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技術 トリフェニルベンゼン骨格を持つ新規芳香族アミン誘導体及びそれを用いたペロブスカイト型太陽電池

出願人 国立研究開発法人産業技術総合研究所
発明者 舩木敬近松真之小野澤伸子村上拓郎
出願日 2019年4月17日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-078390
公開日 2020年10月29日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-176078
状態 未査定
技術分野 有機低分子化合物及びその製造 光起電力装置
主要キーワード スピロ骨格 ターフェニル骨格 アミジニウムカチオン ペロブスカイト層 初期性能 多孔質酸化チタン膜 シュミレーター ピレン骨格
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年10月29日)のものです。
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図面 (1)

課題

ペロブスカイト型太陽電池に用いることができる光電変換素子の提供。

解決手段

一般式(1)で表される芳香族アミン誘導体。(式中、Ar1〜Ar12は置換または未置換のアリール基またはヘテロアリール基。)

概要

背景

太陽光を効率よく電気に変換できる太陽電池エネルギー環境問題の観点から注目されている。実用化されている太陽電池は主にシリコンを用いるものであるが、これらの太陽電池は製造コストが高く、一般家庭に広く普及するには至っていない。シリコン系太陽電池に変わる新しいタイプの太陽電池の研究が進められており、その1つとして有機系太陽電池がある。有機系太陽電池は、資源的制約が少ないこと、製造コストが比較的低いこと、軽量・フレキシブルなどの利点があり、その普及が期待されている。しかしながら、エネルギー変換効率耐久性等の面でシリコン系太陽電池に劣っており、実用化に向けた課題が残っている。

一方で、ペロブスカイト型太陽電池は、2009年に溶液型の電池報告され(非特許文献1)、その後、2012年に固体型の電池が報告されるとエネルギー変換効率が急速に進展した(非特許文献2)。ペロブスカイト型太陽電池の基本構造は、通常図1のように、透明電極の上に、光吸収層ペロブスカイト層)をn型およびp型のバッファ層で挟んだ構造である。n型バッファ層としては、酸化チタンからなる緻密なチタニアの膜が用いられることが多く、p型バッファ層としては、有機半導体正孔輸送材料が一般的に用いられている。

高いエネルギー変換効率が得られるペロブスカイト型太陽電池の正孔輸送材料として一般には、spiro−OMeTADが用いられているが、この化合物は複雑な方法で合成するため、非常に高価であり太陽電池として実用化するために面積を大きくする場合に製造コストが高くなってしまう。そのため、安価で高効率な正孔輸送材料の開発が求められている。

そのような正孔輸送材料として、例えば非特許文献3および4には、spiro−OMeTADのスピロ骨格ターフェニル骨格ピレン骨格に変えた下記化学式3で表される化合物が報告例されている。この化合物を、「化合物1」、及び「化合物2」という。化合物1、および化合物2は簡便な方法で合成することができるが、それらを用いた太陽電池のエネルギー変換効率はspiro−OMeTADより低いのが現状であり、低コスト化を実現するための優れた材料の開発が求められている。

概要

ペロブスカイト型太陽電池に用いることができる光電変換素子の提供。一般式(1)で表される芳香族アミン誘導体。(式中、Ar1〜Ar12は置換または未置換のアリール基またはヘテロアリール基。)なし

目的

本発明は、従来の技術における上記の状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、ペロブスカイト型太陽電池のp型バッファ層に用いる化合物を提供し、さらにはこの化合物を用いた良好なペロブスカイト型太陽電池を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

一般式(1)(式中、Ar1〜Ar12は置換または未置換のアリール基またはヘテロアリール基であって、Ar1〜Ar12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい)で表される芳香族アミン誘導体

請求項2

前記一般式(1)におけるAr1〜Ar12が、それぞれ独立に置換または未置換のアリール基である、請求項1に記載の芳香族アミン誘導体。

請求項3

請求項4

前記一般式(1)で表される芳香族アミン誘導体が、下記式で表される化合物である、請求項1ないし3のいずれかに記載の芳香族アミン誘導体。

請求項5

請求項1ないし4のいずれかに記載の芳香族アミン誘導体を備える光電変換素子

請求項6

請求項5に記載の光電変換素子を備える、ペロブスカイト型太陽電池

請求項7

請求項5に記載の光電変換素子を備える、フォトダイオード

請求項8

請求項5に記載の光電変換素子を備える、光センサ

請求項9

導電性支持体上に電子輸送層を有し、電子輸送層上にペロブスカイト化合物を含む光吸収層を有する第一電極と、第一電極に対向する第二電極とを有する光電変換素子の製造方法であって、光吸収層と、一般式(1)で表される芳香族アミン誘導体を含む溶液を接触させる工程を含む、光電変換素子の製造方法。(式中、Ar1〜Ar12は置換または未置換のアリール基またはヘテロアリール基であって、Ar1〜Ar12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい)

技術分野

0001

本発明は、ペロブスカイト型太陽電池の性能を向上するための機能性材料として用いる新規化合物、およびそれを用いた太陽電池に関するものである。

背景技術

0002

太陽光を効率よく電気に変換できる太陽電池はエネルギー環境問題の観点から注目されている。実用化されている太陽電池は主にシリコンを用いるものであるが、これらの太陽電池は製造コストが高く、一般家庭に広く普及するには至っていない。シリコン系太陽電池に変わる新しいタイプの太陽電池の研究が進められており、その1つとして有機系太陽電池がある。有機系太陽電池は、資源的制約が少ないこと、製造コストが比較的低いこと、軽量・フレキシブルなどの利点があり、その普及が期待されている。しかしながら、エネルギー変換効率耐久性等の面でシリコン系太陽電池に劣っており、実用化に向けた課題が残っている。

0003

一方で、ペロブスカイト型太陽電池は、2009年に溶液型の電池報告され(非特許文献1)、その後、2012年に固体型の電池が報告されるとエネルギー変換効率が急速に進展した(非特許文献2)。ペロブスカイト型太陽電池の基本構造は、通常図1のように、透明電極の上に、光吸収層ペロブスカイト層)をn型およびp型のバッファ層で挟んだ構造である。n型バッファ層としては、酸化チタンからなる緻密なチタニアの膜が用いられることが多く、p型バッファ層としては、有機半導体正孔輸送材料が一般的に用いられている。

0004

高いエネルギー変換効率が得られるペロブスカイト型太陽電池の正孔輸送材料として一般には、spiro−OMeTADが用いられているが、この化合物は複雑な方法で合成するため、非常に高価であり太陽電池として実用化するために面積を大きくする場合に製造コストが高くなってしまう。そのため、安価で高効率な正孔輸送材料の開発が求められている。

0005

そのような正孔輸送材料として、例えば非特許文献3および4には、spiro−OMeTADのスピロ骨格ターフェニル骨格ピレン骨格に変えた下記化学式3で表される化合物が報告例されている。この化合物を、「化合物1」、及び「化合物2」という。化合物1、および化合物2は簡便な方法で合成することができるが、それらを用いた太陽電池のエネルギー変換効率はspiro−OMeTADより低いのが現状であり、低コスト化を実現するための優れた材料の開発が求められている。

0006

先行技術

0007

J. Am. Chem. Soc. (2009) Vol.131, p.6050-6051
Science (2012) Vol.388, p.643-647
RSC Adv. (2017) Vol.7, p.45478-45483
J. Am. Chem. Soc. (2013) Vol.135, p.19087-19090

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、従来の技術における上記の状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、ペロブスカイト型太陽電池のp型バッファ層に用いる化合物を提供し、さらにはこの化合物を用いた良好なペロブスカイト型太陽電池を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、新規芳香族アミン誘導体をペロブスカイト型太陽電池のp型バッファ層に導入することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。

0010

すなわち、本発明は、一般式(1)



(式中、Ar1〜Ar12は置換または未置換のアリール基またはヘテロアリール基であって、Ar1〜Ar12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい)で表される芳香族アミン誘導体である。
さらに、本発明は、一般式(1)におけるAr1〜Ar12が、それぞれ独立に置換または未置換のアリール基である、芳香族アミン誘導体である。
さらに、本発明は、一般式(1)における置換アリール基または置換ヘテロアリール基置換基が、アルキル基アルケニル基アルキニル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基アリールオキシ基アシル基アルコキシカルボニル基アリールオキシカルボニル基アシルオキシ基アシルアミノ基アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基カルバモイル基アルキルチオ基アリールチオ基スルホニル基ハロゲン原子シアノ基およびヘテロ環基から選ばれる、芳香族アミン誘導体である。

0011

さらに、本発明は、一般式(1)で表される芳香族アミン誘導体が、下記化学式2で表される化合物である、芳香族アミン誘導体である。

0012

さらに、本発明は、本発明の芳香族アミン誘導体を備える光電変換素子である。
さらにまた、本発明は、本発明の光電変換素子を備えるペロブスカイト型太陽電池である。
さらにまた、本発明は、本発明の光電変換素子を備える、フォトダイオードである。
さらにまた、本発明は、本発明の光電変換素子を備える、光センサである。

0013

さらにまた、本発明は、導電性支持体上に電子輸送層を有し、電子輸送層上にペロブスカイト化合物を含む光吸収層を有する第一電極と、第一電極に対向する第二電極とを有する光電変換素子の製造方法であって、光吸収層と本発明の芳香族アミン誘導体を含む溶液を接触させる工程を含む、光電変換素子の製造方法である。

発明の効果

0014

本発明の新規芳香族アミン誘導体によれば、ペロブスカイト型太陽電池のp型バッファ層に導入することにより、良好な変換効率を達成することができる。

図面の簡単な説明

0015

図1は、本発明のペロブスカイト型太陽電池の一例を、模式的に示した断面図である。

0016

(芳香族アミン誘導体)
本発明の新規芳香族アミン誘導体は、
一般式(1)



(式中、Ar1〜Ar12は置換または未置換のアリール基またはヘテロアリール基であって、Ar1〜Ar12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい)で表される芳香族アミン誘導体であって、種々の化合物となることが出来る。本発明の芳香族アミン誘導体は、p型バッファ層において、少なくとも一種を導入することができ、複数種を導入することも可能である。

0017

上記一般式(1)におけるAr1〜Ar12はそれぞれ独立に置換または未置換のアリール基またはヘテロアリール基である。
ここでアリール基は、特に限定されないが、フェニル基ナフチル基ビフェニル基フルオレン基などが挙げられる。
ヘテロアリール基は、特に限定されないが、ピリジンピラジンピリミジンピリダジンピロールチオフェンフランイミダゾールピラゾールチアゾールイソチアゾールオキサゾールイソオキサゾールなどが挙げられる。

0018

Ar1〜Ar12は、置換基を有してもよく、置換基として好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニル基、ハロゲン原子、シアノ基、ヘテロ環基などが挙げられる。置換基としてより好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基などが挙げられる。置換基の炭素数としては、好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜6ある。また、Ar1〜Ar12における置換基の置換位置は、特に限定されない。

0019

本発明の新規芳香族アミン誘導体の具体例として、例えば、下記式で表されるものを挙げることが出来る

0020

本発明の芳香族アミン誘導体の製造方法は、例えば、本発明の化合物3であれば、1,3,5−トリス(3,5−ジブロモフェニルベンゼンビス(4−メトキシフェニルアミンを反応させることにより得ることが出来る。その他の芳香族アミン誘導体についても、上記製造方法および通常の有機化学合成手法に基づいて得ることができる。

0021

(光電変換素子)
本発明の芳香族アミン誘導体は、光電変換素子のp型バッファ層に導入する化合物として用いることが出来る。本発明の光電変換素子は、p型バッファ層に本発明の芳香族アミン誘導体を導入する以外は、通常の光電変換素子の構造を有するものであってよい。具体的には、例えば図1に示すように、導電性支持体上に電子輸送層を有し、電子輸送層上にペロブスカイト化合物を含む光吸収層を有する第一電極と、第一電極に対向する第二電極(対極)とを有する光電変換素子であって、光吸収層と本発明の芳香族アミン誘導体を含む溶液を接触させることにより、p型バッファ層に芳香族アミン誘導体が導入されている光電変換素子が挙げられる。
本発明の光電変換素子は、例えば、ペロブスカイト型太陽電池、フォトダイオード、光センサなどに用いることができる。

0022

本発明の光電変換素子は、p型バッファ層に本発明の芳香族アミン誘導体を導入する以外は、通常の光電変換素子の製造方法により製造することができる。光吸収層の表面に本発明の芳香族アミン誘導体を導入するには、本発明の芳香族アミン誘導体を含有する液を用いる。この液は、液状の本発明の芳香族アミン誘導体自体であってもよく、本発明の芳香族アミン誘導体を含有する溶液でも懸濁液(分散液)であってもよい。溶媒または分散媒は、本発明の芳香族アミン誘導体を溶解または分散でき、光吸収層を溶解しないものであれば特に限定されず、例えば、クロロベンゼンを好ましく用いることができる。本発明の芳香族アミン誘導体の液中の濃度は、特に限定されないが、例えば、1〜500mMが好ましく、10〜100mMがより好ましい。

0023

調製した液を光吸収層の表面に接触させる方法は、特に限定されず、例えば、光吸収層の表面に液を塗布する方法が挙げられる。塗布方法としては、特に限定されないが、例えばスピンコート法スクリーン印刷法浸漬法などが挙げられる。塗布の温度は、0〜50℃が好ましい。
塗布後は、液を乾燥することが好ましい。乾燥条件は特に限定されない。乾燥温度は、例えば、20〜150℃が好ましく、20〜70℃がより好ましい。乾燥時間は、例えば1分〜5時間が好ましく、3分〜1時間がより好ましい。

0024

光吸収層の表面上の本発明の芳香族アミン誘導体の存在量は、芳香族アミン誘導体の種類、目的とする性能等に応じて適宜調整でき、特に限定されないが、例えば、0.001mg/m2〜100mg/m2が好ましく、0.01mg/m2〜10mg/m2がより好ましい。
また、p型バッファ層には、本発明の芳香族アミン誘導体以外の材料を含んでいてもよい。従来からp型バッファ層に含ませることができる正孔輸送材料、添加剤、および酸化剤は、本発明の効果を損なわない範囲で含めることができる。

0025

(ペロブスカイト型太陽電池)
本発明の芳香族アミン誘導体は、例えばペロブスカイト型太陽電池のp型バッファ層に導入する化合物として用いることが出来る。本発明のペロブスカイト型太陽電池は、p型バッファ層に本発明の芳香族アミン誘導体を導入する以外は、通常のペロブスカイト型太陽電池の構造を有するものであってよい。すなわち、導電性支持体、n型バッファ層(電子輸送層)、ペロブスカイト層(光吸収層)、および対極は周知のものを用いることが出来る。本発明のペロブスカイト型太陽電池は、p型バッファ層に本発明の芳香族アミン誘導体を導入する以外は、通常のペロブスカイト型太陽電池の製造方法により製造することができる。

0026

導電性支持体としては、表面に導電層を有するガラスまたはプラスチックなどを好適に用いることができる。導電層としては、金、白金、銀、銅、インジウムなどの金属、導電性カーボン、またはインジウム錫複合化合物酸化錫フッ素をドープしたものなどが挙げられる。これらの導電材料を用いて、常法により支持体表面に導電層を形成することができる。また、導電性支持体を受光面とする場合は透明であることが好ましい。

0027

n型バッファ層を構成する材料は特に限定されず、例えば、酸化チタン、酸化ニオブ酸化亜鉛酸化スズ酸化タングステン酸化インジウムなどを挙げることができる。これらのうち好ましくは酸化チタン、酸化ニオブ、酸化スズであり、特に好ましくは酸化チタンである。n型バッファ層の形成方法は問わないが、例えば、スプレー熱分解法による製膜、またはn型バッファ層となるべき酸化物微粒子を形成し、これを適当な溶媒に懸濁させて透明導電性ガラスの上に塗布し、溶媒を除去した後に加熱する方法による製造などが挙げられる。

0028

ペロブスカイト層としては、組成式ABX3で示されるペロブスカイト化合物を少なくとも一種含有していればよく、二種以上のペロブスカイト化合物を含有していてもよい。光吸収層は単層であっても二層以上の積層であってもよい。二層以上の積層構造である場合は、それぞれの層の間に正孔輸送材料などの中間層を積層してもよい。Aは1価のカチオンであり、例えばメチルアンモニウムカチオン、ホルムアミジニウムカチオンアルカリ金属カチオンが挙げられる。Bは2価のカチオンであり、例えば鉛カチオン、ゲルマニウムカチオン、スズカチオンなどが挙げられる。Xはハロゲンアニオンなどの1価のアニオンである。ペロブスカイト層は、溶液による塗布法や、共蒸着法などにより形成することが出来る。

0029

対極は導電性を有している限り特に制限はないが、例えば、金、銀、白金、パラジウムロジウムタングステンモリブテンタンタルチタンニオビウムなどが挙げられる。これらの導電材料を用いて、常法により対極を形成することが出来る。

0030

光電変換素子および太陽電池の製造方法に使用する溶媒または分散媒としては、メタノールエタノールn−プロパノールイソプロパノールn−ブタノール、tert−ブタノールなどのアルコール溶媒クロロホルムアセトンアセトニトリルテトラヒドロフランジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、ベンゼン、トルエンキシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの有機溶媒、ならびに、それらの混合溶媒である。好ましくは、クロロベンゼンである。

0031

以下に、本発明について実施例を用いてさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。

0032

<実施例1>
1,3,5−トリス(3,5−ジブロモフェニル)ベンゼン(0.3g)、ビス(4−メトキシフェニル)アミン(0.794g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.0705g)、トリ−tert−ブチルホスフィン(0.0156g)をトルエン(30mL)に溶解する。この混合物ナトリウムtert−ブトキシド(0.665g)を加えて80℃で撹拌する。室温まで冷却後、水と酢酸エチルを加え、分液する。有機層濃縮後の残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、0.345gの生成物を得た。1H−NMR分析したところ、この生成物は、下記式で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物3」という。化合物3の1H−NMRを以下に示す。

0033

1H−NMR(500MHz,THF−d8):δ7.16(3H,s),6.95(24H, d,J9.0),6.75(24H,d,J9.0),6.58(6H,d,J2.1),6.46(3H,t,J2.1),3.71(36H,s)。

0034

0035

<実施例2>
1,3,5−トリス(3,5−ジブロモフェニル)ベンゼン(0.5g)、ビス(4−プロポキシフェニル)アミン(1.65g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.117g)、トリ−tert−ブチルホスフィン(0.0259g)をトルエン(50mL)に溶解する。この混合物にナトリウムtert−ブトキシド(1.11g)を加えて80℃で撹拌する。室温まで冷却後、水と酢酸エチルを加え、分液する。有機層を濃縮後の残渣をカラムクロマトグラフィーと再結晶で精製し、0.752gの生成物を得た。
1H−NMRで分析したところ、この生成物は、下記式で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物4」という。化合物4の1H−NMRを以下に示す。

0036

1H−NMR(500MHz,THF−d8):δ7.20(3H,s),6.98(24H,d,J8.8),6.79(24H,d,J8.8),6.61(6H,d,J2.1),6.53(3H,t,J2.1),3.88(24H,t,J6.5),1.81−1.74(24H,m), 1.05(36H,t,J7.4)。

0037

0038

<実施例3>
1,3,5−トリス(3,5−ジブロモフェニル)ベンゼン(0.3g)、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)アミン(0.884g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.141g)、トリ−tert−ブチルホスフィン(0.0622g)をトルエン(30mL)に溶解する。この混合物にナトリウムtert−ブトキシド(0.665g)を加えて加熱還流する。室温まで冷却後、水と酢酸エチルを加え、分液する。有機層をろ過し、0.393gの生成物を得た。1H−NMRで分析したところ、この生成物は、下記式で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物5」という。化合物5の1H−NMRを以下に示す。

0039

1H−NMR(400MHz,THF−d8):δ7.14(3H,s),6.89(24H,d,J9.0),6.58(24H,d,J9.0),6.50−6.48(9H,m),2.84(72H,s)。

0040

0041

<実施例4>
1,3,5−トリス(3,5−ジブロモフェニル)ベンゼン(0.3g)、4−ジメチルアミノ−4’−メトキシジフェニルアミン(0.839g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.0705g)、トリ−tert−ブチルホスフィン(0.0156g)をトルエン(30mL)に溶解する。この混合物にナトリウムtert−ブトキシド(0.665g)を加えて加熱還流する。室温まで冷却後、水と酢酸エチルを加え、分液する。有機層を濃縮後の残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、0.509gの生成物を得た。1H−NMRで分析したところ、この生成物は、下記式で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物6」という。化合物6の1H−NMRを以下に示す。

0042

1H−NMR(400MHz,THF−d8):δ7.19(3H,s),6.99−6.94(24H,m),6.75(12H,d,J9.1),6.64(12H,d,J9.1),6.57(6H,d,J2.0),6.51(3H,t,J2.0),3.73(18H,s),2.90(36H,s)。

0043

0044

<実施例5>
1,3,5−トリス(3,5−ジブロモフェニル)ベンゼン(0.3g)、4−メトキシ−4’−メチルジフェニルアミン(0.738g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.0705g)、トリ−tert−ブチルホスフィン(0.0311g)をトルエン(30mL)に溶解する。この混合物にナトリウムtert−ブトキシド(0.665g)を加えて80℃で撹拌する。室温まで冷却後、水と酢酸エチルを加え、分液する。有機層を濃縮後の残渣をカラムクロマトグラフィーと再結晶で精製し、0.261gの生成物を得た。1H−NMRで分析したところ、この生成物は、下記式で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物7」という。化合物7の1H−NMRを以下に示す。

0045

1H−NMR(400MHz,THF−d8):δ7.20(3H,s),6.98−6.95(24H,m),6.88(12H,d,J8.5),6.77(12H,d,J9.1),6.67(6H,d,J2.0),6.54(3H,t,J2.0),3.71(18H,s),2.22(18H,s)。

0046

0047

<実施例6>
1,3,5−トリス(3,5−ジブロモフェニル)ベンゼン(0.3g)、ビス(4−ヘキシルオキシフェニル)アミン(1.28g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.0705g)、トリ−tert−ブチルホスフィン(0.0156g)をトルエン(30mL)に溶解する。この混合物にナトリウムtert−ブトキシド(0.665g)を加えて80℃で撹拌する。室温まで冷却後、水と酢酸エチルを加え、分液する。有機層を濃縮後の残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、0.645gの生成物を得た。1H−NMRで分析したところ、この生成物は、下記式で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物8」という。化合物8の1H−NMRを以下に示す。

0048

1H−NMR(500MHz,THF−d8):δ7.17(3H,s),6.93(24H,d,J9.0),6.73(24H,d,J9.0),6.59(6H,d,J1.8),6.48(3H,t,J1.8),3.89(24H,t,J6.4),1.75−1.71(24H,m),1.49−1.44(24H,m),1.37−1.33(48H,m),0.91(36H,t,J7.0)。

0049

0050

<実施例7>
ペロブスカイト型太陽電池の作製
ガラス表面に透明導電性支持体であるフッ素をドープした酸化錫が蒸着された透明導電性ガラスの表面に、酸化チタン膜大気中、350℃でスプレー熱分解法により製膜し、450℃で30分間加熱することで、約30nmの膜を得た。
さらに電子輸送層として、酸化チタン(平均粒径20nm)のエタノール分散液をスピンコート法により、約200nm製膜し、大気中で450℃で30分間加熱することで、多孔質酸化チタン膜を得た。
次に、ヨウ化鉛ヨウ化メチルアンモニウムをN,N−ジメチルホルムアミドとジメチルスルホキシドの混合溶液(3/1)に溶解し、1.5Mの溶液を調製した。上記の多孔質酸化チタン膜を形成した基板上に、溶液をスピンコートし、続いてクロロベンゼンをスピンコートすることにより製膜した。上記溶液を製膜した基板を120℃まで加熱し、CH3NH3PbI3ペロブスカイト層(光吸収層)を形成した。

0051

その後、化合物1と化合物3〜8を含む溶液を上記のペロブスカイト層を製膜した基板にスピンコートしp型バッファ層を形成した。化合物1と化合物3〜7の溶液は、リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(7mg)、tert−ブチルピリジン(16μL)を含むクロロベンゼン(1mL)に化合物1と化合物3〜7を溶解し、25mMの溶液を調製した。

0052

また、化合物8を含む溶液は、添加剤としての化合物8(1.8mg)に、spiro−OMeTADが(88mg)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(14mg)、tert−ブチルピリジン(31μL)をクロロベンゼン(1mL)に溶解させて調製した。
最後に、p型バッファ層を形成した基板の上に金を蒸着し、目的の太陽電池を得た。同太陽電池は、図1に相当するものである。太陽電池性能ソーラーシュミレーター(WXS−80C−2、ワコム電創製)(AM1.5、100mWcm−2)を用いて評価した。

0053

表1に示す化合物を用い、上記の方法により作製した電池を用いて短絡電流密度(Jsc)、開放電圧(Voc)、曲線因子(ff)、光電変換効率PCE)を測定し初期性能を評価した。具体的には、各化合物を用いた電池を同一条件で9個作成し、平均値を求めた。求めた平均値を各化合物を用いた太陽電池の初期変換効率とした。なお、表1には比較例として、非特許文献3において報告されている化合物1について同様の評価を行った結果を併記した。

0054

実施例

0055

表1の結果から、本発明の化合物をペロブスカイト型太陽電池に導入することにより、良好な変換効率を達成でき、p型バッファ層に用いる化合物として有用であることがわかった。

0056

本発明により、ペロブスカイト型太陽電池のp型バッファ層に用いることができる新規化合物を提供することができ、本発明の化合物は、光電変換素子などとして用いることができる。また、本発明の光電変換素子は、ペロブスカイト型太陽電池、フォトダイオードや光センサなどとして有用である。

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