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図面 (7)

課題

解決手段

本開示は、全身性硬化症(SSc;強皮症)等、自己免疫性線維症処置および/または予防するための方法および組成物に関する。本方法は、それを必要とする被験体に有効量のデスレセプターアゴニストを投与するステップを含む。適したデスレセプターアゴニストは、腫瘍壊死因子(TNF)関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)、アゴニスティックデスレセプター抗体、およびそれらのバリアントアナログまたは誘導体を含む。デスレセプターアゴニストの投与は、線維芽細胞もしくは線維形成促進性細胞活性化を遮断し、そして/または筋線維芽細胞を低減もしくは枯渇させ、これにより、全身性硬化症を低減させるまたは予防する。

概要

背景

発明の背景
線維症は、コラーゲン等の組織構成成分を含む結合組織の質量が増加し、結合組織が正常組織に取って代わる、組織硬化症による正常機能の喪失に起因する状態を指す。線維症は、肝臓腎臓心臓、皮膚および他の組織において起こり得る。

強皮症としても公知の全身性硬化症SSc)は、希少自己免疫およびリウマチ障害である(McMahan ZHら、Nat Rev Rhuematol;9巻(2号):90〜100頁(2013)およびVarga Jら、J. Clin Invest;117巻(3号):557〜567頁(2007年))。SScは、線維症による結合組織の硬化(Ho YYら、Nat Rev Rheumatol
;10巻(7号):390〜402頁(2014)およびBhattacharyya Sら、Nat Rev
Rheumatol;8巻(1号):42〜54頁(2012年))、細胞外マトリックス(E
CM)タンパク質蓄積誘導し、これは、顔や手等、最も目につく身体部分の皮膚に罹患し、びまん型では、肺、心臓、腎臓およびを含むほぼ全ての内臓重度機能障害および不全をもたらし得る。したがって、この免疫疾患の症状は、皮膚、ならびに肝臓、肺、腎臓、胃腸管および心臓を含む内臓の線維症を含む。これらの症状は、多くの場合、患者にとって衰弱性となり得る。SSc有病率は世界中で広く変動し、推定250万名の患者がいる。これは、標準治療がないあらゆるリウマチ性状態の中で最高死亡率を有する(Nikpour Mら、Curr Opin Rheumatol;26巻(2号):131〜137頁(2014
年))。本明細書における開示に先立ち、SScに罹患した皮膚線維症および内臓の線維症を軽減および/または予防する療法は存在しなかった。したがって、薬物が出現していないため、SSc療法に対する大きな満たされていない必要性がある。

概要

デスレセプターアゴニストによる全身性硬化症の改善の提供。本開示は、全身性硬化症(SSc;強皮症)等、自己免疫性線維症を処置および/または予防するための方法および組成物に関する。本方法は、それを必要とする被験体に有効量のデスレセプターアゴニストを投与するステップを含む。適したデスレセプターアゴニストは、腫瘍壊死因子(TNF)関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)、アゴニスティックデスレセプター抗体、およびそれらのバリアントアナログまたは誘導体を含む。デスレセプターアゴニストの投与は、線維芽細胞もしくは線維形成促進性細胞活性化を遮断し、そして/または筋線維芽細胞を低減もしくは枯渇させ、これにより、全身性硬化症を低減させるまたは予防する。なし

目的

一態様において、本開示は、被験体における線維症の低減または予防に有効な量のデスレセプターアゴニストを被験体に投与し、これにより、被験体における線維症性自己免疫疾患または障害を処置することによって、哺乳動物被験体における線維症性自己免疫疾患または障害を処置または予防するための方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

明細書に記載の発明。

技術分野

0001

関連出願への相互参照
本出願は、2015年12月17日に出願された米国仮出願番号第62/268,637号への米国特許法第119条(e)項の下の優先権の利益を主張しており、この仮出願は、その全体が参考として本明細書中に援用される。

0002

連邦政府による資金提供を受けた研究の記載
本発明は、国防総省DOD)によって与えられた第CA130460号による政府支援により為された。政府は、本発明に一定の権利を有する。

0003

配列表の参照
2016年12月14日に作成され、2,872バイトのサイズを有する、「JHU_C_13722_ST25.txt」と命名されたテキストファイルとして提出された配列表は、37C.F.R.§1.52(e)(5)に従い、参照により本明細書に組み込む。

0004

発明の分野
本発明は、概して、デスレセプターアゴニストにより自己免疫性線維症性疾患処置するための組成物および方法を対象にする。

背景技術

0005

発明の背景
線維症は、コラーゲン等の組織構成成分を含む結合組織の質量が増加し、結合組織が正常組織に取って代わる、組織硬化症による正常機能の喪失に起因する状態を指す。線維症は、肝臓腎臓心臓、皮膚および他の組織において起こり得る。

0006

強皮症としても公知の全身性硬化症SSc)は、希少自己免疫およびリウマチ障害である(McMahan ZHら、Nat Rev Rhuematol;9巻(2号):90〜100頁(2013)およびVarga Jら、J. Clin Invest;117巻(3号):557〜567頁(2007年))。SScは、線維症による結合組織の硬化(Ho YYら、Nat Rev Rheumatol
;10巻(7号):390〜402頁(2014)およびBhattacharyya Sら、Nat Rev
Rheumatol;8巻(1号):42〜54頁(2012年))、細胞外マトリックス(E
CM)タンパク質蓄積誘導し、これは、顔や手等、最も目につく身体部分の皮膚に罹患し、びまん型では、肺、心臓、腎臓およびを含むほぼ全ての内臓重度機能障害および不全をもたらし得る。したがって、この免疫疾患の症状は、皮膚、ならびに肝臓、肺、腎臓、胃腸管および心臓を含む内臓の線維症を含む。これらの症状は、多くの場合、患者にとって衰弱性となり得る。SSc有病率は世界中で広く変動し、推定250万名の患者がいる。これは、標準治療がないあらゆるリウマチ性状態の中で最高死亡率を有する(Nikpour Mら、Curr Opin Rheumatol;26巻(2号):131〜137頁(2014
年))。本明細書における開示に先立ち、SScに罹患した皮膚線維症および内臓の線維症を軽減および/または予防する療法は存在しなかった。したがって、薬物が出現していないため、SSc療法に対する大きな満たされていない必要性がある。

先行技術

0007

McMahan ZHら、Nat Rev Rhuematol;9巻(2号):90〜100頁(2013)
Varga Jら、J. Clin Invest;117巻(3号):557〜567頁(2007年)
Ho YYら、Nat Rev Rheumatol;10巻(7号):390〜402頁(2014)
Bhattacharyya Sら、Nat Rev Rheumatol;8巻(1号):42〜54頁(2012年)
Nikpour Mら、Curr Opin Rheumatol;26巻(2号):131〜137頁(2014年)

課題を解決するための手段

0008

発明の要旨
本開示は、少なくとも一部には、全身性硬化症(SSc)等、線維症性自己免疫疾患または障害を処置または予防するための組成物および方法の同定に基づく。理論に制約されることは望まないが、本開示の方法および組成物は、SSc等、線維症性疾患および/または肝臓、肺、腎臓、心臓、胃腸管、皮膚の線維症性状態確立および/または進行に関与する鍵となる細胞である、筋線維芽細胞(例えば、活性化された線維芽細胞)を選択的に標的化することによって作用すると考えられ、このような線維症性状態は、任意選択で、SSc等の状態に関連する。本明細書に記載されている治療戦略は、デスレセプター(DR)アゴニスト、そのバリアントおよび/または誘導体、ならびに天然に存在するDRアゴニスト合成化合物および任意選択で他の模倣物である薬剤の同定および使用に基づく。

0009

一態様において、本開示は、被験体における線維症の低減または予防に有効な量のデスレセプターアゴニストを被験体に投与し、これにより、被験体における線維症性自己免疫疾患または障害を処置することによって、哺乳動物被験体における線維症性自己免疫疾患または障害を処置または予防するための方法を提供する。

0010

一実施形態において、本開示は、哺乳動物被験体における線維症性自己免疫疾患または障害を処置または予防する方法を提供する。本方法は、被験体にデスレセプターアゴニストを投与するステップであって、線維芽細胞活性化(筋線維芽細胞への移行)を阻害および遮断するか、または活性化された線維芽細胞および/または線維形成促進性細胞におけるアップレギュレートされたデスレセプターを標的化することにより活性化された筋線維芽細胞を枯渇させるステップを含む。デスレセプターアゴニストの例としては、TRAILおよびアゴニスティックデスレセプター抗体ならびにこれらのアナログ、バリアント、フラグメントおよび誘導体が挙げられる。活性化された線維芽細胞および/または線維形成促進性細胞の例としては、疾患進行における周皮細胞および線維細胞が挙げられる。

0011

一実施形態において、線維症性自己免疫疾患は、全身性硬化症(SSc)である。さらなる実施形態において、SScは、限局性強皮症またはびまん性強皮症である。

0012

ある特定の実施形態において、DRアゴニストは、腫瘍壊死因子(TNF)関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)、TRAILアナログ、DRアゴニスティック抗体またはそれらの誘導体であるか、またはこれを含む。さらなる実施形態において、DRアゴニストは、ヒト組換えTRAIL、ヒトTRAILアナログまたはそれらの誘導体であるか、またはこれを含む、あるいはDRアゴニストは、ネイティブTRAIL、ネイティブTRAILアナログまたはそれらの誘導体であるか、またはこれを含む。別の実施形態において、DRアゴニストは、抗体、キメラ抗体抗体フラグメント融合タンパク質および多価薬剤からなる群から選択されるDR4またはDR5アゴニストのうち1種または複数を含む。

0013

本開示の別の実施形態は、ポリマーに結合されたDRアゴニストを提供する。関連する実施形態において、ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)またはその誘導体である。PEGまたはその誘導体は、メトキシポリエチレングリコール(glcycol)スク
ンイミジルプロピオネート、メトキシポリエチレングリコールスクシネートN−ヒドロキシスクシンイミド、メトキシポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドおよびメトキシポリエチレングリコールマレイミドであってよい。PEGおよびその誘導体は、直鎖および/または多分枝のものであってよい。分枝状ポリマーは、二分枝、三分枝、多腕、二量体および三量体構造を含む。

0014

PEGまたはその誘導体は、約1,000Da〜100,000Daの間の分子量を有する。さらなる実施形態において、PEGまたはその誘導体は、約5,000〜50,000の間の分子量を有する。PEGまたはその誘導体の分子量は、約5,000〜70,000Daの間もしくは約20,000〜50,000Daの間、または1,000Da〜100,000Daの間の範囲内に収まるいずれかの分子量であってよい。

0015

DRアゴニストは、全身的に、経腸的に、非経口的に、局所的にまたは頬側送達により投与することができる。DRアゴニストは、局部的にまたは皮下に等、局所的に投与することができる。

0016

一実施形態において、真皮の厚さ、皮膚コラーゲン、TGF−β、PDGF、PDGFレセプター、CTGFおよび/またはα−SMA+線維芽細胞の細胞のレベルは、適切なコントロールと比較して、被験体において正常レベルに低減、これに維持またはこれへと回復される。

0017

別の実施形態において、線維症は、適切なコントロールと比較して、被験体において処置または予防される。

0018

追加的な実施形態において、デスレセプターアゴニストは、被験体に0.01mg/kg〜50mg/kgの間、例えば、0.1〜50mg/kg、例えば、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kgまたは50mg/kgの投与量で、注射によって投与される。ある特定の実施形態において、デスレセプターアゴニストは、1つまたは複数の投与量で投与される。任意選択で、デスレセプターアゴニストは、1日またはそれより長い日数、例えば、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、15日間、20日間、25日間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、6ヶ月間、1年間またはそれよりも長い期間にわたって被験体に投与される。一部の事例において、デスレセプターアゴニストは、毎日投与される。他の事例において、デスレセプターアゴニストは、1日おきに投与される。

0019

別の実施形態において、被験体は、ヒトである。一部の事例において、被験体は、線維症性自己免疫疾患または障害を有するか、またはその発症リスクがあると同定されている。

0020

本開示は、0.1〜50mg/kgまたは0.001%〜50%の間の濃度のデスレセプターアゴニストと、薬学的に許容される担体とを含む、哺乳動物被験体における全身性線維症性疾患または障害の処置または予防のための注射用医薬組成物も提供する。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
項目1)
哺乳動物被験体における線維症性自己免疫疾患または障害を処置または予防するための方法であって、
活性化された筋線維芽細胞の遮断または枯渇に有効な量のデスレセプターアゴニストを前記被験体に投与するステップであって、
これにより、前記被験体における前記線維症性自己免疫疾患または障害を処置するステップ
を含む方法。
(項目2)
前記線維症性自己免疫疾患が、全身性硬化症(SSc)である、項目1に記載の方法。(項目3)
前記SScが、限局性強皮症またはびまん性強皮症である、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記デスレセプターアゴニストが、腫瘍壊死因子(TNF)関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)、TRAILアナログ、デスレセプターアゴニスティック抗体、またはそれらの誘導体を含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記デスレセプターアゴニストが、ヒト組換えTRAIL、ヒトTRAILアナログ、またはそれらの誘導体を含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記デスレセプターアゴニストが、ネイティブTRAIL、ネイティブTRAILアナログ、またはそれらの誘導体を含む、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記デスレセプターアゴニストが、レクサツムマブ、ティガツズマブ、コナツムマブ、ドロジツマブ、HGSTR2J/KMTRSおよびLBY−135からなる群から選択されるDR5アゴニストを含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記デスレセプターアゴニストが、TAS266およびscTRAIL−RBDからなる群から選択される多価DRアゴニストを含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記デスレセプターアゴニストが、ポリマーに選択的に結合されている、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記ポリマーが、ポリエチレングリコール(PEG)またはその誘導体を含む、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記PEGまたはPEG誘導体が、メトキシポリエチレングリコールスクシンイミジルプロピオネート、メトキシポリエチレングリコールスクシネートN−ヒドロキシスクシンイミド、メトキシポリエチレングリコールプロピオンアルデヒド、メトキシポリエチレングリコールマレイミドおよび多分枝ポリエチレングリコールからなる群から選択される、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記PEGまたはその誘導体が、1,000Da〜100,000Daの間の分子量を有する、項目10に記載の方法。
(項目13)
前記PEGまたはその誘導体が、5,000Da〜50,000Daの間の分子量を有する、項目10に記載の方法。
(項目14)
前記デスレセプターアゴニストが、全身的に投与される、項目1に記載の方法。
(項目15)
前記デスレセプターアゴニストが、局所的に投与される、項目1に記載の方法。
(項目16)
前記デスレセプターアゴニストが、皮下に投与される、項目1に記載の方法。
(項目17)
前記有効な量のデスレセプターアゴニストを投与するステップが、適切なコントロールと比較して、真皮の厚さ、皮膚コラーゲンレベル、TGF−β、PDGFR、PDGF、IL−6レベルを低減させ、そして/またはα−SMA+線維芽細胞の細胞を低減させる、項目1に記載の方法。
(項目18)
前記線維症が、適切なコントロールと比較して、前記被験体において処置または予防される、項目1に記載の方法。
(項目19)
前記デスレセプターアゴニストが、0.001mg/kg〜50mg/kgの間の投与量における注射によって前記被験体に投与される、項目1に記載の方法。
(項目20)
前記有効な量のデスレセプターアゴニストが、1つまたは複数の投与量で投与される、項目17に記載の方法。
(項目21)
前記有効な量のデスレセプターアゴニストが、1日またはそれより長い日数の期間にわたって前記被験体に投与される、項目1に記載の方法。
(項目22)
前記被験体が、ヒトである、項目1に記載の方法。
(項目23)
0.001%〜50%の間の濃度のデスレセプターアゴニストと、薬学的に許容される担体とを含む、哺乳動物被験体における全身性線維症性疾患または障害の処置または予防のための注射用医薬組成物。

図面の簡単な説明

0021

図1は、ブレオマイシン誘導性全身性硬化症のインビボマウスモデル研究のための研究設計の模式図を描写する。

0022

図2は、真皮の厚さの定量的評価を示す棒グラフを描写する。真皮の厚さは、健康な皮膚と比較して、ブレオマイシン誘導性皮膚線維症において70%を超えて増加した。TRAILPEGは、真皮の厚さの増加を減弱し、これを正常レベルに戻した。正常に対して###P<0.001、ビヒクルに対して*P<0.05、ビヒクルに対して***P<0.001。

0023

図3は、リアルタイムPCRによって定量化された、病変性皮膚におけるCol1A1mRNA発現を示す棒グラフを描写する。正常マウスと比較して、ブレオマイシンで処置したマウスにおけるCol1A1およびCol1A2mRNAのレベルの3倍増加が観察された。TRAILPEG処置は、コラーゲンmRNAのアップレギュレーションを著しく減弱した。正常に対して###P<0.001、ビヒクルに対して***P<0.001。

0024

図4は、リアルタイムPCRによって定量化された、病変性皮膚におけるトランスフォーミング増殖因子ベータ1(TGF−β1)mRNA発現を示す棒グラフを描写する。TRAILPEG投与は、TGF−β1mRNAのアップレギュレーションを実質的に予防した;正常に対して#p<0.05;ビヒクルに対して*p<0.05。

0025

図5は、リアルタイムPCRによって定量化された、誘導された肺線維症におけるCol1A1mRNA発現を示す棒グラフを描写する。結果は、正常マウスと比較して、ブレオマイシンで処置したマウスにおけるCol1A1mRNAのレベルの50%を超える増加を示した;正常に対して#p<0.05、###p<0.001;ビヒクルに対して**p<0.01、***p<0.001。

0026

図6Aは、リアルタイムPCRによって定量化された、ブレオマイシン誘導性肺における血小板由来増殖因子(PDGF)−αmRNA発現を示す棒グラフを描写する。結果は、正常マウスと比較して、ブレオマイシンで処置したマウスにおけるPDGFαmRNAのレベルの増加を示した。TRAILPEG処置は、PDGF−α mRNAのアップレギュレーションを著しく減弱した;正常に対して#p<0.05、###p<0.001;ビヒクルに対して*p<0.05、***p<0.001。
図6Bは、リアルタイムPCRによって定量化された、ブレオマイシン誘導性肺におけるPDGF−β mRNA発現を示す棒グラフを描写する。結果は、正常マウスと比較して、ブレオマイシンで処置したマウスにおけるPDGF−β mRNAのレベルの増加を示した。TRAILPEG処置は、PDGF−β mRNAのアップレギュレーションを著しく減弱した;正常に対して#p<0.05、ビヒクルに対して###p<0.001;*p<0.05、***p<0.001。

0027

発明の詳細な説明
I.定義
本明細書中で使用されるとき、「線維症性自己免疫疾患または障害」は、線維症によって特徴付けられるいずれかの自己免疫疾患または障害を指す。全身性硬化症(SSc;強皮症)は、肝臓、肺、腎臓、心臓、胃腸管、皮膚等のいずれかの自己免疫媒介性線維症のような、線維症性自己免疫疾患または障害の例示的な形態である。

0028

用語「抗体」は、ポリクローナル抗血清またはモノクローナル抗体を指すことができる。本明細書に記載されている抗体は、インタクトなモノクローナル抗体のみならず、免疫学的に活性な抗体フラグメント、例えば、Fabもしくは(Fab)2フラグメント;操作された単鎖FV分子;またはキメラ分子、例えば、例えばマウス起源の1種の抗体の結合特異性と、例えばヒト起源の別の抗体の残っている部分とを含有する抗体も包含する。本明細書に記載されている抗体は、非ヒト種に由来するヒト化抗体であって、ヒトにおいて天然に産生された抗体バリアントに対するその類似性を増加させるようにそのタンパク質配列改変されたヒト化抗体も含む。一般に、ヒト化抗体は、非ヒトの供給源からヒト化抗体に導入された1個または複数のアミノ酸残基を有する。このような非ヒトアミノ酸残基は、本明細書において、典型的に「移入抗体ドメイン、特に可変ドメインから取り出される、「移入」残基と称される。

0029

「アゴニスト」は、本明細書中で使用されるとき、タンパク質の生物学的機能を増強する分子である。これにより、アゴニストは、標的タンパク質に結合して、その機能を誘発することができる。しかし、タンパク質に結合しないアゴニストも想定される。アゴニストは、直接的にまたは間接的にタンパク質の生物学的機能を増強または活性化することができる。ある特定の遺伝子の発現を増加させるアゴニストが、本開示の特定の実施形態の範囲内で想定される。適したアゴニストは、当業者には明らかであろう。本開示のため、アゴニストが、直接的に標的タンパク質の機能を増強することは必要でない。むしろ、標的化されたタンパク質の活性化を最終的にもたらす、経路上流の1種または複数のタンパク質の機能を安定化または増強するアゴニストも想定される。あるいは、アゴニストは、標的タンパク質の負の転写調節因子の機能を阻害することができ、この転写調節因子は、標的タンパク質の転写を最終的に抑圧する、経路上流で作用する。

0030

「デスレセプター」は、8種のメンバーを包含する、腫瘍壊死因子レセプター(TNFR)スーパーファミリーサブクラスを形成する:Fas、TNFR1、ニューロトロフィンレセプター(p75NTR)、エクトスプシン−Aレセプター(EDAR)、デスレセプター(DR)3、DR4、DR5およびDR6。デスレセプターの大部分は、その対応する天然リガンドが同定されている:TNFR1は、TNFによって活性化することができ、Fasは、Fasリガンド(FasL)によって活性化され、ρ75NTRは、神経成長因子(NGF、遺伝子ID:4803)によって活性化される。EDARの1種のリガンドは、エクトジスプラシン−A(EDA、遺伝子ID:1896)である。DR3は、Apo3L(TWEAK/TNFSF12、遺伝子ID:8742)、TL1A/VEGI血管内皮成長阻害剤/TNFSF15、遺伝子ID:9966)によって活性化することができる一方、DR4およびDR5は、同じリガンドであるTNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)を共有する。DR6のリガンドは同定されていない。これらのリガンド、これらのバリアントまたは天然リガンドの効果を模倣するいずれかの分子は、デスレセプターアゴニストと考えられる。これらの天然リガンドおよびそのアゴニストのそれぞれが、デスレセプターアゴニストと考えられる。

0031

「デスレセプターアゴニスト」は、本明細書において、デスレセプターの1種または複数を介してアポトーシス促進性シグナル伝達を誘導することができるいずれかの分子として定義される。デスレセプターアゴニストは、抗体、デスリガンド、サイトカイン、デスレセプターアゴニスト発現ベクターペプチド、小分子アゴニスト、デスレセプターアゴニストを発現する細胞(例えば幹細胞)、およびデスリガンドの発現を誘導する薬物からなる群から選択することができる。

0032

例示的なデスレセプターアゴニストは、デスレセプターに結合し、1種または複数の細胞内経路によりアポトーシスまたはプログラム細胞死を誘導することができる。例示的な十分に試験されたデスレセプターアゴニストは、組織における保護的および病原性効果の両方に加えて、免疫寛容における調節性および有害効果において鍵となる役割を果たし得る、TNFリガンドファミリーのメンバーを含む(Rieux-Laucatら、2003年、Current Opinion in Immunology 15巻:325頁;MackayおよびAmbrose、2003年、Cytokine and growth factor reviews、14巻:311頁;MackayおよびRailed、2
002年、Current Opinion in Immunology、14巻:783〜790頁)。このようなタンパク質の例としては、腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)、Fasリガンド(FasL)および腫瘍壊死因子(TNF)が挙げられる。例示的なデスレセプターアゴニストは、膜貫通型デスドメイン含有レセプターへの結合によりアポトーシスを誘導する。例えば、TRAILは、デスレセプター4(DR4;TRAILレセプター1)および5(DR5;TRAILレセプター2)に結合する。3種の他のTRAIL結合レセプターが存在するが、アポトーシスシグナルを伝達することができないと思われることから、「デコイレセプター」であると考えられる。デコイレセプター1(DcR1)は、膜貫通および細胞内ドメイン欠くと思われ、グリコシルホスファチジルイノシトールテイルを介して原形質膜繋留される。デコイレセプター2(DcR2)は、トランケートされた、明らかに非機能的なデスドメインを保有する一方、第3のデコイレセプターのオステオプロテジェリンは、分泌型の可溶性レセプターである。Fasリガンドは、Fas(CD95またはApo−1としても公知)に結合することによりアポトーシスを誘導する一方、DcR3は、FasからFasLを隔絶する。別のデスレセプターアゴニストのTNFは、TNF−レセプターI(TNFRIまたはTNFR55としても公知)に結合することによりアポトーシスを誘導することができる。

0033

本明細書中で使用されるとき、用語「バリアント」とは、参照ポリペプチドまたは参照ポリヌクレオチドと異なるが本質的な特徴を保持している、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドのことを指す。ポリペプチドの代表的なバリアントは、別の参照ポリペプチドとアミノ酸配列が異なる。一般に、差は限られており、参照ポリペプチドの配列とバリアントの配列とは、全体的によく似ており、多くの領域において同一である。バリアントと参照ポリペプチドとは、1つまたはそれを超える改変(例えば、置換、付加および/または欠失)によって、アミノ酸配列が異なり得る。置換されたまたは挿入されたアミノ酸残基は、遺伝暗号によってコードされるものであってもよいし、そうでなくてもよい。ポリペプチドのバリアントは、対立遺伝子バリアントなどの天然に存在するものであってよいか、または天然に存在すると知られてないバリアントであってよい。

0034

「腫瘍壊死因子ファミリーメンバー」または「腫瘍壊死因子リガンドファミリーメンバー」は、腫瘍壊死因子レセプターを活性化することができるいずれかのサイトカインである。「TRAILタンパク質」は、本明細書中で使用されるとき、野生型TRAILタンパク質およびTRAILバリアントの両方を包含する。

0035

改変および変更は、本開示のポリペプチドの構造において行うことができ、そのポリペプチドと同様の特性を有する分子をなおももたらす(例えば、保存的アミノ酸置換)。例えば、ある特定のアミノ酸は、かなりの活性喪失を伴わずに、ある配列において、他のアミノ酸の代わりに用いることができる。ポリペプチドの相互作用能および性質こそが、そのポリペプチドの生物学的機能活性を定義するので、ある特定のアミノ酸配列の置換を、あるポリペプチド配列において行うことができるが、それにもかかわらず、同様の特徴を有するポリペプチドがもたらされる。

0036

例えば、「バリアント」デスレセプターアゴニストとは、このデスレセプターアゴニストが、デスレセプターアゴニストの野生型配列とは少なくとも1個のアミノ酸位置が異なることを意味する。「バリアント」TRAILタンパク質とは、このTRAILタンパク質が、野生型TRAILタンパク質(TNFSF10、TL2;APO2L;CD253;Apo−2Lとしても公知)、Entrez遺伝子lD:8743;受託番号NM_003810.2;UniProtKB/Swiss−Prot:P50591;UniProtKB/TrEMBL:Q6IBA9とは少なくとも1個のアミノ酸位置が異なることを意味する。

0037

「薬剤」とは、いずれかの小さい化合物、抗体、核酸分子もしくはポリペプチドまたはこれらのフラグメントを意味する。

0038

本明細書中で使用されるとき、用語「有効量」または「治療有効量」は、処置されている疾患状況の1つまたはそれを超える症候を処置するか、阻害するかもしくは緩和するのに十分な投与量、または他の方法で所望の薬理学的および/もしくは生理学的効果をもたらすのに十分な投与量を意味する。正確な投与量は、種々の因子、例えば、被験体に依存する変数(例えば、年齢、免疫系の健康状態など)、疾患または障害、および施される処置に従って変動する。有効量の効果は、コントロールと比較したものであってよい。そのようなコントロールは、当該分野で公知であり、本明細書中に論じられ、例えば、その薬物もしくは薬物併用の投与前またはその投与の非存在下の被験体の状態であり得るか、あるいは薬物併用の場合は、その併用の効果は、それらの薬物のうちの1つだけの投与の効果と比較され得る。コントロールはまた、薬物/処置の必要があるがその薬物/処置を受けていない被験体であり得る。

0039

「軽減」とは、疾患の発症または進行を減少、抑制、減弱、縮小、抑止または安定化することを意味する。

0040

本開示において、「含む(comprises)」、「含むこと(comprising)」、「含有すること(containing)」および「有すること(having)」などは、米国特許法におけるこれらに帰する意味を有することができ、「含む(includes)」、「含むこと(including)」などを意味することができる;「から本質的になること」または「本質的になる」は、同様に、米国特許法に帰する意味を有し、この用語は、オープンエンドであり、列挙されているものの基本的または新規特徴が、列挙されているもの以外の存在によって変化されない限りにおいて、列挙されているもの以外の存在を許すが、先行技術の実施形態を除外する。

0041

「検出」は、検出されるべき分析物の存在、非存在または量の同定を指す。

0042

マーカー」とは、疾患または障害に伴う発現レベルまたは活性の変更を有する、いずれかのタンパク質またはポリヌクレオチドを意味する。

0043

用語「減少させる」、「阻害する」、「緩和する」または「低下する」は、コントロールに対して使用される。当業者は、各実験に対して使用する適切なコントロールを容易に同定するだろう。例えば、ある化合物で処置された被験体または細胞における応答の低下は、その化合物で処置されていない被験体または細胞における応答と比較される。

0044

「調節する」とは、変更(増加または減少)することを意味する。このような変更は、本明細書に記載されているもの等、標準技術で公知の方法によって検出される。

0045

本明細書に提供される範囲は、範囲内の値の全ての省略表現であると理解される。例えば、1〜50の間の範囲は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49または50を含む、いずれかの数、数の組合せまたは部分的範囲を含むものと理解される。

0046

組換え宿主細胞」または「宿主細胞」とは、挿入に使用される方法、例えば、直接的取り込み、形質導入または組換え宿主細胞を作出するための当技術分野で公知の他の方法に関係なく、外因的ポリヌクレオチドを含む細胞を指す。外因的ポリヌクレオチドは、組み込まれていないベクター、例えば、プラスミドとして維持されてもよく、あるいは、宿主ゲノムに組み込まれてもよい。本明細書中で使用されるとき、用語「培地単数)」または「培地(複数)」は、細菌宿主細胞酵母宿主細胞昆虫宿主細胞、植物宿主細胞、真核生物宿主細胞、哺乳動物宿主細胞CHO細胞原核生物宿主細胞、E.coliまたはPseudomonas宿主細胞を含む、いずれかの宿主細胞、および細胞内容物を支持または含有し得る、いずれかの培養培地溶液固体半固体または固定された支持体を含む。よって、この用語は、増殖ステップ前後いずれかの培地を含む、宿主細胞を成長させた培地、例えば、TRAILが分泌された培地を包含することができる。この用語は、TRAILが細胞内に産生され、宿主細胞が溶解または破壊されて、TRAILを放出する場合等、宿主細胞ライセートを含有するバッファーまたは試薬を包含することもできる。

0047

「低減させる」とは、少なくとも10%、25%、50%、75%または100%の負の変更を意味する。

0048

本明細書中で使用されるとき、「薬剤を得ること」におけるような「得ること」は、薬剤を合成すること、購入すること、または他の方法で獲得することを含む。

0049

「被験体」とは、ウシウマイヌヒツジまたはネコ等、ヒトまたは非ヒト哺乳動物が挙げられるがこれらに限定されない、哺乳動物を意味する。

0050

用語「TRAIL」は、化学的手段によって連結されたか、または融合タンパク質として発現された、いずれか1個または複数のTRAILまたは他のいずれかのポリペプチド、タンパク質、炭水化物、ポリマー、小分子、リンカー、リガンドもしくはいずれかの種類の他の生物学的に活性な分子のTRAILヘテロ二量体ホモ二量体ヘテロ多量体またはホモ多量体と共に、例えば、特異的欠失または他の改変を含有するが依然として生物学的活性を維持するポリペプチドアナログも含む。

0051

本明細書中で使用されるとき、用語「処置する」、「処置すること」、「処置」などは、障害および/またはそれに伴う症状(例えば、線維症)を低減させるか、または軽減することを指す。障害または状態を処置することは、障害、状態またはそれに伴う症状が完全に排除されることを、除外はしないもののそれを要求しないことが認められ得る。

0052

本明細書中で使用されるとき、用語「予防する」、「予防すること」、「予防」、「予防的処置」などは、障害または状態がないが、障害または状態を発症するリスクがあるか、または発症しやすい被験体における、障害または状態を発症する確率を低減させることを指す。

0053

「基準」とは、標準またはコントロール状態を意味する。

0054

特に記述されていない限り、または文脈から明らかでなければ、本明細書中で使用されるとき、用語「または」は、包括的であると理解される。特に記述されていない限り、または文脈から明らかでなければ、本明細書中で使用されるとき、用語「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、単数形または複数形であると理解される。

0055

特に記述されていない限り、または文脈から明らかでなければ、本明細書中で使用されるとき、用語「約」は、当技術分野における正常な許容の範囲内、例えば、平均値の2標準偏差内として理解される。約は、記述された値の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%または0.01%以内として理解することができる。文脈からそれ以外のことが明らかでない限り、本明細書に提供されているあらゆる数値は、約という用語によって改変される。

0056

本明細書における変動物のいずれかの定義における化学基の表の列挙は、いずれか単一の基または列挙されている基の組合せとしての該変動物の定義を含む。本明細書における変動物または態様のための実施形態の列挙は、いずれか単一の実施形態としての、またはいずれか他の実施形態もしくはその部分と組み合わせた該実施形態を含む。

0057

本明細書に提供されているいずれかの組成物または方法は、本明細書に提供されている他の組成物および方法のいずれかの1種または複数と組み合わせることができる。

0058

本発明の他の特色および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から当業者には明らかである。

0059

本発明の他の特色および利点は、その好ましい実施形態に関する以下の説明、および特許請求の範囲から明らかである。他に規定がなければ、本明細書に使用されているあらゆる技術および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと同様または均等な方法および材料は、本発明の実施または検査において使用することができるが、適した方法および材料が下に記載されている。本明細書に引用されているあらゆる公開された外国特許および特許出願は、参照により本明細書に組み込む。本明細書に引用されている受託番号によって示されるGenbankおよびNCBI提出は、参照により本明細書に組み込む。本明細書に引用されているあらゆる他の公開された参考文献、文書原稿および科学文献は、参照により本明細書に組み込む。矛盾が生じる場合、定義を含む本明細書が優先することになる。加えて、材料、方法および例は単に説明的であり、限定を意図しない。

0060

II.組成物
TRAIL(腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド、遺伝子名TNFSF10)は、その同族デスレセプター(DR)、DR4(遺伝子名TNFRSF10A)およびDR5(遺伝子名TNFRSF10B)(Johnstone RWら、Nat Rev Cancer;8巻(1
0号):782〜798頁(2008年))を発現している細胞においてアポトーシスを誘導することができるデスリガンドである。正常細胞に対し明らかな毒性を示すことなく、DR+がん細胞においてDR媒介性アポトーシスを選択的に誘導するその特有能力のため、組換えTRAILおよびDRアゴニスティック抗体は、がん療法のために活発に研究されてきた。TRAILの臨床研究は、ヒトにおける幅広耐容性を明らかにしたが、腫瘍学における頑強な治療利益を実証することはできなかった(Lemke Jら、Cell Death Differ;21巻(9号):1350〜1364頁(2014年))。がん患者におい
て使用されたTRAILの期待外れの結果の原因となる主な因子は、1)その短い半減期(ヒトにおいて30分間未満)と、2)不均一な原発がんが一般にTRAIL抵抗性であることである。活性化された初代ヒト肝および星細胞(ただし、静止状態の星細胞は除く)は、アップレギュレートされたDR4およびDR5のため、TRAIL誘導性アポトーシスに対し高度に感受性になる(米国特許出願公開第US2016/0022776号)。活性化されたHSCおよびPSCは、肝臓および膵線維症の前駆体と考えられる。

0061

SScにおける線維症の根底にある病原性機構は、複雑であり、大部分は不明である。しかし、筋線維芽細胞(MFB)は明らかに、この障害の有意な起源物質の1種である(Ho YYら、Nat Rev Rheumatol;10巻(7号):390〜402頁(2014年)お
よびBhattacharyya Sら、Nat Rev Rheumatol;8巻(1号):42〜54頁(2012年))。慢性皮膚損傷または疾患において、常在性線維芽細胞は、活性化を起こして、活性線維症の最先端に蓄積する増殖性線維形成性および収縮性α−SMA+MFBへと変換される。MFBは、コラーゲンおよび他のECM構成成分ならびに複数の線維形成性構成成分を合成する能力が増加して、皮膚線維形成を編成および永続化する。本来、MFBは、皮膚線維症/SSc療法のための主要な上流標的である。したがって、正常細胞を温存しつつ、SScの前駆体、MFBを排除し得る高度に選択的な薬剤を設計することは、著明な抗線維症性効果を生じることができる。しかし、身体におけるMFBを選択的に標的化する頑強な方法の欠如は、この戦略を妨害する。正常細胞を無傷のままとしながら、SSc進行においてα−SMA+MFBを枯渇させる新たな戦略が必要とされる。

0062

全身性硬化症に罹患した皮膚線維症および内臓の線維症を軽減および/または予防する療法の必要がある。

0063

したがって、本発明の一目的は、オフターゲット毒性を伴わずに全身性硬化症を処置または予防するための組成物および方法を提供することである。

0064

本発明の別の目的は、正常細胞を無傷のままとしながら、全身性硬化症における線維芽細胞または線維形成促進性細胞活性化を低減させるまたは遮断するための組成物および方法を提供することである。

0065

本発明の別の目的は、正常細胞を無傷のままとしながら、全身性硬化症における筋線維芽細胞を低減させるまたは枯渇するための組成物および方法を提供することである。

0066

本開示は、少なくとも一部には、哺乳動物被験体における線維症性自己免疫疾患または障害(例えば、SSc)の処置および/または予防のための、ネイティブアゴニスト薬剤またはそのバリアントもしくは誘導体のいずれかとしての、治療および/または予防モダリティとしてのデスレセプター(DR)アゴニスト(例えば、TRAILおよびDRアゴニスティック抗体)の発見に基づく。本明細書に記載されている試験の主要な目標は、局所的およびびまん性SScを標的化するための、抗線維症および/または抗炎症剤としてのTNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)レセプターアゴニスト(TRA)(例えば、組換えTRAILバリアントおよび抗体)を同定しようとするものである。したがって、ある特定の実施形態において、本開示は、筋線維芽細胞(MFB)への鍵となる線維形成性細胞活性化を標的化および遮断するか、または鍵となる線維形成性細胞を根絶して、線維症を逆転させ、SScにおける炎症を消散させる、特有の作用機構について記載する。

0067

本明細書に開示されている研究は、デスレセプターアゴニストが、SScにおける活性化された線維芽細胞および筋線維芽細胞のTRAIL媒介性アポトーシスを誘導し得ることを示す。重要なことに、TRAILアナログおよびDR抗体を含むDRアゴニストは、注目すべき毒性を伴うことなく、線維芽細胞活性化を選択的に遮断し、α−SMA+MFBを枯渇させ、複数の線維形成性構成成分を同時にダウンレギュレートすることにより、相補的SScモデルにおける線維症および炎症を強く軽減する。

0068

本開示は、アップレギュレートされたDRによる、支配的な線維形成促進性細胞集団であるMFB活性化の遮断およびMFBの枯渇が、SScにおける進行型線維症の消散の誘導またはその進行の予防のいずれかを行うことを証明する。TGFβで活性化されたα−SMA+初代ヒト線維芽細胞は、DR媒介性アポトーシスによりTRAILおよびDRアゴニスティック抗体に対し自発的に感受性になる。ある特定の種類の初代がん細胞とは異なり、活性化されたMFBは、TRAILに対し抵抗性ではなかった。相補的な2種のSScマウスモデルにおいて、研究は、DR4およびDR5が、正常皮膚組織と比較して、線維症性皮膚組織におけるα−SMA+MFBにおいて高度にアップレギュレートされることを検証した。SSc動物モデルが、TRAILアナログおよびDR抗体の両方で処置された場合、DRアゴニストが、インビボでMFBを標的とし、オフターゲット毒性を伴わずに進行型線維症を明らかに軽減することが判明した。さらに、健康な被験体およびSSc患者由来皮膚生検における組織線維症を解析した。正常皮膚組織において、強いα−SMAおよびDR発現は観察されなかった。対照的に、SSc患者由来の線維症性皮膚組織において、より高レベルのDR4およびDR5ならびにα−SMAが検出された。本開示は、SScの新規処置のための新たな洞察および臨床論拠を提供する。

0069

SSc患者由来の初代ヒト組織およびSScの動物モデルを使用したところ、TRAILレセプターアナログ(TRA)は、SScに伴う線維症および広範な炎症性応答を逆転させた。前臨床データに基づき、全身的投与されたTRAILPEG、すなわち、ペグ組換えヒトホモ三量体TRAILおよび抗DR抗体は、インビボでアルファ平滑筋アクチン陽性(α−SMA+)筋線維芽細胞を標的として、SScにおける複数の線維形成性分子を同時に阻害した。齧歯類SScモデルにおいて、TRAILPEGおよび抗DR抗体は、健康なレベルに戻るよう、皮膚硬化および過剰なコラーゲン産生を低減させた。同様に、TRAILPEGおよび抗DR抗体は、SScの可能な症状である、特発性肺線維症における広範な線維症を低減させた。

0070

組織損傷において、炎症および自己抗体は、筋線維芽細胞へと線維芽細胞を活性化し、これは、線維症を誘導する。線維細胞、骨髄間葉系幹細胞および周皮細胞等、リクルートされた細胞も、線維症進行において筋線維芽細胞へと分化転換する。TRAILPEGおよび抗DR抗体は、筋線維芽細胞のみにおいて(正常細胞では行われない)、このような活性化を標的化および遮断し、TRAIL媒介性細胞死を誘導したと共に、筋線維芽細胞を活性化する炎症性応答を軽減したように見えた。結果として、線維形成性経路が停止され、健康な線維芽細胞が器官再生着した。理論に制約されることは望まないが、したがって、TRAILPEGおよび抗DR抗体を含むDRアゴニストは、筋線維芽細胞細胞集団を標的化したと考えられ、自己免疫、炎症および分化転換機構を含むあらゆる線維芽細胞活性化機構対処することにより、SScを逆転させるその能力を実証した。

0071

開示されている方法の追加的な特色は、本明細書の後述および他の箇所に記載されている。

0072

A.デスレセプターアゴニスト
本明細書に記載されているデスレセプターアゴニストは、TRAILおよびアゴニスティックデスレセプター抗体、ならびにこれらのアナログ、バリアント、フラグメントおよび誘導体を含む。

0073

1.TRAIL
腫瘍壊死因子(TNF)関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)は、TNFファミリーのメンバーであり、アポトーシスに関与する膜貫通タンパク質である。TRAILは、281アミノ酸からなるタンパク質であり、そのうち、細胞外ドメインは、115位のアルギニンから281位のグリシン、または95位のトレオニンから281位のグリシンのアミノ酸を含み、これは、アポトーシスに影響を与える。

0074

ヒトTRAILタンパク質配列は、REFSEQ受託番号NP_003801として利用することができ、これを下に示す(配列番号1):
MAMMEVQGGPSLGQTCVLIVIFTVLLQSLCVAVTYVYFTNELKQMQDKYSKSGIACFLKEDDSYWDPNDEESMNSPCWQVKWQLRQLVRKMILRTSEETISTVQEKQQNISPLVRERGPQRVAAHITGTRGRSNTLSSPNSKNEKALGRKINSWESSRSGHSFLSNLHLRNGELVIHEKGFYYIYSQTYFRFQEEIKENTKNDKQMVQYIYKYTSYPDPILLMKSARNSCWSKDAEYGLYSIYQGGIFELKENDRIFVSVTNEHLIDMDHEASFFGAFLVG

0075

3分子のTRAIL単量体は、構造的に改変された三量体を形成する。TRAIL三量体は、細胞死に関与するレセプターとアセンブルして、アポトーシスを誘導する。TRAILとTNFスーパーファミリーの他のメンバーとの間の主要な差は、正常組織において細胞死を誘導しないその能力である。TNFは、正常細胞に影響し、また、がん細胞および過剰活性化された免疫細胞の死を誘導するため、その適用性は限定されている。対照的に、TRAILは、広範囲のがん細胞および過剰活性化された免疫細胞においてアポトーシスを誘導し、正常細胞には影響がほとんどない。これは、細胞型間でのTRAILレセプターの差次的発現によるものである。

0076

TRAILは、そのレセプターとの相互作用によりアポトーシスを誘導する。現在、TRAILには、デスレセプター4(DR4)、デスレセプター5(DR5)、デコイレセプター1(DcR1)、デコイレセプター2(DcR2)およびオステオプロテジェリン(osteoprotegrin)(OPG)を含む、4種のヒトレセプターが同定されている。TRAILは、両者共に保存されたデスドメイン(DD)モチーフを含有する、DR4およびDR5への結合によるカスパーゼ依存性アポトーシスを介して死を誘導する。DcR1およびDcR2は、過剰発現されるとTRAIL誘導性アポトーシスを阻害するそれらの能力のためにデコイとして作用する。DcR1およびDcR2は、DR4およびDR5の細胞外ドメインに対し密接な相同性を有する。DcR2は、トランケートされた非機能的細胞質DDを有する一方、DcR1は、サイトゾル領域を欠き、糖リン脂質部分を介して原形質膜に繋留される。DcR2の細胞質ドメインは、機能的であり、細胞死シグナル伝達経路アンタゴナイズし、そして/または炎症を促進することが公知の遺伝子の転写をもたらすNF−κBを活性化する。DR4へのリガンド結合は、レセプター三量体形成およびその細胞内デスドメインのクラスター形成引き金を引き、細胞死誘導複合体(DISC)の形成をもたらす。DISCは、アダプター分子動員し、カスパーゼの結合および活性化を惹起して、アポトーシスを誘導する。TRAILレセプターを介したシグナル伝達の誘導または回復は、抗がん戦略である;TRAILは、自己抗原特異的T細胞を阻害することも示されており、自己免疫応答を抑制し得ることを示す。

0077

一部の正常細胞に対する毒性に加えて、TRAILは、インビボで短い半減期を有し、試験に使用した動物種によって異なる半減期を有する。例えば、TRAILは、齧歯類における数分間および類人猿における約30分間の半減期を有することが報告された(H. Xiangら、Drug Metabolism and Disposition 2004年、32巻、1230〜12
38頁)。特に、TRAILの大部分は、腎臓を経て急速に排泄される。

0078

a.TRAILアナログ
TRAILは、三量体としてそのレセプターと相互作用し得る。ゆえに、いくつかの実施形態において、本明細書中に開示される方法において使用されるリガンドまたはアゴニストは、多量体、好ましくは、三量体であるか、またはそれらを形成し得る。その三量体は、ホモ三量体またはヘテロ三量体であり得る。

0079

本明細書中に記載されるすべてのTRAILタンパク質が、天然のタンパク質または組換えタンパク質を単離するための標準的な技法を用いて作製され得、本明細書中に記載されるように化学的に改変され得る。

0080

TRAILコンジュゲートは、TRAILアナログまたはそのアゴニスティックTRAILレセプター結合フラグメントもしくはバリアントを含み得る。TRAILアナログは、当該分野で公知である。好ましい実施形態において、それらのアナログは、野生型もしくは内因性のTRAILと比べて、1つもしくはそれを超えるアゴニスティックTRAILレセプター(例えば、TRAIL−R1(DR4)および/またはTRAIL−R2(DR5))に対して高い親和性もしくは特異性、1つもしくはそれを超える拮抗性またはデコイTRAILレセプター(例えば、レセプターDcR1およびDcR2)に対して低い親和性もしくは特異性、またはそれらの組み合わせを有する。

0081

いくつかの実施形態において、上記アナログは、野生型TRAILのDR4選択的変異体である。DR−4選択的変異体は、当該分野で公知であり、例えば、Tur,J.Biological Chemistry,283(29):20560−8(2008)に開示されている。特定の実施形態において、そのアナログは、D218HもしくはD218Y置換を有する配列番号1のバリアント、またはその機能的フラグメント(例えば、細胞外ドメイン)である。

0082

いくつかの実施形態において、上記アナログは、野生型TRAILのDR5選択的変異体である。特定のDR−5選択的変異体は、D269H、D269H/E195RまたはD269H/T214Rを有する配列番号1のバリアントおよびその機能的フラグメント(例えば、細胞外ドメイン)を含む。そのようなバリアントは、van der Sloot,Proc.Nat.Acad.Sci.USA 103(23):8634−9(2006)に記載されている。

0083

b.TRAIL融合タンパク質
TRAILコンジュゲートは、TRAIL融合タンパク質であってよい。TRAIL融合ポリペプチドは、第1の融合パートナーを有し、その第1の融合パートナーは、(i)第2のポリペプチドに直接融合されているか、または(ii)第2のポリペプチドに融合されたリンカーペプチド配列に必要に応じて融合されている、TRAILタンパク質の細胞外ドメインの全部または一部を含む。それらの融合タンパク質は、必要に応じて、2つまたはそれを超える融合タンパク質を二量体化するかまたは多量体化するように機能するドメインを含む。そのペプチド/ポリペプチドリンカードメインは、別個のドメインであり得るか、あるいは融合タンパク質の他方のドメイン(TRAILポリペプチドまたは第2のポリペプチド)のうちの1つの内部に含められ得る。同様に、融合タンパク質を二量体化するかまたは多量体化するように機能するドメインは、別個のドメインであり得るか、あるいはその融合タンパク質の他方のドメイン(TRAILポリペプチド、第2のポリペプチドまたはペプチド/ポリペプチドリンカードメイン)のうちの1つの内部に含められ得る。1つの実施形態において、二量体化/多量体化ドメインおよびペプチド/ポリペプチドリンカードメインは、同じである。

0084

本明細書中に開示される融合タンパク質は、式I:N−R1−R2−R3−Cであり得、式中、「N」は、融合タンパク質のN末端を表し、「C」は、融合タンパク質のC末端を表し、「R1」は、TRAILポリペプチドであり、「R2」は、任意選択のペプチド/ポリペプチドリンカードメインであり、「R3」は、第2のポリペプチドである。あるいは、R3が、TRAILポリペプチドであってもよく、R1が、第2のポリペプチドであってもよい。

0085

融合タンパク質は、二量体化され得るかまたは多量体化され得る。二量体化または多量体化は、二量体化ドメインまたは多量体化ドメインを通じて2つまたはそれを超える融合タンパク質間またはそれらの中で生じ得る。あるいは、融合タンパク質の二量体化または多量体化は、化学的架橋によって生じ得る。形成される二量体または多量体は、ホモ二量体/ホモ多量体またはヘテロ二量体/ヘテロ多量体であり得る。

0086

第2のポリペプチドの存在は、TRAIL融合ポリペプチドの溶解度、安定性、親和性および/または結合価を変更し得る。本明細書中で使用されるとき、「結合価」とは、1分子あたりに利用可能な結合部位の数のことを指す。いくつかの実施形態において、第2のポリペプチドは、好ましくは、ヒト免疫グロブリンCγ1鎖のヒンジ、CH2およびCH3領域またはマウス免疫グロブリンCγ2a鎖のヒンジ、CH2およびCH3領域に対応するアミノ酸配列を有する、免疫グロブリン重鎖定常領域の1つまたはそれを超えるドメインを含む。特定の二量体の融合タンパク質において、その二量体は、二量体化した通常のIg重鎖においてジスルフィド連結される同じCys残基である、2本のIg重鎖のヒンジ領域におけるCys残基の共有結合によって生じる。

0087

特定の実施形態において、TRAIL融合タンパク質は、Gieffers,Molecular Cancer Therapeutics,12(12):273547(2013)に記載されているように、一本鎖TRAILレセプター結合ドメイン(scTRAIL−RBD)と呼ばれる1つのポリペプチド鎖において組み合わされた3つのTRAILプロトマー部分配列を含むTRAIL模倣物である。各々3つのレセプター結合部位を有する2つのいわゆるscTRAIL−RBDは、近接することにより、6価の結合モードで多量体の融合タンパク質をもたらし得る。いくつかの実施形態において、多量体化は、ヒト免疫グロブリンG1(IgG1)−ムテインFc部分のC末端にscTRAIL−RBDポリペプチドを融合することによって達成され、それにより、1薬物分子あたり6つのレセプター結合部位が作製される。

0088

主に二量体から構成される標的化されるscTRAIL(DbscTRAIL)に対して、scFvリンカーの改変に基づいてscFv−scTRAILの二量体化を強制することにより、いくつかの標的細胞型に対して、標的化されていないscTRAILの活性をおよそ100倍上回る。Db−scTRAILの活性の増加は、標的陰性細胞に対しても実証されたことから、標的化に加えて、標準的なTRAILの少なくとも二量体のアセンブリと等価なオリゴマー化が、それ自体アポトーシスシグナル伝達を増強することが示された。ゆえに、好ましい実施形態において、TRAIL融合タンパク質は、例えば、二量体、三量体または六量体の分子をもたらし得る多量体化ドメイン、例えば、二量体化ドメインもしくは三量体化ドメインまたはそれらの組み合わせを有する。

0089

三量体の形成を促進する別の融合タンパク質は、TRAILのレセプター結合フラグメントのアミノ末端三量体化ロイシンジッパードメインまたは三量体化イソロイシンジッパードメインが融合したものを含む。

0090

TRAIL融合タンパク質および機能性アッセイにおいてその融合タンパク質を使用した結果もまた、Wahl,Hepatology,57(2):625−36(2013)に記載されている。

0091

2.TRAILPEG:ペグ化TRAIL
a.ポリエチレングリコール
ポリエチレングリコール(PEG)は、直鎖型の場合、HO−(−CH2CH2O−)n−Hの構造を有するポリマーである。その高い親水性のため、PEGは、それに連結された場合の薬物タンパク質の溶解性の増加を可能にする。加えて、タンパク質に適切に連結されると、PEGは、酵素活性およびレセプター結合等、主要な生物学的機能を維持しつつ、改変されたタンパク質の分子量を増加させ;これにより、尿中排泄を低減させ、外因的抗原を認識する細胞および抗体からタンパク質を保護し、プロテアーゼによるタンパク質分解を減少させる。タンパク質に連結され得るPEGの分子量は、約1,000〜100,000の間に及ぶ。1,000よりも高い分子量を有するPEGは、非常に低い毒性を有することが公知である。1,000〜6,000の間の分子量を有するPEGは、全身に広く分布し、腎臓を経て代謝される。特に、40,000の分子量を有するPEGは、血液および肝臓を含む器官中に分布し、肝臓において代謝される。例示的なPEGまたはPEG誘導体としては、メトキシポリエチレングリコールスクシンイミジルプロピオネート、メトキシポリエチレングリコールスクシネートN−ヒドロキシスクシンイミド、メトキシポリエチレングリコールプロピオンアルデヒド、メトキシポリエチレングリコールマレイミドおよび多分枝ポリエチレングリコールが挙げられるがこれらに限定されない。

0092

これに関して、PEGは、参照により本明細書に組み込む国際公開番号WO2007/145457に記載されている通り、TRAILのN末端に選択的に結合された。その上、ペグ化は、TRAILの溶解性および安定性を著しく増加させた(例えば、ペグ化TRAILの安定性、半減期およびインビボ活性は、ネイティブ型のTRAILを有意に超えた)。また、ペグ化は、様々な製剤における長期貯蔵による、連結された薬物の薬物動態学的プロファイルを改善し、これにより、薬物投与頻度を低減させ、薬物の効果の持続した期間を可能にすることが見出された。

0093

非直鎖型のPEGまたはその誘導体を使用することもできる。例としては、二分枝、三分枝、多腕、二量体および三量体構造等、分枝状ポリマーが挙げられる。

0094

i.ポリアルキレンオキサイドおよびTRAIL
ポリアルキレンオキシドなどの親水性ポリマーまたはその共重合体(例えば、BASFが販売するPLURONIC(登録商標))の使用は、TRAILの薬物動態学的および薬力学的プロファイルを改善するために分子に共有結合的に結合され得る(Kimら、Bioconjugate Chem.,22(8),pp 1631−1637(2011))。研究から、PEGを用いて誘導体化されたTRAILアナログが、血漿中でのより高い代謝的安定性、延長された薬物動態学的プロファイルおよびより長い循環半減期も示しつつ、抗がん活性を維持することが示される(Chaeら、Molecular cancer therapeutics 9(6):1719−29(2010);Kimら、Bioconjugate chemistry,22(8):1631−7(2011);Kimら、Journal of pharmaceutical sciences 100(2):482−91(2011);Kimら、Journal of
controlled release:official journal of the Controlled Release Society 150(1):63−9(2011))。

0095

ゆえに、いくつかの実施形態において、TRAILドメインは、1つもしくはそれを超えるエチレングリコール(EG)単位、より好ましくは、2つもしくはそれを超えるEG単位(すなわち、ポリエチレングリコール(PEG))またはその誘導体を用いて誘導体化される。PEGの誘導体としては、メトキシポリエチレングリコールスクシンイミジルプロピオネート、メトキシポリエチレングリコールN−ヒドロキシスクシンイミド、メトキシポリエチレングリコールアルデヒド、メトキシポリエチレングリコールマレイミドおよび多分枝ポリエチレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。

0096

EGまたは誘導体単位の正確な数は、所望の活性、血漿安定性および薬物動態学的プロファイルに依存する。例えば、Kimら(上掲)は、TRAILの場合の1.1時間に対して、2、5、10、20および30K−PEG−TRAILが、マウスにおいてそれぞれ3.9、5.3、6.2、12.3および17.7時間というより長い循環半減期をもたらすことを報告した。いくつかの実施形態において、PEGの分子量は、約1〜100kDa、好ましくは、約1〜50kDaである。例えば、PEGは、「N」kDaという分子量を有し得、ここで、Nは、1〜100の任意の整数である。PEGは、「N」Daという分子量を有し得、ここで、Nは、1,000〜1,000,000の任意の整数である。特定の実施形態において、PEGの分子量は、「N」Daであり、ここで、「N」は、1,000〜50,000、またはより好ましくは、5,000〜50,000である。

0097

アポトーシス促進物質は、線状または分枝状のPEGにコンジュゲートされ得る。いくつかの研究から、分枝状PEGを用いて誘導体化されたタンパク質が、線状PEG−タンパク質と比べて延長されたインビボ循環半減期を有することが示され、これは、分枝状PEG−タンパク質のより大きな水力学的体積に部分的に起因すると考えられる。Feeら、Biotechnol Bioeng.,98(4):725−3(2007)。

0098

ペプチドリガンドは、当該分野で公知の方法を用いて、C末端または好ましくはN末端において誘導体化され得る。

0099

TRAIL−PEGコンジュゲートは、以下の式:
X−L−(PEG)n
によって表され得、式中、
Xは、TRAILタンパク質を表し、
Lは、リンカーを表し、
PEGは、分枝状ポリ(エチレングリコール)鎖を表し、
nは、2、3、4、5、6、7または8から選択される整数である。

0100

ある特定の実施形態において、nは、2である。

0101

ポリアルキレンオキシドは、リンカーによってタンパク質に結合される。そのリンカーは、ポリアルキレン(polyakylene)オキシドであり得、好ましくは、2つのポリアルキレンオキシドポリマーをタンパク質に接続する。

0102

特定の実施形態において、TRAILコンジュゲートは、ヒトTRAILのトランケート型、例えば、ヒトTRAILの完全長型(1−281)のアルギニン−114からグリシン−281までを含むTRAILドメイン、および1,000〜100,000ダルトン、好ましくは、5,000〜50,000ダルトンの分子量を有するPEGを含むPEGコンジュゲートである。

0103

N末端が改変されたPEG−TRAILコンジュゲートは、還元剤の存在下においてTRAILドメインのN末端のアミンをPEGのアルデヒド基と反応させることによって得ることができる。PEGおよびTRAILは、2〜10または好ましくは、5〜7.5というモル比(PEG/TRAIL)で反応され得る。

0104

好ましい実施形態において、TRAILコンジュゲートは、3つのTRAILコンジュゲートモノマーの間で三量体形成を可能にするジッパーアミノ酸モチーフ、例えば、イソロイシンジッパーモチーフを含む。

0105

PEG鎖は、好ましくは、等しい分子量であるが、必ずしもそうではない。各PEG鎖に対する例示的な分子量の範囲は、約10kDa〜60kDa、好ましくは、約20kDa〜40kDaである。PEG40は、40kDa:20+20kDa(各PEG鎖)の分子量を有する合成された分枝状PEG部分である。

0106

三量体PEG部分は、リンカーアームに結合された分枝状PEG鎖からなり得る。三量体PEG部分の視覚的な記載が、この直下に提供される。

0107

以下の三量体PEGを合成した:YPEG42、YPEG43.5、YPEG45、YPEG50およびYPEG60。
・YPEG42は、42kDa:(20+20kDa)(分枝状PEG)+2kDa(リンカーアーム)の分子量を有する三量体PEG部分である。
・YPEG43.5は、43.5kDa:(20+20kDa)(分枝状PEG)+3.5kDa(リンカーアーム)の分子量を有する三量体PEG部分である。
・YPEG45は、45kDa:(20+20kDa)(分枝状PEG)+5kDa(リンカーアーム)の分子量を有する三量体PEG部分である。
・YPEG50は、50kDa:(20+20kDa)(分枝状PEG)+10kDa(リンカーアーム)の分子量を有する三量体PEG部分である。
・YPEG60は、60kDa:(20+20kDa)(分枝状PEG)+20kDa(リンカーアーム)の分子量を有する三量体PEG部分である。

0108

ii.リンカー部分
上記タンパク質またはペプチドは、リンカーを介して分枝状PEG部分に共有結合的につなぎ合わされる。そのリンカーは、ポリマーであり、通常、少なくとも800オングストローム原子長を有する。代表的には、そのリンカーは、約800〜約2,000オングストローム、約800〜約1,500オングストローム、約800〜約1,000オングストロームまたは約900〜約1,000オングストロームの原子長を有する。上に列挙された原子距離は、完全に延長されたポリマーに対して言及していること、およびそのリンカーは、固体状態または溶液中にあるとき、分枝状PEGとタンパク質またはペプチドとの間の実際の距離が、上に列挙された原子長未満であるように折り畳まれ得るかまたは丸まり得ることが認識されるべきである。

0109

ある特定の実施形態において、リンカーは、約1kDa〜30kDa、好ましくは、約2kDa〜20kDaの分子量を有するポリ(エチレングリコール)誘導体である。リンカーは、少なくとも80単位の長さの天然または非天然のアミノ酸であってもよい。

0110

リンカーに対するPEG代替物には、合成または天然の水溶性生体適合性ポリマー、例えば、ポリエチレンオキシドポリビニルアルコールポリアクリルアミド、タンパク質、例えば、ヒアルロン酸およびコンドロイチン硫酸セルロース、例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールならびにポリヒドロキシアルキルメタアクリレートが含まれる。

0111

タンパク質およびペプチドは、従来の化学反応を用いてリンカーに共有結合的に結合され得る。N末端またはリジン残基に見られるような第1級アミン基は、還元条件下においてアルデヒドおよびそれらの等価物と反応して、アミンを生じる(Molineux,Current pharmaceutical design,10(11):1235−1244(2004))。システイン残基に見られるようなメルカプト(−SH)基は、アクリル酸誘導体およびメタクリル酸誘導体ならびにマレイミドを含む種々のMichaelアクセプターとコンジュゲート付加を起こし得る(Gongら、British Journal of Pharmacology,163(2):399−412(2011))。ペプチドおよびタンパク質に見られる他の好適な求核基としては、ジスルフィド結合(Brocchiniら、Nature protocols,1:2241−2252(2006))およびヒスチジン残基(Congら、Bioconjugate
Chemistry,23(2):248−263(2012))が挙げられる。

0112

リンカーは、従来の化学反応を用いてタンパク質またはペプチドに共有結合的につなぎ合わされ得る。例えば、リンカーポリマーは、一方の末端において、求電子基、例えば、アルデヒド、エポキシドハロゲン塩素臭化物ヨウ素)、スルホネートエステルトシレートメシレート)、Michaelアクセプターまたは活性化されたカルボキシレートを用いて誘導体化され得、次いで、そのタンパク質またはペプチドにおける求核性のアミンまたはチオール基と反応し得る。好適なMichaelアクセプターとしては、アクリル(acylic)酸誘導体およびメタクリル酸誘導体、例えば、アクリルアミドメタクリルアミド、アクリレートおよびメタクリレート、ならびにマレイミドが挙げられる。好適な活性化されたカルボキシレートとしては、ニトロフェニルカーボネートおよびNHS(N−ヒドロキシスクシネート)エステルが挙げられる。他の実施形態において、アルギニン残基を含むペプチドおよびタンパク質は、反応性1,3ジケトン官能基を含むリンカーを用いて共有結合的につなぎ合わされ得る。

0113

上記コンジュゲートは、まず、リンカーをペプチドまたはタンパク質につなぎ合わせた後、そのリンカーを分枝状ポリ(エチレングリコール)につなぎ合わせるか、またはまず、リンカーを分枝状ポリ(エチレングリコール)につなぎ合わせた後、そのリンカーをペプチドまたはタンパク質につなぎ合わせることによって、調製され得る。結合形成の最適な順序は、関与する具体的な化学変換によって決定される。

0114

c.高分子
他の実施形態において、TRAILは、生体高分子またはポリペプチドを用いて、報告されている方法によって;例えば、以下に限定されないが、化学的にコンジュゲートしたヒアルロン酸(Yangら、Biomaterials 32(33);8722−8729(2011)、デポー形成ポリペプチド(Amiramら、Proc Natl Acad Sci USA,110(8);2792−2792(2013)、米国出願公開番号US2013−0178416A1)および延長された組換えポリペプチドに連結されたTRAIL(米国出願公開番号US2010−0239554A1)を用いて、延長された半減期を有する長時間作用型TRAILとして誘導体化され得る。

0115

d.複合体
TRAILドメインは、負に帯電した部分と複合体化され得る。いくつかの実施形態において、負に帯電した部分は、長時間送達、持続送達または徐放送達のためにリガンドまたはアゴニストをナノ粒子充填するのを容易にし得る。いくつかの実施形態において、負に帯電した部分自体が、リガンドまたはアゴニストの長時間送達、持続送達または徐放送達を媒介する。好ましくは、負に帯電した部分は、リガンドまたはアゴニストが、アポトーシスを誘導するかまたは増強する能力を実質的に減少させない。

0116

正に帯電したTRAILと負に帯電したコンドロイチン硫酸(CS)との間の複合体(CS/TRAIL)の形成が開発され、それは、TRAILの活性を損なわずに、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)ミクロスフェア(MS)におけるTRAILの充填を容易にすると示された(Kimら、Journal of Pharmacy and Pharmacology,65(1):11−21(2013)。およそ200nmのナノ複合体が、pH5.0において、2TRAIL対CS(TC2)という重量比で形成された。その複合体は、天然のTRAILの充填効率よりも、マルチエマルジョン法によって調製されたPLGA MSにおいて>95%高い充填効率を有した。ゆえに、いくつかの実施形態において、リガンドまたはアゴニスト、特に、TRAILペプチド、ならびにそのバリアント、機能的フラグメントおよび融合タンパク質、またはそれらのコンジュゲート、例えば、PEGコンジュゲートは、コンドロイチン硫酸と複合体化され、必要に応じて、微粒子またはナノ粒子、例えば、PLGAベース粒子に充填される。

0117

他の実施形態において、リガンドまたはアゴニスト、特に、TRAILペプチド、ならびにそのバリアント、機能的フラグメントおよび融合タンパク質、またはそれらのコンジュゲート、例えば、PEGコンジュゲートは、ヒアルロン酸(HA)と複合体化される。正に帯電したPEG−TRAILと負に帯電したHAとを混合することによって調製されたPEG−TRAILおよびHAのナノ複合体は、PEG−TRAILと比べて、無視できる生物活性損失を伴って、インビボにおいて持続送達を有することが示された(Kimら、Biomaterials,31(34):9057−64(2010))。送達は、1%HAを含む溶液中の上記ナノ粒子を投与することによって、さらに増強された。

0118

B.抗体組成物および製造方法
精製されたTRAILレセプターポリペプチド、フラグメント、融合物または抗原もしくはそのエピトープは、TRAILレセプターに特異的に結合する抗体を調製するために使用され得る。抗体は、当該分野で公知の任意の好適な方法を用いて調製され得る。その後、それらの抗体は、当該分野で公知の方法を用いて機能活性(例えば、アゴニスト活性またはアンタゴニスト活性)についてスクリーニングされ得る。例示的なアゴニスティック抗体は、デスレセプターDR4およびDR5に対する抗体を含む。

0119

1.デスレセプターアゴニスティック抗体
本開示のある特定の態様は、デスレセプターに対して作製されたアゴニスティック抗体を含む(その抗体フラグメントもしくはバリアントを含むか、あるいは代替え的にその抗体フラグメントもしくはバリアントである)(例えば、TRAIL抗体)。抗体は、当業者に公知の方法を使用して作製および精製することができる。例えば、抗体は、動物(例えば、マウス、ラットウサギヤギロバ、ウマ、アヒルまたはニワトリ)の血清から親和性精製することができる。種々の利用できるDR抗体のDR4およびDR5抗体は、線維症性自己免疫疾患(例えば、全身性硬化症)の処置に使用することもできる。例示的なDRアゴニストは、レクサツムマブ、ティガツズマブ、コナツムマブ(Conatumumab)
、ドロジツマブ、マパツムマブ、HGSTR2J/KMTRSおよびLBY−135を含む。いくつかの実施形態において、DR抗体は、多価薬剤、例えば、TAS266である。

0120

本開示の抗体は、特定の標的抗原への特異的結合の付与に十分な正準免疫グロブリン配列エレメントを含むポリペプチドを指すことができる。当技術分野で公知の通り、自然に産生されるインタクト抗体は、「Y字型」構造と一般的に称されるものになるよう互いに会合した2個の同一重鎖ポリペプチド(それぞれ約50kD)および2個の同一軽鎖ポリペプチド(それぞれ約25kD)からなる、およそ150kDの四量体薬剤である。各重鎖は、少なくとも4個のドメイン(それぞれ約110アミノ酸長)、つまりアミノ末端可変(VH)ドメイン(Y構造の先端に位置)と、続く3個の定常ドメイン:CH1、CH2およびカルボキシ末端CH3(Yのステムの基部に位置)を含む。「スイッチ」として公知の短い領域は、重鎖可変と定常領域とを接続する。「ヒンジ」は、CH2およびCH3ドメインを、抗体の残りに接続する。このヒンジ領域における2個のジスルフィド結合は、インタクト抗体において2個の重鎖ポリペプチドを互いに接続する。各軽鎖は、2個のドメイン、つまりアミノ末端可変(VL)ドメインと、続くカルボキシ末端定常(CL)ドメインを含み、これらは別の「スイッチ」によって互いに隔てられている。インタクト抗体四量体は、2個の重鎖−軽鎖二量体で構成されており、この二量体において、重鎖および軽鎖は、単一のジスルフィド結合によって互いに連結され;二量体が互いに接続され、四量体が形成されるように、2個の他のジスルフィド結合は、重鎖ヒンジ領域を互いに接続する。天然に産生された抗体は、また、典型的には、CH2ドメインがグリコシル化されている。天然抗体における各ドメインは、圧縮された逆平行ベータバレルにおいて互いに対して充填された2個のベータシート(例えば、3、4または5鎖シート)から形成された「免疫グロブリンフォールド」によって特徴付けられる構造を有する。各可変ドメインは、「相補性決定領域」として公知の3個の高頻度可変ループCDR1、CDR2およびCDR3)および4個の幾分不変な「フレームワーク」領域(FR1、FR2、FR3およびFR4)を含有する。天然抗体がフォールドすると、FR領域は、ドメインに構造的フレームワークをもたらすベータシートを形成し、Y構造の先端に位置する単一の高頻度可変抗原結合部位を生じることができるように、重鎖および軽鎖の両方に由来するCDRループ領域が三次元空間で一体になる。天然起源の抗体のFc領域は、補体系のエレメントに、また、例えば、細胞傷害性を媒介するエフェクター細胞を含むエフェクター細胞におけるレセプターに結合する。当技術分野で公知の通り、Fcレセプターに対するFc領域の親和性および/または他の結合特質は、グリコシル化または他の改変により調節することができる。

0121

いくつかの実施形態において、抗体は、ポリクローナルである;いくつかの実施形態において、抗体は、モノクローナルである。いくつかの実施形態において、抗体は、マウス、ウサギ、霊長類またはヒト抗体に特徴的な定常領域配列を有する。いくつかの実施形態において、当技術分野で公知の通り、抗体配列エレメントは、完全にヒトであるか、またはヒト化、霊長類化(primatized)、キメラ等である。さらに、用語「抗体」は、本明細書中で使用されるとき、適切な実施形態において(他に記述されていなければ、または文脈から明らかでなければ)、代替提示における抗体の構造的および機能的特色を利用するための、当技術分野で公知のまたは開発された構築物またはフォーマットのいずれかを指すことができる。

0122

抗体は、細胞培養物ファージまたは様々な動物において生成され得る。1つの実施形態において、抗体は、哺乳動物の抗体である。最初の抗体を単離するため、または特異性もしくはアビディティー特性が変更されたバリアントを生成するために、ファージ法を用いることができる。そのような技法は、日常的なものであり、当該分野で周知である。1つの実施形態において、抗体は、当該分野で公知の組換え手段によって作製される。例えば、組換え抗体は、その抗体をコードするDNA配列を含むベクターで宿主細胞をトランスフェクトすることによって産生され得る。宿主細胞において少なくとも1つのVL領域および1つのVH領域を発現するDNA配列をトランスフェクトするために、1つまたはそれを超えるベクターが使用され得る。抗体の生成および産生の組換え手段に関する例示的な説明としては、Delves,Antibody Production:Essential Techniques(Wiley,1997);Shephardら、Monoclonal Antibodies(Oxford University Press,2000);Goding,Monoclonal Antibodies:Principles And Practice(Academic Press,1993);Current Protocols In Immunology(John Wiley & Sons,最新版)が挙げられる。

0123

開示される抗体は、所望の機能を媒介する際の抗体のより高い有効性を高める組換え手段によって改変され得る。抗体は、組換え手段を用いて、置換によって改変され得る。通常、置換は、保存的置換であり得る。例えば、抗体の定常領域における少なくとも1つのアミノ酸が、異なる残基で置き換えられ得る。例えば、米国特許第5,624,821号、米国特許第6,194,551号、WO9958572;およびAngalら、Mol.Immunol.30:105−08(1993)を参照のこと。アミノ酸の改変には、アミノ酸の欠失、付加および置換が含まれる。場合によっては、そのような変更は、望まれない活性、例えば、補体依存性細胞傷害を減少させるために行われる。しばしば、抗体は、検出可能なシグナルを提供する物質を共有結合的または非共有結合的につなぎ合わせることによって標識される。多種多様の標識およびコンジュゲートの技法が知られており、科学文献と特許文献の両方において広く報告されている。これらの抗体は、TRAILレセプターへの結合についてスクリーニングされ得る。例えば、Antibody Engineering:A Practical Approach(Oxford University Press,1996)を参照のこと。

0124

所望の生物学的活性を有する好適な抗体は、増殖、遊走接着軟寒天成長、血管新生、細胞間コミュニケーション、アポトーシス、輸送、シグナル伝達を含むがこれらに限定されないインビトロアッセイ、および腫瘍成長の阻害などの以下のインビボアッセイによって同定され得る。

0125

開示される組成物および方法において使用され得る抗体には、任意のクラスの免疫グロブリン全体(すなわち、インタクトな抗体)、そのフラグメント、および少なくとも抗体の抗原結合可変ドメインを含む合成タンパク質が含まれる。それらの可変ドメインは、抗体の間で配列が異なり、特定の抗原に対する特定の各抗体の結合および特異性において用いられる。しかしながら、可変性は、通常、抗体の可変ドメインに均等に分布していない。可変性は、通常、軽鎖可変ドメイン重鎖可変ドメインの両方における相補性決定領域(CDR)または超可変領域と呼ばれる3つのセグメントに集中している。可変ドメインのより高度に保存された部分は、フレームワーク(FR)と呼ばれる。天然の重鎖および軽鎖の可変ドメインは各々、大部分がベータシート配置をとる4つのFR領域を含み、それらのFR領域は、3つのCDRによって接続されており、それらのCDRは、そのベータシート構造を接続している、場合によってはそのベータシート構造の一部を形成している、ループを形成している。各鎖におけるCDRは、FR領域によって近接して共に保持され、他の鎖のCDRとともに、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する。

0126

生物活性を有する抗体のフラグメントも開示される。それらのフラグメントは、そのフラグメントの活性が、改変されていない抗体または抗体フラグメントと比べて有意に変更されないかまたは損なわれないことを条件に、他の配列に結合しているかまたはしていないかに関係なく、特定の領域または特異的アミノ酸残基の挿入、欠失、置換または他の選択された改変を含む。

0127

本開示の抗原性タンパク質に特異的な一本鎖抗体の産生のためにも技法が適合され得る。一本鎖抗体を産生するための方法は、当業者に周知である。一本鎖抗体は、短いペプチドリンカーを用いて重鎖および軽鎖の可変ドメインを共に融合することによって、作製され得、それにより、単一分子上に抗原結合部位が再構成される。一方の可変ドメインのC末端が、15〜25アミノ酸のペプチドまたはリンカーを介して他方の可変ドメインのN末端に繋ぎ止められている一本鎖抗体可変フラグメント(scFv)が、抗原結合性または結合の特異性を有意に乱すことなく、開発された。そのリンカーは、重鎖および軽鎖が、適切な立体構造的配向で互いに結合することを可能にするように選択される。

0128

二価の一本鎖可変フラグメント(ジscFv)は、2つのscFvを連結することによって操作され得る。これは、2つのVH領域および2つのVL領域を有する単一のペプチド鎖を産生して、タンデム型のscFvを得ることによって、行うことができる。ScFvは、それらの2つの可変領域が一緒に折り畳まれるには短すぎてscFvが二量体化せざるを得ないリンカーペプチド(約5アミノ酸)を有するようにもデザインされ得る。このタイプは、ダイアボディとして知られている。ダイアボディは、対応するscFvよりも最大40倍低い解離定数を有すると示されており、これは、それらのダイアボディがそれらの標的に対してかなり高い親和性を有することを意味する。さらにより短いリンカー(1または2アミノ酸)は、三量体(トリアディ(triabody)またはトリボディ(tribody))の形成をもたらす。テトラボディ(Tetrabody)も産生された。それらは、それらの標的に対して、ダイアボディよりもさらに高い親和性を示す。

0129

モノクローナル抗体は、実質的に均一な抗体集団から得られ、すなわち、その集団内の個々の抗体は、それらの抗体分子の小サブセットに存在し得る天然に存在する可能性のある変異を除いては、同一である。モノクローナル抗体には、その抗体が所望のアンタゴニスト活性を示す限り、重鎖および/または軽鎖の一部が特定の種に由来する抗体または特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一または相同である一方で、その鎖(複数可)の残りの部分が別の種に由来する抗体または別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一または相同である「キメラ」抗体ならびにそのような抗体のフラグメントが含まれる。

0130

モノクローナル抗体は、モノクローナル抗体を産生する任意の手順を用いて作製され得る。ハイブリドーマ法では、マウスまたは他の適切な宿主動物が、通常、免疫剤に特異的に結合する抗体を産生するかまたは産生することができるリンパ球を誘導する免疫剤で免疫される。あるいは、リンパ球が、インビトロにおいて免疫され得る。

0131

抗体は、組換えDNA法によっても作製され得る。開示される抗体をコードするDNAは、従来の手順を用いて(例えば、マウス抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを用いることによって)、容易に単離され得、配列決定され得る。抗体または活性な抗体フラグメントのライブラリーもまた、作製され得、ファージディスプレイ法を用いてスクリーニングされ得る。

0132

2.ヒト抗体およびヒト化抗体
多くの非ヒト抗体(例えば、マウス、ラットまたはウサギに由来する抗体)は、ヒトにおいて天然に抗原性であり、ゆえに、ヒトに投与されたとき、望ましくない免疫応答を生じ得る。ゆえに、上記方法におけるヒト抗体またはヒト化抗体の使用は、ヒトに投与された抗体が望ましくない免疫応答を惹起する機会を低下させるのに役立つ。

0133

免疫されたとき内因性の免疫グロブリン産生の非存在下においてヒト抗体の完全なレパートリーを産生することができるトランスジェニック動物(例えば、マウス)を使用することができる。例えば、キメラマウスおよび生殖細胞系列変異体マウスにおける抗体重鎖連結領域(J(H))遺伝子のホモ接合性の欠失は、内因性の抗体産生の完全な阻害をもたらすと記載されている。そのような生殖細胞系列変異体マウスにヒト生殖細胞系列免疫グロブリン遺伝子アレイを移すと、抗原チャレンジにおいてヒト抗体が産生される。必要に応じて、抗体は、他の種において生成され、ヒトにおける投与のために「ヒト化」される。非ヒト(例えば、マウス)抗体のヒト化型は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含む、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖またはそれらのフラグメント(例えば、Fv、Fab、Fab’、F(ab’)2または抗体の他の抗原結合部分配列)である。ヒト化抗体には、レシピエント抗体の相補性決定領域(CDR)からの残基が、所望の特異性、親和性および能力を有する非ヒト種(ドナー抗体)、例えば、マウス、ラットまたはウサギのCDRからの残基によって置き換えられたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)が含まれる。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基が、対応する非ヒト残基によって置き換えられる。ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも、移入されるCDR配列またはフレームワーク配列にも見られない残基も含み得る。一般に、ヒト化抗体は、CDR領域のすべてまたは実質的にすべてが、非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に対応し、FR領域のすべてまたは実質的にすべてが、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のFR領域である、少なくとも1つの可変ドメイン、および代表的には2つの可変ドメインの実質的にすべてを含む。ヒト化抗体は、最適には、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部、代表的には、ヒト免疫グロブリンの免疫グロブリン定常領域も含む。

0134

非ヒト抗体をヒト化するための方法は、当該分野で周知である。一般に、ヒト化抗体は、非ヒトである供給源からそのヒト化抗体に導入された1つまたはそれを超えるアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は、「移入」残基と称されることが多く、それらは、代表的には「移入」可変ドメインから選び取られる。抗体のヒト化の技法は、一般に、抗体分子の1つまたはそれを超えるポリペプチド鎖をコードするDNA配列を操作する組換えDNA技術の使用を含む。ヒト化は、本質的には、げっ歯類のCDRまたはCDR配列を、ヒト抗体の対応する配列の代わりに用いることによって行うことができる。したがって、非ヒト抗体(またはそのフラグメント)のヒト化型は、キメラ抗体またはフラグメントであり、ここで、実質的にインタクト未満のヒト可変ドメインが、非ヒト種由来の対応する配列によって置換されている。実際には、ヒト化抗体は、通常、いくつかのCDR残基およびおそらくいくつかのFR残基がげっ歯類抗体における類似の部位からの残基によって置換されているヒト抗体である。

0135

ヒト化抗体を作製する際に使用される軽鎖と重鎖の両方のヒト可変ドメインの選択は、抗原性を低下させるために非常に重要である。「ベストフィット」法によると、げっ歯類抗体の可変ドメインの配列は、公知のヒト可変ドメイン配列のライブラリー全体に対してスクリーニングされる。次いで、げっ歯類の配列に最も近いヒト配列が、ヒト化抗体に対するヒトフレームワーク(FR)として受け入れられる。別の方法は、軽鎖または重鎖の特定のサブグループのすべてのヒト抗体のコンセンサス配列に由来する特定のフレームワークを用いる。同じフレームワークを、いくつかの異なるヒト化抗体に対して用いてもよい。

0136

抗原に対する高親和性および他の好ましい生物学的特徴を保持する抗体がヒト化されることがさらに重要である。この目標を達成するために、ヒト化抗体は、好ましくは、親配列およびヒト化配列の3次元モデルを用いて親配列および様々な概念的なヒト化産物の解析プロセスによって調製される。3次元免グロブリンモデルは、一般に利用可能であり、当業者によく知られている。選択された候補免疫グロブリン配列の有望な3次元立体配座構造を図示し、表示するコンピュータプログラムが利用可能である。これらの表示を調べることにより、候補免疫グロブリン配列が機能する際のそれらの残基の見込みのある役割の解析、すなわち、候補免疫グロブリンがその抗原に結合する能力に影響する残基の解析が可能になる。このようにして、FR残基が、選択され得、コンセンサス移入配列から組み合わされ得、所望の抗体特性(例えば、標的抗原(複数可)に対する親和性の増加)が達成される。一般に、CDR残基は、抗原結合への影響に直接かつ最も実質的に関与する。

0137

3.一本鎖抗体
一本鎖抗体を産生するための方法は、当業者に周知である。一本鎖抗体は、短いペプチドリンカーを用いて重鎖および軽鎖の可変ドメインを共に融合することによって作製され、それにより、単一分子上に抗原結合部位が再構成される。一方の可変ドメインのC末端が、15〜25アミノ酸のペプチドまたはリンカーを介して他方の可変ドメインのN末端に繋ぎ止められている一本鎖抗体可変フラグメント(scFv)が、抗原結合性または結合の特異性を有意に乱すことなく、開発された。そのリンカーは、重鎖および軽鎖が、適切な立体構造的配向で互いに結合することを可能にするように選択される。これらのFvは、天然の抗体の重鎖および軽鎖に存在する定常領域(Fc)を欠く。

0138

4.一価抗体
インビトロ法も、一価抗体を調製するために適している。抗体のフラグメント、特に、Fabフラグメントを産生する抗体の消化は、当該分野で公知の日常的な技法を用いて達成され得る。例えば、消化は、パパインを用いて行うことができる。抗体のパパイン消化は、通常、Fabフラグメントと呼ばれる2つの同一の抗原結合フラグメント(その各々が単一の抗原結合部位を有する)および残りのFcフラグメントを産生する。ペプシン処理は、2つの抗原結合部位を有し、なおも抗原を架橋することができるF(ab’)2フラグメントと呼ばれるフラグメントをもたらす。

0139

抗体消化において生成されるFabフラグメントは、軽鎖の定常ドメインおよび重鎖の第1の定常ドメインも含む。Fab’フラグメントは、抗体ヒンジ領域由来の1つまたはそれを超えるシステインを含む重鎖ドメインのカルボキシ末端にいくつかの残基が付加されていることによって、Fabフラグメントとは異なる。F(ab’)2フラグメントは、ヒンジ領域におけるジスルフィド架橋によって連結された2つのFab’フラグメントを含む二価のフラグメントである。Fab’−SHは、定常ドメインのシステイン残基(複数可)が遊離チオール基を有するFab’に対する本明細書中での呼称である。抗体フラグメントは、元来、Fab’フラグメントの間にヒンジシステインを有するFab’フラグメントの対として産生された。抗体フラグメントの他の化学的結合物(chemical coupling)も知られている。

0140

5.ハイブリッド抗体
抗体は、ハイブリッド抗体であってよい。ハイブリッド抗体では、一方の重鎖と軽鎖との対が、1つのエピトープに対して生じた抗体に見られるものと相同であり、他方の重鎖と軽鎖との対が、別のエピトープに対して生じた抗体に見られる対に相同である。これにより、多官能性の結合価の特徴がもたらされ、すなわち、二価の抗体が、少なくとも2つの異なるエピトープに同時に結合する能力を有する。そのようなハイブリッドは、それぞれの成分の抗体を産生するハイブリドーマの融合、または組換え法によって形成され得る。そのようなハイブリッドは、当然のことながら、キメラ鎖を用いても形成され得る。

0141

6.タンパク質化学を用いて抗体を作製する方法
抗体を含むタンパク質を生成する方法の1つは、2つまたはそれを超えるペプチドまたはポリペプチドを、タンパク質化学の技法によって互いに連結することである。例えば、ペプチドまたはポリペプチドが、Fmoc(9フルオレニルメチルオキシカルボニル)またはBoc(tert−ブチルオキシカルボノイル)化学を用いる現在利用可能な実験装置(Applied Biosystems,Inc.,FosterCity,CA)を使用して化学的に合成され得る。抗体に対応するペプチドまたはポリペプチドが、例えば、標準的な化学反応によって合成され得ることを当業者は容易に認識できる。例えば、あるペプチドまたはポリペプチドが、合成されて、その合成樹脂から切断され得ないのに対して、抗体の他のフラグメントが、合成された後、その樹脂から切断され得、それにより、その他方のフラグメント上の機能的にブロックされた末端基露出される。これらの2つのフラグメントは、ペプチド縮合反応によって、それぞれそれらのカルボキシル末端およびアミノ末端においてペプチド結合を介して共有結合的につなぎ合わされることにより、抗体またはそのフラグメントが形成され得る。あるいは、ペプチドまたはポリペプチドは、上に記載されたようにインビボにおいて独立して合成される。いったん単離されると、これらの独立したペプチドまたはポリペプチドは、同様のペプチド縮合反応を介して、連結されて、抗体またはその抗原結合フラグメントを形成し得る。

0142

例えば、クローン化されたまたは合成のペプチドセグメント酵素ライゲーションによって、比較的短いペプチドフラグメントをつなぎ合わせることが可能になり、それにより、より大きなペプチドフラグメント、ポリペプチドまたはタンパク質全体のドメインが生成される。あるいは、合成ペプチドの天然の化学的ライゲーションを用いることにより、より短いペプチドフラグメントから大きなペプチドまたはポリペプチドを合成的に構築することができる。この方法は、2工程の化学反応からなる。第1の工程は、保護されていない合成ペプチド−アルファチオエステルと、アミノ末端のCys残基を含む別の保護されていないペプチドセグメントとの化学選択的反応であり、それにより、最初の共有結合性産物(covalent product)として、チオエステル連結型中間体がもたらされる。
反応条件の変更無しで、この中間体は、自発的で迅速な分子内反応を起こして、ライゲーション部位に天然のペプチド結合を形成する。

0143

III.使用方法
本明細書に開示されているデスレセプターアゴニストは、全身性硬化症等、自己免疫性線維症を有する被験体を処置するために、単独で、または医薬組成物もしくは製剤中の活性剤として使用することができる。

0144

A.強皮症(全身性硬化症、SSc)
強皮症は、結合組織の硬化により身体に罹患する、自己免疫、リウマチおよび慢性疾患である。結合組織は、多くの種類のタンパク質(例えば、コラーゲン)でできており、広汎に存在する。SScは、皮膚および内臓の線維症を引き起こし、これは、SScの致死的構成成分である。線維症は、器官または組織における結合組織構成成分の過剰な蓄積によって特徴付けられる病理過程である。線維症は、慢性組織傷害または慢性炎症に応答した、調節解除された創傷治癒(例えば、過剰コラーゲン産生)によって産生される。過剰なコラーゲンは、器官が正常に機能するのを妨げる(JHU Scleroderma Center:www.hopkinsscleroderma.org)。組織アーキテクチャを歪め、進行性器官機能喪失をもたらす進行性線維症は、SSc(最も致死的なリウマチ性疾患の1つ)を有する個体における罹患率および死亡率の主原因の1つとして認識されている。活性化されたアルファ平滑筋アクチン(α−SMA)筋線維芽細胞は、線維症において細胞外マトリックス瘢痕を産生する細胞である(Hoら、Nat Rev Rheumatol 10巻、390〜402頁(2014年))。α−SMA+細胞は、筋線維
胞形成のバイオマーカーとして使用されることが多く、強皮症の有意な起源物質である。

0145

SScは、希少疾患であり、米国において500,000名未満が、現在診断されている。患者のおよそ80%が女性であり、診断の平均年齢は、40代(35〜50の間)である。死は、殆どの場合、肺、心臓および腎臓の合併症に起因するが、生存は、腎臓不全のための有効処置により大幅に改善した。肺線維症は、診断から10年間以内の死亡率が50%である、最も一般的な死因である。

0146

SScの初期症状は、手指の変化を含み、それによると、手指は、低温に対し非常に感受性が高くなり、低温または情動ストレスに伴い色を変化させる場合があり(例えば、レイノー現象)、堅く腫脹するようになる場合がある。手指の変色は、血管の攣縮および狭窄に起因する。これは、血管を狭窄させた過剰コラーゲン、ならびに低温および情動ストレスに対する皮膚血管の過剰反応のため起こる。低温感受性および変色は、レイノー現象と呼ばれる。レイノー現象は、共通状態である。レイノー現象を呈する者の多くは、強皮症を発症しないであろう。2種類のレイノー現象が存在する:原発性(レイノー現象があり、かつ強皮症ではないと診断された被験体)および続発性(レイノー現象および強皮症の両方と診断された被験体)。

0147

線維症は、内臓に罹患する場合もあり、罹患した器官の機能障害または不全を生じ得る。最も一般的に罹患する器官は、食道、心臓、肺および腎臓である。内臓合併症は、胸やけ嚥下困難嚥下障害)、高血圧高血圧症)、腎障害息切れ下痢、または消化管を通して食物を移動させる筋収縮の機能障害によって示唆される場合がある。

0148

全身性強皮症の特色を有する者のおよそ15パーセント〜25パーセントは、多発性筋炎皮膚筋炎関節リウマチシェーグレン症候群または全身性エリテマトーデス等、結合組織に罹患する別の状態の兆候および症状も有する。全身性強皮症と他の結合組織異常との組合せは、強皮症重複症候群として公知である。

0149

1.強皮症の種類
a.限局性強皮症(CREST症候群)
限局性強皮症は、より軽度形態のSScとして特徴付けられる。限局性強皮症の大部分は、顔、首ならびに遠位およびの皮膚に罹患し、疾患後期は、孤立肺高血圧症を引き起こす。一般に、限局性強皮症は、より重度形態よりも身体器官の合併症を引き起こさない。一部の患者は、肺および心臓疾患を発症し得る。

0150

限局性強皮症は、CREST(石灰沈着、レイノー現象、食道の機能障害、強指症毛細血管拡張症)症候群に関連する。皮膚および組織におけるカルシウムは、痛みを生じる場合があり、皮膚表面を刺激または破壊し得る。上述の通り、レイノー症候群は、寒冷不耐症に関連する。食道運動不全による呑酸は、痛みを生じ、食道裏層における刺激を引き起こし得る。毛細血管拡張症は、毛細血管拡張によって特徴付けられる状態であり、毛細血管を赤色または紫色の塊として見せる。これは典型的には、症状を引き起こさず、レーザー療法によって除去することができる。

0151

b.びまん性強皮症
びまん性強皮症は、多くの場合、皮膚、心臓、肺、GI管および腎臓を含むより多くの区域に罹患する(例えば、これらの区域は、コラーゲンの過剰産生によって肥厚化されるようになる)。堅く締まった皮膚は、手指、手および他の関節の屈曲を困難なものとし、多くの場合、関節、および筋肉の炎症が観察される。

0152

c.強皮症を伴わない全身性硬化症
強皮症を伴わない全身性硬化症において、線維症は、1種または複数の内臓に罹患するが、皮膚には罹患しない。罹患した内臓は、食道、肺、心臓および腎臓を含む。

0153

B.処置されるべき被験体
開示されている方法により処置されるべき被験体は、全身性硬化症を患う患者を含む。患者は、限局性強皮症またはびまん性強皮症を患う場合がある。患者は、SScの初期症状を患う場合があり、レイノー原発性または続発性現象を有する場合がある。患者は、石灰沈着、レイノー現象、食道の機能障害、強指症、毛細血管拡張症および/またはびまん性強皮症を患う場合がある。患者は、疾患の初期中期または進行期であり得る。

0154

処置されるべき被験体は、内臓の線維症または炎症等、他の線維症性疾患の非存在下で、全身性硬化症の1種または複数の形態を患う場合がある。例としては、肝臓線維症の存在または非存在下で全身性硬化症を患う患者集団肝硬変の存在または非存在下で全身性硬化症を患う被験体、膵線維症の存在または非存在下で全身性強皮症を患う被験体、および膵炎の存在または非存在下で全身性硬化症を患う被験体が挙げられる。

0155

処置されるべき被験体の他の例としては、2型糖尿病関節炎、または1型糖尿病、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスもしくは多発性硬化症等の他の自己免疫疾患の存在または非存在下で全身性硬化症を患う患者が挙げられる。

0156

処置されるべき被験体の他の例としては、がん等の増殖性疾患の存在または非存在下で全身性硬化症を患う患者が挙げられる。

0157

C.SScのための現在の療法および処置
現在、SScのための治癒法は存在しない;しかし、症状の一部のための処置を利用することができる。例示的なこのような処置は、皮膚を軟化させ、炎症を低減させるための薬物を含み、その上、熱への患者曝露は、有益な効果があることが実証された。有効かつ安全な長期療法またはFDA承認薬物は存在しないが、しかし、疾患の進行を変更しないが症状(例えば、疼痛および潰瘍)を改善し得る、局所処置を利用することができる。免疫抑制薬を使用することができるが、グルココルチコイドは、適用が限られている。種々の非ステロイド性抗(ant-)炎症薬(NSAID)(例えば、ナプロキセン)と共にステロイド(例えば、プレドニゾン)を使用することもできる。症状の緩和に役立つ他の薬剤は、カルシウムチャネル遮断剤(例えば、ニフェジピン)、プロスタサイクリンエンドセリン−レセプターアゴニスト(例えば、ボセンタン)、メトトレキセートシクロスポリンペニシラミンACE阻害剤シクロホスファミドエポプロステノール、ボセンタンおよびエアロゾル化(aerolized)イロプロストを含む。

0158

製薬業界内の研究は、多くの場合、強皮症と併せて特発性肺線維症(IPF)を対象にする。Hoffmann−La Roche,Ltd、Bayer AG、Celgene Corporation、InterMune,Inc.およびCorbus Pharmaceuticals Holdings,Inc.を含む数社の製薬会社における研究パイプラインは、自己免疫疾患(例えば、関節リウマチおよび若年性特発性関節炎)に関連する。しかし、現在の治療戦略のうち、SScに関して線維症の逆転および炎症の消散に焦点を合わせるものはない。

0159

D.併用療法
併用療法は、有効量のデスレセプターアゴニストを1種または複数の追加的な薬剤と共に被験体に投与することを含む。追加的な薬剤は、全身性硬化症の症状の軽減に現在使用されている治療薬を含むことができる。

0160

追加的な薬剤は、メトトレキセート、アザチオプリンメルカプトプリンダクチノマイシンアントラサイクリンマイトマイシンC、ブレオマイシン、ミスラマイシン、グルココルチコイド、バシリキシマブダクリズマブムロモナブ−CD3、シクロスポリン、タクロリムスシロリムスエベロリムスインターフェロンおよびミコフェノール酸塩等の免疫抑制薬、ネオマイシンストレプトマイシンクロラムフェニコールセファロスポリンアンピシリンペニシリンテトラサイクリンおよびシプロフロキサシン等の抗微生物剤クリンダマイシンリン酸エステルメトロニダゾール、メトロニダゾール塩酸塩ゲンタマイシン硫酸塩、リンコマイシン塩酸塩、トブラマイシン硫酸塩、バンコマイシン塩酸塩ポリミキシンB硫酸塩、コリスチメタートナトリウムおよびコリスチン硫酸塩等のステロイドおよびステロイド薬インドメタシンケトプロフェンフルルビプロフェン、ナプロキセン、イブプロフェンラミフェナゾン(ramifenazone)およびピロキシカム等の非ステロイド性抗炎症性薬、アスピリンアセトアミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセンナトリウムブプレノルフィンプロポキシフェン塩酸塩、プロポキシフェンナプシレートメペリジン塩酸塩ヒドロモルフォン塩酸塩、モルヒネオキシコドンコデインジヒドロコデイン酒石酸水素塩ペンタゾシンヒドロコドン酒石酸水素塩、レボルファノールジフルニサルトロラミンサリチル酸塩ナルブフィン塩酸塩、メフェナム酸ブトルファノールサリチル酸コリンブタルビタールフェニルトロキサミンクエン酸塩ジフェンヒドラミンクエン酸塩、メトトリメプラジンシンナメドリン塩酸塩およびメプロバメート等の鎮痛薬ビタミンアムロジピン(amlodipinen)、ジルチアゼムフェロジピンイスラジピンニカルジピン、ニフェジピン、ニ
ソルジピンおよびベラパミル等のカルシウムチャネル遮断剤、エンドセリン−レセプターアゴニスト、メトトレキセート、シクロスポリン、ペニシラミン、ベナゼプリルカプトプリルエナラプリルホシプリルリシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリルキナプリルラミプリルおよびトランドラプリル等のACE阻害剤、シクロホスファミド、エポプロステノール、ボセンタン、ならびにエアロゾル化(aerolized)イロプロスト
を含む。

0161

追加的な薬剤は、デスレセプターアゴニストと同時に投与することができる。

0162

あるいは、追加的な薬剤は、有効量のデスレセプターアゴニストの投与に先立ちまたはその後に投与することができる。追加的な薬剤(単数または複数)に先立つまたはその後の投与は、少なくとも3時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも24時間、少なくとも48時間、少なくとも72時間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも2週間、少なくとも3週間または少なくとも1ヶ月間、有効量のデスレセプターアゴニストの投与から時間を隔てることができる。

0163

E.医薬組成物および投与量レジメン(Regime)
1.医薬組成物
本開示の別の態様は、化合物の医薬組成物に関係する。本開示の医薬組成物は典型的に、デスレセプターアゴニスト等の薬剤と、薬学的に許容される担体とを含む。本明細書中で使用されるとき、「薬学的に許容される担体」は、生理学的に適合性である、ありとあらゆる溶媒分散媒コーティング、抗細菌および抗真菌剤等張および吸収遅延剤などを含む。担体の種類は、意図される投与経路に基づき選択することができる。様々な実施形態において、担体は、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、局所、経皮または経口投与に適する。薬学的に許容される担体は、滅菌水溶液または分散、および滅菌注射用溶液または分散の即時調製のための滅菌粉末を含む。薬学的活性物質のためのこのような培地および薬剤の使用は、当技術分野で周知である。いずれか従来の培地または薬剤が、活性剤と不適合性である場合を除いて、医薬組成物におけるその使用が企図される。補足活性剤を組成物に組み込むこともできる。

0164

治療組成物は、典型的に、製造および貯蔵条件下で、無菌および安定でなければならない。組成物は、高い薬物濃度に適した、溶液、マイクロエマルションリポソームまたは他の秩序構造として製剤化することができる。担体は、例えば、水、エタノールポリオール(例えば、グリセロールプロピレングリコールおよび液体ポリエチレン(polyetheylene)グリコールなど)およびこれらの適した混合物を含有する、溶媒または分散媒で
あってよい。例えば、レシチン等のコーティングの使用により、分散の場合は要求される粒子径の維持により、およびサーファクタントの使用により、妥当流動性を維持することができる。多くの事例において、等張剤、例えば、糖、マンニトールソルビトール等の多価アルコール、または塩化ナトリウムを組成物中に含むことが好ましいであろう。注射用組成物の延長された吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアレート塩およびゼラチンを組成物中に含むことによりもたらすことができる。さらに、薬剤は、持続放出製剤、例えば、低速放出ポリマーを含む組成物において投与することができる。活性剤は、インプラントおよびマイクロカプセル化送達系を含む、制御放出製剤等、迅速放出から薬剤を保護するであろう担体と共に調製することができる。エチレン酢酸ビニルポリ酸無水物ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルポリ乳酸およびポリ乳酸・ポリグリコール酸コポリマー(PLG)等、生分解性、生体適合性ポリマーを使用することができる。このような製剤の調製のための多くの方法が一般に、当業者に公知である。

0165

滅菌注射用溶液は、要求に応じて上に列挙されている成分の1種または組合せと共に、適切な溶媒に要求される量の活性剤を組み込み、続いて濾過滅菌することにより調製することができる。一般に、分散は、基礎分散媒および上に列挙されているものから要求される他の成分を含有する滅菌ビヒクルに薬剤を取り込むことにより調製される。滅菌注射用溶液の調製のための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、以前に滅菌濾過されたその溶液から、活性成分ラスいずれか追加的な所望の成分の粉末を生じる、真空乾燥および凍結乾燥である。

0166

投与経路に応じて、薬剤は、薬剤を不活性化し得る酵素、酸および他の天然条件の作用からこれを保護するための材料においてコーティングすることができる。例えば、薬剤は、酵素阻害剤同時投与される適切な担体もしくは希釈液において、またはリポソーム等の適切な担体において被験体に投与することができる。薬学的に許容される希釈液は、生理食塩水および水性緩衝溶液を含む。酵素阻害剤は、膵トリプシン阻害剤ジイソプロピルフルオロリン酸(DEP)およびトラジロールを含む。リポソームは、水中油中水エマルションならびに従来のリポソームを含む(Strejanら(1984年)J. Neuroimmunol 7巻:27頁)。分散は、グリセロール、液体ポリエチレングリコールおよびこれ
らの混合物、ならびに油において調製することもできる。貯蔵および使用の通常条件下で、このような調製物は、微生物の成長を予防するための保存料を含有することができる。

0167

2.有効量および投与量単位形態
組成物(例えば、TRAILPEG、DR抗体)における活性剤は、好ましくは、組成物において治療有効量で製剤化される。活性剤の治療有効量は、個体の病状、年齢、性別および体重、ならびに個体において所望の応答を誘発する薬剤の能力等、因子に応じて変動し得る。投与量レジメンは、有益な治療応答をもたらすように調整することができる。治療有効量は、薬剤のいずれかの有毒または有害効果を、治療有益効果が上回る量でもある。別の実施形態において、活性剤は、組成物において予防有効量で製剤化される。「予防有効量」は、必要な投与量および期間で、所望の予防的結果を達成するのに有効な量を指す。典型的には、予防的用量は、疾患に先立ちまたはその初期段階で被験体において使用されるため、予防有効量は、治療有効量未満となるであろう。

0168

組成物における活性化合物の量は、個体の病状、年齢、性別および体重等、因子に応じて変動し得る。投与量レジメンは、最適な治療応答をもたらすように調整することができる。例えば、単一のボーラスを投与することができる、時間をかけていくつかの分割用量を投与することができる、または用量は、治療状況の緊急事態によって示される通り、比例的に低減もしくは増加させることができる。投与を容易にするためおよび投与量の均一性のため、投与量単位形態で非経口組成物を製剤化することが特に有利である。投与量単位形態は、本明細書中で使用されるとき、処置されるべき哺乳動物被験体のための単位投与量として適する物理的に別々の単位を指す;各単位は、要求される医薬品担体に関連して所望の治療効果を産生するように計算された既定の含量の活性化合物を含有する。投与量単位形態の指定は、(a)活性化合物の特有の特徴および達成されるべき特定の治療効果、ならびに(b)個体における感受性の処置のためのこのような活性化合物の配合の技術分野に固有限界によって決まり、これらに直接的に依存する。

0169

3.投与量および投与経路
薬剤(例えば、TRAILPEG、DR抗体)の例示的な投与量は、例えば、約0.0001%〜5%、約0.0001%〜1%、約0.0001%〜0.1%、約0.001%〜0.1%、約0.005%〜0.1%、約0.01%〜0.1%、約0.01%〜0.05%および約0.05%〜0.1%の間を含む。任意選択で、用量は、医薬組成物または製剤の約0.001%〜約50%、約0.01%〜約5%、約0.1%〜約2.5%、約0.2%〜約2%、約0.3%〜約1.5%、約0.4%〜約1.25%、約0.5%〜約1%、約0.6%〜約0.9%および約0.7%〜約0.8%の間を含む。例示的な投与量は、処置される被験体の体重に比例して、例えば、約0.0001mg/kg〜約1g/kg、0.001mg/kg〜約1g/kg、約0.01mg/kg〜約1g/kg、約0.1mg/kg〜約1g/kg、約0.2mg/kg〜約500mg/kg、0.3mg/kg〜約200mg/kg、約0.4mg/kg〜約100mg/kg、約0.5mg/kg〜約50mg/kg、約0.6mg/kg〜約30mg/kg、約0.7mg/kg〜約20mg/kg、約0.8mg/kg〜約15mg/kg、約1mg/kg〜約10mg/kg、約2mg/kg〜約8mg/kgおよび約4mg/kg〜約6mg/kgの間等、mg/kg単位で表すこともできる。

0170

デスレセプターアゴニストは、全身的に、経腸的に、非経口的に、局所的にまたは頬側送達により投与することができる。任意選択で、デスレセプターアゴニストは、局所的に投与される。局所的投与は、局所および/または皮下投与を含む。有効量のアゴニスト(単数または複数)は、単一の投与でまたは1回もしくは複数回の投与で投与することができる。

0171

薬剤(単数または複数)(デスレセプターアゴニスト(単数または複数))は、1回または複数回の投与で有効用量を投与することができる。薬剤(単数または複数)の有効用量の各投与は、少なくとも3時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも24時間、少なくとも48時間、少なくとも72時間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも2週間、少なくとも3週間または少なくとも1ヶ月間、時間を隔てることができる。

0172

薬剤(単数または複数)は、本明細書に提供されている組成物の非存在下での薬剤(単数または複数)の持続時間を超えて、少なくとも3時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも24時間、少なくとも48時間、少なくとも72時間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも2週間、少なくとも3週間および少なくとも1ヶ月間からなる群から選択される量、ただし、少なくともある程度の量だけ、化合物(単数または複数)のバイオアベイラビリティの持続時間を延長し、薬剤(単数または複数)の作用の持続時間および薬剤の放出時間枠を増加させる様式で投与することができる。任意選択で、先行する効果のいずれかまたは全ての持続時間は、少なくとも30分間、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも24時間、少なくとも48時間、少なくとも72時間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも2週間、少なくとも3週間または少なくとも1ヶ月間延長される。

0173

薬剤は、その中でこの薬剤が唯一の活性剤である医薬組成物へと製剤化することができる。あるいは、医薬組成物は、追加的な活性剤を含有することができる。例えば、2種またはそれよりも多い化合物は、組み合わせて使用することができる。さらに、化合物は、自己免疫疾患(例えば、全身性硬化症)に調節効果を有する1種または複数の他の薬剤と組み合わせることができる。

0174

IV.キット
本開示は、デスレセプターアゴニスト(例えば、TRAILPEGおよびDR抗体)等、有効量の薬剤と、使用説明書とを含むキットも含む。

0175

キットは、投与の準備が整った、1個または複数の滅菌され、予め充填されたシリンジ剤、カプセル剤錠剤散剤ゲル剤またはパッチ剤における有効投与量の薬剤を含むことができる。

0176

キットは、併用療法のため有効投与量の薬剤と共に追加的な薬剤を含むことができる。

0177

本発明は、以下の非限定的な実施例を参照することによりさらに理解されるであろう。

0178

以下の実施例によって本発明をさらに例証するが、これを限定として解釈するべきではない。本願を通して引用されているあらゆる参考文献、特許および公開特許出願の内容、ならびに図面を、参照により本明細書に組み込む。

0179

(実施例1)
活性化された線維芽細胞は、デスレセプター(DR)をアップレギュレートし、DRのアゴニストは、活性化された筋線維芽細胞におけるアポトーシスを選択的に誘導するが、正常線維芽細胞においては誘導しない。

0180

活性化されたα−SMA+線維芽細胞(筋線維芽細胞)は、強皮症の起源物質の1種である。本明細書において、インビボでの筋線維芽細胞の選択的根絶が、SScを逆転させ、炎症を消散したことが同定された。現在まで、ヒトにおける筋線維芽細胞を標的化し影響を与えるための、臨床的に試験された頑強な方法が存在したことはない。TRAILPEGは以前、α−SMA+活性化肝および膵星細胞を標的化することにより、肝臓および膵臓における重度線維症を逆転させたことが同定された(国際出願公開WO/2015/164217)。本開示において、TRAIL、TRAILPEGおよびDR5抗体は、線維芽細胞から形質転換されたα−SMA+筋線維芽細胞を標的化し、SScにおける複数の鍵となる因子を同時に阻害したことが同定された。初代健康真皮線維芽細胞が、TGF−β1によって54時間活性化された場合、活性化された線維芽細胞は、α−SMA、DR4、DR5、およびコラーゲンを含む線維症性マーカーのmRNAおよびタンパク質レベルをアップレギュレートした(表1および2)。重要なことに、活性化された線維芽細胞が、組換えTRAIL(R&D Systems(商標)、1ug/mL)、TRAILPEG(1ug/mL)およびDR5抗体(1ug/mL、コナツムマブとプロテインGおよびHGSTR2J/KMTRS)で3時間インビトロ処置される場合、活性化された筋線維芽細胞のみが、アポトーシスマーカー、活性カスパーゼ−8およびカスパーゼ−3/7のレベル増加を示し、TRAIL誘導性アポトーシスによる形態学的変化を呈した(表3)。初代ヒト肺線維芽細胞ATCC(登録商標)CCL−151)も、TGF−β1(10ng/mL)によって54時間活性化され、次いで、TRAILPEGで処置されたたところ、活性化された肺線維芽細胞のみが、TRAIL誘導性アポトーシスによる形態学的変化を呈する。本明細書に提供されている以下の実施例は、強皮症モデル、例えば、皮膚および肺線維症におけるTRAILPEGおよびDR抗体の有効性を支持する。

0181

0182

0183

0184

(実施例2)
TRAILPEGは、皮膚肥厚およびコラーゲン沈着を逆転させた

0185

研究設計I(ブレオマイシン誘導性SScマウスモデルにおける軽度線維症)
インビボ研究のため、ブレオマイシン誘導性強皮症を使用したマウスモデルを使用した。マウス(DBA2/J)を、皮下(s.c.)ブレオマイシンで処置した(0〜28日目)。TRAILPEG(10、20mg/kg)またはリン酸緩衝食塩水PBS)を15日目から2週間、1日おきに腹腔内(i.p.)処置した;1群当たりn=5。実験設計の模式図は、図1に描写されている。モデルの皮膚および肺由来の組織サンプルを28日目に収集し、ホルマリン処置によって組織学的検査のために調製した。パラフィン包埋された組織切片を、ヘマトキシリンエオシン(H&E)で染色した。また、免疫組織化学的検査を使用して、いくつかの線維形成性マーカー(コラーゲン、α−SMA)に関して組織切片を解析した。同様に、線維形成性マーカーに関するウエスタンブロットおよびRT−PCTによって組織ホモジネートを解析した。

0186

TRAILPEG処置は、マウス皮膚強皮症モデルにおいて2週間の処置後にほぼ正常ステージまで皮膚肥厚を逆転させた

0187

強皮症のマウスモデルにおけるTRAILPEGの効果を評価するために、ブレオマイシン誘導性真皮線維症モデルを使用した。確立された線維症の処置を評価するために、ブレオマイシン注射の始まりから2週間後にTRAILPEG処置の注射を開始した。2週間のTRAILPEG処置後に、炎症性細胞浸潤は、TRAILPEG処置されたマウスにおいて低減した。定量的評価は、真皮の厚さが、健康な皮膚と比較して、ブレオマイシン誘導性皮膚線維症モデルマウスにおいて70%を超えて増加したことを示した;しかし、このようなマウスへのTRAILPEGの投与は、真皮の厚さの増加を減弱し、これを正常レベルまで戻した(図2)。

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