図面 (/)
課題
解決手段
概要
背景
近年、電気機器あるいは電子機器の回路の高速・高集積化、及び発熱性電子部品のプリント配線板への実装密度の増加に伴って、電子機器内部の発熱密度は年々増加している。そのため、電子部品などにて発生する熱を効率よく放散させる高い熱伝導率と電気絶縁性を有する部材が求められている。
熱伝導性絶縁材料としては、樹脂マトリックスに熱伝導性フィラーを充填した熱伝導性絶縁シートなどがある。これまでは、充填性、価格などの観点から、熱伝導性フィラーとしてシリカやアルミナが用いられてきた。上述のように近年の電子機器内部の発熱密度増加により、熱伝導性絶縁シートにはより高い熱伝導率が求められるようになっており、シリカやアルミナよりも熱伝導性の高い六方晶窒化ホウ素粒子を充填する手法が検討されている。
六方晶構造を有する窒化ホウ素粒子は、合成が比較的容易であり、熱伝導性、化学的安定性、耐熱性に優れるという特徴を有することから、熱伝導性絶縁シートを構成する熱伝導性フィラーとして好適である。
一方で、六方晶窒化ホウ素粒子は樹脂との親和性が低い。このため、樹脂に高充填した際に、組成物が著しく高粘度化し、成形性が悪くなるという問題がある。かかる観点から、六方晶窒化ホウ素粒子に対して種々の改良がなされている。
例えば、六方晶窒化ホウ素粒子を大気下又は酸化性ガス雰囲気下にて加熱する手法が開示されている(例えば、下記特許文献1〜3参照)。
概要
樹脂と高い親和性を示し、高い熱伝導性を実現する、鱗片状窒化ホウ素凝集体、組成物、樹脂シート、プリプレグ、金属箔張積層板、プリント配線板、封止用材料、繊維強化複合材料及び接着剤を提供する。鱗片状六方晶窒化ホウ素母粒子と、 前記鱗片状窒化ホウ素母粒子の(0001)面に付着した鱗片状六方晶窒化ホウ素子粒子と、 を含み、 前記鱗片状六方晶窒化ホウ素母粒子の平均粒子径R1が4μm以上90μm以下であり、 前記鱗片状六方晶窒化ホウ素子粒子の平均粒子径R2が0.5μm以上35μm以下であり、 前記R1とR2の比率が、R1/R2として、1.5以上100以下である、鱗片状窒化ホウ素凝集体。なし
目的
本発明の目的は、樹脂と高い親和性を示し、高い熱伝導性を実現する、鱗片状窒化ホウ素凝集体、組成物、樹脂シート、プリプレグ、金属箔張積層板、プリント配線板、封止用材料、繊維強化複合材料及び接着剤を提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
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請求項1
鱗片状六方晶窒化ホウ素母粒子と、前記鱗片状窒化ホウ素母粒子の(0001)面に付着した鱗片状六方晶窒化ホウ素子粒子と、を含み、前記鱗片状六方晶窒化ホウ素母粒子の平均粒子径R1が4μm以上90μm以下であり、前記鱗片状六方晶窒化ホウ素子粒子の平均粒子径R2が0.5μm以上35μm以下であり、前記R1とR2の比率が、R1/R2として、1.5以上100以下である、鱗片状窒化ホウ素凝集体。
請求項2
前記鱗片状六方晶窒化ホウ素子粒子の、前記(0001)面における面積占有率が、3%以上97%以下である、請求項1に記載の鱗片状窒化ホウ素凝集体。
請求項3
請求項4
請求項5
前記金属カップリング剤が、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、ジルコネートカップリング剤、アルミン酸ジルコニウムカップリング剤及びアルミネートカップリング剤からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項4に記載の鱗片状窒化ホウ素凝集体。
請求項6
請求項7
請求項8
有機溶媒をさらに含む、請求項6又は7に記載の組成物。
請求項9
さらに、前記鱗片状窒化ホウ素凝集体以外のフィラーを含む、請求項6〜8のいずれか一項に記載の組成物。
請求項10
請求項6〜9のいずれか一項に記載の組成物を含む、樹脂シート。
請求項11
請求項12
請求項10に記載の樹脂シート、及び、請求項11に記載のプリプレグからなる群より選ばれる少なくとも1種と、前記樹脂シート及び前記プリプレグからなる群より選ばれる少なくとも1種の片面又は両面に配された金属箔と、を有する金属箔張積層板であって、前記樹脂シート及び前記プリプレグからなる群より選ばれる少なくとも1種に含まれる組成物の硬化物を含む、金属箔張積層板。
請求項13
請求項14
請求項6〜9のいずれか一項に記載の組成物を含む、封止用材料。
請求項15
請求項16
請求項6〜9のいずれか一項に記載の組成物を含む、接着剤。
技術分野
背景技術
0002
近年、電気機器あるいは電子機器の回路の高速・高集積化、及び発熱性電子部品のプリント配線板への実装密度の増加に伴って、電子機器内部の発熱密度は年々増加している。そのため、電子部品などにて発生する熱を効率よく放散させる高い熱伝導率と電気絶縁性を有する部材が求められている。
0003
熱伝導性絶縁材料としては、樹脂マトリックスに熱伝導性フィラーを充填した熱伝導性絶縁シートなどがある。これまでは、充填性、価格などの観点から、熱伝導性フィラーとしてシリカやアルミナが用いられてきた。上述のように近年の電子機器内部の発熱密度増加により、熱伝導性絶縁シートにはより高い熱伝導率が求められるようになっており、シリカやアルミナよりも熱伝導性の高い六方晶窒化ホウ素粒子を充填する手法が検討されている。
0005
一方で、六方晶窒化ホウ素粒子は樹脂との親和性が低い。このため、樹脂に高充填した際に、組成物が著しく高粘度化し、成形性が悪くなるという問題がある。かかる観点から、六方晶窒化ホウ素粒子に対して種々の改良がなされている。
先行技術
0007
特開平9−12771号公報
特開2008−94701号公報
特開2007−182369号公報
発明が解決しようとする課題
0008
しかしながら、これらの方法では、六方晶窒化ホウ素粒子を樹脂に充填した場合、加熱により生成した酸化被膜が六方晶窒化ホウ素粒子の熱伝導を阻害する場合があるだけでなく、樹脂との親和性が十分でないため、樹脂との併用に不向きである。なお、熱伝導性を向上させるために六方晶窒化ホウ素粒子の粒子径を増大させることも考えられるが、単に粒子径を増大させた場合は樹脂との親和性を損ねる。すなわち、従来技術において、熱伝導性と樹脂との親和性は、いわゆるトレードオフの関係にある。
0009
本発明の目的は、樹脂と高い親和性を示し、高い熱伝導性を実現する、鱗片状窒化ホウ素凝集体、組成物、樹脂シート、プリプレグ、金属箔張積層板、プリント配線板、封止用材料、繊維強化複合材料及び接着剤を提供することにある。
課題を解決するための手段
0010
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、所定の平均粒径を有する鱗片状窒化ホウ素母粒子と鱗片状窒化ホウ素子粒子とを凝集させることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
0011
すなわち、本発明は以下の態様を包含する。
[1]
鱗片状六方晶窒化ホウ素母粒子と、
前記鱗片状窒化ホウ素母粒子の(0001)面に付着した鱗片状六方晶窒化ホウ素子粒子と、
を含み、
前記鱗片状六方晶窒化ホウ素母粒子の平均粒子径R1が4μm以上90μm以下であり、
前記鱗片状六方晶窒化ホウ素子粒子の平均粒子径R2が0.5μm以上35μm以下であり、
前記R1とR2の比率が、R1/R2として、1.5以上100以下である、鱗片状窒化ホウ素凝集体。
[2]
前記鱗片状六方晶窒化ホウ素子粒子の、前記(0001)面における面積占有率が、3%以上97%以下である、[1]に記載の鱗片状窒化ホウ素凝集体。
[3]
吸油量が60mL/100g以上140mL/100g以下であり、BET比表面積が0.5m2/g以上9.5m2/g以下である、[1]又は[2]に記載の鱗片状窒化ホウ素凝集体。
[4]
表面において、金属カップリング剤を介して官能基を有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の鱗片状窒化ホウ素凝集体。
[5]
前記金属カップリング剤が、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、ジルコネートカップリング剤、アルミン酸ジルコニウムカップリング剤及びアルミネートカップリング剤からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、[4]に記載の鱗片状窒化ホウ素凝集体。
[6]
樹脂と、[1]〜[5]のいずれかに記載の鱗片状窒化ホウ素凝集体と、を含む、組成物。
[7]
前記樹脂が、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂の少なくとも一方を含む、[6]に記載の組成物。
[8]
有機溶媒をさらに含む、[6]又は[7]に記載の組成物。
[9]
さらに、前記鱗片状窒化ホウ素凝集体以外のフィラーを含む、[6]〜[8]のいずれかに記載の組成物。
[10]
[6]〜[9]のいずれかに記載の組成物を含む、樹脂シート。
[11]
基材と、
前記基材に含浸又は塗布された、[6]〜[9]のいずれかに記載の組成物と、
を有する、プリプレグ。
[12]
[10]に記載の樹脂シート、及び、[11]に記載のプリプレグからなる群より選ばれる少なくとも1種と、
前記樹脂シート及び前記プリプレグからなる群より選ばれる少なくとも1種の片面又は両面に配された金属箔と、
を有する金属箔張積層板であって、
前記樹脂シート及び前記プリプレグからなる群より選ばれる少なくとも1種に含まれる組成物の硬化物を含む、金属箔張積層板。
[13]
絶縁層と、
前記絶縁層の表面に配された導体層と、
を有し、
前記絶縁層が、[6]〜[9]のいずれかに記載の組成物を含む、プリント配線板。
[14]
[6]〜[9]のいずれかに記載の組成物を含む、封止用材料。
[15]
[6]〜[9]のいずれかに記載の組成物と、強化繊維と、を含む、繊維強化複合材料。
[16]
[6]〜[9]のいずれかに記載の組成物を含む、接着剤。
発明の効果
0012
本発明によれば、樹脂と高い親和性を示し、高い熱伝導性を実現する、鱗片状窒化ホウ素凝集体、組成物、樹脂シート、プリプレグ、金属箔張積層板、プリント配線板、封止用材料、繊維強化複合材料及び接着剤を提供することができる。
図面の簡単な説明
0013
本発明の一実施形態に係る鱗片状窒化ホウ素凝集体を例示する概略断面図である。
実施例1に係る鱗片状窒化ホウ素凝集体のSEM画像である。
実施例3に係る鱗片状窒化ホウ素凝集体のSEM画像である。
比較例2に係る鱗片状窒化ホウ素凝集体のSEM画像である。
比較例3に係る鱗片状窒化ホウ素凝集体のSEM画像である。
0014
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
0015
[鱗片状窒化ホウ素凝集体]
本実施形態の鱗片状窒化ホウ素凝集体は、鱗片状六方晶窒化ホウ素母粒子(以下、単に「母粒子」ともいう。)と、前記鱗片状窒化ホウ素母粒子の(0001)面に付着した鱗片状六方晶窒化ホウ素子粒子(以下、単に「子粒子」ともいう。)と、を含み、前記鱗片状六方晶窒化ホウ素母粒子の平均粒子径R1が4μm以上90μm以下であり、前記鱗片状六方晶窒化ホウ素子粒子の平均粒子径R2が0.5μm以上35μm以下であり、前記R1とR2の比率が、R1/R2として、1.5以上100以下である。このように構成されているため、本実施形態の鱗片状窒化ホウ素凝集体は、樹脂と高い親和性を示し、かつ、高い熱伝導性を実現することができる。
0016
本実施形態の鱗片状窒化ホウ素凝集体が樹脂との熱伝導を阻害することなく、樹脂との親和性が優れる理由は定かではないが、以下のように推測される。
一般的に、六方晶窒化ホウ素粒子は表面官能基密度が小さく、樹脂に対する親和性が優れない傾向にある。そこで本発明者らは、六方晶窒化ホウ素粒子の樹脂に対する親和性を向上させるために、六方晶窒化ホウ素粒子の表面官能基密度を高めることを検討した。その結果、所定の平均粒径を有する六方晶窒化ホウ素粒子(母粒子)の(0001)面上にサイズの小さい六方晶窒化ホウ素粒子(子粒子)を配向させることによって突起部を形成すると、樹脂に対する親和性が格段に向上することを見出した。
六方晶窒化ホウ素粒子は、(0001)面との二面角が90°である全ての結晶面、即ち端面には水酸基、アミノ基等の官能基が存在するものの、(0001)面に官能基が存在しない。例えば鱗片状の六方晶窒化ホウ素粒子は、(0001)面が表面積の大部分を占めるため、粒子表面の官能基密度が小さい。このため、六方晶窒化ホウ素粒子を樹脂に充填した場合、樹脂と相互作用しうる官能基が粒子表面に少なく、結果として樹脂に対する親和性が優れない。
これに対し、本実施形態の鱗片状窒化ホウ素凝集体においては、高い熱伝導性を確保する上で十分なサイズに調整された母粒子上に、所定粒径比を満たす子粒子が配向することで、子粒子側の露出面(母粒子に付着している面を除く表面)に応じて鱗片状窒化ホウ素凝集体表面における官能基密度が増加し、高い熱伝導性を確保しつつも樹脂に対する親和性が優れると推測される。
0017
本実施形態の鱗片状窒化ホウ素凝集体は、熱伝導性フィラーなどとして広範な用途を有し、例えば、フィラーとして本実施形態の鱗片状窒化ホウ素凝集体を用いて樹脂との組成物とした場合、低粘度で且つ高い熱伝導性を発揮することができる。また、前記組成物を用いた樹脂シート、プリプレグ、金属箔張積層板、プリント配線板等は、熱伝導性及び成形性に優れる。
0018
(鱗片状窒化ホウ素凝集体の構造)
本実施形態の鱗片状窒化ホウ素凝集体の構造の一例について、図1を用いて説明する。図1における鱗片状窒化ホウ素凝集体10は、鱗片状窒化ホウ素母粒子1の(0001)面1aに鱗片状六方晶窒化ホウ素子粒子2が付着している。このような構造において、サイズの大きい鱗片状窒化ホウ素母粒子1によって十分な熱伝導性が確保され、鱗片状六方晶窒化ホウ素子粒子2によって十分な官能基密度が確保され、結果として高い熱伝導性を確保しつつも樹脂に対する親和性が優れる。なお、鱗片状窒化ホウ素凝集体10では、鱗片状窒化ホウ素母粒子1の(0001)面1a上で鱗片状六方晶窒化ホウ素子粒子2に由来する突起部が形成されることになるが、この突起部は鱗片状六方晶窒化ホウ素子粒子2の厚みに応じた高さをもつ。すなわち、鱗片状窒化ホウ素凝集体10は、所定の突起部平均高さを有することが好ましい。突起部平均高さについては追って詳述する。
図1においては、1つの(0001)面につき3つの鱗片状六方晶窒化ホウ素子粒子が付着している例を例示しているが、このような配置及び粒子数に限定する趣旨ではない。なお、複数の鱗片状六方晶窒化ホウ素子粒子2同士が凝集した状態で鱗片状窒化ホウ素母粒子1の(0001)面1aに付着していてもよい。
ここで、母粒子と子粒子の付着の形態(凝集形態)としては、特に限定されるものではないが、自然凝集、凝集剤による凝集、物理的凝集などが挙げられる。自然凝集としては、以下に限定されないが、例えば、ファンデルワールス力、静電気力、吸着水分等に起因する凝集が挙げられる。凝集剤による凝集としては、以下に限定されないが、例えば、カップリング剤、無機塩、高分子物質等の凝集剤による凝集が挙げられる。例えば、カップリング剤を凝集剤として使用する場合、母粒子の表面状態を表面エネルギーが高い状態、即ち凝集しやすい状態に変化させて凝集するのが好ましい。物理的凝集としては、混合造粒、押出造粒、噴霧乾燥などの操作により凝集する方法が挙げられる。
0019
鱗片状窒化ホウ素凝集体における突起部としては、種々の形状とすることができ、特に限定されるものではないが、例えば、鱗片状窒化ホウ素母粒子の(0001)面と直行する方向から観察したときに、円状、楕円状、多角形状、縞状、斑状等の形態で突起部が形成されたものが挙げられる。
0020
突起部平均高さは、鱗片状窒化ホウ素母粒子の(0001)面に付着した鱗片状六方晶窒化ホウ素子粒子のサイズに依存し、特に限定されるものではないが、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.02μm以上3μm以下がより好ましく、0.02μm超3μm以下が更に好ましく、0.05μm以上1μm以下がより更に好ましい。突起部平均高さが0.01μm以上であれば、(0001)面上に付着した子粒子に由来して鱗片状窒化ホウ素凝集体全体としての極性官能基数が増加する傾向にあるため、鱗片状窒化ホウ素凝集体と樹脂との親和性がより向上する利点があり、3μm以下であれば凝集体としての安定性が十分に保たれる利点がある。特に、突起部平均高さが0.02μmを超える場合、上述した観点から樹脂との親和性がとりわけ向上する傾向にある。
突起部平均高さは、例えば、後述する実施例に記載の方法等により測定できる。なお、突起部平均高さは、例えば、鱗片状六方晶窒化ホウ素子粒子のサイズ(厚み)を適宜選択することで上記範囲に調整することができる。
0021
また、鱗片状六方晶窒化ホウ素子粒子の、前記(0001)面における面積占有率は、鱗片状窒化ホウ素凝集体と樹脂との親和性をより高める観点から、3%以上97%以下であることが好ましく、5%以上95%以下であることがより好ましく、10%以上90%以下であることが更に好ましい。
上記面積占有率は、例えば鱗片状窒化ホウ素凝集体の表面を電子顕微鏡(例えば、(株)日立ハイテクノロジーズ製、SU8220)によって観察し、観察像を画像解析することにより求められる。
0022
(平均粒子径)
本実施形態における鱗片状六方晶窒化ホウ素母粒子の平均粒子径R1は、4μm以上90μm以下である。平均粒子径R1が4μm以上であることで、熱伝導性が向上し、さらに、平均粒子径R1が90μm以下であることで、樹脂との親和性が向上する。かかる観点から、平均粒子径R1は、5μm以上80μm以下であることが好ましく、10μm以上70μm以下がより好ましい。
0023
本実施形態における鱗片状六方晶窒化ホウ素子粒子の平均粒子径R2は、0.5μm以上35μm以下である。平均粒子径R2が0.5μm以上であることで、樹脂との親和性が向上し、さらに、平均粒子径R2が35μm以下であることで、凝集体としての安定性が向上する。かかる観点から、平均粒子径R2は、0.6μm以上30μm以下であることが好ましく、0.7μm以上10μm以下がより好ましい。
0024
本実施形態におけるR1とR2の比率は、R1/R2として、1.5以上100以下である。R1/R2が1.5以上であることで、凝集体としての安定性が向上し、さらに、R1/R2が100以下であることで、樹脂との親和性が向上する。かかる観点から、R1/R2は、5以上97以下であることが好ましく、10以上95以下がより好ましい。
0025
平均粒子径R1及びR2は、電界放出形走査型電子顕微鏡(FE−SEM)にて観察して得られる値を意味する。具体的には、平均粒子径R1については、FE−SEM観察において、全形が確認できる母粒子を任意に10個選択し、各長径を計測し、それらの平均値として得られる値を採用する。同様に、平均粒子径R2については、FE−SEM観察において、全形が確認できる子粒子を任意に10個選択し、各長径を計測し、それらの平均値として得られる値を採用する。上記方法に基づき、原料としての母粒子及び子粒子に対して各々R1及びR2を測定することもできるし、鱗片状窒化ホウ素凝集体に対しても同様にしてR1及びR2を測定することができる。より具体的には、後述する実施例に記載の方法に基づいて測定することができる。
0026
(吸油量及びBET比表面積)
本実施形態の鱗片状窒化ホウ素凝集体の吸油量は、熱伝導率をより向上させる観点から、60mL/100g以上140mL/100g以下であることが好ましく、より好ましくは90mL/100g以上135mL/100g以下であり、さらに好ましくは110mL/100g以上125mL/100g以下である。
吸油量は、例えば、造粒時の混合比を制御すること等により上記した範囲に調整することができる。
吸油量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
0027
(BET比表面積)
本実施形態の鱗片状窒化ホウ素凝集体のBET比表面積は、熱伝導率をより向上させる観点から、0.5m2/g以上9.5m2/g以下であることが好ましく、より好ましくは0.7m2/g以上9m2/g以下であり、さらに好ましくは3m2/g以上8m2/g以下である。
BET比表面積は、例えば、造粒時の混合比を制御すること等により上記した範囲に調整することができる。
BET比表面積は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
0028
本実施形態の鱗片状窒化ホウ素凝集体は、さらにバインダーを含んでもよい。バインダーとしては、一次粒子同士の接着性を高めることができるものであれば、特に限定されるものではないが、有機樹脂、金属酸化物等が挙げられる。
0029
(金属カップリング剤)
本実施形態の鱗片状窒化ホウ素凝集体は、樹脂との親和性をより向上させる観点から、表面において、金属カップリング剤を介して官能基を有するものであることが好ましい。本実施形態において、「表面において、金属カップリング剤を介して官能基を有する」とは、本実施形態の鱗片状窒化ホウ素凝集体の表面が、金属カップリング剤由来の官能基を有していることを意味する。当該官能基は、鱗片状窒化ホウ素凝集体を金属カップリング剤で表面修飾することにより、鱗片状窒化ホウ素凝集体の表面に導入される。鱗片状窒化ホウ素凝集体の表面が金属カップリング剤由来の官能基を有することは、常法により鱗片状窒化ホウ素凝集体の表面を分析することで確認することができる。より具体的には、鱗片状窒化ホウ素凝集体がその表面に金属カップリング剤を介して官能基を有していることは、例えば、赤外吸収スペクトルを測定することにより確認することができる。
0030
本実施形態の鱗片状窒化ホウ素凝集体の表面に存在する金属カップリング剤としては、特に限定されず、種々公知のものが存在しうる。また、金属カップリング剤は、1種のみが存在していてもよいし、2種以上が併存していてもよい。本実施形態において、樹脂との親和性の観点から、金属カップリング剤は、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、ジルコネートカップリング剤、アルミン酸ジルコニウムカップリング剤及びアルミネートカップリング剤からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。これらの金属カップリング剤を介して存在する官能基としては、特に限定されないが、ビニル基、アミノ基及びエポキシ基からなる群より選択される少なくとも1種を含有する官能基であることが好ましい。
上記同様の観点から、金属カップリング剤がシランカップリング剤を含むことがより好ましい。シランカップリング剤の具体例としては、以下に限定されないが、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシラン、トリメトキシ[3−(フェニルアミノ)プロピル]シランなどのアミノシラン系、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシシラン系、トリエトキシビニルシラン、ビニル−トリ(β−メトキシエトキシ)シランなどのビニルシラン系、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩などのカチオニックシラン系、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなどのフェニルシラン系、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのメタクリルシラン系、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリルシラン系、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネートシラン系、トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートなどのイソシアヌレートシラン系、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプトシラン系、3−ウレイドプロピルトリアルコシシシランなどのウレイドシラン系、並びにp−スチリルトリメトキシシランなどのスチリルシラン系が挙げられる。
0031
[鱗片状窒化ホウ素凝集体の製造方法]
本実施形態の鱗片状窒化ホウ素凝集体の製造方法としては、上述した構成が得られる限り特に限定されないが、好ましくは、次の方法により製造される。すなわち、本実施形態において好ましい鱗片状窒化ホウ素凝集体の製造方法は、母粒子及び子粒子を、溶媒中に分散させる工程と、得られる分散液を攪拌する工程と、分散液中から鱗片状窒化ホウ素凝集体を分離する工程と、を含むものである。このように、溶媒中で母粒子及び子粒子を攪拌すると、ブラウン運動により、子粒子が母粒子の表面、すなわち(0001)面に付着しやすいため、好ましく鱗片状窒化ホウ素凝集体を得ることができる。
0032
上記方法において、さらに金属カップリング剤による処理を実施することもできる。金属カップリング剤を添加する方法は特に限定されないが、攪拌中の分散液に金属カップリング剤原液を均一に分散させて処理する乾式法、金属カップリング剤希薄溶液に鱗片状窒化ホウ素凝集体を浸漬し攪拌する湿式法等が好適である。かかる金属カップリング剤としては、前述したとおりである。
0033
上記方法において、撹拌温度は特に限定されないが、加熱や冷却などの特別な温度コントロールは必要ない。通常、撹拌により温度が上昇するが、200℃以下であることが好ましい。撹拌速度も特に限定されないが、通常10〜10000rpmで撹拌することが好ましく、より好ましくは100〜3000rpmで撹拌される。撹拌時間は5分〜180分が好ましく、有効な撹拌時間と生産性から10分〜60分がより好ましい。
0034
上記方法において用いうる溶媒については特に限定されず、水及び/又は各種の有機溶媒を用いることができる。溶媒の使用量は、均一な分散の観点から、子粒子及び母粒子の全量に対して0.5〜20質量倍とすることが好ましい。
0035
上記方法において、鱗片状窒化ホウ素凝集体の凝集度を調整する観点から、種々の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、特に限定されず、例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、非イオン性界面活性剤等を用いることができ、これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。上記方法における分散液中の界面活性剤濃度は、特に限定されないが、通常0.1質量%以上10質量%以下とすることができ、0.5質量%以上5質量%以下とすることが好ましい。
0037
上記で例示した方法等で得られた鱗片状窒化ホウ素凝集体に対して、更に別の処理を行ってもよい。例えば、酸素下で温度処理する表面酸化、水蒸気処理、室温で又は加温下においてキャリア又は反応ガスを用いた有機金属化合物やポリマーによる表面変性、ベーマイト又はSiO2を用いたゾルゲル法等が利用可能である。これらの処理は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。
0038
さらに、得られた本実施形態の鱗片状窒化ホウ素凝集体に対し、必要に応じて精査、粉砕、分級、精製、洗浄及び乾燥などの典型的な後工程を実行してもよい。細粒分が含まれている場合は、それを最初に取り除いてもよい。ふるい分けに代わる方法として、窒化ホウ素粒子凝集体の前記粉砕は、ふるい網、分類ミル、構造化ローラークラッシャー又は切削ホイールを用いて行ってもよい。例えば、ボールミル内での乾燥ミリング処理することも可能である。
0039
[鱗片状窒化ホウ素凝集体を含む組成物]
本実施形態の鱗片状窒化ホウ素凝集体の用途は、特に限定されないが、窒化ホウ素粉末の用途として知られている種々の用途に使用可能である。特に、樹脂と高い親和性を示し、樹脂と窒化ホウ素粒子間の熱伝導を阻害しない特性から、本実施形態の鱗片状窒化ホウ素凝集体と樹脂とを混合して、熱伝導性に優れた組成物とすることができる。すなわち、本実施形態の組成物は、樹脂と、本実施形態の鱗片状窒化ホウ素凝集体と、を含むものである。
0040
前記樹脂としては、特に限定されず、熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂等の公知のものを適宜使用することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリアセタール、フッ素樹脂(ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6ナフタレート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ABS樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、変性PPE樹脂、脂肪族ポリアミド類、芳香族ポリアミド類、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリメタクリル酸類(ポリメタクリル酸メチル等のポリメタクリル酸エステル)、ポリアクリル酸類、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリケトン、液晶ポリマー、アイオノマーなどの熱可塑性樹脂、シアン酸エステル化合物(シアネート樹脂)、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化型PPE樹脂、熱硬化型変性PPE樹脂などの熱硬化性樹脂が使用可能である。これらは、一種又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。中でも、鱗片状窒化ホウ素凝集体を充填する際の作業性の観点から、樹脂が熱硬化性樹脂であることが好ましく、シアネート樹脂、ビスマレイミド樹脂及びエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも一種であることがより好ましい。
0041
(シアン酸エステル化合物)
シアン酸エステル化合物としては、シアン酸エステル基で少なくとも1個置換された芳香族部分を分子内に有する化合物であれば、特に限定されない。シアン酸エステル化合物を用いた組成物は、硬化物とした際に、ガラス転移温度、低熱膨張性、めっき密着性等に優れた特性を有する。
0042
シアン酸エステル化合物の例としては、以下に限定されないが、下記式(1)で表されるものが挙げられる。
0043
0044
上記式(1)中、Ar1は、芳香環を表す。複数ある場合は互いに同一であっても異なっていてもよい。上記芳香環としては、特に限定されないが、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、及び、2つのベンゼン環が単結合したものが挙げられる。Raは各々独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜4のアルコキシル基、炭素数1〜6のアルキル基と炭素数6〜12のアリール基とが結合された基を示す。Raにおける芳香環は置換基を有していてもよく、Ar1及びRaにおける置換基は任意の位置を選択できる。pはAr1に結合するシアナト基の数を示し、各々独立に1〜3の整数である。qはAr1に結合するRaの数を示し、Ar1がベンゼン環のときは4−p、ナフタレン環のときは6−p、2つのベンゼン環が単結合したもののときは8−pである。tは平均繰り返し数を示し、0〜50の整数であり、シアン酸エステル化合物は、tが異なる化合物の混合物であってもよい。Xは、複数ある場合は各々独立に、単結合、炭素数1〜50の2価の有機基(水素原子がヘテロ原子に置換されていてもよい。)、窒素数1〜10の2価の有機基(例えば−N−R−N−(ここでRは有機基を示す。))、カルボニル基(−CO−)、カルボキシ基(−C(=O)O−)、カルボニルジオキサイド基(−OC(=O)O−)、スルホニル基(−SO2−)、2価の硫黄原子又は2価の酸素原子のいずれかを示す。
0045
上記式(1)のRaにおけるアルキル基は、直鎖もしくは分枝の鎖状構造、及び、環状構造(例えばシクロアルキル基等)のいずれを有していてもよい。
また、上記式(1)におけるアルキル基及びRaにおけるアリール基中の水素原子は、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシル基、又はシアノ基等で置換されていてもよい。
アルキル基の具体例としては、以下に限定されないが、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−エチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、及びトリフルオロメチル基が挙げられる。
アリール基の具体例としては、以下に限定されないが、フェニル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基、フェノキシフェニル基、エチルフェニル基、o−,m−又はp−フルオロフェニル基、ジクロロフェニル基、ジシアノフェニル基、トリフルオロフェニル基、メトキシフェニル基、及びo−,m−又はp−トリル基等が挙げられる。
アルコキシル基としては、以下に限定されないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、及びtert−ブトキシ基が挙げられる。
上記式(1)のXにおける炭素数1〜50の2価の有機基の具体例としては、以下に限定されないが、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、ジメチルメチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、トリメチルシクロヘキシレン基、ビフェニルイルメチレン基、ジメチルメチレン−フェニレン−ジメチルメチレン基、フルオレンジイル基、及びフタリドジイル基等が挙げられる。該2価の有機基中の水素原子は、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシル基、シアノ基等で置換されていてもよい。
上記式(1)のXにおける窒素数1〜10の2価の有機基の例としては、以下に限定されないが、−N−R−N−で表される基、イミノ基、ポリイミド基等が挙げられる。
0046
また、上記式(1)中のXの有機基として、例えば、下記式(2)又は下記式(3)で表される構造であるものが挙げられる。
0047
(上記式(2)中、Ar2は芳香環を示し、uが2以上の場合、互いに同一であっても異なっていてもよい。上記芳香環としては、特に限定されないが、例えば、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基及びビフェニルテトライル基が挙げられる。Rb、Rc、Rf、及びRgは各々独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、トリフルオロメチル基、又はフェノール性ヒドロキシ基を少なくとも1個有するアリール基を示す。Rd及び、Reは各々独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜4のアルコキシル基、又はヒドロキシ基のいずれか一種から選択される。uは0〜5の整数を示す。)
0048
(式(3)中、Ar3はフェニレン基、ナフチレン基又はビフェニレン基を示し、vが2以上の場合、互いに同一であっても異なっていてもよい。Ri、及びRjは各々独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ベンジル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、又はシアナト基が少なくとも1個置換されたアリール基を示す。vは0〜5の整数を示すが、vが異なる化合物の混合物であってもよい。)
0049
さらに、式(1)中のXとしては、下記式で表される2価の基が挙げられる。
0050
(上記式中、zは4〜7の整数を示す。Rkは各々独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
0051
式(2)のAr2及び式(3)のAr3の具体例としては、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、2,4’−ビフェニレン基、2,2’−ビフェニレン基、2,3’−ビフェニレン基、3,3’−ビフェニレン基、3,4’−ビフェニレン基、2,6−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、1,6−ナフチレン基、1,8−ナフチレン基、1,3−ナフチレン基、1,4−ナフチレン基、2,7−ナフチレン基が挙げられる。
式(2)のRb、Rc、Rd、Re、Rf及びRg、並びに式(3)のRi、Rjにおけるアルキル基及びアリール基は、上記式(1)のRaにおけるアルキル基及びアリール基と同義である。
0052
上記式(1)で表されるシアン酸エステル化合物の具体例としては、以下に限定されないが、シアナトベンゼン、1−シアナト−2−,1−シアナト−3−,又は1−シアナト−4−メチルベンゼン、1−シアナト−2−,1−シアナト−3−,又は1−シアナト−4−メトキシベンゼン、1−シアナト−2,3−,1−シアナト−2,4−,1−シアナト−2,5−,1−シアナト−2,6−,1−シアナト−3,4−又は1−シアナト−3,5−ジメチルベンゼン、シアナトエチルベンゼン、シアナトブチルベンゼン、シアナトオクチルベンゼン、シアナトノニルベンゼン、2−(4−シアナフェニル)−2−フェニルプロパン(4−α−クミルフェノールのシアネート)、1−シアナト−4−シクロヘキシルベンゼン、1−シアナト−4−ビニルベンゼン、1−シアナト−2−又は1−シアナト−3−クロロベンゼン、1−シアナト−2,6−ジクロロベンゼン、1−シアナト−2−メチル−3−クロロベンゼン、シアナトニトロベンゼン、1−シアナト−4−ニトロ−2−エチルベンゼン、1−シアナト−2−メトキシ−4−アリルベンゼン(オイゲノールのシアネート)、メチル(4−シアナトフェニル)スルフィド、1−シアナト−3−トリフルオロメチルベンゼン、4−シアナトビフェニル、1−シアナト−2−又は1−シアナト−4−アセチルベンゼン、4−シアナトベンズアルデヒド、4−シアナト安息香酸メチルエステル、4−シアナト安息香酸フェニルエステル、1−シアナト−4−アセトアミノベンゼン、4−シアナトベンゾフェノン、1−シアナト−2,6−ジ−tert−ブチルベンゼン、1,2−ジシアナトベンゼン、1,3−ジシアナトベンゼン、1,4−ジシアナトベンゼン、1,4−ジシアナト−2−tert−ブチルベンゼン、1,4−ジシアナト−2,4−ジメチルベンゼン、1,4−ジシアナト−2,3,4−ジメチルベンゼン、1,3−ジシアナト−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3−ジシアナト−5−メチルベンゼン、1−シアナト又は2−シアナトナフタレン、1−シアナト4−メトキシナフタレン、2−シアナト−6−メチルナフタレン、2−シアナト−7−メトキシナフタレン、2,2’−ジシアナト−1,1’−ビナフチル、1,3−,1,4−,1,5−,1,6−,1,7−,2,3−,2,6−又は2,7−ジシアナトシナフタレン、2,2’−又は4,4’−ジシアナトビフェニル、4,4’−ジシアナトオクタフルオロビフェニル、2,4’−又は4,4’−ジシアナトジフェニルメタン、ビス(4−シアナト−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)エタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−シアナト−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−シアナト−5−ビフェニルイル)プロパン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−シアナト−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)イソブタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)−2,2−ジメチルプロパン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−3,3−ジメチルブタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)ヘキサン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)ヘプタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)オクタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2−メチルペンタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2−メチルヘキサン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2,2−ジメチルペンタン、4,4−ビス(4−シアナトフェニル)−3−メチルヘプタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2−メチルヘプタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2,2−ジメチルヘキサン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2,4−ジメチルヘキサン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2,2,4−トリメチルペンタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−シアナトフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−シアナトフェニル)ビフェニルメタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−シアナト−3−イソプロピルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−シアナトフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−シアナトフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−シアナトフェニル)−2,2−ジクロロエチレン、1,3−ビス[2−(4−シアナトフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,4−ビス[2−(4−シアナトフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4−[ビス(4−シアナトフェニル)メチル]ビフェニル、4,4−ジシアナトベンゾフェノン、1,3−ビス(4−シアナトフェニル)−2−プロペン−1−オン、ビス(4−シアナトフェニル)エーテル、ビス(4−シアナトフェニル)スルフィド、ビス(4−シアナトフェニル)スルホン、4−シアナト安息香酸−4−シアナトフェニルエステル(4−シアナトフェニル−4−シアナトベンゾエート)、ビス−(4−シアナトフェニル)カーボネート、1,3−ビス(4−シアナトフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(4−シアナトフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、3,3−ビス(4−シアナトフェニル)イソベンゾフラン−1(3H)−オン(フェノールフタレインのシアネート)、3,3−ビス(4−シアナト−3−メチルフェニル)イソベンゾフラン−1(3H)−オン(o−クレゾールフタレインのシアネート)、9,9’−ビス(4−シアナトフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−シアナト−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2−シアナト−5−ビフェニルイル)フルオレン、トリス(4−シアナトフェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−シアナトフェニル)エタン、1,1,3−トリス(4−シアナトフェニル)プロパン、α,α,α’−トリス(4−シアナトフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン、1,1,2,2−テトラキス(4−シアナトフェニル)エタン、テトラキス(4−シアナトフェニル)メタン、2,4,6−トリス(N−メチル−4−シアナトアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(N−メチル−4−シアナトアニリノ)−6−(N−メチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ビス(N−4−シアナト−2−メチルフェニル)−4,4’−オキシジフタルイミド、ビス(N−3−シアナト−4−メチルフェニル)−4,4’−オキシジフタルイミド、ビス(N−4−シアナトフェニル)−4,4’−オキシジフタルイミド、ビス(N−4−シアナト−2−メチルフェニル)−4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタルイミド、トリス(3,5−ジメチル−4−シアナトベンジル)イソシアヌレート、2−フェニル−3,3−ビス(4−シアナトフェニル)フタルイミジン、2−(4−メチルフェニル)−3,3−ビス(4−シアナトフェニル)フタルイミジン、2−フェニル−3,3−ビス(4−シアナト−3−メチルフェニル)フタルイミジン、1−メチル−3,3−ビス(4−シアナトフェニル)インドリン−2−オン、及び、2−フェニル−3,3−ビス(4−シアナトフェニル)インドリン−2−オンが挙げられる。
0053
また、上記式(1)で表される化合物の別の具体例としては、以下に限定されないが、フェノールノボラック樹脂及びクレゾールノボラック樹脂(公知の方法により、フェノール、アルキル置換フェノール又はハロゲン置換フェノールと、ホルマリンやパラホルムアルデヒドなどのホルムアルデヒド化合物とを、酸性溶液中で反応させたもの)、トリスフェノールノボラック樹脂(ヒドロキシベンズアルデヒドとフェノールとを酸性触媒の存在下に反応させたもの)、フルオレンノボラック樹脂(フルオレノン化合物と9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類を酸性触媒の存在下に反応させたもの)、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂及びビフェニルアラルキル樹脂(公知の方法により、Ar’−(CH2Y)2(Ar’はフェニル基を示し、Yはハロゲン原子を示す。以下、この段落において同様。)で表されるようなビスハロゲノメチル化合物とフェノール化合物とを酸性触媒若しくは無触媒で反応させたもの、Ar’−(CH2OR)2で表されるようなビス(アルコキシメチル)化合物とフェノール化合物とを酸性触媒の存在下に反応させたもの、又は、Ar’−(CH2OH)2で表されるようなビス(ヒドロキシメチル)化合物とフェノール化合物を酸性触媒の存在下に反応させたもの、あるいは、芳香族アルデヒド化合物とアラルキル化合物とフェノール化合物とを重縮合させたもの)、フェノール変性キシレンホルムアルデヒド樹脂(公知の方法により、キシレンホルムアルデヒド樹脂とフェノール化合物とを酸性触媒の存在下に反応させたもの)、変性ナフタレンホルムアルデヒド樹脂(公知の方法により、ナフタレンホルムアルデヒド樹脂とヒドロキシ置換芳香族化合物を酸性触媒の存在下に反応させたもの)、フェノール変性ジシクロペンタジエン樹脂、ポリナフチレンエーテル構造を有するフェノール樹脂(公知の方法により、フェノール性ヒドロキシ基を1分子中に2つ以上有する多価ヒドロキシナフタレン化合物を、塩基性触媒の存在下に脱水縮合させたもの)等のフェノール樹脂を、上述と同様の方法によりシアネート化したもの等、並びにこれらのプレポリマー等が挙げられる。
0054
また、シアン酸エステル化合物の例としては、下記式(4)で表されるものも挙げられる。
(式(4)中、Ar4は芳香環を表し、複数ある場合は互いに同一であっても異なっていてもよい。R1は各々独立にメチレン基、メチレンオキシ基、メチレンオキシメチレン基又はオキシメチレン基を表し、これらが連結していてもよい。R2は一価の置換基を表し、各々独立に水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、R3は各々独立に水素原子、炭素数が1〜3のアルキル基、アリール基、ヒドロキシ基又はヒドロキシメチレン基を表し、mは1以上の整数を表し、nは0以上の整数を表す。m及びnが異なる化合物の混合物であってもよい。各繰り返し単位の配列は任意である。lはシアナト基の結合個数を表し、1〜3の整数である。xはR2の結合個数を表し、Ar4の置換可能基数から(l+2)を引いた数を表す。yはR3の結合個数を表し、Ar4の置換可能基数から2を引いた数を表す。)
0055
上記式(4)におけるAr4としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等が例示されるが、これらに特に限定されない。
式(4)のR2及びR3におけるアルキル基は、直鎖若しくは分枝の鎖状構造、及び、環状構造(例えばシクロアルキル基等)の何れを有していてもよい。
また、式(4)のR2及びR3におけるアリール基中の水素原子は、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシ基、シアノ基等で置換されていてもよい。
前記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−エチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
前記アリール基の具体例としては、フェニル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基、フェノキシフェニル基、エチルフェニル基、o−,m−又はp−フルオロフェニル基、ジクロロフェニル基、ジシアノフェニル基、トリフルオロフェニル基、メトキシフェニル基、o−,m−又はp−トリル基等が挙げられる。更にアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。
0056
式(4)で表されるシアン酸エステル化合物の具体例としては、フェノール変性キシレンホルムアルデヒド樹脂(公知の方法により、キシレンホルムアルデヒド樹脂とフェノール化合物を酸性触媒の存在下に反応させたもの)、変性ナフタレンホルムアルデヒド樹脂(公知の方法により、ナフタレンホルムアルデヒド樹脂とヒドロキシ置換芳香族化合物を酸性触媒の存在下に反応させたもの)等のフェノール樹脂を後述と同様の方法によりシアネート化したもの等が挙げられるが、特に制限されるものではない。これらのシアン酸エステル化合物は1種又は2種以上を混合して用いることができる。
0057
上記したシアン酸エステル化合物は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
0058
上記した中でも、フェノールノボラック型シアン酸エステル化合物、ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物、ビフェニルアラルキル型シアン酸エステル化合物、ナフチレンエーテル型シアン酸エステル化合物、キシレン樹脂型シアン酸エステル化合物、アダマンタン骨格型シアン酸エステル化合物が好ましく、ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物が特に好ましい。
0059
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であれば、公知のものを適宜使用することができ、その種類は特に限定されない。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、アラルキルノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、多官能フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格変性ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、イソシアヌル酸型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、キサンテン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ポリオール型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ブタジエンなどの二重結合をエポキシ化した化合物、水酸基含有シリコーン樹脂類とエピクロルヒドリンとの反応により得られる化合物などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂のなかでは、難燃性、耐熱性の観点から、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、多官能フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂が好ましい。また、より熱伝導性を高める観点から、本実施形態の組成物は、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂及びイソシアヌル酸型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のエポキシ樹脂を含むことが好ましい。前記ナフタレン型エポキシ樹脂としては、以下に限定されないが、例えば、DIC株式会社製、商品名HP−4710、商品名HP−4700、商品名HP−4032D等が挙げられる。前記ビフェニル型エポキシ樹脂としては、以下に限定されないが、例えば、三菱ケミカル株式会社製、商品名YX4000、商品名YL6121H、商品名YX7399等が挙げられる。前記トリフェニルメタン型エポキシ樹脂としては、以下に限定されないが、例えば、日本化薬株式会社製、商品名EPPN−501H、商品名EPPN−501HY、商品名EPPN−502H等が挙げられる。前記イソシアヌル酸型エポキシ樹脂としては、以下に限定されないが、例えば、日産化学工業株式会社製、商品名TEPIC−S、商品名TEPIC−VL等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
0060
(マレイミド化合物)
マレイミド化合物としては、1分子中に1個以上のマレイミド基を有する化合物であれば、一般に公知のものを使用できる。例えば、4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、フェニルメタンマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)−フェニル)プロパン、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、1,6−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、4,4−ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4−ジフェニルスルフォンビスマレイミド、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、ポリフェニルメタンマレイミド、ノボラック型マレイミド、ビフェニルアラルキル型マレイミド、及びこれらマレイミド化合物のプレポリマー、もしくはマレイミド化合物とアミン化合物のプレポリマー等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらのマレイミド化合物は、1種又は2種以上混合して用いることができる。この中でも、ノボラック型マレイミド化合物、ビフェニルアラルキル型マレイミド化合物が特に好ましい。
0061
樹脂が熱硬化性樹脂である場合、本実施形態の組成物は、硬化成形する際に樹脂と架橋反応する硬化剤を含有することが好ましい。例えば、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、ビスマレイミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化型PPE樹脂、熱硬化型変性PPE樹脂等のそれぞれに対して適用できる硬化剤であれば、その種類は特に限定されない。具体的にはフェノール化合物、酸無水物化合物、アミン化合物、アリル化合物、プロペニル化合物等、従来公知のものを用いることができる。
0062
また、前記樹脂が熱硬化性樹脂である場合、本実施形態の組成物は、必要に応じて、硬化速度を適宜調節するための硬化促進剤を含有していてもよい。この硬化促進剤としては、エポキシ樹脂やシアネート樹脂等の硬化促進剤として一般に使用されているものを好適に用いることができ、その種類は特に限定されない。その具体例としては、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、アセチルアセトン鉄、オクチル酸ニッケル、オクチル酸マンガン等の有機金属塩類、フェノール、キシレノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、オクチルフェノール、ノニルフェノール等のフェノール化合物、1−ブタノール、2−エチルヘキサノール等のアルコール類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類及びこれらのイミダゾール類のカルボン酸もしくはその酸無水類の付加体等の誘導体、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン類、ホスフィン系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、ホスホニウム塩系化合物、ダイホスフィン系化合物等のリン化合物、エポキシ−イミダゾールアダクト系化合物、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシカーボネート等の過酸化物、又はアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。硬化促進剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に限定されるものではないが、本実施形態の組成物における鱗片状窒化ホウ素凝集体(x)と樹脂(y)との質量比(x/y)は、10/90〜95/5が好ましく、30/70〜90/10が更に好ましい。
0063
本実施形態の組成物は、さらに鱗片状窒化ホウ素凝集体以外のフィラーを含んでいてもよい。ここで鱗片状窒化ホウ素凝集体以外のフィラーとしては、公知のものを適宜使用することができ、その種類は特に限定されない。鱗片状窒化ホウ素凝集体以外のフィラーとして具体的には、天然シリカ、溶融シリカ、合成シリカ、アモルファスシリカ、アエロジル、中空シリカ等のシリカ類、ホワイトカーボン、チタンホワイト、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化ベリリウム、表面が粗化されていない六方晶窒化ホウ素粒子及びその凝集体を含む六方晶窒化ホウ素、立方晶窒化ホウ素、凝集窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素、窒化アルミニウム等の窒化物、炭化ケイ素等の炭化物、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩又は亜硫酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム加熱処理品(水酸化アルミニウムを加熱処理し、結晶水の一部を減じたもの)、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、酸化モリブデンやモリブデン酸亜鉛等のモリブデン化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、錫酸亜鉛、アルミナ、ギブサイト、ベーマイト、クレー、カオリン、タルク、焼成クレー、焼成カオリン、焼成タルク、マイカ、E−ガラス、A−ガラス、NE−ガラス、C−ガラス、L−ガラス、D−ガラス、S−ガラス、M−ガラスG20、ガラス短繊維(Eガラス、Tガラス、Dガラス、Sガラス、Qガラス等のガラス微粉末類を含む。)、中空ガラス、球状ガラスなど無機系の充填材の他、スチレン型、ブタジエン型、アクリル型などのゴムパウダー、コアシェル型のゴムパウダー、シリコーンレジンパウダー、シリコーンゴムパウダー、シリコーン複合パウダーなど有機系の充填材などが挙げられる。これらのフィラーは、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。中でも、前記フィラーとしては、組成物の熱伝導性を向上する観点から、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、表面が粗化されていない六方晶窒化ホウ素粒子及びその凝集体を含む六方晶窒化ホウ素、立方晶窒化ホウ素、凝集窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、アルミナが好ましい。特に限定されるものではないが、本実施形態の組成物が鱗片状窒化ホウ素凝集体(x1)と鱗片状窒化ホウ素凝集体以外のフィラー(x2)とを併用する場合、その質量比(x1/x2)は、95/5〜5/95が好ましく、90/10〜10/90が更に好ましい。
0064
上述の組成物は、必要に応じて溶媒を含有してもよい。溶剤としては、上述した各種樹脂成分の少なくとも一部、好ましくは全部を溶解あるいは相溶可能なものであれば、公知のものを適宜用いることができ、その種類は特に限定されるものではない。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のセロソルブ系溶媒、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、ヒドロキシイソ酪酸メチル等のエステル系溶媒、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類などの極性溶剤類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等の無極性溶剤等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
0066
本実施形態の組成物は、常法にしたがって調製することができ、本実施形態の鱗片状窒化ホウ素凝集体と、樹脂と、上述したその他の任意成分とを均一に含有する組成物が得られる方法であれば、その調製方法は特に限定されない。例えば、本実施形態の鱗片状窒化ホウ素凝集体と、樹脂と、上述したその他の任意成分とを溶剤に順次配合し、十分に撹拌することで本実施形態の組成物を容易に調製することができる。
0067
なお、組成物の調製時に、各成分を均一に溶解或いは分散させるための公知の処理(撹拌、混合、混練処理など)を行うことができる。例えば、充填材の均一分散にあたり、適切な撹拌能力を有する撹拌機を付設した撹拌槽を用いて撹拌分散処理を行うことで、組成物に対する分散性が高められる。上記の撹拌、混合、混練処理は、例えば、ボールミル、ビーズミルなどの混合を目的とした装置、または、公転・自転型の混合装置などの公知の装置を用いて適宜行うことができる。
0068
本実施形態の組成物は、上述したように、熱伝導性に優れていることを活かし、シート状成形体への用途に供することがとりわけ好ましい。
0069
〔硬化物〕
本実施形態の硬化物は、本実施形態の組成物を硬化させてなるものである。硬化物の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、組成物を溶融又は溶媒に溶解させた後、型内に流し込み、熱や光などを用いて通常の条件で硬化させることにより得ることができる。熱硬化の場合、硬化温度は、特に限定されないが、硬化が効率的に進み、かつ得られる硬化物の劣化を防止する観点から、120℃から300℃の範囲内が好ましい。光硬化の場合、光の波長領域は、特に限定されないが、光重合開始剤等により効率的に硬化が進む100nmから500nmの範囲で硬化させることが好ましい。
0070
本実施形態の組成物は、プリプレグ、単層樹脂シート、積層樹脂シート、金属箔張積層板、プリント配線板、及び半導体パッケージの構成材料として用いることができる。例えば、本実施形態の組成物を溶剤に溶解させた溶液を基材に含浸又は塗布し乾燥することでプリプレグを得ることができる。
また、支持体として剥離可能なプラスチックフィルムを用い、本実施形態の組成物を溶剤に溶解させた溶液を、そのプラスチックフィルムに塗布し乾燥することでビルドアップ用フィルム又はドライフィルムソルダーレジストを得ることができる。ここで、溶剤は、20℃〜150℃の温度で1〜90分間乾燥することで除去することができる。
また、本実施形態の組成物は溶剤を除去した状態(未硬化の状態)で使用することもできるし、必要に応じて半硬化(Bステージ化)の状態にして使用することもできる。
0071
〔樹脂シート〕
本実施形態の樹脂シートは、本実施形態の組成物を含むものであり、支持体を有する積層樹脂シートであってもよく、支持体を有しない単層樹脂シートであってもよい。
0072
本実施形態の積層樹脂シートは、支持体と、該支持体の片面又は両面に配された上記組成物と、を有する。積層樹脂シートの製造方法は、常法にしたがって行うことができ、特に限定されない。例えば、上記の本実施形態の組成物を溶剤に溶解させた溶液を支持体に塗布し乾燥することで得ることができる。
0073
ここで用いる支持体としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体フィルム、並びにこれらのフィルムの表面に離型剤を塗布した離型フィルム、ポリイミドフィルム等の有機系のフィルム基材、銅箔、アルミ箔等の導体箔、ガラス板、SUS板、FRP等の板状のものが挙げられるが、これらに特に限定されない。
0075
また、本実施形態の単層樹脂シートは、上記組成物をシート状に成形してなるものである。すなわち、本実施形態の単層樹脂シートは、本実施形態の組成物を含む。単層樹脂シートの製造方法は、常法にしたがって行うことができ、特に限定されない。例えば、上記積層樹脂シートの製法において、本実施形態の組成物を溶剤に溶解させた溶液を支持体上に塗布して乾燥させた後に、積層樹脂シートから支持体を剥離又はエッチングする方法が挙げられる。なお、上記の本実施形態の組成物を溶剤に溶解させた溶液を、シート状のキャビティを有する金型内に供給し乾燥する等してシート状に成形することで、支持体を用いることなく単層樹脂シート(樹脂シート)を得ることもできる。
0076
なお、本実施形態の単層樹脂シート又は積層樹脂シートの作製において、溶剤を除去する際の乾燥条件は、特に限定されないが、低温であると組成物中に溶剤が残り易く、高温であると組成物の硬化が進行することから、20℃〜170℃の温度で1〜90分間が好ましい。
0077
また、本実施形態の単層或いは積層シートの樹脂層の厚みは、本実施形態の組成物の溶液の濃度と塗布厚みにより調整することができ、特に限定されないが、一般的には塗布厚みが厚くなると乾燥時に溶剤が残り易くなることから、0.1〜500μmが好ましい。
0078
以下、本実施形態のプリプレグについて詳述する。本実施形態のプリプレグは、基材と、該基材に含浸又は塗布された上記組成物とを有するものである。本実施形態のプリプレグの製造方法は、本実施形態の組成物と基材とを組み合わせてプリプレグを製造する方法であれば、特に限定されない。具体的には、本実施形態の組成物を基材に含浸又は塗布させた後、120〜220℃の乾燥機中で、2〜15分程度乾燥させる方法等によって半硬化させることで、本実施形態のプリプレグを製造することができる。このとき、基材に対する組成物の付着量、すなわち半硬化後のプリプレグの総量に対する組成物の含有量(充填材を含む。)は、20〜99質量%の範囲であることが好ましい。
0079
本実施形態のプリプレグを製造する際に用いられる基材としては、各種プリント配線板材料に用いられている公知のものであってもよい。そのような基材としては、例えば、ガラス繊維、クォーツ等のガラス以外の無機繊維、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル等の有機繊維、液晶ポリエステル等の織布が挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。基材の形状としては、織布、不織布、ロービング、チョップドストランドマット、及びサーフェシングマット等が知られており、これらのいずれであってもよい。基材は、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。織布の中では、特に超開繊処理や目詰め処理を施した織布が、寸法安定性の観点から好適である。さらに、液晶ポリエステル織布は、電気特性の面から好ましい。さらに、基材の厚さは、特に限定されないが、積層板用途であれば、0.01〜0.2mmの範囲が好ましい。
0080
本実施形態の金属箔張積層板は、本実施形態の樹脂シート(単層樹脂シート又は積層樹脂シート)、及び、本実施形態のプリプレグからなる群より選ばれる少なくとも1種と、前記樹脂シート及び前記プリプレグからなる群より選ばれる少なくとも1種の片面又は両面に配された金属箔と、を有し、前記樹脂シート及び前記プリプレグからなる群より選ばれる少なくとも1種に含まれる組成物の硬化物を含むものである。プリプレグを用いる場合の具体例としては、前述のプリプレグ1枚に対して、又はプリプレグを複数枚重ねたものに対して、その片面又は両面に銅やアルミニウムなどの金属箔を配置して、積層成形することにより作製することができる。ここで用いられる金属箔は、プリント配線板材料に用いられているものであれば、特に限定されないが、圧延銅箔及び電解銅箔等の銅箔が好ましい。また、金属箔の厚さは、特に限定されないが、2〜70μmであると好ましく、3〜35μmであるとより好ましい。成形条件としては、通常のプリント配線板用積層板及び多層板の作製時に用いられる手法を採用できる。例えば、多段プレス機、多段真空プレス機、連続成形機、又はオートクレーブ成形機などを用い、温度180〜350℃、加熱時間100〜300分、面圧20〜100kg/cm2の条件で積層成形することにより本実施形態の金属箔張積層板を製造することができる。また、上記のプリプレグと、別途作製した内層用の配線板とを組み合わせて積層成形することにより、多層板を作製することもできる。多層板の製造方法としては、例えば、上述したプリプレグ1枚の両面に35μmの銅箔を配置し、上記条件にて積層形成した後、内層回路を形成し、この回路に黒化処理を実施して内層回路板を形成する。さらに、この内層回路板と上記のプリプレグとを交互に1枚ずつ配置し、さらに最外層に銅箔を配置して、上記条件にて好ましくは真空下で積層成形する。こうして、多層板を作製することができる。
0081
本実施形態の金属箔張積層板は、更にパターン形成することにより、プリント配線板として好適に用いることができる。プリント配線板は、常法に従って製造することができ、その製造方法は特に限定されない。以下、プリント配線板の製造方法の一例を示す。まず、上述した金属箔張積層板を用意する。次に、金属箔張積層板の表面にエッチング処理を施して内層回路を形成することにより、内層基板を作製する。この内層基板の内層回路表面に、必要に応じて接着強度を高めるための表面処理を施し、次いで、その内層回路表面に上述したプリプレグを所要枚数重ねる。さらに、その外側に外層回路用の金属箔を積層し、加熱加圧して一体成形する。このようにして、内層回路と外層回路用の金属箔との間に、基材及び熱硬化性組成物の硬化物からなる絶縁層が形成された多層の積層板が製造される。次いで、この多層の積層板にスルーホールやバイアホール用の穴あけ加工を施した後、この穴の壁面に内層回路と外層回路用の金属箔とを導通させるめっき金属皮膜を形成する。さらに、外層回路用の金属箔にエッチング処理を施して外層回路を形成することで、プリント配線板が製造される。
0082
上記の製造例で得られるプリント配線板は、絶縁層と、この絶縁層の片面又は両面に形成された導体層とを有し、絶縁層が上述した本実施形態の組成物を含む構成となる。例えば、上述した本実施形態のプリプレグ(基材及びこれに含浸又は塗布された本実施形態の組成物)、上述した本実施形態の金属箔張積層板の組成物の層(本実施形態の組成物からなる層)が、本実施形態の組成物を含む絶縁層を構成するものとすることができる。
0083
〔封止用材料〕
本実施形態の封止用材料は、本実施形態の組成物を含む。封止用材料の製造方法としては、一般に公知の方法を適宜適用でき、特に限定されない。例えば、上記した組成物と、封止材料用途で一般的に用いられる各種公知の添加剤或いは溶媒等を、公知のミキサーを用いて混合することで封止用材料を製造することができる。なお、混合の際の、鱗片状窒化ホウ素凝集体、樹脂、各種添加剤、溶媒の添加方法は、一般に公知の方法を適宜適用でき、特に限定されない。
0084
〔繊維強化複合材料〕
本実施形態の繊維強化複合材料は、本実施形態の組成物と、強化繊維とを含む。強化繊維としては、一般的に公知のものを用いることができ、特に限定されない。その具体例としては、Eガラス、Dガラス、Lガラス、Sガラス、Tガラス、Qガラス、UNガラス、NEガラス、球状ガラス等のガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、PBO繊維、高強力ポリエチレン繊維、アルミナ繊維、及び炭化ケイ素繊維などが挙げられる。強化繊維の形態や配列については、特に限定されず、織物、不織布、マット、ニット、組み紐、一方向ストランド、ロービング、チョップド等から適宜選択できる。また、強化繊維の形態としてプリフォーム(強化繊維からなる織物基布を積層したもの、又はこれをステッチ糸により縫合一体化したもの、あるいは立体織物や編組物などの繊維構造物)を適用することもできる。
0085
これら繊維強化複合材料の製造方法としては、一般に公知の方法を適宜適用でき、特に限定されない。その具体例としては、リキッド・コンポジット・モールディング法、レジン・フィルム・インフュージョン法、フィラメント・ワインディング法、ハンド・レイアップ法、プルトルージョン法等が挙げられる。このなかでも、リキッド・コンポジット・モールディング法の一つであるレジン・トランスファー・モールディング法は、金属板、フォームコア、ハニカムコア等、プリフォーム以外の素材を成形型内に予めセットしておくことができることから、種々の用途に対応可能であるため、比較的、形状が複雑な複合材料を短時間で大量生産する場合に好ましく用いられる。
0086
〔接着剤〕
本実施形態の接着剤は、本実施形態の組成物を含む。接着剤の製造方法としては、一般に公知の方法を適宜適用でき、特に限定されない。例えば、上記した組成物と、接着剤用途で一般的に用いられる各種公知の添加剤或いは溶媒等を、公知のミキサーを用いて混合することで接着剤を製造することができる。なお、混合の際の、鱗片状窒化ホウ素凝集体、樹脂、各種添加剤、溶媒の添加方法は、一般に公知の方法を適宜適用でき、特に限定されない。
0087
以下、実施例及び比較例を示し、本実施形態をさらに詳細に説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
0088
(合成例1)シアン酸エステル化合物の合成
1−ナフトールアラルキル樹脂(新日鉄住金化学株式会社製)300g(OH基換算1.28mol)及びトリエチルアミン194.6g(1.92mol)(ヒドロキシ基1molに対して1.5mol)をジクロロメタン1800gに溶解させ、これを溶液1とした。
塩化シアン125.9g(2.05mol)(ヒドロキシ基1molに対して1.6mol)、ジクロロメタン293.8g、36%塩酸194.5g(1.92mol)(ヒドロキシ基1モルに対して1.5モル)、水1205.9gを、撹拌下、液温−2〜−0.5℃に保ちながら、溶液1を30分かけて注下した。溶液1注下終了後、同温度にて30分撹拌した後、トリエチルアミン65g(0.64mol)(ヒドロキシ基1molに対して0.5mol)をジクロロメタン65gに溶解させた溶液(溶液2)を10分かけて注下した。溶液2注下終了後、同温度にて30分撹拌して反応を完結させた。
その後反応液を静置して有機相と水相を分離した。得られた有機相を水1300gで5回洗浄した。水洗5回目の廃水の電気伝導度は5μS/cmであり、水による洗浄により、除けるイオン性化合物は十分に除けられたことを確認した。
水洗後の有機相を減圧下で濃縮し、最終的に90℃で1時間濃縮乾固させて目的とするナフトールアラルキル型のシアン酸エステル化合物(SNCN)(橙色粘性物)を331g得た。得られたSNCNの質量平均分子量Mwは600であった。また、SNCNのIRスペクトルは2250cm-1(シアン酸エステル基)の吸収を示し、且つ、ヒドロキシ基の吸収は示さなかった。
0089
本実施例にて用いた試験方法を以下に示す。
0090
(平均粒子径及び面積占有率)
鱗片状窒化ホウ素凝集体及びその原料を、電界放出形走査型電子顕微鏡(FE−SEM;(株)日立ハイテクノロジーズ製、SU8220)にて観察した。
鱗片状窒化ホウ素凝集体の原料を観察した際、平均粒子径R1については、全形が確認できる母粒子を任意に10個選択し、各長径を計測し、それらの平均値として得られる値を採用し、平均粒子径R2については、全形が確認できる子粒子を任意に10個選択し、各長径を計測し、それらの平均値として得られる値を採用した。
鱗片状窒化ホウ素凝集体については、鱗片状窒化ホウ素母粒子の(0001)面と直行する方向から観察し、当該(0001)面の一部分を撮影した電子顕微鏡画像を解析した。鱗片状窒化ホウ素凝集体を観察した際、まず、全形が確認できる一つの鱗片状窒化ホウ素凝集体を任意に10個選択した。次いで、鱗片状窒化ホウ素凝集体を構成する母粒子の長径を計測した。また、鱗片状窒化ホウ素凝集体を構成する子粒子のうち、全形が確認できる子粒子を1つ任意に選択して長径を計測した。このように10個の鱗片状窒化ホウ素凝集体に対して計測を行い、それらの平均値として得られる値を平均粒子径R1及びR2としてそれぞれ採用した。
また、上述のように(0001)面を観察した際、当該(0001)面と鱗片状六方晶窒化ホウ素子粒子の表面の高さの差に由来する凹凸(換言すると、子粒子に起因する突出部)が確認されるが、鱗片状窒化ホウ素凝集体の表面に存在している凹部の面積(すなわち、子粒子に覆われていない母粒子の(0001)面の面積)と、突出部の面積(すなわち、子粒子の投影面積)とを計測することにより、子粒子の、母粒子(0001)面における面積占有率を算出した。その際、観察箇所の異なる3枚の画像それぞれで面積比率を算出し、その平均値を面積占有率とした。なお、(0001)面に存在する円形、楕円形、多角形状のクレーター構造を凹構造とみなした。
0091
(ワニスの安定性)
鱗片状窒化ホウ素凝集体29.9質量部、トリフェニルイミダゾール(東京化成(株)製)0.03質量部、オクチル酸マンガン(日本化学産業(株)製)0.01質量部、マレイミド樹脂(BMI70(ケイ・アイ化成(株)製)12.1質量部、合成例1で得られたSNCN28.3質量部、エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC3000FH)2.69質量部、を混合し溶媒(シクロヘキサノン23.5質量部/メチルエチルケトン3.8質量部)で希釈してワニスを作製した。作製したワニスをスクリュー管(底面積12.6cm2)に移し終えた時点を測定開始時として、所定時間経過後における分離界面高さ、すなわち、樹脂成分とその他の成分とが分離することで形成される界面の高さを計測した。ワニスの液面高さhbと、その後適時に計測した分離界面高さ(計測時の界面高さha)から、下記式(1)に従い界面高さ維持率を算出した。界面高さ維持率99%以上を保持している時間をワニス安定時間とした。
0092
式(1):h=100×ha/hb
〔h:界面高さ維持率、ha:計測時の界面高さ(mm)、hb:ワニスの液面高さ(mm)〕
0093
(樹脂硬化物の作製)
上記方法で得られたワニスを、アプリケーター(ギャップ470μm)を用いて銅箔(三井金属鉱業(株)製、3EC−VLP、厚さ35μm)マット面に塗工した。130℃で20分間乾燥してBステージ樹脂付銅箔を得た。マット面が樹脂に向くよう銅箔(三井金属鉱業(株)製、3EC−VLP、厚さ35μm)をBステージ樹脂付銅箔に重ね、真空熱プレス(230℃、180分間、プレス圧力10MPa)により両面銅箔付樹脂硬化物を作製した。
0094
(樹脂硬化物の熱伝導率)
上記方法で得られた両面銅箔付樹脂硬化物から両面の銅箔を剥離し、熱拡散係数測定に用いる樹脂硬化物を得た。樹脂硬化物を(株)アイフェイズ社製「ai−Phase Mobile M3 type1」中の試料ホルダにセットし、25℃、大気中の条件下で厚み方向熱拡散係数を測定した。樹脂硬化物の比熱は、DSC(セイコーインスツル(株)製、EXSTAR6000 DSC6220)を用い、JIS K7123(プラスチックの比熱容量測定方法)に従って求めた。
樹脂硬化物の比重は、水中置換法により、密度測定機(メトラー・トレド(株)製、MS−DNY−43)を用いて求めた。
求めた厚み方向熱拡散係数、比熱、比重から、樹脂硬化物の厚み方向熱伝導率を下記式より求めた。
λ=α・Cp・ρ
(λ:厚み方向熱伝導率(W/m・K)、α:厚み方向熱拡散係数(m2/s)、Cp:比熱(J/g・K)、ρ:密度(kg/m3)
0095
(BET比表面積)
比表面積測定装置(商品名:BELSORP−MAX、マイクロトラックベル(株)製)を使用して、ガス吸着法にて鱗片状窒化ホウ素凝集体2サンプルを測定し、その平均値をBET比表面積とした。
0096
(吸油量)
JIS K5101に準拠して吸油量を評価した。具体的には、シャーレに鱗片状窒化ホウ素凝集体を2g測り取り、アマニ油(富士フィルム和光純薬(株)製)を滴下し、混錬した。ペーストが滑らかになるまでアマニ油を滴下し、滴下したアマニ油の量を50倍し、粒子100g当たりの吸油量として算出した。一つのサンプルごとに3回計測し、その平均値を吸油量とした。
0098
[実施例1]
モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「PT110」を母粒子として、デンカ(株)製「sp3−7」を子粒子として、それぞれ準備した。前述の方法にて平均粒子径を測定した結果、平均粒子径R1は64μmであり、平均粒子径R2は0.7μmであった。また、前述の方法にて算出した突起部平均高さは0.063μmであった。
質量比で母粒子:子粒子=90:10とした粒子混合物50質量部を、200質量部の溶媒(富士フィルム和光純薬社製「メチルエチルケトン」)に分散させ、常温にて400rpmの条件で30分間攪拌を行った。次いで、分散液を桐山製作所製「桐山ロート用ろ紙Nо5C」にて吸引ろ過し、濾物を130℃で3時間乾燥して鱗片状窒化ホウ素凝集体1を得た。得られた鱗片状窒化ホウ素凝集体29.9質量部、トリフェニルイミダゾール(東京化成(株)製)0.03質量部、オクチル酸マンガン(日本化学産業(株)製)0.01質量部、マレイミド樹脂(BMI70(ケイ・アイ化成(株)製)12.1質量部、合成例1で得られたSNCN28.3質量部、エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC3000FH)2.69質量部、を混合し溶媒(シクロヘキサノン23.5質量部/メチルエチルケトン3.8質量部)で希釈してワニスを作製した。
前記方法で得られたワニスを、アプリケーターで銅箔(三井金属鉱業(株)製、3EC−VLP、厚さ35μm)マット面に塗工した。130℃で20分乾燥してBステージ樹脂付銅箔を得た。マット面に樹脂が向くよう銅箔(三井金属鉱業(株)製、3EC−VLP、厚さ35μm)をBステージ樹脂付銅箔に重ね、真空熱プレス(230℃、180分間、プレス圧力10MPa)により両面銅箔付樹脂硬化物を作製した。
0099
[実施例2]
実施例1において質量比で母粒子:子粒子=75:25にすることで鱗片状窒化ホウ素凝集体2を得る以外は実施例1と同様にして樹脂硬化物を得た。
0100
[実施例3]
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403)0.3gと、水100mL、HCl(関東化学(株)製、0.01mol/L)9.0gを50℃で30分間撹拌し、実施例2で得られた鱗片状窒化ホウ素凝集体29.9gを加え70℃で3時間撹拌を行った。吸引ろ過で回収し、水で洗浄後、80℃で3時間乾燥して鱗片状窒化ホウ素凝集体3を得た。それ以外は実施例2と同様にして樹脂硬化物を得た。
0101
[実施例4]
モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「PT110」を母粒子として、デンカ(株)製「XGP」を子粒子として、それぞれ準備した以外は実施例1と同様にして鱗片状窒化ホウ素凝集体4とその樹脂硬化物を得た。前述の方法にて平均粒子径を測定した結果、平均粒子径R1は64μmであり、平均粒子径R2は30μmであった。また、前述の方法にて算出した突起部平均高さは2.27μmであった。
0102
[実施例5]
デンカ(株)製「SGP」を母粒子として、デンカ(株)製「sp3−7」を子粒子として、それぞれ準備した以外は実施例2と同様にして鱗片状窒化ホウ素凝集体5とその樹脂硬化物を得た。前述の方法にて平均粒子径を測定した結果、平均粒子径R1は10μmであり、平均粒子径R2は0.7μmであった。また、前述の方法にて算出した突起部平均高さは0.063μmであった。
0103
[実施例6]
モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「PT110」を母粒子として、デンカ(株)製「SGP」を子粒子として、それぞれ準備した以外は実施例2と同様にして鱗片状窒化ホウ素凝集体6とその樹脂硬化物を得た。前述の方法にて平均粒子径を測定した結果、平均粒子径R1は64μmであり、平均粒子径R2は10μmであった。また、前述の方法にて算出した突起部平均高さは0.976μmであった。
0104
[比較例1]
モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「PT110」を29.9質量部、トリフェニルイミダゾール(東京化成(株)製)0.03質量部、オクチル酸マンガン(日本化学産業(株)製)0.01質量部、マレイミド樹脂(BMI70(ケイ・アイ化成(株)製)12.1質量部、合成例1で得られたSNCN28.3質量部、エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC3000FH)2.69質量部、を混合し溶媒(シクロヘキサノン23.5質量部/メチルエチルケトン3.8質量部)で希釈してワニスを作製した。
比較例1のワニスを前述のワニス安定性評価に供したところ、測定開始直後にPT110の大部分が沈降してしまったため、ワニス安定時間は1分未満と評価し、表中には「<1」と表記した。
前記方法で得られたワニスを、アプリケーターで銅箔(三井金属鉱業(株)製、3EC−VLP、厚さ35μm)マット面に塗工した。130℃で20分乾燥してBステージ樹脂付銅箔を得た。マット面に樹脂が向くよう銅箔(三井金属鉱業(株)製、3EC−VLP、厚さ35μm)をBステージ樹脂付銅箔に重ね、真空熱プレス(230℃、180分間、プレス圧力10MPa)により両面銅箔付樹脂硬化物を作製した。
0105
[比較例2]
SkySpringNanomaterials,Inc製「1522DX」を29.9質量部加えた以外は比較例1と同様にして樹脂硬化物を作製した。
0106
[比較例3]
ワニス作製時にモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「PT110」を22.4質量部、デンカ(株)製「sp3−7」を7.5質量部加えた以外は比較例1と同様にして樹脂硬化物を作製した。
0107
[比較例4]
モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「PT110」を母粒子として、SkySpringNanomaterials,Inc製「1522DX」を子粒子として、それぞれ準備した以外は実施例1と同様にして鱗片状窒化ホウ素凝集体7とその樹脂硬化物を得た。前述の方法にて平均粒子径を測定した結果、平均粒子径R1は64μmであり、平均粒子径R2は0.18μmであった。
0108
[比較例5]
モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「PT110」を母粒子として、
昭和電工(株)製「UHP−S2」を子粒子として、それぞれ準備した。次いで、質量比で母粒子:子粒子=10:90とした粒子混合物50質量部を、200質量部の溶媒(富士フィルム和光純薬社製「メチルエチルケトン」)に分散させ、常温にて400rpmの条件で30分間攪拌を行った以外は実施例1と同様にして鱗片状窒化ホウ素凝集体8とその樹脂硬化物を得た。前述の方法にて平均粒子径を測定した結果、平均粒子径R1は64μmであり、平均粒子径R2は0.51μmであった。
0109
[比較例6]
ワニス作製時にデンカ(株)製「SGP」を29.9質量部加えた以外は比較例1と同様にして樹脂硬化物を作製した。
0110
[比較例7]
デンカ(株)製「sp3−7」を母粒子として、デンカ(株)製「sp2」を子粒子として、それぞれ準備した以外は実施例1と同様にして鱗片状窒化ホウ素凝集体9とその樹脂硬化物を得た。前述の方法にて平均粒子径を測定した結果、平均粒子径R1は0.7μmであり、平均粒子径R2は0.2μmであった。
0111
評価結果を表1に示す。
0112
0113
表1中、「製造条件」の欄で質量比の記載がないものは、1種のみの鱗片状窒化ホウ素粒子を原料としたことを意味し、「平均粒子径R1」及び「平均粒子径R2」の欄で同一の値を記載した。また、原料に母粒子又は子粒子が含まれていない比較例1,2,6については、「平均粒子径R1」、「平均粒子径R2」及び「R1/R2」の欄で「−」と表記した。さらに、吸油量及びBET比表面積を測定していない例について、「吸油量」及び「BET比表面積」の欄で「−」と表記した。
実施例
0114
表1からも明らかなように、本実施形態の鱗片状窒化ホウ素凝集体を含むワニスは、高い安定性を示した。また、本実施形態の鱗片状窒化ホウ素凝集体を含む樹脂硬化物は高い熱伝導性を示した。
0115
鱗片状窒化ホウ素凝集体は、樹脂との親和性に優れることから、熱伝導性フィラーとして広く且つ有効に利用可能である。また、鱗片状窒化ホウ素凝集体を含む組成物は、高熱伝導材料として有効に利用可能であり、電気・電子材料、工作機械材料、航空材料等の各種用途において、例えば、絶縁放熱材料、半導体プラスチックパッケージ、封止材料、接着剤、積層材料、レジスト、ビルドアップ積層板材料等として、広く且つ有効に利用可能である。
0116
10鱗片状窒化ホウ素凝集体
1 鱗片状窒化ホウ素母粒子
1a 鱗片状窒化ホウ素母粒子の(0001)面
2鱗片状六方晶窒化ホウ素子粒子
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