動力伝達装置であって、前記軸受の軸方向において、前記非回転部材と前記軸受との間あるいは前記軸受と前記斜歯歯車との間に弾性体が配設されていることを特徴とする車両用動力伝達装置。
技術分野
背景技術
0002
電動機と、電動機から出力される動力をドライブシャフトに伝達する斜歯歯車と、斜歯歯車を非回転部材に対して回転可能に支持する軸受と、斜歯歯車の回転が停止されたロック状態および斜歯歯車の回転が許容されたアンロック状態に切替可能なパーキング機構と、を備えた車両用動力伝達装置が知られている。たとえば特許文献1に記載の車両用動力伝達装置がそれである。上記特許文献1に記載の車両用動力伝達装置は、斜歯歯車がロック状態にされた場合にドライブシャフトに蓄積された捩りトルクの反力が、斜歯歯車がアンロック状態にされた場合に電動機によって受けられるように構成されている。上記特許文献1に記載の車両用動力伝達装置では、斜歯歯車がアンロック状態にされた場合に、電動機がドライブシャフトの捩りトルクの反力に対抗するトルクを斜歯歯車に対して出力することによって、たとえば車両用動力伝達装置内に発生するガタ打ち音やショックを抑制している。
先行技術
0003
特開2011−098706号公報
発明が解決しようとする課題
0004
ところで、上記特許文献1に記載の車両用動力伝達装置では、回転慣性が比較的大きい電動機によってドライブシャフトに蓄積された捩りトルクの反力を受ける構成になっている。したがって、たとえば電動機に直結された斜歯歯車には、過大な捩りトルクの反力が伝達され、且つ斜歯歯車を回転可能に支持する軸受には、過大な捩りトルクの反力に基づく軸方向成分の荷重が衝撃荷重として伝達される。これにより、上記特許文献1に記載の車両用動力伝達装置では、上記衝撃荷重によって軸受に圧痕あるいは損傷が生じて、軸受の寿命を低下させる可能性があった。
0005
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、ドライブシャフトに蓄積された捩りトルクの反力に基づく斜歯歯車への衝撃荷重を抑制する構造からなる車両用動力伝達装置を提供することにある。
課題を解決するための手段
0006
第1発明の要旨とするところは、電動機と、前記電動機から出力される動力をドライブシャフトに伝達する斜歯歯車と、前記斜歯歯車を非回転部材に対して回転可能に支持する軸受と、前記斜歯歯車の回転が阻止されたロック状態および前記斜歯歯車の回転が許容されたアンロック状態に切替可能なパーキング機構と、を備え、前記斜歯歯車がロック状態にされた場合に前記ドライブシャフトに蓄積された捩りトルクの反力が、前記斜歯歯車がアンロック状態にされた場合に前記電動機によって受けられる、車両用動力伝達装置であって、前記電動機と前記斜歯歯車との間の動力伝達経路にトルクリミッタが配設されていることにある。
0007
第2発明の要旨とするところは、電動機と、前記電動機から出力される動力をドライブシャフトに伝達する斜歯歯車と、前記斜歯歯車を非回転部材に対して回転可能に支持する軸受と、前記斜歯歯車の回転が阻止されたロック状態および前記斜歯歯車の回転が許容されたアンロック状態に切替可能なパーキング機構と、を備え、前記斜歯歯車がロック状態にされた場合に前記ドライブシャフトに蓄積された捩りトルクの反力が、前記斜歯歯車がアンロック状態にされた場合に前記電動機によって受けられる、車両用動力伝達装置であって、前記軸受の軸方向において、前記非回転部材と前記軸受との間あるいは前記軸受と前記斜歯歯車との間に弾性体が配設されていることにある。
発明の効果
0008
第1発明によれば、前記電動機と前記斜歯歯車との間の動力伝達経路にトルクリミッタが配設されている。これにより、前記トルクリミッタが設けられていない場合に比べて、前記パーキング機構によって前記斜歯歯車の回転阻止が解除されたとき、前記電動機が受ける前記ドライブシャフトに蓄積された捩りトルクの反力を低減させることができるので、これに伴って、前記電動機に連結された前記斜歯歯車に伝達される前記ドライブシャフトの捩りトルクの反力を低減させることができる。そのため、たとえば前記ドライブシャフトの捩りトルクの反力に基づき前記軸受に印加される前記斜歯歯車の軸方向成分の荷重が抑制されるので、前記軸受の圧痕あるいは損傷の発生が抑制されて、前記軸受の寿命の低下が抑制できる。
0009
第2発明によれば、前記非回転材と前記軸受との間あるいは前記軸受と前記斜歯歯車との間に弾性体が配設されている。これにより、前記弾性体が設けられていない場合に比べて、前記パーキング機構によって前記斜歯歯車の回転阻止が解除されたとき、たとえば前記ドライブシャフトの捩りトルクの反力に基づき前記軸受に印加される前記斜歯歯車の軸方向成分の荷重が抑制される。そのため、前記軸受の圧痕あるいは損傷の発生が抑制されるので、前記軸受の寿命の低下が抑制できる。
図面の簡単な説明
0010
本発明が適用された車両用動力伝達装置の概略構成を示す骨子図である。
図1の車両用動力伝達装置の要部の一部を概略的に示した断面図である。
他の実施例の車両用動力伝達装置の概略構成を示す骨子図である。
図3の車両用動力伝達装置の要部の一部を概略的に示した断面図である。
他の実施例の車両用動力伝達装置の要部の一部を概略的に示した断面図であって、図4とは別の態様を示す図である。
0011
本発明は、走行用の駆動力源としてエンジンの他に走行用回転機すなわち駆動用電動機を有するハイブリッド車両や、電動自動車等に適用される。また、本発明は、駆動力源として電動モータのみを備えている電気自動車などにも適用され得る。
0012
以下、本発明の一実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
0013
図1は、本発明が適用された車両10の車両用動力伝達装置12(以下、動力伝達装置12という)の概略構成を示す骨子図である。動力伝達装置12では、電動機MGいわゆる電動モータから出力される動力が差動歯車装置20および左右一対のドライブシャフト22a、22bを介して左右一対の駆動輪24a、24bに伝達される。差動歯車装置20はデフギヤ26を有している。デフギヤ26は出力歯車28に連結され、出力歯車28は電動機MGに連結されている。出力歯車28は、たとえば電動機MGのロータ軸に直結されたサンギヤや電動機MGに動力伝達可能に連結されたリングギヤなどの自動変速部における斜歯歯車28である。電動機MGから出力される動力は、斜歯歯車28を介して左右一対のドライブシャフト22a、22bに伝達される。
0014
動力伝達装置12には、パーキング機構30およびトルクリミッタ32が設けられている。図1に示す一点鎖線は、車両10の車体に締結された非回転部材であるケース34いわゆるトランスアクスルケース34である。ケース34の内部には、電動機MG、差動歯車装置20、斜歯歯車28、パーキング機構30およびトルクリミッタ32などが収容されている。
0015
パーキング機構30は、たとえば斜歯歯車28に連結された出力軸36を固定する機構であって、出力軸36を固定することによって出力軸36に連結された斜歯歯車28の回転を阻止あるいは許容するものである。パーキング機構30は、出力軸36に連結されるパーキングギヤ38と図示しないロック爪とを有しており、たとえば上記ロック爪を移動させてパーキングギヤ38に上記ロック爪を当接させることによってパーキングギヤ38の回転を阻止させ、あるいは上記ロック爪を移動させてパーキングギヤ38から上記ロック爪を離隔させることによってパーキングギヤ38の回転を許容させる。パーキングギヤ38は、出力軸36および斜歯歯車28に機械的に連結されているため、パーキングギヤ38の回転が阻止されると出力軸36および斜歯歯車28の回転も阻止される。また、パーキングギヤ38の回転が許容されると、出力軸36および斜歯歯車28の回転も許容される。ここで、パーキング機構30の作動によって斜歯歯車28の回転が阻止された状態をロック状態という。また、パーキング機構30の作動が解除された状態すなわちパーキング機構30の作動によって斜歯歯車28の回転が許容された状態をアンロック状態という。すなわち、パーキング機構30によってロック状態およびアンロック状態に切替可能になっている。
0016
トルクリミッタ32は、電動機MGと斜歯歯車28との間の動力伝達経路に設けられている。すなわちトルクリミッタ32は、動力伝達経路において、電動機MGの下流側且つ斜歯歯車28の上流側の位置に配設されている。トルクリミッタ32は、予め設定されたリミットトルクを超えるトルクの伝達を防止する機構を有するものである。トルクリミッタ32は、たとえばトルクリミッタ32を構成する図示しない複数のプレート部品と摩擦材との間の摩擦面におけるすべりに基づきリミットトルクが設定される。
0017
図2は、動力伝達装置12の要部の一部を概略的に示した断面図であって、出力軸36に設けられた斜歯歯車28を含むギヤ部40を概略的に示す図である。図2の一点鎖線は、斜歯歯車28を含むギヤ部40、出力軸36および軸受42の回転中心軸Cを示している。斜歯歯車28を含むギヤ部40、出力軸36および軸受42などは、回転中心軸Cに対して略対称的に構成されており、図2では回転中心軸Cから下半分が省略されている。図2に示すように、動力伝達装置12には、回転中心軸C方向において、斜歯歯車28を含むギヤ部40と非回転部材であるケース34との間に軸受42が設けられている。軸受42は、ギヤ部40すなわち斜歯歯車28をケース34に回転可能に支持するものである。ギヤ部40は、出力軸36に対して相対回転不能に出力軸36に固定されている。
0018
ところで、たとえば車両10の坂路駐車時において、図示しないシフトが運転者によってパーキングポジションすなわちパーキングレンジにシフト操作された場合には、トランスアクスル内すなわち動力伝達装置12におけるケース34内のパーキング機構30が作動させられる。パーキング機構30が作動させられたことによって、たとえばパーキングギヤ38の回転を阻止させるための作動が為されて、パーキングギヤ38の回転が阻止されるとともに、出力軸36および斜歯歯車28の回転が阻止される。たとえば運転者によって図示しないフットブレーキの操作の解除すなわち図示しないフットブレーキを離す操作が為された場合には、車両10は、自重の坂路を下る方向の力成分により弾性体であるドライブシャフト22a、22bを捩らせながら移動させられる。このとき、ドライブシャフト22a、22bには、ロック状態において捩らされたことによるエネルギーいわゆる捩りトルクが蓄積される。
0019
次に、図示しないシフトが運転者によってパーキングポジションからパーキングポジション以外のポジションにシフト操作された場合すなわち坂路駐車状態の車両10を走行させるための操作がされた場合には、パーキング機構30の作動が解除された状態である、パーキングギヤ38の回転の阻止すなわちパーキングギヤ38の固定が解放されたアンロック状態にされて、ドライブシャフト22a、22bに蓄積された捩りトルクが解放される。ドライブシャフト22a、22bに蓄積された捩りトルクは、たとえば動力伝達装置12内の回転体すなわちギヤや回転軸などを回転させながら解放される。このとき、動力伝達装置12において回転慣性が比較的大きい慣性体である電動機MGは、捩りトルクの解放により回転体を回転させようとする過大な力すなわち捩りトルクの反力を受ける。捩りトルクの反力は、電動機MGに直結する回転体たとえば斜歯歯車28に伝達され、斜歯歯車28の図示しない噛み合い部における軸方向成分の荷重が衝撃荷重として軸受42に伝達される。
0020
本実施例では、電動機MGのような回転慣性が大きい慣性体よりも出力側、具体的には電動機MGと斜歯歯車28との間の動力伝達経路にトルクリミッタ32が設けられている。これにより、電動機MGが受ける捩りトルクの反力は、トルクリミッタ32によって設定されるトルク量いわゆるリミットトルクに緩和される。たとえば電動機MGが受ける捩りトルクの反力は、トルクリミッタ32を構成する部品間のすべりによって設定されるトルク量すなわちトルクリミッタ32の引き摺りトルクまで低減可能になっている。したがって、斜歯歯車28には、トルクリミッタ32が設けられていない場合に電動機MGから伝達される捩りトルクの反力よりも小さいトルク量である上記引き摺りトルクが伝達される。そのため、本実施例では、トルクリミッタ32が設けられていない場合に比べて、斜歯歯車28の図示しない噛み合い部における軸方向成分の荷重は低減されて、軸受42に印加される衝撃荷重はトルクリミッタ32で緩和された荷重に留まる。
0021
このように、本実施例の動力伝達装置12によれば、電動機MGと斜歯歯車28との間の動力伝達経路にトルクリミッタ32が配設されている。これにより、トルクリミッタ32が設けられていない場合に比べて、パーキング機構30によって斜歯歯車28の回転阻止が解除されたとき、電動機MGが受けるドライブシャフト22a、22bに蓄積された捩りトルクの反力を低減させることができるので、これに伴って、電動機MGに連結された斜歯歯車28に伝達されるドライブシャフト22a、22bの捩りトルクの反力を低減させることができる。そのため、ドライブシャフト22a、22bの捩りトルクの反力に基づき軸受42に印加される斜歯歯車28の軸方向成分の荷重が抑制されるので、軸受42の圧痕あるいは損傷の発生が抑制されて、軸受42の寿命および性能の低下が抑制できる。さらに、軸受42に印加される斜歯歯車28の軸方向成分の荷重が抑制されることによって、たとえばドライブシャフト22a、22bの剛性に影響されることなく設計上において最適な大きさの軸受42を用いることができる。
0022
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、前述の実施例1と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
0023
図3は、他の実施例である車両用動力伝達装置100(以下、動力伝達装置100という)の概略構成を示す骨子図である。図4は、動力伝達装置100の要部の一部を概略的に示した断面図であって、出力軸36に設けられた斜歯歯車28を含むギヤ部40を概略的に示す図である。図3は、実施例1の図1に対応する図であり、図4は、実施例1の図2に対応する図である。図4に示すように、軸受42の回転中心軸C方向において、非回転部材であるケース34と軸受42との間に弾性体102が配設されている。具体的には、軸受42の内周に出力軸36が圧入されて軸受42の外周外側にガタが形成されるように軸受42が動力伝達装置100に組み付けられるものである場合に、軸受42の外輪42aの軸方向外側すなわち外輪42aとケース34との間に弾性体102が配設されている。弾性体102には、たとえば皿はねが用いられる。
0024
本実施例では、ケース34と軸受42との間に弾性体102を配設させることによってダンピング構造を成し、たとえば電動機MGから斜歯歯車28に伝達される捩りトルクの反力に基づき軸受42に印加される軸方向成分の荷重を弾性体102の変形によって緩和させている。
0025
このように、本実施例によれば、非回転部材であるケース34と軸受42との間に弾性体102が配設されている。これにより、弾性体102が設けられていない場合と比べて、パーキング機構30によって斜歯歯車28の回転阻止が解除されたとき、ドライブシャフト22a、22bの捩りトルクの反力に基づき軸受42に印加される斜歯歯車28の軸方向成分の荷重が抑制される。そのため、軸受42の圧痕あるいは損傷の発生が抑制されるので、軸受42の寿命および性能の低下が抑制できる。さらに、軸受42に印加される斜歯歯車28の軸方向成分の荷重が抑制されることによって、たとえばドライブシャフト22a、22bの剛性に影響されることなく設計上において最適な大きさの軸受42を用いることができる。
0026
図5は、車両用動力伝達装置200(以下、動力伝達装置200という)の要部の一部を概略的に示した断面図であって、出力軸36に設けられた斜歯歯車28を含むギヤ部40を概略的に示す図である。図5は、実施例1の図2に対応する図である。図5に示すように、軸受42の回転中心軸C方向において、軸受42と斜歯歯車28を含むギヤ部40との間に弾性体202が配設されている。具体的には、ケース34に軸受42の外周が圧入されて軸受42の内周内側にガタが形成されるように軸受42が動力伝達装置200に組み付けられるものである場合に、軸受42の内輪42bの軸方向内側すなわち内輪42bと斜歯歯車28との間に弾性体202が配設されている。弾性体202には、たとえば皿はねが用いられる。
0027
本実施例では、軸受42と斜歯歯車28との間に弾性体202を配設させることによってダンピング構造を成し、実施例2と同様に、たとえば電動機MG斜歯歯車28に伝達される捩りトルクの反力に基づき軸受42に印加される軸方向成分の荷重を弾性体202の変形によって緩和させている。
0028
このように、本実施例によれば、軸受42と斜歯歯車28との間に弾性体202が配設されている。これにより、弾性体202が設けられていない場合と比べて、パーキング機構30によって斜歯歯車28の回転阻止が解除されたとき、たとえばドライブシャフト22a、22bの捩りトルクの反力に基づき軸受42に印加される斜歯歯車28の軸方向成分の荷重が抑制される。そのため、軸受42の圧痕あるいは損傷の発生が抑制されるので、軸受42の性能の低下が抑制できる。さらに、軸受42に印加される斜歯歯車28の軸方向成分の荷重が抑制されることによって、たとえばドライブシャフト22a、22bの剛性に影響されることなく設計上において最適な大きさの軸受42を用いることができる。
0029
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
0030
たとえば、動力伝達装置12は、電動機MGと斜歯歯車28との間の動力伝達経路にトルクリミッタ32が配設されているとともに、軸受42の軸方向において、ケース34と軸受42との間あるいは軸受42と斜歯歯車28との間に弾性体102、202が配設されているものであってもよい。
実施例
0031
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
0032
12、100、200:動力伝達装置(車両用動力伝達装置)
22a、22b:ドライブシャフト
28:斜歯歯車
30:パーキング機構
32:トルクリミッタ
34:ケース(非回転部材)
102、202:弾性体
MG:電動機
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