図面 (/)
課題
解決手段
概要
背景
概要
異物を挟み込んだ場合でも、型かじりを防止することができる金型を提供する。固定側金型10と、固定側金型10に対して進退可能に設けられる可動側金型20と、固定側金型10及び可動側金型20のうちの一方から突出すように設けられるガイドピン11と、固定側金型10及び可動側金型20のうちの他方に設けられ、可動側金型20の可動時に、ガイドピン11と嵌り合い、当該ガイドピン11に案内されるガイド孔21とを備え、ガイド孔21は、ガイドピン11側が大きくなっている。
目的
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、異物を挟み込んだ場合でも、型かじりを防止することができる金型を提供する
効果
実績
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この技術が所属する分野
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請求項1
固定側金型と、前記固定側金型に対して進退可能に設けられる可動側金型と、前記固定側金型及び前記可動側金型のうちの一方から突出すように設けられるガイドピンと、前記固定側金型及び前記可動側金型のうちの他方に設けられ、前記可動側金型の可動時に、前記ガイドピンと嵌り合い、当該ガイドピンに案内されるガイド孔とを備え、前記ガイド孔は、ガイドピン側が大きいことを特徴とする金型。
請求項2
前記ガイド孔のガイドピン側に設けられるザグリ部を備えることを特徴とする請求項1記載の金型。
請求項3
前記ガイド孔のガイドピン側に設けられるテーパ部を備えることを特徴とする請求項1記載の金型。
請求項4
前記固定側金型は、前記ガイドピンを有し、前記可動側金型は、前記ガイド孔を有することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の金型。
技術分野
背景技術
0002
割型式の射出成型用金型は、型閉じ及び型開きの型開閉動作に伴って摺動する摺動部を有している。この摺動部には、負荷がかかるため、耐摩耗性の向上が図られている。例えば、特許文献1には、摺動部に対して、めっき及び蒸着等の被覆処理を施して、高硬度化を図るようにした射出成型用金型が開示されている。
先行技術
発明が解決しようとする課題
0004
射出成型用金型では、型開閉動作時に、摺動部の周辺で異物を挟み込んでしまうと、摺動部が変形して破損する「型かじり」が発生する場合がある。このような型かじりが発生した場合には、射出成型用金型を分解して、修理する必要がある。更に、射出成型用金型を修理した後には、当該射出成型用金型を射出成形機に取り付け、成形条件を再調整する必要があり、手間のかかる作業を強いられる。
0005
特許文献1に開示された射出成型用金型では、型かじりに対する対策が採られていない。このため、特許文献1に開示された射出成型用金型では、エアブロー等によって異物を除去する必要があり、生産性の低下を招くおそれがある。
0006
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、異物を挟み込んだ場合でも、型かじりを防止することができる金型を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
0007
この発明に係る金型は、固定側金型と、固定側金型に対して進退可能に設けられる可動側金型と、固定側金型及び可動側金型のうちの一方から突出すように設けられるガイドピンと、固定側金型及び可動側金型のうちの他方に設けられ、可動側金型の可動時に、前記ガイドピンと嵌り合い、当該ガイドピンに案内されるガイド孔とを備え、ガイド孔は、ガイドピン側が大きいことを特徴とするものである。
発明の効果
0008
この発明によれば、異物を挟み込んだ場合でも、型かじりを防止することができる。
図面の簡単な説明
0009
実施の形態1に係る金型の構成を示した断面図である。図1Aは金型内に異物が付着した状態を示した図である。図1Bは金型が異物を挟み込んだ状態を示した図である。
従来の金型の構成を示した断面図である。図2Aは金型内に異物が付着した状態を示した図である。図2Bは金型が異物を挟み込んだ状態を示した図である。図2Cは金型が異物の挟み込みによって変形する様子を示した図である。
実施の形態2に係る金型の構成を示した断面図である。図3Aは金型内に異物が付着した状態を示した図である。図3Bは金型が異物を挟み込んだ状態を示した図である。
実施例
0010
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
0012
実施の形態1に係る金型は、例えば、射出成型用金型である。この金型は、固定側金型10及び可動側金型20を備えている。固定側金型10は、固定されており、可動側金型20は、固定側金型10に対して、進退可能に取り付けられている。このように、金型は、固定側金型10に対して、可動側金型20を進退させることにより、型閉じ及び型開きの型開閉動作が可能となる。
0014
可動側金型20は、円形状をなすガイド孔21を有している。このガイド孔21は、可動側金型20の可動時に、ガイドピン11と嵌り合い、当該ガイドピン11に案内される。これにより、可動側金型20は、ガイド孔21がガイドピン11に案内されることにより、固定側金型10との間の位置合せが行われた状態で、固定側金型10に対して進退可能に移動する。
0015
更に、ガイド孔21は、ガイドピン11側が大きくなっている。このガイド孔21の大きい部分は、ザグリ部22によって形成されている。ザグリ部22の径寸法及び深さ寸法は、想定される異物30の大きさ及び形状に応じて、適宜調整されている。
0017
ここで、図1Aの例では、異物30は、固定側金型10の合わせ面におけるガイドピン11の周囲に付着している。この状態から、金型によって成形品を成形しようとすると、図1Bに示すように、異物30は、固定側金型10と可動側金型20との間に挟み込まれてしまう。このように、異物30が挟み込まれると、その異物30の大きさに対応して、ザグリ部22の一部分が、その内側に向けて突出するように変形する。このザグリ部22の変形部分22aは、当該ザグリ部22の内周面がガイド孔21の内周面の外側に位置しているため、ガイドピン11に接触することはない。
0018
これにより、金型は、ガイド孔21にザグリ部22を設けることにより、ガイドピン11とガイド孔21との間のクリアランス精度を維持したままの状態で、異物30の挟み込みに起因した型かじりを、防止することができる。
0019
これに対して、従来の金型について、図2を用いて説明する。図2Aは、金型内に異物30が付着した状態を示した図である。図2Bは、金型が異物30を挟み込んだ状態を示した図である。図2Cは、金型が異物30を挟み込んだ状態を示した図である。この図2Aから図2Cに示した従来の金型は、ガイド孔21にザグリ部22を有していない金型である。
0020
ここで、図2Aの例では、固定側金型10の合わせ面におけるガイドピン11の周囲に付着している。この状態から、金型によって成形品を成形しようとすると、図2Bに示すように、異物30は、固定側金型10と可動側金型20との間に挟み込まれて潰される。このように、異物30が潰され始めると、その異物30の大きさに対応して、ガイド孔21におけるガイドピン11側の一部分が、その内側に向けて突出するように変形し始める。そして、図2Cに示すように、ガイド孔21の変形部分21aは、ガイドピン11に接触してしまう。このように、従来の金型は、ガイド孔21にザグリ部22を有していないため、異物30の挟み込みに起因した型かじりを、防止することができない。
0022
また、実施の形態1に係る金型においては、固定側金型10にガイドピン11を設け、可動側金型20にガイド孔21を設けているが、この構成に限定されることはなく、固定側金型10にガイド孔21を設け、可動側金型20にガイドピン11を設けても構わない。
0023
以上より、実施の形態1に係る金型は、固定側金型10と、固定側金型10に対して進退可能に設けられる可動側金型20と、固定側金型10及び可動側金型20のうちの一方から突出すように設けられるガイドピン11と、固定側金型10及び可動側金型20のうちの他方に設けられ、可動側金型20の可動時に、ガイドピン11と嵌り合い、当該ガイドピン11に案内されるガイド孔21とを備え、ガイド孔21は、ガイドピン11側が大きくなっている。これにより、金型は、異物30を挟み込んだ場合でも、型かじりを防止することができる。
0024
また、金型は、ガイド孔21のガイドピン11側に設けられるザグリ部22を備えている。このザグリ部22は、容易な機械加工となるザグリ加工によって形成されるため、金型は、ガイドピン11とガイド孔21との間のクリアランス精度を維持したままの状態で、異物30の挟み込みに起因した型かじりを、防止することができる。
0026
実施の形態2に係る金型は、実施の形態1に係るガイド孔21のザグリ部22に替えて、テーパ部23を備えている。このため、実施の形態2に係る金型については、実施の形態1に係る金型と共通する部分の説明を省略する。
0027
ガイド孔21は、ガイドピン11側が大きくなっている。このガイド孔21の大きい部分は、テーパ部23によって形成されている。テーパ部23の径寸法及び深さ寸法は、想定される異物30の大きさ及び形状に応じて、適宜調整されている。
0028
ここで、図3Aの例では、異物30は、固定側金型10の合わせ面におけるガイドピン11の周囲に付着している。この状態から、金型によって成形品を成形しようとすると、図3Bに示すように、異物30は、固定側金型10と可動側金型20との間に挟み込まれてしまう。このように、異物30が挟み込まれると、その異物30の大きさに対応して、テーパ部23の一部分が、その内側に向けて突出するように変形する。このテーパ部23の変形部分23aは、当該テーパ部23の内傾斜面がガイド孔21の内周面の外側に位置しているため、ガイドピン11に接触することはない。
0029
これにより、金型は、ガイド孔21にテーパ部23を設けることにより、ガイドピン11とガイド孔21との間のクリアランス精度を維持したままの状態で、異物30の挟み込みに起因した型かじりを、防止することができる。
0030
以上より、実施の形態2に係る金型は、固定側金型10と、固定側金型10に対して進退可能に設けられる可動側金型20と、固定側金型10及び可動側金型20のうちの一方から突出すように設けられるガイドピン11と、固定側金型10及び可動側金型20のうちの他方に設けられ、可動側金型20の可動時に、ガイドピン11と嵌り合い、当該ガイドピン11に案内されるガイド孔21とを備え、ガイド孔21は、ガイドピン11側が大きくなっている。これにより、金型は、異物30を挟み込んだ場合でも、型かじりを防止することができる。
0031
また、金型は、ガイド孔21のガイドピン11側に設けられるテーパ部23を備えている。このテーパ部23は、容易な機械加工となるテーパ加工によって形成されるため、金型は、ガイドピン11とガイド孔21との間のクリアランス精度を維持したままの状態で、異物30の挟み込みに起因した型かじりを、防止することができる。
0033
なお、本願発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは、各実施の形態における任意の構成要素の変形、もしくは、各実施の形態における任意の構成要素の省略が可能である。
0034
10固定側金型
11ガイドピン
20可動側金型
21ガイド孔
21a変形部分
22ザグリ部
22a 変形部分
23テーパ部
23a 変形部分
30 異物