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技術 タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ

出願人 横浜ゴム株式会社
発明者 伊藤敬佑前島圭介
出願日 2019年4月1日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-070036
公開日 2020年10月15日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-169238
状態 未査定
技術分野 高分子組成物 タイヤ一般
主要キーワード 樹脂バインダー溶液 溶解溶剤 液柱状 固形状ゴム 液滴形状 効果向上 平均ガラス転移温度 フィラー分散性
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年10月15日)のものです。
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課題

高シリカ配合のタイヤキャップトレッドコンパウンドには、(1)耐摩耗性に優れること、(2)電気伝導性を向上させることが求められているが、これらをすべて満足させる従来技術は存在しなかった。

解決手段

ジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを40〜150質量部、および、カーボンナノチューブの少なくとも1部にポリマー添着したカーボンナノチューブ−ポリマー複合体を0.1〜10質量部配合してなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物によって上記課題を解決した。

概要

背景

空気入りタイヤ左右一対ビード部およびサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるとともにキャップトレッドアンダートレッドとからなるトレッド部から主に構成されている。タイヤの内側にはカーカス層が設けられ、カーカス層の両端部はビードコアをタイヤ内側から外側へ包みこむように折り返されている。

現在、ウェット性能や低転がり性能を向上させるために、高シリカ配合のタイヤキャップトレッド用コンパウンドが広く利用されている。
一方、高シリカ配合のタイヤキャップトレッド用コンパウンドには、次のような特性が求められている。
(1)耐摩耗性に優れること。
(2)電気伝導性を向上させること。

しかし前記(1)において、耐摩耗性を向上させるには、例えばシリカ粒子径比表面積を調整する等の手法が検討されているが、それでも十分な耐摩耗性が得られていない。
また、前記(2)において、電気伝導性を向上させるには、アーストレッド構造の採用が挙げられる。アーストレッドとは、トレッドゴム埋設されてタイヤ接地面露出する導電ゴムである。しかし、タイヤにアーストレッドを設置することは、タイヤ製造工数の増加を招くという問題点がある。

なお、特許文献1〜3には、カーボンナノチューブを使用したタイヤ用ゴム組成物が開示されているが、下記で説明する本発明のカーボンナノチューブ−ポリマー複合体については開示も示唆もされていない。

概要

高シリカ配合のタイヤキャップトレッド用コンパウンドには、(1)耐摩耗性に優れること、(2)電気伝導性を向上させることが求められているが、これらをすべて満足させる従来技術は存在しなかった。ジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを40〜150質量部、および、カーボンナノチューブの少なくとも1部にポリマー添着したカーボンナノチューブ−ポリマー複合体を0.1〜10質量部配合してなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物によって上記課題を解決した。なし

目的

本発明の目的は、フィラー分散性に優れ、耐摩耗性および電気伝導性に優れたタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを40〜150質量部、および、カーボンナノチューブの少なくとも1部にポリマー添着したカーボンナノチューブ−ポリマー複合体を0.1〜10質量部配合してなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物

請求項2

前記カーボンナノチューブ−ポリマー複合体中、前記ポリマーの添着量が5〜20質量%であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。

請求項3

前記カーボンナノチューブ−ポリマー複合体の平均粒径が、0.1mm〜3mmであることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。

請求項4

前記タイヤ用ゴム組成物の平均ガラス転移温度(Tg)が、−20℃以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。

請求項5

前記シリカのCTAB比表面積(N2SA)が、100〜300m2/gであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。

請求項6

請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物をキャップトレッドに用いた空気入りタイヤ

技術分野

0001

本発明は、タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、フィラー分散性に優れ、耐摩耗性および電気伝導性に優れたタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。

背景技術

0002

空気入りタイヤは左右一対ビード部およびサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるとともにキャップトレッドアンダートレッドとからなるトレッド部から主に構成されている。タイヤの内側にはカーカス層が設けられ、カーカス層の両端部はビードコアをタイヤ内側から外側へ包みこむように折り返されている。

0003

現在、ウェット性能や低転がり性能を向上させるために、高シリカ配合のタイヤキャップトレッド用コンパウンドが広く利用されている。
一方、高シリカ配合のタイヤキャップトレッド用コンパウンドには、次のような特性が求められている。
(1)耐摩耗性に優れること。
(2)電気伝導性を向上させること。

0004

しかし前記(1)において、耐摩耗性を向上させるには、例えばシリカ粒子径比表面積を調整する等の手法が検討されているが、それでも十分な耐摩耗性が得られていない。
また、前記(2)において、電気伝導性を向上させるには、アーストレッド構造の採用が挙げられる。アーストレッドとは、トレッドゴム埋設されてタイヤ接地面露出する導電ゴムである。しかし、タイヤにアーストレッドを設置することは、タイヤ製造工数の増加を招くという問題点がある。

0005

なお、特許文献1〜3には、カーボンナノチューブを使用したタイヤ用ゴム組成物が開示されているが、下記で説明する本発明のカーボンナノチューブ−ポリマー複合体については開示も示唆もされていない。

先行技術

0006

特許第5367966号公報
特開2009−179809号公報
特開2011−126529号公報

発明が解決しようとする課題

0007

したがって本発明の目的は、フィラーの分散性に優れ、耐摩耗性および電気伝導性に優れたタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明者は鋭意研究を重ねた結果、ジエン系ゴムに対し、シリカおよび特定のカーボンナノチューブ−ポリマー複合体を特定量で配合することにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下の通りである。

0009

1.ジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを40〜150質量部、および、カーボンナノチューブの少なくとも1部にポリマー添着したカーボンナノチューブ−ポリマー複合体を0.1〜10質量部配合してなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
2.前記カーボンナノチューブ−ポリマー複合体中、前記ポリマーの添着量が5〜20質量%であることを特徴とする前記1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
3.前記カーボンナノチューブ−ポリマー複合体の平均粒径が、0.1mm〜3mmであることを特徴とする前記1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
4.前記タイヤ用ゴム組成物の平均ガラス転移温度(Tg)が、−20℃以下であることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
5.前記シリカのCTAB比表面積(N2SA)が、100〜300m2/gであることを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
6.前記1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物をキャップトレッドに用いた空気入りタイヤ。

発明の効果

0010

本発明の構成は、ジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを40〜150質量部、および、カーボンナノチューブの少なくとも1部にポリマーが添着したカーボンナノチューブ−ポリマー複合体を0.1〜10質量部配合してなることを特徴としているので、フィラーの分散性に優れ、耐摩耗性および電気伝導性に優れたタイヤ用ゴム組成物および当該特性を兼ね備えた空気入りタイヤを提供することができる。

0011

以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴムは、通常のゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエン共重合体ゴムSBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミンアミドシリルアルコキシシリルカルボキシルヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。

0012

(シリカ)
本発明で使用するシリカは特に限定されず、例えばタイヤ用途でゴム組成物に配合されている従来公知の任意のシリカを用いることができる。
シリカの具体例としては、湿式シリカ乾式シリカヒュームドシリカ等が挙げられる。シリカは、1種のシリカを単独で用いても、2種以上のシリカを併用してもよい。
なお、本発明の効果向上の観点、とくに耐摩耗性向上の観点から、シリカのCTAB比表面積は、100〜300m2/gであることが好ましく、150〜260m2/gであることがさらに好ましい。なおシリカのCTAB比表面積は、ISO5794/1に準拠して測定される。

0013

(カーボンナノチューブ−ポリマー複合体)
本発明で使用されるカーボンナノチューブ−ポリマー複合体は、カーボンナノチューブの少なくとも1部にポリマーが添着したものである。

0014

前記ポリマーとしては、例えば、NR、SBR等のジエン系ゴム;ポリエチレンポリα−オレフィン等のオレフィン系樹脂シリコーン樹脂ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂;シリコーン樹脂;流動パラフィン等のオイルポリ塩化ビニルポリ酢酸ビニルポリスチレン等が挙げられる。

0015

また、カーボンナノチューブ−ポリマー複合体中、前記ポリマーの添着量は例えば5〜20質量%であることが、本発明の効果向上の観点から好ましい。
さらに好ましい前記添着量は、5〜15質量%である。

0016

本発明で使用されるカーボンナノチューブ−ポリマー複合体は、単体のカーボンナノチューブ(一次構造)が複数個集合し(二次構造)、この二次構造化したカーボンナノチューブがさらに集合し(三次構造)、この三次構造化したカーボンナノチューブの少なくとも1部または全部に前記ポリマーが添着し、ビーズ状となったものであることができる。ここで、「添着」とは、通常、三次構造化したカーボンナノチューブの少なくとも1部に前記ポリマーが付着しているか、全体に前記ポリマーがコーティングされた状態であることができ、前記カーボンナノチューブに対し前記ポリマーが固定されていればよく、両者間の結合が機械的結合であるか化学的結合であるか否かを問わない。また、該ビーズの平均粒径は例えば0.1mm〜3mmである。なお、平均粒径は、例えばカーボンナノチューブ−ポリマー複合体を顕微鏡観察し、100個あたりの複合体の粒径の平均を算出することにより把握できる。このようなカーボンナノチューブ−ポリマー複合体は公知の手段により作製することができ、例えば水中に単体のカーボンナノチューブ(一次構造)を分散させ分散液を調製し、これとは別に前記ポリマーを溶媒に溶解させ溶液を調製し、該分散液と該溶液とを同じ容器中で攪拌造粒し、乾燥することにより、カーボンナノチューブ−ポリマー複合体を得ることができる。このようなカーボンナノチューブ−ポリマー複合体は、単体のカーボンナノチューブ(一次構造)と同等の電気伝導性を有する。

0017

カーボンナノチューブ−ポリマー複合体の製造方法についてさらに詳しく説明する。
カーボンナノチューブ−ポリマー複合体は、例えば特許第4787892号公報や特許第5767466号公報に開示された方法に従い、製造することができる。

0018

前記ポリマーがゴム以外の熱可塑性樹脂である場合は、(1)非水溶性溶剤に該熱可塑性樹脂を溶解させて樹脂バインダー溶液を調製する溶解工程と、(2)前記樹脂バインダー溶液中の前記熱可塑性樹脂100質量部に対して100〜1500質量部に相当するカーボンナノチューブを水へ添加させ、均一に懸濁して懸濁液を得る懸濁工程と、(3)前記溶解工程で得られた前記樹脂バインダー溶液を前記懸濁工程で得られた前記懸濁液に添加して混合液を調製する混合工程と、(4)前記混合工程で得られた前記混合液を撹拌することで前記カーボンナノチューブを水相から樹脂相移行させる撹拌工程と、(5)前記撹拌工程で得られた前記混合液から水相と樹脂相とを分離除去し、樹脂相を乾燥することでカーボンナノチューブ高配合樹脂粒状物を得る、分離・乾燥工程と、を経ることにより、カーボンナノチューブ−ポリマー複合体を得ることができる。

0019

原料のカーボンナノチューブ(CNT)としては、とくに制限されないが、例えば繊維径が1〜200nm、繊維長が1〜100μmであるものを使用できる。

0020

前記(1)溶解工程は、熱可塑性樹脂を非水溶性の溶剤に溶解させる工程である。ここで使用する溶媒は非水溶性の溶剤の他に、水溶性の溶剤を使用することもできる。
溶剤は、熱可塑性樹脂を溶解し得る非水溶性の種々任意のものを使用できる。溶解の程度を簡易的に調べる方法としては、アドバンテック社製の円形ろ紙#5Cで全ての液がろ過できる程度が目安となり、ろ過残が少しでも存在する場合は溶剤を変更する必要がある。
非水溶性溶剤の例としては、トルエンキシレンヘキサン、テトロヒドロフランベンゼンシクロヘキサン等の有機溶剤等がある。

0021

前記(2)懸濁工程では、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、100〜1500質量部、好ましくは200〜1000質量部に相当するCNTを水へ配合し、均一に懸濁する。懸濁液中のCNT濃度は、0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%である。
CNTの水への分散の程度は、懸濁液をスポイト硝子板上に取り、ヘラ展色し、未分散塊を目視と指で調べて、ザラザラとした質感感触がなくなるまで懸濁させる。この処理によりCNTは凝集塊の状態から十分に解きほぐされた状態になる。
懸濁方法は、水等の分散媒に、CNTを機械的撹拌によって行うのが好ましい。また、超音波照射を併用してもよい。

0022

前記(3)混合工程では、樹脂溶解溶剤を、例えば60cc/分などの添加速度が均一の条件下で行う必要があり、不均一に混合するとCNTへの熱可塑性樹脂の吸着が不均一になって、最終性能に悪影響を及ぼす。
また、滴下チューブポンプダイアグラムポンプギアポンプ等で行い、CNTと水との懸濁液の温度が50℃以下、好ましくは25℃以下の温度条件で行うのがよい。
滴下状況に関して、液滴形状は必ずしも粒状でなくても良い。撹拌速度に応じて細い液柱状で連続した滴下状況であってもよい。
この際、添加液の温度には特に制限はなく、常温付近温度範囲であればよい。

0023

前記(4)撹拌工程では、懸濁溶液の液温にもよるが30分以内で撹拌を終了させるのが好ましい。30分以上撹拌を続けると、生成された樹脂粒状物破砕されスラリー状になる傾向がある。
CNTと水との均一懸濁液の撹拌中に、樹脂バインダー溶液を液滴状あるいは細い液柱状で添加すると樹脂相と水相の二相が形成される。CNTは初め、主に水相中に存在するが、さらに撹拌を続けると、水相中のCNTは樹脂相中に移行(フラッシング作用)する。このとき溶剤が存在すると、撹拌下でCNTと樹脂とからなる樹脂粒状物を得ることができる。

0024

前記(5)分離・乾燥工程では、分離作業を使用して簡単に行うことができる。乾燥は蒸気乾燥真空乾燥などの方法で行うことができる。この際の温度としては蒸気乾燥器の場合は200℃以下または真空乾燥は150℃以下が好ましい。

0025

前記ポリマーがゴムである場合は、(A)溶剤に固形状ゴムを溶解させてゴムバインダー溶液を調製する溶解工程と、(B)前記ゴムバインダー溶液中の前記固形状ゴム100質量部に対して100〜1500質量部に相当するカーボンナノチューブを水に添加し、均一に懸濁して懸濁液を得る懸濁工程と、(C)前記溶解工程で得られた前記ゴムバインダー溶液を前記懸濁工程で得られた前記懸濁液に添加して混合液を調製する混合工程と、(D)前記混合液を撹拌することで前記カーボンナノチューブを水相からゴム相へ移行させる移行工程と、(E)その後前記混合液から水相とゴム相とを分離除去し、ゴム相を乾燥することでカーボンナノチューブ高配合ゴム粒状物を得る分離・乾燥工程と、を経ることにより、カーボンナノチューブ−ポリマー複合体を得ることができる。

0026

(A)前記溶解工程において、溶剤は、固形状ゴムを溶解し得る種々任意のものを使用できる。溶解の程度を簡易的に調べる方法としては、アドバンテック社製の円形ろ紙#5Cで全ての液がろ過できる程度が目安となり、ろ過残が少しでも存在する場合は溶剤を変更する必要がある。
溶剤の例としては、トルエン、キシレン、ヘキサン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、シクロヘキサン、ナフチルアミンイソオクタンイソプロピルエーテルエチルベンゼンクレゾールクロロスルホン酸クロロトルエン、クロロナフタレンクロロホルムジエチルエーテルジオキサン、シクロヘキサン、ジクロロベンゼンフタル酸ジブチルジベンジルエーテルジペンテンテトラリンテルピネオールトリクロロエチレンジクロロメタンジクロロエタンニトロベンゼン二硫化炭素テトラクロロエチレンピネンピペリジンピリジン、フラン、ベンジンチオールモノクロロベンゼンメタクリル酸メチル四塩化炭素等の有機溶剤等がある
溶剤の添加量は、前記カーボンナノチューブ(CNT)の対DBP吸収量比の0.8〜1.5倍容量添加することが好ましい。カーボンナノチューブのDBP吸収量は、JIS K 6221A法によって測定した。

0027

なお、前記(B)懸濁工程、前記(C)分離・乾燥工程、前記(D)移行工程および前記(E)分離・乾燥工程は、それぞれ、前記(2)懸濁工程、前記(3)混合工程、前記(4)撹拌工程および前記(5)分離・乾燥工程と同様に行うことができる(「樹脂」は「ゴム」に読み替える)。

0028

またカーボンナノチューブ−ポリマー複合体は、ジエン系ゴム中に良好に分散され、破断伸び弾性率を向上させることができ、これにより優れた耐摩耗性を提供することができる。

0029

本発明で使用されるカーボンナノチューブ−ポリマー複合体は、市販されているものを利用することもでき、例えば
三菱商事株式会社製Durobeads品番DP5210(使用ポリマー=NR、ポリマーの添着量=10質量%、平均粒径=0.5mm〜2mm)、
三菱商事株式会社製Durobeads、品番=DP4210(使用ポリマー=SBR、ポリマーの添着量=10質量%、平均粒径=0.5mm〜2mm)、
三菱商事株式会社製Durobeads、品番=DP1210(使用ポリマー=ポリエチレン、ポリマーの添着量=10質量%、平均粒径=0.5mm〜2mm)、
三菱商事株式会社製Durobeads、品番=DP7210(使用ポリマー=ポリフッ化ビニリデン、ポリマーの添着量=10質量%、平均粒径=0.5mm〜2mm)、
三菱商事株式会社製Durobeads、品番=DR3110(使用ポリマー=シリコーン樹脂、ポリマーの添着量=10質量%、平均粒径=0.5mm〜2mm)、
三菱商事株式会社製Durobeads、品番=DP2210(使用ポリマー=流動パラフィンオイル、ポリマーの添着量=10質量%、平均粒径=0.5mm〜2mm)、
等が挙げられる。

0030

(タイヤ用ゴム組成物の配合割合
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを40〜150質量部、および、前記カーボンナノチューブ−ポリマー複合体を0.1〜10質量部配合してなることを特徴とする。
シリカの配合量が40質量部未満であると、シリカ配合系のメリットを享受できず(例えば転がり抵抗性の悪化)、逆に150質量部を超えると耐摩耗性が悪化する。
カーボンナノチューブ−ポリマー複合体の配合量が0.1質量部未満であると、添加量が少なすぎて本発明の効果を奏することができない。逆に10質量部を超えるとフィラー分散性が悪化し、転がり抵抗性の悪化等の懸念がある。

0031

さらに好ましい前記シリカの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し 、60〜130質量部である。
さらに好ましい前記カーボンナノチューブ−ポリマー複合体の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、0.5〜7質量部である。

0032

本発明のタイヤ用ゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種充填剤、各種オイル、老化防止剤可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。

0033

また、本発明のタイヤゴム組成物は、平均ガラス転移温度(平均Tg)が−20℃以下であることが好ましい。
なお本明細書で言う平均Tgは、各成分のガラス転移温度に、各成分の重量分率を乗じた積の合計、すなわち加重平均に基づき算出される値である。なお計算時には各成分の重量分率の合計を1.0とする。またガラス転移温度は、示差走査熱量測定DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、転移域の中点の温度とする。
また、前記各成分とは、ジエン系ゴム、オイルおよび樹脂を意味する。なお、オイルおよび樹脂は、ゴム組成物に含まれない場合もあり得る。
さらに好ましい平均Tgは、例えば−20℃〜−80℃である。

0034

また本発明のタイヤ用ゴム組成物は、フィラーの分散性に優れ、耐摩耗性および電気伝導性に優れていることから、とくにキャップトレッド用として使用するのが好ましい。この形態において、ジエン系ゴムの組成は、ジエン系ゴム全体を100質量部としたときに、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを30〜100質量部、好ましくは50〜80質量部、ブタジエンゴムを0〜60質量部、好ましくは10〜50質量部、天然ゴムまたはイソプレンゴムを0〜100質量部、好ましくは0〜50質量部とすることが好ましい。

0035

また本発明のタイヤ用ゴム組成物は、従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造することができる。

0036

以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。

0037

標準例1、実施例1〜7、比較例1〜3
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤硫黄を除く成分を1.7リットル密閉式バンバリーミキサーで5分間混練し、ゴムをミキサー外に放出して室温冷却した。次いで、該ゴムを同ミキサーに再度入れ、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で未加硫のゴム組成物および加硫ゴム試験片の物性を測定した。

0038

フィラー分散性ΔG’:未加硫のゴム組成物を用いて160℃で20分間の加硫を行い、歪率0.28%〜30.0%の歪せん断応力G’を測定した(単位:MPa)。測定には、粘弾性測定装置RPA2000(アルファテクノロジーズ社製)を使用した。歪率0.28%時のG’(G’0.28)と歪30.0%時のG’(G’30.0)との差ΔG’=(G’0.28−G’30.0)を計算した。結果は、標準例1の値を100として指数表示した。指数が小さいほどフィラー(カーボンブラック、カーボンナノチューブ−ポリマー複合体、シリカ)の分散性が良好であることを示す。
耐摩耗性:前記加硫ゴム試験片の耐摩耗性を、JIS K6264に準拠してランボーン摩耗試験機を用いて評価した。得られた結果は標準例1の値を100とする指数で表した。指数が大きいものほど耐摩耗性に優れることを示す。
電気伝導度:JIS K6911に準拠して電気抵抗値を測定した。結果は、標準例1の値を100として指数表示した。指数が小さいほど電気伝導性が高いことを示す。
結果を表1に併せて示す。

0039

0040

*1:SBR1(日本ゼオン(株)製Nipol 1739、油展量=SBR100質量部あたり37.5質量部)
*2:SBR2(JSR(株)製HP755B、油展量=SBR100質量部あたり37.5質量部)
*3:BR(日本ゼオン(株)製Nipol BR 1220)
*4:シリカ1(Solvay製ZEOSIL1165MP、CTAB比表面積=155m2/g)
*5:シリカ2(Solvay製ZEOSIL1115MP、CTAB比表面積=110m2/g)
*6:シリカ3(Solvay製ZEOSIL Premium 200MP、CTAB比表面積=200m2/g)
*7:カーボンナノチューブ(昭和電工(株)製VGCF、CVD法で合成された気相法炭素繊維黒鉛化処理有り)、繊維径=150nm、繊維長=10〜20μm、嵩密度=0.04g/cm3)
*8:カーボンナノチューブ−ポリマー複合体1(三菱商事(株)製Durobeads、品番=DP2210、使用ポリマー=流動パラフィンオイル)
*9:カーボンナノチューブ−ポリマー複合体2(三菱商事(株)製Durobeads、品番=DP4210、使用ポリマー=SBR)
*10:カーボンナノチューブ−ポリマー複合体3(三菱商事(株)製Durobeads、品番=DP5210、使用ポリマー=NR)
*11:カーボンブラック(Cabot Japan製シヨウブラックN339)
*12:シランカップリング剤エボニック社製Si69)
*13:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*14:ステアリン酸(日油(株)製ビーズステアリン酸YR)
*15:老化防止剤(EASTMAN製6PPD
*16:ワックス(大内新興化学工業(株)製パラフィンワックス
*17:オイル(昭和シェル(株)製エクストラクト4号S)
*18:硫黄(細井化学工業(株)製油処理イオウ
*19:加硫促進剤CBS(三新化学工業(株)製サンセラーCM−G)
*20:加硫促進剤DPG(住友化学(株)製ソクシールD−G)

実施例

0041

上記の表1から明らかなように、実施例1〜7で調製されたゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを40〜150質量部、および、カーボンナノチューブの少なくとも1部にポリマーが添着したカーボンナノチューブ−ポリマー複合体を0.1〜10質量部配合してなるので、標準例1に比べ、フィラーの分散性に優れ、耐摩耗性および電気伝導性に優れる。
比較例1は、カーボンナノチューブまたはカーボンナノチューブ−ポリマー複合体を配合していないので、標準例1に比べ、耐摩耗性の向上が見られず、また電気伝導性に劣る結果となった。
比較例2は、カーボンナノチューブ−ポリマー複合体の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、標準例1に比べ、フィラーの分散性が悪化し、転がり抵抗性の悪化が懸念される。
比較例3は、シリカの配合量が本発明で規定する下限未満を超えているので、標準例1に比べ、フィラーの分散性が悪化し、転がり抵抗性の悪化が懸念される。
比較例4は、シリカの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、標準例1に比べ、フィラーの分散性が悪化し、耐摩耗性が悪化した。

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