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技術 麦類緑葉搾汁残渣乾燥粉砕末の飲食品組成物及びその製造方法

出願人 日本薬品開発株式会社
発明者 三垣貴正帆足和憲永尾純三門脇靖司
出願日 2019年4月19日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-079782
公開日 2020年10月29日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-174590
状態 特許登録済
技術分野 食品の着色及び栄養改善
主要キーワード 乾燥粉砕機 非加熱処理 灰分測定 乾燥微粉 食品用増 大麦若葉粉末 放熱後 予備測定
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

麦類緑葉汁残渣飲食品組成物原料として利用するとともに、麦類緑葉搾汁残渣乾燥粉砕末の飲食品組成物の製造方法を提供することを目的とする。

解決手段

麦類緑葉搾汁残渣の乾燥粉砕末を原料として含有する飲食品組成物であり、麦類緑葉を搾する搾汁工程と、麦類緑葉の搾汁残渣を回収する回収工程と、回収した搾汁残渣を乾燥する乾燥工程と、乾燥した搾汁残渣を粉砕する粉砕工程と、を包含する飲食品組成物の製造方法である。

概要

背景

麦類若葉粉末には、麦類若葉を洗浄し、加熱乾燥した後粉砕した乾燥粉砕末と、麦類若葉を搾し、当該搾汁液濃縮、乾燥させた搾汁乾燥粉末とがある。後者の搾汁乾燥粉末は、繊維質の多い搾り粕の部分を含まないため、繊維質に起因したざらついた食感を低減することができる。

しかし、麦類若葉の搾汁乾燥粉末を製造する際には、繊維質を多く含んだ搾汁残渣が大量に排出されることになる。このような搾汁残渣は、水分を多く含んでいるため、産業廃棄物として廃棄するには多額の費用が必要となる。このため、搾汁残渣の有効利用として、食品組成物への補助的成分としての使用や(特許文献1)、搾汁残渣からの有効成分の抽出が試みられてきた(特許文献2)。

特許文献1には、緑色植物の搾汁残渣の乾燥粉末を青汁の補助的成分として添加することが記載されている。しかし、特許文献1の発明は搾汁残渣の青汁への少量使用であり、搾汁残渣を飲食品原料として利用するものではなかった。

特許文献2には、大麦若葉の搾汁粕熱水抽出した搾汁粕由来組成物のことが記載されている。しかし、特許文献2の発明は搾汁残渣の全てを飲食品の原料として利用するものではなく、さらに新たな残渣を生み出してしまうという問題点があった。

概要

麦類緑葉搾汁残渣を飲食品組成物の原料として利用するとともに、麦類緑葉搾汁残渣乾燥粉砕末の飲食品組成物の製造方法を提供することを目的とする。麦類緑葉搾汁残渣の乾燥粉砕末を原料として含有する飲食品組成物であり、麦類緑葉を搾汁する搾汁工程と、麦類緑葉の搾汁残渣を回収する回収工程と、回収した搾汁残渣を乾燥する乾燥工程と、乾燥した搾汁残渣を粉砕する粉砕工程と、を包含する飲食品組成物の製造方法である。なし

目的

本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、麦類緑葉搾汁残渣を飲食品組成物の原料として利用するとともに、麦類緑葉搾汁残渣乾燥粉砕末の飲食品組成物の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

麦類緑葉汁残渣乾燥粉砕末を原料として含有することを特徴とする飲食品組成物

請求項2

前記乾燥粉砕末の粒径が60メッシュを通過するものであることを特徴とする請求項1に記載の飲食品組成物。

請求項3

前記麦類緑葉搾汁残渣が大麦若葉の搾汁残渣であることを特徴とする請求項1又は2に記載の飲食品組成物。

請求項4

前記飲食品組成物が栄養補助用であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の飲食品組成物。

請求項5

麦類緑葉を搾する搾汁工程と、前記麦類緑葉の搾汁残渣を回収する回収工程と、回収した前記搾汁残渣を乾燥する乾燥工程と、乾燥した前記搾汁残渣を粉砕する粉砕工程と、を包含することを特徴とする飲食品組成物の製造方法。

請求項6

前記搾汁残渣を10℃以下においてほぐした後、乾燥することを特徴とする請求項5に記載の飲食品組成物の製造方法。

請求項7

前記搾汁残渣の粉砕末の粒径を60メッシュの篩を通過するように調製することを特徴とする請求項5又は6に記載の飲食品組成物の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、麦類緑葉汁残渣乾燥粉砕末の飲食品組成物及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

麦類若葉粉末には、麦類若葉を洗浄し、加熱乾燥した後粉砕した乾燥粉砕末と、麦類若葉を搾し、当該搾汁液濃縮、乾燥させた搾汁乾燥粉末とがある。後者の搾汁乾燥粉末は、繊維質の多い搾り粕の部分を含まないため、繊維質に起因したざらついた食感を低減することができる。

0003

しかし、麦類若葉の搾汁乾燥粉末を製造する際には、繊維質を多く含んだ搾汁残渣が大量に排出されることになる。このような搾汁残渣は、水分を多く含んでいるため、産業廃棄物として廃棄するには多額の費用が必要となる。このため、搾汁残渣の有効利用として、食品組成物への補助的成分としての使用や(特許文献1)、搾汁残渣からの有効成分の抽出が試みられてきた(特許文献2)。

0004

特許文献1には、緑色植物の搾汁残渣の乾燥粉末を青汁の補助的成分として添加することが記載されている。しかし、特許文献1の発明は搾汁残渣の青汁への少量使用であり、搾汁残渣を飲食品原料として利用するものではなかった。

0005

特許文献2には、大麦若葉の搾汁粕熱水抽出した搾汁粕由来組成物のことが記載されている。しかし、特許文献2の発明は搾汁残渣の全てを飲食品の原料として利用するものではなく、さらに新たな残渣を生み出してしまうという問題点があった。

先行技術

0006

特開1992−341153号公報
特開2018−042489号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、麦類緑葉搾汁残渣を飲食品組成物の原料として利用するとともに、麦類緑葉搾汁残渣乾燥粉砕末の飲食品組成物の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

即ち、本発明は以下の発明を含む。
[発明1]
麦類緑葉搾汁残渣の乾燥粉砕末を原料として含有することを特徴とする飲食品組成物。
[発明2]
乾燥粉砕末の粒径が60メッシュを通過するものであることを特徴とする発明1に記載の飲食品組成物。
[発明3]
麦類緑葉搾汁残渣が大麦若葉の搾汁残渣であることを特徴とする発明1又は2に記載の飲食品組成物。
[発明4]
飲食品組成物が栄養補助用であることを特徴とする発明1乃至3いずれかの発明に記載の飲食品組成物。
[発明5]
麦類緑葉を搾汁する搾汁工程と、
麦類緑葉の搾汁残渣を回収する回収工程と、
回収した搾汁残渣を乾燥する乾燥工程と、
乾燥した搾汁残渣を粉砕する粉砕工程と、
包含することを特徴とする飲食品組成物の製造方法。
[発明6]
搾汁残渣を10℃以下においてほぐした後、乾燥することを特徴とする発明5に記載の飲食品組成物の製造方法。
[発明7]
搾汁残渣の粉砕末の粒径を60メッシュの篩を通過するように調製することを特徴とする発明5又は6に記載の飲食品組成物の製造方法。

発明の効果

0009

本発明によれば、これまで産業廃棄物として捨てられていた麦類緑葉搾汁残渣を新たに飲食品組成物の原料として利用することができるとともに、麦類若葉搾汁乾燥粉末では難しかったお湯での分散性が改善された飲食品組成物を提供することができる。

0010

さらに、本発明によれば、産業廃棄物として取り扱われていた麦類緑葉搾汁残渣を原料として飲食品組成物を簡単に製造することができる。

0011

麦類緑葉粉末は、大きく分けて二つの製造方法がある。第1の方法は葉茎を搾汁し、得られた搾汁液を粉末化する方法であり、第2の方法は葉茎をそのまま乾燥粉末にして粉末化する方法である。第1の方法で得られる麦類植物緑葉搾汁の乾燥粉末(以下、麦類緑葉搾汁乾燥粉末という。)では、非加熱処理スプレードライ製法)のため酵素等の機能性蛋白質の失活を防ぐことができるが、お湯での分散性が悪く、また搾汁残渣に存在する食物繊維などの固形物が除去されてしまうという問題点がある。第2の方法で得られる麦類緑葉乾燥粉末は、麦類緑葉の全てを利用し分散性も良いが、製造時のブランチング等による加熱処理で酵素等の機能性蛋白質が失活してしまうという問題点がある。

0012

ここで、麦類植物の緑葉の搾汁残渣(以下、麦類緑葉搾汁残渣という。)は、第1の方法で麦類緑葉搾汁乾燥粉末を製造する際に残渣として生じる。麦類緑葉搾汁残渣は、搾汁により水溶性の成分が抽出されているので栄養素に乏しく、且つ溶出した酵素等により腐敗しやすいため利用価値が少ないと考えられていた。

0013

本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、麦類緑葉搾汁残渣の乾燥粉砕末(以下、麦類緑葉搾汁残渣乾燥粉砕末という。)が栄養豊かで、お湯でも分散性の良い飲食品組成物の原料として利用することができ、さらには簡単な製造方法で当該飲食品組成物を製造することができることを見出し、本発明を完成させた。本発明に係る麦類緑葉搾汁残渣乾燥粉砕末の飲食品組成物及びその製造方法を、以下詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に記載される構成に限定されることを意図しない。

0014

(麦類緑葉搾汁残渣乾燥粉砕末の飲食品組成物)
麦類緑葉搾汁残渣乾燥粉砕末については、搾汁により栄養素が乏しく、圧縮時のプロテアーゼ等の酵素活性や乾燥時の熱によって機能性蛋白質が失活していると考えられていた。ところが、麦類緑葉搾汁残渣には各種アミノ酸ペプチドコリン等の栄養素、クロロフィルポリフェノール等の抗酸化剤、SODスーパーオキシドディムターゼ)等の機能性蛋白質が多く含まれていることが確認された。また、麦類緑葉搾汁残渣乾燥粉砕末は、食物繊維が多く含まれており、お湯における分散性が非常に良いことも確認された。本発明の麦類緑葉搾汁残渣乾燥粉砕末は、飲食品組成物の原料として非常に好適であり、上記第1の方法で得られる麦類緑葉搾汁乾燥粉末と、上記第2の方法で得られる麦類緑葉乾燥粉末の問題点を解決するものである。

0015

本実施形態に係る飲食品組成物は、必要に応じて、例えば賦形剤増量剤結合剤増粘剤乳化剤着色料香料食品添加物、及び調味料の群から選択される少なくとも1種の添加剤を更に添加することができる。例えば、デキストリンシクロデキストリンラクトース、デンブン、マルトースマルチトールグルコースフラクトース等の賦形剤、食品用増量剤を、必要に応じて添加することができる。

0016

本実施形態に係る飲食品組成物を作製するにあたって、麦類緑葉搾汁残渣乾燥粉砕末をそのまま飲食品として供することができるが、必要に応じて、その剤型を粉末、顆粒ペレット錠剤カプセル剤、油状、ゲル状、液状にすることができる。

0018

本実施形態に係る飲食品組成物は、食品加工食品、飲料、医薬品、又は医薬部外品に配合することが可能である。本実施形態に係る飲食品組成物は栄養豊かで、食物繊維を多く含むため栄養補助、整腸作用の改善のために用いることが可能である。また、本実施形態に係る飲食品は機能性飲料又は機能性食品として提供することも可能である。機能性食品には、特定保健用食品栄養機能食品、機能性表示食品、老人用食品、健康補助食品バランス栄養食サプリメント)等が挙げられる。

0019

本実施形態に係る飲食品組成物を添加する食品としては、特に限定はされないが、例えば、穀類、いも類、魚介類肉類卵類油脂類乳類野菜類豆類果実類砂糖類海藻類菓子類調味料類調理加工食品類等が挙げられる。

0020

本実施形態に係る飲食品組成物を添加する加工食品としては、特に限定はされないが、例えば、ちくわ、かまぼこ等の水産加工品ハムソーセージ等の畜産加工品クッキービスケットスナックチョコレート、ケーキ等の菓子;そば、うどん、生麺、中華麺パスタ等の麺類食パン菓子パン等のパン納豆味噌等の発酵加工食品;豆腐、おから等の大豆食品浅漬け、糠漬け等の漬け物水産品、加工肉野菜果物等の缶詰バターマーガリンヨーグルトチーズ牛乳等の乳製品アイスクリームシャーベット等の冷菓食品等が挙げられる。

0021

本実施形態に係る飲食品組成物を添加する飲料としては、特に限定はされないが、例えば、青汁飲料果汁飲料野菜ジュースフレーバー入り飲料、希釈用果実飲料等の果実飲料;炭酸飲料コーヒーコーヒー飲料、コーヒー入り清涼飲料ココア飲料紅茶緑茶抹茶、烏龍麦茶、ほうじ茶等の嗜好飲料食酢飲料スポーツドリンク等の清涼飲料水;牛乳;乳飲料乳性飲料乳酸飲料乳酸菌飲料豆乳調製豆乳等の大豆飲料ビール日本酒焼酎リキュールワイン等のアルコール飲料タウリンローヤルゼリーアミノ酸ビタミンミネラルコラーゲンヒアルロン酸、鉄分等を含む栄養飲料等が挙げられる。

0022

(麦類緑葉搾汁残渣乾燥粉砕末の飲食品組成物の製造方法)
本実施形態に用いる麦類緑葉は、いずれの成長時期の麦類緑葉であってもよいが、好ましくは、麦類成熟期(緑葉が実質的に黄変する時期)前の緑葉であり、より好ましくは揃期及び穂揃期前の緑葉であり、さらに好ましくは出穂開始期及び出穂開始期前の緑葉である。例えば、大麦の場合、草丈が20〜35cmである。この時期は、麦類緑葉にはタンパク質多糖類少糖類、ミネラル、ビタミン類、ポリフェノール類、クロロフィル、カロチノイド等の含有量が最も多く含まれている。本発明に用いる麦類緑葉としては、葉及びを含み、例えば、大麦、小麦ライ麦、えん麦などの緑葉を挙げることができ、好ましくは大麦の緑葉であり、さらに好ましくは大麦若葉である。

0023

麦類緑葉搾汁残渣は、麦類緑葉搾汁乾燥粉末を製造する際の搾汁工程において副産物として生じる。麦類緑葉の搾汁工程においては、麦類緑葉、特に収穫した直後の麦類若葉を用いることが好ましい。搾汁残渣の回収工程においては、新鮮な生の麦類緑葉を機械的に搾汁し、濾過または遠心分離により分離した搾汁液は麦類緑葉搾汁乾燥粉末の原料として利用されるとともに、回収された搾汁残渣は麦類緑葉搾汁残渣乾燥粉砕末の原料として利用される。

0024

回収された搾汁残渣は、搾汁時に圧縮されているので変敗が生じやすく、時間の経過とともに麦類緑葉搾汁残渣乾燥粉砕末の原料としての利用に適さなくなる。このため、搾汁残渣の乾燥工程においては、10℃以下において搾汁残渣をほぐし、搾汁残渣を破砕処理後、直ちに搾汁残渣の乾燥を行うことが好ましい。乾燥工程に入らない場合は、搾汁残渣を−20℃以下で冷凍保存することが必要である。乾燥工程では、例えば、搾汁残渣の破砕処理を行った後、流動乾燥機で乾燥を行う。

0025

乾燥した搾汁残渣の粉砕工程においては、乾燥された搾汁残渣を微粉砕機で粉砕し、微粉末を得る。また、乾燥微粉砕装置(例えば、ミクロパウテック株式会社製の乾燥粉砕機)を用いて乾燥と微粉末の同時処理を行うこともできる。

0026

麦類緑葉搾汁残渣乾燥粉砕末の粒子径は、用途、嗜好に応じていろいろな粒径に調整することができるが、好ましくは60メッシュ(250μm)の篩を通過するように調製することである。乾燥粉砕末の粒子径が300メッシュの篩を通過する程度に小さく調製すると、食品素材として加工する際に扱いにくくなるおそれがある。一方、粒径が30メッシュに残留する程度に大きい場合は、他の食品素材との均一な混合が妨げられるおそれがある。

0027

以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、当該実施例は本発明を限定するものではない。

0028

<大麦若葉エキス粉末及び搾汁残渣の乾燥粉砕末の代謝物評価及び一般成分評価>
大麦若葉エキス粉末及び搾汁残渣の乾燥粉砕末の成分評価をメタボローム解析及び一般成分分析により行った。メタボローム解析はヒューマンメタボロームテクノロジー株式会社、一般分析は日本食品分析センター及び日本薬品開発株式会社が行った。

0029

[実施例1]
麦類緑葉として、大麦若葉を使用した。大麦若葉を水洗浄して破砕した。その後搾汁工程にて、大麦若葉の破砕物を搾汁して大麦若葉搾汁液(大麦若葉エキス)と、搾汁残渣とを得た。大麦若葉の搾汁残渣10.47kgを乾燥粉砕処理し、1.98kgの大麦若葉搾汁残渣の乾燥粉砕末を得てメタボローム解析及び一般成分分析に供した。

0030

[比較例1]
上記大麦若葉エキスを濃縮後、噴霧乾燥装置スプレードライヤー)で噴霧乾燥させて大麦若葉エキス粉末を作製し、メタボローム解析及び一般成分分析に供した。

0031

(メタボローム解析による大麦若葉エキス粉末及び搾汁残渣の乾燥粉砕末に含まれる代謝物質の評価)
メタボローム解析のCE−TOFMSに用いられる試料は次のように作製した。まず、比較例1の大麦若葉エキス粉末11.6mg、及び実施例1の大麦若葉搾汁残渣の乾燥粉砕末10.7mgを採取した。採取した粉末を破砕用チューブに入れ、そこに50μMの内部標準物質を含んだ600μLのメタノール溶液を添加し、冷却下にてホモジナイザーを用いて破砕(1500rpm、120秒×1回)した。破砕後、600μLのクロロホルム及び240μLの超純水を更に加えて攪拌し、遠心分離(2300×g、4℃、5分)を行った。遠心分離後、チューブ内の水層を採取し、この水層を限外濾過チューブ(ウルトラフリーMCPLHCC HNT遠心式フィルターユニット5KDa)に供して、遠心(9100×g、4℃、5分)し限外濾過を行った。濾液乾固させ、再び50μLの超純水に溶解して測定に供した。試料は、CE−TOFMSによるカチオンモード測定では5倍希釈、及びアニオンモード測定では10倍希釈して測定に用いた。

0032

メタボローム解析のLC−TOFMSに用いられる試料は次のように作製した。まず、比較例1の大麦若葉エキス粉末11.4mg、及び実施例1の大麦若葉搾汁残渣の乾燥粉砕末12.1mgを採取した。採取した粉末を破砕用チューブに入れ、そこに内部標準物質20μMを含んだ500μLの1%ギ酸アセトニトリル溶液を添加し、冷却下にてホモジナイザーを用いて破砕(1500rpm、120秒×2回)した。そこに167μLの超純水を添加し、更に破砕(1500rpm、120秒×1回)した。これを遠心分離(2300×g,4℃、5分)し、上清を採取した。沈殿物に500μLの1%ギ酸−アセトニトリル及び167μLの超純水を加えて撹拌し、遠心分離後上清を採取し、先の上清と混合した。この上清混合液を3本の限外濾過チューブ(NANOSEP3K OMEGA,PALL)にそれぞれ350μL供した。そして、これらの限外濾過チューブにて遠心(9100×g、4℃、120分)し限外濾過を行った。次いで、リン脂質固相抽出で除去した。固相抽出後、濾液を乾固させ200μLの50%イソプロパノール溶液(v/v)に溶解して測定に供した。試料は、LC−TOFMSによるポジティブモード測定及びネガティブモード測定ともに1倍希釈して測定に用いた。

0033

CE−TOFMS及びLC−TOFMSで検出されたピークのm/z、及びMTまたはRTの値を、HMT(ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社)の代謝物質ライブラリ及びKnown−Unknownライブラリに登録された全物質の値と照合して、試料中の候補代謝物質を検索した。

0034

以下、メタボローム解析で得られた結果に基づいて、大麦若葉エキス粉末に含まれる代謝物質と、大麦若葉搾汁残渣の乾燥粉砕末に含まれる代謝物質と、を対比して表記した。なお、ポリフェノール分析における相対面積値は、メタボローム解析におけるTOFMS分析で検出されるピーク面積値標準物質のピーク面積値に基づいて変換している。

0035

0036

0037

0038

0039

(一般成分分析による大麦若葉エキス粉末及び搾汁残渣の乾燥粉砕末の評価)
実施例1及び比較例1について、粗タンパク質、総クロロフィル、灰分、SOD活性食物繊維量について成分分析を行った。

0040

[粗タンパク質測定法
粗タンパク質はケルダール法にて測定した。試料を分解促進剤存在下において硫酸で分解し、窒素アンモニアに変換した。次いで、水酸化ナトリウムを加えてアルカリ性として、遊離したアンモニアを水蒸気蒸留にてホウ酸溶液捕集し、得られたアンモニア捕集液を硫酸標準溶液滴定により窒素量を求めた。粗タンパク質は、得られた全窒素量に窒素・タンパク質換算係数(大麦:5.83)を乗じて算出した。

0041

[総クロロフィル測定法]
クロロフィル約7mgに相当する試料を精密に測り、これに85%アセトン50mlを加えて冷暗所で一夜放置した後、底に付着した粘稠物をガラス棒で十分に練り混ぜ、3G‐2ガラスフイルターを用いて濾過した。フラスコ中の残留物に、85%アセトン25mlを加えて約10分間ガラス棒でかき混ぜた後、再び濾過をした。アセトン溶液が着色しなくなるまでこの操作を繰り返し、濾液を合わせ、正確に200ml溶液となるようにアセトンを加えた。次いで、当該溶液20mlを、エーテル50mlを加えた分液ロートに入れ、さらに5%硫酸ナトリウム溶液50mlを加えて穏やかに攪拌した。下層を捨て、5%硫酸ナトリウム液50mlを用いてさらに3回同様の操作を行った。上層エーテル層無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した後、濾過した。当該残留物をエーテルで洗浄し、濾液及び洗浄液を合わせ、更にエーテルを加えて正確に100mlとして試料液とした。エーテルを対照として、波長642.5nm及び660nmにおける吸光度A1及びA2を測定し、以下の式で総クロロフィルを算出した。

総クロロフィル(mg/100g)=C×100/1000×200/20×100/S
C(総クロロフィルmg/l):7.12×A2+16.8×A1
S:試料採取量(g)

0042

灰分測定法]
灰分はルツボ法により測定した。乾燥させた試料をルツボに入れ、徐々に過熱し残存する水分を蒸発させ、次に蓋をしてさらに過熱し炭化させた。デシケーター放熱後量した。

0043

[SOD活性測定法]
試料約1gを精密に量り、これに50mMリン酸カリウム緩衝液100mlを加えて、十分混合した後、混合液を遠心分離(13000×g、10分)し、上澄液分取した。更に、沈殿物に50mMリン酸カリウム緩衝液80mlを加え同様の操作を行い、上澄液を分取した。これを先の上澄液と合わせ50mMリン酸カリウム緩衝液で正確に200mlとして試料溶液とした。
予備測定は250mMリン酸カリウム緩衝液、1mMエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム溶液、0.1mMチトクロムC溶液及び0.5mMキサチン溶液各1mlずつを正確に試験管にとり、これをE液とした。光学セル精製水80μL、試料溶液約50〜200μLの一定量、及びE液400μLを注加し、50mMリン酸カリウム緩衝液を加えて980μLとした。これにキサンチンオキシダーゼ溶液20μLを加え、直ちに波長550nmにおける吸光度変化を60秒間測定し、吸光度差を求めた。別に試料溶液のかわりに50mMリン酸カリウム緩衝液を用いて同様に操作し、吸光度差を求めた。 50mMリン酸カリウム緩衝液から得た吸光度差を試料溶液から得た吸光度差で割った値(R)を本測定の参考とし、この値が1.6〜2.4、好ましくは、2.0付近となるよう本測定の試料溶液の量を調整した。
本測定は光学セル1本を空試験用(セルS)とし、その他は試料溶液測定用(セルT)とした。セルS及びセルTのそれぞれに精製水80μL、E液400μLずつを正確に加えた。セルTにR値が2前後の値となるように試料溶液を、段階的に量を変えて正確に加えた。さらに、セルS及びセルTのそれぞれに50mMリン酸カリウム緩衝液を加えて正確に980μLとし、水浴中に入れて25℃の恒温インキュベートした。セルS及びセルTのそれぞれにキサンチンオキシダーゼ溶液20μLを正確に加え、精製水を対照液として直ちに波長550nmにおける吸光度変化を60秒間測定し、反応前後の吸光度差を求めた。試料溶液の吸光度差をそれぞれa1,a2,a3・・・とし、ブランクの吸光度差をAとした。添加した試料溶液の量(μL)を横軸にブランクと試料溶液の吸光度差の比A/a(A/a1,A/a2,A/a3、・・)を縦軸にとり、検量線を作成し、A/aが2.0に相当する試料溶液の量(μL)を求めた。チトクロムCの還元を50%阻害するのに必要なSODの量を1酵素単位(A/a=2.0)とし、以下の式により酵素活性の単位を算出した。

SODの酵素活性(unit/g)=
(1/検量線からの試料溶液の量(μL))×200×1000÷(試料採取量(g))

0044

[食物繊維測定法]
食物繊維はブロスキー法(酵素‐重量法)にて測定した。試料をプロテアーゼ及びアミログルコシダーゼで処理し、試料中のでんぷん及びタンパク質を分解した。その後、4倍量の95%エタノールを加えて沈殿させた後、吸引濾過で沈殿物を回収した。沈殿物をエタノール及びアセトンで洗浄後、乾燥させて乾燥重量を測定した。沈殿物の乾燥重量から蛋白質量及び灰分を差し引いて植物繊維量を算出した。

0045

0046

実施例1及び比較例1のメタボローム解析による結果では、アミノ酸の含有量は、大麦若葉搾汁残渣の乾燥粉砕末と、大麦若葉エキス粉末とを比較すると、表1に示される通り、アミノ酸の種類によって含有量の差はあるものの大麦若葉エキス粉末に見劣りするものではなく、ジペプチドに至っては、表2に示される通り、大麦若葉搾汁残渣の乾燥粉砕末の方が多い結果となった。コリン、ベタイン等の栄養素、ポリフェノール類は、表3及び表4に示される通り、大麦若葉エキス粉末と比較しても十分な量を含んでいることが確認された。一般成分分析においては、大麦若葉搾汁残渣の乾燥粉砕末は、粗タンパク質、クロロフィル、灰分、SODは総じて少ないが、食物繊維は非常に多く含まれており、整腸作用の効果が期待できることが確認された。

0047

<大麦若葉搾汁残渣乾燥粉砕末のお湯における分散性の評価>
麦類緑葉搾汁残渣乾燥粉砕末のお湯での分散性を評価するために、大麦若葉の搾汁残渣の乾燥粉砕末と、一般に市販されている大麦若葉をそのまま乾燥粉末にした大麦若葉乾燥粉末と、大麦若葉の搾汁乾燥粉末である大麦若葉エキス粉末とを比較した。

0048

[実施例2]
実施例1の大麦若葉搾汁残渣の乾燥粉砕末に難消化デキストリンファイバーソル2、Lot1810:化学工業株式会社)を50重量%となるように混合した組成物を作製した。

0049

[実施例3]
実施例1の大麦若葉搾汁残渣の乾燥粉砕末にマルチトース(粉末還元麦芽糖水飴、Lot404025:三菱商事フードテック株式会社)を50重量%となるように混合した組成物を作製した。

0050

[比較例]
大麦若葉をそのまま乾燥粉末にした市販品の「大麦若葉粉末100%」(山本漢方製薬株式会社)を比較例2とし、大麦若葉の搾汁液を粉末化した市販品の「グリーンマグマ生」(日本薬品開発株式会社)を比較例3とした。

0051

実施例1〜3、比較例2、及び比較例3のそれぞれ3gを1℃、20℃、40℃、45℃、50℃、55℃、80℃の温度に調整した水100mlに加え、各サンプルの分散性を評価した。分散性の評価は、試験サンプルが凝集することなく分散している場合を2+(++)、全体としては分散しているが少し凝集がみられる場合を1+(+)。凝集が生じて分散していない場合をマイナス(−)とした。

0052

実施例

0053

実施例1〜3は、いずれの温度帯の水であっても分散性が非常に良好であり、凝集は起こらず、比較例1の大麦若葉をそのまま乾燥粉末にした大麦若葉乾燥粉末と同等の分散性を発揮した。比較例2の大麦若葉エキス粉末は、45℃、50℃の温度帯では、若干の凝集が認められ、さらに55℃以上の温度帯になると分散性が不良となった。以上の結果から、麦類緑葉搾汁残渣乾燥粉砕末は、温かいお湯の状態でも栄養豊かな飲食品組成物として好適に利用できることが確認された。

0054

本発明の麦類緑葉搾汁残渣乾燥粉砕末は、青汁用の食品、栄養補助食品、健康食品等に好適に用いることができる。

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