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技術 複層塗膜および複層塗膜の形成方法、および複層塗膜を形成するための塗料セット

出願人 日本ペイント株式会社
発明者 谷山亜由未大槻尚平田郡愛里
出願日 2020年4月20日 (10ヶ月経過) 出願番号 2020-074833
公開日 2020年10月29日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-175660
状態 未査定
技術分野 流動性材料の適用方法、塗布方法 塗料、除去剤 積層体(2)
主要キーワード 改良木材 無機材料基材 建造物外 耐クラック性評価 樹脂被覆処理 耐候試験装置 錆止め塗料 屋外構造物
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この項目の情報は公開日時点(2020年10月29日)のものです。
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課題

長期経時においても層間付着性光沢性などを含む耐候性が維持される複層塗膜を提供すること。

解決手段

塗物の上に形成された着色層と、上記着色層の上に形成されたトップコート層と、を含む、複層塗膜であって、上記着色層は、着色塗料組成物塗膜の層であり、上記トップコート層は、トップコート塗料組成物の塗膜の層であり、上記着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1は、2〜30%の範囲内であり、上記着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1および上記トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2が、PVC1>PVC2の関係を満たし、上記トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2は、0%より大きく25%未満であり、上記トップコート層は、JIS K5600−4−1に規定される隠蔽率が15〜99%の範囲内である、複層塗膜。

概要

背景

住宅、ビルなどの建築物の壁面および屋根、そして屋外建造物屋外構造物などには、風雨に晒されかつ太陽光直射を受けながら品質外観を維持するために、種々の外装用塗料組成物が適用されている。このような塗料組成物は、太陽光(紫外線)に対する耐候性耐水性耐変色性基材に対する密着性などの、様々な性能を有することが必要とされる。これらの塗料組成物はさらに、上記性能を長期にわたって保持することもまた必要とされる。

例えば上記のような外装用塗料組成物の塗装においては、主として意匠性を担う着色層と、主として上記着色層の保護を担うトップコート層とが形成されることがある。特開2016−203146号公報(特許文献1)には、屋根面に、乾燥膜厚が25μmの時の隠蔽率が80%以上である着色塗料を塗装して、光沢度が70以上の有り着色塗膜を形成する工程(I)、該工程(I)で得られた艶有り着色塗膜面に、平均粒子径が80〜500nmの非水樹脂分散液シリカ及びシリカ以外の微粒子を含み、塗料中に含まれる樹脂固形分100質量部に対して、シリカが10質量部以下、微粒子が10質量部以上の範囲内にある艶消しクリヤー塗料を塗装して艶消しクリヤー塗膜を形成する工程(II)を含むことを特徴とする屋外屋根の塗装仕上げ方法、が記載されている。この特許文献1に記載される塗装仕上げ方法によって、ツヤムラの発生が抑制された、発色性と透明感を備えた深みのある艶消し外観を有する屋外屋根用塗装を提供することができると記載される。

また特開2016−204981号公報(特許文献2)には、建造物外壁の補修方法であって、前記建造物外壁の塗装面を研摩し、形成された研摩面にプライマー塗料を塗装し、前記プライマー塗料塗装面に上塗り材を用いて建造物外壁の上塗り塗装をするに際し、前記上塗り材は、フッ素樹脂親水性付与剤紫外線吸収剤および溶剤を含むA液と、硬化剤および溶剤を含むB液を混合して塗装する、外壁補修方法が記載されている(特許文献2)。

概要

長期経時においても層間付着性光沢性などを含む耐候性が維持される複層塗膜を提供すること。 被塗物の上に形成された着色層と、上記着色層の上に形成されたトップコート層と、を含む、複層塗膜であって、上記着色層は、着色塗料組成物塗膜の層であり、上記トップコート層は、トップコート塗料組成物の塗膜の層であり、上記着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1は、2〜30%の範囲内であり、上記着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1および上記トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2が、PVC1>PVC2の関係を満たし、上記トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2は、0%より大きく25%未満であり、上記トップコート層は、JIS K5600−4−1に規定される隠蔽率が15〜99%の範囲内である、複層塗膜。 なし

目的

この特許文献1に記載される塗装仕上げ方法によって、ツヤムラの発生が抑制された、発色性と透明感を備えた深みのある艶消し外観を有する屋外屋根用塗装を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

塗物の上に形成された着色層と、前記着色層の上に形成されたトップコート層と、を含む、複層塗膜であって、前記着色層は、着色塗料組成物塗膜の層であり、前記トップコート層は、トップコート塗料組成物の塗膜の層であり、前記着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1は、2〜30%の範囲内であり、前記着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1および前記トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2が、PVC1>PVC2の関係を満たし、前記トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2は、0%より大きく25%未満であり、前記トップコート層は、JIS K5600−4−1に規定される隠蔽率が15〜99%の範囲内である、複層塗膜。

請求項2

前記トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2は、0.1〜13%の範囲内である、請求項1に記載の複層塗膜。

請求項3

前記着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1は、2〜20%の範囲内である、請求項1または2に記載の複層塗膜。

請求項4

前記トップコート層の厚さ100μm(塗装膜厚)における波長350nmの光線透過率が、0%以上15%以下である、請求項1〜3いずれかに記載の複層塗膜。

請求項5

前記着色層および複層塗膜の色差ΔE*が、0以上7以下である、請求項1〜4いずれかに記載の複層塗膜。

請求項6

前記被塗物が、建築物屋外建造物またはこれらの構成物である、請求項1〜5いずれかに記載の複層塗膜。

請求項7

前記着色塗料組成物の塗装およびトップコート塗料組成物の塗装は、いずれも、常温乾燥型塗料組成物である、請求項1〜6いずれかに記載の複層塗膜。

請求項8

請求項1〜7いずれかに記載の複層塗膜の形成方法であって、被塗物に、着色塗料組成物を塗装して着色層を形成する工程、前記着色層の上にトップコート塗料組成物を塗装して、トップコート層を形成する工程、を包含し、前記着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1は、2〜30%の範囲内であり、前記着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1および前記トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2が、PVC1>PVC2の関係を満たし、前記トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2は、0%より大きく25%未満であり、前記トップコート層は、JIS K5600−4−1に規定される隠蔽率が15〜99%の範囲内である、複層塗膜の形成方法。

請求項9

前記着色塗料組成物の塗装手段およびトップコート塗料組成物の塗装手段は、いずれも、刷毛またはローラーである、請求項8記載の複層塗膜の形成方法。

請求項10

前記着色塗料組成物およびトップコート塗料組成物は、いずれも、常温乾燥型塗料組成物である、請求項8または9に記載の複層塗膜の形成方法。

請求項11

請求項1〜7いずれかに記載の複層塗膜を形成するための塗料セットであって、前記塗料セットは、着色塗料組成物およびトップコート塗料組成物からなり、前記着色塗料組成物は、塗膜形成樹脂および顔料を少なくとも含む塗料組成物であり、そして前記顔料は着色顔料を含み、前記トップコート塗料組成物は、塗膜形成樹脂および顔料を少なくとも含む塗料組成物であり、そして前記顔料は着色顔料を含み、前記着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1は、2〜30%の範囲内であり、前記着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1および前記トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2が、PVC1>PVC2の関係を満たし、前記トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2は、0%より大きく25%未満であり、前記トップコート塗料組成物の塗膜の層であるトップコート層は、JIS K5600−4−1に規定される隠蔽率が15〜99%の範囲内である、塗料セット。

請求項12

前記トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2は、0.1〜13%の範囲内である、請求項11に記載の塗料セット。

請求項13

前記着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1は、2〜20%の範囲内である、請求項11または12に記載の塗料セット。

技術分野

0001

本発明は、複層塗膜および複層塗膜の形成方法、および複層塗膜を形成するための塗料セットに関する。

背景技術

0002

住宅、ビルなどの建築物の壁面および屋根、そして屋外建造物屋外構造物などには、風雨に晒されかつ太陽光直射を受けながら品質外観を維持するために、種々の外装用塗料組成物が適用されている。このような塗料組成物は、太陽光(紫外線)に対する耐候性耐水性耐変色性基材に対する密着性などの、様々な性能を有することが必要とされる。これらの塗料組成物はさらに、上記性能を長期にわたって保持することもまた必要とされる。

0003

例えば上記のような外装用塗料組成物の塗装においては、主として意匠性を担う着色層と、主として上記着色層の保護を担うトップコート層とが形成されることがある。特開2016−203146号公報(特許文献1)には、屋根面に、乾燥膜厚が25μmの時の隠蔽率が80%以上である着色塗料を塗装して、光沢度が70以上の有り着色塗膜を形成する工程(I)、該工程(I)で得られた艶有り着色塗膜面に、平均粒子径が80〜500nmの非水樹脂分散液シリカ及びシリカ以外の微粒子を含み、塗料中に含まれる樹脂固形分100質量部に対して、シリカが10質量部以下、微粒子が10質量部以上の範囲内にある艶消しクリヤー塗料を塗装して艶消しクリヤー塗膜を形成する工程(II)を含むことを特徴とする屋外屋根の塗装仕上げ方法、が記載されている。この特許文献1に記載される塗装仕上げ方法によって、ツヤムラの発生が抑制された、発色性と透明感を備えた深みのある艶消し外観を有する屋外屋根用塗装を提供することができると記載される。

0004

また特開2016−204981号公報(特許文献2)には、建造物外壁の補修方法であって、前記建造物外壁の塗装面を研摩し、形成された研摩面にプライマー塗料を塗装し、前記プライマー塗料塗装面に上塗り材を用いて建造物外壁の上塗り塗装をするに際し、前記上塗り材は、フッ素樹脂親水性付与剤紫外線吸収剤および溶剤を含むA液と、硬化剤および溶剤を含むB液を混合して塗装する、外壁補修方法が記載されている(特許文献2)。

先行技術

0005

特開2016−203146号公報
特開2016−204981号公報

発明が解決しようとする課題

0006

上記特許文献1および2に記載されるように、屋外屋根または建造物外壁などの塗装においては、風雨に晒されかつ太陽光の直射を受けながら品質や外観を維持するために、様々な性能を有する複層塗膜を形成することが検討されている。しかしながら、複層塗膜を構成する各塗膜の機能・構成がそれぞれ異なることによって、長期経時により複層塗膜を構成する各塗膜の間で層間剥離などが生じることがあることが判明した。

0007

本発明は上記従来の課題を解決するものであり、その目的とするところは、着色層およびトップコート層を有する複層塗膜であって、長期経時においても層間付着性光沢性などを含む良好な耐候性が維持される複層塗膜を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するため、本発明は下記態様を提供する。
[1]
塗物の上に形成された着色層と、
上記着色層の上に形成されたトップコート層と、
を含む、複層塗膜であって、
着色層は、着色塗料組成物の塗膜の層であり、
トップコート層は、トップコート塗料組成物の塗膜の層であり、
着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1は、2〜30%の範囲内であり、
着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1およびトップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2が、PVC1>PVC2の関係を満たし、
トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2は、0%より大きく25%未満であり、
トップコート層は、JIS K5600−4−1に規定される隠蔽率が15〜99%の範囲内である、複層塗膜。
[2]
トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2は、0.1〜13%の範囲内である、上記複層塗膜。
[3]
着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1は、2〜20%の範囲内である、上記複層塗膜。
[4]
トップコート層の厚さ100μm(塗装膜厚)における波長350nmの光線透過率が、0%以上15%以下である、上記複層塗膜。
[5]
着色層および複層塗膜の色差ΔE*が、0以上7以下である、上記複層塗膜。
[6]
被塗物が、建築物、屋外建造物またはこれらの構成物である、上記複層塗膜。
[7]
着色塗料組成物の塗装およびトップコート塗料組成物の塗装は、いずれも、常温乾燥型塗料組成物である、上記複層塗膜。
[8]
上記複層塗膜の形成方法であって、
被塗物に、着色塗料組成物を塗装して着色層を形成する工程、
上記着色層の上にトップコート塗料組成物を塗装して、トップコート層を形成する工程、
包含し、
着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1は、2〜30%の範囲内であり、
着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1およびトップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2が、PVC1>PVC2の関係を満たし、
トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2は、0%より大きく25%未満であり、
トップコート層は、JIS K5600−4−1に規定される隠蔽率が15〜99%の範囲内である、複層塗膜の形成方法。
[9]
着色塗料組成物の塗装手段およびトップコート塗料組成物の塗装手段は、いずれも、刷毛またはローラーである、上記複層塗膜の形成方法。
[10]
着色塗料組成物およびトップコート塗料組成物は、いずれも、常温乾燥型塗料組成物である、上記複層塗膜の形成方法。
[11]
上記複層塗膜を形成するための塗料セットであって、
塗料セットは、着色塗料組成物およびトップコート塗料組成物からなり、
着色塗料組成物は、塗膜形成樹脂および顔料を少なくとも含む塗料組成物であり、そして顔料は着色顔料を含み、
トップコート塗料組成物は、塗膜形成樹脂および顔料を少なくとも含む塗料組成物であり、そして顔料は着色顔料を含み、
着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1は、2〜30%の範囲内であり、
着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1およびトップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2が、PVC1>PVC2の関係を満たし、
トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2は、0%より大きく25%未満であり、
トップコート塗料組成物の塗膜の層であるトップコート層は、JIS K5600−4−1に規定される隠蔽率が15〜99%の範囲内である、塗料セット。
[12]
トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2は、0.1〜13%の範囲内である、上記塗料セット。
[13]
着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1は、2〜20%の範囲内である、上記塗料セット。

発明の効果

0009

上記複層塗膜は、着色層およびトップコート層を有する。この複層塗膜は、長期経時においても層間付着性、光沢性などを含む良好な耐候性を維持することができる利点がある。

0010

上記複層塗膜は、被塗物の上に形成された着色層と、上記着色層の上に形成されたトップコート層と、を含む。上記着色層は、着色塗料組成物の塗膜の層であり、そして上記トップコート層は、トップコート塗料組成物の塗膜の層である。以下、各塗料組成物について記載する。

0011

着色塗料組成物
上記着色塗料組成物は、塗膜形成樹脂および顔料を少なくとも含む塗料組成物である。塗膜形成樹脂として、塗料分野において通常用いられる塗膜形成樹脂を用いることができる。このような塗膜形成樹脂として、例えば、フッ素系樹脂アクリル系樹脂アクリルシリコン系樹脂無機有機複合樹脂(例えば、ポリシロキサンアクリル複合樹脂)などが挙げられる。上記塗膜形成樹脂は、有機溶剤可溶性樹脂、非水分散型樹脂水溶性樹脂水分散性樹脂エマルション樹脂のいずれの形態であってもよい。また、上記塗料組成物は、一液形塗料であってもよいし、主剤および硬化剤からなる二液混合形塗料であってもよい。

0012

上記塗膜形成樹脂の1例として、例えば、水酸基含有樹脂および硬化剤を含む反応硬化型の樹脂が挙げられる。上記塗膜形成樹脂の他の1例として、例えば、硬化剤を含まない乾燥硬化型の樹脂が挙げられる。

0013

水酸基含有樹脂の一例として、非水分散樹脂が挙げられる。非水分散樹脂は、有機溶媒媒体として樹脂を分散安定化させた樹脂である。非水分散樹脂は、水酸基含有モノマーを含むモノマー混合物溶液重合することによって、調製することができる。

0014

上記水酸基含有樹脂は、水酸基価が5〜200mgKOH/gの範囲内であるのが好ましく、10〜100mgKOH/gの範囲内であるのがより好ましい。水酸基含有樹脂の水酸基価が上記範囲内であることによって、得られる塗膜の物理的強度を良好な範囲に確保することができる利点がある。なお、本明細書中において、水酸基価は、固形分換算での値を示し、JIS K 0070に準拠した方法により測定された値である。

0015

他方、塗膜形成樹脂として、エマルション樹脂を用いることもできる。上記エマルション樹脂として、例えば、任意の適切なエマルション樹脂を用いることができる。エマルション樹脂の具体例として、例えば、酢酸ビニル系、酢酸ビニル−アクリル系、エチレン−酢酸ビニル系、アクリル−スチレン系、アクリル系、エポキシ系、アルキド系、アクリル−アルキド系などのエマルション樹脂が挙げられる。これらの中でも、アクリル系エマルション樹脂を用いるのが好ましい。

0016

上記アクリル系エマルション樹脂は、例えば、アクリル系モノマーを主成分とする不飽和モノマー組成物を、乳化剤の存在下に開始剤を用いて乳化重合させることによって調製することができる。

0017

上記塗膜形成樹脂のガラス転移温度(Tg)は、−40℃〜30℃であるのが好ましく、−20℃〜20℃であるのがさらに好ましい。塗膜形成樹脂のガラス転移温度が上記範囲であることによって、得られる着色層の耐クラック性耐久性などの塗膜物性を向上させることができる利点がある。なお、塗膜形成樹脂のガラス転移温度(Tg)は、式1/Tg=W1/T1+W2/T2+・・・Wn/Tnから算出される。式中、W1、W2・・・Wnは各モノマー配合質量%(=(各モノマーの配合量/配合モノマーの全質量)×100)であり、T1、T2・・・Tnは各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度である。

0018

上記塗膜形成樹脂のガラス転移温度(Tg)は、塗膜形成前の状態である、塗料組成物中に含まれる状態におけるガラス転移温度を意味する。

0019

上記着色塗料組成物が、塗膜形成成分として水酸基含有樹脂と硬化剤とを含有する場合は、硬化剤として例えば、ポリイソシアネート硬化剤を用いることができる。ポリイソシアネート硬化剤として、脂肪族、脂環式芳香族基含有脂肪族または芳香族の、ジイソシアネート、ジイソシアネートの二量体、ジイソシアネートの三量体(好ましくはイソシアヌレート型イソシアネート(いわゆるイソシアヌレート))など多官能イソシアネート化合物を用いることができる。他にも、ジイソシアネートのアダクト体ビウレット体などを用いることもできる。

0020

ジイソシアネートとして、例えば、5〜24個、好ましくは6〜18個の炭素原子を含むジイソシアネートなどが挙げられる。このようなジイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルキサンジイソシアネート、ウンデカンジイソシアネート−(1,11)、リジンエステルジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−および1,4−ジイソシアネート、1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート:IPDI)、4,4’−ジイソシアナトジシクロメタン、ω,ω’−ジプロピルエーテルジイソシアネート、チオジプロピルジイソシアネート、シクロヘキシル−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,5−ジメチル−2,4−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,5−トリメチル−2,4−ビス(ω−イソシアナトエチル)−ベンゼン、1,3,5−トリメチル−2,4−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリエチル‐2,4−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、ジシクロヘキシルジメチルメタン−4,4’−ジイソシアネートなどが挙げられる。また、2,4−ジイソシアナトトルエンおよび/または2,6−ジイソシアナトトルエン、4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,4−ジイソシアナトイソプロピルベンゼンのような芳香族ジイソシアネートも用いることができる。
上記イソシアヌレート型イソシアネートとしては上述したジイソシアネートの三量体を挙げることができる。

0021

ジイソシアネートのアダクト体、ビウレット体としては、上記ジイソシアネート(例えばヘキサメチレンジイソシアネート)、活性水素化合物(例えばトリメチロールプロパンなど)および水との付加反応生成物などを用いることができる。

0022

上記イソシアネート化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。

0023

上記ポリイソシアネート硬化剤として市販品を用いてもよい。市販品の具体例として、旭化成社製の商品名「デュラートTSA100」、「デュラートTPA10」、DIC株式会社製の商品名「バーノックDN−901S」、「バーノック DN−990」、「バーノック DN−992」等が挙げられる。

0024

上記着色塗料組成物が、主剤および硬化剤からなる二液混合形塗料である場合は、主剤は水酸基含有樹脂を含み、硬化剤は上記ポリイソシアネート硬化剤を含むのが好ましい。また、上記着色塗料組成物が、水酸基含有樹脂および硬化剤を含む一液形塗料である場合は、硬化剤としてブロックイソシアネートを含むのが好ましい。ブロックイソシアネートは、上記多官能イソシアネート化合物のイソシアネート基を、ブロック剤ブロックすることによって、調製することができる。ブロック剤は、ポリイソシアネート基に付加し、常温では安定であるが解離温度以上に加熱すると遊離のイソシアネート基を再生し得るものである。ブロック剤としては、ε−カプロラクタムブチルセロソルブなどの一般的に使用されるものを用いることができる。

0025

上記着色塗料組成物は、上記塗膜形成樹脂に加えて、顔料を含む。そして上記顔料は着色顔料を含む。本明細書における着色顔料は、透明顔料に対応して用いられる用語であり、有彩色を有する顔料、そして、無彩色を有する顔料の両方を含む。このような着色顔料は、特定の波長の光を選択的に反射または吸収することによって、人間の目に、有彩色または無彩色の色を感じさせる機能を有する顔料である。

0026

着色顔料として、例えば、二酸化チタンカーボンブラック酸化鉄黄色酸化鉄などの無機着色顔料;そして、種々の有機着色顔料、例えば、フタロシアニンブルーフタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系顔料;アゾレッド、アゾイエロー、アゾオレンジなどのアゾ系顔料キナクリドンレッド、シンカシャレッド、シンカシャマゼンタなどのキナクリドン系顔料ペリレンレッドペリレンマルーンなどのペリレン系顔料カルバゾールバイオレットアントラピリジンフラバンロンイエロー、イソインドリンイエロー、インダスロンブルージブロムアンザスロンレッド、アントラキノンレッド、ジケトピロロピロールなど、が挙げられる。上記着色顔料は、例えば界面活性剤処理、樹脂分散処理樹脂被覆処理などの処理方法によって処理された顔料であってもよい。

0027

上記顔料は、必要に応じて、例えば炭酸カルシウム沈降性硫酸バリウムクレータルクなどの体質顔料などを含んでもよい。

0028

上記着色塗料組成物は、顔料体積濃度PVC1が2〜30%の範囲内であるのが好ましく、2〜25%の範囲内であるのがより好ましく、2〜20%の範囲内であるのがさらに好ましい。上記複層塗膜において、着色塗料組成物の塗膜の層である着色層は、主として複層塗膜の下地隠蔽性および意匠機能を担保する層であり、隠蔽性が高い層である。着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1が上記範囲内であることによって、着色層の隠蔽性を確保することができる利点がある。

0029

なお、本明細書における顔料体積濃度(PVC:Pigment Volume Concentration)は、塗料組成物に含まれる各顔料の比重と配合量により求めた全顔料の体積(P)と、各樹脂不揮発分の比重と配合量により求めた樹脂の体積(R)から、下記式より求めることができる。
PVC(体積%)=P/(P+R)×100

0030

上記着色塗料組成物は、必要に応じて溶媒を含んでもよい。溶媒としては、水または公知の溶剤、例えば、n−ブタンn−ヘキサン、n−ヘプタンn−オクタンシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロブタン等の炭化水素溶剤トルエンキシレン等の芳香族系溶剤エチレングリコールモノイソプロピルエーテルエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノーn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノーt一ブチルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピレングリコールモノエチルエーテルプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートジオキサンなどのエーテル系溶剤酢酸メチル酢酸エチル酢酸n−ブチル、酢酸イソブチルアセト酢酸メチルエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートブチルカルビトールアセテート等のエステル系溶剤アセトンアセチルアセトンジアセトンアルコールメチルエチルケトンメチルイソブチルケトンジイソブチルケトン等のケトン系溶剤メタノールエタノールn−プロパノールイソプロパノールn−ブタノール、sec−ブタノールイソブタノール、n−ペンタノール等のアルコール系溶剤等;ガソリン灯油コールタールナフサソルベントナフサを含む)、石油エーテル石油ナフサ石油ベンジンテレピン油ミネラルスピリットミネラルシンナーペトロリウムスピリットホワイトスピリット及びミネラルターペンを含む)等の弱溶剤等;並びにそれらの組み合わせが挙げられる。

0031

上記着色塗料組成物は、塗料分野において通常用いられるその他の成分を、必要に応じて含んでもよい。その他の成分としては、例えば、触媒顔料分散剤界面活性剤レベリング剤粘性調整剤中和剤消泡剤造膜助剤防腐剤防カビ剤抗菌剤凍結防止剤光安定剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤などが挙げられる。このようなその他の成分の種類および使用量は、目的に応じて適切に選択することができる。

0032

上記着色塗料組成物を製造する方法としては、任意の適切な方法を用いることができる。例えば、上記顔料、塗膜形成樹脂、溶媒およびその他の成分を、SGミルシェーカーディスパーなどを用いて混練、分散するなどの方法を用いることができる。

0033

上記顔料は、溶媒および必要に応じた成分と予め混合してペーストとして調製した後、塗膜形成樹脂および必要に応じたその他の成分と混合し、分散させることが好ましい。予め顔料をペーストとして調製することによって、分散安定性および保存安定性を向上させることができる利点がある。

0034

上記着色塗料組成物は、塗装後、室温条件下で塗膜を形成する、常乾型塗料組成物であるのが好ましい。

0035

トップコート塗料組成物
上記トップコート塗料組成物は、塗膜形成樹脂および顔料を少なくとも含む塗料組成物である。但し、トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2は、0%より大きく、25%未満であること、かつ、上記着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1およびトップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2が、PVC1>PVC2の関係を満たすこと、を条件とする。

0036

トップコート塗料組成物に含まれる塗膜形成樹脂として、上記着色塗料組成物において用いることができる塗膜形成樹脂を好適に用いることができる。上記トップコート塗料組成物は、一液形塗料であってもよいし、主剤及び硬化剤からなる二液混合形塗料であってもよい。

0037

上記トップコート塗料組成物は、上記塗膜形成樹脂に加えて顔料を含む。顔料として、上記着色塗料組成物において用いることができる顔料を好適に用いることができる。トップコート塗料組成物に含まれる顔料は、着色顔料を含むのが好ましい。トップコート塗料組成物が着色顔料を含むことによって、トップコート層の隠蔽率を好適な範囲に調整することができる利点がある。着色顔料として、上記着色塗料組成物において用いることができる着色顔料を好適に用いることができる。

0038

上記トップコート塗料組成物は、必要に応じて溶媒を含んでもよい。溶媒としては、上記着色塗料組成物において用いることができる溶媒を好適に用いることができる。

0039

上記トップコート塗料組成物は、塗料分野において通常用いられるその他の成分を、必要に応じて含んでもよい。その他の成分として、上記着色塗料組成物で挙げた成分などを用いることができる。

0040

上記トップコート塗料組成物を製造する方法としては、任意の適切な方法を用いることができる。例えば、上記顔料、塗膜形成樹脂、溶媒およびその他の成分を、SGミル、シェーカー、ディスパーなどを用いて混練、分散するなどの方法を用いることができる。

0041

上記顔料は、溶媒および必要に応じた成分と予め混合してペーストとして調製した後、塗膜形成樹脂および必要に応じたその他の成分と混合し、分散させることが好ましい。予め顔料をペーストとして調製することによって、分散安定性および保存安定性を向上させることができる利点がある。

0042

上記トップコート塗料組成物は、顔料体積濃度PVC2が0%より大きく25%未満である。PVC2は0.01〜20%の範囲内であるのが好ましく、0.1〜13%の範囲内であるのがより好ましい。

0043

上記着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1およびトップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2は、PVC1>PVC2の関係を満たすことを条件とする。上記複層塗膜において、着色塗料組成物の塗膜の層である着色層は、主として複層塗膜の下地隠蔽性および意匠機能を担う層であり、隠蔽性が高い層である。一方で、トップコート塗料組成物の塗膜の層であるトップコート層は、主として複層塗膜の意匠性および耐候性などを担う層である。上記複層塗膜において、トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2が0%より大きく25%未満であり、かつ、PVC1>PVC2の関係を満たすことによって、複層塗膜における着色層の機能発現を確保しつつ、着色層およびトップコート層間における層間剥離を効果的に防ぐことが可能となる。

0044

また、上記着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1およびトップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2は、PVC1−PVC2は0.1以上30未満の関係を満たすのが好ましく、1〜25の関係を満たすのがより好ましい。

0045

上記トップコート塗料組成物は、塗装後、室温条件下で塗膜を形成する、常乾型塗料組成物であるのが好ましい。

0046

なお、従来の複層塗膜においては、着色層の上にクリヤー層が形成されることが多い。着色層の上にクリヤー層を設けることによって、クリヤー層の下層である着色層が有する意匠性を良好に視認することができる利点がある。また、クリヤー層を設けることによって、複層塗膜の光沢性を所望の範囲に調整することができる利点もある。しかしながら、本願発明者らの研究において、着色層の上にクリヤー層が形成された複層塗膜は、長期経年により、着色層およびクリヤー層の間で層間剥離が生じることがあることを見いだした。そしてこのような層間剥離は特に、太陽光の直射を受け風雨に晒される建築物の外壁塗装、屋根塗装、および屋外建造物などの複層塗膜において、発生頻度が高い傾向があることを見いだした。このような現象について本発明者らは、複層塗膜を構成するクリヤー層は透明性が高いため、光線透過率が高く、その下の着色塗膜にまで光線が届いてしまうことに原因があるのではと考えた。隠蔽性を有する着色塗膜は、顔料を一定量含む。一方で、着色塗膜に例えば太陽光の直射が到達することによって、着色塗膜中に含まれる着色顔料がラジカルを発生するなどにより、樹脂成分の有機結合が分解するなどの影響を受けることとなり、その結果、層間剥離が生じうると考えられる。

0047

上記知見により本発明者らは、着色層の意匠機能発現を確保した上で、着色層およびクリヤー層の間における層間剥離の発生を効果的に減少させる方法について検討した。そして、着色層の上に設けられるトップコート層の中に、着色顔料などの顔料を、トップコート層の隠蔽率が15〜99%の範囲内となる量で含めることによって、着色層の意匠機能発現を確保しつつ、層間剥離の発生を効果的に減少させることができることを、実験により見いだした。さらに、トップコート層中に、着色顔料などの顔料を特定量の範囲で含めることによって、トップコート層の樹脂成分の有機結合が分解するなどの影響を最小限に抑えることができ、これにより複層塗膜の耐候性を向上させることができることを、実験により見いだした。加えて、トップコート層が本発明で定める顔料体積濃度および隠蔽率の範囲にあると隠蔽性と意匠性が良好な複層塗膜が得られることが見いだされた。そしてこれらにより、上記複層塗膜に関する発明を完成するに至った。

0048

本発明において、上記トップコート層の隠蔽率は15〜99%の範囲内であることを条件とする。上記隠蔽率は、30〜98%の範囲内であるのが好ましく、40〜98%の範囲内であるのがより好ましい。隠蔽率が上記範囲内である場合は、トップコート層は隠蔽性を確保し複層塗膜での良好な外観を伴う状態であるということができる。

0049

上記隠蔽率は詳しくは、JIS K5600−4−1の方法Bによって測定される隠蔽率である。この隠蔽率は、白色部(YW)および黒色部(YB)を有する隠蔽率試験紙に、トップコート塗料組成物を、4ミルアプリケーターを用いて塗装し、得られた塗膜を乾燥させた後、白色部(YW)および黒色部(YB)における三刺激値Yを、分光光度計(例えばコニカミノルタ社製CR—400など)を用いて測定し、下記式により算出することによって測定することができる。
隠蔽率(%)=YB/YW × 100

0050

本発明において、上記トップコート層の厚さ100μm(塗装膜厚)の塗膜における、波長350nmの光線透過率が0%以上15%以下であるのが好ましく、0%以上10%以下であるのがより好ましく、0%以上5%以下であるのがさらに好ましい。波長350nmの光線は、紫外線領域の光線であって、一般にUV−A波長といわれる領域内の光線である。トップコート層の波長350nmの光線透過率が上記範囲内であることによって、着色層およびトップコート層の間の層間剥離の発生を優位に防ぐことができる利点がある。

0051

上記光線透過率は、フロートガラス板上にトップコート塗料組成物を塗装することにより得られた試験板を、JIS A5759 6−6(a)に準拠する方法にて測定される値である。

0052

複層塗膜形成
上記着色塗料組成物およびトップコート塗料組成物を用いて、複層塗膜を形成することができる。複層塗膜の形成は、例えば、下記工程:
被塗物に、着色塗料組成物を塗装して着色層を形成する工程、
前記着色層の上にトップコート塗料組成物を塗装して、トップコート層を形成する工程、
によって形成することができる。

0053

上記着色塗料組成物およびトップコート塗料組成物は、様々な基材に塗装することができる。上記被塗物の具体例として、例えば、建築物、屋外建造物またはこれらの構成物などが挙げられる。具体的には、マンションオフィスビル公共施設商業施設研究施設施設トンネルなどの建築物ないし建造物の壁面、床面、天井、屋根、柱、看板ドア、門などの建築現場建築材料作業機械建築機械遺跡遺構遺物などが挙げられる。上記塗料組成物は特に、太陽光の直射を受け風雨に晒される屋外建造物の屋根および屋上部の塗装において好適に用いることができる。

0054

上記被塗物を構成する基材の具体例として、無機材料基材木質基材金属基材プラスチック基材などが挙げられる。
無機材料基材として、例えば、JIS A 5422、JIS A 5430などに記載された窯業建築基材ガラス基材などを挙げることができ、例えば、珪カル板パルプセメント板スラグ石膏板炭酸マグネシウム板石綿パーライト板木片セメント板硬質木質セメント板コンクリート板軽量気泡コンクリート板などを挙げることができる。
木質基材として、例えば、製材集成材合板パーティクルボードファイバーボード改良木材薬剤処理木材床板などを挙げることができる。
プラスチック基材として、例えば、アクリル板ポリ塩化ビニル板、ポリカーボネート板、ABS板、ポリエチレンテレフタレート板ポリオレフィン板などを挙げることができる。
上記金属基材として、例えば、アルミニウム板鉄板亜鉛メッキ鋼板アルミニウム亜鉛メッキ鋼板、ステンレス板ブリキ板などを挙げることができる。

0055

上記被塗物は、必要に応じて、各種基材に適したシーラー組成物などが予め塗装されていてもよい。上記被塗物はまた、既に塗膜が形成された状態であってもよい。

0056

上記着色塗料組成物を塗装する方法は特に限定されず、例えば、浸漬、刷毛、ローラー、ロールコーターエアースプレーエアレススプレーカーテンフローコーターローラーカーテンコーターダイコーターなどの一般に用いられている塗装方法などを挙げることができる。これらは被塗物の種類などに応じて適宜選択することができる。着色塗料組成物は、乾燥膜厚として10μm〜500μmとなるように塗装することが好ましく、20〜300μmとなるように塗装するのがより好ましい。

0057

上記着色塗料組成物を塗装した後、必要に応じて乾燥工程を行ってもよい。乾燥条件は、被塗物の形状および大きさなどによって適宜選択することができる。乾燥条件として、環境温度で乾燥させる自然乾燥が好ましい。

0058

着色塗料組成物を塗装して着色層を形成した後、トップコート塗料組成物を塗装してトップコート層を形成する。トップコート塗料組成物を塗装する方法は特に限定されず、上記着色塗料組成物の塗装と同様にして塗装することができる。トップコート塗料組成物は、乾燥塗膜として、10μm〜500μmとなるように塗装することが好ましく、20〜300μmとなるように塗装するのがより好ましく、30〜100μmとなるように塗装するのがさらに好ましい。

0059

上記着色塗料組成物およびトップコート塗料組成物を用いることによって、例えばローラー塗装、刷毛塗り塗装といった、スプレー塗装のように精密な制御を伴わない塗装方法であっても、良好な塗膜外観を有する複層塗膜を形成することができる利点がある。

0060

上記着色層および複層塗膜の色差ΔE*は、0以上7以下であるのが好ましく、0以上5以下であるのがより好ましく、0以上2以下であるのがさらに好ましい。色差が上記範囲内であることによって、複層塗膜の外観が良好となる利点がある。

0061

上記色差ΔE*は、着色層の色相(L*値、a*値、b*値)および複層塗膜の色相(L*値、a*値、b*値)をJIS K 5600−4の規定に準拠して測定することによって求めることができる。
具体的には、着色塗料組成物を基材(みがき鋼板)上に塗装して得られた着色層、および、複層塗膜の色相(L*値、a*値、b*値)を、色差計(例えばコニカミノルタ社製、CR−400など)を用いて、色相の差異ΔE*を算出することによって、求めることができる。

0062

上記により形成される複層塗膜は、耐候性に優れる利点がある。上記複層塗膜は例えば、複層塗膜内の層間剥離の発生を効果的に防ぐことができ、さらに耐チョーキング性に優れる利点がある。本明細書においてチョーキングとは、白亜化ともいわれ、塗膜成分劣化により微粉が付着したような外観になる現象をいう。
耐チョーキング性は、JIS K 5600−8−6の白亜化試験の方法の記載に従って評価を行うことができる。具体的には、ウェザーメーターなどを用いた促進耐候性試験後塗膜表面に、粘着テープを貼り付け、そして剥がし、テープに付着した微粉を目視観察して、等級を判定することによって行うことができる。
本発明者らは、着色塗料組成物およびトップコート塗料組成物を用いた複層塗膜形成において、上記特定事項を満たすことによって、得られる複層塗膜における層間剥離およびチョーキングの発生を効果的に防ぐことができることを実験により見いだしている。

0063

本発明はまた、上記複層塗膜を形成するための塗料セットを提供する。この塗料セットは、上記着色塗料組成物およびトップコート塗料組成物から構成される。具体的には、上記着色塗料組成物は、塗膜形成樹脂および顔料を少なくとも含む塗料組成物であり、そして前記顔料は着色顔料を含む。また上記トップコート塗料組成物は、塗膜形成樹脂および顔料を少なくとも含む塗料組成物であり、そして前記顔料は着色顔料を含む。
そして、着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1およびトップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2が、PVC1>PVC2の関係を満たし、
トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2は、0%より大きく25%未満であり、
トップコート塗料組成物の塗膜の層であるトップコート層は、JIS K5600−4−1に規定される隠蔽率が15〜99%の範囲内である、
ことを条件とする。上記着色塗料組成物およびトップコート塗料組成物から構成される塗料セットは、上記複層塗膜を提供することができる塗料セットである。

0064

上記着色塗料組成物およびトップコート塗料組成物は、旧塗膜の上に形成される補修用塗料組成物としても好適に用いることができる利点がある。

0065

以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、「部」および「%」は、ことわりのない限り、質量基準による。

0066

製造例1−1
顔料分散ベース(i)の製造
弱溶剤可溶アクリル樹脂DIC社製アクディックA−870、不揮発分55%、固形分比重0.94g/cm3)39部、白顔料(C)二酸化チタン(堺化学工業社製、D−918、比重4.0g/cm3)48部、分散剤(BYK−chemie社製、Disperbyk−112、固形分(NV)=60.0質量%)4.2部、溶媒(新日本石油化学社製、ミネラルスピリットA)7.0部、添加剤本化成社製、DISPARLON A670−20M)1.8部を混合後、分散機(太平システム社製、卓上式SGミル1500w型)にガラスビーズ100部を入れて分散させて、顔料分散ベース(i)を得た。

0067

顔料分散ベース(ii)〜(v)の製造
顔料分散ベース(i)の製造例と同様にして、表1に記載した配合から顔料分散ベース(ii)〜(v)を製造した。

0068

0069

表1に示される着色顔料としては下記のものを用いた。
白顔料:二酸化チタン(堺化学工業社製、D−918、比重4.0g/cm3)
赤顔料CINIC Chemicals (Shanghai)Co.,Ltd.社製、CinilexDPP Red SR1C、比重1.58g/cm3
青顔料:大日精化工業社製、シアニンブルー5195Y、比重1.5g/cm3
黄顔料クラリアントジャパン社製、HOSTAPERM YELLOW H3G、比重1.59g/cm3
弁柄ランクセス社製、BAYFERROX 130M、比重5.0g/cm3

0070

製造例1−2
クリヤーベース(I)の製造
弱溶剤可溶アクリル樹脂(DIC社製、アクリディックA−870)70.4部、添加剤として(BASFジャパン社製、Tinuvin292)0.6部、(楠本化成社製、DISPARLON 1952)0.4部、(楠本化成社製、DISPARLONFS−6010)6.4部、溶媒(ExxonMobil社製、ソルベッソ100)22.2部を高速ディスパーで混合して、クリヤーベース(I)を得た。

0071

クリヤーベース(II)〜(III)の製造
クリヤーベース(I)の製造例と同様にして、表2に記載した配合から樹脂ベース(II)〜(III)を製造した。

0072

0073

製造例1−3
着色塗料組成物(1)の製造
顔料分散ベース(i)77.3部、クリヤーベース(I)22.7部を高速ディスパーで混合して、着色塗料組成物(1)の主剤を得た。着色塗料組成物(1)の硬化剤として、旭化成社製デュラネートTSA−100(ヘキサメチレンジイソシアネート硬化剤、固形分100質量%、比重1.13g/cm3)を3.9部用いた。こうして、二液形の着色塗料組成物(1)を得た。
得られた着色塗料組成物のPVC1は25%であった。

0074

着色塗料組成物(2)〜(6)の製造
着色塗料組成物(1)の製造例と同様にして、表3に記載した配合から着色塗料組成物(2)〜(6)を製造した。

0075

0076

製造例1−4
トップコート塗料組成物(1)の製造
顔料分散ベース(i)74.5部、クリヤーベース(I)25.5部を高速ディスパーで混合して、トップコート塗料組成物(1)の主剤を得た。トップコート塗料組成物(1)の硬化剤として、旭化成社製デュラネートTSA−100(ヘキサメチレンジイソシアネート硬化剤、固形分100質量%)を4部用いた。こうして、二液形のトップコート塗料組成物(1)を得た。
得られたトップコート塗料組成物(1)のPVC2は24%であった。

0077

トップコート塗料組成物(2)〜(14)の製造
トップコート塗料組成物(1)の製造例と同様にして、表4に記載した配合からトップコート塗料組成物(2)〜(14)を製造した。

0078

上記PVC1、PVC2は、発明の詳細な説明に記載した算出方法によりそれぞれ求めた。

0079

0080

実施例1−1
下記表5に示される着色塗料組成物およびトップコート塗料組成物を用いて、下記手順により複層塗膜を形成した。

0081

基材の作製
評価用試験板の基材としては、みがき鋼板(150×70×0.8mm)を用いた。まず、みがき鋼板表面の防錆油を溶剤(キシレンなど)で洗浄し、溶剤をウエスでふき取った。そして、溶剤をふき取ったみがき鋼板の裏面に錆止め塗料組成物(ファインプライマーII、日本ペイント社製)を塗装し、裏面をバックシールした。バックシールした塗料が乾燥したのち、被塗物である基材を得た。

0082

着色塗料組成物の塗装
表3に記載された着色塗料組成物(1)の主剤および硬化剤を高速ディスパーで混合して、着色塗料組成物混合液を得た。
得られた着色塗料組成物混合液を、基材に対して、塗装量120g/m2×1回でウールローラーにて塗装し、1日間室温にて放置乾燥させて、着色層を形成した。

0083

トップコート塗料組成物の塗装
表4に記載されたトップコート塗料組成物(1)の主剤および硬化剤を高速ディスパーで混合して、トップコート塗料組成物混合液を得た。
得られた着色塗料組成物混合液を、着色層が形成された基材に対して、塗装量120g/m2×1回でウールローラーにて塗装し、7日間室温にて放置乾燥させて、複層塗膜を得た。

0084

実施例1−2〜1−12および比較例1−1〜1−5
下記表5に記載された着色塗料組成物およびトップコート塗料組成物を用いたこと以外は、実施例1−1と同様の手順により、複層塗膜を得た。

0085

上記実施例および比較例で得られた複層塗膜、そして複層塗膜の形成に用いた着色塗料組成物およびトップコート塗料組成物を用いて、以下の評価試験を行った。評価結果を下記表に示す。

0086

UV透過率の測定
上記実施例および比較例で用いたトップコート塗料組成物を、フロートガラス板上に4mil(塗装膜厚:100μm)のアプリケーターを用いて塗装し、試験板を作成した。
得られた試験板の光線透過率を、紫外可視近赤分光度計UV−3600(株式会社島津製作所)を用いて、300〜380nm(波長2nm間隔)の透過率を、JISA5759−6−6(a)に準拠して測定した。測定値のうち、波長350nmの光線透過率の数値をUV透過率(%)とした。

0087

隠蔽率の測定
JIS K 5600−4−1 (b)に準拠した、塗料の一般的な試験方法に用いる隠蔽率試験紙(日本テストパネル株式会社製)に、トップコート塗料組成物を4milのアプリケーターにて塗装した。塗装後23℃で1日間室温放置した試験体について、分光光度計(コニカミノルタ社製、CR—400)を用いて、白色部(YW)と黒色部(YB)における三刺激値Yを測定し、隠蔽率YB/YWを百分率で算出した。

0088

耐候性試験グロス保持率耐クラック性評価および界面剥離評価)
上記実施例および比較例により得られた複層塗膜を有する試験板を、スーパーキセノンウェザーメータ(スガ試験機社製)を用いて、促進耐候性試験を実施した。運転条件は下記の通りである。

運転時間:5000時間
サイクル:乾燥時間102分+湿潤(表面水噴霧)時間18分、合計2時間
フィルター: #275(JIS K 5600−7−7に適用のフィルター)
放射照度(300〜400nm): 180W/m2
ブラックパネル温度(乾燥時): 63±3度
ブラックパネル温度(湿潤時):制御せず
相対湿度(乾燥時):50±5%
相対湿度(湿潤時):95±5%

0089

促進耐候性試験後の評価試験板に対して、耐候性、耐クラック性評価および界面剥離評価を、下記基準により行った。

0090

耐候性評価(グロス保持率)
促進耐候性試験前および試験後の評価試験板の光沢値を、「MULTIGLOSS268plus」(コニカミノルタ株式会社製)を使用して、JIS K5600−4−7に準拠して、入射光軸60°の幾何条件(60°グロス)で3回測定した。促進耐候試験前の60°グロス値G0および促進耐候試験後の60°グロス値G1を用いて、グロス保持率を下記式より算出し、下記基準により評価した。○△以上の評価を合格とした。

60°グロス保持率(%)=G1/G0 ×100

◎:60°グロス保持率が85%以上である
○:60°グロス保持率が80%以上である(より具体的には、80%以上85%未満である)
○△:60°グロス保持率が70%以上である(より具体的には、70%以上80%未満である)
△:60°グロス保持率が60%以上である(より具体的には60%以上70%未満である)
△×:60°グロス保持率が50%以上60%未満である
×:60°グロス保持率が50%未満である

0091

耐クラック性評価
促進耐候性試験後の評価試験板を目視および30倍ルーペで観察し、下記基準により評価した。
◎:クラックなし
×:クラックあり

0092

界面剥離評価
促進耐候性試験後の評価試験に対して、4mm幅碁盤目25マスクスカットを施した後、セロテープ登録商標、ニチバン社製)を付着させ、剥離テストを実施した。剥離度合いを下記基準に従い目視評価した。○△以上の評価を合格とした。

◎ :カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にも剥離がない
○ :剥離率5%未満
○△ : 剥離率5%以上15%未満
△ : 剥離率15%以上35%未満
△× : 剥離率35%以上65%未満
× : 剥離率65%以上

0093

色差ΔE*の測定
着色塗料組成物をみがき鋼板上に塗装し、得られた着色層、および、複層塗膜の色相(L*値、a*値、b*値)を、色差計(コニカミノルタ社製、CR−400)を用いて、JIS K 5600−4の規定に準拠して色相を測定し、色相の差異ΔE*を下記式:
色差ΔE*=(着色層の色相)−(複層塗膜の色相)
により算出した。

0094

外観評価
複層塗膜の外観を、下記基準に従い目視評価した。

◎:色が均一でムラのない状態である
○:色が概ね均一でムラが目立たない状態である
△:一部色が不均一である
×:色が全体的に不均一である

0095

0096

実施例1−1〜1−12により得られた複層塗膜はいずれも、耐候性、耐クラック性が良好であり、また塗膜外観も良好であった。
比較例1−1、1−3〜1−5は、トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2が、0%より大きく25%未満の範囲に入らない例である。これらの例では、耐候性、耐クラック性のいずれかが劣ることが確認された。
特に比較例1−5は、トップコート層のUV透過率が0%であるにも関わらず、耐クラック性は実施例と比較して劣っている。この比較例5の結果より、本件発明の技術的効果が確認的に理解されると考えられる。
比較例1−2は、顔料体積濃度PVC2は0%より大きく25%未満の範囲に入る一方で、着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1およびトップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2が、PVC1>PVC2の関係を満たさない例である。この例では、耐候性が劣ることが確認された。

0097

製造例2−1
顔料分散ベース(vi)〜(x)の製造
上記顔料分散ベース(i)の製造例と同様にして、表6に記載した配合から顔料分散ベース(vi)〜(x)を製造した。

0098

0099

表6に示される着色顔料としては、上記各色顔料または下記のものを用いた。
白顔料(C):二酸化チタン(堺化学工業社製、D−918、比重4.0g/cm3)
赤顔料(D):CINILEXDPP RED SRI
青顔料(E):シアニンブルー5195Y
黄顔料(F):ホスターパームエローH3G
弁柄(G):BAYFERROX 130M
緑顔料(O):ランクセス社製、HOSTAPERM GREEN GNX、比重2.05g/cm3
黄色酸化鉄(P):チタン工業社製、TAROX 合成酸化鉄LL−XLO、比重4.1g/cm3
黒顔料(Q):オリオンエンジニアドカボンズ社製、HIBLACK170、比重1.8g/cm3

0100

顔料分散ベース(xi)の製造
アクリルシリコーンエマルション樹脂(DIC社製、ボンコートSA−6340、不揮発分50%、固形分比重1.04g/cm3)40.8部、二酸化チタン(堺化学工業社製、D−918、比重4.0g/cm3)48.0部、分散剤(BYK−chemie社製、Disperbyk−190)3.1部、溶媒(脱イオン水)8.0部、粘性剤(ダイセルファインケム社製、HECダイセルSP600)0.1部を混合後、分散機(太平システム社製、卓上式SGミル1500w型)にガラスビーズ100部を入れて分散させて、顔料分散ベース(xi)を得た。

0101

0102

製造例2−2
クリヤーベース(IV)の製造
クリヤーベース(I)の製造例と同様にして、表8に記載した配合から樹脂ベース(IV)を製造した。

0103

0104

クリヤーベース(V)の製造
アクリルシリコーンエマルション樹脂(DIC社製、ボンコートSA−6340)80.0部、粘性剤(ADEKA社製、アデカノールUH−420)0.2部、溶媒(脱イオン水)7.6部、溶媒(2−2−4トリメチル1−3ペンタンジオールモノイソブチレート)9.0部、消泡剤(BYK−chemie社製、BYK−024)0.1部、紫外線吸収剤(BASFジャパン社製、Tinuvin400−DW)2.5部、光安定化剤(BASFジャパン社製、Tinuvin292)0.6部、pH調整剤(25%アンモニア水溶液)0.1部を高速ディスパーで混合して、クリヤーベース(V)を得た。

0105

0106

製造例2−3
着色塗料組成物(7)〜(15)の製造
着色塗料組成物(1)の製造例と同様にして、表10に記載した配合から着色塗料組成物(7)〜(15)を製造した。

0107

0108

着色塗料組成物(16)の製造
顔料分散ベース(xi)55.0部、クリヤーベース(V)45.0部を高速ディスパーで混合して、着色塗料組成物(16)を得た。
得られた着色塗料組成物のPVC1は19.0%であった。

0109

製造例2−4
トップコート塗料組成物(17)〜(37)の製造
トップコート塗料組成物(1)の製造例と同様にして、表12に記載した配合からトップコート塗料組成物(17)〜(37)を製造した。
PVC1、PVC2は、上記と同様にして求めた。

0110

0111

トップコート塗料組成物(38)の製造
顔料分散ベース(xi)29.3部、クリヤーベース(V)70.7部を高速ディスパーで混合して、トップコート塗料組成物(38)を得た。

得られた着色塗料組成物のPVC1は9.6%であった。

0112

トップコート塗料組成物(39)の製造
トップコート塗料組成物(38)の製造例と同様にして、表13に記載した配合からトップコート塗料組成物(39)を得た。
得られた着色塗料組成物のPVC1は2.1%であった。

0113

0114

実施例2−1
下記表14に示される着色塗料組成物およびトップコート塗料組成物を用いて、下記手順により複層塗膜を形成した。

0115

基材の作製
評価用試験板の基材としては、みがき鋼板(150×70×0.8mm)を用いた。まず、みがき鋼板表面の防錆油を溶剤(キシレンなど)で洗浄し、溶剤をウエスでふき取った。そして、溶剤をふき取ったみがき鋼板の裏面に錆止め塗料組成物(ファインプライマーII、日本ペイント社製)を塗装し、裏面をバックシールした。バックシールした塗料が乾燥したのち、被塗物である基材を得た。

0116

着色塗料組成物の塗装
表10に記載された着色塗料組成物(7)の主剤および硬化剤を高速ディスパーで混合して、着色塗料組成物混合液を得た。
得られた着色塗料組成物混合液を、基材に対して、塗装量120g/m2×1回でウールローラーにて塗装し、1日間室温にて放置乾燥させて、着色層を形成した。

0117

トップコート塗料組成物の塗装
表12に記載されたトップコート塗料組成物(17)の主剤および硬化剤を高速ディスパーで混合して、トップコート塗料組成物混合液を得た。
得られた着色塗料組成物混合液を、着色層が形成された基材に対して、塗装量120g/m2×1回でウールローラーにて塗装し、7日間室温にて放置乾燥させて、複層塗膜を得た。

0118

実施例2−2〜2−18および比較例2−1〜2−5
下記表14に記載された着色塗料組成物およびトップコート塗料組成物を用いたこと以外は、実施例2−1と同様の手順により、複層塗膜を得た。

0119

上記実施例および比較例で得られた複層塗膜、そして複層塗膜の形成に用いた着色塗料組成物およびトップコート塗料組成物を用いて、以下の評価試験を行った。評価結果を下記表に示す。

0120

UV透過率の測定
上記実施例および比較例で用いたトップコート塗料組成物を、フロートガラス板上に4mil(塗装膜厚:100μm)のアプリケーターを用いて塗装し、試験板を作成した。
得られた試験板の光線透過率を、紫外可視近赤分光度計UV−3600(株式会社島津製作所)を用いて、300〜380nm(波長2nm間隔)の透過率を、JISA5759−6−6(a)に準拠して測定した。測定値のうち、波長350nmの光線透過率の数値をUV透過率(%)とした。

0121

隠蔽率の測定
JIS K 5600−4−1 (b)に準拠した、塗料の一般的な試験方法に用いる隠蔽率試験紙(日本テストパネル株式会社製)に、トップコート塗料組成物を6milのアプリケーターにて塗装した。塗装後23℃で1日間室温放置した試験体について、分光光度計(コニカミノルタ社製、CR—400)を用いて、白色部(YW)と黒色部(YB)における三刺激値Yを測定し、隠蔽率YB/YWを百分率で算出した。

0122

耐候性試験(グロス保持率および耐チョーキング性評価)
上記実施例および比較例により得られた複層塗膜を有する試験板を、超高速耐候試験装置型式SX−H202(スガ試験機社製)を用いて、促進耐候性試験を実施した。運転条件は下記の通りである。

運転時間:1000時間
1サイクル:過酸化水素水噴霧と照射(時間1分)+水噴霧と照射(時間2分)+照射(時間7分)、合計10分
フィルター:♯275(JIS K 5600−7−7に適用のフィルター)
放射照度(300〜400nm):60W/m2
ブラックパネル温度(乾燥時):50±10℃
ブラックパネル温度(湿潤時):50±10℃
相対湿度(乾燥時):50±10%
相対湿度(湿潤時):50±10%

0123

促進耐候性試験後の評価試験板に対して、耐候性評価(グロス保持率)および耐候性評価(耐チョーキング性評価)を、下記基準により行った。

0124

耐候性評価(グロス保持率)
促進耐候性試験前および試験後の評価試験板の光沢値を、「MULTIGLOSS268plus」(コニカミノルタ株式会社製)を使用して、JIS K5600−4−7に準拠して、入射光軸60°の幾何条件(60°グロス)で3回測定した。促進耐候試験前の60°グロス値G0および促進耐候試験後の60°グロス値G1を用いて、グロス保持率を下記式より算出し、下記基準により評価した。○△以上の評価を合格とした。

60°グロス保持率(%)=G1/G0 ×100

◎:60°グロス保持率が85%以上である
○:60°グロス保持率が80%以上である(より具体的には、80%以上85%未満である)
○△:60°グロス保持率が70%以上である(より具体的には、70%以上80%未満である)
△:60°グロス保持率が60%以上である(より具体的には60%以上70%未満である)
△×:60°グロス保持率が50%以上60%未満である
×:60°グロス保持率が50%未満である

0125

耐候性評価(耐チョーキング性評価)
耐チョーキング性評価を、JIS K 5600−8−6に記載の白亜化試験法方法に従って行った。下記基準により評価した。下記基準において「△」以上を合格とした。

◎:テープに顔料の付着が確認されず、背景面がよく見える。
○:テープに一部顔料の付着が確認されるが、背景面がよく見える。
△:テープに一部顔料の付着が確認されるが、背景面は見える。
×:テープに顔料の付着が確認され、背景面が見難い又は見えない。

0126

色差ΔE*の測定
着色塗料組成物をみがき鋼板上に塗装し、得られた着色層、および、複層塗膜の色相(L*値、a*値、b*値)を、色差計(コニカミノルタ社製、CR−400)を用いて、JIS K 5600−4の規定に準拠して色相を測定し、色相の差異ΔE*を下記式:
色差ΔE*=(着色層の色相)−(複層塗膜の色相)
により算出した。

0127

塗装隠蔽性(外観評価)
トップコート層の塗装外観について、隠蔽率試験紙(日本テストパネル株式会社製)に、トップコート塗料組成物を乾燥膜厚30〜40μmとなるように刷毛を用いて塗装を行い、その時の外観を、下記基準に従い目視評価した。下記基準において「○」以上を合格とした。

◎:下地透けや、色ムラ、刷毛筋がいずれも目立たない状態である。
○:下地の透けや、色ムラ、刷毛筋がいずれも概ね均一で目立たない状態である
△:下地の透けや、色ムラ、刷毛筋のいずれかが目立つ状態である。
×:全体に下地の透けや、色むら、刷毛筋が目立つ状態である。

0128

実施例

0129

実施例2−1〜2−18により得られた複層塗膜はいずれも、耐候性(グロス保持率、耐チョーキング性)が良好であり、また塗膜外観も良好であった。
比較例2−1は、顔料体積濃度PVC2は0%より大きく25%未満の範囲に入る一方で、着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1およびトップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC2が、PVC1>PVC2の関係を満たさない例である。この例では、耐候性(グロス保持率、および耐チョーキング性)が劣ることが確認された。
比較例2−2は、トップコート層の隠蔽率が15%未満である例である。この例では、塗装隠蔽性が劣り、塗膜外観が劣ることが確認された。
比較例2−3は、着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1が30%より大きい例である。この例では、耐候性(グロス保持率および耐チョーキング性)が劣ることが確認された。
比較例2−4は、着色塗料組成物の顔料体積濃度PVC1が2%未満である例である。この例では、塗装隠蔽性が劣ることが確認された。
比較例2−5は、トップコート塗料組成物が着色顔料を含まない例である。この例では、塗装隠蔽性が劣り、塗膜外観が劣ることが確認された。

0130

上記複層塗膜は、長期経時においても層間付着性、光沢性などを含む良好な耐候性を維持することができる利点がある。上記複層塗膜は、太陽光の直射を受け風雨に晒される建築物の外壁塗装、屋根塗装、および屋外建造物などの複層塗膜として好適に用いることができる。

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