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課題
解決手段
本開示は、IBP4/SHBG、IBP4/PSG3、IBP4/LYAM1、IBP4/IGF2、CLUS/IBP3、CLUS/IGF2、CLUS/LYAM1、INHBC/PSG3、INHBC/IGF2、PSG2/LYAM1、PSG2/IGF2、PSG2/LYAM1、PEDF/PSG3、PEDF/SHBG、PEDF/LYAM1、CD14/LYAM1、およびAPOC3/LYAM1からなる群から選択される、単離されたバイオマーカーの対であって、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で反転値の変化を示すバイオマーカーの対を提供する。また、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、上記の群から選択される、バイオマーカーの少なくとも1対の反転値を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法が提供される。
概要
背景
背景
世界保健機関によると、推定1500万人の乳児が毎年(妊娠満37週前)早産で生まれる。信頼性の高いデータを伴うほぼ全ての国において早産率が増加している。世界保健機関;March of Dimes;The Partnership for Maternal, Newborn & Child Health; Save the
Children, Born too soon: the global action report on preterm birth、ISBN9789241503433(2012年)を参照のこと。推定100万人の乳児が早産の合併症により毎年死亡している。世界的には、早産が、新生児の第1の死亡原因(生後4週間内の乳児)および5歳未満の小児における肺炎に続く第2の死亡原因である。多くの生存者は、学習障害ならびに視覚および聴覚の問題を含む、障害の人生に直面する。
信頼性の高いデータを伴う184カ国にわたり、早産率は、生まれた乳児の5%〜18%の範囲である。Blencoweら、「National, regional and worldwide estimates of preterm birth.」、The Lancet、9;379巻(9832号):2162〜72頁(2012年)。早産の60%超がアフリカおよび南アジアで発生しており、早産は、それにもかかわらず、世界的な問題である。最多数を伴う国は、ブラジル、インド、ナイジェリア、および米国を含む。15%を上回る早産率を伴う11カ国の内、2カ国を除く全てが、サハラ以南アフリカである。最貧国においては、高所得国における9%と比較して、平均で、乳児の12%が、あまりにも早く生まれている。国内では、貧困家庭でリスクが高い。未熟児の4分の3超が、実施可能な、費用対効果の高いケア、例えば、乳児の肺を強化するための、早期陣痛のリスクのある妊娠女性に与えられる出生前ステロイド注射で助けることができる。
早産で生まれた幼児には、死亡ならびに種々の健康および発達の問題について、満期で生まれた幼児よりも大きなリスクがある。合併症は、急性呼吸器、消化器、免疫、中枢神経系、聴覚、および視覚の問題、ならびに長期的な運動、認知、視覚、聴覚、行動、社会的情緒、健康、および成長の問題を含む。早産児の誕生はまた、家族にかなりの感情的および経済的コストをもたらし、公的サービス、例えば健康保険、教育、および他の社会的支援のシステムなどについての意味を有しうる。死亡および罹患の最大のリスクは、最も初期の妊娠期間に生まれた幼児についてのものである。しかし、満期により近くで生まれた幼児が、早産で生まれた幼児の最多数を代表しており、満期で生まれた幼児よりも多くの合併症を経験する。
超音波で子宮頸管開口部を示す妊娠24週未満の女性において早産を防止するために、子宮頸部を強力な縫合糸で縫合閉鎖する頸管縫縮術として公知である外科的手技を用いることができる。妊娠34週未満および能動的な早期陣痛中の女性については、入院、ならびに早期陣痛を一時的に停止するおよび/または胎児の肺発達を促進するための医薬の投与が必要となりうる。妊娠女性で早産のリスクがあると判断された場合、医療提供者は、予防内服、例えばカプロン酸ヒドロキシプロゲステロン(Makena)注射および/または膣プロゲステロンジェル、子宮頸ペッサリーなど、性的活動および/または他の身体活動に対する制限、ならびに早期陣痛のリスクを増加させる慢性状態、例えば糖尿病および高血圧などのための処置の変更を含みうる、種々の臨床戦略を実施することができる。
早産のリスクがある女性を特定し、適した産前ケアを提供する必要性は高い。ハイリスクとして特定された女性では、より集中的な出生前サーベイランスおよび予防的介入について計画を立てることができる。リスク評価のための現在の戦略は、産科歴ならびに病歴および臨床検査に基づいているが、これらの戦略では、早期出産のリスクがある女性のわずかなパーセンテージを特定することしかできない。現在は、自然PTB(sPTB)の前歴が、それ以降のPTBに関する最も強力な単一の予測因子である。sPTBを以前に一度経験している場合、第2のPTBの可能性は30〜50%である。他の母体リスク要因としては、黒色人種であること、母体の体格指数が低いこと、および子宮頚部長が短いことが挙げられる。sPTBを予測するための羊水、頸腟液、および血清バイオマーカーの研究によると、最終的に早期分娩する女性には、複数の分子経路に異常があることが示唆されている。早産についてのリスクの信頼できる早期特定は、早期出産を防止するための適当なモニタリングおよび臨床管理の計画を可能にするであろう。そのようなモニタリングおよび管理は、より頻繁な胎教来診、連続的な子宮頸管長の測定、早期早産の徴候および症状に関する教育の強化、変更可能なリスク行動のためのライフスタイル介入、禁煙、子宮頸部ペッサリーおよびプロゲステロン処置を含みうる。最後に、早産についてのリスクの信頼できる出生前特定も、モニタリングリソースの費用対効果の配分に決定的である。
有リスク女性を特定しようとする研究が精力的に行われているにもかかわらず、臨床的および人口統計学的要因にのみ基づくか、または測定された血清または膣バイオマーカーを使用するPTB予測アルゴリズムは、臨床的に有用な検査に至っていない。臨床介入を可能にするためには、初回妊娠中および妊娠初期に有リスク女性を特定するためのより正確な方法が必要である。本発明では、妊娠女性に早産のリスクがあるか否かを決定するための組成物および方法を提供することにより、この必要性に対処する。関連する利点も提供する。
概要
早産を予測するためのバイオマーカーの対の提供。 本開示は、IBP4/SHBG、IBP4/PSG3、IBP4/LYAM1、IBP4/IGF2、CLUS/IBP3、CLUS/IGF2、CLUS/LYAM1、INHBC/PSG3、INHBC/IGF2、PSG2/LYAM1、PSG2/IGF2、PSG2/LYAM1、PEDF/PSG3、PEDF/SHBG、PEDF/LYAM1、CD14/LYAM1、およびAPOC3/LYAM1からなる群から選択される、単離されたバイオマーカーの対であって、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で反転値の変化を示すバイオマーカーの対を提供する。また、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、上記の群から選択される、バイオマーカーの少なくとも1対の反転値を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法が提供される。なし
目的
本発明では、妊娠女性に早産のリスクがあるか否かを決定するための組成物および方法を提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
明細書に記載の発明。
技術分野
0001
本願は、2016年2月3日に出願された米国仮特許出願第62/290,796号、2015年12月24日に出願された米国仮特許出願第62/387,420号および2015年6月19日に出願された米国仮特許出願第62/182,349号の優先権の利益を主張し、これらの米国仮特許出願の各々の全体の内容は、本明細書中に参考として援用される。
背景技術
0003
背景
世界保健機関によると、推定1500万人の乳児が毎年(妊娠満37週前)早産で生まれる。信頼性の高いデータを伴うほぼ全ての国において早産率が増加している。世界保健機関;March of Dimes;The Partnership for Maternal, Newborn & Child Health; Save the
Children, Born too soon: the global action report on preterm birth、ISBN9789241503433(2012年)を参照のこと。推定100万人の乳児が早産の合併症により毎年死亡している。世界的には、早産が、新生児の第1の死亡原因(生後4週間内の乳児)および5歳未満の小児における肺炎に続く第2の死亡原因である。多くの生存者は、学習障害ならびに視覚および聴覚の問題を含む、障害の人生に直面する。
0004
信頼性の高いデータを伴う184カ国にわたり、早産率は、生まれた乳児の5%〜18%の範囲である。Blencoweら、「National, regional and worldwide estimates of preterm birth.」、The Lancet、9;379巻(9832号):2162〜72頁(2012年)。早産の60%超がアフリカおよび南アジアで発生しており、早産は、それにもかかわらず、世界的な問題である。最多数を伴う国は、ブラジル、インド、ナイジェリア、および米国を含む。15%を上回る早産率を伴う11カ国の内、2カ国を除く全てが、サハラ以南アフリカである。最貧国においては、高所得国における9%と比較して、平均で、乳児の12%が、あまりにも早く生まれている。国内では、貧困家庭でリスクが高い。未熟児の4分の3超が、実施可能な、費用対効果の高いケア、例えば、乳児の肺を強化するための、早期陣痛のリスクのある妊娠女性に与えられる出生前ステロイド注射で助けることができる。
0005
早産で生まれた幼児には、死亡ならびに種々の健康および発達の問題について、満期で生まれた幼児よりも大きなリスクがある。合併症は、急性呼吸器、消化器、免疫、中枢神経系、聴覚、および視覚の問題、ならびに長期的な運動、認知、視覚、聴覚、行動、社会的情緒、健康、および成長の問題を含む。早産児の誕生はまた、家族にかなりの感情的および経済的コストをもたらし、公的サービス、例えば健康保険、教育、および他の社会的支援のシステムなどについての意味を有しうる。死亡および罹患の最大のリスクは、最も初期の妊娠期間に生まれた幼児についてのものである。しかし、満期により近くで生まれた幼児が、早産で生まれた幼児の最多数を代表しており、満期で生まれた幼児よりも多くの合併症を経験する。
0006
超音波で子宮頸管開口部を示す妊娠24週未満の女性において早産を防止するために、子宮頸部を強力な縫合糸で縫合閉鎖する頸管縫縮術として公知である外科的手技を用いることができる。妊娠34週未満および能動的な早期陣痛中の女性については、入院、ならびに早期陣痛を一時的に停止するおよび/または胎児の肺発達を促進するための医薬の投与が必要となりうる。妊娠女性で早産のリスクがあると判断された場合、医療提供者は、予防内服、例えばカプロン酸ヒドロキシプロゲステロン(Makena)注射および/または膣プロゲステロンジェル、子宮頸ペッサリーなど、性的活動および/または他の身体活動に対する制限、ならびに早期陣痛のリスクを増加させる慢性状態、例えば糖尿病および高血圧などのための処置の変更を含みうる、種々の臨床戦略を実施することができる。
0007
早産のリスクがある女性を特定し、適した産前ケアを提供する必要性は高い。ハイリスクとして特定された女性では、より集中的な出生前サーベイランスおよび予防的介入について計画を立てることができる。リスク評価のための現在の戦略は、産科歴ならびに病歴および臨床検査に基づいているが、これらの戦略では、早期出産のリスクがある女性のわずかなパーセンテージを特定することしかできない。現在は、自然PTB(sPTB)の前歴が、それ以降のPTBに関する最も強力な単一の予測因子である。sPTBを以前に一度経験している場合、第2のPTBの可能性は30〜50%である。他の母体リスク要因としては、黒色人種であること、母体の体格指数が低いこと、および子宮頚部長が短いことが挙げられる。sPTBを予測するための羊水、頸腟液、および血清バイオマーカーの研究によると、最終的に早期分娩する女性には、複数の分子経路に異常があることが示唆されている。早産についてのリスクの信頼できる早期特定は、早期出産を防止するための適当なモニタリングおよび臨床管理の計画を可能にするであろう。そのようなモニタリングおよび管理は、より頻繁な胎教来診、連続的な子宮頸管長の測定、早期早産の徴候および症状に関する教育の強化、変更可能なリスク行動のためのライフスタイル介入、禁煙、子宮頸部ペッサリーおよびプロゲステロン処置を含みうる。最後に、早産についてのリスクの信頼できる出生前特定も、モニタリングリソースの費用対効果の配分に決定的である。
有リスク女性を特定しようとする研究が精力的に行われているにもかかわらず、臨床的および人口統計学的要因にのみ基づくか、または測定された血清または膣バイオマーカーを使用するPTB予測アルゴリズムは、臨床的に有用な検査に至っていない。臨床介入を可能にするためには、初回妊娠中および妊娠初期に有リスク女性を特定するためのより正確な方法が必要である。本発明では、妊娠女性に早産のリスクがあるか否かを決定するための組成物および方法を提供することにより、この必要性に対処する。関連する利点も提供する。
先行技術
0008
世界保健機関;March of Dimes;The Partnership for Maternal, Newborn & Child Health; Save the Children, Born too soon: the global action report on preterm birth、ISBN9789241503433(2012年)
Blencoweら、「National, regional and worldwide estimates of preterm birth.」、The Lancet、9;379巻(9832号):2162〜72頁(2012年)
発明が解決しようとする課題
0009
概要
本発明は、妊娠女性において早産の確率を予測するための組成物および方法を提供する。
0010
本発明は、表26に示されている群から選択される単離されたバイオマーカーを提供する。本発明のバイオマーカーは、妊娠女性の早産リスクを予測することができる。一部の実施形態では、単離されたバイオマーカーは、IBP4、SHBG、PSG3、LYAM1、IGF2、CLUS、IBP3、INHBC、PSG2、PEDF、CD14、およびAPOC3からなる群から選択される。
0011
本発明は、表26に示されている群から選択される単離されたバイオマーカーの代用ペプチドを提供する。一部の実施形態では、単離されたバイオマーカーの代用ペプチドは、表26に示されている代用ペプチドの群から選択される。本発明のバイオマーカーおよびそれらの代用ペプチドは、妊娠女性の早産リスクを予測するための方法に使用することができる。一部の実施形態では、代用ペプチドは、IBP4、SHBG、PSG3、LYAM1、IGF2、CLUS、IBP3、INHBC、PSG2、PEDF、CD14、およびAPOC3からなる群から選択される単離されたバイオマーカーに対応する。
0012
本発明は、表26に示されている群から選択される代用ペプチドに対応する安定同位体標識標準ペプチド(SISペプチド)を提供する。本発明のバイオマーカー、それらの代用ペプチド、およびSISペプチドは、妊娠女性の早産リスクを予測するための方法に使用することができる。一部の実施形態では、SISペプチドは、IBP4、SHBG、PSG3、LYAM1、IGF2、CLUS、IBP3、INHBC、PSG2、PEDF、CD14、およびAPOC3からなる群から選択される単離されたバイオマーカーの代用ペプチドに対応する。
0013
本発明は、表26に列挙されている単離されたバイオマーカーからなる群から選択される、単離されたバイオマーカーの対であって、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で比値の変化を示すバイオマーカーの対を提供する。
0014
本発明は、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、およびHPX/PTGDSからなる群から選択される、単離されたバイオマーカーの対であって、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で比値の変化を示すバイオマーカーの対を提供する。
0015
本発明は、IBP4/SHBG、IBP4/PSG3、IBP4/LYAM1、IBP4/IGF2、CLUS/IBP3、CLUS/IGF2、CLUS/LYAM1、INHBC/PSG3、INHBC/IGF2、PSG2/LYAM1、PSG2/IGF2、PSG2/LYAM1、PEDF/PSG3、PEDF/SHBG、PEDF/LYAM1、CD14/LYAM1、およびAPOC3/LYAM1からなる群から選択される、単離されたバイオマーカーの対であって、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で比値の変化を示すバイオマーカーの対を提供する。
0016
一実施形態では、本発明は、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、およびHPX/PTGDSからなる群から選択される、単離されたバイオマーカーの対であって、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で反転値の変化を示すバイオマーカーの対を提供する。
0017
一実施形態では、本発明は、IBP4/SHBG、IBP4/PSG3、IBP4/LYAM1、IBP4/IGF2、CLUS/IBP3、CLUS/IGF2、CLUS/LYAM1、INHBC/PSG3、INHBC/IGF2、PSG2/LYAM1、PSG2/IGF2、PSG2/LYAM1、PEDF/PSG3、PEDF/SHBG、PEDF/LYAM1、CD14/LYAM1、およびAPOC3/LYAM1からなる群から選択される、単離されたバイオマーカーの対であって、バイオマーカーの前記対が各々、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で反転値の変化を示す、対を提供する。
0018
一実施形態では、本発明は、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、およびHPX/PTGDSからなる群から選択される、バイオマーカーの対に対応する代用ペプチドの対を含む組成物であって、バイオマーカーの対が、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で反転値の変化を示す組成物を提供する。一実施形態では、組成物は、代用ペプチドの各々の安定同位体標識標準ペプチド(SISペプチド)を含む。
0019
一実施形態では、本発明は、IBP4/SHBG、IBP4/PSG3、IBP4/LYAM1、IBP4/IGF2、CLUS/IBP3、CLUS/IGF2、CLUS/LYAM1、INHBC/PSG3、INHBC/IGF2、PSG2/LYAM1、PSG2/IGF2、PSG2/LYAM1、PEDF/PSG3、PEDF/SHBG、PEDF/LYAM1、CD14/LYAM1、およびAPOC3/LYAM1からなる群から選択される、バイオマーカーの対に対応する代用ペプチドの対を含む組成物であって、バイオマーカーの前記対が、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で反転値の変化を示す、組成物を提供する。一実施形態では、前記組成物は、代用ペプチドの各々の安定同位体標識標準ペプチド(SISペプチド)を含む。
0020
特定の実施形態では、本発明は、満期対照と比較して早産リスクのある妊娠女性間で反転値の変化を示す単離されたバイオマーカーの対IBP4/SHBGを提供する。さらなる実施形態では、本発明は、満期対照と比較して早産リスクのある妊娠女性でより高い比を示す単離されたバイオマーカーの対IBP4/SHBGを提供する。
0021
一実施形態では、本発明は、バイオマーカーの対IBP4/SHBGに対応する代用ペプチドの対を含む組成物であって、バイオマーカーの対が、満期対照と比較して早産リスクのある妊娠女性でより高い比を示す組成物を提供する。一実施形態では、組成物は、代用ペプチドの各々の安定同位体標識標準ペプチド(SISペプチド)を含む。
0022
さらなる実施形態では、本発明は、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、およびHPX/PTGDSからなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも2対のパネルであって、上記対が各々、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で反転値の変化を示すパネルを提供する。一実施形態では、パネルは、上記バイオマーカーの各々に由来する代用ペプチドの安定同位体標識標準ペプチド(SISペプチド)を含む。
0023
さらなる実施形態では、本発明は、IBP4/SHBG、IBP4/PSG3、IBP4/LYAM1、IBP4/IGF2、CLUS/IBP3、CLUS/IGF2、CLUS/LYAM1、INHBC/PSG3、INHBC/IGF2、PSG2/LYAM1、PSG2/IGF2、PSG2/LYAM1、PEDF/PSG3、PEDF/SHBG、PEDF/LYAM1、CD14/LYAM1、およびAPOC3/LYAM1からなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも2対のパネルであって、上記対が各々、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で反転値の変化を示すパネルを提供する。一実施形態では、パネルは、上記バイオマーカーの各々に由来する代用ペプチドの安定同位体標識標準ペプチド(SISペプチド)を含む。
0024
追加の実施形態では、本発明は、代用ペプチドの少なくとも2対のパネルであり、代用ペプチドの上記対が各々、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、およびHPX/PTGDSからなる群から選択される、バイオマーカーの対に対応するパネルであって、上記対が各々、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で反転値の変化を示すパネルを提供する。一実施形態では、パネルは、代用ペプチドの各々の安定同位体標識標準ペプチド(SISペプチド)を含む。
0025
追加の実施形態では、本発明は、代用ペプチドの少なくとも2対のパネルであり、代用ペプチドの上記対が各々、IBP4/SHBG、IBP4/PSG3、IBP4/LYAM1、IBP4/IGF2、CLUS/IBP3、CLUS/IGF2、CLUS/LYAM1、INHBC/PSG3、INHBC/IGF2、PSG2/LYAM1、PSG2/IGF2、PSG2/LYAM1、PEDF/PSG3、PEDF/SHBG、PEDF/LYAM1、CD14/LYAM1、およびAPOC3/LYAM1からなる群から選択される、バイオマーカーの対に対応するパネルであって、上記対が各々、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で反転値の変化を示すパネルを提供する。一実施形態では、パネルは、代用ペプチドの各々の安定同位体標識標準ペプチド(SISペプチド)を含む。
0026
さらなる実施形態では、本発明は、代用ペプチドの少なくとも2対のパネルであり、代用ペプチドの上記対が各々、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、およびHPX/PTGDSからなる群から選択される、バイオマーカーの対に対応するパネルであって、上記対の少なくとも1つが、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で反転値の変化を示すパネルを提供する。一実施形態では、組成物は、代用ペプチドの各々の安定同位体標識標準ペプチド(SISペプチド)を含む。
0027
さらなる実施形態では、本発明は、代用ペプチドの少なくとも2対のパネルであり、代用ペプチドの上記対が各々、IBP4/SHBG、IBP4/PSG3、IBP4/LYAM1、IBP4/IGF2、CLUS/IBP3、CLUS/IGF2、CLUS/LYAM1、INHBC/PSG3、INHBC/IGF2、PSG2/LYAM1、PSG2/IGF2、PSG2/LYAM1、PEDF/PSG3、PEDF/SHBG、PEDF/LYAM1、CD14/LYAM1、およびAPOC3/LYAM1からなる群から選択される、バイオマーカーの対に対応するパネルであって、上記対の少なくとも1つが、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で反転値の変化を示すパネルを提供する。一実施形態では、組成物は、代用ペプチドの各々の安定同位体標識標準ペプチド(SISペプチド)を含む。
0028
追加の実施形態では、本発明は、代用ペプチドの少なくとも2対のパネルであり、代用ペプチドの上記対が各々、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、およびHPX/PTGDSからなる群から選択される、バイオマーカーの対に対応するパネルであって、バイオマーカーの少なくとも2対のパネルから導出される計算スコアが、妊娠女性と満期対照との間で値の変化を示すパネルを提供する。一実施形態では、組成物は、代用ペプチドの各々の安定同位体標識標準ペプチド(SISペプチド)を含む。
0029
追加の実施形態では、本発明は、代用ペプチドの少なくとも2対のパネルであり、代用ペプチドの上記対が各々、IBP4/SHBG、IBP4/PSG3、IBP4/LYAM1、IBP4/IGF2、CLUS/IBP3、CLUS/IGF2、CLUS/LYAM1、INHBC/PSG3、INHBC/IGF2、PSG2/LYAM1、PSG2/IGF2、PSG2/LYAM1、PEDF/PSG3、PEDF/SHBG、PEDF/LYAM1、CD14/LYAM1、およびAPOC3/LYAM1からなる群から選択される、バイオマーカーの対に対応するパネルであって、バイオマーカーの少なくとも2対のパネルから導出される計算スコアが、妊娠女性と満期対照との間で値の変化を示すパネルを提供する。一実施形態では、組成物は、代用ペプチドの各々の安定同位体標識標準ペプチド(SISペプチド)を含む。
0030
一実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、およびHPX/PTGDSからなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも1対の比を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、妊娠女性は、22kg/m2超および37kg/m2と等しいかまたはそれ未満の体格指数(BMI)を有する。
0031
一実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、IBP4/SHBG、IBP4/PSG3、IBP4/LYAM1、IBP4/IGF2、CLUS/IBP3、CLUS/IGF2、CLUS/LYAM1、INHBC/PSG3、INHBC/IGF2、PSG2/LYAM1、PSG2/IGF2、PSG2/LYAM1、PEDF/PSG3、PEDF/SHBG、PEDF/LYAM1、CD14/LYAM1、およびAPOC3/LYAM1からなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも1対の比を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、妊娠女性は、22kg/m2超および37kg/m2と等しいかまたはそれ未満の体格指数(BMI)を有する。一部の実施形態では、上記方法は、生物学的試料を得る初期ステップを含む。一部の実施形態では、上記方法は、バイオマーカーの各々のSIS代用ペプチドを検出、測定、または定量化することを含む。
0032
一部の実施形態では、妊娠女性の早産確率を決定することは、出産時妊娠期間が既知である早産妊娠および満期妊娠のコホートの群から選択される単離されたバイオマーカーの比を測定することにより確率/リスク指標を形成することを含む初期ステップを包含する。さらなる実施形態では、早産リスク指標は、出産時妊娠期間が記録されている早産妊娠および満期妊娠のコホートでIBP4/SHBGの比を測定することにより形成される。一部の実施形態では、妊娠女性の早産確率を決定することは、IBP4/SHBGの比を測定すること、および指標群でIBP4/SHBGを導出したのと同じ単離および測定技法を使用して、その値を指標と比較し、早産リスクを導出することを含む。
0033
一実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、およびHPX/PTGDSからなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも1対の反転値を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、妊娠女性は、22kg/m2超および37kg/m2と等しいかまたはそれ未満の体格指数(BMI)を有する。一部の実施形態では、上記方法は、生物学的試料を得る初期ステップを含む。一部の実施形態では、上記方法は、バイオマーカーの各々のSIS代用ペプチドを検出、測定、または定量化することを含む。
0034
一実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、IBP4/SHBG、IBP4/PSG3、IBP4/LYAM1、IBP4/IGF2、CLUS/IBP3、CLUS/IGF2、CLUS/LYAM1、INHBC/PSG3、INHBC/IGF2、PSG2/LYAM1、PSG2/IGF2、PSG2/LYAM1、PEDF/PSG3、PEDF/SHBG、PEDF/LYAM1、CD14/LYAM1、およびAPOC3/LYAM1からなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも1対の反転値を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、妊娠女性は、22kg/m2超および37kg/m2と等しいかまたはそれ未満の体格指数(BMI)を有する。一部の実施形態では、上記方法は、生物学的試料を得る初期ステップを含む。一部の実施形態では、上記方法は、バイオマーカーの各々のSIS代用ペプチドを検出、測定、または定量化することを含む。
0035
別の実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、およびHPX/PTGDSからなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも2対のパネルの反転値の変化を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、IBP4/SHBG、IBP4/PSG3、IBP4/LYAM1、IBP4/IGF2、CLUS/IBP3、CLUS/IGF2、CLUS/LYAM1、INHBC/PSG3、INHBC/IGF2、PSG2/LYAM1、PSG2/IGF2、PSG2/LYAM1、PEDF/PSG3、PEDF/SHBG、PEDF/LYAM1、CD14/LYAM1、およびAPOC3/LYAM1からなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも2対のパネルの反転値の変化を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、反転値は、妊娠女性と満期対照との間に個々のバイオマーカーの相対強度の変化が存在することを明らかにし、妊娠女性の早産確率を示す。追加の実施形態では、測定ステップは、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、バイオマーカーの代用ペプチドを測定することを含む。一部の実施形態では、妊娠女性は、22kg/m2超および37kg/m2と等しいかまたはそれ未満の体格指数(BMI)を有する。一部の実施形態では、上記方法は、生物学的試料を得る初期ステップを含む。一部の実施形態では、上記方法は、バイオマーカーの各々のSIS代用ペプチドを検出、測定、または定量化することを含む。
0036
一実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料の、IBP4およびSHBGからなるバイオマーカーの対の反転値を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、妊娠女性は、22kg/m2超および37kg/m2と等しいかまたはそれ未満の体格指数(BMI)を有する。一部の実施形態では、上記方法は、生物学的試料を得る初期ステップを含む。一部の実施形態では、上記方法は、バイオマーカーの各々のSIS代用ペプチドを検出、測定、または定量化することを含む。
0037
一実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、SHBGに対するIBP4の比(IBP4/SHBG)からなるバイオマーカーの対の反転値を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含み、妊娠女性での比が、満期対照と比較してより高いことが、早産のリスク増加を示す方法を提供する。さらなる実施形態では、妊娠女性は、22kg/m2超および37kg/m2と等しいかまたはそれ未満の体格指数(BMI)を有する。一部の実施形態では、上記方法は、生物学的試料を得る初期ステップを含む。一部の実施形態では、上記方法は、バイオマーカーの各々のSIS代用ペプチドを検出、測定、または定量化することを含む。
0038
一実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、バイオマーカー対IBP4およびSHBGの反転値を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、妊娠女性は、22kg/m2超および37kg/m2と等しいかまたはそれ未満の体格指数(BMI)を有する。一部の実施形態では、上記方法は、生物学的試料を得る初期ステップを含む。一部の実施形態では、上記方法は、バイオマーカーの各々のSIS代用ペプチドを検出、測定、または定量化することを含む。
0039
本発明はまた、妊娠女性中の、IBP4/SHBG、IBP4/PSG3、IBP4/LYAM1、IBP4/IGF2、CLUS/IBP3、CLUS/IGF2、CLUS/LYAM1、INHBC/PSG3、INHBC/IGF2、PSG2/LYAM1、PSG2/IGF2、PSG2/LYAM1、PEDF/PSG3、PEDF/SHBG、PEDF/LYAM1、CD14/LYAM1、およびAPOC3/LYAM1からなる群から選択される、単離されたバイオマーカーの対を検出するための方法であって、
a.前記妊娠女性から生物学的試料を得るステップ、
b.前記生物学的試料を、前記対の第1のメンバーと特異的に結合する第1の捕捉剤および前記対の第2のメンバーと特異的に結合する第2の捕捉剤と接触させることにより、前記単離されたバイオマーカーの対が、前記生物学的試料中に存在するか否かを検出するステップ、および
前記対の第1のバイオマーカーと前記第1の捕捉剤との結合、および前記対の前記第2のメンバーと前記第2の捕捉剤との結合を検出するステップ
を含む方法を提供する。
0040
一実施形態では、本発明は、妊娠女性中のIBP4およびSHBGを検出するための方法であって、a.妊娠女性から生物学的試料を得るステップ;b.生物学的試料を、IBP4と特異的に結合する捕捉剤およびSHBGと特異的に結合する捕捉剤と接触させることにより、IBP4およびSHBGが生物学的試料中に存在するか否かを検出するステップ;およびc.IBP4と捕捉剤との結合およびSHBGと捕捉剤との結合を検出するステップを含む方法を提供する。一実施形態では、上記方法は、上記バイオマーカーの対の反転値を測定することを含む。さらなる実施形態では、妊娠女性と満期対照との間に反転値の変化が存在することは、妊娠女性の早産確率を示す。一実施形態では、試料は、妊娠期間の19〜21週で得られる。さらなる実施形態では、捕捉剤は、抗体、抗体断片、核酸ベースのタンパク結合試薬、低分子、またはそれらの変異体からなる群から選択される。追加の実施形態では、上記方法は、酵素免疫測定法(EIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、およびラジオイムノアッセイ(RIA)からなる群から選択されるアッセイにより実施される。
0041
本発明はまた、妊娠女性中の、IBP4/SHBG、IBP4/PSG3、IBP4/LYAM1、IBP4/IGF2、CLUS/IBP3、CLUS/IGF2、CLUS/LYAM1、INHBC/PSG3、INHBC/IGF2、PSG2/LYAM1、PSG2/IGF2、PSG2/LYAM1、PEDF/PSG3、PEDF/SHBG、PEDF/LYAM1、CD14/LYAM1、およびAPOC3/LYAM1からなる群から選択される、単離されたバイオマーカーの対を検出するための方法であって、
a.前記妊娠女性から生物学的試料を得るステップ、および
b.前記試料を、質量分析定量化から構成されるプロテオミクスワークフローに供することを含む、前記単離されたバイオマーカーの対が前記生物学的試料中に存在するか否かを検出するステップ
を含む方法を提供する。
0042
一実施形態では、本発明は、妊娠女性中のIBP4およびSHBGを検出するための方法であって、
a.前記妊娠女性から生物学的試料を得るステップ、および
b.前記試料を、質量分析定量化から構成されるプロテオミクスワークフローに供することを含む、前記単離されたバイオマーカーの対が前記生物学的試料中に存在するか否かを検出するステップ
を含む方法を提供する。
0043
一部の実施形態では、反転値は、妊娠女性と満期対照との間に個々のバイオマーカーの相対強度の変化が存在することを明らかにし、妊娠女性の早産確率を示す。追加の実施形態では、測定ステップは、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、バイオマーカーの代用ペプチドを測定することを含む。一実施形態では、早産リスク指標は、出産時妊娠期間が記録されている早産妊娠および満期妊娠のコホートでIBP4/SHBGの比を測定することにより形成される。その後、臨床業務では、個々の妊娠でのIBP4/SHBGの測定された比を、指標群でIBP4/SHBGを導出したのと同じ単離および測定技法を使用して、指標と比較し、早産リスクを導出する。
0044
本発明の他の特徴および利点が、詳細な説明から、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
IBP4/SHBG、IBP4/PSG3、IBP4/LYAM1、IBP4/IGF2、CLUS/IBP3、CLUS/IGF2、CLUS/LYAM1、INHBC/PSG3、INHBC/IGF2、PSG2/LYAM1、PSG2/IGF2、PSG2/LYAM1、PEDF/PSG3、PEDF/SHBG、PEDF/LYAM1、CD14/LYAM1、およびAPOC3/LYAM1からなる群から選択される、単離されたバイオマーカーの対を含む組成物であって、バイオマーカーの前記対が、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で反転値の変化を示す組成物。
(項目2)
IBP4/SHBG、IBP4/PSG3、IBP4/LYAM1、IBP4/IGF2、CLUS/IBP3、CLUS/IGF2、CLUS/LYAM1、INHBC/PSG3、INHBC/IGF2、PSG2/LYAM1、PSG2/IGF2、PSG2/LYAM1、PEDF/PSG3、PEDF/SHBG、PEDF/LYAM1、CD14/LYAM1、およびAPOC3/LYAM1からなる群から選択される、バイオマーカーの対の、代用ペプチドの対を含む組成物であって、バイオマーカーの前記対が、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で反転値の変化を示す組成物。
(項目3)
前記代用ペプチドの各々に対応する安定同位体標識標準ペプチド(SISペプチド)をさらに含む、項目2に記載の組成物。
(項目4)
IBP4/SHBG、IBP4/PSG3、IBP4/LYAM1、IBP4/IGF2、CLUS/IBP3、CLUS/IGF2、CLUS/LYAM1、INHBC/PSG3、INHBC/IGF2、PSG2/LYAM1、PSG2/IGF2、PSG2/LYAM1、PEDF/PSG3、PEDF/SHBG、PEDF/LYAM1、CD14/LYAM1、およびAPOC3/LYAM1からなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも2対のパネルであって、バイオマーカーの前記対が各々、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で反転値の変化を示すパネル。
(項目5)
代用ペプチドの少なくとも2対のパネルであり、代用ペプチドの前記対が各々、IBP4/SHBG、IBP4/PSG3、IBP4/LYAM1、IBP4/IGF2、CLUS/IBP3、CLUS/IGF2、CLUS/LYAM1、INHBC/PSG3、INHBC/IGF2、PSG2/LYAM1、PSG2/IGF2、PSG2/LYAM1、PEDF/PSG3、PEDF/SHBG、PEDF/LYAM1、CD14/LYAM1、およびAPOC3/LYAM1からなる群から選択される、バイオマーカーの対に対応するパネルであって、バイオマーカーの前記対が各々、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で反転値の変化を示すパネル。
(項目6)
前記代用ペプチドの各々に対応するSISペプチドをさらに含む、項目5に記載のパネル。
(項目7)
妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、前記妊娠女性から得られた生物学的試料中の、IBP4/SHBG、IBP4/PSG3、IBP4/LYAM1、IBP4/IGF2、CLUS/IBP3、CLUS/IGF2、CLUS/LYAM1、INHBC/PSG3、INHBC/IGF2、PSG2/LYAM1、PSG2/IGF2、PSG2/LYAM1、PEDF/PSG3、PEDF/SHBG、PEDF/LYAM1、CD14/LYAM1、およびAPOC3/LYAM1からなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも1対の反転値を測定して、前記妊娠女性の前記早産確率を決定することを含む方法。
(項目8)
妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、前記妊娠女性から得られた生物学的試料中の、IBP4/SHBG、IBP4/PSG3、IBP4/LYAM1、IBP4/IGF2、CLUS/IBP3、CLUS/IGF2、CLUS/LYAM1、INHBC/PSG3、INHBC/IGF2、PSG2/LYAM1、PSG2/IGF2、PSG2/LYAM1、PEDF/PSG3、PEDF/SHBG、PEDF/LYAM1、CD14/LYAM1、およびAPOC3/LYAM1からなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも2対のパネルの反転値の変化を測定して、前記妊娠女性の前記早産確率を決定することを含む方法。
(項目9)
前記妊娠女性と満期対照との間に反転値の変化が存在することが、前記妊娠女性の前記早産確率を示す、項目7または8に記載の方法。
(項目10)
前記測定が、前記妊娠女性から得られた前記生物学的試料中の前記バイオマーカーの代用ペプチドを測定することを含む、項目7または8に記載の方法。
(項目11)
前記測定が、前記代用ペプチドの各々の安定同位体標識標準ペプチド(SISペプチド)を測定することをさらに含む、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記確率が、リスクスコアとして表される、項目7または8に記載の方法。
(項目13)
前記生物学的試料が、全血、血漿、および血清からなる群から選択される、項目7または8に記載の方法。
(項目14)
前記生物学的試料が血清である、項目7または8に記載の方法。
(項目15)
前記試料が、妊娠期間の19〜21週で得られる、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記測定が、質量分析法(MS)を含む、項目7または8に記載の方法。
(項目17)
前記測定が、捕捉剤を使用するアッセイを含む、項目7または8に記載の方法。
(項目18)
前記捕捉剤が、抗体、抗体断片、核酸ベースのタンパク結合試薬、低分子、またはそれらの変異体からなる群から選択される、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記アッセイが、酵素免疫測定法(EIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、およびラジオイムノアッセイ(RIA)からなる群から選択される、項目17に記載の方法。
(項目20)
1つまたは複数のリスク兆候の測定可能な特徴を検出する初期ステップをさらに含む、項目7または8に記載の方法。
(項目21)
前記リスク兆候が、体格指標(BMI)、妊娠回数、および胎児性別からなる群から選択される、項目17に記載の方法。
(項目22)
前記リスク兆候がBMIである、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記早産確率の前記決定前に、出産時妊娠期間(GAB)を予測することをさらに含む、項目7または8に記載の方法。
(項目24)
前記妊娠女性が、22kg/m2超および37kg/m2と等しいかまたはそれ未満の体格指数(BMI)を有する、項目22に記載の方法。
(項目25)
妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、前記妊娠女性から得られた生物学的試料中の、表26に列挙されているバイオマーカーから選択される、バイオマーカーの対の反転値を測定して、前記妊娠女性の前記早産確率を決定することを含む方法。
(項目26)
妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、前記妊娠女性から得られた生物学的試料中の、バイオマーカーの対IBP4およびSHBGの反転値を測定して、前記妊娠女性の前記早産確率を決定することを含む方法。
(項目27)
前記妊娠女性と満期対照との間に反転値の変化が存在することが、前記妊娠女性の前記早産確率を示す、項目25または26に記載の方法。
(項目28)
前記測定が、前記妊娠女性から得られた前記生物学的試料中の前記バイオマーカーの代用ペプチドを測定することを含む、項目25または26に記載の方法。
(項目29)
前記確率が、リスクスコアとして表される、項目25または26に記載の方法。
(項目30)
前記生物学的試料が、全血、血漿、および血清からなる群から選択される、項目25または26に記載の方法。
(項目31)
前記生物学的試料が血清である、項目25または26に記載の方法。
(項目32)
前記試料が、妊娠期間の19〜22週で得られる、項目30に記載の方法。
(項目33)
前記測定が、質量分析法(MS)を含む、項目25または26に記載の方法。
(項目34)
前記測定が、捕捉剤を使用するアッセイを含む、項目25または26に記載の方法。
(項目35)
前記捕捉剤が、抗体、抗体断片、核酸ベースのタンパク結合試薬、低分子、またはそれらの変異体からなる群から選択される、項目34に記載の方法。
(項目36)
前記アッセイが、酵素免疫測定法(EIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、およびラジオイムノアッセイ(RIA)からなる群から選択される、項目35に記載の方法。
(項目37)
1つまたは複数のリスク兆候の測定可能な特徴を検出することをさらに含む、項目25または26に記載の方法。
(項目38)
前記リスク兆候が、体格指標(BMI)、妊娠回数、および胎児性別からなる群から選択される、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記リスク兆候がBMIである、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記早産確率の前記決定前に、出産時妊娠期間(GAB)を予測することをさらに含む、項目25または26に記載の方法。
(項目41)
前記妊娠女性が、22kg/m2超および37kg/m2と等しいかまたはそれ未満の体格指数(BMI)を有する、項目39に記載の方法。
(項目42)
前記反転値が、前記妊娠女性中の前記早産確率を決定するために、前記SHBGに対する前記IBP4の比(IBP4/SHBG)に基づいており、満期対照と比較して妊娠女性での比がより高いことが、早産リスクの増加を示す、項目26に記載の方法。
(項目43)
妊娠女性中の、IBP4/SHBG、IBP4/PSG3、IBP4/LYAM1、IBP4/IGF2、CLUS/IBP3、CLUS/IGF2、CLUS/LYAM1、INHBC/PSG3、INHBC/IGF2、PSG2/LYAM1、PSG2/IGF2、PSG2/LYAM1、PEDF/PSG3、PEDF/SHBG、PEDF/LYAM1、CD14/LYAM1、およびAPOC3/LYAM1からなる群から選択される、単離されたバイオマーカーの対を検出するための方法であって、
a.前記妊娠女性から生物学的試料を得ること、
b.前記生物学的試料を、前記対の第1のメンバーと特異的に結合する第1の捕捉剤および前記対の第2のメンバーと特異的に結合する第2の捕捉剤と接触させることにより、前記単離されたバイオマーカーの対が、前記生物学的試料中に存在するか否かを検出すること、および
c.前記対の第1のバイオマーカーと前記第1の捕捉剤との結合、および前記対の前記第2のメンバーと前記第2の捕捉剤との結合を検出すること
を含む方法。
(項目44)
バイオマーカーの前記対の反転値を測定することをさらに含む、項目43に記載の方法。
(項目45)
前記妊娠女性と満期対照との間に反転値の変化が存在することが、前記妊娠女性の前記早産確率を示す、項目44に記載の方法。
(項目46)
前記確率が、リスクスコアとして表される、項目45に記載の方法。
(項目47)
前記生物学的試料が、全血、血漿、および血清からなる群から選択される、項目43に記載の方法。
(項目48)
前記生物学的試料が血清である、項目47に記載の方法。
(項目49)
前記試料が、妊娠期間の19〜21週で得られる、項目47に記載の方法。
(項目50)
前記捕捉剤が、抗体、抗体断片、核酸ベースのタンパク結合試薬、低分子、またはそれらの変異体からなる群から選択される、項目43に記載の方法。
(項目51)
酵素免疫測定法(EIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、およびラジオイムノアッセイ(RIA)からなる群から選択されるアッセイにより実施される、項目43に記載の方法。
(項目52)
1つまたは複数のリスク兆候の測定可能な特徴を検出することをさらに含む、項目44に記載の方法。
(項目53)
前記リスク兆候が、体格指標(BMI)、妊娠回数、および胎児性別からなる群から選択される、項目52に記載の方法。
(項目54)
前記リスク兆候がBMIである、項目53に記載の方法。
(項目55)
前記妊娠女性が、22kg/m2超および37kg/m2と等しいかまたはそれ未満の体格指数(BMI)を有する、項目54に記載の方法。
(項目56)
前記単離されたバイオマーカーの対がIBP4/SHBGである、項目43に記載の方法。
(項目57)
妊娠女性中のIBP4およびSHBGを検出するための方法であって、
a.前記妊娠女性から生物学的試料を得ること、
b.前記生物学的試料を、IBP4と特異的に結合する捕捉剤およびSHBGと特異的に結合する捕捉剤と接触させることにより、前記IBP4およびSHBGが、前記生物学的試料中に存在するか否かを検出すること、および
c.IBP4と前記捕捉剤との結合、およびSHBGと前記捕捉剤との結合を検出すること
を含む方法。
(項目58)
妊娠女性中の、IBP4/SHBG、IBP4/PSG3、IBP4/LYAM1、IBP4/IGF2、CLUS/IBP3、CLUS/IGF2、CLUS/LYAM1、INHBC/PSG3、INHBC/IGF2、PSG2/LYAM1、PSG2/IGF2、PSG2/LYAM1、PEDF/PSG3、PEDF/SHBG、PEDF/LYAM1、CD14/LYAM1、およびAPOC3/LYAM1からなる群から選択される、単離されたバイオマーカーの対を検出するための方法であって、
a.前記妊娠女性から生物学的試料を得ること、および
b.前記試料を、質量分析定量化から構成されるプロテオミクスワークフローに供することを含む、前記単離されたバイオマーカーの対が前記生物学的試料中に存在するか否かを検出すること
を含む方法。
(項目59)
妊娠女性中のIBP4およびSHBGを検出するための方法であって、
a.前記妊娠女性から生物学的試料を得ること、および
b.前記試料を、質量分析定量化から構成されるプロテオミクスワークフローに供することを含む、前記IBP4およびSHBGが前記生物学的試料中に存在するか否かを検出すること
を含む方法。
(項目60)
バイオマーカーの前記対の反転値を測定することをさらに含む、項目58または59に記載の方法。
(項目61)
前記妊娠女性と満期対照との間に反転値の変化が存在することが、前記妊娠女性の前記早産確率を示す、項目60に記載の方法。
(項目62)
前記確率が、リスクスコアとして表される、項目61に記載の方法。
(項目63)
前記生物学的試料が、全血、血漿、および血清からなる群から選択される、項目58または59に記載の方法。
(項目64)
前記生物学的試料が血清である、項目63に記載の方法。
(項目65)
前記試料が、妊娠期間の19〜21週で得られる、項目63に記載の方法。
(項目66)
前記プロテオミクスのワークフローが、SISペプチドを定量化することを含む、項目58または59に記載の方法。
(項目67)
1つまたは複数のリスク兆候の測定可能な特徴を検出することをさらに含む、項目58または59に記載の方法。
(項目68)
前記リスク兆候が、体格指標(BMI)、妊娠回数、および胎児性別からなる群から選択される、項目67に記載の方法。
(項目69)
前記リスク兆候が体格指数(BMI)である、項目68に記載の方法。
(項目70)
前記妊娠女性が、22kg/m2超および37kg/m2と等しいかまたはそれ未満の体格指数(BMI)を有する、項目69に記載の方法。
図面の簡単な説明
0045
血液採取ウィンドウ。個々の反転性能が、血液採取ウィンドウ全体にわたって示されている。示されている反転:IBP4/SHBG;VTNC/VTDB;IBP4/SHBG;VTNC/SHBG;IBP4/SHBG;CATD/SHBG;PSG2/ITIH4;CHL1/ITIH4;PSG2/C1QB;PSG2/FBLN3;HEMO/IBP6;HEMO/PTGDS。
0047
妊娠中のタンパク質発現。種々のタンパク質は、公知のタンパク質挙動、および早産の影響を受けないタンパク質/経路を知ることに基づいて分析することができる。図3は、妊娠中の妊娠関連タンパク質の発現を示す。こうしたタンパク質とそれらのネットワークは、示されている妊娠期間では早産病理の影響を受けていない。
0049
妊娠中のタンパク質病理。インスリン様成長因子結合タンパク質4(IBP4)は、血液採取ウィンドウ19〜21週では、少なくとも10%過剰発現されていた。性ホルモン結合グロブリン(SHBG)は、血液採取ウィンドウ19〜21週では、少なくとも10%過少発現されていた。
0051
モンテカルロ相互検証(MCVV)。MCCVは、分類器(classifier)が、同じ集団から採取された独立サンプルセットでどの程度良好な性能を示すかを推定する保守的な方法である(例えば、PAPR)。
0052
[IBP4]/[SHBG CHL1 CLUS]の分析。CHL1およびCLUSは、IBP4/SHBGのみに対して0.03だけ性能を増加させた。
0054
妊娠時計および出産までの時間。妊娠中に増加するが、PTB症例および対照では違いがない複数の分析物を使用して、妊娠日数を生化学的に決定することができる。生化学日数決定は、最終月経の日付による日数決定または超音波日数決定の確認に、または後にsPTBリスク、TTB、もしくはGAB予測を決定する前に有用であり得る。
0055
分類器開発。図11は、分類器を開発するための基準を示す。
0058
発見試料中で測定されたタンパク質の階層的クラスタリング。
0059
より大きなクラスター内の胎盤特異的タンパク質ブランチ。右パネルには、Thompsonにより特定された、妊娠中に発現される遺伝子のモジュールが列挙されており、左のパネルには、発見血清プロテオミクスアッセイが、このモジュールの関連発現を再現することが示されている(Thompsonら、Genome Res.、12巻(10号):1517〜1522頁(2002年))。
0060
調節異常タンパク質PreTRM(商標)試料。
0061
強調された性ホルモン結合グロブリン(SHGB)生物学。SHBGは、胎盤細胞で発現される(右)。SHBGは、胎盤胎児区画における遊離テストステロンおよびエストロゲンレベルのレベルを制御することに関与する場合がある(左)。
0062
IBP4、IGF2、PAPP−A、およびPRG2の相互作用。IBP4は、IGF2の負の制御因子である。IBP4は、PAPPA媒介性タンパク質分解によりIGF2から放出される。低レベルのPAPPAは、IUGRおよびPEに関与するとされている。高レベルのIBP4は、IGF2の活性抑制を示す。PTB症例は、PAPPA、PRG2のレベルを抑制し、IBP4のレベルを上昇させる。
0063
インスリン様成長因子結合タンパク質4(IBP4)。IBP4は、PTB症例では上方制御される。IGF2は、妊娠初期ではEVTの増殖、分化、および侵入を刺激する。IGF活性は、正常な胎盤形成および胎児成長に不可欠である。IBP4は、母体−胎児インターフェースでのIGF2活性の自己分泌および傍分泌制御を媒介する。細胞栄養芽層により発現されるIGF2の活性は、脱落膜細胞により生成されるIBPによりバランスが保たれる。妊娠1期でのIBP4上昇およびIGF2低下は、胎盤機能不全と相関した(例えば、IUGR/SGA)。
0064
IBP4、SHBG、およびCHL1についてのMS対ELISA相関性。主要分析物の質量分析およびELISAは、良好な一致を示した。2つの直交性プラットフォームで一致が得られることにより、分析物測定の信頼性が保証される。
0065
19〜21週のGABDからの発見試料中のIBP4/SHBGによるPTB分類。妊娠19〜21週の発見試料をBMIの高低により分類した。IBP4/SHBG反転値は、SHBG値がより低かったため、高BMIカテゴリーでより高い。症例および対照の分離は、より低いBMIでより大きい。
0066
低BMIのPTB症例でのSHBGレベル抑制。GABD全体にわたるPAPR対象のSHBG血清レベルの線形フィッティング。SHBGレベルは、高BMIにより抑制される。SHBGレベルは、妊娠全体にわたって増加する。低BMIのPTB症例は、妊娠全体にわたって加速度的に増加するSHBGレベルを低下させた。
0067
図23には、PAPRの研究対象の分布が要約されている。
0069
図25は、予測因子スコアの関数としての、臨床リスクの尺度である有病率調整陽性予測値(PPV)を示す。予測因子スコアとPPVとの間に関連性があることが計算されることにより、任意の未知対象のsPTBリスクの確率を決定することが可能になる。リスク曲線グラフ下の最上部(紫色)の直線は、<35 0/7週のGABに対応し、最上部から2番目の直線(赤色)は、35 0/7〜37 0/7/週のGABに対応し、3番目の直線(緑色)は、37 0/7〜39 0/7/週のGABに対応し、最上部から4番目の直線(青色)は、39 0/7週≦GABのGABに対応する。
0070
図26は、カプランマイヤー分析での事象としての高リスク群および低リスク群の出産割合を表示する。高リスクおよび低リスクは、図25のデータによるsPTBの平均集団リスク(=14.6%)の2倍超またはそれ未満の相対リスクと定義した。
0071
図27は、至適BMIおよびGA区間内での盲検裏付けおよび検証分析からの対象の組合せを使用した、予測因子性能に対応するROC曲線を示す。組合せ試料のROC曲線は、0.72のAUROCに対応する(p=0.013)。
0073
図29は、全体的な上位高性能反転IBP4/SHBGが、19 0/7から21 6/7までの区間では、AUROC=0.74を有したことを示す。
0074
図30は、2,000回のブートストラップ反復から得られた平均AUROCが0.76だったことを示す。裏付け試料の盲検IBP4/SHBG AUROC性能は、全対象およびBMI階層化対象で、それぞれ0.77および0.79だった。これは、発見で得られた性能と良好な一致を示した。盲検裏付けの後、発見および裏付け試料を、ブートストラップ性能決定のために組み合わせた。
0077
図33は、BMIが22よりも大きく、37未満または37と等しい場合の、イムノアッセイ対MS ROC分析を示す。
0079
図35は、対照および症例(BMI階層化)のELISAおよびMS分離を示す。
0080
図36は、対照および症例(全BMI)のElisaおよびMS分離を示す。
0081
図37は、Abbott社製ArchitectCMIA、半自動イムノアッセイ機を用いた、ならびに試料の免疫枯渇、酵素消化、およびAgilent6490質量分析計での分析を含むSera Prognosticsのプロテオミクス分析法によるSHBG測定値の比較を示す。
0082
図38は、Roche社製cobas e602分析機、半自動イムノアッセイ機を用いた、ならびに試料の免疫枯渇、酵素消化、およびAgilent6490質量分析計での分析を含むSera Prognosticsのプロテオミクス分析法によるSHBG測定値の比較を示す。
0083
図39は、Abbott社製ArchitectCMIAおよびRoche社製cobas e602分析機、両半自動イムノアッセイ機によるSHBG測定値の比較を示す。
0084
図40は、IBP4タンパク質の最長アイソフォームのドメインおよび構造特徴を示す(Uniprot:P22692)。IBP4QCHPALDGQR(aa、214〜223)ペプチドは、チログロブリン1型ドメイン内に位置する。IBP4は、残基125に単一のN連結グリコシル化部位を有する。
0085
図41は、2つのIBP4アイソフォームのQCHPALDGQRペプチドの位置を強調して示す。
0086
図42は、SHBGタンパク質の最長アイソフォームのドメインおよび構造特徴を示す(Uniprot:P04278)。SHBG IALGGLLFPASNLR(aa、170〜183)ペプチドは、最初のラミンG様ドメインに位置する。SHBGは、3つのグリコシル化部位を有する;残基380および396の2つのN連結部位;残基36の1つのO連結部位である。
0088
図44は、血液採取時妊娠期間(GABD)全体にわたるsPTB症例および満期対照のIBP4レベルの平均応答比を別々に示す。横断的発見データは、10日間のウィンドウをスライドさせて平滑化することにより分析した。症例対対照シグナルは、およそ最大10%差異に相当する。
0089
図45は、血液採取時妊娠期間(GABD)全体にわたるsPTB症例および満期対照のSHBGレベルの平均応答比を別々に示す。横断的発見データは、10日間のウィンドウをスライドさせて平滑化することにより分析した。症例対対照シグナルは、およそ最大10%差異に相当する。
0090
図46は、血液採取時妊娠期間(GABD)全体にわたるsPTB症例および満期対照のIBP4/SHBG予測因子スコアを別々に示す。横断的発見データは、10日間のウィンドウをスライドさせて平滑化することにより分析した。2つの曲線間の最大差異は、個々の分析物のシグナルのおよそ10%の差異と比較して、ほぼ20%の差異に相当する(図45および図46)。これらデータは、IBP4/SHBG反転戦略を使用することにより、得られる診断シグナルが増幅されることを示す。
0091
図47は、多数の異なる反転の形成の結果としての診断シグナルの増幅を示す。反転の形成による診断シグナルの増幅が一般的なものか否かを調査するため、本発明者らは、ROC分析により多数の異なるタンパク質で形成される反転の診断性能を検討した。妊娠19/0週〜21/6週で収集された試料に由来するデータセットを使用したAUC値(sPTB症例対満期対照)の範囲が上段パネルに示されている。隣接するボックスプロットは、関連する反転を形成するために使用された個々の上方制御および下方制御されたタンパク質のROC性能の範囲を示す。同様に、下段パネルは、反転のウィルコクソン検定(sPTB症例対満期対照)から導出されたp値が、対応する個々のタンパク質のものよりも有意であることを示す。
0092
図48は、個々のIBP4およびSHBG応答比の測定値および対応する反転スコア計算値の分析的変動係数(CV)を示す。生物学的な変動性のない妊娠ドナーに由来するプールした対照血清試料(pHGS)を、複数のバッチで数日にわたって分析した。反転変動性は、個々のタンパク質で変動性未満である。これらデータは、試料の実験室処理中に生じる分析変動性の反転対照の形成を示す。分析的変動性は、生物学的な現象ではない。
0093
図49は、多数の反転およびそれらの個々の上方および下方制御されたタンパク質の分析的CVを示す。反転の形成による診断シグナルの増幅が一般的なものか否かを調査するために、本発明者らは、多数のタンパク質の比により形成された高性能の反転(AUC>0.6)のROC性能(AUC)を検討した。妊娠19/0週〜21/6週で収集された試料に由来するデータセットを使用したAUC値(sPTB症例対満期対照)の範囲が上段パネルに示されている。隣接するボックスプロットは、関連する反転を形成するために使用された個々の上方制御および下方制御されたタンパク質のROC性能の範囲を示す。同様に、反転のウィルコクソン検定(sPTB症例対満期対照)から導出されたp値は、対応する個々のタンパク質のものよりも有意である。
0095
図51は、検証試料セット(BMI>22<=37)のIBP4/SHBG予測因子性能のメトリックの表を示す。異なる境界を使用して対照(カットオフ超)から症例(カットオフ未満)を規定するため、予測因子感度、特異性、ROC曲線下面積(AUC)、およびオッズ比を決定した。
0096
図52は、糖尿病注釈での反転強度ヒートマップを示す。赤色の矢印は糖尿病症例を示す。試料は、下部に列挙されており、スクリーンの右側がPTB症例であり、左側が満期出産である。糖尿病患者は、右側にクラスター化されており、妊娠糖尿病を予測するためのバイオマーカーから診断検査を構築することが可能であることを示す。
0097
図53は、分析物応答比の階層的クラスタリングを示す。
0100
図56Aは、sPTBにおける、これらタンパク質の生物学的利用能に影響を及ぼすIGF−2、IBP4、PAPP1、およびPRG2タンパク質間の相互作用の模式図を示す。図56Bは、IR−Bに結合するインスリンにより、ならびにIR−AまたはIGF1Rのいずれかに結合するインスリンおよびIGFにより、優先的に活性化される細胞内シグナルの模式図を示す。
0106
図62は、発現の異なるPSG/IBPの動態プロットを示す。
0109
図65は、発現の異なる補体/急性期タンパク質−2の動態プロットを示す。
0110
図66は、発現の異なる補体/急性期タンパク質−3の動態プロットを示す。
0111
図67は、発現の異なる補体/急性期タンパク質−4の動態プロットを示す。
0112
図68は、17週0日から28週6日までの血液採取時妊娠期間(GABD)のデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
0113
図69は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
0114
図70は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
0115
図71は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
0116
図72は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
0117
図73は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
0118
図74は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
0119
図75は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
0120
図76は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
0121
図77は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
0122
図78は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
0123
図79は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
0124
図80は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
0125
図81は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
0126
図82は、17週0日から28週6日までのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
0127
図83は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
0128
図84は、17週0日から28週6日までのGABDのデータを用いた、パネルA〜Iに指定されている分析物の動態プロットを示す。
0130
図86は、<37 0/7週対>=37 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
0131
図87は、<37 0/7週対>=37 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
0132
図88は、<37 0/7週対>=37 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
0133
図89は、<37 0/7週対>=37 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
0134
図90は、<37 0/7週対>=37 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
0135
図91は、<37 0/7週対>=37 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
0136
図92は、<37 0/7週対>=37 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
0137
図93は、<37 0/7週対>=37 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
0138
図94は、<37 0/7週対>=37 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
0139
図95は、<37 0/7週対>=37 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Cに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
0140
図96は、<35 0/7週対>=35 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
0141
図97は、<35 0/7週対>=35 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
0142
図98は、<35 0/7週対>=35 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
0143
図99は、<35 0/7週対>=35 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
0144
図100は、<35 0/7週対>=35 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
0145
図101は、<35 0/7週対>=35 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
0146
図102は、<35 0/7週対>=35 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
0147
図103は、<35 0/7週対>=35 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
0148
図104は、<35 0/7週対>=35 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Iに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
0149
図105は、<35 0/7週対>=35 0/7週の出産時妊娠期間カットオフを使用した、パネルA〜Cに指定されているペプチドトランジションの動態プロットを示す。
0150
図106は、sPTB症例および対照のIBP4およびSHBGレベルならびにIBP4/SHBG反転値を別々に示す。
0153
図109は、19〜20週の予定日前の早期破水(PPROM)で良好な性能を有する反転の例を示すボックスプロットを提供する。
図109は、19〜20週の予定日前の早期破水(PPROM)で良好な性能を有する反転の例を示すボックスプロットを提供する。
0154
図110は、<37 0/7妊娠週対>=37 0/7妊娠週のカットオフを使用した、sPTBの予測因子スコア(ln IBP4/SHBG)と有病率調整相対リスク(陽性予測値)との関係性を示すリスク曲線である。リスク曲線グラフ下の最上部の直線(紫色)は、sPTB(GAB<35週)に対応し、最上部から2番目の直線(赤色)は、sPTB(35≦GAB<37週)に対応し、3番目の直線(緑色)は、TERM(37≦GAB<39週)に対応し、最上部から4番目の直線(青色)は、TERM(39週≦GAB)に対応する。
0155
図111は、<35 0/7妊娠週対>=35 0/7妊娠週のカットオフを使用した、sPTBの予測因子スコア(ln IBP4/SHBG)と有病率調整相対リスク(陽性予測値)との関係性を示すリスク曲線である。リスク曲線グラフ下の最上部の直線(紫色)は、sPTB(GAB<35週)に対応し、最上部から2番目の直線(赤色)は、sPTB(35≦GAB<37週)に対応し、3番目の直線(緑色)は、TERM(37≦GAB<39週)に対応し、最上部から4番目の直線(青色)は、TERM(39週≦GAB)に対応する。
0156
(詳細な説明)
本開示は、概して、妊娠女性から得られた生物学的試料中のあるタンパク質およびペプチドが、対照と比べて早産のリスク増加を示す妊娠女性では発現が異なるという発見に基づく。本開示は、さらに特に、本明細書で開示されているバイオマーカーの対の反転値を、妊娠女性の早産確率を高感度および高特異性で決定するための方法に使用することができるという予期しない発見に部分的に基づく。成分比および/または反転対として本明細書中で開示されているタンパク質およびペプチドは、個々に、比で、反転対で、またはバイオマーカー/反転対のパネルのいずれかにより、試験試料を分類するための、早産確率を予測するための、満期出産の確率を予測するための、出産時妊娠期間(GAB)を予測するための、出産までの時間(TTB)を予測するための、および/またはPTBリスクのある妊娠女性の予防療法の進行をモニタリングするためのバイオマーカーとしての役割を果たす。反転値は、下方制御されたバイオマーカーの相対的ピーク面積に対する上方制御されたバイオマーカーの相対的ピーク面積の比であり、変動性の標準化および診断シグナル増幅の両方の役割を果たす。本発明は、部分的には、一緒に対にすると、反転値に基づいて早産確率を予測することができる特定のバイオマーカーの選択にある。したがって、本発明の根底にあるのは、新規性のある反転にて対にすると有益な情報をもたらす特定のバイオマーカーの選択におけるヒトの独創性である。
0157
用語「反転値」は、下方制御された分析物の相対的ピーク面積に対する上方制御された分析物の相対的ピーク面積の比を指し、変動性の標準化および診断シグナル増幅の両方の役割を果たす。狭域ウィンドウ内のあらゆる考え得る反転の中から、個々の単変量性能に基づいてサブセットを選択することができる。本明細書に開示されているように、本明細書では反転値と呼ばれる、下方制御されたバイオマーカーの相対的ピーク面積に対する上方制御されたバイオマーカーの相対的ピーク面積の比を使用して、ロバストで正確な分類器(classifier)を特定し、早産確率を予測し、満期出産の確率を予測し、出産時妊娠期間(GAB)を予測し、出産までの時間を予測し、および/または妊娠女性の予防療法の進行をモニタリングすることができる。したがって、本発明は、部分的には、PTBと非PTBとの間で反転値の変化を示す、バイオマーカー対の相対的発現が反転するバイオマーカー対を特定することに基づく。本明細書で開示されている方法でバイオマーカーの比を使用することにより、妊娠女性から生物学的試料を取り出した後の人為的操作の結果である変動性が補正させる。そのような変動性は、例えば、試料に存在するバイオマーカーの測定に使用される方法の試料収集中、処理中、枯渇中、消化中、または任意の他のステップで導入される可能性があり、バイオマーカーが自然界においてどのように挙動するかとは無関係である。したがって、本発明は、概して、変動性を低減するための、および/または診断シグナルを増幅、標準化、もしくは明瞭化するための、診断または予後の方法における反転対の使用を包含する。
0158
用語「反転値」は、下方制御された分析物の相対的ピーク面積に対する上方制御された分析物の相対的ピーク面積の比を指し、変動性の標準化および診断シグナル増幅の両方の役割を果たすが、本発明のバイオマーカーの対は、任意の他の手段、例えば相対的ピーク面積の減算、加算、または乗算により測定することができることも企図される。本明細書で開示されている方法は、そのような他の手段によるバイオマーカー対の測定を包含する。
0159
本方法は、データ標準化に依存せず、過剰フィッティングの回避を支援し、診療所で簡単に実施される非常に単純な実験検査をもたらす、考え得る最も単純な分類器を提供するため有利である。データ標準化に依存しない反転値の変化に基づくマーカー対の使用は、本明細書で開示されている臨床関連バイオマーカーの開発を可能にした。任意の単一のタンパク質の定量化は、測定変動性、通常の流動性、および基線発現の個々の関連するばらつきにより引き起こされる不確実性の影響下にあるため、協調的および系統的な調節下にあり得るマーカーの対を特定することにより、個別化された診断および予後のロバストな方法が可能になる。
0160
本開示は、妊娠女性の早産確率を決定するためのバイオマーカー反転対および反転対の関連パネル、方法、およびキットを提供する。本開示の1つの主要な利点は、早産の発症リスクを妊娠初期に評価することができることであり、早期出産を防止するための適当なモニタリングおよび臨床管理を適宜開始することができる。本発明は、早産についての任意のリスク因子を欠いており、本来ならば、特定および処置されない女性に特に有益である。
0161
例として、本開示は、早産を予測する反転値の変化を示すことが特定されたバイオマーカー対の相対的発現に関する定量データを少なくとも含む、試料に関連するデータセットを得ること、およびこのデータセットを、データセットを使用して妊娠女性の早産確率を決定するのに有用な結果を生成する分析プロセスに入力することにより、妊娠女性の早産確率を決定するのに有用な結果を生成するための方法を含む。以下にさらに記載する通り、定量的データは、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、ヌクレオチド、核酸、ヌクレオシド、糖、脂肪酸、ステロイド、代謝物、炭水化物、脂質、ホルモン、抗体、生物学的高分子のためのサロゲートとしての役割を果たす目的の領域、およびそれらの組合せを含むことができる。
0162
例えば、公共のデータベース、配列、または参考文献における受託番号により、本開示において特定された特定のバイオマーカーに加えて、本発明では、また、現在公知である、または後に発見される、本発明の方法のための有用性を有する例示の配列と少なくとも90%または少なくとも95%または少なくとも97%同一であるバイオマーカー変異体の使用が検討される。これらの変異体は、多型、スプライス変異体、突然変異などを示しうる。この点において、本明細書は、本発明の文脈において、複数の当技術分野において公知のタンパク質を開示し、1つまたは複数の公的データベースならびにこれらの当技術分野において公知のタンパク質に関連する公開された雑誌論文への例示的な参考文献に関連付けられた例示的な受託番号を提供する。しかし、当業者は、開示されたバイオマーカーの追加の特徴を提供できる、追加の受託番号および雑誌記事を簡単に特定でき、例示の参照は、開示されたバイオマーカーに関して決して限定的ではないことを理解する。本明細書に記載される通り、種々の技術および試薬では、本発明の方法における使用が見出される。本発明の文脈における適切な試料は、例えば、血液、血漿、血清、羊水、膣分泌物、唾液、および尿を含む。一部の実施形態において、生物学的試料は、全血、血漿、および血清からなる群から選択される。特定の実施形態において、生物学的試料は血清である。本明細書において記載する通り、バイオマーカーは、当技術分野において公知の種々のアッセイおよび技術を介して検出することができる。本明細書においてさらに記載される通り、そのようなアッセイは、非限定的に、質量分析(MS)ベースのアッセイ、抗体ベースのアッセイならびに両者の側面を組み合わせたアッセイを含む。
0163
本明細書に記述されている反転対の成分であるタンパク質バイオマーカーとしては、例えば、インスリン様成長因子結合タンパク質4(IBP4)、性ホルモン結合グロブリン(SHBG)、ビトロネクチン(VTNC)、群特異成分(ビタミンD結合タンパク質)(VTDB)、カテプシンD(リソソームアスパルチルプロテアーゼ)(CATD)、妊娠特異的ベータ−1−糖タンパク質2(PSG2)、インターアルファ−トリプシンインヒビター重鎖ファミリーメンバー4(ITIH4)、細胞接着分子L1様(CHL1)、補体成分1、QサブコンポーネントB鎖(C1QB)、フィビュリン3(FBLN3)、ヘモペキシン(HEMOまたはHPX)、インスリン様成長因子結合タンパク質6(IBP6)、プロスタグランジンD2シンターゼ21kDa(PTGDS)が挙げられる。
0164
一部の実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、図1を含む添付の図面および表のいずれかに列挙されている対を含む群から選択される、バイオマーカーの少なくとも1対の反転値を測定することを含む方法を提供する。
0165
一部の実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、HPX/PTGDSからなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも1対の反転値を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。
0166
本発明は、表26に示されている群から選択される単離されたバイオマーカーを提供する。本発明のバイオマーカーは、妊娠女性の早産リスクを予測することができる。一部の実施形態では、単離されたバイオマーカーは、IBP4、SHBG、VTNC、VTDB、CATD、PSG2、ITIH4、CHL1、C1QB、FBLN3、HPX、およびPTGDSからなる群から選択される。一部の実施形態では、単離されたバイオマーカーは、IBP4、SHBG、PSG3、LYAM1、IGF2、CLUS、IBP3、INHBC、PSG2、PEDF、CD14、およびAPOC3からなる群から選択される。
0167
本発明は、表26に示されている群から選択される単離されたバイオマーカーの代用ペプチドを提供する。一部の実施形態では、単離されたバイオマーカーの代用ペプチドは、表26に示されている代用ペプチドの群から選択される。本発明のバイオマーカーおよびそれらの代用ペプチドは、妊娠女性の早産リスクを予測するための方法に使用することができる。一部の実施形態では、代用ペプチドは、IBP4、SHBG、VTNC、VTDB、CATD、PSG2、ITIH4、CHL1、C1QB、FBLN3、HPX、およびPTGDSからなる群から選択される単離されたバイオマーカーに対応する。一部の実施形態では、代用ペプチドは、IBP4、SHBG、PSG3、LYAM1、IGF2、CLUS、IBP3、INHBC、PSG2、PEDF、CD14、およびAPOC3からなる群から選択される単離されたバイオマーカーに対応する。
0168
本発明は、表26に示されている群から選択される代用ペプチドに対応する安定同位体標識標準ペプチド(SISペプチド)を提供する。本発明のバイオマーカー、それらの代用ペプチド、およびSISペプチドは、妊娠女性の早産リスクを予測するための方法に使用することができる。一部の実施形態では、SISペプチドは、IBP4、SHBG、VTNC、VTDB、CATD、PSG2、ITIH4、CHL1、C1QB、FBLN3、HPX、およびPTGDSからなる群から選択される単離されたバイオマーカーの代用ペプチドに対応する。一部の実施形態では、SISペプチドは、IBP4、SHBG、PSG3、LYAM1、IGF2、CLUS、IBP3、INHBC、PSG2、PEDF、CD14、およびAPOC3からなる群から選択される単離されたバイオマーカーの代用ペプチドに対応する。
0169
一部の実施形態では、本発明は、満期対照と比較して早産リスクのある妊娠女性間で反転値の変化を示す単離されたバイオマーカーの対IBP4/SHBGを提供する。さらなる実施形態では、本発明は、満期対照と比較して早産リスクのある妊娠女性でより高い比を示す単離されたバイオマーカーの対IBP4/SHBGを提供する。
0170
一部の実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、およびCATD/SHBGからなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも1対の反転値を測定して、上記妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。追加の実施形態では、試料は、19〜21週のGABDで得られる。さらなる実施形態では、試料は、19〜22週のGABDで得られる。
0171
一部の実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、IBP4/SHBGの反転値を測定して、上記妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。追加の実施形態では、試料は、19〜21週のGABDで得られる。さらなる実施形態では、試料は、19〜22週のGABDで得られる。
0172
一部の実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、およびHPX/PTGDSからなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも1対の反転値を測定して、上記妊娠女性の早産確率を決定することを含み、妊娠女性と満期対照との間に反転値の変化が存在することが、妊娠女性の早産確率を決定する方法を提供する。追加の実施形態では、試料は、19〜21週のGABDで得られる。さらなる実施形態では、試料は、19〜22週のGABDで得られる。
0173
本発明の実施形態内には、妊娠女性の早産確率を決定するための反復方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、HPX/PTGDSからなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも1対、および本明細書に記載および/または例示されているタンパク質から選択される、バイオマーカーの任意の他の対の反転値を測定して、上記妊娠女性の早産確率を決定することを含み、妊娠女性と満期対照との間に反転値の変化が存在することが、妊娠女性の早産確率を決定する反復方法が含まれる。本明細書に記載の方法の反復実施は、単一試料から得られるその後の測定値、ならびにその後の試料を測定のために取得することを含む。例えば、リスクスコアとして表すことができる妊娠女性の早産確率が、指定されている値を超えていると決定される場合、上記方法を、同じ試料の異なる反転対、またはその後の試料の同じもしくは異なる反転対を繰り返し使用して、sPTBのリスクをさらに階層化することができる。
0174
特定のバイオマーカーに加えて、本開示は、さらに、例示の配列と約90%、約95%、または約97%同一であるバイオマーカー変異体を含む。変異体は、本明細書において使用される通り、多型、スプライス変異体、突然変異などを含む。反転値の変化は、タンパク質バイオマーカーを参照して説明されているが、バイオマーカーの対の、タンパク質発現レベルで特定してもよく、または遺伝子発現レベルで特定してもよい。
0175
追加のマーカーは、母体の特徴、病歴、過去の妊娠歴、および産科歴を含むが、これらに限定されない1つまたは複数のリスク兆候から選択することができる。そのような追加のマーカーは、例えば、以前の低出生体重または早期出産、複数の妊娠第2期自然流産、以前の妊娠第1期人工流産、家族性および世代間要因、不妊歴、未産、胎盤異常、子宮頸部および子宮の異常、短い子宮頸長の測定値、妊娠出血、子宮内発育制限、子宮内ジエチルスチルベストロール曝露、多胎妊娠、幼児の性別、低身長、低い妊娠前体重、低または高ボディ・マス・インデックス、糖尿病、高血圧、泌尿生殖器感染症(即ち、尿路感染症)、喘息、不安および抑うつ、喘息、高血圧、甲状腺機能低下症を含みうる。早産についての人口統計学的なリスク兆候は、例えば、母体年齢、人種/民族、単一婚姻状況、低い社会経済的地位、母体年齢、雇用関連の身体活動、職業曝露および環境曝露、ならびにストレスを含みうる。さらなるリスク兆候は、不適切な胎教、喫煙、マリファナおよび他の違法薬物の使用、コカイン使用、アルコール消費、カフェイン摂取、母体の体重増加、食事摂取、妊娠後期の間での性的活動、および余暇の身体活動を含みうる(Preterm
Birth: Causes, Consequences, and Prevention、Institute of Medicine (US) Committee on Understanding Premature Birth and Assuring Healthy Outcomes;Behrman RE、Butler AS編 Washington (DC):National Academies Press (US);2007年)。マーカーとして有用な追加のリスク兆候は、当技術分野において公知の学習アルゴリズム、例えば線形判別分析、サポートベクターマシン分類、再帰的特徴排除、マイクロアレイの予測分析、ロジスティック回帰、CART、FlexTree、LART、ランダムフォレスト、MART、および/または生存分析回帰を使用して特定することができ、それらは、当業者に公知であり、本明細書にさらに記載されている。
0176
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、その内容が他に明確に指示しない限り、複数の参照対象を含むことに留意しなければならない。このように、例えば、「バイオマーカー」への参照は、2個またはそれ超のバイオマーカーの混合物などを含む。
0178
添付の特許請求の範囲を含めた本願において使用する場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、その内容が他に明確に指示しない限り、複数の参照対象を含み、「少なくとも1つ」および「1つまたは複数」と互換的に使用される。
0179
本明細書において使用する場合、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「含有する(contains)」、「含有する(containing)」およびそれらの任意の変化形は、非排他的な包含を対象とすることを意図しており、エレメントまたはエレメントのリストを含む(comprises)、含む(includes)、または含む(contains)プロセス、方法、プロダクト・バイ・プロセス、または組成物は、それらのエレメントのみを含むわけではなく、そのようなプロセス、方法、プロダクト・バイ・プロセス、または組成物に明らかに列挙されていない、またはそれらに固有ではない他のエレメントを含みうる。
0180
本明細書において使用する場合、用語「パネル」は、1個または複数のバイオマーカーを含む組成物、例えばアレイまたはコレクションなどを指す。この用語は、また、本明細書において記載する1個または複数のバイオマーカーの発現パターンのプロファイルまたは指標を指しうる。バイオマーカーパネルのために有用なバイオマーカーの数は、バイオマーカー値の特定の組合せについての感度および特異度の値に基づく。
0181
本明細書で使用される場合、別様の指示がない限り、用語「単離された」および「精製された」は、一般的に、その天然環境(例えば、それが自然に存在する場合は、自然環境)から取り出されており、したがって、構造、機能、および特性の少なくとも1つに関して著しく異なる特徴を有するように、その天然状態から人為的に変更されている組成物を記述する。単離されたタンパク質または核酸は、それが自然界に存在する様式とは異なっており、合成ペプチドおよびタンパク質を含む。
0182
用語「バイオマーカー」は、生物学的分子、または生物学的分子の断片を指し、その変化および/または検出は、特定の身体条件または状態と相関しうる。用語「マーカー」および「バイオマーカー」は、本開示を通して互換的に使用される。例えば、本発明のバイオマーカーは、早産の増加した可能性と相関する。そのようなバイオマーカーは、任意の適切な分析物を含み、ヌクレオチド、核酸、ヌクレオシド、アミノ酸、糖、脂肪酸、ステロイド、代謝産物、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、炭水化物、脂質、ホルモン、抗体、生物学的高分子のためのサロゲートとしての役割を果たす目的の領域、およびそれらの組合せ(例えば、糖タンパク質、リボ核タンパク質、リポタンパク質)を含む生物学的分子を含むが、これらに限定されない。この用語は、また、生物学的分子の部分または断片、例えば、少なくとも5個の連続アミノ酸残基、少なくとも6個の連続アミノ酸残基、少なくとも7個の連続アミノ酸残基、少なくとも8個の連続アミノ酸残基、少なくとも9個の連続アミノ酸残基、少なくとも10個の連続アミノ酸残基、少なくとも11個の連続アミノ酸残基、少なくとも12個の連続アミノ酸残基、少なくとも13個の連続アミノ酸残基、少なくとも14個の連続アミノ酸残基、少なくとも15個の連続アミノ酸残基、少なくとも5個の連続アミノ酸残基、少なくとも16個の連続アミノ酸残基、少なくとも17個の連続アミノ酸残基、少なくとも18個の連続アミノ酸残基、少なくとも19個の連続アミノ酸残基、少なくとも20個の連続アミノ酸残基、少なくとも21個の連続アミノ酸残基、少なくとも22個の連続アミノ酸残基、少なくとも23個の連続アミノ酸残基、少なくとも24個の連続アミノ酸残基、少なくとも25個の連続アミノ酸残基、またはそれ超の連続アミノ酸残基を含むタンパク質またはポリペプチドのペプチド断片を包含する。
0183
本明細書で使用される場合、用語「代用ペプチド」は、MRMアッセイ構成で目的のバイオマーカーを定量化するための代用物としての役割を果たすように選択されているペプチドを指す。代用ペプチドの定量化は、MRM検出技法と共に、安定同位体標識標準代用ペプチド(「SIS代用ペプチド」または「SISペプチド」)を使用すると、最も良好に達成される。代用ペプチドは合成であってもよい。例えば、アルギニンまたはリジンが、またはMRMアッセイの内部標準としての役割を果たすペプチドのC末端の任意の他のアミノ酸が重標識されたSIS代用ペプチドを合成することができる。SIS代用ペプチドは、天然に存在するペプチドではなく、その天然に存在する相当物と比較して著しく異なる構造および特性を有する。
0184
一部の実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、HPX/PTGDSからなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも1対の比を測定して、上記妊娠女性の早産確率を決定することを含み、妊娠女性と満期対照との間に比の変化が存在することが、妊娠女性の早産確率を決定する方法を提供する。一部の実施形態では、比は、上方制御されたタンパク質を分子に含み、下方制御されたタンパク質を分母またはその両方に含んでいてもよい。例えば、本明細書で例示されているように、IBP4/SHBGは、分子の上方制御されたタンパク質および分母の下方制御されたタンパク質の比であり、本明細書では「反転」と定義されている。比が、上方制御されたタンパク質を分子に含むか、または下方制御されたタンパク質を分母に含む場合、調節されなかったタンパク質は、標準化役割を果たすだろう(例えば、分析前変動性または分析変動性を低減する)。比が「反転」である特定の場合、増幅および標準化の両方が可能である。本発明の方法は、反転のサブセットに制限されず、バイオマーカーの比も包含すると理解される。
0185
本明細書で使用される場合、用語「反転」は、下方制御された分析物の測定値に対する上方制御された分析物の測定値の比を指す。一部の実施形態では、分析物値それ自体が、本明細書では応答比または相対比と呼ばれる、対応する安定同位体標準分析物のピーク面積の比に対する内因性分析物のピーク面積の比である。
0186
本明細書で使用される場合、用語「反転対」は、比較されているクラス間の値の変化を示す、対をなすバイオマーカーを指す。タンパク質濃度または遺伝子発現レベルの反転を検出することにより、データ標準化または集団全体にわたる閾値確立の必要性が排除される。一部の実施形態では、反転対は、満期対照と比較して早産リスクのある妊娠女性間で反転値の変化を示す単離されたバイオマーカーの対IBP4/SHBGである。さらなる実施形態では、反転対IBP4/SHBGは、満期対照と比較して早産リスクのある妊娠女性でより高い比を示す。任意の反転対の定義内には、個々のバイオマーカーが分子と分母との間で交換されている対応する反転対が包含される。当業者であれば、そのような対応する反転対は、その予測力に関して等しく有益な情報をもたらすことを認識するだろう。
0187
用語「反転値」は、下方制御された分析物の相対的ピーク面積に対する上方制御された分析物の相対的ピーク面積の比を指し、変動性の標準化および診断シグナル増幅の両方の役割を果たす。狭域ウィンドウ内のあらゆる考え得る反転の中から、個々の単変量性能に基づいてサブセットを選択することができる。本明細書に開示されているように、本明細書では反転値と呼ばれる、下方制御されたバイオマーカーの相対的ピーク面積に対する上方制御されたバイオマーカーの相対的ピーク面積の比を使用して、ロバストで正確な分類器を特定し、早産確率を予測し、満期出産の確率を予測し、出産時妊娠期間(GAB)を予測し、出産までの時間を予測し、および/または妊娠女性の予防療法の進行をモニタリングすることができる。
0188
この反転法は、データ標準化に依存せず、過剰フィッティングの回避を支援し、診療所で簡単に実施される非常に単純な実験検査をもたらす、考え得る最も単純な分類器を提供するため有利である。本明細書に記載されているような、データ標準化に依存しない反転に基づくバイオマーカー対の使用は、臨床的に関連するPTBバイオマーカーを特定するための方法として、非常に高い能力を有する。任意の単一タンパク質の定量化は、測定変動性、通常の流動性、および基線発現の個々の関連するばらつきにより引き起こされる不確実性の影響下にあるため、協調的および系統的な調節下にあり得るマーカー対を特定することは、個別化された診断および予後のよりロバストな方法であることが証明されるはずである。
0189
本発明は、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、およびHPX/PTGDSからなる群から選択される、単離されたバイオマーカーの対を含む組成物であって、上記バイオマーカーの対が、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で反転値の変化を示す組成物を提供する。一実施形態では、組成物は、上記バイオマーカーの各々に由来する代用ペプチドの安定同位体標識標準ペプチド(SISペプチド)を含む。
0190
特定の実施形態では、本発明は、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で反転値の変化を示す、IBP4およびSHBGからなる単離されたバイオマーカーの対を提供する。
0191
IBP4は、インスリン様成長因子IGF1およびIGF2を負に制御するインスリン様成長因子結合タンパク質(IBP)のファミリーのメンバーである(Forbesら、Insulin-like growth factor I and II regulate the life cycle of trophoblast
in the developinghuman placenta.、Am J Physiol, Cell Physiol.、2008年;294巻(6号):C1313〜22頁)。IBP4は、合胞体栄養芽層(Crosleyら、IGFBP-4 and -5 are expressed in first-trimester villi and differentially regulate the migration ofHTR-8/SVneo cells.、Reprod Biol Endocrinol.、2014年;12巻(1号):123頁)により発現され、絨毛外栄養芽層により発現される支配的なIBPである(Qiuら、Significance of IGFBP-4 in the development of fetal growth restriction.、J Clin Endocrinol Metab.、2012年;97巻(8号):E1429〜39頁)。妊娠初期の母体IBP4レベルは、満期妊娠と比較して、胎児発育遅延および子癇前症を併発した妊娠においてより高い。(Qiuら、
上記、2012年)
0192
SHBGは、生物学的に活性な未結合ステロイドホルモンの利用能を制御する。Hammond GL.、Diverse roles for sex hormone-binding globulin in reproduction.、Biol Reprod.、2011年;85巻(3号):431〜41頁。血漿SHBGレベルは
、妊娠中に5〜10倍増加し(Anderson DC.、Sex-hormone-binding globulin.、Clin
Endocrinol (Oxf).、1974年;3巻(1号):69〜96頁)、胎盤栄養芽層細胞を含む肝外発現の証拠が存在する(Larreaら、Evidence that human placenta is a
site of sex hormone-binding globulin gene expression.、J Steroid Biochem Mol Biol.、1993年;46巻(4号):497〜505頁)。SHBGレベルは、生理学的に、トリグリセリドレベル、インスリンレベル、およびBMIと負に相関する(Simoら、Novel insights in SHBG regulation and clinical implications.、TrendsEndocrinol Metab.、2015年;26巻(7号):376〜83頁)。SHB
Gレベルに対するBMIの影響は、部分には、BMI階層化による予測性能の向上を説明することができる。
0193
羊水内感染症および炎症は、TNF−αおよびIL1−βを含む炎症促進性サイトカインのレベル増加を示すため、PTBと関連付けられている。(Mendelson CR. Minireview:fetal-maternal hormonal signaling in pregnancy and labor.、Mol Endocrinol.、2009年;23巻(7号):947〜54頁;Gomez-Lopezら、Immune cells
in term and preterm labor.、Cell Mol Immunol.、2014年;11巻(6号
):571〜81頁)。肝臓でのSHBG転写は、IL1−βおよびNF−kB媒介性TNF−αシグナル伝達(Simoら、Novel insights in SHBG regulation and clinical implications.、TrendsEndocrinol Metab.、2015年;26巻(7号):37
6〜83頁)、正常および異常陣痛の開始に関与する経路(Lindstrom TM、Bennett PR.、The role of nuclear factor kappa B in human labour.、Reproduction.、2005年;130巻(5号):569〜81頁)により抑制される。sPTBの運命にある女性のSHBGレベルが低いことは、感染症および/または炎症の結果である可能性がある。したがって、SHBGは、上流の炎症性シグナルに応答した、胎盤胎児ユニットでのアンドロゲンおよびエストロゲン作用の制御に重要であり得る。
0194
一実施形態では、本発明は、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、およびHPX/PTGDSからなる群から選択される、バイオマーカーの対に対応する代用ペプチドの対を含む組成物であって、上記バイオマーカーの対が、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で反転値の変化を示す組成物を提供する。
0195
さらなる実施形態では、本発明は、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、およびHPX/PTGDSからなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも2対のパネルであって、上記対が各々、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で反転値の変化を示すパネルを提供する。
0196
追加の実施形態では、本発明は、代用ペプチドの少なくとも2対のパネルであり、代用ペプチドの上記対が各々、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、およびHPX/PTGDSからなる群から選択される、バイオマーカーの対に対応するパネルであって、上記対が各々、早産リスクのある妊娠女性と満期対照との間で反転値の変化を示すパネルを提供する。
0197
一実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、およびHPX/PTGDSからなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも1対の反転値を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。
0198
別の実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、IBP4/SHBG、VTNC/VTDB、VTNC/SHBG、CATD/SHBG、PSG2/ITIH4、CHL1/ITIH4、PSG2/C1QB、PSG2/FBLN3、HPX/IBP4、およびHPX/PTGDSからなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも2対のパネルの反転値の変化を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、反転値は、妊娠女性と満期対照との間に反転値の変化が存在することを明らかにし、妊娠女性の早産確率を示す。一部の実施形態では、測定ステップは、妊娠女性から得られた生物学的試料中のバイオマーカーの代用ペプチドを測定することを含む。
0199
一実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、妊娠女性の表1〜77および図1〜111のいずれかに列挙されているバイオマーカーからなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも1対の反転値を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。
0200
追加の実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、妊娠女性の表27〜59、61〜72、76、および77に指定されているバイオマーカー対からなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも1対の反転値を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。
0201
さらなる実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、妊娠女性の表26に列挙されているバイオマーカーからなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも1対の反転値を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。
0202
別の実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、妊娠女性の表1〜77および図1〜111のいずれかに指定されているバイオマーカー対からなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも2対のパネルの反転値の変化を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、反転値は、妊娠女性と満期対照との間に反転値の変化が存在することを明らかにし、妊娠女性の早産確率を示す。一部の実施形態では、測定ステップは、妊娠女性から得られた生物学的試料中のバイオマーカーの代用ペプチドを測定することを含む。
0203
別の実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、妊娠女性の表27〜59、61〜72、76、および77に指定されているバイオマーカー対からなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも2対のパネルの反転値の変化を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、反転値は、妊娠女性と満期対照との間に反転値の変化が存在することを明らかにし、妊娠女性の早産確率を示す。一部の実施形態では、測定ステップは、妊娠女性から得られた生物学的試料中のバイオマーカーの代用ペプチドを測定することを含む。
0204
別の実施形態では、本発明は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法であって、妊娠女性から得られた生物学的試料中の、妊娠女性の表26に指定されているバイオマーカーからなる群から選択される、バイオマーカーの少なくとも2対のパネルの反転値の変化を測定して、妊娠女性の早産確率を決定することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、反転値は、妊娠女性と満期対照との間に反転値の変化が存在することを明らかにし、妊娠女性の早産確率を示す。一部の実施形態では、測定ステップは、妊娠女性から得られた生物学的試料中のバイオマーカーの代用ペプチドを測定することを含む。
0206
妊娠女性において早産についての確率を決定する方法を参照して記載および例示したが、本開示は、出生時の妊娠期間(GAB)を予測する方法、満期出産を予測するための方法、妊娠女性において満期出産の確率を決定するための方法、ならびに妊娠女性において出産までの時間(TTB)を予測する方法に、同様に適用可能である。上記方法の各々が、母体−胎児の健康上の考慮事項に関する特定の実質的な有用性および利益を有することが、当業者には明らかであろう。
0207
さらに、本開示は、妊娠女性の早産確率を決定するための方法を参照して記載および例示されているが、同様に、異常グルコース検査、妊娠糖尿病、高血圧症、子癇前症、子宮内胎児発育遅延、死産、胎児発育遅延、HELLP症候群、羊水過少(oligohyramnios)、絨毛羊膜炎、絨毛羊膜炎、前置胎盤、癒着胎盤(placental acreta)、剥離、早期剥
離胎盤、胎盤出血、予定日前の早期破水、早期陣痛、不利な子宮頚部、過期妊娠、胆石症、子宮過膨張(uterine over distention)、ストレスを予測するための方法に応用可
能である。下記でより詳細に記載されているように、本明細書に記載の分類器は、例えば、子癇前症または妊娠糖尿病等の状態に基づいて医学的に示されたPTBの成分に感受性である。
0208
一部の実施形態では、本開示は、ITIH4/CSHの使用により本明細書で例示されている、出産までの時間(TTB)の強力な予測因子であるバイオマーカー、バイオマーカー対、および/または反転を提供する(図10)。TTBは、GABDと出産時妊娠期間(GAB)との間の差として定義される。この発見は、個々にまたはそのような分析物の数学的な組合せのいずれかで、TTBまたはGABの予測を可能にする。症例対対照の差異を欠如するが、妊娠全体にわたって分析物強度の変化を示す分析物は、本発明の方法による妊娠時計に有用である。他の障害の早産の診断を行うことができない複数の分析物の較正を使用して、妊娠日数を決定することができる可能性がある。そのような妊娠時計は、別の測定による日数決定(例えば、最終月経および/または超音波による日数決定)を確認するために、または例えばsPTB、GAB、もしくはTTBを単独で事後におよびより正確に予測するために有用である。本明細書では「時計タンパク質」とも呼ばれるこうした分析物を、他の日数決定法を用いずにまたは他の日数決定法と共に使用して、妊娠日数を決定することができる。表60は、TTBおよびGABを予測するための本発明の妊娠時計に有用な時計タンパク質のリストを提供する。
0209
追加の実施形態において、妊娠女性において早産についての確率を決定する方法は、さらに、早産に関連する1つまたは複数のリスク兆候についての測定可能な特徴を検出することを包含する。追加の実施形態において、リスク兆候は、以前の低出生体重または早期出産、複数の妊娠第2期自然流産、以前の妊娠第1期人工流産、家族性および世代間要因、不妊歴、未産、妊婦、初妊婦、経産婦、胎盤異常、子宮頸部および子宮の異常、妊娠出血、子宮内発育制限、子宮内ジエチルスチルベストロール曝露、多胎妊娠、幼児の性別、低身長、低い妊娠前体重、低または高ボディ・マス・インデックス、糖尿病、高血圧、および泌尿生殖器感染症からなる群から選択される。
0210
「測定可能な特徴」は、対象において早産についての確率で決定することができ、それと相関させることができる任意の特徴、特徴、または態様である。この用語は、さらに、妊娠女性におけるGABの予測、満期出産の予測、または出産までの時間の予測との関連において決定することができ、それと相関させることができる任意の特徴、特徴、または態様を包含する。バイオマーカーについては、そのような測定可能な特徴は、例えば、生物学的試料におけるバイオマーカーまたはその断片の存在、非存在、もしくは濃度、変化した構造、例えば、翻訳後修飾の存在もしくは量、例えばバイオマーカーのアミノ酸配列上の1つまたは複数の位置での酸化など、または、例えば、出産予定日制御(term control)対象におけるバイオマーカーの立体構造と比較して変化した立体構造の存在、およ
び/または、1個を上回るバイオマーカーのプロファイルの一部としてのバイオマーカーの存在、量、もしくは変化した構造などを含みうる。
0211
バイオマーカーに加えて、測定可能な特徴は、さらに、例えば、母体の特徴、年齢、人種、民族、病歴、過去の妊娠歴、産科歴、を含む、リスク兆候を含みうる。リスク兆候については、測定可能な特徴は、例えば、以前の低出生体重または早期出産、複数の妊娠第2期自然流産、以前の妊娠第1期人工流産、家族性および世代間要因、不妊歴、未産、胎盤異常、子宮頸部および子宮の異常、短い子宮頸長の測定値、妊娠出血、子宮内発育制限、子宮内ジエチルスチルベストロール曝露、多胎妊娠、幼児の性別、低身長、低い妊娠前体重/低ボディ・マス・インデックス、糖尿病、高血圧、泌尿生殖器感染症、甲状腺機能低下症、喘息、低学業成績、喫煙、薬物使用、およびアルコール消費を含みうる。
0212
一部の実施形態では、本発明の方法は、体格指数(BMI)を算出することを含む。
0213
一部の実施形態において、早産の確率を決定するための開示方法は、質量分析、捕捉剤、またはそれらの組合せを使用して1個または複数のバイオマーカーを検出および/または定量化することを包含する。
0214
追加の実施形態において、妊娠女性において早産についての確率を決定する開示方法は、妊娠女性からの生物学的試料を用意する最初のステップを包含する。
0215
一部の実施形態において、妊娠女性において早産についての確率を決定する開示方法は、医療提供者に確率を連絡することを包含する。GABを予測する開示方法、満期出産を予測するための方法、妊娠女性において満期出産の確率を決定するための方法、ならびに妊娠女性において出産までの時間を断定する方法は、同様に、医療提供者に確率を連絡することを包含する。上記の通り、妊娠女性において早産についての確率を決定することを参照して記載および例示したが、本開示を通して記載した全ての実施形態は、GABを予測する方法、満期出産を予測するための方法、妊娠女性において満期出産の確率を決定するための方法、ならびに妊娠女性において出産までの時間を断定する方法に、同様に適用可能である。具体的には、早産についての方法を明らかに参照した、本願を通して挙げられるバイオマーカーおよびパネルは、GABを予測するための方法、満期出産を予測するための方法、妊娠女性において満期出産の確率を決定するための方法、ならびに妊娠女性において出産までの時間を断定する方法において使用することもできる。上記方法の各々が、母体−胎児の健康上の考慮事項に関する特定の実質的な有用性および利益を有することが、当業者には明らかであろう。
0216
追加の実施形態において、連絡によって、妊娠女性のために、その後の処置の決定を通知する。一部の実施形態において、妊娠女性において早産についての確率を決定する方法は、リスクスコアとして確率を表現する追加の特徴を包含する。
0217
本明細書で開示されている方法では、妊娠女性の早産確率を決定することは、出産時妊娠期間が既知である早産妊娠および満期妊娠のコホートの群から選択される単離されたバイオマーカーの比を測定することにより確率/リスク指標を形成することを含む初期ステップを包含する。個々の妊娠の場合、妊娠女性の早産確率を決定することは、確率/リスク指標を生成する初期ステップで使用したものと同じ測定方法を使用して、単離されたバイオマーカーの比を測定すること、および測定したリスク指標の比を比較して、個々の妊娠の個別化リスクを導出することを包含する。一実施形態では、早産リスク指標は、出産時妊娠期間が記録されている早産妊娠および満期妊娠のコホートでIBP4/SHBGの比を測定することにより形成される。その後、臨床業務では、個々の妊娠でのIBP4/SHBGの測定された比を、指標群でIBP4/SHBGを導出したのと同じ単離および測定技法を使用して指標と比較して、早産リスクを導出する。
0218
本明細書において使用する場合、用語「リスクスコア」は、妊娠女性から得られた生物学的試料中の1個または複数のバイオマーカーの量あるいは反転値を、妊娠女性のランダムプールから得られた生物学的試料から算出された1個または複数のバイオマーカーの平均量を表す標準スコアまたは基準スコアと比較することに基づいて割り当てることができるスコアを指す。一部の実施形態では、リスクスコアは、反転値、つまり個々のバイオマーカーの相対強度の比の対数として表される。当業者であれば、リスクスコアが、各種データ変換に基づいてならびに比自体として表すことができることを理解するだろう。さらに、特に反転対に関して、いかなる比は、分子および分母のバイオマーカーを交換しても同様に有用な情報をもたらすこと、または関連するデータ変換(例えば減算)が適用されることを、当業者であれば理解するだろう。バイオマーカーのレベルは妊娠を通して静的ではない可能性があるため、標準スコアまたは基準スコアは、試料が採取された時に妊娠女性のそれに対応する、妊娠時点について得られている必要がある。標準スコアまたは基準スコアを事前に決定し、予測モデル中に組み込むことができ、比較が、確率が対象について決定される毎に実際に実施するのではなく、間接的であるようにする。リスクスコアは、標準(例えば、番号)または閾値(例えば、グラフ上のライン)でありうる。リスクスコアの値は、妊娠女性のランダムプールから得られた生物学的試料から算出された1個または複数のバイオマーカーの平均量から上方または下方への逸脱と相関する。ある特定の実施形態において、リスクスコアが標準リスクスコアまたは基準リスクスコアよりも大きい場合、妊娠女性は、早産の増加した可能性を有する可能性がある。一部の実施形態において、妊娠女性のリスクスコアの大きさ、または基準リスクスコアを超える量は、その妊娠女性のリスクのレベルを示しうる、またはそれと相関しうる。
0219
本明細書で例示されているように、PreTRM(商標)分類器は、IBP4ペプチドトランジション(QCHPALDGQR_394.5_475.2)およびSHBGペプチドトランジション(IALGGLLFPASNLR_481.3_657.4)のSIS標準化強度の自然対数であると定義される。スコア=ln(P1n/P2n)であり、式中P1nおよびP2nは、それぞれIBP4およびSHBGトランジションのSIS標準化ピーク面積値である。SIS標準化は、対応するSISピーク面積で除算された内因性ピーク面積の相対比として定義される。例えば、P1n=P1e/P1SISであり、式中P1e=IBP4内因性トランジションピーク面積、およびP1SIS=IBP4 SISトランジションのピーク面積。PreTRM(商標)スコアの分布と、対応する有病率調整陽性予測値との関連性を特定することにより、sPTBの確率を、それらのスコアの決定に基づいて未知対象に割り当てることができる。この関係性または関連性は、図25に示されており、検査室測定を臨床予測に結び付けるものである。
0220
PreTRM(商標)分類器は、IBP4ペプチドトランジション(QCHPALDGQR_394.5_475.2)およびSHBGペプチドトランジション(IALGGLLFPASNLR_481.3_657.4)のSIS標準化強度の自然対数として定義されるが、本発明は、複数の反転を含む分類器も含む。性能向上は、1つを超える反転から形成される予測因子を構築することにより達成することができる。したがって、追加の実施形態では、本発明の方法は、例えば、別々のGABDウィンドウ、予定日前の早期破水(PPROM)対PPROMを伴わない早期陣痛(PTL)、胎児性別、初妊婦対経産婦について、強力な予測性能を示す複数の反転を含む。この実施形態は、妊娠期間範囲の初期(例えば、17〜19週)または後期(例えば、19〜21週)のいずれかで強力な予測性能を生成したいずれかの反転に関して、実施例10および表61に例示されている。例示されているように、複数の反転の組合せ(SumLog)から形成された予測因子の性能を、血液採取範囲全体にわたって評価し、個々の反転の対数値の合計(SumLog)から予測因子スコアを導出した。当業者であれば、他のモデル(例えば、ロジスティック回帰)を選択して、1つを超える反転から形成される予測因子を構築することができる。
0221
本発明の方法は、公知の臨床因子、例えば、血液採取期間、胎児性別、妊娠回数、ならびに任意の判別可能な患者特徴および/または本出願にわたって記載されている危険リスクに基づいて反転の1つまたはサブセットを選択する指標変数を含む分類器をさらに含む。この実施形態は、実施例10、表61〜64に例示されており、それらには、sPTB、PPROM、およびPTLの2つの異なる表現型の反転性能(17〜21週)が独立して例示されている。同様に、この実施形態は、実施例10、表76および77、ならびに図108および109に例示されており、それらには、sPTBの2つの異なる表現型である予定日前の早期破水(PPROM)およびPPROMを伴わない早期陣痛(PTL)の反転性能(19〜21週)が独立して例示されている。したがって、本発明の方法は、PPROMおよびPTLの独立予測因子を構築するために、または上記に記載のような単一予測因子の1つを超える反転の組合せを用いて性能を全体的に最大化にするために、反転を選択することを含む。この実施形態は、実施例10、表65〜68にさらに例示されており、それらには、2つの異なるタイプのsPTB、つまり初妊婦および経産婦の反転性能(17〜21週)が独立して例示されている。この実施形態は、実施例10、表69〜72および図106にさらに例示されており、それらには、胎児性別に基づく2つの異なるタイプのsPTBの反転性能(17〜21週)が独立して例示されている。本発明の方法は、PPROMおよびPTL、妊娠回数、ならびに胎児性別に関して例示されているが、GABD、または本明細書に記載のまたはそうでなければ当業者に公知の任意の公知の臨床因子/リスク因子に基づいて反転の1つまたはサブセットを選択する指標変数を含む分類器を含む。指標変数を含む分類器を有する代わりとして、本発明は、GABD、または本明細書に記載のまたはそうでなければ当業者に公知の任意の公知の臨床因子/リスク因子に基づいて妊婦のサブセットに適合する別々の分類器をさらに提供する。例えば、この実施形態は、各時間ウィンドウで最も性能のよい反転に基づく、連続および/または重複するGABDの時間ウィンドウのための別々の分類器を包含する。
0222
本明細書で例示されているように、特許請求されている方法の予測性能は、22kg/m2超のおよび37kg/m2と等しいかまたはそれ未満のBMI階層化で向上させることができる。したがって、一部の実施形態では、本発明の方法は、指定されているBMIを有する妊娠女性から得られた試料で実施してもよい。手短に言えば、BMIは、個体のキログラム重量を、メートルで表される高さの2乗で除算したものである。BMIは、体脂肪を直接的に測定するものではないが、皮下脂肪厚測定、生体電気インピーダンス法、デンシトメトリー(水面下体重測定)法、二重エネルギーX線吸収法(DXA)、および他の方法から得られる体脂肪のより直接的な測定値と、BMIが相関することを示す研究がある。さらに、BMIは、身体肥満のより直接的な尺度であるため、種々の代謝および疾患転帰と強く相関すると考えられる。一般的に、18.5未満のBMIを有する個体は、体重不足であるとみなされ、18.5またはそれ超から24.9までのBMIを有する個体は、標準体重であるとみなされ、25.0またはそれ超から29.9までのBMIを有する個体は、太り過ぎであるとみなされ、30.0またはそれ超のBMIを有する個体は、肥満であるとみなされる。一部の実施形態では、特許請求されている方法の予測性能は、18もしくはそれ超の、19もしくはそれ超の、20もしくはそれ超の、21もしくはそれ超の、22もしくはそれ超の、23もしくはそれ超の、24もしくはそれ超の、25もしくはそれ超の、26もしくはそれ超の、27もしくはそれ超の、28もしくはそれ超の、29もしくはそれ超の、または30もしくはそれ超のBMI階層化により向上させることができる。他の実施形態では、特許請求されている方法の予測性能は、18もしくはそれ未満の、19もしくはそれ未満の、20もしくはそれ未満の、21もしくはそれ未満の、22もしくはそれ未満の、23もしくはそれ未満の、24もしくはそれ未満の、25もしくはそれ未満の、26もしくはそれ未満の、27もしくはそれ未満の、28もしくはそれ未満の、29もしくはそれ未満の、または30もしくはそれ未満のBMI階層化により向上させることができる。
0223
本発明の文脈において、用語「生物学的試料」は、妊娠女性から採取された任意の試料を包含し、本明細書中に開示されるバイオマーカーの1個または複数を含む。本発明の文脈において適切な試料は、例えば、血液、血漿、血清、羊水、膣分泌物、唾液、および尿を含む。一部の実施形態において、生物学的試料は、全血、血漿、および血清からなる群から選択される。特定の実施形態において、生物学的試料は血清である。当業者により理解される通り、生物学的試料は、血液の任意の画分または成分、非限定的に、T細胞、単球、好中球、赤血球、血小板、および微小胞、例えばエキソソームおよびエキソソーム様小胞などを含みうる。特定の実施形態において、生物学的試料は血清である。