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課題
解決手段
概要
背景
デマンド契約と呼ばれる電力会社と需要家との間での契約電力の取り決め方が知られている。デマンド契約では、デマンド時限と呼ばれる単位時間による計測期間あたりの需要電力を計測し、計測した複数の需要電力のうち最も大きい需要電力に応じて契約電力(デマンド目標値)を決定する。
需要家は、上記のように決定された契約電力を越えないように施設における消費電力を制御する。このような消費電力の制御は、デマンド制御とも呼ばれる。
このようなデマンド制御を行う電力管理装置として以下の構成が知られている。つまり、電力管理装置は、需要電力を抑えるために設備機器の運転を制限するにあたり、施設における快適性や利便性の低下が緩和されるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
概要
震災発生後の不要不急の設備利用による電力枯渇を防止するため、緊急地震速報などの地震発生情報を受信後、あらかじめ決められた不要設備への電力供給を制限する。本発明の一態様は、緊急地震速報受信機が受信した震度が所定の閾値より大きいか否かについて判定する震度判定部と、前記震度判定部によって前記震度が所定の閾値より大きいと判定された場合に、複数の設備機器の需要電力が所定の需要電力より大きいか否かについて判定する需要電力判定部と、前記需要電力判定部によって前記複数の設備機器の需要電力が所定の需要電力より大きいと判定された場合に、前記複数の設備機器のうち所定の設備機器の消費電力が低減されるように制御する電力制御部とを備える電力管理装置である。
目的
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、震災発生後の不要不急の設備利用による電力枯渇を防止するため、緊急地震速報などの地震発生情報を受信後、あらかじめ決められた不要設備への電力供給を制限することを目的とする
効果
実績
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請求項1
緊急地震速報受信機が受信した震度が所定の閾値より大きいか否かについて判定する震度判定部と、前記震度判定部によって前記震度が所定の閾値より大きいと判定された場合に、複数の設備機器の需要電力が所定の需要電力より大きいか否かについて判定する需要電力判定部と、前記需要電力判定部によって前記複数の設備機器の需要電力が所定の需要電力より大きいと判定された場合に、前記複数の設備機器のうち所定の設備機器の消費電力が低減されるように制御する電力制御部とを備える電力管理装置。
請求項2
請求項3
前記所定の設備機器は、停止しても安全性確保のために支障がない設備機器であって、前記電力制御部は、当該設備機器を所定の時間停止させて、前記複数の設備機器の需要電力が前記所定の需要電力以下となるように制御する請求項1または請求項2に記載の電力管理装置。
請求項4
前記所定の設備機器は、低負荷運転が可能な設備機器、または遅延起動が可能な設備機器であって、前記電力制御部は、当該設備機器を低負荷運転、または遅延起動させて、前記複数の設備機器の需要電力が緩やかな増加となるように制御する請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の電力管理装置。
請求項5
請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の電力管理装置と、地震が発生した際に該地震の震度を受信し、前記震度判定部へ前記震度を送信する緊急地震速報受信機と、複数の設備機器の需要電力を測定し、前記需要電力判定部へ前記複数の設備機器の需要電力を送信する電力監視装置とを備える電力管理システム。
請求項6
震度判定部が、緊急地震速報受信機が受信した震度が所定の閾値より大きいか否かについて判定する震度判定工程と、需要電力判定部が、前記震度判定部によって前記震度が所定の閾値より大きいと判定された場合に、複数の設備機器の需要電力が所定の需要電力より大きいか否かについて判定する需要電力判定工程と、電力制御部が、前記需要電力判定部によって前記複数の設備機器の需要電力が所定の需要電力より大きいと判定された場合に、前記複数の設備機器のうち所定の設備機器の消費電力が低減されるように制御する電力制御工程とを備える電力管理装置の制御方法。
技術分野
背景技術
0002
デマンド契約と呼ばれる電力会社と需要家との間での契約電力の取り決め方が知られている。デマンド契約では、デマンド時限と呼ばれる単位時間による計測期間あたりの需要電力を計測し、計測した複数の需要電力のうち最も大きい需要電力に応じて契約電力(デマンド目標値)を決定する。
0003
需要家は、上記のように決定された契約電力を越えないように施設における消費電力を制御する。このような消費電力の制御は、デマンド制御とも呼ばれる。
このようなデマンド制御を行う電力管理装置として以下の構成が知られている。つまり、電力管理装置は、需要電力を抑えるために設備機器の運転を制限するにあたり、施設における快適性や利便性の低下が緩和されるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
先行技術
0004
特開2016−034190号公報
特開2014−187743号公報
発明が解決しようとする課題
0005
ここで、需要電力を電力管理装置に供給する電力会社と、電力管理装置との間で通信が確保できていれば、デマンド制御におけるデマンド応答(リスポンス)が成立する。
しかしながら、地震が発生して通信が遮断された状況においては、電力会社からの電力供給を強制遮断(部分停電)させる手法が取られている(例えば、特許文献2参照)。そこで、本発明は、かかる電力供給を強制遮断させる手法を避けることをねらいとしている。
0006
すなわち、本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、震災発生後の不要不急の設備利用による電力枯渇を防止するため、緊急地震速報などの地震発生情報を受信後、あらかじめ決められた不要設備への電力供給を制限することを目的とする。
課題を解決するための手段
0007
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、緊急地震速報受信機が受信した震度が所定の閾値より大きいか否かについて判定する震度判定部と、前記震度判定部によって前記震度が所定の閾値より大きいと判定された場合に、複数の設備機器の需要電力が所定の需要電力より大きいか否かについて判定する需要電力判定部と、前記需要電力判定部によって前記複数の設備機器の需要電力が所定の需要電力より大きいと判定された場合に、前記複数の設備機器のうち所定の設備機器の消費電力が低減されるように制御する電力制御部とを備える電力管理装置である。
0008
また、本発明の一態様は、上記電力管理装置であって、前記電力制御部は、地震の発生後における前記需要電力の増加に応じて、予め登録された設備機器のうちから前記所定の設備機器を選択する。
0009
また、本発明の一態様は、上記電力管理装置であって、前記所定の設備機器は、停止しても安全性確保のために支障がない設備機器であって、前記電力制御部は、当該設備機器を所定の時間停止させて、前記複数の設備機器の需要電力が前記所定の需要電力以下となるように制御する。
0010
また、本発明の一態様は、上記電力管理装置であって、前記所定の設備機器は、低負荷運転が可能な設備機器、または遅延起動が可能な設備機器であって、前記電力制御部は、当該設備機器を低負荷運転、または遅延起動させて、前記複数の設備機器の需要電力が緩やかな増加となるように制御する。
0011
また、本発明の一態様は、上記電力管理装置と、地震が発生した際に該地震の震度を受信し、前記震度判定部へ前記震度を送信する緊急地震速報受信機と、複数の設備機器の需要電力を測定し、前記需要電力判定部へ前記複数の設備機器の需要電力を送信する電力監視装置とを備える電力管理システムである。
0012
また、本発明の一態様は、震度判定部が、緊急地震速報受信機が受信した震度が所定の閾値より大きいか否かについて判定する震度判定工程と、需要電力判定部が、前記震度判定部によって前記震度が所定の閾値より大きいと判定された場合に、複数の設備機器の需要電力が所定の需要電力より大きいか否かについて判定する需要電力判定工程と、電力制御部が、前記需要電力判定部によって前記複数の設備機器の需要電力が所定の需要電力より大きいと判定された場合に、前記複数の設備機器のうち所定の設備機器の消費電力が低減されるように制御する電力制御工程とを備える電力管理装置の制御方法である。
発明の効果
0013
本発明によれば、震災発生後の不要不急の設備利用による電力枯渇を防止するため、緊急地震速報などの地震発生情報を受信後、あらかじめ決められた不要設備への電力供給を制限することができる。
図面の簡単な説明
0014
本発明の実施形態における電力管理システムの構成例を示す図である。
本発明の実施形態における電力管理装置の構成例を示す図である。
本発明の実施形態における電力管理装置が実行する処理手順例を示すフローチャートである。
実施例
0015
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態における電力管理システムの構成例を示す図である。
同図に示す電力管理システムは、例えば設備機器を備える建物を対象として電力管理を行うBEMS(Building Energy Management System)などに相当する。
電力管理システムは、施設1において、設備機器として、自販機10−1A、自販機10−1B、冷蔵庫10−2A、冷蔵庫10−2B、空調設備10−3A、空調設備10−3B、空調設備10−3C、照明設備10−4A、照明設備10−4B、照明設備10−4Cを備えている。これらの設備機器を、本実施形態においては、設備機器として特に区別をしない場合には、設備機器10と記載する。
すなわち、同図に示すように、施設1に備えられる設備機器10の各々は商用電源2と接続される。つまり、施設1における設備機器10は、それぞれ商用電源2から供給される電力を使用(消費)する負荷である。
0016
また、施設1は、設備機器として、BCP(事業継続計画:Business Continuity Planning)、すなわち、災害などの緊急事態が発生したときに、企業が損害を最小限に抑え、事業の継続や復旧を図るための計画に沿った、例えば下記(A)〜(D)の設備機器を備えている。
(A)安全確保のための宿直室に必要となる、A[kW]の消費電力を有する設備機器
(B)震災対策機能立ち上げのための対策室に必要となる、(B+A)[kW]の消費電力を有する、複数台のPC、テレビ、対策室における照明からなる設備機器
(C)施設内巡回の共用部に必要となる、(C+A+B)[kW]の消費電力を有する照明からなる設備機器
(D)負傷者の救護のために必要となる設備機器
なお、これら設備機器(A)〜(D)は、この順番に時系列に電力必要量(消費電力)を必要とする。そのため、後述する電力管理装置100は、設備機器(A)〜(D)および各消費電力を予め登録しておき、設備機器(A)〜(D)の消費電力量と設備機器10の消費電力量との合計消費電力量が所定の需要電力以下となるように、設備機器10への電力供給を遮断または制限する。
0017
また、電力管理システムは、施設1において、電力監視装置3と、緊急地震速報受信機4と、BEMS(本実施形態においては、以下、電力管理装置100と記載する)と、を備えている。
電力監視装置3は、商用電源2が設備機器10と設備機器(A)〜(D)とに接続される電力系統における所定の測定点Pmの電力を測定することにより、設備機器全体による現在の需要電力を測定する。すなわち、電力監視装置3は、複数の設備機器の需要電力を測定し、電力管理装置100へ複数の設備機器の需要電力を送信する。
緊急地震速報受信機4は、地震が発生した際に該地震の震度を受信し、電力管理装置100へ震度を送信する。
0018
本電力管理システムにおいて、施設1の需要家は、商用電源2の供給元である電力会社とデマンド契約を結んでいる。デマンド契約では、デマンド時限と呼ばれる単位時間による計測期間あたりの需要電力が計測され、計測された複数の需要電力のうち最も大きい需要電力に応じて一定期間における契約電力が決定される。なお、デマンド時限は、例えば30分である。
施設1の需要家は、施設1における消費電力が契約電力を越えないように設備機器10を使用する必要がある。このような要請に対応するため、電力管理装置100は、平常時(平常モード)において、施設1における電力管理として、施設1における消費電力が契約電力を越えないようにするためのデマンド制御を実行する。
0019
一方、電力管理装置100は、大地震発生時、あるいは深夜時間帯における電力需給バランスの乱れを最小限に抑えるため、例えば、強い地震を感知した場合、自動的に運転モードを上記平常モードから緊急モードへ移行させる。緊急モードへ移行した電力管理装置100は、施設1における消費電力が、予め設定される緊急時の電力使用上限値を越えないように、設備機器10への電力供給を遮断または制限する制御を実行する。
そして、電力管理装置100は、施設1における消費電力が、予め設定される緊急時の電力使用上限値を越える場合に、設備機器10のうちから消費電力低減対象の設備機器10を選択する。電力管理装置100は、消費電力低減対象として選択された設備機器10の消費電力が低減されるように制御する。この際、電力管理装置100は、例えば消費電力低減対象の設備機器10の動作を停止させたり、消費電力が少なくなるように動作を変更させたりするなどの制御を行う。動作の変更の具体例として、消費電力低減対象の設備機器10が空調機器である場合には、冷房であれば温度を高くし、暖房であれば温度を低くする、あるいは、空調モードから送風モードに変更するなど、消費電力が低減される傾向に対応した動作の変更が行われるようにすればよい。
0020
次に、図2を参照して、電力管理装置100の構成例について説明する。同図に示す電力管理装置100は、通信部101、制御部102、記憶部103を備える。
通信部101は、設備機器10および設備機器(A)〜(D)の各々と通信を実行する。また、通信部101は、電力監視装置3および緊急地震速報受信機4の各々と通信を実行する。
制御部102は、電力管理装置100としての機能を実現するための各種の制御を実行する。制御部102としての機能は、例えば電力管理装置100がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
記憶部103は、制御部102が利用する各種の情報を記憶する。記憶部103は、例えば、設備機器情報を記憶する。
0021
制御部102は、本実施形態の緊急モードに対応した機能部として、震度判定部121、需要電力判定部122、電力制御部123を備える。
0022
震度判定部121は、緊急地震速報受信機4から送信される震度が所定の閾値(例えば、震度5)より大きいか否かについて判定する。
0023
需要電力判定部122は、電力監視装置3により測定された需要電力(以下、(1)現在の需要電力とする。)が所定の需要電力より大きいか否かについて判定する。具体的に、本実施形態の電力管理システムにおいては、契約電力(以下、(2)需要上限値とする)に基づいて、契約電力よりも小さい値による警戒値(以下、(3)警戒値とする)が定められている。電力監視装置3により測定された需要電力が(3)警戒値に至るということは、実の需要電力が契約電力を越える可能性が相当に高いことを示す。
そこで、本実施形態の需要電力判定部122は、(1)現在の需要電力が(3)警戒値(所定の需要電力)より大きいか否かについて判定するように構成される。
0024
電力制御部123は、需要電力判定部122によって複数の設備機器の需要電力((1)現在の需要電力)が(3)警戒値(所定の需要電力)より大きいと判定された場合に、複数の設備機器のうち所定の設備機器(設備機器10のうち消費電力低減対象である設備機器)の消費電力が低減されるように制御する。
ここで、電力制御部123は、地震の発生後における複数の設備機器の需要電力の増加に応じて、予め登録された設備機器(設備機器10)のうちから所定の設備機器を選択する。
0025
具体的に、電力制御部123は、消費電力低減対象の設備機器10の選択にあたり、緊急モードにおいて施設1にて削減すべき設備機器10による消費電力の総計である削減消費電力目標値を求める。
一例として、電力制御部123は、例えば需要電力判定部122により判定された需要電力、すなわち(1)現在の需要電力と(3)警戒値とに基づいて削減消費電力目標値を求めることができる。より具体的には、電力制御部123は、(1)現在の需要電力と(3)警戒値との差分を削減消費電力目標値として求めることができる。あるいは、電力制御部123は、(1)現在の需要電力と(3)警戒値との差分に対して所定のマージンを付与した値を削減消費電力目標値として求めてもよい。
0026
そして、電力制御部123は、上記のように求めた削減消費電力目標値と、記憶部103が記憶する設備機器情報を利用して消費電力低減対象の設備機器10を選択する。
0027
ここで、記憶部103が記憶する設備機器情報とは、例えば、施設1における設備機器10ごとに、機器名、減少消費電力、制御内容が対応付けられた構成である。
例えば、図1に示す設備機器10について、設備機器情報を記載すると、下記の様な構成となる。
「自販機10−1A」、「自販機10−1B」…停止しても安全性確保のために支障がないと考えられる設備機器であって、当該設備機器を所定の時間停止させることにより、減少消費電力a、または減少消費電力b分だけそれぞれ減少させる。
「冷蔵庫10−2A」、「冷蔵庫10−2B」…停止しても安全性確保のために支障がないと考えられる設備機器であって、当該設備機器を所定の時間停止させることにより、減少消費電力c、または減少消費電力d分だけそれぞれ減少させる。
「空調設備10−3A」、「空調設備10−3B」、「空調設備10−3C」…低負荷運転が可能な設備機器であって、当該設備機器を起動時低負荷運転させることにより、減少消費電力e、減少消費電力f、または減少消費電力g分だけそれぞれ減少させる。
「照明設備10−4A」、「照明設備10−4B」、「照明設備10−4C」…遅延起動が可能な設備機器であって、当該設備機器を遅延起動させることにより、減少消費電力h、減少消費電力i、または減少消費電力j分だけそれぞれ減少させる。
0028
このように、電力制御部123は、設備機器情報において、減少消費電力の合計が先に求めた削減消費電力目標値以上となるまで、減少消費電力に従って設備機器10を順に選択していく。このように選択された設備機器10が消費電力低減対象として選択された設備機器10である。
すなわち、電力制御部123は、緊急モードにおいて、消費電力低減対象として選択された設備機器10の消費電力が低減されるように制御する。このために、電力制御部123は、消費電力低減対象として選択した設備機器10ごとに対応して、設備機器情報において示される制御内容が示す制御を実行する。
電力制御部123は、地震発生後の需要電力増に応じて(例えば、(1)現在の需要電力の増加に基づいて)、「自販機10−1A」、「自販機10−1B」、「冷蔵庫10−2A」、「冷蔵庫10−2B」を選択する場合、通信部101を介した通信を行うことで、消費電力低減対象の設備機器10を所定の時間停止させる。
0029
また、電力制御部123は、急峻な電力使用量(例えば、(1)現在の需要電力に対応する電力使用量)も需給バランスを乱すことから、「照明設備10−4A」、「照明設備10−4B」、「照明設備10−4C」を選択する場合、通信部101を介した通信を行うことで、消費電力低減対象の設備機器10を構成するLED照明を20%に制限するような起動時低負荷運転させることにより、緩やかな需要増加となるよう制御する。
また、電力制御部123は、急峻な電力使用量も需給バランスを乱すことから、「空調設備10−3A」、「空調設備10−3B」、「空調設備10−3C」を選択する場合、通信部101を介した通信を行うことで、消費電力低減対象の設備機器10などの一斉起動を避ける遅延起動(分単位の遅延を入れ順次起動)させることにより、緩やかな需要増加となるよう制御する。
0030
続いて、図3のフローチャートを参照して、本実施形態における電力管理装置100が実行する処理手順例について説明する。図3のフローチャートは、緊急モードにおける需要制御フローの例を示している。
なお、電力管理装置100は、緊急モードへ移行する震度閾値、需要上限値(kW)を予め設定・登録する。ここで、震度閾値、需要上限値(kW)の設定、登録先は、記憶部103とする。また、図3に示す機器−1〜機器−4は、自販機や冷蔵庫に、すなわち、図1に示す「自販機10−1A」、「自販機10−1B」、「冷蔵庫10−2A」、「冷蔵庫10−2B」に相当する。
0031
震度>閾値か否かの判定を行う(ステップS11)。
具体的には、電力管理装置100における震度判定部121は、緊急地震速報受信機4が受信した震度が所定の閾値より大きいか否かについて判定する。
0032
緊急モードへ移行する(ステップS12)。
具体的には、電力管理装置100は、震度が所定の閾値より大きい場合(ステップS11−Yes)、ステップS12に移行し、下記S13〜S19を実行する。
0033
(1)現在の需要、(2)需要上限値を取得する(ステップS13)。
具体的には、需要電力判定部122は、電力監視装置3により測定された(1)現在の需要電力を電力監視装置3から取得する。また、需要電力判定部122は、記憶部103から(2)需要上限値を取得する。
0034
(2)×0.9=(3)なる計算を実行し、(3)を算出する(ステップS14)。
具体的には、需要電力判定部122は、(3)警戒値を、(2)需要上限値に0.9を乗算して算出する。ここで、本計算においては、例えば警戒係数を0.9とした場合、(2)×警戒係数=(3)なる計算例を示している。なお、警戒係数は、0.85や0.95などの値であってもよい。
0035
(1)>(3)が成り立つか否かの判定を行う(ステップS15)。
具体的には、需要電力判定部122は、(1)現在の需要電力(複数の設備機器の需要電力)が(3)警戒値(所定の需要電力)より大きいか否かについて判定する。
(1)>(3)の場合(ステップS15−YESの場合)、電力制御部123は、ONしている機器−1〜機器−4をそれぞれステップS16〜ステップ19で制御する。一方、(1)≦(3)の場合(ステップS15−NOの場合)、ステップS13へ移行する。
具体的には、電力制御部123は、削減消費電力目標値と、記憶部103が記憶する設備機器情報を利用して求めることにより、消費電力低減対象として、「自販機10−1A」(機器−1)、「自販機10−1B」(機器−2)、「冷蔵庫10−2A」(機器−3)、「冷蔵庫10−2B」(機器−4)の全てを選択する場合、通信部101を介した通信を行うことで、消費電力低減対象の設備機器10(機器−1〜機器−4)を所定の時間停止(OFF)させる。
また、電力制御部123は、例えば、削減消費電力目標値と、記憶部103が記憶する設備機器情報を利用して求めることにより、消費電力低減対象として、「自販機10−1A」のみを選択する場合、通信部101を介した通信を行うことで、消費電力低減対象である「自販機10−1A」をOFFさせ、「自販機10−1B」、「冷蔵庫10−2A」、「冷蔵庫10−2B」はOFFさせず、ステップS13へ移行する。
すなわち、電力制御部123は、地震発生後の需要電力の増加に応じて、これらの機器を自動的に数時間停止させ、電力使用上限値以下に制御する。
0036
なお、電力制御部123は、機器−1〜機器−4に照明設備、空調設備が含まれる場合、消費電力低減対象として、これらの設備機器を選択することにより、照明設備の場合は調光率を所定の率(例えば20%)に制限するような起動時低負荷運転をさせ、空調設備の場合は遅延起動させることによって、地震発生後の需要電力の増加が緩やかな需要増加となるよう制御することができる。
0037
つまり、電力管理装置100は、電力需給ひっ迫時に需給バランスを乱す急激な需要増加を抑止し、大規模停電を回避できる。また、電力管理装置100は、自動的に緊急モードに移行するため、管理者不在時においても確実に発災直後に必要な節電運用が実施される。
0038
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、電力管理装置100は、BEMSへの追加機能である緊急モードを有し、震災発生後の不要不急の設備利用による電力枯渇を防止するため、緊急地震速報などの地震発生情報を受信後、あらかじめ決められた不要設備への電力供給を制限することができる。
0039
また、これまでの実施形態は、BEMSでの適用例を例に挙げているが、本実施形態による消費電力低減対象の設備機器の選択及び消費電力制御の構成は、例えば住宅での電力管理を行うHEMS(Home Energy Management System)、或いはビルでの電力管理を行うBECSS(Building Environment Control System by Shimizu)でも適用が可能である。
0040
なお、上述の電力管理装置100の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の電力管理装置100としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
0041
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
0042
1施設、2商用電源、3電力監視装置、4 緊急地震速報受信機、10,(A),(B),(C),(D)設備機器、100電力管理装置、101通信部、102 制御部、103 記憶部、121震度判定部、122需要電力判定部、123電力制御部