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技術 出鋼口スリーブ

出願人 黒崎播磨株式会社日本製鉄株式会社
発明者 坪井聡吉田昌平阿南貴大澤井重人
出願日 2019年4月17日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-078806
公開日 2020年10月29日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-176293
状態 未査定
技術分野 炉の装入、排出(炉一般2) 炭素鋼又は鋳鋼の製造
主要キーワード 金属添加物 黒鉛含有率 天然鱗状黒鉛 黒鉛材質 本体層 損耗指数 カーボン含有量 カーボン原料
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この項目の情報は公開日時点(2020年10月29日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

内層に低黒鉛材質を配置した出鋼口スリーブにおいて耐用性を向上する。

解決手段

内層2とこの内層2の外側の本体層3とを備え、これら内層2及び本体層3は、それぞれマグネシア黒鉛とを主体とする内層用耐火原料配合物及び本体層用耐火原料配合物を別々に混練後に一体成形し、熱処理することで得られる出鋼口スリーブ1において、全体の厚みTに対する内層の厚みT1の割合が10〜30%であり、しかも、内層用耐火原料配合物中の黒鉛含有率G1(質量%)と本体層用耐火原料配合物中の黒鉛含有率G2(質量%)との関係が式(1)を満足する。 G2≧18.4−0.68G1 …(1) ただし、5≦G1≦10

概要

背景

製鋼用転炉電気炉には、溶鋼取鍋等に排出するための出鋼口が設置されており、この出鋼口は筒状の耐火物で構成されている。通常、この耐火物は出鋼口スリーブ、あるいは単にスリーブと呼ばれている。

この出鋼口スリーブは、転炉の出鋼後の待機時あるいは休止時には急激な温度変動及び雰囲気の変化に曝されるため耐熱衝撃性及び耐酸化性が要求され、出鋼中には、高温溶鋼流激しく曝されるため耐摩耗性耐スラグ性などの耐食性が要求される。

そのため出鋼口スリーブの材質としては、従前より不焼成マグネシアカーボン材質が広く使用されている。マグネシアカーボン材質は、耐熱衝撃性に優れているため熱衝撃の大きい条件下で使用される出鋼口スリーブに適した材質ではあるが、転炉の稼働率向上等のために更なる長寿命化耐用性向上)が切望されている。

そこで、出鋼口スリーブの耐用性を向上するために、黒鉛等のカーボン使用量を少なくすること、すなわち、低カーボン化によって組織を緻密化し稼動面にMgOに富む層を形成して、強固な組織として酸化や溶鋼流による摩耗を抑制することが行われている。通常、マグネシアカーボンれんがには、黒鉛が20質量%近く含有されているが、黒鉛を大幅に減量して10質量%以下レベルにすると、耐食性(耐摩耗性や耐スラグ性)が向上するため耐用性が改善するといわれている。

例えば、特許文献1には、マグネシア原料:92〜99重量%及びカーボン原料:1〜8重量%を含み、更に外割りでピッチ粉:0.3〜5重量%、金属添加物:0〜1.5重量%、硼化物:0〜0.8重量%を含むことを特徴とする転炉出鋼口スリーブ用低カーボン質MgO−C耐火物が開示されている。この耐火物は、低カーボン(1〜8重量%)であること、さらには所定量のピッチ粉を含むことに特徴があり、これにより、MgO−C質耐火物の優れた耐熱衝撃性を損なうことなく酸化損傷を抑制し、しかも、焼成後の曲げ強さが高く、かつ耐スラグ侵食性に優れた効果が得られるとされている。
しかしカーボン原料を大幅に減量すると熱衝撃によって亀裂が発生し寿命が短くなる問題があり、カーボン原料の減量には限界があった。

また、特許文献2には、全体がマグネシア−カーボン質耐火物よりなり、カーボン含有量内周部より外周部が少ない2層構造の出鋼口スリーブが開示されている。
しかし、この2層構造の出鋼口スリーブでは、内周部(内層)のカーボン量を少なくした場合、外周部(本体層)のカーボン量が更に少なくなるため、やはり耐熱衝撃性が低下して寿命が短くなる問題がある。

概要

内層に低黒鉛材質を配置した出鋼口スリーブにおいて耐用性を向上する。内層2とこの内層2の外側の本体層3とを備え、これら内層2及び本体層3は、それぞれマグネシアと黒鉛とを主体とする内層用耐火原料配合物及び本体層用耐火原料配合物を別々に混練後に一体成形し、熱処理することで得られる出鋼口スリーブ1において、全体の厚みTに対する内層の厚みT1の割合が10〜30%であり、しかも、内層用耐火原料配合物中の黒鉛含有率G1(質量%)と本体層用耐火原料配合物中の黒鉛含有率G2(質量%)との関係が式(1)を満足する。 G2≧18.4−0.68G1 …(1) ただし、5≦G1≦10

目的

本発明が解決しようとする課題は、内層に低黒鉛材質を配置した出鋼口スリーブにおいて耐用性を向上することにある

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

内層とこの内層の外側の本体層とを備え、これら内層及び本体層は、それぞれマグネシア黒鉛とを主体とする内層用耐火原料配合物及び本体層用耐火原料配合物を別々に混練後に一体成形し、熱処理することで得られる出鋼口スリーブであって、全体の厚みに対する内層の厚みの割合が10〜30%であり、しかも、内層用耐火原料配合物中の黒鉛含有率G1(質量%)と本体層用耐火原料配合物中の黒鉛含有率G2(質量%)との関係が式(1)を満足する出鋼口スリーブ。G2≧18.4−0.68G1…(1)ただし、5≦G1≦10

技術分野

0001

本発明は、製鋼用転炉電気炉などで溶鋼取鍋等に排出するための出鋼口スリーブに関する。

背景技術

0002

製鋼用転炉や電気炉には、溶鋼を取鍋等に排出するための出鋼口が設置されており、この出鋼口は筒状の耐火物で構成されている。通常、この耐火物は出鋼口スリーブ、あるいは単にスリーブと呼ばれている。

0003

この出鋼口スリーブは、転炉の出鋼後の待機時あるいは休止時には急激な温度変動及び雰囲気の変化に曝されるため耐熱衝撃性及び耐酸化性が要求され、出鋼中には、高温溶鋼流激しく曝されるため耐摩耗性耐スラグ性などの耐食性が要求される。

0004

そのため出鋼口スリーブの材質としては、従前より不焼成マグネシアカーボン材質が広く使用されている。マグネシアカーボン材質は、耐熱衝撃性に優れているため熱衝撃の大きい条件下で使用される出鋼口スリーブに適した材質ではあるが、転炉の稼働率向上等のために更なる長寿命化耐用性向上)が切望されている。

0005

そこで、出鋼口スリーブの耐用性を向上するために、黒鉛等のカーボン使用量を少なくすること、すなわち、低カーボン化によって組織を緻密化し稼動面にMgOに富む層を形成して、強固な組織として酸化や溶鋼流による摩耗を抑制することが行われている。通常、マグネシアカーボンれんがには、黒鉛が20質量%近く含有されているが、黒鉛を大幅に減量して10質量%以下レベルにすると、耐食性(耐摩耗性や耐スラグ性)が向上するため耐用性が改善するといわれている。

0006

例えば、特許文献1には、マグネシア原料:92〜99重量%及びカーボン原料:1〜8重量%を含み、更に外割りでピッチ粉:0.3〜5重量%、金属添加物:0〜1.5重量%、硼化物:0〜0.8重量%を含むことを特徴とする転炉出鋼口スリーブ用低カーボン質MgO−C耐火物が開示されている。この耐火物は、低カーボン(1〜8重量%)であること、さらには所定量のピッチ粉を含むことに特徴があり、これにより、MgO−C質耐火物の優れた耐熱衝撃性を損なうことなく酸化損傷を抑制し、しかも、焼成後の曲げ強さが高く、かつ耐スラグ侵食性に優れた効果が得られるとされている。
しかしカーボン原料を大幅に減量すると熱衝撃によって亀裂が発生し寿命が短くなる問題があり、カーボン原料の減量には限界があった。

0007

また、特許文献2には、全体がマグネシア−カーボン質耐火物よりなり、カーボン含有量内周部より外周部が少ない2層構造の出鋼口スリーブが開示されている。
しかし、この2層構造の出鋼口スリーブでは、内周部(内層)のカーボン量を少なくした場合、外周部(本体層)のカーボン量が更に少なくなるため、やはり耐熱衝撃性が低下して寿命が短くなる問題がある。

先行技術

0008

特開平8−259312号公報
特開平6−184617号公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明が解決しようとする課題は、内層に低黒鉛材質を配置した出鋼口スリーブにおいて耐用性を向上することにある。

課題を解決するための手段

0010

出鋼口スリーブは使用時には内孔に溶鋼が通過するため内孔の急激な熱膨張によってその外面に熱応力が発生する。内層の黒鉛量が本体層の黒鉛量よりも少ない2層構造の出鋼口スリーブにおいては、外面の熱応力がより大きくなるため出鋼時に外面に亀裂が入りやすくなる。
一般的に、黒鉛量が多いと低弾性率化するため熱応力吸収能が高まるとされている。したがって、本体層の黒鉛量を多くすれば熱応力吸収能が高まり、耐熱衝撃性を向上することができる。ただし、本体層の黒鉛量が多すぎると耐食性が低下する。そこで、本発明者らは、内層の黒鉛量と本体層の黒鉛量との各組み合わせにおいて出鋼口スリーブの外面の発生応力を算出し、内層の黒鉛量に対する本体層の黒鉛量の下限値を設定することで耐熱衝撃性及び耐食性に優れた2層構造の出鋼口スリーブとなり、その耐用性を向上できることを知見した。

0011

すなわち、本発明の一観点によれば、次の出鋼口スリーブが提供される。
内層とこの内層の外側の本体層とを備え、これら内層及び本体層は、それぞれマグネシアと黒鉛とを主体とする内層用耐火原料配合物及び本体層用耐火原料配合物を別々に混練後に一体成形し、熱処理することで得られる出鋼口スリーブであって、
全体の厚みに対する内層の厚みの割合が10〜30%であり、
しかも、内層用耐火原料配合物中の黒鉛含有率G1(質量%)と本体層用耐火原料配合物中の黒鉛含有率G2(質量%)との関係が式(1)を満足する出鋼口スリーブ。
G2≧18.4−0.68G1 …(1)
ただし、5≦G1≦10

発明の効果

0012

本発明によれば、内層に耐食性に優れる低黒鉛材質を配置しても、本体層に耐熱衝撃性に優れる高黒鉛質材質を配置することで耐熱衝撃性の低下が抑制されるため、出鋼口スリーブの耐用性が向上する。

図面の簡単な説明

0013

本発明の一実施形態である出鋼口スリーブを示し、(a)は正面図、(b)は断面図。
出鋼口スリーブの本体層外面に発生する応力について、全体の厚みに対する内層の厚みの割合別に熱応力計算を行った結果を示すグラフ
内層及び本体層の黒鉛含有率のみが異なる各出鋼口スリーブの発生応力について計算結果プロットしたグラフ。

0014

図1に、一実施形態である出鋼口スリーブを示している。
この出鋼口スリーブ1は内孔4を含む内層2と、この内層2の外側の本体層3とで構成されている、2層構造の出鋼口スリーブである。この出鋼口スリーブ1の全長Lは1500mm、外径ODは400mm、内孔径IDは200mm、全体の厚みTは100mm、内層の厚みT1は20mmであり、本体層の厚みT2は80mmであり、全体の厚みTに対する内層の厚みT1の割合は20%である。
全体の厚みTに対する内層の厚みT1の割合が10%未満では低黒鉛化による耐食性向上効果が不十分となり、30%を超えると耐熱衝撃性が低下する。

0015

この出鋼口スリーブ1は、一体成形で製造することができる。すなわち、出鋼口スリーブ1を構成する内層2及び本体層3は、それぞれマグネシアと黒鉛とを主体とする内層用耐火原料配合物及び本体層用耐火原料配合物を別々に混練後に一体成形し、熱処理することで得られる。一体成形では、成形型内に仕切りを設け、内層用耐火原料配合物をバインダ有機バインダ)と共に混練して得た内層用坏土と、本体層用耐火原料配合物をバインダ(有機バインダ)と共に混練して得た本体層用坏土とを充填した後、仕切りを取り除いて加圧成形する。成形後は200〜1000℃で熱処理を行う。

0016

このように本発明の出鋼口スリーブにおいては、内層と本体層とが一体成形されることで、これら2つの層の界面には微視的には2つの層が混ざり合った混合層が形成される。このため実炉で使用され、損耗が進み内層が損耗して稼動面が本体層に移行する場合でも局部的な損耗等がなくスムーズに移行することができる。すなわち、出鋼口スリーブでは、使用を重ねることで損耗して内孔径が拡大してゆくが、本発明の出鋼口スリーブによれば内層が損耗してなくなっても本体層まで問題なく使用することができる。例えば、最大で全体の厚みの60%程度までは使用可能である。

0017

ここで、前述の混合層の厚みはわずかであるので、全体の厚みTに対する内層の厚みの割合を求める場合には混合層の厚みは無視することができるが、この混合層の中間位置を内層と本体層との境界位置として、内層の厚みの割合を求めることもできる。

0018

なお、一体成形に使用する成形機円筒状の大型の構造体である出鋼口スリーブを高圧かつ均一に加圧するためにCIP成形機とすることができる。CIP成形機を使用することで2層間の界面に亀裂が発生せず良好な混合層(結合組織)が得られる。

0019

次に、本発明の出鋼口スリーブに使用する内層用耐火原料配合物及び本体層用耐火原料配合物について説明する。

0020

本発明の内層用耐火原料配合物及び本体層用耐火原料配合物は、それぞれマグネシアと黒鉛とを主体とする。そして本発明では、内層用耐火原料配合物中の黒鉛含有率G1(以下「内層の黒鉛含有率G1」という。)と本体層用耐火原料配合物中の黒鉛含有率G2(以下「本体層の黒鉛含有率G2」という。)との関係が前記の式(1)を満足することを特徴とする。すなわち、内層の黒鉛含有率G1に対して、本体層の黒鉛含有率G2が式(1)を満足する範囲では、十分な耐熱衝撃性が得られ出鋼口スリーブの外周面に発生する亀裂を抑制することができる。

0021

また、本発明において内層の黒鉛含有率G1は、5質量%以上10質量%以下とする。内層の黒鉛含有率G1が5質量%未満では前記の式(1)との関係から本体層の黒鉛含有率G2が多くなりすぎて耐食性が不十分となり、10質量%を超えると低黒鉛化による耐食性向上効果が十分得られない。
なお、本体層の黒鉛含有率G2の上限は、耐食性の面から18質量%以下とすることができる。

0022

本発明の内層用耐火原料配合物には、黒鉛以外にマグネシアを85〜93質量%使用することができる。また、本発明の本体層用耐火原料配合物には、黒鉛以外にマグネシアを80〜90質量%使用することができる。
本発明の内層用耐火原料配合物及び本体層用耐火原料配合物に使用されるマグネシアは、通常のマグネシアカーボンれんがで使用されている電融マグネシア焼結マグネシアを使用することができる。
また、本発明の内層用耐火原料配合物及び本体層用耐火原料配合物に使用される黒鉛は、通常のマグネシアカーボンれんがで使用されている鱗状黒鉛膨張黒鉛などを使用することができる。

0023

また、内層用耐火原料配合物及び本体層用耐火原料配合物においてマグネシア及び黒鉛以外の残部には、金属、ホウ化物アルミナスピネル、ピッチ粉、及びカーボンブラックのうち1種以上を合量で10質量%以下の範囲で使用することができる。
例えば、酸化防止及び耐食性向上を目的にアルミニウムアルミニウム合金及び/又はシリコン金属粉を0.5〜4質量%使用することができる。
また、酸化防止のために炭化ホウ素を1質量%以下で使用することができる。
更に、耐熱衝撃性を向上するために粉末ピッチを2質量%以下で使用することができる。

0024

表1に、本発明の実施例と比較例の耐火原料配合物、及びこれらの耐火原料配合物で出鋼口スリーブを製造し実際の転炉で使用した試験結果を示す。使用した出鋼口スリーブは前述した図1の形状をしており、各部の寸法は表1に示したとおりである。

0025

比較例1を除いて、表1に示したそれぞれの耐火原料配合物に有機バインダとしてフェノール樹脂を適量添加して混練して内層用坏土と本体層用坏土とを作製し、型枠に仕切りを設けてそれぞれの坏土を投入後に仕切りを除いてCIP成形機で成形後に250℃で熱処理した。比較例1については、1層のみの構造とした以外は前述の製造方法と同様とした。

0026

なお、マグネシアとしては純度98質量%の電融マグネシア、黒鉛としては純度98質量%の天然鱗状黒鉛を使用した。

0027

出鋼口スリーブの耐用性は、各出鋼口スリーブの内孔の損耗指数により評価した。損耗指数とは、[スリーブ内孔直径の使用前後の差(mm)/2/スリーブ使用回数(回)]の計算式において比較例1の結果を100として指数化したものである。この損耗指数が小さいほど内孔の損耗が小さく耐用性に優れるということである。各出鋼口スリーブは、全体の厚みのほぼ50%まで使用された。
また、表1の2層構造の出鋼口スリーブにおいて内層の黒鉛含有率G1と本体層の黒鉛含有率G2との関係が式(1)であるG2≧18.4−0.68G1を満足するものを○で表示し、満足しないものを×で示した。

0028

0029

実施例1から実施例3、比較例2及び比較例3は、内層用耐火原料配合物及び本体層用耐火原料配合物は同じで、全体の厚みに対する内層の厚みの割合(%)のみが異なるものである。従来使用されていた1層構造の比較例1と比較すると、内層の厚みの割合(%)が本発明の範囲内である実施例1から実施例3は、耐用性が向上した。特に実施例2は損耗指数が小さくが耐用性が大幅に向上した。
これに対して内層の厚みの割合(%)が本発明の下限値を下回っている比較例2では、耐用性向上は見られなかった。また、内層の厚みの割合(%)が本発明の上限値を上回っている比較例3は、発生応力が大きくなったため(図2参照)、比較例1の1層構造よりも耐用性が低下した。

0030

比較例4は、実施例2と比較して本体層の黒鉛含有率G2が12質量%と1質量%低く式(1)を満足していないため、本体層に発生する熱応力が大きくなりすぎて(図3参照)耐用性が不十分となった。
比較例5は、内層の黒鉛含有率G1が本発明の下限値を下回っており、式(1)を満足させるために本体層の黒鉛含有率G2が多くなりすぎて耐用性が不十分となった。
比較例6は内層の黒鉛含有率G1が本発明の上限値を上回っており、式(1)を満足するが、内層の黒鉛量が多くなりすぎて耐用性が不十分となった。

0031

また、実施例1から実施例3及びこれらと内層の厚みのみが異なる条件の出鋼口スリーブにおいて本体層外面に発生する応力について熱応力計算を行い、その結果を図2に示した。なお、熱応力計算は出鋼口スリーブ温度800℃、溶鋼温度1650℃を想定しFEM計算にて行った。
この計算結果から、内層の厚みの割合が40%になると発生応力が急激に上昇しており、内層の厚みの割合は30%以下とすることが好ましいことがわかる。

0032

図3は、実施例3の出鋼口スリーブ及び実施例3において内層及び本体層の黒鉛含有率のみが異なる各出鋼口スリーブの発生応力について計算結果をプロットしたものである。発生応力は図2と同じ方法で計算した。

0033

発生応力が、実炉試験で問題のなかった実施例3の発生応力を●としてプロットし、この実施例3以下の発生応力を○とし、実施例3の発生応力よりも大きな値となったものは×とした。そして、このグラフにおいて内層の各黒鉛含有率において発生応力が○となる本体層の黒鉛含有率の下限値を直線Aで表した。この直線AはG2=18.4−0.68G1と表すことができる。
そこで、G2≧18.4−0.68G1の条件(図3のグラフにおいて直線Aとその右上)では、出鋼口スリーブの外面の発生応力が実炉試験で問題のなかった実施例3以下となるため、この条件を満たす出鋼口スリーブは耐熱衝撃性に優れることになる。

0034

逆に、G2<18.4−0.68G1の条件(図3のグラフにおいて直線Aより左下)では、出鋼口スリーブの外面の発生応力が実炉試験で問題のなかった実施例3よりも大きくなるため、この条件を満たす出鋼口スリーブは耐熱衝撃性に劣ることになる。

実施例

0035

また、内層の黒鉛含有率G1が5質量%未満では、G2≧18.4−0.68G1の条件を満足させて発生応力を実施例3の●以下とするためには、本体層の黒鉛含有率G2が多くなりすぎて耐食性が不十分となる。一方、内層の黒鉛含有率G1が10質量%を超えると低黒鉛化による耐食性向上効果が不十分となる。

0036

1出鋼口スリーブ
2内層
3本体層
4 内孔

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