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技術 車いす固定装置

出願人 株式会社オーテックジャパン
発明者 内田健一安西里奈
出願日 2019年4月15日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-077365
公開日 2020年10月29日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-174740
状態 特許登録済
技術分野 傷病者運搬具 特殊荷物運搬車両
主要キーワード ピンシャフト 後部プーリ ボール収容孔 前部プーリ 前部フック 後部フック ワイヤ係止部材 ブレーキレバ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

操作性を向上可能な車いす固定装置を提供すること。

解決手段

本発明の車いす固定装置では、車両のフロアに設定された車いす定位置の前部左右に設けられ、先端に前部フックが取り付けられた一対の前部牽引手段と、車いす固定位置の後部左右に設けられ、先端に後部フックが取り付けられた一対の後部牽引手段と、各フックを車いすに係合させるとともに、両牽引手段を緊張状態として車椅子を車両のフロアに固定する固定手段と、前部フック及び後部フックの両方を回動可能に支持する支持部材と、フックを支持部材に対する回動位置にかかわらず着脱可能なフック着脱手段を備えた。

概要

背景

従来、車いす固定装置として、特許文献1に記載の装置が知られている。この公報には、前部フック後部フックとを支持する支持部材に対し、フックが支持部材に対して所定の角度位置となったときに、フックを着脱可能に構成され、これにより、多様な車いすを固定可能としている。

概要

操作性を向上可能な車いす固定装置を提供すること。 本発明の車いす固定装置では、車両のフロアに設定された車いす固定位置の前部左右に設けられ、先端に前部フックが取り付けられた一対の前部牽引手段と、車いす固定位置の後部左右に設けられ、先端に後部フックが取り付けられた一対の後部牽引手段と、各フックを車いすに係合させるとともに、両牽引手段を緊張状態として車椅子を車両のフロアに固定する固定手段と、前部フック及び後部フックの両方を回動可能に支持する支持部材と、フックを支持部材に対する回動位置にかかわらず着脱可能なフック着脱手段を備えた。

目的

本発明は、上記問題に着目してなされたもので、操作性を向上可能な車いす固定装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

車両のフロアに設定された車いす定位置の前部左右に設けられ、先端に前部フックが取り付けられた一対の前部牽引手段と、前記車いす固定位置の後部左右に設けられ、先端に後部フックが取り付けられた一対の後部牽引手段と、前記各フックを車いすに係合させるとともに、両牽引手段を緊張状態として車椅子を車両のフロアに固定する固定手段と、前記前部フック及び前記後部フックの両方を回動可能に支持する支持部材と、前記フックを、前記支持部材に対する回動位置にかかわらず着脱可能なフック着脱手段と、を備えたことを特徴とする車いす固定装置

請求項2

請求項1に記載の車いす固定装置において、前記フック着脱手段は、前記前部フックもしくは前記後部フックのいずれか一方を着脱可能であることを特徴とする車いす固定装置。

請求項3

請求項2に記載の車いす固定装置において、前記フック着脱手段は、前記後部フックを着脱可能であることを特徴とする車いす固定装置。

請求項4

請求項1ないし3いずれか一つに記載の車いす固定装置において、前記支持部材は、前記前部フックの回動中心と前記後部フックの回動中心とを結ぶ線分より後部側に、操作者把持する把持部を有し、前記支持部材に前記前部フック及び前記後部フックの両方が支持された状態で、前記支持部材を平面上に配置したときの状態を静的状態と定義したとき、前記静的状態における前記支持部材の重心位置は、重力方向上面から見たとき、前記把持部と前記後部フックの前記前部フック側端部との間に設定されていることを特徴とする車いす固定装置。

請求項5

請求項1ないし4いずれか一つに記載の車いす固定装置において、前記フックは、前記牽引手段と係合する牽引側係合部と、車いすと係合する車いす係合部と、これら2つの係合部の間に介在し直線形状を有する係合部連結部材とを有し、前記支持部材は、前記係合部連結部材をX字状に連結するXリンク部材であることを特徴とする車いす固定装置。

請求項6

請求項5に記載の車いす固定装置において、前記支持部材は、前記フックが前記支持部材から取り外された状態から前記支持部材に取り付ける際、前記係合部連結部材が前記X字状以外の状態での係合を禁止する規制部を設けたことを特徴とする車いす固定装置。

技術分野

0001

本発明は、車両の床に車いすを固定する車いす固定装置に関する。

背景技術

0002

従来、車いす固定装置として、特許文献1に記載の装置が知られている。この公報には、前部フック後部フックとを支持する支持部材に対し、フックが支持部材に対して所定の角度位置となったときに、フックを着脱可能に構成され、これにより、多様な車いすを固定可能としている。

先行技術

0003

特開2005−312629号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、フックには、固定する際のワイヤ等が牽引装置との間で張力を持って取り付けられているため、その状態で支持部材を持ち上げ、フックを所定の角度位置に変位させることが困難であり、支持部材とフックとの着脱動作が煩雑で、車いす固定装置の操作性に問題があった。

0005

本発明は、上記問題に着目してなされたもので、操作性を向上可能な車いす固定装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成するため、本発明の車いす固定装置では、車両のフロアに設定された車いす固定位置の前部左右に設けられ、先端に前部フックが取り付けられた一対の前部牽引手段と、
前記車いす固定位置の後部左右に設けられ、先端に後部フックが取り付けられた一対の後部牽引手段と、
前記各フックを車いすに係合させるとともに、両牽引手段を緊張状態として車椅子を車両のフロアに固定する固定手段と、
前記前部フック及び前記後部フックの両方を回動可能に支持する支持部材と、
前記フックを、前記支持部材に対する回動位置にかかわらず着脱可能なフック着脱手段と、
を備えたことを特徴とする。

発明の効果

0007

本発明では、上記構成により、支持部材とフックとの相対関係を調整することなく支持部材からフックを着脱することが可能となり、車いす固定装置の操作性を向上できる。

図面の簡単な説明

0008

車いすCの構成の概略を示す斜視図である。
実施形態1の車いす固定装置と車いすとの位置関係を表す図である。
実施形態1の車いす固定装置の平面図及び側面図である。
実施形態1の車いす固定装置の上面パネル2を取り外した状態の内部図である。
実施形態1の前部フック及び後部フックの構成を表す右側面図、平面図及び左側面図である。
実施形態1のXリンク部材カバーを取り外した状態を表す斜視図である。
実施形態1の回動軸部70の作用を表す断面図である。
実施形態1のXリンク部材50を使用して車いすC1をフロアFに固定する際の操作者の動作を表す概略図である。
実施形態1のXリンク部材50と前部フック21及び後部フック22との相対的な位置関係を示す説明図である。
図9中段及び下段の右側面図におけるD−D断面図である。
実施形態2のXリンク部材50のカバーを取り外した状態を表す斜視図である。
実施形態2の回動軸部90の作用を表す断面図である。

実施例

0009

[実施形態1]
以下に、本発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。まず、本実施の形態の車いす固定装置により固定する車いすCの構成について説明する。図1は、車いすCの構成の概略を示す斜視図であって、(a)は人の力で移動する通常の車いすC1、(b)は電動モータの力で移動する電動車いすC2である。車いすC1は、極めて一般的なものであり、左右のメインフレーム80,80と、この左右のメインフレーム80,80を連結するとともに、両者が所定の距離で左右に離間した椅子状態と、メインフレーム80,80が近接した折畳み状態とを形成する略X形状の折畳リンク81,81と、メインフレーム80,80の間に掛け渡されて座面を形成するシート部材82と、メインフレーム80,80の間に掛け渡されて背もたれ面を形成するシートバック部材83と、各メインフレーム80から後側に突出されたハンドル84と、メインフレーム80の前部下部に設けられたキャスタ88と、メインフレーム80の後部下部に設けられた車輪89とを備えている。

0010

また、メインフレーム80には、前後方向に延在されたサイドメンバ80cと、サイドメンバ80cの前後に接続された縦パイプ80a,80bとを有する。また、メインフレーム80の前端下部には、左右一対フットレスト80f,80fが取り付けられている。さらに、車いすC1には、ハンドル84に後から車いすCを押す介護者が操作するためのブレーキレバー84bが取り付けられ、かつ、車輪89の脇には、停車時に車いすCの着座者などが操作する駐車ブレーキレバー87が取り付けられている。

0011

電動車いすC2は、基本的な構成は車いすC1と同じであるが、シート部材82の下方に車輪89を駆動する電動パワーユニットPUと、電動パワーユニットPUを操作するジョイスティックJSとを有する。言い換えると、折畳リンク81が設けられていない。また、メインフレーム80の後方には、縦パイプ80bとサイドメンバ80cとの間にトラス構造を形成し、強度を確保する補強パイプ100が取り付けられている。尚、車いすCの構成は、一例であって、上記構成に限定するものではない。

0012

次に、車いす固定装置について説明する。実施形態1の車いす固定装置は、いわゆるワンボックスカーのフロアFに設置されている。図2は、実施形態1の車いす固定装置と車いすとの位置関係を表す図である。車いす固定装置の設置位置は、例えば、運転席あるいは助手席の後方位置である。図外のバックドアあるいはサイドドアから車いすCをフロア上に積み込み、車いす固定装置の上方に車いすを配置後、車いすを固定する。

0013

図3は、実施形態1の車いす固定装置の平面図及び側面図、図4は実施形態1の車いす固定装置の上面パネル2を取り外した状態の内部図である。図3(a)は平面図、図3(b)は側面図を示す。車いす固定装置は、その上面が車室内のフロアFと略同一平面となるように設置されている。また、車いす固定装置の各種機構は、図3(b)の点線で示すフロアFから一段下がった位置に形成された凹部1に設置されている。凹部1は、上面が開放された前後方向に長い長方形状である。

0014

車いす固定装置は、箱状であって上方が開放されたケース部1aと、ケース部1aの上面を閉塞する上面パネル2と、を有する。上面パネル2は、フロアFと略同一高さになるように設定されている。また、上面パネル2には、後述する前部フック21、後部フック22及びXリンク部材50といった車いす固定装置の係合パーツを、フロアFの高さ位置と略一致するように収容する収容凹部が形成されている。尚、フロアFと高さ位置が一致する蓋部材等を別途設け、蓋部材の内部に上記係合パーツを収容しても良く、特に限定しない。

0015

ケース部1aの前端部には、左右に固定された一対の前部プーリ11と、前部プーリ11に架け渡された左右の牽引手段であるワイヤ16を巻き取る前部巻取り機構12fと、前部巻取り機構12fを駆動するフロントモータMfと、を有する。これらを総称して前部牽引手段とも記載する。ケース部1aの後端部には、左右に固定された一対の後部プーリ13と、後部プーリ13に架け渡された左右の牽引手段であるワイヤ16を巻き取る後部巻取り機構12rと、後部巻取り機構12rを駆動するリアモータMrと、を有する。これらを総称して後部牽引手段とも記載する。尚、前部巻取り機構12f及び後部巻取り機構12rを総称して巻取り機構12とも記載する。前部プーリ11に架け渡されたワイヤ16の先端には、前部フック21が取り付けられている。後部プーリ13に架け渡されたワイヤ16の先端には、後部フック22が取り付けられている。

0016

図5は、実施形態1の前部フック及び後部フックの構成を表す右側面図、平面図及び左側面図である。前部フック21と後部フック22とは、Xリンク部材50で連結されている。前部フック21及び後部フック22は、ワイヤ16とワイヤ係止部材16aを介して係合するワイヤ係合部21a、22aと、車いすCと係合する車いす係合部210,220と、これら2つの係合部の間に介在し直線形状を有する係合部連結部材21b,22bとを有する。

0017

車いす係合部210,220は、係合部連結部材21b,22bに対し略直角に折曲された前後方向係止部材211,221と、この前後方向係止部材211,221の端部であって、係合部連結部材21b,22bと対向する側を略直角であって係合部連結部材21b,22bと成す角度が床面側に略40度の角度を成すように折曲された左右方向係止部材212,222とから構成されている。また、Xリンク部材50は、前部フック21及び後部フック22の回動軸方向に垂直なXリンク部材側面に前部フック21を配置し、他方のXリンク部材側面に後部フック22を配置する。

0018

Xリンク部材50は、前部フック21が取り付けられる側面に、前部フック21の回動範囲規制する前部フック規制段部54を有する。また、Xリンク部材50は、後部フック22が取り付けられる側面に、後部フック22の回動範囲を規制する後部フック規制段部55を有する。また、Xリンク部材50の後部フック22側には、操作者が車両後方からXリンク部材50を把持する把持部51を有する。

0019

図6は、実施形態1のXリンク部材のカバーを取り外した状態を表す斜視図である。Xリンク部材50は、内部に強度を担保するプレート状のフレーム部材60を有する。Xリンク部材50は、フレーム部材60の両外側に一対のカバー部材を被せ、取り付け穴61を貫通するスナップフィットによって、一方のカバー部材と他方のカバー部材とを一体に組み付けることで構成される。尚、スナップフィット以外の固定手段を用いても良く、特に限定しない。

0020

図8は、実施形態1のXリンク部材50を使用して車いすC1をフロアFに固定する際の操作者の動作を表す概略図である。車いすC1がフロアFの所定位置に移動後、操作者は、把持部51を把持し、車いすC1の所定の位置にXリンク部材50を持ち上げる。このとき、ワイヤ16に弱い引張負荷が発生していても、Xリンク部材50の前部フック規制段部54及び後部フック規制段部55により前部フック21及び後部フック22の過度な回動が規制され、所定の回動位置を確保できる。

0021

車いすC1の場合、上下方向に延びる折畳リンク81とサイドメンバ80cとの接合部において、まず前部フック21及び後部フック22の左右方向係止部材212,222を折畳リンク81の前後において回動軸方向に通過させ、その後、Xリンク部材50を下方に移動させる。これにより、前後方向係止部材211,221がサイドメンバ80c及び折畳リンク81の両方と係合する。この状態で、ワイヤ16を巻き取り、車いすC1を前後方向及び上下方向の両方に固定する。

0022

ここで、Xリンク部材50は、前部フック21の回動中心と後部フック22の回動中心とを結ぶ線分より後部側に、操作者が把持する把持部51を有し、Xリンク部材50に前部フック21及び後部フック22の両方が取り付けられた状態で、Xリンク部材50を平面上に配置したときの状態を静的状態と定義する。このとき、静的状態におけるXリンク部材50の重心位置は、平面図で見たとき(重力方向上面から見たとき)、把持部51と後部フック22の前部フック21側端部との間に設定されている。よって、把持部51と重心との距離を近接することができ、操作者が把持部51を把持して持ち上げる際のモーメントが小さくなるため、操作者が車いすCに対し、容易に係合作業を実施できる。

0023

図6に示すように、前部フック21は、係合部連結部材21bに回動軸21cが取り付けられている。この回動軸21cは、Xリンク部材50の側面及びフレーム部材60に形成された長穴52(図5の左側面図参照)内を回動可能かつ長穴52の長手方向に移動可能であって、着脱不可に取り付けられている。後部フック22は、係合部連結部材22bに回動軸部70が設けられている。回動軸部70は、Xリンク部材50に対して回動可能かつ着脱可能に構成されている。

0024

図7は、実施形態1の回動軸部70の作用を表す断面図である。図7(a)は、フレーム部材60と後部フック22とが取り外された状態を示し、図7(b)は、フレーム部材60に後部フック22を取り付ける際の回動軸部70の状態を示し、図7(c)は、フレーム部材60に後部フック22が取り付けられた状態を示す。

0025

回動軸部70は、フレーム部材60の貫通穴内に挿入され、後部フック22側の外筒部71が外挿される挿入凸部72を有する。外筒部71は、後部フック22の係合部連結部材22b側面に固定され、回動軸方向に形成された挿入穴71aと、回転軸方向と直行方向に形成され、挿入穴71aと連通し、後述するボール721dと係合するボール係止穴71bとを有する。実施形態1では、挿入孔71aの断面形状は、略正方形とされており、各辺の略中央にそれぞれボール係止穴71bが形成されている。尚、挿入孔71aの断面形状は、四角形に限らず円形でも他の多角形でもよい。

0026

挿入凸部72は、挿入孔71a内に挿入される挿入凸部720bを有するロック部材720と、ロック部材720をXリンク部材50の外側から固定する固定ボルト73と、を有する。ロック部材720は、回動中心に沿って貫通する小径軸穴720aと、小径軸穴720aの後部フック22側とは反対側に形成された大径軸穴720d1とを有する。挿入凸部720bには、小径軸穴720aと連通し、ボール721dが径方向に所定量移動可能なボール移動穴720cが形成されている。また、ロック部材720は、外筒部71と軸方向に係合するボール721dの状態を制御するコントロールピン721を有する。コントロールピン721は、操作者が押し込むピンヘッド721Bと、ピンヘッド721Bから軸方向に伸びピンシャフト721aとを有する。ピンヘッド721Bは、大径軸穴720d1内に軸方向移動可能に収容され、大径軸穴720d1の底面とピンヘッド721Bとの間にはリターンスプリング722が所定の付勢力を持って収容されている。

0027

ピンシャフト721aは、小径軸穴720a内に軸方向移動可能に収容されている。ピンシャフト721aの後部フック22側端部付近には、径方向に切り欠かれ、ボール721dを径方向内側に部分的に収容可能な第1切り欠き部721bと、この第1切欠き部721bの切り欠きより浅く、ボール721dを径方向外側に所定量突出した位置で収容可能な第2切り欠き部721cと、を有する。

0028

図7(a)に示すように、コントロールピン721のピンヘッド721Bが押し込まれておらず、後部フック22が取り付けられていない場合、コントロールピン721には、リターンスプリング722によって図7中の左方に付勢力が作用する。よって、ボール721dは第2切り欠き部721c上に配置され、ボール721dがボール移動穴720cと係合し、コントロールピン721の軸方向位置を規制する。
次に、図7(b)に示すように、ピンヘッド721Bが軸方向に押し込まれると、ボール移動穴720cと第1切り欠き部721bとが径方向から見て重なる位置となり、ボール721dが第1切り欠き部721b内に収容され、ボール721dは、挿入凸部720bの外周面よりも内径側に位置する。この状態で後部フック22の外筒部71を挿入凸部720bに外挿する。
次に、図7(c)に示すように、ピンヘッド721Bを押し込まれた状態から開放すると、再びコントロールピン721がリターンスプリング722によって図7中の左方に移動する。よって、ボール721dは第2切り欠き部721c上に移動し、ボール721dが後部フック22の外筒部71に形成されたボール係止穴71bと係合する。これにより、Xリンク部材50と後部フック22との結着が完了する。

0029

ここで、Xリンク部材50と後部フック22とを着脱可能な構成とした理由について説明する。図1(b)で示すように、近年は電動車いすC2の普及が広がっており、シート部材82の下方に車輪89を駆動する電動パワーユニットPUを備えていることが多い。この場合、図8に示すようにXリンク部材50を用いて係合させることができず、前部フック21と後部フック22とを分離させて係合する必要がある。例えば、図1(b)に示す車いすC2であれば、後部フック22をXリンク部材50から取り外し、補強パイプ100とサイドメンバ80cとの接続部付近に後部フック22を係合することが考えられる。Xリンク部材50を使用できない場合が想定される。

0030

そこで、Xリンク部材50と後部フック22とを着脱可能な構成とした。尚、後部フック22のみを着脱可能としたのは、車いすCの前方側に前部フック21を係合させる際、車両後方側から操作することを考えると、Xリンク部材50を使用した方が、より奥の方まで前部フック21が届きやすく、係合容易性を確保できるからである。

0031

このとき、後部フック22を着脱する機構として、例えば、後部フック22を所定位置までスライドさせ、更に後部フック22を所定位置まで回動させて取り外す機構が考えられる。しかしながら、後部フック22にはワイヤ16により弱いながらも負荷が生じた状態で後部フック22を取り外すことが困難であった。また、電動車いすC2に限らず、通常の車いすC1であっても、例えば、車いすの下部にトレー等が設置されている場合、フロアFとの間に形成される隙間が小さく、Xリンク部材50と後部フック22とを相対移動させるための空間を確保することが困難な場合もある。そこで、実施形態1では、コントロールピン721のピンヘッド721Bを押すだけで、後部フック22を着脱可能な構成を採用した。これにより、操作者が後部フック22を着脱する際の負担を大幅に軽減することができる。

0032

次に、Xリンク部材50に、後部フック22の回動範囲を規制する後部フック規制段部55を設けた理由について説明する。図9は、実施形態1のXリンク部材50と前部フック21及び後部フック22との相対的な位置関係を示す説明図、図10は、図9中段及び下段の右側面図におけるD−D断面図である。

0033

実施形態1のように、後部フック22をXリンク部材50から着脱可能な構成とした場合、以下の問題があった。すなわち、図8の操作者の動作を表す概略図で説明したように、Xリンク部材50を用いて車いすC1を固定する際、前部フック21の係合部連結部材21bと後部フック22の係合部連結部材22bとが回動軸方向から見てクロスした位置にセットする必要がある。仮にクロスしていないと、両フックが適正位置に回動する際に相互に干渉し、前部フック2及び後部フック22の左右方向係止部材212,222を、例えば折畳リンク81に係合させることが困難となる。特に、取り外された後部フック22をXリンク部材50に取り付ける際、誤った角度関係で取り付けてしまうと、前部フック21と後部フック22とがクロスした位置関係を得られない。

0034

そこで、後部フック22を誤って組み付けることを規制する後部フック規制段部55を設けた。図9中段の右側面図に示すように、後部フック22を適切な角度位置で取り付けた際は、図10(a)の断面図に示すように、後部フック22の係合部連結部材22bが後部フック規制段部55と干渉せず、Xリンク部材50側に押し込むことができるため、ボール721dがボール係止穴71bと係合し、後部フック22を取り付けることができる。一方、図9下段の右側面図に示すように、前部フック21と後部フック22とが回動軸方向から見てクロスしない誤った角度位置で取り付けた際は、図10(b)の断面図に示すように、後部フック22の係合部連結部材22bが後部フック規制段部55と干渉し、Xリンク部材50側に押し込むことができない。よって、ボール721dがボール係止穴71bと係合できないため、後部フック22をXリンク部材50に対して誤った位置で取り付けることを回避できる。

0035

以上説明したように、実施形態1では、下記に列挙する作用効果が得られる。
(1)車両のフロアFに設定された車いす固定位置の前部左右に設けられ、先端に前部フック21が取り付けられた一対の前部牽引手段と、車いす固定位置の後部左右に設けられ、先端に後部フックが取り付けられた一対の後部牽引手段と、各フックを車いすに係合させるとともに、両牽引手段を緊張状態として車椅子を車両のフロアに固定する巻取り機構12(固定手段)と、前部フック21及び後部フック22の両方を回動可能に支持するXリンク部材50(支持部材)と、後部フック22を、Xリンク部材50に対する回動位置にかかわらず着脱可能な回動軸部70(フック着脱手段)と、を備えた。
よって、Xリンク部材50と後部フック22との相対関係を調整することなくXリンク部材50から後部フック22を着脱することが可能となり、車いす固定装置の操作性を向上できる。尚、実施形態1では、後部フック22のみを着脱可能な構成としたが、前部フック21のみ、もしくは前部フック21及び後部フック22の両方を着脱可能に構成してもよい。

0036

(2)回動軸部70は、前部フック21もしくは後部フック22のいずれか一方を着脱可能である。
すなわち、着脱機構を削減することで、コストを抑制できる。
(3)回動軸部70は、後部フック22を着脱可能である。すなわち、車いすCの前方側に前部フック21を係合させる際、車両後方側から操作することを考えると、Xリンク部材50を使用した方が、より奥の方まで前部フック21が届きやすく、係合容易性を確保できる。

0037

(4)Xリンク部材50は、前部フック21の回動中心と後部フック22の回動中心とを結ぶ線分より後部側に、操作者が把持する把持部51を有し、Xリンク部材51に前部フック21及び後部フック22の両方が支持された状態で、Xリンク部材50を平面上に配置したときの状態を静的状態と定義したとき、静的状態におけるXリンク部材50の重心位置は、重力方向上面から見たとき、把持部51と後部フック22の前部フック21側端部との間に設定されている。
よって、把持部51と重心との距離を近接することができ、操作者が把持部51を把持して持ち上げる際のモーメントが小さくなるため、操作者が車いすCに対し、容易に係合作業を実施できる。

0038

(5)両フック21,22は、牽引手段と係合するワイヤ係合部21a、22a(牽引側係合部)と、車いすと係合する車いす係合部210,220と、これら2つの係合部の間に介在し直線形状を有する係合部連結部材21b,22bとを有し、Xリンク部材50は、係合部連結部材21b,22bをX字状に連結するXリンク部材である。
よって、操作者は、一つの動作で上下方向及び前後方向の両方を固定することができ、車いす固定装置の操作性を向上できる。

0039

(6)Xリンク部材50は、後部フック22がXリンク部材50から取り外された状態からXリンク部材50に取り付ける際、係合部連結部材22bがX字状以外の状態での係合を禁止する後部フック規制段部55(規制部)を設けた。
よって、後部フック22をXリンク部材50に対して誤った位置で取り付けることを回避できる。

0040

[実施形態2]
次に、実施形態2について説明する。基本的な構成は実施形態1と同様であるため、異なる点についてのみ説明する。図11は、実施形態2のXリンク部材のカバーを取り外した状態を表す斜視図、図12は実施形態2の回動軸部90の作用を表す断面図である。図12(a)は、フレーム部材60と後部フック22とが取り外された状態を示し、図11(b)は、フレーム部材60に後部フック22が取り付けられた状態を示す。

0041

回動軸部90は、フレーム部材60の貫通穴内に挿入され、後部フック22側の挿入部91が内挿される被挿入部92を有する。挿入部91は、後部フック22の係合部連結部材22b側面に固定され、回動軸方向に形成されたテーパー部91aと、回転軸方向と直交方向に形成され、後述するボール92gと係合するボール係止溝91bとを有する。

0042

被挿入部92は、テーパー部91aが挿入される被挿入凹部92c3を有するロック部材92cと、ロック部材92cをフレーム部材60に固定する固定ボルト92aと、を有する。ロック部材92cは、固定ボルト92a内に形成された円筒部92a1内を回動軸方向にストローク可能なピストン部92c1と、ピストン部92c1よりも大径であって内部に被挿入凹部92c3が形成された大径部92c3とを有する。ロック部材92cの外周には、固定ボルト92aと嵌合し、内周に大径部92c3が回動軸方向に摺動可能に収容すると共に、ロック部材92cの後部フック22側への移動を規制するシリンダ部材92bを有する。

0043

シリンダ部材92bの後部フック22側端部近傍には、ボール92gを径方向に移動可能なボール収容孔92b2が形成されている。また、シリンダ部材92bの外周には、回動軸方向にスライド可能であって、先端でボール92gを径方向内側に押し付けロック解除部材92dを有する。ロック解除部材92dとシリンダ部材92bとの間には、回動軸方向に所定の付勢力を持って収容される解除用リターンスプリング92fが収容れている。また、ロック解除部材92dの後部フック22側には、ロック解除部材92dの回動軸方向後部フック22側への所定以上の移動を規制するリテーナ部材92hが設けられている。リテーナ部材92hは、シリンダ部材92bに対してCリング92b1で固定されている。

0044

図12(a)に示すように、ロック解除部材92dを図12中の左方に引き込むと、ロック部材92cがリターンスプリング92eによってボール92gを外周側に押し出し、ロック部材92cの外周側にボール92gが位置する。

0045

この状態で、テーパ部91aを被挿入凹部92c3内に挿入し、そのままリターンスプリング92eの付勢力に抗して押し込む。そして、図12(b)に示すように、テーパ部91aがボール92gの位置を通過すると同時にロック解除部材92dが解除用リターンスプリング92fに押し出され、ボール92gがボール係止溝91b内に嵌まり込むことで、挿入部91の回動軸方向位置を規制する。これにより、Xリンク部材50と後部フック22との結着が完了する。後部フック22を取り外す際は、ロック解除部材92dを図12中の左方に引き込み、ボール92gが径方向に移動可能な状態で挿入部91を引き抜くと、ボール92gが径方向外側に押し出され、ロック解除される。以上説明したように、実施形態2にあっても、実施形態1と同様の作用効果が得られる。

0046

[他の実施形態]
以上、本発明を実施形態1,2に基づいて説明したが、本発明を逸脱しない範囲で他の実施形態に本発明を適用してもよい。例えば、実施形態では、ワイヤ巻取り式の牽引手段を設けた例を示したが、牽引手段によって車いすを固定可能であれば、ベルト巻取り式の牽引手段であってもよい。
また、Xリンク部材50と後部フック22との延在方向の交差角度関係を相対変位させることなく着脱可能な手段として、実施形態1,2に示す例を示したが、他の形式であっても、交差角度関係を変更することなく着脱可能であれば、本発明に含まれる。

0047

21前部フック
22後部フック
21a,22aワイヤ係合部
21b,22b 係合部連結部材
50 Xリンク部材
80メインフレーム
80a,80b縦パイプ
81折畳リンク
F フロア

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