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図面 (2)

課題

エボラウイルス人体に対して安全に消毒するためには、エボラウイルスに対する抗体の利用が効果的と考えられる。しかし、エボラウイルスの抗体を大量に産生するには、高度な安全基準に基づく施設が必要となる。

解決手段

本発明は、エボラウイルスのリコンビナント蛋白質抗原として雌性鳥類に免疫する工程と、前記雌性鳥類が産卵した卵黄から抗体を得る工程を含むことを特徴とするエボラウイルス抗体の製造方法を提供する。本発明に係る方法は、リコンビナント蛋白質を用いるため、感染の心配がない。したがって、通常の飼育場所で抗体を産生することができ、さらに、作製された抗体はエボラウイルスを無力化することが期待できる。

概要

背景

エボラウイルスは、ヒトに対して危篤的な臨床症状を発生させるウイルスとして知られ
ている。また、感染力も高く、認証されたワクチン等もない。そのため、バイオセーフ
ィーレベルでは最高レベルの4に指定され、高度な安全対策を施した施設でしか扱うこと
ができない。

エボラウイルスを予防するためには、身の回りの消毒が重要となる。現在エボライル
スに対する消毒は、次亜塩素酸ナトリウムジクロルイソシアヌール酸ナトリウムが利用
されている。またエボラウイルスはエンベロープを有するので消毒にはアルコールを利用
することができる。しかし、エボラウイルスは感染力が非常に強いので、完全な消毒とな
ると、煮沸ホルマリン燻蒸といった方法が必要とされている。

これらの方法は、効果はあると考えられるが、人体に対して直接もしくは間接に接する
部分に使用するのは、好ましいとは言えない。人体に対してより安全で、手軽に使え、感
抑制効果を有する消毒法が求められている。

ところで、近年ウイルスに対して結合する抗体を利用することで、ウイルスを無力化す
ることが行われている(特許文献1)。そこで、エボラウイルスに対しても抗体を使って
無力化できる方法の模索が考えられる。

エボラウイルスに対する抗体の産生は、すでに報告がなされている。特許文献2には、
天然もしくは遺伝子組み換えでもよいエボラウイルスの核蛋白質を哺乳類に免疫し、得ら
れる抗体産生細胞ハイブリドーマとし、モノクロナール抗体を得る事が開示されている

また、特許文献3では、エボラウイルスのレストン株に対するモノクロナール抗体を産
生する点についての開示がある。

概要

エボラウイルスを人体に対して安全に消毒するためには、エボラウイルスに対する抗体の利用が効果的と考えられる。しかし、エボラウイルスの抗体を大量に産生するには、高度な安全基準に基づく施設が必要となる。本発明は、エボラウイルスのリコンビナント蛋白質抗原として雌性鳥類に免疫する工程と、前記雌性鳥類が産卵した卵黄から抗体を得る工程を含むことを特徴とするエボラウイルス抗体の製造方法を提供する。本発明に係る方法は、リコンビナント蛋白質を用いるため、感染の心配がない。したがって、通常の飼育場所で抗体を産生することができ、さらに、作製された抗体はエボラウイルスを無力化することが期待できる。

目的

本発明は以上のような課題に鑑み想到されたものであり、エボラウイルスに結合する抗
体を大量に提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

エボラウイルスリコンビナント蛋白質抗原として雌性鳥類に免疫する工程と、前記雌性鳥類が産卵した卵黄から抗体を得る工程を含むことを特徴とする抗エボラウイルス抗体の製造方法。

請求項2

前記雌性鳥類がダチョウであることを特徴とする請求項1に記載された抗エボラウイルス抗体の製造方法。

請求項3

ダチョウの黄卵抗体であって、エボラウイルスのグリプテイン遺伝子から作製したリコンビナント蛋白質に結合する抗体。

請求項4

請求項3の抗体と、防腐剤と、安定剤と、水からなるエボラウイルス用消毒剤

請求項5

請求項3の抗体を有するマスク

請求項6

請求項3の抗体を有するエアコンフィルタ

請求項7

請求項3の抗体を表面に担持された感染予防服。

請求項8

請求項3の抗体を用いた検査キット

請求項9

請求項3の抗体と生理食塩水を含むエボラウイルス用治療剤

技術分野

0001

本発明はエボラウイルスを認識する抗体およびその製造に関するものであり、特にダチ
ョウによって産生された抗体に係るものである。

背景技術

0002

エボラウイルスは、ヒトに対して危篤的な臨床症状を発生させるウイルスとして知られ
ている。また、感染力も高く、認証されたワクチン等もない。そのため、バイオセーフ
ィーレベルでは最高レベルの4に指定され、高度な安全対策を施した施設でしか扱うこと
ができない。

0003

エボラウイルスを予防するためには、身の回りの消毒が重要となる。現在エボライル
スに対する消毒は、次亜塩素酸ナトリウムジクロルイソシアヌール酸ナトリウムが利用
されている。またエボラウイルスはエンベロープを有するので消毒にはアルコールを利用
することができる。しかし、エボラウイルスは感染力が非常に強いので、完全な消毒とな
ると、煮沸ホルマリン燻蒸といった方法が必要とされている。

0004

これらの方法は、効果はあると考えられるが、人体に対して直接もしくは間接に接する
部分に使用するのは、好ましいとは言えない。人体に対してより安全で、手軽に使え、感
抑制効果を有する消毒法が求められている。

0005

ところで、近年ウイルスに対して結合する抗体を利用することで、ウイルスを無力化す
ることが行われている(特許文献1)。そこで、エボラウイルスに対しても抗体を使って
無力化できる方法の模索が考えられる。

0006

エボラウイルスに対する抗体の産生は、すでに報告がなされている。特許文献2には、
天然もしくは遺伝子組み換えでもよいエボラウイルスの核蛋白質を哺乳類に免疫し、得ら
れる抗体産生細胞ハイブリドーマとし、モノクロナール抗体を得る事が開示されている

0007

また、特許文献3では、エボラウイルスのレストン株に対するモノクロナール抗体を産
生する点についての開示がある。

先行技術

0008

特開2009−023985号公報
特開2002−306164号公報
特開2004−315394号公報

発明が解決しようとする課題

0009

抗体を消毒に利用しようとする場合、大量の抗体が必要となる。しかし、特許文献2や
3のようにハイブリドーマからモノクロナール抗体を産生するのでは、大量の抗体を産生
するのに、大規模設備が必要となる。

0010

また、マウスウサギといった小動物抗原を免疫し、その血清よりポリクロナール
体を得るという方法がある。しかし、これらの動物から得られる血清の量はそれほど多く
はない。

0011

また、比較的大量に抗体を得る方法としては、鶏に抗原を免疫し、その鶏から得た鶏卵
からポリクロナール抗体を得る方法がある。しかし、鶏も個体が異なると免疫力も異なり
均質な抗体を大量に産生するのは無理がある。

0012

また、扱いが非常に厳しく規制されているエボラウイルスをそのまま抗原として扱うと
すれば、抗体の製造場所バイオセーフティーレベル4の規定を満足する施設が必要とな
る。しかし、抗体の製造場所にそのような大規模な設備を準備することは現実的ではない

0013

さらに、他の多くのウイルスと異なり、生体防御機構すり抜けるとされているエボ
ラウイルスには、単一のエピトープに対するモノクロナール抗体ではなく、さまざまなエ
ピトープに結合可能なポリクロナール抗体が非常に有効である。

課題を解決するための手段

0014

本発明は以上のような課題に鑑み想到されたものであり、エボラウイルスに結合する抗
体を大量に提供する製造方法を提供するものである。より具体的に本発明に係る抗体の製
造方法は、エボラウイルスのリコンビナント蛋白質を抗原として雌性鳥類に免疫する工程
と、前記雌性鳥類が産卵した卵黄から抗体を得る工程を含むことを特徴とする。

発明の効果

0015

本発明に係る抗エボラウイルス抗体の製造方法では、ダチョウを含む鳥類の卵から抗体
を得るため、一度に大量で均質な抗体を得ることが出来る。また、抗原としてリコンビナ
ント蛋白質を用いるので、天然のエボラウイルスを用いるより遥かに安全に抗体を製造す
ることができる。

図面の簡単な説明

0016

エボラウイルス抗原に対するダチョウ抗体結合性を示すグラフである。

0017

以下本発明に係る抗体について説明する。なお、以下の説明は本発明の一実施形態を示
すものであり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、以下の実施形態および実施例は改変
れてもよい。

0018

本発明は遺伝子組み換え技術を用いて作製されたエボラウイルスのリコンビナント蛋白
質を抗原として用いる。リコンビナント蛋白質を抗原とすることで、感染の心配がない。
したがって、特に高度な安全設備を設けることなく抗体を製造することができる。抗原と
して用いることのできる蛋白質は、核蛋白質(NP)、糖蛋白質(GP)などが好適に利
用できる。

0019

また、利用できるエボラウイルスの種類は特に限定されない。ザイールエボラウイルス
、スーダンエボラウイルス、コートジボアールエボラウイルス、レストンエボラウイルス
といった現在知られているエボラウイルスを用いることができる。なお、レストンエボラ
ウイルスはヒトに重篤な臨床症状を発現させた記録がない。したがって、ザイール株、ス
ーダン株、コートジボアール株を利用するのがよい。

0020

雌性鳥類に対して免疫する工程では、公知の方法を利用することができる。免疫の際は
、抗原とともに各種アジュバントを利用することができる。また、免疫も初回免疫の後、
追加免疫してもよい。

0021

免疫後の鳥類から得られた卵から抗体(IgY)を回収する工程では、公知の方法で抗
体を回収することができる。回収された抗体は、エボラウイルスのリコンビナント蛋白質
に結合する。したがって、天然のエボラウイルスにも結合することが期待できる。この結
合によってエボラウイルスの感染は中和される。

0022

得られた抗体は、後述する実施例にも示されるように、エボラウイルスをマスキング
ることができる。つまり、細胞への感染を抑制することができる。したがって、感染予防
のための治療薬注射薬)として利用することができる。また、エボラウイルスの殺菌用
スプレー剤(予防用スプレー剤)として使用することができる。また、抗体をマスクに担
持させることで、エボラウイルスの予防マスクとすることができる。

0023

また、結合剤とともに感染予防服やエアコンフィルタ散布することで、エボラウイ
ルスを無力化することができる。また、得られた抗体は、エボラウイルスに結合するので
検査キットとして利用することができる。また、スプレー剤や噴霧剤としても利用する
ことができる。

0024

ダチョウの抗体は、アルコール中で変性することがない。そこで、アルコール、ダチョ
ウ抗体、防腐剤、安定剤、水で消毒剤を構成することができる。アルコールはエチルアル
コール2−プロパノールイソプロピルアルコール)等が好適に利用できる。

0025

また、防腐剤としては、メチルパラベンエチルパラベンプロピルパラベンベン
パラベン等の、パラオキシン安息香酸エステル類パラペン)が好適に利用できる。ま
た、溶媒中の抗体の安定化を図る安定剤には、スクローストレハロース等の二糖類を用
いることができる。

0026

また、これらの含有比率としては、ダチョウ抗体が0.01〜1.0質量%(好適には
、0.02〜0.5質量%、より好適には0.05〜0.1質量%)、安定剤が0.1〜
10質量%(好適には0.2〜5質量%、より好適には0.3〜2質量%)、防腐剤2〜
8質量%、残りを水若しくは濃度が60〜80%以下のアルコール水で好適に構成するこ
とができる。なお、ここで「〜」は以上、以下を表す。この消毒剤は、スプレー器噴霧
器で噴霧することでも使用することが出来る。したがって、スプレー剤や噴霧剤といって
もよい。

0027

また、ダチョウ抗体を生理食塩水およびブドウ糖などと共に感染者投与することで、
発病および症状の進行を抑制することができる。

0028

また、ダチョウ抗体をマスクや感染予防服に担持させることで、エボラウイルス用の予
防服やマスクからの浸透を防ぐことが出来る。ここで抗体を担持させる方法は、公知の方
法を利用することができる。

0029

また、ダチョウ抗体と結合剤を保湿性のある不織布などに担持させることでエボラウイ
ルスの侵入を防ぐエアコンフィルタとすることができる。抗体は溶媒中でなければ、抗原
に結合できない。したがって、水分が存在する環境下で好適にエボラウイルスに結合する
ことができる。

0030

また、本ダチョウ抗体を用いてエボラウイルスの存在を検査する検査キットを構成する
ことができる。たとえば、後述する実施例において紹介するELISA法およびサンド
ッチELISA法に用いた材料は検査キットを構成することができる。この検査キットの
検査対象は、汚染されていると考えられる場所をふき取ったサンプルであってもよいし、
ヒトの血液であってもよい。ダチョウ抗体は、抗原に対する反応性が高く、微量のサンプ
ルであっても、エボラウイルスの存在を調べることができる。

0031

(実施例1)
<抗原>
抗原は、バキュロウイルスベクターにEbola virus(subtype Su
dan,strain Gulu)のGlyprotein遺伝子(Met−Asp63
7)を組み込み、カイコ細胞で作製したリコンビナント蛋白質を用いた。このリコンビナ
ント蛋白質を以後「スーダンエボラ蛋白質」と呼ぶ。

0032

<抗体の製造方法>
成熟したメス(ダチョウ、ニワトリウズラ)を用いた。スーダンエボラ蛋白質液(
蛋白量100μg)をフロイント完全アジュバント0.2mLと混和し、5羽のダチョ
ウそれぞれに初回免疫した。また、この抗原を個別に5羽のニワトリ、5羽のウズラにも
接種した。つまり、ダチョウもニワトリもウズラも同量の抗原(スーダンエボラ蛋白質)
を接種したことになる。初回免疫後、2週目と4週目に50μgの抗原とフロイントの不
完全アジュバントの混和液を、各鳥に追加免疫した。

0033

初回免疫後8週目に得られた各鳥からの卵の卵黄より卵黄抗体(IgY)を精製した。
具体的には、まず、得られた卵の卵黄に5倍量のTBS(20mMのTris−HCl、
0.15MのNaCl、0.5%NaN3)と同量の10%デキストラン硫酸/TBSを
加え20分攪拌した。

0034

次に1MのCaCl2/TBSを卵黄と同量加え攪拌し、12時間静置した。その後、
15000rpmで20分遠心上清を回収した。そして、最終濃度が40%になるよう
硫酸アンモニウムを加え4℃で12時間静置した。

0035

12時間の静置後、15000rpmで20分遠心し、沈殿物を回収した。最後に、卵
黄と同量のTBSに再懸濁し、TBSにて透析した。以上の方法で、各卵から純度90%
の抗体(IgY)が回収できた。ダチョウ、ニワトリ、ウズラの各卵から得られた抗体は
、それぞれ抗スーダンエボラダチョウ抗体、抗スーダンエボラニワトリ抗体、抗スーダン
エボラウズラ抗体である。なお、これらの抗体は、ポリクロナール抗体であり、抗体のパ
ラトープ(抗原のエピトープに結合する)部分の構造を特定するのは、実質的に不可能で
ある。

0036

<ELISA法>
各卵黄から得られた抗体のスーダンエボラ蛋白質に対する反応性はELISAにより検
証した。具体的には、まず96穴ELISAプレートの各穴にスーダンエボラ蛋白質をそ
れぞれ10μgを別々に固層化した(室温で4時間)。

0037

その後、抗エボラダチョウ抗体(各5羽のダチョウから得た卵黄からの抗体の混合物
、抗エボラニワトリ抗体(各5羽のニワトリから得た卵黄からの抗体の混合物)、抗エボ
ラウズラ抗体(各5羽のウズラから得た卵黄からの抗体の混合物)の段階希釈液原液
2mg/mL)を各穴に滴下し、室温で1時間反応させ、洗浄後、各抗体に対するHRP
標識2次抗体を室温で1時間反応させた。

0038

十分な洗浄後、ペルオキシダーゼ用発色キット(S−Bio SUMILON)を用い
プレートリーダーにて吸光度(450nm)を測定した。免疫前の各鳥種の卵黄抗体の
2倍以上の吸光度値を示す最大希釈倍率をELISA値として示した。結果を表1に示す
。表1中の「ダチョウ」、「ニワトリ」、「ウズラ」は、それぞれ「抗スーダンエボラダ
チョウ抗体」、「抗スーダンエボラニワトリ抗体」、「抗スーダンエボラウズラ抗体」で
ある。抗原の「Ebola virus (subtype Sudan,strain
Gulu) Glyprotein」はスーダンエボラ蛋白質を表す。

0039

0040

スーダンエボラ蛋白質を免疫することにより、ダチョウ、ニワトリ、ウズラに高感度
卵黄抗体が作製されることが判明した。特に、各鳥種類には同量の抗原を免疫したのにも
かかわらず、巨大なダチョウが最も反応性が高い抗体が産生されていた。これは、ダチョ
ウを使うことで、少量の抗原でも高感度の抗体が産生できることを示している。

0041

(実施例2)
<抗原>
抗原は、バキュロウイルスベクターにEbola virus (Subtype Z
aire)のGlyprotein遺伝子(膜貫通領域欠く全長)を組み込み、カイコ細
胞で作製したリコンビナント蛋白質を用いた。このリコンビナント蛋白質を以後「ザイー
ルエボラ蛋白質」と呼ぶ。

0042

<抗原製造方法>
成熟したメス鳥(ダチョウ、ニワトリ、ウズラ)を用いた。ザイールエボラ蛋白質液(
蛋白量100μg)をフロイントの完全アジュバント0.2mLと混和し、5羽のダチョ
ウそれぞれに初回免疫した。この抗原を、5羽のニワトリ、5羽のウズラにも接種した。
ダチョウもニワトリもウズラも同量の抗原を接種したことになる。

0043

初回免疫後、2週目と4週目に50μgの抗原とフロイントの不完全アジュバントの混
和液を、各鳥に追加免疫した。初回免疫後8週目に得られた各鳥からの卵の卵黄より卵黄
抗体(IgY)を精製した。ダチョウ、ニワトリ、ウズラの各卵黄から得た卵黄抗体は、
「抗ザイールエボラダチョウ抗体」、「抗ザイールエボラニワトリ抗体」、「抗ザイール
エボラウズラ抗体」である。なお、これらの抗体は、ポリクロナール抗体であり、抗体の
パラトープ(抗原のエピトープに結合する)部分の構造を特定するのは、実質的に不可能
である。

0044

<ELISA法>
得られた卵黄抗体のザイールエボラ蛋白質に対する反応性をELISAにより検証した
。96穴ELISAプレートの各穴にザイールエボラ蛋白質をそれぞれ10μgを別々に
固層化した(室温で4時間)。その後、抗ザイールエボラダチョウ抗体(各5羽のダチョ
ウから得た卵黄からの抗体の混合物)、抗ザイールエボラニワトリ抗体(各5羽のニワト
リから得た卵黄からの抗体の混合物)、抗ザイールエボラウズラ抗体(各5羽のウズラか
ら得た卵黄からの抗体の混合物)の段階希釈液(原液は2mg/mL)を各穴に滴下し、
室温で1時間反応させ、洗浄後、各抗体に対するHRP標識2次抗体を室温で1時間反応
させた。

0045

十分な洗浄後、ペルオキシダーゼ用発色キット(S−Bio SUMILON)を用い
てプレートリーダーにて吸光度(450nm)を測定した。免疫前の各鳥種の卵黄抗体の
2倍以上の吸光度値を示す最大希釈倍率をELISA値として表2に示した。なお、表2
中「ダチョウ」、「ニワトリ」、「ウズラ」は、それぞれ「抗ザイールエボラダチョウ抗
体」、「抗ザイールエボラニワトリ抗体」、「抗ザイールエボラウズラ抗体」である。ま
た、抗原の「Ebola virus (Zaire種)Glyprotein」は、ザ
イールエボラ蛋白質である。

0046

0047

ザイールエボラ蛋白質を免疫することにより、ダチョウ、ニワトリ、ウズラに高感度の
卵黄抗体が作製されることが判明した。特に、各鳥種類には同量の抗原を免疫したのにも
かかわらず、巨大なダチョウが最も反応性が高い抗体が産生されている(少量の抗原でも
高感度の抗体が産生)。

0048

(実施例3)
次に抗スーダンエボラダチョウ抗体と、抗ザイールエボラダチョウ抗体の各抗原に対す
る結合性をサンドイッチELISA法により確認した。一次抗体は、スーダンエボラ蛋白
質およびザイールエボラ蛋白質をマウスに免疫することで得られた抗体を用いた。それぞ
れ抗スーダンエボラマウス抗体、抗ザイールエボラマウス抗体と呼ぶ。

0049

また、2次抗体として、同様にスーダンエボラ蛋白質およびザイールエボラ蛋白質をウ
サギに免疫することで得られた抗体を用いた。なお、2次抗体には、HRP標識が取り付
けてある。それぞれHRP標識抗スーダンエボラウサギ抗体、HRP標識抗ザイールエボ
ラウサギ抗体と呼ぶ。

0050

サンドイッチELISA法は定式によって行った。簡単に手順を示すと、まず、ELI
SAプレート上に、一次抗体を固定し、次に抗原を一次抗体に結合させた。もちろん、抗
スーダンエボラマウス抗体には、スーダンエボラ蛋白質を結合させ、抗ザイールエボラマ
ウス抗体にはザイールエボラ蛋白質を結合させた。そして、各ELISAプレートにブロ
キング処理を施した。

0051

実施例1で作成した抗スーダンエボラダチョウ抗体液50μL(濃度10mg/ml)
をスーダンエボラ蛋白質が一次抗体に固定されたプレートに2μg加え、37℃で0、1
0、20、30分間反応させた。

0052

また、実施例2で作成した抗ザイールエボラダチョウ抗体50μL(濃度10mg/m
l)をザイールエボラ蛋白質が一次抗体に固定されたプレートに2μg加え、37℃で0
、10、20、30分間反応させた。その後、各プレートに2次抗体を加え1時間反応さ
せた後、各プレートの吸光度を測定した。

0053

結果を図1(a)(b)に示す。図1を参照して、図1(a)は、抗原がスーダンエボ
ラ蛋白質である場合を示し、図1(b)は、ザイールエボラ蛋白質の場合を示す。

0054

それぞれのグラフでは横軸がダチョウ抗体と抗原の反応時間(min)であり、縦軸
、ダチョウ抗体が結合しなかった抗原量(反応0分時の吸光度の値を100とする相対値
表記した。)である。なお、値はそれぞれ3wellでの測定値平均値で表している
。また、グラフの中の数字はそれぞれ、抗原量の数値(%)を示したものである。

0055

反応時間0minとは、ダチョウ抗体を入れない状態の吸光度である。これは、1次抗
体に固定された各抗原量を示している。ダチョウ抗体と各抗原との反応時間を長くしてい
くと、1次抗体に固定されている各抗原にダチョウ抗体が結合する。すると、2次抗体は
結合する抗原をダチョウ抗体にマスキングされるため、結合場所が少なくなる。したがっ
て、吸光度が減少すれば、ダチョウ抗体に結合していない抗原量は減少する。

0056

図1(a)、(b)を見ると、スーダンエボラ蛋白質の場合も、ザイールエボラ蛋白質
の場合も、時間の経過と共に、抗原量が減少しているのがわかる。結合時間が30分にな
ると、残存している抗原は5%以下になった。

0057

以上のことより、ダチョウで作製した抗スーダンエボラダチョウ抗体および、抗ザイー
ルエボラダチョウ抗体により、エボラウイルスのマスキングが可能となる。これによって
、各抗体は、ウイルスの細胞への感染が抑制できることがわかった。

0058

特に、エボラウイルスは他のウイルスと異なり、免疫系をすり抜けることが知られてい
る。したがって、単一のエピトープに結合するモノクロナール抗体よりも、さまざまな部
位に結合することの出来るポリクロナール抗体がマスキングには有効である。

0059

(実施例4)
実施例1で作製した抗スーダンエボラダチョウ抗体と、実施例2で作製した抗ザイール
エボラダチョウ抗体を用いて、以下のような消毒剤を作製した。なお、「ダチョウ抗体」
は、抗スーダンエボラダチョウ抗体若しくは抗ザイールエボラダチョウ抗体のいずれかを
表す。
ダチョウ抗体溶液0.5質量%
水 95質量%
パラペン0.5質量%
スクロース4質量%
なお、ダチョウ抗体溶液は15mg/mLのタンパク濃度液体である。ダチョウ抗体
は0.075質量%に相当する。

0060

この消毒剤は、スプレー若しくは噴霧器でエボラ患者体液飛散したと考えられる箇
所に噴霧することで、エボラウイルスの感染活性を抑制することが出来る。

0061

現在エボラウイルスの消毒には、アルコール水や次亜塩素酸ナトリウム等が用いられて
いる。次亜塩素酸ナトリウム等は、消毒性は高いものの、腐食性も強く、人体や食器など
に直接用いることはできない。一方、宗教上の理由で消毒にアルコールを使えない場合も
世界には多い。このような場合に本実施例のようなアルコールを用いないエボラウイルス
消毒薬は大変有用である。

0062

また、エボラウイルスの場合は、さまざまな部位に結合する抗体を含むポリクロナール
抗体が大変有用である。

0063

(実施例5)
実施例4と同様に以下の組成の消毒剤を作製した。なお、「ダチョウ抗体」は、抗スー
ダンエボラダチョウ抗体若しくは抗ザイールエボラダチョウ抗体のいずれかを表す。
ダチョウ抗体溶液0.5質量%
アルコール65質量%
水 30質量%
パラペン0.5質量%
スクロース4質量%
なお、ダチョウ抗体溶液は15mg/mLのタンパク濃度の液体である。ダチョウ抗体
は0.075質量%に相当する。

0064

エボラウイルスは、エンベロープを有するウイルスなので、アルコールは消毒剤として
有効である。ダチョウ抗体は、アルコールに対する耐性が強く、アルコール中でも変性し
ない。したがって、現在使用されているアルコール水中に混ぜて使用することで、一層消
毒性を高めることができる。

実施例

0065

また、エボラウイルスの場合は、さまざまな部位に結合する抗体を含むポリクロナール
抗体が大変有用である。

0066

本発明に係る抗体は、エボラウイルスに特異的に結合すると考えられる。したがって、
対エボラウイルスのための感染予防・治療薬(注射薬)、エボラウイルスの殺菌用スプレ
ー剤、予防用マスク、エアコンフィルタおよび噴霧剤およびエボラウイルス感染予防防疫
服等に好適に利用することができる。

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