図面 (/)
課題
解決手段
シート状材料の背割り加工装置100は、第1辺及び該第1辺と交差する方向の第2辺を含む第1シートPBと該第1シートに接着剤を介して貼り合わせた第2シートPFとを含むシート材料PPを、第1辺の方向に送り出す送り部と、送り部により送られるシート状材料を第1辺の方向に背割り加工する刃体310と、刃体の上流側でシート状材料を挟み込む一対の第1ローラー部350,352とを有する背割り加工部30と、一対の第1ローラー部350、352のさらに上流側で、シート状材料を挟み込む第2ローラー部と、を備える。そして第1ローラー部及び第2ローラー部でシート状材料の反りを無くして、第2シートPFを背割りして第1シートPBを背割りしない。
概要
背景
ロール状の粘着シートの剥離シートのみを背割り加工(又はスリット加工)する方式として、面基材と剥離シートとが貼り合わさったままで連続的に送り出し、固定刃又は回転刃を剥離シート側から押しつけて背割り加工する方式がある。この方式では粘着剤の厚みの変化による面基材もしくは剥離シートの上下動又は支えロールの粘着シートの振れ等が原因で正確に剥離シートのみを背割り加工するのが難しい。また多数の並列刃で多条に背割れ加工する場合にも各刃物において均一な深さに背割り加工することが極めて難しく、更には回転刃を使用する場合には、その製作に置いても精度の良い真円の回転刃の制作は極めて難しく、そのため回転刃を使用して高精度に背割り深さを調節するのは難しいという問題がある。
特にロール状の粘着シートでは、送り側と巻取側とで粘着シートが引張力して保持されているため、粘着シートの一部が反ったり丸まったりすることがないが、A4サイズ等の1枚ずつの粘着シートの場合には、接着シートの一部が丸まっていたり反ったりする。この状態で、固定刃又は回転刃を剥離シート側から押しつけて背割り加工すると、シート状材料の辺からの背割りの位置(Y軸方向)が一定せず、剥離シートに背割り加工ができていなかったり、面基材及び剥離シートの両方が切断されてしまったりする問題がある。
概要
第1シートを切断せず、第2シートに背割れを入れることができる背割り加工装置を提供する。シート状材料の背割り加工装置100は、第1辺及び該第1辺と交差する方向の第2辺を含む第1シートPBと該第1シートに接着剤を介して貼り合わせた第2シートPFとを含むシート材料PPを、第1辺の方向に送り出す送り部と、送り部により送られるシート状材料を第1辺の方向に背割り加工する刃体310と、刃体の上流側でシート状材料を挟み込む一対の第1ローラー部350,352とを有する背割り加工部30と、一対の第1ローラー部350、352のさらに上流側で、シート状材料を挟み込む第2ローラー部と、を備える。そして第1ローラー部及び第2ローラー部でシート状材料の反りを無くして、第2シートPFを背割りして第1シートPBを背割りしない。
目的
特開平9−117894号公報
そこで、1枚ずつのシート状材料であっても、第1シートを切断せず、第2シートに背割れを入れることができる背割り加工装置を提供する
効果
実績
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請求項1
第1辺及び該第1辺と交差する方向の第2辺を含む第1シートと該第1シートに接着剤を介して貼り合わせた第2シートとを含むシート材料を、前記第1辺の方向に送り出す送り部と、前記送り部により送られる前記シート状材料を前記第1辺の方向に背割り加工する刃体と、前記刃体の上流側で前記シート状材料を挟み込む一対の第1ローラー部と、を有する背割り加工部と、前記一対の第1ローラー部のさらに上流側で、前記シート状材料を挟み込む第2ローラー部と、を備え、前記第1ローラー部及び前記第2ローラー部で前記シート状材料の反りを無くして、前記第2シートを背割りして前記第1シートを背割りしない、シート状材料の背割り加工装置。
請求項2
請求項3
前記刃体の上流側に配置され、前記シート状材料を弾性力で押さえる第2板バネ材を備える、請求項1又は請求項2に記載のシート状材料の背割り加工装置。
請求項4
前記第2板バネ材は、前記第1辺の方向に離間して配置された上流側第2板バネ材と下流側第2板バネ材とを含み、前記上流側第2板バネ材と前記下流側第2板バネ材とは、側面方向から見て異なる角度に形成されている請求項3に記載のシート状材料の背割り加工装置。
請求項5
前記背割り加工部は、前記第1辺及び前記第2辺と交差する法線方向の前記刃体の高さを調整する高さ調整部とを有する、請求項1からら請求項4のいずれか一項に記載のシート状材料の背割り加工装置。
請求項6
前記背割り加工部は、前記第2辺の方向に伸びる刃体用シャフトと、前記刃体用シャフトに沿って移動可能であり、前記刃体の前記第2辺の方向の位置を調整する幅位置調整部と、前記幅位置調整部が前記法線方向に移動することを抑止させる抑止機構と、を有する、請求項5に記載のシート状材料の背割り加工装置。
請求項7
前記刃体は、前記シート状材料を回転しながら背割り加工する回転刃体を含む、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のシート状材料の背割り加工装置。
請求項8
技術分野
背景技術
0002
ロール状の粘着シートの剥離シートのみを背割り加工(又はスリット加工)する方式として、面基材と剥離シートとが貼り合わさったままで連続的に送り出し、固定刃又は回転刃を剥離シート側から押しつけて背割り加工する方式がある。この方式では粘着剤の厚みの変化による面基材もしくは剥離シートの上下動又は支えロールの粘着シートの振れ等が原因で正確に剥離シートのみを背割り加工するのが難しい。また多数の並列刃で多条に背割れ加工する場合にも各刃物において均一な深さに背割り加工することが極めて難しく、更には回転刃を使用する場合には、その製作に置いても精度の良い真円の回転刃の制作は極めて難しく、そのため回転刃を使用して高精度に背割り深さを調節するのは難しいという問題がある。
0003
特にロール状の粘着シートでは、送り側と巻取側とで粘着シートが引張力して保持されているため、粘着シートの一部が反ったり丸まったりすることがないが、A4サイズ等の1枚ずつの粘着シートの場合には、接着シートの一部が丸まっていたり反ったりする。この状態で、固定刃又は回転刃を剥離シート側から押しつけて背割り加工すると、シート状材料の辺からの背割りの位置(Y軸方向)が一定せず、剥離シートに背割り加工ができていなかったり、面基材及び剥離シートの両方が切断されてしまったりする問題がある。
先行技術
0004
特開平9−117894号公報
発明が解決しようとする課題
0005
そこで、1枚ずつのシート状材料であっても、第1シートを切断せず、第2シートに背割れを入れることができる背割り加工装置を提供する。
課題を解決するための手段
0006
本実施形態のシート状材料の背割り加工装置は、第1辺及び該第1辺と交差する方向の第2辺を含む第1シートと該第1シートに接着剤を介して貼り合わせた第2シートとを含むシート材料を第1辺の方向に送り出す送り部と、送り部により送られるシート状材料を第1辺の方向に背割り加工する刃体と、刃体の上流側でシート状材料を挟み込む一対の第1ローラー部とを有する背割り加工部と、一対の第1ローラー部のさらに上流側で、シート状材料を挟み込む第2ローラー部とを備える。そして第1ローラー部及び第2ローラー部でシート状材料の反りを無くして、第2シートを背割りして第1シートを背割りしない。
0007
また本実施形態では、背割り加工部は、刃体の第2辺の方向に配置され、シート状材料を弾性力で押さえる第1板バネ材を有する。そしてシート状材料の背割り加工装置は、さらに刃体の上流側に配置されシート状材料を弾性力で押さえる第2板バネ材を備えることが好ましい。
0008
また第2板バネ材は、第1辺の方向に離間して配置された上流側第2板バネ材と下流側第2板バネ材とを含み、上流側第2板バネ材と下流側第2板バネ材とは、側面方向から見て異なる角度に形成されることが好ましい。また背割り加工部は、第1辺及び第2辺と交差する法線方向の刃体の高さを調整する高さ調整部とを有することが好ましい。
0009
背割り加工部は、第2辺の方向に伸びる刃体用シャフトと、刃体用シャフトに沿って移動可能であり、刃体の第2辺の方向の位置を調整する幅位置調整部と、幅位置調整部が法線方向に移動することを抑止させる抑止機構と、を有することが好ましい。刃体は、シート状材料を回転しながら背割り加工する回転刃体を含んでも良い。
0010
本実施形態のシート状材料の背割り加工装置は、送り出し部の上流に配置されシート状材料を複数枚重ね合わせた状態から一枚ずつ取り出して送り出し部に1枚のシート状材料を給紙する給紙部と、剥離シートが背割り加工された後の複数のシート状材料を集積する集積部と、を備えることが好ましい。
図面の簡単な説明
0011
本実施形態であるシート状材料の背割り加工装置の斜視概念図である。
(A)は、図1に示される背割り加工装置の平面図である。(B)は、背割り加工装置の側面図である。
(A)は背割り加工部の平面図、(B)は背割り加工部の透視側面図である。
(A)は複数の板バネ材及び第2ローラー部がシート状材料PPを押さえている面積を示した概念平面図である。(B)は、板バネ材及び第2ローラー部を拡大した側面図である。
発明を実施するための最良の形態
0012
以下、図面を参照して、シート状材料PPに背割り加工する本実施形態を説明する。図1から図4において、上流から下流の方向をX軸とし、X軸に直交する方向をY軸方向とする。つまり、シート状材料PPはX軸方向に伸びる第1辺とY軸方向に伸びる第2辺とを有する。またシート状材料PPの法線方向をZ軸方向とする。
0013
<背割り加工装置100の構成>
図1は本実施形態であるシート状材料PPの背割り加工装置100の概念斜視図である。上流から下流への方向に矢印が示されている。背割り加工装置100は、複数枚のシート状材料PPに背割り加工する装置である。図1に示されたように、背割り加工装置100は、大きく分けて4つの部分に大別される。背割り加工装置100は、複数枚重ね合わせられたシート状材料PPから一枚ずつシート状材料PPを給紙する給紙部10と、一枚のシート状材料PPをアライメントするアライメントテーブル20と、背割り加工部30と、一枚のシート状材料PPを重ね合わせて所定枚数の束のシート状材料PPに集積する集積部40とを備える。
0014
シート状材料PPは、給紙部10から抜き出されたシート状材料PPに示されるように、面基材PBと剥離シートPFとからなる。面基材PB及び剥離シートPFは、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレンやポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニルなどのプラスチックからなるフィルムが挙げられ、単層であってもよいし、同種又は異種の2層以上の多層であってもよい。面基材PBとしては、上記のようなフィルム以外にも、グラシン紙、クレーコート紙、樹脂コート紙、ラミネート紙(ポリエチレンラミネート紙、ポリプロピレンラミネート紙等)のような紙、あるいは不織布、金属箔等を用いることもできる。
0015
一枚のシート状材料PPの第1辺及び第2辺の長さは多様であり、例えばハガキサイズの大きさからA1サイズの大きさである。面基材PB及び剥離シートPFの厚さは、10μm〜400μmであればよく、好ましくは50μm〜200μmである。シート状材料PPは絆創膏、湿布用シート、プラスター剤シート、熱さましシート又は印刷シート等の多様の用途に使用される。面基材PBと剥離シートPFとの間には、剥離剤組成物からなる剥離剤層が形成されている。本実施形態における剥離剤組成物は、付加反応型シリコーン樹脂などが使用される。剥離剤層は数μm〜数十μmである。
0016
背割り加工部30は図3を使って詳述するが、図1に示されている部材について簡単に説明する。背割り加工部30は、剥離シートPFを背割りする回転刃体310が3つ描かれているが、例えば10枚の回転刃体310が設けされていても良い。集積部40のシート状材料PPから理解されるように、この回転刃体310は剥離シートPFを背割りし、面基材PBを背割りしない。回転刃体310の下側(−Z軸側)には、支持ローラー330が配置されている。この支持ローラー330は上流から下流へシート状材料PPを移送するとともに、シート状材料PPの下面、すなわち面基材PBの下面の基準高さを出して、剥離シートPFのみが背割りされるようにしている。
0017
図1において、背割り加工部30は、回転刃体310の上流に一対の第1ローラー部350,352を有している。第1ローラー部350,352は、上流から下流へシート状材料PPを移送するとともに、シート状材料PPの生じる反りを抑える。また背割り加工部30は、図1では回転刃体310の下流に第3ローラー部370を有している。図2又は図3で示されるように、第3ローラー部は370,372の一対であり、第3ローラー部370,372も、上流から下流へシート状材料PPを移送するとともに、シート状材料PPの生じる反りを抑える。第1ローラー部350,352及び第3ローラー部370,372は、背割り加工部30の幅(Y軸方向)に伸びたローラーである。
0018
図2(A)は、図1に示される背割り加工装置100の平面図である。図2(B)は、背割り加工装置100の側面図である。給紙部10、アライメントテーブル20、背割り加工部30、及び集積部40は、それぞれの主要な構成を描いており、また図2(B)の側面図は、本来ならカバー類で見えない部材についても、理解を助けるため透視的に描いている。
0019
給紙部10は、図2(B)に示されるように、シート状材料PPが一枚ずつ重ね合わせられ例えば数百枚の束としてエレベータ12内に据えられる。またエレベータ12は、シート状材料PPの第2辺の方向(Y軸方向)の位置合わせ幅調整部14を有する。幅調整部14は、手動もしくは自動でシート状材料PPの第2辺の方向を位置合わせするため移動可能となっており、異なる種類のシート状材料PPの幅寸法に応じて位置調整できるようになっている。エレベータ12は、幅寸法が調整されたシート状材料PPをフィードローラーの高さに上昇させる。
0020
図2(B)に示されるように、給紙部10のフィードローラー16は不図示のモータにより回転駆動されることにより、回転自在に設けられた従動ローラーとの間に送り込まれた1枚のシート状材料PPを正確に移送することができる。また、フィードローラー16及び従動ローラー以外に補助ローラー等が設置されていてもよい。不図示のモータは、例えばステッピングモータが使用され、シート状材料PPの送り量に応じたローラーの回転角だけパルス駆動される。給紙部10のフィードローラー16は、1枚ずつシート状材料PPをアライメントテーブル20に給紙する。
0021
アライメントテーブル20は、シート状材料PPを送り出す送り部であり、シート状材料PPの移送路となるテーブル21を有している。そのテーブル21の−Y軸側(図2(A)の下側)に、シート状材料PPの第1辺の位置決め部材としてのサイド基準ガイド22が設けられている。サイド基準ガイド22はシート状材料PPの第1辺と対向するガイド面23を有している。このガイド面23は、シート状材料PPの移送方向(+X軸方向)と平行をなすように配置されている。なお、給紙部10から給紙されたシート状材料PPの第1辺は、ガイド面23から+Y軸側に数mmから数十mm離れて給紙されている。
0022
図2(B)に示されるように、テーブル21の下側(−Z軸方向)には移送ベルトBTが上流側から下流側まで配置されている。移送ベルトBTは、上流ベルトローラー24及び上流ベルトローラー25で、不図示のモータ動力で回転するように構成されている。
0023
アライメントテーブル20は、移送ベルトBTの上に幅寄せ部26を有している。図2(A)に示されるように、幅寄せ部26は上流側から下流に向けて斜めに配置されており、幅寄せ部26の下流側の先端は、サイド基準ガイド22のガイド面23に近接又は接するように配置される。幅寄せ部26は、例えばY軸方向に1列又は複数列(図2(A)では2列)で、その上流側から下流側に複数の移送ボール27を所定の間隔で設けている。これらの移送ボール27は、所定の重さがあるガラスボール、プラスチックボール、ゴムボール等での球体によって構成される。移送ボール27は図示しないボール受け部材を用いて任意の方向に自由に回転し得る状態で支持されている。また、ボール受け部材で支持された状態では、移送ボール27の中心が常に一定の位置に保持されるようになっている。これらの移送ボール27は、シート状材料PPの移送路上でシート状材料PPに+X軸方向及び−Y軸方向の移送力を付与する。すなわち、アライメントテーブル20の上流で、ガイド面23から+Y軸側に数mmから数十mm離れて給紙されたシート状材料PPの第1辺が、アライメントテーブル20の下流でガイド面23に接してアライメントされている。そして、アライメントされたシート状材料PPが背割り加工部30に移送される。
0024
背割り加工部30は、シート状材料PPの剥離シートPFのみが背割りされる。背割りされたシート状材料PPは、集積部40に移送される。図2に描かれた背割り加工部30の符号は、図3を使って説明される。
0025
集積部40は、背割りされたシート状材料PPが一枚ずつ重ね合わせられ例えば数百枚の束としてエレベータ42内に集積される。またエレベータ42は、シート状材料PPの第2辺の方向(Y軸方向)の位置合わせ幅調整部44を有する。幅調整部14は、手動もしくは自動でシート状材料PPの第2辺の方向を位置合わせするため移動可能となっており、異なる種類のシート状材料PPの幅寸法に応じて位置調整できるようになっている。また図示しないが、集積部40は設定した所定枚数毎に付箋を付けていく付箋機能などを有していても良い。エレベータ42は、背割りされたシート状材料PPが集積されるごとに下降していく。
0026
<背割り加工部30の構成>
図3(A)は背割り加工部30及びアライメントテーブル20の一部の平面図、図3(B)は背割り加工部30及びアライメントテーブル20の一部の透視側面図である。一点鎖線で示されたY軸方向の幅が、最大のシート状材料PPの幅寸法になる。
0027
まず、回転刃体310を支える構造について説明する。図3(B)に示されるように、回転刃体310はZ軸方向に伸びる刃体支持部319によって回転できるように支えられている。刃体支持部319は、その上側(シート状材料PPの法線方向:Z軸方向)に回転刃体310の高さを調整する高さ調整部318を有している。高さ調整部318は、精密なねじ機構を使って、ねじの回転角をZ軸方向の変位に換えて高さを調整することができ、本実施形態で一目盛り5μm又は10μm単位で調整できる。高さ調整部318は、幅位置調整部314で支えられている。なお、例えば厚さ100μmのシート状材料PPに対して回転刃体310を使用しない場合には、高さ調整部318で例えば1mm上側(+Z軸側)に調整すれば、回転刃体310がシート状材料PPに接することがない。
0028
背割り加工部30は、躯体315に取り付けられたY軸方向に伸びる刃体用シャフト313を有している。幅位置調整部314は、この刃体用シャフト313に沿ってY軸方向に移動可能であり、回転刃体310のY軸方向の位置を調整することができる。図3(A)及び(B)に示されるように、背割り加工部30は、一対の躯体315に刃体用シャフト313が2本設けられており、それぞれの刃体用シャフト313に3個ずつ幅位置調整部314が取り付けられている。つまり、背割り加工部30は、6個の回転刃体310が用意されている。なお、刃体用シャフト313が1本でもよく、また一本の刃体用シャフト313に取り付けられる幅位置調整部314は3個に限られず1個でも7個でも良い。
0029
また躯体315には、Y軸方向に伸びる梁材312が配置されている。この梁材312には、Y軸方向に移動可能な締め付けボルト316が幅位置調整部314と同じ数だけ用意されている。抑止機構である締め付けボルト316は、+Z軸方向から−Z軸方向へ幅位置調整部314を締め付け、幅位置調整部314が+Z軸方向に変位することを抑制している。回転刃体310に、厚めのシート状材料PPが上流から入ってきた際、もしくは剥離シートPFが回転刃体310で容易に切れない際に、回転刃体310に+Z軸方向の大きな圧力がかかることがある。そのような場合に幅位置調整部314が+Z軸方向に変位してしまい、剥離シートPFの一部もしくは全部が切れなくなることがある。そこで、幅位置調整部314の+Z軸方向の変位を抑止する抑止機構を用意している。
0030
図3(B)に示されるように、背割り加工部30は、回転刃体310の上流側に一対の第1ローラー部350,352を有している。また背割り加工部30は、回転刃体310の下流側に一対の第3ローラー部370,372を有している。それぞれシート状材料PPを移送するとともに、シート状材料PPの生じる反りを抑えている。
0031
図3(B)に示されるように、第1ローラー部350,352の上流側に、シート状材料PPを挟み込むローラー340と、そのローラー340に対向しY軸方向に移動可能な第2ローラー部342とが配置されている。図3(A)に示されるように、本実施形態では3つの第2ローラー部342が配置されている。第2ローラー部342はローラー支持部344で支持され、ローラー支持部344がローラー用シャフト346に沿ってY軸方向に移動可能である。ローラー340及び第2ローラー部342は、シート状材料PPを移送するとともに、反りが生じやすいシート状材料PPの領域を押さえている。
0032
<板バネ材の構成>
面基体と剥離シートとからなるロール状材料の粘着シートに背割りを入れる際には、給紙側と巻取側ともロール状であるため、給紙側と巻取側との間でロール状材料が引張されている。このため刃体と接するロール状材料には反りが生じたり丸まったりすることがない。このため、剥離シートの厚さ(Z軸方向)が50μmであれば、刃体の高さ(Z軸方向)を50μm+α(剥離剤層の厚さ以内)に調整すれば、剥離シートのみに背割りを入れることが容易である。しかし、一枚ずつのシート状材料PPは引張されていないため、一部が丸まっていたり反ったりすることがある。例えばその反りの高さ(Z軸方向)が例えば100μmあると、剥離シートPF及び面基材PBが切断されてしまう。
0033
一方、本実施形態のように一枚ずつ移送されるシート状材料PPは、上述したように複数のローラーでシート状材料PPの反りや丸みを抑えても、数十μmの反りや丸みが生じてしまう。そこで本実施形態では、移送用のローターと板バネ材32,35,36とによって引張力を与えて、シート状材料PPが反ったりしないようにしている。つまり、回転するローラーではシート状材料PPにX軸方向の引張力を与えることができないが、板バネによってシート状材料PPに引張力を与え、反りや丸みを抑えることができる。反りや丸みが無くなると、シート状材料PPの第1辺からの距離(Y軸方向)も一定し、剥離シートPFの所定の位置に背割れを入れることができる。なお、後述する板バネの材料は、リボン鋼、ベイナイト鋼、ステンレス鋼などが使用でき、特に材料に制限はない。
0034
背割り加工部30は、回転刃体310の±Y軸方向に配置され、シート状材料PPを弾性力で押さえる第1板バネ材32を有する。第1板バネ材32は、第3ローラー部は370,372で下流に移送されるシート状材料PPに上流から弾性力を与えることで、シート状材料PPに引張力を与え、シート状材料PPの反りや丸みを抑える。第1板バネ材32は、第1板バネ支持部348で支えられており、躯体315に配置されY軸方向に伸びる梁材326(図4を参照)に移動可能に固定される。図3(A)に示されるように、本実施形態では4つの第1板バネ材32が配置されている。そして、適切なY軸方向の位置に第1板バネ材32が移動したら、第1板バネ支持部348を梁材326にネジなどの締結部329で固定する。またシート状材料PPのX軸方向又はY軸方向の長さによっては、必ずしも4つの第1板バネ材32すべてを使用する必要はない。このため、第1板バネ支持部348は不図示の高さ調整機構を有しており、高さ調整機構は第1板バネ材32を例えば2mm+Z軸方向に移動させて、第1板バネ材32を使用しない状態にすることができる。
0035
アライメントテーブル20は、回転刃体310の上流に配置され、シート状材料PPを弾性力で押さえる第2板バネ材35及び第2板バネ材36を有する。説明上、第2板バネ材35を下流側第2板バネ材35と呼び、第2板バネ材36を上流側第2板バネ材36と呼ぶ。本実施形態ではアライメントテーブル20が、下流側第2板バネ材35及び上流側第2板バネ材36を有しているが、背割り加工部30が下流側第2板バネ材35及び上流側第2板バネ材36を有していてもよい。
0036
下流側第2板バネ材35及び上流側第2板バネ材36は、第1ローラー部は350,352及び第2ローラー部342で下流に移送されるシート状材料PPに上流から弾性力を与えることで、シート状材料PPに引張力を与え、シート状材料PPの反りや丸みを抑える。下流側第2板バネ材35は、下流側第2板バネ支持部358で支えられており、下流側第2板バネ支持部358は、Y軸方向に伸びるシャフト356に移動可能に固定される。図3(A)に示されるように、本実施形態では2つの下流側第2板バネ材35が配置されているが、下流側第2板バネ支持部358はシャフト356に対して着脱自在であり、シート状材料PPのX軸方向又はY軸方向の長さによって1つでもよく3以上でもよい。上流側第2板バネ材36は、上流側第2板バネ支持部368で支えられており、上流側第2板バネ支持部368は、Y軸方向に伸びるシャフト366に移動可能に固定される。図3(A)に示されるように、本実施形態では2つの上流側第2板バネ材36が配置されているが、上流側第2板バネ支持部368はシャフト366に対して着脱自在であり、1つでもよく3つ以上でもよい。
0037
さらに図4を使って板バネ材の構成について説明する。図4(A)は、板バネ材32,35,36及び第2ローラー部342がシート状材料PPを押さえている面積を示した概念平面図である。図4(A)の回転刃体310は、刃体の直径を示しており切断面積を示していない。図4(B)は、板バネ材32,35,36及び第2ローラー部342の側面図である。図4(A)及び(B)において、シート状材料PPは例えばA4サイズで、二点鎖線で描かれている。
0038
まず図4(B)に示される板バネ材32,35,36について説明する。第1板バネ材32は、シート状材料PPの法線方向に伸びる鉛直部321と、鉛直部321から40度から50度に曲げられた折り曲げ部322と、折り曲げ部322から曲げられてシート状材料PPの接する接面部323と、からなる。第1板バネ材32は、鉛直部321と接面部323とから構成されても良いが、厚いシート状材料PPが上流から下流に流れてきた際に、鉛直部321と衝突してしまわないように折り曲げ部322が設けられている。図4(B)では折り曲げ部322が直線状であるが丸みを帯びた曲線状であってもよい。鉛直部321は、シート状材料PPに対する角度R1が90度である。接面部323は、X軸方向に回転刃体310の切断位置と重複することが好ましい。第1板バネ材32の幅(Y軸方向)は、約10mmから70mm程度であり、接面部323の長さ(X軸方向)は、約20mmから80mm程度である。
0039
下流側第2板バネ材35は、シート状材料PPに対して角度R2の方向に伸びる斜面部351と、斜面部351から曲げられてシート状材料PPの接する接面部353と、からなる。角度R2は例えば40度から70度である。下流側第2板バネ材35の幅(Y軸方向)は、約10mmから70mm程度であり、接面部353の長さ(X軸方向)は、約20mmから80mm程度である。
0040
上流側第2板バネ材36は、シート状材料PPに対して角度R3の方向に伸びる斜面部361と、斜面部361から曲げられてシート状材料PPの接する接面部363と、からなる。角度R3は例えば20度から40度である。上流側第2板バネ材36の幅(Y軸方向)は、約10mmから70mm程度であり、接面部353の長さ(X軸方向)は、約20mmから80mm程度である。なお、下流側第2板バネ材35の接面部353と上流側第2板バネ材36の接面部363とを比べると、上流側第2板バネ材36の接面部363の面積が大きい方が好ましい。斜面部361の角度R3が斜面部351の角度R2よりも小さいため、上流から下流に移送されるシート状材料PPに摩擦力を与えやすくするためである。
0041
また図4(A)に示されるように、第1板バネ材32の接面部323と、下流側第2板バネ材35の接面部353と、上流側第2板バネ材36の接面部363とが、互いにY軸方向に重ならない方が好ましい。特に、下流側第2板バネ材35の接面部353と上流側第2板バネ材36の接面部363とが完全にY軸方向に重ならないようにすることが好ましい。Y軸方向に完全に重なってしまうと、上流側第2板バネ材36により引張力が働かなくなるからである。
0042
図4(A)では、第2ローラー部342の接面位置が、第1板バネ材32の接面部323、下流側第2板バネ材35の接面部353、又は上流側第2板バネ材36の接面部363に、Y軸方向に重ならっていない。しかし、第2ローラー部342の接面位置が、これら板バネ材と重なっていても良い。
0043
<背割り加工装置100の動作>
次に、再び図1及び図2を使って本実施形態の動作を説明する。シート状材料PPの背割り加工装置100を使用して剥離シートPFに背割れを入れる場合には、束ねられたシート状材料PPが臼歯部10にセットされる。不図示の制御部で設定された移送速度でフィードローラー16が回転駆動され、補助ローラー等により補助されつつ、シート状材料PPが矢印方向に移送され、アライメントテーブル20上に移動する。そして、アライメントテーブル20で、シート状材料PPの第1面がアライメントされる。そして背割り加工部30の回転刃体310に、板バネ材でシート状材料PPが引張された状態で入っていく、そして、シート状材料PPに所定の背割り加工が行われる。シート状材料PPは、回転刃体310により背割り加工された後に、集積部40に集積される。
0044
以上説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各部材は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。例えば、本実施形態では、面基材PBが背割りされず剥離シートが背割りされた例を示したが、面基材PBが背割りされ剥離シートが背割りされない例であってもよい。
0045
10 … 給紙部 12 …エレベータ14 … 幅調整部
16 …フィードローラー20 …アライメントテーブル
21 … テーブル 22、42 …サイド基準ガイド
23 …ガイド面 24、25 …上流ベルトローラー
26 …幅寄せ部 27 …移送ボール
30 …背割り加工部 32、35、36 …板バネ材
40 …集積部 100 … 背割り加工装置
310 …回転刃体312 …梁材313 …刃体用シャフト
314 …幅位置調整部 315 …躯体316 …締め付けボルト
321 … 鉛直部322 … 折り曲げ部
323、353、363 … 接面部
330 …支持ローラー340 … ローラー
342 … 第2ローラー部 344 … ローラー支持部
346 …ローラー用シャフト 350、352 … 第1ローラー部
351、361 … 斜面部 356、366 … シャフト
358、368 … 第2板バネ支持部 370、372 … 第3ローラー部
PB … 面基材PF …剥離シートPP … シート状材料