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技術 溶湯面位置の計測タイミングを制御可能な給湯量計測装置を備えたダイカストマシン、及び、ダイカスト成形方法

出願人 東洋機械金属株式会社
発明者 池田伸吾井尻崇
出願日 2019年4月19日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-080158
公開日 2020年10月29日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-175422
状態 未査定
技術分野 チル鋳造・ダイキャスト
主要キーワード 作動流体供給装置 品質結果 レーザスポット形状 磁歪式センサ 鋳造成形品 充填完了位置 レーザ変位センサ 後退駆動
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年10月29日)のものです。
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図面 (9)

課題

金型キャビティ溶湯射出充填するために、射出スリーブ内に注ぎ入れられた溶湯の量を高精度で計量してダイカストマシン射出条件補正をする。

解決手段

溶解炉から金属溶湯を汲み上げるラドルと、汲み上げられた金属溶湯を注ぎ入れる筒状の射出スリーブと、射出スリーブ内で進退する射出プランジャと、射出プランジャの進退駆動手段と、進退駆動手段の制御手段とを備え、さらに、射出スリーブ内に注ぎ入れられた金属溶湯の湯面高さを計測する湯面検出センサと、計測された金属溶湯量の計測結果を計測溶湯量として取り込むか否かを判断する計測結果判定手段とを備えており、計測結果判定手段により取り込み可能と判断された場合には、その計測結果を駆動制御手段に対して指示して射出条件を補正するように構成したダイカストマシン。

概要

背景

一般的なダイカストマシンにおいては、溶解炉溶融された金属材料を1ショット毎ラドルで汲み上げており、その際に、汲み上げ量が所定量となるように制御して、汲み上げられた溶湯射出スリーブ給湯口給湯する方法が従来から用いられている。そして、射出スリーブ内に進退可能に設けた射出プランジャ前進動作により金型キャビティ内へ金属溶湯射出充填して、鋳造成形品成形が行われている。

近年の、ダイカストマシンは電動化などにより高性能化が進んでおり、射出動作の安定性繰り返し精度などが向上している。しかし、コールドチャンバーダイカストマシン溶湯供給方法は、現在でも、ラドルを使用して溶湯を汲み上げる方法が主流である。その際、ラドルへの溶湯付着や湯こぼれなどが原因で必然的に発生する給湯量の変動は、ダイカスト成形射出条件の中で重要なポイントとなる充填完了位置高速射出切替え位置を不安定化させ、製品品質へも悪影響を及ぼす大きな課題として残っている。

この種のダイカストマシンにおいては、ショット毎のラドルによる給湯量のバラツキは、金型のキャビティ内へ射出充填される溶湯の充填量の変動を引き起こし、悪い条件が重なれば、成形品、湯廻り不足強度不足等の要因ともなる。

このことから、この種のダイカストマシンでは、射出スリーブ内へのショット毎の正確な溶湯充填量を知ることが必要となる。これに関連しては、例えば、特許文献1及び特許文献2には、ラドルにより溶解炉から汲み上げられた溶湯量を計測するダイカストマシンが開示されている。しかしながら、前述したように、ラドル内の溶湯量を制御したとしても、ラドルへの溶湯付着や湯こぼれなどにより、実際に射出スリーブ内に注がれる溶湯量が変動するとの課題は残る。

これに関して、本発明者等は、ラドルから射出スリーブ内に注ぎ入れられた金属溶湯の湯面高さを測定する磁歪式湯面センサを備えるダイカストマシンを特開2018−171626号公報として開示しており、さらに、特願2018−180033(本願出願時には未公開、以下、単に「先願」という)では、レーザ変位センサ等の湯面センサを用いる実施例において、ダイカストマシンの射出スリーブ内に供給された溶湯面の高さを計測することによって、直接的に射出スリーブ内への給湯量を演算して計量し、ショット毎のダイカストマシンの射出条件を補正する方法に関連した出願をしている。

上記先願においては、湯面検出センサ10として、磁歪式センサ、レーザ変位センサ、撮像カメラを実施例として説明している。それにより、計測結果をダイカストマシンの射出工程の制御にフィードバックするものであり、ショット毎の溶湯供給量の変動に基づいた射出条件の補正を達成するようにしたものである。本願発明においては、特に、湯面検出センサ10としてレーザ変位センサを用いた例に更なる検討を加えて、溶湯供給量の計測をより正確にして、発明をブラシュアップしたものである。

概要

金型のキャビティに溶湯を射出充填するために、射出スリーブ内に注ぎ入れられた溶湯の量を高精度で計量してダイカストマシンの射出条件の補正をする。溶解炉から金属溶湯を汲み上げるラドルと、汲み上げられた金属溶湯を注ぎ入れる筒状の射出スリーブと、射出スリーブ内で進退する射出プランジャと、射出プランジャの進退駆動手段と、進退駆動手段の制御手段とを備え、さらに、射出スリーブ内に注ぎ入れられた金属溶湯の湯面高さを計測する湯面検出センサと、計測された金属溶湯量の計測結果を計測溶湯量として取り込むか否かを判断する計測結果判定手段とを備えており、計測結果判定手段により取り込み可能と判断された場合には、その計測結果を駆動制御手段に対して指示して射出条件を補正するように構成したダイカストマシン。

目的

それにより、ショット毎に射出条件の補正が可能なダイカストマシンの射出条件の補正方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

溶解炉から金属溶湯を汲み上げるラドルと、該ラドルにより汲み上げられた前記金属溶湯を注ぎ入れる筒状の射出スリーブと、該射出スリーブ内で進退される射出プランジャと、該射出プランジャを進退させる進退駆動手段と、当該進退駆動手段を制御する制御手段とを備えており、当該制御手段により前記進退駆動手段を制御して前記射出プランジャを前進させることによって、前記射出スリーブ内に供給された前記金属溶湯を型閉された金型キャビティ内に射出充填するダイカストマシンであって、前記ラドルから前記射出スリーブ内に注ぎ入れられた前記金属溶湯の湯面位置計測する湯面検出センサと、当該湯面検出センサにより計測された金属溶湯面位置の計測結果を計測溶湯面位置として取り込むか否かを判断する計測結果判定手段と、当該計測結果判定手段により取り込みを可能と判断された場合には、その計測結果を前記制御手段に対して指示するように構成したことを特徴とするダイカストマシン。

請求項2

前記湯面検出センサは、計測光としてレーザスポット照射するレーザ変位センサであり、前記計測結果判定手段は、供給湯面上に照射されたレーザスポットの形状により湯面の傾斜状態判別する撮像装置であることを特徴とする請求項1に記載のダイカストマシン。

請求項3

溶解炉から金属溶湯を汲み上げるラドルと、該ラドルにより汲み上げられた前記金属溶湯を注ぎ入れる筒状の射出スリーブと、該射出スリーブ内で進退される射出プランジャと、該射出プランジャを進退させる進退駆動手段と、当該進退駆動手段を制御する制御手段とを備えており、当該制御手段により前記進退駆動手段を制御して前記射出プランジャを前進させることによって、前記射出スリーブ内に供給された前記金属溶湯を型閉された金型のキャビティ内に射出充填するダイカストマシンの射出条件補正方法であって、前記ラドルから前記射出スリーブ内に注ぎ入れられた前記金属溶湯の湯面位置を計測する湯面検出センサと、当該湯面検出センサにより計測された金属溶湯面位置の計測結果を計測溶湯面位置として取り込むか否かを判断する計測結果判定手段と、当該計測結果判定手段により取り込みを可能と判断された場合には、その計測結果を前記制御手段に対して指示して射出条件を補正するように構成したことを特徴とするダイカストマシンの射出条件の補正方法。

請求項4

前記湯面検出センサによる計測結果により給湯量演算して計量し、その計量結果に基づいて、低速射出から高速射出切り替える高速射出切替位置を補正することを特徴とする請求項3に記載のダイカストマシンの射出条件の補正方法。

請求項5

前記湯面検出センサによる計測結果により給湯量を演算して計量し、その計量結果に基づいて、高速射出設定位置を補正することを特徴とする請求項3に記載のダイカストマシンの射出条件の補正方法。

請求項6

前記湯面検出センサによる計測結果により給湯量を演算して計量し、その計量結果に基づいて、充填完了直前増圧切替位置を補正することを特徴とする請求項3に記載のダイカストマシンの射出条件の補正方法。

技術分野

0001

本発明は、ラドルにより射出スリーブ内に供給された溶湯射出プランジャ前進により金型キャビティ内へ射出充填する際に、射出スリーブ内に供給された溶湯面位置を計測する手段を備えたダイカストマシン、及び、ダイカスト成形方法に関する。さらに、本発明は、溶湯面位置の計測タイミングを適正に制御することが可能な計測手段を備えたダイカストマシン、及び、計測された射出スリーブ内の溶湯面位置によって、射出条件補正するダイカスト成形方法に関する。

0002

本願明細書において「溶湯面位置」或いは「湯面位置」とは、射出スリーブ内に注ぎ込まれた溶湯の表面の位置、即ち、射出スリーブの底面から溶湯表面の高さを意味する。これは、演算により求まるものであってもよい。

0003

特に、本発明の最適な実施例においては、金型のキャビティ内に溶湯を高速で射出充填する際に、レーザ変位センサを用いて、射出スリーブ内に実際に注ぎ入れられた溶湯の量を計量する手段を備えるのに加えて、照射されたレーザスポットの形状を判断する撮像装置スポット形状判定カメラ)を備えることにより、射出スリーブ内に供給された溶湯面位置の計測タイミングを適正に制御可能としたダイカストマシン、及び、ダイカスト成形方法に関する。

背景技術

0004

一般的なダイカストマシンにおいては、溶解炉溶融された金属材料を1ショット毎にラドルで汲み上げており、その際に、汲み上げ量が所定量となるように制御して、汲み上げられた溶湯を射出スリーブの給湯口給湯する方法が従来から用いられている。そして、射出スリーブ内に進退可能に設けた射出プランジャの前進動作により金型のキャビティ内へ金属溶湯を射出充填して、鋳造成形品成形が行われている。

0005

近年の、ダイカストマシンは電動化などにより高性能化が進んでおり、射出動作の安定性繰り返し精度などが向上している。しかし、コールドチャンバーダイカストマシン溶湯供給方法は、現在でも、ラドルを使用して溶湯を汲み上げる方法が主流である。その際、ラドルへの溶湯付着や湯こぼれなどが原因で必然的に発生する給湯量の変動は、ダイカスト成形の射出条件の中で重要なポイントとなる充填完了位置高速射出切替え位置を不安定化させ、製品品質へも悪影響を及ぼす大きな課題として残っている。

0006

この種のダイカストマシンにおいては、ショット毎のラドルによる給湯量のバラツキは、金型のキャビティ内へ射出充填される溶湯の充填量の変動を引き起こし、悪い条件が重なれば、成形品、湯廻り不足強度不足等の要因ともなる。

0007

このことから、この種のダイカストマシンでは、射出スリーブ内へのショット毎の正確な溶湯充填量を知ることが必要となる。これに関連しては、例えば、特許文献1及び特許文献2には、ラドルにより溶解炉から汲み上げられた溶湯量を計測するダイカストマシンが開示されている。しかしながら、前述したように、ラドル内の溶湯量を制御したとしても、ラドルへの溶湯付着や湯こぼれなどにより、実際に射出スリーブ内に注がれる溶湯量が変動するとの課題は残る。

0008

これに関して、本発明者等は、ラドルから射出スリーブ内に注ぎ入れられた金属溶湯の湯面高さを測定する磁歪式湯面センサを備えるダイカストマシンを特開2018−171626号公報として開示しており、さらに、特願2018−180033(本願出願時には未公開、以下、単に「先願」という)では、レーザ変位センサ等の湯面センサを用いる実施例において、ダイカストマシンの射出スリーブ内に供給された溶湯面の高さを計測することによって、直接的に射出スリーブ内への給湯量を演算して計量し、ショット毎のダイカストマシンの射出条件を補正する方法に関連した出願をしている。

0009

上記先願においては、湯面検出センサ10として、磁歪式センサ、レーザ変位センサ、撮像カメラを実施例として説明している。それにより、計測結果をダイカストマシンの射出工程の制御にフィードバックするものであり、ショット毎の溶湯供給量の変動に基づいた射出条件の補正を達成するようにしたものである。本願発明においては、特に、湯面検出センサ10としてレーザ変位センサを用いた例に更なる検討を加えて、溶湯供給量の計測をより正確にして、発明をブラシュアップしたものである。

0010

特開2011−143425号公報
特開2000−190060号公報

先行技術

0011

https://www.keyence.co.jp/products/sensor/positioning/

発明が解決しようとする課題

0012

本発明が解決しようとする課題は、ダイカストマシンにおいて、ショット毎の給湯後・射出前の射出スリーブ内の給湯量を、湯面検出センサで湯面位置を正確に計測して演算により供給湯量を計量して射出条件の補正に寄与させることである。それにより実際の給湯量に応じた射出条件をショット毎に設定することが可能である。

0013

本発明のダイカストマシンに用いるラドル式の溶湯供給方式は、従来から知られたものであり、溶解炉から溶湯を汲みあげ、ダイカストマシンに装着された射出スリーブ内に供給する方式である。このような溶湯供給方式は、ラドルが取付けられたアームを駆動するモーターとラドルを回動させるモーターを備えている。溶解炉側では溶湯の増減により変動する湯面に対して、ラドルによる汲み上げ量を一定に保つために、ラドルを一定の深さで侵入した位置で、アーム駆動を停止させる機能が備えられている。

0014

従来のラドル式の溶湯供給方式における給湯量の調整動作を、図8(a)〜(c)に示す。まず、ラドルを設定時間炉内に侵入させた後(図8(a))、ラドルを所定角度に傾斜させた状態で計測位置まで上昇させて停止し、設定時間湯切りを行うことで、ラドル内に残る溶湯の量を調整する(図8(b))。その後、溶湯がこぼれないように移送角度にラドルを回動させ、射出スリーブの給湯口上部まで溶湯を移送し(図8(c))、ラドルを回動させることで給湯動作を行うものである。

0015

特許文献1及び特許文献2に開示されているダイカストマシンにおいては、ラドルにより汲み上げられた溶湯の溶湯量を把握することができる。しかし、ラドルにより汲み上げられた溶湯は、金型のキャビティに射出充填される前に、ラドルを傾けて射出スリーブ内に注ぎ入れられるものである。その際、ラドルにおける溶湯の全てを射出スリーブ内に注ぎ入れようとしたとしても、ラドル内には溶湯の一部が固着して残存してしまっていたり、湯こぼれを起こしたりしてしまうという実情がある。このことから、ラドルの動きで制御された溶湯量と、射出スリーブ内に注ぎ入れられた溶湯量とでは差が生じることが多い。

0016

ダイカストマシンは、上記したように、使用する機器の改良・進歩等により装置本体の停止位置精度などは向上したものの、計測時の湯切れ具合、ラドルへの溶湯付着、給湯時の湯こぼれなど、ラドルを使用することで発生する不可避的なショット毎の給湯量の変動には対応できていないものであった。つまり、実際の給湯量を制御することは、装置の精度だけでは保障できないものであり、課題として残っているものである。

0017

ダイカストマシンの射出条件で、特に、高速ストロークを的確に達成するためには、理論的には、成形製品体積(つまり、金型のキャビティ容積)に対して鋳込湯量を正確に制御することが大事である。特に、成形製品の体積や金型容積により設計上の高速射出切替位置(低速射出動作から高速射出動作への切替位置:図4の矢印B)を基準に、各ショットで最適な高速射出切替位置を導き出し、射出条件を設定することが必要である。つまり、射出プランジャの後退位置(図4の矢印A)は一定であったとしても、射出スリーブ内の給湯量が変化した場合には、高速射出切替位置は必ずしも一定位置ではなく、補正の必要があるからである。また、高速での射出は、複数の高速射出速度と位置(高速射出設定位置)が設定可能である。

0018

ラドルでの給湯の場合、ショット毎の給湯量のバラツキは、ラドルへの湯の付着(薄皮等)や、湯こぼれや、給湯装置の湯面検知手段への付着等、様々な要因がある。また、ポンプ等を利用した給湯法でも、炉の湯面変化湯道管への付着や炉の湯面変化などが影響するものである。加えて、湯面検知センサ自体による計測のバラツキによる計測誤差が影響することもある。

0019

本願発明においては、前述したように、特に、湯面検出センサとしてレーザ変位センサを用いた例を検討したものである。例えば、レーザ変位センサの従来例としては、非特許文献1に記載されたようなセンサを用いることができる。しかしながら、このようなレーザ変位センサの場合は、対象物までの距離は受光素子上に結像されるスポットの位置の変化量を対象物の移動量に変換して計測するために、本願発明のように、ラドルで汲み上げた溶湯の湯面位置を計測しようとする場合には、湯面の波による湯面の傾斜状態水平度)が変動することによりレーザビーム反射角度に影響を与え、計測結果のバラツキを生起する。

0020

このような給湯量のバラツキは、高速射出切替位置(低速射出動作から高速射出動作への切替位置:図4(c)の矢印Bの位置)、複数の高速射出速度と位置(高速射出設定位置)および、充填完了直前増圧切替位置(高速射出動作から増圧動作への切替位置:図4(d)の矢印Cの位置)に影響する。よって、ショット毎の給湯量のバラツキは、成形品の製品品質、つまり、巣、湯廻り不足、強度不足等、多大な影響を及ぼすものである。

0021

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、加えて、先願に対しても、計測結果の取り込みの適否を判断して、計測時の条件変動による影響をなくした。このように計測結果の取り込みの適否を判断することにより、金型のキャビティ内に正確な量の溶湯を射出充填するために、ラドルにより汲み上げられた溶湯の量ではなくて、射出スリーブ内に注ぎ入れられた溶湯の量をショット毎に直接的に高精度でより正確に計量するものである。それにより、ショット毎に射出条件の補正が可能なダイカストマシンの射出条件の補正方法を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0022

本発明のダイカストマシンは、溶解炉から金属溶湯を汲み上げるラドルと、該ラドルにより汲み上げられた前記金属溶湯を注ぎ入れる筒状の射出スリーブと、該射出スリーブ内で進退される射出プランジャと、該射出プランジャを進退させる進退駆動手段と、当該進退駆動手段を制御する制御手段とを備えており、当該制御手段により前記進退駆動手段を制御して前記射出プランジャを前進させることによって、前記射出スリーブ内に供給された前記金属溶湯を型閉された金型のキャビティ内に射出充填するダイカストマシンであって、
前記ラドルから前記射出スリーブ内に注ぎ入れられた前記金属溶湯の湯面位置を計測する湯面検出センサと、当該湯面検出センサにより計測された金属溶湯面位置の計測結果を計測溶湯面位置として取り込むか否かを判断する計測結果判定手段と、当該計測結果判定手段により取り込みを可能と判断された場合には、その計測結果を前記制御手段に対して指示するように構成したことを特徴とする。

0023

さらに、本発明のダイカストマシンは、
前記湯面検出センサは、計測光としてレーザスポットを照射するレーザ変位センサであり、前記計測結果判定手段は、供給湯面上に照射されたレーザスポットの形状により湯面の傾斜状態を判別する撮像装置であることを特徴とする。

0024

本発明のダイカストマシンの射出条件の補正方法は、溶解炉から金属溶湯を汲み上げるラドルと、該ラドルにより汲み上げられた前記金属溶湯を注ぎ入れる筒状の射出スリーブと、該射出スリーブ内で進退される射出プランジャと、該射出プランジャを進退させる進退駆動手段と、当該進退駆動手段を制御する制御手段とを備えており、当該制御手段により前記進退駆動手段を制御して前記射出プランジャを前進させることによって、前記射出スリーブ内に供給された前記金属溶湯を型閉された金型のキャビティ内に射出充填するダイカストマシンの射出条件の補正方法であって、
前記ラドルから前記射出スリーブ内に注ぎ入れられた前記金属溶湯の湯面位置を計測する湯面検出センサと、当該湯面検出センサにより計測された金属溶湯面位置の計測結果を計測溶湯面位置として取り込むか否かを判断する計測結果判定手段と、当該計測結果判定手段により取り込みを可能と判断された場合には、その計測結果を前記制御手段に対して指示して射出条件を補正するように構成したことを特徴とする。

0025

さらに、本発明のダイカストマシンの射出条件の補正方法は、前記湯面検出センサによる計測結果により給湯量を演算して計量し、その計量結果に基づいて、低速射出から高速射出に切り替える高速射出切替位置を補正することを特徴とする。

0026

さらに、本発明のダイカストマシンの射出条件の補正方法は、前記湯面検出センサによる計測結果により給湯量を演算して計量し、その計量結果に基づいて、高速射出設定位置を補正することを特徴とする。

0027

さらに、本発明のダイカストマシンの射出条件の補正方法は、前記湯面検出センサによる計測結果により給湯量を演算して計量し、その計量結果に基づいて、充填完了直前の増圧切替位置を補正することを特徴とする。

発明の効果

0028

本発明によれば、金型のキャビティに射出充填する溶湯量について、従来技術のように、ラドル内における溶湯量(射出スリーブ内に注ぎ入れられる前の溶湯量)を計測するのではなく、ラドルから実際に注ぎ入れられた射出スリーブ内の射出前の溶湯量を湯面高さに基づいて計量するものである。このようにしたことから、金型のキャビティ内に射出充填される実際の溶湯量を計量し、それにより、高速射出切替位置及び充填完了位置を高精度に制御することが可能となる。

0029

加えて、計測時のスリーブ内の湯面の波の状態による水平度の変化に起因する計測のバラツキも解決することができる。つまり、ラドルによって溶湯を注ぎ入れる場合には、湯面が波立つことは避けられない。その結果、湯面に照射されたレーザスポットが波で傾斜した湯面に当たってしまい、反射光が湯面検知センサの受光素子の本来の結像位置とは相違する位置に結像してしまって誤った計測結果を出力しても、それを不適切と判断し、計測結果として取り込むことはない。そして、湯面の水平度が保たれた時に計測された計測結果を正しい計測結果として制御手段に指示することができる。このような射出スリーブ内の溶湯量の高精度な計量結果に基づき、各ショット毎の射出充填に係る正確な動作制御を行うことが可能となり、ひいては製造される成形品の品質にバラツキが生じることを回避することが可能となる。

図面の簡単な説明

0030

本発明の一実施例としてのダイカストマシン全体を示す概略構成図である。
本発明の一実施例としてのダイカストマシンの計測・制御系の動作概念を説明するシーケンス図である。
本発明の一実施例としてのダイカストマシンの射出条件の補正方法の説明フローチャートである。
本発明の一実施例としてのダイカストマシンの動作を示す説明図であり、(a)〜(d)の順に動作過程を示している。
本発明の一実施例としてのダイカストマシンの変形例を示す説明図である。
本発明の一実施例としてのダイカストマシンの更なる変形例を示す説明図である。
本発明の一実施例としての湯面センサの取付け状態を示す説明図である。
ラドル式給湯装置の計量動作を説明する説明図である。

実施例

0031

以下、本発明の実施形態としてのダイカストマシンの具体的構成と、ショット毎に計測結果としての取込み適否が判断された計測結果に基づいたダイカストマシンの射出条件の補正方法の実施例を図1乃至図8に基づき説明する。もちろん、本発明は、その発明の趣旨に反しない範囲で、本実施例において説明した具体的な実施態様に限らず、それ以外の当業者であれば容易に変更可能な構成のものに対しても容易に適用可能である。

0032

先に、本発明のダイカストマシンの射出条件の補正方法について説明する。本発明の射出条件の補正方法に使用するダイカストマシンにおいては、実際に射出スリーブに給湯された給湯量を、給湯の湯面高さを計測し、その計測結果から演算して計量し、実際の溶湯供給量の変化に対応して射出条件を補正するものである。特に、各ショット毎に高速射出切替位置(図4(c)の矢印B)及び、充填完了直前の増圧切替位置(図4(d)の矢印C)を実際の給湯量から判断し、ダイカストマシンの動作を切り替える位置を常に的確な位置に設定する事で、安定した高速でのダイカスト生産と製品品質を維持するものである。また、高速での射出は、詳細な図示はないが、複数の高速射出速度と位置(高速射出設定位置)が設定可能である。ここで、湯面検出センサの設置方法は限定されるものではなく、固定式のものでも良く、昇降式またはスライド式等の移動手段を持ち給湯装置との干渉を避ける構造とするものでも良い。

0033

本発明に係る射出条件の補正方法に用いるダイカストマシン1は、溶解炉から金属溶湯を汲み上げるラドル4と、該ラドル4により汲み上げられた金属溶湯が注ぎ入れられる筒状の射出スリーブ7と、射出スリーブ7内で進退される射出プランジャ8と、該射出プランジャ8を進退させる進退駆動手段9(射出シリンダ)とを備え、該進退駆動手段9により射出プランジャ8を前進させることにより、射出スリーブ7内に有する金属溶湯を型閉された金型2,3のキャビティ内に射出充填するダイカストマシン1であって、ラドルから射出スリーブ内に注ぎ入れられた金属溶湯の湯面高さを測定する湯面検出センサ10を備えている。この湯面検出センサは、その種類が限定されるものではなく、磁歪式センサでも、レーザ式検出センサでも、撮像カメラをセンサでも良い。

0034

さらに、本発明に係る射出条件の補正方法に用いるダイカストマシン1は、その実施例として、ラドル4により汲み上げられた金属溶湯が注がれる給湯口6を射出スリーブ7の上部に設け、給湯口6に臨んだ該給湯口の開放部に湯面検出センサ10を設けているものを説明しているが、湯面が検出されるものであれば、これに限るものではない。

0035

さらに、本発明に係る射出条件の補正方法に用いるダイカストマシン1は、その実施例として、射出スリーブ7内に注ぎ入れられた金属溶湯の湯面高さを測定するときに、湯面検出センサ10を給湯口6付近にまで垂直方向或いは水平方向に移動させる移動装置11を備えているものを説明しているが、これに限るものではなく、固定式の湯面検出センサでも良い(図5の符号20)。

0036

さらに、本発明に係る射出条件の補正方法に用いるダイカストマシン1は、その実施例として、射出スリーブ7内に注ぎ入れられた金属溶湯の湯面高さを測定する湯面検出センサ10として、非接触式の磁歪式湯面センサを説明しているが、これに限るものではなく、レーザ式検出センサでも、撮像カメラをセンサでも良い。

0037

さらに、本発明に係る射出条件の補正方法に用いるダイカストマシン1は、ラドル4から金属溶湯が注ぎ入れられる射出スリーブ7内は円筒状に形成されており、その実施例として、湯面検出センサ10により計測された射出スリーブ7内に注ぎ入れられた金属溶湯の湯面高さh、射出スリーブ7の内径d、射出スリーブ7内の長さ寸法Lを用いて、射出スリーブ7に注ぎ入れられた金属溶湯の総溶湯量を演算する演算手段17(図1)を備えている。

0038

さらに、本発明に係る射出条件の補正方法に用いるダイカストマシン1は、その実施例として、湯面検出センサ10は、湯面の揺れが収まってから正確な湯面を検知することも可能である。その為には、金属溶湯がラドル4から射出スリーブ内に注ぎ入れられるのが完了してから、例えば、0.1秒以上2.0秒以内(好ましくは0.5秒から1.5秒)に、金属溶湯の湯面高さを測定する計測時間設定手段を備えることで達成できる。もちらん、計測時間設定手段を備えずに、金属溶湯を供給後直ちに湯面の検知を行うこともできる。

0039

さらには、本発明に係る射出条件の補正方法においては、図2のシーケンス図で説明するように、湯面検出センサ10の計測結果として取り込むか否かを判断することが可能である。例えば、計測時の射出スリーブ7に注ぎ入れられた金属溶湯表面の水平度によって、湯面検出センサ10の計測結果として取り込むか否かを判断するものである。ここで「不適」と判断された場合(計測結果の取り込み不可の場合)には、計測結果としては取り込まず、再度計測を行い、「適」と判断された場合(計測結果の取り込み可の場合)には、計測結果として取り込んで駆動制御を行うものである。つまり、金属溶湯表面が波立っていれば、金属溶湯表面の水平度が保たれておらず、正確な計測ができていないと判断するものである。また、計測結果の取り込み可否の判断をする場合には、t=0を設定し、予め設定した所定時間(T)の間は、所定のサンプリングタイムで計測を行い、所定時間(T)の経過後も「不適」と判断された場合には、計測結果を取り込まず、位置補正制御なしで駆動制御を行う。

0040

図に示す本実施例の射出条件の補正方法に用いるダイカストマシン1は、固定金型2と移動金型3とからなる型閉された金型のキャビティ内へ金属溶湯を射出充填して成形品を製造するものである。

0041

本発明の実施例のダイカストマシン1には、図示しない溶解炉から金属溶湯を汲み上げるラドル4、ラドル4を回動・移動させるリンクアーム5、ラドル4により汲み上げられた金属溶湯が注ぎ入れられる給湯口6が開放部として上部に形成された円筒状の射出スリーブ7、射出スリーブ7内で進退可能に設けられた射出プランジャ8、射出プランジャ8を前進・後退駆動する進退駆動手段たる射出シリンダー9、ダイカストマシン1の各種制御を行う制御手段12を備えている。この制御手段12は、射出シリンダー9の駆動、リンクアーム5を介してのラドルの動作、後述する磁歪式湯面センサ等の湯面検出センサ10の装着された昇降又はスライド等をする移動装置11の動作制御等、ダイカストマシン1の各種制御を行う。

0042

射出プランジャ8を前進・後退駆動するための射出シリンダー9と、当該射出シリンダー9に作動流体を供給する作動流体供給装置13との間には、射出プランジャ8の前進や後退、及び前進速度を低速や高速に切り替えることが可能な速度切替バルブ14が設けられている。また、射出シリンダー9には、当該射出シリンダー9のストロークから射出プランジャ8の位置を検出するための位置センサ15が設けられている。射出プランジャ8の射出速度や圧力の制御は、制御手段12によって達成される。

0043

本実施例のダイカストマシン1には、射出スリーブ7内に注ぎ入れられた金属溶湯の湯面高さh(図4(b))を計測する非接触式の磁歪式湯面センサである湯面検出センサ10を備えている。この場合は,計測された湯面位置から湯面高さhを演算する。本発明に用いる湯面検出センサ10は、本実施例での非接触式の磁歪式湯面センサに限るものではなく、他の方法、例えば、レーザ式検出センサ、撮像カメラをセンサとして用いるものでも良い。また、その設置方法も、特に限定されるものではなく、固定式、昇降式、またはスライド式の何れであっても良い。本発明のように、湯面検出センサ10の計測結果を取り込むか否かを判断した上で計測結果を取り込む構成とするためには、特に、レーザ式検出センサを実施例とするものが適している。

0044

本実施例の湯面検出センサ10は、昇降又はスライドするように構成する場合には、昇降又はスライド等をする移動装置11に装着されていて、給湯口6に臨んだ該給湯口6の上方に配設される。湯面の揺れが収まってから湯面検出を行う場合には、金属溶湯がラドル4から射出スリーブ7内に注ぎ込まれるのが完了してから0.1秒以上2.0秒以内(特に好ましくは、0.5秒から1.5秒後)に、射出スリーブ7内の金属溶湯の湯面高さhを測定・演算する。なお、このような移動式の実施例の湯面検出センサ10は測定を行うとき、昇降又はスライド等をする移動装置11により給湯口6付近まで下降される。また、湯面計測のタイミングは、射出開始前もしくは、低速射出後で高速射出前に計測するように設定することもできる。

0045

本発明の実施例においては、射出スリーブ7内に実際に給湯された溶湯量の計量は、射出スリーブ7の給湯口6の真上にレーザ変位センサである湯面検出センサ10の湯面位置の計測結果から演算により求められる。この湯面検出センサ10により湯面位置を計測するには、金属溶湯がラドル4から射出スリーブ7内に注ぎ込まれるのが完了してから溶湯面が安定する時間経過後(0.1秒以上2.0秒以内(本実施例では1.2秒後)に、射出スリーブ7の底面をゼロ点として、給湯後の溶湯面の高さhを計測することも可能である。そして、溶湯面の高さから射出スリーブ7内の溶湯充填部(図4〜7においてハッチングで示す部分)の断面積を算出し、溶湯充填部の断面積と溶湯充填部の長さL(プランジャーチップ面から当該プランジャーチップ面と対向する分流子72までの長さ)とを用いて溶湯の体積、すなわち、実際に給湯された溶湯量を演算によって求めて計量する。

0046

本発明の実施例としての湯面検出センサ10は、センサ本体からレーザ光を放ち、測定面から反射したレーザ光の角度により距離を計測するものが最適である。このような湯面検出センサ10としてのレーザ変位センサは、センサ本体からレーザ光を放ち、測定面で反射したレーザ光の角度により距離を計測するために、測定面である湯面の水平度により計測結果が大きく影響される(非特許文献1等参照)。この場合の計測対象である溶湯表面の水平度の判定は、計測対象の湯面に投射されるレーザスポットの形状から判断することができる。つまり、投射されるレーザスポットは、約4mm×6mmの楕円形状であるので、その形状のまま投射されていれば湯面が水平であることが推定される。また、湯面が波立って傾斜状態にある際には、投射レーザスポットの照射形状が変形するので、投射レーザスポットの形状から計測タイミングの適否が判断できる。

0047

本発明の実施例では、図1に示すように、投射レーザスポットの形状の判定は、レーザ式検出センサ10の近傍に撮像装置30を配置することにより実施する。撮像装置30は、射出スリーブ7の給湯口6に向けたレーザ式検出センサ10からの投射レーザスポットを撮影し、その形状情報により計測結果取込みの適否を判断する。撮像装置30は、レーザ式検出センサ10から湯面に向けて照射される投射レーザスポットを撮影する。照射されたスポット形状が、正常のスポット形状に近い場合には「適」と判定され、スポット形状が変形している場合には「不適」と判断される。レーザ式検出センサ10による計測のタイミングと、撮像装置30による投射レーザスポット情報の取込みのタイミングは略同時である必要がある。そのためには両者の操作のサンプリングタイムを同期させても良いし、撮像装置30による投射レーザスポットは連続して撮影しておき、レーザ式検出センサ10の計測のタイミングと同期して撮影の情報を取り込むようにしてもよい。

0048

図2には、本発明の一実施例としてのダイカストマシンの計測・制御系の動作概念を説明するシーケンス図を示す。
湯面検出センサ10(レーザ変位センサ)は、ラドル4による溶湯の注ぎ込み終了の時点から所定のタイミングで湯面計測動作を行う。撮像装置30は、溶湯表面に投射された投射レーザスポットを撮影しており、湯面計測動作と同期して、投射レーザスポット形状情報を計測結果判定手段31に取り込む。計測結果判定手段31は、投射レーザスポットの形状の変形の度合いにより、計測結果の適否を判断する。形状の変形により、計測結果が「不適」とされた場合(計測結果の取り込み不可の場合)には、再度湯面計測を行い、その結果が「適」となれば(計測結果の取り込み可の場合)、その時の計測結果を制御手段12に取り込む。そして、計測結果の取り込み可否の判断をする場合には、t=0を設定し、予め設定した所定時間(T)の間は、所定のサンプリングタイムで計測を行い、所定時間(T)の経過後も「不適」と判断された場合は、計測結果を取り込まず、位置補正制御なしで駆動制御を行う。

0049

図3は、本発明の一実施例としてのダイカストマシンの射出条件の補正方法の説明フローチャートである。
スタート(S10)からスタートすると、湯面検出センサ10により給湯量の計測が為される(S20)。具体的には、レーザ変位センサにより湯面の位置が計測される。撮像装置30により、投射レーザスポットの撮影が為され(S30)、撮影された投射レーザスポット形状の変形度合いにより、溶湯の液面水平度が判定される(S40)。その際、t=0を設定し、時間の計測を開始する。S40のステップで、湯面の計測タイミングが不適正(溶湯面が傾斜)と判断した場合には、計測データの取り込みは為されず、再度、給湯量の計測(S20)に戻る。この際、予め所定時間(T)を設定し、予め設定した所定時間(T)の間は、所定のサンプリングタイムで計測を行い、計測結果の適否の判断を行う。この際の時間経過の判断は、S45のステップで行う。所定時間(T)の経過後も計測結果が「不適」と判断された場合には、そこまでの計測結果を取り込まず、位置補正制御なしで駆動制御を行う(S55→S60)。いずれのタイミングでも、給湯量の計測或いは再計測(S20)の際には、湯面の計測タイミングが適正(溶湯が略水平)と判断した場合には、計測結果を正規の計測結果として取り込み(S50)、取り込んだ計測結果を駆動制御手段12に向けて指示が出され(S60)、次のサイクルのために、給湯量の計測(S20)に続く。

0050

実際に供給された溶湯量の計量値に基づいてダイカストマシンを制御する制御手段12には、軸線方向が水平に配置された円筒状の射出スリーブ7の内径d、及び射出スリーブ7内の長さ等の寸法のデータが格納された記憶手段16が接続されている。

0051

制御手段12に備えた演算手段17は、射出スリーブ7内に注ぎ入れられた金属溶湯面位置から得られた湯面高さhと、射出スリーブ7の内径dと、射出スリーブ7内の溶湯充填部の長さL等の寸法とを用いて、ラドル4から射出スリーブ7内に注ぎ入れられた実際の金属溶湯の総溶湯量を演算により計量する。

0052

次に、以上の実施例のように構成されたダイカストマシン1の動作について説明する。なお、図4において斜線で表したものは射出スリーブ7内の金属溶湯である。図4(a)に示すように、射出プランジャ8が後退限A、湯面検出センサ10が上昇限に位置する状態において、溶解炉から汲み上げられた溶湯が、ラドル4が傾けられることにより上部開放部の給湯口6から射出スリーブ7内に注ぎ入れられる。

0053

この際、計測対象である溶湯表面の波立ち、つまり水平度を考える必要がある。一つとして考えられる対応は、注ぎ入れられている最中と注ぎ入れ完了後の0.1秒未満においては、湯面が波立つことから、実施例として、溶湯が射出スリーブ7内に注ぎ入れられるのが完了してから溶湯面が安定する時間経過後に、湯面の乱れが収まるのを待って、湯面検出センサ10は射出スリーブ7内に注ぎ入れられた溶湯の湯面高さhを測定する手法がある。そのために、湯面検出センサ10は、図示しない計測時間設定手段を備えている。また、既に説明したように、照射されたレーザスポットの形状の変化から、溶湯面の波立ちの状況(水平度、つまり傾斜の程度)を判定して、計測対象となる湯面位置の計測結果の取り込みの可否を判断する方法もある。

0054

次に、湯面検出センサ10を移動装置に設置した場合には、図4(b)に示すように、ラドル4が後退し、湯面検出センサ10が昇降又はスライド等をする移動装置11により給湯口6近くまで移動される。この状態で湯面検出センサ10により、射出スリーブ7内に注ぎ入れられた溶湯の湯面高さhが測定されると、制御手段12の演算手段17は、射出スリーブ7内に注ぎ入れられた金属溶湯の湯面高さhと、射出スリーブ7の内径dと、射出スリーブ7内の溶湯充填部の長さL等の寸法とを用いて、ラドル4から射出スリーブ7内に注ぎ入れられた金属溶湯の総溶湯量を演算する。

0055

そして、こうして計量された金属溶湯量は、射出プランジャ8が後退限Aから高速射出切替位置Bまで前進される低速射出工程(図4(c))や、射出プランジャ8が高速射出切替位置Bから充填完了直前の増圧切替位置Cまで前進される高速射出工程(図4(c))における切替位置の設定において効果的に利用される。また、本発明の補正方法に使用されるダイカストマシンは、複数の高速射出速度と位置(高速射出設定位置)が設定可能であり、演算された金属溶湯の総溶湯量は、当該高速射出設定位置での射出速度の制御にも適用される。

0056

次に、本発明の実施例における射出条件の補正機能を説明する。本実施例のダイカストマシンの射出工程は、一般的に低速射出から始まり、高速射出充填、増圧による加圧工程で終わる。低速射出では、金型内ガスを金型外に放出し、溶湯がゲート位置(高速射出切替位置)に到達した際に高速射出に切り替える。高速射出では、キャビティに溶湯を短時間で充填し、その後、加圧工程で迅速に加圧を行い、製品密度(強度)を確保する。その際の射出速度の切替位置(高速射出切替位置)や加圧動作開始位置(増圧切替位置)は、製品形状や金型に合わせて前後させ、最終的には製品の品質結果を基に最良の射出条件を導きだす。ダイカストマシンに設定される射出条件は、射出工程中の射出プランジャ8の位置と圧力を検出して速度や圧力の切り替えの指令を行う。

0057

供給された溶湯量が安定しない場合に高速射出切替位置や増圧切替位置が同じであると、ダイカストマシンの射出動作に対する金型内の溶湯の流動到達位置がショット毎に異なることになり、ガス抜きや充填状態も安定しない。本来は、一定の量の溶湯を供給することができれば問題はない。しかし、ラドル式では射出スリーブ7内に供給される溶融の変動は避けられない。そこで、射出条件の補正が必要となる。それで、本発明の射出条件の補正方法においては、ラドル給湯により給湯量が変動しても溶湯が金型内の同じ位置で速度、工程の切り替えが行えるように、実際の射出スリーブ7内の実際の溶湯量を計量し、射出動作の補正を行うものである。また、本願発明のように、湯面の波立ちの状況から、計測結果の取り込みの可否を判断する方法もある。

0058

射出条件の補正方法の手順は、以下の通りである。
(1)基準となる射出条件を決定する
(2)湯面検出センサにより、溶湯液面高さを計測する
(3)計測のタイミングでの適正な計測結果として取り込んでよいか否かを判断する
(4)不適正な計測タイミングにおける計測結果と判定した場合には、計測結果としては取り込まずに再計測を行い、適正な計測結果と判定した場合には、その計測結果を制御対象の計測結果として取り込む
(4−1)上記(4)のステップにおいて、所定時間(T)を設定して時間tの計測を行い、再計測の時間を所定時間(T)内に留めることができる。つまり、所定時間(T)になるまでは、(4)と同じく、不適正な計測タイミングにおける計測結果と判定した場合には、計測結果としては取り込まず、再度計測を行う
(5)給湯後の適正に計測された溶湯液面位置から、液面高さhを算出し、ショット毎の給湯量を演算により計量する
(6)良品成形時の溶湯の計算重量をダイカストマシンの記憶手段に記憶する
(7)ショット毎の計測結果としての計算重量と、良品成形時の計算重量との差をプランジャ径から射出ストローク換算する
(8)換算されたストロークを射出条件の高速切替位置(高速射出切替位置)以降の設定値に対し、射出動作補正を行う

0059

これにより、湯面検出センサ10による適正な計測結果に基づいて高速射出切替位置、高速射出設定位置(複数位置で設定可能)、増圧切替位置が実際の給湯量の増減により、前後に補正されるように、ダイカストマシンの動作が変更される。

0060

以上のように本実施例のダイカストマシン1によれば、金型のキャビティ内に射出充填するための溶湯量の計量が、従来技術のように、ラドルにおける溶湯(射出スリーブ内に注ぎ入れられる前の溶湯)ではなく、ラドル4から注ぎ入れられた射出スリーブ7内の溶湯の計測された湯面高さに基づいて演算により計量されたものであることから、金型のキャビティ内に射出充填される溶湯量の計量を高精度に行うことが可能となる。また、レーザ変位センサから溶湯表面に照射されたレーザスポットの形状により、溶湯液面の水平度(波立ちの度合い)を判定して、計測結果として取り込むことの適否を判断しているので、不適正な計測結果を制御因子として使用することもない。そして、このような高精度な計量結果に基づき、射出工程や高速射出工程や増圧射出工程等の射出充填に係る動作制御を正確に行うことが可能となることから、ひいては製造される成形品の品質にバラツキが生じることを回避することが可能となる。

0061

1ダイカストマシン
2固定金型
3移動金型
4ラドル
5リンクアーム
6給湯口
7射出スリーブ
72分流子
8射出プランジャ
9射出シリンダー(進退駆動手段)
10湯面検出センサ(磁歪式センサ、レーザ変位センサ、撮像カメラ)
11移動装置(移動手段)
12 制御手段
13作動流体供給装置
14速度切替バルブ
15位置センサ
16 記憶手段
17演算手段
30撮像装置
A後退限
B高速射出切替位置
C充填完了位置、増圧切替位置
d内径
h 湯面高さ
L 長さ

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