図面 (/)

技術 超緻密性セメント組成物の製造方法

出願人 株式会社サンブリッジ株式会社美和テック
発明者 三田村浩合田惠二郎
出願日 2019年4月19日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-079884
公開日 2020年10月29日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-175600
状態 特許登録済
技術分野 セメント、コンクリート、人造石、その養生 粘土の調整;粘土、セメント混合物の製造
主要キーワード 狭隘部分 骨材部分 小断面化 通気試験 河川構造物 高張力繊維 超微粒子粉末 超高強度繊維補強コンクリート
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年10月29日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

繊維が均一に分散されていて、かつ、通気性が低い、より緻密な超緻密性セメント組成物を製造することを可能とした超緻密性セメント組成物の製造方法を提案する。

解決手段

セメントと、シリカフュームと、石灰石フィラーと、補強用繊維と、水と、減水剤と、消泡剤とを混合してなる超緻密性セメント組成物の製造方法である。補強用繊維の半量、セメント、シリカフュームおよび石灰石フィラーを空練りして粉体混合物を生成する第一混合工程と、粉体混合物に水、減水剤および消泡剤を投入して練り混ぜセメント系マトリックスを生成する第二混合工程と、セメント系マトリックスに補強用繊維の残量を添加して混合する第三混合工程とを順に行う。

概要

背景

コンクリートモルタルは、骨材セメント等の結合材により凝固することで必要な強度および形状を有した硬化体を形成する。このうちコンクリートは、セメント等の結合材、水、粗骨材細骨材および混和材等を混練してなる。一方、モルタルは、結合材、水、細骨材および混和材等を混練してなる。コンクリートおよびモルタルを構成する各材料の配合は、必要な強度やワーカビリティを確保できるように適宜決定する。
例えば、超高強度繊維補強コンクリート(Ultra High Strength Fiber Reinforced Concrete:UFC)は、高い強度、耐力およびじん性を確保することを目的として、水結合材比が低く、また、繊維を含有している(例えば、特許文献1参照)。超高強度繊維補強コンクリートまたは超高強度繊維補強モルタル(以下、単に「超緻密性セメント組成物」という)は、緻密で高い強度を発現することから、部材の小断面化を図ることが可能であるとともに止水性に優れた構造物構築することができる。

特許文献1に記載の超緻密性セメント組成物は、蒸気熱養生を必要としていたため、現地製造、施工には採用し難く、工場生産等によるプレキャスト部材に使用されるのが一般的であった。一方、超緻密性セメント組成物を現地製造することができれば、耐久性に優れた構造物を構築することや、部材の薄肉化による軽量化を図ることができる。
そのため、特許文献2には、セメントと、シリカフュームと、水と、減水剤と、消泡剤と、膨張材と、細骨材と、高張力繊維とを含むいわゆるモルタル組成物であって、常温養生のみで早期に高い圧縮強度を発現でき、かつ、自己収縮ひずみを低減できる超緻密性セメント組成物が開示されている。特許文献2のモルタル組成物は、まず、水、減水剤および高張力繊維以外の材料を混合した後、水および減水剤を添加してミキサーにより練り混ぜてモルタルを製造し、その後、製造されたモルタルに高張力繊維を添加してさらに練り混ぜることにより製造する。

概要

繊維が均一に分散されていて、かつ、通気性が低い、より緻密な超緻密性セメント組成物を製造することを可能とした超緻密性セメント組成物の製造方法を提案する。セメントと、シリカフュームと、石灰石フィラーと、補強用繊維と、水と、減水剤と、消泡剤とを混合してなる超緻密性セメント組成物の製造方法である。補強用繊維の半量、セメント、シリカフュームおよび石灰石フィラーを空練りして粉体混合物を生成する第一混合工程と、粉体混合物に水、減水剤および消泡剤を投入して練り混ぜてセメント系マトリックスを生成する第二混合工程と、セメント系マトリックスに補強用繊維の残量を添加して混合する第三混合工程とを順に行う。

目的

本発明は、繊維が均一に分散されていて、かつ、通気性が低い、より緻密な超緻密性セメント組成物を製造することを可能とした超緻密性セメント組成物の製造方法を提案することを課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

1m3当たり1000kg以上添加されたセメントと、1m3当たり90kg以上添加されたシリカフュームと、1m3当たり280kg以上添加された石灰石フィラーと、1m3当たり300kg〜480kg添加された補強用繊維と、前記セメント、前記シリカフュームおよび前記石灰石フィラーを含む結合材100質量%に対して8質量%以上の割合で添加された水と、前記結合材100質量%に対して0.3質量%以上の割合で添加された減水剤と、前記結合材100質量%に対して0.1質量%以上の割合で添加された消泡剤と、を混合してなる超緻密性セメント組成物の製造方法であって、前記補強用繊維の半量、前記セメント、前記シリカフュームおよび前記石灰石フィラーを空練りして粉体混合物を生成する第一混合工程と、前記粉体混合物に前記水、前記減水剤および前記消泡剤を投入して練り混ぜセメント系マトリックスを生成する第二混合工程と、前記セメント系マトリックスに前記補強用繊維の残量を添加して混合する第三混合工程とを順に行うことを特徴とする、超緻密性セメント組成物の製造方法。

請求項2

前記補強用繊維の直径が0.05mm〜0.30mmの範囲内で、当該補強用繊維の長さが0.05mm〜25mmの範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載の超緻密性セメント組成物の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、超緻密性セメント組成物の製造方法に関する。

背景技術

0002

コンクリートモルタルは、骨材セメント等の結合材により凝固することで必要な強度および形状を有した硬化体を形成する。このうちコンクリートは、セメント等の結合材、水、粗骨材細骨材および混和材等を混練してなる。一方、モルタルは、結合材、水、細骨材および混和材等を混練してなる。コンクリートおよびモルタルを構成する各材料の配合は、必要な強度やワーカビリティを確保できるように適宜決定する。
例えば、超高強度繊維補強コンクリート(Ultra High Strength Fiber Reinforced Concrete:UFC)は、高い強度、耐力およびじん性を確保することを目的として、水結合材比が低く、また、繊維を含有している(例えば、特許文献1参照)。超高強度繊維補強コンクリートまたは超高強度繊維補強モルタル(以下、単に「超緻密性セメント組成物」という)は、緻密で高い強度を発現することから、部材の小断面化を図ることが可能であるとともに止水性に優れた構造物構築することができる。

0003

特許文献1に記載の超緻密性セメント組成物は、蒸気熱養生を必要としていたため、現地製造、施工には採用し難く、工場生産等によるプレキャスト部材に使用されるのが一般的であった。一方、超緻密性セメント組成物を現地製造することができれば、耐久性に優れた構造物を構築することや、部材の薄肉化による軽量化を図ることができる。
そのため、特許文献2には、セメントと、シリカフュームと、水と、減水剤と、消泡剤と、膨張材と、細骨材と、高張力繊維とを含むいわゆるモルタル組成物であって、常温養生のみで早期に高い圧縮強度を発現でき、かつ、自己収縮ひずみを低減できる超緻密性セメント組成物が開示されている。特許文献2のモルタル組成物は、まず、水、減水剤および高張力繊維以外の材料を混合した後、水および減水剤を添加してミキサーにより練り混ぜてモルタルを製造し、その後、製造されたモルタルに高張力繊維を添加してさらに練り混ぜることにより製造する。

先行技術

0004

特開2006−298679号公報
特開2012−144404号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ところが、水結合材比が低い超緻密性セメント組成物中に骨材が含まれていると、水結合材比の管理が難しく、製造時の品質管理に手間がかかる。すなわち、骨材として乾燥した材料を使用すると、骨材が水分を吸収することでセメント系組成物中の水分が不足し、水和反応が不十分になるおそれがある。一方、骨材として、湿潤状態のものを使用すると、設計値よりも水分が増加することで必要な強度を確保できなくなるおそれがある。また、骨材が含まれていないセメントペースト中に繊維を添加すると、繊維が均等に分散されない恐れがある。そして、繊維の分散が不均一だと、緻密性が低下する恐れがある。

0006

このような観点から、本発明は、繊維が均一に分散されていて、かつ、通気性が低い、より緻密な超緻密性セメント組成物を製造することを可能とした超緻密性セメント組成物の製造方法を提案することを課題とする。

課題を解決するための手段

0007

前記課題を解決するための本発明は、1m3当たり1000kg以上添加されたセメントと、1m3当たり90kg以上添加されたシリカフュームと、1m3当たり280kg以上添加された石灰石フィラーと、1m3当たり300kg〜480kg添加された補強用繊維と、前記セメント、前記シリカフュームおよび前記石灰石フィラーを含む結合材100質量%に対して8質量%以上の割合で添加された水と、前記結合材100質量%に対して0.3質量%以上の割合で添加された減水剤と、前記結合材100質量%に対して0.1質量%以上の割合で添加された消泡剤とを混合してなる超緻密性セメント組成物の製造方法である。この超緻密性セメント組成物の製造方法は、前記補強用繊維の半量、前記セメント、前記シリカフュームおよび前記石灰石フィラーを空練りして粉体混合物を生成する第一混合工程と、前記粉体混合物に前記水、前記減水剤および前記消泡剤を投入して練り混ぜてセメント系マトリックスを生成する第二混合工程と、前記セメント系マトリックスに前記補強用繊維の残量を添加して混合する第三混合工程とを順に行う。

0008

なお、前記補強用繊維は、直径が0.05mm〜0.30mmの範囲内で、長さが0.05mm〜25mmの範囲内であるのが望ましい。かかる超緻密性セメント組成物の製造方法によれば、補強用繊維を2回に分けて供給するため、材料中に繊維を均一に分散させることができる。すなわち、第一混合工程において、粉体混合物中に補強用繊維の半量を均等に分散させることができるため、第三混合工程において補強用繊維が均等に分散されたセメント系マトリックスに残りの分の補強用繊維を添加することで、新たに添加された補強用繊維を均等に分散させることができる。その結果、セメント系マトリックスを生成した後に補強用繊維を添加する場合に比べて、通気性が低く、かつ、繊維が均一に分散されたセメント組成物を製造することが可能となる。

発明の効果

0009

本発明の超緻密性セメント組成物の製造方法によれば、より緻密な超緻密性セメント組成物を製造することを可能となる。

図面の簡単な説明

0010

本実施形態の超緻密性セメント組成物の製造方法のフローチャートである。
透気性を調べる実験における試験体を示す斜視図である。
透気性を調べる実験において試験体を成形するための型枠を示す斜視図である。
透気性を調べる実験において試験体を成形するための他の型枠を示す斜視図である。
分散性を調べる実験における供試体の断面を示す平面図である。
分散性を調べる実験における撮影画像の一例を示す図である。

実施例

0011

本発明の実施形態では、既設コンクリート構造物補修工事補強工事も含む)に使用するセメント系補修材(超緻密性セメント組成物)を製造するための、超緻密性セメント組成物の製造方法について説明する。

0012

セメント系補修材は、少なくとも、セメント、シリカフューム、石灰石フィラーからなる結合材に、水、減水剤、消泡剤、チクソ剤および急硬材を添加したセメントペーストと、補強用繊維を混合してなる。すなわち、セメント系補修材は、骨材を含有しておらず、いわゆる繊維補強コンクリート繊維補強モルタルではない。なお、セメントペーストには、必要に応じて、膨張材、凝結遅延剤合成樹脂粉末ポリマーエマルジョンポリマーディスパージョン等を添加してもよい。

0013

セメントには、普通ポルトランドセメントを使用する。なお、セメントは、普通ポルトランドセメントに限定されるものではない。例えば、早期の強度発現を求める場合には、早強ポルトランドセメントまたは超早強ポルトランドセメントを使用することができる。セメントは、混合体(セメント系補修材)1m3当たり1000kg以上、好ましくは1000〜1400kgの範囲内、より好ましくは1100〜1350kgの範囲内、さらにより好ましくは1200〜1280kgの範囲内でセメントを添加する。セメントの添加量が、混合体1m3当たり1000gk未満の場合は、十分な劣化因子遮断性能を確保できなくなるおそれがある。

0014

シリカフュームには、直径0.1〜0.2μm程度のガラス質シリカ球状の超微粒子粉末を使用する。なお、シリカフュームを構成する材料は限定されるものではない。シリカフュームは、硬化後のセメント系補修材の強度と耐久性の向上に寄与し、低水粉体比コントロールにより、セメント系補修材の施工(混練時)の改善に有効である。シリカフュームは、混合体1m3当たり90kg以上、好ましくは90〜280kgの範囲内、より好ましくは120〜250kgの範囲内、さらにより好ましくは130〜180kgの範囲内で添加する。なお、シリカフュームはセメント100質量%に対して5〜20質量%の範囲内で添加するのが望ましい。ここで、シリカフュームの添加量が、混合体1m3当たり90kg未満だと、粘性および材料分離抵抗性が低下するとともに、所定の流動性が確保できなくなる。

0015

石灰石フィラーには、密度が2.7〜2.8g/cm3程度で、CaO(酸化カルシウム)成分が50%以上の石灰石粉末を使用する。石灰石フィラーを添加することにより、セメント系補修材中の空隙が充填されて緻密性が向上し、かつ水和反応の促進による初期強度が向上し、なおかつブリーディングを防止することでひび割れが発生し難くなる。なお、石灰石フィラーとして添加する材料は限定されるものではなく、例えば、純度95%以上で200メッシュ(74ミクロンを85%以上通過する重質炭酸カルシウムを使用してもよい。石灰石フィラーは、混合体1m3当たり280kg以上、好ましくは280〜580kgの範囲内、より好ましくは340〜520kgの範囲内、さらにより好ましくは400〜460kgの範囲内で添加する。石灰石粉末は形状が良好であり、セメントペーストの流動性を改善する効果がある。また、石灰石フィラーは、セメントとシリカフュームの合計の100質量%に対して28〜35質量%添加するのが望ましい。なお、石灰石フィラーの添加量が、混合体1m3当たり280kg未満の場合は、打設時の適度な流動性を確保できないおそれがある。

0016

水には水道水を使用する。なお、水は水道水に限定されるものではなく、例えば、河川水地下水等を浄化したものを使用してもよい。水/結合材比は、流動性や分離抵抗性、硬化後の強度や耐久性から8質量%以上、好ましくは8〜30質量%の範囲内とする。なお、水/結合材比が8質量%未満だと材料(セメント系補修材)を混練出来ないおそれがある。

0017

減水剤には、リグニン系ナフタレンスルホン酸系、メラニン系、ポリカルボン酸系AE減水剤高性能減水剤高性能AE減水剤を用いることができる。減水剤の添加量は、流動性、分離抵抗性、硬化後の強度および緻密性を考慮して、セメント系補修材100質量%に対して、0.3質量%以上、好ましくは0.3〜8.0質量%の範囲内とする。

0018

消泡剤には、リン酸エステル系、シリコン系、ポリアルキレングリコール系ポリオキシアルキレン系等が挙げられる。消泡材の添加量はセメント系補修材100質量%に対して0.1質量%以上、好ましくは0.1〜3.0質量%の範囲内とする。

0019

チクソ剤には、セルロース遅延剤を使用する。なお、チクソ剤を構成する材料は、セメント系補修材のチクソトロピック性を向上させる効果が得られる材料であれば限定されるものではなく、例えば、アクリル増粘剤バイオポリマー系増粘剤等の他の増粘剤や、繊維または粉体等を使用してもよい。チクソ剤は、セメントペーストの容積に対して30g/m3以上、好ましくは30〜50g/m3の割合で添加するのが望ましい。

0020

急硬材(急硬性混和剤)には、例えば、カルシウムアルミネート石膏等を主材としたものを使用することができる。急硬材の添加量は、予定された硬化時間気温季節等に応じて、セメントペーストの容積に対して5kg/m3以上、好ましくは5〜200kg/m3の範囲内で適宜決定する。

0021

補強用繊維には、直径が0.05〜0.3mmの範囲内、長さが0.05〜25mmの範囲内の鋼繊維を使用する。なお、補強用繊維は、鋼繊維に限定されるものではなく、例えば、炭素繊維アラミド繊維ポリオレフィン繊維ビニロン繊維等を使用してもよい。なお、補強用繊維は、長さが0.5〜15mmの短繊維と、長さが10〜30mmの長繊維とを組み合わせて使用するなど、長さの異なる鋼繊維を組み合わせて使用してもよいし、同じ長さ(同等の長さ)の鋼繊維のみを使用してもよい。補強用繊維は、材料全体に対して、300〜480kg/m3の範囲内で添加する。短繊維と長繊維とを組み合わせて使用する場合には、短繊維と長繊維との割合が1:1であるのが望ましいが、短繊維と長繊維との割合は限定されるものではない。

0022

セメント系補修材は、施工現場作業ヤード内に設置したミキサーを利用して、打設のタイミングに合わせて製造する。本実施形態のセメント系補修材の製造方法は、は、図1に示すように、第一混合工程S1、第二混合工程S2、第三混合工程S3を備えている。セメント系補修材は、まず、セメント、シリカフューム、石灰石フィラーからなる結合材と、補強用繊維の半量とを2分以上攪拌混合(空練り)する(第一混合工程S1)。なお、空練りの時間は限定されるものではないが、2〜5分程度行えばよい。次に、水および液状混和剤(減水剤、消泡剤、チクソ剤および急硬材)を加えて10分から20分間混練(本練り)する(第二混合工程S2)。そして、補強用繊維の残量(半量)を加えて2分間混練(仕上げ練り)する(第三混合工程S3)。なお、仕上げ練りの時間は限定されるものではないが、好ましくは2〜5分程度行えばよい。

0023

以上、本実施形態のセメント系補修材は、補強用繊維の半量を加えて空練りするため、予め粉体混合物中に補強繊維が均等に分散された状態でセメントマトリックスを生成することができる。そして、セメントマトリックス中に補強用繊維の半量が均等に分散された状態で、補強用繊維の残量(残りの半分)を投入して混錬するため、補強用繊維が偏り難くなり、材料中の補強用繊維が均等に分散された状態で練り上げることができる。すなわち、水および液状混和剤の投入前と投入後の2回に分けて補強用繊維を投入することで、硬化後の透気係数が小さく、かつ、材料分離性に優れるセメント系材料を製造することができる。

0024

また、セメント系補修材は、骨材を含有していない、いわゆるセメントペーストであるため、水結合材比の管理がしやすい。そのため、現地において高品質に製造することができる。また、大掛かりなプラントを必要としないため、限られた作業スペースしか確保できない場所であっても、セメント系補修材の製造および打設が可能である。また、現地にて製造することで、外部から搬入する手間や費用を省略することができる。セメント系補修材は、骨材を含有していないため、補修材としての強度の管理(設計)がしやすい。すなわち、繊維補強コンクリートや繊維補強モルタルは、骨材部分ペースト部分で強度にばらつきが生じるおそれあるが、セメント系補修材は全体的に均一の品質を確保できる。また、骨材を含有していないため、狭隘部分であっても充填しやすい。

0025

次に、本発明の超緻密性セメント組成物の製造方法により製造したセメント組成物の性能を確認するために実施した実験結果について説明する。実験は、粉体混合物を攪拌混合する空練り時に補強用繊維の半量を投入し、空練り後の材料に水や液状混和剤を添加して混錬する本練り後に補強用繊維の残量を投入して混錬したセメント組成物を利用する。セメント組成物により形成された硬化体の透気性およびセメント組成物中の補強用繊維の分散性について測定した。

0026

(1)透気性
透気性の確認は、セメント組成物により形成した材齢3日の板状の試験体に対して、トレント法によるコンクリートの通気試験を行った。トレント法は、コンクリートの表面にチャンバーを設置して、チャンバー内を負圧にした際の内部の気圧の変化から透気係数を算出する試験法である。本実験では、図2に示すように、縦30cm×横30cm×厚2cmの試験体1を形成し、試験体1の5つの測定箇所(試験体1の中央1a、左上1b、右上1c、左下1dおよび右下1e)において、透気係数の測定を行った。試験は、図3に示すように、平置き状の型枠2(縦30cm×横30cm×深さ2cm)にセメント組成物を打設することより成形した試験体(実施例1−1)と、図4に示すように、縦置き状の型枠3(縦30cm×横2cm×深さ30cm)によりセメント組成物を打設することにより成形した試験体(実施例1−2)について、それぞれ行った。また、比較例として、空練り時に補強用繊維を投入せずに、本練りにより生成されたセメントマトリックスに補強用繊維を後から添加することにより製造されたセメント組成物に対して同様の試験(比較例1−1、比較例1−2)を行った。試験結果を表1に示す。

0027

0028

表1に示すように、平置き状の型枠2に対してセメント組成物を打設した場合の実施例1−1の平均値が0.0027×10−16m2に対して、比較例1−2の平均値は0.0051×10−16m2であった。また、縦置きの型枠3に対して打設した場合の実施例1−2の平均値が0.0056×10−16m2に対して、比較例1−2の平均値は0.0126×10−16m2であった。したがって、空練り時に補強用繊維の半量を投入し、本練り後に補強用繊維の残りの半量を添加することによって、通気性が低い緻密なセメント組成物を製造することができることが確認できた。

0029

(2)分散性
次に、本発明の超緻密性セメント組成物の製造方法により製造したセメント組成物からなる供試体の切断面4を写真撮影して、撮影された画像(図6参照)について、画像解析により補強用繊維が占める面積比率を算出した。本実験では、3つの供試体(実施例2−1,2−2,2−3)について、それぞれ分散性の測定を行った。また、分散性の測定(写真撮影)は、図5に示すように、各供試体の切断面4の5か所(左上4a、左下4b、右下4c、左上4d、中央4e)において行った。そして、各供試体の補強用繊維の面積比率の平均値と標準偏差を算出した。また、比較例として、空練り時に補強用繊維を投入せずに、本練りにより生成されたセメントマトリックスに補強用繊維を後から添加することにより製造されたセメント組成物により三つの供試体(比較例2−1,2−2,2−3)を作成し、各供試体について、同様の試験を行った。試験結果を表2に示す。

0030

0031

表2に示すように、実施例の標準偏差が2.56に対し、比較例では1.34であった。そのため、空練り時に補強用繊維の半量を投入し、本練り後に補強用繊維の残りの半量を添加することによって、補強用繊維が分散されていることが確認できた。

0032

以上、本発明に係る実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
例えば、本発明の超緻密性セメント組成物の製造方法により製造される材料はセメント系補修材に限定されるものではなく、例えば、新設の構造物の被覆材として使用してもよい。また、セメント系補修材の用途は限定されるものではなく、例えば、道路橋梁港湾構造物河川構造物護岸桟橋等)、地下構造物トンネルボックスカルバート等)、ダム等の補修に使用してもよい。

0033

1試験体
2,3型枠
4 切断面
S1 第一混合工程
S2 第二混合工程
S3 第三混合工程

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 太平洋セメント株式会社の「 軽量コンクリートの製造方法」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題】硬化前のコンクリートの経時的な流動性の低下の小さいコンクリートを製造することができる方法を提供する。【解決手段】絶乾状態の軽量粗骨材と、水にパラフィンを分散させてなるパラフィン分散液を混合して... 詳細

  • 太平洋セメント株式会社の「 軽量コンクリートの製造方法」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題】硬化前のコンクリートの経時的な流動性の低下の小さいコンクリートを製造することができる方法を提供する。【解決手段】軽量粗骨材と、水にセルロースエーテルを分散させてなるセルロースエーテル分散液を混... 詳細

  • 株式会社フローリックの「 セメント用添加剤の製造方法」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題】本発明によれば、水和反応の開始時間(凝結時間)が無添加の場合とほぼ同じであり、水和反応による温度上昇の最高到達温度を低下し得るセメント用添加剤の製造方法を提供すること。【解決手段】下記工程(1... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ