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技術 身体保持装具、これを用いる移乗装置、及び移乗方法

出願人 オージー技研株式会社
発明者 西澤研人杉洋一郎伊藤伸一
出願日 2019年4月5日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-072882
公開日 2020年10月15日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-168307
状態 未査定
技術分野 傷病者運搬具 病弱者のベッド及びその関連設備 医療用入浴、洗浄装置
主要キーワード 縦長スリット 斜めスリット 把持レバー 折返し接続 中腰姿勢 回動操作アーム ロックカバー アーム板
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年10月15日)のものです。
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図面 (16)

課題

要介護者が安定して起立着座動作できる身体保持装具、これを用いる移乗装置及び移乗方法を提供する。

解決手段

移乗装置10とともに用いられ要介護者Mを保持する身体保持装具1であって、要介護者Mの少なくとも背中側に装着されて要介護者Mを支持する支持部材2と、支持部材2から要介護者Mの腹部側にまで巻付けられて要介護者Mに固定される固定部材3と、支持部材2に設けられて移乗装置10の回動操作アーム18に係止可能な係止部材4と、を具備している。また、身体保持装具1を用いて要介護者Mを移乗させるための移乗装置は、要介護者Mを保持している身体保持装具1が係止可能な被係止部分を有して回動操作される回動操作アーム18、を備え、回動操作アーム18は、回動操作されて要介護者Mを起立させることが可能になっている。

概要

背景

要介護者の増加に伴い、車椅子ベッド等の機器から別の車椅子等の機器へ要介護者を移乗させる介護者の負担が増加している。例えば、入浴介護では、入浴者を車椅子から別の入浴用の車椅子へ移乗させる必要があるが、この際、介護者が要介護者を抱え上げて入浴用の車椅子に移乗させなければならない。また、浴室内においても、要介護者の安全性等に配慮しながら多くの介護作業を行う必要がある。一方、浴室内だけでなく、居室内においても、要介護者をベッドから車椅子へ、あるいはベッドから簡易トイレへ移乗させるなど、多くの移乗の機会がある。これらの移乗作業を行う介護者の身体的・精神的負担は大きく、介護者の技術レベルの差によっては要介護者の転倒も懸念される。

このため、従来から要介護者の負担を軽減する目的で、要介護者に装着した身体保持具を用いて、要介護者を移乗させる移乗装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。

概要

要介護者が安定して起立着座動作できる身体保持装具、これを用いる移乗装置及び移乗方法を提供する。移乗装置10とともに用いられ要介護者Mを保持する身体保持装具1であって、要介護者Mの少なくとも背中側に装着されて要介護者Mを支持する支持部材2と、支持部材2から要介護者Mの腹部側にまで巻付けられて要介護者Mに固定される固定部材3と、支持部材2に設けられて移乗装置10の回動操作アーム18に係止可能な係止部材4と、を具備している。また、身体保持装具1を用いて要介護者Mを移乗させるための移乗装置は、要介護者Mを保持している身体保持装具1が係止可能な被係止部分を有して回動操作される回動操作アーム18、を備え、回動操作アーム18は、回動操作されて要介護者Mを起立させることが可能になっている。

目的

本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、要介護者が安定して起立・着座動作できる身体保持装具、これを用いる移乗装置及び移乗方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

移乗装置とともに用いられ要介護者を保持する身体保持装具であって、前記要介護者の少なくとも背中側に装着されて当該要介護者を支持する支持部材と、前記支持部材から前記要介護者の腹部側にまで巻付けられて当該要介護者に固定される固定部材と、前記支持部材に設けられて前記移乗装置の回動操作アーム係止可能な係止部材と、を具備していることを特徴とする身体保持装具。

請求項2

前記係止部材は、両端部にそれぞれ前記回動操作アームに係止される係止具が取り付けられた第一係止部材と、前記第一係止部材から分岐して前記係止具に接続された第二係止部材とを有する、請求項1に記載の身体保持装具。

請求項3

前記固定部材と前記係止部材は、前記支持部材に対して着脱可能である、請求項1または2に記載の身体保持装具。

請求項4

前記係止部材は、一部が前記移乗装置の回動操作アームに水平より前方斜め上方所定角度で係止可能な本体係止部分と、鉛直方向より前方斜めに傾斜して前記支持部材に設けられる左右一対の斜め係止部分と、を有する、請求項1ないし3のいずれかに記載の身体保持装具。

請求項5

前記支持部材は、耐水性または撥水性を有する素材で構成されている、請求項1ないし4のいずれかに記載の身体保持装具。

請求項6

請求項1ないし5のいずれかに記載の身体保持装具を用いて要介護者を移乗させるための移乗装置であって、前記要介護者を保持している前記身体保持装具が係止可能な被係止部分を有して回動操作される回動操作アーム、を備え、前記回動操作アームは、回動操作されて前記要介護者を起立させることが可能になっている、ことを特徴とする移乗装置。

請求項7

前記回動操作アームを、初期位置から回動操作した所定位置ロックするロック機構を備えた、請求項6に記載の移乗装置。

請求項8

前記ロック機構は、前記回動操作アームに設けられた歯部と、前記歯部に噛み合うとともに回動可能な爪部とを有し、前記爪部は、前記所定位置において前記歯部と噛み合うように回動する方向に付勢されている、請求項7に記載の移乗装置。

請求項9

前記回動操作アームは、前記身体保持装具の係止位置の変更が可能な前記被係止部分を複数有している、請求項6ないし8のいずれかに記載の移乗装置。

請求項10

前記複数の被係止部分は、前記回動操作アームの初期位置において、前記要介護者から距離が離れるに従い長くなるように構成されている、請求項9に記載の移乗装置。

請求項11

請求項1ないし5のいずれかに記載の身体保持装具と請求項6ないし10のいずれかに記載の移乗装置とを用いて要介護者を機器と他の機器との間で移乗させる移乗方法であって、前記機器の座面部に着座している前記要介護者に前記身体保持装具を装着するステップと、前記移乗装置の前記座面部を起立させて前記移乗装置に前記要介護者が着座した前記機器の少なくとも一部の進入用のスペースを生成するステップと、前記移乗装置及び前記要介護者が着座した前記機器のうちの一方を他方に接近させて前記機器の一部を前記スペースに進入させるステップと、前記身体保持装具を前記移乗装置の回動操作アームに係止すると共に当該回動操作アームを操作して前記要介護者を前記機器の座面部から起立させるステップと、前記スペースに前記他の機器の一部を進入させるステップと、前記回動操作アームを操作して前記要介護者を前記他の機器の座面部に着座させるステップと、を有することを特徴とする移乗方法。

請求項12

前記機器及び前記他の機器の一方が入浴用車椅子である、請求項11に記載の移乗方法。

技術分野

0001

本発明は、病人怪我人、高齢弱者等(以下、要介護者という)の身体保持装具、これを用いる移乗装置、及び移乗方法に関わり、より詳しくは、要介護者を車椅子ベッド等の機器と別の車椅子等の機器との間において移乗させる際に使用する好適な身体保持装具、これを用いる移乗装置、及び移乗方法に関する。

背景技術

0002

要介護者の増加に伴い、車椅子やベッド等の機器から別の車椅子等の機器へ要介護者を移乗させる介護者の負担が増加している。例えば、入浴介護では、入浴者を車椅子から別の入浴用の車椅子へ移乗させる必要があるが、この際、介護者が要介護者を抱え上げて入浴用の車椅子に移乗させなければならない。また、浴室内においても、要介護者の安全性等に配慮しながら多くの介護作業を行う必要がある。一方、浴室内だけでなく、居室内においても、要介護者をベッドから車椅子へ、あるいはベッドから簡易トイレへ移乗させるなど、多くの移乗の機会がある。これらの移乗作業を行う介護者の身体的・精神的負担は大きく、介護者の技術レベルの差によっては要介護者の転倒も懸念される。

0003

このため、従来から要介護者の負担を軽減する目的で、要介護者に装着した身体保持具を用いて、要介護者を移乗させる移乗装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0004

特許第6087405号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上記従来の身体保持装具は、要介護者の背中側のみを支持しているだけであるため、例えば、入浴後で背中が濡れた要介護者に身体保持装具を装着し、移乗装置で起立着座動作させる際に、身体保持装具が背中からずれたり、また、起立・着座動作中に要介護者の姿勢が変わった結果、安定してこれらの動作を行うことができなかったりして、要介護者が転倒するといった懸念もあった。

0006

本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、要介護者が安定して起立・着座動作できる身体保持装具、これを用いる移乗装置及び移乗方法を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0007

(1)上記課題を解決するため、本発明第1は、移乗装置とともに用いられ要介護者を保持する身体保持装具であって、前記要介護者の少なくとも背中側に装着されて当該要介護者を支持する支持部材と、前記支持部材から前記要介護者の腹部側にまで巻付けられて当該要介護者に固定される固定部材と、前記支持部材に設けられて前記移乗装置の回動操作アーム係止可能な係止部材と、を具備していることを特徴とする。

0008

本発明第1によれば、入浴後で背中、、腹等の身体部分が濡れた要介護者を当該移乗装置で起立・着座動作させる際に、身体保持装具が装着した要介護者の身体部分からずれたりすることがなく、また、移乗装置内において前記起立・着座動作中に要介護者の姿勢が変わっても、安定してこれらの動作を行うことができ、従来のように、それらの動作中に要介護者が転倒するといった懸念が解消できる。

0009

(2)本発明第1の好ましい実施態様では、前記係止部材は、両端部にそれぞれ前記回動操作アームに係止される係止具が取り付けられた第一係止部材と、前記第一係止部材から分岐して前記係止具に接続された第二係止部材とを有する。

0010

上記実施態様によれば、万一、要介護者の移乗動作中に、第一係止部材が切断した場合でも分岐した第二係止部材で移乗装置との連結を維持できるので、安全性を向上できる。

0011

(3)本発明第1の好ましい実施態様では、前記固定部材と前記係止部材は、前記支持部材に対して着脱可能である。

0012

上記実施態様によれば、支持部材、固定部材、係止部材が使用により劣化や破損をした場合に支持部材、固定部材、係止部材を互いから取り外して必要な部材を容易に交換でき、メンテナンス性を向上できる。

0013

(4)本発明第1の好ましい実施態様では、前記係止部材は、一部が前記移乗装置の回動操作アームに水平より前方斜め上方所定角度で係止可能な本体係止部分と、鉛直方向より前方斜めに傾斜して前記支持部材に設けられる左右一対の斜め係止部分と、を有する。

0014

上記実施態様によれば、回動操作アームが回動操作され、前記要介護者が前記本体係止部分により座面部から前方斜め上方に持ち上げられたとき、前記支持部材には、当該支持部材を変形させる方向の持ち上げ力が作用しにくくなって好ましい。

0015

(5)本発明第1の好ましい実施態様では、前記支持部材は、耐水性または撥水性を有する素材で構成されている。

0016

上記実施態様によれば、身体保持装具の支持部材は、耐水性を有しているため、身体が濡れた要介護者に装着しても変質等せず、また、撥水することができ、浴室内で身体保持装具を使用する上で好ましい。

0017

(6)本発明第2の移乗装置においては、前記(1)ないし(5)のいずれかに記載の身体保持装具を用いて要介護者を移乗させるための移乗装置であって、前記要介護者を保持している前記身体保持装具が係止可能な被係止部分を有して回動操作される回動操作アーム、を備え、前記回動操作アームは、回動操作されて前記要介護者を起立させることが可能になっている。

0018

本発明第2によれば、入浴後で背中、腰、腹等の身体部分が濡れた要介護者を当該移乗装置で起立・着座動作させる際に、身体保持装具が装着した要介護者の身体部分からずれたりすることがなく、また、前記起立・着座動作中に要介護者の姿勢が変わっても、安定してこれらの動作を行うことができ、従来のように、それらの動作中に要介護者が転倒するといった懸念が解消できる。

0019

(7)本発明第2の好ましい実施態様では、前記回動操作アームを、初期位置から回動操作した所定位置ロックするロック機構を備えている。

0020

上記実施態様によれば、起立動作支援時に介護者が回動操作アームを支持しておく必要がなく、また要介護者の体重で回動操作アームを初期位置方向に引っ張られる危険性を低減できる。

0021

(8)本発明第2の好ましい実施態様では、前記ロック機構は、前記回動操作アームに設けられた歯部と、前記歯部に噛み合うとともに回動可能な爪部とを有し、前記爪部は、前記所定位置において前記歯部と噛み合うように回動する方向に付勢されている。

0022

上記実施態様によれば、介護者が特別なロック操作をすることなく、所定位置で回動操作アームをロックすることができる。

0023

(9)本発明第2の好ましい実施態様では、前記回動操作アームは、前記身体保持装具の係止位置の変更が可能な前記被係止部分を複数有している。

0024

上記実施態様によれば、要介護者の体格等に合わせて身体保持装具の取付け位置を調整できる。

0025

(10)本発明第2の好ましい実施態様では、前記複数の被係止部分は、前記回動操作アームの初期位置において、前記要介護者から距離が離れるに従い長くなるように構成されている。

0026

上記実施態様によれば、取付け位置を変更する際に、使用しない被係止部分が邪魔になり難い。体格の小柄な要介護者の場合は、要介護者から前方に離れた長い寸法の被係止部分に係止部材をかけることで身体保持装具の本体係止部分の余りを調整でき好適に起立、着座動作を支援できる。

0027

(11)本発明第3の移乗方法においては、前記(1)ないし前記(5)のいずれかに記載の身体保持装具と、前記(6)ないし前記(10)のいずれかに記載の移乗装置とを用いて要介護者を機器と他の機器との間で移乗させる移乗方法であって、前記機器の座面部に着座している前記要介護者に前記身体保持装具を装着するステップと、前記移乗装置の前記座面部を起立させて前記移乗装置に前記要介護者が着座した前記機器の少なくとも一部の進入用のスペースを生成するステップと、前記移乗装置及び前記要介護者が着座した前記機器のうちの一方を他方に接近させて前記機器の一部を前記スペースに進入させるステップと、前記身体保持装具を前記移乗装置の回動操作アームに係止すると共に当該回動操作アームを操作して前記要介護者を前記機器の座面部から起立させるステップと、前記スペースに前記他の機器の一部を進入させるステップと、前記回動操作アームを操作して前記要介護者を前記他の機器の座面部に着座させるステップと、を有する。

0028

本発明第3によれば、要介護者を安定して機器と他の機器との間で安定してスムーズに移乗させることができる。

0029

(12)本発明第3の好ましい実施態様では、前記機器及び前記他の機器の一方が入浴用車椅子である。

発明の効果

0030

本発明によれば、要介護者を移乗装置を用いて起立・着座動作させる際、身体保持装具が装着した要介護者の身体部位からずれたりすることがなく、また、起立・着座動作中に要介護者の姿勢が変わっても、安定してこれらの動作を行うことができ、従来のように、それらの動作中に要介護者が転倒するといった懸念が解消できる。

図面の簡単な説明

0031

(a)は本発明の実施形態に係る身体保持装具の正面図。(b)は図1(a)における破線A部分の拡大斜視図。
同身体保持装具の背面図。
同身体保持装具の分解斜視図。
同身体保持装具の要介護者への装着状態を示す図。
同身体保持装具を装着した要介護者を、移乗装置で起立させた状態を示す図。
本発明の実施形態に係る移乗装置の後方斜視図。
同移乗装置の回動操作アーム近傍の要部拡大図。
同移乗装置の回動操作アーム近傍の要部拡大図。
同移乗装置の回動操作アームが初期位置にある状態の側面図。
(a)回動操作アーム初期位置の要部拡大図、(b)回動操作アームロック位置の要部拡大図、(c)回動操作アームロック解除位置の要部拡大図。
同移乗装置の要部側面断面図。
同移乗装置において、足当て部を透明化した座面部倒伏時の正面図。
(a)〜(c)は同移乗装置を用いた移乗方法の各ステップを示す図。
(a)〜(c)は同移乗装置を用いた移乗方法の各ステップを示す図。
(a)〜(c)は同移乗装置を用いた移乗方法の各ステップを示す図。

実施例

0032

以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態に係る身体保持装具、これを用いた移乗装置、並びに移乗方法を説明する。

0033

図1図3を参照して、本発明の実施形態に係る身体保持装具を説明する。これらの図に示す身体保持装具は、要介護者を車椅子や搬送車等の車両と移乗装置との間の移乗や、移乗装置と入浴装置との間の移乗の際における介助に使用される。

0034

身体保持装具1は、要介護者の腹部から背中及び腰部巻き付けられて要介護者を支持する支持部材2と、支持部材2に着脱可能に設けられ支持部材2の上から要介護者に巻付けられて固定されるベルト状の固定部材3と、固定部材3の上から支持部材2に着脱可能に設けられて身体保持装具1を移乗装置の被係止金具に係止する紐状の係止部材4とを備えている。係止部材4は、移乗装置の回動操作アーム18(後述)に係止可能な係止具としての係止金具5をその両端に具備している。

0035

支持部材2は、要介護者の背中から腰側全周に巻付けられる長さを有する、柔軟で耐水性または撥水性を有するスポンジ状部材からなり、要介護者の背中から腰側にかけて巻付けられる幅広の中央部2aと、中央部2aの両側から左右に伸びて要介護者の腹部側に巻付けられる幅狭の端部2b1、2b2とを有する。中央部2aは、平行に対向する上側一対と下側一対の左側斜めスリット2cと、平行に対向する上側一対と下側一対の右側斜めスリット2dと、一対の縦長スリット2eとを有する。図1に示すように、左側斜めスリット2cは上から左斜め下方向(鉛直方向に対して例えば30°を成す方向)に並んで形成されており、各スリット長穴)の長手方向は右斜め下方向に傾斜している。右側斜めスリット2dは上から右斜め下方向(鉛直方向に対して例えば30°を成す方向)に並んで形成されており、各スリット(長穴)の長手方向は左斜め下方向に傾斜している。すなわち、左側斜めスリット2c及び右側斜めスリット2dは傾斜して形成されている。また、図1に示すように、中央部2aの左側の端部2b1は一対の縦長スリット2fを有する。

0036

固定部材3は、支持部材2に着脱可能で耐水性または撥水性の部材からなり、両端部に相互に締結可能なバックル部3aを有している。支持部材2の上から固定部材3の両端が支持部材2の縦長スリット2e,2fに挿通されバックル部3aで締結される。

0037

係止部材4は、支持部材2に着脱可能で固定部材3より細幅で身体保持装具1を移乗装置に係止固定するための耐水性または撥水性の部材である。

0038

係止部材4は、上下で対向する二股状の本体係止部分4a1,4a2と、本体係止部分4a1,4a2間に斜め交叉する一対の斜め交叉係止部分4b1,4b2とを有する。係止部材4はまた、上側一対の左側斜めスリット2cに挿通され端部にバックル部4cを有する紐状の左上側斜め係止部分4dと、下側一対の左側斜めスリット2cに挿通され端部にバックル部4eを有する紐状の左下側斜め係止部分4fと、上側一対の右側斜めスリット2dに挿通され端部にバックル部4gを有する紐状の右上側斜め係止部分4hと、下側一対の右側斜めスリット2dに挿通され端部にバックル部4iを有する紐状の右下側斜め係止部分4jとを有している。本体係止部分4a1,4a2は、中央側がほぼ一定間隔に平行に離間し、両端に近づくにつれて互いに接近して両端でつながっており、両端に係止具としての係止金具(係止具)5が取り付けられている。係止金具5は、回動操作アーム18に係止される金具であり、複数の穴、この実施形態では2つの挿通穴5a,5bと1つの鍵穴状の係止穴5cとを有する。

0039

図1(a)の破線Aの拡大図である図1(b)で示すように、本体係止部分4a1,4a2は係止金具5の挿通穴5aに挿通された後、本体係止部分4a1,4a2の両端が連結される無端状に形成されている。本体係止部分4a1,4a2は第一係止部材を構成し、この第一係止部材から分岐して挿通穴5bと挿通穴5aに折返し接続された第二係止部材としての分岐部材4a3を有する。縫目4a5は、係止穴5a,5bを通して折り返された分岐部材4a3の端部がその分岐部材4a3に縫い合わされた部分の縫目であり、縫目4a6は、分岐部材4a3と本体係止部分4a1とが縫い合わされた部分の縫目である。この第一係止部材及び第二係止部材により、万一、要介護者の移乗動作中に、第一係止部材が切断した場合でも分岐した第二係止部材で移乗装置10(後述)との連結が解除されないので、安全性を向上できる。また、分岐部材4a3は移乗装置10の回動操作アーム(後述)に連結された際に分岐部材4a3に張力がかからないように遊貫状態に設けられている。

0040

以上の身体保持装具1において、図4図5に示すように要介護者Mの背中及び腰部から腹部にかけ支持部材2が巻き付けられ、その上から固定部材3が、支持部材2に設けられた縦長スリット2e,2fに挿入されその両端のバックル部3aが締結され、これにより、固定部材3が支持部材2の上から要介護者Mに巻き付けられて支持部材2が要介護者Mに固定される。この巻き付け固定により支持部材2は要介護者Mの背中及び腰部の所要位置からずれることが防止される。

0041

この身体保持装具1を要介護者Mに装着した状態から、図5に示すように、係止部材4の本体係止部分4a1,4a2の両端の係止金具5が移乗装置10の回動操作アーム18に設けた3つの被係止金具40a〜40c(被係止部分)のいずれかに係止される。

0042

図5に示すように、移乗装置10の回動操作アーム18を時計回りの方向に回動させると、身体保持装具1側の係止金具5が移乗装置10側の被係止金具40a〜40cのいずれかに引っ掛けられているので、座面部20に着座している要介護者Mは身体保持装具1の本体係止部分4a1,4a2により矢印Bで示す水平に対して前方上方に所定角度、例えば30°で持ち上げられる。要介護者Mを持ち上げる際に本体係止部分4a1、4a2のうち、特に下側の本体係止部分4a2に張力がかかる。ここで、係止部材4の左上側斜め係止部分4dが上側一対の左側斜めスリット2cに挿通され、左下側斜め係止部分4fが下側一対の左側斜めスリット2cに挿通され、互いのバックル部4c,4eで締結され、また、右上側斜め係止部分4hが上側一対の右側斜めスリット2dに挿通され、右下側斜め係止部分4jが下側一対の右側斜めスリット2dに挿通され、互いのバックル部4g,4iで締結されている。

0043

これにより、斜め係止部分4d,4f;4h,4jは鉛直方向Cの前方所定角度、例えば30°で傾斜しており、それに対応して左側斜めスリット2c及び右側斜めスリット2dが傾斜して形成されているので、要介護者Mを持ち上げる際に本体係止部分4a2にかかる張力は、左側斜めスリット2c及び右側斜めスリット2dの長穴の長手方向に作用する。このため、特に下側一対の左側斜めスリット2cの間のつなぎ部分(支持部材2の一部分)2c1とその左側斜めスリット2c近傍の支持部材2、下側一対の右側斜めスリット2dの間のつなぎ部分(支持部材2の一部分)2d1とその右側斜めスリット2d近傍の支持部材2が変形して破損することを抑えることができる。このように、支持部材2には、支持部材2を変形させる方向の持ち上げ力が作用しにくくなる。なお、上記所定角度は、好ましくは、30°ないし30°前後であるが、これに限定されない。

0044

以上の身体保持装具1によれば、支持部材2が要介護者Mの背中及び腰部の所定位置からずれないため、要介護者Mの上肢が濡れていたり、後述する移乗装置10上で姿勢が変わったりしても、移乗装置10の座面部20から安定して起立・着座動作ができる。例えば、腰部に装着した身体保持装具1がずれないため、移乗装置10の座面部20から起立した際に起立状態を維持でき、臀部等を洗ったり、着衣脱衣の作業をしたりすることが容易となる。また、支持部材2、固定部材3、係止部材4が、単独で破損や劣化した際、容易に交換でき、身体保持装具1の全体を買え変える必要がなく、コストメリットに優れる。さらに、後述するように、回動操作アーム18の回動操作で身体保持装具1が回転軌道で持ち上げられても、係止部材4がねじれることがないので、スポンジ製の支持部材2の変形や破損を抑えることができる。また、後述する入浴装置で入浴後に、身体が濡れた要介護者Mの移乗動作に使用しても、カビ等の発生を防ぐことができる。

0045

移乗装置10を、図5を含め、図6ないし図12を参照して説明する。移乗装置10において前後左右の各方向を図6に示すように設定する。これらの各方向は、図5に示すように移乗装置10によって移乗される要介護者Mから見たときの前後左右の方向である。

0046

これらの図を参照して、移乗装置10は、台車11と、装置本体12とを有する。台車11は、前後に車輪13を備えた左右一対の台車フレーム14と、両台車フレーム14を左右方向で連結する連結フレーム15と、足載置板16とを有する。

0047

装置本体12は、台車11に一体に組み付けられている。装置本体12は、左右一対の把持レバー17、左右一対の回動操作アーム18、座面操作レバー19、左右一対の座面部20、要介護者M用の足当て部21、介護者N用の足当て部30、ロックカバー26、及び、複数のフレーム22等、を有する。

0048

介護者N(図5参照)は、把持レバー17を利用して移乗装置10の移動・停止を制御し、回動操作アーム18を利用して要介護者Mの介助を行い、座面操作レバー19を利用して座面部20の起立・倒伏の挙動を制御することができる。また、要介護者Mは、座面部20に着座したり、足当て部21にを当てたりすることができる。足当て部21は、座面部20に着座している要介護者Mが立ち上がる際、足当て部21に膝または脛の少なくとも一部が当たることで、いわゆる梃子の作用で立ち上がり易くさせる。

0049

また、介護者Nにおいても、移乗装置10の前方から介護者N用の足当て部30に膝または脛の少なくとも一部を当てた状態で前方から回動操作アーム18を回動操作できる。そのため、女性等の腕力が弱い介護者Nでも回動操作アーム18に力を入れて回動操作しやすく、要介護者Mを楽に座面部20から起立させられる。

0050

足当て部30は、図5に特に示すように、介護者N側から見て、側面視における下方部30aが上方部30bよりも前方に突出している。そのため、小柄な介護者の場合、膝位置が大柄な介護者に比べて下位置になるが、足当て部30の下方部30aが介護者側に突出しているため、小柄な介護者が足当て部30に膝をあてがい易くできる。また、膝を上方部30bにあてがうことができる介護者の場合、膝から下の部位を足当て部30の前面に沿わせて膝を屈曲した姿勢で回動操作アーム18の操作をすることができる。なお、足当て部30は、弾性を有する材料でなり、好ましくはシリコンゴム製または熱圧縮により成形されたものである。これにより、介護者Nが足当て部30に膝ないし脛をあてがうときに痛みを感じ難くすることができる。

0051

回動操作アーム18は、途中が折れ曲がって回動支点になっていると共に一端側181が介護者Nにより操作される操作端である一方、他端側182に沿って身体保持装具1の係止が可能な被係止金具40a〜40cが複数順次配列されている。図5において、回動操作アーム18の他端側182の点線部分E1を前方から見た部分の拡大図E2に示すように、複数の被係止金具40a〜40cは、回動操作アーム18の他端側182の端部からの距離が離れるに従い長くなっている。すなわち、回動操作アーム18の初期位置(後述、図9参照)において、要介護者Mからの距離が離れるに従い被係止金具40a〜40cが長くなるように構成されている。

0052

したがって、係止部材4の本体係止部分4a1、4a2が途中で弛んだりしないように要介護者Mの体格の大小に対応して身体保持装具1の係止金具5を回動操作アーム18のいずれかの被係止金具40a〜40cに容易かつ確実に係止することができるようになっている。すなわち、要介護者Mが大柄な人ほど手前側(要介護者Mに近い方)の被係止金具40aに係止金具5を取り付ける。これは、身体保持装具1の長さが変わらないため、大柄で恰幅のよい要介護者Mの場合、腹部から被係止金具40a〜40cまでの距離が短くなり、係止金具5を取り付ける位置を変えないと被係止金具40a〜40cに取り付けにくくなるためである。また、被係止金具40a〜40cの長さを変えているが、これは、小柄な要介護者Mに対して奥側(要介護者Mから離れた方)の被係止金具40cに係止金具5を取り付ける際に、手前の被係止金具40a、40bが邪魔にならないようにするためである。

0053

回動操作アーム18は介護者Nが回動操作のため把持する把持部183を備え、その把持部183の先端183aは球状に形成されている。そのため、介護者Nは、回動操作アーム18を把持し易く力を入れて回動操作することが可能となる。

0054

装置本体12は、下方でU字状に曲折され台車11から略垂直上方に延びる前側左右一対の第1本体フレーム22と、連結フレーム15から垂直上方に延びる後側左右一対の第2本体フレーム23と、両第1本体フレーム22を上方側で左右に連結する第1連結フレーム24と、第1、第2本体フレーム22,23を前後に連結する上側と下側一対の第2、第3連結フレーム25a,25bとを有する。なお、足載置板16は第1本体フレーム22の下方部分と連結フレーム15にわたって設けられている。

0055

図7及び図8を参照して、左右一対の回動操作アーム18を更に説明する。これらの図には、一方(図6の左側)の回動操作アーム18の一部のみが示されているが、他方の回動操作アーム18も同様である。両回動操作アーム18は、一対の連結フレーム18a,18bで平行に連結されている(連結フレーム18bは図6参照)。なお。連結フレーム18bは要介護者Mが握る握持部となっている(図5参照)。

0056

回動操作アーム18は、その折曲がり下端アーム板18cが固定されている。アーム板18cには、アームボルト18d,18eが固定され、回動操作アーム18はアーム板18cを介してフレーム板33にアーム軸18fで軸着されている。アーム板18cの下端側には、歯部18gが形成されている。

0057

第1連結フレーム24には、フレーム板33が固定されている。フレーム板33において、その上端側は、アームボルト18d,18e間に位置し、ラチェット爪部33aの支軸33bが、フレーム板33に軸支されている。ラチェット爪部33aは、回動操作アーム18のアーム板18cにおける歯部18gと噛み合う方向に引張コイルばね33cで付勢されている。

0058

以上の回動操作アーム18のアーム板18cに設けられた歯部18gと、この歯部18gに噛み合うラチェット爪部33aは、回動操作アーム18を後述する初期位置から回動操作した所定位置でロックするロック機構を構成する。なお、ロック機構を構成する部分を覆う保護カバー26(図5参照)が設けられている。

0059

上記ロック機構における回動操作アーム18のロック及びそのロック解除図9及び図10を参照して説明する。図10(a)〜(c)は、図9に示す回動操作アーム18の初期位置、ロック位置、ロック解除位置それぞれに対応する要部の図である。すなわち、図10(a)は回動操作アーム18が初期位置にあるときの図9の要部の図であり、図10(b)は回動操作アーム18がロック位置にあるときの図9の要部の図であり、図10(c)は回動操作アーム18がロック解除位置にあるときの図9の要部の図である。

0060

回動操作アーム18が図9実線で示す位置、すなわち、図10(a)の初期位置にあるときは、アームボルト18eは、フレーム板33に当接していることで、回動操作アーム18の自重による右回りの回転が抑止され、回動操作アーム18の初期位置が維持されている。回動操作アーム18がこの初期位置から図9の第1仮想線18´の位置まで矢印F方向に回動操作されると、図10(b)に示すように、アーム板18cの歯部18gにフレーム板33のラチェット爪部33aが係合して、回動操作アーム18はロックされる。このとき、ラチェット爪部33aは回動操作アーム18の回動に伴ってアーム板18cに当接し押され図10(a)の状態から右回り方向に回転しており、引張コイルばね33cによって左回り方向への付勢力が働いている。すなわち、回動操作アーム18が初期位置において、ラチェット爪部33aは歯部18gと噛み合うように回動する方向に付勢されている。回動操作アーム18が図9の第1仮想線18´のロック位置から更に矢印F方向に第2仮想線18´´の位置まで回動操作されると、図10(c)に示すように、アーム板18cの歯部18gに対するフレーム板33のラチェット爪部33aの係合が外れてロックが解除される。このとき、ラチェット爪部33aは、回動操作アーム18の回動に伴ってアーム板18cに当接し右回り方向に押された後、アーム板18cと当接しなくなると、引張コイルばね33cによる付勢力によって左回り方向に回転し、図10(c)の状態となる。

0061

上記ロック機構により、要介護者Mの起立動作支援時に要介護者Mの体重で回動操作アーム18が引っ張られる危険性を低減できる。また、介護者Nが回動操作アーム18に対して特別なロック操作をすることなく、所定位置で回動操作アーム18をロックすることができるため、安全性を高めることができる。

0062

図11及び図12を参照して、座面操作レバー19の操作による一対の座面部20の同期した起立・倒伏制御を説明する。第3連結フレーム25bの内部に座面アーム27が挿入され、座面アーム27の後端側は第3連結フレーム25bから後方に突出している。突出した座面アーム27の後端に座面部20が固定されている。座面アーム27の前端側に回動軸29が固定され、この回動軸29回りに突出端29a、29bが突出している。一方の回動軸29(突出端29bが設けられる回動軸)に、座面部20の起立・倒伏を操作する座面操作レバー19が固定されている。

0063

前側左右一対の第1本体フレーム22間に要介護者Mの膝または脛が当てられる足当て部21が設置されている。この足当て部21の前側には介護者Nの膝または脛が当てられる足当て部30が設置されている。この足当て部30の内部には、リンク機構31が内蔵されている。リンク機構31は、座面操作レバー19の回動操作で左右一対の座面部20を同期させて起立・倒伏させる。リンク機構31は、左右一対の第1、第2リンク片31a,31bを含む。左右一対の第1、第2リンク片31a,31bそれぞれの一端側同士は接続され、それぞれの他端側は左右の各突出端29a、29bに連結されている。引張コイルばね32の両端は第2リンク片31bの一端寄り側と第1本体フレーム22間に設けられる不図示のフレーム板との間に固定されている。

0064

座面操作レバー19が図12で示す左上斜めの操作位置にあるときは、左側突出端29aは左下斜めに突出し、右側突出端29bは左上斜めに突出して、左右座面部20は共に水平姿勢にある。そして、座面操作レバー19が図12の矢印Gで示す時計回りで、仮想線19´で示す位置まで回動操作されると、引張コイルばね32とリンク機構31により、左側突出端29aは反時計回りに回動して仮想線29a´で示す位置になり、右側突出端29bは時計回りに回動して仮想線29b´で示す位置になる結果、左右の座面部20は仮想線20´で示すように起立する。左右の座面部20が起立しているとき、引張コイルばね32は座面部20の起立状態を維持する方向に第2リンク片31bを付勢する。なお、リンク機構31のリンク片は2本のリンク片でなく、1本のリンク片で構成してもよい。

0065

以上の座面操作レバー19は、要介護者Mの着座側とは反対の前方右側に配置されるため、介護者Nは左右一対の座面部20を別々に起立・倒伏させる必要がなく、介護者Nの介助作業手数を削減できる。また、要介護者Mを起立させたその場で座面部20を起立・倒伏できる。また、介護者Nが回動操作アーム18を回動操作する際にその介護者Nの膝や脛が押し当たる足当て部30が前方側に設けられ、また、リンク機構31は、足当て部30で覆い隠されている。そのため、介護者Nの下肢がリンク機構31に接触して負傷する危険を回避できる。

0066

なお、移乗装置10の座面部20が起立姿勢にあると、移乗装置10は後方にスペースができる。そうすると、このスペースを利用して、介護者Nによる車椅子の一部のスペース内外の進入・退出、要介護者Mの起立・着座の挙動、といった一連の介助・被介助が可能となる。

0067

移乗装置10においては、一対の台車フレーム14の対向間隔が、後方になる従い漸次長くなっており、これにより座面部20が起立した際の前記スペースが後方側で広がっており、座面部20が起立した際に車椅子の進入・退出が容易となっている(図6参照)。

0068

以上の移乗装置10によれば、要介護者Mの腰部に装着した身体保持装具1がずれないため、要介護者Mが座面部から起立した際に、要介護者Mの臀部等を洗ったり、着衣、脱衣の作業をしたりすることが容易となる。また、回動操作アーム18は所定の位置でロックが可能であるので、要介護者Mの座面部からの起立動作の支援時に要介護者Mの体重で回動操作アームが引っ張られる危険性を低減することができる。さらに、身体保持具1の係止が可能な被係止金具40a〜40cが複数設けられているので、要介護者Mの体格等に合わせて身体保持装具1の取付け位置を調整できる。さらには、身体保持装具1の取付け位置を変更する際に、使用しない係止部材4が邪魔になり難い体格の小柄な要介護者Mの場合は、要介護者Mから前方に離れた長い寸法の係止箇所に係止部材4をかけることで好適に起立、着座動作を支援できる。

0069

以下、図13図15を参照して本発明の実施形態に係る移乗方法を説明する。ここでは移乗装置10を用いて移乗させる機器及び他の機器を車椅子50及び入浴用車椅子51として説明する。なお、図13図15において介護者の記載を省略している。

0070

まず、図13(a)に示すように、脱衣場において要介護者Mの上着等の衣服を可能な範囲で脱がせた後、身体保持装具1を装着する。身体保持装具1で保持された要介護者Mが載っている車椅子50の一部を、座面部20を起立させてなる移乗装置10のスペースSに進入させると共に、身体保持装具1の係止金具5を要介護者の身長、体格に合わせて回動操作アーム18の被係止金具40a〜40cのいずれかに係止する。

0071

次いで、図13(b)に示すように、介護者は回動操作アーム18を前方に回動操作して要介護者Mを持ち上げながら、回動操作アーム18をロックして要介護者Mを車椅子50の座面部から臀部を浮かせた姿勢(中腰姿勢)にする。車椅子50をスペースSから退出させた後、この中腰姿勢を維持して介護者は要介護者Mに対して脱衣できていない下着ズボン膝下ないしはその近傍まで下ろす作業を実施する。

0072

次いで、図13(c)に示すように、座面操作レバー19を操作して座面部20を水平姿勢にすると共に回動操作アーム18を初期位置に戻して要介護者Mを座面部20に着座させ、下着やスボンを要介護者Mから完全に脱がせる。図示はしていないが、その後、介護者は、要介護者Mを着座させた移乗装置10を浴室まで移動させる。

0073

次いで、浴室において、介護者は移乗装置10の座面部20に着座している要介護者Mの等、洗身可能な部位を洗身した後、図14(a)に示すように、回動操作アーム18を前方に回動操作して要介護者Mを中腰姿勢となるよう起立させると共に、座面操作レバー19を操作して座面部20を起立状態にする。この状態で介護者は要介護者Mの臀部、大腿部の裏側や背中等の部位の洗身を行う。

0074

次いで、図14(b)に示すように移乗装置10のスペース内に入浴用車椅子51の一部を進入させると共に、回動操作アーム18を後方に回動操作して要介護者Mを入浴用車椅子51の座面部に着座させる。介護者は回動操作アーム18の被係止金具から係止金具5を外し、入浴用車椅子51をスペースSから退出させた後、身体保持装具1を要介護者Mから外す。

0075

次いで、図14(c)に示すように入浴用車椅子51を専用浴槽52内に挿入し入浴を行う。入浴が終了すると、入浴用車椅子51を専用浴槽52から出し、移乗装置10近傍に移動させる。要介護者Mの胸部や腹部等の身体の部位を拭いた後、身体保持装具1を装着する。移乗装置10のスペースに入浴用車椅子51を進入させ、身体保持装具1の係止金具5を回動操作アーム18の被係止金具40a〜40cのいずれかに係止し、回動操作アーム18を回動操作して要介護者Mを中腰姿勢となるよう起立させる。図15(a)に示すように、座面操作レバー19を操作して座面部20を水平にし、要介護者Mを座面部20上に着座させる。図示はしていないが、その後、介護者は、要介護者Mを着座させた移乗装置10を浴室から脱衣場まで移動させる。

0076

次いで、図15(b)に示すように、回動操作アーム18を前方に回動操作して要介護者Mを起立させ、座面操作レバー19を操作して座面部20を起立姿勢にした後、要介護者Mの臀部、大腿部の裏側や背中等の部位を拭いた後、下着やズボンを着衣させる作業を行う。

0077

最後に、図15(c)に示すように移乗装置10のスペース内に車椅子50を進入させ、進入させた車椅子50に要介護者Mを着座させる。そして、身体保持装具1の係止金具5を回動操作アーム18から外し、移乗装置10を車椅子50から離すことで、車椅子50を移乗装置10外に退出させる。身体保持装具1を要介護者Mから外し、要介護者Mに上着を着衣させて移乗が終了する。

0078

なお、図14(c)の入浴中に移乗装置10を浴室から脱衣場に移動させておき、入浴終了後、図15(a)のステップを経ることなく、要介護者Mを着座させた入浴用車椅子51をそのまま脱衣場に移動させ、図15(b)のステップに移行できるようにしてもよい。

0079

本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々適宜に変更可能である。上述の移乗方法では機器及び他の機器を車椅子50及び入浴用車椅子51とした例を説明したが、これに限定されず、例えば、機器及び他の機器をベッド及び車椅子とする、あるいはベッド及びトイレとすることも可能である。

0080

1身体保持装具
2支持部材
3固定部材
4係止部材
5係止金具
10移乗装置
11台車
12 装置本体
13車輪
14台車フレーム
15連結フレーム
16 足載置板
17把持レバー
18回動操作アーム
18cアーム板
18d,18eアームボルト
18g歯部
19 座面操作レバー
20 座面部
21 足当て部(要介護者用)
27 座面アーム
29回動軸
30 足当て部(介護者用
31リンク機構
31a,31bリンク片
32引張コイルばね
33フレーム板
33aラチェット爪部
40a,40b,40c 被係止金具
50車椅子
51入浴用車椅子
52 専用浴槽

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