図面 (/)

技術 造形物の製造方法および造形装置

出願人 三菱電機株式会社
発明者 田中啓祐
出願日 2019年4月19日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-080473
公開日 2020年10月29日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-176312
状態 未査定
技術分野 セラミック製品3 粉末冶金 材料からの成形品の製造
主要キーワード 異径配管 線状材料 矩形管 バレル研磨加工 四角錘状 スクリューシリンダ 袋小路 型彫り
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年10月29日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題

研磨等がしにくい箇所を滑らかに仕上げることのできる造形物の製造方法を得ること。

解決手段

本発明は、樹脂成形品である中子11の周囲に、金属またはセラミックス樹脂とを堆積させる堆積工程と、中子11を溶融させて除去し、堆積工程において中子11の周囲に堆積された堆積物からなるグリーン体を得る除去工程と、堆積物に含まれる金属を焼結させる焼結工程と、を備える。

概要

背景

金属と樹脂を一定の割合で混合し、金型内射出することで賦形したうえで、金型から取り出したのちに、脱脂焼結工程によって樹脂分を焼き飛ばし、焼結することで金属部品である造形物を製造する粉末射出成形法が一般的に知られている。

例えば、特許文献1に開示された粉末射出成形法では、予め制作しておいた中子を金型に固定し、中子の表面と金型のキャビティ表面とで囲われた空間に金属樹脂合物を射出し、しかる後に脱脂焼結工程を経ることで、中子が存在した領域が中空形状となった金属の造形物を得ることができる。

概要

研磨等がしにくい箇所を滑らかに仕上げることのできる造形物の製造方法を得ること。本発明は、樹脂成形品である中子11の周囲に、金属またはセラミックスと樹脂とを堆積させる堆積工程と、中子11を溶融させて除去し、堆積工程において中子11の周囲に堆積された堆積物からなるグリーン体を得る除去工程と、堆積物に含まれる金属を焼結させる焼結工程と、を備える。

目的

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、研磨等がしにくい箇所を滑らかに仕上げることのできる造形物の製造方法を得ることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

樹脂成形品である中子の周囲に、金属またはセラミックス樹脂とを堆積させる堆積工程と、前記中子を溶融させて除去し、前記堆積工程において前記中子の周囲に堆積された堆積物からなるグリーン体を得る除去工程と、前記堆積物に含まれる金属を焼結させる焼結工程と、を備えることを特徴とする造形物の製造方法。

請求項2

前記堆積工程は、前記金属または前記セラミックスと前記樹脂とを混合させた混合物を前記中子の周囲に向けて吐出する工程であることを特徴とする請求項1に記載の造形物の製造方法。

請求項3

前記樹脂は、熱硬化性樹脂であり、前記堆積工程は、前記熱硬化性樹脂を加熱して硬化させる工程を含むことを特徴とする請求項2に記載の造形物の製造方法。

請求項4

前記樹脂は、光硬化性樹脂であり、前記堆積工程は、前記光硬化性樹脂に紫外線照射して硬化させる工程を含むことを特徴とする請求項2に記載の造形物の製造方法。

請求項5

前記樹脂は、前記金属または前記セラミックスを結合させる結合剤であり、前記堆積工程は、前記金属または前記セラミックスを前記中子に向けて吐出する工程と、前記中子に向けて前記樹脂を吐出する工程と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の造形物の製造方法。

請求項6

造形物の形状の3次元データが記憶された記憶部と、樹脂成形品である中子を回転させる回転部と、金属またはセラミックスと樹脂とを前記中子に向けて吐出する吐出部と、前記回転部および前記吐出部を制御して、前記3次元データに基づいて前記中子の周囲に前記金属または前記セラミックスと前記樹脂とを堆積させる形状解析部と、を備えることを特徴とする造形装置

技術分野

0001

本発明は、造形物の製造方法および造形装置に関する。

背景技術

0002

金属と樹脂を一定の割合で混合し、金型内射出することで賦形したうえで、金型から取り出したのちに、脱脂焼結工程によって樹脂分を焼き飛ばし、焼結することで金属部品である造形物を製造する粉末射出成形法が一般的に知られている。

0003

例えば、特許文献1に開示された粉末射出成形法では、予め制作しておいた中子を金型に固定し、中子の表面と金型のキャビティ表面とで囲われた空間に金属樹脂合物を射出し、しかる後に脱脂焼結工程を経ることで、中子が存在した領域が中空形状となった金属の造形物を得ることができる。

先行技術

0004

特開2014−34707号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1に開示された粉末射出成形法では、正確な位置および姿勢で中子を保持できる高精度な金型を製作する必要がある。また、金型内に金属樹脂混合物を射出して充填する際に発生するせん断流動による発熱に伴い、ガスの巻き込み等の成形不良が発生する場合がある。このような成形不良は、クラックおよび破裂の原因となるため、造形物の製品歩留まりが低下してしまう。

0006

一方、3DCAD(3Dimension Computer−aided Design)をはじめとするデジタルデータで表現された造形物の3次元モデルをSTL(Standard Triangulated Language)と呼ばれる形式スライスデータに変換し、スライスの層毎に、レーザ電子ビーム等の熱源を用いて金属粉末または金属線溶融せしめ凝固させることで、造形物の3次元モデルを金属で得る金属三次元造形法が知られている。しかしながら、このような金属三次元造形法では、積層方向に積層痕と呼ばれる段差が発生して表面粗さが低下するという問題がある。特に、中空形状の内壁面研磨を行うことが難しい場合もあり、中空形状の内壁面を滑らかに仕上げることが難しい。

0007

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、研磨等がしにくい箇所を滑らかに仕上げることのできる造形物の製造方法を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、樹脂成形品である中子の周囲に、金属またはセラミックスと樹脂とを堆積させる堆積工程と、中子を溶融させて除去し、堆積工程において中子の周囲に堆積された堆積物からなるグリーン体を得る除去工程と、堆積物に含まれる金属を焼結させる焼結工程と、を備える。

発明の効果

0009

本発明によれば、研磨等がしにくい箇所を滑らかに仕上げることのできる造形物の製造方法を得ることができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0010

本発明の実施の形態1にかかる造形装置の概略構成を示す図
実施の形態1における制御部の機能構成を示すブロック図
実施の形態1における制御部のハードウェア構成を示すブロック図
実施の形態1における中子の平面図
図4に示すV−V線で切断した中子の断面図
図5に示すVI−VI線で切断した中子の断面図
実施の形態1にかかる造形物の製造方法の手順を示すフローチャート
実施の形態1における中子の周囲にグリーン体が形成された状態を示す図であって、図5に示す断面に相当する図
図8に示す矢印Aに沿って中子およびグリーン体を見た図
実施の形態1における中子の周囲にグリーン体が形成された状態を示す図であって、図6に示す断面に相当する図
実施の形態1において脱脂工程を経たグリーン体を示す断面図であって、図8に相当する図
図11に示すXII−XII線に沿って切断したグリーン体の断面図
実施の形態1にかかる造形装置の第1の変形例を示す図
実施の形態1にかかる造形装置の第2の変形例を示す図
実施の形態1にかかる造形装置の第3の変形例を示す図
実施の形態1にかかる造形装置によって造形される造形物の一例を示す図であって、造形物の正面図
図16に示す造形物の右側面図
図16に示す造形物の左側面図
図16に示す造形物の平面図
図16に示す造形物の斜視図
実施の形態1にかかる造形装置によって造形される造形物の他の例を示す図であって、造形物の正面図
図21に示す造形物の平面図
図21に示す造形物の斜視図
実施の形態1にかかる造形装置によって造形される造形物のさらに他の例を示す図であって、造形物の平面図
図24に示すXXV−XXV線に沿って切断した造形物の断面図
実施の形態1にかかる造形装置によって造形される造形物のさらに他の例を示す図であって、造形物の平面図
図26に示すXXVII−XXVII線に沿って切断した造形物の断面図

実施例

0011

以下に、本発明の実施の形態にかかる造形物の製造方法および造形装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。

0012

実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる造形装置の概略構成を示す図である。造形装置は、回転部20と、吐出部であるノズル21と、制御部25と、を備える。回転部20は、中子11を保持する。アクチュエータ22は、保持した中子11を、回転軸Cを中心に回転させる。回転部20は、例えばモータである。なお、中子11は、ポリメタクリル酸メチル樹脂PMMA:Polymethyl Methacrylate)またはパラフィンワックスに代表される400℃程度の大気中で熱分解してガス化する合成樹脂で形成されており、その形状等については後に詳説する。

0013

ノズル21は、アクチュエータ22に保持された中子11に向けて金属またはセラミックスと樹脂とを吐出する。ここで示す例では、ノズル21は、加熱して溶融させた線状材料であるフィラメント23を中子11に向けて吐出する。フィラメント23は、最終製品である造形物に使用する金属またはセラミックスの粉末と、樹脂、可塑剤、または分散剤を含む複数の材料とで形成されている。金属またはセラミックスの粉末は、数10μm〜数100μm程度の粒度分布である。樹脂、可塑剤、または分散剤には、中子11に用いられている合成樹脂の融点よりも十分に融点の低いパラフィンワックス、ポリビニルブチラールPVB:Polyvinyl Butyral)、またはポリビニルアルコール(PVA:Polyvinyl Alcohol)が例示される。

0014

フィラメント23は、ノズル21で溶融されることで、金属またはセラミックスと樹脂とが混合された流動性を持った混合物として、中子11に向けて吐出される。フィラメント23は、フィーダー24からノズル21に供給される。

0015

ノズル21は、数値制御によって駆動されるアクチュエータ22によって、回転軸Cに対して三軸並進運動軸に沿って移動される。アクチュエータ22は、例えばモータである。

0016

制御部25は、回転部20、ノズル21、およびアクチュエータ22を制御して、中子11の周囲に金属またはセラミックスと樹脂とを所望の形状で堆積させる。中子11の周囲には、金属またはセラミックスと樹脂とが堆積した堆積物が形成される。図2は、実施の形態1における制御部の機能構成を示すブロック図である。

0017

制御部25は、記憶部26、形状解析部27、および駆動部28を備える。記憶部26には、最終製品である造形物の形状の3次元データが記憶されている。形状解析部27は、記憶部26に記憶された3次元データに基づいて、造形物の形成に必要な堆積物の形状および大きさを算出する。形状解析部27は、その堆積物を形成するのに必要なノズル21の移動経路および移動速度、中子11の姿勢を算出する。駆動部28は、形状解析部27によって算出された移動経路および移動速度でノズル21を移動させ、形状解析部27によって算出された姿勢を中子11にとらせるように、アクチュエータ22および回転部20を駆動させる。

0018

図3は、実施の形態1における制御部のハードウェア構成を示すブロック図である。制御部25は、プロセッサ29およびメモリ30を備える。プロセッサ29およびメモリ30は、例えば、バスによって互いにデータの送受信が可能である。記憶部26は、メモリ30によって実現される。プロセッサ29は、メモリ30に記憶されたプログラム読み出して実行することによって、形状解析部27および駆動部28の機能を実行する。プロセッサ29は、処理回路の一例であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processer)、およびシステムLSI(Large Scale Integration)のうち1つ以上を含む。

0019

メモリ30は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、およびEEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)のうち1つ以上を含む。また、メモリ30は、コンピュータ読み取り可能なプログラムが記録された記録媒体を含む。かかる記録媒体は、不揮発性または揮発性半導体メモリ磁気ディスクフレキシブルメモリ、光ディスクコンパクトディスク、およびDVD(Digital Versatile Disc)のうち1つ以上を含む。

0020

次に、中子11の詳細な構成について説明する。図4は、実施の形態1における中子の平面図である。図5は、図4に示すV−V線で切断した中子の断面図である。図6は、図5に示すVI−VI線で切断した中子の断面図である。中子11は、本体部12と保持部13とを備える。

0021

本体部12は、最終製品である造形物の中空形状に形成されている。保持部13は、本体部12から回転軸Cに沿って突出しており、回転部20に保持される部位となる。本体部12は、例えば図4に示すように回転軸Cに沿った一方側から他方側に向けて幅が異なる形状となっている。したがって、本体部12によって造形物に形成される中空形状も、回転軸Cに沿って寸法が異なる。

0022

次に、最終製品である造形物の製造方法について説明する。図7は、実施の形態1にかかる造形物の製造方法の手順を示すフローチャートである。ここでは、中子11を用いて異形断面の金属配管部品を製造する方法について説明する。

0023

まず、中子11を形成する(ステップS1)。中子11は、上述したように、400℃程度の大気中で熱分解してガス化する合成樹脂で形成される。中子11は、射出成形または切削加工等の工法で製作される。中子11の本体部12の表面は、最終製品の造形物の中空形状の内壁面の表面粗さと同等以上の表面粗さとなるように仕上げられている。例えば、本体部12の表面を研磨して、所望の表面粗さとする。造形物の中空形状の内壁面の表面粗度算術平均粗さRa=2とするのであれば、本体部12の表面の表面粗さはRa=2以下とする必要がある。

0024

次に、保持部13を回転部20に支持させて、中子11を回転部20に固定する(ステップS2)。次に、ノズル21から溶融させたフィラメント23を中子11の本体部12に向けて吐出する(ステップS3)。フィラメント23を溶融させた混合物は、中子11の表面に付着することで冷却されて固化する。所望の形状になるまでノズル21と回転部20は相互に駆動されて、混合物の積層が繰り返される。なお、フィラメント23を溶融させた混合物において、溶融しているのは樹脂、可塑剤、および分散剤であって、金属粉末またはセラミック粉末溶融温度以下のままで混合物内において均一に分散した状態となっている。混合物の積層が繰り返されることで、本体部12の周囲に金属またはセラミックスと樹脂とを含む混合物を堆積させた堆積物であるグリーン体が形成される。

0025

図8は、実施の形態1における中子の周囲にグリーン体が形成された状態を示す図であって、図5に示す断面に相当する図である。図9は、図8に示す矢印Aに沿って中子およびグリーン体を見た図である。図10は、実施の形態1における中子の周囲にグリーン体が形成された状態を示す図であって、図6に示す断面に相当する図である。ここで、グリーン体40とは、造形工程で賦形された金属またはセラミックスと樹脂とが混合された混合物である。また、グリーン体40は、中子11の本体部12を囲む管路部41と、管路部41の端部に設けられたフランジ42とを有する。

0026

次に、中子11を熱分解させて焼き飛ばす(ステップS4)。ステップS4の工程を脱脂工程とも呼ぶ。図11は、実施の形態1において脱脂工程を経たグリーン体を示す断面図であって、図8に相当する図である。図12は、図11に示すXII−XII線に沿って切断したグリーン体の断面図である。脱脂工程では、中子11とグリーン体40とが、耐熱性潤滑性高温での化学的な安定性を有したセラミックプレート上に配置される。セラミックプレートに配置された中子11およびグリーン体40は、内部が大気雰囲気電気炉などで400〜500℃程度で40時間程度かけて加熱される。これにより、中子11が酸化または熱分解されて焼き飛ばされる。また、グリーン体40に含まれる樹脂成分、可塑剤、分散剤等が酸化または熱分解されて焼き飛ばされる。

0027

この際、室温から400〜500℃までの昇温が急であると可塑剤、分散材等の樹脂成分が急激な酸化により発火したり、グリーン体40の内部の樹脂のガス化に伴う体積膨張が急激になることでグリーン体40に亀裂が入ったりといった不良を発生する。したがって、この昇温速度は10℃/時間以下であることが望ましい。このように極めてゆっくりと昇温しグリーン体40表面から内部にかけて順番に樹脂成分、可塑剤、分散剤等を酸化または熱分解することで、空隙が形成され内部の樹脂成分、可塑剤、分散剤等がガス化してもグリーン体40が破壊されずに空隙を通ってガスが排気される。

0028

脱脂工程においては、緩やかな酸化反応で樹脂成分、可塑剤、分散剤等をガス化させるための昇温を行うため基本的には酸素のある大気雰囲気で加熱するが、グリーン体40の形状が複雑で箇所によって肉厚が異なる形状である場合などには、より酸化反応を緩やかにするために窒素ガスアルゴンガスを炉内に導入し酸素分圧下げるなどしてもよい。

0029

本実施の形態における脱脂工程の説明では特に、加熱による樹脂成分を始めとする可塑剤、分散剤等の脱脂について記述したが、他の方法として溶解能力の高いアセトンをはじめとする溶媒成分中に長時間浸漬することによって樹脂成分、可塑剤、分散剤等を溶出させて脱脂を行う方法もある。これらの脱脂工程で樹脂成分、可塑剤、分散剤と共に、中子11もガス化して消失する。これによって、混合物のみで積層造形された部分のうち、中子11と接触していた表面が中空形状の内壁面40aとなる。この内壁面40a部分は中子11の表面が転写されている。中子11の表面は、上述した通り、所望の表面粗さに仕上げられているので、滑らかな内壁面40aを備え、追加工を要しない中空の異形断面の造形物を製作することが可能となる。

0030

次に、グリーン体40に含まれる金属またはセラミックスを焼結させる(ステップS5)。この焼結工程では、混合物に含まれる金属またはセラミックスの組成によって焼結温度が異なる。ここでは一例として銅粉末を焼結した場合を説明する。純銅の融点は1085℃であり、純銅の融点以下である900℃程度で焼結させる。この際も10〜20時間近くかけて極めて緩やかな昇温過程を経る。これは、焼結過程における焼結温度付近での焼結体内部の温度分布が焼結体の収縮に影響を与えているため、温度分布がつかない程度にゆっくりとした昇温である必要があるためである。

0031

本件の例においては200℃/時間程度の昇温速度である。これらの脱脂および焼結工程を経ることで、グリーン体40に対して最終製品である造形物の体積は平均20%程度収縮する。この収縮は、樹脂成分、可塑剤、分散剤等が脱脂工程で揮発することと、その後の焼結工程で焼結反応に伴って金属粉末同士が接合されて収縮することに起因して発生する。この焼結工程を経た後の造形物は、焼結反応が進むにつれて金属粉末同士が接合するため、造形物の密度アルキメデス法等で測定するとおよそ99.0%〜99.5%程度の焼結密度を示し、粉末床溶融積層(Powder Bed Fusion :PBF)法や指向性エネルギ堆積(Direct Energy Deposition :DED)法など他の金属三次元造形プロセスと比較しても遜色ない程度の密度となる。焼結温度と焼結時間を変化させることで焼結密度を意図的に下げて、焼結体を多孔質な状態で焼き上げることもできる。

0032

上述した工程によって得られた造形物は、内径が変化する異径配管である。造形物における内壁面40aは、中子11の表面粗さと同等の表面粗さを呈している。このため、中子11の表面を予め研磨するなどして滑らかに仕上げておくことで、内壁面40aは仕上げ加工が不要となる。これによって、配管の断面形状が矩形であった場合に研磨が困難な内壁面40aを加工せずに済む。特に角部の研磨は難しいため、研磨によって内壁面を滑らかにする場合に比べて、製造時間を大幅に削減することができる。なお、中子11の表面粗さが転写される内壁面40a以外の領域では、造形精度がおおむね0.1mm程度である場合がある。そのため、内壁面40a以外に領域である造形物の外周部分、フランジ42などは切削加工、研削加工サンドブラストウェットブラストケミカルエッチング加工、バレル研磨加工ワイヤ放電加工型彫り放電加工メッキ処理等で仕上げ加工を行う場合がある。

0033

また、金型を用いずにグリーン体40を形成するので、金型の製造が不要となり、製造コストの抑制を図ることができる。また、金型内に混合物を射出して充填する際に発生するせん断流動等に起因した成形不良の発生を抑制することができる。

0034

なお、混合物にセラミックスを混合させていた場合には、セラミックスの焼結体を造形物として得ることができる。

0035

また、上述したようなフィラメント23を送給しつつ溶融させてノズル21から吐出させる造形方法はフィラメントエクストルージョンと呼ばれている。また、これらの機構代替し、一般に粉末射出成形に使用される混合物のペレット混練、溶融させてノズル先端から吐出させるスクリューシリンダ加熱ヒータの組み合わせであってもよい。ペレットは、フィードストックコンパウンド等と呼ばれる。

0036

また、金属またはセラミックスを含む混合物が、上述した例よりも低粘度で構成し、低粘度で構成された混合物を、ノズル21から中子11に向けて噴射させて堆積させてもよい。この場合には、混合物を低粘度化させるため、樹脂分に代わって揮発性の高い溶媒成分とセルロースと分散剤を混合したものを混合させる。これにより低粘度の塗料に近い混合物となる。低粘度の混合物を噴射させた場合は、比較的に一層あたり堆積厚さが薄く上述した例と比較して緻密な積層が可能となる。

0037

図13は、実施の形態1にかかる造形装置の第1の変形例を示す図である。第1の変形例にかかる造形装置では、金属の粉末またはセラミックスの粉末を吐出するノズル52と、結合剤を吐出するノズル53とを備えている。

0038

変形例にかかる造形装置では、ノズル52から吐出した金属の粉末またはセラミックスの粉末のみを中子11に均一にまぶした後にノズル53から結合剤を吐出して中子11に塗着する。結合剤は金属粉末の粒子間に染み込み、金属粉末の粒子同士が結合され、金属粉末と中子11とが結合される。一層分結合剤を塗着させた後に、粉末を吐出するノズル52と結合剤を吐出するノズル53とを中子11から離間し、代わって赤外線ヒータを中子11に接近させる。赤外線ヒータで粉末と結合剤の堆積面を加熱して結合剤中の揮発成分を乾燥させる。次に、赤外線ヒータが中子11から離れ、再びノズル52とノズル53が中子11に接近して次の層の金属粉末を前層の上に均一にまぶし結合剤が吐出される。ノズル53に、いわゆるインクジェットプリンターに用いられるようなピエゾ素子で駆動するノズルを用いれば、より細かい造形精度およびより薄い一層当たりの堆積厚さを得ることができる。使用する金属粉末の粒径を10〜20μm程度として、かつピエゾ素子で駆動するインクジェットノズルを用いて数pl程度の液滴量の結合剤を吐出すれば一層当たりの積層厚さを20〜30μmとすることができる。このような堆積方法は、バインダジェッティングとも呼ばれる。

0039

図14は、実施の形態1にかかる造形装置の第2の変形例を示す図である。図15は、実施の形態1にかかる造形装置の第3の変形例を示す図である。第2の変形例および第3の変形例にかかる造形装置では、ノズル54,55から吐出される金属またはセラミックスと紫外線硬化型の結合剤との混合物が吐出される。この構成では、一層分の混合物が堆積した後に、ノズル54,55が中子11の周囲から離れ、その後に紫外線ランプ近接点灯して、紫外線硬化型の結合剤が硬化される。この混合物の堆積と紫外線ランプによる硬化プロセスを繰り返すことで、所望の形状のグリーン体が得られる。図14に示す第2の変形例では、混合物を吐出させている。図15に示す第3の変形例では、混合物を液滴にして断続的に吐出させている。

0040

図16は、実施の形態1にかかる造形装置によって造形される造形物の一例を示す図であって、造形物の正面図である。図17は、図16に示す造形物の右側面図である。図18は、図16に示す造形物の左側面図である。図19は、図16に示す造形物の平面図である。図20は、図16に示す造形物の斜視図である。

0041

図16図20に示す造形物は、管路61aが矩形かつねじりが加えられたねじり矩形管61である。ねじり矩形管61では、管路61aが矩形かつねじられているため、管路61a内に工具アプローチさせることが難しい。このようなねじり矩形管61であっても、研磨等の仕上げ加工を行わずに、アプローチしにくい管路61aの内壁面を滑らかに仕上げることができる。

0042

図21は、実施の形態1にかかる造形装置によって造形される造形物の他の例を示す図であって、造形物の正面図である。図22は、図21に示す造形物の平面図である。図23は、図21に示す造形物の斜視図である。

0043

図21図23に示す造形物は、管路62aがS字状に屈曲しているS字管62である。S字管62では、管路62aがS字状に屈曲しているため、管路62a内に工具をアプローチさせることが難しい。このようなS字管62であっても、研磨等の仕上げ加工を行わずに、アプローチしにくい管路62aの内壁面を滑らかに仕上げることができる。

0044

図24は、実施の形態1にかかる造形装置によって造形される造形物のさらに他の例を示す図であって、造形物の平面図である。図25は、図24に示すXXV−XXV線に沿って切断した造形物の断面図である。図24,25に示すように、造形物63は、管路は有していないものの、四角錘状の内壁面63aを有している。内壁面63aのうち四角錘頂点は、工具をアプローチさせることが難しい。このような造形物63であっても、研磨等の仕上げ加工を行わずに、アプローチしにくい四角錐の頂点の周囲の内壁面63aを滑らかに仕上げることができる。

0045

図26は、実施の形態1にかかる造形装置によって造形される造形物のさらに他の例を示す図であって、造形物の平面図である。図27は、図26に示すXXVII−XXVII線に沿って切断した造形物の断面図である。図26,27に示すように、造形物64は、管路64aの途中に、管路64aの貫通方向と直角方向に袋小路64bを有している。袋小路64b部分には、工具をアプローチさせることが難しい。このような造形物64であっても、研磨等の仕上げ加工を行わずに、アプローチしにくい袋小路64b部分の内壁面を滑らかに仕上げることができる。

0046

以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。

0047

11中子、12 本体部、13 保持部、20 回転部、21,52,53,54,55ノズル、22アクチュエータ、23フィラメント、24フィーダー、25 制御部、26 記憶部、27形状解析部、28 駆動部、40グリーン体、40a,63a内壁面、41管路部、42フランジ、61ねじり矩形管、61a,62a,64a 管路、62 S字管、63,64造形物、64b袋小路。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ