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技術 車両に搭載される熱交換器用のファンシュラウド

出願人 トヨタ自動車株式会社株式会社デンソー
発明者 細井章仁黒田宙田口知成尾堂力山中大明伊藤晃一
出願日 2019年4月15日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-076957
公開日 2020年10月29日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-175680
状態 未査定
技術分野 機械または機関の冷却一般 推進装置の冷却,吸排気,燃料タンクの配置
主要キーワード 風成分 排出風量 下切込 導風壁 ファン開口 OUT側 IN側 平面配置図
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (16)

課題

車両に搭載される熱交換器用ファンシュラウドにおいて、パワーユニット室側からの熱気熱交換器に回り込むことを抑制しつつ、熱交換器に対して効率的に外気を供給することである。

解決手段

ファンシュラウドは、車両に搭載されている熱交換器を通過する外気をファンに導くファンシュラウドである。ファンシュラウドの背面壁における車両幅方向の外側にラム圧孔が設けられる。そして、ラム圧孔を通過する風が車両幅方向の外側にあるホイールハウス側を向くように傾斜角度が設定されている傾斜壁部がファンシュラウドの背面壁に設けられる。

概要

背景

車両のエンジン等のパワーユニットを冷却するための熱交換器として、コンデンサラジエータが用いられ、これらに外気強制的に供給するためのファンが設けられる。ファンは、熱交換器とパワーユニットとの間に配置され、熱交換器を介して外気を吸い込み、パワーユニット室に排出する構成がとられる。この構成によって、車両が停止中や低速走行の場合でも熱交換器を通過する風量を確保できる。また、熱交換器で熱交換された外気をファンに導くファンシュラウドを、ファン開口部を除いて熱交換器の全周を囲むように設けることで、ファンによる冷却効率を向上させ、パワーユニット室内の熱気熱交換器側に逆流することを防止できる。

一方で、車両が走行中は、走行風から受ける走行方向に対し逆向きの圧力であるラム圧が熱交換器の上流側で発生するので外気は熱交換器に向けて流入する。この場合、ファンシュラウドにはファン開口部以外が開口していないので、ファンシュラウドは流入風に対する流路抵抗として働く。このため、ファン開口部からの排出風量が抑制されてラム圧の回収効率が低下する。

そこで、特許文献1の車両用熱交換モジュールを備えた車両では、ファンシュラウドのファン開口部の外周側の四方に排出口を設け、四方の排出口からパワーユニット室側に多くの風量を排出させることが開示されている。

引用文献2には、ファンシュラウドに排出口を設けると、車両がアイドリング低速走行中のようにラム圧が低い場合に、排出口を介してパワーユニット室の熱気が熱交換器側に回り込むことを指摘している。そこで、ファンシュラウドのファンの一方側側面に通気孔を設け、通気孔の縁部にはファンシュラウドの背面が延接された隔壁を形成することが開示されている。隔壁は、ファンシュラウドの背面に平行な面及びファンシュラウドの背面から離間してパワーユニット室側を向いて屈曲した屈曲部を有している。

本開示に関連する技術として、特許文献3には、パワーユニット室の側壁に沿って車両前後方向に延びるサイドメンバに複数の通気穴を設け、通気穴を介して、ファンを通過した風を左右のホイールハウスに導くことが述べられている。

概要

車両に搭載される熱交換器用のファンシュラウドにおいて、パワーユニット室側からの熱気が熱交換器に回り込むことを抑制しつつ、熱交換器に対して効率的に外気を供給することである。 ファンシュラウドは、車両に搭載されている熱交換器を通過する外気をファンに導くファンシュラウドである。ファンシュラウドの背面壁における車両幅方向の外側にラム圧孔が設けられる。そして、ラム圧孔を通過する風が車両幅方向の外側にあるホイールハウス側を向くように傾斜角度が設定されている傾斜壁部がファンシュラウドの背面壁に設けられる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

車両に搭載されている熱交換器を通過する外気ファンに導くファンシュラウドであって、前記ファンシュラウドの背面壁における車両幅方向の外側に設けられたラム圧孔と、前記ファンシュラウドの背面壁に設けられて前記ラム圧孔を通過する風が車両幅方向の外側にあるホイールハウス側を向くように傾斜角度が設定されている傾斜壁部と、を備える、車両に搭載される熱交換器用のファンシュラウド。

技術分野

0001

本開示は、車両に搭載される熱交換器用ファンシュラウドに関する。

背景技術

0002

車両のエンジン等のパワーユニットを冷却するための熱交換器として、コンデンサラジエータが用いられ、これらに外気強制的に供給するためのファンが設けられる。ファンは、熱交換器とパワーユニットとの間に配置され、熱交換器を介して外気を吸い込み、パワーユニット室に排出する構成がとられる。この構成によって、車両が停止中や低速走行の場合でも熱交換器を通過する風量を確保できる。また、熱交換器で熱交換された外気をファンに導くファンシュラウドを、ファン開口部を除いて熱交換器の全周を囲むように設けることで、ファンによる冷却効率を向上させ、パワーユニット室内の熱気熱交換器側に逆流することを防止できる。

0003

一方で、車両が走行中は、走行風から受ける走行方向に対し逆向きの圧力であるラム圧が熱交換器の上流側で発生するので外気は熱交換器に向けて流入する。この場合、ファンシュラウドにはファン開口部以外が開口していないので、ファンシュラウドは流入風に対する流路抵抗として働く。このため、ファン開口部からの排出風量が抑制されてラム圧の回収効率が低下する。

0004

そこで、特許文献1の車両用熱交換モジュールを備えた車両では、ファンシュラウドのファン開口部の外周側の四方に排出口を設け、四方の排出口からパワーユニット室側に多くの風量を排出させることが開示されている。

0005

引用文献2には、ファンシュラウドに排出口を設けると、車両がアイドリング低速走行中のようにラム圧が低い場合に、排出口を介してパワーユニット室の熱気が熱交換器側に回り込むことを指摘している。そこで、ファンシュラウドのファンの一方側側面に通気孔を設け、通気孔の縁部にはファンシュラウドの背面が延接された隔壁を形成することが開示されている。隔壁は、ファンシュラウドの背面に平行な面及びファンシュラウドの背面から離間してパワーユニット室側を向いて屈曲した屈曲部を有している。

0006

本開示に関連する技術として、特許文献3には、パワーユニット室の側壁に沿って車両前後方向に延びるサイドメンバに複数の通気穴を設け、通気穴を介して、ファンを通過した風を左右のホイールハウスに導くことが述べられている。

先行技術

0007

特開2010−132182号公報
特開2001−132453号公報
特開平10−159565号公報

発明が解決しようとする課題

0008

ファンシュラウドのファン開口部やラム圧孔等の排出口からパワーユニット室に排出された風は、パワーユニット室における隙間から車外に放出される。エンジンを搭載する車両の場合は、エンジン排気管の近傍の隙間から風が床下に放出され、エンジンを搭載しない電気自動車等ではホイールハウスの近傍の隙間から風が車外に放出される。

0009

パワーユニット室において車外への風の放出がスムーズに行かない場合には、風の通りが悪く、熱交換器に十分な外気の供給が行われない。特に、ラム圧孔等は、その配置位置及び開口形状等の設定によって、パワーユニット室における風の流れ方を左右するので、車外への風の放出に影響を与える。そこで、パワーユニット室側からの熱気が熱交換器に回り込むことを抑制しつつ、熱交換器に対して効率的に外気を供給可能な車両に搭載される熱交換器用のファンシュラウドが要望される。

課題を解決するための手段

0010

本開示に係る車両に搭載される熱交換器用のファンシュラウドは、車両に搭載されている熱交換器を通過する外気をファンに導くファンシュラウドであって、ファンシュラウドの背面壁における車両幅方向の外側に設けられたラム圧孔と、ファンシュラウドの背面壁に設けられてラム圧孔を通過する風が車両幅方向の外側にあるホイールハウス側を向くように傾斜角度が設定されている傾斜壁部と、を備える。

0011

上記構成によれば、ファンシュラウド背面壁における車両幅方向の外側にラム圧孔が設けられる。そして、ファンシュラウドの背面壁には傾斜壁部が設けられ、ラム圧孔を通過する風がホイールハウス側を向くように傾斜角度が設定されている。傾斜壁部を設けることで、パワーユニット室側からの熱気が熱交換器に回り込むことを抑制できる。また、傾斜角度は、ラム圧孔を通過する風がホイールハウス側を向くように設定されているので、ラム圧孔を通過した風は、パワーユニット室におけるホイールハウス近傍の隙間からスムーズに車外に放出され、風の通りがよい。これによって、熱交換器に対して効率的に外気を供給することができる。

発明の効果

0012

上記構成の車両に搭載される熱交換器用のファンシュラウドによれば、パワーユニット室側からの熱気が熱交換器に回り込むことを抑制しつつ、熱交換器に対して効率的に外気を供給することが可能になる。

図面の簡単な説明

0013

実施の形態における車両に搭載される熱交換器用のファンシュラウドが配置される車両の前部構造のパワーユニット室の平面配置図である。
図1におけるファンとファンシュラウドを抜き出して、車両後方側から見た背面図である。
図2のIII−III’線に沿った断面図である。
図3のIV部の拡大図である。
ラム圧孔の設置に適した位置を説明する図である。
ラム圧孔を有しないファンシュラウド内の風の速度分布を示す図である。
ラム圧孔を有しない第1の従来例として、エンジン搭載車両で1ファン型のファンシュラウドを用いる場合の風の流れを示す図である。
ラム圧孔を有しない第2の従来例として、エンジン搭載車両で2ファン型のファンシュラウドを用いる場合の風の流れを示す図である。
図7のIX部における風の流れを示す図である。
図8のX部における風の流れを示す図である。
ラム孔を有しない第3の従来例として、エンジンを搭載しない電気自動車で2ファン型のファンシュラウドを用いる場合の風の流れを示す図である。
第1の従来例における車両の断面図を用いて床下の風の流れの分布を示す図である。
図12の例の床下において、車両前方側から後方側に向かって流れる風の流れ方を示す図である。
第3の従来例における車両の断面図を用いて床下の風の流れの分布を示す図である。
図14の例の床下において、車両前方側から後方側に向かって流れる風の流れ方を示す図である。

実施例

0014

以下に図面を用いて本開示に係る実施の形態につき詳細に説明する。以下において、熱交換器として1台のラジエータと1台のコンデンサを述べ、この双方に、ファンによって外気が供給されるものとするが、これは説明のための例示である。車両の仕様等によって熱交換器の種類や台数が異なってもよい。例えば、熱交換器は、ラジエータまたはコンデンサのいずれか1種類であってもよく、その場合には、その1種類の熱交換器に、ファンによって外気が供給される。

0015

以下に述べる形状、材質個数等は、説明のための例示であって、車両に搭載される熱交換器用のファンシュラウドの仕様等により、適宜変更が可能である。以下では、一対のラム圧孔をファンシュラウドの幅方向の両端側に設ける場合を述べるが、これは説明のための例示であって、車両に搭載され熱交換器用のファンシュラウドの仕様等に応じて、配置場所、及び個数は、適宜変更が可能である。例えば、ファンシュラウドの幅方向の外側に1つのラム圧穴を設けることでもよい。また、以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。

0016

図1は、車両10において、車室12よりも前方側のパワーユニット室14の各要素の平面配置図である。パワーユニット室14は、パワーユニット16が配置される空間である。パワーユニット16は、車両10がエンジンを搭載する場合にはエンジン及びその関連装置であり、パワーユニット室14はエンジンルームと呼ばれる。車両10がエンジンを搭載しない電気自動車の場合は、駆動用回転電機及びその関連装置がパワーユニット16である。

0017

以下の各図において、車両前後方向、車両上下方向、車両幅方向を示す。車両前後方向については、FRと示す方向が車両前方側の方向で、RRと示す方向が車両後方側の方向である。車両上下方向については、UPと示す方向が路面に対して上側の車両上方側の方向であり、反対方向が路面に向かう方向である車両下方側の方向である。車両幅方向については、RHと示す方向が車両の右側の方向で、LHと示す方向が車両の左側の方向である。車両の右側、左側は、車両前方側を向いて右側が車両の右側、左側が車両の左側である。なお、車両に設けられる各部材は、車両の前後方向に沿った中心線に対し左右対称に配置されることが多いので、車両幅方向については、車両の右側、左側に関わらず、車両内側の方向をINと呼び、車両外側の方向をOUTと呼ぶ。

0018

フロントグリル20は、パワーユニット室14の前方側で車両10の前面に配置される格子状の部品で、車外の外気70をパワーユニット室14側に取り入れ外気取入口として働く。ホイールハウス22,24は、車両幅方向の外側に設けられる空間である。具体的には、パワーユニット室14の左右のOUT側にそれぞれ設けられ、左右の前輪26,28が配置される空間である。ホイールハウス22,24はパワーユニット室14と空間的に完全に分離しているわけでなく、前輪26,28の車軸等を延ばす等のために、パワーユニット室14とホイールハウス22,24との間には隙間23,25がある。

0019

パワーユニット16は、動作によって発熱するので、冷却水等の冷媒が用いられる。熱交換器18は、フロントグリル20の後方側に配置され、パワーユニット16からの冷媒が有する熱を外気70と熱交換して外部に放散させ、冷却された冷媒を再びパワーユニット16に戻す装置である。熱交換器18としては、コンデンサとラジエータとが用いられる。コンデンサは、車室空調装置用の冷凍サイクルを構成する凝縮器であり、ラジエータは、パワーユニット16の冷却用の冷媒が循環する放熱器である。

0020

ファンユニット30は、熱交換器18の車両後方側に配置され、電動ファンを備える。ファンユニット30の駆動によってフロントグリル20側から外気70が熱交換器18を介してパワーユニット室14側に吸い込まれ、熱交換器18で熱交換されて熱くなった風72は、パワーユニット16側に流れる。ファンユニット30の左右のOUT側の側面には、車両後方斜め方向に開口するラム圧孔60,62が設けられる。ラム圧孔60,62を通った風74,76は、ホイールハウス22,24側に向かってパワーユニット室14内を流れ、パワーユニット室14とホイールハウス22,24との間の隙間23,25から車外に放出される。

0021

ファンユニット30及びラム圧孔60,62について、図2から図4を用いて詳細に説明する。図2は、図1におけるファンユニット30を抜き出して、車両後方側から見た背面図である。図3は、図2のIII−III’線に沿った断面図である。図4は、図3のIV部の拡大図で、ラム圧孔60の詳細図である。図3図4は、図1整合させるため、図2に対し左右反転させてある。紙面上において、図2は、左側が車両左側(III側)で、右側が車両右側(III’側)であるが、図3図4では、右側が車両左側(III側)で、左側が車両右側(III’側)である。

0022

ファンユニット30は、ファン32と、ファンシュラウド40とを含む。ファン32は、回転軸34に設けられたボス35に根元部が固定されて放射状に外側に延びる複数枚羽根36と、回転軸34を駆動する電動モータ38とを含む電動ファンである。ファンシュラウド40は、熱交換器18を通過した外気70をファン32に導くように、熱交換器18の全周を囲む枠体である。

0023

ファンシュラウド40は、外周壁部42、背面壁部44、ベルマウス46、及び複数の支柱部50を含む。背面壁部44は、枠体であるファンシュラウド40の底板部であるが、車両10にファンユニット30が配置された場合に、熱交換器18の後方側の背面壁となる。

0024

背面壁部44は、枠体の底面を形成する矩形形状を有する平板部材で、矩形形状の四辺から立ち上がる四方壁が外周壁部42である。外周壁部42は、背面壁部44側と反対側の端部で熱交換器18に取り付けられる。背面壁部44の中央部には、円形のファン開口部48が設けられ、ファン開口部48の内周側に円筒形のベルマウス46が取り付けられる。支柱部50は、一方端がベルマウス46に固定され、他方端がファン32の電動モータ38の筐体に固定される複数の柱状部材である。

0025

上記構成のファンシュラウド40によれば、熱交換器18と外周壁部42を介して一体化され、ファン32の電動モータ38を複数の支柱部50でファン開口部48の中心に保持する。したがって、ファンシュラウド40は、車両10のフロントグリル20から流れ込む外気70をファン32で吸い込んで熱交換器18で熱交換されて熱くなった風72を外周壁部42及び背面壁部44で誘導してファン32に導く働きをする。電動モータ38で駆動された羽根36によって、風72はファン開口部48からパワーユニット室14側に排出される。

0026

かかるファンシュラウド40には、樹脂を所定の形状に成形した樹脂製を用いる。樹脂にガラス繊維を添加することで、強度を高めることができる。場合によっては、これに代えて、鋼板を所定の形状にプレス成形したものを用いてもよい。

0027

車両10が走行中は、走行風から受ける走行方向に対し逆向きの圧力であるラム圧が発生し、ラム圧によって外気70が熱交換器18に流入する。熱交換器18の後方側に配置されるファンシュラウド40において、背面壁部44はファン開口部48まで流入風を導く導風壁なので、流入風に対する流路抵抗となり、ファン開口部48からの排出風量が抑制されてラム圧の回収効率が低下する。ラム圧孔60,62は、ファンユニット30におけるラム圧回収効率を向上させるために設けられる。

0028

ラム圧孔60,62は、ファンシュラウド40の背面壁部44における車両幅方向の外側両端部に設けられる。具体的には、車両外側で且つ車両後方側の両端部に設けられる。ラム圧孔60,62は、ファンユニット30における回転軸34に対し左右対称に配置され、同じ構成を有するので、以下では、ラム圧孔60について述べる。

0029

図1図4に示すように、ラム圧孔60は、背面壁部44のOUT側端で、車両上下方向に延び、車両後方側に向いて開口する細長い孔である。熱交換器18のOUT側を通った風73は、流路抵抗の大きい背面壁部44に沿ってIN側のファン開口部48に向かうのではなく、背面壁部44に開口することで流路抵抗の少ないラム圧孔60に向かう。

0030

ラム圧孔60の形成方法は以下の通りである。背面壁部44のOUT側端部において車両上下方向に延びる縦切込線52と、縦切込線52の上方側の端部からIN側に延びる上切込線54と、縦切込線52の下方側の端部からIN側に延びる下切込線56とを用い、傾斜壁部58を所定の傾斜角度θで持ち上げる。縦切込線52に対応する背面壁部44のIN側端部53と、傾斜壁部58のOUT側端部59との間の隙間が、ラム圧孔60である。ラム圧孔62も同様にして形成することができる。

0031

ラム圧孔60が設けられるファンシュラウド40のOUT側端においては、熱交換器18を通った風73は、車両前後方向にまっすぐ流れるのではなく、傾斜壁部58の傾斜角度θを有する傾斜面に案内されて車両10の後方側でOUT側に傾斜して流れる。そして、傾斜壁部58のOUT側端部59とラム圧孔60のIN側端部53との間の隙間であるラム圧孔60からパワーユニット室14側に排出される。ラム圧孔62においても同様である。

0032

所定の傾斜角度θは、ラム圧孔60を通過した風74がホイールハウス22の側を向くように設定される。所定の傾斜角度θは、車両10のパワーユニット室14における熱交換器18、ファンユニット30、ホイールハウス22における隙間23の配置関係と、車両10の走行条件等に基づき、シミュレーション実験によって定めることができる。

0033

図4において、車両幅方向に沿って測った背面壁部44のIN側端部53の位置と、傾斜壁部58のOUT側端部59の位置との差を離間距離Sと示す。上記のように、縦切込線52、上切込線54、下切込線56で切り込みを入れて所定の傾斜角度θで傾斜壁部58を持ち上げる方法の場合は、離間距離Sは、上切込線54及び下切込線56の長さと傾斜角度θで一意的に定まる。これに代えて、必要に応じ、傾斜壁部58の寸法を小さくするようにOUT側端部59をIN側に削除し、所定の離間距離Sとしてもよい。所定の離間距離Sは、所定の傾斜角度θと組み合わせて、シミュレーションや実験で定めることができる。ラム圧孔62についても同様に、所定の傾斜角度θ、所定の離間距離Sは、ラム圧孔62を通過した風76がホイールハウス24の側を向くように、シミュレーションや実験で定めることができる。

0034

所定の傾斜角度θ、所定の離間距離Sの一例を挙げると、傾斜壁部58の車両幅方向の長さを約50mm〜60mmとして、θ=30度程度、S=10mm程度である。これは説明のための例示であって、車両10のパワーユニット室14における各要素の配置関係、車両10の走行条件に応じ、適宜に設定変更が行われる。

0035

上記構成の車両10に搭載される熱交換器18用のファンシュラウド40の作用効果について、図5以下を用いてさらに詳細に説明する。

0036

図5は、ラム圧孔の設置に適した位置を説明する模式図である。図5において、熱交換器18に用いられるファンユニット80は、ファン82とファンシュラウド84とを備え、ファンシュラウド84にラム圧孔86が設けられる。ラム圧孔86が設けられる位置において、ファンシュラウド40側の圧力に対してパワーユニット室14側の圧力が高いほど、パワーユニット室14の熱気がファンシュラウド84側に回りこむ。したがって、パワーユニット室14の熱気が回り込まないようにするために適したラム圧穴86の配置位置は、その位置におけるパワーユニット室14側の圧力が低い方がよい。一般的には、図5に示すように、パワーユニット室14の圧力はファン82の背後付近高圧で、ファン82からOUT側に離れるほど低圧となる。図2から図4で述べたラム圧孔60,62の配置位置は、ファン32から最も遠く離れたOUT側端部の位置であるので、パワーユニット室14の熱気の回り込みが抑制された位置である。

0037

図6は、ラム圧孔60,62をファンシュラウド40のOUT側端部に設けることによる風量効果を説明するために、ラム圧孔を有しないファンシュラウド88内において、ファン82が矢印の方向に回転駆動した場合の風の速度分布を示す図である。斜線が密な場所の速度が斜線の疎な場所の速度よりも高速である。白地は、風速が最も低速な場所である。図6において十字印(+)の位置83は、図3で述べた回転軸34の回転中心の位置であり、ファン82が矢印の方向に回転すると、流速分布は位置83を中心点とする点対称分布となる。回転方向が逆の場合も同様である。位置83の近辺は、ファンシュラウド40に取り付けられる電動モータ38の影になる部位であり回り込む風の速度はあまり速くないが、その外側から外周側に向かって流速は高速側になり、位置83からファンシュラウド88の上下方向の枠までの半径を有する領域が最高速領域になる。ファンシュラウド88は、上下方向の寸法よりも幅方向の寸法の方が大きいので、最高速領域から幅方向の外側に向かっては、端部側へ行くほど流速が急激に落ちる。このように、ラム圧孔を有さない場合は、ファンシュラウド88の左右のOUT側端部において、風速が最も低速となる。

0038

これに対し、図2から図4で述べたラム圧孔60,62の配置位置は、ファンシュラウド40の左右のOUT側端部であり、ラム圧孔60,62からパワーユニット室14側に風73が排出される。これにより、ファンシュラウド40の左右のOUT側端部で風速が向上し、風73の風量増加が図れる。

0039

図7から図9は、エンジンを搭載する車両において、ラム圧孔を設けず、熱交換器18を通過した風をファン開口部のみからパワーユニット室14に排出する場合の風の流れを示す図である。

0040

第1の例として、図7の車両90は、パワーユニット92としてエンジンを含み、エンジン排気管を通すトンネル部94を有する。ファンユニット96は、1ファン型である。ファンユニット96のファン開口部から排出する風98は、パワーユニット92等の流路抵抗が大きくなる箇所を迂回しながら、流路抵抗の少ないトンネル部94近傍の隙間に向かって流れる。1ファン型の場合は、ホイールハウス22,24近傍の隙間23,25に向かう風成分は、風98の太い矢印よりも細い矢印で示すように、少ない量である。

0041

第2の例として、図8の車両100は、パワーユニット102としてエンジンを含み、エンジン排気管を通すトンネル部104を有する。ファンユニット106は、2つのファンが車両幅方向に並んで配置される2ファン型である。ファンユニット106のファン開口部から排出する風108は、パワーユニット102等の流路抵抗が大きくなる箇所を迂回しながら、流路抵抗の少ないトンネル部104近傍の隙間に向かって流れる。2ファン型の場合は、ファンシュラウド端部から風が抜けるため、一部の風が、ホイールハウス22,24近傍の隙間23,25に向かう。

0042

図7図8では、1ファン型と2ファン型の相違に応じて、ファンユニット96,106のそれぞれのOUT側の周辺の風の流れが相違する。図7のIX部の拡大図を図9に、図8のX部の拡大図を図10に示す。ここでは、熱交換器18として、車両前方側にコンデンサ17、その後方側にラジエータ19が配置されることが示される。1ファン型の図9では、ファンシュラウドに開口がないため、熱交換器18の端部の風の抜けがよくない。これに対し、2ファン型の図10では、2つのファンのそれぞれのファン開口部がカバーする車両幅方向に沿った範囲が広いこと等から、熱交換器18の車両右側のOUT側で風109が通る。

0043

図9図10の比較から、ラム圧孔を有しない車両搭載用のファンユニットとして、近年に主流となってきている1ファン型は、2ファン型に比べ、熱交換器18の車両右側のOUT側で、ファン開口部からの風の抜けがよくないことが分かる。

0044

これに対し、図2から図4で述べたファンユニット30は1ファン型であるが、ファンシュラウド40の左右のOUT側端部にラム圧孔60,62が配置されるので、熱交換器18の車両右側のOUT側で風73が通る。このように、1ファン型のファンユニット30にラム圧孔60,62を設けることで、従来技術の1ファン型のファンユニット96に比べ、熱交換器18の車両右側のOUT側の風抜けを改善することができる。

0045

第1の例の図7、第2の例の図8は、エンジンを搭載する車両90,100であるが、第3の例の図11の車両110は、エンジンを搭載しない電気自動車である。

0046

車両110はエンジンを含まず、パワーユニット112は、回転電機及びその関連の機器である。ファンユニット116は、図8のファンユニット106と同じ2ファン型であり、ラム圧孔を有さない。車両110は、エンジン排気管を有さないので、エンジン排気管付近の隙間が設けられず、ファンユニット116のファン開口部から排出する風118は、ホイールハウス22,24近傍の隙間23,25に向かうことになる。風118は、パワーユニット112等の流路抵抗が大きくなる箇所を迂回し、車室12とパワーユニット室14とを区画する障壁13に沿いながらホイールハウス22,24近傍の隙間23,25に向かう。したがって、ファン開口部からホイールハウス22,24近傍の隙間23,25に向かう流路抵抗が大きく、熱交換器18に十分な外気70を取り込めない。

0047

これに対し、図2から図4で述べたファンユニット30は、ファンシュラウド40の左右のOUT側端部にラム圧孔60,62が配置される。図1に示すように、ファンユニット30の車両右側のOUT側の端部と、ホイールハウス22の壁部とは近接しており、その間に特別な機器等が配置されない。したがって、ラム圧孔60,62を通った風74,76は、迂回することなく、直接的にホイールハウス22,24に向かう。その後は、ホイールハウス22,24の側壁に沿って車両後方側に流れ、隙間23,25に至ればそのまま車外に放出されるので、風74,76の通りがよく、熱交換器18に対して効率的に外気70を供給することができる。このように、電気自動車に搭載される熱交換器18用として、図2から図4に述べたラム圧孔60,62を備えるファンシュラウド40を用いることで、従来技術に比べ、熱交換器18に対して効率的に外気70を供給できる。

0048

上記のように、ファンシュラウドのファン開口部から排出される風は、エンジン搭載車両の場合はエンジン排気管の近傍の隙間から床下に放出される。電気自動車の場合はエンジン排気管を有さないので、ホイールハウス近傍の隙間から車外に放出される。この差によって、車両の走行に応じた床下風の流れに相違が生じる。図12図13は、第1の例のエンジンを搭載する車両90における床下風流れを示す図であり、図14図15は、第3の例のエンジンを搭載しない車両110における床下風流れを示す図である。図12図14は、パワーユニット室14の後方側断面における風の流れを流速分布で示す図である。図13図15は、路面側から見た床下における風の流れを風速分布で示す図である。図12において、エンジン排気管の近傍隙間95からの風の放出により、床下風の速度分布に乱れ120が生じていることが示される。図13では、タイヤ107の下流側に流速の乱れ120が生じているが、それと共に、エンジン排気管の近傍隙間95からの風の放出に対応して風速分布に乱れが生じていることが分かる。これに対し、図14では、エンジン排気管を有していないので、図12におけるエンジン排気管の近傍隙間95に対応する箇所の床下風には乱れが生じていない。図15においても同様に、図13特有の床下風の乱れに対応する現象は生じていない。

0049

このように、ファンシュラウドのファン開口部から排出される風が車両の床下に放出されると、車両の床下風に乱れが生じ、車両の空力性能が低下する可能性がある。これに対し図2から図4で述べたファンユニット30は、ファンシュラウド40の左右のOUT側端部にラム圧孔60,62が配置され、ラム圧孔60,62を通った風74,76は、ホイールハウス22,24近傍の隙間23,25から車外に放出される。これはエンジン排気管を有する車両の場合でも同様であるので、第2の例の車両100に搭載されるファンユニット106にラム圧孔60,62を設けることで、熱交換器18を通過した風がエンジン排気管近傍の隙間から放出される風量が減少する。これによって、床下流れの乱れが抑制されて、車両の空力性能の向上が期待される。

0050

上記構成の車両に搭載される熱交換器用のファンシュラウド40によれば、パワーユニット室14側からの熱気が熱交換器18に回り込むことを抑制しつつ、熱交換器18に対して効率的に外気70を供給することが可能になる。さらに、1ファン型のファンユニットに適用することで、ファンシュラウドのOUT側端部近傍の風抜けが改善できる。また、エンジンを搭載しない電気自動車に適用することで、ホイールハウス22,24近傍の隙間23,25から車外に放出する風量を増加できるので、熱交換器18に対して効率的に外気70を供給することができる。また、エンジンを搭載する車両に適用することで、エンジン排気管近傍の隙間から放出される風量を減少することができ、床下風の乱れが抑制され、車両の空力性能の向上が期待できる。

0051

10,90,100,110 車両、12 車室、13障壁、14パワーユニット室、16,92,102,112パワーユニット、17コンデンサ、18熱交換器、19ラジエータ、20フロントグリル、22,24ホイールハウス、23,25 隙間、26,28前輪、30,80,96,106,116ファンユニット、32,82ファン、34回転軸、35ボス、36羽根、38電動モータ、40,84,88ファンシュラウド、42外周壁部、44背面壁部、46ベルマウス、48ファン開口部、50支柱部、52 縦切込線、53IN側端部、54上切込線、56下切込線、58傾斜壁部、59OUT側端部、60,62,86ラム圧孔、70外気、72,73,74,76,98,108,109,118 風、83 位置、94,104トンネル部、95エンジン排気管の近傍隙間、107 タイヤ。

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