図面 (/)

技術 建築部材および建築部材の製造方法

出願人 株式会社工芸社・ハヤタ
発明者 早田允英
出願日 2019年4月15日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-077082
公開日 2020年10月29日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-176376
状態 特許登録済
技術分野 建築環境 建築用棒状部材
主要キーワード 温度変位 接合中心 一般財 各金属部材 木質複合 防水処理層 初期たわみ 参考形態
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年10月29日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

石膏ボードを利用し、2時間耐火にも耐えられるような木材を用いた建築部材を提供することを目的とする。

解決手段

構造用木材11と、構造用木材11の露出する周囲を被覆する石こうボード層211、212、213とを有する建築部材であり、石こうボード層211、212、213が、厚み30mm以上の厚みを有し、構造用木材11に、石こうボード層211を貫通する留め具3により固定されている貫通固定面を有する建築部材101。

概要

背景

木材は、日本等において建築物構造部材等に用いられる重要な部材である。特に建築物の構造部材として、柱や梁等に用いられる木材は、建築物自重や、積雪、風、地震建物内の家具や生活・使用等による外力などの各種荷重を受け、これらを支える重要な部材である。木材を主要な構造部材として用いる木造建築物は近年の日本でも広く建設されている。

しかし、木造建築物に火災が生じると、柱や梁などが火炎に曝されて炭化し強度が低下して倒壊してしまうおそれがある。このような火災による倒壊を避けるために、木を用いる構造部材にも耐火性を付与することが検討されている。

特許文献1は、荷重を受ける長尺かつ矩形横断面の構造部と、該構造部の横断面の四方をその全長に亘って被覆する被覆部と、前記構造部と被覆部との間に層状に介在し、前記構造部に作用した荷重が被覆部に伝達されないようにする石膏ボードと、を含んで構成されたことを特徴とする木製建築部材を開示するものである。

また、特許文献2〜6も、耐火柱耐火梁、耐火構造物耐火被覆構造接合構造等を開示するものであり、燃えしろ部分や、スペーサー不燃木材耐火被覆材、燃えどまり層等を設けて耐火性を有する部材を提供しようとするものである。

概要

石膏ボードを利用し、2時間耐火にも耐えられるような木材を用いた建築部材を提供することを目的とする。構造用木材11と、構造用木材11の露出する周囲を被覆する石こうボード層211、212、213とを有する建築部材であり、石こうボード層211、212、213が、厚み30mm以上の厚みを有し、構造用木材11に、石こうボード層211を貫通する留め具3により固定されている貫通固定面を有する建築部材101。

目的

本発明は、石膏ボードを利用し、2時間耐火にも耐えられるような木材を用いた建築部材を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

構造用木材と、前記構造用木材の露出する周囲を被覆する石こうボード層とを有する建築部材であり、前記石こうボード層が、厚み30mm以上の厚みを有し、かつ、前記構造用木材に前記石こうボード層を貫通する留め具により固定されている貫通固定面を少なくとも一面以上有する建築部材。

請求項2

前記建築部材が横架材であり、前記貫通固定面が少なくとも前記横架材の鉛直方向の下側の面である請求項1記載の建築部材。

請求項3

前記構造用木材が、幅210mm以上の矩形横断面を有する請求項2記載の建築部材。

請求項4

前記構造用木材が、芯持ち材束ね重ね合わせた木質複合軸材料である請求項1〜3のいずれかに記載の建築部材。

請求項5

前記石こうボード層が、強化石こうボードを有する請求項1〜4のいずれかに記載の建築部材。

請求項6

前記石こうボード層が、前記石こうボード層の前記建築部材における最外層側に防水処理された石こうボードを有する請求項1〜5のいずれかに記載の建築部材。

請求項7

前記石こうボード層が、複数の石こうボードを積層したものであり、積層されている前記石こうボード間に、石こうボード用接着剤塗布部を有する請求項1〜6のいずれかに記載の建築部材。

請求項8

前記貫通する留め具が、前記構造用木材に15mm以上打ち込まれている請求項1〜7のいずれかに記載の建築部材。

請求項9

2時間耐火以上である請求項1〜8のいずれかに記載の建築部材。

請求項10

前記石こうボード層の外層化粧材層を有する請求項1〜9のいずれかに記載の建築部材。

請求項11

構造用木材と、前記構造用木材の露出する周囲を被覆する石こうボード層とを有する建築部材の製造方法であり、前記石こうボード層が、厚み30mm以上の厚みを有し、前記構造用木材に、前記石こうボード層を貫通する留め具により固定し貫通固定面を設ける貫通固定工程を有する建築部材の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、建築部材および建築部材の製造方法に関する。特に、耐火性に優れた建築部材に関する。

背景技術

0002

木材は、日本等において建築物構造部材等に用いられる重要な部材である。特に建築物の構造部材として、柱や梁等に用いられる木材は、建築物自重や、積雪、風、地震建物内の家具や生活・使用等による外力などの各種荷重を受け、これらを支える重要な部材である。木材を主要な構造部材として用いる木造建築物は近年の日本でも広く建設されている。

0003

しかし、木造建築物に火災が生じると、柱や梁などが火炎に曝されて炭化し強度が低下して倒壊してしまうおそれがある。このような火災による倒壊を避けるために、木を用いる構造部材にも耐火性を付与することが検討されている。

0004

特許文献1は、荷重を受ける長尺かつ矩形横断面の構造部と、該構造部の横断面の四方をその全長に亘って被覆する被覆部と、前記構造部と被覆部との間に層状に介在し、前記構造部に作用した荷重が被覆部に伝達されないようにする石膏ボードと、を含んで構成されたことを特徴とする木製建築部材を開示するものである。

0005

また、特許文献2〜6も、耐火柱耐火梁、耐火構造物耐火被覆構造接合構造等を開示するものであり、燃えしろ部分や、スペーサー不燃木材耐火被覆材、燃えどまり層等を設けて耐火性を有する部材を提供しようとするものである。

先行技術

0006

特許4359275号公報
特開2017−014817号公報
特開2017−193950号公報
特開2017−193949号公報
特開2003−293482号公報
特開2008−019652号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明者らは、木を用いた建築部材のさらなる用途拡大のために、耐火性を向上させることを検討した。特に、その用途拡大が期待される1時間耐火や、2時間耐火以上となる建築部材を検討した。耐火性の向上を評価するとき、建築部材はより長時間火炎に曝されることとなる。その結果、従来技術には次のような課題が生じることを見出した。

0008

特許文献1記載の木製建築部材では、構造部に作用した荷重が被覆部に伝達されないようにする石膏ボードを用いている。すなわち、石膏ボードとしてボード用原紙を有し、石膏自体は割裂しやすいものを用いて、構造部(集成材等)、石膏ボード及び被覆部(集成材等)が一体化していない構造にするものである。しかし、本発明者らが検討した結果、石膏ボードが割裂しやすい脆いものを用いて、その石膏ボード層を厚くした状態で長時間火炎に曝されると、構造部から石こうボードが容易に脱落してしまうことが分かった。

0009

また、石膏ボードは厚くするほど当然重くなるため、通常20〜25mm程度の厚みを1層当たりの上限として、さらに厚みが必要な場合は積層することとなる。これらの積層には、石膏ボードを留める接着剤等が用いられる。耐熱性を考慮するとこの釘部分熱橋として機能する伝熱部になりうるため、石膏ボードの外の火炎による熱が釘部分から伝達され、構造用木材が燃えやすくなることが懸念される。また、通常、石膏ボードを積層するときは、その層毎に固定すれば足ると考えられ、2層間を固定しそれを繰り返すことで固定されていた。

0010

特許文献2〜6は、燃えしろ部分や、スペーサー、不燃木材、耐火被覆材、燃えどまり層を設けたりするものであるが、2時間耐火を達成するための具体的な構造を開示するには足るものではなかったり、火炎に曝されることで脱落しやすい部分があったり、構造が複雑となるものであった。

0011

係る状況下、本発明は、石膏ボードを利用し、2時間耐火にも耐えられるような木材を用いた建築部材を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。

0013

すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1>構造用木材と、前記構造用木材の露出する周囲を被覆する石こうボード層とを有する建築部材であり、
前記石こうボード層が、厚み30mm以上の厚みを有し、かつ、前記構造用木材に前記石こうボード層を貫通する留め具により固定されている貫通固定面を少なくとも一面以上有する建築部材。
<2> 前記建築部材が横架材であり、前記貫通固定面が少なくとも前記横架材の鉛直方向の下側の面である<1>記載の建築部材。
<3> 前記構造用木材が、幅210mm以上の矩形横断面を有する<2>記載の建築部材。
<4> 前記構造用木材が、芯持ち材束ね重ね合わせた木質複合軸材料である<1>〜<3>のいずれかに記載の建築部材。
<5> 前記石こうボード層が、強化石こうボードを有する<1>〜<4>のいずれかに記載の建築部材。
<6> 前記石こうボード層が、前記石こうボード層の前記建築部材における最外層側に防水処理された石こうボードを有する<1>〜<5>のいずれかに記載の建築部材。
<7> 前記石こうボード層が、複数の石こうボードを積層したものであり、積層されている前記石こうボード間に、石こうボード用接着剤塗布部を有する<1>〜<6>のいずれかに記載の建築部材。
<8> 前記貫通する留め具が、前記構造用木材に15mm以上打ち込まれている<1>〜<7>のいずれかに記載の建築部材。
<9> 2時間耐火以上である<1>〜<8>のいずれかに記載の建築部材。
<10> 前記石こうボード層の外層化粧材層を有する<1>〜<9>のいずれかに記載の建築部材。
<11> 構造用木材と、前記構造用木材の露出する周囲を被覆する石こうボード層とを有する建築部材の製造方法であり、
前記石こうボード層が、厚み30mm以上の厚みを有し、前記構造用木材に、前記石こうボード層を貫通する留め具により固定し貫通固定面を設ける貫通固定工程を有する建築部材の製造方法。

発明の効果

0014

本発明の建築部材は、火炎に長時間曝されても石こうボード層の脱落が生じにくく、耐火性に優れたものである。

図面の簡単な説明

0015

本発明の第一の実施形態に係る建築部材の概要断面図である。
本発明の第一の実施形態に係る建築部材の構造用木材の概要断面図である。
本発明の第一の実施形態に係る建築部材の図1とは他の概要断面図である。
本発明の第一の実施形態に係る建築部材の鉛直方向下側からの見上図である。
本発明の第二の実施形態に係る建築部材の概要断面図である。
本発明の第二の実施形態に係る建築部材の図5とは他の概要断面図である。

0016

以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。なお、本明細書において「〜」という表現を用いる場合、その前後の数値を含む表現として用いる。

0017

本発明の建築部材は、構造用木材と、前記構造用木材の露出する周囲を被覆する石こうボード層とを有する建築部材であり、前記石こうボード層が、厚み30mm以上の厚みを有し、かつ、前記構造用木材に前記石こうボード層を貫通する留め具により固定されている貫通固定面を少なくとも一面以上有する。
本発明の建築部材は、石こうボード層により優れた耐火性を有し、さらに石こうボード層を貫通する留め具により固定することで長時間火炎に曝されても石こうボードの脱落を防止することができる。

0018

本発明の建築部材の製造方法は、構造用木材と、前記構造用木材の露出する周囲を被覆する石こうボード層とを有する建築部材の製造方法であり、前記石こうボード層が、厚み30mm以上の厚みを有し、前記構造用木材に、前記石こうボード層を貫通する留め具により固定し貫通固定面を設ける貫通固定工程を有する。
なお、本願において本発明の建築部材の製造方法により本発明の建築部材を製造することもでき、本願においてそれぞれに対応する構成は相互に利用することができる。

0019

本発明者らが検討した結果、石こうボードを構造用木材に貼り付けて大型化すると、燃焼により脆化して、石こうボードが脱落することが判明した。石こうボードが脱落すると当然石こうボードによる耐火性が得られず、構造用木材が火炎や高熱に曝されて燃えたり炭化して強度低下してしまう。

0020

石こうボードを積層するとき、固定のために金属部材等を用いるが、各金属部材の長さは石こうボード2層を貫通させる程度で設計され、石こうボードが3層以上ある場合、2層ずつ複数回金属部材による取付けられている。また、固定のための金属部材が伝熱部となり燃えやすくなると考えられるため構造用木材までの貫通を避け、層ごとに位置をずらしながら金属部材を配置したり、接着剤の補強を主とするものと考えられる。

0021

これらに関して、従来通り、複数層の石こうボードを層ごとに位置をずらしながら、石こうボード用釘や、ステープル等の金属部材を配置し固定して試験を行った。燃焼試験を行うと、燃焼により外層の石こうボード層から脆くなり石こうボード層全体としても一体化されていないため、石こうボード層は脱落した。特に、梁用部材のような横架材として、構造用木材の幅を210mm以上とすると、その構造用木材の鉛直方向下側に取り付ける石こうボードの自重も重くなり、その自重によるものと考えられる燃焼試験中の脱落が顕著なものとなった。

0022

そこで、3層や4層設けた石こうボード層を貫通させる留め具により一体化させ、構造用木材に固定すると、2時間耐火等の燃焼試験を行っても脱落は生じず、さらに、貫通する金属部材の留め具の伝熱による構造用木材の燃焼や炭化も生じなかった。これは、石こうボード層が十分に厚くなるため、金属部材からの熱伝達も石こうボード層内で分散され構造用木材に達しにくかったためと考えられる。この結果から、石こうボード層を貫通させる留め具により石こうボード層を一体化して、構造用木材に取り付けることで、耐火性に優れた建築部材を得ることができることを見出した。

0023

[第一の実施形態]
図1〜4を用いて本発明の第一の実施形態を説明する。図1は、本発明の第一の実施形態に係る建築部材101の概要断面図である。図2は建築部材101の構造用木材11を説明するための概要断面図である。建築部材101は横架材である梁用部材を想定して設計されており、図1における下方向が、鉛直方向の下側である。この断面は図4に示す建築部材101の見上図におけるA−A断面に相当する。

0024

この建築部材101は、構造用木材11と、石こうボード層211、212、213とを有している。また、梁用部材を想定して建築部材101の鉛直方向上側は、取付部材5に取り付けられている。図2に示すように、構造用木材11は、略正方形の断面を有する木材1を2列5段重ね合わせて束ねたものであり、構造用木材11の幅はw1、高さはh1である。図1に示すように、構造用木材11の露出する周囲である鉛直方向下側、左右の3方向は、石こうボード層211、212、213により被覆されている。石こうボード層211、212、213は、いずれも厚み(t1、t2、t3)30mm以上である。石こうボード層を設けることで、建築部材101の全体の大きさとしては、梁用部材として幅がw2、高さはh2である。

0025

鉛直方向の下側となる石こうボード層211は、石こうボード2111、2112、2113、2114の4枚の石こうボードを貫通する長尺留め具3により構造用木材11に固定されており、この鉛直方向下側は貫通固定面となっている。この貫通固定面を設ける部分を貫通固定部とする。
一方、側面に設けられた石こうボード層212は、構造用木材11に隣接する内側から順に石こうボード2121、2122、2123、2124の順に積層したものである。また、石こうボード層213は、構造用木材11に隣接する内側から順に石こうボード2131、2132、2133、2134の順に積層したものである。

0026

図3は建築部材101の、図1とは他の概要断面図である。これらの断面は一般的な留め具による固定を行う典型的な断面構成の概要を示すものである。この一般的な留め具による固定を行う部分を一般固定部とする。この断面は図4に示す建築部材101の見上図におけるB−B断面に相当する。この断面は、石こうボードの積層に用いられる短尺留め具41により、内側の石こうボード2111、2121、2131と、構造用木材11とを固定している。また、ステープル42により、隣り合う石こうボードを2層ずつ固定している。

0027

図4は建築部材101の鉛直方向下側からの見上図である。図4は、建築部材101を鉛直方向下側から見上げるため、石こうボード2114の面が見える。この面は、長尺留め具3により固定されている貫通固定面である。図4においては、内部の構造用木材11の木材1の端部に相当する位置を一点破線で表す。建築部材101において、ステープル42による一般固定部は、間隔L1で繰り返し設ける。長尺留め具3による貫通固定部は、間隔L2で繰り返し設ける。建築部材101では、間隔L1よりも間隔L2は長く、間隔L2を間隔L1の2倍とし、貫通固定部を一般固定部の間とすることで、互いにその固定部が重ならないように配置している。

0028

このような構成を有する建築部材101は石こうボード層の厚さにより優れた耐火性を有し、かつ貫通固定面を有することで火炎に曝されても石こうボードの脱落を防止でき耐火性を長時間安定して発揮できる。

0029

[第二の実施形態]
図5は本発明の第二の実施形態に係る建築部材102の概要断面図である。建築部材102は第一の実施形態と同様に横架材である梁用部材を想定して設計されており、図5における下方向が、鉛直方向の下側である。第二の実施形態においては、第一の実施形態における構造用木材11に代え、略正方形の断面を有する木材を5列5段重ね合わせて束ねた構造用木材12を用いている。

0030

構造用木材12の露出する周囲である鉛直方向下側、左右の3方向は、石こうボード層221、222、223により被覆されている。石こうボード層221、222、223は、いずれも厚み(t1、t2、t3)30mm以上である。鉛直方向の下側となる石こうボード層221は、石こうボード2211、2212、2213、2214の4枚の石こうボードを貫通する長尺留め具3により構造用木材12に固定されており、この鉛直方向下側は貫通固定面となっている。

0031

図6は建築部材102の、図5とは他の概要断面図である。これらの断面は一般的な留め具による固定(一般固定部)を行う典型的な断面構成の概要を示すものである。この断面は、石こうボードの積層に用いられる短尺留め具41により、内側の石こうボード2211、2212、2213と、構造用木材11とを固定している。また、ステープル42により、隣り合う石こうボードを2層ずつ固定している。建築部材102についてもその見上図のおける打ち込み固定間隔は、図4に示す見上図に準ずるような構成とすることができる。

0032

このような構成を有する建築部材102は石こうボード層の厚さにより優れた耐火性を有し、かつ貫通固定面を有することで火炎に曝されても石こうボードの脱落を防止でき耐火性を長時間安定して発揮できる。

0033

参考形態
なお、参考形態として、建築部材101や建築部材102において、図1図5に示すような長尺留め具3による固定を行う部分を設けず貫通固定面は無いものについて説明する。これらのような建築部材による構成で2時間耐火の試験を行ったとき、梁として鉛直方向に対する下側にあたる石こうボード層211、221の層間や、構造用木材11、12の下側の温度をモニタリングすると、燃焼開始から60〜90分程度で急激な温度上昇が生じる。また、燃焼試験後に、炉内を観察すると鉛直方向下側の石こうボード層211の脱落が確認される。

0034

(構造用木材)
本発明の建築部材及び建築部材の製造方法は、構造用木材を用いる。この構造用木材は、建築部材としての軸材となる木材である。軸材とは、構造体力状主要な部分に用いる枠組材である。

0035

構造用木材は、その周囲に石こうボードを貼り付けて用いる。この石こうボードを貼り付けることができる形状であれば任意の形状でよい。構造用木材は、石こうボードが板部材として通常用いられるため、その貼り合わせを行いやすいように、正方形長方形等の矩形断面を有する略直方体であることが好ましい。

0036

構造用木材は、軸材として用いることができる種々の木材を用いることができる。より具体的には、国土交通大臣がその樹種区分及び等級等に応じてそれぞれ許容応力度及び材料強度の数値を指定したものを使用できる。例えば、枠組壁工法構造用製材、構造用たて継ぎ材、集成材、下地用製剤、単板積層材(LVL)、木質接着成形軸材料(PSL,LSL)、木質複合軸材料等を用いることができる。

0037

構造用木材は、芯持ち材を束ね重ね合わせた木質複合軸材料(以下、「BP材」)であることが好ましい。このBP材の木材としては、芯持ち材として使用できる種々の製材を用いることができ、スギヒノキカラマツ、ダフリカカラマツ、ベイマツエゾマツトドマツオウシュウアカマツなどを用いてもよい。このBP材は、例えば、建築基準法37条2号の木質複合軸材料として、審査され国土交通大臣認定を受けているものが好適に用いられる。具体的には、株式会社工芸社・ハヤタのスギBP材(登録商標)やヒノキBP材(登録商標)などがあげられる。これらのBP材は、芯持ち材を略正方形の断面の直方体とし、エポキシ樹脂系2液型接着剤接着面に塗布し、複数の製材を2列や3列、4列、5列など、複数列並べてプレス機圧締し、保温養生して、寸法調整仕上げを行って製造される。これらのBP材は複数段としてもよく、例えば3列1段の断面長方形の直方体状や、3列3段の断面正方形の直方体などとすることができる。

0038

BP材は、一般的な集成材と比べて、芯持ち材を用いることからBP材の側面に対して垂直に打ち込む釘等が年輪に対して垂直に近い角度で打ち込まれやすい。このため、BP材に対する釘等の打ち込みは、年輪に水平に釘等を打ち込む場合がある集成材等を用いる場合よりも強く固定されやすい。

0039

また、BP材のいずれの側面も、その側面に表れる接合部が少ない。接合部は木材そのものよりも、釘等を固定する力が弱い。BP材に対する釘等の打ち込みは、このような接合部に打ち込むおそれが少なく、かつ、接合部の位置をその寸法等から特定しやすいため、BP材を構成する芯持ち材の中心等に打ち込みやすく、強い固定を行いやすい。

0040

さらに、BP材はそれを構成するものが芯持ち材のため、火炎に曝されたとき、白太部分が多いものよりも炭化しにくく、芯の周囲が燃えしろとしても機能する。このため、芯による耐荷重等の強度を維持し、耐火性にも優れている。
このようにBP材を用いることで石こうボード層の固定をより強固なものとし、より耐火性に優れた建築部材とすることができる。

0041

構造用木材の大きさは、略直方体状の柱相当の寸法としたとき、ヨコ幅100mm以上、タテ幅100mm以上であることが好ましい。なお、特に断りが無い場合、直方体状で、ヨコ幅とタテ幅との長さが異なる場合、より長いほうをヨコ幅とする。
ヨコ幅は105mm以上が好ましく、150mm以上、210mm以上、250mm以上、300mm以上、450mm以上としてもよい。タテ幅は、105mm以上が好ましく、150mm以上、210mm以上、250mm以上、300mm以上、450mm以上としてもよい。特に2時間耐火等のより優れた耐火性が求められる建築部材は高層の建築物に用いられることから、建築部材に求められる強度等も高いため、構造用木材も十分に大きいものとして建築部材全体の強度等にも優れたものとすることもできる。タテ幅・ヨコ幅の上限は建築部材として使用可能な範囲で特に定めなくてもよいが、現実的に木材としての入手性や取り扱い性を鑑みて、1000mm以下や、900mm以下、800mm以下のように上限を設けてもよい。

0042

構造用木材の大きさは、その構造用木材が梁用部材のような横架材のとき、幅210mm以上であることが好ましい。より好ましくは250mm以上、300mm以上、450mm以上、500mm以上である。なお、横架材とは、建物の梁、桁、胴差し棟木母屋など水平方向に架ける構造材である。本願における横架材については、代表的な横架材である梁(梁用部材)を中心に説明する。この幅が200mmを超えるとき、梁の下面に取り付けた石こうボードの脱落が顕著になる。これは、石膏ボード自体の自重も重くなることも影響していると考えられる。このような幅が大きい石こうボードに対して、特に本発明のように貫通固定面を設ける効果が優れたものとなる。
梁用部材のような横架材の高さは、任意でよい。梁は、一般的に幅よりも高さの方が大きいものとして設計され、構造計算等行われる。このため、その高さの幅に対する比(高さ/幅)を1以上としたり、1.2以上、1.5以上、2以上、3以上としてもよい。高さの幅に対する比(高さ/幅)の上限は特に定めなくてもよいが、10以下や、5以下としてもよい。

0043

構造用木材の長さは、建築部材としての用途や使用位置等を鑑みて適宜調整することができる。その下限は、0.5m以上や1m以上、1.5m以上、2m以上、3m以上、5m以上のように下限をもうけてもよい。その上限は、適宜継ぐことで長尺化できるため、その用途に応じて適宜設定される。例えば、10m程度や、20m、50m、100mのように適宜設計することができる。

0044

(石こうボード)
本発明の建築部材及び建築部材の製造方法は、石こうボード層を有する。石こうボード層は、所定の厚みを有する石こうボードの層である。石こうボード層は、適宜、複数枚の石こうボードを積層したものであってよい。石こうボード層は、構造用木材の露出する周囲を被覆するものである。構造用木材はその用途によって露出する周囲が変わる場合がある。例えば梁の場合その上面を床材に貼り付ける場合があり、この場合、露出する周囲は他の下面および側面となる。
また、石こうボード層は、厚み30mm以上である。この石こうボード層は、この厚みを達成するために一般的に用いられる8mm〜25mm程度の厚みの石こうボードを積層したものである。

0045

この石こうボード層の石こうボードは、2枚以上の石こうボードを積層したものであることが好ましい。石こうボードは施工性の観点から、25mm以下であることが好ましく、このような厚みの石こうボードにより石こうボード層を形成するとき、複数枚の石こうボードにより設計することが成形しやすいためである。石こうボード層の石こうボードは、3枚以上、4枚以上とすることが好ましい。一方、ボードの枚数が多すぎる場合、施工時の作業回数が増えすぎて作業しにくくなったり、貫通させにくくなったり、一体化しにくくなる恐れがあるため8枚以下や、7枚以下とすることが好ましい。

0046

石こうボード層の厚みは、40mm以上や、42mm以上、45mm以上とすることが好ましい。石こうボード層の厚さが厚いほど、耐火性を確保しやすい。さらには、50mm以上や、60mm以上や、70mm以上、75mm以上とすることがより好ましい。特に2時間耐火を達成するために、少なくとも50mm以上とするような厚みとすることが好ましい。横架部材などにおいては、耐火試験開始から1時間を超えるあたりから石こうボード層の脱落がより顕著となる場合があり本発明の有効性が向上する。一方、その上限は施工性の観点等から許容できる範囲で任意の厚さとしても良い。上限を設ける場合、150mm以下や、120mm以下、100mm以下としてもよい。必要な耐火性を超える石こうボード層の厚みは過剰なものとなり、重量過多となったり、建築部材が占める空間が増え建物の設計の制限となる恐れがある。

0047

石こうボード層は、強化石こうボードを有することが好ましい。強化石こうボードとは、JIS A6901:2014「石こうボード製品」における強化せっこうボード(GB−F)や、その性能を保持して本発明に利用できる性能を有するせっこうボード(例えば、GB−St−A,Bや、GB−F−Hcなど)である。また、これらに相当する性能を有するものを強化石こうボードに含む。強化石こうボードは、石こうガラス繊維のようま無機質繊維などの繊維を加えて強化したものである。このような無機質繊維などを含有することで、強度や耐火性が向上する。特に、本発明においてはJIS A6901:2014における強化石こうボードの耐衝撃性耐火炎性を有することで、強化石こうボード相当とする。強化石こうボードを用いることで、本発明の建築部材としたときの石こうボード層の一体性にも寄与し、建築部材全体としての強度や耐火性も向上する。例えば、吉野石膏株式会社の、強化せっこうボード(GB−F)などを用いることができる。

0048

石こうボード層は、複数の石こうボードを積層したものであり、積層されている前記石こうボード間に、石こうボード用接着剤塗布部を有するものとすることができる。一部前述したように、石こうボード層はその厚みから複数枚の石こうボードを積層したものが用いられる。この積層のために、留め具による一体化も重要であるが、石こうボード層全体の一体性を向上させるために接着剤を用いて石こうボード層間を接着することが好ましい。接着剤は、石こうボード用の接着剤として利用されている種々の接着剤を使用することができる。例えば、吉野石膏株式会社の、トラボンド(登録商標)などを用いることができる。接着剤を塗布した、石こうボード用接着剤塗布部は、石こうボード層間の全体に塗布しても良いし、20〜100cmや、40〜80cm間隔程度を目安に、塗布部分面積円相当径10〜20cm程度の大きさで、一定の間隔をあけて断続的に塗布部を設けてもよい。

0049

石こうボード層は、石こうボード層の建築部材における最外層側に防水処理層を有する石こうボード層であることが好ましい。すなわち、石膏ボード層として積層された石こうボードの最外層側の石こうボードを、防水処理層を有するものとすることが好ましい。このような防水処理層を有することで、建築部材全体としての耐水性に優れたものとなる。特に、この構成を備える建築部材は、外壁の建築部材に適している。防水処理層を有する石こうボードは、JIS A6901:2014「石こうボード製品」におけるシージング石こうボード(GB−S)やそれに相当するものである。石こうボードの両面の原紙や芯のせっこうに、防水処理を施した石こうボードである。例えば、吉野石膏株式会社の、シージング石こうボード(GB−S)などがあげられる。

0050

(留め具(ビス))
本発明の建築部材及び建築部材の製造方法は、石こうボード層を貫通する留め具を用いる。この石こうボード層を貫通する留め具により固定されている建築部材における面を貫通固定面とよぶ。留め具は、石こうボード層を貫通して、石こうボード層の石こうボードを構造用木材に固定するものである。

0051

貫通する留め具は、石こうボード層を貫通することができる長さのものである。このような長さとするために、石こうボード層の具体的な厚さ等に応じて適宜設計される。具体的には、35mm以上や、45mm以上、50mm以上とすることができる。さらに、55mm以上や、60mm以上、80mm以上、100mm以上とすることができる。その長さの上限も石こうボード層の厚さ等に応じて適宜設計され、例えば200mm以下や、150mm以下程度とすることができる。

0052

貫通する留め具は、石こうボード層を貫通させて、構造用木材に固定することができる形状のものを適宜利用することができる。例えば、留め具として必要な長さを有する金属製の螺子状部材などを用いることができる。石こうボード層を貫通させ、その先端が構造用木材に固定されることから先端が螺子状であることが好ましい。このとき、留め具の胴部や、首部は螺子加工されていない平滑なものでもよいし、先端と同様に螺子状のものでもよい。また、火炎に曝されたとき留め具自体がその強度を維持することができるように、鉄や鋼、ステンレス等の金属製であることが好ましい。

0053

貫通する留め具による固定は、構造用木材に15mm以上打ち込まれていることが好ましい。この打ち込まれる長さは、18mm以上が好ましく、20mm以上がより好ましい。このような長さで打ち込まれることで、構造用木材により強固に石こうボード層が固定される。一方、打ち込まれる長さの上限は、石こうボード層の脱落を防止できる範囲で任意でもよいが、構造用木材の内部に入りすぎることで構造用木材としての強度に大きな影響を与えたり、留め具を固定する施工性が低下する恐れがあるため、50mm以下や40mm以下、30mm以下のような上限を設けてもよい。

0054

また、留め具による固定を行う頻度は、建築部材の幅方向においては、構造用木材の種類に応じて適宜設定できる。例えばBP材を用いる場合、BP材を構成する各芯持ち材に1本ずつ以上の頻度で固定することができる。

0055

また、留め具の固定を行う建築部材の長さ方向の間隔として、20cm〜100cm間隔から適宜設定され、間隔の上下限は、40cmや、60cm、80cm程度を目安としてもよい。この間隔の範囲内で他の一般固定部の位置や、据え付け時の他の部材との位置関係等を考慮し、留め具の固定位置を調整しながら固定することができる。間隔が狭く固定する頻度が多すぎる場合、固定効果飽和し、作業効率が低下する。間隔が広く固定する頻度が低すぎる場合、固定効果が十分に得られず、石こうボード層が脱落しやすくなる恐れがある。
なお、建築部材が柱の場合、この長さはいわゆる高さ方向に相当する。柱の場合、柱の上部からの石こうボードの脱落が生じやすい。このため柱の場合、底面から50cm以上を基点として、それより上部に20cm〜100cm間隔で留め具の固定を行ってもよい。この固定は、底面から80cm以上や、100cm以上、150cm以上から鉛直方向の上側で行うものとしてもよい。

0056

貫通する留め具による固定を行うにあたっては、構造用木材としてBP材を用いて、BP材を構成する芯持ち材の接合部周辺接合中心から10mm以内や5mm以内)を避けて打ち込むことが好ましい。また、BP材を構成するそれぞれの芯持ち材に打ち込み固定することが好ましい。この打ち込み位置は、芯持ち材の幅の中央から端までの長さをwaとしたとき、中央から0.7wa以内や0.6wa以内、0.5wa以内とすることが好ましい。例えば芯持ち材の幅が150mmのとき、幅の中央から端までの長さwaは75mmであり、0.7waは52.5mmであるため、中央から0.7wa以内とは中央から52.5mm以内を打ち込み位置とすることができる。BP材は芯持ち材を束ね重ね合わせたものでその寸法が明確なため、BP材の接合部の位置や、芯持ち材の幅の中央の位置等を石こうボード等を被覆した外側からも求めやすく、強固な固定を行うための留め具の打ち込み位置の特定にも適している。

0057

(建築部材)
本発明の建築部材は、建築部材として、柱や横架材等の建物の骨材となる部材として用いることができる。特に、石こうボード層の脱落を防止することができることから、梁用部材などの横架材に適している。横架材として用いるとき、本発明の留め具による固定を行った貫通固定面が少なくとも横架材の鉛直方向の下側の面とすることが好ましい。このとき、鉛直方向下側以外の側面等は、従来の短い留め具や接着剤による固定を行ってもよいし、本発明の留め具による固定を行ってもよい。側面からの脱落を防止する観点からは、本発明による留め具による固定を行うことが好ましい。

0058

建築部材としての大きさは、建築部材としての用途に応じて適宜設計される。このとき、構造用木材と石こうボード層との大きさに則った大きさとして設計される。例えば、幅150〜1200mm程度でその構造用木材の長さと対応するものとすることができる。

0059

本発明の建築部材は、耐火基準として2時間耐火以上とすることができる。耐火基準は、一般財団法人建材試験センター西日試験所が制定した「防耐火性能試験・評価方法書」に基づいて評価することができる。

0060

化粧材
本発明の建築部材は、構造用木材と、前記構造用木材の露出する周囲を被覆する石こうボード層とにより、建築部材として重要な機械強度等や、耐火性等を有する。このため、さらに他の構成を設けてもよい。例えば、石こうボード層の外層に化粧材を設けてもよい。化粧材は、5mm以上の木材とすることができ、10mm以上のものとしてもよい。また、その上限も適宜設定され、30mm以下や25mm以下としてもよい。より具体的には、15〜20mm程度の木材を化粧材としてもよい。化粧材を設けることで、木の外観を備える意匠性に優れたものとすることができる。

0061

(建築部材の製造方法)
本発明の建築部材の製造方法は、構造用木材と、前記構造用木材の露出する周囲を被覆する石こうボード層とを有する建築部材の製造方法であり、前記石こうボード層が、厚み30mm以上の厚みを有し、前記構造用木材に、前記石こうボード層を貫通する留め具により固定し貫通固定面を設ける貫通固定工程を有する建築部材の製造方法とすることができる。

0062

構造用木材としては前述したBP材などを適宜用いることができる。この構造用木材の設計に応じて、耐火被覆必要な範囲を定める。この耐火被覆をする範囲に石こうボード層を設ける。石こうボード層は、厚み9.5mm〜25mm程度のJIS A6901:2014に規定される石こうボードやそれに相当する石こうボードを積層するように設けることが好ましい。

0063

以下、図1〜4の第一の実施形態を適宜参照して説明する。石こうボード層は、構造用木材11に石こうボードを1枚ずつ取り付けて必要な厚みの石こうボード層とすることが好ましい。鉛直方向下側の面を例にすると、まず構造用木材11に1枚目の石こうボード2111を取り付けて短尺留め具41により固定する。次に、石こうボード2111に重ねて石こうボード2112を配置して、ステープル42により固定する。次に、石こうボード2112に重ねて石こうボード2113を配置して、ステープル42により固定する。そして、石こうボード2113に重ねて石こうボード2114を配置して、ステープル42により固定する。なお石こうボードの配置にあたっては、適宜、目地目地処理剤により継ぎ処理等をする。目地処理剤としては、ロックウール耐火処理剤や、石こうボード用目地処理剤等を、目地に応じて適宜使用する。また、石こうボード間や、石こうボードと構造用木材との間に、適宜接着剤を塗布して接着を行う。

0064

石こうボード2111〜2114を、石こうボード層211として厚み30mm以上のその建築用部材として必要な厚みを満たす枚数配置したら、石こうボード層211内部の構造用木材11の位置を考慮して、石こうボード層211を貫通する留め具3により固定し貫通固定面を設ける貫通固定工程を行う。これにより、貫通固定面を有する建築部材を得ることができる。

0065

本発明の建築部材の製造方法においては、さらに、他の工程を有してもよい。例えば、石こうボード層の外部から、化粧材を配置し固定する化粧材固定工程を有してもよい。

0066

以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。

0067

[耐火試験]
一般財団法人建材試験センター西日本試験所が制定した「防耐火性能試験・評価業務方法書」に基づき、耐火試験を行った。

0068

[建築部材の製造(施工)条件]
[1.構造用木材]
工芸社ハヤタ・「スギBP材(登録商標)」を構造用木材として用いた。スギBP材の、国土交通省大臣認定番号は、MWCM−0022、0023、0024、0025のものとした。

0069

[2.石こうボード]
・強化石こうボード(1):吉野石膏社製「GB−F(V)」 21.0mmまたは、12.5mmを用いた。
防水石こうボード(1):吉野石膏社製「GB−S」 12.5mm

0070

[3.接着剤等]
無機質系接着剤:トラボンド(登録商標)
・ロックウール系耐火処理剤:ロックフェルト(NM−2780)
・石こうボード用目地処理剤:タイガープタイト

0071

[4.留め具]
・留め具(1):長さ100mmの鋼製螺子状くぎを用いた。先端から60mmは螺子加工されており、その他の胴部から首部にかけては螺子加工なしの平滑な形状のものを用いた。
・留め具(a):鉄製のφ3.8mm長さ41mmの固定用ビスを用いた。
・留め具(b):石こうボード取付け用金物のステープルを用いた。幅4mm長さ32mmを用いた。

0072

[5.その他]
ALCパネル:ALCパネルを取付部材として用いた。

0073

『実施例1』
図1〜4に示す第一の実施形態に準じる構成で、以下の条件で試験体(1)を作成し、2時間耐火試験を行った。
[構造用木材1]
構造用木材は、150mm角の芯持ち材を2列5段束ね重ね合わせたBP材を用いた。梁の荷重支持部材としての、BP材の幅301mm、高さ750mm、長さ5100mmである。
[石こうボード層211]
石こうボード2111〜2113として強化石こうボード(1)21.0mm、石こうボード2114として防水石こうボード(1)12.5mmを用いて石こうボード層211を形成した。同様に、石こうボード2121〜2123、2131〜2133として強化石こうボード(1)21.0mm、石こうボード2124、2134として防水石こうボード(1)12.5mmを用いて、石こうボード層212、213も形成した。石こうボード層の厚みは、いずれも約75.5mmである。
[貫通固定面(貫通固定部)]
長尺留め具3として、留め具(1)により石こうボード層(211)を構造用木材(1)に固定した。構造用木材への打ち込み長さは約24.5mmである。長さ方向の間隔L2は40mm間隔とした。
[一般固定部]
留め具(a)、留め具(b)により構造用木材(1)と石こうボード層(211〜213)とを固定し、一般固定部を設けた。長さ方向の間隔L1は20mm間隔とした。
[取付部材5]
ALCパネルを用いた。
[石こうボード間の接着]
石こうボード間には、無機質系接着剤を、300g/m2以上(500g/m2以下程度)の塗布量となるように、石こうボードの周辺部および、中間部に塊状として200mm間隔以下で塗布した。
目地処理
石こうボードとALC板との間には、ロックウール系耐火処理剤を用いて突き付けで目地処理した。石こうボード間の目地には、石こうボード用目地処理剤を用いて突き付けで目地処理した。

0074

上記試験体(1)について、試験荷重は、荷重支持部材である梁に、長期許容支持耐力から算出した長期許容応力度に相当する応力度が生じる荷重とした。等間隔2点載荷試験による載荷荷重の算出、初期たわみδの算出を行った。なお、部材自重を求めるにあたって、スギBP材の単位体積重量は380kg/m3、強化石こうボードの単位体積重量は750kg/m3、ALC板の単位体積重量は650kg/m3とした。
これらに基づく試験体(1)の載荷荷重は296N、初期たわみは11mm(1/464)である。

0075

耐火性能試験として、載荷加熱120分、測定360分(合計480分)として、最大中央たわみ量及び最大中央たわみ速度は次の値以下であった。(以下において、L:支点間距離(mm)、d:構造断面の圧縁から引張縁距離(mm))
・最大中央たわみ量(mm):L2/400d
・最大中央たわみ速度(mm/分):L2/9000d

0076

2時間耐火試験を行った結果、前述の最大中央たわみ量や最大中央たわみ速度の評価結果から試験体(1)は2時間耐火を満足するものであった。また2時間耐火の試験中に、構造用木材表面の温度変位等の評価結果や、試験後の炉内の試験体(1)の目視評価結果からも石こうボード層の脱落などの異常はなかった。

0077

『実施例2』
図5、6に示す第二の実施形態に準じて試験体(2)を作成した。また、試験体(2)の作成にあたっては実施例1の試験体(1)に準じる作成を行い、主に以下の点を変更した。この試験体(2)について、2時間耐火試験を行った。
[構造用木材12]
構造用木材は、150mm角の芯持ち材を5列5段束ね重ね合わせたBP材を用いた。梁の荷重支持部材としての、BP材の幅750mm、高さ750mm、長さ5100mmである。

0078

試験体(2)の載荷荷重は746N、初期たわみは11mmである。

0079

2時間耐火試験を行った結果、前述の最大中央たわみ量や最大中央たわみ速度の評価結果から試験体(2)は2時間耐火を満足するものであった。また2時間耐火の試験中に、構造用木材表面の温度変位等の評価結果や、試験後の炉内の試験体(2)の目視評価結果からも石こうボード層の脱落などの異常はなかった。

0080

『比較例1』
石こうボード層を貫通する留め具による固定を行わない試験体(3)を作成した。試験体(3)は実施例1の試験体(1)に準じるもので、[貫通固定面(貫通固定部)]の固定を行わないものである。この試験体(3)について、2時間耐火試験を行った。

0081

2時間耐火試験を行った結果、2時間耐火の試験中に、構造用木材の鉛直方向下側の面の温度が、試験開始から60〜90分で急激に上昇した。また、試験後の炉内の試験体(3)から、鉛直方向下側に相当する石こうボード層の脱落が生じていた。この構造用木材の石こうボード層が脱落した面は、直接火炎に曝され炭化がみられた。

0082

『比較例2』
石こうボード層を貫通する留め具による固定を行わない試験体(4)を作成した。試験体(4)は実施例2の試験体(2)に準じるもので、比較例1と同様に[貫通固定面(貫通固定部)]の固定を行わないものである。この試験体(4)について、2時間耐火試験を行った。

実施例

0083

比較例1と同様に、2時間耐火試験を行った結果、2時間耐火の試験中に、構造用木材の鉛直方向下側の面の温度が、試験開始から60〜90分で急激に上昇した。また、試験後の炉内の試験体(4)から、鉛直方向下側に相当する石こうボード層の脱落が生じていた。この構造用木材の石こうボード層が脱落した面は、直接火炎に曝され炭化がみられた。

0084

本発明は、梁用部材のような横架材などの建築部材に係るものであり、産業上有用である。本発明の建築部材によれば、木材を構造用木材としてその耐熱性を向上させることができる。

0085

1 木材
101、102建築部材
11、12構造用木材
211〜213、221〜223石こうボード層
2111〜2114、2121〜2124、2131〜2134、2211〜2214、2221〜2224、2231〜2234 石こうボード
3長尺留め具
41短尺留め具
42ステープル
5 取付部材

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社小林工業所の「 木造軸組工法住宅の遮熱断熱構造」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題】木造軸組工法住宅において各部位の断熱を適切に行うことにより、冷暖房の外皮性能を表すUA値が0.3W/m2K以下の優れた断熱性能を備えた遮熱断熱構造を提供すること。【解決手段】木造軸組工法を用い... 詳細

  • ドーエイ外装有限会社の「 目地カバー装置」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題】目地部及び目地部の角部を塞ぎ、かつ目地カバーが境界線を越えることなく地震による揺れ動きを吸収することができる目地カバー装置を提供すること。【解決手段】一方の躯体3と、角部を有する目地部2を介し... 詳細

  • 株式会社神清の「 湿気を排気させることができる金属板葺き屋根」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題】一般に普及している屋根材としての金属板に最小限の加工の手間を施すだけで、通気層に溜まった湿気を排気させることができる金属板葺き屋根を提供すること。【解決手段】一端に水平方向に設けられた嵌め込み... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ