図面 (/)

技術 二酸化炭素濃度の低減方法および二酸化炭素濃度の低減装置

出願人 株式会社福岡建設合材
発明者 奴留湯誉幸福岡大造工藤慶太
出願日 2019年4月16日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-077863
公開日 2020年10月29日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-175318
状態 特許登録済
技術分野 廃ガス処理 固体廃棄物の処理 吸収による気体分離 炭素・炭素化合物 アルカリ土類,Al,希土類金属化合物
主要キーワード 接触比率 測定用容器内 炭酸カルシウム塩 低減速度 測定用容器 XRF分析 測定容器内 管理指標
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年10月29日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (8)

課題

石炭バイオマス混合燃料などを燃料として、電力会社や各種工場事業所廃棄物の処分場などで用いられている火力発電所燃焼排ガスなどの二酸化炭素を含む被処理気体二酸化炭素濃度を低減する方法を提供する。

解決手段

二酸化炭素を含む被処理気体と、バイオマス焼却灰を含む分散液とを接触させ、前記バイオマス焼却灰に前記被処理気体に含まれる前記二酸化炭素が吸着した二酸化炭素吸着灰とする接触工程を有する前記被処理気体中の二酸化炭素濃度の低減方法

概要

背景

日本の二酸化炭素(CO2)排出量は、例えば2016年度で約12憶トンと言われている。また、その約23%は石炭火力発電所から発生しているといわれている。二酸化炭素は、地球温暖化の原因の一つと言われている。この地球温暖化を抑制する観点からも、二酸化炭素が発生する各種施設等では、その二酸化炭素排出量を抑制することが求められている。

特許文献1は、燃焼排ガス中の二酸化炭素の吸収固定化方法を開示するものである。この特許文献1では、燃焼排ガス石炭灰水スラリー又は石炭灰水溶出液気液接触させ、該燃焼排ガス中の二酸化炭素と反応吸収させて、炭酸塩として固定化することが開示されている。

特許文献2は、炭酸塩への二酸化炭素の固定化を開示するものである。この特許文献2では、水と石炭灰又は石炭残渣との水溶液を調整する工程;CO2を含有するガスを前記水溶液と接触させる工程;及び前記CO2と前期水溶液を反応させて炭酸塩を生じさせることが開示されている。

概要

石炭やバイオマス混合燃料などを燃料として、電力会社や各種工場事業所廃棄物の処分場などで用いられている火力発電所の燃焼排ガスなどの二酸化炭素を含む被処理気体二酸化炭素濃度を低減する方法を提供する。 二酸化炭素を含む被処理気体と、バイオマス焼却灰を含む分散液とを接触させ、前記バイオマス焼却灰に前記被処理気体に含まれる前記二酸化炭素が吸着した二酸化炭素吸着灰とする接触工程を有する前記被処理気体中の二酸化炭素濃度の低減方法

目的

本発明は、被処理気体の二酸化炭素濃度を低減する方法および装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

二酸化炭素を含む被処理気体と、バイオマス焼却灰を含む分散液とを接触させ、前記バイオマス焼却灰に前記被処理気体に含まれる前記二酸化炭素が吸着した二酸化炭素吸着灰とする接触工程を有する前記被処理気体中の二酸化炭素濃度低減方法

請求項2

前記分散液の分散媒が、水を含み、前記分散液中に含まれる焼却灰の濃度が、0.5〜70質量%である請求項1に記載の二酸化炭素濃度の低減方法。

請求項3

前記分散液に含まれる焼却灰の、Ca濃度が、10〜80質量%であり、前記焼却灰の、Mg濃度が、0.5〜15質量%である請求項1または2に記載の二酸化炭素濃度の低減方法。

請求項4

前記分散液が、塩化カルシウムおよび/または塩化マグネシウムを溶解させたものである請求項1〜3のいずれかに記載の二酸化炭素濃度の低減方法。

請求項5

請求項1〜4のいずれかに記載の二酸化炭素濃度の低減方法の接触工程の前記二酸化炭素吸着灰と、固化材とを混合し、固化させて人工石を得る固化工程を有する人工石の製造方法。

請求項6

二酸化炭素を含む被処理気体と、焼却灰を含む分散液とを、接触させ、前記焼却灰に前記被処理気体に含まれる前記二酸化炭素が吸着した二酸化炭素吸着灰とするための接触槽を有する、前記被処理気体中の二酸化炭素濃度の低減装置

請求項7

バイオマス焼却灰に二酸化炭素が吸着した二酸化炭素吸着灰を含み、かつ、炭酸カルシウムマグネシウム塩、炭酸・カリウムカルシウム塩炭酸カルシウム塩、および炭酸マグネシウム塩からなる群から選択される2以上を含む人工石原料

請求項8

請求項7記載の人工石原料と、固化材とを含む人工石。

請求項9

バイオマス焼却灰に二酸化炭素が吸着した二酸化炭素吸着灰を含み、かつ、炭酸・カルシウム・マグネシウム塩、炭酸・カリウム・カルシウム塩、炭酸カルシウム塩、および炭酸マグネシウム塩からなる群から選択される2以上を含む人工ゼオライト原料。

請求項10

請求項9記載の人工ゼオライト原料と、アルカリ水溶液とを混合し、加熱することで人工ゼオライトを得る人工ゼオライトの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、燃焼排ガスなどの二酸化炭素を含む処理対象となる気体二酸化炭素濃度を低減する方法、およびそのための装置に関する。また、二酸化炭素濃度の低減に用いられた灰を用いる人工石の製造方法、および人工石、人工石原料に関する。また、二酸化炭素濃度の低減に用いられた灰を用いる人工ゼオライト原料、および人工ゼオライトの製造方法に関する。

背景技術

0002

日本の二酸化炭素(CO2)排出量は、例えば2016年度で約12憶トンと言われている。また、その約23%は石炭火力発電所から発生しているといわれている。二酸化炭素は、地球温暖化の原因の一つと言われている。この地球温暖化を抑制する観点からも、二酸化炭素が発生する各種施設等では、その二酸化炭素排出量を抑制することが求められている。

0003

特許文献1は、燃焼排ガス中の二酸化炭素の吸収固定化方法を開示するものである。この特許文献1では、燃焼排ガスを石炭灰水スラリー又は石炭灰水溶出液気液接触させ、該燃焼排ガス中の二酸化炭素と反応吸収させて、炭酸塩として固定化することが開示されている。

0004

特許文献2は、炭酸塩への二酸化炭素の固定化を開示するものである。この特許文献2では、水と石炭灰又は石炭残渣との水溶液を調整する工程;CO2を含有するガスを前記水溶液と接触させる工程;及び前記CO2と前期水溶液を反応させて炭酸塩を生じさせることが開示されている。

先行技術

0005

特開2004−261658号公報
特開2011−501726号公報

発明が解決しようとする課題

0006

特許文献1、2には、前述のように二酸化炭素の吸収固定化や、二酸化炭素の固定化が開示されている。しかし、これらはいずれも、石炭灰を用いるものであり、二酸化炭素の固定等も炭酸塩とすることを想定したものである。これらの石炭灰を用いた二酸化炭素の固定化は、実用化することが難しいと考えられる。これは、石炭灰による二酸化炭素の固定化の効率が非常に低く、二酸化炭素を低減や固定化する効果を得ることが難しいためと考えられる。

0007

係る状況下、本発明は、被処理気体の二酸化炭素濃度を低減する方法および装置を提供することを目的とする。また、焼却灰廃棄物を低減し有用な人工石原料等を提供する。

課題を解決するための手段

0008

本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。

0009

<A1>二酸化炭素を含む被処理気体と、バイオマス焼却灰を含む分散液とを接触させ、前記バイオマス焼却灰に前記被処理気体に含まれる前記二酸化炭素が吸着した二酸化炭素吸着灰とする接触工程を有する前記被処理気体中の二酸化炭素濃度の低減方法
<A2> 前記分散液の分散媒が、水を含み、前記分散液中に含まれる焼却灰の濃度が、0.5〜70質量%である<A1>に記載の二酸化炭素濃度の低減方法。
<A3> 前記分散液に含まれる焼却灰の、Ca濃度が、10〜80質量%であり、前記焼却灰の、Mg濃度が、0.5〜15質量%である<A1>または<A2>に記載の二酸化炭素濃度の低減方法。
<A4> 前記分散液が、塩化カルシウムおよび/または塩化マグネシウムを溶解させたものである<A1>〜<A3>のいずれかに記載の二酸化炭素濃度の低減方法。
<A5> <A1>〜<A4>のいずれかに記載の二酸化炭素濃度の低減方法の接触工程の前記二酸化炭素吸着灰と、固化材とを混合し、固化させて人工石を得る固化工程を有する人工石の製造方法。

0010

<B1>二酸化炭素を含む被処理気体と、焼却灰を含む分散液とを、接触させ、前記焼却灰に前記被処理気体に含まれる前記二酸化炭素が吸着した二酸化炭素吸着灰とするための接触槽を有する、前記被処理気体中の二酸化炭素濃度の低減装置

0011

<C1>バイオマス焼却灰に二酸化炭素が吸着した二酸化炭素吸着灰を含み、かつ、
炭酸カルシウムマグネシウム塩、炭酸・カリウムカルシウム塩炭酸カルシウム塩、および炭酸マグネシウム塩(例えば、「CaMg(CO3)2、CaMg3(CO3)4、K2Ca(CO3)2、Ca(CO3)、およびMg(CO3)」)からなる群から選択される2以上を含む人工石原料。
<C2> <C1>記載の人工石原料と、固化材とを含む人工石。

0012

<D1>バイオマス焼却灰に二酸化炭素が吸着した二酸化炭素吸着灰を含み、かつ、
炭酸・カルシウム・マグネシウム塩、炭酸・カリウム・カルシウム塩、炭酸カルシウム塩、および炭酸マグネシウム塩(例えば、「CaMg(CO3)2、CaMg3(CO3)4、K2Ca(CO3)2、Ca(CO3)、およびMg(CO3)」)からなる群から選択される2以上を含む人工ゼオライト原料。
<D2> <D1>記載の人工ゼオライト原料と、アルカリ水溶液とを混合し、加熱することで人工ゼオライトを得る人工ゼオライトの製造方法。
<D3> <A1>〜<A5>のいずれかに記載の二酸化炭素濃度の低減方法の接触工程の前記二酸化炭素吸着灰と、アルカリ水溶液とを混合し、加熱することで人工ゼオライトを得る人工ゼオライトの製造方法。

発明の効果

0013

本発明によれば、被処理気体の二酸化炭素濃度を低減することができる。また、焼却灰の廃棄物が低減され有用な人工石原料等が提供される。

図面の簡単な説明

0014

本発明にかかる二酸化炭素濃度の低減方法に用いることができる処理装置の一実施形態の概要を示す図である。
本発明にかかる二酸化炭素濃度の低減方法に用いることができる処理装置の他の実施形態の概要を示す図である。
灰の組成XRF分析例を示す図である。
本発明にかかるCO2吸収試験の結果を示すグラフである。
実施例に係る二酸化炭素吸着灰等のXRD分析例を示す図である。
実施例に係る人工石等の製造例を示す像である。
実施例に係る人工石等のXRD分析例を示す図である。

0015

以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。なお、本明細書において「〜」という表現を用いる場合、その前後の数値を含む表現として用いる。

0016

[本発明の二酸化炭素濃度の低減方法]
本発明の二酸化炭素濃度の低減方法は、二酸化炭素を含む被処理気体と、バイオマス焼却灰を含む分散液とを接触させ、前記バイオマス焼却灰に前記被処理気体に含まれる前記二酸化炭素が吸着した二酸化炭素吸着灰とする接触工程を有する前記被処理気体中の二酸化炭素濃度の低減方法である。本発明の二酸化炭素濃度の低減方法を、以下、「本発明のCO2低減方法」と略記する場合がある。本発明のCO2低減方法によれば、被処理気体中の二酸化炭素濃度を低減することができる。

0017

[本発明の二酸化炭素濃度の低減装置]
本発明の二酸化炭素濃度の低減装置は、二酸化炭素を含む被処理気体と、焼却灰を含む分散液とを接触させ、前記焼却灰に前記被処理気体に含まれる前記二酸化炭素が吸着した二酸化炭素吸着灰とするための接触槽を有する、前記被処理気体中の二酸化炭素濃度の低減装置である。本発明の二酸化炭素濃度の低減装置を、以下、「本発明のCO2低減装置」と略記する場合がある。本発明のCO2低減装置によれば、被処理気体中の二酸化炭素濃度を低減することができる。

0018

[本発明の人工石の製造方法]
本発明の人工石の製造方法は、本発明のCO2低減方法の接触工程の前記二酸化炭素吸着灰と、固化材とを混合し、固化させて人工石を得る固化工程を有する。本発明の人工石の製造方法によれば、従来、産業廃棄物等として処理されていた焼却灰を有効活用した人工石が製造される。

0019

[本発明の人工石原料]
本発明の人工石原料は、バイオマス焼却灰に二酸化炭素が吸着した二酸化炭素吸着灰を含み、かつ、炭酸・カルシウム・マグネシウム塩、炭酸・カリウム・カルシウム塩、炭酸カルシウム塩、および炭酸マグネシウム塩からなる群から選択される2以上を含む。本発明の人工石原料は、従来、産業廃棄物等として処理されていた焼却灰を有効活用した人工石の原料として有用である。

0020

[本発明の人工石]
本発明の人工石は、バイオマス焼却灰に二酸化炭素が吸着した二酸化炭素吸着灰を含み、本発明の人工石原料と、固化材とを含む。本発明に人工石は、従来、産業廃棄物等として処理されていた焼却灰を有効活用して人工の石として利用される。

0021

[本発明の人工ゼオライト原料]
本発明の人工ゼオライト原料は、バイオマス焼却灰に二酸化炭素が吸着した二酸化炭素吸着灰を含み、かつ、炭酸・カルシウム・マグネシウム塩、炭酸・カリウム・カルシウム塩、炭酸カルシウム塩、および炭酸マグネシウム塩からなる群から選択される2以上を含む。このような人工ゼオライト原料を用いることで、人工ゼオライトを効率よく製造することができる。

0022

[本発明の人工ゼオライトの製造方法]
本発明の人口ゼオライトの製造方法は、本発明の人工ゼオライト原料と、アルカリ水溶液とを混合し、加熱することで人工ゼオライトを得る。このような人工ゼオライト原料の製造方法とすることで、人工ゼオライトを効率よく製造することができる。

0023

なお、本願において、本発明のCO2低減装置により、本発明のCO2低減方法を行うこともできる。また、本願において、本発明の人工石の製造方法や本発明の人工石原料、本発明の人工石は、本発明のCO2低減方法により得られる二酸化炭素吸着灰を利用することができる。また、本願において、本発明の人工ゼオライトの製造方法や本発明の人工ゼオライトは、本発明のCO2低減方法により得られる二酸化炭素吸着灰を利用することができる。本願においてそれぞれの発明に対応する構成は相互に利用することができる。

0024

従来、石炭灰を用いた二酸化炭素の吸収固定化等が検討されていたが、ほとんど実用化されていなかった。これは、石炭灰の二酸化炭素の吸収固定化の反応速度や吸収固定化量が極めて低く工業的に実用化できるものではないと判断されていたためと考えられる。しかしながら、本発明者らが、木材などの焼却灰であるバイオマス焼却灰を用いて、被処理気体からの二酸化炭素の吸収試験を検討した結果、石炭灰等の実験結果とは大きく異なる挙動を示して、バイオマス灰は非常に二酸化炭素濃度の低減速度が高いことが分かった。また、二酸化炭素の吸着に用いた後の灰も人工石などの原料として非常に有用であることを見出した。本発明は、かかる知見に基づくものである。

0025

[被処理気体]
本発明において、被処理気体は、二酸化炭素を含みその二酸化炭素濃度を低減する処理の対象となる気体である。被処理気体は、二酸化炭素を含む任意のものを対象とすることができる。例えば、温暖化の問題の原因とされることが多い、燃料等の燃焼排ガスを被処理気体とすることができる。燃焼排ガスとしては、火力発電所ボイラー排ガスなどがあげられる。火力発電所は、電力会社や、各種工場事業所、廃棄物の処分場などで用いられており、石炭やバイオマス混合燃料などが燃料として用いられている。これらの発電所では、火力発電に伴い発生する二酸化炭素を低減することが求められている。本発明は、これらの燃焼排ガスを対象として、その二酸化炭素濃度を低減することができる。

0026

[バイオマス焼却灰]
本発明において、バイオマス焼却灰は、バイオマスを焼却した灰である。このバイオマス焼却灰に用いられるバイオマスは、木質もみ殻などの燃料等として燃焼されるものである。木質としては、伐木建築廃材などが木質バイオマスとして用いられている。また、精米などに伴い排出されるもみ殻もバイオマスとして用いることができる。これらのバイオマス焼却灰は、分散媒中に分散させた状態で、気体中の二酸化炭素と接触すると、短時間で多量の二酸化炭素を液体中に含有させた状態とすることができ、その気体中の二酸化炭素濃度を低減することができる。これは、石炭灰等の他の灰とは異なるバイオマス焼却灰特有の組成が影響しているものと考えられる。

0027

本発明においては、バイオマス焼却灰を分散液に含ませて用いる。この分散液には、バイオマス焼却灰以外の灰を混合して用いてもよい。このような灰としては、石炭や廃タイヤ一般廃棄物ペーパースラッジなどの焼却灰を用いることができる。これらを混合して用いる場合、バイオマス焼却灰の割合は、バイオマス焼却灰の二酸化炭素濃度の低減効果が極めて高いことも考慮して、二酸化炭素濃度の低減量等に応じて適宜設定することができる。本発明の二酸化炭素濃度の低減方法等においては、バイオマス焼却灰が、焼却灰全体において最も占める割合が多い主たる灰として用いられることが好ましい。分散液に含まれる焼却灰の全量に対して、バイオマス焼却灰が占める割合は、30質量%以上が好ましく、50質量%以上や70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上としてもよい。また、その上限は特に定めなくてもよい。上限を設ける場合、不純物などを除き、実質的にバイオマス焼却灰からなるものとしてもよいため、100質量%以下や、99質量%以下、98質量%以下のような上限を設けてもよい。

0028

分散液に含まれる焼却灰は、Ca濃度が10〜80質量%であることが好ましい。Ca濃度は、石炭灰の場合、0.5〜15質量%程度である。一方、バイオマス焼却灰は、石炭灰よりもCa濃度が高いものとなる。本発明ではこのようなCa濃度が高いバイオマス焼却灰を分散液に含まれる主たる灰として用いる。このCa濃度が高いことで、被処理気体中のCO2と接触することで、CaCO3などの状態で分散液中に含有されて、気化しにくい状態になると考えられる。よって、分散液に含まれる焼却灰のCa濃度が高いことで、被処理気体からのCO2低減効果が非常に優れたものとなる。

0029

分散液に含まれる焼却灰のCa濃度は、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましい。また、35質量%以上や40質量%以上としてもよい。Ca濃度をより高いものとすることで、優れたCO2低減効果が得られる。特に、30質量%以上とするとき、この効果が顕著なものとなる。また、Ca濃度を過剰に高いものとすることが難しい場合があるため、上限は、70質量%以下や、60質量%以下、55質量%以下としてもよい。なお、Ca濃度は、灰の組成をXRF(蛍光X線)で分析しNa(原子番号:11)以上の原子番号の成分量を測定し、その中でCaが占める割合として計算される値を用いる。

0030

分散液に含まれる焼却灰は、Mg濃度が0.5〜15質量%であることが好ましい。Mg濃度は、石炭灰の場合、極めて低くほぼ検出されない場合も多く、検出される場合も1%未満程度である。一方、バイオマス焼却灰は、Mgを含み、所定の濃度含む場合が多い。本発明ではこのようなMgを含むようなバイオマス焼却灰を分散液に含まれる主たる灰として用いることが好ましい。このMgを含むことで、被処理気体中のCO2と接触することで、バイオマス灰などに由来するCaも含めて相互反応し、例えば、CaMg(CO3)2(ドロマイト)、CaMg3(CO3)4(ハンタイト)などの炭酸・カルシウム・マグネシウム塩などの状態で分散液中に含有されて、気化しにくい状態になると考えられる。よって、分散液に含まれる焼却灰のMg濃度が高いことで、被処理気体からのCO2低減効果が非常に優れたものとなる。

0031

分散液に含まれる焼却灰のMg濃度は、1.5質量%以上が好ましく、2.0質量%以上がより好ましい。また、3質量%以上や4質量%以上としてもよい。Mg濃度をより高いものとすることで、優れたCO2低減効果が得られる。特に、2.0質量%以上とすることで、この効果が顕著なものとなる。また、Mg濃度を過剰に高いものとすることが難しい場合があるため、上限は、12質量%以下や、10質量%以下としてもよい。なお、Mg濃度は、灰の組成をXRF(蛍光X線)で分析しNa(原子番号:11)以上の原子番号の成分量を測定し、その中でMgが占める割合として計算される値を用いる。

0032

分散液に含まれる焼却灰のSi濃度は、50質量%以下が好ましく、40質量%以下や30質量%以下がより好ましい。Siは、主に石炭灰に含まれ、石炭灰よりもバイオマス灰に有意に多量に含まれるCaやMgよりもCO2吸着に寄与しにくく、Si濃度が高くなることで相対的に、CaやMgが低下するため、Si濃度は低いほうが好ましい。Siを除去することは難しく、他の成分が十分に含まれていればよいため、Si濃度の下限は、2質量%以上や、3質量%以上としてもよい。

0033

分散液に含まれる焼却灰のAl濃度は、15質量%以下が好ましく、10質量%以下や8質量%以下がより好ましい。Alは、主に石炭灰に含まれ、石炭灰よりもバイオマス灰に有意に多量に含まれるCaやMgよりもCO2吸着に寄与しにくく、Al濃度が高くなることで相対的に、CaやMgが低下するため、Al濃度は低いほうが好ましい。Alを除去することは難しく、他の成分が十分に含まれていればよいため、Al濃度の下限は、0.2質量%以上や、0.5質量%以上としてもよい。

0034

分散液に含まれる焼却灰のK濃度は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上や、20質量%以上がより好ましい。K濃度をより高いものとすることで、優れたCO2低減効果が得られる。特に、10質量%以上とすることで、この効果が顕著なものとなる。また、K濃度を過剰に高いものとすることが難しい場合があるため、上限は、40質量%以下や、38質量%以下、35質量%以下としてもよい。

0035

なお、Si濃度、Al濃度、K濃度も、灰の組成をXRF(蛍光X線)で分析しNa(原子番号:11)以上の原子番号の成分量を測定し、その中でSiが占める割合として計算される値を用いる。

0036

[分散媒]
本発明の接触工程は、バイオマス焼却灰を含む分散液の状態で、被処理気体と接触させて行われる。バイオマス焼却灰は乾燥状態で二酸化炭素と接触しても、気体中の二酸化炭素濃度の低減効果は限定的なものとなる。しかしながら、焼却灰を分散媒中に分散させた分散液の状態で、被処理気体と接触させることで、被処理気体中の二酸化炭素の状態を変化させて効率的に気化しにくいものとすることができる。

0037

分散媒は、バイオマス焼却灰を含む焼却灰等を含む分散液に用いられる液体である。なお、分散媒中で、混合された焼却灰等は、溶解したり分散したりするが、二酸化炭素吸着の反応が起こればいずれでもよく、本願においては、固体状等で分散するものと塩等の溶解するものを含み、分散として説明する。この分散媒は、水を含むことが好ましい。水は入手しやすい液体である。本発明においてCO2低減には、カルシウムや二酸化炭素、マグネシウムなどの関連成分イオン化しやすい状態であることが有効と考えられる。これらの反応しやすい状態とするためにも極性を有する液体である水を用いることが有効である。なお、この水は、純水に限られず、広く、淡水海水工業用水など水を主とするものを広く含み同様に用いることができる。分散媒は、淡水や海水、工業用水など水からなるものでもよく、これらを80%以上や90%以上、95%以上含むものとして、他の液体と混合して用いてもよい。

0038

[分散液]
本発明に用いる分散液は、分散媒に分散したバイオマス焼却灰を含む。なお、分散液は、灰と分散媒とが混合され、灰が少量でも分散媒中に分散したものをいう。灰の種類や割合、大きさなどに応じて、適宜、スラリー状や溶液、分散液、といった状態を含むものであり、これらを総称する概念として分散液とする。分散液には、適宜、塩が溶解していてもよい。また、焼却灰等に由来して混入する不純物等を含む状態で用いることができる。

0039

分散液における、バイオマス焼却灰を含む焼却灰の濃度は、接触時の条件等を考慮して適宜任意の範囲で設定することができる。この濃度は、例えば、分散液全体に占めるバイオマス焼却灰を含む焼却灰の質量濃度(「焼却灰/分散液」)として、0.5質量%〜70質量%とすることができる。分散液を霧状や流動性が高い状態で用いる場合、焼却灰の濃度を低濃度のものとして用いることができる。分散液を槽内などに満たした状態で用いる場合などは、焼却灰の濃度を高濃度のものとして用いることができる。

0040

濃度が低すぎる場合、CO2低減の反応のために必要な焼却灰が不足し、CO2低減効果が不足する場合がある。濃度が高すぎる場合、CO2低減の反応のために必要な水などの分散媒が不足し、CO2低減効果が不足する場合がある。また、焼却灰の濃度が高すぎると、固形物が多いスラリーとなり、取り扱いにくくなったり、被処理気体と接触させにくくなる場合がある。

0041

焼却灰の質量濃度の下限は、1.0質量%以上や、2.0質量%以上としてもよい。また、焼却灰の質量濃度の上限は、60質量%以下や、50質量%以下としてもよい。

0042

本発明の分散液には、塩化カルシウムおよび/または塩化マグネシウムを溶解等の分散させることができる。本発明において、CO2低減には、CaやMgが、バイオマス焼却灰に由来して、分散媒中に含まれた状態であることが影響していると考えられる。このCaやMgを、塩化カルシウムや塩化マグネシウムを用いて追加することで、そのCO2低減効果を調整することができる。これらの成分を追加するとき、塩化カルシウムの濃度は、分散媒における質量濃度(塩化カルシウム/分散液)として、0.5〜15質量%程度や1〜10質量%程度とすることができる。また、塩化マグネシウムの濃度は、分散液における質量濃度(塩化マグネシウム/分散液)として、0.5〜10質量%程度や、1〜5質量%程度とすることができる。バイオマス焼却灰に由来するCaやMgを含むため、塩化カルシウムや塩化マグネシウム由来の成分の追加量は少量でも十分に追加による効果が得られる。過剰に加えると、相対的に焼却灰の濃度が低下して、十分な反応の場がなかったり、灰の状態で含まれている組成の触媒効果等が低下して、CO2濃度を低減しにくくなるおそれがある。これらの成分の追加混合量が少なすぎる場合、混合による効果が得られず、バイオマス焼却灰のみのよる効果と実質同程度の効果となる場合がある。

0043

[接触工程]
本発明のCO2低減方法の接触工程は、被処理気体と、分散媒とを接触させる工程である。この接触工程により、焼却灰に二酸化炭素が吸着した二酸化炭素吸着灰が生じる。また二酸化炭素吸着灰が生じることで、被処理気体の二酸化炭素は、二酸化炭素吸着灰などの分散液に捕捉された状態となり、被処理気体中の二酸化炭素濃度は低減する。

0044

接触工程の、被処理気体と分散液との接触は、気体と液状物とが接触する任意の手段で行うことができる。例えば、分散液を収容する槽内に、被処理気体を流入させる配管を設けて被処理気体を流入させて、吹込み式として槽内で接触させることができる。あるいは、被処理気体が適宜流入しながら含まれる槽に、スプレー式としてシャワー状やスプレー状に分散液を供給したり、濡れ壁式として槽の壁に沿って分散液を供給して、槽内で接触させることができる。また、これらの接触は回分式で行っても、連続式で行ってもよい。また、分散液はあらかじめ調製して用いてもよいし、これらの接触を行う槽に、分散液の成分となる水などの分散媒や焼却灰を連続的に供給・回収しながら、槽内で混合しながら、被処理気体と接触させるものとしてもよい。このような接触工程を行うものとして、本発明のCO2低減装置は、二酸化炭素を含む被処理気体と、焼却灰を含む分散液とを、接触させ、前記焼却灰に前記被処理気体に含まれる前記二酸化炭素が吸着した二酸化炭素吸着灰とするための接触槽を有するものとすることができる。

0045

接触工程の、被処理気体と分散液とを接触させるときの混合比は、被処理気体中の二酸化炭素濃度や、分散液中のバイオマス焼却灰の組成や濃度、低減させる程度、接触時間、接触手段などを考慮して適宜設定することができる。例えば、バイオマス焼却灰と水との質量比(バイオマス焼却灰:水)が1:5の分散液(L)を用いたとき、室温(20℃)でのCO2(mol)吸収の反応速度は、0.015〜0.030((mol/L)/sec)程度を目安とすることができる。この反応速度を参照して、被処理気体と分散液との接触比率を設定することができる。

0046

被処理気体と分散液との接触時間は、これらの混合比と同様に、諸条件に応じて、適宜反応速度などを考慮して設定することができる。本発明におけるCO2の吸収は短時間で吸収されるため、例えば、少なくとも1秒以上や5秒以上、10秒以上の接触時間となるように接触させることができる。接触時間が長いほど、より安定して被処理気体中のCO2濃度を低減することができるため、1分以上や5分以上、10分以上のように接触時間を設定してもよい。接触時間を長くしてもCO2濃度の低減効果は一定の範囲で飽和する場合があるため、5時間以下や、3時間以下、2時間以下のような上限を設けてもよい。連続的に流通させながら被処理気体と分散液とを接触させる場合、分散液量に対する被処理気体の流通量から求められる滞留時間(被処理気体の流通量(L/sec)/分散液量(L)))を、前記接触時間を参照して調整してもよい。

0047

被処理気体と分散液とを接触させるときの温度は、特に制限はないが、CO2濃度の低減効果は常温程度の温度でも十分に生じるため、特に温度制御等は行わずに行ってもよい。温度が高いほうが分散液を取り扱いやすく、CO2濃度低減の反応速度も安定して管理しやすいと考えられるため、燃焼排ガスの熱などを利用して、20〜80℃や、30〜50℃など、冬季なども含めた自然の気温よりも高い温度で制御してもよい。また、分散液のpHは、バイオマスの焼却灰を水に分散させたとき、pH12〜13程度となり、反応後はpH6〜8程度の中性付近となる。pHは、反応状態管理指標などとして用いてもよく、接触させる槽等は、これらのpHでも劣化しにくいものを用いることが好ましい。

0048

本発明による被処理気体中の二酸化炭素濃度の低減は、被処理気体中の二酸化炭素濃度が減少すればよい。この低減効果は、被処理気体の二酸化炭素濃度をどの程度まで低減させたいかに応じて、適宜その低減効果を奏する範囲を設定して、適した接触条件等を設定することができる。一般的に、燃焼排ガスに含まれるCO2濃度は、15%程度といわれている。このCO2濃度を、わずかに低減させるだけでも、CO2排出量は非常に大きいため、大きな効果といえる。例えば、被処理気体のCO2濃度の初期値をC0(%)とし、分散液と接触させてCO2濃度が低減された後の被処理気体のCO2濃度をC1(%)とすると、「(C0—C1)/C0×100」で求められるCO2低減率ΔC(%)は、1%以上や、5%以上、10%以上などとすることができる。本発明のCO2低減方法や低減装置を用いる状況により、ΔCを適宜設定して実施することができる。

0049

本発明のCO2低減方法により、二酸化炭素を吸着したバイオマスの焼却灰は、二酸化炭素吸着灰となる。二酸化炭素吸着灰は、飽和する程度、二酸化炭素を吸着した後は、二酸化炭素の吸着効果が減少するため分散液から適宜回収される。この二酸化炭素吸着灰は、詳しくは後述するように人工石原料や人工ゼオライト原料として利用することもできる。二酸化炭素吸着灰は、被処理気体と接触前よりもCO2の吸着量が多いものをいい、飽和していなくてもよい。この吸着時のCO2を含む態様は、CO2が気化しにくいものとなり、被処理気体中のCO2濃度が低下すれば特に制限はないが、XRD解析をおこなったとき、接触後に回収された分散液中の灰について、被処理気体と接触前のバイオマス焼却灰と比べて、炭酸・カルシウム・マグネシウム塩、炭酸・カリウム・カルシウム塩、炭酸カルシウム塩、および炭酸マグネシウム塩(例えば、CaMg(CO3)2、CaMg3(CO3)4、K2Ca(CO3)2、Ca(CO3)、およびMg(CO3))などのピークが観察されたり、強くなることで、CO2が吸着したものとすることができる。

0050

[人工石の製造方法]
本発明の人工石の製造方法は、本発明のCO2低減方法の接触工程の前記二酸化炭素吸着灰と、固化材とを混合し、固化させて人工石を得る固化工程を有するものとすることができる。本発明のCO2低減方法にかかる二酸化炭素吸着灰は、人工石の原料として利用することができる。

0051

[固化材]
固化材は、人工石を製造するときに用いられる各種固化材を用いることができる。例えば、セメントなどを用いることができる。固化材と、二酸化炭素吸着灰とを、適宜水などを分散媒として用いて混合し、反応させて養生することで人工石を得ることができる。この人工石は、砂利のような状態で用いてよいし、ブロック状などとして用いてもよい。本発明にかかる人工石は、二酸化炭素吸着灰が、CaやMgを豊富に含み、CO2を吸着していることから、凝集が生じやすいため、ブロック状として用いることができる。

0052

[人工石原料]
本発明の人工石原料は、バイオマス焼却灰に二酸化炭素が吸着した二酸化炭素吸着灰を含み、かつ、炭酸・カルシウム・マグネシウム塩、炭酸・カリウム・カルシウム塩、炭酸カルシウム塩、および炭酸マグネシウム塩(例えば、「CaMg(CO3)2(ドロマイト)、CaMg3(CO3)4(ハンタイト)、K2Ca(CO3)2(フェアチルダイト)、Ca(CO3)、およびMg(CO3)」)からなる群から選択される2以上を含む。この人工石原料は、本発明のCO2低減方法の接触工程を経た二酸化炭素吸着灰を用いることができる。炭酸・カルシウム・マグネシウム塩、炭酸・カリウム・カルシウム塩、炭酸カルシウム塩、および炭酸マグネシウム塩は、XRD解析したときバイオマス焼却灰よりも高いピークを有することで、これらを含むものとすることができる。本発明の人口石原料は、CaMg(CO3)2(ドロマイト)、CaMg3(CO3)4(ハンタイト)、K2Ca(CO3)2(フェアチルダイト)、Ca(CO3)、およびMg(CO3)からなる群から選択される3以上を含むものとしてもよく、5つすべてを含むものとしてもよい。

0053

なお、本願において、炭酸・カルシウム・マグネシウム塩は、カルシウムとマグネシウムを含む復炭酸塩であり、一般式CalMgm(CO3)nで表すことができ、例えば、CaMg(CO3)2(ドロマイト)、CaMg3(CO3)4(ハンタイト)である。炭酸・カリウム・カルシウム塩は、カリウムとカルシウムを含む復炭酸塩であり、一般式KlCam(CO3)nで表すことができ、例えば、K2Ca(CO3)2(フェアチルダイト)である。また、炭酸カルシウム塩は、カルシウムの炭酸塩であり、具体的にはCa(CO3)である。炭酸マグネシウム塩は、マグネシウムの炭酸塩であり、具体的にはMg(CO3)である。各一般式における、l、m、nは、適宜鉱物の種類等に応じてそれぞれ独立に例えば1〜10や、1〜5の数などである。

0054

[人工ゼオライト原料]
本発明の人工ゼオライトは、バイオマス焼却灰に二酸化炭素が吸着した二酸化炭素吸着灰を含み、かつ、炭酸・カルシウム・マグネシウム塩、炭酸・カリウム・カルシウム塩、炭酸カルシウム塩、および炭酸マグネシウム塩(例えば、「CaMg(CO3)2(ドロマイト)、CaMg3(CO3)4(ハンタイト)、K2Ca(CO3)2(フェアチルダイト)、Ca(CO3)、およびMg(CO3)」)からなる群から選択される2以上を含む。この人工ゼオライト原料は、本発明のCO2低減方法の接触工程を経た二酸化炭素吸着灰を用いることができる。

0055

焼却灰を原料として、ゼオライトを生成することができる。例えば、特開2002−255336号公報や、特開平10−324518号公報、特開2000−81628号公報、特許6297740号公報などを参照することができる。焼却灰からゼオライトを製造する際、ゼオライト生成に不要なCaなどは、生成反応阻害する。本発明のCO2低減方法の接触工程を経た二酸化炭素吸着灰は、このCaなどが反応して、安定的なCa(CO3)等になって人工ゼオライトの生成反応を阻害しにくい状態となる。このため、ゼオライトの生成に必要な元素(Si、Al)が優先的に反応するものとなり、効率的なゼオライト生成ができる。
人工ゼオライトの製造にあたっては、このような人工ゼオライト原料と、アルカリ水溶液とを混合し、加熱することで人工ゼオライトを得る人工ゼオライトの製造方法とすることができる。

0056

[実施形態1]
図1は、本発明のCO2低減方法を行うためのCO2低減装置の一実施形態を示すものである。
CO2低減装置11は、吹き込み式のCO2低減方法に用いられる装置である。CO2低減装置11は、接触槽41を有する。接触槽41には、バイオマス焼却灰と水とを混合した分散液201が収容されている。分散液201内には、配管311が設けられており、配管311には、二酸化炭素を含む被処理気体3が流通されている。分散液201内の配管311の開口部312から、被処理気体3が分散液201内に流入し、接触槽41内で、分散液201と、被処理気体3が接触する。この接触により、被処理気体3の二酸化炭素が、分散液201のバイオマス焼却灰に吸着される。分散液201と反応しなかった気体は、接触槽41の上部の気相に流出し、配管313から、二酸化炭素濃度が低減された気体として、排気される。CO2低減装置11には、適宜撹拌翼51を設けて撹拌翼51と接続されているモーター52を回転させることで撹拌翼51を回転させて、分散液201を撹拌しながら、被処理気体3と接触させてもよい。

0057

[実施形態2]
図2は、本発明のCO2低減方法を行うためのCO2低減装置の一実施形態を示すものである。
CO2低減装置12は、スプレー式のCO2低減方法に用いられる装置である。CO2低減装置12は、接触槽42を有する。接触槽42の下部には、バイオマス焼却灰と水とを混合した分散液を収容する収容部224が設けられている。接触槽42の収容部224に収容されている分散液202は、ポンプ222により配管223を介して、接触槽42内の気相の上部に設けられているスプレーノズル221に送られ、スプレーノズル221からスプレー状に分散液202が反応槽42内に噴霧される。

0058

反応槽42の気相には、被処理気体収容部321から配管を通して、被処理気体が送気されている。この反応槽42の気相で、スプレーノズル221から噴霧された分散液202と、被処理気体が接触して、被処理気体の二酸化炭素は、分散液に含まれるバイオマス焼却灰と反応して吸着される。反応槽42に送気された被処理気体は、二酸化炭素濃度が低減され、反応槽42の排気口322から排出される。

0059

反応槽42の収容部224には、バイオマス焼却灰収容部621からバイオマス焼却灰が連続的や断続的に供給される。また、収容部224には、水収容部622から水が連続的や断続的に供給される。収容部224では二酸化炭素吸着灰が沈降分離して、水が主となる上澄みは配管225から排出され、沈降した二酸化炭素吸着灰は配管226から排出される。このバイオマス焼却灰や水の供給や、二酸化炭素吸着灰や水の排出により、分散液202は、逐次、未反応のバイオマス焼却灰を含むものとなり、連続的に被処理気体に含まれる二酸化炭素を低減することができる。

0060

以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。

0061

評価項目
元素分析(XRF)]
XRF:日本電子社製「JSX—1000s」を用いて、CO2低減試験に用いる灰や、CO2吸着後の灰の元素分析などを行った。
測定条件管電圧50kV、フィルターND、コリメーター

0062

組成分析(XRD)]
XRD:株式会社リガク社製「MiniFlex600」を用いて、灰の組成分析を行った。
測定条件:X線出力40kV・15mA、波長CuKa/1.5

0063

CO2吸収量の測定(密閉容器試験法)]
柔軟性が高い密封容器に、灰と分散媒(水や海水)とを含む分散液を加え、同密封容器の気相をCO2で置換して、分散液と、CO2を反応させて、密封容器の体積変化から、気体のCO2の減少量を求めた。体積変化は、反応前の分散液とCO2を含む密封容器を、水を充満させた測定用容器に入れて、測定容器内で反応させることで反応後に測定用容器内で減少した体積を求めるものとした。

0064

[灰の組成]
・石炭灰(1):火力発電所で用いられた石炭の焼却後の灰を、石炭灰(1)として用いた。
・バイオマス灰(1):廃材を火力発電のバイオマスとして用いた焼却後の焼却灰を、木質の焼却灰であるバイオマス灰(1)として用いた。
石炭灰(1)と、バイオマス灰(1)のXRF分析結果を図3に示す。

0065

[試験例1]バイオマス灰(1)のCO2吸収試験
・試験例(1−1) 固液比1:5
バイオマス灰(1)と海水とを混合させて、CO2吸収量の測定試験を行った。
密封容器は、容積約2Lの樹脂製容器を用いて、バイオマス灰(1)100gと海水500gを混合した固液比1:5の分散液として、樹脂製容器にいれ、気相をCO2に置換して、試験した。試験時の温度は20℃であった。

0066

・比較例(1−1)試験例(1−1)のバイオマス灰(1)に代え石炭灰(1)を用いて同様に試験した。

0067

試験例(1−1)と比較例(1−1)の試験時間経過に伴う体積変化を測定し、灰の単位量当たりのCO2吸収量を換算した結果を、図4に示す。図4は、反応時間3時間(180min)までの結果を比較して示すものである。
石炭灰(1)の分散液に比べて、バイオマス灰(1)を用いた分散液は、非常に短時間で、多量のCO2を吸収し、その吸収量もはるかに多いことが確認された。

0068

・試験例(1−2) 固液比1:2
試験例(1−1)に準じて、海水に代え淡水を用いて、固液比を1:2としても同様の挙動を示すことが確認された。

0069

・試験例(1−3)塩化マグネシウムの混合
試験例(1−1)に準じて、分散液に、塩化マグネシウム(MgCl)を混合した試験を行った。バイオマス灰(1)100質量部に対して塩化マグネシウム10質量部を混合し、固液比は試験例1−1と同様に調製して試験を行った。CO2置換後、直ちにCO2が吸着される反応が生じ、体積変化からCO2吸収速度の経時変化を測定することが困難なほどに、吸収速度が高かった。

0070

[試験例2]人工石の製造
(1)二酸化炭素吸着灰のXRD分析
試験例(1−1)、(1−3)の反応後に、バイオマス灰(1)を用いたCO2吸収試験後の分散液の灰を回収して、XRD分析を行った結果、バイオマス灰(1)ではピークを確認できないCa(CO3)やCaMg3(CO3)4、K2Ca(CO3)2、Mg(CO3)のピークが確認されたことから、灰にCO2が吸着されることで、容器内のCO2の気体が減少し、体積変化が生じたことが確認された。XRDの比較結果を、図5に示す。

0071

(2)人工石の製造
試験例(1−1)で用いた反応後の二酸化炭素吸着灰90質量部と、セメント10質量部と、水100質量部とを混合して、容器に流し込み、開放状態で5日養生した。養生後の固化した物質は、灰由来の成分を多量に含むにもかかわらず、ブロック状に固化し、人工石に適したものが得られた。

0072

図6は、製造した人工石の外観図である。図6右側は、試験例(1−1)による二酸化炭素吸着灰を用いて製造した人工石である。図6左側は、二酸化炭素吸着灰に代えて、未処理のバイオマス灰(1)を用いて製造した人工石である。いずれも、人工石として使用できるものが得られ、試験例(1−1)による二酸化炭素吸着灰を用いて製造した人工石の方が、より均質外観の人工石が得られた。

実施例

0073

図7は、これらの人工石をXRD分析した結果を示す図である。二酸化炭素吸着灰を用いて製造した人工石には、アノーサイト(CaAl2Si2O8)と考えられるピークも検出された。

0074

本発明は、バイオマス焼却灰を用いて、燃焼排ガス等の二酸化炭素濃度を低減するものであり、さらに、人工石を提供するものであり、産業上有用である。

0075

11、12CO2低減装置
201、202 分散液
221スプレーノズル
222ポンプ
223配管
224 収容部
225、226 配管
3被処理気体
311、313 配管
312 開口部
321 被処理気体収容部
322 排出口
41、42接触槽
51撹拌翼
52モーター
621バイオマス焼却灰収容部
622 水収容部

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 广州金智医療器械有限公司の「 廃棄医療用具の処理設備」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題】本発明は廃棄医療用具の処理設備を開示した。【解決手段】処理器を含み、前記処理器の中には粉砕チャンバが設置され、本発明は構成が簡単であり、操作しやすく、メンテナンスが便利であり、また当該設備は医... 詳細

  • 日本ゼオン株式会社の「 繊維状炭素ナノ構造体」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題・解決手段】分散剤を用いることなく、高い分散性を有する分散液を得ることを可能とし、ひいては、凝集塊のない均質な膜を得ることを可能とする繊維状炭素ナノ構造体を提供する。昇温脱離法における25℃〜1... 詳細

  • 国立大学法人愛媛大学の「 ダイヤモンド膜等を形成するためのデバイスおよびその形成方法」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題・解決手段】本発明の一実施形態では、基材の表面上に少なくともダイヤモンド膜を形成するためのデバイスであって、原料液を保持しかつ該原料液中に基材を設置するための容器と、正電極および負電極を備え、か... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ