図面 (/)

技術 クローラ用ゴム組成物およびゴムクローラ

出願人 住友ゴム工業株式会社
発明者 河西勇輝大槻洋敏横山結香向口大喜
出願日 2020年7月20日 (7ヶ月経過) 出願番号 2020-124013
公開日 2020年10月29日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-176269
状態 未査定
技術分野 高分子組成物 自動車の製造ライン・無限軌道車両・トレーラ
主要キーワード 試験用ゴム 性能目標 耐オゾン劣化性 クローラ式車両 各加硫ゴムシート アルキルベンゼン樹脂 ハイビ トランス結合
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年10月29日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

走行定性を維持しながら、耐摩耗性、および耐カット性に優れ、さらにゴム粉が発生した場合でも、ゴム粉が駆動部や駆動部周辺に付着することを防止できるクローラ用ゴム組成物および該ゴム組成物により構成されたクローラ部材を有するクローラを提供すること。

解決手段

ジエンモノマーのみを重合して得られるジエン系ゴムを70質量%以上含み、1,2−結合ブタジエン単位量が15〜50質量%であるゴム成分を含有するクローラ用ゴム組成物および該ゴム組成物により構成されたクローラ部材を有するクローラ。

概要

背景

ゴム製品の重要な産業用途の一つとしてゴムクローラが挙げられる。ゴムクローラは、主として農業機械建設機械土木作業機械などの走行部に用いられ、ゴムクローラに用いるゴム組成物クローラ用ゴム組成物)に要求される性能は、耐摩耗性耐カット性耐亀裂成長性耐オゾン劣化性、走行安定性などであり、これらの性能をバランス良く有していることが、ゴムクローラの長期寿命につながる。

特許文献1には、スチレンブタジエンゴムSBR)と天然ゴム(NR)またはハイスレンポリマー(HSR)とを含有する履帯ゴム組成物とすることで耐カット性を向上させる技術が記載されている。しかし、SBRを含有することで、耐亀裂成長性が低下するという問題がある。

また、クローラ用ゴム組成物硬度を低くすることで、耐カット性を向上させることも検討されているが、走行安定性が低下してしまうという問題がある。

特許文献2には、シス1,4−ポリブタジエンゴムを用いることで、クローラ用ゴム組成物の耐屈曲性および耐摩耗性を向上させる技術が記載されている。しかし、BRを含有することで、耐カット性が低下するという問題がある。

特許文献3には、シス1,4−結合含量98%以上、ビニル結合含量0.3%以下の超ハイシスBRを用いることで、耐カット性と耐亀裂成長性を両立させ、その他クローラ用ゴム組成物に要求される性能にも優れるゴム組成物が記載されている。

概要

走行安定性を維持しながら、耐摩耗性、および耐カット性に優れ、さらにゴム粉が発生した場合でも、ゴム粉が駆動部や駆動部周辺に付着することを防止できるクローラ用ゴム組成物および該ゴム組成物により構成されたクローラ部材を有するクローラを提供すること。ジエンモノマーのみを重合して得られるジエン系ゴムを70質量%以上含み、1,2−結合ブタジエン単位量が15〜50質量%であるゴム成分を含有するクローラ用ゴム組成物および該ゴム組成物により構成されたクローラ部材を有するクローラ。なし

目的

本発明は、走行安定性を維持しながら、耐摩耗性、および耐カット性に優れ、さらにゴム粉が発生した場合でも、ゴム粉が駆動部や駆動部周辺に付着することを防止できるクローラ用ゴム組成物および該ゴム組成物により構成されたクローラ部材を有するクローラを得ることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

ジエンモノマーのみを重合して得られるジエン系ゴムを80質量%以上含むゴム成分100質量部に対して、レジン(ただし、100万以上の平均分子量を有するポリエチレンを除く)を0.5質量部以上含有し、ゴム成分全量中の1,2−結合ブタジエン単位量が15〜50質量%であるゴム組成物により構成されたクローラ部材を有するゴムクローラ

請求項2

前記レジンが、軟化点が50℃以上のレジンである請求項1記載のゴムクローラ。

請求項3

前記レジンが、C5、C9系石油樹脂芳香族ビニル重合体クマロンインデン樹脂インデン樹脂ポリテルペン樹脂、およびフェノール系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2記載のゴムクローラ。

請求項4

ジエンモノマーのみを重合して得られるジエン系ゴムを70質量%以上含むゴム成分および加硫促進助剤を含有し、ゴム成分全量中の1,2−結合ブタジエン単位量が15〜50質量%であるゴム組成物により構成されたクローラ部材を有するゴムクローラ。

請求項5

前記ゴム組成物の25℃におけるJIS−A硬度が70以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴムクローラ。

請求項6

前記ゴム成分が、1,2−結合ブタジエン単位量が80質量%以上のブタジエンゴムを15質量%以上含むゴム成分である請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴムクローラ。

請求項7

前記ゴム成分が、天然ゴムを40〜70質量%含むゴム成分である請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴムクローラ。

請求項8

前記ゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを40〜80質量部含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載のゴムクローラ。

請求項9

前記ゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対して、窒素吸着比表面積が10〜50m2/gのカーボンブラックを25〜60質量部含有する請求項1〜8のいずれか1項に記載のゴムクローラ。

請求項10

前記ゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対して、窒素吸着比表面積が70〜280m2/gのカーボンブラックを25〜60質量部含有する請求項1〜9のいずれか1項に記載のゴムクローラ。

技術分野

0001

本発明は、クローラ用ゴム組成物および該クローラ用ゴム組成物により構成されたクローラ部材を有するゴムクローラに関する。

背景技術

0002

ゴム製品の重要な産業用途の一つとしてゴムクローラが挙げられる。ゴムクローラは、主として農業機械建設機械土木作業機械などの走行部に用いられ、ゴムクローラに用いるゴム組成物(クローラ用ゴム組成物)に要求される性能は、耐摩耗性耐カット性耐亀裂成長性耐オゾン劣化性、走行安定性などであり、これらの性能をバランス良く有していることが、ゴムクローラの長期寿命につながる。

0003

特許文献1には、スチレンブタジエンゴムSBR)と天然ゴム(NR)またはハイスレンポリマー(HSR)とを含有する履帯ゴム組成物とすることで耐カット性を向上させる技術が記載されている。しかし、SBRを含有することで、耐亀裂成長性が低下するという問題がある。

0004

また、クローラ用ゴム組成物硬度を低くすることで、耐カット性を向上させることも検討されているが、走行安定性が低下してしまうという問題がある。

0005

特許文献2には、シス1,4−ポリブタジエンゴムを用いることで、クローラ用ゴム組成物の耐屈曲性および耐摩耗性を向上させる技術が記載されている。しかし、BRを含有することで、耐カット性が低下するという問題がある。

0006

特許文献3には、シス1,4−結合含量98%以上、ビニル結合含量0.3%以下の超ハイシスBRを用いることで、耐カット性と耐亀裂成長性を両立させ、その他クローラ用ゴム組成物に要求される性能にも優れるゴム組成物が記載されている。

先行技術

0007

特開平08−208890号公報
特開2001−26671号公報
特開2009−298905号公報
特許第3560890号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかし、クローラ式車両の駆動部(車輪部)は、例えば特許文献4に記載されているような外面に比較的鋭角略三角形突起(歯)を備えるスプロケット型であるものが多く、前記のようなクローラ用ゴム組成物に求められる性能を向上させたゴム組成物で構成されるゴムクローラであっても、駆動部の歯と繰り返し接触することで駆動部との接触部が摩耗したり、一部がカットされたりしてゴム粉が発生し、該ゴム粉が駆動部に付着して駆動部の不具合を引き起こしたり、駆動部周辺に付着して外観性を低下させたりするといった問題がある。

0009

本発明は、走行安定性を維持しながら、耐摩耗性、および耐カット性に優れ、さらにゴム粉が発生した場合でも、ゴム粉が駆動部や駆動部周辺に付着することを防止できるクローラ用ゴム組成物および該ゴム組成物により構成されたクローラ部材を有するクローラを得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは、鋭意検討の結果、ジエンモノマーのみを重合して得られるジエン系ゴムを70質量%以上含み、1,2−結合ブタジエン単位量が15〜50質量%であるゴム成分を含有するクローラ用ゴム組成物とすることにより、前記課題を解決できることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成することに成功した。

0011

すなわち、本発明は、ジエンモノマーのみを重合して得られるジエン系ゴムを70質量%以上含み、1,2−結合ブタジエン単位量が15〜50質量%であるゴム成分を含有するクローラ用ゴム組成物に関する。

0012

前記クローラ用ゴム組成物の25℃におけるJIS−A硬度は70以上であることが好ましい。

0013

前記ゴム成分が、1,2−結合ブタジエン単位量が80質量%以上のブタジエンゴムを15質量%以上含むゴム成分であることが好ましい。

0014

前記ゴム成分が、天然ゴムを40質量%以上含むゴム成分であることが好ましい。

0015

ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを40〜80質量部含有することが好ましい。

0016

ゴム成分100質量部に対して、窒素吸着比表面積が70〜90m2/gのカーボンブラックAを0〜40質量部、および窒素吸着比表面積が30〜50m2/gのカーボンブラックBを0〜40質量部含有することが好ましい。

0017

ゴム成分100質量部に対して、軟化点が50℃以上のレジンを0.5〜10質量部含有することが好ましい。

0018

また、本発明は、前記クローラ用ゴム組成物により構成されたクローラ部材を有するゴムクローラに関する。

発明の効果

0019

本発明のクローラ用ゴム組成物、および該クローラ用ゴム組成物により構成されたクローラ部材を有するゴムクローラによれば、走行安定性を維持しながら、耐摩耗性および耐カット性に優れ、さらにゴム粉が発生した場合でも、駆動部や駆動部周辺に付着することを防止できるクローラ用ゴム組成物、および該クローラ用ゴム組成物により構成されたクローラ部材を有するゴムクローラを提供することができる。

0020

本発明のクローラ用ゴム組成物は、ジエンモノマーのみを重合して得られるジエン系ゴムを所定量含み、かつ、ゴム成分全量中の1,2−結合ブタジエン単位量が所定の範囲内であるゴム成分を含有するクローラ用ゴム組成物である。

0021

本発明に係るゴム成分はジエンモノマーのみを重合して得られるジエン系ゴムを含む。ジエンモノマーとしては、1,3−ブタジエンイソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエンなどが挙げられる。

0022

ジエンモノマーのみを重合して得られるジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、合成イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、ブタジエンイソプレン共重合ゴムなどが挙げられ、これらのゴム成分は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。耐カット性および走行安定性の観点から、NRを含有することが好ましく、ゴム強度およびゴム粉付着防止効果の観点から、BRを含有することが好ましく、本発明の効果が好適に得られるという理由から、NRとBRとを併用することがより好ましい。

0023

前記NRとしては特に限定されず、ゴム工業において一般的なものを用いることができ、例えば、SIR20、RSS#3、TSR20などが挙げられる。

0024

NRを含有する場合のゴム成分中含有量は、耐カット性および走行安定性の観点から、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、55質量%以上がより好ましい。また、NRの含有量は、低燃費性ウェットグリップ性およびBRの含有量とのバランスの観点から、85質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましく、65質量%以下が最も好ましい。

0025

前記BRとしては、シス1,4−ブタジエン単位量が多いBR(ハイシスBR)、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含むBR(SPB含有BR)、1,2−結合ブタジエン単位量が多いBR(ハイビニルBR)、変性BRなどが挙げられる。なかでも、低燃費性、ウェットグリップ性に優れる、ゴム成分全量中の1,2−結合ブタジエン単位量を後述の範囲内とすることができる、BRの結晶性を向上できるという理由から、1,2−結合ブタジエン単位量が多いBRが好ましい。

0026

前記1,2−結合ブタジエン単位量が多いBR(ハイビニルBR)とは、ビニル基を有する1,2−結合ブタジエン単位が80質量%以上のBRであり、例えば、特表2012−518065号公報および特開2014−80619号公報に記載されている製造方法などにより製造することができる。

0027

1,2−結合ブタジエン単位量が多いBRの1,2−結合ブタジエン単位量は、80質量%以上であり、低燃費性、ウェットグリップ性およびBRの結晶性の観点から、85質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。前記単位量の上限は特に限定されないが、通常、98質量%以下である。なお、本明細書におけるBRの1,2−結合ブタジエン単位量は、1H−NMR測定により算出される値である。

0028

1,2−結合ブタジエン単位量の多いBRを含有する場合のゴム成分中の含有量は、ゴム強度およびゴム粉の付着防止効果の観点から、15質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましく、35質量%以上が最も好ましい。また、1,2−結合ブタジエン単位量の多いBRの含有量は、破壊特性およびNRの含有量とのバランスの観点から、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、45質量%以下がさらに好ましい。

0029

ジエンモノマーのみを重合して得られるジエン系ゴムのゴム成分中の含有量は、70質量%以上であり、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%とすることが最も好ましい。70質量%未満の場合は、優れた耐カット性および走行安定性が得られない恐れがある。

0030

本発明のクローラ用ゴム組成物には、ジエンモノマーのみを重合して得られるジエン系ゴム以外のゴム成分(その他のゴム成分)を含有することもできるが、耐カット性および走行安定性の観点から、その他のゴム成分を含有せず、ジエンモノマーのみを重合して得られるジエン系ゴムのみをゴム成分とすることが好ましい。

0031

本発明に係るゴム成分全量中の1,2−結合ブタジエン単位量は、15質量%以上であり、18質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましい。15質量%未満の場合は、ゴム粉の付着防止効果が低下する傾向がある。また、ゴム成分全量中の1,2−結合ブタジエン単位量は、50質量%以下であり、40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましい。50質量%を超える場合は、耐カット性、ゴム強度および走行安定性が低下する傾向がある。なお、本明細書におけるゴム成分の1,2−結合ブタジエン単位量は、1H−NMR測定により算出される値である。

0032

本発明のクローラ用ゴム組成物には、前記ゴム成分以外にも、クローラ用ゴム組成物の製造に一般的に使用される配合剤、例えば、カーボンブラック、シリカなどの補強剤老化防止剤、レジン、スコーチ防止剤軟化剤酸化亜鉛ステアリン酸加硫剤加硫促進剤加硫促進助剤などを適宜配合することができる。

0033

前記カーボンブラックとしては、例えば、ゴム工業において一般的に用いられるSAFISAF、HAF、FF、FEF、GPFなどが挙げられる。これらのカーボンブラックは、単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。

0034

カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、耐摩耗性の観点から、10m2/g以上が好ましく、20m2/g以上がより好ましい。また、カーボンブラックのN2SAは、分散性および耐摩耗性の観点から、280m2/g以下が好ましく、150m2/g以下がより好ましい。なお、カーボンブラックのN2SAは、JIS K6217のA法に準じて測定される値である。

0035

カーボンブラックを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、ゴム強度、走行安定性および耐オゾン劣化性の観点から、40〜80質量部が好ましく、50〜60質量部がより好ましい。

0036

また、ゴム強度と走行安定性の観点からは、ゴム成分100質量部に対して、N2SAが70〜90m2/gのカーボンブラックA0〜40質量部、およびN2SAが30〜50m2/gのカーボンブラックB0〜40質量部を含むカーボンブラックを含有することが好ましい。カーボンブラックAの含有量は、25〜35質量部がより好ましく、カーボンブラックBの含有量は、25〜35質量部がより好ましい。

0037

本発明のクローラ用ゴム組成物には、良好な硬度が得られるという理由から、さらにレジンを含有することが好ましい。

0038

レジンの軟化点は、50℃以上が好ましく、80℃以上がさらに好ましい。また、レジンの軟化点は、150℃以下が好ましく、110℃以下より好ましい。レジンの軟化点を上記範囲内とすることで、ゴム強度、走行安定性、および加工性をバランス良く改善することができる。なお、本明細書において、レジンの軟化点とは、JIS K6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。

0039

前記レジンとしては、C5、C9系石油樹脂芳香族ビニル重合体クマロンインデン樹脂インデン樹脂ポリテルペン樹脂フェノール系樹脂などが挙げられる。なかでも、ゴム強度、走行安定性、および加工性がバランスよく得られるという理由から、C5系石油樹脂、クマロンインデン樹脂、フェノール系樹脂が好ましく、特にフェノール系樹脂が好ましい。

0040

フェノール系樹脂としては、フェノール樹脂変性フェノール樹脂ブチルフェノールなどのアルキルフェノールと、アセチレンなどのアルキンとを反応させて得られるもの(縮合物)などが挙げられる。フェノール樹脂は、フェノールと、ホルムアルデヒドアセトアルデヒドフルフラールなどのアルデヒド類とを酸またはアルカリ触媒で反応させることにより得られるものであり、変性フェノール樹脂は、カシューオイルトールオイルアマニ油、各種動植物油不飽和脂肪酸ロジンアルキルベンゼン樹脂アニリンメラミンなどの化合物を用いて変性したフェノール樹脂である。フェノール系樹脂としては、硬化反応により良好な硬度が得られるという理由から、変性フェノール樹脂が好ましく、なかでも、カシューオイル変性フェノール樹脂ロジン変性フェノール樹脂がより好ましい。

0041

カシューオイル変性フェノール樹脂としては、下記化学式(1)で示されるものを好適に使用することができる。



(化学式(1)中、nは1〜9の整数を表す。)

0042

化学式(1)で示されるカシューオイル変性フェノール樹脂のnは1〜9の整数であり、反応性および分散性の観点から、5または6が好ましい。

0043

レジンとしてフェノール系樹脂を含有する場合、フェノール系樹脂の硬化作用を有する硬化剤をさらに含有することが好ましい。硬化剤としては、硬化作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、ヘキサメチレンテトラミン(HMT)、ヘキサメトキシメチロールメラミン(HMMM)、ヘキサメトキシメチロールペンタメチルエーテル(HMMPME)、メラミン、メチロールメラミンなどが挙げられる。なかでも、フェノール系樹脂の硬度を上昇させる作用に優れるという点から、HMT、HMMM、HMMPMEが好ましく、少量でメチレン基を有効に放出することができ、安価であるという理由から、HMTが特に好ましい。

0044

硬化剤を含有する場合のフェノール系樹脂100質量部に対する含有量は、十分に硬化できるという理由から、1質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。また、硬化剤の含有量は、均一に硬化できる、押出し時のスコーチ発生を防ぐことができるという理由から、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。

0045

レジンを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、低燃費性、走行安定性および加工性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.5質量部以上がより好ましい。また、レジンの含有量は、十分なゴム強度が得られるという理由から、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、4質量部以下がさらに好ましい。

0046

前記加硫促進剤としては、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DZ)などのスルフェンアミド系加硫促進剤や、チアゾール系促進剤チウラム系促進剤ジチオカルバミン酸系促進剤、アルデヒドアミン系またはアルデヒド−アンモニア系加硫促進剤などが挙げられる。なかでも、加硫特性に優れ、加硫後の低発熱性ゴム焼け性(スコーチ性)が良好であるという理由から、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましい。

0047

加硫促進剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、走行安定性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、0.6質量部以上がより好ましい。また、加硫促進剤の含有量は、耐カット性の観点から、2.2質量部以下が好ましく、1.8質量部以下がより好ましく、1.4質量部以下がさらに好ましい。

0048

本発明のクローラ用ゴム組成物は、NRの含有比率が高い配合であるため、加硫速度が速く、混練り工程でゴム焼け(変色)が発生する恐れがある。そのため、さらに加硫促進助剤(加硫遅延剤)を含有することが好ましい。

0049

加硫促進助剤としては、加硫速度を遅くし、ゴム焼け防止可能なN−シクロヘキシルチオフタルイミド(大内新興化学工業(株)製のリターダーTP、モンサント社製のリターダーPVI)などを使用することが好ましい。N−シクロヘキシルチオフタルイミドを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、ブルームを抑制するという理由から、0.3質量部以下が好ましい。また、N−シクロヘキシルチオフタルイミドの含有量は、0.1質量部以上が好ましく、0.2質量部以上がより好ましい。

0050

本発明のクローラ用ゴム組成物の製造方法としては特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、前記の各成分をオープンロールバンバリーミキサーニーダーなどのゴム混練装置を用いて混練りし、その後加硫する方法などにより製造できる。

0051

本発明のクローラ用ゴム組成物の25℃におけるJIS−A硬度は、走行安定性の観点から、70以上が好ましく、72以上がより好ましく、75以上がさらに好ましい。また、本発明のクローラ用ゴム組成物の25℃におけるJIS−A硬度は、耐カット性の観点から、105以下が好ましく、100以下がより好ましい。

0052

本発明のゴムクローラは、本発明のクローラ用ゴム組成物を用いて通常の方法により製造される。すなわち、本発明のクローラ用ゴム組成物を未加硫の段階でクローラ部材の形状に合わせて押出し加工し、他のクローラ部材と貼り合わせ、ゴムクローラ成形機上にて未加硫ゴムクローラを形成する。この未加硫ゴムクローラを加硫機中で加熱加圧することで、本発明のゴムクローラを製造することができる。

0053

本発明のゴムクローラは、建設用農業用などのクローラ式車両に使用され、特に、外面に鋭角な略三角形の歯を備えるスプロケット型の駆動部を有するようなゴムクローラの摩耗が激しいクローラ式車両に好適に使用できる。

0054

本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は、実施例にのみ限定されるものではない。

0055

以下、実施例および比較例において用いた各種薬品をまとめて示す。
NR:TSR20
BR1:下記BR1製造例にて製造したBR(1,2−結合ブタジエン単位量:90質量%、シス1,4−結合ブタジエン単位量:3質量%、トランス1,4−結合ブタジエン単位量:7質量%)
BR2:宇部興産(株)製のBR150B(ハイシスBR、1,2−結合ブタジエン単位量:1質量%、シス1,4−結合ブタジエン単位量:97質量%、トランス1,4−結合ブタジエン単位量:2質量%)
カーボンブラック1:東海カーボン(株)製のN330(N2SA:79m2/g)
カーボンブラック2:東海カーボン(株)製のN550(N2SA:42m2/g)
カーボンブラック3:東海カーボン(株)製のN660(N2SA:27m2/g)
レジン1:住友ベークライト(株)製のPR12686(前記化学式(1)で示されるカシューオイル変性フェノール樹脂、軟化点:100℃)
レジン2:丸善石油化学(株)製のマルカレッツM890(C5系石油樹脂、軟化点:105℃)
HMT:大内新興化学工業(株)製のノクセラーH
加硫促進助剤:モンサント社製のリターダーPVI(N−シクロヘキシルチオフタルイミド)
硫黄:日本乾溜工業(株)製のセイサルファーオイル10%含有、二硫化炭素による不溶物:60%以上)
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)

0056

<BR1製造例>
窒素置換した2Lのオートクレープ中で、撹拌しながら、850gのヘキサン、1.74ミリモルビス[2−(N,N−ジメチルアミノエチル]エーテル(BDMAEE)、0.29ミリモルのナトリウム3,7−ジメチル−3−オクタノラート(Na−DMO)、150gの1,3−ブタジエン(ヘキサン中50%濃度溶液として)、および0.58ミリモルのn−ブチルリチウム(BuLi)(ヘキサン中23%濃度溶液として)を添加し、80℃に60分間加熱しながら攪拌した。次に、攪拌したゴム溶液エタノール中で沈澱させ、2,6−ジ−tert−ブチル−4−クレゾール(BHT)で安定化させた。沈澱ゴムをエタノールから単離し、真空で、60℃で16時間乾燥させた。

0057

BR、およびゴム成分中のミクロ構造(1,2−結合ブタジエン単位量、シス1,4−結合ブタジエン単位量、およびトランス1,4−結合ブタジエン単位量)の測定方法を以下に示す。

0058

<BRのミクロ構造の測定>
日本電子(株)製JNM−ECAシリーズNMR装置を用いて測定した。測定は、BRを1g、15mlのトルエンに溶解させ、30mlのメタノール中にゆっくり注ぎ込んで精製後、乾燥させて精製したものについて行った。なお、ミクロ構造は、1H−NMR測定による1,4−結合(5.30〜5.50ppm)と1,2−結合(4.94〜5.03ppm)のシグナル強度比、および13C−NMR測定によるシス結合(25.5ppm)とトランス結合(32.8ppm)のシグナル強度比から算出した。

0059

<ゴム成分のミクロ構造の測定>
日本電子(株)製JNM−ECAシリーズのNMR装置を用いて測定した。測定は、ゴムサンプルを1g、15mlのトルエンに溶解させ、30mlのメタノール中にゆっくり注ぎ込んで精製後、乾燥させて精製したものについて行った。なお、ミクロ構造は、1H−NMR測定による1,4−結合(5.30〜5.50ppm)と1,2−結合(4.94〜5.03ppm)のシグナル強度比、および13C−NMR測定によるシス結合(25.5ppm)とトランス結合(32.8ppm)のシグナル強度比から算出した。

0060

実施例および比較例
表1に示す配合内容に従い、硫黄および加硫促進剤以外の各種薬品を、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーにて150℃の条件下で5分間混練りした。その後、得られた混練物に硫黄および加硫促進剤を添加し、オープンロールにて80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で20分間、0.5mm厚の金型プレス加硫し、加硫ゴムシートを得た。また、得られた未加硫ゴム組成物をクローラベルトの形状に成形し、170℃で12分間加硫し、試験用ゴムクローラ(サイズ:400−90×42/WZ)を製造した。得られた加硫ゴムシートおよび試験用ゴムクローラについて下記評価を行った。結果を表1に示す。

0061

<硬度>
各加硫ゴムシートのタイプAデュロメータ硬さを、JIS K6253−3「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第3部:デュロメータ硬さ」に記載の測定方法に則って、25℃の雰囲気下で測定した。

0062

<走行安定性>
各試験用ゴムクローラを、(株)クボタ製パワクロZeroキングウエルに装着し、オフロードテストコースにて実機走行を行なった。その際における操舵時のコントロールの安定性をテストドライバーが評価し、比較例1を100として指数表示をした。数値が大きいほど走行安定性に優れる。なお、走行安定性指数は95以上を性能目標指数とする。

0063

<耐カット性>
JIS K6251に準じて、各加硫ゴムシートからなる3号ダンベル型試験片を用いて引張り試験を実施し、破断強度(TB)(MPa)および破断時伸び(EB)(%)を測定した。そして、TB×EB/2の数値を破壊強度とし、各加硫ゴムシートの破壊強度を、比較例1の破壊強度を100として下記計算式により指数表示した。指数が大きいほど耐カット性に優れる。なお、耐カット性指数は85以上を性能目標指数とする。
(耐カット性指数)=(各配合のTB×EB/2)/(比較例1のTB×EB/2)×100

0064

<耐摩耗性>
(株)岩本製作所製のランボーン摩耗試験機を用いて、市場路面での各加硫ゴムシートのランボーン摩耗量を測定した。結果は比較例1を100とした逆数で示す。指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。なお、耐摩耗性指数は90以上を性能目標指数とする。

0065

<ゴム粉の付着>
前記走行安定性試験後、駆動部および駆動部周辺へのゴム粉の付着を観察し、下記基準で評価した。○以上を性能目標とする。なお、各試験用ゴムクローラからは同程度の量のゴム粉が発生した。
◎:ゴム粉の付着が全く無い
○:ゴム粉がわずかに付着しているが、外観が悪いと感じる程ではない
△:ゴム粉が少し付着している
×:ゴム粉が多く付着しており、外観が悪い。またはゴム粉が多く付着していることで駆動部に不具合が起きている

0066

実施例

0067

表1の結果より、ジエンモノマーのみを重合して得られるジエン系ゴムを70質量%以上含み、1,2−結合ブタジエン単位量が15〜50質量%であるゴム成分を含有するクローラ用ゴム組成物は、走行安定性を維持しながら、耐摩耗性、および耐カット性に優れ、さらにゴム粉が発生した場合でも、ゴム粉が駆動部や駆動部周辺に付着することを防止できることが分かる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ