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技術 水素燃料精製システム、及び水素燃料精製方法

出願人 三井E&Sプラントエンジニアリング株式会社日本管機工業株式会社
発明者 小山斎関根孝夫西出勉
出願日 2019年4月17日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-078525
公開日 2020年10月29日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-176026
状態 特許登録済
技術分野 水素、水、水素化物 吸着による気体の分離 ガスの乾燥 工業ガス 固体収着剤及びろ過助剤
主要キーワード 高圧ガス設備 脱湿装置 サクションタンク タールミスト ミスト濃度 メンブレン式 クッションタンク 昇圧圧縮機
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課題

脱硫装置が小型化可能であり、かつ自動車用燃料として要求される純度水素を精製できる水素燃料精製システムの提供。

解決手段

導入されたコークス炉ガス中不純物ミスト濃度を予め定められたミスト濃度許容範囲まで低下させ、かつ硫化水素濃度を導入前よりも低下させて、不純物ミスト濃度低下後のガス送出する不純物ミスト除去装置5と、不純物ミスト除去装置5から送出されたコークス炉ガスが導入され、導入されたコークス炉ガスから所定の成分の不純物濃度を予め定められた不純物濃度許容範囲まで低下させ、かつ硫化水素濃度を導入前よりも低下させて、不純物濃度低下後のコークス炉ガスを送出する圧力変動吸着装置6と、圧力変動吸着装置6から送出されたコークス炉ガスが導入され、導入されたコークス炉ガスから硫化水素濃度を予め定められた硫化水素濃度許容範囲まで低下させて送出する脱硫装置7を備える水素燃料精製システム1。

概要

背景

水素燃料燃焼時に二酸化炭素を生成しないため、化石燃料よりも環境負荷が小さい燃料として、特に燃料電池自動車(FCV)用燃料として注目されている。
一方で水素燃料は天然産出しないので、化石燃料を改質するか、水を電気分解するか、いずれかの方法により精製する必要がある。
このうち、化石燃料を改質する方法として、コークス炉ガスCOG)を改質して水素燃料を精製する方法が着目されている。
COGは石炭乾留してコークスを生成する際に排出されるガスである。COGは水素を多量に含むため、水素燃料の原料として適している。COGは製鉄用にコークスが精製される際の副産物として水素燃料の消費地付近で大量に入手できる点も有利である。
COGを原料とした水素燃料精製装置としては、PSA(圧力変動吸着)法を用いた精製装置が知られている。PSA法は、加圧ガス中不純物吸着除去し、その後減圧することで、圧力に対する吸着量の差を利用し、吸着剤に吸着した不純物を脱離させる方法である。PSA法は作動温度の条件が緩やかであり、制御が容易であることから、水素燃料の精製に広く用いられている。
一方で、COGは天然ガス等の他の水素燃料の原料と比べて硫化水素含有量が多いため、PSA装置長寿命化のために、脱硫装置でCOGを脱硫してからPSA装置に導入するのが一般的である(特許文献1〜5)。

概要

脱硫装置が小型化可能であり、かつ自動車用燃料として要求される純度の水素を精製できる水素燃料精製システムの提供。導入されたコークス炉ガス中の不純物ミスト濃度を予め定められたミスト濃度許容範囲まで低下させ、かつ硫化水素濃度を導入前よりも低下させて、不純物ミスト濃度低下後のガスを送出する不純物ミスト除去装置5と、不純物ミスト除去装置5から送出されたコークス炉ガスが導入され、導入されたコークス炉ガスから所定の成分の不純物濃度を予め定められた不純物濃度許容範囲まで低下させ、かつ硫化水素濃度を導入前よりも低下させて、不純物濃度低下後のコークス炉ガスを送出する圧力変動吸着装置6と、圧力変動吸着装置6から送出されたコークス炉ガスが導入され、導入されたコークス炉ガスから硫化水素濃度を予め定められた硫化水素濃度許容範囲まで低下させて送出する脱硫装置7を備える水素燃料精製システム1。

目的

本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、脱硫装置が小型化可能であり、かつ自動車用燃料として要求される純度の水素を精製できる水素燃料精製システム及び水素燃料精製方法を提供する

効果

実績

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請求項1

コークス炉ガス中水素ガスを抽出して燃料電池自動車用水素燃料を精製する水素燃料精製システムであって、前記コークス炉ガスが導入され、前記コークス炉ガス中の不純物ミスト濃度を予め定められたミスト濃度許容範囲まで低下させ、かつ硫化水素濃度を導入前よりも低下させ、不純物ミスト濃度低下後の前記コークス炉ガスを送出する不純物ミスト除去装置と、前記不純物ミスト除去装置から送出された前記コークス炉ガスが導入され、導入された前記コークス炉ガスから所定の成分の不純物濃度を予め定められた不純物濃度許容範囲まで低下させ、かつ硫化水素濃度を導入前よりも低下させて、不純物濃度低下後の、前記コークス炉ガスを送出する圧力変動吸着装置(PSA吸着装置)と、前記圧力変動吸着装置から送出された前記コークス炉ガスが導入され、導入された前記コークス炉ガスから硫化水素濃度を予め定められた硫化水素濃度許容範囲まで低下させて、硫化水素濃度低下後の前記コークス炉ガスを送出する脱硫装置と、前記脱硫装置から送出された前記コークス炉ガスが導入され、導入された前記コークス炉ガスから水分及び酸素を予め定められた水分・酸素濃度許容範囲まで低下させる脱酸脱湿装置と、を備えることを特徴とする水素燃料精製システム。

請求項2

前記不純物ミスト除去装置は複数並列配置される請求項1に記載の水素燃料精製システム。

請求項3

前記不純物ミスト除去装置は、石炭原料とし、不純物ミスト及び硫化水素吸着する粒状活性炭を備える請求項1又は2に記載の水素燃料精製システム。

請求項4

前記コークス炉ガスは硫化水素濃度が10〜30ppmであり、前記不純物ミスト除去装置は、導入された前記コークス炉ガス中の硫化水素濃度を、8〜27ppmまで低下させ、前記圧力変動吸着装置は、導入された前記コークス炉ガス中の硫化水素濃度を、0.004ppm超0.5ppm以下まで低下させ、前記脱硫装置は、導入された前記コークス炉ガス中の硫化水素濃度を、0.004ppm以下まで低下させる、請求項1〜3のいずれかに記載の水素燃料精製システム。

請求項5

最終的にコークス炉ガスから除去される硫化水素の総量に対する、前記不純物ミスト除去装置で除去する硫化水素量質量比R1、前記圧力変動吸着装置で除去する硫化水素量の質量比R2、及び前記脱硫装置で除去する硫化水素量の質量比R3が、以下の条件を満たす請求項1〜4のいずれかに記載の水素燃料精製システム。R1:0.1〜0.2R2:0.8〜0.9R3:0.02〜0.05

請求項6

コークス炉ガスから燃料電池自動車用水素燃料を精製する水素燃料精製方法であって、前記コークス炉ガスから不純物ミスト濃度を予め定められたミスト濃度許容範囲まで低下させ、かつ硫化水素濃度を低下させる不純物ミスト除去工程と、前記不純物ミスト除去工程後の前記コークス炉ガスから圧力変動吸着法を用いて所定の不純物濃度を予め定められた不純物濃度許容範囲まで低下させ、かつ硫化水素濃度を低下させる圧力変動吸着工程と、前記圧力変動吸着工程後の前記コークス炉ガスの硫化水素濃度を予め定められた硫化水素濃度許容範囲まで低下させる脱硫工程と、前記脱硫工程後の前記コークス炉ガスの水分及び酸素濃度を予め定められた水分・酸素濃度許容範囲まで低下させる脱酸脱湿工程と、を実施することを特徴とする水素燃料精製方法。

技術分野

0001

本発明は、水素燃料精製システム、及び水素燃料精製方法に関する。

背景技術

0002

水素燃料は燃焼時に二酸化炭素を生成しないため、化石燃料よりも環境負荷が小さい燃料として、特に燃料電池自動車(FCV)用燃料として注目されている。
一方で水素燃料は天然産出しないので、化石燃料を改質するか、水を電気分解するか、いずれかの方法により精製する必要がある。
このうち、化石燃料を改質する方法として、コークス炉ガスCOG)を改質して水素燃料を精製する方法が着目されている。
COGは石炭乾留してコークスを生成する際に排出されるガスである。COGは水素を多量に含むため、水素燃料の原料として適している。COGは製鉄用にコークスが精製される際の副産物として水素燃料の消費地付近で大量に入手できる点も有利である。
COGを原料とした水素燃料精製装置としては、PSA(圧力変動吸着)法を用いた精製装置が知られている。PSA法は、加圧ガス中不純物吸着除去し、その後減圧することで、圧力に対する吸着量の差を利用し、吸着剤に吸着した不純物を脱離させる方法である。PSA法は作動温度の条件が緩やかであり、制御が容易であることから、水素燃料の精製に広く用いられている。
一方で、COGは天然ガス等の他の水素燃料の原料と比べて硫化水素含有量が多いため、PSA装置長寿命化のために、脱硫装置でCOGを脱硫してからPSA装置に導入するのが一般的である(特許文献1〜5)。

先行技術

0003

特開昭58−91003号公報
特開昭58−168689号公報
特開昭58−190801号公報
特開昭54−17392号公報
特開昭61−64787号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、脱硫装置でCOGを脱硫してからPSA装置に導入する場合、脱硫装置が大型化するとともに、脱硫剤の量も多くなるため、精製装置及び精製作業のコストが増大するという問題があった。
また特許文献1〜5に記載の装置は、精製した水素を高炉内に吹き込む還元剤として用いることを想定している。高炉内に吹き込む水素は不純物を含んでいても、高炉内反応で消費されるか、高炉で生成した銑鉄に溶解して転炉等の次工程の処理装置で除去されるため、自動車用燃料ほどの純度が要求されない。そのため、特許文献1〜5に記載の装置は高純度の水素を精製しつつ脱硫コストを抑制するのが困難であった。

0005

本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、脱硫装置が小型化可能であり、かつ自動車用燃料として要求される純度の水素を精製できる水素燃料精製システム及び水素燃料精製方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

上記した課題を解決するために、本発明は、コークス炉ガス中水素ガスを抽出して燃料電池自動車用水素燃料を精製する水素燃料精製システムであって、前記コークス炉ガスが導入され、前記コークス炉ガス中の不純物ミスト濃度を予め定められたミスト濃度許容範囲まで低下させ、かつ硫化水素濃度を導入前よりも低下させ、不純物ミスト濃度低下後の前記コークス炉ガスを送出する不純物ミスト除去装置と、前記不純物ミスト除去装置から送出された前記コークス炉ガスが導入され、導入された前記コークス炉ガスから所定の成分の不純物濃度を予め定められた不純物濃度許容範囲まで低下させ、かつ硫化水素濃度を導入前よりも低下させて、不純物濃度低下後の、前記コークス炉ガスを送出する圧力変動吸着装置(PSA吸着装置)と、前記圧力変動吸着装置から送出された前記コークス炉ガスが導入され、導入された前記コークス炉ガスから硫化水素濃度を予め定められた硫化水素濃度許容範囲まで低下させて、硫化水素濃度低下後の前記コークス炉ガスを送出する脱硫装置と、前記脱硫装置から送出された前記コークス炉ガスが導入され、導入された前記コークス炉ガスから水分及び酸素を予め定められた水分・酸素濃度許容範囲まで低下させる脱酸脱湿装置と、を備えることを特徴とする。

0007

本発明は、コークス炉ガスから燃料電池自動車用水素燃料を精製する水素燃料精製方法であって、前記コークス炉ガスから不純物ミスト濃度を予め定められたミスト濃度許容範囲まで低下させ、かつ硫化水素濃度を低下させる不純物ミスト除去工程と、前記不純物ミスト除去工程後の前記コークス炉ガスから圧力変動吸着法を用いて所定の不純物濃度を予め定められた不純物濃度許容範囲まで低下させ、かつ硫化水素濃度を低下させる圧力変動吸着工程と、前記圧力変動吸着工程後の前記コークス炉ガスの硫化水素濃度を予め定められた硫化水素濃度許容範囲まで低下させる脱硫工程と、前記脱硫工程後の前記コークス炉ガスの水分及び酸素濃度を予め定められた水分・酸素濃度許容範囲まで低下させる脱酸脱湿工程と、を実施することを特徴とする。

発明の効果

0008

本発明ではコークス炉ガスから不純物ミストを除去し、硫化水素濃度もある程度低下させた後で圧力変動吸着装置に導入し、圧力変動吸着装置で硫化水素濃度を含む不純物濃度を低下させてから脱硫装置で脱硫処理を行う。
この構成では脱硫装置に導入する前に不純物ミスト除去装置とPSA装置である程度コークス炉ガスが脱硫されるため、脱硫装置に導入される硫化水素濃度を従来よりも低くでき、脱硫装置を小型化できる。
また、この構成ではミスト除去装置で不純物ミストが除去され、硫化水素もある程度除去されるため、圧力変動吸着装置の寿命縮める被毒物質の量が減少したガスが圧力変動吸着装置に導入される。そのため、脱硫装置を圧力変動吸着装置の下流側に設置しても、圧力変動吸着装置への負荷が過大にならない。
さらに、この構成では、不純物ミスト除去装置と圧力変動吸着装置、及び脱硫装置の3つの装置が硫化水素に代表される不純物の除去機能分担する。そのため、脱硫装置と圧力変動吸着装置の2つのみで不純物を除去する場合と比べて最終的に得られる水素燃料中の硫化水素等の不純物量の調整が容易である。
よって、水素燃料精製システムは、自動車用燃料として要求される純度の水素を精製できる。
このように本発明によれば、自動車用燃料として要求される純度の水素を精製でき、脱硫装置が小型化可能な水素燃料精製システム及び水素燃料精製方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0009

本実施形態に係る水素燃料精製システムの概略図である。
本実施形態に係る水素燃料精製システムを用いた水素生成方法における、ガス中の硫化水素濃度の経時変化を示す図である。

実施例

0010

以下、図面に基づき本発明に好適な実施形態を詳細に説明する。
まず図1及び図2を参照して本実施形態に係る水素燃料精製システムの構成の概要を説明する。ここでは水素燃料精製システムとして、コークス炉ガスから燃料電池自動車用水素燃料を精製する精製システムが例示されている。以下の説明ではコークス炉ガスをCOGと称し、燃料電池自動車をFCVと称す。

0011

まず、水素燃料精製システムの説明に先立って、原料となるCOGについて簡単に説明する。
本実施形態における原料としてのCOGとは、石炭を乾留してコークスを生成する際に排出されるガスを意味する。ただし、ここでいうCOGは、コークス炉から排出された時点でのガスだけでなく。コークス炉から排出されたCOGに予備脱硫等の処理を行って水素以外の物質の濃度をある程度低下させた後のガスも含める。一般に水素燃料の原料に用いられるCOGの組成は以下の通りである。なお、気体のppmは体積比を意味する。
水素:52〜57体積
酸素:0.2〜0.4体積%
窒素:3〜8体積%
一酸化炭素:6〜9体積%
二酸化炭素:2〜3.5体積%、
アンモニア:1〜2ppm
硫化水素:10〜30ppm、
BTXベンゼントルエンキシレン):2〜4mg/l
BTX以外の炭化水素:25〜29体積%
タールミスト:0.03〜0.06mg/l
水分:飽和状態
以下の説明では、この範囲の組成のCOGを例に説明する。

0012

また、導入されるCOGがあまり高温であると水素燃料精製システム1の耐熱性を確保するためにコストが上昇するため、最大でも50℃程度とするのが好ましい。

0013

次に水素燃料精製システムの構成の概要を説明する。
図1に示すように水素燃料精製システム1は、サクションタンク2、昇圧圧縮機3、蓄圧器4、不純物ミスト除去装置5、圧力変動吸着装置6、脱硫装置7、脱酸脱湿装置8、及び充填タンク9を備える。

0014

サクションタンク2は、水素燃料精製システム1に供給されるCOGの流量や圧力の変動を吸収するクッションタンクであり、水素燃料精製システム1における最も上流側に設けられる。
サクションタンク2は供給されるCOGの流量や圧力の変動を、下流側の装置の稼働に支障がない範囲に調整できるものが用いられる。例えば公知のクッションタンクを用いればよい。

0015

昇圧圧縮機3は、COGを圧縮して、予め定められた所定の圧力まで昇圧する装置であり、サクションタンク2から送出されたCOGが導入されるように、サクションタンク2の下流に接続される。所定の圧力とは、下流の装置が動作するのに必要な圧力であり、これらの装置の仕様に応じて適宜設定される。
昇圧圧縮機3はCOGを所定の圧力まで昇圧できる装置が用いられる。例えば公知のコンプレッサを用いればよい。昇圧圧縮機3の作動方式無給油式が好ましいが、給油式でもよい。

0016

蓄圧器4は、昇圧圧縮機3で昇圧されたCOGを貯留する装置であり、昇圧圧縮機3から送出されたCOGが導入されるように、昇圧圧縮機3の下流に接続される。
蓄圧器4は、昇圧圧縮機3で昇圧されたCOGを所定の圧力で保持できる構造が用いられる。例えば公知の水素ガス用圧力容器を用いればよい。

0017

不純物ミスト除去装置5はCOG中の不純物ミスト濃度を予め定められたミスト濃度許容範囲まで低下させ、かつ硫化水素濃度を導入前よりも低下させて、不純物ミスト濃度低下後のCOGを送出する装置である。
不純物ミスト除去装置5は、蓄圧器4から送出されたCOGが導入されるように、蓄圧器4の下流に接続される。

0018

ここでいう不純物ミストとは、COG中の成分のうち、霧状に存在する物質であって、水分以外の物質を意味する。具体的にはCOG由来のタールミストが挙げられる。また、昇圧圧縮機3が給油式の場合、昇圧圧縮機3から混入する潤滑油由来のオイルミストも挙げられる。

0019

ミスト濃度許容範囲とは、圧力変動吸着装置6の寿命を縮める等の過剰な負荷を圧力変動吸着装置6にかけない程度のミスト濃度を意味する。例えば導入されるCOG中のタールミスト濃度が0.03〜0.06mg/l程度の場合は、ミスト濃度許容範囲は0.007mg/l以下である。
ミスト濃度許容範囲は、FCV用水素燃料として許容されるミスト濃度の範囲であることがより好ましい。具体的な値は法令によるが、例えば1μg/l以下である。

0020

タールミストに代表される不純物ミスト、又は昇圧圧縮機3から排出されるオイルミストは圧力変動吸着装置6の吸着剤や配管に付着してこれらの寿命を劣化させる被毒物質となる。そのため、不純物ミスト除去装置5でCOG中の不純物ミスト濃度をミスト濃度許容範囲まで低下させることで、COG中の被毒物質の濃度を低下させられ、圧力変動吸着装置6への負荷を低減できる。またミストは液体なので気体分子よりもサイズが大きく、除去し易いので、脱硫装置7ほど大型の除去装置は必要ない。そのため、不純物ミスト除去装置5を設置しても、脱硫装置7を圧力変動吸着装置6の上流側に設置する従来技術と比べて、水素燃料精製システム1の全体を小型化できる。
さらに、不純物ミスト除去装置5はオイルミストも除去できるため、給油式の昇圧圧縮機3を用いることができ、昇圧圧縮機3の選択の幅が広がり、水素燃料精製システム1の製造及び運転コストの削減に益々有利である。

0021

また、不純物ミスト除去装置5は、導入されたCOG中の硫化水素濃度も低下させる。具体的な低下幅は圧力変動吸着装置6の吸着用充填剤の寿命に応じて設定される。あまり低下幅が少ないと、圧力変動吸着装置6への負荷が大きくなり、圧力変動吸着装置6の吸着用充填剤の寿命が短くなる。また、あまり低下幅が多いと、不純物ミスト除去装置5が大型化して運転コストが増大する。
よって、不純物ミスト除去装置5に導入されるCOG中の硫化水素濃度(図2のC0を体積比に換算した値)が10〜30ppmの場合、不純物ミスト除去装置5から送出されるCOG中の硫化水素濃度(図2のC1を体積比に換算した値)が例えば8〜27ppmになるように低下幅を設定するのが好ましい。より好ましくはCOG中の硫化水素濃度が6〜24ppmになるように低下幅を設定する。
なお、硫化水素濃度の低下幅は、最終的にCOGから除去すべき硫化水素の総量に対する不純物ミスト除去装置5で除去する硫化水素量質量比R1で規定してもよい。この場合、R1は0.1〜0.2程度となる。なお、質量比R1は、図2に示す硫化水素濃度C0、C1、C3を用いてR1=(C0−C1)/(C0−C3)で求められる。C3は水素燃料精製システム1で最終的に精製されたFCV用水素燃料の硫化水素濃度である。

0022

不純物ミスト除去装置5でCOG中のミスト濃度及び硫化水素濃度を低下させることで、これらの濃度を圧力変動吸着装置6の寿命を縮めないレベルまで低下させることができる。
これにより、脱硫装置7を圧力変動吸着装置6の下流側に設置しても、圧力変動吸着装置6に導入されるCOG中の硫化水素に圧力変動吸着装置6の吸着剤等が被毒してその寿命が短くなるのを防ぐことができる。
このように、脱硫装置7を圧力変動吸着装置6の上流側に設置する従来技術で脱硫装置7が担っていた脱硫機能の一部とミスト除去機能を、不純物ミスト除去装置5に分担させているのが本実施形態の特徴である。

0023

不純物ミスト除去装置5は、COG中の不純物ミスト濃度を予め定められたミスト濃度許容範囲まで低下させ、かつ硫化水素濃度を導入前よりも低下させられる構造として、この要件を満たすように吸着剤等の具体的な条件を設定する。
具体的には、不純物ミスト除去装置5は、石炭を原料とし、不純物ミスト及び硫化水素を吸着する粒状活性炭を備える装置であるのが好ましい。理由は以下の通りである。
活性炭は不純物ミストと硫化水素等の吸着に適合した構造を持ち優れた吸着効果を有する。特に粒状の場合、応力集中が起こり難い形状であるため、強度も確保しやすい。また、粒子間の空隙を粒度で調整できるので、通気性が確保しやすく、装置内での均衡充填状態の維持と通気抵抗の軽減が可能である。熱処理再生においても安定性に優れ、粒子の摩耗も少なく高い歩留まりが得られるため経済的な効果が期待される。

0024

さらに、活性炭は圧力をあまり高くしなくても不純物ミスト及び硫化水素を吸着できるので、水素燃料精製システム1全体の運転圧力(昇圧圧縮機3で昇圧されるCOGの圧力の上限)を高くする必要がない点も有利である。例えば運転圧力が1.0MPa以上だと、法令によっては水素燃料精製システム1が高圧ガス設備として扱われる場合があり、所定の届け出定期点検が必要になる他、作業員として所定の有資格者が必要になり、運転コストが上昇する。一方で、本実施形態では水素燃料精製システム1全体の運転圧力を1MPa未満にできるので、少なくとも運転圧力が1.0MPaの場合と比べて法令上の制約が小さくなり、コストの上昇も抑制できる。

0025

活性炭の具体的な量や粒径は、除去する物質の濃度の低下幅に応じて適宜設定される。例えば粒径は3〜5mm程度、その質量分率が95%程度の活性炭を2300〜6900kg程度用いればよい。なお、一般的なCOG中の硫化水素濃度は10〜30ppm程度であるが、硫化水素をFCVとしての許容範囲まで除去するための活性炭は膨大な量になり、不純物ミスト除去装置5が大型化し、運転コストも上昇する。そのため、活性炭の必要量は主にタールミストをミスト濃度許容範囲まで除去するために必要な最低限度の量とし、硫化水素の除去率は、その最低限度の量の活性炭で除去できる程度とするのが好ましい。

0026

なお、導入されるCOGの流量は、例えば線速度(LV)は0.05〜0.15m/s(好ましくは0.1m/s)・空管速度(SV)は12秒以上(SV=298/hr以下)、好ましくは12.1秒以上である。
活性炭の交換頻度は、例えば1年程度とすれば、交換の際のコストが上昇することがなく、また活性炭の量も装置が大型化しない程度にできるため、好ましい。

0027

図1に示すように、不純物ミスト除去装置5は複数並列配置されるのが好ましい。図1では2つのミスト除去装置が並列配置されている。
不純物ミスト除去装置5を複数並列配置することで、活性炭の交換作業が容易になり運転継続時間も増える。また、設備を停止することなく活性炭の交換作業が可能である。また、個々の不純物ミスト除去装置5を、単体で設置する場合と比べて寿命を延ばせる。
なお、不純物ミスト除去装置5は複数並列配置する場合、複数の不純物ミスト除去装置5の活性炭を一括して交換する構成としてもよい。ただし、運転中に1つの不純物ミスト除去装置5の活性炭を交換しつつ、他の不純物ミスト除去装置5を稼働させられる構成が好ましい。具体的には、蓄圧器4と不純物ミスト除去装置5の間でCOGを搬送する図示しない配管に、COGが導入される不純物ミスト除去装置5を選択する切り替えバルブを設けるのが好ましい。バルブの作動方式は手動でも自動でもよい。

0028

また、活性炭に吸着した不純物を加熱等の手段で除去することで、活性炭の不純物吸着能を再生する活性炭再生装置を設けてもよい。活性炭再生装置は、水素精製作業中に稼働できる構成とするのが好ましい。また、再生設備の稼働方式は自動でも手動でもよい。

0029

不純物ミスト除去装置5で除去する物質の濃度を測定する場合、不純物ミスト除去装置5に導入されるCOG中の物質の濃度は図2の測定位置D1で測定すればよい。不純物ミスト除去装置5から送出されるCOG中の物質の濃度は図2の測定位置D2で測定すればよい。

0030

圧力変動吸着装置6は、COG中の所定の成分の不純物濃度を予め定められた不純物濃度許容範囲まで低下させ、かつ硫化水素濃度を導入前よりも低下させて、不純物濃度低下後のCOGを送出する装置である。
圧力変動吸着装置6は不純物ミスト除去装置5から送出されたCOGが導入されるように、不純物ミスト除去装置5の下流に接続される。

0031

ここでいう所定の成分の不純物とは、COGにFCV用燃料としての許容値を超える濃度含まれている成分であって、かつ不純物ミスト除去装置5で完全には除去しない成分で、さらに硫化水素以外の成分を意味する。
具体的な成分としては、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、炭化水素等が挙げられる。また、不純物ミスト除去装置5で不純物ミストをFCV用燃料としての許容値まで除去していない場合、不純物ミストも含まれる。なお、水分や酸素も所定の成分の不純物として挙げられるが、本実施形態ではCOG中の水分や酸素を脱酸脱湿装置8で除去するため、必ずしも圧力変動吸着装置6で水分や酸素を除去する必要はない。

0032

不純物濃度許容範囲とは、FCV用水素燃料として許容される所定の成分の不純物濃度の範囲を意味する。具体的な許容範囲は個々の不純物の種類によるが、例えば以下の通りである。
窒素+アルゴン:100ppm以下
一酸化炭素:0.2ppm以下
二酸化炭素:2ppm以下
アンモニア:0.1ppm以下
総炭化水素:2ppm以下

0033

また、圧力変動吸着装置6は、導入されたCOG中の硫化水素濃度も低下させる。硫化水素濃度の低下幅は圧力変動吸着装置6の吸着用充填剤の寿命及び脱硫装置7の脱硫能に応じて設定される。これは、低下幅が大きすぎると吸着用充填剤の寿命が短くなり、低下幅が小さすぎると脱硫装置7が大型化するためである。具体的な低下幅は、例えば図2の硫化水素濃度C2を体積比に換算した値で示すと、圧力変動吸着装置6から送出されるCOG中の濃度で0.004ppm超、0.5ppm以下である。また、水素燃料の主成分であるH2は、圧力変動吸着装置6から送出する際に99.99体積%以上となるようにするのが好ましい。
なお、硫化水素濃度の低下幅は、最終的にCOGから除去すべき硫化水素の総量に対する圧力変動吸着装置6で除去する硫化水素量の質量比R2=(C1−C2)/(C0−C3)で規定してもよい。この場合、R2は0.8〜0.9程度となる。

0034

また、圧力変動吸着装置6の吸着能は導入されるガスの流量にも依存するため、吸着を安定化させるため、不純物ミスト除去装置5から圧力変動吸着装置6にCOGを搬送する図示しない配管に流量計流量調整バルブ取付ける等して、COGを一定量供給するように流量を制御するのが好ましい。
ただし、水素燃料精製システム1を小型化するためには、不純物ミスト除去装置5と圧力変動吸着装置6は配管で直結する等して、流量計と流量調整バルブ以外の他の機器はなるべく取り付けずに最短でCOGを導入する構成とするのが好ましい。

0035

圧力変動吸着装置6でCOG中の硫化水素濃度を低下させることで、脱硫装置7で脱硫するガスの流量、及びその硫化水素濃度を、脱硫装置7が大型化しないレベルまで低下させることができ、脱硫装置7が大型化するのを防ぐことができる。
このように、脱硫装置7を圧力変動吸着装置6の上流側に設置する従来技術で脱硫装置7が担っていた脱硫機能の一部を圧力変動吸着装置6にも分担させているのも本実施形態の特徴である。

0036

一方で、圧力変動吸着装置6に導入されるCOGは、圧力変動吸着装置6の上流側に設置した不純物ミスト除去装置5で不純物ミストや硫化水素等の被毒物質がある程度除去されている。そのため、圧力変動吸着装置6を脱硫装置7の上流側に設置しても、圧力変動吸着装置6に大きな負荷がかかることもない。よって、水素燃料精製システム1全体の運転圧力(COGの圧力)を高くする必要がなく、高圧ガス設備扱いにならない1.0MPa未満の運転圧力にできる点も有利である。

0037

吸着剤の種類や装置の構造等の、圧力変動吸着装置6の具体的な構成は、所定の成分の不純物濃度を予め定められた不純物濃度許容範囲まで低下させ、かつ硫化水素濃度を導入前よりも低下させられるのであればよい。例えば公知の圧力変動吸着方式の装置を用いる。吸着剤としては、例えばゼオライトカーボンモレキュラーシーブ等が挙げられる。

0038

圧力変動吸着装置6の配置は、複数の圧力変動吸着装置6を不純物ミスト除去装置5に対して並列配置してもよいし、1つの圧力変動吸着装置6を不純物ミスト除去装置5に対して直列に配置してもよい。ただし、4つ程度の複数の圧力変動吸着装置6を並列配置するのが好ましい。これは、水素燃料精製システム1自体は連続式であるが、圧力変動吸着装置6は、不純物の吸着・脱離を繰り返すバッチ式であるため、脱離中の圧力変動吸着装置6にはガスを導入し難く、1つの圧力変動吸着装置6で連続式の操業がし難いためである。

0039

なお、圧力変動吸着装置6で吸着された不純物は、メタンのように、水素燃料ではないが化石燃料として利用できる成分を含む。そのため、COGを水素燃料精製システム1に供給する設備に、圧力変動吸着装置6で吸着された不純物を戻す配管等を備える構成を圧力変動吸着装置6が備えるのが好ましい。圧力変動吸着装置6が、このような構成を備えることで、水素以外の不純物の一部を化石燃料として利用でき、水素燃料精製システム1の排ガス処理設備も不要となる。

0040

圧力変動吸着装置6で除去する不純物や硫化水素の量を管理するためにこれらの濃度を測定する場合、圧力変動吸着装置6に導入されるCOG中の物質の濃度は図1の測定位置D3で測定すればよい。圧力変動吸着装置6から送出されるCOG中の物質の濃度は測定位置D4で測定すればよい。

0041

脱硫装置7は、圧力変動吸着装置6から導入されたCOG中の硫化水素濃度を予め定められた硫化水素濃度許容範囲まで低下させ、硫化水素濃度低下後のCOGを送出する装置である。
脱硫装置7は、圧力変動吸着装置6から送出されたCOGが導入されるように、圧力変動吸着装置6の下流に接続される。
ここでいう硫化水素濃度許容範囲とは、FCV用水素燃料として許容される硫化水素濃度の範囲を意味する。よって図2の硫化水素濃度C3は、硫化水素濃度許容範囲を満たす濃度である。具体的な硫化水素濃度許容範囲は規格や法令によるが、例えば0.004ppm以下である。

0042

脱硫の方式や脱硫剤等の、脱硫装置7の具体的な構成は、硫化水素濃度を硫化水素濃度許容範囲まで低下させられるのであれば乾式でも湿式でもよい。脱硫剤は、酸化鉄のように酸化還元反応で硫化水素を除去する物質を脱硫剤として用いてもよい。活性炭のように、硫化水素を吸着する吸着剤を脱硫剤として用いてもよい。

0043

中でも活性炭を吸着剤として用いた乾式脱硫装置が好ましい。これは、装置が比較的小型であり、かつ脱硫の際に水がガス中に混入しないためである。
例えば酸化鉄の一種であるFeOを脱硫剤として用いる場合、反応式:FeO+H2S→FeS+H2Oに代表される反応で硫化水素中の硫黄硫化鉄として固定するが、この反応では同時に水も生成される。
一方で活性炭を吸着剤として用いる場合、脱硫の際に水分を生成しないので、脱酸脱湿装置8の負荷が減り設備を小型化でき、運転コストも低減できる。さらに、活性炭は圧力をあまり高くしなくても硫化水素を吸着するため、水素燃料精製システム1全体の運転圧力(COGの圧力)を高くする必要がなく、高圧ガス設備扱いにならない1.0MPa未満の運転圧力にできる点も有利である。

0044

なお、硫化水素濃度が10〜30ppm程度のCOGの脱硫には、FeOを用いた方が活性炭を用いた場合よりも設備は小型となる場合もある。ただし、本実施形態では脱硫装置7よりも上流の不純物ミスト除去装置5及び圧力変動吸着装置6である程度脱硫を行っており、脱硫装置7に導入されるガス中の硫化水素濃度は0.004ppm超、0.5ppm以下程度となっている。また、不純物ミスト除去装置5及び圧力変動吸着装置6で不純物を除去しているため、圧力変動吸着装置6の水素ガス回収率が体積%で約30%程度であることを考慮すると、不純物ミスト除去装置5に導入される前と比べてガス流量を1/3程度にできる。また、本実施形態で必要な脱硫剤の量は、硫化水素濃度が10〜30ppm程度のCOGの脱硫に要する脱硫剤の質量の6%程度である。そのため、活性炭を用いても十分に脱硫装置7を小型化できる。

0045

脱硫装置7に導入されるCOGの流量は、例えば脱硫剤としての活性炭の交換頻度を1年程度とすると、線速度(LV)は0.05〜0.15m/s(好ましくは0.1m/s)・空管速度(SV)12秒以上(SV=298/hr以下)、好ましくは12.1秒以上である。
脱硫装置7は複数を並列配置してもよい。ただし、本実施形態では脱硫装置7に導入される前に不純物ミスト除去装置5と圧力変動吸着装置6である程度COGの脱硫を行っている。そのため、脱硫装置7を複数並列配置しなくても十分に脱硫が可能である。よって、脱硫装置7の小型化のためには、1つの脱硫装置7を圧力変動吸着装置6に対して1つ直列に配置するのが好ましい。
なお、脱硫装置7における硫化水素濃度の低下幅は、最終的にCOGから除去すべき硫化水素の総量に対する脱硫装置7で除去する硫化水素量の質量比R3=(C2−C3)/(C0−C3)で規定してもよい。この場合、R3は0.02〜0.05程度となる。

0046

脱硫装置7で除去する硫化水素の量を管理するために硫化水素濃度を測定する場合、脱硫装置7に導入されるCOG中の硫化水素濃度は図1の測定位置D4で測定すればよい。脱硫装置7から送出されるCOG中の硫化水素濃度は図1の測定位置D5で測定すればよい。

0047

脱酸脱湿装置8は、COG中の水分及び酸素を予め定められた水分・酸素濃度許容範囲まで低下させ、最終的に得られたガスを水素燃料として送出する装置である。
ここでいう水分・酸素濃度許容範囲とは、FCV用水素燃料として許容される水分濃度及び酸素濃度の範囲を意味する。具体的な許容範囲は規格や法令によるが、例えば水分濃度が5ppm以下、酸素濃度が5ppm以下である。

0048

脱酸・脱湿の方式や脱酸・脱湿剤等の、脱酸脱湿装置8の具体的な構成は、水分濃度及び酸素濃度を硫化水素濃度許容範囲まで低下させられるのであれば公知の構成を用いることができる。脱酸設備としては、触媒を用いたものが挙げられる。触媒はニッケルモリブデン合金鉄系金属希土類酸化物白金族等、あるいはこれらをシリカ等に担持させた複合触媒が挙げられる。脱湿設備としては、吸着剤に水分を吸着させるものが挙げられる。吸着剤としては、ゼオライト粒子シリカゲル粒子活性アルミナ粒子、活性炭等が挙げられる。また、吸水性の繊維を中空糸膜にしてなるメンブレン式でもよい。

0049

なお、脱酸脱湿装置8は、不純物ミスト除去装置5、圧力変動吸着装置6、及び脱硫装置7の下流に設けられるので、脱酸脱湿装置8に導入されるCOG中には硫化水素等の不純物がほとんど流入しない。よって、本実施形態のように、脱硫装置7を圧力変動吸着装置6の下流に設ける構成にしても、脱酸脱湿装置8の負荷が増大せず、コストの上昇を抑制できる。

0050

脱酸脱湿装置8の数は2つ程度の複数を並列配置するのが好ましい。これは、一般的な脱酸脱湿装置8は酸素及び水分の吸着・脱離を繰り返すバッチ式の装置であるため、脱離中の脱酸脱湿装置8には上流側からCOGを導入し難く、1つの圧力変動吸着装置6では連続式の操業がし難いためである。

0051

脱酸脱湿装置8で除去する水分及び酸素の量を管理するためにこれらの物質の濃度を測定する場合、脱酸脱湿装置8に導入されるCOG中の物質の濃度は図1の測定位置D5で測定すればよい。脱酸脱湿装置8から送出されるCOG中の物質の濃度は図1の測定位置D6で測定すればよい。

0052

充填タンク9は、脱酸脱湿装置8から送出された水素燃料が一時的に充填される容器であり、必要に応じて設けられる。
充填タンク9は、水素燃料を一時的に充填できる強度と容積を備えたものが用いられ、例えば公知の水素タンクが用いられる。また、充填タンク9は水素ガスを圧縮して気体の状態で充填するのが一般的であるが、液化して充填してもよい。
以上が本実施形態に係る水素燃料精製システム1の構成の概要の説明である。

0053

次に図1及び図2を参照して本実施形態に係る水素燃料精製システム1を用いた水素燃料精製方法の概要を説明する。なお、以下の方法は一部ないし全部を自動制御としてもよいし、手動制御としてもよい。

0054

まず、コークス炉又はコークス炉の下流に設けられた予備脱硫装置から送出されるCOGを水素燃料精製システム1のサクションタンク2に導入する。サクションタンク2に導入されたCOGは、流量や圧力の変動をサクションタンク2で吸収され、下流側に送出される。送出されたCOGは昇圧圧縮機3に導入され、予め定められた所定の圧力まで昇圧される。

0055

なお、所定の圧力は1MPa未満でよい。理由は、下流の設備を稼働させるために必要な圧力が1MPa未満であるためである。また、1MPa未満とすることで、水素燃料精製システム1が高圧ガス設備として扱われることがなく、コスト面で有利になるためである。

0056

昇圧されたCOGは蓄圧器4に導入されて圧力を維持されつつ貯留される。貯留されたCOGは所定の流量で不純物ミスト除去装置5に導入される。
不純物ミスト除去装置5では、COGから不純物ミスト濃度を予め定められたミスト濃度許容範囲まで低下させ、かつ硫化水素濃度を図2に示すように硫化水素濃度C0から硫化水素濃度C1まで低下させる(不純物ミスト除去工程)。

0057

不純物ミスト除去後のCOGは、不純物ミスト除去装置5から送出され、圧力変動吸着装置6に導入される。
圧力変動吸着装置6は、圧力変動吸着法を用いて所定の不純物濃度を予め定められた不純物濃度許容範囲まで低下させ、かつ硫化水素濃度を図2に示すように硫化水素濃度C1から硫化水素濃度C2まで低下させる(圧力変動吸着工程)。
不純物濃度後のCOGは、圧力変動吸着装置6から送出され、脱硫装置7に導入される。

0058

脱硫装置7は、硫化水素濃度を図2に示すように硫化水素濃度C2から予め定められた硫化水素濃度許容範囲である硫化水素濃度C3以下となるまで低下させる(脱硫工程)。脱硫後のCOGは脱硫装置7から送出され、脱酸脱湿装置8に導入される。脱酸脱湿装置8ではCOG中の酸素及び水分が除去される(脱酸脱湿工程)。脱酸脱湿装置8を経たCOGは、水素純度及び水素以外の物質の濃度がFCVとしての要件を満たす水素燃料となり、脱酸脱湿装置8から送出される。

0059

脱酸脱湿装置8から送出された水素燃料は、充填タンク9に一時的に充填される。その後は、充填タンク9からFCVに水素ガスが供給される。水素ステーションが水素燃料精製システム1を備えるオンサイト型の場合は、充填タンク9から図示しない最終段昇圧圧縮機及び水素ディスペンサ等で直接水素ガスをFCVに供給する。水素ステーションが水素燃料精製システム1とは別の場所に設けられるオフサイト型の場合は、図示しないトレーラ等で水素燃料が水素ステーションまで搬送されて、その水素ステーションの最終段昇圧圧縮機及び水素ディスペンサからFCVに水素燃料が供給される。

0060

なお、図2に示す硫化水素濃度C0〜C3のうち、硫化水素濃度C0は導入される原料であるCOGで決まる値である。また硫化水素濃度C3はFCVとして要求される不純物濃度である。よって、硫化水素濃度C0、C3は、水素燃料精製システム1の運用者が任意に設定できない場合がある。一方で硫化水素濃度C1、C2は、不純物ミスト除去装置5、圧力変動吸着装置6、及び脱硫装置7の寿命やサイズに応じて水素燃料精製システム1の運用者が任意に設定できる。これは、本実施形態では、従来は脱硫装置が行っていた不純物除去機能の一部を不純物ミスト除去装置5と圧力変動吸着装置6が分担しているためである。
以上が本実施形態に係る水素燃料精製システム1を用いた水素燃料精製方法の概要の説明である。

0061

このように本実施形態では、不純物ミスト除去装置5でCOGから不純物ミスト濃度と硫化水素濃度を低下させた後で圧力変動吸着装置6に導入し、硫化水素を含む不純物濃度を低下させてから脱硫装置7で脱硫処理を行う。

0062

よって、COGを圧力変動吸着装置6に導入する前に不純物ミスト除去装置5と圧力変動吸着装置6である程度不純物がCOGから除去されるため、脱硫装置7に導入される硫化水素濃度とCOGの流量を従来よりも低くでき、脱硫装置7を小型化できる。

0063

また、COGを脱硫装置7に導入する前に不純物ミスト除去装置5でCOG中のミストと硫化水素がある程度除去されるため、脱硫装置7を圧力変動吸着装置6よりも下流側に設置しても、圧力変動吸着装置6への負荷が過大にならない。

0064

さらに、本実施形態では、不純物ミスト除去装置5と圧力変動吸着装置6、及び脱硫装置7の3つの装置が硫化水素に代表される不純物の除去機能を分担する。そのため、脱硫装置と圧力変動吸着装置の2つのみで不純物を除去する場合と比べて最終的に得られる水素燃料中の硫化水素等の不純物量の調整が容易である。
よって、水素燃料精製システム1は、自動車用燃料として要求される純度の水素を精製できる。

0065

1水素燃料精製システム
2サクションタンク
3昇圧圧縮機
4蓄圧器
5不純物ミスト除去装置
6圧力変動吸着装置
7脱硫装置
8脱酸脱湿装置
9 充填タンク

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