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課題
解決手段
振動を呈示する振動パネル20と、振動パネル20に振動を付与する振動発生部としてのボイスコイルモータ100と、振動パネル20を支持する筐体30と、振動パネル20と筐体30の間に弾性を有して介在し、両端部が振動パネル20及び筐体30に固定された第1支持部40と、振動パネル20と筐体30の間に粘弾性を有して介在し、振動パネル20又は筐体30の側のどちらかの端部のみが振動パネル20又は筐体30に固定された第2支持部50と、を有して振動呈示装置10を構成とする。これにより、振動パネル20を上方向B(突き上げ方向)に駆動することにより操作者に振動呈示、触覚呈示を行なう場合に、振動呈示に必要な振動は減衰しにくく、振動呈示後に下方向Cへ振動する不要な振動を速やかに減衰させることができる。
概要
背景
従来の技術として、自動車用ハプティックフィードバック装置において、生成された振動の振幅がより迅速に減衰される振動呈示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の振動呈示装置は、タッチセンシティブ面と、タッチセンシティブ面を振動させるための少なくとも1つの振動アクチュエータとを備えた可動部品と、自動車に固定されることが意図された固定部品と、を備え、ハプティックフィードバック装置は、可動部品と固定部品との間に少なくとも部分的に配置された少なくとも1つの非対称減衰部材を備え、非対称減衰部材は、振動アクチュエータにより生成された振動を、他方向より一方向において、より減衰させるように構成されている。
概要
振動呈示後の不要な振動を速やかに減衰させることができる振動呈示装置を提供する。振動を呈示する振動パネル20と、振動パネル20に振動を付与する振動発生部としてのボイスコイルモータ100と、振動パネル20を支持する筐体30と、振動パネル20と筐体30の間に弾性を有して介在し、両端部が振動パネル20及び筐体30に固定された第1支持部40と、振動パネル20と筐体30の間に粘弾性を有して介在し、振動パネル20又は筐体30の側のどちらかの端部のみが振動パネル20又は筐体30に固定された第2支持部50と、を有して振動呈示装置10を構成とする。これにより、振動パネル20を上方向B(突き上げ方向)に駆動することにより操作者に振動呈示、触覚呈示を行なう場合に、振動呈示に必要な振動は減衰しにくく、振動呈示後に下方向Cへ振動する不要な振動を速やかに減衰させることができる。
目的
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
請求項1
振動を呈示する振動パネルと、前記振動パネルに振動を付与する振動発生部と、前記振動パネルを支持する筐体と、前記振動パネルと前記筐体の間に弾性を有して介在し、両端部が前記振動パネル及び前記筐体に固定された第1支持部と、前記振動パネルと前記筐体の間に粘弾性を有して介在し、前記振動パネル又は前記筐体の側のどちらかの端部のみが前記振動パネル又は前記筐体に固定された第2支持部と、を有する振動呈示装置。
請求項2
請求項3
前記第2支持部は、ゴム材により形成されている、請求項1又は2に記載の振動呈示装置。
請求項4
上下鉛直方向に配置される振動呈示装置であって、前記振動発生部は前記振動パネルを上方向に駆動して振動させる、請求項1から3のいずれか1項に記載の振動呈示装置。
技術分野
0001
本発明は、振動呈示装置に関する。
背景技術
0002
従来の技術として、自動車用ハプティックフィードバック装置において、生成された振動の振幅がより迅速に減衰される振動呈示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
0003
特許文献1の振動呈示装置は、タッチセンシティブ面と、タッチセンシティブ面を振動させるための少なくとも1つの振動アクチュエータとを備えた可動部品と、自動車に固定されることが意図された固定部品と、を備え、ハプティックフィードバック装置は、可動部品と固定部品との間に少なくとも部分的に配置された少なくとも1つの非対称減衰部材を備え、非対称減衰部材は、振動アクチュエータにより生成された振動を、他方向より一方向において、より減衰させるように構成されている。
先行技術
0004
特表2017−536627号公報
発明が解決しようとする課題
0005
特許文献1の振動呈示装置は、非対称減衰部材の第1部分は、非対称減衰部材の第2部分より剛性があるように設定され、したがって、非対称減衰部材は、可動部品の、ユーザの指に向かう変位より固定部品に向かう変位を、より減衰させる。しかし、従来の振動呈示装置は、振動呈示の動作においても減衰作用がある。したがって、呈示振動は阻害せず、残振動を抑制する減衰性に優れた振動呈示装置が望まれている。
0006
従って、本発明の目的は、振動呈示後の不要な振動を速やかに減衰させることができる振動呈示装置を提供することにある。
課題を解決するための手段
0007
[1]本発明は、上記目的を達成するために、振動を呈示する振動パネルと、前記振動パネルに振動を付与する振動発生部と、前記振動パネルを支持する筐体と、前記振動パネルと前記筐体の間に弾性を有して介在し、両端部が前記振動パネル及び前記筐体に固定された第1支持部と、前記振動パネルと前記筐体の間に粘弾性を有して介在し、前記振動パネル又は前記筐体の側のどちらかの端部のみが前記振動パネル又は前記筐体に固定された第2支持部と、を有する振動呈示装置を提供する。
[2]前記第2支持部は、非振動時において、非固定端部が前記振動パネル又は前記筐体に当接している、上記[1]に記載の振動呈示装置であってもよい。
[3]また、前記第2支持部は、ゴム材により形成されている、上記[1]又は[2]に記載の振動呈示装置であってもよい。
[4]また、上下鉛直方向に配置される振動呈示装置であって、前記振動発生部は前記振動パネルを上方向に駆動して振動させる、上記[1]から[3]のいずれか1項に記載の振動呈示装置であってもよい。
発明の効果
0008
本発明によれば、振動呈示後の不要な振動を速やかに減衰させることができる。
図面の簡単な説明
0009
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る振動呈示装置の正面図であり、図1(b)は、図1(a)のA方向から見た振動呈示装置の上平面図である。
図2(a)は、振動パネルが上方向にΔ1だけ変位した場合の、図1(a)の正面図に相当する図であり、図2(b)は、振動パネルが下方向にΔ2だけ変位した場合の、図1(a)の正面図に相当する図である。
図3は、本実施の形態に係る振動呈示装置の制御ブロックを示すブロック図である。
図4(a)は、図3で示す信号Vcの信号波形図、図4(b)は、振動波形を示す図である。
図5は、図1(a)、図2(a)、(b)の振動時の第1支持部、第2支持部をバネとダンパでモデル化して説明するモデル図である。
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る振動呈示装置の正面図である。
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る振動呈示装置の正面図である。
実施例
0010
(本発明の実施の形態)
本発明の実施の形態に係る振動呈示装置10は、振動を呈示する振動パネル20と、振動パネル20に振動を付与する振動発生部としてのボイスコイルモータ100と、振動パネル20を支持する筐体30と、振動パネル20と筐体30の間に弾性を有して介在し、両端部が振動パネル20及び筐体30に固定された第1支持部40と、振動パネル20と筐体30の間に粘弾性を有して介在し、振動パネル20又は筐体30の側のどちらかの端部のみが振動パネル20又は筐体30に固定された第2支持部50と、を有して構成されている。
0011
本実施の形態では、第2支持部50の振動パネル20側の端部が、振動パネル20に固定されていない構成とされているので、ボイスコイルモータ100で振動パネル20を上方向(突き上げ方向)に駆動する場合には第2支持部50は制振機能を発揮せず、振動パネル20を下方向に駆動する場合にのみ制振機能を発揮する。したがって、振動パネル20を上方向(突き上げ方向)に駆動することにより操作者に振動呈示、触覚呈示を行なう場合に、振動呈示に必要な振動を減衰させず、振動呈示後の不要な振動を速やかに減衰させることができる。
0012
(本発明の第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、振動発生部として、ボイスコイルモータ100を使用する。図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る振動呈示装置の正面図であり、図1(b)は、図1(a)のA方向から見た振動呈示装置の上平面図である。振動パネル20は、例えば、樹脂、アルミ等の金属材料等の種々の材料が使用できる。
0013
(振動パネル20)
振動パネル20は、図1等に示すように、板状体であり、上面20aには例えばタッチセンサ25が装着されて、タッチパネルとすることができる。この振動パネル20は、駆動源としてのボイスコイルモータ100により駆動されることにより、振動を呈示することができる。例えば、タッチパネルとしての振動パネル20にタッチした場合に、振動パネル20を例えば図1(a)に示すB方向に振動させることにより、タッチしたことを操作者に報知する。その他、種々の操作に伴って振動パネル20を振動させることにより、操作者に対して触覚呈示を行なうことができる。
0014
振動パネル20の下面20bには取付部22が形成され、取付部22にボイスコイルモータ100のコイル110が取付固定されている。また、振動パネル20の下面20bには、第1支持部40の上端部40aが例えば接着等により固定されている。
0015
また、第2支持部50の上端部50aは、振動パネル20の下面20bに対して接着等により固定されない。例えば、非振動時において、非固定端部である上端部50aは振動パネル20の下面20bに当接している。したがって、振動発生部による駆動状態に応じて、振動パネル20の下面20bと第2支持部50の上端部50aが接触しているか、または、離隔しているかのどちらかの状態となっている。
0016
タッチセンサ25は、例えば、操作者の体の一部(例えば、指)でカバーの検出面に触れた場合、触れた検出面上の位置を検出するものである。操作者は、例えば、検出面にタッチやなぞり等の操作を行うことにより文字や記号の入力操作ができる。また、この入力操作により入力内容が判断されて接続された電子機器の操作を行うことが可能となる。
0017
タッチセンサ25としては、例えば、静電容量方式、抵抗膜方式、赤外線方式、SAW方式等の公知のタッチ検出方式を用いることが可能である。本実施の形態に係るタッチセンサ25は、例えば、検出面である振動パネル20の上面20aに指が近接する又はタッチ(接触)することにより静電容量値の変化を検出することにより、近接又はタッチ位置を検出する静電容量方式のタッチセンサが使用できる。
0018
(筐体30)
筐体30は、図1等に示すように、板状体であり、例えば、アルミ等の金属材料、樹脂等の種々の材料が使用できる。筐体30の上部30aは、第1支持部40の下端部40bが接着等により固定される面とされている。また、筐体30の上部30aは、第2支持部50の下端部50bが接着等により固定される面とされている。
0019
(第1支持部40)
第1支持部40は、ゴム等の弾性部材で形成されている。なお、第1支持部40は、粘性を備えたシリコンゴム、ブチルゴム等の粘弾性部材で形成されてもよい。図1(a)、(b)に示すように、第1支持部40は、矩形の柱状とされているが、これには限られず、形状は任意に設定できる。振動パネル20と筐体30の間に介在して振動パネル20を支持できる形状であればよい。
0020
図1(a)、図2(a)、(b)に示すように、第1支持部40の上端部40aは、例えば接着等により、振動パネル20の下面20bに固定されている。また、第1支持部40の下端部40bは、例えば接着等により、筐体30の上部30aに固定されている。
0021
図2(a)で示すように、第1支持部40の厚さ(振動パネル20と筐体30の間に介在する方向の長さ)は、自然長でZ0である。
0022
(第2支持部50)
第2支持部50は、ゴム等の粘弾性部材で形成されている。第2支持部50は、例えば、振動吸収性能に優れたシリコンゴム、ブチルゴム等が使用できる。図1(a)、(b)に示すように、第2支持部50は、矩形の柱状とされているが、これには限られず、形状は任意に設定できる。振動パネル20と筐体30の間に介在して振動パネル20の振動を一定方向に吸収、制振できる形状であればよい。
0023
図1(a)、図2(a)、(b)に示すように、第2支持部50の上端部50aは、振動パネル20に固定されない。また、第2支持部50の下端部50bは、例えば接着等により、筐体30の上部30aに固定されている。
0024
なお、第2支持部50は、振動パネル20又は筐体30のどちらかの側の端部のみが振動パネル20又は筐体30に固定される。したがって、第2支持部50の上端部50aが接着等により振動パネル20に固定され、第2支持部50の下端部50bが筐体30の上部30aに固定されない構成であってもよい。
0025
図2(a)で示すように、第2支持部50の厚さ(振動パネル20と筐体30の間に介在する方向の長さ)は、第1支持部40と同じく、自然長でZ0である。
0026
(ボイスコイルモータ100)
振動発生部としてのボイスコイルモータ100は、図1(a)、(b)等に示すように、コイル110と磁気回路120とから構成されている。コイル110は、振動パネル20側に取付固定され、磁気回路120は、筐体30の上部30aに載置固定されている。
0027
コイル110は、エナメル線等のマグネットワイヤを複数回だけコイル状に巻回させて形成したものである。コイル110は、通電することにより、磁気回路120により発生する磁界Hからフレミング左手の法則に従って受けるローレンツ力により駆動され、振動発生源となる。
0028
磁気回路120は、ヨーク(センターヨーク122、中継ヨーク124、サイドヨーク126)と磁石(永久磁石)130とから構成される。図1(a)、(b)等に示すように、ヨーク(センターヨーク122、中継ヨーク124、サイドヨーク126)は、円筒、円盤形状に形成され、例えば、軟鉄、電磁鋼等の軟磁性材料により形成されている。磁石(永久磁石)130は、サイドヨーク126に取り付けられ、磁石130とセンターヨーク122の間に磁界Hを発生させる。
0029
コイル110は、磁石130とセンターヨーク122の間に配置され、コイル110への通電により、図1(a)に示すB方向に駆動される。これにより、コイル110が取付固定された振動パネル20は、B方向へ振動し、触覚呈示をすることができる。なお、コイル110と磁気回路120との配置関係、電流の方向により、図1(a)に示すB方向以外への振動呈示も可能である。
0030
(振動呈示装置10の組み立て状態)
図1(a)に示すように、振動呈示装置10の組み立て状態において、筐体30の上部30aをZ方向(上下方向)の基準とする。振動呈示装置10の組み立て状態、すなわち、振動していない初期状態において、第2支持部50の上端部50aは、振動パネル20の下面20bに接触(当接)している。このときの第1支持部40の上端部40a、及び、第2支持部50の上端部50aの位置は、図1(a)に示すように、Z=Z0である。
0031
(制御部200)
制御部200は、例えば、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などから構成されるマイクロコンピュータである。このROMには、例えば、制御部200が動作するためのプログラムが格納されている。RAMは、例えば、一時的に演算結果などを格納する記憶領域として用いられる。
0032
図3に示すように、振動オン信号VSが制御部200に入力され、駆動信号Vd(例えば、パルス信号)がドライブ回路210に出力される。ドライブ回路210により電流増幅されたコイル駆動信号Vcによりコイル110に通電される。磁石130とセンターヨーク122の間に発生している磁界Hとコイル電流とにより、コイル110にはローレンツ力が発生する。
0033
(振動呈示装置10の振動呈示動作)
図4(a)は、図3で示す各信号Vcの信号波形図、図4(b)は、振動波形を示す図である。本実施の形態に係る振動呈示装置10は、上下鉛直方向に配置され、図1(a)等に示すように、振動パネル20を上方向B(突き上げ方向)に駆動して振動呈示、触覚呈示を行なう。
0034
図3に示すように、振動オン信号VSが制御部200に入力され、これに基づいて、駆動信号Vd(例えば、1つのパルス信号)がドライブ回路210に出力される。ドライブ回路210により電流増幅されたコイル駆動信号Vcによりコイル110に通電される。これにより、図1(b)に示すように、磁石130とセンターヨーク122の間に発生している磁界Hとコイル電流Iとにより、コイル110にはローレンツ力が発生し、上方向Bに振動パネル20が駆動される。
0035
図4(a)に示す、t1からt2の間のパルスPにより、ボイスコイルモータ100(振動発生部)から駆動力が作用して、振動パネル20は、図2(a)に示すように、上方向BにΔ1だけ変位する。このとき、振動パネル20の下面20bは、第2支持部50の上端部50aから離間する。したがって、t1からt2の間においては、振動パネル20の振動は阻害されない。
0036
ここで、図5は、図1(a)、図2(a)、(b)の振動時の第1支持部、第2支持部をバネとダンパでモデル化して説明するモデル図である。第1支持部40は、ゴム等の粘弾性部材で形成されているので、図5に示すように、バネとダンパによりモデル化することができる。また、同様に、第2支持部50も同様に、ゴム等の粘弾性部材で形成されているので、図5に示すように、バネとダンパによりモデル化することができる。
0037
図4(a)に示す、t1からt2の間においては、第1支持部40は、振動パネル20と筐体30の間に介在する。一方、第2支持部50は、振動パネル20の下面20bと第2支持部50の上端部50aが離間するので、振動パネル20は減衰作用、制振作用を受けない。
0038
次に、図4(a)に示す、t2からt3の間では、駆動信号がゼロであるので、振動パネル20には、ボイスコイルモータ100(振動発生部)からの駆動力は作用しない。したがって、振動パネル20は残振動する。この残振動は、t2からt3の間では、下方向(−Z方向)である。
0039
振動パネル20は、図2(b)に示すように、下方向CにΔ2だけ変位する。このとき、振動パネル20の下面20bは、第2支持部50の上端部50aに当接している。したがって、第2支持部50は、振動パネル20と筐体30の間に挟まれて介在するので、圧縮作用を受ける。図5で示すように、第2支持部50は、バネとダンパにより、振動パネル20の残振動に対して、減衰作用、制振作用を及ぼす。これにより、振動パネル20の残振動は、速やかに減衰する。
0040
図5に示すように、ボイスコイルモータ100(振動発生部)の駆動力により振動パネル20が上方向(+Z方向)に駆動される場合は第2支持部50の減衰作用、制振作用は働かず、振動パネル20が下方向(−Z方向)に動く場合は第2支持部50の減衰作用、制振作用は働く。
0041
上記のことを図5に図示すると、振動パネル20が下方向(−Z方向)に動く場合は、第2支持部50が無い場合の破線で示す変位よりも減衰した実線で示す変位となる。すなわち、振動パネル20が下方向(−Z方向)に動く場合のみ第2支持部50の減衰作用、制振作用は働くので、振動呈示(上方向)は阻害されず、この振動呈示後の残振動(不要な振動)を速やかに減衰させることができる。
0042
(本発明の第2の実施の形態)
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る振動呈示装置の正面図である。第2の実施の形態は、実施の形態で使用した振動発生部としてのボイスコイルモータ100の代わりに、振動発生部として圧電アクチュエータ150を使用する。圧電アクチュエータ150は、筐体30上に載置されて取付け部材155に取り付けられ、圧電アクチュエータ150の一部150a(上部)が、振動パネル20の下面20bに接触して貼付け固定されている。その他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、以下において異なる構成の部分について説明する。
0043
圧電アクチュエータ150は、例えば、金属板と、圧電素子と、を備えたモルフ型の圧電素子である。このモルフ型圧電素子は、層状又は板状の圧電素子が屈曲する構造の圧電素子である。金属板は、例えば、導電性を有するアルミニウム、ニッケル、銅、鉄等の金属材料、それらを含有する合金材料、或いはステンレス等の合金材料を用いて形成される。
0044
圧電素子の材料としては、例えば、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ乳酸等が用いられる。この圧電素子は、例えば、金属板の片面に、上記の材料を用いて形成された膜が形成される単層ユニモルフ型、上記の材料を用いて形成された膜を積層して形成された積層ユニモルフ型の圧電素子である。
0045
圧電アクチュエータ150は、電圧をかけることにより引張又は圧縮による変形を生じるので、図4(a)で示したようなパルス駆動をすることにより、振動させることができ、振動パネル20の振動呈示が可能となる。圧電アクチュエータ150は、薄型化に適する等の効果がある。
0046
(本発明の第3の実施の形態)
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る振動呈示装置の正面図である。第3の実施の形態は、実施の形態で使用した振動発生部としてのボイスコイルモータ100の代わりに、振動発生部として慣性駆動式アクチュエータを使用する。その他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、以下において異なる構成の部分について説明する。
0047
慣性駆動式アクチュエータ160は、アクチュエータで発生した慣性力を利用して振動パネル20を駆動することにより、振動パネル20を振動させる。慣性駆動式アクチュエータ160は、図7に示すように、振動パネル20の下面20bに接触して貼付け固定されている。すなわち、振動発生部としての慣性駆動式アクチュエータ160は、振動対象物である振動パネル20に取り付けられ、筐体30には固定されない。慣性駆動式アクチュエータ160は、薄型化に適する等の効果がある。
0048
(本発明の実施の形態に係る振動呈示装置10の適用例)
本実施の形態に係る振動呈示装置10を、振動パネル20の上面20aにタッチセンサ25を装着した操作入力装置とする場合には、例えば、車両の運転席と助手席の間のフロアコンソールに配置され、インストルメントパネルに設けられた表示部を見ながらの入力操作に適用することができる。操作入力装置を操作して、所定の位置での押圧操作等により入力操作を実行し、これに基づいて車載機器、例えば、空調装置、カーナビゲーション装置、オーディオ装置等の遠隔制御が可能となる。
0049
(本発明の実施の形態の効果)
上記のような構成により、次のような効果を有する。
(1)本発明の実施の形態に係る振動呈示装置10は、振動を呈示する振動パネル20と、振動パネル20に振動を付与する振動発生部としてのボイスコイルモータ100と、振動パネル20を支持する筐体30と、振動パネル20と筐体30の間に弾性を有して介在し、両端部が振動パネル20及び筐体30に固定された第1支持部40と、振動パネル20と筐体30の間に粘弾性を有して介在し、振動パネル20又は筐体30のどちらかの端部のみが振動パネル20又は筐体30に固定された第2支持部50と、を有して構成されている。例えば、第2支持部50の振動パネル20側の端部が、振動パネル20に固定されていない構成とされているので、ボイスコイルモータ100で振動パネル20を上方向(突き上げ方向)に駆動する場合には第2支持部50は制振機能を発揮せず、振動パネル20を下方向に駆動する場合にのみ制振機能を発揮する。したがって、振動パネル20を上方向(突き上げ方向)に駆動することにより操作者に振動呈示、触覚呈示を行なう場合に、振動呈示に必要な振動を減衰させず、かつ、振動呈示後の不要な振動を速やかに減衰させることができる。
(2)振動呈示後の不要な振動を速やかに減衰させることができるので、操作者が振動パネル20を操作する際に振動呈示をして、シャープな触覚呈示できるタッチデバイスを実現することができる。
(3)図4(a)、(b)で示したように、疑似触感を振動で呈示できるタッチデバイスにおいて、振動の立ち上がり速度や最大変位に影響を与えず、半波長以降で減衰を大きくして素早く振動を停止させる減衰構造が可能となる。
(4)第2、第3の実施の形態では、実施の形態の効果に加えて、圧電アクチュエータ、慣性駆動式アクチュエータを使用することにより振動発生源とすることができる。これにより、構成の簡素化ができ、また、装置の薄型化が可能となる効果を有する。
0050
以上、本発明の実施の形態を説明したが、この実施の形態は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更等を行うことができる。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、実施の形態は、発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
0051
10…振動呈示装置
20…振動パネル、20a…上面、20b…下面、22…取付部、25…タッチセンサ
30…筐体、30a…上部
40…第1支持部、40a…上端部、40b…下端部
50…第2支持部、50a…上端部、50b…下端部
100…ボイスコイルモータ(振動発生部)
110…コイル
120…磁気回路、122…センターヨーク、124…中継ヨーク、126…サイドヨーク
130…磁石
150…圧電アクチュエータ、155…取付け部材
160…慣性駆動式アクチュエータ
200…制御部
210…ドライブ回路