図面 (/)
課題
解決手段
概要
背景
これに関連するシートが特許文献1に記載されている。特許文献1に記載のシートは、車両用シートであり、図14の平面図に示すように、シートクッション101とシートバック106とを備えている。シートクッション101の着座面後部には、着座者Mの臀部を支持する左右の臀部支持部101dの位置に左右の圧電フイルムセンサ104がそれぞれ設けられている。また、シートクッション101の着座面前部には、着座者Mの大腿部の前部を支持する左右の大腿支持部101eの位置に左右の圧電フイルムセンサ104がそれぞれ設けられている。そして、シートクッション101の着座面の前後左右に設けられた圧電フイルムセンサ104により、着座者Mの左右の大腿動脈の脈波信号を検出できるようになる。
概要
着座者の大動脈の脈波信号を精度良く検出することである。着座者Mが着座するシート本体部と、シート本体部に設けられており、着座者Mの大動脈Tの脈波信号を検出する圧電センサ33,34とを備えるシートであって、シート本体部は、シートクッションとシートバック130とを備えており、シートバック130には、着座者Mの肋骨Br下側と背骨Bsと骨盤Bk上側とに囲われた脇腹Mwの背面を支える脇腹背面支持部130wの位置に圧電センサ33,34が設けられている。
目的
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、着座者の大動脈の脈波信号を精度良く安定的に検出できるようにすることである
効果
実績
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請求項1
着座者が着座するシート本体部と、前記シート本体部に設けられており、着座者の大動脈の脈波信号を検出する圧電センサとを備えるシートであって、前記シート本体部は、シートクッションとシートバックとを備えており、前記シートバックには、着座者の肋骨下側と背骨と骨盤上側とに囲われた脇腹の背面を支える脇腹背面支持部の位置に前記圧電センサが設けられているシート。
請求項2
着座者が着座するシート本体部と、前記シート本体部に設けられており、着座者の大動脈の脈波信号を検出する圧電センサとを備えるシートであって、前記シート本体部は、シートクッションとシートバックとを備えており、前記シートクッションには、着座者の大腿部の付け根部分を支える大腿付け根支持部の位置に前記圧電センサが設けられているシート。
請求項3
請求項1又は請求項2のいずれかに記載されたシートであって、前記シートクッションは、クッションパッドと、そのクッションパッドを覆う表皮とを備えており、前記シートバックは、バックパッドと、そのバックパッドを覆う表皮とを備えており、前記圧電センサは、前記クッションパッド、あるいは前記バックパッドに埋め込まれているシート。
請求項4
請求項1から請求項3のいずれかに記載されたシートであって、前記圧電センサは、その圧電センサの圧力検出面が着座者の大動脈の径方向に対して交差するように前記シートクッション、あるいは前記シートバックに設けられているシート。
請求項5
請求項1に記載されたシートであって、日本人の成人男子の平均体形の人体模型であるJM50を着座者とした場合に、その着座者の股関節の位置から前記シートバックの背もたれ面に沿って150〜250mmの位置に圧電センサが設けられているシート。
請求項6
請求項3又は請求項4のいずれかに記載されたシートであって、前記圧電センサは、前記クッションパッド、あるいは前記バックパッドを成形型内で発泡成形させる際に、前記成形型内にインサートされることで、前記クッションパッド、あるいは前記バックパッドに埋め込まれるシート。
請求項7
請求項1又は請求項2又は請求項4のいずれかに記載されたシートであって、前記シートクッションは、クッションパッドと、そのクッションパッドを覆う表皮とを備えており、前記シートバックは、バックパッドと、そのバックパッドを覆う表皮とを備えており、前記圧電センサは、前記クッションパッドと、そのクッションパッドを覆う表皮間、あるいは前記バックパッドと、そのバックパッドを覆う表皮間に設けられているシート。
技術分野
背景技術
0002
これに関連するシートが特許文献1に記載されている。特許文献1に記載のシートは、車両用シートであり、図14の平面図に示すように、シートクッション101とシートバック106とを備えている。シートクッション101の着座面後部には、着座者Mの臀部を支持する左右の臀部支持部101dの位置に左右の圧電フイルムセンサ104がそれぞれ設けられている。また、シートクッション101の着座面前部には、着座者Mの大腿部の前部を支持する左右の大腿支持部101eの位置に左右の圧電フイルムセンサ104がそれぞれ設けられている。そして、シートクッション101の着座面の前後左右に設けられた圧電フイルムセンサ104により、着座者Mの左右の大腿動脈の脈波信号を検出できるようになる。
先行技術
0003
特開2011−156196号公報
発明が解決しようとする課題
0004
ここで、着座者Mの臀部には骨盤が存在しており、左右の大腿動脈は骨盤の内側を通っている。このため、着座者Mの大腿動脈とシートクッション101の着座面後部の圧電フイルムセンサ104間には骨盤が存在する。このため、大腿動脈の拍動による振動が骨盤に遮られて圧電フイルムセンサ104に伝達し難くなる。また、シートクッション101の着座面前部(左右の大腿支持部101e)は着座者Mの大腿部による座面圧が低く、着座者Mの姿勢によっては大腿部が着座面前部から離れることがある。このため、特許文献1に記載の車両用シートでは、着座者Mの大腿動脈の脈波信号を精度良く安定的に検出するのは難しい。
0005
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、着座者の大動脈の脈波信号を精度良く安定的に検出できるようにすることである。
課題を解決するための手段
0006
上記した課題は、各発明によって解決される。第1の発明は、着座者が着座するシート本体部と、前記シート本体部に設けられており、着座者の大動脈の脈波信号を検出する圧電センサとを備えるシートであって、前記シート本体部は、シートクッションとシートバックとを備えており、前記シートバックには、着座者の肋骨下側と背骨と骨盤上側とに囲われた脇腹の背面を支える脇腹背面支持部の位置に前記圧電センサが設けられている。
0007
本発明によると、着座者の肋骨下側と背骨と骨盤上側とに囲われた脇腹の背面を支えるシートバックの脇腹背面支持部の位置に圧電センサが設けられている。このため、着座者の背骨に沿って上下方向に延びる大動脈(腹大動脈)の拍動、即ち、心臓の鼓動に伴って大動脈が周期的に収縮、弛緩を繰り返すことによる振動が肋骨、あるいは骨盤によって妨げられずに圧電センサまで伝達される。さらに、着座者の脇腹の背面はシートバックから離れることはほとんどない。したがって、前記圧電センサにより着座者の腹大動脈の脈波信号を精度良く安定的に検出できる。
0008
第2の発明は、着座者が着座するシート本体部と、前記シート本体部に設けられており、着座者の大動脈の脈波信号を検出する圧電センサとを備えるシートであって、前記シート本体部は、シートクッションとシートバックとを備えており、前記シートクッションには、着座者の大腿部の付け根部分を支える大腿付け根支持部の位置に前記圧電センサが設けられている。
0009
本発明によると、着座者の大腿部の付け根部分を支えるシートクッションの大腿付け根支持部の位置に前記圧電センサが設けられている。このため、着座者の大腿骨に沿って前後方向に延びる大腿動脈の拍動による振動が骨盤によって妨げられずに圧電センサまで伝達される。さらに、着座者の大腿部の付け根部分はシートクッションから離れることはほとんどない。したがって、前記圧電センサにより着座者の大腿動脈の脈波信号を精度良く安定的に検出できる。
0010
第3の発明によると、シートクッションは、クッションパッドと、そのクッションパッドを覆う表皮とを備えており、前記シートバックは、バックパッドと、そのバックパッドを覆う表皮とを備えており、前記圧電センサは、前記クッションパッド、あるいは前記バックパッドに埋め込まれている。このため、着座者の体動やシートの振動によるノイズを吸収することができる。
0011
第4の発明によると、圧電センサは、その圧電センサの圧力検出面が着座者の大動脈の径方向に対して交差するようにシートクッション、あるいはシートバックに設けられている。このため、前記圧電センサにより着座者の大動脈の拍動による振動を効率的に検出できる。
0012
第5の発明によると、日本人の成人男子の平均体形の人体模型であるJM50を着座者とした場合に、その着座者の股関節の位置から前記シートバックの背もたれ面に沿って150〜250mmの位置に圧電センサが設けられている。
0013
第6の発明によると、圧電センサは、クッションパッド、あるいはバックパッドを成形型内で発泡成形させる際に、前記成形型内にインサートされることで、前記クッションパッド、あるいは前記バックパッドに埋め込まれる。このため、低コストで圧電センサをクッションパッド、あるいはバックパッドに埋め込むことができる。
0014
第7の発明によると、シートクッションは、クッションパッドと、そのクッションパッドを覆う表皮とを備えており、シートバックは、バックパッドと、そのバックパッドを覆う表皮とを備えており、圧電センサは、クッションパッドと、そのクッションパッドを覆う表皮間、あるいは前記バックパッドと、そのバックパッドを覆う表皮間に設けられている。このため、低コストで圧電センサをシートクッション、あるいはシートバックにセットできる。
発明の効果
0015
本発明によると、着座者の大動脈の脈波信号を精度良く安定的に検出できる。
図面の簡単な説明
0016
本発明の実施形態1に係る乗物用シートを前左方から見た斜視図である。
前記乗物用シートに着座者が着座した様子を表す模式側面図である。
着座者の大腿部の大動脈(大腿動脈)と乗物用シートのシートクッションの圧電フイルムセンサとの位置関係を表す縦断面図(図4のIII-III矢視断面図)である。
着座者の背骨、大動脈(腹大動脈)と乗物用シートのシートバックの圧電フイルムセンサとの位置関係を表す平断面図である。
着座者の骨格と大動脈(腹大動脈、大腿動脈)と乗物用シートの圧電フイルムセンサとの位置関係を表す模式側面図である。
着座者の上体の骨格、大動脈(腹大動脈)と乗物用シートのシートバックの圧電フイルムセンサとの位置関係を表す模式正面図である。
着座者の大動脈と圧電フイルムセンサとの位置関係を表す模式斜視図である。
着座者の大動脈と圧電フイルムセンサとの位置関係を表す模式斜視図である。
圧電フイルムセンサで検出した着座者の大動脈の脈波信号の一例を表すグラフである。
圧電フイルムセンサの配線ブロック図である。
圧電フイルムセンサの取付け方法を表す縦断面図である。
圧電フイルムセンサの取付け構造を表す縦断面図である。
圧電フイルムセンサの取付け構造を表す縦断面図である。
従来の車両用シートの模式平面図である。
実施例
0017
[実施形態1]
以下、図1〜図13に基づいて、本発明の実施形態1に係るシートについて説明する。本実施形態に係るシートは、車両の車室内に設置される乗物用シート10で、着座者Mの大動脈の脈波信号を検出できるように構成されている。ここで、図中に示す前後左右、及び上下は、乗物用シート10の前後左右、及び上下に対応している。
0018
<乗物用シート10の概要について>
乗物用シート10は、図1、図2に示すように、着座者Mが着座するシート本体部12と、シート本体部12を車室内で前後スライド、及び昇降等させるシート移動装置(図示省略)とから構成されている。シート本体部12は、シートクッション120とシートバック130とを備えている。そして、シートクッション120の下側に、図1に示すように、前記シート移動装置を覆う枠状のシールド12sが設けられている。
0019
シートクッション120は、図1に示すように、幅方向中央部120cと左右のサイド部120sとから構成されており、幅方向中央部120cの表面が着座面となっている。 シートクッション120は、図3に示すように、クッションフレーム122を上方から覆う、例えば、ウレタン製のクッションパッド124を備えており、そのクッションパッド124の表面が表皮126によって覆われている。そして、シートクッション120のクッションパッド124には、左右一対の圧電フイルムセンサ31,32が所定位置に埋め込まれている。
0020
シートバック130は、図1に示すように、幅方向中央部130cと左右のサイド部130sとから構成されており、幅方向中央部130cの表面(前面)が背もたれ面となっている。シートバック130は、図4に示すように、バックフレーム132を前方から覆う、例えば、ウレタン製のバックパッド134を備えており、そのバックパッド134の表面が表皮136によって覆われている。そして、シートバック130のバックパッド134には、左右一対の圧電フイルムセンサ33,34が所定位置に埋め込まれている。
0021
<圧電フイルムセンサ31〜34について>
圧電フイルムセンサ31〜34は、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等の高分子圧電材料を用いて構成された帯板状の圧電センサである。圧電フイルムセンサ31〜34は、大動脈T(腹大動脈Th、大腿動脈Td(図5参照))の拍動による振動を受けてひずみ、そのひずみ量を電圧信号に変換して出力する。ここで、大動脈Tの拍動とは、心臓の鼓動に伴って大動脈Tが周期的に収縮、弛緩を繰り返す動作をいう。このため、圧電フイルムセンサ31〜34は、図7、図8に示すように、大動脈Tの拍動を効果的に検知できるように、圧電フイルムセンサ31〜34の圧力検出面31e〜34e(圧電フイルムセンサの表面)が大動脈Tの径方向(矢印方向)に対して交差するように配置される。
0022
<シートクッション120の圧電フイルムセンサ31、32の取付け位置について>
シートクッション120の左右一対の圧電フイルムセンサ31、32は、図2〜図5に示すように、着座者Mの左右の大腿部Mdの付け根部分を支えるシートクッション120の大腿付け根支持部120dに設けられている。左右一対の圧電フイルムセンサ31、32は、図3に示すように、シートクッション120の着座面に対して平行になるように、そのシートクッション120のクッションパッド124に埋め込まれている。これにより、圧電フイルムセンサ31、32の圧力検出面31e,32eは、着座者Mの大腿部Mdの大腿骨Bdに沿う大腿動脈Tdの径方向に対してほぼ直交するように配置される。
0023
また、圧電フイルムセンサ31、32がシートクッション120の大腿付け根支持部120dにあるため、図5に示すように、着座者Mの大腿動脈Tdと圧電フイルムセンサ31、32との間には骨盤Bkが存在しない。このため、着座者Mの大腿動脈Tdの拍動による振動が骨盤Bkに遮られず、圧電フイルムセンサ31、32により大腿動脈Tdの拍動による振動を精度良く検知できる。また、圧電フイルムセンサ31、32は、シートクッション120の大腿付け根支持部120dに設けられているため、着座者Mの大腿部Mdから受ける座面圧が高く、大腿部Mdが座面から離れ難い。このため、圧電フイルムセンサ31、32により安定して大腿動脈Tdの拍動を検知できる。ここで、シートクッション120の大腿付け根支持部120dは、着座者Mを日本人の成人男子の平均体形の人体模型であるJM50とした場合の大腿部Mdの付け根部分を支える位置である。
0024
<シートバック130の圧電フイルムセンサ33、34の取付け位置について>
シートバック130の左右一対の圧電フイルムセンサ33、34は、図6に示すように、着座者Mの肋骨Br下側と背骨Bsと骨盤Bk上側とに囲われた脇腹Mwの背面を支えるシートバック130の脇腹背面支持部130wの位置に設けられている。そして、左右一対の圧電フイルムセンサ33、34は、図4に示すように、シートバック130の背もたれ面に対して平行になるように、そのシートバック130のバックパッド134に埋め込まれている。
0025
これにより、圧電フイルムセンサ33、34の圧力検出面33e,34eは、図4に示すように、着座者Mの背骨Bsに沿う腹大動脈Thの径方向に対して交差するように配置される。さらに、圧電フイルムセンサ33、34の圧力検出面33e,34eと着座者Mの腹大動脈Thとの間には、肋骨Br、あるいは骨盤Bk等の骨が存在しない。このため、着座者Mの腹大動脈Thの拍動による振動が肋骨Br、骨盤Bk等に遮られず、圧電フイルムセンサ31、32により腹大動脈Thの拍動による振動を精度良く検知できるようになる。また、圧電フイルムセンサ33、34は、シートバック130の脇腹背面支持部130wの位置に設けられているため、着座者Mの上体が背もたれ面から離れ難い。このため、圧電フイルムセンサ33、34により安定して腹大動脈Thの拍動を検知できるようになる。ここで、シートバック130の脇腹背面支持部130wは、図5に示すように、着座者MをJM50とした場合の股関節Pの位置から背もたれ面に沿ってH1(150mm)からH2(250mm)の位置に設けられている。
0026
<圧電フイルムセンサ31〜34の取付け方法について>
シートクッション120のクッションパッド124、あるいはシートバック130のバックパッド134は、図11に示すように、成形型50の成形空間S内に発泡材料Wをセットし、発泡材料Wを発泡させることにより成形される。圧電フイルムセンサ31〜34は、成形型50の成形空間S内に発泡材料Wをセットする際、その成形空間S内の所定位置に位置決めされる。これにより、クッションパッド124、あるいはバックパッド134の発泡成形時に圧電フイルムセンサ31〜34が所定位置に埋め込まれるようになる。
0027
<圧電フイルムセンサ31〜34の出力信号の利用方法について>
各々の圧電フイルムセンサ31〜34の出力信号(電圧信号)は、図10に示すように、制御装置40に入力される。制御装置40では、圧電フイルムセンサ31〜34の出力信号を、図9に示すように、大動脈T(腹大動脈Th、大腿動脈Td)の脈波信号として表せるように信号処理を行う。ここで、図9は、車両のエンジンが停止している状態での大動脈T(腹大動脈Th、大腿動脈Td)の脈波信号の一例を表しており、第1ピークP1が心臓の鼓動によるピークに対応している。このため、第1ピークP1間の時間により着座者Mの脈拍が分かり、着座者Mがリラックス状態にあるか、緊張状態にあるかを把握できる。制御装置40は、例えば、着座者Mがリラックス状態で居眠り運転の可能性がある場合には、警報装置43に対して警報信号等を出力することが可能となっている。
0028
<本実施形態における用語と本発明の用語との対応>
前記圧電フイルムセンサ31〜34が本発明における圧電センサに相当する。また、着座者Mの大動脈Tを構成する腹大動脈Thと大腿動脈Tdが本発明における着座者の大動脈に相当する。
0029
<本実施形態に係る乗物用シート10の長所について>
本実施形態に係る乗物用シート10によると、着座者Mの肋骨Br下側と背骨Bsと骨盤Bk上側とに囲われた脇腹Mwの背面を支えるシートバック130の脇腹背面支持部130wの位置に圧電フイルムセンサ33,34が設けられている。このため、着座者Mの背骨Bsに沿って上下方向に延びる腹大動脈Thの拍動による振動が肋骨Br、あるいは骨盤Bkによって妨げられずに圧電フイルムセンサ33,34まで伝達される。さらに、着座者Mの脇腹Mwの背面はシートバック130から離れることはほとんどない。したがって、圧電フイルムセンサ33,34により着座者Mの腹大動脈Thの脈波信号を精度良く安定的に検出できる。
0030
また、乗物用シート10には、着座者Mの大腿部Mdの付け根部分を支えるシートクッション120の大腿付け根支持部120dの位置に圧電フイルムセンサ31,32が設けられている。このため、着座者Mの大腿骨Bdに沿って前後方向に延びる大腿動脈Tdの拍動による振動が骨盤Bkに妨げられず圧電フイルムセンサ31,32まで伝達される。さらに、着座者Mの大腿部Mdの付け根部分はシートクッション120から離れることはほとんどない。したがって、圧電フイルムセンサ31,32により着座者Mの大腿動脈Tdの脈波信号を精度良く安定的に検出できる。
0031
また、圧電フイルムセンサ31〜34は、クッションパッド124、あるいはバックパッド134に埋め込まれている。このため、着座者Mの体動や乗物用シート10の振動によるノイズを吸収することができる。また、圧電フイルムセンサ31〜34は、圧力検出面31e〜34eが着座者Mの大動脈Tの径方向に対して交差するようにシートクッション120、あるいはシートバック130に設けられている。このため、圧電フイルムセンサ31〜34により着座者Mの大動脈Tの脈動を効率的に検出できる。
0032
<変更例>
ここで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、圧電フイルムセンサ31〜34をクッションパッド124、あるいはバックパッド134の発泡成形時に所定位置に埋め込む例を示した。しかし、図12に示すように、圧電フイルムセンサ31〜34をクッションパッド124と表皮126間、あるいはバックパッド134と表皮136間に挟み込んで固定する構成でも可能である。また、図13に示すように、クッションパッド124、あるいはバックパッド134に裏側からセンサ用凹部128を形成し、そのセンサ用凹部128に圧電フイルムセンサ31〜34をセット後、センサ用凹部128を閉鎖パッド129で塞ぐ構成でも可能である。
0033
また、本実施形態では、圧電フイルムセンサ31〜34をシートクッション120の左右両側とシートバック130の左右両側に設ける例を示した。しかし、圧電フイルムセンサ31〜34をシートクッション120の左右のいずれか一方、シートバック130の左右のいずれか一方に設けることも可能である。また、本実施形態では、乗物用シート10を例示したが、乗物用シート以外にも、例えば、映画館のシート、旅館やホテル等の待合室のシート等に本発明を適用することも可能である。
0034
12・・・シート本体部
31・・・圧電フイルムセンサ(圧電センサ)
32・・・圧電フイルムセンサ(圧電センサ)
33・・・圧電フイルムセンサ(圧電センサ)
34・・・圧電フイルムセンサ(圧電センサ)
31e・・圧力検出面
32e・・圧力検出面
33e・・圧力検出面
34e・・圧力検出面
50・・・成形型
120・・シートクッション
120d・大腿付け根支持部
124・・クッションパッド
126・・表皮
130・・シートバック
130w・脇腹背面支持部
134・・バックパッド
136・・表皮
Bd・・・大腿骨
Bk・・・骨盤
Br・・・肋骨
Bs・・・背骨
M・・・・着座者
Md・・・大腿部
Mw・・・脇腹
P・・・・股関節
T・・・・大動脈
Td・・・大腿動脈(大動脈)
Th・・・腹大動脈(大動脈)