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課題
解決手段
概要
背景
概要
ウイルスとの相互作用を高感度で、簡便且つ安価に測定することができる、糖鎖が固定化された固相、及びウイルスの分類方法を提供する。α2,3結合型シアル酸含有糖鎖及び/又はα2,6結合型シアル酸含有糖鎖が固定された固相、及び、α2,3結合型シアル酸含有糖鎖及び/又はα2,6結合型シアル酸含有糖鎖が固定された固相にウイルスを接触させる工程と、前記固相に結合した前記ウイルスを検出する工程と、前記ウイルスと、前記α2,3結合型シアル酸含有糖鎖又は前記α2,6結合型シアル酸含有糖鎖との結合活性に基づいて前記ウイルスを分類する工程と、を備える、ウイルスの分類方法。なし
目的
本発明は、ウイルスとの相互作用を高感度で、簡便且つ安価に測定することができる、糖鎖が固定化された固相を提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
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- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
請求項2
請求項3
前記ウイルスが、インフルエンザウイルス、レオウイルス、アデノウイルス又はロタウイルスである、請求項2に記載の固相。
請求項4
前記α2,3結合型シアル酸含有糖鎖がα2,3結合型シアル酸含有糖鎖結合ペプチドを形成しており、前記α2,6結合型シアル酸含有糖鎖がα2,6結合型シアル酸含有糖鎖結合ペプチドを形成している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の固相。
請求項5
前記α2,6結合型シアル酸含有糖鎖が固定されており、下記測定方法により測定される吸光度が0.05以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の固相。[測定方法]固相上のα2,6結合型シアル酸含有糖鎖が固定化された領域に、20μg/mLのビオチン化Sambucusnigra(SNA)レクチンを4℃で8時間接触させた後洗浄する。続いて、0.2μg/mLのストレプトアビジン−セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)を室温で60分間接触させた後洗浄する。続いて、ペルオキシダーゼ用発色キット(型番「ML−1120T」、住友ベークライト社製)を室温、遮光下で15分間接触させる。続いて、波長450nmの吸光度を測定する。
請求項6
請求項7
前記アシアロ糖鎖がアシアロ糖鎖結合ペプチドを形成している、請求項6に記載の固相。
請求項8
α2,3結合型シアル酸含有糖鎖及び/又はα2,6結合型シアル酸含有糖鎖が固定された固相にウイルスを接触させる工程と、前記固相に結合した前記ウイルスを検出する工程と、前記ウイルスと、前記α2,3結合型シアル酸含有糖鎖又は前記α2,6結合型シアル酸含有糖鎖との結合活性に基づいて前記ウイルスを分類する工程と、を備える、ウイルスの分類方法。
請求項9
前記ウイルスが、インフルエンザウイルス、レオウイルス、アデノウイルス又はロタウイルスである、請求項8に記載のウイルスの分類方法。
技術分野
背景技術
0002
重症急性呼吸器症候群(SARS)、インフルエンザ等の感染性ウイルスによる感染症が大きな社会問題となっている。これらのウイルスは、宿主細胞の表面を被う特定の糖鎖を認識して結合することで宿主に感染することが知られている。
0003
非特許文献1には、ウイルスの種類によって、ウイルスが結合し得る糖鎖の構造が異なることについて開示されている。
先行技術
0004
Stencel-Baerenwald J. E., et al., The sweet spot : defining virus-sialic acid interactions, Nat. Rev. Microbiology., 12(11), 739-749, 2014.
発明が解決しようとする課題
課題を解決するための手段
0006
本発明は以下のとおりである。
(1)α2,3結合型シアル酸含有糖鎖及び/又はα2,6結合型シアル酸含有糖鎖が固定された固相。
(2)ウイルス分類用である、(1)に記載の固相。
(3)前記ウイルスが、インフルエンザウイルス、レオウイルス、アデノウイルス又はロタウイルスである、(2)に記載の固相。
(4)前記α2,3結合型シアル酸含有糖鎖がα2,3結合型シアル酸含有糖鎖結合ペプチドを形成しており、前記α2,6結合型シアル酸含有糖鎖がα2,6結合型シアル酸含有糖鎖結合ペプチドを形成している、(1)〜(3)のいずれか一つに記載の固相。
(5)前記α2,6結合型シアル酸含有糖鎖が固定されており、下記測定方法により測定される吸光度が0.05以上である、(1)〜(4)のいずれか一つに記載の固相。
[測定方法]
固相上のα2,6結合型シアル酸含有糖鎖が固定された領域に、20μg/mLのビオチン化Sambucus nigra(SNA)レクチンを4℃で8時間接触させた後洗浄する。続いて、0.2μg/mLのストレプトアビジン−セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)を室温で60分間接触させた後洗浄する。続いて、ペルオキシダーゼ用発色キット(型番「ML−1120T」、住友ベークライト社製)を室温、遮光下で15分間接触させる。続いて、波長450nmの吸光度を測定する。
(6)さらに、アシアロ糖鎖が固定された、(1)〜(5)のいずれか一つに記載の固相。
(7)前記アシアロ糖鎖がアシアロ糖鎖結合ペプチドを形成している、(6)に記載の固相。
(8)α2,3結合型シアル酸含有糖鎖及び/又はα2,6結合型シアル酸含有糖鎖が固定された固相にウイルスを接触させる工程と、前記固相に結合した前記ウイルスを検出する工程と、前記ウイルスと、前記α2,3結合型シアル酸含有糖鎖又は前記α2,6結合型シアル酸含有糖鎖との結合活性に基づいて前記ウイルスを分類する工程と、を備える、ウイルスの分類方法。
(9)前記ウイルスが、インフルエンザウイルス、レオウイルス、アデノウイルス又はロタウイルスである、(8)に記載のウイルスの分類方法。
発明の効果
0007
本発明によれば、ウイルスと糖鎖との相互作用を高感度で、簡便且つ安価に測定することができる。
図面の簡単な説明
0008
(A)インフルエンザウイルスのヘマグルチニン(HA)タンパク質の構造を示した模式図である。(B)トリ及びヒトにおける糖鎖受容体のガラクトースとシアル酸の結合様式の違いを表した模式図である。
(A)レオウイルスの外層カプシドタンパク質σ1の構造を示した模式図である。(B)T1レオウイルスの外層カプシドタンパク質σ1が結合し得る糖鎖受容体のガラクトースとシアル酸の結合様式を表した模式図である。(C)T3レオウイルスの外層カプシドタンパク質σ1が結合し得る糖鎖受容体のガラクトースとシアル酸の結合様式を表した模式図である。
(A)D種アデノウイルス37(Ad37)の外層カプシドタンパク質の構造を示した模式図である。(B)Ad37の外層カプシドタンパク質σ1が結合し得る糖鎖受容体のガラクトースとシアル酸の結合様式を表した模式図である。
(A)ロタウイルスの外層カプシドタンパク質の構造を示した模式図である。(B)ヒトロタウイルスHAL1166のVP8★サブユニットが結合し得る糖鎖受容体のガラクトースとシアル酸の結合様式を表した模式図である。
(A)〜(C)本実施形態におけるα2,3結合型シアル酸含有糖鎖結合ペプチド、α2,6結合型シアル酸含有糖鎖結合ペプチド及びアシアロ糖鎖結合ペプチドの構造の一例を示した図である。
試験例1における過ヨウ素酸−シッフ塩基(periodic acid−Schiff base:PAS)法の結果を示したグラフである。
試験例2におけるSNA(Sambucus nigra)レクチン反応の結果を示したグラフである。
0009
<糖鎖が固定化された固相>
一実施形態において、本発明は、α2,3結合型シアル酸含有糖鎖及び/又はα2,6結合型シアル酸含有糖鎖が固定された固相を提供する。
0010
本実施形態の固相によれば、ウイルスと糖鎖との相互作用を高感度で、簡便且つ安価に測定することができる。
0011
[シアル酸含有糖鎖]
本明細書において、「シアル酸(sialic acid)」とは、9炭糖であるノイラミン酸(neuraminic acid)のアミノ基やヒドロキシ基が置換された物質の総称を意味し、例えば、5位がアセチル化されたN−アセチルノイラミン酸(Neu5Ac)や、グリコール酸で修飾されたN−グライコリルノイラミン酸(Neu5Gc)が挙げられる。
シアル酸は、糖タンパク質、糖脂質、糖ペプチド等の複合糖質の構成成分として生体内に広く分布しており、特に細胞膜表面に存在して、細胞の特異的認識機構に大きな役割を果たしているといわれている。置換基としてのシアル酸残基の種類は、代謝酵素、特にシアリダーゼの活性に対して強く影響し、複合糖質の転換率に影響する。複合糖質は、多種多様な細胞機能に関わっており、例えば、生体器官の表面に存在する複合糖質における酸性分子によって、生体器官の表面は酵素による攻撃や免疫学的な攻撃から保護される。しかし一方では、生体器官の表面の複合糖質は、様々な生理学的な受容体となって、ウイルスを含む微生物や毒素の認識部位ともなり、その感染を許すことにもつながる。多くのウイルス、特にインフルエンザウイルスは、細胞に感染する際にシアル酸残基に結合することが知られている。
本発明者らは、ウイルスの種類によって結合するシアル酸残基が異なる事に着目し、本発明を完成するに至った。
0012
[ウイルス]
本実施形態における固相は、ウイルス分類用として使用することができる。
本明細書において、分類可能なウイルスとしては、例えば、インフルエンザウイルス、レオウイルス、アデノウイルス、ロタウイルス等が挙げられる。この中でも、インフルエンザウイルスが好ましく、トリインフルエンザウイルス及びヒトインフルエンザウイルスがより好ましい。
0013
(1.インフルエンザウイルス)
インフルエンザウイルスは、哺乳類や鳥類に感染するオルソミクソウイルス科に属する1本鎖RNAウイルスであり、宿主細胞表面に存在する特定の構造を有する糖鎖を受容体(糖鎖受容体)として認識する。図1(A)は、インフルエンザウイルスのヘマグルチニン(HA)タンパク質の構造を示した模式図である。また、図1(B)は、トリ及びヒトにおける糖鎖受容体のガラクトースとシアル酸の結合様式の違いを表した模式図である。3量体のヘマグルチニンタンパク質が宿主細胞への接着において、トリインフルエンザウイルスのほとんどは、通常、ガラクト−スとα2,3結合したシアル酸(SAα2,3Gal)を糖鎖末端にもつ受容体(トリ型受容体)に選択的に結合するのに対し、ヒトインフルエンザウイルスのほとんどは、通常、ガラクト−スとα2,6結合したシアル酸(SAα2,6Gal)を糖鎖末端にもつ受容体(ヒト型受容体)に選択的に結合することが知られている。
0014
(2.レオウイルス)
レオウイルスは、レオウイルス科に属するエンベロップ(外殻)を持たないウイルスであり、10〜12個の線状の2本鎖RNAをゲノムに有する。ほとんどすべての哺乳類が、レオウイルスの宿主として機能するが、病気は非常に若い時期に限定される。
図2(A)は、レオウイルスの外層カプシドタンパク質σ1の構造を示した模式図である。レオウイルスの宿主細胞への接着は、ビリオンの表面から突き出た3量体の繊維状の外層カプシドタンパク質σ1により仲介される。はじめに、接合部接着分子A(Jam−A)とレオウイルスσ1タンパク質の球状頭部中の領域とが相互作用する。さらに、σ1のシャフトドメインの配列が、細胞表面シアル酸と相互作用する。
0015
レオウイルスは3つの血清型からなり、1型(T1)と3型(T3)では異なる様式で糖鎖に結合する。図2(B)及び(C)は、T1レオウイルス及びT3レオウイルスの外層カプシドタンパク質σ1が結合し得る糖鎖受容体のガラクトースとシアル酸の結合様式の違いを表した模式図である。T1レオウイルスσ1は、GM2(NeuAcα1,3(GalNAcβ1,4)Galβ1,4Glc)糖鎖に特異的に結合し、ヒトやヒト以外の霊長類の赤血球を凝集させる。一方、T3レオウイルスσ1は、広い範囲のシアル酸化糖鎖(ガラクト−スとα2,3、α2,6又はα2,8結合したシアル酸糖鎖)に結合し、種々の哺乳類の赤血球を凝集させる。また、T3レオウイルスσ1は、赤血球に発現しているシアル酸化された糖タンパク質であるグリコフィリンに結合するが、T1レオウイルスσ1は結合しない。
0016
さらに、T1レオウイルス及びT3レオウイルスの糖鎖結合サイトは、σ1タンパク質の異なるドメインにある(図2(A)参照)。T1レオウイルスのσ1タンパク質では頭部ドメインがGM2糖鎖に結合するが、T3レオウイルスのσ1タンパク質では胴体部ドメインが糖鎖結合領域となっており、ガラクト−スとα2,3、α2,6又はα2,8結合したシアル酸糖鎖に結合する。T1レオウイルス及びT3レオウイルスにおいて、σ1タンパク質の頭部ドメインは、Jam−Aと結合するが、T1レオウイルスのσ1タンパク質のGM2糖鎖結合サイトとは異なっており、T1レオウイルスのσ1タンパク質は双方の受容体に独立に相互作用できる。
0017
(3.アデノウイルス)
アデノウイルスは、ヒト、他の哺乳類、鳥類に感染するアデノウイルス科に属するエンベロップを持たない2本鎖DNA(dsDNA)ウイルスである。いくつかのアデノウイルスの系統は、ヒトで結膜炎や上気道での疾患を引き起こすが、他のものは免疫応答性の個体にまれに症候群を起こすのみである。アデノウイルスの血清型は、レオウイルスと同様に、シアル酸への結合が異なっている。例えば、ほとんどのアデノウイルスはタンパク質の受容体を用いるが、D種アデノウイルス37(Ad37)は、ノイラミニダーゼ感受性の様式でヒトの赤血球を凝集させ、シアル酸に結合することが知られている。
0018
図3(A)は、D種アデノウイルス37(Ad37)の外層カプシドタンパク質の構造を示した模式図である。レオウイルスのσ1タンパク質と同様に、アデノウイルスの外層カプシドタンパク質は20面体の12個の頂点から伸びている繊維状の3量体ファイバーを使って宿主細胞に結合する。図3(B)は、Ad37の外層カプシドタンパク質が結合し得る糖鎖受容体のガラクトースとシアル酸の結合様式を表した模式図である。Ad37の外層カプシドタンパク質σ1が、α2,3結合型シアル酸において、分岐型6糖であるGD1a(Neu5Acα2,3Galβ1,3GalNAcβ1,4(Neu5Acα2,3)Galβ1,4Glc)糖鎖に特異的に結合することが知られている。
0019
(4.ロタウイルス)
ロタウイルスは、レオウイルス科に属するエンベロップを持たない2本鎖RNAウイルスであり、世界的に子供の下痢の主な原因となるウイルスである。図4(A)は、ロタウイルスの外層カプシドタンパク質の構造を示した模式図である。ロタウイルスの接着は糖鎖に依存しており、3量体の外層カプシドタンパク質VP4により仲介される。ロタウイルスの感染力は、VP4の3量体のN−末端側のVP8★とC−末端側のVP5★サブユニットのプロテアーゼによる切断により増加する。VP8★サブユニットは、細胞表面の糖鎖への結合によるウイルスの接着を仲介し、VP5★サブユニットは、膜への貫入を引き起こす。
0020
図4(B)は、ヒトロタウイルスHAL1166のVP8★サブユニットが結合し得る糖鎖受容体のガラクトースとシアル酸の結合様式を表した模式図である。アカゲザルロタウイルス(RRV)を含む多くの動物のロタウイルスは、ガングリオシドGM3(Neu5Acα2,3Galβ1,4Glc)の末端にシアル酸を含む受容体に結合する。ヒトロタウイルス(例えば、Wa遺伝子群など)は、シアル酸が、ガングリオシドGM1(Galβ1,3GalNAcβ1,4(Neu5Acα2,3)Galβ1,4Glc)のような2分岐の糖鎖の一つの枝に連結したシアル酸化受容体に結合する。他のヒトロタウイルス系統(例えば、HAL1166など)は、A型HBGAs(histo−blood group antigens)に特異的に結合することが知られている。HBGAsは、赤血球や上皮細胞、あるいは粘膜分泌物にも発現しているオリゴ糖である。さらに、新生児に下痢を引き起こすヒトP[11]型ロタウイルス系統は、HBGAs前駆体に結合する。
0021
このように、ウイルスの種類によって、ウイルスが結合し得るシアル酸と糖との結合の様式が異なるため、ウイルスが結合するシアル酸含有糖鎖の種類を調べることによって、ウイルスを分類することができる。
0022
[アシアロ糖鎖]
本実施形態の固相において、さらに、アシアロ糖鎖が固定されていることが好ましい。アシアロ糖鎖には、ウイルスが結合しないため、本実施形態の固相において、アシアロ糖鎖が固定された区分は、反応のネガティブコントロールとして活用することができる。
0023
本明細書において、「アシアロ糖鎖」とは、糖鎖構造の非還元末端にシアル酸が付加していない糖鎖を意味する。例えば、N−結合型糖鎖の場合には、ガラクトースが非還元末端に存在するアシアロ糖鎖が挙げられる。
0024
[固相に結合された糖鎖の量]
本実施形態の固相に結合された糖鎖の量は、α2,6結合型シアル酸含有糖鎖の量を基準として管理することが好ましい。α2,6結合型シアル酸含有糖鎖の量は、下記測定方法により測定される吸光度が例えば0.05以上であってもよく、例えば0.1以上であってもよく、例えば0.5以上であってもよい。また、上記の吸光度の上限は、例えば2.0であってもよい。
0025
(測定方法)
固相上のα2,6結合型シアル酸含有糖鎖が固定された領域に、20μg/mLのビオチン化SNAレクチンを4℃で8時間接触させた後洗浄する。続いて、0.2μg/mLのストレプトアビジン−HRPを室温で60分間接触させた後洗浄する。続いて、ペルオキシダーゼ用発色キット(型番「ML−1120T」、住友ベークライト社製)を室温、遮光下で15分間接触させる。続いて、波長450nmの吸光度を測定する。ビオチン化SNAレクチンとしては、例えば、後述の実施例で使用したビオチン化SNAレクチン(VECTOR社製)等が挙げられる。ストレプトアビジン−HRPとしては、例えば、ストレプトアビジン1分子あたりHRP1.5分子が結合したもの等が挙げられる。
0026
本実施形態の固相は、固相に結合された糖鎖の量が上述した範囲であることにより、ウイルスの種類を正確に分類することができる。なお、固相に結合された糖鎖の量が上述した範囲を超える場合、糖鎖を過剰に固定していることからコスト的に不利となる場合がある。
0028
(固相の材質)
固相の材質としては、例えば無機物質としてシリカ、アルミナ、ガラス、金属等が挙げられる。また、有機高分子物質として熱可塑性樹脂等が挙げられる。糖鎖を固定した固相担体を蛍光観察に用いる場合は、前記熱可塑性樹脂は、蛍光発生量の少ないものが好ましい。蛍光発生量の少ない樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の直鎖状ポリオレフィン樹脂;環状ポリオレフィン樹脂;含フッ素樹脂等が挙げられる。中でも、耐熱性、耐薬品性、低蛍光性、成形性に特に優れる飽和環状ポリオレフィン樹脂を用いることが好ましい。本明細書において、飽和環状ポリオレフィン樹脂とは、環状オレフィン構造を有する単独重合体又は環状オレフィンとα−オレフィンとの共重合体に水素添加した飽和重合体を指す。
0029
(1.固相基板)
固相基板としては、具体的には、マルチウェルプレート、板状基板、膜等が挙げられる。中でも、マルチウェルプレートが好ましい。マルチウェルプレートは、任意の数のウェルが配置されているものが挙げられる。ウェルの数としては、プレート1枚当たり、例えば、24、96、384、1536個等が挙げられる。
0030
(2.固相粒子)
固相担体のうち粒子状のものを固相粒子と呼ぶ。固相粒子の形状は球であることが好ましく、平均粒径0.1μm以上500μm以下のポリマー粒子がより好ましい。このような範囲の粒径を有する担体の粒子は、遠心分離、フィルタ等による回収が容易であり、かつ、充分な表面積を有しているために糖鎖との反応効率も高いと考えられる。平均粒径が500μm以下の場合、表面積が小さ過ぎず、糖鎖との反応効率が高い。平均粒径0.1μm以上の場合、フィルタによる粒子の回収を効率よく行うことができ、粒子をカラムに充填して用いる場合に、通液の際の圧力損失が大きくなるおそれがない。
0031
前記固相担体の表面は、糖鎖を固定化するための官能基(以下、「固定化基」という場合がある。)を有する高分子化合物でコーティングされていてもよい。高分子化合物は、好ましくは、エチレン系不飽和重合性モノマー単位を構成単位とする高分子化合物を基本構造として有する。エチレン系不飽和重合性モノマー単位としては、(メタ)アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリシクロオレフィンなど)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体など)、塩素含有樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなど)、フッ素含有樹脂などの樹脂を構成可能なモノマー単位が挙げられる。コーティング層を構成し得る高分子化合物は、固定化基を有していれば、上記の単位から選択される1種を単独で含む高分子化合物であってもよいし、複数種が組み合わされた高分子化合物であってもよい。
0032
固定化基は、糖鎖と共有結合又は非共有結合が可能な基であれば特に限定されず、たとえば、化学的に活性な(つまり糖鎖との反応性が高くなるように活性化された)基、受容体基、リガンド基等が挙げられる。糖鎖は、固定化基と共有結合又は非共有結合が可能となるように修飾されていてもよい。
0033
具体的な例としては、活性化されたカルボキシル誘導基、カルボキシル基、アルデヒド基、エポキシ基、ビニルスルホン基、ビオチニル基、チオール基、アミノ基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、ヒドロキシル基、アクリレート基、マレイミド基、ヒドラジド基、アミノオキシ基、アジド基、アミド基、スルホネート基、アビジン、ストレプトアビジン、金属キレート等があるがこれらに限定されない。これらの中でもアミノ基との反応性の点から、アルデヒド基、活性化されたカルボキシル誘導基、エポキシ基、ビニルスルホン基が好ましく、また結合定数が高いビオチニル基も好ましい。特に、糖鎖に結合したアミノ基を介して結合させる場合には、アミノ基との反応性と保存安定性のバランスから、活性化されたカルボキシル誘導基が好ましい。一方で、糖鎖をその還元末端を介して結合させる場合には、反応性が高いため、アミノオキシ基又はヒドラジド基が好ましい。
0034
このような固定化基を有する単位の由来元となるモノマーとしては、例えば、下記の一般式[1A]で表されるエチレン系不飽和モノマーが挙げられる。
0035
0036
上記式[1A]のエチレン系不飽和モノマーは、(メタ)アクリル基に、活性化されたカルボキシル誘導基が、アルキレングリコール残基またはアルキル基の連結基を介して結合している。より具体的には、式[1A]中、R1は水素原子またはメチル基を示し、X1は炭素数1以上10以下であってよいアルキレングリコール残基又はアルキレン基である二価の連結基を示し、Wは活性化されたカルボキシル誘導基を示す。pは1以上100以下の整数であってよい。
0037
アルキレングリコール残基は、それ自体がタンパク質の非特異吸着を抑制する性質を有している。このため、上記式[1A]のエチレン系不飽和モノマーは、連結基Xがアルキレングリコール残基である場合、糖鎖を固定化する性質と、糖鎖の非特異吸着を抑制する性質とを併せ持つ。
0038
式[1A]で、連結基X1がアルキレングリコール残基である場合、X1の炭素数は1以上10以下であってよく、好ましくは1以上6以下であり、より好ましくは2以上4以下であり、さらに好ましくは2以上3以下であり、最も好ましくは2である。
0039
なお、アルキレングリコール残基とは、アルキレングリコール(HO−R−OH、ここでRはアルキレン基)の片側末端または両末端の水酸基が他の化合物と縮合反応した後に残る、アルキレンオキシ基(−R−O−、ここでRはアルキレン基)をいう。例えば、メチレングリコール(HO−CH2−OH)の場合のアルキレングリコール残基はメチレンオキシ基(−CH2−O−)であり、エチレングリコール(HO−CH2CH2−OH)の場合のアルキレングリコール残基はエチレンオキシ基(−CH2CH2−O−)である。
0040
X1の繰り返し数pは、1以上100以下の整数であってよく、X1がアルキレングリコール残基の場合、より好ましくは2以上50以下の整数であり、さらに好ましくは2以上30以下の整数であり、最も好ましくは2以上20以下の整数である。高分子化合物が、pの数が異なる複数種の単位によって構成されている場合には、pは、当該高分子化合物全体における平均値として特定される。繰り返し数pが2以上の場合は、繰り返されるX1は同一であっても、異なっていてもよい。
0041
式[1A]で、連結基X1がアルキレン基である場合、p個分のアルキレン基((X1)p)の炭素数の合計が1以上100以下であることが好ましく、1以上20以下であることがより好ましい。アルキレン基は特に構造を限定されるものではなく、直鎖であっても、分岐していても、環状になっていてもよい。
0043
0044
上記式[1B]で示される活性化されたカルボン酸誘導基は、脱離基Aとして酸性度の高い電子求引性基を有することにより求核反応に対して活性化された基である。具体的には、活性化されたカルボン酸誘導基としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボン類のカルボキシル基が、活性エステル、酸無水物、酸ハロゲン化物、活性化アミドに変換された基が挙げられる。
0046
0047
上記式[1B−1]及び式[1B−2]において、R2及びR3は、それぞれ、一価の有機基であってよく、直鎖状、分岐状、および環状のいずれであってもよい。また、上記式[1B−1]において、R2はCとともに脂肪族環を形成する二価の基であってもよいし、Cとともに芳香族環を形成する基であってもよい。さらに、上記式[1B−2]において、R3はNとともに脂肪族環を形成する二価の基であってもよいし、Nとともに芳香族環を形成する基であってもよい。なお、上記式[1B−1]及び式[1B−2]において、R2及びR3はがそれぞれCまたはNとともに芳香族環を形成する場合を除き、当該CおよびNには、R2及びR3の価数に応じ、表示を省略したHが結合している。
0048
活性エステル基のより具体的な例として、上記式[1B−1]に示されるOCR2基がp−ニトロフェニル基(下記式[1B−1−1]参照)等である置換または無置換のフェノール活性エステル基;および、上記式[1B−2]に示されるONR3基がN−ヒドロキシスクシンイミド基(下記式[1B−2−1]参照)、N−ヒドロキシフタルイミド基、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、等であるN−ヒドロキシイミド活性エステル基が挙げられる。中でも、保存安定性と反応性の高さとのバランスの点からp−ニトロフェノール活性エステル基またはN−ヒドロキシスクシンイミド活性エステル基が好ましく、p−ニトロフェノール活性エステル基が特に好ましい。
0049
0051
活性エステル基は、穏やかな条件における反応性に優れる点で好ましく用いられる。穏やかな条件としては、例えば中性またはアルカリ性の条件、具体的にはpH7.0以上10.0以下、さらに具体的にはpH7.6以上9.0以下、さらに具体的にはpH8.0とすることができる。
0052
酸無水物基としては、例えば下記式[1B−3−1]、式[1B−3−2]等に示される基が挙げられる。
0054
活性化アミド基としては、例えば下記式[1B−4−1]等に示される基等が挙げられる。
0055
上記した固定化基を有する単位の由来元となるエチレン系不飽和重合性モノマーとして、特に好ましい化合物は、下記式に示すp−ニトロフェニルオキシカルボニル−ポリ(エチレングリコール)メタクリレートである。下記式中、エチレングリコールの繰り返し数pは2以上20以下が好ましい。
0056
固定化基がアミノオキシ基、ヒドラジド基など1級アミノ基を有するとき、これらの基を有するモノマーを重合して高分子化合物を得ることが困難な場合がある。このような場合はあらかじめ1級アミノ基が保護基で保護されたモノマーや1級アミノ基に変換しうる官能基を有するモノマーを用いて重合を行い、高分子化合物を得た後で保護基を外してもよく、又は化学反応で1級アミノ基を導入してもよい。
0057
1級アミノ基が保護基で保護されたモノマーとしては、特に構造を限定しないが、例えば、下記の一般式[2A]で表されるエチレン系不飽和モノマー等が挙げられる。
0058
上記式[2A]のエチレン系不飽和モノマーは、(メタ)アクリル基と、オキシルアミノ基又はヒドラジド基が、アルキレングリコール残基を含む連結基X2を介して結合している。より具体的には、式[2A]中、R4は水素原子またはメチル基を示し、X2は−O−,−S−,−NH−,−CO−,−CONH−で中断されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素鎖、又は炭素数1〜20のアルキレングリコール基若しくはその繰り返し構造を示し、Zは酸素原子または−NH基(アミノ基)を示し、Yは保護基を示す。
0059
式[2A]中の連結基X2としては、特別な限定はないが、−NH−,−CONH−で中断されていてもよい炭素数2〜9の炭化水素鎖又はアルキレングリコール基若しくはその繰り返し構造であってもよい。
0060
保護基Yとしては、アミノ基を保護できるものであれば何ら制限を受けるものではなく、任意に用いることができる。例えば、t—ブトキシカルボニル基(Boc基)やベンジロキシカルボニル基(Z基、Cbz基)、9−フルオレニルメトキシカルボニル基(Fmoc基)等が挙げられる。
0061
具体的なモノマーの例としては、下記式[2A−1]で表されるようなもの等が挙げられる。
0062
1級アミノ基に変換しうる官能基を有するモノマーとしては、特に構造を限定しないが、例えば、アルコキシ基を有するモノマーであってもよい。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、t−ブトキシ基等などが挙げられる。具体的なアルコキシ基を有するモノマーの例としては、下記式[2A−2]で表されるようなもの等が挙げられる。
0063
官能基の返還方法としては、例えば、アルコキシ基とヒドラジン化合物を反応させて、ヒドラジド基を生成する方法等が簡便で好ましく挙げられる。ヒドラジン化合物としては、例えば、ヒドラジン一水和物等が挙げられる。
0064
固定化基を有する単位の割合は、特に限定されない。たとえば、高分子化合物が、親水性基、固定化基および疎水性基を有するものである場合、高分子化合物を構成する単位の総数に対して、1mol%以上30mol%以下が好ましく、より好ましくは1mol%以上20mol%以下、さらに好ましくは2mol%以上15mol%以下である。またたとえば、高分子化合物が、親水性基、固定化基および架橋基を有するものである場合、高分子化合物を構成する単位の総数に対して、1mol%以上99.7mol%以下が好ましく、より好ましくは1mol%以上70mol%以下、最も好ましくは1mol%以上50mol%である。
0065
また、高分子化合物は、親水性基を有することができる。親水性基は、優れた非特異吸着抑制効果を有する。具体的な例としては、ホスホリルコリン基およびアルキレングリコール残基が挙げられる。例えば、これらを有するモノマーと、固定化基を有する単位の由来元となるエチレン系不飽和重合性モノマーとを共重合することで、高分子化合物に親水性基を導入することができる。
0066
ホスホリルコリン基を有するモノマーとしては、たとえば、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、6−メタクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン等の(メタ)アクリロイルオキシアルキルホスホリルコリン;2−メタクリロイルオキシエトキシエチルホスホリルコリンおよび10−メタクリロイルオキシエトキシノニルホスホリルコリン等の(メタ)アクリロイルオキシアルコキシアルキルホスホリルコリン;アリルホスホリルコリン、ブテニルホスホリルコリン、ヘキセニルホスホリルコリン、オクテニルホスホリルコリン、およびデセニルホスホリルコリン等のアルケニルホスホリルコリン等が挙げられる。
0067
上記の中でも、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンが好ましい。これにより、非特異的吸着をより確実に抑制することができる。
0068
前記ホスホリルコリン基を有する単位の割合は特に限定されないが、高分子化合物を構成する単位の総数に対して、5mol%以上95mol%以下が好ましく、より好ましくは10mol%以上90mol%以下、さらに好ましくは15mol%以上90mol%以下である。
0069
前記アルキレングリコール残基を有する単位の由来元となるモノマーとしては、たとえば、下記一般式[3A]で表されるエチレン系不飽和モノマーが挙げられる。
0070
0071
上記式[3A]のエチレン系不飽和モノマーは、(メタ)アクリル基がアルキレングリコール残基X3を含む。より具体的には、式[3A]中、R5は、水素原子またはメチル基を示し、R6は水素原子または炭素数1以上20以下のアルキル基を示す。X3は炭素数1以上10以下であってよいアルキレングリコール残基を示し、qは1以上100以下であってよい整数を示す。
0072
式[3A]中のアルキレングリコール残基X3の炭素数は1以上10以下であってよく、好ましくは1以上6以下であり、より好ましくは2以上4以下であり、さらに好ましくは2以上3以下であり、最も好ましくは2である。アルキレングリコール残基X3の繰り返し数qは、特に限定されるものではないが、1以上100以下の整数であってよく、好ましくは2以上100以下の整数であり、より好ましくは2以上95以下の整数であり、最も好ましくは5以上90以下の整数である。コーティング層を構成する高分子化合物が、qの数が異なる複数種の単位によって構成されている場合には、qは、当該高分子化合物全体における平均値として特定される。繰り返し数qが2以上の場合は、X3は同一であっても、異なっていてもよい。
0073
アルキレングリコール残基を有する単位の由来元となるエチレン系不飽和重合性モノマーとしては、より具体的には、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよびその水酸基の一置換エステル、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートおよびその水酸基の一置換エステル、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートおよびその水酸基の一置換エステル、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールを側鎖とする(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール (メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
0074
これらのなかでも、糖鎖の非特異的吸着の少なさおよび入手性からメトキシポリエチレングリコールメタクリレートまたはエトキシポリエチレングリコールメタクリレートが好ましい。特に、エチレングリコール残基の平均繰り返し数が5以上90以下であるメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートまたはエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートが、合成時の操作性(ハンドリング)の良さの点からより好ましく用いられる。
0075
アルキレングリコール残基を有する単位の割合は特に限定されないが、高分子化合物を構成する単位の総数に対して、0mol%以上95mol%以下が好ましく、より好ましくは30mol%以上95mol%以下、さらに好ましくは50mol%以上90mol%以下である。
0076
また、高分子化合物は、疎水性基を有していても良い。疎水性基は、前記固相担体への吸着性を確保することができる。具体的な例としては、直鎖、分岐、および環状のアルキル基が挙げられる。アルキル基の炭素数は、たとえば1以上20以下、好ましくは4以上20以下である。疎水性基についても、例えば、これらを有するモノマーと、固定化基を有する単位の由来元となるエチレン系不飽和重合性モノマーとを共重合することで、高分子化合物に疎水性基を導入することができる。
0077
このような疎水性基を有する単位の由来元となるモノマーとしては、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ネオペンチル(メタ)アクリレート、iso−ネオペンチル(メタ)アクリレート、iso−ネオペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、iso−ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、iso−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、iso−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、iso−デシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、iso−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、iso−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレート、iso−テトラデシル(メタ)アクリレート、n−ペンタデシル(メタ)アクリレート、iso−ペンタデシル(メタ)アクリレート、n−ヘキサデシル(メタ)アクリレート、iso−ヘキサデシル(メタ)アクリレート、n−オクタデシル(メタ)アクリレート、iso−オクタデシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらのなかで特に好ましい基として、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチルメタクリレート、n−ドデシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレートが挙げられる。
0078
疎水性基の単位の割合は特に限定されないが、高分子化合物を構成する単位の総数に対して、20mol%以上95mol%以下が好ましく、より好ましくは30mol%以上90mol%以下、さらに好ましくは30mol%以上80mol%以下である。
0079
また、高分子化合物は、架橋基を有していてもよい。架橋基は、例えば高分子化合物の主鎖を架橋させることにより、当該高分子化合物に不溶性を付与することができる。あるいは、前記固相担体表面に架橋して強固に結合することができる。
架橋基は、高分子化合物同士を架橋する基、または高分子化合物と固相担体表面とを架橋する基であれば特に限定されない。
このような架橋基は、架橋可能な官能基を有するエチレン系不飽和重合性モノマーが重合した後、架橋可能な官能基を反応させて、高分子化合物同士を架橋することによって生じさせることができる。
0080
架橋可能な官能基としては、エチレン系不飽和重合性モノマーの重合反応中には反応しない架橋性基であれば特に限定されない。例えば、加水分解によりシラノール基を生成する官能基やエポキシ基、(メタ)アクリル基、グリシジル基などが挙げられる。中でも、架橋処理が容易なことから、加水分解によりシラノール基を生成する官能基、エポキシ基、グリシジル基が好ましい。さらに、より低温で架橋できることから、加水分解によりシラノール基を生成する官能基が好ましい。
0081
加水分解によりシラノール基を生成する官能基とは、水と接触すると容易に加水分解を受けシラノール基を生成する基であり、例えば、ハロゲン化シリル基、アルコキシシリル基、フェノキシシリル基、アセトキシシリル基等を挙げることができる。中でも、ハロゲンを含まないことから、アルコキシシリル基、フェノキシシリル基、アセトキシシリル基が好ましい。さらに、シラノール基を生成し易い点から、アルコキシシリル基が最も好ましい。
0082
加水分解によりシラノール基を生成する官能基を有するエチレン系不飽和重合性モノマーは、(メタ)アクリル基とアルコキシシリル基が直接または炭素数1以上20以下のアルキル鎖を介して結合した一般式[4A]で表されるエチレン系不飽和重合性モノマーであることが好ましい。
0083
0084
上記式[4A]のエチレン系重合性不飽和モノマーは、(メタ)アクリル基が炭素数1以上20以下のアルキル鎖X4を含む。より具体的には、式[4A]中、R7は、水素原子またはメチル基を示し、A1〜3は水素原子または炭素数1以上20以下のアルキル基を示す。X4は炭素数1以上20以下であってよいアルキル基を示す。
0085
アルコキシシリル基を含有するエチレン系不飽和重合性モノマーとしては、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロペニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン、8−(メタ)アクリロキシオクタニルトリメトキシシラン、11−(メタ)アクリロキシウンデニルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロキシアルキルシラン化合物等を挙げることができる。中でも3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシランがアルキレングリコール残基を有するエチレン系不飽和重合性モノマーとの共重合性が優れている点、入手が容易である点等から好ましい。これらのアルコキシシリル基を有するエチレン系不飽和重合性モノマーは、単独または2種以上の組み合わせで用いられる。
0086
架橋基の単位の割合は、特に制限されないが、高分子化合物を構成する単位の総数に対して、好ましくは1mol%以上20mol%以下であり、より好ましくは2mol%以上15mol%以下、さらに好ましくは2mol%以上10mol%以下である。
0088
高分子化合物のコーティングは、例えば、0.05〜10質量%の濃度で有機溶媒に溶解した上記高分子化合物を、上記基板上に、浸漬、スプレー、スピンコーティング等により塗布した後、20〜120℃程度の室温下又は加温下で乾燥させることにより行うことができる。上記有機溶媒としては、例えば、2−ブタノン、エタノール、メタノール、t−ブチルアルコール、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
0090
[糖鎖を固定化する方法]
糖鎖を固定化する方法については、共有結合又は非共有結合のいずれでもよく、固定化される固相の官能基に応じて、公知の方法に従って当業者が決定できる。なかでも共有結合による固定化が、糖鎖が脱離しにくいため好ましい。例えば、糖鎖又は糖鎖修飾物質を含有する溶液を、糖鎖と共有結合する官能基を備えた固相に接触させる方法等が挙げられる。糖鎖又は糖鎖修飾物質と共有結合する官能基としては、糖鎖固定化能を有するものであれば特に限定されない。例えば、糖鎖又は糖鎖修飾物質のアミノ基を介して固相に結合する場合には、効率的に糖鎖を固定化させることができる点から、活性化されたカルボキシル誘導基が好ましい。この場合、糖鎖又は糖鎖修飾物質を溶解する溶媒としては、特に限定されないが、pH7.0〜10.0の一般的な緩衝液を用いてよく、例えば、リン酸緩衝液、トリス緩衝液等が挙げられる。糖鎖又は糖鎖修飾物質のアミノ基を介して固相に結合する場合は、固相のカルボキシル基と脱水縮合してもよい。この場合の溶媒としては、カルボジイミド等の縮合剤を含む溶液であってよく、そのpHは、pH3〜8であることが好ましく、pH4〜6であることがより好ましい。一方、糖鎖又は糖鎖修飾物質の還元末端を介して固相に結合する場合には、効率的に糖鎖を固定化させることができる点から、アミノオキシ基、ヒドラジド基が好ましい。この場合、糖鎖又は糖鎖修飾物質を溶解する溶媒としては、特に限定されないが、好ましくはpH2〜7の緩衝液、より好ましくはpH4〜6の緩衝液が挙げられる。
0091
[ブロッキング操作]
糖鎖固定後は、反応溶液を除去後、糖鎖の固定化に関与しなかった固定化基を不活性化処理することが好ましい。不活性化処理は、固定化基の種類に応じ、糖鎖との結合性を有しない他の基に変更させることによって行うことができる。たとえば、固定化基が活性エステル基、アルデヒド基などの場合は、アルカリ化合物、一級アミノ基などを有する化合物で不活化処理することができる。固定化基がアミノオキシ基、ヒドラジド基などの場合は、無水酢酸、無水コハク酸などの酸無水物で不活化処理することができる。
0092
一級アミノ基を有する化合物としては、例えばメチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、グリシン、9−アミノアクアジン、アミノブタノール、4−アミノ酪酸、アミノカプリル酸、アミノエタノール、5−アミノ2,3−ジヒドロー1,4−ペンタノール、アミノエタンチオール塩酸塩、アミノエタンチオール硫酸、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、リン酸二水素2−アミノエチル、硫酸水素アミノエチル、4−(2−アミノエチル)モルホリン、5−アミノフルオレセイン、6−アミノヘキサン酸、アミノヘキシルセルロース、p−アミノ馬尿酸、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、5−アミノイソフタル酸、アミノメタン、アミノフェノール、2−アミノオクタン、2−アミノオクタン酸、1−アミノ2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、3−アミノプロペン、3−アミノプロピオニトリル、アミノピリジン、11−アミノウンデカン酸、アミノサリチル酸、アミノキノリン、4−アミノフタロニトリル、3−アミノフタルイミド、p−アミノプロピオフェノン、アミノフェニル酢酸、アミノナフタレン等が挙げられる。この中でも、アミノエタノール、グリシンが好ましい。
0093
本実施形態において、上記のα2,3結合型シアル酸含有糖鎖はα2,3結合型シアル酸含有糖鎖結合ペプチドを形成していてもよく、上記の前記α2,6結合型シアル酸含有糖鎖はα2,6結合型シアル酸含有糖鎖結合ペプチドを形成していてもよく、上記のアシアロ糖鎖は、アシアロ糖鎖結合ペプチドを形成していてもよい。
0094
糖鎖結合ペプチドのアミノ基を固相との結合に利用することにより糖鎖を十分に露出することができる。
0096
図5の(A)〜(C)は、本実施形態におけるα2,3結合型シアル酸含有糖鎖結合ペプチド、α2,6結合型シアル酸含有糖鎖結合ペプチド及びアシアロ糖鎖結合ペプチドの構造の一例を示した図である。これらの糖鎖結合ペプチドによれば、固相上の官能基(例えば、カルボキシル基、活性エステル構造等)と、α2,3結合型シアル酸含有糖鎖結合ペプチド、α2,6結合型シアル酸含有糖鎖結合ペプチド及びアシアロ糖鎖結合ペプチドのアミノ基がアミド結合を形成することで基板上に各糖鎖を固定化することができる。
0097
<ウイルスの分類方法>
一実施形態において、本発明は、α2,3結合型シアル酸含有糖鎖又はα2,6結合型シアル酸含有糖鎖が固定された固相にウイルスを接触させる工程と、固相に結合したウイルスを検出する工程と、ウイルスと、α2,3結合型シアル酸含有糖鎖及びα2,6結合型シアル酸含有糖鎖の少なくとも一つとの結合活性に基づいてウイルスを分類する工程と、を備える、ウイルスの分類方法を提供する。
0098
本明細書において、分類可能なウイルスとしては、上述したインフルエンザウイルス、レオウイルス、アデノウイルス、ロタウイルス等が挙げられる。この中でも、分類の需要が高い観点から、インフルエンザウイルスが好ましく、トリインフルエンザウイルス及びヒトインフルエンザウイルスがより好ましい。
0099
本実施形態のウイルス分類方法について、以下に詳細を述べる。まず、α2,3結合型シアル酸含有糖鎖又はα2,6結合型シアル酸含有糖鎖が固定された固相にウイルスを接触させる。ウイルスを含む試料については、特別な限定はなく、例えば、被験者の血液、唾液等の体液、尿などの生体試料、細胞又はウイルス自体の懸濁液、飲用水、下水などが挙げられる。
0100
次に、固相に結合したウイルスを検出する。検出方法としては、特別な限定はなく、例えば抗ウイルス抗体を用いる方法、例えばウイルスが結合する前から結合した後まで、固相に一定の波長の光を照射し続けて、吸光度の変化を測定する方法等が挙げられる。
0101
続いて、ウイルスと、α2,3結合型シアル酸含有糖鎖又はα2,6結合型シアル酸含有糖鎖との結合活性に基づいてウイルスを分類する。上述したとおり、ウイルスの種類によって、ウイルスが結合し得るシアル酸と糖との結合の様式が異なるため、ウイルスが結合したシアル酸含有糖鎖の種類を調べることによって、ウイルスを分類することができる。例えば、α2,3結合型シアル酸含有糖鎖に結合したインフルエンザウイルスは、トリインフルエンザウイルスに分類することができる。また、α2,6結合型シアル酸含有糖鎖に結合したインフルエンザウイルスは、ヒトインフルエンザウイルスに分類することができる。
0102
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
0103
[実施例1]糖鎖固定化プレートの作製
1.高分子化合物溶液の合成
(1)高分子化合物の合成
まず、コーティング層に用いる高分子化合物を調製した。2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(以下、「MPC」と記載)、n−ブチルメタクリレート(以下、「BMA」と記載)、p−ニトロフェニルオキシカルボニル−ポリエチレングリコールメタクリレート(以下、「MEONP」と記載。)を1mol/Lになるようにエタノールに溶解させた。なお、モノマー混合溶液中における、それぞれのモル比は、MPC、BMA、MEONPの順に25:70:5である。そこに、さらに2、2−アゾビスイソブチロニトリル(以下、「AIBN」と記載、和光純薬工業社製)を0.01mol/Lとなるように添加し、均一になるまで撹拌することで、モノマー混合溶液を作製した。
0104
続いて、アルゴンガス雰囲気下、60℃で6時間反応させ、反応溶液をジエチルエーテル/クロロホルム混合溶媒(容積比80/20)中に滴下し、沈殿を収集することにより高分子化合物を得た。なお、上述したMEONPについては、以下の(2)に示すようにして合成した。
0105
(2)p−ニトロフェニルオキシカルボニル−ポリエチレングリコールメタクリレート(MEONP)の合成
0.01molのポリエチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂製、「Blenmer PE−200」)を20mLのクロロホルムに溶解させた後、−30℃まで冷却した。−30℃に保ちながらこの溶液に、予め作製しておいた0.01molのp−ニトロフェニルクロロフォーメート(Aldrich社製)、0.01molのトリエチルアミン(和光純薬工業社製)およびクロロホルム20mLの均一溶液をゆっくりと滴下した。−30℃にて1時間反応させた後、室温でさらに2時間溶液を攪拌した。その後反応液から塩をろ過により除去し、溶媒を留去してMEONPを得た。
0106
2.糖鎖プレートの準備
シクロオレフィン製96穴プレートに上記の高分子化合物の0.3重量%エタノール溶液を300μL/wellずつ分注し、30分以上室温で静置した。次に、高分子化合物溶液をwellから回収後、洗浄液(75%エタノール)300μLを分注し、3分間静置した。溶液を除去し、乾燥した。
0107
続いて、固定化する糖鎖の溶液を準備した。糖鎖としては、図5(A)、(B)、(C)にそれぞれ示す構造を有するα2,3結合型シアル酸含有糖鎖結合ペプチド、α2,6結合型シアル酸含有糖鎖結合ペプチド、アシアロ糖鎖結合ペプチドを使用した。5Mリン酸カリウムバッファーを用いて、各糖ペプチド溶液を、0、0.09、0.19、0.38、0.75、1.50、3.00、6.00μg/mLの計8種類の濃度となるようにそれぞれ濃度調整を行った。
0108
続いて、各濃度の糖ペプチド溶液を100μL/wellずつ分注し、室温で2時間静置した。その後、溶液を除去し、超純水で300μL/wellずつ分注後、除去する操作を3回実施した。
0109
ブロッキング溶液(モノエタノールアミン)を300μL/wellずつ分注し、室温で60分静置した。その後、溶液を除去し、超純水で300μL/wellずつ分注後、除去する操作を3回実施した。
0110
[試験例1]過ヨウ素酸−シッフ塩基(periodic acid−Schiff base:PAS)法による固定化糖鎖の検出
実施例1で作製したプレートに、10μg/mL過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を100μL/ウェルずつ分注し、プレートシールで蓋をし、37℃で30分間静置した。続いて、純水で3回プレートを洗浄した。次に、ビオチンアミドヘキサン酸ヒドラジドを300mM酢酸ナトリウムバッファーで50μMとなるように希釈し、100μLずつ分注した。プレートシールで蓋をし、37℃で一晩静置した。続いて、純水で3回プレートを洗浄した。
次に、ストレプトアビジン−HRP(型番「18−152」、ミリポア社製)を0.2μg/mLとなるように1%BSA/PBS溶液で希釈し、100μLずつ分注した。プレートシールで蓋をし、室温で60分間静置した。続いて、純水で3回プレートを洗浄した。
次に、ペルオキシダーゼ用発色キット(型番「ML−1120T」、住友ベークライト社製)を100μL/ウェルずつ分注し、室温、遮光下で15分静置した。続いて、0.5M硫酸を100μL/ウェルずつ分注し、吸光度測定器(infinite M200、テカン社製)を用いて、450nmの吸光度を測定した。結果を表1及び図6に示す。3種類全ての糖鎖ペプチドが固定化していることが確かめられた。
0111
0112
[試験例2]SNA(Sambucus nigra)レクチン反応試験
実施例1で作製したプレートに、α2,6結合型シアル酸含有糖鎖に結合することが知られているSNAレクチンを反応させた。SNAレクチンは、ウイルスの代わりとして用いた。具体的には、実施例1で作製したプレートに、ビオチン化SNAレクチン(VECTOR社製)を20μg/mLとなるように溶液で希釈し、100μLずつ分注した。プレートシールで蓋をして、4℃で一晩静置した。続いて、純水で3回プレートを洗浄した。
次に、ストレプトアビジン−HRP(型番「18−152」、ミリポア社製)を0.2μg/mLとなるように1%BSA/PBS溶液で希釈し、100μLずつ分注した。プレートシールで蓋をし、室温で60分間静置した。続いて、純水で3回プレートを洗浄した。
次に、ペルオキシダーゼ用発色キット(型番「ML−1120T」、住友ベークライト社製)を100μL/ウェルずつ分注し、室温、遮光下で15分静置した。続いて、0.5M硫酸を100μL/ウェルずつ分注し、吸光度測定器(infinite M200、テカン社製)を用いて、450nmの吸光度を測定した。結果を表2及び図7に示す。
0113
実施例
0115
本発明によれば、ウイルスとの相互作用を高感度で、簡便且つ安価に測定することができる、糖鎖が固定化された固相を提供できる。
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