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技術 シリコーンオイル(を含有するオイル組成物)により優れた過酸化水素保存性を示す過酸化水素溶液プレフィルドガラス製シリンジ

出願人 株式会社KORTUC
発明者 山下正悟
出願日 2019年4月16日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-078110
公開日 2020年10月29日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-174824
状態 特許登録済
技術分野 医療用材料 医療品保存・内服装置 注入、注射、留置装置
主要キーワード 密閉保管 保存開始前 オキシドール ガラス製シリンジ 過酸化水素残存率 プランジャーロッド プレフィル オイル組成物
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この項目の情報は公開日時点(2020年10月29日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

過酸化水素の分解を抑制するシリンジを提供する。

解決手段

本発明は、過酸化水素溶液プレフィルドされているシリンジであって、 上記シリンジは、少なくともバレルガラス製であり、 上記バレルは、その内壁に、シリコーンオイルを含有するオイル組成物が塗布されている、 シリンジを提供する。

概要

背景

過酸化水素溶液は、工業的には漂白剤として使用され、食品分野では殺菌剤として使用されている。過酸化水素を2.5から3.5 w/v%含むオキシドールは、消毒剤として医療用に用いられている。

過酸化水素溶液は、ヒアルロン酸と組み合わせることで放射線増感剤として用いることができる(特許文献1)。

概要

過酸化水素の分解を抑制するシリンジを提供する。 本発明は、過酸化水素溶液がプレフィルドされているシリンジであって、 上記シリンジは、少なくともバレルガラス製であり、 上記バレルは、その内壁に、シリコーンオイルを含有するオイル組成物が塗布されている、 シリンジを提供する。

目的

本発明は、過酸化水素の保存を安定させるためのオイル組成物を使用した過酸化水素溶液プレフィルドガラス製シリンジを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

過酸化水素溶液プレフィルドされているシリンジであって、前記シリンジは、少なくともバレルガラス製であり、前記バレルは、その内壁に、シリコーンオイルを含有するオイル組成物が塗布されている、シリンジ。

請求項2

前記シリコーンオイルは、下記式(1)で表される直鎖状シリコーンである、請求項1に記載のシリンジ。(前記式(1)中、Rは、それぞれ独立してアルケニル基及び/又はSiH基等のヒドロシリル化付加反応関与する官能性基を含有しない有機官能基、又は水酸基を表し、それぞれのRは同じでも異なっていてもよく、xは10〜1200の整数を表し、Rは、それぞれ独立に一価炭化水素基又は水酸基を表す)

請求項3

Rは、それぞれ独立にアルキル基又はアリール基を表す、請求項2に記載のシリンジ。

請求項4

Rは、それぞれ独立にメチル基エチル基又はフェニル基を表す、請求項3に記載のシリンジ。

請求項5

前記直鎖状シリコーンは、両末端トリオルガノシリル基封鎖されたポリジオルガノシロキサンである、請求項2から4のいずれかに記載のシリンジ。

請求項6

前記ポリジオルガノシロキサンは、ポリジアルキルシロキサンポリジアリールシロキサンポリアルキルアリールシロキサン又はこれらの共重合体である、請求項5に記載のシリンジ。

請求項7

前記ポリジオルガノシロキサンは、ポリジメチルシロキサン又はポリメチルフェニルシロキサンである、請求項6に記載のシリンジ。

請求項8

前記ポリジメチルシロキサンは、Rがすべてメチル基であるポリジメチルシロキサンである、請求項7に記載のシリンジ。

請求項9

前記過酸化水素溶液の過酸化水素の濃度は、0.01から40%(w/v)である、請求項1から8のいずれかに記載のシリンジ。

技術分野

0001

本発明は、シリコーンオイルを含有するオイル組成物を使用した過酸化水素溶液プレフィルガラス製シリンジに関する。

背景技術

0002

過酸化水素溶液は、工業的には漂白剤として使用され、食品分野では殺菌剤として使用されている。過酸化水素を2.5から3.5 w/v%含むオキシドールは、消毒剤として医療用に用いられている。

0003

過酸化水素溶液は、ヒアルロン酸と組み合わせることで放射線増感剤として用いることができる(特許文献1)。

先行技術

0004

WO2008/041514

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1のように過酸化水素溶液を放射線増感剤で使用する場合、容易に分解される過酸化水素溶液の特性上、過酸化水素溶液は、使用時に容器から量り取る必要があった。

0006

また、過酸化水素溶液は従来のガラス材質ホウケイ酸ガラス等)製シリンジを用いてプレフィルド化すると、過酸化水素が分解され、長期保存が不可能であった。この課題を解決するために本発明は、過酸化水素の保存を安定させるためのオイル組成物を使用した過酸化水素溶液プレフィルドガラス製シリンジを提供する。

課題を解決するための手段

0007

本発明の目的は、
過酸化水素溶液がプレフィルドされているシリンジであって、
上記シリンジは、少なくともバレルがガラス製であり、
上記バレルは、その内壁に、シリコーンオイルを含有するオイル組成物が塗布されている、
シリンジ
を提供することである。

0008

このオイル組成物を用いることで、過酸化水素の保存を安定させることが可能になり、このオイル組成物をシリンジの内壁に塗布することにより、過酸化水素溶液をプレフィルドしたシリンジであっても長期間の保存が可能になる

発明の効果

0009

この発明により、過酸化水素溶液を長期保存可能な放射線増感剤用プレフィルドシリンジが提供可能となる。

図面の簡単な説明

0010

図1は、本実施形態による、過酸化水素溶液が充填されたプレフィルドシリンジの概略図を示している。
図2は、実施例における各容器での過酸化水素残存率グラフを示している。

0011

定義
便宜上、本願で使用される特定の用語は、ここに集めている。別途規定されない限り、本願で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般的に理解するのと同じ意味を有する。文脈で別途明記されない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は複数の言及を含む。

0012

本発明で示す数値範囲及びパラメーターは、近似値であるが、特定の実施例に示されている数値は可能な限り正確に記載している。しかしながら、いずれの数値も本質的に、それぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を含んでいる。また、本明細書で使用する「約」という用語は、一般に、所与の値又は範囲の10%、5%、1%又は0.5%以内を意味する。或いは、用語「約」は、当業者が考慮する場合、許容可能な標準誤差内にあることを意味する。

0013

オイル組成物
本実施形態にかかるオイル組成物は、
シリコーンオイルを含有する、過酸化水素の保存を安定させるためのオイル組成物である。上記オイル組成物には、シリコーンオイル以外に医薬的に許容可能な成分(滅菌水等)が含まれていても良い。

0014

シリコーンオイルとしては、25℃での動粘度が20〜40,000cStであるシリコーンオイルを用いることができ、好ましくは500〜30,000cSt、より好ましくは、800〜20,000cSt、さらに好ましくは、1,000〜15,000cStである。

0015

シリコーンオイルの25℃での動粘度はJIS Z8803により測定することができる。

0016

シリコーンオイルは、好ましくは下記式(1)で表される直鎖状シリコーンを用いることができる。

0017

0018

上記式(1)中、Rはそれぞれ独立してアルケニル基及び/又はSiH基等のヒドロシリル化付加反応関与する官能性基を含有しない有機官能基、又は水酸基を表し、それぞれのRは同じでも異なっていてもよい。xは10〜1200の整数を表す。Rは、好ましくはそれぞれ独立に一価炭化水素基又は水酸基を表し、より好ましくはアルキル基アリール基を表し、更に好ましくはメチル基エチル基フェニル基を表す。

0019

上記式(1)で表される直鎖状シリコーンとしては、両末端トリオルガノシリル基封鎖されたポリジオルガノシロキサンであり、ポリジアルキルシロキサンポリジアリールシロキサンポリアルキルアリールシロキサン又はこれらの共重合体がより好ましく、ポリジメチルシロキサン又はポリメチルフェニルシロキサンが更に好ましく、Rがすべてメチル基であるポリジメチルシロキサンが特に好ましい。

0020

シリンジ
図1は、本実施形態による、過酸化水素溶液50が充填されたプレフィルドシリンジ1の概略図を示している。本実施形態において、シリンジ10、特にバレル20の形状は、一般的には、円筒形であり、シリンジ10の一端には、過酸化水素溶液50が排出される針装着部30を備え、シリンジ10の他端には、プランジャーロッド70を挿入するための開口部80を備え、開口部80周辺には、フランジ90を備える。図1に示すプレフィルドシリンジ1は、シリンジ10の内壁にシリコーンオイルが塗布さている。図1に示すプレフィルドシリンジ1は、充填された過酸化水素溶液50を密閉するために、針装着部30にはキャップ40が備わり、開口部80からガスケット60を備えるプランジャーロッド70が挿入されている。

0021

本実施形態において、過酸化水素溶液用シリンジとは、過酸化水素溶液中の過酸化水素の分解能が低いシリンジを意味する。本実施形態において、過酸化水素溶液は、過酸化水素を溶媒(例えば、水)に溶かした溶液を意味し、必要に応じて、添加物(例えば、リン酸及びフェナセチン)を含有していてもよい。本実施形態において、シリンジは、単一の材質から製造されていてもよく、複数の材質(コーティング等の多層構造を含む)から構成されていてもよい。単一の材質から製造されたシリンジの場合、シリンジ全体がガラスでできている。複数の材質から構成されたシリンジの場合、シリンジ内壁がガラスでできており、他の部分は、過酸化水素の分解能が高い材質でできていてもよい。また、シリンジ内壁のすべての部分がガラスでできている必要はなく、シリンジ本体のバレルの内面を始めとする主な部分がガラスで出来ていればよい。すなわち、他にも過酸化水素溶液と接触する可能性がある、プランジャーロッド、ルアーロック、キャップ、ガスケットなどは、上記ガラスでできている必要はない。

0022

過酸化水素の分解能は、保存開始前の過酸化水素溶液中の過酸化水素の濃度に対する特定の温度条件下での特定の保存期間後の過酸化水素溶液中の過酸化水素の濃度の割合(過酸化水素残存率)から決定することができる。保存は、密閉状態で行われる。温度条件は、限定するものではないが、35℃、37℃、40℃、又は60℃であってもよい。保存期間は、限定するものではないが、1週間、2週間、3週間又は4週間であってもよく、4週間以上であってもよい。保存開始前の過酸化水素溶液中の過酸化水素の濃度は、例えば、0.01から40%(w/v)の範囲の任意の濃度で試験してもよい。実施形態において、上記樹脂の過酸化水素の分解能は、ガラスよりも低ければよい。上記樹脂の過酸化水素残存率は、過酸化水素2.5〜3.5w/v%を含有する溶液を60℃4週間密閉保管する条件下で、70%以上、好ましくは75%以上、より好ましくは78%以上、更に好ましくは80%以上であればよい。過酸化水素溶液中の過酸化水素量は、日本薬局方のオキシドール定量法に従い、過マンガン酸カリウム液で滴定することによって求めることができる。

0023

本実施形態のシリンジは、過酸化水素溶液がプレフィルドされたシリンジとして提供してもよい。過酸化水素溶液がプレフィルドされたシリンジは、シリンジの摺動可能に備えられたガスケットを備える。また、過酸化水素溶液がプレフィルドされたシリンジは、針装着部は(例えば、キャップなどによって)封止されている。

0024

本実施形態において、プレフィルドされたシリンジにおける過酸化水素溶液中の過酸化水素の濃度は、例えば、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.5、1、5、10、15、20、25、30、35又は40%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよく、例えば、0.01から40%(w/v)、好ましくは、0.05から30%(w/v)である。

0025

塗布
本実施形態にかかるオイル組成物は、スプレー等を用いて塗布することができる。塗布の際には、オイル組成物を適切な溶媒に溶解させてもよい。シリンジの内壁に上記オイル組成物を塗布する場合は、オイル組成物を0.02〜0.2mg/cm2の塗布量で噴霧によりシリンジの内壁に塗布することができる。シリンジの内壁への塗布後は、スキージ等の器具を用いてオイル組成物の厚さを均一化してもよく、加熱処理(例えば、オートクレーブ処理)によりオイル組成物中のシリコーンオイルを軟化させて、オイル組成物の厚さを均一化させてもよい。

0026

過酸化水素溶液の安定性試験
シリコーンオイルを塗布したガラス製容器及びシリコーンオイルを塗布していないガラス製容器を用いて、過酸化水素溶液の安定性試験を行った。シリコーンオイルは、Dow corningから購入した(製品名: Dow Corning 360 Medical Fluid (12,500 cSt))。各容器に過酸化水素溶液を加えて密閉し、60℃4週間にて保管した。保管後の過酸化水素溶液中の過酸化水素の残存率を測定した。過酸化水素溶液は、健栄製薬社製オキシドール「ケンエー」(過酸化水素2.5〜3.5w/v%を含有。リン酸、フェナセチン含有)を用いた。過酸化水素溶液中の過酸化水素量は、日本薬局方のオキシドール定量法に従い、過マンガン酸カリウム液で滴定にて検出した。結果を図2に示す。

実施例

0027

シリコーンオイルを塗布していないガラス製容器の場合は、過酸化水素残存率が約70%であった。シリコーンオイルを塗布したガラス製容器は78%以上であった。以上の結果、シリコーンオイルを塗布したガラス製容器は、シリコーンオイルを塗布していないガラス製容器よりも過酸化水素の分解を抑制することができた。

0028

1プレフィルドシリンジ
10シリンジ
20バレル
30 針装着部
40キャップ
50過酸化水素溶液
60ガスケット
70プランジャーロッド
80 開口部
90 フランジ

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