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課題
解決手段
概要
背景
従来の技術として、自動車用ハプティックフィードバック装置において、生成された振動の振幅がより迅速に減衰される振動呈示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の振動呈示装置は、タッチセンシティブ面と、タッチセンシティブ面を振動させるための少なくとも1つの振動アクチュエータとを備えた可動部品と、自動車に固定されることが意図された固定部品と、を備え、ハプティックフィードバック装置は、可動部品と固定部品との間に少なくとも部分的に配置された少なくとも1つの非対称減衰部材を備え、非対称減衰部材は、振動アクチュエータにより生成された振動を、他方向より一方向において、より減衰させるように構成されている。
概要
振動呈示後の不要な振動を速やかに減衰させることができる振動呈示装置を提供する。振動を呈示する振動パネル20と、振動パネル20に振動を付与する振動発生部としてのボイスコイルモータ100と、振動パネル20を支持する筐体30と、振動パネル20の振動を減衰させる振動減衰部70と、を有し、振動減衰部70は、振動パネル20の第1の方向の動きよりも、第1の方向と逆の第2の方向の動きをより大きく減衰させる、ように振動呈示装置10を構成とする。これにより、振動パネル20を上方向B(突き上げ方向)に駆動することにより操作者に振動呈示、触覚呈示を行なう場合に、振動呈示に必要な振動は減衰しにくく、振動呈示後に下方向Cへ振動する不要な振動を速やかに減衰させることができる。
目的
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
請求項1
振動を呈示する振動パネルと、前記振動パネルに振動を付与する振動発生部と、前記振動パネルを支持する筐体と、前記振動パネルの振動を減衰させる振動減衰部と、を有し、前記振動減衰部は、前記振動パネルの第1の方向の動きよりも、前記第1の方向と逆の第2の方向の動きをより大きく減衰させる、振動呈示装置。
請求項2
前記振動減衰部は、前記第1の方向の動きによる摩擦力よりも、前記第2の方向の動きによる摩擦力の方が大きく設定された、請求項1に記載の振動呈示装置。
請求項3
前記振動減衰部は、前記振動パネルに取り付けられ、前記筐体から前記振動パネルに対する接触力を受ける受圧部材が、前記第1又は第2の方向においてテーパ状に形成されている、請求項1又は2に記載の振動呈示装置。
請求項4
前記振動減衰部は、前記振動パネルに取り付けられ、前記筐体から前記振動パネルに対する接触力を受ける受圧部材が、前記第1又は第2の方向において摩擦係数が変化するように表面状態が形成されている、請求項1又は2に記載の振動呈示装置。
請求項5
前記第1の方向は、前記振動パネルの操作面の突き上げ方向である、請求項1から4のいずれか1項に記載の振動呈示装置。
技術分野
0001
本発明は、振動呈示装置に関する。
背景技術
0002
従来の技術として、自動車用ハプティックフィードバック装置において、生成された振動の振幅がより迅速に減衰される振動呈示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
0003
特許文献1の振動呈示装置は、タッチセンシティブ面と、タッチセンシティブ面を振動させるための少なくとも1つの振動アクチュエータとを備えた可動部品と、自動車に固定されることが意図された固定部品と、を備え、ハプティックフィードバック装置は、可動部品と固定部品との間に少なくとも部分的に配置された少なくとも1つの非対称減衰部材を備え、非対称減衰部材は、振動アクチュエータにより生成された振動を、他方向より一方向において、より減衰させるように構成されている。
先行技術
0004
特表2017−536627号公報
発明が解決しようとする課題
0005
特許文献1の振動呈示装置は、非対称減衰部材の第1部分は、非対称減衰部材の第2部分より剛性があるように設定され、したがって、非対称減衰部材は、可動部品の、ユーザの指に向かう変位より固定部品に向かう変位を、より減衰させる。しかし、従来の振動呈示装置は、振動呈示の動作においても減衰作用がある。したがって、呈示振動は阻害せず、残振動を抑制する減衰性に優れた振動呈示装置が望まれている。
0006
従って、本発明の目的は、振動呈示後の不要な振動を速やかに減衰させることができる振動呈示装置を提供することにある。
課題を解決するための手段
0007
[1]本発明は、上記目的を達成するために、振動を呈示する振動パネルと、前記振動パネルに振動を付与する振動発生部と、前記振動パネルを支持する筐体と、前記振動パネルの振動を減衰させる振動減衰部と、を有し、前記振動減衰部は、前記振動パネルの第1の方向の動きよりも、前記第1の方向と逆の第2の方向の動きをより大きく減衰させる、振動呈示装置を提供する。
[2]前記振動減衰部は、前記第1の方向の動きによる摩擦力よりも、前記第2の方向の動きによる摩擦力の方が大きく設定された、上記[1]に記載の振動呈示装置であってもよい。
[3]また、前記振動減衰部は、前記振動パネルに取り付けられ、前記筐体から前記振動パネルに対する接触力を受ける受圧部材が、前記第1又は第2の方向においてテーパ状に形成されている、上記[1]又は[2]に記載の振動呈示装置であってもよい。
[4]また、前記振動減衰部は、前記振動パネルに取り付けられ、前記筐体から前記振動パネルに対する押圧力を受ける受圧部材が、前記第1又は第2の方向において摩擦係数が変化するように表面状態が形成されている、上記[1]又は[2]に記載の振動呈示装置であってもよい。
[5]また、前記第1の方向は、前記振動パネルの操作面の突き上げ方向である、上記[1]から[4]のいずれか1項に記載の振動呈示装置であってもよい。
発明の効果
0008
本発明によれば、振動呈示後の不要な振動を速やかに減衰させることができる。
図面の簡単な説明
0009
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る振動呈示装置の正面図であり、図1(b)は、図1(a)のA方向から見た振動呈示装置の上平面図である。
図2は、振動減衰部の拡大詳細図である。
図3(a)は、振動パネルが上方向にΔ1だけ変位した場合の、図1(a)の正面図に相当する図であり、図3(b)は、振動パネルが下方向にΔ2だけ変位した場合の、図1(a)の正面図に相当する図である。
図4は、本実施の形態に係る振動呈示装置の制御ブロックを示すブロック図である。
図5(a)は、図3で示す信号Vcの信号波形図、図5(b)は、振動波形を示す図である。
図6は、図1(a)、図3(a)、(b)の振動時の振動減衰部の作用を説明する説明図である。
図7(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る振動呈示装置の正面図であり、図7(b)は、受圧部材の拡大図である。
図8は、本発明の第3の実施の形態に係る振動呈示装置の正面図である。
図9は、本発明の第4の実施の形態に係る振動呈示装置の正面図である。
実施例
0010
(本発明の実施の形態)
本発明の実施の形態に係る振動呈示装置10は、振動を呈示する振動パネル20と、振動パネル20に振動を付与する振動発生部としてのボイスコイルモータ100と、振動パネル20を支持する筐体30と、振動パネル20の振動を減衰させる振動減衰部70と、を有し、振動減衰部70は、振動パネル20の第1の方向の動きよりも、第1の方向と逆の第2の方向の動きをより大きく減衰させる、ように構成されている。
0011
本実施の形態では、図1(a)で示すように、第1の方向は、振動パネル20の操作面の上方向B(突き上げ方向)に設定している。
0012
本実施の形態は、振動減衰部70において、第1の方向(上方向B)の動きによる摩擦力よりも、第2の方向(下方向C)の動きによる摩擦力の方が大きく設定されているので、ボイスコイルモータ100で振動パネル20を上方向B(突き上げ方向)に駆動する場合には振動減衰部70による振動減衰が小さく、振動パネル20を下方向Cに駆動する場合には振動減衰部70による振動減衰が大きい。したがって、振動パネル20を上方向B(突き上げ方向)に駆動することにより操作者に振動呈示、触覚呈示を行なう場合において、振動呈示に必要な振動は減衰しにいが、振動呈示後に下方向Cへ振動する不要な振動は速やかに減衰することができる。
0013
(振動パネル20)
振動パネル20は、図1等に示すように、板状体であり、上面20aには例えばタッチセンサ25が装着されて、タッチパネルとすることができる。この振動パネル20は、駆動源としてのボイスコイルモータ100により駆動されることにより、振動を呈示することができる。例えば、タッチパネルとしての振動パネル20にタッチした場合に、振動パネル20を例えば図1(a)に示すB方向に振動させることにより、タッチしたことを操作者に報知する。その他、種々の操作に伴って振動パネル20を振動させることにより、操作者に対して触覚呈示を行なうことができる。
0014
タッチセンサ25は、例えば、操作者の体の一部(例えば、指)でカバーの検出面に触れた場合、触れた検出面上の位置を検出するものである。操作者は、例えば、検出面にタッチやなぞり等の操作を行うことにより文字や記号の入力操作ができる。また、この入力操作により入力内容が判断されて接続された電子機器の操作を行うことが可能となる。
0015
タッチセンサ25としては、例えば、静電容量方式、抵抗膜方式、赤外線方式、SAW方式等の公知のタッチ検出方式を用いることが可能である。本実施の形態に係るタッチセンサ25は、例えば、検出面である振動パネル20の上面20aに指が近接する又はタッチ(接触)することにより静電容量値の変化を検出することにより、近接又はタッチ位置を検出する静電容量方式のタッチセンサが使用できる。
0017
また、振動パネル20の下面20bには、振動減衰部70を構成するテーパ部材71が設けられている。
0018
また、図1(a)、(b)に示すように、振動パネル20の隅部21には、振動パネル20の初期位置(Z=Z0)の調整をするための引き込みバネ60のフック部を係止するための係止穴20cが形成されている。
0019
(筐体30)
筐体30は、図1(a)等に示すように、板状体であり、例えば、アルミ等の金属材料、樹脂等の種々の材料が使用できる。筐体30の上部30aは、ボイスコイルモータ100の磁気回路120、振動減衰部70の加圧ベース73が載置されて固定されるベースとして機能する。また、振動パネル20に対応して、隅部31には、引き込みバネ60のフック部を係止するための係止穴30bが形成されている。
0020
(引き込みバネ60)
引き込みバネ60は、振動パネル20と筐体30の間に引っ張り力を付与することにより、振動減衰部70のテーパ部材71の位置を調節して、振動パネル20の初期位置(Z=Z0)の調整をするものである。本実施の形態では、図1(a)等に示すように、引き込みバネ60は引張りコイルバネを使用する。図1(a)に示すように、引き込みバネ60は、引張り力を発生するコイル部とその両端に形成されたフック部60a、60bから構成されている。このフック部60a、60bは、振動パネル20の係止穴20c及び筐体30の係止穴30bにそれぞれ引っ掛けられて係止される。これにより、振動パネル20と筐体30との間に引張り力を発生させる。
0021
(振動減衰部70)
振動減衰部70は、図2に示すように、筐体30から振動パネル20に対する接触力を受ける受圧部材としてのテーパ部材71を備え、テーパ部材71は、第1又は第2の方向においてテーパ状に形成されている。すなわち、振動パネル20の下面20bから振動減衰部70を構成するテーパ部材71が、筐体30に向かって取り付けられている。テーパ部材71は、振動パネル20側の幅が筐体30側の幅よりも大きく設定されたテーパ形状とされている。
0022
テーパ部材71の両側には、加圧ベース73が筐体30から振動パネル20に向けて立設されている。加圧ベース73には、テーパ部材71側に開口した穴部73aが設けられている。
0024
図2に示すように、テーパ部材71、加圧部材72、加圧ベース73、加圧バネ75が組み立てられた状態では、テーパ部材71のテーパ面71aと加圧部材72の加圧面72aは所定の接触力fで当接している。図2に示すように、上記の接触力fは2つの面で発生し、これによる接触力2fの上方向Bへの分力は、前述した引き込みバネ60による下方向Cへの引張り力とつり合う。このつり合い調整により、図1(a)、図2に示す振動パネル20の初期位置(Z=Z0)を決めることができる。
0025
振動発生部としてのボイスコイルモータ100により振動パネル20が駆動されていない状態では、振動パネル20は、上記の初期位置(Z=Z0)にある。
0026
図3(a)は、振動パネル20が上方向BにΔ1だけ変位した図である。初期位置(Z=Z0)から上方向BにΔ1だけ変位すると、テーパ部材71も上方向BにΔ1だけ変位し、テーパ部材71と加圧部材72との間の接触力が減少する。これにより、テーパ部材71と加圧部材72との間の摩擦力が減少する。
0027
図3(b)は、振動パネル20が下方向CにΔ2だけ変位した図である。初期位置(Z=Z0)から下方向CにΔ2だけ変位すると、テーパ部材71も下方向CにΔ2だけ変位し、テーパ部材71と加圧部材72との間の接触力が増加する。これにより、テーパ部材71と加圧部材72との間の摩擦力が増加する。
0028
(ボイスコイルモータ100)
振動発生部としてのボイスコイルモータ100は、図1(a)、(b)等に示すように、コイル110と磁気回路120とから構成されている。コイル110は、振動パネル20側に取付固定され、磁気回路120は、筐体30の上部30aに載置固定されている。
0029
コイル110は、エナメル線等のマグネットワイヤを複数回だけコイル状に巻回させて形成したものである。コイル110は、通電することにより、磁気回路120により発生する磁界Hからフレミング左手の法則に従って受けるローレンツ力により駆動され、振動発生源となる。
0030
磁気回路120は、ヨーク(センターヨーク122、中継ヨーク124、サイドヨーク126)と磁石(永久磁石)130とから構成される。図1(a)、(b)等に示すように、ヨーク(センターヨーク122、中継ヨーク124、サイドヨーク126)は、円筒、円盤形状に形成され、例えば、軟鉄、電磁鋼等の軟磁性材料により形成されている。磁石(永久磁石)130は、サイドヨーク126に取り付けられ、磁石130とセンターヨーク122の間に磁界Hを発生させる。
0031
コイル110は、磁石130とセンターヨーク122の間に配置され、コイル110への通電により、図1(a)に示すB方向に駆動される。これにより、コイル110が取付固定された振動パネル20は、B方向へ振動し、触覚呈示をすることができる。なお、コイル110と磁気回路120との配置関係、電流の方向により、図1(a)に示すB方向以外への振動呈示も可能である。
0032
(制御部200)
制御部200は、例えば、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などから構成されるマイクロコンピュータである。このROMには、例えば、制御部200が動作するためのプログラムが格納されている。RAMは、例えば、一時的に演算結果などを格納する記憶領域として用いられる。
0033
図4に示すように、振動オン信号VSが制御部200に入力され、駆動信号Vd(例えば、パルス信号)がドライブ回路210に出力される。ドライブ回路210により電流増幅されたコイル駆動信号Vcによりコイル110に通電される。磁石130とセンターヨーク122の間に発生している磁界Hとコイル電流とにより、コイル110にはローレンツ力が発生する。
0034
(振動呈示装置10の振動呈示動作)
図5(a)は、図4で示す各信号Vcの信号波形図、図5(b)は、振動波形を示す図である。本実施の形態に係る振動呈示装置10は、上下鉛直方向に配置され、図1(a)等に示すように、振動パネル20を上方向B(突き上げ方向)に駆動して振動呈示、触覚呈示を行なう。
0035
図4に示すように、振動オン信号VSが制御部200に入力され、これに基づいて、駆動信号Vd(例えば、1つのパルス信号)がドライブ回路210に出力される。ドライブ回路210により電流増幅されたコイル駆動信号Vcによりコイル110に通電される。これにより、図1(b)に示すように、磁石130とセンターヨーク122の間に発生している磁界Hとコイル電流Iとにより、コイル110にはローレンツ力が発生し、上方向Bに振動パネル20が駆動される。
0036
図5(a)に示す、t1からt2の間のパルスPにより、ボイスコイルモータ100(振動発生部)から駆動力が作用して、振動パネル20は、図3(a)に示すように、上方向BにΔ1だけ変位する。このとき、テーパ部材71と加圧部材72との間の摩擦力は、初期位置(Z=Z0)における摩擦力よりも小さくなる。したがって、t1からt2の間においては、振動パネル20の振動は減衰しにくい。
0037
ここで、図6は、図1(a)、図3(a)、(b)の振動時の振動減衰部の作用を説明する説明図である。図5(a)に示す、t1からt2の間においては、変位量Zが大きいほど、テーパ部材71と加圧部材72との間の摩擦力が小さくなる。これにより、上方向Bへの変位が大きいほど、振動パネル20は減衰作用、制振作用を受けにくくなる。
0038
次に、図5(a)に示す、t2からt3の間では、駆動信号がゼロであるので、振動パネル20には、ボイスコイルモータ100(振動発生部)からの駆動力は作用しない。したがって、振動パネル20は残振動する。この残振動は、t2からt3の間では、下方向(−Z方向)である。
0039
振動パネル20は、図3(b)に示すように、下方向CにΔ2だけ変位する。図6で示すように、下方向Cへの変位が大きいほどテーパ部材71と加圧部材72との間の摩擦力が大きくなる。これにより、下方向Cへの変位が大きいほど、振動パネル20は減衰作用、制振作用を受けやすくなる。これにより、振動パネル20の残振動は、速やかに減衰する。
0040
図6に示すように、ボイスコイルモータ100(振動発生部)の駆動力により振動パネル20が上方向(+Z方向)に駆動される場合は減衰作用、制振作用を受けにくく、振動パネル20が下方向(−Z方向)に動く場合は減衰作用、制振作用を受けやすくなる。
0041
上記のことを図6に図示すると、振動パネル20が下方向(−Z方向)に動く場合は、振動減衰部70が無い場合の破線で示す変位よりも減衰した実線で示す変位となる。すなわち、振動パネル20が下方向(−Z方向)に動く場合において振動減衰部70の減衰作用、制振作用は大きく働くので、第1の方向(上方向B)の動きよりも、第1の方向と逆の第2の方向(下方向C)の動きをより大きく減衰させることができる。
0043
第2の実施の形態では、図7(a)、(b)に示すように、振動減衰部70は、筐体30から振動パネル20に対する接触力を受ける受圧部材としての受圧部材77を備え、受圧部材77の受圧面77aは、第1又は第2の方向において摩擦係数が変化するように表面状態が形成されている。すなわち、受圧部材77の摩擦係数μが、振動パネル20に近いほど大きくなるように形成されている。
0045
(支持部材40)
支持部材40は、ゴム等の弾性部材で形成されている。なお、支持部材40は、粘性を備えたシリコンゴム、ブチルゴム等の粘弾性部材で形成されてもよい。図7(a)に示すように、支持部材40は、柱状とされているが、これには限られず、形状は任意に設定できる。振動パネル20と筐体30の間に介在して振動パネル20を支持できる形状であればよい。
0046
図7(a)に示すように、支持部材40の上端部40aは、例えば接着等により、振動パネル20の下面20bに固定されている。また、支持部材40の下端部40bは、例えば接着等により、筐体30の上部30aに固定されている。
0047
図7(a)で示すように、支持部材40の厚さ(振動パネル20と筐体30の間に介在する方向の長さ)は、自然長でZ0である。これにより、第1の実施の形態と同様に、振動パネル20の初期位置(Z=Z0)が設定される。
0048
その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
0049
第2の実施の形態において、振動呈示装置10の振動呈示動作は第1の実施の形態と同様である。振動パネル20が上方向Bに変位するとき、摩擦力は、初期位置(Z=Z0)における摩擦力よりも小さくなる。したがって、振動パネル20の振動は減衰しにくい。一方、振動パネル20が下方向Cに変位するとき、摩擦力は、初期位置(Z=Z0)における摩擦力よりも大きくなる。
0050
したがって、ボイスコイルモータ100(振動発生部)の駆動力により振動パネル20が上方向(+Z方向)に駆動される場合は減衰作用、制振作用を受けにくく、振動パネル20が下方向(−Z方向)に動く場合は減衰作用、制振作用を受けやすくなる。これにより、振動パネル20の残振動を速やかに減衰させることができる。
0051
(本発明の第3の実施の形態)
図8は、本発明の第3の実施の形態に係る振動呈示装置の正面図である。第3の実施の形態は、第2の実施の形態で使用した振動発生部としてのボイスコイルモータ100の代わりに、振動発生部として圧電アクチュエータ150を使用する。圧電アクチュエータ150は、筐体30上に載置されて取付け部材155に取り付けられ、圧電アクチュエータ150の一部150a(上部)が、振動パネル20の下面20bに接触して貼付け固定されている。その他の構成は、第2の実施の形態と同様であるので、以下において異なる構成の部分について説明する。
0052
圧電アクチュエータ150は、例えば、金属板と、圧電素子と、を備えたモルフ型の圧電素子である。このモルフ型圧電素子は、層状又は板状の圧電素子が屈曲する構造の圧電素子である。金属板は、例えば、導電性を有するアルミニウム、ニッケル、銅、鉄等の金属材料、それらを含有する合金材料、或いはステンレス等の合金材料を用いて形成される。
0053
圧電素子の材料としては、例えば、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ乳酸等が用いられる。この圧電素子は、例えば、金属板の片面に、上記の材料を用いて形成された膜が形成される単層ユニモルフ型、上記の材料を用いて形成された膜を積層して形成された積層ユニモルフ型の圧電素子である。
0054
圧電アクチュエータ150は、電圧をかけることにより引張又は圧縮による変形を生じるので、図5(a)で示したようなパルス駆動をすることにより、振動させることができ、振動パネル20の振動呈示が可能となる。圧電アクチュエータ150は、薄型化に適する等の効果がある。
0055
(本発明の第4の実施の形態)
図9は、本発明の第4の実施の形態に係る振動呈示装置の正面図である。第4の実施の形態は、第1の実施の形態で使用した振動発生部としてのボイスコイルモータ100の代わりに、振動発生部として慣性駆動式アクチュエータを使用する。その他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、以下において異なる構成の部分について説明する。
0056
慣性駆動式アクチュエータ160は、アクチュエータで発生した慣性力を利用して振動パネル20を駆動することにより、振動パネル20を振動させる。慣性駆動式アクチュエータ160は、図9に示すように、振動パネル20の下面20bに接触して貼付け固定されている。すなわち、振動発生部としての慣性駆動式アクチュエータ160は、振動対象物である振動パネル20に取り付けられ、筐体30には固定されない。慣性駆動式アクチュエータ160は、薄型化に適する等の効果がある。
0057
(本発明の実施の形態に係る振動呈示装置10の適用例)
本実施の形態に係る振動呈示装置10を、振動パネル20の上面20aにタッチセンサ25を装着した操作入力装置とする場合には、例えば、車両の運転席と助手席の間のフロアコンソールに配置され、インストルメントパネルに設けられた表示部を見ながらの入力操作に適用することができる。操作入力装置を操作して、所定の位置での押圧操作等により入力操作を実行し、これに基づいて車載機器、例えば、空調装置、カーナビゲーション装置、オーディオ装置等の遠隔制御が可能となる。
0058
(本発明の実施の形態の効果)
上記のような構成により、次のような効果を有する。
(1)本発明の実施の形態に係る振動呈示装置10は、振動を呈示する振動パネル20と、振動パネル20に振動を付与する振動発生部としてのボイスコイルモータ100と、振動パネル20を支持する筐体30と、振動パネル20の振動を減衰させる振動減衰部70と、を有し、振動減衰部70は、振動パネル20の第1の方向の動きよりも、第1の方向と逆の第2の方向の動きをより大きく減衰させる、ように構成されている。例えば、振動減衰部70において、第1の方向(上方向B)の動きによる摩擦力よりも、第2の方向(下方向C)の動きによる摩擦力の方が大きく設定されているので、ボイスコイルモータ100で振動パネル20を上方向B(突き上げ方向)に駆動する場合には振動減衰部70による振動減衰が小さく、振動パネル20を下方向Cに駆動する場合には振動減衰部70による振動減衰が大きい。したがって、振動パネル20を上方向B(突き上げ方向)に駆動することにより操作者に振動呈示、触覚呈示を行なう場合に、振動呈示に必要な振動は減衰しにくく、振動呈示後に下方向Cへ振動する不要な振動を速やかに減衰させることができる。
(2)振動呈示後の不要な振動を速やかに減衰させることができるので、操作者が振動パネル20を操作する際に振動呈示をして、シャープな触覚呈示できるタッチデバイスを実現することができる。
(3)図5(a)、(b)で示したように、疑似触感を振動で呈示できるタッチデバイスにおいて、振動の立ち上がり速度や最大変位に影響を与えず、半波長以降で減衰を大きくして素早く振動を停止させる減衰構造が可能となる。
(4)第3、第4の実施の形態では、実施の形態の効果に加えて、圧電アクチュエータ、慣性駆動式アクチュエータを使用することにより振動発生源とすることができる。これにより、構成の簡素化ができ、また、装置の薄型化が可能となる効果を有する。
0059
以上、本発明の実施の形態を説明したが、この実施の形態は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更等を行うことができる。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、実施の形態は、発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
0060
10…振動呈示装置
20…振動パネル、20a…上面、20b…下面、22…取付部、25…タッチセンサ
30…筐体、30a…上部
40…支持部材、40a…上端部、40b…下端部
60…引き込みバネ、60a、60b…フック部
70…振動減衰部、71…テーパ部材、71a…テーパ面、72…加圧部材、72a…加圧面、73…加圧ベース、73a…穴部、75…加圧バネ、77…受圧部材、77a…受圧面
100…ボイスコイルモータ(振動発生部)
110…コイル
120…磁気回路、122…センターヨーク、124…中継ヨーク、126…サイドヨーク
130…磁石
150…圧電アクチュエータ、155…取付け部材
160…慣性駆動式アクチュエータ
200…制御部
210…ドライブ回路