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課題
解決手段
患者の血液を体外循環させる血液回路2に設けられ、血漿分離器26で分離された血漿を浄化した浄化後の血漿、または血漿分離器で分離された血漿の補充液を血液回路2に導入するチャンバ27と、浄化後の血漿または補充液をチャンバ27に送液可能な送液ライン3と、送液ライン3にエアーを導入可能なエアー導入部9と、チャンバ27内の液面高さを調整可能な液面調整部8と、血液浄化治療の終了時に、エアー導入部9により送液ライン3にエアーを導入しつつ、送液ライン3を介してチャンバ27に浄化後の血漿または補充液を送液すると共に、液面調整部8によりチャンバ27内の液面高さを所定の液面高さに維持する液回収処理を行う制御部7と、を備えた。
概要
背景
概要
血液浄化治療後に、ラインに残った血漿や補充液を回収でき、かつ、患者側に気泡を送ってしまうことを抑制可能な血液浄化装置を提供する。患者の血液を体外循環させる血液回路2に設けられ、血漿分離器26で分離された血漿を浄化した浄化後の血漿、または血漿分離器で分離された血漿の補充液を血液回路2に導入するチャンバ27と、浄化後の血漿または補充液をチャンバ27に送液可能な送液ライン3と、送液ライン3にエアーを導入可能なエアー導入部9と、チャンバ27内の液面高さを調整可能な液面調整部8と、血液浄化治療の終了時に、エアー導入部9により送液ライン3にエアーを導入しつつ、送液ライン3を介してチャンバ27に浄化後の血漿または補充液を送液すると共に、液面調整部8によりチャンバ27内の液面高さを所定の液面高さに維持する液回収処理を行う制御部7と、を備えた。
目的
本発明は、血液浄化治療後に、ラインに残った血漿や補充液を回収でき、かつ、患者側に気泡を送ってしまうことを抑制可能な血液浄化装置を提供する
効果
実績
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請求項1
患者の血液を体外循環させる血液回路に設けられ、前記血液回路に設けられた血漿分離器で分離された血漿を浄化した浄化後の血漿、または前記血漿分離器で分離された血漿の補充液を前記血液回路に導入するチャンバと、前記浄化後の血漿または前記補充液を前記チャンバに送液可能な送液ラインと、前記送液ラインにエアーを導入可能なエアー導入部と、前記チャンバ内の液面高さを調整可能な液面調整部と、血液浄化治療の終了時に、前記エアー導入部により前記送液ラインにエアーを導入しつつ、前記送液ラインを介して前記チャンバに前記浄化後の血漿または前記補充液を送液すると共に、前記液面調整部により前記チャンバ内の液面高さを所定の液面高さに維持する液回収処理を行う制御部と、を備えた、血液浄化装置。
請求項2
前記液面調整部は、前記チャンバ内からエアーを排出することで、前記チャンバ内の液面高さを引き上げることが可能に構成されている、請求項1に記載の血液浄化装置。
請求項3
前記チャンバの第1高さ位置に設けられ前記チャンバ内の前記第1高さ位置に気体が存在するか否かを検出可能な第1液面検知センサを備え、前記制御部は、前記第1液面検知センサで気体を検出したとき、前記液面調整部に、前記チャンバ内からエアーを排出する動作を行わせる、請求項2に記載の血液浄化装置。
請求項4
前記チャンバにおける前記第1高さ位置よりも高い第2高さ位置に設けられ、前記チャンバ内の前記第2高さ位置に気体が存在するか否かを検出可能な第2液面検知センサをさらに備え、前記制御部は、前記第1及び第2液面検知センサで気体を検出したとき、前記液面調整部による前記チャンバ内からのエアーの排出を開始し、前記第1及び第2液面検知センサが気体を検知しないとき、前記液面調整部によるエアーの排出を停止する、請求項3に記載の血液浄化装置。
請求項5
前記浄化後の血漿または前記補充液を前記チャンバに送液可能な送液ポンプを備え、前記制御部は、前記液回収処理時に、前記エアー導入部により前記送液ラインにエアーを導入しつつ、前記送液ポンプを駆動すると共に、前記液面調整部により前記チャンバ内の液面高さを所定の液面高さに維持する、請求項1乃至4の何れか1項に記載の血液浄化装置。
請求項6
請求項7
前記液面調整部は、前記チャンバ内からエアーを排出するレベル調整ポンプを有し、前記制御部は、前記レベル調整ポンプの回転量積算値が所定の閾値以上となったとき、前記レベル調整ポンプと前記送液ポンプとを停止し前記液回収処理を終了する、請求項5または6に記載の血液浄化装置。
請求項8
前記血漿分離器で分離した血漿を廃棄し、前記補充液を前記血液回路に導入するように構成されており、前記送液ラインは、補充液を送液する補充液ラインであり、前記送液ポンプは、前記補充液ラインに設けられ前記補充液を送液するポンプである、請求項5乃至7の何れか1項に記載の血液浄化装置。
請求項9
前記血漿分離器で分離した血漿から特定の成分を吸着して血漿を浄化する血漿浄化器を備え、前記送液ラインが、前記血漿浄化器で浄化した前記浄化後の血漿を前記チャンバに送液する浄化血漿送液ラインであり、前記送液ポンプが、前記血漿分離器で分離した血漿を前記血漿浄化器に送液する排液ラインに設けられた排液ポンプである、請求項5乃至7の何れか1項に記載の血液浄化装置。
請求項10
前記血漿分離器で分離した血漿から特定の成分を分離して血漿を浄化する血漿浄化器を備え、前記送液ラインは、前記血漿浄化器で浄化した前記浄化後の血漿と前記補充液とを混合して前記チャンバに送液する浄化血漿送液ラインであり、前記送液ポンプは、前記補充液を前記血漿浄化器に送液するポンプである、請求項5乃至7の何れか1項に記載の血液浄化装置。
請求項11
技術分野
0001
本発明は、血液浄化装置に関する。
背景技術
0002
PA(血漿吸着、Plasma Adsorption)、DFPP(二重濾過血漿交換、Double Filtration Plasmapheresis)、あるいはPE(血漿交換、Plasma Exchange)と呼称される血液浄化治療においては、患者の血液から血漿を分離し、分離した血漿を浄化した浄化後の血漿、あるいは補充液(新鮮凍結血漿等の血液製剤)を患者に戻す。
0003
PA,DFPP,あるいはPEを行う血液浄化装置では、血液浄化治療後に、血漿が流れているラインの任意の箇所からエアーを取り込みつつ、ラインに残った血漿や補充液を患者へと回収することが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
先行技術
発明が解決しようとする課題
0005
しかしながら、従来の血液浄化装置では、例えばエアーを送り込み過ぎてしまい、患者への返血ライン上にある気泡検出器で気泡が検出され警報が発生する場合があった。また、エアーの送り込みが不足し、血漿や補充液がライン上に残ってしまう場合もあった。
0006
そこで、本発明は、血液浄化治療後に、ラインに残った血漿や補充液を回収でき、かつ、患者側に気泡を送ってしまうことを抑制可能な血液浄化装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
0007
上記課題を解決することを目的として、請求項1に係る発明は、患者の血液を体外循環させる血液回路に設けられ、前記血液回路に設けられた血漿分離器で分離された血漿を浄化した浄化後の血漿、または前記血漿分離器で分離された血漿の補充液を前記血液回路に導入するチャンバと、前記浄化後の血漿または前記補充液を前記チャンバに送液可能な送液ラインと、前記送液ラインにエアーを導入可能なエアー導入部と、前記チャンバ内の液面高さを調整可能な液面調整部と、血液浄化治療の終了時に、前記エアー導入部により前記送液ラインにエアーを導入しつつ、前記送液ラインを介して前記チャンバに前記浄化後の血漿または前記補充液を送液すると共に、前記液面調整部により前記チャンバ内の液面高さを所定の液面高さに維持する液回収処理を行う制御部と、を備えた、血液浄化装置を提供する。
0008
請求項2に係る発明は、前記液面調整部は、前記チャンバ内からエアーを排出することで、前記チャンバ内の液面高さを引き上げることが可能に構成されている、請求項1に記載の血液浄化装置である。
0009
請求項3に係る発明は、前記チャンバの第1高さ位置に設けられ前記チャンバ内の前記第1高さ位置に気体が存在するか否かを検出可能な第1液面検知センサを備え、前記制御部は、前記第1液面検知センサで気体を検出したとき、前記液面調整部に、前記チャンバ内からエアーを排出する動作を行わせる、請求項2に記載の血液浄化装置である。
0010
請求項4に係る発明は、前記チャンバにおける前記第1高さ位置よりも高い第2高さ位置に設けられ、前記チャンバ内の前記第2高さ位置に気体が存在するか否かを検出可能な第2液面検知センサをさらに備え、前記制御部は、前記第1及び第2液面検知センサで気体を検出したとき、前記液面調整部による前記チャンバ内からのエアーの排出を開始し、前記第1及び第2液面検知センサが気体を検知しないとき、前記液面調整部によるエアーの排出を停止する、請求項3に記載の血液浄化装置である。
0011
請求項5に係る発明は、前記浄化後の血漿または前記補充液を前記チャンバに送液可能な送液ポンプを備え、前記制御部は、前記液回収処理時に、前記エアー導入部により前記送液ラインにエアーを導入しつつ、前記送液ポンプを駆動すると共に、前記液面調整部により前記チャンバ内の液面高さを所定の液面高さに維持する、請求項1乃至4の何れか1項に記載の血液浄化装置である。
0012
請求項6に係る発明は、前記液面調整部は、前記チャンバ内からエアーを排出するレベル調整ポンプを有し、前記レベル調整ポンプの吐出量が、前記送液ポンプの吐出量以上である、請求項5に記載の血液浄化装置である。
0013
請求項7に係る発明は、前記液面調整部は、前記チャンバ内からエアーを排出するレベル調整ポンプを有し、前記制御部は、前記レベル調整ポンプの回転量積算値が所定の閾値以上となったとき、前記レベル調整ポンプと前記送液ポンプとを停止し前記液回収処理を終了する、請求項5または6に記載の血液浄化装置である。
0014
請求項8に係る発明は、前記血漿分離器で分離した血漿を廃棄し、前記補充液を前記血液回路に導入するように構成されており、前記送液ラインは、補充液を送液する補充液ラインであり、前記送液ポンプは、前記補充液ラインに設けられ前記補充液を送液するポンプである、請求項5乃至7の何れか1項に記載の血液浄化装置である。
0015
請求項9に係る発明は、前記血漿分離器で分離した血漿から特定の成分を吸着して血漿を浄化する血漿浄化器を備え、前記送液ラインが、前記血漿浄化器で浄化した前記浄化後の血漿を前記チャンバに送液する浄化血漿送液ラインであり、前記送液ポンプが、前記血漿分離器で分離した血漿を前記血漿浄化器に送液する排液ラインに設けられた排液ポンプである、請求項5乃至7の何れか1項に記載の血液浄化装置である。
0016
請求項10に係る発明は、前記血漿分離器で分離した血漿から特定の成分を分離して血漿を浄化する血漿浄化器を備え、前記送液ラインは、前記血漿浄化器で浄化した前記浄化後の血漿と前記補充液とを混合して前記チャンバに送液する浄化血漿送液ラインであり、前記送液ポンプは、前記補充液を前記血漿浄化器に送液するポンプである、請求項5乃至7の何れか1項に記載の血液浄化装置である。
0017
請求項11に係る発明は、前記液面調整部は、前記チャンバ内を大気開放可能な大気開放弁を有し、前記制御部は、前記大気開放弁を開放し、かつ、前記チャンバよりも下流側の前記血液回路を閉塞することで、前記チャンバ内の液面高さを引き上げる、請求項1乃至5の何れか1項に記載の血液浄化装置である。
発明の効果
0018
請求項1,2に係る発明によれば、血液浄化治療後に、ラインに残った血漿や補充液を回収でき、かつ、患者側に気泡を送ってしまうことを抑制可能な血液浄化装置を提供できる。
0019
請求項2、3に係る発明によれば、チャンバにエアーが送り込まれた場合であっても、チャンバ内の液面高さを維持できる。
0020
請求項4に係る発明によれば、チャンバ内の液面高さを任意の高さ範囲で維持でき、液面調整部の頻繁な動停止を抑制できる。
0021
請求項5に係る発明によれば、チャンバに浄化後の血漿または補充液を容易に送液でき、また送液ラインにエアーを容易に導入できる。
0022
請求項6に係る発明によれば、レベル調整ポンプの動作遅れによらず、患者側に気泡を送ってしまうことを抑制できる。
0023
請求項7に係る発明によれば、液回収処理の終了時期を適切に見極めることができる。
0024
請求項8、9,10に係る発明によれば、PE,PA,DFPPを行う場合において、他の用途で使用されているポンプを送液ポンプとして使用でき、送液ポンプを別途設けた場合と比較して装置を小型化できる。
0025
請求項11に係る発明によれば、レベル調整ポンプを省略でき、装置の小型化及び低コスト化が可能になる。
図面の簡単な説明
0026
本発明の一実施の形態に係る血液浄化装置の概略構成図である。
図1の血液浄化装置において、液回収処理時のエアーと補充液の流れを説明する図である。
液回収処理の制御フローを示すフロー図である。
本発明の他の実施の形態に係る血液浄化装置の概略構成図である。
本発明の他の実施の形態に係る血液浄化装置の概略構成図である。
実施例
0027
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
0028
図1は、本実施の形態に係る血液浄化装置の概略構成図である。図1に示す血液浄化装置1は、PE(血漿交換、Plasma Exchange)と呼称される血液浄化治療を行う装置であり、血漿分離器26で分離した血漿を廃棄し、血漿分離器26で分離された血漿の補充液(新鮮凍結血漿やアルブミン製剤等の血液製剤)を血液回路2に導入するように構成されている。
0029
血液浄化装置1は、患者の血液を体外循環させる血液回路2に設けられ、補充液(新鮮な血漿)を血液回路2に供給するチャンバ27と、補充液を送液する送液ライン3としての補充液ライン30と、補充液を送液可能な送液ポンプ6としての総補充液ポンプ35と、血液回路2に設けられた血漿分離器26にて分離した血漿を排出するための排液ライン4と、を備えている。
0030
血液回路2は、例えば可撓性を有するチューブ等から構成される。血液回路2の一端には、動脈側穿刺針21が設けられ、他端には静脈側穿刺針22が設けられている。また、血液回路2には、動脈側穿刺針21側から静脈側穿刺針22側にかけて、第1圧力検出装置23、血液ポンプ24、第2圧力検出装置25、血漿分離器26、チャンバ27、気泡検出装置28が順次設けられている。第1圧力検出装置23は、血液ポンプ24の上流側の血液回路2の圧力を検出するためのものであり、第2圧力検出装置25は、血液ポンプ24の下流側の血液回路2の圧力を検出するためのものである。気泡検出装置28は、気泡を検出する気泡検出センサを有し、気泡を検出したときに血液回路2をクランプする(挟み込んで閉塞する)機構を有している。
0031
血液ポンプ24は、チューブをしごいて血液を血漿分離器26側へと流動させる蠕動型のポンプからなる。血漿分離器26は、ダイアライザとも呼称されるものであり、図示しない膜により血液から血漿を分離する。血漿分離器26で血漿を分離された血液(血球等)はチャンバ27に送られる。また、血漿分離器26で分離された血漿は、排液ライン4に排出される。チャンバ27は、気泡を除去する役割と、補充液を血液回路2に導入する(合流させる)役割とを果たすものである。チャンバ27の上部には、疎水性のフィルタ27aを介して圧力センサ27bが接続されている。
0032
第2圧力検出装置25と血漿分離器26の間の血液回路2には、シリンジポンプ29から抗凝固薬を導入するための抗凝固薬導入ライン29aが接続されている。抗凝固薬導入ライン29aには、血液回路2を流れる血液が抗凝固薬導入ライン29aへと流れてしまうことを抑制するため、逆止弁29bが設けられている。
0033
補充液ライン30は、例えば可撓性を有するチューブ等から構成される。補充液ライン30の一端は、補充液を貯留した補充液バッグ31に接続される。補充液ライン30の他端は、チャンバ27に接続される。補充液ライン30には、補充液バッグ31側からチャンバ27側にかけて、補充液液切れ検出器32、補充液移送ポンプ33、補充液小分けチャンバ34、総補充液ポンプ35、加温器36、逆止弁37が順次設けられている。
0034
補充液液切れ検出器32は、補充液の液切れを検出するためのものである。補充液移送ポンプ33は、補充液バッグ31に貯留された補充液を補充液小分けチャンバ34に移送するポンプである。補充液小分けチャンバ34は、補充液を一時的に貯留するためのチャンバである。総補充液ポンプ35は、補充液小分けチャンバ34に貯留された補充液をチャンバ27側に送液するポンプである。加温器36は、補充液を加温する。逆止弁37は、血液回路2側から補充液ライン30側に液が逆流することを抑制する弁である。補充液移送ポンプ33および総補充液ポンプ35は、チューブをしごいて補充液を流動させる蠕動型のポンプからなる。
0035
排液ライン4は、例えば可撓性を有するチューブ等から構成される。排液ライン4の一端は、血漿分離器26に接続されており、他端は排液を排出する排出口41となっている。排液ライン4には、血漿分離器26側から排出口41側にかけて、漏血検出器42、第3圧力検出器43、排液ポンプ44、排液小分けチャンバ45、排液移送ポンプ46が順次設けられている。
0036
漏血検出器42は、血漿分離器26の破損等により血球等の血漿以外の成分が排液ライン4側に漏れているかを検出する検出器である。第3圧力検出装置43は、排液ポンプ44の入り口側の排液ライン4の圧力を検出する検出装置である。排液ポンプ44は、血漿分離器26で分離した血漿(排液)を排液小分けチャンバ45に送液する。排液小分けチャンバ45は、血漿(排液)を一時的に貯留するものである。排液移送ポンプ46は、排液小分けチャンバ45に貯留された血漿(排液)を排出口41に移送するポンプである。排液ポンプ44および排液移送ポンプ46は、チューブをしごいて血漿(排液)を流動させる蠕動型のポンプからなる。
0037
また、血液浄化装置1は、補充液小分けチャンバ34と排液小分けチャンバ45の合計の重さを検出する荷重計5を備えている。血液浄化装置1では、補充液バッグ31に貯留された補充液を補充液移送ポンプ33により補充液小分けチャンバ34に移送すると共に、排液小分けチャンバ45に貯留された血漿(排液)を排液移送ポンプ46により排出する第1工程と、補充液小分けチャンバ34に貯留された補充液をチャンバ27側に供給すると共に、血漿分離器26からの血漿(排液)を排液小分けチャンバ45へと貯留する第2工程とを繰り返す。この第2工程においては、補充液の供給量と、血漿(排液)の排出量とが等しい場合、荷重計5で検出される重さは一定になる。よって、血液浄化装置1では、第2工程において荷重計5で検出される重さが一定となるように、総補充液ポンプ35と排液ポンプ44の回転速度(吐出量)を制御する。
0039
さらに、血液浄化装置1は、液回収処理時に、補充液ライン30にエアーを導入可能なエアー導入部9を備えている。本実施の形態では、補充液ライン30の一端を補充液バッグ31から抜くことで、補充液ライン30にエアーを導入できるようにエアー導入部9を構成した(図2参照)。ただし、エアー導入部9の具体的な構成はこれに限らず、例えば、補充液小分けチャンバ34からエアーを導入するように構成してもよい。また、エアーポンプ等により補充液ライン30にエアーを押し込むようにエアー導入部9を構成してもよい。
0040
本実施の形態に係る血液浄化装置1は、チャンバ27内の液面高さを調整可能な液面調整部8を備えている。制御部7は、血液浄化治療の終了時に、エアー導入部9により補充液ライン30にエアーを供給しつつ、送液ポンプ6(ここでは総補充液ポンプ35)を駆動し、送液ライン3を介してチャンバ27に補充液を送液すると共に、液面調整部8によりチャンバ27内の液面高さを所定の液面高さに維持する液回収処理を行う。
0041
図2は、血液浄化装置1において、液回収処理時のエアーと補充液の流れを説明する図である。図2に示すように、本実施の形態では、液回収処理時に、補充液ライン30にエアーを導入しつつ、送液ポンプ6としての総補充液ポンプ35を駆動させる。これにより、補充液ライン30中の補充液がエアーに置換され、補充液ライン30に残った補充液がチャンバ27へと送られる。本実施の形態では、補充液移送ポンプ33を停止したままだとエアーがチャンバ27側に送られないため、総補充液ポンプ35と補充液移送ポンプ33の両方が駆動される。
0042
このとき、エアーを送りすぎると、チャンバ27の液面が下がり、気泡が気泡検出装置28側に流れてしまうおそれが生じる。そこで、本実施の形態では、液回収処理時に、液面調整部8によりチャンバ27内の液面高さを所定の液面高さに維持することで、気泡がチャンバ27の下流側(気泡検出装置28側)に流れてしまうことを抑制している。
0043
液面調整部8は、チャンバ27内からエアーを排出することで、チャンバ27内の液面高さを引き上げることが可能に構成されている。本実施の形態では、液面調整部8は、チャンバ27内からエアーを排出するレベル調整ポンプ81を有する。レベル調整ポンプ81は、エアー排出ライン82を介してチャンバ27と接続されている。エアー排出ライン82には、エアー排出ライン82を閉塞可能なクランプ83が設けられている。
0044
また、血液浄化装置1は、チャンバ27の第1高さ位置に設けられチャンバ27内の第1高さ位置に気体が存在するか否かを検出可能な第1液面検知センサ91を備えている。制御部7は、第1高さよりも液面高さが低くならないように、液面調整部8を制御する。具体的には、制御部7は、第1液面検知センサ91で気体を検出したとき、レベル調整ポンプ81を駆動して、チャンバ27内からエアーを排出する動作を行わせる。
0045
本実施の形態では、さらに、チャンバ27における第1高さ位置よりも高い第2高さ位置に設けられ、チャンバ27内の第2高さ位置に気体が存在するか否かを検出可能な第2液面検知センサ92を備えている。制御部7は、液面高さが第1高さと第2高さの間となるように液面調整部8を制御する。具体的には、制御部7は、第1及び第2液面検知センサ91,92で気体を検出したとき、レベル調整ポンプ81を駆動してチャンバ27内からのエアーの排出を開始し、第1及び第2液面検知センサ91,92が気体を検知しないとき、レベル調整ポンプ81の駆動を停止してエアーの排出を停止する。これにより、レベル調整ポンプ81の頻繁な動停止を抑制でき、レベル調整ポンプ81への負荷を抑制できる。
0046
なお、チャンバ27内の液面高さを連続的に計測する液面検知センサを備えても良い。この場合、液面検知センサの検知結果に基づき、チャンバ27内の液面高さが第1高さ位置以上の高さであるか否かと、チャンバ27内の液面高さが第2高さより低いか否かを、血液浄化装置1が判断する。
0047
レベル調整ポンプ81は、チューブをしごいてエアーを流動させる蠕動型のポンプからなる。補充液移送ポンプ33及び総補充液ポンプ35は、液回収処理の間駆動し続けているが、レベル調整ポンプ81は、途中から動き出すためにエアーの排出に若干の遅れが生じることは避けられない。この遅れをカバーするために、レベル調整ポンプ81の吐出量(ポンプ速度)は、送液ポンプ6(総補充液ポンプ35)の吐出量(ポンプ速度)以上であることが望ましく、さらに望ましくは、レベル調整ポンプ81の吐出量(ポンプ速度)は、送液ポンプ6(総補充液ポンプ35)の吐出量(ポンプ速度)より大きいとよい。また、送液ポンプ6が停止された状態(吐出量(ポンプ速度)が0とされた状態)で、レベル調整ポンプ81を駆動させて、液面調整を行ってもよい。さらに、送液ポンプ6を間欠的に駆動、停止させることを繰り返してもよい。この場合、レベル調整ポンプ81の吐出量(ポンプ速度)は、送液ポンプ6の吐出量の平均値よりも大きくするとよい。
0048
なお、レベル調整ポンプ81の動作が安定したと考えられる所定の時間を経過した後は、レベル調整ポンプ81の吐出量(ポンプ速度)を、送液ポンプ6(総補充液ポンプ35)の吐出量(ポンプ速度)と同等に制御してもよい。つまり、レベル調整ポンプ81は、駆動開始から所定時間、送液ポンプ6(総補充液ポンプ35)の吐出量(ポンプ速度)より大きい吐出量(ポンプ速度)に制御され、所定時間経過後は、送液ポンプ6(総補充液ポンプ35)の吐出量(ポンプ速度)と等しい吐出量(ポンプ速度)に制御されてもよい。ここでは、レベル調整ポンプ81の吐出量を変化させる場合を説明したが、送液ポンプ6(総補充液ポンプ35)の吐出量を変化させる(吐出量を減少させる)ことで、レベル調整ポンプ81の吐出量(ポンプ速度)と、送液ポンプ6(総補充液ポンプ35)の吐出量(ポンプ速度)以上に制御してもよい。
0049
また、レベル調整ポンプ81には、その回転量を検出可能な回転量検出部が設けられている。回転量検出部としては、例えば、エンコーダ等を用いることができる。また、レベル調整ポンプ81の駆動にステッピングモータを用いている場合、当該ステッピングモータに出力するパルス数によって、回転量を知ることもできる。
0050
制御部7は、回転量検出部の検出結果を基に、レベル調整ポンプ81の回転量積算値を演算し、回転量積算値が所定の閾値以上となったときに、レベル調整ポンプ81と送液ポンプ6とを停止し、液回収処理を終了する。この際、総補充液ポンプ35と補充液移送ポンプ33の両方が停止される。また、血液の凝固を抑制するために、血液ポンプ24は駆動し続ける。なお、レベル調整ポンプ81の回転数が一定とみなせる場合には、レベル調整ポンプ81の動作時間が所定の閾値以上となったときに、レベル調整ポンプ81と送液ポンプ6とを停止し、液回収処理を終了してもよい。
0051
ここで、液回収処理の制御フローを説明する。図3は、液回収処理の制御フローを示すフロー図である。液回収処理は、血液浄化治療を終了する際に行われる。
0052
図3に示すように、液回収処理では、まず、ステップS1にて、エアー導入部9より送液ライン3(補充液ライン30)にエアーを導入する。本実施の形態では、補充液ライン30の一端を補充液バッグ31から抜くことで、補充液ライン30にエアーを導入する。この際、総補充液ポンプ35と補充液移送ポンプ33の両方を動作させた状態とする。
0053
その後、ステップS2にて、制御部7が、第1液面検知センサ91で気体を検知したかを判定する。ステップS2にてNOと判定された場合、ステップS2に戻る。ステップS2にてYESと判定された場合、ステップS3にて、レベル調整ポンプ(LAP)81を駆動し、チャンバ27内からのエアーの排出を開始する。
0054
その後、ステップS4にて、制御部7が、第2液面検知センサ92で気体を検知したかを判定する。ステップS4にてNOと判定された場合、ステップS5にてレベル調整ポンプ81を停止した後、ステップS2に戻る。ステップS4にてYESと判定された場合、ステップS6にて、レベル調整ポンプ81の駆動を継続し、ステップS7にて、レベル調整ポンプ81の回転量積算値が所定の閾値以上となったかを判定する。ステップS7にてNOと判定された場合、ステップS4に戻る。
0055
ステップS7にてYESと判定された場合、ステップS8にて、レベル調整ポンプ81と送液ポンプ6を停止する。本実施の形態では、総補充液ポンプ35と補充液移送ポンプ33の両方を停止する。その後、処理を終了する。
0056
(変形例)
本実施の形態では、液面調整部8をレベル調整ポンプ81で構成したが、液面調整部8の具体的な構成はこれに限定されない。例えば、液面調整部8は、チャンバ27内を大気開放可能な大気開放弁であってもよい。この場合、制御部7は、大気開放弁を開放し、かつ、チャンバ27よりも下流側の血液回路2を閉塞する一方で、送液ポンプ6によって血漿を送液させることで、チャンバ27内の液面高さを引き上げるとよい。チャンバ27よりも下流側の血液回路2の閉塞は、例えば、気泡検出装置28のクランプを用いて行ってもよいし、専用のクランプ装置や開閉弁等を設けてもよい。このように構成することで、レベル調整ポンプ81を省略可能となるため、装置を簡略化でき、装置の小型化及び低コスト化が可能になる。
0057
液面調整部8として大気開放弁を用い、気泡検出装置28のクランプを用いて血液回路2の閉塞を行う場合、第一液面検知センサ91の検出に応じて、大気開放弁が開放され、気泡検出装置28のクランプが動作した(血液回路2が閉塞された)後、送液ポンプ6の回転量の積算値が規定値に到達したことを条件に、送液ポンプ6の駆動を終了させるとよい。
0058
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、本実施の形態に係る血液浄化装置1では、液回収処理時に、エアー導入部9により送液ライン3にエアーを導入しつつ、送液ライン3を介してチャンバ27に補充液を送液すると共に、液面調整部8によりチャンバ27内の液面高さを所定の液面高さに維持している。
0059
このように構成することで、血液浄化治療後に、送液ライン3に残った補充液を回収でき、かつ、患者側に気泡を送ってしまうことを抑制することが可能になる。その結果、液回収処理時に気泡検出装置28で気泡が検出され警報が発生することが抑制され、作業者の負担を軽くすることができる。
0060
(他の実施の形態)
図4に示す血液浄化装置1aは、PA(血漿吸着、Plasma Adsorption)と呼称される血液浄化治療を行う装置である。図4では、図1の血液浄化装置1と同じ部材については同じ符号を付しており、これら部材についての説明は省略する。
0061
血液浄化装置1aでは、排液ライン4の最上流(血漿分離器26の近傍)に、着脱可能なコネクタ12を設け、このコネクタ12を離脱させることにより、排液ライン4にエアーを導入できるようにエアー導入部9が構成されている。なお、エアー導入部9はこれに限らず、例えば、血漿分離器26の血漿出力側と反対側のポートを開放してエアーを導入するようにしてもよいし、後述する2次膜圧ポート47のチャンバ47a内にエアーを導入できるように構成してもよい。
0062
また、血液浄化装置1aでは、排液ライン4は、血漿分離器26で分離した血漿を血漿浄化器(選択式血漿成分吸着器)10に送液するように構成されている。排液ライン4における血漿分離器26と反対側の端部は、血漿浄化器10に接続されている。血漿浄化器10は、選択式血漿成分吸着器とも呼称されるものであり、血漿分離器26で分離した血漿から特定の成分を吸着して血漿を浄化するものである。
0063
血漿浄化器10と排液ポンプ44間の排液ライン4には、2次膜圧ポート47が設けられている。2次膜圧ポート47は、チャンバ47aと、チャンバ47aに疎水性のフィルタ47bを介して設けられた圧力センサ47cと、を有している。2次膜圧ポート47は、血漿浄化器10に導入される血漿から気泡を分離する役割と、血漿浄化器10の入口側の圧力を測定する役割とを果たす。
0064
血漿浄化器10で浄化された浄化後の血漿は、浄化血漿送液ライン38によりチャンバ27に送られる。浄化血漿送液ライン38には、浄化後の血漿を加温する加温器36、及び逆止弁37が設けられている。
0065
血液浄化装置1aでは、液回収処理時に、浄化後の血漿、及びエアーを送液する送液ポンプ6として、排液ポンプ44を用いる。より具体的には、血液浄化装置1aでは、液回収処理時に、コネクタ12を離脱させてエアーを導入可能とし、排液ポンプ44を駆動する。これにより、排液ライン4、血漿浄化器10、及び浄化血漿送液ライン38内の血漿がエアーに置換され、浄化後の血漿が患者へと回収される。
0066
また、血液浄化装置1aでは、上述の血液浄化装置1と同様に、液回収処理時に、液面調整部8により前記チャンバ内の液面高さを所定の液面高さに維持する。具体的には、制御部7は、第1及び第2液面検知センサ91,92で気体を検出したとき、レベル調整ポンプ81を駆動してチャンバ27内からのエアーの排出を開始し、第1及び第2液面検知センサ91,92が気体を検知しないとき、レベル調整ポンプ81の駆動を停止してエアーの排出を停止する。また、制御部7は、レベル調整ポンプ81の回転量積算値を演算し、回転量積算値が所定の閾値以上となったときに、レベル調整ポンプ81と送液ポンプ6(ここでは排液ポンプ44)とを停止し、液回収処理を終了する。
0067
図5に示す血液浄化装置1bは、と呼称される血液浄化治療を行う装置である。血液浄化装置1bは、DFPP(二重濾過血漿交換、Double Filtration Plasmapheresis)と呼称される血液浄化治療を行う装置である。
0068
血液浄化装置1bは、血漿分離器26で分離した血漿からさらに特定の成分を分離して血漿を浄化する血漿浄化器11を備えている。血漿浄化器11は、血漿成分分離器とも呼称されるものであり、膜を介して補充液と血漿を接することで、血漿の特定の成分(正常な成分)のみを補充液側に取り出すように構成されている。
0069
血液浄化装置1bでは、図4の血液浄化装置1aにおいて、2次膜圧ポート47の下流側の排液ライン4に、血漿浄化器11、第2排液ポンプ48を順次設け、排液ライン4の他端を排液(血漿)の排出口41としている。また、浄化血漿送液ライン38は、血漿浄化器11の補充液出口とチャンバ27とを接続するように設けられている。さらに、補充液バッグ31から延びる補充液ライン30が2分岐され、分岐された一方が前補充液ポンプ39を介して血漿浄化器11の補充液入口に接続され、分岐された他方が総補充液ポンプ35を介して血漿浄化器11の下流側の浄化血漿送液ライン38に接続されている。血液浄化装置1bでは、浄化後の血漿と補充液とが混合され、浄化血漿送液ライン38を介してチャンバ27に送られる。
0070
血液浄化装置1bでは、図1の血液浄化装置1と同様に、補充液ライン30の一端を補充液バッグ31から抜くことで、補充液ライン30にエアーを導入できるようにエアー導入部9を構成している。また、血液浄化装置1bでは、液回収処理時に、浄化後の血漿、及びエアーを送液する送液ポンプ6として、前補充液ポンプ39を用いる。エアー導入部9で導入されたエアーは、補充液ライン30、前補充液ポンプ39、血漿浄化器11、浄化血漿送液ライン38を通ってチャンバ27へと送られ、浄化後の血漿と補充液とが回収される。
0071
また、血液浄化装置1bでは、上述の血液浄化装置1と同様に、液回収処理時に、液面調整部8により前記チャンバ内の液面高さを所定の液面高さに維持する。具体的には、制御部7は、第1及び第2液面検知センサ91,92で気体を検出したとき、レベル調整ポンプ81を駆動してチャンバ27内からのエアーの排出を開始し、第1及び第2液面検知センサ91,92が気体を検知しないとき、レベル調整ポンプ81の駆動を停止してエアーの排出を停止する。また、制御部7は、レベル調整ポンプ81の回転量積算値を演算し、回転量積算値が所定の閾値以上となったときに、レベル調整ポンプ81と送液ポンプ6(ここでは前補充液ポンプ39)とを停止し、液回収処理を終了する。
0072
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
0073
[1]患者の血液を体外循環させる血液回路(2)に設けられ、前記血液回路(2)に設けられた血漿分離器(26)で分離された血漿を浄化した浄化後の血漿、または前記血漿分離器で分離された血漿の補充液を前記血液回路(2)に導入するチャンバ(27)と、前記浄化後の血漿または前記補充液を前記チャンバ(27)に送液可能な送液ライン(3)と、前記送液ライン(3)にエアーを導入可能なエアー導入部(9)と、前記チャンバ(27)内の液面高さを調整可能な液面調整部(8)と、血液浄化治療の終了時に、前記エアー導入部(9)により前記送液ライン(3)にエアーを導入しつつ、前記送液ライン(3)を介して前記チャンバ(27)に前記浄化後の血漿または前記補充液を送液すると共に、前記液面調整部(8)により前記チャンバ(27)内の液面高さを所定の液面高さに維持する液回収処理を行う制御部(7)と、を備えた、血液浄化装置(1)。
0074
なお、上記[1]における「または」は、少なくとも一が成立することを意味している。例えば、「浄化後の血漿、または前記血漿分離器で分離された血漿の補充液」という表現は、「浄化後の血漿と、前記血漿分離器で分離された血漿の補充液の少なくとも一方(どちらか一方または両方)」を意味している。
0075
[2]前記液面調整部(8)は、前記チャンバ(27)内からエアーを排出することで、前記チャンバ(27)内の液面高さを引き上げることが可能に構成されている、[1]に記載の血液浄化装置(1)。
0076
[3]前記チャンバ(27)の第1高さ位置に設けられ前記チャンバ(27)内の前記第1高さ位置に気体が存在するか否かを検出可能な第1液面検知センサ(91)を備え、前記制御部(7)は、前記第1液面検知センサ(91)で気体を検出したとき、前記液面調整部(8)に、前記チャンバ(27)内からエアーを排出する動作を行わせる、[2]に記載の血液浄化装置(1)。
0077
[4]前記チャンバ(27)における前記第1高さ位置よりも高い第2高さ位置に設けられ、前記チャンバ(27)内の前記第2高さ位置に気体が存在するか否かを検出可能な第2液面検知センサ(92)をさらに備え、前記制御部(7)は、前記第1及び第2液面検知センサ(91,92)で気体を検出したとき、前記液面調整部(8)による前記チャンバ(27)内からのエアーの排出を開始し、前記第1及び第2液面検知センサ(91,92)が気体を検知しないとき、前記液面調整部(8)によるエアーの排出を停止する、[3]に記載の血液浄化装置(1)。
0078
[5]前記浄化後の血漿または前記補充液を前記チャンバ(27)に送液可能な送液ポンプ(6)を備え、前記制御部(7)は、前記液回収処理時に、前記エアー導入部(9)により前記送液ライン(3)にエアーを導入しつつ、前記送液ポンプ(6)を駆動すると共に、前記液面調整部(8)により前記チャンバ(27)内の液面高さを所定の液面高さに維持する、[1]乃至[4]の何れか1項に記載の血液浄化装置(1)。
0079
[6]前記液面調整部(8)は、前記チャンバ(27)内からエアーを排出するレベル調整ポンプ(81)を有し、前記レベル調整ポンプ(81)の吐出量が、前記送液ポンプ(6)の吐出量以上である、[5]に記載の血液浄化装置(1)。
0080
[7]前記液面調整部(8)は、前記チャンバ(27)内からエアーを排出するレベル調整ポンプ(81)を有し、前記制御部(7)は、前記レベル調整ポンプ(81)の回転量積算値が所定の閾値以上となったとき、前記レベル調整ポンプ(81)と前記送液ポンプ(6)とを停止し前記液回収処理を終了する、[5]または[6]に記載の血液浄化装置(1)。
0081
[8]前記血漿分離器(26)で分離した血漿を廃棄し、前記補充液を前記血液回路(2)に導入するように構成されており、前記送液ライン(3)は、補充液を送液する補充液ライン(30)であり、前記送液ポンプ(6)は、前記補充液ライン(30)に設けられ前記補充液を送液するポンプ(35)である、[5]乃至[7]の何れか1項に記載の血液浄化装置(1)。
0082
[9]前記血漿分離器(26)で分離した血漿から特定の成分を吸着して血漿を浄化する血漿浄化器(10)を備え、前記送液ライン(3)が、前記血漿浄化器(10)で浄化した前記浄化後の血漿を前記チャンバ(27)に送液する浄化血漿送液ライン(38)であり、前記送液ポンプ(6)が、前記血漿分離器(26)で分離した血漿を前記血漿浄化器(10)に送液する排液ライン(4)に設けられた排液ポンプ(44)である、[5]乃至[7]の何れか1項に記載の血液浄化装置(1a)。
0083
[10]前記血漿分離器(26)で分離した血漿から特定の成分を分離して血漿を浄化する血漿浄化器(11)を備え、前記送液ライン(3)は、前記血漿浄化器(11)で浄化した前記浄化後の血漿と前記補充液とを混合して前記チャンバ(27)に送液する浄化血漿送液ライン(38)であり、前記送液ポンプ(6)は、前記補充液を前記血漿浄化器(11)に送液するポンプ(39)である、[5]乃至[7]の何れか1項に記載の血液浄化装置(1b)。
0084
[11]前記液面調整部(8)は、前記チャンバ(27)内を大気開放可能な大気開放弁を有し、前記制御部(7)は、前記大気開放弁を開放し、かつ、前記チャンバ(27)よりも下流側の前記血液回路(2)を閉塞することで、前記チャンバ(27)内の液面高さを引き上げる、[1]乃至[5]の何れか1項に記載の血液浄化装置(1)。
0085
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
0086
また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、上述の実施の形態では、送液ポンプ6を用いて、補充液をチャンバ27に送液したが、送液ポンプ6を用いることなく、手動で送液しても良い。例えば、エアー導入部9にシリンダ等の注入器を接続し、手動でシリンダを操作することによって注入圧で送液してもよい。また、送液ポンプ6と手動型の注入器を併用して送液してもよい。
0087
1…血液浄化装置
2…血液回路
24…血液ポンプ
26…血漿分離器
27…チャンバ
3…送液ライン
30…補充液ライン
33…補充液移送ポンプ
35…総補充液ポンプ
38…浄化血漿送液ライン
39…前補充液ポンプ
4…排液ライン
44…排液ポンプ
6…送液ポンプ
7…制御部
8…液面調整部
81…レベル調整ポンプ
9…エアー導入部
10…血漿浄化器
11…血漿浄化器
91…第1液面検知センサ
92…第2液面検知センサ